説明

高精度バッテリーテスター

【課題】 高精度のバッテリーテスターを提供する。
【解決手段】
バッテリーテスターは、入力装置及び2本の検出用電線が設けられたケーシングと、マイクロプロセッサーと、負荷ユニットと、バッテリーパワー状態検出ユニットとを備える。バッテリー容量と、バッテリー電圧と、入力装置から入力される1/NCCA及び負荷時間を有する検出要件とに従って、バッテリーのための負荷時間を決定するために、前記マイクロプロセッサーは、内部に重要な決定プロセスを構築する。したがって、前記バッテリーテスターは、異なる能力を有するバッテリーを検出し、正確な検出結果をもたらす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリーテスターに関し、より詳細には高精度なバッテリーテスターに関する。
【背景技術】
【0002】
市場には、異なる能力を有する多くのタイプの充電式バッテリーが存在する。バッテリーテスターは、充電式バッテリーの状態を決定すべく、充電式バッテリーの残留容量を検出するために使われる。しかしながら、異なる充電式バッテリーを検出するために、従来のバッテリーテスターは1つの方法しか使わず、不正確なテスト結果を生じ易い。
【0003】
一般的に、従来のバッテリーテスターは、充電式バッテリーの状態を検出するために、1/2コールドクランキングアンペア(以下CCAと称す。)テスト方法を使用する。この方法は、(a)15秒間、1/2CCAアンペアの電流を流す負荷をつなぐことによってバッテリーを放電すべく、前記負荷を該バッテリーの2つの電極に付加すること、及び(b)放電グラフによってバッテリーの状態を決定することのステップを有する。
【0004】
前記バッテリーテスターによって実施された従来のテスト方法では、負荷抵抗及び該負荷抵抗をバッテリーに接続する時間は、固定されている。そのため、前記バッテリーテスターがそれぞれ異なる能力を有する充電式バッテリーを検出する場合、放電グラフの数値は正確ではない。従来のバッテリーテスターの前記テスト精度は、すべての充電式バッテリーに理想的ではない。
【0005】
前記欠点を克服すべく、本発明は、前記した問題を緩和しあるいは除去するために、高精度のバッテリーテスターを提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来のバッテリーテスターの前述した欠点に鑑み、本発明の主たる目的は、高精度なバッテリーテスターを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
バッテリーテスターは、入力装置及び2本の検出用電線が設けられたケーシングと、マイクロプロセッサーと、負荷ユニットと、バッテリーパワー状態検出ユニットとを備える。前記マイクロプロセッサーは、バッテリー容量と、バッテリー電圧と、前記入力装置から入力される1/NのCCA及び負荷時間を有する検出要件とに従って、バッテリーのための確定負荷時間を決定するために、内部に重要な決定プロセスを構築する。
【0008】
本発明の他の目的、利点及び斬新な特徴は、添付図面に関連しての以下の詳細な説明から、より明白になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明に係るバッテリーテスターの斜視図である。
【図2】本発明に係るバッテリーテスターの機能ブロック図である。
【図3】図1に示されたテスターで実施される重要な決定プロセスのフローチャートである。
【図4】本発明に係るバッテリーテスターの検査グラフである。
【図5】本発明に係る検出プロセスのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1及び2を参照するに、本発明に係る高精度なバッテリーテスターの好適な実施例は、ケーシング10、マイクロプロセッサー20、負荷ユニット21、スイッチ211及びバッテリーパワー状態検出ユニット22を備える。
【0011】
