高速電気コネクタ
本発明は高速コネクタを提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2003年7月17出願の米国特許仮出願第60/487,580号の恩典を主張するのものである。本出願はまた、2002年9月5日出願の米国特許出願第10/234,859号(状況係属中)の一部継続出願であり、該出願は2002年1月7日出願の米国特許出願第10/036,796号(状況係属中)の一部継続出願であり、該出願は2001年1月12日出願の米国特許仮出願第60/260,893号および2001年10月12日出願の米国特許出願第60/328,396号の恩典を主張するものである。上記に明らかにした出願は各々、本明細書において参考として援用される。
【0002】
本発明は広くは電気相互接続システムに関し、より詳しくは、差動およびシングルエンド伝送応用例のための高速高密度相互接続システムに関する。
【背景技術】
【0003】
バックプレーンシステムは、バックプレーンまたはマザーボードと呼ばれる複合プリント回路基板、およびバックボーンに差し込まれるドーターカードまたはドーターボードと呼ばれるいくつかのもっと小さなプリント回路基板により構成される。各ドーターカードはドライバ/レシーバと呼ばれるチップを含み得る。ドライバ/レシーバは他のドーターカード上のドライバ/レシーバと信号の送受信を行う。例えば、第1のドーターカード上のドライバ/レシーバと第2のドーターカード上のドライバ/レシーバとの間に信号経路が形成される。信号経路は、第1のドーターカードをバックプレーンに接続する電気コネクタと、バックプレーンと、第2のドーターカードをバックプレーンに接続する第2の電気コネクタと、搬送信号を受信するドライバ/レシーバを有する第2のドーターカードとを含む。
【0004】
今日用いられる様々なドライバ/レシーバは5〜10Gb/秒およびそれ以上のデータレートで信号を送信することができる。各ドーターカードをバックプレーン接続する電気コネクタが信号経路における制約要因(データ転送レート)となっている。さらに、レシーバは、ドライバによって送られる本来の信号強度の約5%しかない信号を受信する場合がある。この信号強度の減少のため、信号経路間のクロストークを最小限にしてデジタルデータストリームに信号劣化またはエラーが導入されるのを避けることの重要性が増大する。高速高密度電気コネクタでは、クロストークをなくすかまたは減らすことはさらにより重要である。従って、当該分野では、特に、信号経路間のクロストークを減らす、高速信号を扱うことができる高速電気コネクタが必要とされている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、従来の相互接続システムの欠点を克服するように設計された高速電気相互接続システムを提供する。好適な実施形態では、本発明は、高速信号を効果的に扱うことができる電気コネクタを提供する。
【0006】
コンプライアントピンは様々な他の高速相互接続において広く用いられているが、ここで述べる実施形態は現在のシステムを大幅に改良したものである。例えば、コンプライアント機能のサイズおよび配線により、現在のシステムは典型的には、例えばインピーダンス不連続およびクロストークなどの性能上の問題を抱えている。これに対して、ここで述べる好適な実施形態は、コンプライアントピン終端の性能のプリント回路基板に対する調整を向上させることができる。特に、上述のように、好適な実施形態では、コネクタは、特に高程度のクロストーク絶縁を促進し得る空間的な関係を有するブロードサイド結合伝
送ラインを用いる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
いくつかの実施形態によれば、相互接続システムであって、第1回路基板であって、(a)第1差動相互接続経路と、(b)前記第1回路基板の表面の第1ソケットと、(c)同じく前記第1回路基板の前記表面の第2ソケットとを備えた第1回路基板であって、前記第1差動相互接続経路は、前記第1ソケットに電気的に接続された第1信号経路と前記第2ソケットに電気的に接続された第2信号経路とを備えている、第1回路基板と、第2差動相互接続経路を備えた第2回路基板と、前記第1差動相互接続経路を前記第2差動相互接続経路と電気的に接続させるコネクタであって、第1面と前記第1面とは反対側の第2面とを有するインターポーザーであって、前記第1面は前記第1回路基板の前記表面に面しており、前記インターポーザーの前記第1面から前記インターポーザーの前記第2面まで延びる開口部の配列を含む、インターポーザーと、前記インターポーザーの前記第2面に隣接する端部を有する第1導体と、前記第1導体とほぼ平行であり長さがほぼ等しい第2導体であって、同じく前記インターポーザーの前記第2面に隣接する端部を有する第2導体と、前記第1導体と前記第2導体との間に配置される誘電材料と、前記開口部の配列内に位置する複数のセルであって、各々が第1の細長いコンタクト部材と第2の細長いコンタクト部材とを支持するハウジングを含むセルと、導体接触部と基板接触部と前記導体接触部と前記基板接触部との間の中間部とを有する前記第1の細長いコンタクト部材のうちの第1コンタクト部材であって、前記導体接触部は前記第1導体の前記端部と物理的に接触し、前記基板接触部は前記第1ソケットと物理的に接触し且つ従順に係合し、そして前記中間部の少なくとも一部は前記ハウジングのうちの第1ハウジングと係合する、前記第1の細長いコンタクト部材のうちの第1コンタクト部材と、導体接触部と基板接触部と前記導体接触部と前記基板接触部との間の中間部とを有する前記第2の細長いコンタクト部材のうちの第1のコンタクト部材であって、前記導体接触部は前記第2導体の前記第1端部と物理的に接触し、前記基板接触部は前記第2ソケットと物理的に接触し且つ従順に係合し、そして前記中間部の少なくとも一部は前記ハウジングのうちの前記第1ハウジングと係合する、前記第2の細長いコンタクト部材のうちの第1コンタクト部材とを備えたコネクタと、を備えた相互接続システムが提供される。
【0008】
いくつかの好適な実施形態では、前記ハウジングは誘電性材料により製造され、前記インターポーザーは導電性材料により製造されるかまたは導電性材料により被覆される。いくつかの実施形態では、前記第1導体と前記第2導体との間に配置される前記誘電性材料は、第1面と第2面とを有する第3の回路基板を含む。いくつかの実施形態では、前記第1導体は前記第3の回路基板の前記第1面に配置され、前記第2導体は前記第3の回路基板の前記第2面に配置される。いくつかの実施形態では、前記第3の回路基板は第1スペーサーと第2スペーサーとの間に挟まれる。いくつかの実施形態では、前記第1スペーサーはその第1面に溝を持ち、前記溝は前記第1導体と位置が合いまたこれを反映する。いくつかの実施形態では、前記第1スペーサーは前記スペーサーを前記インターポーザーに取り付けるための少なくとも1つのフィンガーを有し、前記インターポーザーは前記少なくとも1つのフィンガーを受容するための少なくとも1つの窪みを有する。いくつかの実施形態では、前記第2スペーサーはその第1面に溝を持ち、前記溝は前記第2導体と位置が合いまたこれを反映する。いくつかの実施形態では、前記ハウジングのうちの前記第1ハウジングは、前記第3の回路基板を受容するようにされたスロットを含む。いくつかの実施形態では、前記ハウジングのうちの前記第1ハウジングはさらに、前記第1および第2の細長いコンタクト部材の前記導体接触部を受容するようにされたチャネルを含む。いくつかの実施形態では、前記導体接触部は前記チャネル内に柔軟に収容され、また前記チャネルは前記第1および第2の細長いコンタクト部材の各々の遠位端を越えて延びる。いくつかの実施形態では、前記基板接触部は約0.04インチより小さい、または実施形態によっては約0.03インチより小さい、もしくは実施形態によっては約0.02インチ
より小さい直径のピンを含む。いくつかの実施形態では、前記ハウジングは約0.3インチより小さい、または実施形態によっては約0.2インチより小さい、もしくは実施形態によっては約0.15インチより小さい幅を有する。いくつかの実施形態では、前記コネクタは約5GBPSより高い、または実施形態によっては、約10GBPSより高い差動応用例をサポートする。
【0009】
いくつかの他の実施形態によれば、高速および高密度の差動応用例のためのインターポーザーアセンブリであって、a)第1面と前記第1面とは反対側の第2面とを有するインターポーザーを備え、b)前記インターポーザーは、前記インターポーザーの前記第1面から前記インターポーザーの前記第2面まで延びる開口部の配列を含み、c)前記開口部の配列内に位置する複数のセルであって、各々が第1の細長いコンタクト部材と第2の細長いコンタクト部材とを支持するハウジングを含む、セルを備え、d)前記インターポーザーは導電性材料により製造されるかまたは導電性材料により被覆されており、e)前記ハウジングは誘電性材料により製造され、f)導体接触部と基板接触部と前記導体接触部と前記基板接触部との間の中間部とを有する前記第1の細長いコンタクト部材のうちの第1コンタクト部材であって、前記導体接触部は第1導体に取り付けられずに加圧接触を行うようにされ、前記基板接触部は約0.04インチより小さい直径を有するコンプライアントピンを含み、そして前記中間部の少なくとも一部は前記ハウジングのうちの第1ハウジングと係合する、前記第1の細長いコンタクト部材のうちの第1コンタクト部材を備え、そしてg)導体接触部と基板接触部と前記導体接触部と前記基板接触部との間の中間部とを有する前記第2の細長いコンタクト部材のうちの第1コンタクト部材であって、前記導体接触部は第2導体に取り付けられずに加圧接触を行うようにされ、前記基板接触部は約0.04インチより小さい直径を有するコンプライアントピンを含み、そして前記中間部の少なくとも一部は前記ハウジングのうちの第1ハウジングと係合する、前記第2の細長いコンタクト部材のうちの第1コンタクト部材を備えた、インターポーザーアセンブリが提供される。
【0010】
いくつかの他の実施形態によれば、第1回路基板上の信号経路を第2回路基板上の信号経路と電気的に接続する高速および高密度の差動応用例のためのコネクタであって、a)第1面と前記第1面とは反対側の第2面とを有するインターポーザーを備え、b)前記インターポーザーは、前記インターポーザーの前記第1面から前記インターポーザーの前記第2面まで延びる開口部の配列を含み、c)前記開口部の配列内に位置する複数のセルであって、各々が第1の細長いコンタクト部材と第2の細長いコンタクト部材とを支持するハウジングを含む、セルを備え、d)前記インターポーザーは導電性材料により製造されるかまたは導電性材料により被覆されており、e)前記ハウジングは誘電性材料により製造され、f)前記インターポーザーにほぼ垂直に延びる複数の回路基板を備え、g)前記回路基板間に複数のスペーサーを備え、そしてh)前記ハウジングは各々前記回路基板の各々の縁を受容するようにされたスロットを含む、コネクタが提供される。
【0011】
いくつかの実施形態では、前記第1および第2の細長いコンタクト部材は、前記回路基板上の各導体を押し付けるリーフスプリングを含む。いくつかの実施形態では、前記回路基板は複数の信号導体を含み、また前記回路基板の1つの第1面に配置された信号導体の数は、第2の回路基板の第1面に配置された信号導体の数と同じではない。いくつかの実施形態では、前記第1の回路基板の第2面に配置された信号導体の数は、前記第2の回路基板の第1面に配置された信号導体の数より1つ少ないかまたは1つ多い。いくつかの実施形態では、各ハウジングは前記インターポーザーの少なくとも1つの対応するスロットと係合するようにされた少なくとも1つのタブを含む。いくつかの実施形態では、隣接する回路基板同士の前記導体は、前記隣接するプリント回路基板同士の前記導体間の距離を大きくするように互い違いに配置される。
【0012】
いくつかの他の実施形態によれば、コネクタを製造する方法であって、a)インターポーザーであって、前記インターポーザーの第1面から前記インターポーザーの第2面へと延びる開口部の配列を有し、導電性材料により製造されるかまたは導電性材料により被覆されるインターポーザーを提供することと、b)各々が第1の細長いコンタクト部材と第2の細長いコンタクト部材とを支持するハウジングであって、各々が誘電性材料により製造され、また各々が各回路基板の縁を受容するようにされたスロットを有するハウジングを含む、複数のセルを提供することと、c)複数のプリント回路基板を、前記プリント回路基板の縁が前記ハウジングの前記スロットの各々の中に受容されるように、また前記第1および第2の細長いコンタクト部材が前記プリント回路基板の両面の各々の導体と係合するように、前記インターポーザーに対してほぼ垂直であって前記インターポーザーに向かう方向に移動させることと、を包含する方法が行われる。
