説明

高透光性の合成石、その製造方法および使用

5〜60重量%の、重合した、低粘度の、透明または薄い色の樹脂と、有利には0〜100重量%の透明または半透明のアルミナ3水和物の代替物を含め、不揃いな粒子を含む、20〜90重量%の球状アルミナ3水和物Al23・3H2O、および/または0〜20%、または予め調製し、充填した、選択した色の樹脂、および/または鉱物粒子、ならびに2重量%未満の発光剤から形成される石。これら個々の成分を、内在するガス成分を脱気しながら激しく混合する。脱気は、混合中、および/または混合後、および/または混合前に行う。混合は、開始剤を導入して、開始剤を混合物中で激しく混合して開始する。混合物は金型、または移動性の無端ベルトに注ぐ。硬化した合成石を金型から外し、または硬化した組成物をベルトから外す。合成石は、光搬送体として製品に使用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高透光性合成石、その製造方法および、合成石を光搬送体としても利用できる、内装または外装用に使用できる装飾用品、建築用品、および有用品の製造における使用に関する。
【背景技術】
【0002】
ある程度の半透明性を有する比較的軽量の合成石を基材とした装飾性の建築材料はすでによく知られている。それらは概して言うと、大量の粉末フィラー、および技術を容易にし、性質を変え、および処理に影響を与えるなどのその他の追加物質を備えた、色の薄いクリヤーな反応性樹脂に基づくバインダーを備えた粒子の複合系である。フィラー半透明反応性ポリエステル樹脂は、ここで用いられるバインダーの一例である。ここで用いられるフィラーの例として、粉末状炭酸カルシウム、シリカ粉末、水酸化アルミニウム(ATH、アルミナ3水和物、アルミニウム3水酸化物あるいは、水和アルミナとしても知られている)石膏、大理石等が挙げられる。一般に、MEKP等の過酸化物が開始剤として用いられる。実際の製造にあたっては、反応性の混合物を金型に導入し、続いて、十分に硬化したのち金型から取り出し、そして次に必要な機械処理を行う。これらの製品は、米国特許第3,396,067号、3,488,246号、3,642,975号、3,847,865号、および4,107,135号に記載されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記特許文献に記載されている合成石は優れた機械特性および視覚特性を有している。しかしながら、前記合成石には高い半透明性はなく、かつ、その半透明性は、引っ掻き、例えば取扱中の機械的な擦り合わせにより容易に表面に損傷を受けて直ぐに劣化する。
【0004】
多少改良された半透明性および外観ならびにより適合する性質は、制限された量の顔料を含み、および、例えば未充填イソネオペンチルグリコ−ルポリエステルに基づく、いわゆる「ゲルコート」により表面を保護された製品において見られる。このような合成石は、半透明性が多少増加し表面損傷に対する耐性がより高い製品となっているが、高透光性ではない。
【0005】
他に、このタイプの製品の半透明性を改良するためには、化学式Al23×3H2O(アルミナ3水和物)で表され99%を超える純度でAl(OH)3を含有し、1.4〜1.65の屈折率を有し、不揃いの粉末粒子の混合物を含んで構成されるアルミナ3水和物よりなる高純度疑似結晶性フィラーを用いて達成することができる。このフィラーは、長さ約70μm未満、場合により半透明あるいは/および透明の粒子の凝集体、単結晶体、および細粒で構成される。米国特許第4,159,301号によれば、特に、アクリレート変性ポリエステルに基づく樹脂を使用し、および、主として、使用されるアルミナ3水和物の屈折率に近い屈折率を有する反応性アクリレート樹脂を使用する。これらの製品は多少ともより半透明となっていて、より良好な表面ならびに表面損傷に対し極めて高い耐性を有するが、このより良好な表面および損傷に対して高い耐性は結果的に半透明性を低下させる。「ソリッド表面」としばしば称されるこのタイプの製品は、光学的により適した成分を有している結果、ある種の深みのある空間の一定の三次元的突出−つまり深みを実現している。しかしながら、半透明性は一部増加にとどまる。
【0006】
