説明

高純度の珪素含有生成物

【解決手段】本発明は、籾殻又は稲藁のようなシリコン含有植物から生成されたカーボン−シリカ生成物であり、硫酸で浸出することによって、非シリカ無機物及び金属を除去し、その一方、残った生成物内の固定カーボン対シリカのモル比を調整する。カーボンとシリカは、ミクロン又はサブミクロンスケールで密接に混合され、高純度と高い反応性、小さな粒子サイズ、高い空隙率を特徴とし、カーボン−シリカ生成物からシリコン含有生成物を生成するエネルギー源として用いられる揮発性カーボンを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、一般に種々のシリコンを含む生成物、及び可成りのシリカ含量を有する植物質から得られ、又は植物質を処理した出発物質から生成物を作る方法に関し、植物質は籾殻及び稲藁が最も好ましい。本発明の一態様は、浸出工程(leaching process)によって得られるカーボン−シリカ生成物に関し、出発物質は硫酸溶液を用いて処理される。本発明の他の態様は、浸出工程によって作られる組成物から揮発性カーボン(volatile carbon)を除去し及び回収する化学的及び熱処理的方法に関し、カーボン−シリカ生成物から揮発性成分を除去した生成物に関する。本発明の他の態様は、カーボン熱処理工程を用いて揮発性成分を除去したカーボン−シリカ生成物から作られるシリコン含有生成物に関する。
【背景技術】
【0002】
関連技術の記載
高純度シリコンの独特の性能特性は、半導体産業の可能性を発展させ、光起電産業の迅速な成長にとって重要である。他のシリコン含有材料には例えば、或る形式では高性能セラミック及び高性能合成物を生成するのに用いられるシリコンカーバイド、シリコン窒化物を含む。これらの及び他のシリコン含有材料は、電子工学、防衛、自動車、宇宙航空学、産業上の摩耗部品、先進のガラス工学、及び化学的且つ環境的な生成物を含む種々の用途にて用いられる。
【0003】
光起電産業は速いペースで成長しているが、シリコンのコストは、更なる速い成長、及び光起電パネルを用いた大量のパワーの生成に対する障害の1つである。ソーラー等級シリコンをコスト的に有効な工程が無いことにより、多数の太陽電池が、より純度が高くてコストが掛かる半導体等級シリコンから現在作られている。同様に、高性能セラミック及び組成物に対する要求が大きくなっているが、これらの産業の期待は、シリコンカーバイド及びシリコン窒化物のような高いコストの材料によって阻まれている。
【0004】
シリコンを含有する全ての材料及び生成物の製造には、基本的に、非常に高温でカーボン及びシリカ(SiO2)の反応が含まれており、しばしばカーボン熱還元と呼ばれる。カーボンはシリカから酸素原子を「引き離し」、生成された一酸化炭素は反応装置からガスとなって流出し、シリコン生成物を後に残す。所望の生成物それ自体がシリコンであれば、この反応の固定カーボン対シリカのモル比は以下の如く2:1になるべきである。
【数1】

所望の生成物が、シリコン炭化物(SiC)であれば、この反応のモル比は以下の式に示される如く、約3:1となる。
【数2】

珪素鉄(FeSi)及びシリコン窒化物(Si3N4)及び四塩化シリコン(SiCl4)のような他のシリコンベースの生成物は、カーボンとシリカ間の同じ反応を用いて生成され得る。
例えば、シリコン窒化物を作るには、窒素を含む雰囲気中で反応が実行され、1モルのシリカ当たり、2モルのカーボンが用いられる。
【0005】
シリコンを生成する標準的な商業的工程は、コークスのようなカーボン源を、砂又は水晶のような結晶質のシリカと所定比にて混合し、この混合物を反応させて、冶金グレードのシリコンを生成する。石炭と砂の粒は大きくて、接触面積及び有効な表面積が限定されて、あまり多孔性ではないから、従来の供給原料を用いた反応速度は遅く、一般には終了するのに1日以上を費やす。結果として、カーボンサーマル工程に要求されるエネルギーは高く、生成されるシリコンはしばしば純度99%未満である。この方法で生成されるシリコンは、アルミニウム産業及び所定の化学産業への適用に適しているが、半導体や光起電産業のような用途への純度には適切ではない。以前は、光産業や半導体グレードの材料には、冶金シリコンの品質を上げることが要求されていた。
【0006】
同様に、低速でエネルギーが強いアチソン方法を用いて生成されるシリコンカーバイトはコストが掛かり、冶金、耐熱性、研磨産業、及び高純度、小さい粒サイズ、及び/又はウィスカ又はファイバーを必要としない他の用途での使用に限定される。以前は、高級なシリコンカーバイドパウダーを生成するには、更に高価で複雑な工程を使用することが要求されてきた。
【0007】
シリコン窒化物は様々なプロセスを通じて生産することができ、四塩化シリコンのような高価な出発原料を商業上使用して、しばしば作られる。生成されたパウダーは、商業的には望ましいが、少数の高級な用途を除き、全ての用途で使用するには高価すぎる。
【0008】
過去20年間に、数人の研究者は、工業製品用シリカの源として稲の使用を研究した。全ての植物質は、著しい量の炭素を含んでおり、多くのタイプの植物質はシリカを含んでいる。稲は、その高濃度のシリカ故に、恐らく最も独特なうちの1つである。
殆どの植物質のミネラルは例えば約1−2%であるが、稲には一般に約11−23%のミネラルがある。特に、稲のミネラルの中身の約75−95%は、シリカである。稲藁は約11%のシリカを含んでいる。また、籾殻は一般に約15−23%のシリカを含んでいる。
米は世界中で育つ最も豊富な農作物の1つであるが、現在まで、稲の可成りの部分を構成する籾殻と稲藁の実用的な用途はほとんどなかった。
【0009】
籾殻は成長中に米粒に生ずる自然の包皮である。それらは米の精製中に除去され、精米産業の副産物として生じる無駄又は低価値の物である。稲藁は茎、葉鞘、葉、及び収穫後の円錐花序の残りから構成される。
一般に、稲から得られた稲藁の量は、収穫された米の大凡の産出量と少なくとも等しい。
それらの高いケイ酸含量のために、これらの材料は、動物飼料の要素としての価値を殆ど持っていない。
籾殻と稲藁は、燃焼温度でシリカと相互に反応して、ボイラースラグ及び沈積物を生成する比較的大量のカリウムを有し、且つ不燃性の灰の大量の破片を有するので、それらは貧弱な燃料源であると同様に考えられている。籾殻と稲藁が燃料として燃やされた場合、籾殻と稲藁の両方は比較的灰分が高い故に、特殊な処理設備を要求する。
これらの理由故に、籾殻はしばしば埋立て地に沈積され、稲藁は野原で燃やされる。このようにして、籾殻と稲藁は殆ど商業的価値が無く、従来から処分上の問題を提起している。
【0010】
しかしながら、籾殻と稲藁は、高いケイ酸含量及び低価格であるが故に、引き続き珪酸の魅力的な源である。籾殻中の殆どの有機物質は燃焼によって削除することができる。そのような燃焼工程から生産された灰は、約95%以下の珪酸を含むが、まだ非珪酸のミネラルの不純物を含んでいる。
数人の研究者は、「浄化された」籾殻から付加価値のある製品を作成するために、籾殻から非珪酸ミネラルを除去することを研究した。
【0011】
エル.ピー.ハント、ジェイ.ピー.ディスムークス、ジェイ.エー.アーミックらによるJ.Electrochem.Soc.,131(7),1984年“シリコンを生成する原料としての籾殻”は、光起電力エネルギーが従来のエネルギー源に対してよりコスト競争力が高いように、籾殻を使用して、太陽電池を製造するのに十分に純粋で、十分に低コストなシリコンを生成する可能性を研究した。
生の籾殻を−20から+80メッシュに挽いた後に、洗い、乾して、乾いた籾殻の2つのサンプルが、塩酸対脱イオン化した水とが、夫々1:3と1:10の沸騰条件の下で15分間浸出された。1:10の酸性溶液で浸出することは1:3の酸性溶液と同じくらいまったく有効と分かった。
しかしながら、一層薄い酸性溶液を用いて、50℃で5時間の間、サンプルを浸出しても、沸騰条件の下で得られるものと同様な低い不純濃度にまでは減少しなかった。異なる材料からの3つの籾殻サンプルが、沸騰した1:10の塩酸溶液で15分間酸浸出された。カルシウム、カリウム、マグネシウム及びマンガンの濃度は40−100倍の係数(97.5〜99%の除去)だけ減少した。イオウの濃度は8の係数(87.5%の除去)だけ減少した。ナトリウム及びリンの濃度は約3の係数(67%の除去)だけ減少した。ホウ素、アルミニウム及び鉄の濃度は減少しなかった。
研究者等は、生の籾殻は、浸出された籾殻よりも、全体的な非珪酸ミネラルの不純物の濃度が約30倍である(全体的に96.7%)と報告し、酸に浸出されコークスにされた生成物は太陽電池の等級のシリコン生産用の原料として興味深いと推定した。
しかしながら、リン/ホウ素比率は10を超えるから、太陽電池の最終的な製造には、40ppm(平均)と報告されている通り、リンの濃度を実質的に減らす別の工程が要求される。
【0012】
ミネラル不純物を除去する際に、空隙率の重要性と同様にシリコンカーバイドのウィスカの生成を助長する空隙率の効果は、タナカによる米国特許第4,504,453号(1985年)に開示されている。
【0013】
エム、パテ−ル、エー.カレラ及びピープラサナらによる“殻の中の炭素及びケイ酸含量上の熱及び化学処理の影響”、J.Mater,Sci、22(7)、1987年は、インドボパールの近郊から得られた米殻サンプルを100℃にて2−6時間、塩酸(4〜12N)又は硫酸(2N)又は硝酸(8N)の研究所グレードで処理することを報告している。
著者は、塩酸で処理した米殻をその後700℃未満の温度で炭化することにより、純度99%(非珪酸ミネラルが10,000ppmであり、高純度の用途には高い不純レベルである)のSiO2が生産され得て、非結晶が結晶形へ変わる如何なる変形をも回避し、残り1%は酸に溶解できない金属であるから純度は99%以上には増加しないと結論を下した。
さらに、彼らは、硫酸か硝酸の中で逆流反応が実施されるのが難しいと報告し、従って、制限のある実験のみが実施された。著者はさらに、部分的なコークス又は籾穀当りのカーボンとシリカの比が2:1であることを達成することができると報告した。
しかしながら、これはモル比率10:1に相当する質量比であり、然るに所望のモル比は3:1から2:1の範囲である。
【0014】
エー.チャクラバティ、ピー.ミシュラ、エイチデー.バナージーらによる“純非結晶白珪素を生成する生及び酸浸出した籾殻の酸化の研究”J.Mater,Sci、23(1)、1988年は、洗浄され乾燥した籾殻を約40メッシュの粒子サイズに挽き、50℃にて2時間塩酸(1N,3N,5N及び11.3N)、硫酸(1N,4.5N,9N及び18N)及び硝酸(4.5N,9N及び18N)に浸出し、蒸留水で洗浄し乾燥することを開示している。酸浸出した籾殻は、次に500℃から700℃の範囲の温度で燃焼された。硫酸による酸処理は、塩酸または硝酸の何れかを用いた浸出に較べて、比較可能な濃度に於いて、ナトリウム、カリウム、カルシウム、鉄、マグネシウム、マンガン、亜鉛、銅の酸化物濃度を還元する効果は少なかった。全体的な金属不純物レベル(酸化物と報告された)は、塩酸で処理されたサンプルについては300−747ppmであり、硝酸で処理されたサンプルについては496−688ppmであり、硫酸で処理されたサンプルについては3534−4483ppmであった。11.3Nの塩酸を用いて得られる最良で実行しても、識別された非珪素不純物の99%削減には失敗した。処理前又は処理後の何れかのリンのレベルに関するデータは無い。
【0015】
アール.コンラッド、ピー.ピムカハオカム及びユー.リーラ−アジソンらによる“籾殻からのナノ構造の珪素”J.非結晶固体145(1992)75−79は、1リットル当たり100グラムの籾殻の割合で、3時間、2.4モルの塩酸又は3.6モルの硫酸で逆流沸騰(reflux boiling)することによる洗浄したタイ米の籾殻の酸浸出を報告している。浸出した籾殻は600℃で焼却されて特徴付けられる。研究者らは、酸の前処理を省いた場合、産物は、焼却物の表面を可成り小さくすると結論付けた。籾殻から作られたシリカについて、比表面180−250平方m/gが報告されている。塩酸を用いて前処理した籾殻から得られた灰内の非シリカミネラルの純度の最良レベルは、6500ppmであった。硫酸を用いて前処理した籾殻から得られた灰内の非シリカミネラルの純度の最良レベルは、10000ppmであった。
【0016】