【0013】
いくつかの実施形態では、前記第1および第2の細長いコンタクト部材は、前記スロットに挿入されると前記プリント回路基板によってずらされるリーフスプリング部を前記第1および第2の細長いコンタクト部材に配備することによって、前記プリント回路基板の両面の各々の導体に係合する。いくつかの実施形態では、前記方法は、複数のスペーサーを、前記スペーサーから延びる突出部を前記インターポーザーの係合する窪みへと挿入することによって、前記プリント回路基板の間で位置合わせをすることをさらに包含する。いくつかの実施形態では、前記方法は、外側に延びるタブが前記インターポーザーの各々のスロット内に受容されるまで、前記ハウジングを前記インターポーザーへと挿入することをさらに包含する。
【0014】
本明細書に組み込まれその一部を形成する添付の図面は、本発明の様々な実施形態の例示を助け、そして本記述と共に用いると、本発明の原理を説明しまた当業者が本発明を製造および使用するのを可能にするのにさらに役立つ。図面において、類似の参照番号は同一または機能的に類似の構成要素を示す。また、参照を容易にするために、多くの場合に参照番号の左端の数字は、その参照番号が最初に登場する図面を特定する。
【0015】
概要を述べると、図1〜図36は、特に、圧縮マウントコネクタまたは相互接続に関連する例示的な好適な実施形態の図であり、図37〜図46は、特に、コンプライアントマウントコネクタまたは相互接続に関連する他の好適な実施形態の図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明は多くの異なる形態で実施され得るが、多くの例示的な実施形態はここでは、本開示は本発明の原理の実施例を提供するものであると見なされるものであり、このような実施例は本発明をここで記述および/または例示する好適な実施形態に限定するようには意図されないという理解の上で記述される。
【0017】
以下において、2つのパートに分けて記述する。パート1は、通常は図1〜図36などとの関連で述べられる圧縮マウントコネクタまたは相互接続に関連し、またパート2では、通中は図37〜図46などとの関連で述べられるコンプライアントマウントコネクタまたは相互接続に関連する。
【実施例1】
【0018】
(パート1:例えば圧縮マウントコネクタなどに関連する実施形態)
図1は、本発明の好適な実施形態の例によるコネクタ100の分解図である。理解を容易にするために、いくつかの構成要素は省かれている。図1に示すように、コネクタ100は、導電体を上部にプリントした少なくとも1つのプリント回路基板120を含み得る。図示した実施形態では、コネクタ100はさらに、スペーサー対110aおよび110b、インターポーザー対180aおよび180b、エンドキャップ対190aおよび19
0b、バックボーン150、シールド160およびエンドプレート対190(すなわち190aおよび190b)を含み得る。図1には1つの回路基板および2つのスペーサーしか示していないが、当業者であれば、後に述べるように、典型的な構成ではコネクタ100は多数の回路基板およびスペーサーを含み、各回路基板が2つのスペーサーの間に配置されることは理解されよう。
【0019】
図2はプリント回路基板120の図である。図示した実施形態では、回路基板120は大体において方形の形状である。図示するように、回路基板120はその面220上に1つ以上の導電体を配備し得る。図示した実施形態では、基板120は面220上に4つの導体201、202、203および204を配備している。各導体201〜204は第1端部、第2端部および第1端部と第2端部との間の中間部を有する。各導体の第1端部は、面220の第1縁210上のまたはこれに隣接した点に位置し、また各導体の第2端部は、面220の第2縁211上のまたはこれに隣接した点に位置している。多くの実施形態では、図2に例示する実施形態に示すように、面220の第2縁211は第1縁210に対して垂直である。
【0020】
図2には示していないが、回路基板120の反対側の面には対応する導電体が存在する。詳しくは、各導体201〜204に対して、反対側の面には、この導体の鏡像である導体が存在する。この特徴は、基板120の正面図である図3に示されている。図3に示すように、導体301〜304が、面220とは反対方向に面している、基板120の面320上に配置されている。さらに図示するように、導体301〜304は各々導体201〜204に対応する。
【0021】
本発明の相互接続システム100を差動信号の伝送に用いると、導電体201〜204のうちの1つと反対側の面のこれに対応する導電体とを合わせて利用して、差動信号の伝送に必要な2本のワイヤ均衡対を形成し得る。2本の導電体の長さは同一であるので、2本の導電体間にスキューはないはずである(スキューとは信号が2本の導電体を伝播するのに要する時間の差である)。
【0022】
コネクタ100が多数の回路基板120を含む構成では、回路基板は好ましくは連続して平行に配置される。好ましくは、このような構成において、コネクタ100の各回路基板120は2つのスペーサー110間に配置される。
【0023】
図4は本発明の1つの実施形態によるスペーサー110aの側面斜視図である。図示するように、スペーサー110aは、基板120に面していないほうの面420上に1つ以上の溝を備えてもよい。図示した実施形態では、スペーサー110aの面420は3つの溝401、402および403を配備している。各溝401〜403は、面420の第1縁410上またはその近くの点から面420の第2縁411上またはその近くの点まで延びている。多くの実施形態では、図4に例示する実施形態に示すように、面420の第2縁411は第1縁410に対して垂直である。
【0024】
さらに示すように、スペーサー110aの面420は面420の縁に1つ以上の窪みを配備し得る。図示した実施形態では、面420の縁に4つの窪みが2セット存在する。第1の窪みセットは窪み421a〜dを含み、第2の窪みセットは窪み431a〜dを含む。各窪み421a〜dは、少なくとも1つの溝の端部の直ぐ隣に位置して、面420の縁410上の点から縁410から短い距離だけ内側に間隔をあけた第2の点まで延びる。同様に、各窪み431a〜dは、少なくとも1つの溝の端部の直ぐ隣に位置して、面420の縁411上の点から縁411から短い距離だけ内側に間隔をあけた第2の点まで延びる。従って、図示した実施形態では、全ての溝の端部間に少なくとも1つの窪みが存在する。各窪み421、431はスプリング要素の端部を受容するように設計されている(図1
6、要素1520を参照)。
【0025】
図4には示していないが、スペーサー110aの反対側の面491に溝および窪みがあってもよい。好適な実施形態では、スペーサー110の第1面における溝の数は、スペーサー110の第2面における溝の数より1つ少ない(または1つ多い)数であるが、これは必要条件ではない。同様に、この好適な実施形態では、スペーサー110の第1面における窪みの数は、スペーサー110の第2面における窪みの数より2つ少ない(または2つ多い)数である。この特徴は図5〜図7に図示されている。図5は面420の平面図、図6は反対側の面(すなわち面491)の平面図、そして図7はスペーサー110aの正面図である。
【0026】
図5に示すように、溝401〜403、窪み421a〜dおよび窪み431a〜dがスペーサー110aの面420上に配置されている。同様に、図6に示すように、溝601〜604、窪み621a〜cおよび窪み631a〜cが、面420とは反対方向に面する、スペーサー110aの面491上に配置されている。
【0027】
溝601〜604は、溝401〜404と同様に、各溝601〜604は面491の第1縁610上の点から面491の第2縁611上の点まで延びる。同様に、窪み621および631は窪み421および431と同様である。各窪み421のように、各窪み621は、面491の縁610上の点から縁610から短い距離だけ内側に間隔をあけた第2の点まで延びる。同様に、各窪み631は、面491の縁611上の点から縁611から短い距離だけ内側に間隔をあけた第2の点まで延びる。各窪み621、631はスプリング要素の端部を受容するように設計されている(図16、要素1520を参照)。
【0028】
これらの図は、いくつかの実施形態では、スペーサー110の一方の面における溝の数はスペーサーの反対側の面における溝の数より1つだけ少ない(または1つだけ多い)ことを示している。また、一方の面における窪みの数は反対側の面における窪みの数より2つだけ少なく(または2つだけ多く)てよいことを示している。
【0029】
図4〜図6に示す実施形態では、一方の面上の各窪みは、反対側の面上の溝の端部のほぼ直ぐ反対側にあるように配置される。例えば、窪み421aは溝604の端部のほぼ直ぐ反対側にあり、窪み621aは溝403の端部のほぼ直ぐ反対側にある。この特徴は、スペーサーの正面図である図7を検討することによってさらに容易に理解できる。
【0030】
図4〜図6に戻って、図4はスペーサー110aがさらに3つのフィンガー435、437および440を含み得ることを示している。また、スペーサー110aはスロット444と、面420上に配置されこの面から外向きに突き出た第1ボス対450と、面491上に配置されこの面から外向きに突き出た第2ボス対650とを含み得ることも示している。ボス650は回路基板120の開口部244に嵌るようにされる。この特徴により、基板120を隣接するスペーサー110aおよび110bに対して正しく位置合わせすることができる。
【0031】
フィンガー435はスペーサー110aの正面の上の方に位置し、フィンガー437はスペーサー110aの底面の前の方に位置する。フィンガー435は、スペーサー110aの正面からスペーサーの正面に対して垂直の方向に外向きに突き出ている。同様に、フィンガー437は、スペーサー110aの底面からスペーサーの底面に対して垂直の方向に外向きに突き出ている。フィンガー435および437はスペーサー110aを各々インターポーザー180bおよび180aに取り付けるように作用する。詳しくは、インターポーザー180aはフィンガー437を受け入れ保持する窪み1810(図18参照)を含む。同様に、インターポーザー180bはフィンガー435を受け入れ保持する窪み
を含む。フィンガー435および437は各々突起部436および438を含む。突起部は、対応するインターポーザー内の対応する窪みにはめ込むのが可能なほどに十分に弾性がある。
【0032】
スロット444は、スペーサー110aの背面の方であるが背面から離れた位置にある。スロット444はスペーサー110の上面から下向きに延びてフィンガー440を形成する。フィンガー440とスロット444とがともに作用し、スペーサー110aがバックボーン150に取り付けられる。
【0033】
スペーサー110b(図1参照)に戻って、図示した実施形態では、スペーサー110bはスペーサー110aと類似はするが同一ではない。従って、いくつかの実施形態では、コネクタ100は2つのタイプのスペーサー、タイプAおよびタイプBを含む。別の実施形態では、2つより多いかまたは少ないタイプのスペーサーを用いてもよい。図8および図9は、1つの実施形態によるスペーサー110b(タイプBスペーサー)をさらに示す。図8は、スペーサー110bの面820の平面図である。面820は回路基板120に面している。図8に示すように、面820は、同じく基板120に面している、スペーサー110aの面491に類似する。面491のように、面820は4つの溝801〜804、第1セットの3つの窪み821a〜cおよび第2セットの3つの窪み831a〜cを有する。
【0034】
溝801〜804は、各溝801〜804が面820の第1縁810上の点から面820の第2縁811上の点まで延びている点において溝601〜604に類似する。同様に、窪み821および831は窪み621および631に類似する。各窪み621のように、各窪み821は、面820の縁810上の点から縁810から短い距離だけ内側に間隔をあけた第2の点まで延びる。同様に、各窪み831は、面820の縁811上の点から縁811から短い距離だけ内側に間隔をあけた第2の点まで延びる。
