説明

高温環境への短期間露出用の空隙断熱体

電子回路用パッケージングシステムが提供される。電子回路は、基板上に配設することができ、基板は、パッケージングシステムの1つまたは複数の構成部品の中に入っていてもよく、あるいはその他の方法でそれらに取り囲まれてもよい。パッケージングシステムは、(i)基板を入れる、またはその他の方法で取り囲むことができる内部ハウジングと、(ii)今度はその領域内に内部ハウジングと基板の組合せを入れる、または取り囲む外部ハウジングと、(iii)電子回路と内部ハウジングと外部ハウジングの間に位置する1つまたは複数の間隙とを含むことができる。間隙は、流体または固体の断熱媒体で充填されてもよい。内部ハウジングと外部ハウジングと間隙の組合せにより、パッケージングシステムが高い温度に短期間露出されるときに、有害で破壊的な加熱の影響から電子回路を隔離することができ、それによって電子回路は、そのように露出される前、その間、その後に動作性を維持することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全般に電子回路のパッケージング(packaging)に関し、より詳細には、電子回路が、高い温度に短期間露出された後に動作を継続できるようになる電子回路のパッケージングに関する。本発明は、離着陸など航空機の使用中に短期間高温環境条件が存在する可能性がある、民間および/または軍用航空の応用分野で特に有用である。
【背景技術】
【0002】
増大する処理速度とより高い周波数の性能を含み、より小さなサイズとより複雑な電力の要求を有する、高性能な電子部品が発達するにつれて、相対的に、電子部品自身の内部に、高い内部温度が発生する可能性がある。マイクロプロセッサ、集積回路、および他の小さなフィーチャ(feature)の電気構成部品およびシステムが他の機器内に組み込まれる、またはそれと並んで配置されると、この高い内部温度がさらに悪化する恐れがある。
【0003】
大抵のマイクロプロセッサ、集積回路および他の高性能な電子部品は一般に、ある範囲の閾値温度下でのみ効率的に動作する。閾値温度範囲の大半は、電気構成部品の内部温度および他の周囲電子回路の輻射温度で使い尽くされる。多くの現代の電子回路は約80〜100℃の外部温度で問題を示し始め、わずか100℃より上の温度で機能しなくなり始める。その結果、電気構成部品に作用する追加の環境温度条件により、構成部品温度が動作閾値よりも上に引き上げられる可能性があることによって、残念なことに、多くの、望ましいが、厳しい環境条件の位置における電子回路の使用が制限される。
【0004】
これらの構成部品の動作中に生じる、または加えられる過剰な熱は、それ自身の性能に悪影響を与えるだけでなく、かかる構成部品を含むシステム全体の機能停止のところまで性能および信頼性を低下させる恐れがある。電子システムが動作することが期待される、極端な温度を含む、ますます広がる環境条件の範囲は、上記の悪影響を強める。例えば、電子部品の温度が、短時間でも動作可能な閾値温度より上になると、シリコンデバイスの接合点が不良になる恐れがあり、それによって半田パッドが望ましくない冷接合(cold solder joint)を引き起こし始め、それによってサーミスタおよび他の温度感知構成素子が移動し、電子回路が動作不能になる恐れがある。ならびに、プリント回路基板およびその材料が展性を有するようになり、損傷を受け易くなり、他の電気機械的故障が生じる恐れがある。
【0005】
超小型電子デバイスを厳しい環境条件下で使用する必要性が増加するにつれて、温度管理が、ますます重要な電子製品設計要素になる。述べたとおり、電子装置の性能信頼性も平均寿命も、その装置の構成部品温度と反比例の関係にある。例えば、典型的なシリコン半導体などのデバイスの動作温度を低減させると、それに対応してデバイスの信頼性および平均寿命が指数関数的に増加する可能性がある。したがって、構成部品の寿命および信頼性を最大にするには、設計者によって設定された限界内でデバイス動作温度を制御することが極めて重要である。
【0006】
多くの従来のデバイスおよびシステムは、内部の放熱および外部から加えられた熱の悪影響に対処するために、ヒートシンク(heat sinks;脱熱器)を使用している。ヒートシンクは、発熱する電子部品などの熱源の表面から、より冷えた環境(通常は空気)へ放熱し易くする構成部品である。ヒートシンクの主目的は、その設計者および/または製造業者によって指定された最大許容温度より下にデバイス温度を維持する助けとなることである。
【0007】
しかし、ヒートシンクの使用には限界がある。まず、ヒートシンクは、主に、空気と直接接する表面積を増やすことによって構成部品と周囲空気の間の熱伝導率を増やそうとするので、大型になる可能性がある。多くの応用例では、ヒートシンクは、その表面積を増やして、放熱を電子部品からヒートシンクを介して空気までもたらすために、フィンまたはその他の構造で形成される。ヒートシンクおよび他の関連する電子回路のサイズの制約によって、電子パッケージングの縮小が強く制限されるので、小さな場所への電子回路の配置が妨げられる。
【0008】
次いで、ヒートシンクから空気への熱伝導は効率が悪いので、ヒートシンクが反応し得る前に、下にある電子回路に損傷が生じることがある。さらに、ヒートシンクは、外部温度が下にある回路の内部熱より非常に高いと、動作回路に熱を実際に伝達することもある。そしてかかるヒートシンクに外部温度が加わるときには、ヒートシンクの熱伝導により、回路への熱の伝達が遅延することもある。したがって、下にある回路を保護するために使用される外部温度センサのあらゆる潜在的な利点が妨げられる可能性がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、必要なものは、破壊的な高い温度環境に短期間露出されることから電子デバイスまたはアセンブリを保護または保つための、中にある電子部品のサイズ、重さ、コスト、保守性および信頼性に有害な制限を加えない装置または方法である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