エル.エー.ラーマンによる“消化された籾殻のカーボン熱還元によるSi3N4の形成”セラミックスInt’l(1994)は、硝酸を用いて籾殻を消化することにより、カーボン及びシリカを生成することを研究した。約30gの予め洗浄した籾殻が60℃で300mlの硝酸にて消化された。硝酸の濃度は、10モルから14モルに変更された。消化中(連続して攪拌して、7時間以下)、温度は注意深く制御された。消化された籾殻は、次に濾過されて、蒸留水で中性になるまで洗浄された。消化された籾殻内の全体的な非珪素ミネラルレベル(酸化物と報告された)は、2500ppmであると報告された。消化された籾殻は、アルゴンガス流れの下で、800℃で一定重量にまで熱分解される。熱分解された消化籾殻のカーボン量は、空気中で700℃、1時間加熱することにより決定された。ラーマンは、12モルの硝酸にて3時間以上消化した後は、得られた消化生成物は、2C/SiO2の化学量比であり、より高い濃度では所望比を生成できなかったことを報告した。低濃度では、適切なカーボン−シリカ混合物を生成するのに長い時間が要求される。加熱後の重量損失は、熱分解された消化籾殻内にあるカーボンの量と考えられ、残りは純粋なシリカと考えられる。次に、生成物が30分間、約700℃で覆われた加熱炉で焼成されて、余分なカーボンが除去された後に、熱分解された粉は、制御された窒素雰囲気中にて、加熱炉にて、温度は徐々に1430℃まで加熱することにより窒化される。反応を完全にするのに貢献する最も重要な要素は、混合の均質性に見いだされ、シリカとカーボンが自然に混合されると、籾殻の使用は有利であると言われた。
【0017】
シー.リール、エム.アルカーラ及びジェイ.クリアドらによる“籾殻からのシリカの形成”J.Am.Ceram.Soc.,79(8) 1996は、籾殻から大きな比表面積を具えた純粋なシリカジェルを得る手順を研究し、原料として用いられる籾殻又は最終生成物として得られるシリカの何れかが、予め2時間、10%の塩酸溶液で沸騰されて浸出されたことを条件として、純度99%を越えるシリカは不活性雰囲気の下、600℃で籾殻を燃やし、続いて同じ温度で酸素雰囲気の下、残ったカーボンを燃焼させることによって得られることを報告した。
しかし、大きな比表面積を具えたシリカジェルの産出、及びナノスケールの分子を均一に分布させることは、希釈した塩酸を用いて籾殻を予め浸出し、又は熱湯で洗浄してカリウムイオンを除去することが必要となる。
【0018】
アール.ブイ.クリスナラオ及びジェイ.サブラマヤムらによる“籾殻シリカ−カーボンブラックの混合物からのSiC構造:急速加熱の効果”Ceramics Int’l22(1996)489−492頁は、シリコンカーバイドウィスカの生成には、空隙率が重要であることを示した。
【0019】
エヌ.ヤルシン及びブイ.セヴィンクらによる“籾殻から得られるシリカの研究”Ceramics Int’l 27(2001)219−224頁は、50g/リットルの比率で2時間3%(v/v)の塩酸、あるいは10%(v/v)の硫酸の中の逆流沸騰によって、あるいは50gの殻/リットルの比率にて、室温で24時間3%(v/v)の水酸化ナトリウム溶液で浸出することによって洗われ乾いた籾殻を浸出することを報告した。浸出後に、籾殻が蒸留水で徹底的に洗われ、110℃で空気乾燥機の中で乾かされ、次に、4つの異なる方法によって600℃でマッフルファーネスの中で焼かれた。
研究者は、籾殻の灰のシリカ含量が、焼却に先立って籾殻を浸出するのに使用される化学薬品のタイプに強く依存することを発見した。
報告されたSiO2の含量(wt%)は、籾殻が沸点で2時間、10%(v/v)の硫酸(v/v)で予め浸出された灰サンプルについては99.60±0.05(4000ppm)であり、籾殻が沸点で2時間、3%(v/v)の塩酸(v/v)で予め浸出され且つその後も浸出された灰サンプルについては99.66±0.02(3400ppm)であった。焼却前に硫酸で浸出されたサンプルは、282m2/gのBETの比表面を示した。
【0020】
ハントら、ラーマンらを除いて、以前の参照文献は、籾殻内に見付かったカーボンが、籾殻内のシリカと反応して、所望の製品を形成することを開示(suggest)しない。
代わりに、籾殻は燃えて灰を形成し、それによって、灰が酸にて処理されて結果物であるシリカからミネラルを除去した後に、全てのカーボンを除去する。
しかしながら、籾殻を熱する前にK+を除去することにより、加熱時にシリカはより大きな比表面積及びより小さな粒子サイズを維持することができるので、リアルらは籾殻をシリカに還元するのに燃焼を使用する前に、浸出を行なうことが有利であることを1996年に実証した。他方で、生じるシリカは、所望のシリコン含有生成物を生産するために、炭素又は別の出所源からの別の還元剤と結合する。
【0021】
籾殻は、固定及び揮発性カーボンの両方を含む。固定カーボン(fixed carbon)は、シリカと反応して生成物を形成する十分高い温度まで、固体内に保持され、その一方、揮発性のカーボンは、シリカと反応するのには利用できない比較的低い温度にて揮発される。
処理されていない籾殻内の固定カーボン対シリカのモル比は、約4:1である。従って、所望の製品(例えばSiCについては約3:1、及びSiについては約2:1)について、モル比は適切な比率に調節されなければならない。
これはモル比であり、先行技術の中で時々使用されるような、質量百分率比率ではないことに注目することは重要である。1:1の低い質量百分率比率さえ、モル比では5:1に相互に関連し、それは多くのカーボン熱反応に要求される比を軽く上回る。
ハントらは、塩酸でミネラル含量が予め適切なレベルにまで減らされた後に、熱分解を用いて、その後にCO2にて制御された燃焼をして固定カーボンの幾らかを除去することに言及し、該レベルは許容しがたい量のリンを含み、鉄の還元はなかった。
ラーマンらは、炭素を削除するために濃縮硝酸(それは殻の中の有機物質を分解する強い酸化剤である)を使用した。しかしながら、処理された籾殻からの灰のミネラル純度は、200ppmの鉄の含量と共に、まだ2500ppmだった。リンに関するデータは報告されなかった。
ラーマンらによって注目されたように、酸処理の後の炭素の高反応、酸処理の後のシリカの高い比表面積、及び酸処理された籾殻内のシリカとカーボンの密接な関係を保持することにより、高温でのシリカとカーボンの反応速度を増強させるのであろう。
【0022】
太陽発電及び高性能材料に要求される特性をコスト効果的に得るために、密接に関係する固定カーボン対シリカのモル比を調節し、シリカを高レベルに含む植物質から非シリカミネラル、特にリン及び鉄を非常に低レベルにする工程を開発することは重要である。これらの材料であれば、一層安価なカーボン熱処理工程に用いられて、現行の工程よりも一層低いコストで、高級シリコン、シリコンカーバイド、シリコン窒化物、シリコン四塩化物、及び他のシリコンベースの生成物を生成することができる。
【発明の概要】
【0023】
発明の要約
本発明は、新規な方法と、シリコン、シリコンカーバイド、シリコン窒化物、シリコン四塩化物のような高性能で高純度の最終生成物及び、要求されるエネルギーがより低く、従来の工程を用いることにより要するコストの何分の1かで、一層高い効率を備えた、高純度のシリコン含有生成物を生成するのに用いられ得る中間生成物を含んでいる。十分な量のカーボンとシリカの両方を含む自然に生じる植物質、処理された植物質、又はそれらの混合物が、制御された温度にて適切な時間だけ硫酸溶液を用いて1段階又は多段階の何れかで浸出される。浸出工程から得られる固体のカーボン−シリカ生成物は、少なくとも約1:1の固定カーボン対シリカのモル比、非常に低レベルのミネラル、及び高い空隙率と反応性を有する。本発明のこの要約、好ましい実施例の詳細な記載、請求の範囲の全体に亘って用いられるように、“ミネラル”及び複数の“ミネラル”は、シリカを除き、及び1又は2以上のナトリウム(Na)、カリウム(K)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、アルミニウム(Al)、ホウ素(B)及びリン(P)を意味し、単独でも互いに組み合わされても、他の金属又は酸素のような原子と組み合わされてもよい。固定カーボン及びシリカは密接に、ミクロン又はさらにサブミクロンスケールに混合され、シリカは大きな比表面積を有して非晶質形で存在する。本発明のカーボン−シリカ生成物は、製粉又は他の適切な手段によって壊れやすく、良好な粉形状に容易に小さくできる。
【0024】
浸出工程のカーボン−シリカ生成物は、揮発性のカーボン(volatile carbon)を含み、これは更に酸で処理し、又は約100度の温度にまで加熱することにより、除去され及び回収される。揮発分を除去した本発明のカーボン−シリカ生成物は、上記のカーボン−シリカ生成物の全ての利点を具体化し、また低レベルの揮発性カーボンを含む。揮発分を除去したカーボン−シリカ生成物は、容易に挽かれて良好な粉状体になる。外部からバインダを加えることなく、揮発分を除去した、又は揮発分を除去しないカーボン−シリカ生成物の何れかからペレットが形成され得る。
【0025】
本発明のカーボン−シリカ生成物は、揮発分を除去し、挽かれ又はペレット化されたかされないかの何れにせよ、カーボン熱反応装置内にて制御された環境で更に反応して、所望のシリコン含有生成物を生成し、該シリコン含有生成物はシリコン、シリコンカーバイド、シリコン窒化物及びシリコン四塩化物を含むが、これらに限定されない。本発明の改善されたカーボン熱工程に従って作られた多くの生成物は、それらの一層高い純度及び向上した性能特性故に、それ自体が新規性があると考えられる。本発明のカーボン−シリカ生成物に於ける酸処理後のカーボンの高い反応性、酸処理後のシリカの大きな比表面積の保持、及びシリカとカーボンの密接な関係により、高温に於けるシリカとカーボン間の反応速度が速くなる。カーボン熱処理中、残存したあらゆる揮発性カーボンが除去され、回収される。
【0026】
本発明のカーボン−シリカ生成物及び揮発分を除去したカーボン−シリカ生成物の各粒子が、ミクロン、サブミクロン更にはナノミクロンスケールで一緒に混合されるカーボンとシリカの非常に小さな粒子を具体化するから、シリカとカーボン間の接点は非常に大きい。また、カーボンとシリカは非晶質で大きな表面積を有するから、シリコン含有生成物を生成するときは、材料は非常に速く反応する。例えば、シリコンカーバイドを生成する約75分間の反応時間は、石炭、コークス、及び砂が供給原料として用いられる従来に比して、1日又はそれ以上敏速に達成することができる。これは換言すれば、同じ量の生成物を生成するのに約1/20未満のエネルギーで済むことを意味する。従来のカーボン熱工程については、エネルギー消費が操業コストの大部分であるから、ここで開示された工程及び材料の使用は、操業コストを著しく節約する。これはまた、所定の反応装置は、従来のカーボン熱工程を用いて生成されるのに比して、1日当たり約20倍のシリコンカーバイド生成物を生成することができることを意味する。
【0027】
本発明の一実施例に従って、自然に生じた植物質、処理された植物質、及び自然に生じた植物質と処理された植物質の混合物を浸出し、硫酸で少なくとも約3重量パーセントのシリカを具現化して、好ましい高純度のカーボン−シリカ生成物を生成する方法が開示されている。植物質(plant matter)と同様に籾殻の使用が好ましい。
【0028】
本発明の他の実施例に従って、カーボン−シリカ生成物を作る方法が開示されており、該方法は約3重量パーセントのシリカを有する植物質を約10ミクロンから1ミリメーートリ以上の粒子サイズに粉砕する工程と、約0.01重量パーセントから約30重量パーセントの酸濃度を有する硫酸水溶液で、約10℃から約250℃の温度範囲で、約6秒から約48時間約35重量パーセントの粉砕された植物質と接触させ、好ましくは混合する工程を具えている。浸出処理中、植物質からミネラルが浸出され、固定カーボン対シリカの比は、或る生成物に用いる少なくとも約1:1から約5:1のモル比に調整される。
【0029】
本発明の他の実施例に従って、2又は3以上の浸出段階を具える浸出方法が開示されている。上記の浸出方法の適用に続いて、洗浄した又は洗浄していない材料の浸出工程が1回又は2回以上更に繰り返され、更に残留したミネラル含量を減らし、固定カーボン対シリカの比を調整する。ここで開示された多段階の浸出方法を用いて、1:1と同程度に挽き、又はそれ以下の固定カーボン対シリカのモル比が達成され得る。
【0030】
本発明の他の実施例に従って、1段階又は多段階の何れにも有用な浸出方法が開示され、約1重量パーセント以上の、好ましくは3−5重量パーセント以上の著しいシリカ含量を含む自然に生じた植物質又は処理された植物質から、ミネラルを除去することを改善する。
【0031】
本発明の他の実施例に従って、約3重量パーセント以上のシリカを含む自然に生じた植物質又は処理された植物質の揮発性カーボンの量を減らすのに有用な浸出方法が開示されている。
【0032】
本発明の他の実施例に従って、約3重量パーセント以上のシリカを含む自然に生じた植物質又は処理された植物質の固定カーボンの量を減らすのに有用な浸出方法が開示されている。
【0033】
本発明の他の実施例に従って、約3重量パーセント以上のシリカを含む自然に生じた植物質又は処理された植物質の揮発性カーボンを固定カーボンに変換するのに有用な浸出方法が開示されている。
【0034】