米国特許第5,286,290号には、半透明性を下げる顔料を使用しない着色アルミナ3水和物の使用が記載されている。しかしこれであっても半透明性の大幅な改良につながらない。米国特許第4,085,246号、4,159,307号、および5,304,592号には、使用するフィラーの部分代替物であって、中空であり、後で充填される半透明の代替物の使用が記載されており、例えば、いわゆるガラス「マイクロスフェア、マイクロパール」粒子と呼ばれるポリプロピレン、ポリエチレン、高密度ポリエチレン等の使用が記載されている。これらの使用は、目的とする単位体積の重量の減少および熱ショック耐性の向上に実際に結びつくが、半透明性の大幅な向上はない。合成石「人工大理石」あるいは「人工オニキス」と称されるこのタイプの装飾性の建築材料は、極めて良好な機械特性および風味のある自然な外観を示すとともに手触りも良好である。しかしながら、光はごく限られた程度しか透過しない。このような材料について、厚さ6mmの試験板の一方から光を照射して測定した際の半透明性は極めて低く、一般に、4〜5%を大きく下回る。
【0007】
本発明は、上記の欠点を取り除き高透光性の合成石を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
高透光性の合成石であって、低粘度、反応性の、半透明性樹脂(特にメチルメタクリレートあるいはネオペンチルグリコールポリエステル系)、アルミナ3水和物、その代替物、およびチップと称される破砕物に基づいている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の主題は、バインダーを5〜60重量%含有する硬化混合物により前記合成石を構成することにある。バインダーは、無色あるいは薄い色のポリマー樹脂で構成され、このポリマーの屈折率はアルミナ3水和物の屈折率と同じかあるいはその差は±12%未満の範囲である。また、混合物は、球形および/または球状のアルミナ3水和物Al23・3H2Oから成るフィラーを20〜90重量%含有する。アルミナ3水和物は、集合体、凝集体、破砕物および結晶といった不揃いな粒子を90重量%未満含有する。さらに、透明ないし半透明のアルミナ3水和物代替物を0〜100重量%含有する。また、予め調製し、充填し、硬化した着色樹脂であって、特にチップとして知られる200μmを超える大きさの破砕物形状の着色樹脂、および/または、鉱物粒子を0〜20重量%含有する。さらに混合物は、2重量%未満の発光剤を含有する。当然のことながら、合成石は、技術を容易にし、性質を修正し、加工に影響を与えるその他のよく知られた追加の物質を含有する。
【0010】
合成石の好適な組成物は、25〜50重量%のバインダーを含有する。このバインダーは、無色あるいは薄い色の、ポリマー樹脂で構成され、このポリマー樹脂の屈折率は、アルミナ3水和物の屈折率と同じ、あるいはその差が±12%未満の範囲である。この組成物は20〜90重量%のフィラーを含有する。フィラーは、球形および/または球状のアルミナ3水和物Al23・3H2Oから成る。アルミナ3水和物は、集合体、凝集体、破砕物および結晶といった不揃いな粒子を90重量%未満あるいは50重量%未満含有する。また、透明ないし半透明のアルミナ3水和物代替物を0〜100重量%含有する。
【0011】
次の好適な組成物では、バインダー樹脂としては、粘度が、有利には100mPas未満のメタクリレート系あるいはポリエステル系が有利に用いられる。使用するアルミナ3水和物フィラーの平均粒径は、15μmより大きく、200μm未満である。
【0012】
次の好適な組成物では、フィラーの表面積はBET0.9 m2/g未満あるいは、有利には0.4 m2/g未満である。
【0013】
別の好適な組成物では、フィラーの代替物が、粒径が15mm未満で、屈折率がアルミナ3水和物の屈折率と同じ、あるいはその差が±12%以下である粒子のポリマーである。
【0014】
さらに有利な組成物では、合成石はポリマー代替物を含む。このポリマー代替物は、スチレンとジビニルベンゼンとの多環芳香族−パール様コポリマーであって、粒子径が、約5μm〜2000μm、または100μm〜400μmである。
【0015】
