説明

高温超伝導単結晶上での面内型ジョセフソン接合形成法

【課題】従来のHTS-SQUID2次元アレー作製方法では素子を構成するジョセフソン接合に
おける特性の不均一性に問題があった。
【構成】(1)Bi系高温超伝導単結晶を劈開し、清浄面を出す工程、(2)還元処理によ
り、該単結晶全体を絶縁体、常伝導体もしくは弱超伝導体にする工程、(3)酸化処理に
より、該絶縁体、常伝導体もしくは弱超伝導体の表面のみ超伝導を復活させ超伝導体層に
する工程、(4)フォトリソグラフィー加工で、(3)で作製した超伝導層のab面におけ
る全面積の40〜60%を、c軸方向に超伝導層が2〜40nm残るように直角に削り取り露出面を
形成する工程、(5)等方的な還元処理により、(4)で作製した超伝導層の露出面のみ
を絶縁体にし、絶縁体層を形成する工程、(6)方向性のある酸化処理により、(5)で
作製した絶縁体層のみを超伝導体層にする工程、からなることを特徴とする面内型ジョセ
フソン接合の形成法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高温超伝導単結晶上での面内型ジョセフソン接合形成法に関する。
【背景技術】
【0002】
超高感度磁気センサーとして利用できる超伝導量子干渉素子(Superconducting Quantum I
nterference Device : SQUID)は、ジョセフソン接合と呼ばれる超伝導結合の弱い箇所を
含む超伝導リング内での量子干渉効果を巧みに利用したものである。
【0003】
これまでにNb系低温超伝導SQUID(Low Temperature Superconductor SQUID: LTS-SQUID)が
実用化され、磁気共鳴画像診断装置(Magnetic Resonance Imaging System : MRI)などの
生体磁気計測装置や物理計測装置に応用されるようになった。
【0004】
一方、高温超伝導SQUID(High Temperature Superconductor SQUID: HTS-SQUID)において
も薄膜作製技術や素子設計技術の進展により、77Kにおける磁場分解能がNb系LTS-SQUIDの
2〜3倍レベルにまで改善されてきている。そして、最近では、高温超伝導体の特長であ
る冷却の容易さを生かしたコンパクトな心臓磁場計測装置や各種検査装置(免疫診断装置
など)の開発も盛んに進められている。
【0005】
しかしながら、HTS-SQUIDではLTS-SQUIDに比べて素子(:超伝導リング内に形成されたジ
ョセフソン接合)間の特性のばらつきが大きく、また積層化も困難であるため、そのマル
チチャンネル化を妨げる要因となっている。
【0006】
例えば、高温超伝導体をリソグラフィー及びイオンビームエッチングで加工し、高温超伝
導体固有ジョセフソン接合を利用してHTS-SQUIDを作製する技術 (特許文献1,2) が知
られている。又、基板に加工された段差上に堆積した薄膜に人工的に作り出される結晶粒
界を利用したランプエッジ型接合により、薄膜のab面内にジョセフソン接合を作製する技
術(特許文献3)も知られている。
【0007】
【特許文献1】特開2004-247702号公報
【特許文献2】特開平11-74574号公報
【特許文献3】特開2003-224311号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来のLTS-SQUID作製は低温超伝導体の薄膜をリング状に成膜し、一部接合を切断すると
いう方法によりSQUIDを作製している。しかしながら、この方法では2つの問題点がある
。問題点の一つは材料系についてであり、作製は容易だが、(直流)抵抗が零になる温度[=
超伝導転移温度(:Tc)]の低い低温超伝導体(Tc= 9K[Nb], 9.3K[NbTi], 18.3K[Nb3Sn
]・・・など)を用いているという点である。そして、問題点のもう一つは、超伝導リン