本発明の他の実施例に従って、約3重量パーセント以上のシリカを含む自然に生じた植物質又は処理された植物質に含まれるカーボン及びシリカの空隙率を増加させるのに有用な浸出方法が開示されている。
【0035】
本発明の他の実施例に従って、所望のモル比の固定カーボンとシリカ及び約0.1重量パーセントを遙かに下回るレベルのミネラルを具える高純度のカーボン−シリカ生成物が開示されている。高純度のカーボン−シリカ生成物は、著しく改善された空隙率と反応性を示し、下記の如く、他のシリコン含有生成物を作るのに用いるのに好ましい材料である。
【0036】
本発明の他の実施例に従って、約2:1未満から約5:1超の範囲である固定カーボン対シリカのモル比を有するカーボン−シリカ生成物が開示され、総ミネラル含量が約200ppm未満であり、約100ppm未満であることが好ましく、ホウ素の含量が1ppm未満であり、リンの含量が4ppm未満である。
【0037】
本発明の他の実施例に従って、カーボンとシリカがミクロン、サブミクロン又はナノミクロンスケールで密接に混合したカーボン−シリカ生成物が開示されている。これらのカーボン−シリカ生成物は、外部のバインダの必要なくして、良好な粉状体の形に生成され、又はペレット状に作られ、その後のシリコン含有生成物の生成に用いられるのが好ましく、該シリコン含有生成物は、シリコンカーバイド、シリコン窒化物、シリコン、シリコン四塩化物を含むが、これらに限定されない。
【0038】
本発明の他の実施例に従って、利用可能な約30%から約90%、最も好ましくは約50%超の内部空隙量を有するカーボン−シリカ生成物が開示されている。
【0039】
本発明の他の実施例に従って、壊れやすく、最小のエネルギー消費で良好(500μm−50μm)、非常に良好(50μm−5μm)、超良好(5μm−サブミクロン)の範囲の粉状化された粒子サイズに容易に減じられるカーボン−シリカ生成物が開示されている。
生じた粒子の平均サイズ及びサイズ分布は、最終のシリコン含有生成物に所望される特性に従ってここに開示される処理パラメータによって制御される。
【0040】
本発明の他の実施例に従って、可成り改善された空隙率と反応性を示す高純度で、揮発分が除去されたカーボン−シリカ生成物を生成する熱的及び化学的に揮発分を除去する方法が開示され、それら自体が本発明の実施例である。進歩性のある方法で作られた揮発分を除去した及び揮発分を除去しない生成物の両方が、他のシリコン含有生成物を作るのに用いられるのが好ましい材料であり、該シリコン含有生成物は、シリコンカーバイド、シリコン窒化物、シリコン、シリコン四塩化物を含むが、これらに限定されない。
【0041】
本発明の他の実施例に従って、概してカーボン熱反応装置内でここに開示されたカーボン−シリカ生成物及び/又は揮発分を除去したカーボン−シリカ生成物を非常に高い温度にまで加熱して、シリコン含有生成物にシリカの削減を開始する工程を含むカーボン熱方法が開示されている。カーボン熱反応装置は、ここで開示されたシリコン含有生成物を、対象であるシリコン含有生成物に基づいて、約1250℃から約2200℃にまで加熱するのが好ましい。シリコン又はシリコンカーバイドについては、不活性気体が用いられる。他の生成物については、カーボン熱反応装置にて別の気体が用いられる。カーボン熱工程及び該工程によって作られる高純度のシリコン含有生成物の両方が、従来の方法及び生成物に対する発明である。
【0042】
ここで開示された発明を用いることによって達成され得る利点は、工程時間及び温度を減じることに帰属するエネルギー節約、揮発分を除去したカーボンの回収からのエネルギー生成、より高い生成処理能力、より多いシリコン含有生成物の産出、より高度な不純物の除去、及びより高性能のシリコン含有生成物を含むが、これらに限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0043】
本発明は、図1A及び図1Bによって、更に記載され、説明される。
【図1A】図1Aは、好ましい方法のn個の種々の工程を簡略化して示す工程流れ図であり、それによってここで開示された生成物が籾殻のような好ましい開始材料から 引き出される。
【図1B】図1Bは、好ましい方法のn個の種々の工程を簡略化して示す工程流れ図であり、それによってここで開示された生成物が籾殻のような好ましい開始材料から 引き出される。
【発明を実施するための形態】
【0044】
好ましい実施例の詳細な記載
シリカの濃度が比類なく高い故に、籾殻及び稲藁が本発明の使用に、特に適切に用いられ、以下の記載は籾殻の使用に絞る。しかし、少なくとも1重量パーセントのシリカ、好ましくは約3−5重量パーセントのシリカを含む他の自然に生じた、又は処理された植物質も同様に用いられると考えられる。籾殻は固定カーボン及び揮発性カーボンの両方を含み、揮発性カーボンはセルロースの形で当初は存在する。未処理の籾殻は一般的には、約4:1のモル比の固定カーボン対シリカを含み、揮発性カーボンと固定カーボンとの重量比は約5.24であり、ミネラル含有量は約1−3重量パーセント(10000−30000ppm)の範囲である。
【0045】
本発明の方法は、図1A及び図1Bについて、記載され説明される。ここに開示されているように、籾殻は挽かれ、篩にかけるのが好ましく、平均的な粒子サイズに調整され、硫酸水溶液に容易に混合するように籾殻を開く。籾殻は約10μmから約1mmの粒子サイズに挽かれるのが好ましい。約150μmの平均的な粒子サイズが良好な結果をもたらす。籾殻が土又は他の破片を含むならば、挽かれる前に洗浄されて乾燥されるのが好ましい。稲を挽いて直に得られる籾殻は、通常は比較的清潔で、挽く前に洗浄及び乾燥が不要である。
【0046】
挽いた後に、籾殻は硫酸水溶液を用いて浸出されるのが好ましい。硫酸水溶液はリンのようなミネラルを除去して、浸出した籾殻内の固定カーボン対シリカの比を調節し、揮発性カーボンの含量を減らし、浸出された籾殻の空隙率を増加させるのに特に効果的であると考えられている。適切な硫酸水溶液は、約0.01重量パーセントから30重量パーセント以上の範囲の濃度の酸であり得る。約0.3重量パーセントから約1重量パーセントの酸が固定カーボン対シリカのモル比を調節し、鉄以外のミネラルを非常に低いレベルにまで減らすのに適切である。約1重量パーセントから約5重量パーセントの酸が、低い範囲にすることを達成し、加えて鉄を最低レベルにまで減らすのに適切である。約5重量パーセントから約20重量パーセントの酸濃度が、セルロースの適切な溶解度により、揮発性カーボンを除去するのに有用である。約30重量パーセント以上の濃度の硫酸溶液はより高価で、より腐食性があり、高濃度で好ましからぬ副産物を生成する。それに対して、硫酸浸出溶液を範囲の下限に近づく濃度にまで希釈することにより、酸の効果を減らし、且つ所望の産物特性を達成するのに要求される時間を増加させることができる。
【0047】
本発明の浸出方法に満足に用いられる固形物の濃度は、混合物の重量毎に1パーセント未満から35パーセント超までの範囲であり、濃度は約1重量パーセントから約30重量パーセントまでの範囲が好ましい。約1重量パーセントから約10重量パーセントの範囲の固形物の濃度は、1回の浸出段階でリンを適切に除去する。しかし、リンの極端に低いレベルが重要でなければ、約10重量パーセントから約30重量パーセントまでのより高い固形物の濃度範囲により、水及び酸の消費を少なくし、カーボン−シリカ生成物を乾燥する際に用いられるエネルギーを最小にする。
【0048】
浸出工程は、所望の反応装置構成を用いて、バッチ即ち連続モードにて1段階又は複数段階で実行され得る。沸騰点(94−100℃)以下の温度が、リンと鉄以外の非シリカミネラルを低レベルまで除去し、固定カーボン対シリカのモル比を3:1未満に調整するのに適している。沸騰点(94−100℃)温度は、籾殻と硫酸水溶液の混合物を掻き混ぜることを助長する。リン及び鉄を最低レベルにまで減らし、固定カーボン対シリカのモル比を最低にするのに、約100℃から約140℃までの範囲の温度が必要である。140℃以上の温度、特に160℃以上の温度が、揮発性カーボンを除去し、より長い反応時間にて、固定カーボン対シリカの非常に高いモル比が達成されるように、固定カーボンを増加させるのに有効である。浸出工程中は、固体と液体は連続して混合されるのが好ましく、それによって全ての固体粒子は酸溶液によって接触し、熱は混合中に分配される。
【0049】
酸の強さ、固体濃度、混合、温度及び所望の生成物特性に基づき、浸出時間は短い約6秒から48時間又はそれ以上までの範囲である。その後、残りの固体は酸溶液から分離されて、水で洗浄されるのが好ましい。この方法を用いることにより、挽かれた籾殻の測定される空隙を低い値から、少なくとも約30%から約90%の範囲の値にまで増加させ、一般に約50%超が好ましい。同時にここで開示された浸出方法は、シリカを含む植物質内に元々存在したミネラルの大部分を除去する。
【0050】
本発明の浸出方法を用いて、固定カーボン対シリカの比は、硫酸の濃度、固体濃度、温度、滞留時間及び混合の程度を制御することにより所望に調節され、高純度、高空隙率、高い反応性、優れた粒子サイズ、及びモル比が約1:1又はそれ未満から約5:1又はそれを超える範囲の固定カーボンとシリカが密接した混合物を生成する。本方法の特に有利な点は、生成物は、固定カーボン対シリカのモル比が例えば1:1、1.5:1、2:1、2.5:1、3:1、3.5:1、4:1、4.5:1、5:1又は種々のシリコン含有生成物を作るあらゆる好ましい化学量比であるものを選択的に生成することができることである。
【0051】
本発明の浸出方法は、沸騰点又はそれ以下での反応が、温度制御された加熱マントルを用いる3リットルのパイレックス社(登録商標)の樹脂釜にて実行される実験規模の装置について実証される。水冷式の凝縮装置が釜の頂点に取り付けられて、反応中に酸又は固体の濃度が変化しないことを確実にする。水の沸騰点以上の反応は、2リットルのジルコニウム容器にて実行される。両ケースの場合、熱電対が反応温度を測定するのに用いられ、テフロン(登録商標)装置が反応容器の中身を掻き混ぜるのに用いられる。反応容器及び他の要素は、50%の塩酸で処理されて洗浄され、次に脱塩水にて洗浄されて微量の金属汚染物質を除去するのが好ましい。
【0052】
沸騰点又はそれ以下の温度で実施される浸出工程について、樹脂釜は、硫酸水溶液で充填されて、所望の温度に加熱される。一旦、釜が所望温度に達すると、挽かれた籾殻が釜に加えられて、所望の固定濃度を付与する。挽かれた籾殻は釜内で均一な混合物を即座に形成し、混合物は定期的にサンプリングされる。全てのサンプルは濾過されて、濾過された固体は脱塩水にて何回か洗浄される。洗浄された固体サンプルは乾燥され、分析の為に、濾液とともに保存される。
【0053】
沸騰点以上の研究室内での反応について、硫酸水溶液及び挽かれた籾殻は、ジルコニウム容器に加えられるのが好ましい。容器は密閉され、ガス炎のヒーターで所要の反応温度へ加熱される。一旦、反応温度に達すると、温度は反応時間の間維持され、反応混合物は周期的にサンプリングされる。反応時間の最後に、容器は、水スプレーで沸騰点以下の温度に急冷される。サンプルは、直ちにろ過され、次に、脱塩水で数回洗われる。洗浄された固体サンプルは乾燥され、分析の為、濾液と一緒に保存される。
当業者がこの開示を読めば、従来からある種々のタイプの市販の工業設備が、上記の大規模なベンチスケール実験装置に用いられるが、これらの結果を経済的に達成すべく必要により変更されることが判るだろう。
さらに、反応物を熱するような他の工程の順序と同様に、反応物に溶液と材料を加える順番も、動作の規模及び反応物のタイプを受け入れるべく変えることができる。
【0054】
浸出する工程の利点は、様々な強さの硫酸溶液に対する固体濃度、及び時間及び温度を変えると反応する固体濃度を変えることによって遂行することができる。
浸出中の混合割合は固体と液体がよく混合されて、酸と熱は混合の全体にわたって分配することができるようであるのが好ましい。水だけでは、幾らかの有益な浸出効力を生じるが、硫酸を使用すると、ミネラルの含量を著しく減らし、固定カーボンとシリカのモル比を調整し、揮発性のカーボンの含量を減らし、籾殻の好ましい自然な特徴を保持しつつ、籾殻の空隙率を改善するのにより効果的であり、それはカーボンとシリカの密接な接触、シリカとカーボンの非結晶化、及びシリカとカーボンの非常に大きな表面積を含む。
【0055】
試験結果は、浸出工程が実行された温度が、処理に著しい影響があることを示す。
沸騰点より低い温度にて硫酸で浸出する場合、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム及びマンガンは各々について、10ppmで、あるいは10ppmより低いレベルに、籾殻から有効に浸出されることを示している。リンのレベルは沸騰点より低い温度で著しく減少するが、4ppm未満のような非常に低いレベルにまでリンを除去するために、沸騰点より高い温度、一般的には120−140℃の範囲で浸出することが必要である。
