説明

高粘度ポリエステル溶融物でできた低加水分解性ポリエステル顆粒の製造方法、および該ポリエステル顆粒の製造装置

本発明は、高粘度ポリエステル溶融物でできた低加水分解性のポリエステル顆粒を連続製造する方法であって、前記ポリエステル溶融物から前記ポリエステル顆粒への重縮合度の低下が2%未満であることを特徴とする該方法に関する。本発明はさらに、前記方法により製造したポリエステル顆粒、および該顆粒の製造装置に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高粘度ポリエステル溶融物からの低加水分解性ポリエステル顆粒の連続した製造方法に関する。この方法は、ポリエステル溶融物から出発してポリエステル顆粒までの重縮合度の低下が2%未満であるという優れた特色を示す。さらに、本発明は、この方法を用いて製造されるポリエステル顆粒、そして、該顆粒の製造装置にも関する。
【背景技術】
【0002】
ポリエステル顆粒、特にPET(ポリエチレンテレフタレート)の製造のために、溶融ポリマーをノズルから押し出し、次いで、得られた「ストランド(strands)」をこれらが固化するように水浴中で冷却し、次いで、切断装置により切断して円筒形チップ(cylindrical chips)を形成し、その後、さらに50℃〜60℃まで冷却し、引き続き、遠心分離乾燥機または別の乾燥装置中で、それらチップの表面が乾燥するまで、輸送水分量を除去した後にチップを処理するという、一連の方法が開発されてきた。従って、これらチップは、粘度を増大させるための続く処理装置に送られる準備ができており、その装置は、一般に、複数の段階、例えば、晶析装置および1つまたは複数の反応器を含み、220℃までの不活性ガス下で操作される。
【0003】
PETに関してよりいっそう成功をおさめてきた別の方法は、「ダイフェース」カット(“die−face” cutting)またはホットカット(hot cutting)とも名付けられている。この方法は、ポリマーが押し出されるノズルが、切断装置および水チャンバと直接接触し、循環水流が、ノズル孔を通り過ぎる単純なナイフリングにより製造される円から楕円の形態の「ペレット」を常時搬送し、溶融熱が除去され、「ペレット」の過冷却が起こるという点で異なる。チップ/水混合物は分離され、撹拌遠心分離機中で表面水が除去されて、その結果、輸送することができる予備乾燥された顆粒が最後に得られる。
【0004】
この方法は、ポリエステルの結晶化のためのポリマーの内熱の使用に関して、融点より下への溶融物の冷却が100℃〜190℃の温度で中断されるという点において、改善されている。この温度範囲で結晶化が始まり、続く水平な結晶化トラフ(trough)の連結により、>38%の結晶化度が達成され、これは、例えば、乾燥または後縮合ユニット(装置)中のより高い処理温度でのチップの接着(凝集)を回避するのに十分である。他方、依然として熱い「ペレット」は、キャリヤガス、例えば、空気または不活性ガスを伴う弱い通気流によって、貯蔵容器中での数時間にわたるさらなる乾燥およびポリエステルの分裂的反応副生成物の脱気のために、一定温度でさらに調質することができる。その結果、既に市場性の高い樹脂製品を製造することができる。そのような装置の使用は、さらに、慣習的なPETの製造に関して、価値があることを証明している。
【0005】
さらに、高分子ポリエステルを製造するための対応する方法が、国際公開第03/042278A1号パンフレットから知られている(特許文献1)。これらのPET製品は、鎖長が長いため、水もしくは水蒸気が同時に存在するような高温、またはやはり水分の作用と一体となった長い貯蔵時間などの、特定の境界条件下での加水分解による分解に対する特定の感受性を有する。そのため、溶融物の熱水との集中的な接触および水蒸気の形成により、重縮合度を数分以内に20%に達するまでも低下させる強い加水分解を予期しなければならないことが示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第03/042278A1号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
エネルギーも強烈に複雑な後縮合も使用せずに、慣習的に製造したポリエステル顆粒/ペレットよりも相対的および質的に良好である最終製品を直接製造する、高粘度溶融物から出発する新しい技術に関しては、工業的利用を困難にする不都合があるであろうことは明らかである。特に以下の欠点を挙げることができる:
