説明

高炉操業方法および高炉中の対象成分蓄積量検出装置並びにプログラム

【課題】高炉内における対象成分の蓄積量を正確に予測してスラグ中の対象成分異常発生を未然に防止することができる新規な高炉操業方法および高炉中の対象成分蓄積量検出装置並びにプログラムの提供。
【解決手段】高炉から排出されるスラグ中の対象成分排出速度(q´out)を、所定の補正式で補正し、補正された対象成分排出速度(qout)に基づいてそれ以後にその高炉に投入される原料の対象成分濃度と当該原料の投入速度を調整する。これによって、スラグ中のアルミナなどのような高炉内の対象成分の蓄積量を正確に把握できるため、高炉内の対象成分の異常発生を未然に防止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製鉄所に付設される高炉の操業方法および当該高炉中の対象成分蓄積量検出装置並びにプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
図8および図9に示すように、一般的な高炉における還元処理に際しては、原料となる焼結鉱や還元剤となるコークスの他に、この還元処理によって得られる溶鉄やスラグの成分を調整するための副原料(生鉱石、石灰、珪石、石炭など)が同時に高炉炉頂から装入されるようになっている。
そして、高炉に装入される原料などの配合成分のみでは、その高炉で発生するスラグの成分(Al、CaO、SiO、FeOなど)濃度を正確に予測することは困難であることから、実際にその高炉で発生したスラグのサンプルを採取してその成分濃度の分析を行い、その成分濃度値が目標濃度値になっていなければ、その都度その高炉炉頂から装入される副原料の配合比などを適宜調整している。
【0003】
例えば、スラグ中のアルミナ(Al)の濃度は、スラグの粘度に影響し、これがある一定量を超えるとスラグの流動性が著しく悪化してスラグが高炉から排出され難くなるといった不都合を招くため、実際にその高炉で発生したスラグのサンプル中のアルミナ濃度を測定し、その濃度が一定値を超えないように炉頂から装入される原料の配合比を調整している。
【0004】
しかしながら、この高炉による還元処理は一般に約8時間程度要するため、スラグのサンプル分析結果に基づいて高炉炉頂から装入される副原料の配合比などを調整してもそれが実際のスラグの成分濃度に反映されるまでは長時間を要する。
そのため、例えば以下の特許文献1などでは、通常ほぼ同時に投入される原料の投入時期をずらしたり、現状成分値と変更目標成分値との偏差の1.5〜4.0倍の偏差に相当する配合原料の装入を30分〜3時間実施した後、変更目標成分値に相当する配合原料を装入することで迅速にスラグなどの成分調整を行っている。
【特許文献1】特開昭58−612205号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、実際にこのようなスラグのサンプルの成分濃度分析に用いられるセンサや装入される原料などの配合成分濃度分析に用いられるセンサには必ず多少なりとも誤差が生じていることから、この誤差の長期間の積み重ねにより高炉内のアルミナの蓄積量が予想とは大きく異なっている可能性がある。
【0006】
すなわち、原料などの配合成分濃度分析に用いられるセンサの誤差と、実際にその高炉で発生したスラグのサンプルの成分濃度分析に用いられるセンサの誤差とが全く同じであると仮定した場合(あるいは両センサに全く誤差がないと仮定した場合)、高炉から排出されたアルミナの量と全く同じ量のアルミナをその高炉内に投入している限り、その高炉内のアルミナ蓄積量は全く変動することはないが、誤差によりスラグサンプルの成分濃度分析に用いられるセンサ(出口側センサ)がそのスラグサンプル中のアルミナ量を配合成分濃度分析に用いられるセンサ(入口側センサ)よりも少なく検出すると、検出の都度その誤差に相当するアルミナが高炉内に蓄積していき、ある日突然高炉内のスラグの流動性が急激に悪化してしまうといったことが懸念される。
【0007】