鉄のレベルは、沸騰点より低い温度で著しく下がる。しかし、鉄のレベルを10−20ppmにするために、沸騰点より高い温度、一般的には約120℃から約140℃の範囲に上げることが必要である。自然状態では、ホウ素は籾殻内にあって低いので、その結果生じるホウ素の濃度は1ppm未満である。
生じるリンとホウ素の含量が低いことにより、この方法と独特なカーボン−シリカ生成物は、他の産業への適用と同様に、太陽電池の生産に用いられる光起電力等級シリコンを生産するには非常に魅力的である。
【0056】
試験結果は、温度はまた固定カーボンの除去に著しい影響を有し、従って固定カーボン対シリカのモル比にも著しい影響を有することを示している。25℃の低い温度で硫酸を用いると、或る量の固定カーボンは溶解する、しかし、固定カーボン対シリカの比を更に低くするのに十分な固定カーボンを除去するには、約沸騰点又はそれ以上、好ましくは120℃周りの温度で浸出する必要がある。温度と時間はまた、揮発性カーボンを除去するのに著しい影響を有する。約160℃以上の温度及び比較的短い反応時間にて、大部分の揮発性カーボンが溶解する。他方では、160℃以上の温度及び長い反応時間にて、溶解した揮発性カーボンが固定カーボンに変換され、固定カーボンが固体に組み込まれ、固定カーボン対シリカのモル比が増加する。籾殻のシリカの溶解する速度及び範囲が温度と共に比率の点で著しく増加するが、どの温度でも籾殻から除去されるシリカの全体比率は少ない。
【0057】
試験結果は、浸出工程時の混合物内の固体の全体量もまた、生じる固定カーボン対シリカのモル比に著しい影響を有することを示している。所定の温度、酸濃度、時間で、30%に迫る固体濃度では、単一の浸出工程のための低い固体濃度よりも、カーボン対シリカ比は高くなる。固体濃度が高くなると、1回の浸出動作により生成される固体内のリン含量が高くなる。しかしながら、固体濃度が高いことは、他の金属濃度に悪影響を与えたり、固体中のシリカ量に著しい影響を与える様子はない。
【0058】
試験結果は、実際の浸出時間の差は、硫酸溶液を用いて籾殻からあらゆるミネラルを除去する程度に著しい影響を与えないことを示している。非常に短い時間又はそれ以下の時間にて収集されるサンプルと、より長い時間にて収集されるサンプルとで、ミネラルの含量の差は、区別できない。しかし、時間と温度は、固定カーボンの除去に影響しない。例えば、94℃にて1%の硫酸及び10%の固体では、固定カーボンの最大量を除去するのに約300分掛かる。比較すると、120℃では、固定カーボンの最大量を除去するのに必要な時間は、120分まで短くなる。時間はまた、揮発性カーボンの除去、及び揮発性カーボンの固定カーボンへの変換にとって重要である。例えば、200℃、1%の酸、10%の固体では、可成りな量の揮発性カーボンが殆ど即座に放出されて、揮発性カーボン対固定カーボンの比は、籾殻では5.24であったのと較べて、1.82となる。時間が経つと、溶解した揮発性カーボンは、固体材料に付着した固定カーボンに変わる。この結果、揮発性カーボン対固定カーボンの比は、下がり続け、約1.12に達する。同時に、固定カーボン対シリカの比は、5:1に上昇する。比較すると、籾殻シリカの溶解速度はより遅い。例えば、94℃にて1%の硫酸及び10%の固体濃度では、シリカ固体が溶解したシリカと平衡に達するのに140分以上掛かる。
【0059】
試験結果は、硫酸は非シリカミネラルの含量を優先的に減らすことを示している。鉄を除き、最小量の硫酸は非シリカミネラルの除去を達成するのに必要である。例えば、所定の設定条件にて、鉄以外の非シリカミネラルを除去すると考えられる(possible)最大量は、0.3%と低い酸濃度にて達成され、多くのミネラルは0.06%位の薄い酸を用いて効果的に除去される。より高い濃度の酸が、鉄を最大に除去するのに必要である。例えば、94℃にて10%の固体では、鉄を除去することができる最大量は、約2.5%の酸で達成される。
【0060】
酸の濃度は、カーボンの溶解速度に影響を与える。例えば、94℃にて10%の固体、100分で1%の酸では、酸溶液内に溶解したカーボンの濃度は5−6gm/Lである。同じ条件で2.5%の酸では、溶解したカーボンの濃度は8−9gm/Lである。しかし、カーボン溶解の範囲は、両方の酸濃度で略等しく、即ち約12.5g/Lである。最終的な固定カーボン対シリカのモル比に於ける酸濃度の影響は、比較的弱い。しかし、より高い酸濃度は、高い酸濃度が固定カーボン対揮発性カーボンの重量比に与える影響によって現れるほど、揮発性カーボンの溶解に影響しない。例えば、酸濃度が0.06%と10%の間では、比は0.16:1及び0.2:1の間で、然るに酸濃度が20%では比が0.3で、揮発性カーボンの除去は、より高い酸濃度にて多少増長されることを示している。
硫酸濃度はまた、範囲とは反対に、シリカの溶解速度に影響を与える。例えば、94℃、10%の固体及び0.30%の酸では、酸溶液内のシリカの濃度は、180分で、0.12グラム/Lである。1%の酸で、酸溶液中のシリカ濃度は、180分で、0.28グラム/Lである。94℃に於ける最終的な籾殻シリカの濃度は、酸濃度に拘わらず、約0.450グラム/Lに出現する。
【0061】
試験結果は、酸濃度、温度、時間及び固体濃度が正しい条件の下で、硫酸水溶液は籾殻内の著しい量のミネラルを溶解することができ、固定カーボン及び揮発性カーボンの可成りの部分を除去することができ、溶解した揮発性カーボンを固定カーボンに変換し、籾殻内の空隙率を増加させることができることを示している。シリカは硫酸水溶液にそれほど溶解しないから、合成物内の固定カーボン対シリカのモル比を減少され、又は増加させる効果がある。この開示に基づき、当業者は必要以上の実験をすることなく、これらの反応パラメータを調整して、固定カーボン対シリカの所望のモル比、所望のミネラルの純度、所望の揮発性カーボンの含量、及び所望の空隙率を付与する。例えば、固定カーボン対シリカのモル比が約2:1で、ミネラルのレベルが非常に低い(全部で100ppm未満、リンが4ppm未満、ホウ素が1ppm又はそれ未満)ものが、約94℃と約140℃の間の温度、硫酸の濃度が約1%から約5%及び固体の濃度が約10%で、約2時間で達成され得る。固定カーボン対シリカのモル比が約3:1で、ミネラルのレベルが非常に低いものが、約150℃、硫酸の濃度が約1%から約5%及び固体の濃度が約10%の範囲で、約4時間で達成され得る。
更に、浸出条件は、シリカと固定カーボンの間の密接な関係、カーボンとシリカの非晶質性、シリカとカーボンの大きな表面積を維持し、測定可能な空隙量を全体的に増加させる。固定カーボン対シリカのモル比が3:1であることが望ましいが、リンと鉄のレベルが重要でなければ、酸と固体の濃度が上記の求められた比にある状態で、94℃未満の温度が用いられる。
【0062】
浸出工程にて生成された高純度(99.7%以上のミネラルが除去された)のカーボン−シリカ生成物は、固定カーボンとシリカの混合物を含み、揮発性カーボンの量が変化する。カーボンとシリカは、少なくともミクロン、一般にはナノメータスケールで密接に混合される。カーボン−シリカ生成物は、高い空隙率(porosity)、小さな平均粒子サイズを含み、非常に反応的である。挽いた籾殻粒子の利用可能な空隙量が非常に小さいとの事実によって空隙率が増加したことが示されるが、材料が94℃で1%の硫酸で処理されるとき、利用可能な空隙量は80%にまで増加する。生成された材料の高い反応性は、従来の供給原料が用いられるときよりも著しく速いカーボン熱の減少があるとの事実によって示される。従来の供給原料は、一般にカーボン熱の減少に1日又はそれ以上を要する。これとは対照的に、ここで開示されたカーボン−シリカ生成物は、シリコンカーバイトの生成については75分のカーボン熱減少があり、シリコン窒化物の生成については5−7時間内のカーボン熱減少がある。これにより、実質的にエネルギーが蓄えられ、カーボン熱反応の動作の処理能力が大きくなる結果となる。
【0063】
本発明の浸出方法はまた、多くの段階で実践される。第1の浸出段階は、ミネラルの大部分を除去し、固定カーボン対シリカのモル比を調節するのに用いられる。洗浄した又は洗浄していない材料は、次に硫酸溶液内で2回接触する。その後、残りの固体は濾過又は他の同様の有効な手段によって酸溶液から分離され、水で洗浄される。第2の浸出段階は、ミネラルの不純物を、第1の浸出段階で得られたよりも低レベルに減らして、固定カーボン対シリカのモル比を約5:1から2:1未満の間の所望の範囲に調節し、揮発性カーボンのレベルを減らすのに用いられる。更なる浸出段階が同様に付加されて、固体のミネラル不純物のレベルを減らし、更にその一方で固定カーボン対シリカのモル比及び揮発性カーボンの含量を調整し続ける。
【0064】
多数の段階の唯一の用途として構成されるべきではないが、例として、高い固体濃度にて浸出処理を実行し、その一方、低い固定カーボン対シリカの比とリンの非常に低いレベルを含む非常に低い非シリカミネラル含量を達成するのに、2段階の浸出が有用である。上記の如く、所定の温度、濃度及び時間について、より高い固体濃度では、1回の浸出段階で、低い固体濃度よりも、より高い固定カーボン対シリカの比が得られる。より高い固体濃度ではまた、1回の浸出段階で、低い固体濃度よりも、より高いリン含量が得られる。しかし、より高い固体濃度で2段階の浸出が用いられれば、第1の段階では固定カーボン対シリカの比を3:1又はそれ未満(しかし、2:1より大きい)に減じ、及びリンを除く非シリカミネラルを非常に低いレベルに減じる。リンは開始時の値に比して可成り減少するが、所望の値よりは高く残る。例えば、第1の段階が25%の固体、1%の酸、140℃で15分間作動するならば、固定カーボン対シリカの比は、3:1と2.5:1の間に減少する。ナトリウム、カリウム、マグネシウム及びマンガンのレベルは10ppm未満に減らされる。カルシウムのレベルは10ppmである。また、鉄のレベルは20ppmである。しかし、リンのレベルは100ppmである。
第1の段階と同じ固体濃度、温度及び酸濃度で浸出する第2の段階で、固定カーボン対シリカのモル比は更に、2:1又はそれ未満の低い値に減少し、リンは4ppm未満の非常に低い値になる。
【0065】
リンの含量を低い値にする唯一の目的のための浸出工程の別の応用例では、例えば、リンのレベルは、120℃、10%の固体、1%の酸及び15分間又はそれ未満の時間にて、浸出する第1の段階で、99.96%以上だけ減じられて、4ppm未満になる。
【0066】
鉄の含量を低い値にする唯一の目的のための浸出工程の別の応用例では、例えば、鉄のレベルは140℃、28.6%の固体、1%の酸及び15分間又はそれ未満の時間にて、浸出する第1の段階で、92%以上だけ減じられて、20ppm未満になる。
【0067】
全てのミネラルを低い値にする唯一の目的のための浸出工程の別の応用例では、例えば、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、マンガン、鉄及びリンの合計レベルは、120℃、10%の固体、1%の酸及び15分間又はそれ未満の時間にて、浸出する第1の段階で、79ppm未満に減らされる。
【0068】
固定カーボンを除去する唯一の目的のための浸出工程の別の応用例では、例えば、籾殻の固定カーボン対シリカのモル比は、25℃、10%の固体、1%の酸及び1分間から60分間までの範囲の時間で浸出する第1の段階を用いて、3.88:1から3:1に減じられる。
他方では、この比率は、94℃、10%の固体、1%の酸及び300分間の時間で浸出する第1の段階で、2:1まで減じることができる。
【0069】
揮発性カーボン含量を減じる唯一の目的のために1つの段階又は複数の段階を用いる、浸出工程の別の応用例では、例えば、200℃で非常に短い反応時間で、可成りの固定カーボンが除去され、揮発性カーボン対固定カーボンのモル比は、固定カーボンの量が減少するにも拘わらず、生の籾殻内の値5.24に比較して1.82に落ちる。この温度と短い反応時間にて、揮発性カーボンの形式であるセルロースの可成りの量が溶解する可能性がある。
【0070】
固定カーボン含量を増加させる唯一の目的のために、1つの段階又は複数の段階を用いる、浸出工程の別の応用例では、この研究に用いられる籾殻の天然の固定カーボン対シリカのモル比は、3.88:1である。この比は、200℃、10%の固体、1%の酸及び120分間の時間で浸出する第1の段階を用いて、5:1まで増加する。他の例のように、シリカとの比が2:1である固定カーボンを有する材料が、1つの浸出段階から準備されるならば、固定カーボン対シリカのモル比は、160℃以上の温度でより長い反応時間にて、浸出する第2の段階を作動させることによって、約5:1のより高い値に増加される。
【0071】