グを作製するのに高度なリソグラフィー技術による複雑なプロセスを要するという点であ
る。
【0009】
一方、HTS-SQUIDの作製には、バイクリスタル基板を用いて作製される人工粒界接合が主
に用いられ、その他、一部において、基板に加工された段差上に堆積した薄膜に人工的に
作り出される結晶粒界を利用したランプエッジ型接合などが使用されている。
【0010】
しかしながら、人工粒界接合では、平坦な界面が得られ難く、「多数の微小SQUID素子を
同一基板上に配列した2次元アレーを作製する場合、素子特性(超伝導臨界電流[:Ic]値)
のばらつきの非常に少ないものを作製するのが困難であり、歩留が非常に悪い」などの問
題点を抱えている。
【0011】
一方、ランプエッジ型接合ではIc値の標準偏差が5〜8%(@接合数= 100個程度)と比較的
小さいが、ランプエッジの平坦化技術及びその平坦面と再成長超伝導体の界面制御など高
度な作製技術・装置を必要とするため、生産性の点で問題が生じる。これらの理由により
、より高度なマルチチャンネルHTS-SQUIDの実現が大きく妨げられている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
そこで、本発明者らは、高温超伝導単結晶の酸化処理、還元処理と、寸法制御性に優れ簡
便であるフォトリソグラフィー加工からなる単純なプロセスのみを用いてジョセフソン接
合を作製できる方法を考案した。この方法は同一単結晶基板上に作製した複数の素子間の
特性の均一性及びプロセスの簡便性から、HTS-SQUIDのマルチチャンネル化を容易にする

すなわち、本発明は下記の工程からなる高温超伝導単結晶上での面内型ジョセフソン接合
形成法である。
(1)Bi系高温超伝導単結晶を劈開し、清浄面を出す工程、
(2)還元処理により、該単結晶全体を絶縁体、常伝導体もしくは弱超伝導体にする工程

(3)酸化処理により、該絶縁体、常伝導体もしくは弱超伝導体の表面のみ超伝導を復活
させ超伝導体層にする工程、
(4)フォトリソグラフィー加工で、前記(3)で作製した超伝導体層の単結晶のab面に
おける全面積の40〜60%を、該単結晶のc軸方向に超伝導層が2〜40nm程度残るように直角
に削り取り露出面を形成する工程、
(5)等方的な還元処理により、前記(4)で作製した超伝導体層の露出面のみを絶縁体
にし、絶縁体層を形成する工程、
(6)方向性のある酸化処理により、前記(5)で作製した絶縁体層の一部のみを超伝導
体層にする工程。
【0013】
この方法は、素子を作製する基板である単結晶の全体に渡ってTc及びIcが均一であること
及びプロセスの簡便性から、容易にジョセフソン接合及びその接合を用いたHTS-SQUID2
次元アレーを実現できる。したがって、本発明によりHTS-SQUIDにおける一層のマルチチ
ャンネル化を推し進められ、HTS-SQUIDの更なる高感度化・高信頼化を実現できる。
【0014】
なお、本発明では、プロセスを適用する対象として結晶性を示すX線回折ピークの半値幅
が0.05°以下であり、さらにTcが約90Kと高品質であり、且つab面に5mm×5mm以上のサイ
ズを有するBi系高温超伝導単結晶(特に、Bi2Sr2CaCu2Oy[Bi-2212]単結晶)を採用したが
、その理由は以下の通りである。高温超伝導体でジョセフソン接合を作製する際、一般に
はエピタキシャル成長薄膜(主に、Y系超伝導薄膜)が用いられている。しかし、実際には
超伝導薄膜中には結晶粒界や凸凹などが多く存在し、粒界における段差やピンホールがエ
ピタキシャル成長薄膜上に作製したジョセフソン接合のIc値の不均一性に大きく影響を及
ぼしている。
【0015】
そこで、この不確定性を除くために、ab面において数mm角以上の広い面積に渡って平坦で
、且つX線回折ピークの半値幅が0.05°以下と結晶性が高く、さらにはTcが約90Kと超伝導