ケーシング10には、入力装置11及び2本の検出用電線12が設けられている。ユーザは、入力装置11を用いて特定のバッテリー容量を選択する。検出用電線12は、バッテリー30の2つの電極31にそれぞれ電子的に接続される。好適な実施例では、2本の検出用電線12は、バッテリー30の2つの電極31をそれぞれ挟み込む。ケーシング10には、さらにディスプレイ13、コンピュータコネクタ14及びアラーム15が設けられている。コンピュータコネクタ14は、コンピュータ又は携帯電話などの外部の電子機器を接続するために使われる。
【0012】
マイクロプロセッサー20は、その内部に、重要な決定プロセスと、検出プロセスとを構築する。
【0013】
負荷ユニット21は、マイクロプロセッサー20と、2本の電線12とに電子的に接続されている。前記負荷ユニットは、バッテリー30の電圧及び電流変化を検出すべく、2本の電線12を経てバッテリー30の電極31に電子的に接続されており、結果的に前記電圧及び電流の両値でマイクロプロセッサー20に反応する。
【0014】
スイッチ211は、検出用電線12の一本と負荷ユニット21との間で電子的に接続されており、マイクロプロセッサー20によって制御を受ける。
【0015】
バッテリーパワー状態検出ユニット22は、前記バッテリー電圧値及び/又は電流値を検出するために、検出用電線12とマイクロプロセッサー20との間に電子的に接続されている。さらに、バッテリーパワー状態検出ユニット22は、マイクロプロセッサー20に内蔵することができる。
【0016】
さらに、図3を参照するに、重要な決定プロセスは次の以下のステップを備える。
(a)入力装置11からのバッテリー容量(CCA)と、バッテリーパワー状態ユニット22からの現バッテリー30のバッテリー電圧(V)と、入力装置11からの1/N CCA及び負荷時間(TLOAD)を有する予め設定された検出要件とを得ること(S10)、
(b)バッテリー30の出力電流Iを読み取るために、負荷ユニット21をバッテリー30に接続すること(S11)、
(c)現バッテリー30のための確定負荷時間を決定するために、出力電流I、前記バッテリー容量、前記予め設定された検出要件を用いて、負荷時間の等式を計算すること(S12)、及び
(d)検出曲線を得るために検出プロセスを実行すること(S13)の各ステップである。ここで前記等式は、確定負荷時間={[CCA×(1/N)]/I}×TLOADである。
【0017】
(例1)
ユーザが、12V/1000CCA、予め設定された検出要件(1/2CCA、15秒)及び固定抵抗値(0.12Ω)の負荷ユニット21で現バッテリー30のバッテリー状態を検出する場合である。マイクロプロセッサー20は先ずスイッチ211を入れ、その結果、負荷ユニット21はバッテリー30につながる。それにより、マイクロプロセッサー20は出力電流(IB=100A)を得る。異なる能力を有するバッテリーは異なる負荷時間を必要とするので、プロセッサ20は、負荷時間、{[1000×(1/2)]/100}×15=75秒の等式を計算する。したがって、12V/1000CCAの現バッテリー30のための適切な確定負荷時間は75秒である。
【0018】
(例2)
ユーザが12V/900CCA、予め設定された検出要件(1/3CCA、20秒)及び固定抵抗値(0.08Ω)の負荷ユニット21で現バッテリー30のバッテリー状態を検出する場合である。マイクロプロセッサー20は先ずスイッチ211を入れ、その結果、負荷ユニット21はバッテリー30につながる。それにより、マイクロプロセッサー20は出力電流(IB=150A)を得る。プロセッサ20は、負荷時間、{[900×(1/3)]/150}×20=40秒の等式を計算する。したがって、12V/900CCAの現バッテリー30のための適切な確定負荷時間は40秒である。
【0019】
前記2つの例によれば、前記バッテリーテスターは固定負荷ユニットを使用するが、確定負荷時間は、バッテリーの能力と予め設定された検出要件とによって決定される。検出プロセスでは、前記バッテリーは検出曲線に従って確定負荷時間の間、継続的に放電することができ、前記マイクロプロセッサーは、前記バッテリーの状態を分析するのに十分な放電パワー状態と高精度の検出曲線とを得る。
【0020】