【0035】
図9はスペーサー110bの面920の平面図である。面920は、面820とは反対方向の回路基板120から離れた側に面している。図9に示すように、面920は、同じく基板120から離れた側に面している、スペーサー110aの面420に類似する。面420のように、面920は3つの溝901〜903、第1セットの4つの窪み921a〜dおよび第2セットの4つの窪み931a〜dを有する。
【0036】
溝901〜903は、各溝901〜903が面920の第1縁910上の点から面920の第2縁911上の点まで延びている点において溝401〜403に類似する。同様に、窪み921および931は窪み421および431に類似する。各窪み421は、面920の縁910上の点から縁910から短い距離だけ内側に間隔をあけた第2の点まで延び、各窪み931は、面920の縁911上の点から縁911から短い距離だけ内側に間隔をあけた第2の点まで延びる。
【0037】
スペーサー110bはまた、3つのフィンガー835、837および840と、スロット844と、スペーサー110bを貫通する開口部対850とを含む。開口部850はボス650を受容するようにされている。この特徴により、スペーサー110bはスペーサー110aに対して正しく位置合わせすることが可能となる。
【0038】
スペーサー110aの正面の上の方に位置するフィンガー435とは異なり、フィンガー835はスペーサー110bの正面の底の方に位置する。同様に、スペーサー110aの底面の前の方に位置するフィンガー437とは異なり、フィンガー837はスペーサー110bの底面の後ろの方に位置する。フィンガー835は、スペーサー110a(b)の正面からスペーサーの正面に対して垂直の方向に外向きに突き出ており、フィンガー4
37(837)は、スペーサー110a(b)の底面からスペーサーの底面に対して垂直の方向に外向きに突き出ている。フィンガー435および437のように、フィンガー835および837はスペーサー110bを各々インターポーザー180bおよび180aに取り付けるように作用する。
【0039】
上述のように、基板120はスペーサー110aおよび110bの間に位置決めされる。この特徴を図10に示す。図10には示していないが、スペーサー110aのボス650が基板120の開口部244およびスペーサー110bの開口部850を貫通して突き出ている。このボス650の使用によってスペーサー110a、bおよび基板120の正しい位置合わせが容易となる。基板120がスペーサーと正しく位置合わせされると、導体201〜204および301〜304が各々溝601〜604および801〜804と揃えられる。この特徴を図11に示す。
【0040】
図11に示すように、基板120に面したスペーサー110aの面に配置されている溝601〜604は、プリント回路基板120上の導電体201〜204を反映するようにスペーサー上に位置決めされている。同様に、基板120に面したスペーサー110bの面に配置されている溝801〜804は、導電体301〜304を反映するようにスペーサー上に位置決めされている。特に、溝601〜604および801〜804によって、導電体201〜204および301〜304が各々スペーサー110aおよび110bに触れるのが防止される。このようにして、基板120上に配置された導電体は基板120と溝との間に閉じ込められた空気によって絶縁される。
【0041】
スペーサー110は導電性材料により製造するか、または誘電性材料により製造して導電層により被覆して、これによりプリント回路基板120の導電体を電磁的に遮蔽するとよい。さらに、導電体とこれらに対応する溝との複合インピーダンスはそれらの寸法を変えることによって調整することができる。さらにまた、溝がテフロン(登録商標)などの誘電性材料の層を含むようにして、その破壊電圧を調整すると共に、導電体とこれらに対応する溝との複合インピーダンスをさらに調整することができる。
【0042】
次に図12は、コネクタ100に多回路基板を用いる場合のスペーサー110および回路基板120の配置の例を示す。図示したように、基板120およびスペーサー110は連続して平行に揃えられ、各回路基板120は2つのスペーサー間に挟まれる。図示した例では、上述の2つのタイプのスペーサー(A)および(B)と共に、2つのタイプの基板(A)および(B)が存在する。Aタイプの回路基板は互いに同一であり、Bタイプの回路基板は互いに同一である。同様に、Aタイプのスペーサーは互いに同一であり、Bタイプのスペーサーは互いに同一である。
【0043】
図示した実施形態では、スペーサー110および基板120は交互に並んで配置されている。つまり、所与の2つのAタイプスペーサーの間にBタイプスペーサーが存在し、逆の場合も同様である。また、所与の2つのAタイプ基板の間にBタイプ基板が存在し、逆の場合も同様である。このように、Aタイプスペーサーは別のAタイプスペーサーに隣接せず、またAタイプ基板は別のAタイプ基板に隣接しない。従って、この例の構成では、各基板120はAタイプスペーサーとBタイプスペーサーとの間に配置される。
【0044】
図12から分かるように、各基板120b(Bタイプ基板)の各面は3本の導体を有する。図13はBタイプ基板の一方の面1320(図示していない他方の面は面1320の鏡像である)の平面図である。図13に示すように、面1320には3つの導体1301、1302および1303が配置されている。図13を図2(Aタイプ基板の面の平面図)と比較することによって、AおよびBタイプの基板はほとんど同一であることが分かる。1つの相違点は、各面の導体の数および面上の導体の並びである。図示した実施形態で
は、Bタイプ基板はAタイプ基板より導電体が1つ少ない。
【0045】
図14は、Bタイプ基板上の導体1301〜1303の並びが、Aタイプ基板上の導体201〜204の並びとどのように違うかを示している。図14は、代表的な基板120aおよび120bを、基板120aの前縁1401が基板120bの対応する前縁1402と間隔を開けて離れ且つ平行となるように横に並べて示している。図14から、縁1402に位置するBタイプ基板上の導体の端部が、縁1401に位置するAタイプ基板上の導体の端部と位置が合っていないことがはっきりと分かる。例えば、図示した例では、Bタイプ基板上の所与の導体の端部は、Aタイプ基板上の2つの隣接する導体の端部に対して間隙的に配置されている。すなわち、B基板上の各導体の端部からA基板の隣接する面まで最短の線を引くとすると、この線はA基板上の2つの導体の端部の間の点が終点となる。例えば、導体1301の端部から基板120aの隣接する面までの最短の線は、導体204および203の端部の間の点が終点となる。導体をずらすことの利点は、コネクタ内のクロストークを減らし得るということである。
【0046】
図12に戻って、各基板120上の各導体は、その導体に直ぐ隣接するスペーサー上の溝と位置が合っていることがはっきりと分かる。すなわち、各スペーサー110上の各溝は、隣接する基板120上の対応する導体を反映するように設計されている。各導体は対応する溝と位置が合っているため、導体とスペーサーとの間には空間が存在する。
【0047】
コネクタ100が完全に組み立てられると、基板120上の各導体は2つのコンタクト部材(図15の代表的なコンタクト部材1530aを参照)と物理的および電気的に接触する。コンタクト部材各々の端部は隣接するスペーサーと導体との間の空間へと嵌り込む。詳しくは、各導体の第1端部が、第1コンタクト部材の接触部と物理的および電気的に接触し、各導体の第2端部が、第2コンタクト部材の接触部と物理的および電気的に接触する。そして、第1および第2コンタクト部材の接触部は各々導体の対応する端部とスペーサーとの間の空間内に置かれる。各コンタクト部材は、コンタクト部材が接触をする導体を、コネクタ100が取り付けられる回路基板上のトレースに電気的に接続するように作用する。
【0048】
図15は、基板120上の導体201を、コネクタ100が取り付けられる回路基板(図15には示さず)上のトレースに電機接続するための、本発明の1つの実施形態によるコンタクト部材1530aを示す。コンタクト部材1530aの一部はハウジング1522内に位置しているため、図15ではコンタクト部材の一部だけを見ることができる。
【0049】
図15に示すように、コンタクト部材1530aは導体201の端部に接触する(この特徴をより良好に示すためにスペーサーおよびインターポーザーは示されていない)。いくつかの実施形態では、導体201の両端部を中間部より広くして、コンタクト部材のコンタクト部を受容するための表面積がより大きくするようにされている。
【0050】
図15には別のコンタクト部材1530bが部分的に示されている。コンタクト部材1530bの底部もまたハウジング1522に覆われている。コンタクト部材1530bは、図15では見ることができない導体301の端部に接触する。ハウジング1522は好ましくはプラスチックなどの電気絶縁性材料により製造される。各ハウジング1522の電気コンタクト1530は製造中にハウジング内に配置するか、または後でハウジング内に嵌め込むことができる。
【0051】
コンタクト部材1530は、適切な電気および機械特性を有する任意の材料を利用して一般に利用可能な手法によって製造するとよい。金メッキの鱗青銅などのラミネート材料により製造してもよい。単体構造として図示しているが、当業者であれば、多構成要素か
らなっていてもよいことは理解されよう。
【0052】
図15にさらに示すように、ハウジング1522は2つの伸長スプリング1520aおよび1520bを保持するように構成され得る。スプリング1520はコンタクト部材1530および1531と同じ方向に延びる。スプリング1520の遠位端は対応するスペーサーの窪みに挿入されるように設計されている。例えば、スプリング1520aの遠位端は窪み621cに受容されるように設計されている。ハウジング1522とコンタクト部材1530とスプリング1520との組み合わせはセル1570と呼ばれる。
【0053】
図16および図17は1つの実施形態によるセル1570をさらに示す。図17はセル1570の分解図である。図示するように、ハウジング1522は大体において方形の形状であり、スプリング1520を受容するための開口部1710とコンタクト材料1530を受容するための開口部1720とを含む。開口部1720は、図16に示すように、コンタクト部材1730の近位端1641がハウジング1522の底面を越えて突き出ることができるように、ハウジングの上面から底面へと延びている。
【0054】
開口部1710はハウジング1522の上面から底面へと延びるが、底表面には到達しない。従って、スプリング1520が開口部1710に挿入されると、近位端がハウジング1522の底表面を越えて突き出ることはない。開放開口部1710を図示しているが、閉鎖開口部を用いることもできることは理解されよう。
【0055】
図17に示すように、図示した実施形態による各コンタクト部材1530は近位端1641と遠位端1749とを有する。端部1641と1749との間には基部1743、移行部1744および接触部1745が存在する。基部1743は近位端1641と移行部1744との間にあり、移行部は基部1743と接触部1745との間にあり、そして接触部1745は移行部1744と遠位端1749との間にある。図示した実施形態では、基部1743は基部のほぼ全体がハウジング1522内にあるように開口部1720内に配置され、移行部1744は基部に対して内側に傾けられ、そして遠位端1749は移行部に対して外側に傾けられよって導入部として作用する。
【0056】
好適な実施形態では、コンタクト部材の接触部は、物理的および電気的に接触する導体の端部に固定されていない。例えば、接触部は、従来技術では典型的に行われているように、基板120の導体にはんだ付けをされることも他の方法で固定されることもない。代わりに、好適な実施形態では、コンタクト部材1630は、カードエッジコネクタで用いられるものに類似するワイピングアクションにより対応する導体に電機接続される。すなわち、コンタクト部材の接触部は対応する導体の端部を単に押し付けるだけである。例えば、図15に戻って、コンタクト部材1530aの接触部は導体201の端部を単に押し付けるまたは加圧するだけである。導体に固定されてはいないため、接触部は導体に押し付けられている間も導体の長さ方法に沿って移動して、ワイピングアクションを作り出すことができる。このワイピングアクションにより、コンタクト部材とプリント回路基板120の対応する導電体との間の良好な電機接続が確実となる。