特性も優れた単結晶を用いる。又、高温超伝導体の材料系としては、Bi系高温超伝導体
を選ぶことが好ましい。これは、Bi系高温超伝導体の単結晶は高い劈開性を有しておりTc
、Ic及び結晶性が面全体に渡って均一な劈開面を容易に得ることができるためである。さ
らに劈開面は平坦性にも優れる。また、単結晶の合成に必要な原材料は資源が豊富であり
、且つ単結晶の合成も容易であるというメリットもある。
【0016】
したがって、本発明のプロセスを用いれば、酸化雰囲気中及び還元雰囲気中での熱処理と
フォトリソグラフィー加工による単純な加工のみで、SQUID、ひいてはジョセフソン接合
作製に必要な超伝導層/絶縁層(又は常伝導層)/超伝導層構造を容易に形成できる。
【発明の効果】
【0017】
本発明では、HTS-SQUID素子作製で必要となるジョセフソン接合の形成をTc、Ic及び結晶
性の揃った均質なBi系高温超伝導単結晶上における酸化処理、還元処理プロセスのみで
達成するため、「高度な作製技術を必要としないこと」、「Tc、Ic及び結晶性の揃った均
質な単結晶を用いているためHTS-SQUID2次元アレーを作製した際にHTS-SQUID素子間の特
性のばらつきを原理的に低減することができる」という効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の方法においては、図1に示すようなプロセスでジョセフソン接合を作製する。図
1に示すプロセス(1)〜(6)は高温超伝導単結晶上で面内型ジョセフソン接合を作製
する工程を模式的に示している。本プロセスは、酸化処理及び還元処理とフォトリソグラ
フィー加工のみで完結できるため、非常に低コストかつ簡便である。
【0019】
具体的な作成手順を以下に示す。
(1)Bi系高温超伝導体1を劈開し、劈開面2からなる清浄面を出す。Bi系高温超伝
導体としては、好ましくは、Bi2Sr2CaCu2Oy(Bi-2212)又はBi2Sr2Ca2Cu3Oy(Bi-2223)単結
晶を用いる。ちなみに育成したままのBi系高温超伝導単結晶において劈開していない場
合の表面は水酸基や炭酸塩が付着することによりTc、Ic及び結晶性が劣化しており、超伝
導を示さない場合も多々ある。一方、劈開した面は劈開していない場合の表面に存在する
劣化層が無く、Tc、Ic及び結晶性が面全体に渡って均一である。また、平坦性にも優れる
。なお、本発明に用いるBi系高温超伝導単結晶はもともと平板状をしているが、c軸方
向の厚みが0.1mm程度以上であれば本発明のプロセスを適用できる。
【0020】
(2)還元処理により、超伝導体1全体を絶縁体、常伝導体もしくは弱超伝導体にする。
なお、図1では絶縁体1の場合を代表して示す。還元処理は超伝導単結晶1を真空中加熱
処理又は希ガス中熱処理することにより行なうことができる。例えば、10-5Paオーダーの
高真空中において、530℃で12h熱処理して還元処理を施す。
【0021】
還元処理を施す際、超伝導体1の表面から内部に向かって還元が順次進んでいくのである
が、処理時間が十分であれば超伝導体1の内部全て、すなわち単結晶全体を還元処理する
ことが可能である。ここでの還元は、Bi系高温超伝導体の超伝導キャリア密度を決める
過剰酸素が消失していく現象を指す。
【0022】
又、ここで言う絶縁体、常伝導体もしくは弱超伝導体とは、Tcが、例えばBi-2212の超伝
導体状態では90K程度であったものが、それより数十K低い温度までTcが現われない状態(
:弱超伝導体)、もしくはどんなに低温まで冷却してもTcが現われない状態(:絶縁体もし
くは常伝導体)のことを言う。
【0023】
また、この絶縁体、常伝導体もしくは弱超伝導体が形成されていることは、Cu2p内殻光電
子スペクトルで確認される。具体的には、図2に示すようにCu2p光電子スペクトルにおい
て、サテライトピーク(2p53d9)[:図中の記号sが示すピーク]の強度が超伝導を示す場合