本発明の他の応用例は、空隙率を増加させる唯一の目的のために、1つの段階又は複数の段階の何れかの浸出工程を用いることに関する。例えば、挽いた籾殻内の利用可能な空隙量が94℃、1%の酸で15分間浸出後に、30%にまで増加する。空隙量は同じ条件の下、30分間浸出後に80%にまで更に増加する。
【0072】
本発明の他の応用例は、1つの段階又は複数の段階の何れかの浸出工程を用いることに関し、3パーセント以上のシリカを含む自然に生じた又は処理された植物質からの、リン、鉄又は他のミネラルを除去する工程、固定カーボン対シリカのモル比を調節する工程、揮発性カーボンを除去する工程、揮発性カーボンを固定カーボンに変換する工程、結果物のカーボン−シリカ生成物の空隙率を増加させる工程の何れか2つ又はそれ以上を組み合わせることに関する。
【0073】
本発明の他の応用例は、カーボン熱反応から分離された反応物内のカーボン−シリカ生成物の揮発性カーボン要素を熱的に揮発させる好ましい方法に関する。この反応は、メタルヘッド板に取り付けられたベンチスケールのアルミニウム反応装置内にて実行され、従来の処理装置を用いる産業的用途にも拡大することができる。所望ならば、グラファイトのような他の材料が、反応装置を構成するのに使用される。ベンチスケールの反応装置は長さ3フィートで直径6インチである。カーボン−シリカ生成物は、反応装置の底に位置したアルミニウム又はグラファイト製のるつぼに収容される。反応装置の下端部は、異なる速度での温度上昇ができるプログラムによって制御される電気炉内に位置する。電気炉はカーボン−シリカ生成物を周囲温度から1000℃以上にまで加熱する。アルゴン又は窒素が反応装置の頂部に入り、調整可能なチューブを介して反応装置内を特定のレベルにする。揮発したカーボン材料が頂部を通って反応装置から出る。材料の流出した流れ(slipstream)は、一酸化炭素モニターに送られて、該材料の大部分は、凝縮物質がガスから分離される凝縮装置に向けられる。揮発は400℃で開始し、約600℃でピークに達する。
従って、一酸化炭素レベルは減少し、約950℃でベースラインに達する。この特徴は、生の籾殻について報告されたものとは、揮発工程が約250℃で開始する点で異なる。より低い温度で普通は揮発する材料が、浸出工程によってカーボン−シリカ生成物から除去されることは明らかである。揮発したガス及び蒸気は捕捉されて、浸出工程、カーボン熱工程及び他の工程用のエネルギー源として使用することができる。
更なる利点は、残りのミネラルの一部が揮発性カーボンとともに揮発するということである。揮発したミネラルは、生じる揮発成分を除去したカーボン−シリカ生成物を浄化するために集められる。生じた材料は、熱で揮発成分を除去したカーボン−シリカ生成物であり、それは独自の製品で、それら自身が本発明の実施例である。
【0074】
或いは、別の好ましい実施例によって、そうでなければ、全ての揮発性カーボンは、約160℃から約200℃までの間の範囲の温度にて、希硫酸を用いる浸出工程から生産された独自のカーボン−シリカ生成物を更に処理することにより除去される。より高温度での滞留時間は、約1分と非常に短い。これは、揮発性カーボンの含量を著しく低下させ、固体のカーボン含量に及ぼす影響が最小となる。
この方法はまた、浸出工程から誘導されたカーボン−シリカ生成物内に残ったミネラルの一部を除去し、酸で揮発分を除去した結果物である高純度のカーボン−シリカ生成物の純度を高める。残りの固体は、酸溶液から分離され、固体は水で洗われる。
生じる固形物は高純度の、揮発分を除去したカーボン−シリカ生成物であり、所定の固定カーボン対シリカの比とミネラルの不純物は、0.1重量パーセントを遙かに下回る。
【0075】
酸で揮発分を除去した独自の種々のカーボン−シリカ生成物は夫々、固定カーボン対シリカの所定のモル比を有し、非常に低レベルのミネラルを含み、可成り多孔性で、可成り反応的であり、浸出工程の後に酸で揮発分を除去して生成される。生成物は、3:1程度から2:1未満の固定カーボン対シリカの所望のモル比を有し、全体的に100ppm未満のミネラル含量を有し、1ppm未満のホウ素含量を有し、4ppm未満のリン含量を有する。
生成物はまた、可成り多孔性で、可成り反応的であって、ミクロン及び/又はナノレベルで密接に混合されるシリカ及び固定カーボンを含むのが好ましい。これらの独自の材料は、純度の高い粉状で生成されるか、又は外部バインダーを要しないでペレットに作られる。
開示された揮発分を除去したカーボン−シリカ生成物は、以下のシリコンを含む生成物の生成に用いられるのが好ましく、シリコンを含む生成物はシリコンカーバイト、シリコン窒化物、シリコン及び四塩化シリコンを含むが、これらに限定されない。
【0076】
浸出、洗浄及び乾燥の後の、本発明のカーボン−シリカ生成物は脆弱で、最小のエネルギー消費で上質(500μmから50μm)カテゴリー、非常に上質(50μmから5μm)カテゴリー及び最上質(5μmからサブミクロン)カテゴリーの粒子サイズに容易に微細化される。生じる粒子の平均サイズ及びサイズ分布は、最終的なシリコン含有生成物の所望の物理的特性によって設定される。
この目的に適した製粉装置は例えば、バッチ羽根車タイプの攪拌ボールミル、連続的なディスク・タイプの撹拌ボールミル、連続的に振動するボールミル、バッチ垂直振動するボールミル、及び連続的なループミル又は連続的なパンケーキミルのような流体エネルギーミルを含む。
【0077】
カーボン−シリカ生成物、又は揮発分を除去したカーボン−シリカ生成物の何れか一方は、本発明の他の実施例に於いて、粉状体として用いられ、又は次の工程に使用する為にペレット化される。
ペレットを生成する従来の方法は、砂糖のような接着剤でシリカ及びカーボン合成物を混合する工程と、該混合物を圧縮する工程を含む。従来の接着剤の使用により、処理コストが増加し、接着剤はペレット化された生成物に不純物を導入するかも知れない。
これとは対照的に、本発明の独自のカーボン−シリカ生成物及び揮発分を除去したカーボン−シリカ生成物は、更なる接着剤を使用することなく、ペレット化される。
本発明を限定するものではないが、生成物内にあるリグニン及びセルローズは、シリカ及びカーボン用の十分な接着剤として働くことができると考えられる。普通はマクロの規模でのみ混合される従来のペレットとは対照的に、本発明の使用は、ミクロン及びナノメーター規模で密接に混合されたカーボン−シリカを有するペレットに帰結する。
このカーボン及びシリカが密接に混合した高い反応性の形式により、後のカーボン熱反応中に、従来のペレットよりも、より速くより完全に反応するペレットの生成が容易になる。
ここで開示されたカーボン−シリカ生成物及び揮発分を除去したカーボン−シリカ生成物から作られるペレット化された生成物は、固定カーボン対シリカの所望のモル比、及び/又は非常に低いレベルのミネラル、特に非常に低いレベルのリン及び鉄を含み、本発明の他の実施例を構成する。
【0078】
再び、図1A及び図1Bについて、本発明のカーボン熱還元方法は、一般にカーボン−シリカ生成物及び/又は揮発分を除去したカーボン−シリカ生成物を、カーボン熱反応装置内で非常に高温まで加熱して、シリカをシリコン含有生成物に還元する工程を含む。カーボン熱反応装置は一般に、目的とするシリコン含有生成物に基づき、カーボン−シリカ合成物を約1350℃−1800℃に加熱する。シリコン又はシリコンカーバイトについては、不活性気体が使用される。他の生成物については、カーボン熱反応装置内で別の気体が使用される。例えば、窒素又は窒素+水素又は窒素+アンモニアが、シリコン窒化物を生成するのに使用され、これに対し塩素が四塩化シリコンを生成するのに用いられる。反応時間は従来のシリカ及びカーボンの源を用いる従来のカーボン熱工程に比して、非常に速い。
カーボン−シリカ生成物及び/又は揮発分を除去したカーボン−シリカ生成物を用いると、反応時間は、所望のシリコン含有生成物に基づいて数分から数時間のオーダーである。これは、従来のシリカ及びカーボンの源を用いる従来の大部分のカーボン熱方法の数日又はそれ以上と対比される。この速い反応時間により、使用するエネルギーは著しく低くなり、従来のシリカ及びカーボンの源を用いる従来のカーボン熱方法に比して、処理能力が高くなる。更に、カーボン−シリカ生成物及び揮発分を除去したカーボン−シリカ生成物は、微粉末形式で利用されるから、これらの生成物は最新のカーボン熱反応装置に容易に用いられ、然るに従来のカーボン及びシリカの源では用いることができない。ここで開示された最新のカーボン熱工程を実施するのに用いられ得る市販の装置の例は、ベッド静止反応装置、ベッド移動反応装置、ベッド流動反応装置、回転チューブ反応装置、レーザー反応装置、炎反応装置、外部熱源を用いる加熱炉反応装置、及びプラズマ反応装置を含むが、これらに限定されない。多くの先進の反応装置は、定温条件及び制御された反応時間を規定し、この両方はシリコン含有生成物の品質にとって重要である。
【0079】
更に、本発明の新規性のあるカーボン−シリカ生成物は、所望ならば、揮発性カーボンの著しい量を含み、これらの独自の材料を使用すれば、カーボン熱工程中に著しい揮発性カーボンを回復する機会を生じ、エネルギーの目的又は他の有用な目的にそのような材料を使用することができる。揮発性カーボンからのエネルギーの使用は、カーボン熱工程を作動させるのに外部源からエネルギーを獲得する必要を減らし、おそらく無くする。更なる利点は、ミネラル含量の一部はまた、揮発性カーボンとともに揮発されることである。揮発されたミネラルは更に、最終的なシリコン含有生成物を更に浄化するために、分離して収集される。
【0080】
ベンチスケールの装置を用いる本発明の好ましいカーボン熱方法に従って、反応は、メタルヘッド板に取り付けられたアルミニウム反応装置内で実行される。グラファイトを含む他の材料が、反応装置を構成するのに用いられ得る。反応装置は長さ3フィートで直径6インチである。カーボン−シリカ生成物又は揮発分を除去したカーボン−シリカ生成物は、反応装置の底に位置したアルミニウム又はグラファイト製のるつぼに収容される。反応装置の下端部は、異なる速度での温度上昇ができるプログラムによって制御される電気炉内に位置する。電気炉はカーボン−シリカ生成物を約1250℃から2200℃の温度範囲に加熱し、生成されるべきシリコン含有生成物のタイプに基づいて、約1350℃から約1800℃の温度範囲に加熱されるのが好ましい。不活性及び/又は活性ガスが反応装置の頂部に入り、調整可能なチューブを介して反応装置内を特定のレベルにする。
揮発分を除去したカーボン−シリカ生成物とは対照的に、使用される供給材料が或る量の揮発性カーボンを含むカーボン−シリカ生成物であれば、揮発されたカーボン材料がメタルヘッド板に取り付けられたガス出口チューブを通って反応装置から出る。
この出るガスの流出流れは、一酸化炭素モニターに送られて、該材料の大部分は、凝縮物質がガスから分離される凝縮装置に向けられる。
【0081】
カーボン熱反応装置内で用いられる気体は、所望されるシリコン含有生成物に基づく。シリコンカーバイド及びシリコンについて、アルゴンが用いられ得る。シリコン窒化物を生成するには、純粋な窒素、又は90%の窒素+10%の水素、又は90%の窒素+10%のアンモニアが用いられ得る。同様に、塩素が四塩化シリコンを生成するのに用いられ得る。
【0082】
カーボン熱反応装置からのSiO2ガスの損失、及び/又はカーボンをシリコン含有生成物内に有することの要望、及び/又は非カーボン反応物質を完全に変換することを確実にすべく、過剰なカーボンを反応装置に供給することの要望により、実際に要望する固定カーボン対シリカのモル比は、一般に理論値とは異なる。例えば、シリコンカーバイドを生成する固定カーボン対シリカの理論的なモル比は3:1であり、シリコン窒化物については2:1である。しかし、特定の反応装置についての最適な比は、SiO2ガスの損失の点から、特定の反応装置の効率に基づき、理論的な値よりも小さい。
本発明は、理論的な比に比べて、シリカが“豊富な”カーボン対シリカの比を有する材料を生成する手段を提供し、SiO2の損失を受け入れる。或いは、シリコン含有生成物内に或るパーセントのカーボンを残すことが望ましく、本発明は理論的な比に比して、カーボンが“豊富な”カーボン対シリカの比を有する材料を生成する手段を提供し、カーボンを残す要求を受け入れる。更に、他の反応物質が十分に反応したことを確実にすべく、“余分な”カーボンを有することがしばしば望ましく、既に述べたように、本発明はそのような用途の為に、カーボンが豊富なカーボン−シリカ生成物、及び/又はカーボンが豊富な揮発分を除去したカーボン−シリカ生成物を生成する手段を提供する。2又は3つの上記の状況が存在し又は要望されるならば、本発明は所定の状況に対して、最適なカーボン対シリカのモル比を有するカーボン−シリカ生成物、又は揮発分を除去したカーボン−シリカ生成物を生成する手段を提供する。
【0083】