【0057】
次に図18および図19は、各セル1570がインターポーザー180の開口部1811に嵌め込まれるように設計されていることを示す。図示した実施形態では、各インターポーザー180は、第1の整列セットで配置されて第1の縦横配置を作る第1セットの開口部1811a(図19参照)と、第2の整列セットで配置されて第2の縦横配置を作る第2セットの開口部1811bとを含む。図示した実施形態では、第2セットの各列は第1セットの2つの列の間に配置されている。例えば、開口部1811bの列である列1931は、各々が開口部1811aの列である列1930および1932の間に配置されている。
【0058】
図に示すように、第2セットの開口部同士は互いに揃っているが第1セットの開口部とは揃わないように、また逆の場合も同様となるように、第2の縦横配置は第1の縦横配置からずれている。
【0059】
インターポーザー180は、導電性材料により、または導電性材料により被覆される非導電性材料により製造されることによって、プリント回路基板120の導電体を電磁的に遮蔽し得る。
【0060】
また図18および図19に示すように、インターポーザー180は上面および底面に沿ってノッチ1810を含む。各ノッチ1810はスペーサー110のフィンガーの端部を受容するように設計されている。好ましくは、フィンガーは対応するノッチにカチッと嵌り込み、スペーサー110をインターポーザー180にしっかりと固定させる。この特徴を図20に示す。
【0061】
コネクタ100が完全に構築されると、第1および第2セットの各開口部はセル1570を受容している。各セル1570のハウジング1522は、インターポーザー180の対応する開口部内に設けられているスロット1888に嵌り込むようにされたタブ1633を有する。スロット1888は開口部の全長にわたって延びてはいない。従って、タブ1633はセル1570が開口部から落ちるのを防ぐ。セルおよび対応する開口部の特定の形状は単に例示のためのものであることは理解されよう。本発明はこれらの形状に限定されない。
【0062】
また、コネクタが完全に構築されると、インターポーザーは、各コンタクト部材1530の接触部1745が対応する導体に接触するようにされる。図21はこの概念を示す。
【0063】
図21は、基板120に対するならびに基板2190および2180に対するインターポーザー180の配置を示す。基板120とインターポーザー180とが、基板120の正面2102がスペーサー180bの開口部の縦列の中心線と合うように、また基板120の底面2104がスペーサー180aの開口部の縦列の中心線と合うように配置されることを示すために、同図にはスペーサー110は示されていない。図21はまた2つのセル1570を示しており、各々がインターポーザー180の開口部に配置されている。図21に示すように、各セル1570のコンタクト部材1530は対応する導体と物理的に接触する。
【0064】
図21には示していないが、コネクタ100の使用中は、各コンタクト部材1530a、bの近位端1641は、コネクタ100に接続された回路基板上の導電要素に接触する。例えば、コンタクト部材1530bの端部1641は回路基板2190上の導電要素に接触し、コンタクト部材1530aの端部1641は回路基板2180上の導電要素に接触する。従って、図21は、基板2190からコネクタ100を介して基板2180への少なくとも1つの電気信号経路があることを示している。この電気信号経路は、導体214とコンタクト部材1530bとコンタクト部材1530aとを含む。当業者には理解されるように、コネクタ100は基板2190および2180からの多数の電気信号経路を提供し、各信号経路は2つのコンタクト部材1530と基板120上の導体とを含む。
【0065】
図21に示す実施形態によれば、各インターポーザーはコネクタ100に接続される1つの回路基板と平行に配置される。詳しくは、インターポーザー180aは回路基板2180と平行であり、インターポーザー180bは回路基板2190と平行である。従って、インターポーザー180aの一方の面は基板2180に面し、インターポーザー180bの一方の面は基板2190に面する。
【0066】
次に図22は、コネクタ100の断面図であり、上述のように、コネクタ100の使用中は、各コンタクト部材1530の各近位端1641は回路基板2190上の導電要素2194に接触することを示す。好適な実施形態では、各導電要素2194は信号パッドであり、バイアではない。従って、好適な実施形態では、各近位端1641は単に回路基板を押し付けるだけであって回路基板内のバイアに挿入されるのではないため、コネクタ100は圧縮マウントコネクタである。しかし、他の実施形態では、各要素2194はバイアまたは他の導電要素であってもよい。
【0067】
好適な実施形態では、基板2190は、第1信号経路2196a(例えば、第1トレース)と第2信号経路2196b(例えば、第2トレース)とを有する差動信号経路を含む。図示するように、第1パッド2194は第1信号経路2196aに接続され、第2導電要素2194bは第1信号経路2196bに接続される。第2回路基板2180もまた、経路2196のような信号経路対に電気的に接続される、要素2194のような導電要素対を有し得る。
【0068】
図22に示すように、セル1570はインターポーザー180の開口部に挿入される。さらに示すように、セル1570の各コンタクト部材1530の遠位端はインターポーザーの上面2250を越えて延び、また各コンタクト部材1530の近位端1641はインターポーザーの底面2251を越えて延びる。この底面は基板2190に面し且つこれにほぼ平行である。各近位端1641は基板2190上の導電要素2194を押し付ける。同様に、コンタクト部材1530の各接触部1745は基板120上の導体を押し付ける。従って、コンタクト部材1530は、基板120上の導体を基板2190上の導電要素2194と電気的に接続させる。図22に示すように、基板120の導体の端部はインターポーザーの上面2250の近くにある。
【0069】
コンタクト部材1530の端部1641が対応する要素2194を押し付けると、要素によって生じる通常の力がコンタクト部材に加えられる。コンタクト部材1530はハウジング1570内でしっかりと保持されているため、この通常の力によりハウジング1522が通常の力の方向(すなわち、回路基板2190から離れる方向)に移動する。しかし、ハウジング1522が基板2190から離れる方向に移動するとスプリング1520は収縮して基板2190によって生じる通常の力の方向とは反対方向の力をハウジングに加えるため、スプリング1520によって、ハウジング1522が基板2190から離れる方向に移動する大きさが制限される。これは、スプリングの遠位端はスペーサー110の表面に当接し、またスペーサーはインターポーザー180にしっかりと取り付けられており、インターポーザー自体は基板2190に対して移動しないために生じる。よって、スプリング1502は収縮し、ハウジングに正常な力とは反対方向の力を加える。
【0070】
図1に戻って、各スペーサー110は細長いバックボーン150に取り付けられるように構成され得る。また、コネクタ100は、各々がバックボーン150の各端部に取り付けられるように設計されている2つのエンドキャップ100aおよび100bを含んでもよい。バックボーン150およびエンドキャップ100について以下に述べる。
【0071】
図23は、バックボーン150の実施形態を示す。図示した実施形態によるバックボーン150は、エンドキャップ100と係合するようにされたボス2300と、図27に示すように各々がスペーサー110のフィンガー440を受容するようにされたスロット2320とを含む。バックボーン150はさらに、スペーサー110と係合するようにされた歯2330を含んでもよい。
【0072】
図24はエンドキャップ199の実施形態を示す。図示した実施形態によるエンドキャ
ップ199は、隣接するスペーサーに配置されたボスおよびバックボーン150に配置されたボス2300と係合するようにされた開口部2402を含む。エンドキャップ199はさらに、コネクタ100を、多数の層、例えば30より多い層を有し得る回路基板と機械的に結びつけるようにされたスクリュー2420およびピン2410、ならびにエンドプレート191b(図1および図25参照)と係合するようにされたトング2430を含む。
【0073】
エンドキャップ199は対称である、すなわちコネクタ100のいずれの端部にも用いることができるものとして示されているが、個別の左側および右側のエンドキャップを用いてもよい。エンドキャップ199のスクリュー2420およびピン2410は、エンドキャップ199と一体形成してもよいし、エンドキャップ199の製造後これに取り付けてもよい。関係する機械応力の観点からプラスチック製ではなく金属製のスクリュー2420を利用する必要がある場合が多いことが分かっている。本発明はスクリュー2420およびピン2410の使用に限定されることはなく、他の締め付け手段を使用してもよいことは理解されよう。
【0074】
前述のように、エンドキャップ100およびスペーサー110は、プラスチックなどの絶縁性材料により製造し導電性材料で被覆して電磁的な遮蔽を提供してもよいし、または全体を金属などの導電性材料により製造してもよい。
【0075】
図25はバックボーン150およびエンドキャップ199の分解図であり、図26はバックボーン150およびエンドキャップ199を組み立てた図である。
【0076】
図25および図26に示すように、バックボーン150のボス2300はエンドキャップ100の対応する開口部2402内に入れられて剛直な構造を形成する。このボス2300および開口部2402の使用は例示のためのものであって、本発明はこれに限定されない。すなわち、他の締め付け手段を用いてバックボーン150をエンドキャップ100に機械的に接続させることができる。
【0077】
さらに、図27に示すように、フィンガー440とこれに係合するスロットとの組み合わせを用いて、スペーサー110をバックボーン150に機械的に接続させる。図示した組み合わせは例示のためのものであって、本発明はこれに限定されない。同様の方法で、上述のように、スペーサー110のフィンガー435、437、835および837がインターポーザー180の対応するスロットと係合するようにされている。図示したフィンガーとスロットとの組み合わせは例示のためのものであって、本発明はこれに限定されない。
【0078】
図1に戻って、図1は、コネクタ100は2つの取り付けクリップ190aおよび190bならびにシールド160もまた含むことを示している。取り付けクリップ190およびシールド160は上述のコネクタ100の構成要素と組み合わされて、複合的な配置を形成する。取り付けクリップ190およびシールド160は、コネクタ100の信号搬送要素を電磁的に遮蔽するように導電性であるとよい。取り付けクリップ190およびシールド160について以下に詳述する。
【0079】
図28は取り付けクリップ190bの実施形態を示す。図示した実施形態による取り付けクリップ190bは、(a)回路基板(例えば、基板2190または2180)の穴と係合するようにされたピン2860と、(b)エンドキャップ100のトング2430を受容するようにされたスロット2870とを含む。ピン2860は、上述の回路基板の穴と係合することによってクリップ190bを回路基板に接続させるよう作用する。ピン2860は導電性であり、接続先の回路基板の基平面に電気的および物理的に接続し得る。
【0080】
図29はクリップ190bおよびエンドキャップ199の分解図であり、図30はクリップ190bにエンドキャップ199が取り付けられた図である。図30に示すように、エンドキャップ199のトング2430はクリップ190bの対応するスロット2870と係合するようにされている。図示した他の締め付け手段と同様、本発明はトングおよび対応するスロットの使用に限定されない。
【0081】
次に図31は、シールド160の実施形態を示す。図示した実施形態によるシールド160は、インターポーザー180のスロットに嵌るようにされたフック3100を含む。図32はシールド160およびインターポーザー180の分解図である。図33はシールド160がインターポーザー180に接続されている図である。図33は、シールド160のフック3100がインターポーザー180のスロットにカチッと嵌って両者が機械的に接続する様子を示している。