そこで、本発明はこのような課題を有効に解決するために案出されたものであり、その目的は、高炉内における対象成分の蓄積量を正確に予測してスラグ中の対象成分異常発生を未然に防止することができる新規な高炉操業方法および高炉中の対象成分蓄積量検出装置並びにプログラムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために請求項1に記載の高炉操業方法は、
高炉から排出されるスラグ中の対象成分濃度と当該スラグの排出速度を測定すると共にその測定値に基づいて前記対象成分の排出速度を算出し、
当該対象成分排出速度に基づいて前記高炉中の対象成分蓄積量が所定量を超えないように以後に投入される原料の対象成分濃度と当該原料の投入速度を調整するようにした高炉操業方法において、
前記対象成分排出速度(q´out)を、以下の式で補正し、補正された対象成分排出速度(qout)に基づいて以後に投入される原料の対象成分濃度と当該原料の投入速度を調整するようにしたことを特徴とする高炉操業方法。
【0009】
【数1】

【0010】
また、請求項2の高炉操業方法は、
請求項1に記載の高炉操業方法において、前記対象成分がスラグ中のアルミナであることを特徴とするものである。
また、請求項3の高炉中の対象成分蓄積量検出装置は、
高炉に投入される原料中の対象成分濃度と当該投入原料の投入速度とに基づいて前記対象成分の投入速度(qin)を算出する対象成分投入速度計算手段と、
前記高炉から排出されるスラグ中の前記対象成分の濃度と当該スラグの排出速度とに基づいて前記対象成分の排出速度(q´out)を算出する対象成分排出速度計算手段と、
当該当該対象成分排出速度計算手段で算出された前記対象成分の排出速度(q´out)を、以下の式で補正する補正手段と、
当該補正手段で補正された前記対象成分の排出速度(qout)と前記対象成分投入速度計算手段で算出された前記対象成分の投入速度(qin)とに基づいて前記高炉中に蓄積している前記対象成分の量を算出する対象成分蓄積量計算手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0011】
【数2】

【0012】
また、請求項4の高炉中の対象成分蓄積量検出装置は、
請求項3に記載の高炉中の対象成分蓄積量検出装置において、前記対象成分蓄積量計算手段で検出された前記高炉中に蓄積している前記対象成分量が所定値を超えたか否かを判定する対象成分量判定手段と、当該対象成分量判定手段で前記高炉中に蓄積している前記対象成分量が所定値を超えたと判定したときにその旨を報知する報知手段とをさらに備えたことを特徴とするものである。
また、請求項5の高炉中の対象成分蓄積量検出装置は、
請求項3または4に記載の高炉中の対象成分蓄積量検出装置において、前記対象成分がスラグ中のアルミナであることを特徴とするものである。
【0013】
また、請求項6の高炉中の対象成分蓄積量検出プログラムは、
コンピュータを、
高炉に投入される原料中の対象成分濃度と当該投入原料の投入速度とに基づいて前記対象成分の投入速度(qin)を算出する対象成分投入速度計算手段と、前記高炉から排出されるスラグ中の前記対象成分の濃度と当該スラグの排出速度とに基づいて前記対象成分の排出速度(q´out)を算出する対象成分排出速度計算手段と、当該当該対象成分排出速度計算手段で算出された前記対象成分の排出速度(q´out)を以下の式で補正する補正手段と、当該補正手段で補正された前記対象成分の排出速度(qout)と前記対象成分投入速度計算手段で算出された前記対象成分の投入速度(qin)とに基づいて前記高炉中に蓄積している前記対象成分の量を算出する対象成分蓄積量計算手段として機能させることを特徴とするものである。
【0014】
【数3】

【発明の効果】
【0015】
請求項1の発明によれば、高炉から排出されるスラグ中の対象成分排出速度(q´out)を、前記の式で補正し、補正された対象成分排出速度(qout)に基づいて以後に投入される原料の対象成分濃度と当該原料の投入速度を調整するようにしたことから、高炉内の対象成分の蓄積量を正確に把握することができる。