本発明の工程及び生成物は更に、以下の実施例によって示される。挽かれた籾殻及び固定及び液体の例は、種々の方法にて分析された。近似分析法が湿度パーセント、揮発性カーボンのパーセント、固定カーボンのパーセント、及び固体内の灰パーセントを決定するのに用いられた。固体はまた、全カーボン及びSiO2について分析された。固体のサンプルはまた、スパーク光源質量分光法、グロー放電質量分光法、原子吸光分光学及びX線蛍光を使用して、ミネラル含量について分析された。モールヴァン法が、粒子サイズの分布を決定するために使用された。比表面積は、BET法を使用して計算され、空隙率は水銀空隙率法を使用して計算された。
総有機炭素(TOC)については、電量分析の方法が液体の濾液サンプルを分析するために使用され、青比色法は空隙率を分析するのに使用され、原子吸光法はミネラルを分析するために使用された。
【0084】
例1
籾殻はアーカンソー州の製粉工場から得られた。籾殻は、環状で円盤状のミル内で混合されて挽かれ、138μmの平均粒子サイズにされる。挽かれた籾殻は、SiO2含量について、近似分析によって分析された。それらは、7.17%の湿気、62.72%の揮発性カーボン、11.97%の固定カーボン及び18.14%の灰分を含むと分かった。
灰分は85%のシリカ(SiO2)だった。固定カーボン対シリカの比(モル:モル)は3.88だった。揮発性カーボン対固定カーボンの比(重量%:重量%)は、5.24だった。挽かれた籾殻はまた、スパーク光源質量分光法によってミネラルの含量が分析され、特定のミネラルの含量を表1に示す。
【表1】

1%の硫酸溶液が、鉱物性含有物を除去した水(脱塩水)を用いて準備された。10%の挽かれた籾殻を含む酸溶液が2リットルのジルコニウム反応装置に加えられ、120℃まで加熱された。一旦、反応温度に達すると、反応装置の中身は頻繁にサンプリングされた。サンプルは直ちに濾過され、脱塩水で洗浄された。固形物は乾かされ、濾液と共に分析のために保存された。
【0085】
乾いた固形物は、近似分析及びシリカ分析によって分析された。その分析は、120分間に於ける固定カーボン対シリカのモル比が2.04:1だったことを示し、それは本来シリコンとシリコン窒化物の生成にとって理論的な比率である。原子吸光分光学及び比色定量のテストによって分析された固形物は、表2に示される以下の非シリカミネラルの合成物を含んでいた。
【表2】

従って、浸出の1つの段階を用いて、特定のミネラルを除去する全体的なパーセントは、99.7%超であり、特定の不純ミネラルが77.9ppm未満の生成物を付与する。
更に、1つの浸出段階を有するテストの中で使用された温度及び酸濃度にて、硫酸がリンを4ppm未満の非常に低いレベルにまで除去するのに非常に有効であることが分かった。生じたカーボン−シリカ材料は、約80%の空隙量を有する良好な粉状体の形をしていた。同様の方法で浸出された他のカーボン−シリカ生成物では、スパーク光源質量分光法によって測定されるように、ホウ素レベルは1ppmである。
【0086】
例2
1%の硫酸溶液が、脱塩水を用いて準備された。10%の挽かれた籾殻を含む酸溶液が2リットルのジルコニウム反応装置に加えられ、160℃まで加熱された。一旦、反応温度に達すると、反応装置の中身は頻繁にサンプリングされた。サンプルは直ちに濾過され、脱塩水で洗浄された。固形物は乾かされ、濾液と共に分析のために保存された。
【0087】
乾いた固形物は、近似分析及びシリカ分析によって分析された。その分析は、180分間に於ける固定カーボン対シリカのモル比が3:1だったことを示し、それはシリコンカーバイドの生成にとって理論的な比率である。原子吸光分光学及び比色定量のテストによって分析された固形物は、表3に示される特定のミネラルの量を含んでいた。
【表3】

従って、浸出の1つの段階を用いて、特定のミネラルを除去する全体的なパーセントは、99.7%超であり、特定のミネラルが77.9ppm未満の不純ミネラルを有する生成物を産出する。更に、1つの浸出段階を有するテストの中で使用された温度及び酸濃度にて、硫酸がリンを4ppm未満の非常に低いレベルにまで除去するのに非常に有効であることが分かった。同様の方法で浸出された他のカーボン−シリカ生成物では、スパーク光源質量分光法によって測定されるように、ホウ素レベルは1ppmである。生じたカーボン−シリカ材料は、約80%の空隙量を有する良好な粉状体の形をしていた。
【0088】
例3
1%の硫酸溶液が、脱塩水を用いて準備された。酸溶液はパイレックス社の3リットルの樹脂製釜に加えられ、94℃まで加熱された。一旦、94℃の温度に達すると、挽かれた籾殻が釜に加えられて、10%の固形物を有する混合物を生成した。挽かれた籾殻は、直ぐに酸溶液内に導入され、良好に混合されたスラリーを生成する。反応は5分間実行された。この時間終了時に、釜の中身は濾過され、脱塩水で洗浄された。生じた固形材は乾燥された。この手順は4回繰り返された。各工程(run)からの乾燥された固形物は、一緒にされた。
【0089】
一緒にされたカーボン−シリカ生成物の固定カーボン対シリカのモル比は2:51:1であり、これはシリコンカーバイドを生成する理論比とシリコン窒化物を生成する理論比の中間である。該材料のマルベルン分析は、直径114μmのd50分子を示した。
【0090】
例4
例3にて準備された材料は、シリコンカーバイドの生成をテストするのに用いられた。ベンチスケールの装置を用いる本発明の好ましいカーボン熱方法に従って、反応は、以前に記載したアルミニウム反応装置内にて実行された。反応装置は純粋なアルゴンにて洗浄された。反応装置から空気が放出された後に、温度は周囲温度から1550℃の最終カーボン熱反応温度に上昇された。アルゴンでの洗浄は続いた。放出されたガス内の一酸化炭素は、監視され、揮発性カーボンの揮発は約400℃で開始することが観察された。一酸化炭素のピークは、約600℃で達成され、約950℃で一酸化炭素レベルは下降して、ベースラインに達した。約1300℃で一酸化炭素レベルは増加し始め、固定カーボンとシリカの間の反応が開始することを示した。1550℃に達した後は直ぐに、一酸化炭素レベルは急速に減少し始め、約60分でベースラインレベルに達する。シリコンカーバイドの生成が開始してから、終了するまでの総経過時間は、約75分間であり、これは反応時間が一般に約36時間である市販のアチソン工程の反応時間よりも非常に短い。X線回折により決定されるように、生じた生成物はシリコンカーバイドのみを含み、他の結晶質材を含まなかった。
【0091】
本発明によって生成されるシリコンカーバイドは、高級セラミックを作る際に重要な価値である独自の特徴を有する。例えば、シリコンカーバイドは、約15ナノメータの寸法を有する微結晶から構成される。これらの微結晶は、直径が約200ナノメータの分子に分類される。ナノメータ範囲のシリコンカーバイド分子は、高級シリコンカーバイドセラミックの生成及び他の高級な用途の為に、求められる。供給原料として独自のカーボン−シリカ生成物を含むこの独自のカーボン熱工程、及び独自の生成物が、本発明の実施例である。
例5
例3にて用意された材料は、シリコン窒化物を生成するのに用いられた。ベンチスケールの装置を用いる本発明の好ましいカーボン熱方法に従って、反応は、以前に記載したアルミニウム反応装置内にて実行された。反応装置は純粋な窒素にて洗浄され、温度は周囲温度から1425℃の最終カーボン熱反応温度に上昇され、その間、窒素での洗浄は続いた。放出されたガス内の一酸化炭素は、監視され、揮発性カーボンの揮発は約400℃で開始することが観察された。一酸化炭素のピークは、約600℃で達成され、約950℃で一酸化炭素レベルは下降して、ベースラインに達した。約1300℃で一酸化炭素レベルは増加し始め、固定カーボンとシリカの間の反応が開始することを示し、1425℃でピークに達した。1425℃に達した後は直ぐに、一酸化炭素レベルは再び減少し始め、ゆっくりとベースラインレベルに達する。シリコン窒化物の生成が開始してから、終了するまでの総経過時間は、約5−7時間であった。X線回折によって決定されるように、生じた生成物はシリコン窒化物のみを含み、他の結晶材料を含まない。シリコン窒化物は、非常に高いアスペクト比を有する針状結晶と小さな粒子との混合物である。
小さな粒子と混合した長い針状結晶から成るシリコン窒化物は、優れたシリコン窒化物セラミックス及び他の高級な用途物の生成にとって、理想的な自己強化型のシリコン窒化物である(self-reinforcing)。供給材料として独自のカーボン−シリカ生成物を含むカーボン熱工程、及び該工程によって生成される独自のシリコン窒化物は、本発明の実施例である。
【0092】
例6
例3に於いて準備された材料は、シリコン窒化物を生成するために使用された。ベンチスケール装置を使用する本発明の好ましいカーボン熱方法によれば、100%の窒素の代わりに90%の窒素及び10%の水素の混合物が使用されたこと以外は、反応は上記例5に記載された酸化アルミニウム反応装置内にて実行された。総経過時間は、再び約5−7時間であり、これは時間が長い商業上のカーボン熱工程の反応時間よりも遙かに短い。X線回折によって決定されるように、生じた生成物はシリコン窒化物のみを含み、他の結晶材を含まない。純粋な窒素気体にて得られるシリコン窒化物の産出は、約2時間であった。シリコン窒化物は、小さな粒子のみである。小さな粒子から成るシリコン窒化物は、高級セラミックス及び他の高級な用途物に求められる。供給材料として独自のカーボン−シリカ生成物を含むカーボン熱工程、及び該工程によって生成される独自のシリコン窒化物は、本発明の実施例である。
【0093】
例7
例3に於いて準備された材料は、シリコン窒化物を生成するために使用された。ベンチスケール装置を使用する本発明の好ましいカーボン熱方法によれば、100%の窒素の代わりに90%の窒素及び10%のアンモニアの混合物が使用されたこと以外は、反応は上記例5に記載された酸化アルミニウム反応装置内にて実行された。総経過時間は、再び約5−7時間であり、これは時間が長い商業上のカーボン熱工程の反応時間よりも遙かに短い。X線回折によって決定されるように、生じた生成物はシリコン窒化物のみを含み、他の結晶材を含まない。シリコン窒化物の産出は、純粋な窒素気体にて得られるシリコン窒化物の産出と比較可能である。シリコン窒化物は、適切なアスペクト比を有する針状結晶と小さな粒子との混合物である。このタイプの材料は、優れたセラミックス及び他の高級な用途物の生成にとって、理想的な自己強化型のシリコン窒化物である。供給材料として独自のカーボン−シリカ生成物を含むカーボン熱工程、及び該工程によって生成される独自のシリコン窒化物は、本発明の実施例である。
【0094】
ここで開示されたカーボン−シリカ生成物は、本発明のカーボン熱工程に用いられるとき、残った揮発性カーボンは、固定カーボンとシリカ間の反応が有効であるのに必要な温度以下の温度で放出され、所望のシリコン含有生成物を作る。放出された揮発性カーボンは捕捉されて燃料として用いられ、カーボン熱工程、又は例えば浸出工程のような幾つかの他の工程の何れかにエネルギーを与える。更に、反応装置の内側で本発明のカーボン−シリカ生成物から揮発分を除去するとまた、結果として生じたシリコン含有生成物に存在する不純物を更に減らす、なぜなら幾つかの汚染されたミネラル及び金属は、揮発化され、揮発性カーボンとともに除去されるからである。
【0095】
上記の工程及び独自のカーボン−シリカ生成物及び該生成物から生成される揮発分が除去されたカーボン−シリカ生成物は、他の既知の反応装置構成又はカーボン熱工程に用いられ得て、他のタイプのシリコン含有生成物を生成する。カーボン−シリカ生成物及び揮発分が除去されたカーボン−シリカ生成物の独自の特性により、通常材料を入力とする従来のカーボン熱工程に比較して、種々の広範なシリコン含有生成物を作るに際して、優れた品質及び/又は可成りの時間、エネルギー及びコストを節約する生成物を生じることが期待されている。
【0096】
従来のカーボン熱工程に於いて、工程に於いてより速く作られる生成物は、非常に長い時間、温度にて反応装置内に置かれる。これ故に、従来の生成物は焼結し始めて、より大きな塊の粒子を形成する。更に、結晶相が変化して、この結果、生成物の品質が落ちる。ここで開示された工程では、反応時間がより速いことにより、温度に於ける反応装置の内側での在留時間が短くなり、望ましくない二次的効果が生じる機会は少なくなり、生成物の粒子サイズ及び結晶相は低下しないことを意味する。
また、反応速度が速いと一般に産出する生成物量が多いから、ここで開示されたように実行されるカーボン熱工程は、供給原料として本発明の改善されたカーボン−シリカ生成物又は揮発分が除去されたカーボン−シリカ生成物を用いて、従来のカーボン熱工程に比して、生成物をより多く産出することが期待される。更に、出発原料として用いられるカーボン−シリカ生成物及び揮発分を除去したカーボン−シリカ生成物は非常に純粋であるから、生じるシリコン含有生成物はまた、非常に純粋である。
【0097】