【0082】
図34は、インターポーザー180およびクリップ190aを省略した組み立て後のコネクタの図である。図35および図36は、1つの実施形態による完全に組み立てられたコネクタ100の各々異なる図である。図35には、エンドキャップ199aおよび199b、シールド160、インターポーザー180aおよびクリップ190bが示されている。
【0083】
図36には、エンドキャップ199aおよび199b、インターポーザー180aおよび180bならびにクリップ190aおよび190bが示されている。クリップ190aは任意の通常の締め付け手段によって組み立て品全体に取り付けるとよく、また、例えば、組み立てられたコネクタ100をドーターボードに取り付けるためにピンまたは他の締め付け手段を備えることができる。
【0084】
別のインターポーザー180bおよびクリップ190aは、相互接続システムアセンブリの適用に依存して、インターポーザー180aおよびクリップ190bと同一であっても異なってもよい(または全く設けなくてもよい)。
【0085】
2つのインターポーザー180を互いに垂直であるように示したが、本発明はこれに限定されない。すなわち、適用によっては、2つのインターポーザー180の面は例えば45度の角度または他の角度であってもよい。従って、コネクタ100は「直角」コネクタである必要はない。
【0086】
図34〜図36から分かるように、相互接続システムアセンブリ全体が互いに結合し合って、プリント回路基板120上の導電体を完全に電磁的に遮蔽し得る剛直な構造体を形成する。
【実施例2】
【0087】
(パート2:例えばコンプライアントピンコネクタなどに関連する実施形態)
図37〜図46は本発明のいくつかの他の好適な実施形態を示す。特に、図37〜図46に示す実施態様は上述した実施形態に大体において類似しており、商業上の応用例も類似している。しかし、図37〜図46に示す実施形態は好ましくは、コンプライアントピン接続部を持つ2ピースコネクタを含む。
【0088】
図37〜図46に示す構成要素は、図1〜図36を参照して上述した実施形態のいずれかのコネクタにほぼ類似する改変コネクタ100内で用いることができる。上述の実施形態におけるように、改変コネクタ100は好ましくは、開口部の配列を有する2つのインターポーザー180−Cと、インターポーザーの開口部に挿入されるセル122−Cと、
導電体をその面に(例えば、プリントまたは他の方法で形成して)有する少なくとも1つのプリント回路基板120−Cと、複数のスペーサー110−C(例えば、図示したスペーサー110a−Cおよび110b−C)とを含む。さらに、いくつかの例示的な実施形態では、改変コネクタはまた、図37〜図46を参照して述べる構成要素を維持するための支持構造物、包囲構造物および/またはその他の構造物を含む。例えば、いくつかの例示的であって非限定的実施形態では、以下のもの、すなわちエンドキャップ対(例えば上述のものを参照、図37〜図46には示さず)、バックボーン(例えば上述のものを参照、図37〜図46には示さず)、シールド(例えば上述のものを参照、図37〜図46には示さず)およびエンドプレート対(例えば上述のものを参照、図37〜図46には示さず)のうちの1つ以上、好ましくはすべてを含む。上述の実施形態におけるように、典型的な構成では、改変コネクタ110は多数の回路基板およびスペーサーを含むことは当業者であれば理解されよう。
【0089】
しかし、上述の圧縮マウント方式の最も好適な実施形態は1ピース型のコネクタを含む一方で、圧入マウント方式の最も好適な実施形態は2ピース型のコネクタを含む。この点に関して、従来の2ピースコネクタでは、一方のコネクタ部分は典型的には永久または半永久的な取り付け具としてマザーボードに(例えば、通常はある形態の圧入取り付け法によって)接着され、コネクタの第2のコネクタ部分は、これもある種の圧入の仕組みを用いてドーターカードに取り付けられる。ドーターカードがカードケージに滑り込むと、マザーボード側の部分(「ヘッダ」)はドーターカード側の部分(「ソケット」)と係合する。
【0090】
完全なコネクタが例えばドーターカードに固定される1ピースコネクタとは異なり、以下に述べる好適な2ピースの実施形態では、構成要素は好ましくは以下のように取り付けられる。先ず、両インターポーザーをセル122−Cと前もって組み立てておく。次に、第1のインターポーザー180−Cをコネクタ本体(例えば、回路基板120−Cおよびスペーサー110−Cを含む)に、例えば、コネクタ本体にねじ込み、嵌め込みおよび/または他の何らかの方法で永久または半永久的に接着させることによって、取り付ける。次にこの組み立て品をドーターカードに(例えば、従来の2ピースコネクタのソケットと同様の方法で)圧入する。一方、第2のインターポーザーをマザーボードに(例えば、従来の2ピースコネクタのヘッダと同様の方法で)直接取り付ける。ドーターカードをカードケージに滑り込ませると2つのコネクタ部分間が接続されて、2つのコネクタ部分は互いに結ばれる(注:後に詳述するように、2つのコネクタ部分が互いに接続されると、セル122−C内のスロットが好ましくはプリント回路基板120−Cを定位置に誘導する助けをする)。好ましくは、ドーターカード側のインターポーザーをコネクタ本体に永久または半永久的に接着させるためには、ラッチメカニズムを配備して第1のインターポーザーをコネクタ本体に接続させる。しかし、好適な実施形態では、ドーターカードは必要に応じてマザーボードから外すことができ、この第2のインターポーザーとコネクタ本体との間にはラッチメカニズムは配備されない。
【0091】
図39は、特にプリント回路基板120−Cを示す側面斜視図である。図示した実施形態では、回路基板120−Cは大体において方形の形状である。図示するように、回路基板120−Cは、その面220−C上に1つ以上の導電体を備え得る。図示した実施形態では、基板120−Cは3本の導体201−C、202−C、203−Cおよび204−Cを面220−C上に備えている。各導体201−C〜204−Cは第1端部、第2端部、および第1端部と第2端部との間の中間部を有する。前述の導体におけるように、各導体の第1端部は、面220−Cの第1縁上のまたはこれに隣接した点に位置しており、各導体の第2端部は、面220−Cの第2縁上のまたはこれに隣接した点に位置している。前述の実施形態におけるように、構成は状況に応じて所望通りに変動させ得るが、多くの実施形態では、図示するように、面220−Cの第2縁は第1縁に対してほぼ垂直である
。
【0092】
前述の好適な実施形態におけるように、図39には示していないが、回路基板120−Cの反対側の面には対応する導電体が存在する。詳しくは、各導体201−C〜204−Cに対して、反対側の面にはこの導体の鏡像である対応する導体が存在する。この特徴は図42に示されている。図42は、両面に導体対を有する複数の回路基板120−Cの破断正面断面図である。
【0093】
上述のように、改変相互接続システム100を差動信号の伝送に用いると、導電体の1つと反対側の面のこれに対応する導電体とを合わせて利用して、差動信号の伝送に必要な2本のワイヤ均衡対を形成し得る。繰り返すと、好適な実施形態では、2本の導電体の長さは同一であるので、2本の導電体間にスキューはないはずである(スキューとは信号が2本の導電体を伝播するのに要する時間の差である)。
【0094】
改変コネクタ100が多数の回路基板120−Cを含む構成では、回路基板は好ましくは連続してほぼ平行に配置される。好ましくは、このような構成では、コネクタ100の各回路基板120−Cは2つのスペーサー110−C間に位置する(例えば、スペーサー110a−Cおよび110b−Cを参照、これらの各々はここでは総称して参照番号110−Cとしても示される)。
【0095】
図38は、本発明の1つの実施形態によるスペーサー110a−Cを含むコネクタ100の構成要素の側面斜視図である。図示するように、スペーサー110a−Cは好ましくは、その面420−C上に1つ以上の溝を備えている。図示した実施形態では、スペーサー110a−Cの面420−Cは3つの溝401−C、402−Cおよび403−Cを備えている。各溝401−C〜403−Cは、面420−Cの第1縁上またはその近くの点から面420−Cの第2縁上またはその近くの点まで延びている。
【0096】
図38に示すように、スペーサー110a−Cの第1および第2縁は好ましくは、溝の端部の各々に、セル122−C(後述)のハウジング1522−C(後述)を収容するようにされた複数の窪み110rを含む。各窪みは好ましくは面の縁上の点から、縁から短い距離だけ内側に間隔をあけた第2の点まで延びている。従って、図示した実施形態では、全ての溝の端部に窪みが存在する。各窪みは、図38に示すように各セル122−Cの一方の側を受容するように設計されている。
【0097】
図38には示していないが、図42に最もよく示すように、いくつかの好適な実施形態では、(例えば図1〜図36に示した実施形態を参照して上述したように)スペーサー110a−Cの反対側の面(図示せず)にも同様の溝および窪みが存在する。いくつかの好適な実施形態では、スペーサー110a−Cの第1面における溝の数はスペーサー110a−Cの第2面における溝の数より1つ少ない(または1つ多い)。しかしこれは必要条件ではない。様々な実施形態では、スペーサーおよびその上の溝の選択は、図1〜図36を参照して上述した実施形態のいずれかの場合と類似し得る。図1〜図36を参照して上述したように、例として、いくつかの実施形態では、スペーサー110a−Cの一方の面における溝の数は、スペーサーの反対側の面における溝の数より1つ少ない(または1つ多い)。
【0098】
例えば図4〜図6に示した上述の実施形態で述べたフィンガーの具現例におけるように、図37〜図46に示す実施形態は好ましくは、コネクタが完全に組み立てられると(例えば、2ピースコネクタの両コネクタ部分が上述のように互いに取り付けられると)インターポーザー180−C1および180−C2の対応する受容スロット1810−C(図38参照)内で延びるスペーサーフィンガー435−Cおよび/または437−Cを含む
(注:インターポーザーの各々は総称して参照番号180−Cとしても示される)。フィンガーは例えば図37、図38および図40に最もよく示される。図示するように、好適な実施形態では、スペーサー110−Cのうちの複数のもの、またはこれらのすべてが各々、少なくとも1つ、好ましくは2つの、第1インターポーザー180−C1と係合する突出フィンガーを、および/または少なくとも1つ、好ましくは2つの、第2インターポーザー180−C2と係合する突出フィンガーを含む。これらフィンガーは各々のインターポーザー内の各々の受容スロット内で係合する。中でも、このようなフィンガーおよびスロットの係合は、第1インターポーザーと(例えば、ドーターカードに取り付けられた)コネクタ本体とを組み立てるとき、および/または2ピースコネクタの2つの部分を互いに接続させるとき(例えば、ドーターカードをカードケージに滑り込ますとき)に、例えばプリント回路基板のアラインメントを容易にするなど、有利となり得る。
【0099】
図37〜図46には示していないが、いくつかの実施形態では、スペーサー110a−Cの各々は、その面上に配置されそこから外向きに突き出た、回路基板120−Cの各々の開口部内に嵌り込む1つ以上のボス(図示せず)を含むことができる。図1〜図36を参照して上述した実施形態におけるように、この特徴は、基板120−Cが隣接するスペーサー(例えば、スペーサー110a−Cおよび110b−C)に対して正しく位置合わせすることができる助けとなるために使用することができる。
【0100】
いくつかの例示的な実施形態では、各スペーサーは、スペーサー110−Cの正面の上の方に位置するフィンガー435−Cと、スペーサー110−Cの正面の底の方に位置するフィンガー437−Cとを含む。上述のように、類似したフィンガー435−Cおよび/または437−Cは、スペーサー110−Cをインターポーザー180−C1および/または180−C2に取り付けるときの助けとなるために使用することができる。詳しくは、いくつかの好適な実施形態では、インターポーザー180−C1および180−C2は共に、各々のスペーサーからの対応するフィンガー435−Cおよび437−Cを受容するための2つの垂直方向に整列した窪み1810−Cを含む。いくつかの実施形態では、フィンガーは、対応するインターポーザー内の対応する窪みにカチッとはまるかまたは圧入するのが可能なほどに十分に弾性がある突出部を含むことができる。