1.予備乾燥機中に既にある水蒸気雰囲気中での急速な加水分解、
2.結晶化の不十分な制御、
3.蒸発による高い水分損失、
4.続く恒温乾燥での制御性。
【課題を解決するための手段】
【0008】
ここから出発して、本発明の目的は、直接製造したポリエステル顆粒の重縮合度について、加水分解が可能な限り回避される改善した方法を提供することである。さらに、該顆粒は、低含量のアセトアルデヒド(AA含量)を有することが意図されている。
本発明のさらなる目的は、そのような方法を実現するための、対応する顆粒および装置を提供することである。
【0009】
この方法に関する目的は特許請求項1(出願時の特許請求の範囲に記載された請求項;以下も同じ)に記載された特筆すべき特徴により;該顆粒に関する目的は特許請求項21の特徴により;そして、その装置に関する目的は特許請求項30の特徴により達成される。従属項は、有利な成果を明らかにする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】プロセス全体のフローチャートを示す図である。
【図2】乾燥/脱気装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明によれば、特許請求項1に従って、ホットカットを70℃〜95℃の水温および8〜12:1の液体:固体比で実行するという点で、本発明の方法を最も効果的にすることを提案する。このことにより、予備乾燥機へ入るまで液体を保持すること、および予備乾燥機中の循環水を<10秒以内に分離することが必要不可欠である。今や、これらの方法の条件を維持しながら、ポリエステル顆粒またはペレットを得ることができ、その重縮合度が、高粘度溶融物の重縮合度より2%未満低いことが示された。このように、本発明による方法により、上述した高い重縮合度を有するポリエステル顆粒またはペレットを得ることができるため、顆粒/ペレットの冷却、中間的貯蔵、高温での再加熱および長時間の調質、さらには複雑な不活性ガス循環および繰り返しの冷却が付随する、粘度を増大させるために介在する連結装置なしで、これら顆粒/ペレットをボトルおよびフィルムの用途にさらに直接的に使用することが可能である。
【0012】
本発明による方法は、132〜165、好ましくは162までの重縮合度(DP:degree of polymerization)を有する、連続した重縮合プラントで製造されたポリエステル溶融物、好ましくはPET溶融物から開始する。高粘度ポリエステルの製造のための方法は、それ自体が先行技術で知られている。この点に関しては、既に述べた国際公開第03/042278A1号パンフレット(特許文献1)を参照されたい。
【0013】
驚くべきことに、本発明による方法により、高粘度溶融物の重縮合度に対して、わずかに2%未満の値、好ましくは1.5%未満の値までしか、重縮合度の低下が生じないことが示された。本発明による方法において、特に、予備乾燥機を援助するための通常の水予備分離、つまり、切断装置から予備乾燥機への供給管からの輸送水の通常の水予備分離が、期待した加水分解の減少を生じなかった、という事実に言及する。すなわち、ペレット/顆粒の高温表面に対する効果として、冷却水層よりも、水蒸気の形成のほうが顕著に大きな効果を有していた、という事実に言及する。このため、本発明の効果を達成するために、液体対固体比、すなわち、水対ペレット/顆粒の比を、8〜12:1の液体:固体比に調整し、ホットカットの間の水温を80℃〜90℃の範囲にすることが重要である。ここで、加水分解効果のわずかな差異のみが生じ、それは分析のばらつき(分散)範囲に起因し得る。本発明による方法では、この点に関して、予備乾燥が非常に重要である。請求項1の条件を維持する場合、ポリエステル中間体顆粒が予備乾燥の後に得られ、<200ppm(200ppm未満)および>100ppm(100ppmより大)の残留水分を有することが示された。
【0014】
好ましくは、本発明による方法で、PET(ポリエチレンテレフタレート)が製造される。
【0015】
以下の技術的特徴は、最小限の加水分解のための重要な基準として、挙げることができる:
1.乾燥機の前の予備散水(pre−watering)なし、
2.乾燥機中での輸送水の<10秒以内の急速な排出、
3.30秒から2分までの範囲内での表面水の急速な除去、
4.連続的な乾燥による、ポリマー構造中に拡散した残留水のわずかな蒸発、および後ろに接続された回収容器(回収サイロ)での向流の予熱された乾燥空気による、残留水の効率的排出、