これによって、スラグ中における対象成分の異常発生の可能性を事前に察知することが可能となるため、スラグ中における対象成分の異常発生を未然に防止することができる。
【0016】
また、請求項2の発明によれば、スラグ中におけるアルミナの異常発生の可能性を事前に察知することが可能となるため、スラグ中におけるアルミナの異常発生を未然に防止することができる。
また、請求項3の発明によれば、高炉中に蓄積している前記対象成分の量を正確に算出することができる。
また、請求項4の発明によれば、高炉中に蓄積している前記対象成分量が所定値を超えたか否かを自動的に判定できると共に、高炉中に蓄積している前記対象成分量が所定値を超えたと判定したときは、その旨を的確かつ迅速にオペレータなどに報知することができる。
【0017】
また、請求項5の発明によれば、高炉中に蓄積しているアルミナ量が所定値を超えたか否かを自動的に判定できると共に、高炉中に蓄積しているアルミナ量が所定値を超えたと判定したときは、その旨を的確かつ迅速にオペレータなどに報知することができる。
また、請求項6の発明によれば、パソコンなどの汎用の情報処理装置とソフトウェアを用いて請求項3の発明と同様な高炉中に蓄積している前記対象成分の量を正確に算出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための最良の形態を添付図面を参照しながら詳述する。
図1は、本発明に係る高炉中の対象成分蓄積量検出装置(以下、適宜「蓄積量検出装置」と称す)100の実施の一形態を示したものである。
図示するように、この蓄積量検出装置100は、アルミナ投入速度計算手段10と、アルミナ排出速度計算手段11と、アルミナ排出速度補正手段12と、アルミナ蓄積量計算手段13と、アルミナ量判定手段14と、報知手段15とから主に構成されている。
【0019】
アルミナ投入速度計算手段10は、図4および図5に示すように高炉に投入される原料中の対象成分であるアルミナ(Al)濃度(%)と、このアルミナを含む原料の投入速度(ton/min)とに基づいて高炉へのアルミナの投入速度(qin(ton/min))を算出する機能を提供するようになっている。なお、この投入原料中のアルミナ濃度(%)は、図2に示す原料成分濃度センサS1によって、また、このアルミナを含む原料の投入速度(ton/min)は、図2に示す原料投入速度検出センサS2によってそれぞれ検出されるようになっている。
【0020】
アルミナ排出速度計算手段11は、同じく図4および図5に示すように高炉から排出されるスラグ中のアルミナの濃度(%)と、そのスラグの排出速度(ton/min)とに基づいてアルミナの排出速度(q´out)を算出する機能を提供するようになっている。なお、このスラグ中のアルミナ濃度(%)は、図2に示すスラグ成分濃度検出センサS3によって、また、スラグの排出速度(ton/min)は、図2に示すスラグ排出速度検出センサS4によってそれぞれ検出されるようになっている。
アルミナ排出速度補正手段12は、このようにアルミナ排出速度計算手段11によって算出されたアルミナの排出速度(q´out)を、以下の式(1)で補正する機能を提供するようになっている。
【0021】
【数4】

【0022】
この式(1)は、実績収集開始(st)〜実績収集終了(et)が十分に長ければその期間における全アルミナ投入量と全アルミナ排出量が同じになるとの仮定をおき、アルミナ投入速度(qin)の積分値を、同じくその期間におけるアルミナの排出速度(q´out)の積分値で除算した値(1.0±α)を、前記アルミナ排出速度計算手段11で算出された補正対象となるアルミナ排出速度(q´out)に乗算してそのアルミナの排出速度(ton/min)を補正するようにしたものである。
【0023】
すなわち、例えばセンサなどの誤差により、実測された排出アルミナ速度(q´out)が実際の排出アルミナ速度よりも少なかった場合、アルミナ投入速度(qin)の積分値をアルミナの排出速度(q´out)の積分値で除算した値は、「1.0+α」となり、これを係数として実測された排出アルミナ速度(q´out)に乗算することでその値が大きくなるように補正することになる。