【0101】
図示してはいないが、図37〜図46に示す実施形態は、いくつかの例示するケースにおいては、類似のバックボーン150(さらに後に示す)に取り付けられる類似のスロット444および対応する構造物を含み得る。
【0102】
図42に示すように、いくつかの実施形態では、2つの異なるスペーサータイプ、110a−Cおよび110b−Cがコネクタ100内で交互に配置される。従って、いくつかの実施形態では、コネクタ100は2つのタイプのスペーサー、タイプA(すなわち110a−C)およびタイプB(すなわち110b−C)を含む。いくつかの実施形態では、これら2つのスペーサータイプは互いに類似するが同一ではない。他の実施形態では、2つより多いかまたは少ないタイプのスペーサーを用いてもよい。図1〜図36に示した実施形態を参照して上述したように、2つのスペーサータイプAおよびBは、例えば、隣接するプリント回路基板が、例えば図43に示すように導体を互い違いに配置させ得るようにするために用いることができる。従って、同様に、上述のように、プリント回路基板120−Cもまた、スペーサーと協働してこの関係を実現するために2つのタイプAおよびBを含むことができる。
【0103】
この点に関して、好適な実施形態では、複数のほぼ平行のプリント回路基板120−Cは、交互に配置されるスペーサータイプAおよびB,例えばスペーサー110a−Cおよび110b−Cの間に配置される。上述のように、これは図42において最もよく示されている。
【0104】
繰り返すが、図示してはいないが前記スペーサーのうちの1つのボスは、いくつかの実施形態では、各々の基板120−Cの開口部を通って、および前記スペーサーbのうちの別の1つの開口部を通って突き出る(例えば、上述の実施形態と同様)。特に、これはスペーサーと基板120との正しい位置合わせを容易にし、これによって図42に示すように基板120−Cの導体が各々スペーサーの溝と位置があうようにすることができる。
【0105】
加えて、上述の実施形態におけるように、この位置合わせによって、基板120−Cに配置された導電体を、基板120−Cと溝との間に閉じ込められた空気によって絶縁することができる。
【0106】
上述の実施形態におけるように、様々な実施形態では、スペーサー110−Cは、導電性材料により、または導電層により被覆される誘電性材料により製造され、プリント回路基板120−Cの導電体を電磁的に遮蔽するとよい。さらに、導電体とこれらに対応する溝との複合インピーダンスはそれらの寸法を変えることによって調整することができる。さらにまた、溝にテフロン(登録商標)などの誘電性材料の層を含ませて、その破壊電圧を調整すると共に、導電体とこれらに対応する溝との複合インピーダンスをさらに調整することができる。
【0107】
図42は、コネクタ100に多回路基板を用いるときのスペーサー110−Cと回路基板120−Cとの例示的な配置を示している。図示するように、基板120−Cとスペーサー110−Cとは連続してほぼ平行に揃えられ、各回路基板120−Cは2つのスペーサーの間に挟まれる。図示した例では、2つのタイプの回路基板AおよびBと、2つのタイプのスペーサーAおよびB(上述の通り)が存在する。Aタイプの回路基板は互いに同一であり、Bタイプの回路基板は互いに同一である。同様に、Aタイプのスペーサーは互いに同一であり、Bタイプのスペーサーは互いに同一である。これは大体において図12を参照して上述した実施形態と同様である。
【0108】
図42に示した実施形態では、スペーサー110−Cおよび基板120−Cは交互に並んで配置される。つまり、所与の2つのAタイプスペーサーの間にBタイプスペーサーが存在し、逆の場合も同様である。また、所与の2つのAタイプ基板の間にBタイプ基板が存在し、逆の場合も同様である。このように、Aタイプスペーサーは別のAタイプスペーサーに隣接せず、またAタイプ基板は別のAタイプ基板に隣接しない。従って、この例の構成では、各基板120−CはAタイプスペーサーとBタイプスペーサーとの間に配置される。
【0109】
例として、いくつかの実施形態では、各Bタイプ基板120−Cの各面は(例えば図39に示すように)3本の導体を持つ。図13を参照して上述したように、いくつかの実施形態では、AおよびBタイプ基板120−Cはほとんど同一である。1つの相違点は、各面の導体の数および面上の導体の並びである。いくつかの図示した実施形態では、Bタイプ基板はAタイプ基板より導電体が1つ少ない。
【0110】
上述のように、導体をずらすことの1つの利点は、特に、コネクタ内のクロストークを減らし得るということである。
【0111】
図42に示すように、各基板120−C上の各導体は、その導体に直ぐ隣接するスペーサー上の溝と位置が合っている。すなわち、各スペーサー110−C上の各溝は、隣接する基板120上の対応する導体に従うように設計されている。このように、各導体は対応する溝と位置が合っているため、導体とスペーサーとの間には空間がある。
【0112】
改変コネクタ100が完全に組み合わされると、基板120−C上の各導体は2つのコンタクト部材1530−C(図43に最もよく示されている)と物理的および電気的に接触する。これらコンタクト部材の各々はセル122−Cのハウジング1522−C内に含まれ、基板120−Cの両側のスペーサー内の対応する窪み110r内に位置する。詳しくは、各導体の第1端部が、第1コンタクト部材の接触部と物理的および電気的に接触し、各導体の第2端部が、第2コンタクト部材の接触部と物理的および電気的に接触する。そして、第1および第2コンタクト部材の接触部は各々導体の対応する端部とスペーサーとの間の空間内に置かれる。図43は導体の一方の端部に位置するこのようなコンタクト部材を示すが、好適な実施形態では、類似のコンタクト部材が導体の他方の端部にも設けられていることは理解されよう。各コンタクト部材は、コンタクト部材が接触する導体を、コネクタ100が取り付けられる回路基板上のトレースに電気的に接続するように作用する。
【0113】
さらに図43は、基板120−C上の各導体をコネクタ100が取り付けられる回路基板上の各トレースに電気的に接続するための、本発明の1つの実施形態によるコンタクト部材1530a−Cおよび1530b−Cを示す(注:コンタクト部材の各々はは総称して参照番号1530−Cとしても示される)。この部分断面図にはコンタクト部材の全長が示されているが、好適な実施形態では、一部はハウジング1522−C内に位置しているため、コンタクト部材の一部のみが露出されることは理解されよう。
【0114】
図43に示すように、コンタクト部材1530a−Cは、図15を参照して上述したのと同様の方法で導体(図示せず)の端部に接触する。いくつかの実施形態では、図39に示すように、導体の端部は中間部より広くして、各コンタクト部材の接触部を受容する表面積をより大きくすることができる。図43に示すように、コンタクト部材1530b−Cは大体においてコンタクト部材1530a−Cと同様であり、底部は同じくハウジング1522−C内に収容されている。
【0115】
図1〜図36に示した実施形態を参照して上述したハウジングのように、ハウジング1522−Cは好ましくは、プラスチックなどの電気絶縁性または誘電性材料により製造される。製造において、各ハウジング1522−Cの電気コンタクト1530−Cは製造中にハウジング内に配置するか、または後でハウジング内に嵌め込むことができる。
【0116】
コンタクト部材1530−Cは、適切な電気および機械特性を有する任意の材料を利用して一般に利用可能な手法によって製造するとよい。例えば、コンタクト部材は金メッキの鱗青銅などのラミネート材料により製造してもよい。これらの実施形態のコンタクト部材は好ましくはほぼ単体の構造であるとして図示しているが、多構成要素よりなるものであることも考えられる。
【0117】
スプリングを用いる上述の実施形態とは異なり、図37〜図46に示す実施形態の好適な具体例では、ハウジングは好ましくは、使用中はインターポーザーに対して(例えば、インターポーザーに圧入すること、および/または組み立てられると他の方法でインターポーザーに対して保持することによって)固定される。図37〜図46に示す実施形態では、ハウジング1522−Cとコンタクト部材1530−Cとの組み合わせをセル122−Cと呼ぶ。
【0118】
いくつかの好適な実施形態では、ハウジング1522−Cは、ハウジング1522−Cがインターポーザー内に実質的に固定して置かれるように構成されているのであれば、図15に示すものと大体において類似し得る。図41および図45に最もよく示すように、ハウジング1522−Cは、例えば、コンタクト部材1530−Cを受容するためのほぼ方形の開口部1522rを含み得る。開口部は、例えば図43に示すように、コンタクト
部材の近位端1641a−Cおよび1641b−Cがハウジング1522−Cの底面を越えて突き出ることができるように、ハウジングの上面から底面へと延びている。図45に示すように、いくつかの好適な実施形態では、ほぼ方形の開口部が、ハウジング1522−Cを貫通するほぼI形状の通路1522I内に設けられている。特に、ほぼI形状の通路1522Iを使用することで、例えばハウジング1522−Cの膨張能力を高めることによって、コンタクト部材のハウジング内への挿入を容易にすることができる。用語V形状と同様に、用語I形状は一般的に解釈され、正確にI形状である必要はなく、広い部分(例えば1522rなど)が別の部分を介して接続または実質的に接続されるような構成を包含する。
【0119】
図17に示した実施形態におけるように、いくつかの好適な実施形態による各コンタクト部材1530−Cは近位端1641−Cと遠位端1749−Cとを有する。これら好適な実施形態では、端部1641−Cと1749−Cとの間には基部1743−C、移行部1744−Cおよび接触部1745−Cが存在する。図示した実施形態では、基部1743−Cは、基部のほぼ全体がハウジング1522−C内にあるようハウジング内の開口部1522r内に配置され(すなわち、ハウジングの開口部1522r内に圧入および/または摩擦により係合される)、移行部1744−Cは基部に対して内側に傾けられ(すなわち、ハウジングの基板受容部内に移動可能に支持され)、そして遠位端1749−Cは移行部に対して外側に傾けられ従って導入部として作用する。
【0120】
好適な実施形態では、コンタクト部材の接触部は、物理的および電気的に接触する導体の端部に固定されていない。例えば、接触部は、基板120−Cの導体にはんだ付けをされることも他の方法で固定されることもない。代わりに、好適な実施形態では、各コンタクト部材は、カードエッジコネクタで用いられるものに類似する接続手段を用いて弾性または押圧の力によってその対応する導体に電気的に接続される。すなわち、コンタクト部材の接触部は好ましくは対応する導体の端部を押し付ける。特に、図37〜図46に示す実施形態の好適な具体例では、ハウジングはインターポーザーおよび基板に対して固定されるが、この接続形態は、特に、コンタクト部材とプリント回路基板120−Cの対応する導電体との間の良好な電気的な接続を確実にする助けとなり、例えば、プリント回路基板および/またはその他の位置合わせを容易にするなど、構成要素の製造および組み立てを容易にすることができる。
【0121】
図37〜図41に示すように、図18および図19に示した実施形態と同様に、各セル122−Cは、各インターポーザー180−Cの対応する開口部1811−Cに嵌り込むように設計されている。これらの図示した実施形態では、各インターポーザー180−Cは、第1の整列セットで配置されて第1の縦横配置を作る第1セットの開口部と、第2の整列セットとなるように配置されて第2の縦横配置を作る第2セットの開口部とを含む。これらの実施形態では、例えば図18〜図19を参照して上述した実施形態と同様の方法で、第2セットの各列は第1セットの2つの列の間に配置される。図示したように、第2セットの開口部同士は互いに揃っているが第1セットの開口部とは揃わないように、また逆の場合も同様となるように、第2の縦横配置は第1の縦横配置からずれている。
【0122】
図示した実施形態では、インターポーザー180−Cは、導電性材料により、または導電性材料により被覆される非導電性材料により製造することによって、プリント回路基板120の導電体を電磁的に遮蔽し得る。
【0123】
コネクタ100が完全に構築されると、第1および第2セットの各開口部は好ましくはセル122−Cを受容する。各セル1570のハウジング1522−Cは、所望であれば、図16に示したタブ1633に類似するタブであって、インターポーザー180−Cの対応する開口部内に設けられたスロットに嵌るようにされてセル122−Cが開口部へと