5.後ろに接続された噴霧冷却器中での水蒸気/空気混合物の凝縮、凝縮した水を輸送水循環から除去し、冷却し、ろ過(フィルタリング)後に主循環に戻すこと、
6.水、およびポリエステルの他の揮発性副生成物のさらなる除去のための主乾燥における、洗浄空気の分量および−10℃と−40℃の間であるべき露点に関する制御。
【0016】
本発明は、上述の方法に従って製造した、好ましくはPETでできた顆粒にも関する。上述の方法を用いて製造した本発明による顆粒は、特に、その重縮合度の低下が、高粘度ポリエステル樹脂の重縮合度に対して2%未満、好ましくは1.5%未満であるという優れた特色を示す。
【0017】
本発明による顆粒を特徴付けるさらに必要不可欠な特徴は、38%未満の結晶化度(密度測定法による測定)、1ppm未満、好ましくは0.5〜0.9ppmの低沸点成分(例えば、アセトアルデヒド(AA)、メチルジオキソラン(MDO)等)、さらには、CIELAB表色系による、−1〜−3の黄色度b(CIELAB)を有するという優れた色調である。本発明による顆粒は、さらに、その水成分が100ppm未満であり、顆粒の粒重量が25mg未満、好ましくは<15mgであるという特色を示す。さらに、製造した顆粒が<0.8ppmという非常に低いアセトアルデヒド含量(AA含量)を有することは驚くべきことである。本発明による顆粒のさらなる利点は、その比表面積が>1.4m/kg、好ましくは1.6〜1.8m/kgであるということである。本発明による顆粒は、それ故、包装産業における全ての用途に著しく良好に適しており、その結晶化度が低いため、特に、低い再加熱温度を可能にし、結果的にポリエステルの低沸点分解生成物の再度の形成を減少させ、プリフォーム(予備成形体)の製造速度を増大させるという、ボトル製造における追加の利点を提供する。本発明による新しい方法では、記載したような低温処理のため、粘度が増大しないか、またはわずかな増大しか生じないため、従来の方法により製造され得るプリフォーム中で固相縮合の間にみられる「高溶融物(high melts)」も生じない。
【0018】
次いで、本発明はさらに、132〜165の重縮合度を有する高粘度ポリエステル溶融物からのポリエステル顆粒、好ましくはPET顆粒の製造のための装置に関する。該装置は特に、予備乾燥機を撹拌遠心分離機として構成するという顕著な特色を有する。円錐体の形態をした撹拌遠心分離機の構成は非常に重要であり、遠心フレームは、底面から円錐形にまたは段々に上方に向かって広がる。撹拌遠心分離機としての予備乾燥機の構成に加えて、さらなるプロセスの進行において、該装置で、特異的に構成された乾燥/脱気装置を使用することがさらに必要不可欠である。本発明の乾燥/脱気装置は特に、垂直円筒形の容器の形態で構成され、該容器は等温区域および冷却区域に分割されているという顕著な特色を有する。
【実施例】
【0019】
本発明を引き続き図1および2により詳述する。
図1はプロセス全体のフローチャートを示す。
図2は乾燥/脱気(滞留/脱気)装置を示す。
【0020】
プロセス全体を図1に示している。一連の事象は、PETの製造に関するものである。
【0021】
高粘度溶融物を、>80バールから200バールの圧力を蓄積することができる定量ポンプ2により、加熱ノズル板3を通じて押圧する(少なくとも70℃、好ましくは80〜95℃の水入口温度での、少なくとも1バールの過剰圧力下での水中造粒)。後者(加熱ノズル板)の近くを走行する切断ナイフリングが、ノズル板の各孔から溶融物を剥ぎ取り、結果として、その円形または楕円形の粒子(ペレット)が形成される。その粒子(ペレット)は、その周りを流れる強力な水のおかげで、表面で非晶質に凝固する。水チャンバは、わずかな過剰圧力下にあり、液体:固体比は、8:1から12:1である。ペレット/水混合物は、短い管路を通って接線方向に移動し、撹拌遠心分離機として構成される予備乾燥機5に入り、より低部の領域で水の分離が起こり、ペレットが上部の領域に出現する。
【0022】
ここで、慣習的な方法とは対照的に、予備乾燥機5での数秒の滞留時間内に、液体対固体比を「ゼロ」近くに変えること、すなわち、予備乾燥機5の下方の5分の1までの間に水を可能な限り完全に除去することが重要であることが明らかとなった。このことは、一方では、水によるペレットからのさらなる熱回収を最小限にし、他方では、ペレット上の表面の水の膜を最小にするためであり、このような水の消散の結果として、120℃〜180℃の操作温度範囲においてペレットの加水分解も過冷却も発生しないことが明らかとなった。同時に、上述した不都合な結果を回避するために、kg/kgでのペレット対蒸発水の比が、100:1〜20:1の狭い範囲内のみにあることが見出された。