【0024】
反対に、実測された排出アルミナ速度(q´out)が実際の排出アルミナ速度よりも少なかった場合、アルミナ投入速度(qin)の積分値をアルミナの排出速度(q´out)の積分値で除算した値は、「1.0−α」となり、これを係数として実測された排出アルミナ速度(q´out)に乗算することでその値を小さくなるように補正することになる。
【0025】
そして、アルミナ蓄積量計算手段13は、このアルミナ排出速度補正手段12で補正された前記対象成分の排出速度(qout)と前記アルミナ投入速度計算手段10で算出されたアルミナ投入速度(qin)とに基づいて前記高炉中に蓄積しているアルミナの量Qを算出する機能を提供するようになっている。すなわち、図4に示すようにこのアルミナ投入速度計算手段10で算出されたアルミナ投入速度(qin)からアルミナ排出速度補正手段12で補正された前記対象成分の排出速度(qout)を減算することで、単位時間当たりのアルミナ蓄積量(dQ/dt)を算出するようになっている。
【0026】
アルミナ量判定手段14は、このアルミナ蓄積量計算手段13で検出されたアルミナ蓄積量に基づいて高炉中に蓄積しているアルミナ量を算出し、その蓄積量が所定値を超えたか否かを判定する機能を提供するようになっている。
そして、報知手段15は、このアルミナ量判定手段14によって高炉中に蓄積しているアルミナ量が所定値を超えたと判定したときにその旨を図2に示すような警報器20や図示しない表示装置などを用いてオペレータなどに報知する機能を提供するようになっている。
【0027】
ここで、この蓄積量検出装置100は、これらアルミナ投入速度計算手段10、アルミナ排出速度計算手段11、アルミナ排出速度補正手段12、アルミナ蓄積量計算手段13、アルミナ量判定手段14、報知手段15などをソフトウェア上で実現するためのコンピュータシステム(情報処理システム)を備えており、そのハードウェア構成は、図2に示すように、各種制御や演算処理を担う中央演算処理装置であるCPU30と、主記憶装置を構成するRAM32と、ROM34と、これらの間をバス36で接続すると共に、このバス36に入出力インターフェース(I/F)38を介して前述した原料成分濃度センサS1、原料投入速度検出センサS2、スラグ成分濃度検出センサS3、スラグ排出速度検出センサS4および警報器20などを接続したものである。
【0028】
そして、電源を投入すると、ROM34に記憶された各種の制御用コンピュータプログラムを同じくRAM30にロードし、そのRAM30にロードされたプログラムに記述された命令にしたがってCPU30が所定の制御および演算処理を行うことで前述したような各手段10〜15の各機能をソフトウェア上で実現するようになっている。
【0029】
次に、このような構成をした本発明装置100による高炉操業方法について図3のフローチャートを主に参照しながら説明する。
先ず、最初のステップS100において、ある原料投入時におけるそのアルミナ投入速度(qin)を計算すると共に次のステップS102においてその原料投入直近のスラグ排出時におけるアルミナ排出速度(q´out)を計算し、次のステップS104に移行してそのアルミナ排出速度(q´out)を前記補正式(1)に基づいて補正する。
【0030】
次に、このようにして補正されたアルミナ排出速度(qout)が得られたならば、次のステップS106に移行してそのアルミナ投入速度(qin)から補正されたアルミナ排出速度(qout)を減算してその差分を、過去のデータから得られた現在の高炉内のアルミナ蓄積量に加算する。
そして、図6(A)に示すように、このアルミナ投入速度(qin)から補正されたアルミナ排出速度(qout)を減算した結果、その差分がプラスであるときは、高炉内のアルミナ蓄積量Qが増加し、その差分がマイナスであるときは、高炉内のアルミナ蓄積量Qが減少することになる。