基板上に配設することができる、電子回路のためのパッケージングシステムが提供される。このパッケージングシステムは、(i)基板を取り囲むことができる内部ハウジングと、(ii)内部ハウジングおよび基板の組合せを取り囲むことができる外部ハウジングと、(iii)内部ハウジングと外部ハウジングの間に配置された間隙との組合せを含む。この間隙は、空気などの断熱媒体で充填することができる。パッケージングシステムが高い温度に短期間露出されている間およびその後、内部ハウジング、外部ハウジング、および間隙の組合せによって、電子回路は動作性を維持する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
添付図面と併せて例示的実施形態を以下に説明する。様々な図において、同じ参照番号は同じ要素を表す。以下の詳細な説明には、本発明の完全な理解をもたらすために、多数の具体的な詳細が記載されている。しかし、これらの具体的な詳細がなくても本発明を実施できることが理解されよう。その他の場合には、本発明を曖昧にしないように、周知の方法、手順、構成部品および回路は詳細に説明しなかった。さらに、ここで開示する本明細書において好ましい実施形態は、例示のためだけのものであり、他の実施形態を、ここで開示する実施形態の代わりに、またはそれと組み合わせて用いることができる。
【0012】
1.構造の例
図1は、例示的実施形態によるパッケージングシステムを組み込んだ、電子モジュール100の等角図を示している。図1に示す例示的電子モジュール100は、パッケージングシステム102と、パッケージングシステム102を航空機などの外部装置に取り付けるための取り付けハードウェア104とを含む。電子モジュール100は、ターミネーションケーブル106も含む。ターミネーションケーブル106は、パッケージングシステム102の中に入った電子回路108をコントローラなどの外部機器に電気的に結合することができる。このコントローラは、航空機上に配置し取り付ける、かつ/またはその他の方法で固定することができる。
【0013】
電子回路108は、ベースすなわち基板110上に配設することができ、基板110は、パッケージングシステム102の1つまたは複数の構成部品の中に入っていてもよく、あるいはその他の方法でそれらに取り囲まれてもよい。一実施形態では、パッケージングシステム102は、(i)その領域内に基板110を入れる、またはその他の方法で取り囲むことができる内部ハウジング112と、(ii)今度はその領域内に内部ハウジング112と基板110の組合せを入れる、または取り囲む外部ハウジング114と、(iii)内部ハウジング112と外部ハウジング114の間に位置する間隙116とを含むことができる。間隙116は、空気などの断熱媒体で充填してもよい。内部ハウジング112と外部ハウジング114と間隙116の組合せにより、パッケージングシステム102が高い温度(例えば425℃)に短期間(例えば、5〜15秒)露出されるときに、有害で破壊的な加熱効果から電子回路108を隔離することができ、それによって電子回路108は、そのように露出される前、その間、その後に動作性を維持することができる。
【0014】
図2は、図1に示した電子モジュール100の分解図を示す。図2を参照すると、基板110は、シリコン、セラミック、回路基板材料(例えばFR4/Gl0)、フレックステープ、および/または電子回路108をその上に形成、蒸着かつ/または成長させることができる他の任意のベースから、製作することができる。図2の例示的形態に示すように、基板は、両面基板、多層基板、プリント回路基板でもよい。
【0015】
電子回路108は、マイクロプロセッサ回路、無線周波数回路、電源回路、レギュレータ回路、感知回路、およびその他の集積回路、モノリシック回路、および/またはディスクリート回路を含む、任意のタイプの電子回路でよい。例示的一実施形態では、電子回路108は、金属製の物体の存在および/または電子モジュール100からの間隔を検出するように配置することができる、近接感知回路およびそれに関連する機能調整電子部品を含むことができる。
【0016】
電子回路108には例えば、1つまたは複数の(i)実際の検出を行い、応答感知信号(例えば、在/不在の離散的信号または間隔検出測定値のアナログ/比例信号)を提供する近接感知素子と、(ii)電子モジュール100の温度によって変動する近接感知素子の出力を安定させるために、温度効果を最小限にし、かつ/または除去するための温度補償素子と、(iii)感知信号を増幅し、フィルタをかけるための増幅素子とが含まれてもよい。このタイプの電子回路は、格納庫扉の存在(またはその欠落)を感知して、離陸および着陸のための格納庫扉の位置(例えば、開または閉)を決定するために、航空機の車輪格納庫内に配置することができる。
【0017】
磁気抵抗感知素子、電位差測定感知素子および超音波感知素子などの他の感知素子が、例示的な近接感知素子の代わりに、またはそれに加えて使用されてもよい。そのような他の感知回路が使用される場合、電子回路108は、感知素子に見合うように追加の機能調整回路および/または異なる機能調整回路を含むことができる。あるいは、電子回路108は、感知素子だけを含んでもよく、感知素子によって生成された感知信号は、機能調整回路が存在する遠隔位置まで送られる。他の構成も可能である。
【0018】
再び図2を参照すると、内部ハウジング112は、内部ハウジングの空洞120を画成している。内部ハウジングの空洞120の領域は、基板110と電子回路108の組合せを中に入れるために使用される。
【0019】