【0023】
これらの既述の事項は、この新しい乾燥機の構成の基礎となるものであった。特に、液体の投入領域は、オープンスクリューの形態で構成した撹拌/搬送スパイラルが、ブレードまたはタービン撹拌機の形態にある追加の導電要素を有するように構成されている。
【0024】
結果的に、撹拌機の周辺に向けて液体の流体が移動し、したがって、努力せずに、そして極めて迅速に、孔径および数を考慮に入れる必要のある円筒形の、孔のあいた遠心フレームにより、液体を排出することができる。さらに、そのときまでに、円筒形遠心フレームを上方に円錐形に構成するか、または円柱状に段をつけて、これにより、その遠心力が連続的に増大し、それに応じてペレット上の水の層の厚さが減少するため、結果的に、表面水が分離し、水の層の厚さが減少する。遠心分離/搬送撹拌機は、常に直径の増大に適応しており、そのため、直径の増大と共に層の厚さ(ケーキ;扁平円形の塊)が減少する。これにより、篩フレームに対する撹拌/搬送ブレードの間隔は、最大限の水の分離において重要な役割を果たす。したがって、水、さらには形成した蒸気の両方は、円錐篩を通して外へ容易に排出することができる。円錐体のさらなる利点は、水および蒸気の通過を促進する、利用可能な篩表面を増大させることである。(底部の)投入径:(頂部の)排出径の比が0.75〜0.6のときに、水分離の最良の効果がもたらされ、同時に蒸気の形成を最小化することが、試験によって示された。
【0025】
驚いたことに、<10%での最初の結晶化が、ガラス転移点(70〜80℃)を上回る温度で、既に予備乾燥機5内で発生していたことも見出された。繰返しの試験により、そのとき、その他の点ではPETにとって通常である凝集が、もはや起こり得なかったという結果を得た。さらなる結晶化、例えば、振動トラフ上での結晶化のための要件は、結果的にもはや存在しないことになる。PETの低沸点成分の拡散および乾燥のさらなる過程を実施するための余長の分離には、単純な独立した分級篩6で十分である。
【0026】
プロセスの水循環について、水の利用を最適化する噴射冷却器9は、さらに必要不可欠な要素として述べることができる。これにより、逆浸透により費用をかけて調製した水についての、スラッジによる損失も、水分損失も、ほとんど生じない。
【0027】
噴射冷却器9は、乾燥機中での避け難い水蒸気の発生を1/10未満まで減少させるために、予備乾燥機5の後ろに直接接続する。これは、例えば、12,000kg/hのペレットの押出量で、600kg/hの蒸気量が生成したというような物質−エネルギーバランスを生じた。それから、この蒸気量のうち530kg/hは、再利用することができた。噴射冷却器は、主要なプロセス水循環の側流に配置するため、循環する水の温度制御を同時に達成することができる。それ故、このことは、「ダイフェースカット(die−face cutting)」の間ずっと、非常に重要な意義を有する。
【0028】
驚いたことに、加水分解の増大を確実に回避するために、続く回収槽7に、(加熱装置10により)140℃〜180℃まで予熱した乾燥空気の流れを、予備乾燥機5および分級篩6を通るペレットの流れとは反対方向に導くことによって、この乾燥空気でペレットを洗浄し、その水分を約+10℃の露点に調整することが、均一に結晶化することにとって、および要求される品質に対応する予備乾燥製品にとって必要であることが示された。この目的のために、<200ppm(200ppm未満)、好ましくは、>100ppm(100ppmより大)のペレットの残留水分が出口で達成されるように、乾燥機5への空気の入口での露点に応じて、回収槽7中に流れ込む空気量を制御する。次いで、熱いチップ(ペレット)の滞留サイロ8への移送は、同じ予熱乾燥空気により実施される。球状の顆粒を、注意深く当該サイロ中に搬送する、「高密度」搬送(“high density” conveyance)が好ましい。
【0029】
驚いたことに、この時点でのさらに完全な乾燥は、低沸点成分のペレットからのさらなる脱気に対抗することが示された。ポリエステル構造中に存在する少量の水が、低沸点成分であるアセトアルデヒド(AA)、メチルジオキソラン(MDO)、および可能性としてはより低いPEの他の分解生成物に関する連行(取込)効果(entraining effect)を有することができ、それ故、これら物質の加速度的排除は、残留水成分の助けにより制御することができることが見出された。ガス放出手順において、従来の方法に対して約30%〜40%の経時的な減少が見られた。