本発明の合成石の製造方法の背後にある原理は、本発明による合成石の個々の成分の所定量を、ガス成分を脱気しながら、激しく混合することにある。脱気は、攪拌しながらでもおよび/または攪拌の前あるいは後であってもよい。混合は、開始剤を導入し、開始剤を混合物中で激しく攪拌することで開始する。混合物は金型に移されるかあるいは、可動性の無端ベルト上に注がれる。出来上がった合成石は金型から外されるか、あるいは、硬化した組成物は前記ベルトから外される。合成石は光搬送体として、誘導レール、住宅、光壁面および壁面部材、パネル、ランプ、光手すり等の照明器具に、トイレ、キッチン、病院、スパ、ホテル、レストランの標識に、特に、流し台、浴槽、作業机に用いられる。また、合成石はプラスチック成形体の光搬送体としても用いられる。
【0016】
本発明に従う合成石の利点は、フィラーが、球形ないし球状粒子から成り、場合により不揃いの粒子を部分的に含み、また必要に応じパール様のアルミナ3水和物代替物を含むことであり、しかし、このフィラーが、合成石の濡れ性を悪化させ、光の多方向の反射、屈折、拡散の原因となる多数の多角微小表面および微小領域を含まないことである。これにより、高透光性の製品が提供される。樹脂シロップの粘度が比較的低いために、フィラーの全表面を完全に濡らすことができるとともに、粒子間のすべての隙間、ならびに、凝集体、集合体のすべての微小領域および、これらの間隙あるいは、内部に存在するガス成分の脱気部分を含め、場合により組み込まれる代替物を満たすことができる。このような構成をとることで、充填されていない間隙や微小領域および気泡がなくなる利点がある。このような充填されていない間隙や微小領域および気泡は、高粘度の場合に見られ、均一化中の排気処理にもかかわらず発生し、それらが起こす反射、屈折、拡散の結果、不透明性の増大、半透明性の低下、三次元効果の損失をもたらす。もう一つの利点は、アルミナ3水和物フィラーを、屈折率が、使用するバインダーおよびアルミナ3水和物の屈折率と同じ、あるいはその差が±12%以下の範囲であり、光の内部透過性(光透過率)が高い半透明性ポリマーで部分的にあるいは全部置換することにより得られる。代替物は、アルミナ3水和物の粒子間の調節可能な修正を可能とし、反射、屈折、拡散を減少し、半透明性を増大させる。この他に、代替物は周知の方法で、合成石の単位体積の重量を減じ、熱弾性を増大するため、これにより熱ショック耐性となる。合成石の半透明性が驚くほど大きく増大するのは、フィラーの球状粒子ならびに比較的小さな表面積によるものである。このような合成石は高透光性であり、光、形、色および強度の並外れた組み合わせをも可能にする製品を製造することができる。光のデザインの可能性と関連する調節可能な透明性、半透明性および発光性は、視覚化、自由な感覚、純度、および輝きを促進する。また、驚くほど高い半透明性は他には見られない深い三次元効果をもたらし、内部にあるものの空間的な認識を高めその複合化された構造を優れたものとする。結果としてチップとデザインと色相の独特の相互作用をもたらす。このような合成石は触った感じが心地良く、光、色相、埋め込み法、熱成形法、その他の成形法の組み合わせに新たな組み合わせを提供するとともに、他の多くの産業分野において用途を提供する。
【0017】
本発明の主題である合成石の開発中の長期試験結果によると、従来の合成石は、バインダーとフィラーとが半透明性であり比較的接近した屈折率を有するにもかかわらず、全体としての光の透過性は意外にも低い。これら両方の基材成分のその他の性質が強く影響している。純度、屈折角度、用いるフィラー中の粒子の大きさおよび量、およびバインダーの粘度および濡れ性に加え、粒子の実際の形状も重要である。合成石内において光の反射、屈折、分散は、従来のフィラー(図1)では、フィラーの凝集体、集合体、および結晶の表面および微小領域の量、セグメンテーション、数および方向に応じて増大する。しかし、光の分散効率はフィラー粒子の大きさの低下および表面積の増大とともに増加する。高粘度のバインダーは、全微小領域および表面に浸透するのに十分な能力を有さない。その結果、取り残された気泡ならびに未充填の微小領域により、光の屈折および分散を一層助長する追加の「多重界面」が発生する。合成石組成物の全半透明率は、直接透過率および拡散透過率の合計である。個々の成分の反射、屈折および直接透過率の大きさならびに、これら成分により構成される組成物全体としての透過率は、光拡散に特に強く影響され、重要な役割を果たす。