或る実施例の上記記載が説明の目的でのみされており、如何なる方法によっても限定することを意図していない。好ましい実施例の他の代替例及び修正が、この開示を読んだ当業者には明白となるであろうし、ここで開示された発明の範囲は、発明者が法的に権利を与えられる添付の請求の範囲を最も広く解釈することによってのみ限定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カーボン−シリカ生成物を生成する方法であって、
少なくとも約3重量パーセントのシリカ、非シリカ無機物、及び金属を有する植物を配備する工程と、
植物を約0.01重量パーセントから約30重量パーセントの範囲の酸濃度を有する硫酸水溶液に接触させて、植物と酸溶液の混合物を生成する工程と、
約6秒から約48時間の反応時間について、約10℃から約250℃の範囲の温度で混合物を反応させ、それによって植物から無機物を浸出して、固定カーボン対シリカの調整されたモル比が少なくとも約1.0:1であるカーボン−シリカ生成物を生成する工程と、
その後、カーボン−シリカ生成物から酸溶液を除去する工程を有する方法。
【請求項2】
植物は、自然に生じる植物、処理された植物及びそれらの混合物から成る群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
植物は、籾殻、稲藁、及びそれらの混合物から成る群から選択される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
植物は、籾殻である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
植物の粒子サイズは、植物が酸性水溶液に接する前に、減じられる、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
植物は、約10ミクロンから約1mmの範囲の粒子サイズを有する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
植物は、サイズが減じられた後に、平均約150ミクロンのサイズを有する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
植物と酸性水溶液の混合物は混合される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
混合は連続している、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
酸性水溶液は、植物に接する前に加熱される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
植物と酸性水溶液の混合物は、植物に接した後に加熱される、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
混合物は、94℃未満で反応する、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
混合物は、少なくとも94℃で反応する、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
混合物は、約94℃から約250℃の範囲の温度で反応する、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
混合物は、約94℃から約105℃の範囲の温度で反応する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
混合物は、約105℃から約140℃の範囲の温度で反応する、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
混合物は、約140℃から約160℃の範囲の温度で反応する、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
混合物は、約160℃から約250℃の範囲の温度で反応する、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
植物は混合物の1重量パーセント未満から約35重量パーセント以上までを構成する、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
植物は混合物の約1重量パーセント未満から約30重量パーセントまでを構成する、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
植物は混合物の約1重量パーセント未満から約10重量パーセントまでを構成する、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
植物は混合物の約10重量パーセント未満から約30重量パーセントまでを構成する、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
植物は混合物の約10重量パーセントを構成する、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
植物は混合物の約25重量パーセントを構成する、請求項1に記載の方法。
【請求項25】
植物は混合物の約29重量パーセントを構成する、請求項1に記載の方法。
【請求項26】
酸性水溶液は、約0.06重量パーセントから約1重量パーセントまでの範囲の濃度を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項27】
酸性水溶液は、約1重量パーセントから約5重量パーセントまでの範囲の濃度を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項28】
酸性水溶液は、約5重量パーセントから約10重量パーセントまでの範囲の濃度を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項29】
酸性水溶液は、約10重量パーセントから約20重量パーセントまでの範囲の濃度を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項30】
酸性水溶液は、約20重量パーセントから約30重量パーセントまでの範囲の濃度を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項31】
反応期間は、約6秒から1分間までの範囲である、請求項1に記載の方法。
【請求項32】
反応期間は、1分超で約30分未満である、請求項1に記載の方法。
【請求項33】
反応期間は、30分超で12時間までである、請求項1に記載の方法。
【請求項34】
反応期間は、12時間超で約48時間までである、請求項1に記載の方法。
【請求項35】
カーボン−シリカ生成物は、洗浄されて乾燥される、請求項1に記載の方法。
【請求項36】
カーボン−シリカ生成物は、約1.0:1から約5:1までの固定カーボン対シリカのモル比を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項37】
カーボン−シリカ生成物は、約1.5:1の固定カーボン対シリカのモル比を有する、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
カーボン−シリカ生成物は、約2:1の固定カーボン対シリカのモル比を有する、請求項36に記載の方法。
【請求項39】
カーボン−シリカ生成物は、約2.5:1の固定カーボン対シリカのモル比を有する、請求項36に記載の方法。
【請求項40】
カーボン−シリカ生成物は、約3:1の固定カーボン対シリカのモル比を有する、請求項36に記載の方法。
【請求項41】
カーボン−シリカ生成物は、約3.5:1の固定カーボン対シリカのモル比を有する、請求項36に記載の方法。
【請求項42】
カーボン−シリカ生成物は、約4:1の固定カーボン対シリカのモル比を有する、請求項36に記載の方法。
【請求項43】
カーボン−シリカ生成物は、約4.5:1の固定カーボン対シリカのモル比を有する、請求項36に記載の方法。
【請求項44】
カーボン−シリカ生成物は、約5:1の固定カーボン対シリカのモル比を有する、請求項36に記載の方法。
【請求項45】
カーボン−シリカ生成物は、約1.5:1未満の固定カーボン対シリカのモル比を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項46】
カーボン−シリカ生成物は、約5:1超の固定カーボン対シリカのモル比を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項47】
カーボン−シリカ生成物は、無機物重量で約1000ppm未満を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項48】
カーボン−シリカ生成物は、無機物重量で約500ppm未満を有する、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
カーボン−シリカ生成物は、無機物重量で約200ppm未満を有する、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
カーボン−シリカ生成物は、無機物重量で約100ppm未満を有する、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
カーボン−シリカ生成物は、リン重量で約10ppm未満を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項52】
カーボン−シリカ生成物は、リン重量で約4ppm未満を有する、請求項52に記載の方法。
【請求項53】
カーボン−シリカ生成物は、ナトリウム重量で約10ppm未満を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項54】
カーボン−シリカ生成物は、カリウム重量で約10ppm未満を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項55】
カーボン−シリカ生成物は、マグネシウム重量で約10ppm未満を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項56】
カーボン−シリカ生成物は、カルシウム重量で約20ppm未満を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項57】
カーボン−シリカ生成物は、カルシウム重量で約10ppm未満を有する、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
カーボン−シリカ生成物は、マンガン重量で約10ppm未満を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項59】
カーボン−シリカ生成物は、鉄重量で約30ppm未満を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項60】
カーボン−シリカ生成物は、鉄重量で約20ppm未満を有する、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
カーボン−シリカ生成物は、鉄重量で約10ppm未満を有する、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
カーボン−シリカ生成物は、ホウ素重量で約5ppm未満を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項63】
カーボン−シリカ生成物は、ホウ素重量で約2ppm未満を有する、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
カーボン−シリカ生成物は、ホウ素重量で約1ppm未満を有する、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
カーボン−シリカ生成物は、アルミニウム重量で約50ppm未満を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項66】
カーボン−シリカ生成物は、アルミニウム重量で約20ppm未満を有する、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
カーボン−シリカ生成物は、ペレット化されている、請求項1に記載の方法。
【請求項68】
カーボン−シリカ生成物は、約30%から約90%の内部空隙量を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項69】
カーボン−シリカ生成物は、約30%から約80%の内部空隙量を有する、請求項68に記載の方法。