内部ハウジング112は、様々な材料から製作することができる。これらの材料は、プラスチック、セラミック、または金属製の材料、アマルガムおよびその組合せ、および低い熱伝導率を有する他の材料を含むことができる。内部ハウジング112は、成型、鋳造、機械加工、打抜き加工、および/または他の形成技術などの周知の製作プロセスを使用して、様々な構造に形成することができる。例示的一実施形態では、内部ハウジング112は、摂氏209度(℃)以上の成型後融点を有する熱可塑性の、射出成型された20%ガラス入りの低粘性ポリエーテルイミドから製作される。
【0020】
表1は、内部ハウジング112を製作するのに使用することができる、例示的熱可塑性材の未加工形態(raw-form)特性を示す。これらの特性は、例示的な目的のためだけに示される。同様または異なる特性を有する他の材料も使用することができる。さらに、射出成型に加えて、あるいはその代わりに他の成型/製作プロセスを使用することもできる。
【0021】
【表1】

【0022】
内部ハウジング112は、その形状について様々な構造をとることができるが、図2に示す例示的な円筒形に形成されてもよい。円筒形の内部ハウジング112は、近位端122および遠位端124を有してもよい。内部ハウジング空洞120の開口が、近位端122のところにあってもよい。円筒形の内部ハウジング112は、内側表面126および外側表面128も含む。内部ハウジング112を外部ハウジング114から分離するために、1つまたは複数の突出部が外側表面128上に配設されている。内部ハウジング112が外部ハウジング114の中に入っている、あるいはその他の方法でそれに取り囲まれているときに、突出部は外部ハウジング114の内側表面130と接触することができる。
【0023】
サイズ、形状、および突出部の数は、外部ハウジング114(および電子モジュール100)が高い温度に短期間露出されているときに外部ハウジング114から発する熱の伝導を低減するように変動することができる。しかし、突出部のフィーチャサイズ、形状とその数は相互に関連付けることができる。したがって、これらの特性の1つを変更すると、別のものを変更する必要がある場合があるということを意味し得る。
【0024】
例えば、例示的一実施形態では、各突出部のフィーチャサイズは、外部ハウジング114からの熱の伝導を低減するために最小にすることができ、各突出部の形状は、外部ハウジング114との接触領域を最小にするために熱を分散するように選択することができる。しかしそうすると、突出部の数が、より大きいフィーチャサイズを有する他の実施形態の突出部の数より大きくなる可能性がある。
【0025】
あるいは、突出部のサイズ、形状、および数は、内部ハウジング112と外部ハウジング114の間の構造上の分離と、熱伝導の低減とのバランスをとるように変動してもよい。突出部のサイズ、形状、および数は、他の理由のために変動することもできる(例えば、製造のコストおよび複雑さ)。
【0026】
図2に示す円筒形の内部ハウジング112構造の例では、突出部は、(i)遠位端124に配置された1つまたは複数の第1の台座(スタンドオフとも呼ばれる)132と、(ii)遠位端124のところ、またはその近くの外側表面128の周囲に軸方向に配置された、1つまたは複数の第2の台座134(A〜B)と、(iii)近位端122のところ、またはその近くの外側表面128の周囲に径方向に配置された、1つまたは複数のリング135(A〜C)とを含む。
【0027】
複数のスタンドオフを配置する実施形態では、第1の台座132および第2の台座134(A〜B)は、外側表面128の周囲にわたって均等に隔置することができる。この第1の台座132および第2の台座134(A〜B)は、遠位端124と内部ハウジング112の外側表面128の円筒形部分との間の境界面で交わることができ、それによって連続した台座を形成することができる。
【0028】
内部ハウジング112と同様に、外部ハウジング114は、様々な材料から製作することができる。これらの材料は、金属、プラスチック、またはセラミック、および/または他の材料、アマルガムおよびその組合せを含んでもよい。外部ハウジング114は、成型、鋳造、機械加工、打抜き加工、および/または他の形成技術などの周知の製作プロセスを使用して、様々な構造に形成することができる。これらの様々な構造は、内部ハウジング112の形状を模倣してもよく、あるいはしなくてもよい。
【0029】
例示的一実施形態では、外部ハウジング材料は、セラミックなどの低い熱伝導率を有する材料のグループから選択される。このような選択によって、厳しい環境条件に対する耐性、ならびに電子モジュール100のための取り付け位置の同種および異種の材料との材料適合性に加えて、高い温度に対する断熱バリアがもたらされ得る。ただし、その脆い特性のため、セラミック製の外部ハウジングは、応用の可能性の幅を限定されることがある。
【0030】
他の例示的実施形態では、外部ハウジング114は、アルミニウムまたはステンレス鋼などのより高い熱伝導率を有する材料から機械加工される。これらの材料は、上記の基準に加えて構造的剛性などの利益をもたらすことができる。構造的剛性の利益を収めることができるのは、取り付け位置および航空機の動作によって、かかる基準を必要とする可能性がある電子モジュール100上に物理的応力がかかる、民間および軍用航空機用途である。
【0031】
かかる例示的一実施形態では、外部ハウジング114は、ステンレス鋼ロッドから機械加工される。表2は、この例示的外部ハウジングの特性を示す。この特性は、例示的な目的のためだけに示される。同様または異なる特性を有する他の材料も使用することができる。
【0032】
【表2】

【0033】