従って、従来の合成石材料内での光の内部多重反射、屈折および拡散は合成石の半透明性を大きく制限すると考えられる。従来の合成石に用いられているフィラーは粉末状のマルチ粒子状の多角形系であり、関連するバインダーよりも極めて大きな密度を有する。このフィラーは、通常1.0m2/gを大きく超える大きな表面積の不揃いの粒子で構成され、反射、屈折および拡散用の多数の境界面を有している。このフィラーが有する、多方向性であり、光と相互作用を行う無数の微小表面は、従来の合成石の不透明性を許容できない量にまで引き上げる。このような粒子を用いた組成物系では、優れた工学特性、外観および触感を与えるものの半透明性は低い。さらに合成石には、技術および作業をより容易にする目的や合成石の特性を改良する目的等により、この他に、一般的な補助成分が加わる。
【0018】
実施例1
粘度4mPas、屈折率1.4196の反応性樹脂であるメタクリレート68.8重量部(35.6重量%)を、算術平均直径が67μmの球形粒子を70重量%含む単位体積重量2.4g/cm3、屈折率1.58である粉末状アルミナ3水和物106.5重量部(55.11重量%)と、直径0.5〜3.15mmの白色チップ15.6重量部(8.54重量%)と、粉末状チタン酸塩酸化物0.1重量部(0.05重量%)と混合した。混合物は、過酸化物開始剤1.35重量部により重合開始し、ワックス離型剤で隔離された平枠金型内で混合物を重合した。得られた合成石の半透明性は、厚さ6mmの板で測定した光の透過率として表し、22.5%であった。
【0019】
実施例2
粘度4mPas、屈折率1.4196の反応性樹脂であるメタクリレート806重量部(35.2重量%)を、粉末状アルミナ3水和物(Al23・3H2O、単位体積重量2.4g/cm3)1120重量部(フィラー中の含有量76.2重量%)を含むフィラー1470重量部(64.17重量%)と、粒子径が30〜350μmの粒子を含む半透明性パール様スチレン−ジビニルベンゼンコポリマーからなる代替物350重量部(23.8重量%)と混合した。脱気した後、混合物重合は、複合過酸化ジカーボネート開始剤14.7重量部(0.64重量%)により開始し、シリコン離型剤で処理した平板状長手金型中で混合物を重合した。こうして得られた厚さ6mmのポリマーストーンの層は、光透過率を評価したところ、24.2%であった。
【0020】
実施例3
光透過率30%、厚さ6mmの板状のポリマーストーンを以下のとおり作製した。粘度26mPas、屈折率1.431の反応性メタクリレート樹脂708重量部(32.7重量%)と、算術平均直径67μm、表面積約0.2m2/gの球状アルミナ3水和物68.8重量%を含有する屈折率1.58の粉末状アルミナ3水和物1445重量部(66.6重量%)とを混合し、脱気しながら、過酸化マレイン酸エステル開始剤14.2重量部(0.6重量%)で開始し、ワックス離型剤で隔離された平枠金型内で重合した。
【0021】
実施例4
光透過率34%、厚さ6mmの板状の合成石を以下のとおり作製した。粘度62mPas、屈折率1.4888のメチルメタクリレート変性不飽和イソフタル/ネオペンチルグリコールポリエステル樹脂690重量部(38重量%)と、平均粒径80μm、表面積0.1m2/gの球形アルミナ3水和物85重量%を含有する屈折率1.58の粉末状アルミナ3水和物1120重量部(61.5重量%)とを激しく混合し、脱気しながら、ケテパーオキシディク(keteperoxydic
)開始剤9.4重量部(0.5重量%)で開始して作製した。重合は、楕円形の平らなケース金型内で行った。硬化を待って、成形体を金型から取り出した。
【0022】
実施例5
粘度180mPas、屈折率1.4306の反応性樹脂であるメタクリレート454重量部(40.55重量%)を、表面積が約0.22m2/gで算術平均直径が56μmの球形部分を70重量%含む粉末状アルミナ3水和物560重量部(84.8重量%)を含むフィラー660重量部(58.95重量%)と、実施例2と同様の組成で球形の割合が異なる代替物100重量部(15.15重量%)と混合した。混合物の重合は、ガス成分を脱気した後、過酸化マレイン酸エステル開始剤5.6重量部(0.5重量%)により開始し、ベルト金型上で行った。厚さ6mmの硬化したポリマーストーンの板は40.3%の光透過率を示した。研磨し、機械処理し、および熱成形した後、このポリマーストーンの板は、背面照明とつなぎ合わせ手すりの上に設けて誘導手すりとして用いた。