のそれに比べて著しく低下することで判別できる。
【0024】
(3)酸化処理により、絶縁体3の表面のみ超伝導を復活させ超伝導体層1Aにする。こ
のとき、この超伝導体層1Aの好ましい厚みは数百nm〜数μm程度である。酸化処理は工
程(2)で全体を絶縁化した超伝導単結晶を酸素中加熱することにより行なうことができる
。例えば、21kPa の100%酸素中において、500℃で1h熱処理して酸化処理を施す。
【0025】
(4)(3)で作製した超伝導体層1Aの単結晶のab面における全面積の40〜60%を該単
結晶のc軸方向に超伝導層が2〜40nm程度残るようにフォトリソグラフィーで直角に削り取
り、超伝導体層1Aの露出面4、5を形成させる。単結晶のab面において削り取る面積は
大き過ぎても小さ過ぎても駄目である。これは、SQUID作製時における穴加工の位置出し
が難しくなるためであり、本工程(4)で削り取るab面の面積は単結晶ab面における全面積
の40〜60%が適当である。また、削り取った後に残す超伝導体層のc軸方向の厚さは2〜40n
mが適当であるとしたが、これは、次の工程(5)で行う等方的な還元処理後に、超伝導体
層が絶縁体層3Bの箇所に残らないようにするためである。絶縁体層3Bの箇所に超伝導
体層が残存してしまうと、本プロセスで作製するジョセフソン接合とは別に超伝導のパス
が存在してしまい、ジョセフソン接合の特性が得られなくなってしまう。フォトリソグラ
フィー法は一般的な方法を採用することができる。
【0026】
(5)等方的な還元処理により、(4)で形成した超伝導体層1Aの露出面4、5を絶縁
体にして絶縁体層3A,3Bを形成する。このとき、絶縁体層3A,3Bの好ましい厚み
は、2〜40nm程度である。等方的な還元処理は(4)までのプロセスで形成した絶縁体3
と超伝導体層1Aからなる加工物を真空中加熱処理又は 希ガス中加熱処理することによ
り行なうことができる。例えば、10-5Paオーダーの高真空中で、530℃で2min熱処理する
。ここで言う「等方的な還元処理」とは、単純に還元性雰囲気中で加熱処理をして、雰囲
気と接する全ての面を還元させる手法のことである。
【0027】
(6)方向性のある酸化処理により、(5)で作製した絶縁体層3A,3Bのうち絶縁体
層3Bの表面のみを超伝導体にし、超伝導体層1Bを形成する。方向性のある酸化処理は
(5)までのプロセスで形成した絶縁体3、超伝導体層1A、絶縁体層3A,3Bからな
る加工物の劈開面2と平行な面を持つ絶縁体層3Bのみをイオンビーム照射することによ
り行なうことができる。ここで言う「方向性のある酸化処理」とは、指向性のある酸素イ
オンビームを用いて、イオンビームの照射された面のみを酸化する手法のことである。こ
こではイオンビームの加速電圧は10V程度が好ましい。イオンビーム照射によるスパッタ
リングが生じない条件内で、プラズマが発生するギリギリの加速電圧を選ぶことが好まし
い。
【0028】
図3は、図1に示す(1)〜(6)のプロセスにより完成したジョセフソン接合の拡大図
とジョセフソン電流の流れる方向を矢印で示す模式図である。超伝導体層1B、絶縁体層
3A、超伝導体層1Aがジョセフソン接合の超伝導層/絶縁層(又は常伝導層)/超伝導層
構造になる。超伝導のコヒーレンス長が長い単結晶のab面内にジョセフソン電流が流せる
ため、作製に要するプロセス技術の困難度を下げられるというメリットもある。
【実施例1】
【0029】
(1)10mm×5mm×0.3mm程度のサイズを有するBi-2212超伝導単結晶をスコッチ(スリー
エム社登録商標)テープを用いて劈開し、清浄面を出した。
【0030】
(2)(1)で用意した劈開面を3×10-5Paの高真空中において、530℃で12h熱処理して還
元処理を施した。この処理により、深さ方向に0.1〜0.3mm程度還元がなされ、絶縁体にな
った。絶縁化は光電子分光による測定で観測されたCu2p内殻光電子スペクトルで確認され