図2に示す例示的実施形態では、外部ハウジング114は円筒形である。円筒形の外部ハウジングは、外側表面138、遠位端140および近位端142を有する。内部ハウジング112と同様に、外部ハウジング114は、空洞136(「外部ハウジングの空洞」)を画成する。外部ハウジングの空洞136は、内部ハウジング112をその中に入れる、またはその他の方法で取り囲むように形成される。外部ハウジング114は、例えば、内部ハウジング112の周りに外部ハウジング114を成型するなど、内部ハウジング112の周りに直接形成されてもよい。
【0034】
あるいは、外部ハウジング空洞136は、開口と共に形成されてもよい。外部ハウジングの空洞136の開口は、外部ハウジング114の近位端142に配置することができる。したがって、内部ハウジング112は、内部ハウジング112および外部ハウジング114が共軸の配置にあるように、この開口を通って(例えば、プレス)外部ハウジングの空洞136に挿入されてもよい。挿入されると、内部ハウジング112の突出部または内部ハウジング自身112は、外部ハウジング空洞136と、隙間嵌め、滑り嵌め、または締まり嵌めの状態にすることができる。
【0035】
図2に示す例示的実施形態では、外部ハウジング空洞136は同様に円筒形に形成することができる。したがって、内部ハウジング112が外部ハウジングの空洞136内に挿入されるとき、(i)第1の台座の一部またはすべてがその遠位端144に接触することができ、(ii)第2の台座の一部またはすべてが、リング135(A〜C)の一部またはすべてと共にその内側表面130に接触することができる。
【0036】
図1および図2を併せて参照すると、断熱媒体で充填することができる間隙116が、内部ハウジング112と外部ハウジング114の間に配設されている。断熱媒体は、例えば、空気などの流体、セラミックなどの固体、または流体および固体のある組合せでもよい。この間隙116は、様々な構造に形成することができ、各構造は、断熱媒体を保有するための潜在的に異なる容積を有する様々な物理的大きさ(例えば、長さ、幅、高さ)を有する。
【0037】
ある構造の例では、間隙116は、内部ハウジング112が外部ハウジング114の内部に入った後に、円筒形の外部ハウジングの空洞136と内部ハウジング112の外側表面128の間に配設される。間隙116の境界は、外部ハウジング114から内部ハウジング112を分離することによって画定することができ、これは(i)第1の台座132が外部ハウジング空洞136の遠位端144と接触し、(ii)第2の台座134(A〜B)が外部ハウジングの空洞136の内側表面130に接触し、(iii)リング135(A〜C)が外部ハウジングの空洞136の内側表面130と接触した結果生じる。
【0038】
上記のように、突出部(例えば、第1の台座132、第2の台座134(A〜B)およびリング135(A〜C))のサイズ、形状および数は変動してもよく、これによって、間隙116のサイズおよび形状が変動することもある。これらの変形形態は、高い温度に短期間露出されているときに温度の悪条件から断熱電子回路を隔離するために、ハウジング114からの熱の伝導を低減するように、かつ/または内部ハウジング112と外部ハウジング114の間の構造的な分離のバランスをとるように配置することができる。
【0039】
間隙116のサイズおよび形状には、断熱媒体のタイプも影響を及ぼしている。例えば、断熱媒体が低い熱伝導率を有する場合は、低い熱伝導率の断熱媒体の量(例えば、容積)は、高い熱伝導率を有する断熱媒体より少なくてよい。したがって、この例の場合では、間隙116(すなわち内部ハウジングと外部ハウジングの間の分離)のサイズおよび形状は、媒体の熱伝導率のタイプに従って、スライド式のスケールに沿って変化することができる。このスケールに沿って、断熱媒体が低い熱伝導率を有するときはより小さい間隙116を使用することができ、断熱媒体が高い熱伝導率を有するときはより大きい分離を使用することができる。さらに、内部ハウジング112および外部ハウジング114を構成する材料も、間隙116のサイズ、形状に影響を及ぼす可能性がある。
【0040】
以下の表3は、内部ハウジング112、外部ハウジング114、および間隙116の、寸法および材料の例を示す。これらの寸法は、例示的な目的のためだけに示される。同様または異なる寸法を有する他の構造も使用することができる。
【0041】
【表3】

【0042】
内部ハウジング112および外部ハウジング114に加えて、電磁妨害および無線周波妨害シールド150(EMI/RFIシールド)もまた、パッケージングシステム102内に含まれてもよい。EMIおよびRFIは、システム内に電気的障害を引き起こす。こういった障害は、自然現象、電気機械式機器からの低周波または他の電子デバイスからの高周波(RF1)によるものである。一般的に、EMI/RFIの許容限界は、連邦通信委員会(Federal Communication Commission)または他の管理機関によって定められる。多くの電子サブシステムが入り混じった航空機などの大規模なシステムでは、EMI/RFIノイズによって電子モジュール100内部に含まれた電子回路に支障が生じ、あるいは望ましくない影響が引き起こされる恐れがある。EMIを低減または除去するために、EMIシールド150などのEMIシールドを含むことができる。
【0043】
EMIシールド150は、様々な材料から製作することができる。これらの材料は、様々な導電性のある金属、積層板、アマルガムおよびその組合せを含むことができる。一般的に、EMI/RFIシールド150は、電子回路108の接地ノードに接続され、望ましくないEMI/RFIをそのノードへ逃がす。
【0044】
シールド積層板は、プラスチック製の断熱フィルムと結合された金属箔からなり得る。これらの部品は、アクリル系接着剤を使用して加圧下で接合される。この箔はシールド特性をもたらし、絶縁体は、構成部品または回路基板とのあらゆる電気的短絡を防止する。絶縁体は、最終的なデザインに剛性を追加する。材料は、シールドの形態、嵌め合いおよび機能に基づき選択することができる。これらのシールドは、様々な形状およびサイズに設計、製造することができる。