【0030】
サイロ8の脱気部分は、冷たい空気の流れに曝され、この冷気は、−10℃と−40℃の間に制御された露点を有する。そのため、空気の量は、上述した温度条件下で、ペレットから拡散するガス状である副生成物を排出するように、制御部15を介して調整される。ペレット量対空気量の比は、5〜25に最適に設定される。空気の供給は、例えば、室温で、しかし許容できる50℃のペレットプロセス温度よりも下で実施され、空気の分配のための経路は、チップ(ペレット)を包装温度まで冷却するためのサイロに一体化されたチップ/水管熱交換器の下に配置する。通気口自体は、二重の円錐体により構成される。チップ冷却器は、ペレットカラムを通して向流中に吹き出る少量の空気の分配におけるさらなる改善を確実にする。ペレットの質量に対して小さいエンタルピーを有する少量の空気のため、調質プロセスを妨げずにサイロ8中で温度平衡を調整する。脱気の与えられた温度分布と一体となって、チップ冷却器の数デシメートル(数十cm)上でさえも、チップカラムの温度は平衡状態にある。
【0031】
有利なことに、洗浄/搬送空気は、Konti空気乾燥機システムにより製造される。省エネルギー変形形態として、サイロの不要な空気は、回収容器および予備乾燥機を洗浄するため、さらには空気を搬送するため、および空気乾燥機システムを再生するために使用することもできる。
【0032】
図2は、拡大した断面の表示であり、滞留/脱気(乾燥/脱気)サイロ8の構成を示している。図2に示される通り、滞留/脱気サイロ8は、垂直円筒形の筐体の形態で構成されている。サイロ8は、2つの区域に分割されており、実際には、図2の等温区域9および冷却区域10に再区画されている。この冷却区域の熱交換器は、加工により、デッドスペースのない管束15としてその上側に構成されている。そのため、滞留/脱気サイロ8において、熱交換器管の自由表面積を容器表面積に対して1:4〜1:6で寸法設定すること、および熱交換器のL/D比(長さ/直径比)が少なくとも1.2:1であることが必要不可欠である。
【0033】
従って、熱交換器の管束の下への乾燥空気の導入は、二重の円錐体により生成される環状ギャップを通じて実行される。容器の上側には、熱いガスの出口16が設けられている。温度分布をモニタリングするために、滞留/脱気サイロ8は、好ましくは中心、容器の中心線の近くに配置することができる少なくとも3つの測定点を円筒の高さ全体にわたって有することができる(図示せず)。
【0034】
滞留/脱気サイロ8のさらなる特徴は、容器の円筒部分が能動的分離部分(active insulation)、例えば、電気暖房、半管コイルなどを備えることである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
132〜165の重合度(DP)を有する高粘度ポリエステル溶融物から、低加水分解性ポリエステル顆粒を直接製造する方法であって、
前記溶融物は、ホットカット法の後で予備乾燥および乾燥/脱気に付され、
前記ホットカット法における切断段階が、70〜95℃の水温で実施され、8:1から12:1の液体:固体比(水:ペレット/顆粒の比)が維持され、
前記液体が、前記予備乾燥へ移行するまで完全に保持され、そして、予備乾燥機中で循環水が<10秒以内に分離されることを特徴とする、前記方法。
【請求項2】
前記予備乾燥機中で、99%の循環水が分離されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
撹拌遠心分離機が予備乾燥機として使用され、その遠心フレームが底面から上方に向かって円錐形に構成されているか、または円柱状に段をつけられて構成されており、そして、前記予備乾燥機の下5分の1までの間に循環水が除去されることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記予備乾燥における操作が、120℃〜180℃の温度範囲で実施されることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
続いて接続された回収容器からの洗浄空気の分量によって、前記予備乾燥機中での前記予備乾燥の間の露点が8〜12℃に制御されることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