【0023】
実施例6
ポリマーストーンから成る厚さ6mmの試験板を測定したところ、光透過率が53%であった。このポリマーストーンは、鋳造混合物を重合することで作製した。この混合物は、屈折率1.4287、粘度14mPasのメタクリレート樹脂393重量部(57.32重量%)、スチレン−ジビニルベンゼンの純コポリマーの、粒径250μm未満のパールから成る単一の代替物で形成されるフィラー283重量部(41.28重量%)、および緑色顔料ペースト2.5重量部(0.36重量%)から成る。混合物は、過酸化マレイン酸エステル開始剤7.1重量部(1.04重量%)で開始し、ケース金型内で重合した。成形、機械加工した合成石はLEDダイオードに取り付け、光壁面部材の光搬送体として用いた。
【0024】
実施例7
厚さ6mmの板をUV線源(UVダイオード、1mW、<20°、λ=400nm)で点灯した際に光強度を3.5倍に増大する高透光性合成石を以下のとおり作製した。粘度24mPa、屈折率1.434のメタクリレート樹脂353重量部(32.47重量%)を、屈折率1.58、70%球状のアルミナ3水和物、722重量部(66.42重量%)および発光剤「Rylux VPA−T」5%重量部(0.65重量%)と、をフレーム金型中で、過酸化マレイン酸エステル開始剤7.1重量部で開始し、重合することで作製した。
【0025】
実施例8
高透光性の合成石の製造方法
秤量した先の実施例で述べた成分を、混合はちに入れ激しく混合して、ホモジナイズした。この工程の間および、場合によってはこの工程の終了前および/または後に排気を行い、混合物を脱気した。混合したバインダーの重合は、所定量の開始剤を投入し、完全に混合することで開始した。得られた反応性混合物は別の金型に注入した。この金型は例えば流し台生産用に用いられる。混合物が硬化したのち最終製品を金型から取り出した。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明は、建設産業、内装品および外装品の装備用、家具産業、健康産業および広告に用いることができる。
【0027】
フィラー粒子の形状および表面積の大きさが、光との相互作用に与える影響を添付の図に示す。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】粒径が約80μmの通常のアルミナ3水和物の不揃いの凝集体を示した図である。
【図2】粒径が約80μmの球形アルミナ3水和物を、少量の不揃いの凝集体とともに示した図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バインダーとフィラーの2つの主成分からなる高透光性の合成石であって、
前記バインダーは、低粘度で、反応性の透明樹脂から成り、
特にメチルメタクリレート系またはネオペンチルグリコールポリエステル系であり、
前記フィラーは、アルミナ3水和物および/またはその代替物から成り、
前記合成石は、着色成分およびチップを含有してもよく、
前記合成石は、硬化混合物から製造されることを特徴とし、
前記硬化混合物が、
5〜60重量%のバインダーであって、重合した無色または薄い色の樹脂から成り、前記樹脂の粘度が1300mPa未満であり、前記ポリマーの屈折率が、アルミナ3水和物の屈折率と同じ、またはその差が±12%未満である前記バインダー;
20〜90重量%のフィラーであって、不揃いの粒子である、集合体、凝集体、破砕粒子および結晶を90重量%未満含み、および、透明ないし半透明のアルミナ3水和物代替物を0〜100重量%含む球形および/または球状のアルミナ3水和物Al23・3H2Oから成る前記フィラー;
0〜20重量%のあらかじめ調製した、粒子状の、充填し、硬化した、粒径が200μmより大きい着色樹脂であって、チップとして知られる前記着色樹脂、および/または鉱物粒子;
を含み、
前記合成石が2重量%未満の発光剤をさらに含む前記合成石。
【請求項2】
請求項1に記載の高透光性の合成石であって、
25〜50重量%のバインダーであって、重合した、反応性の、透明で、薄い色の樹脂から成り、屈折率がアルミナ3水和物の屈折率と同じ、またはその差が±12%未満である前記バインダーと、