【請求項70】
カーボン−シリカ生成物は、約50%超の内部空隙量を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項71】
カーボン−シリカ生成物は、約75%超の内部空隙量を有する、請求項70に記載の方法。
【請求項72】
混合物は、バッチ処理にて反応する、請求項1に記載の方法。
【請求項73】
混合物は、連続処理にて反応する、請求項1に記載の方法。
【請求項74】
混合物は、プラグ流れ処理にて反応する、請求項1に記載の方法。
【請求項75】
粉状体は、カーボン−シリカ生成物から作られる、請求項1に記載の方法。
【請求項76】
粉状体は、ペレット化されている、請求項75に記載の方法。
【請求項77】
植物と酸溶液は、多数の段階で接している、請求項1に記載の方法。
【請求項78】
カーボン−シリカ生成物から揮発分を除去する工程を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項79】
合成粉状体から揮発分を除去する工程を有する、請求項75に記載の方法。
【請求項80】
揮発分を除去した粉状体をペレット化する工程を有する、請求項79に記載の方法。
【請求項81】
ペレット化された粉状体から揮発分を除去する工程を有する、請求項76に記載の方法。
【請求項82】
揮発分を除去する工程は、化学的に揮発分を除去し、熱的に揮発分を除去し、或いはそれらの組み合わせによって成される、請求項78に記載の方法。
【請求項83】
揮発分を除去する工程は、化学的に揮発分を除去し、熱的に揮発分を除去し、或いはそれらの組み合わせによって成される、請求項79に記載の方法。
【請求項84】
揮発分を除去する工程は、化学的に揮発分を除去し、熱的に揮発分を除去し、或いはそれらの組み合わせによって成される、請求項81に記載の方法。
【請求項85】
カーボン−シリカ生成物は、約1250℃から約2200℃の範囲の温度でカーボン熱反応装置にて更に反応して、シリコン含有生成物を生成する、請求項1に記載の方法。
【請求項86】
カーボン−シリカ生成物は、約1300℃から約1475℃の範囲の温度でカーボン熱反応装置にて反応して、シリコン含有生成物を生成する、請求項85に記載の方法。
【請求項87】
カーボン−シリカ生成物は、約1475℃から約1600℃の範囲の温度でカーボン熱反応装置にて反応して、シリコン含有生成物を生成する、請求項85に記載の方法。
【請求項88】
カーボン−シリカ生成物は、約1600℃から約2200℃の範囲の温度でカーボン熱反応装置にて反応して、シリコン含有生成物を生成する、請求項85に記載の方法。
【請求項89】
揮発分を除去されたカーボン−シリカ生成物は、約1250℃から約2200℃の範囲の温度でカーボン熱反応装置にて反応して、シリコン含有生成物を生成する、請求項78に記載の方法。
【請求項90】
揮発分を除去されたカーボン−シリカ生成物は、約1300℃から約1475℃の範囲の温度でカーボン熱反応装置にて反応して、シリコン含有生成物を生成する、請求項89に記載の方法。
【請求項91】
揮発分を除去されたカーボン−シリカ生成物は、約1475℃から約1600℃の範囲の温度でカーボン熱反応装置にて反応して、シリコン含有生成物を生成する、請求項89に記載の方法。
【請求項92】
揮発分を除去されたカーボン−シリカ生成物は、約1600℃から約2200℃の範囲の温度でカーボン熱反応装置にて反応して、シリコン含有生成物を生成する、請求項89に記載の方法。
【請求項93】
カーボン熱反応装置は、ベッド静止反応装置である、請求項85に記載の方法。
【請求項94】
カーボン熱反応装置は、ベッド移動反応装置である、請求項85に記載の方法。
【請求項95】
カーボン熱反応装置は、回転チューブ反応装置である、請求項85に記載の方法。
【請求項96】
カーボン熱反応装置は、ベッド流動反応装置である、請求項85に記載の方法。
【請求項97】
カーボン熱反応装置は、外部熱源を用いる加熱炉反応装置である、請求項85に記載の方法。
【請求項98】
カーボン熱反応装置は、炎反応装置である、請求項85に記載の方法。
【請求項99】
カーボン熱反応装置は、レーザー反応装置である、請求項85に記載の方法。
【請求項100】
カーボン熱反応装置は、プラズマ反応装置である、請求項85に記載の方法。
【請求項101】
カーボン熱反応装置は、不活性ガスを含む気体を有する、請求項85に記載の方法。
【請求項102】
カーボン熱反応装置は、窒素を含む気体を有する、請求項85に記載の方法。
【請求項103】
カーボン熱反応装置は、窒素及び水素を含む気体を有する、請求項85に記載の方法。
【請求項104】
カーボン熱反応装置は、窒素及びアンモニアを含む気体を有する、請求項85に記載の方法。
【請求項105】
カーボン熱反応装置は、塩素を含む気体を有する、請求項85に記載の方法。
【請求項106】
粒子状の粉状体を有するカーボン−シリカ生成物であって、各粒子状の粉状体は更に、結合材を用いることなく、少なくともミクロンスケールで互いに結合する固定カーボンとシリカを具え、粉状体内の固定カーボン対シリカのモル比は少なくとも約1.0:1であるカーボン−シリカ生成物。
【請求項107】
固定カーボン対シリカのモル比は、約1.5:1から約5:1である、請求項106に記載のカーボン−シリカ生成物。
【請求項108】
固定カーボン対シリカのモル比は、約1.5:1である、請求項106に記載のカーボン−シリカ生成物。
【請求項109】
固定カーボン対シリカのモル比は、約2:1である、請求項106に記載のカーボン−シリカ生成物。
【請求項110】
固定カーボン対シリカのモル比は、約2.5:1である、請求項106に記載のカーボン−シリカ生成物。
【請求項111】
固定カーボン対シリカのモル比は、約3:1である、請求項106に記載のカーボン−シリカ生成物。
【請求項112】
固定カーボン対シリカのモル比は、約3.5:1である、請求項106に記載のカーボン−シリカ生成物。
【請求項113】
固定カーボン対シリカのモル比は、約4:1である、請求項106に記載のカーボン−シリカ生成物。
【請求項114】
固定カーボン対シリカのモル比は、約4.5:1である、請求項106に記載のカーボン−シリカ生成物。
【請求項115】
固定カーボン対シリカのモル比は、約5:1である、請求項106に記載のカーボン−シリカ生成物。
【請求項116】
固定カーボン対シリカのモル比は、5:1より大きい、請求項106に記載のカーボン−シリカ生成物。
【請求項117】
粉状体は、揮発分が除去された、請求項106に記載のカーボン−シリカ生成物。
【請求項118】
粉状体は、ペレット化された、請求項106に記載のカーボン−シリカ生成物。
【請求項119】
粉状体は、ペレット化された、請求項117に記載のカーボン−シリカ生成物。
【請求項120】
ペレット化された粉状体は、揮発分が除去された、請求項118に記載のカーボン−シリカ生成物。
【請求項121】
植物から作られた、請求項106に記載のカーボン−シリカ生成物。
【請求項122】
籾殻、稲藁、及びそれらの混合物から成る群から作られる、請求項121に記載のカーボン−シリカ生成物。
【請求項123】
請求項106に記載のカーボン−シリカ生成物から作られるシリコン。
【請求項124】
請求項117に記載の揮発分を除去したカーボン−シリカ生成物から作られるシリコン。
【請求項125】
請求項118に記載のペレット化された粉状体から作られるシリコン。
【請求項126】
請求項106に記載の粉状体から作られるシリコン。
【請求項127】
請求項117に記載の揮発分を除去した粉状体から作られるシリコンカーバイド。
【請求項128】
請求項118に記載のペレット化された粉状体から作られるシリコンカーバイド。
【請求項129】
請求項106に記載の粉状体から作られるシリコン窒化物。
【請求項130】
請求項117に記載の揮発分を除去したカーボン−シリカ生成物から作られるシリコン窒化物。
【請求項131】
請求項118に記載のペレット化された粉状体から作られるシリコン窒化物。
【請求項132】
請求項106に記載の粉状体から作られるシリコン四塩化物。
【請求項133】
請求項117に記載の揮発分を除去した粉状体から作られるシリコン四塩化物。
【請求項134】
請求項118に記載のペレット化された粉状体から作られるシリコン四塩化物。
【請求項135】
無機物重量で約1000ppm未満を有する、請求項106に記載のカーボン−シリカ生成物。
【請求項136】
無機物重量で約500ppm未満を有する、請求項135に記載のカーボン−シリカ生成物。
【請求項137】
無機物重量で約200ppm未満を有する、請求項136に記載のカーボン−シリカ生成物。
【請求項138】
無機物重量で約100ppm未満を有する、請求項137に記載のカーボン−シリカ生成物。
【請求項139】
無機物は、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、マンガン、鉄、ホウ素、アルミニウム、リン、及びそれらの酸素含有複合物から成る群から選択される、請求項135に記載のカーボン−シリカ生成物。
【請求項140】
無機物は、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、マンガン、鉄、ホウ素、アルミニウム、リン、及びそれらの酸素含有複合物から成る群から選択される、請求項136に記載のカーボン−シリカ生成物。
【請求項141】
無機物は、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、マンガン、鉄、ホウ素、アルミニウム、リン、及びそれらの酸素含有複合物から成る群から選択される、請求項137に記載のカーボン−シリカ生成物。
【請求項142】
無機物は、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、マンガン、鉄、ホウ素、アルミニウム、リン、及びそれらの酸素含有複合物から成る群から選択される、請求項138に記載のカーボン−シリカ生成物。
【請求項143】
リン重量で約10ppm未満である、請求項106に記載のカーボン−シリカ生成物。
【請求項144】
リン重量で約4ppm未満である、請求項143に記載のカーボン−シリカ生成物。
【請求項145】
ナトリウム重量で約10ppm未満である、請求項106に記載のカーボン−シリカ生成物。
【請求項146】
カリウム重量で約10ppm未満である、請求項106に記載のカーボン−シリカ生成物。
【請求項147】
マグネシウム重量で約10ppm未満である、請求項106に記載のカーボン−シリカ生成物。
【請求項148】
カルシウム重量で約20ppm未満である、請求項106に記載のカーボン−シリカ生成物。
【請求項149】
カルシウム重量で約10ppm未満である、請求項148に記載のカーボン−シリカ生成物。
【請求項150】
マグネシウム重量で約10ppm未満である、請求項106に記載のカーボン−シリカ生成物。
【請求項151】
鉄重量で約30ppm未満である、請求項106に記載のカーボン−シリカ生成物。
【請求項152】
鉄重量で約20ppm未満である、請求項151に記載のカーボン−シリカ生成物。
【請求項153】
鉄重量で約10ppm未満である、請求項152に記載のカーボン−シリカ生成物。
【請求項154】
ホウ素重量で約5ppm未満である、請求項106に記載のカーボン−シリカ生成物。
【請求項155】
ホウ素重量で約2ppm未満である、請求項154に記載のカーボン−シリカ生成物。
【請求項156】
アルミニウム重量で約50ppm未満である、請求項106に記載のカーボン−シリカ生成物。
【請求項157】
アルミニウム重量で約20ppm未満である、請求項156に記載のカーボン−シリカ生成物。
【請求項158】
約30%から約90%の内部空隙量を有する、請求項106に記載のカーボン−シリカ生成物。
【請求項159】
約30%から約80%の内部空隙量を有する、請求項158に記載のカーボン−シリカ生成物。
【請求項160】
約50%超の内部空隙量を有する、請求項106に記載のカーボン−シリカ生成物。

【図1A】
image rotate

【図1B】
image rotate


【公開番号】特開2012−254931(P2012−254931A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−200166(P2012−200166)
【出願日】平成24年9月12日(2012.9.12)
【分割の表示】特願2007−508454(P2007−508454)の分割
【原出願日】平成17年4月12日(2005.4.12)
【出願人】(506343162)エスアイ オプションズ,エルエルシー (2)
【氏名又は名称原語表記】SI OPTIONS,LLC
【Fターム(参考)】