【0045】
あるいは、EMI/RFIシールド150は、打抜き加工された鋼鉄、銅、アルミニウム、および/または他の電気的導電性材料から形成してもよい。EMI/RFIシールド150は、シールド材料が電子回路に短絡しないように、内部ハウジング112内に成型、または設計することができる。例えば、EMI/RFIシールド150または電子回路は、電子回路と電気的に短絡しないように、噴霧、またはその他の方法で断熱被膜でコーティングすることができる。EMI/RFIシールド150は、上記の材料に限定されず、同様または異なる特性を有する他の材料も使用することができる。さらに、打抜き加工および成型に加えて、あるいはその代わりに、他の製作プロセスを使用してもよい。
【0046】
EMI/RFIシールド150は、図2に示すように例示的円筒形に形成することができる。円筒形のEMI/RFIシールド150は、近位端および遠位端を有することができる。基板110を受け入れるための開口が、EMI/RFIシールド150の近位端にあってよい。円筒形のFMI/RFIシールド150はまた、内側表面および外側表面も有する。組み立てるときは、EMI/RFIシールド150の内側表面および外側表面は、それぞれ基板110および内部ハウジングの空洞120と、隙間嵌め、滑り嵌め、または締まり嵌めの状態にすることができる。他の構造も可能である。
【0047】
内部ハウジング112を直接基板110と電子回路108の組合せを覆って成型する場合のように、その組合せを内部ハウジング112が密封していないならば、第2の間隙117を基板110と内部ハウジングの空洞120の間に配置することができる。この第2の間隙117は、断熱媒体で充填されることができる。間隙116と同様に、断熱媒体は、空気などの流体、硬化したシリコーン接着剤などの固体、または流体と固体のいくつかの組合せでもよい。第2の間隙117は、間隙116に加えて、またはその代わりに配置されることができる。
【0048】
やはり、図2にシーリングシステム160が示されている。シーリングシステム160は、内部ハウジングの空洞120内部に基板を、かつ内部ハウジング122および外部ハウジング142の各近位端を密封するが、ターミネーションケーブル106を外界へ貫通させる、1つまたは複数の密封機構を含むことができる。例示的実施形態では、シーリングシステム160は、ワッシャ162、グロメット164、およびブッシング166を含む。
【0049】
ワッシャ162、グロメット164、およびブッシング166の材料は、(i)基板110と内部ハウジング112の間、(ii)内部ハウジング112と外部ハウジング114の間、および(iii)ターミネーションケーブル106とシーリングシステム160の間の、形態および嵌め合いに基づいて選択することができる。例示的実施形態では、ワッシャ162はステンレス鋼から製作することができ、グロメット164はシリコンまたはシリコンゴムアマルガムから製作することができ、ブッシング166はステンレス鋼から製作することができる。他の材料が使用されてもよい。
【0050】
2.電子モジュールのアセンブリの例
図3は、図1および図2に示されている電子モジュール100を、例示的実施形態に従って組み立てるためのフローチャート300を示す。電子モジュール100を組み立てるための以下の説明は、図2に示されている構成部品の参照番号を使用する。
【0051】
図3を参照すると、ブロック310では、シーリングシステム160が組み立てられ、あるいはその他の方法で配置され、ターミネーションケーブル106を覆う。これには、後のシーリングに含むために、ターミネーションケーブル106をワッシャ162、グロメット164、およびブッシング166の中を通して緩く挿入する必要がある。
【0052】
ブロック312では、ターミネーションケーブル106は組み立てられ、基板110と結合される。例示的実施形態では、ターミネーションケーブル106は、基板に半田付けされるときに張力を緩和するのに十分な長さのケーブルを残して、基板110(例えば、プリント回路基板)の中を通して送られる。ターミネーションケーブル106は、基板110とターミネーションケーブル106の境界面にある半田接合に影響を及ぼす恐れのある、振動、熱による膨張、および他の機械的応力から保護するように、基板110の中を通して送られてもよい。ターミネーションケーブルは、他の方法で組み立てられ、基板に結合されてもよい。
【0053】
ブロック314では、EMI/RFIシールド150を組み立てて基板110を覆い、それに結合することができる。これには、基板110を覆ってEMI/RFIシールド150を配置し、そのシールドを基板110上の接地ノードに半田付けする必要があってもよい。上記のように、EMI/RFIシールド150は、内部ハウジング112内に成型されてもよく、あるいはその他の方法で組み込まれてもよい。したがって、このステップは省略されてもよいが、EMI/RFIシールド150はやはり、基板110が内部ハウジング112内に挿入される、あるいはその他の方法でその中に入っているときに、基板110に接続される必要があり得る。
【0054】
ブロック316では、基板110が、内部ハウジング112内に挿入される、あるいはその他の方法でその中に入れられる。この組立ては、機械的に有利な(例えば、梃子)、油圧、または空圧プレス機、および/または他の挿入工具またはツーリングを使用して実行することができる。EMI/RFIシールド150が組み立てられ、基板110に結合される場合は、この組合せを内部ハウジングの空洞120内に挿入することができる。実際には、EMI/RFIシールド150と基板110の組合せは、内部ハウジングの空洞120の内側表面126と滑り嵌めから締まり嵌めの状態にある。