た。具体的には、Cu2p光電子スペクトルにおけるサテライトピーク(2p53d9)の強度が超伝
導を示す場合のそれに比べて著しく低下していることから判別した。
【0031】
(3)21kPa の100%酸素中において、500℃で1h熱処理して単結晶の表面層のみに酸化処
理を施した。この酸化処理により300nm程度の表面層が超伝導体になった。
【0032】
(4)フォトリソグラフィーで(3)で作製した超伝導体層1Aの単結晶のab面における全
面積の40〜60%(:4〜6mm×5mm)を該単結晶のc軸方向に超伝導層が2〜4nm程度残るよう
に直角に削り取った。
【0033】
(5)3×10-5Paの高真空中において、530℃で2min熱処理し、(4)で形成した超伝導体
層の露出面のみを絶縁体にして絶縁体層を形成した。絶縁体層の厚みは2〜4nm程度であっ
た。
【0034】
(6)酸素イオンビーム照射により、(5)で作製した絶縁体層の表面のみを超伝導体層
にした。この時、加速電圧は試料へのダメージを抑えるために、(プラズマが発生する最
低電圧である)10Vとした。
【0035】
このプロセスにより高温超伝導体の単結晶のab面内に超伝導層/絶縁層(又は常伝導層)/
超伝導層構造が形成された。
【産業上の利用可能性】
【0036】
従来のHTS-SQUID2次元アレー作製方法では素子を構成するジョセフソン接合における特
性の不均一性に問題があった。また、作製において成膜装置等を必要としたが、本発明に
より非常に安価に安定した素子を作製することが可能になった。本プロセスで作製したジ
ョセフソン接合を用いたHTS-SQUIDは低コスト及びメンテナンスフリーであるため、各種
検査装置(食品・薬品内異物検査装置や半導体デバイス検査装置などの非破壊検査)に応用
することが可能である。したがって、産業分野への貢献も大きく、経済的効果をもたらす

【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】ジョセフソン接合作製の手順を示す工程図である。
【図2】超伝導・非超伝導それぞれの状態を、内殻光電子分光で観測した時のCu2pスペクトル形状である。
【図3】図1のプロセスを経て完成したジョセフソン接合の拡大図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1)Bi系高温超伝導単結晶を劈開し、清浄面を出す工程、
(2)還元処理により、該単結晶全体を絶縁体、常伝導体もしくは弱超伝導体にする工程

(3)酸化処理により、該絶縁体、常伝導体もしくは弱超伝導体の表面のみ超伝導を復活
させ超伝導体層にする工程、
(4)フォトリソグラフィー加工で、前記(3)で作製した超伝導体層の単結晶のab面に
おける全面積の40〜60%を、該単結晶のc軸方向に超伝導層が2〜40nm残るように直角に削
り取り露出面を形成する工程、
(5)等方的な還元処理により、前記(4)で作製した超伝導体層の露出面のみを絶縁体
にし、絶縁体層を形成する工程、
(6)方向性のある酸化処理により、前記(5)で作製した絶縁体層の一部のみを超伝導
体層にする工程、
からなることを特徴とする高温超伝導単結晶上での面内型ジョセフソン接合形成法。
【請求項2】
超伝導量子干渉素子において、請求項1に記載の形成法で形成したジョセフソン接合を用
いたことを特徴とする超伝導量子干渉素子2次元アレー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−64880(P2009−64880A)
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−230126(P2007−230126)
【出願日】平成19年9月5日(2007.9.5)
【出願人】(301023238)独立行政法人物質・材料研究機構 (1,333)
【Fターム(参考)】