少なくとも5%の結晶化度が達成され、顆粒の凝集が防止されるように、前記予備乾燥が制御されることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記予備備乾燥からのペレット/顆粒の出口水分が<200ppmであることが達成されるように、前記予備乾燥が制御されることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記ホットカットから前記予備乾燥へ移行するまでの、水中での滞留時間が<1秒に維持されることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
分級篩を用いた分級が、前記予備乾燥と前記乾燥/脱気の間に実行されることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記分級篩での滞留時間が、最大で30秒であることを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記乾燥/脱気の前であって前記分級の後に、調質された乾燥空気を用いて、前記顆粒が回収容器中で洗浄されることを特徴とする、請求項9または10に記載の方法。
【請求項12】
前記回収容器中での最大滞留時間が8分に維持され、前記調質され/乾燥された空気の分量が、前記予備乾燥機の水分制御のために使用されることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記顆粒が、乾燥のために、前記回収容器から熱風搬送によって調質/冷却サイロへ運ばれることを特徴とする、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記乾燥が、能動的に分離されている調質/冷却サイロ中で行われ、組み合わせた乾燥および冷却が実施されることを特徴とする、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記乾燥が、6〜12時間にわたって150〜180℃で、好ましくは160〜175℃で行われ、前記冷却が0.5〜1.5時間にわたって50℃まで低下させて行われることを特徴とする、請求項13または14に記載の方法。
【請求項16】
前記予備乾燥からの蒸気が混合冷却器中で凝縮され、その冷却媒体が主要な水循環の部分流から除去され、そして、その混合凝縮物が主要な水循環の温度制御のために使用されることを特徴とする、請求項1から15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
部分流:主流の混合比が、1:4〜1:6の比を有することを特徴とする、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記乾燥空気は、露点が−10℃〜−40℃となるように処理されることを特徴とする、請求項13から17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
40℃の最大温度を有する前記調質/冷却サイロ中に、前記顆粒量:空気量が1:5〜1:10の比で導入された空気が、冷却器を通じて準層流分布を有することを特徴とする、請求項13から19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
PET(ポリエチレンテレフタレート)が製造されることを特徴とする、請求項1から19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
請求項1から20のいずれか一項に記載の方法により製造されたポリエステル顆粒であって、その重縮合度が、前記高粘度溶融物よりも、最大で2%より低く、その結晶化度が<38%である(密度測定法により測定)ことを特徴とする、前記ポリエステル顆粒。
【請求項22】
前記重縮合度が、前記高粘度溶融物よりも、最大で1.5%より低いことを特徴とする、請求項20に記載のポリエステル顆粒。
【請求項23】
<1ppmの低沸点成分を有することを特徴とする、請求項21または22に記載のポリエステル顆粒。
【請求項24】
前記低沸点成分が0.5〜0.9ppmであることを特徴とする、請求項23に記載のポリエステル顆粒。
【請求項25】
前記顆粒が、−1〜−3の黄色度b(CIELAB)を有することを特徴とする、請求項21から24のいずれか一項に記載のポリエステル顆粒。
【請求項26】
<100ppm、好ましくは<50ppmの含水量を有することを特徴とする、請求項21から25のいずれか一項に記載のポリエステル顆粒。