落ちるのを防ぐのを助けるタブを含むことができる。
【0124】
図46に最もよく示すように、いくつかの好適な実施形態では、ハウジング1522−Cは、2つの横方向に延びるタブ1633−Cを有するほぼT形状の構築物を含むことができる。さらに、インターポーザー180−Cは、複数の窪み1811−C間を延びる溝または窪み、例えば、図37、図40、図41および図44に示すような窪みの列に沿って延びる横方向の溝180gを含むことができる。
【0125】
しかし、ハウジングの構造は身近な状況に応じて選択することができ、好ましくは、使用中のインターポーザーの位置に対して確実に固定されるように構成され得る。セルおよび対応するインターポーザー開口部の特定の形状は単に例示のためであることは理解されたい。本発明はこれらの形状に限定されず、広い範囲の様々な形状を用い得る。
【0126】
図44に概略的に示すように、コネクタ100が使用中のときは、各コンタクト部材の近位端1641−Cの各々は、コネクタ100に接続される回路基板2190−C上の各々の導電要素に接触する。従って、好適な実施形態では、基板2190−Cからコネクタ100内の基板への少なくとも1つの電気信号経路がある。当業者には理解されるように、コネクタ100は基板2190からの多数の電気信号経路を提供することができ、各信号経路は2つのコンタクト部材1530−Cと基板120−C上の導体とを含む。
【0127】
図44に概略的に示すように、例えば図21〜図22に示した実施形態におけるように、各インターポーザー180a−Cおよび180b−Cはコネクタ100に接続される各回路基板と平行に配置され得る。詳しくは、インターポーザー180a−Cは第1回路基板(図44に示す基板2190−Cに類似)と平行に、およびインターポーザー180b−Cは別の回路基板(図44に示す基板2190−Cに類似)と平行に配置することができる。従って、このような実施形態では、インターポーザー180a−Cの一方の面は第1基板に面し、インターポーザー180b−Cの一方の面は第2の基板に面する。
【0128】
図22に示した実施形態と同様に、各コンタクト部材1530−Cの各近位端1641−Cは好ましくは回路基板2190−C上の各導電要素2194−Cに接触する。好適な実施形態では、各導電要素2194−Cは各コンタクト部材の近位端1641−Cを受容するための雌ソケットである。
【0129】
好適な実施形態では、コネクタ100はコンプライアントマウントコネクタであり、各近位端1641−Cは各々の雌ソケット内に嵌り込むピンを形成する。しかし、他の実施形態では、各要素2194−Cは、コンタクト部材を従順に受容することができるバイアまたは他の導電要素であってもよい。
【0130】
好適な実施形態では、基板2190−Cは、第1信号経路(例えば、第1トレース)と第2信号経路(例えば、第2トレース)とを含む差動信号経路を含む。図22に示した実施形態におけるように、第1要素2194−Cは第1信号経路に接続され、第2導電要素2194−Cは第2信号経路に接続される。第2回路基板(例えば、他方のインターポーザー近くのもの)もまた、同様の方法で、信号経路対に電機接続される、要素2194−Cのような導電要素対を有し得る。
【0131】
図37〜図41を参照して、各セル122−Cは各々のインターポーザー180−Cの開口部に挿入される。いくつかの実施形態では、セル122−Cの各コンタクト部材1530−Cの遠位端は各々のインターポーザーの上面を越えて延び(図38〜図39および図43〜図44参照)、各コンタクト部材の近位端1641−Cは各々のインターポーザーの底面を越えて延びる(図37、図40および図41参照)。上述のように、完全に組
み立てられると、インターポーザー180−Cは各基板(例えば、マザーボードおよびドーターボードなど)に面しこれとほぼ平行となる。例として、図42は、基板2190−Cに面しこれとほぼ平行であるインターポーザー180−Cを示す。
【0132】
コンタクト部材1530−Cの端部1641−Cが対応する要素2194−C内で押し付けられると、要素によって生じる通常の力がコンタクト部材に加えられる。使用中はコンタクト部材1530−Cはハウジングに対して固定して置かれ、またハウジングはインターポーザーに対して固定して置かれているため、コンタクト部材は要素2194−Cに容易に従属的に接続することができる。
【0133】
上述のように、いくつかの実施形態では、図37〜図46に示した装置は、図1〜図36を参照して上述したバックボーン150と同様の細長いバックボーンに取り付けられるように構成することができる。さらに、改変コネクタ100はまた、上述のエンドキャップ100aおよび100bと同様の2つのエンドキャップを含み、各々が例えばバックボーン150の各端部に取り付けられるように設計することができる。図1〜図36を参照して上述した実施形態におけるように、エンドキャップおよびスペーサーは共に、電磁的な遮蔽を与えるために導電性材料で覆われたプラスチックなどの絶縁性材料により製造するか、または全体を例えば金属などの導電性材料により製造することができる。いくつかの実施形態では、バックボーン、エンドキャップおよび関連する構造物に関する様々な特徴は、図1〜図36を参照して上述したものと同様であり得る。しかし、好適な2ピースコネクタの実施形態では、インターポーザーのうちの1つをコネクタ本体に接続しておく一方で、第2のインターポーザーを、上述のようにドーターカードがカードケージに挿入されるとコネクタ本体と接続され得る第2のコネクタ部分として、コネクタ本体から離しておくために、配慮がなされ得る。
【0134】
さらに、いくつかの実施形態では、改変コネクタ100はまた、上述の取り付けクリップ190aおよび190bと同様の1つ以上の取り付けクリップ、および上述のシールド160と同様のシールドを含むように構成することができる。図1〜図36に示した実施形態を参照して上述したように、いくつかの実施形態では、取り付けクリップおよびシールドは、コネクタ100の上述の部分と組み合わせて、複合配置を形成することができる。上述のように、いくつかの実施形態では、取り付けクリップおよびシールドは、コネクタ100の信号搬送要素を電磁的に遮蔽するように導電性であるとよい。いくつかの実施形態では、取り付けクリップおよびシールドに関連する様々な特徴は、図1〜図36を参照して上述したものと同様であり得る。しかし、好適な2ピースコネクタの実施形態では、ここでも、インターポーザーのうちの1つをコネクタ本体に接続しておく一方で、第2のインターポーザーを、上述のようにドーターカードがカードケージに挿入されるとコネクタ本体と接続され得る第2のコネクタ部分として、コネクタ本体から離しておくために、配慮がなされ得る。
【0135】
図1〜図36を参照して上述した実施形態におけるように、2つの例示したインターポーザー180a−Cおよび180b−Cは互いにほぼ垂直であるとして示されているが、本発明はこれに限定されない。すなわち、適用によっては、2つのインターポーザー180の面は例えば45度の角度または他の角度であってもよい。従って、改変コネクタ100は「直角」コネクタである必要はない。
【0136】
図1〜図36を参照して上述した実施形態におけるように、いくつかの実施形態では、両コネクタ部分が組み立てられた状態で互いに取り付けられると、相互接続システム全体は好ましくは、プリント回路基板120−C上の導電体が電磁的に遮蔽され得る実質的に剛直な構造体を形成する。
【0137】
図38、図39、図43、図44および図46に示すように、いくつかの実施形態では、ハウジング122−Cはプリント回路基板の縁を受容するようにされた受容スロット122sを含むように形成される。この点に関して、図39はプリント回路基板120−Cが複数のハウジング内に受容されるものとして示している。好ましくは、図39、43および44に示すように、ハウジングはインターポーザー180−C内から突出し、受容スロット122sはハウジング内をインターポーザーの表面近くまで延びて、これにより基板120−Cはインターポーザーの表面、または実質的に表面まで移動することができる。いくつかの実施形態では、ハウジング122−Cは、プリント回路基板120−Cの挿入を容易にするようにスロット122sの1つ以上の面に縁122iから傾斜または面取りを入れることができる。
【0138】
図38、図39、図43、図44および図46に示すように、ハウジングは好ましくは、上述の部分1744−C、1745−Cおよび1749−Cを含むコンタクト部材の柔軟な端部を受容するようにされた内部チャネル122cを含む。
【0139】
好適な実施形態では、インサートを装填したインターポーザーを提供することができる(すなわち、ここではセル122−Cを、インターポーザーに挿入されるインサートと呼ぶ)。さらに、好適な実施形態では、製造中にコンタクトは好ましくはこれら「インサート」に予め組み入れられる。例えば、いくつかの実施形態では、コンタクトを、例えばコンタクトを図46に示す矢印A1の方向に押すことによって、これら誘電性またはプラスチック製の「インサート」に押し込むことができる。次に「インサート」を、例えば、セルを図46に示す矢印A2の方向に押すことによって、インターポーザーに装填することができる。さらに、上述のように、スペーサーは好ましくはこれら「インサート」を収容する窪み110rを含む。
【0140】
さらに、上述のように、組み立て時、これら「インサート」は、本質的に、例えばセル122−Cのスロット122s(および場合によっては傾斜縁122i)によって、プリント回路基板のためのガイドとして作用することができる。このようにして、好適な実施形態は、特に、プリント回路基板がコンタクトに対して確実に正しい位置となるのを助ける。このようにして、プリント回路基板との接触を実現することに関連してこれまでに直面している問題を実質的に減らすことができる。加えて、これらの実施形態はまた、(例えば、コンタクトをハウジングから外側に延ばすのではなくハウジング1522−C内に閉じ込めることによって)、組み立て中にエラーが生じると問題を引き起こす恐れのあるオーバーストレスからコンタクトを保護することができる。上述のように、この構造体は、例えばコネクタ本体に接続される第1インターポーザーを有する第1コネクタ部分の組み立て、および2ピースコネクタを用いてドーターカードがマザーボードに接続されるときの第2コネクタ部分のコネクタ本体との接続の両方において有利であり得る。
【0141】
いくつかの好適な適用では、ここで述べる実施形態は、例えば、2.5GBPSより高い、または実施形態によっては5GBPSより高い、もしくは実施形態によっては約10GBPSまでの、さらには実施形態によっては10GBPSより高い、超高速、高密度の差動応用例のために設計され得る。いくつかの例示的な実施形態では、コネクタは直線インチ当たり25対より多い差動信号対、または実施形態によっては直線インチ当たり35対より多い差動信号対、もしくは実施形態によっては直線インチ当たり45対より多い差動信号対を含む。
【0142】
いくつかの例示的であって非限定的実施形態では、装置は、以下の寸法サイズ、すなわち、a)基板間距離(図42において参照番号0.080で示す)約0.080インチ、b)スペーサー溝深さ(図42において参照番号0.039で示す)約0.039インチ、c)スペーサー溝幅(図42において参照番号0.044で示す)約0.044インチ
、d)スペーサー溝互い違い間隔距離(図42において参照番号0.094で示す)約0.094インチ、e)ハウジング1522−Cの深さ距離(図43において参照番号0.24で示す)約0.24インチ、f)ハウジング1522−Cの幅距離(図43において参照番号0.13で示す)約0.13インチ、g)コンタクトピン延長距離(図43において参照番号0.04で示す)約0.04インチ、およびh)コンタクトピン間隔距離(図43において参照番号0.06で示す)約0.06インチ、のうちの少なくともいくつかまたは好ましくはすべてを有する構成要素含むことができる。
【0143】