【0055】
この組合せを内部ハウジングの空洞120内に挿入または「プレス」するには、取り付けを容易にし、環境危険から電子回路を保護するために、温度硬化型シリコン製保護用ゲルなどの潤滑シーリング材を内側表面126上ならびに基板110一面に使用することができる。EMI/RFIシールドが内部ハウジング112の中に成型される、あるいはその他の方法でその中に入っているかどうかに係わらず、基板110を内部ハウジングの空洞120内に挿入するときに、かかる潤滑剤を使用することができる。
【0056】
この例示的構造では、第2の間隙117が、基板110と内部ハウジングの空洞120との間に配置され、配設される。この第2の間隙117は、空気と、不十分な量の硬化型シリコーン接着剤との組合せで充填することができる。必要に応じて、真空チャンバ内で基板110と電子回路108の組合せを内部ハウジング112内に組み立ててもよく、それによって第2の間隙117が挿入され密封されると、第2の間隙117は硬化型接着剤と真空の組合せを含むことができる。第2の間隙117を配置するときに、内部ハウジング112、外部ハウジング114、間隙116および/または第2の間隙117の組合せが電子回路を隔離することができ、それによって電子回路108は、パッケージングシステム102が高い温度に短期間露出される前、その間およびその後に、動作性を維持することができる。
【0057】
ブロック318では、内部ハウジング112が、共軸方向に外部ハウジング114の中に入れられる、あるいはその他の方法で挿入される。実際には、内部ハウジング112は、梃子の利点をもった、油圧および/または空圧プレス機を使用して、内部ハウジング112の突出部が、外部ハウジングの空洞142の内側表面130と滑り嵌めから締まり嵌めの状態になるように、外部ハウジング114内に機械的に「プレス」される。基板110を内部ハウジングの空洞126へ挿入するプロセスと同様に、外部ハウジングの空洞142内への内部ハウジング112の取り付けを容易にするために、シリコーンゲルなどの潤滑剤を使用することができる。上記のように、潤滑剤は、外部ハウジングの空洞142の内側表面130上および/または内部ハウジングの外側表面128上にも使用することができる。
【0058】
ブロック320では、内部ハウジング112を外部ハウジング114内に挿入した後、シーリングシステム160を所定の位置に組み立てることができる。シーリングシステム160を組み立てる際、ワッシャ162を押し込み、内部ハウジングの空洞120の近位端122および/または外部ハウジング114の内側表面130に突き当てて接着する(例えば接着剤または熱融解処理を使用して)ことによって、あるいは他の密封機構によって、基板110と電子回路108の組合せを内部ハウジングの空洞122内に密封することができるが、ターミネーションケーブルは密封しない。上記のように、これは真空下で行うことができる。あるいは、シーリングシステム160の部分は、基板100と電子回路の組合せを内部ハウジングの空洞120内に密封するブロック316のところで配置されていてもよい。
【0059】
基板110と電子回路の組合せを密封した後、グロメット164およびブッシング166を、硬化型接着剤(例えば、高温硬化型エポキシ樹脂)と共に外部ハウジング114の近位端142内にプレス、またはその他の方法で挿入することができる。そのような構造では、リング135(A〜C)は、外部ハウジング114の内側表面130に対して滑り締めまたは締まり嵌めの状態にするのが有利である。これによって、時間硬化および/または温度硬化中、粘着阻害物質が排除されるときに、硬化型接着剤が間隙116内に流れ込まないようにすることができる。ワッシャ162と同様に、グロメット164およびブッシング166は、内部ハウジング122および外部ハウジング142の各近位端を共に密封することができるが、ターミネーションケーブル106を通過させる。
【0060】
シーリングシステム160を上記のように組み立てる際は、間隙116は、内部ハウジング112の外側表面128と外部ハウジング114の内側表面130の間に配置され配設され、空気と、硬化型シリコーンパッシベーションの不十分なトランスで充填してもよい。ただし、必要に応じて、内部ハウジング112、外部ハウジング114、および基板110の組合せに対するシーリングシステム160の組立ては、真空チャンバ内で行うことができ、それによって間隙116が挿入され密封されると、間隙116は排気され、真空を有することができる。
【0061】
(i)内部ハウジング112、(ii)外部ハウジング114、(iii)間隙116、および/または(iv)第2の間隙117の組合せの配置および組立ては、電子回路108にとっての有害温度の危険のいくつか、または多くを克服することができ、それによって広い範囲の閾値温度にわたって、回路が効率的に動作することができる。組合せ(i)〜(iv)は、その他の方法では電気構成部品の内部温度および他の周囲の電子部品の輻射温度で尽きるはずの、閾値温度の範囲を拡大することができる。さらに、この組合せによって、電気回路108は、従来の故障点温度より上の外部温度を受けることができ、それによって、多くの望ましく、厳しい環境の場所で電子モジュール100を使用する大きな可能性が広がる。
【0062】
上記の組合せ(i)〜(iv)が、その他の方法では電子部品の温度を動作可能閾値温度より上に上昇させるはずの高い温度に短期間露出されているとき、この組合せによって、その露出の間、シリコンデバイスの接合点は耐え抜き動作することが可能になり、半田パッドのリフローが防止され、サーミスタおよび他の温度感知部品が不安定になることが避けられ、基板110の展性が低減され、他の電気機械の故障が回避される。
【0063】
3.実験結果