次に、このようにして高炉内のアルミナ蓄積量Qを計算したならば、次のステップS106に移行して高炉内のアルミナ蓄積量Qを判定すると共に、次のステップS110に移行してその判定の結果、高炉内のアルミナ蓄積量Qが所定量(閾値)を超えたか否かを判断する。
【0031】
この判断処理の結果、高炉内のアルミナ蓄積量Qが所定量(閾値)を超えていないと判断したとき(No)は最初のステップS100に戻って同様の処理を繰り返すことになるが、高炉内のアルミナ蓄積量Qが所定量(閾値)に達したと判断したとき(Yes)は次のステップS112に移行して警報器20などを利用してその旨をオペレータなどに報知してから最初のステップS100に戻って同様の処理を繰り返すことになる。
【0032】
図6(A)の例ではある時間T1における蓄積量判定処理において高炉内のアルミナ蓄積量Qを示す折れ線が所定量(閾値)を超えてしまったことを示している。
そして、図6(B)は、このようにして高炉内のアルミナ蓄積量Qが所定量(閾値)を超えてしまったと判断した直後に、直ちにオペレータが前述した補正後のアルミナ投入速度(原料投入時のスラグアルミナ濃度計算値)を減らす処理を行ったものであり、これによって図示するように所定時間経過した後でもスラグアルミナ濃度が管理上限を上回ることがなくなり、スラグ中のアルミナ濃度異常は発生しなかった。
【0033】
一方、図7(B)は、ある時間T1における蓄積量判定処理において高炉内のアルミナ蓄積量Qを示す折れ線が所定量(閾値)を超えてしまったため、図6と同様にその直後に、オペレータが前述した補正をしない実測値(q´out)に基づいたアルミナ投入速度(原料投入時のスラグアルミナ濃度計算値)を減らす処理を行ったものであるが、図示するようにそれにも拘わらずそれ以降もそのまま高炉内のアルミナ蓄積量Qが増加すると共に、スラグアルミナ濃度も上昇して管理上限を上回ってしまい、スラグ中のアルミナ濃度異常が発生してしまった。
【0034】
このように本発明は、高炉から排出されるスラグ中の対象成分排出速度(q´out)を、前記の式で補正し、補正された対象成分排出速度(qout)に基づいて以後に投入される原料の対象成分濃度と当該原料の投入速度を調整するようにしたことから、高炉内の対象成分の蓄積量を正確に把握することができる。
これによって、スラグ中におけるアルミナなどの対象成分の異常発生の可能性を事前に正確に察知することが可能となるため、スラグ中における対象成分の異常発生を未然に防止することができる。
なお、本実施の形態では、スラグ中における対象成分としてアルミナの例で説明したが、これ以外の成分、例えば、スラグ中のCaO、SiO、FeOなどについても同様にその蓄積量などを正確に算出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明に係る高炉中の対象成分蓄積量検出装置の実施の一形態を示すブロック図である。
【図2】本発明に係る高炉中の対象成分蓄積量検出装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】本発明に係る高炉操業方法の流れの一例を示すフローチャート図である。
【図4】高炉に対する投入アルミナ速度と排出アルミナ速度とアルミナ蓄積量との関係を示す説明図である。
【図5】高炉に投入する原料中のアルミナ速度と排出されたスラグ中のアルミナ速度との算出方法を示す説明図である。
【図6】本発明に係る補正式を用いた炉内アルミナ蓄積量(A)と、スラグアルミナ濃度(B)の変動を示すグラフ図である。
【図7】実測値に基づく炉内アルミナ蓄積量(A)と、スラグアルミナ濃度(B)の変動を示すグラフ図である。
【図8】高炉に投入する原料の例を示す図である。
【図9】高炉に投入する原料成分と高炉から排出されるスラグ成分例を示す図である。
【符号の説明】
【0036】
100…高炉中の対象成分蓄積量検出装置
10…アルミナ投入速度計算手段
11…アルミナ排出速度計算手段
12…アルミナ排出速度補正手段
13…アルミナ蓄積量計算手段