20〜90重量%のフィラーであって、90重量%未満、有利には50重量%未満の不揃いの粒子である集合体、凝集体、破砕物および結晶を含み、および有利には、5〜100重量%の透明ないし半透明のアルミナ3水和物代替物を含む、球形および/または球状のアルミナ3水和物Al23・3H2Oから成る前記フィラーと、を含むことを特徴とする前記合成石。
【請求項3】
前記バインダー樹脂が、有利にはメタクリレートまたはポリエステル樹脂であって、粘度が、有利には、100mPa未満であることを特徴とする請求項1に記載の高透光性の合成石。
【請求項4】
使用する前記フィラーの粒子の平均径が、15μmより大きく、200μm未満であることを特徴とする請求項1に記載の高透光性の合成石。
【請求項5】
使用する前記フィラーの表面積が、BET0.9m2/g未満であり、有利には0.4m2/g未満であることを特徴とする請求項2に記載の高透光性の合成石。
【請求項6】
前記フィラーの代替物が、有利には、粒子径が15mm未満であって、屈折率がアルミナ3水和物の屈折率と同じ、またはその差が±12%であるポリマーであることを特徴とする請求項1に記載の高透光性の合成石。
【請求項7】
前記ポリマー代替物が、有利には、パール様の、スチレンとジビニルベンゼンとの多環芳香族コポリマーであって、粒子径が、主に、5μm〜2000μmの範囲であることを特徴とする、請求項1、5、6のいずれかに記載の合成石。
【請求項8】
前記ポリマー代替物が、有利には、パール様の、スチレンとジビニルベンゼンとの多環芳香族コポリマーであって、粒子径が、100μm〜400μmの範囲であることを特徴とする、請求項1、5、6、7のいずれかに記載の合成石。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれかに記載の高透光性の合成石の製造方法であって、
合成石を硬化混合物から製造することを特徴とし、
前記硬化混合物が、
5〜60重量%のバインダーであって、重合した無色または薄い色の樹脂から成り、前記樹脂の粘度が1300mPa未満であり、前記ポリマーの屈折率が、アルミナ3水和物の屈折率と同じ、またはその差が±12%未満である前記バインダー;
20〜90重量%のフィラーであって、90重量%未満の不揃いの粒子である、集合体、凝集体、破砕粒子および結晶を含み、および、0〜100重量%の透明ないし半透明のアルミナ3水和物代替物を含む球形および/または球状のアルミナ3水和物Al23・3H2Oから成る前記フィラー;
0〜20重量%のあらかじめ調製した、粒子状の、充填し、硬化したチップとして知られる着色樹脂であって、粒径が200μmより大きい前記着色樹脂、および/または鉱物粒子;
を含み、
前記合成石が2重量%未満の発光剤をさらに含み、
前記合成石が、個々の成分の所定量を激しく混合し、
混合中、および/または、混合前、および/または、混合後に、含まれるガス成分を脱気し、その後、
開始剤を導入し、開始剤を混合物中で激しく混合して重合開始し、
混合物を金型に注入し、または、移動性の無端ベルトに注入し、
硬化した合成石を前記金型から外し、または、硬化した複合体を前記ベルトから外して、前記合成石を得る前記製造方法。
【請求項10】
請求項1〜8に記載の合成石の光搬送体としての使用であって、前記光搬送体が、誘導レール、照明器具、光壁面および壁面部材、板、ランプ、光手すりなどの照明部材、および、トイレ、キッチン、病院、スパ、ホテル、レストランの標識、特に流し台、浴槽、調理台の標識などに用いる、前記使用。
【請求項11】
成形プラスチック用光搬送体としての、請求項1〜8に記載の合成石の使用。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2009−507964(P2009−507964A)
【公表日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−530309(P2008−530309)
【出願日】平成18年9月13日(2006.9.13)
【国際出願番号】PCT/CZ2006/000060
【国際公開番号】WO2007/031039
【国際公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【出願人】(508080838)
【Fターム(参考)】