下記の表4は、近接センサとして実施された電子モジュール100の、8つの例示的サンプルの動作特性を示す。したがって、電子モジュール100は、近接感知素子およびそれに関連する機能調整回路を含む。各サンプルには、動作位置(「o.p.」)、解放位置(「r.p.」)、電圧降下すなわち「飽和電圧」(「Vsat」)、電子回路108作動中の電流負担(「I burden、作動中」)、および電子回路108非作動中の電流負担(「I burden、非作動中」)が示されている。
【0064】
動作位置は、近接センサが、物体の存在および/または物体の、いくつかの基準点からの間隔を検出する、1つまたは複数の点として定義することができる。これらの点は、外部ハウジング114の遠位端140、すなわち、近接センサの基準点から測定することができる。解放位置は、近接センサがもう物体を検出しない、1つまたは複数の点として定義することができる。動作位置と同様に、これらの点は、近接センサの基準点から測定することができる。
【0065】
飽和電圧は、電子回路108の出力に結合された負荷の両端間で降下した電圧としてとして定義することができる。この電圧降下すなわち飽和電圧は、電子回路108の出力部および負荷を通過する電流量によってしばしば変わる。これは電流条件によって指定されるべきである。したがって、この表では、電子回路108を作動させるときの電流負担と、電子回路108を作動させないときの電流負担を示す。
【0066】
【表4】

【0067】
4.結論
本発明の原理が適用されることができる様々な実施形態を見て、例示した実施形態は例示的なものに過ぎず、本発明の範囲を限定するものと受け取れられるべきではないと理解されたい。上記の動作は説明した以外のシーケンスで実行されてもよく、ブロック図では、より多くまたはより少ない要素が使用されてもよい。
【0068】
さらに、特許請求の範囲は、その趣旨で述べられていなければ、説明した順序または要素に限定されるとみなされるべきではない。さらに、任意の請求項における用語「手段(means)」の使用は、米国特許法112条、パラグラフ6を適用するためのものであり、手段「means」という語がない請求項は何れもそのことを意図しない。したがって、以下の特許請求の範囲およびその均等物の範囲および趣旨内に入るすべての実施形態は、本発明として請求される。本発明の好ましい実施形態および代替実施形態を示し、説明した。ただし、以下の特許請求の範囲によって定義される、本発明の本来の趣旨および範囲から逸脱することなく、本発明に変更および改変を行うことができることが理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】例示的実施形態による、部分的に分解された電子回路用パッケージングシステムの等角図である。
【図2】例示的実施形態による、図1の組み立てられた電子回路用パッケージングシステムの分解等角図である。
【図3】例示的実施形態による、図1および図2に示した電子回路用パッケージングシステムを組み立てるためのフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に配設された電子回路のためのパッケージングシステムであって、
前記基板を取り囲む内部ハウジングと、
前記内部ハウジングおよび前記基板を取り囲む外部ハウジングと、
前記内部ハウジングと外部ハウジングの間に配置された間隙との、組合せを含み、
前記間隙が断熱媒体で充填され、これにより、前記パッケージングシステムが高い温度に短期間露出されるときに、前記内部ハウジングと前記外部ハウジングと前記間隙との前記組合せによって、前記電子回路が動作性を維持することができるシステム。
【請求項2】
前記断熱媒体が流体である、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記流体が空気である、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
その上に配設された前記電子回路を有する前記基板が、シリコンベースの基板、セラミックベースの基板、および回路基板ベースの基板からなる基板のグループから選択された基板を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記電子回路が感知電子部品を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記感知電子部品が近接センサを含む、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記近接センサが、ホール効果感知素子、磁気抵抗感知素子、電位差感知素子、および超音波感知素子からなるグループから選択された感知素子を含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記内部ハウジングが、低い熱伝導率を有する材料から製作される、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記内部ハウジングが、プラスチック、セラミック、および金属製の材料からなるグループから選択された材料から製作される、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記外部ハウジングが、高い熱伝導率を有する材料から製作される、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記外部ハウジングが、鋼鉄、プラスチック、およびセラミック製の材料からなるグループから選択された材料から製作される、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記内部ハウジングが低い伝導率を有する材料から製作され、かつ前記外部ハウジングが高い熱伝導率を有する材料から製作される場合、前記間隙が第1の厚さを有し、前記内部ハウジングおよび前記外部ハウジングが低い伝導率を有する材料から製作される場合、前記間隙が第2の厚さを有し、前記第1の厚さが前記第2の厚さよりも大きい、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記高い温度が、最大約425℃までの温度を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記短期間の露出が、最大約15秒までの期間を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