図1、4及び5を参照するに、マイクロプロセッサー20によって得られた検出曲線及び検出プロセスのフローチャートが示されている。検出プロセスでは、バッテリー30は、最初に全容量に充電され、直ちに充電器から取り外される。次に、バッテリー30は負荷ユニット21に接続される。マイクロプロセッサー20は負荷ユニット21を通してバッテリー30の放電パワーを検出し、バッテリー30の放電パワーが現パワー値の谷(Ve2)になるか否かを監視する。放電パワーが前記現パワー値(Ve2)になるまで、スイッチ211はバッテリー30を切り離すので負荷ユニット21は前記バッテリーから切り離される(S40)。したがって、バッテリー30は、浮遊充電電圧を全く有しない。次に、バッテリー30の複数の電圧値と電流値とを検出するために、負荷ユニット21がバッテリー30に選択的に接続される(S41)。最終的に、検出曲線は電圧値及び/又は電流値によって完成され、前記マイクロプロセッサーは前記検出曲線によってバッテリー状態を決定する(S42)。
【0021】
本発明の多くの特徴及び利点が、本発明の構成及び作用の詳細と共に、前述の説明に記述されたが、開示は例示に過ぎない。変更は、細部にわたって、特に、付加された特許請求の範囲の用語の広義の一般的な意味によって示された充分な範囲に至る本発明の原理内で、部分の形状、寸法及び配置についてなすことができる。
【符号の説明】
【0022】
10 ケーシング
11 入力装置
12 検出用電線
13 ディスプレイ
14 コンピュータコネクタ
15 アラーム
20 マイクロプロセッサー
21 負荷ユニット
22 バッテリーパワー状態検出ユニット
30 バッテリー
31 バッテリー電極
211 スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なる任意のバッテリー容量及び検出要件を提供する入力装置とバッテリーの2つの電極にそれぞれ接続される2本の検出用電線とが設けられたケーシングと、
重要な決定プロセスを内部に構築するマイクロプロセッサーと、
前記マイクロプロセッサー及び前記検出用電線に電子的に接続された負荷ユニットと、
前記検出用電線の1本と前記負荷ユニットとの間に電子的に接続され、前記マイクロプロセッサーによって制御を受けるスイッチと、
前記バッテリーの電圧及び電流を検出するために前記マイクロプロセッサーに電子的に接続され、前記電圧及び電流を前記マイクロプロセッサーに伝えるバッテリーパワー状態検出ユニットとを含み、
前記重要な決定プロセスは、
(a)前記入力装置からのバッテリー容量(CCA)と、前記バッテリーパワー状態ユニットからの現バッテリーのバッテリー電圧(V)と、前記入力装置からの1/N CCA及び負荷時間(TLOAD)を有する予め設定された検出要件とを得ること、
(b)前記バッテリーの出力電流Iを読み取るために、前記負荷ユニットを前記バッテリーに接続すること、
(c)前記現バッテリーのための確定負荷時間を決定するために、前記出力電流I、前記バッテリー容量、前記予め設定された検出要件を用いて、負荷時間の等式を計算すること、及び
(d)検出曲線を得るために検出プロセスを実行すること
の各ステップを含み、ここで前記等式は、確定負荷時間={[CCA×(1/N)]/I}×TLOADである、高精度バッテリーテスター。
【請求項2】
前記マイクロプロセッサーは、さらに検出プロセスを構築し、該検出プロセスは、
(a)前記バッテリーを全容量に充電し、直ちに充電器から取り外すこと、
(b)前記バッテリーを放電すべく前記負荷ユニットに接続しまた放電パワー状態を監視すること、
(c)前記バッテリーが放電により現パワー値になるまで前記バッテリーから前記負荷ユニットを切り離すこと、
(d)前記バッテリーの複数の電圧値と電流値とを検出するために、前記負荷ユニットを前記バッテリーに選択的に接続すること、及び
(e)前記電圧値及び電流値によって前記検出曲線を完成すること
の各ステップを含む、請求項1に記載のバッテリーテスター。
【請求項3】
前記ケーシングには、さらに、ディスプレイ、コンピュータコネクタ及びアラームが設けられている、請求項2に記載のバッテリーテスター。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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