14…アルミナ量判定手段
15…報知手段
20…警報器
30…CPU
32…RAM
34…ROM
36…バス
38…インターフェース
S1…原料成分濃度検出センサ
S2…原料投入速度検出センサ
S3…スラグ成分濃度検出センサ
S4…スラグ排出速度検出センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高炉から排出されるスラグ中の対象成分濃度と当該スラグの排出速度を測定すると共にその測定値に基づいて前記対象成分の排出速度を算出し、
当該対象成分排出速度に基づいて前記高炉中の対象成分蓄積量が所定量を超えないように以後に投入される原料の対象成分濃度と当該原料の投入速度を調整するようにした高炉操業方法において、
前記対象成分排出速度(q´out)を、以下の式で補正し、補正された対象成分排出速度(qout)に基づいて以後に投入される原料の対象成分濃度と当該原料の投入速度を調整するようにしたことを特徴とする高炉操業方法。
【数1】

【請求項2】
請求項1に記載の高炉操業方法において、
前記対象成分がスラグ中のアルミナであることを特徴とする高炉操業方法。
【請求項3】
高炉に投入される原料中の対象成分濃度と当該投入原料の投入速度とに基づいて前記対象成分の投入速度(qin)を算出する対象成分投入速度計算手段と、
前記高炉から排出されるスラグ中の前記対象成分の濃度と当該スラグの排出速度とに基づいて前記対象成分の排出速度(q´out)を算出する対象成分排出速度計算手段と、
当該当該対象成分排出速度計算手段で算出された前記対象成分の排出速度(q´out)を、以下の式で補正する補正手段と、
当該補正手段で補正された前記対象成分の排出速度(qout)と前記対象成分投入速度計算手段で算出された前記対象成分の投入速度(qin)とに基づいて前記高炉中に蓄積している前記対象成分の量を算出する対象成分蓄積量計算手段とを備えたことを特徴とする高炉中の対象成分蓄積量検出装置。
【数2】

【請求項4】
請求項3に記載の高炉中の対象成分蓄積量検出装置において、
前記対象成分蓄積量計算手段で検出された前記高炉中に蓄積している前記対象成分量が所定値を超えたか否かを判定する対象成分量判定手段と、
当該対象成分量判定手段で前記高炉中に蓄積している前記対象成分量が所定値を超えたと判定したときにその旨を報知する報知手段とをさらに備えたことを特徴とする高炉中の対象成分蓄積量検出装置。
【請求項5】
請求項3または4に記載の高炉中の対象成分蓄積量検出装置において、
前記対象成分がスラグ中のアルミナであることを特徴とする高炉中の対象成分蓄積量検出装置。
【請求項6】
コンピュータを、
高炉に投入される原料中の対象成分濃度と当該投入原料の投入速度とに基づいて前記対象成分の投入速度(qin)を算出する対象成分投入速度計算手段と、
前記高炉から排出されるスラグ中の前記対象成分の濃度と当該スラグの排出速度とに基づいて前記対象成分の排出速度(q´out)を算出する対象成分排出速度計算手段と、
当該当該対象成分排出速度計算手段で算出された前記対象成分の排出速度(q´out)を以下の式で補正する補正手段と、
当該補正手段で補正された前記対象成分の排出速度(qout)と前記対象成分投入速度計算手段で算出された前記対象成分の投入速度(qin)とに基づいて前記高炉中に蓄積している前記対象成分の量を算出する対象成分蓄積量計算手段として機能させることを特徴とする高炉中の対象成分蓄積量検出プログラム。
【数3】


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−270211(P2007−270211A)
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−95522(P2006−95522)
【出願日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【出願人】(000001258)JFEスチール株式会社 (8,589)
【Fターム(参考)】