高い温度への前記短期間の露出中およびその後、前記電子回路が、動作性を維持する、請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
前記内部ハウジングと前記基板の間に配置され、断熱媒体で充填された第2の間隙をさらに含み、前記第2の間隙が追加の断熱層をもたらす、請求項1に記載のシステム。
【請求項17】
基板上に配設された電子回路のためのパッケージングシステムであって、
低い熱伝導率を有する材料から製作され、前記基板を受け入れるための第1の空洞を画成し、少なくとも1つの突出部を有する外側表面を含み、前記少なくとも1つの突出部が前記外側表面から延びる、内部ハウジングと、
前記内部ハウジングおよび基板を受け入れるための第2の空洞を画成し、前記第2の空洞が前記内部ハウジングの前記外側表面から延びる前記少なくとも1つの突出部と接触するための内側表面を含む、外部ハウジングと、
前記内部ハウジングの前記外側表面と前記外部ハウジングの前記内側表面の間に配置され、断熱媒体で充填された間隙との、組合せを含み、
これにより、前記パッケージングシステムが高い温度に短期間露出されるときに、前記内部ハウジングと前記外部ハウジングと前記間隙の前記組合せによって、前記電子回路が動作性を維持することができるシステム。
【請求項18】
前記内部ハウジングがほぼ円筒形であり、かつ遠位端および近位端を有し、前記近位端が前記第1の空洞のための開口を有し、
前記内部ハウジングの前記外側表面の少なくとも1つの突出部が、(i)前記遠位端上に配置された少なくとも1つの第1の台座と、(ii)前記遠位端近くの前記内部ハウジングの前記外側表面上に軸方向に配置された複数の第2の台座と、(iii)前記近位端近くの前記内部ハウジングの前記外側表面上に径方向に配置された少なくとも1つのリングとを画定し、
前記外部ハウジングの前記第2の空洞の前記内側表面が、遠位端および近位端を有する円筒形部分を画成し、前記近位端が前記第2の空洞のための開口を有し、前記内部ハウジングが前記外部ハウジング内に挿入されるとき、(i)少なくとも1つの第1の台座が前記第2の空洞の前記遠位端と接触し、(ii)前記複数の第2の台座が前記第2の空洞の前記内側表面と接触し、(iii)前記少なくとも1つのリングが前記第2の空洞の前記内側表面と接触し、
前記内部ハウジングが前記外部ハウジング内に挿入されるとき、断熱媒体で充填された間隙が、前記内部ハウジングの前記外側表面と前記外部ハウジングの前記内側表面の間の領域を画成する請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記基板が遠位端および近位端を有し、前記基板が前記第1の空洞内に受け入れられると、前記基板の前記遠位端が前記第1の空洞の前記遠位端に近く、前記基板の前記近位端が前記第1の空洞の前記近位端に近くなり、前記電子回路が感知電子部品を含み、前記感知電子部品が外部機器に結合するためのターミネーションケーブルを有し、前記基板が前記第1の空洞内に受け入れられると、前記ターミネーションケーブルが前記第1の空洞の前記近位端から突き出る、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
(i)前記第1の空洞内部の前記基板と、(ii)前記内部ハウジングの前記近位端および前記外部ハウジングの前記近位端とを互いに密封するための少なくとも1つのシールをさらに含み、前記ターミネーションケーブルが前記シールを貫通する、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記第1の空洞と前記基板の間に配置され、断熱媒体で充填された第2の間隙をさらに含み、前記第2の間隙が追加の断熱層をもたらす、請求項17に記載のシステム。
【請求項22】
前記内部ハウジングの前記外側表面と前記基板の間に配置された電磁妨害シールドをさらに含み、前記電磁妨害シールドが前記基板の少なくとも一部分を取り囲む、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記内部ハウジングの前記外側表面と前記基板の間に配置された電磁妨害シールドをさらに含み、前記電磁妨害シールドが前記基板の少なくとも一部分を取り囲む、請求項17に記載のシステム。
【請求項24】
請求項21の電子回路用パッケージングシステムと、取り付けハードウェアとを含むキット。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図1】
image rotate


【公表番号】特表2007−505499(P2007−505499A)
【公表日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−526250(P2006−526250)
【出願日】平成16年9月8日(2004.9.8)
【国際出願番号】PCT/US2004/029212
【国際公開番号】WO2005/090924
【国際公開日】平成17年9月29日(2005.9.29)
【出願人】(500575824)ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド (1,504)
【Fターム(参考)】