【請求項27】
<25mgの平均顆粒重量を有することを特徴とする、請求項21から26のいずれか一項に記載のポリエステル顆粒。
【請求項28】
前記平均顆粒重量が<15mgであることを特徴とする、請求項27に記載のポリエステル顆粒。
【請求項29】
PET(ポリエチレンテレフタレート)であることを特徴とする、請求項21から28のいずれか一項に記載のポリエステル顆粒。
【請求項30】
132〜165の重合度(DP)を有する高粘度ポリエステル溶融物から低加水分解性ポリエステル顆粒を直接製造するための装置であって、
前記装置は、ホットカット、予備乾燥機、さらには乾燥/脱気装置を含み、
前記予備乾燥機が撹拌遠心分離機として構成され、その遠心フレームが底面から上方に向かって円錐体の形状に広げられているか、または円柱状に段をつけられていることを特徴とする、前記装置。
【請求項31】
前記円錐体が、0.75〜0.6の投入径:排出径の比を有することを特徴とする、請求項30に記載の装置。
【請求項32】
前記撹拌遠心分離機が、液体のための接線方向の流入経路を有することを特徴とする、請求項30または31に記載の装置。
【請求項33】
撹拌/搬送スパイラルがオープンスクリューの形態に構成されるように、前記撹拌遠心分離機の入口領域が構成されていることを特徴とする、請求項30から32のいずれか一項に記載の装置。
【請求項34】
さらに独立した要素が、前記撹拌遠心分離機にブレードまたはタービン撹拌機の形態で存在することを特徴とする、請求項30から33のいずれか一項に記載の装置。
【請求項35】
分級装置が、前記予備乾燥機の後ろに接続されることを特徴とする、請求項30から35のいずれか一項に記載の装置。
【請求項36】
前記顆粒に対して向流の方向の送気口を有する回収容器が、前記分級装置と前記乾燥/脱気装置の間に配置されることを特徴とする、請求項35に記載の装置。
【請求項37】
前記乾燥/脱気装置が、調質区域および冷却区域を有する垂直円筒形の容器の形態に構成されることを特徴とする、請求項30から36のいずれか一項に記載の装置。
【請求項38】
前記冷却区域が熱交換器を有し、熱交換器の管束が、全体として自由表面積を有し、加工により、その上側に構成され、完全にデッドスペースがないことを特徴とする、請求項37に記載の装置。
【請求項39】
前記顆粒に対して向流の方向の調整空気により、前記熱交換器が洗浄され得ることを特徴とする、請求項38に記載の装置。
【請求項40】
前記熱交換器管の自由表面積が、容器表面積に対して1:4〜1:6であることを特徴とする、請求項38または39に記載の装置。
【請求項41】
前記熱交換器のL/D比(長さ/直径比)が、少なくとも1.2:1であることを特徴とする、請求項38から40のいずれか一項に記載の装置。
【請求項42】
前記熱交換器の管束の下への乾燥空気の導入が、二重の円錐体により生成される環状ギャップを通してもたらされることを特徴とする、請求項38から41のいずれか一項に記載の装置。
【請求項43】
熱いガスの出口が、前記乾燥/脱気装置の前記円筒形容器の上側に配置されることを特徴とする、請求項37から42のいずれか一項に記載の装置。
【請求項44】
温度分布をモニタリングするための少なくとも3つの測定点が、円筒高さ全体にわたって配置されることを特徴とする、請求項37から43のいずれか一項に記載の装置。
【請求項45】
少なくとも、前記容器の前記円筒部分が、能動的な独立部分、例えば、電気暖房、半管コイル等を備えることを特徴とする、請求項37から44のいずれか一項に記載の装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公表番号】特表2010−537014(P2010−537014A)
【公表日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−522235(P2010−522235)
【出願日】平成20年8月22日(2008.8.22)
【国際出願番号】PCT/EP2008/006934
【国際公開番号】WO2009/027064
【国際公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【出願人】(510051613)ウーデ・インヴェンタ−フィッシャー・ゲーエムベーハー (1)
【出願人】(510051635)ベーカーゲー・ブルックマン・ウント・クレイェンボルグ・グランウリアーテヒニック・ゲーエムベーハー (1)
【Fターム(参考)】