いくつかの好適な実施形態では、コンタクトの近位端1641a−Cおよび1641b−Cは、図37、図40および図41に示した構成に実質的に類似する構成を有するように形成することができる。この点に関して、図41に示す拡大図を参照すると、ピンはここではvピン形状と呼ばれる形状で形成することができる。このようなvピン形状では、ピンは(図示するように)ほぼV形断面で形成される。本開示では、用語vピン形状および/またはv形は、u形の形状、および基部から延びる2つのアーム部分を持つ他の形状を包含する一般的な用語である。この用語は、アームが互いに対してある角度で外側に延びることを包含するが、こうである必要はなく、平行なアーム、内側に傾いたアームおよび/または他のバリエーションをも包含する。
【0144】
いくつかの例示的な実施形態では、v形状は、例えば鋳造、冷間成形、鍛造、プレス成形などの成形手法によって実現することができる。いくつかの例示的な実施形態では、v形状の成形では、コンタクト部材は先ずほぼ平坦な部材(例えば、約千分の20インチの厚さであり得る)から成形し、次にコンタクト部材をさらにプレスまたはスタンピングを行って減厚の(例えば、約千分の4インチの厚さであり得る)端部を形成する。次に適切な成形および/または他の手法を用いて減厚端部を折り曲げることによってv形を付与することができる。
【0145】
このようなvピン形状について述べたが、他の実施形態では様々な他のピン形状を用い得ることは考えられる。本発明の他の実施形態では、実質的に任意の適切な断面形状を持つピンを用いることができる。さらに、例示したピンはいくつかの例示的実施形態ではほぼ一定の断面形状をもつが(すなわち、例示した例では前面の面取り部分以外では)、他の実施形態では、不連続なまたは他の様々な断面形状のピンを持つことができる。
【0146】
さらに、いくつかの好適な実施形態では、直径が約0.025インチより小さい、または実施形態によっては約0.020インチより小さい、もしくは実施形態によっては約0.018インチ以下のコンプライアント部を有するコンプライアントピンを製造することができる。
【0147】
例えば図1〜図36を参照して上述した圧縮マウントコネクタの実施形態とは異なり、コンプライアントマウントコネクタは、例えば、圧縮コンタクトの共面性、ラッチ強さおよび精度の問題に関連した、ならびに圧縮マウント接続において安定した界面を維持するために係合界面に垂直な軸で必要とされる制御に関連したいくつかの障害を避けることができるという利点がある。
【0148】
コンプライアントピンは様々な他の高速相互接続において広く用いられているが、ここで述べる実施形態は現在のシステムを大幅に改良したものである。例えば、コンプライアント機能のサイズおよび配線により、現在のシステムは典型的には、例えばインピーダンス不連続およびクロストークなどの性能上の問題を抱えている。これに対して、ここで述べる好適な実施形態は、コンプライアントピン終端の性能のプリント回路基板に対する調整を向上させることができる。特に、上述のように、好適な実施形態では、コネクタは、特に高程度のクロストーク絶縁を促進し得る空間的な関係を有するブロードサイド結合伝
送ラインを用いる。
【0149】
上記に本発明の様々な実施形態/変形例について述べたが、これらは単なる例示として示されるものであって限定するものでないことは理解されたい。従って、本発明の広さおよび範囲は上述の例示的な実施形態の何れによっても限定されるものではなく、以下に述べる請求の範囲およびそれらの等価物によってのみ定義されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0150】
【図1】本発明の実施形態の例によるコネクタの展開図である。
【図2】本発明の実施形態によるプリント回路基板の図である。
【図3】図2に示したプリント回路基板の正面図である。
【図4】本発明の実施形態の例によるスペーサーの斜視図である。
【図5】図4に示したスペーサーの第1面の平面図である。
【図6】図4に示したスペーサーの第2面の平面図である。
【図7】図4に示したスペーサーの正面図である。
【図8】第2のスペーサーの第1面の平面図である。
【図9】第2のスペーサーの第2面の平面図である。
【図10】2つのスペーサーに挟まれた回路基板よりなる装置の斜視図である。
【図11】図10に示した装置の正面図である。
【図12】本発明の実施形態の例による多回路基板および多スペーサーの配置を示す図である。
【図13】本発明の実施形態による回路基板の第1面の平面図である。
【図14】Aタイプ回路基板上の導体の整列がBタイプ回路基板上の導体の整列とどのように違うかを示す図である。
【図15】本発明の1つの実施形態によるコンタクト部材を示す図である。
【図16】本発明の1つの実施形態によるセルを示す図である。
【図17】本発明の1つの実施形態によるセルを示す図である。
【図18】セルがインターポーザーの開口部に嵌り込むようにされ得ることを示す図である。
【図19】セルがインターポーザーの開口部に嵌り込むようにされ得ることを示す図である。
【図20】インターポーザーの対応するノッチに挿入されるスペーサーのフィンガーを示す図である。
【図21】1つの実施形態による、基板120に対する、ならびに基板2190および2180に対するインターポーザー180の配置を示す図である。
【図22】コネクタ100の実施形態の断面図である。
【図23】バックボーン150の実施形態を示す図である。
【図24】エンドキャップ199の実施形態を示す図である。
【図25】バックボーン150およびエンドキャップ199の分解図である。
【図26】バックボーン150およびエンドキャップ199を組み立てた図である。
【図27】バックボーン150に接続されたスペーサーの図である。
【図28】取り付けクリップ190bの実施形態を示す図である。
【図29】クリップ190bおよびエンドキャップ199の分解図である。
【図30】エンドキャップ199が取り付けられたクリップ190bの図である。
【図31】シールド160の実施形態を示す図である。
【図32】シールド160およびインターポーザー180の分解図である。
【図33】インターポーザー180に接続されているシールド160の図である。
【図34】インターポーザー180およびクリップ190aを省略した、組み立てられたコネクタの図である。
【図35】図35ではセルなしで、図36では2つのセルと共に組み立てられた、1つの実施形態によるコネクタ100の各々異なる図である。
【図36】図35ではセルなしで、図36では2つのセルと共に組み立てられた、1つの実施形態によるコネクタ100の各々異なる図である。
【図37】インサートを装填したインターポーザー、スペーサーなどを含む、本発明のいくつかの例示的な他の実施形態によるコネクタの例示的な構成要素の正面斜視図である。
【図38】コネクタの例示的な構成要素、特にインサートを装填したインターポーザーおよびスペーサーを示す、図37に示した矢印38の方向に後方右側から見た側面斜視図である。
【図39】コネクタの例示的な構成要素、特にプリント回路基板を示す、図37に示した矢印39の方向に後方右側から見た側面斜視図である。
【図40】図37の一部の拡大図であって、インターポーザーに装填した複数のセルまたはインサートの拡大図を示す図である。
【図41】図37の一部をさらに拡大した図であって、インターポーザーに装填したセルまたはインサートのうちの1つの拡大図を示す図である。
【図42】コネクタの電気構成要素がマザーボードまたはドーターカードのフットプリントに対応するときのこれらの空間的な関係を示す概略図であって、例えば、複数のほぼ平行なプリント回路基板およびスペーサーを装備したコネクタを示す図である。
【図43】図37に示した装填したインターポーザーの一部を、図42に示したラインA−Aによって示されるような方向に取られた後方断面図の概略を示す図である。
【図44】本発明のいくつかの好適な実施形態によるインターポーザー内に装填するためのセルまたはインサートの平面図である。
【図45】図44に示したセルまたはインサートの最前部の図である。
【図46】図44に示したセルまたはインサートの正面斜視図である。
【技術分野】
【0001】
本出願は、2003年7月17出願の米国特許仮出願第60/487,580号の恩典を主張するのものである。本出願はまた、2002年9月5日出願の米国特許出願第10/234,859号(状況係属中)の一部継続出願であり、該出願は2002年1月7日出願の米国特許出願第10/036,796号(状況係属中)の一部継続出願であり、該出願は2001年1月12日出願の米国特許仮出願第60/260,893号および2001年10月12日出願の米国特許出願第60/328,396号の恩典を主張するものである。上記に明らかにした出願は各々、本明細書において参考として援用される。
【0002】
本発明は広くは電気相互接続システムに関し、より詳しくは、差動およびシングルエンド伝送応用例のための高速高密度相互接続システムに関する。
【背景技術】
【0003】
バックプレーンシステムは、バックプレーンまたはマザーボードと呼ばれる複合プリント回路基板、およびバックボーンに差し込まれるドーターカードまたはドーターボードと呼ばれるいくつかのもっと小さなプリント回路基板により構成される。各ドーターカードはドライバ/レシーバと呼ばれるチップを含み得る。ドライバ/レシーバは他のドーターカード上のドライバ/レシーバと信号の送受信を行う。例えば、第1のドーターカード上のドライバ/レシーバと第2のドーターカード上のドライバ/レシーバとの間に信号経路が形成される。信号経路は、第1のドーターカードをバックプレーンに接続する電気コネクタと、バックプレーンと、第2のドーターカードをバックプレーンに接続する第2の電気コネクタと、搬送信号を受信するドライバ/レシーバを有する第2のドーターカードとを含む。
【0004】
今日用いられる様々なドライバ/レシーバは5〜10Gb/秒およびそれ以上のデータレートで信号を送信することができる。各ドーターカードをバックプレーン接続する電気コネクタが信号経路における制約要因(データ転送レート)となっている。さらに、レシーバは、ドライバによって送られる本来の信号強度の約5%しかない信号を受信する場合がある。この信号強度の減少のため、信号経路間のクロストークを最小限にしてデジタルデータストリームに信号劣化またはエラーが導入されるのを避けることの重要性が増大する。高速高密度電気コネクタでは、クロストークをなくすかまたは減らすことはさらにより重要である。従って、当該分野では、特に、信号経路間のクロストークを減らす、高速信号を扱うことができる高速電気コネクタが必要とされている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、従来の相互接続システムの欠点を克服するように設計された高速電気相互接続システムを提供する。好適な実施形態では、本発明は、高速信号を効果的に扱うことができる電気コネクタを提供する。
【0006】
コンプライアントピンは様々な他の高速相互接続において広く用いられているが、ここで述べる実施形態は現在のシステムを大幅に改良したものである。例えば、コンプライアント機能のサイズおよび配線により、現在のシステムは典型的には、例えばインピーダンス不連続およびクロストークなどの性能上の問題を抱えている。これに対して、ここで述べる好適な実施形態は、コンプライアントピン終端の性能のプリント回路基板に対する調整を向上させることができる。特に、上述のように、好適な実施形態では、コネクタは、特に高程度のクロストーク絶縁を促進し得る空間的な関係を有するブロードサイド結合伝
送ラインを用いる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
いくつかの実施形態によれば、相互接続システムであって、第1回路基板であって、(a)第1差動相互接続経路と、(b)前記第1回路基板の表面の第1ソケットと、(c)同じく前記第1回路基板の前記表面の第2ソケットとを備えた第1回路基板であって、前記第1差動相互接続経路は、前記第1ソケットに電気的に接続された第1信号経路と前記第2ソケットに電気的に接続された第2信号経路とを備えている、第1回路基板と、第2差動相互接続経路を備えた第2回路基板と、前記第1差動相互接続経路を前記第2差動相互接続経路と電気的に接続させるコネクタであって、第1面と前記第1面とは反対側の第2面とを有するインターポーザーであって、前記第1面は前記第1回路基板の前記表面に面しており、前記インターポーザーの前記第1面から前記インターポーザーの前記第2面まで延びる開口部の配列を含む、インターポーザーと、前記インターポーザーの前記第2面に隣接する端部を有する第1導体と、前記第1導体とほぼ平行であり長さがほぼ等しい第2導体であって、同じく前記インターポーザーの前記第2面に隣接する端部を有する第2導体と、前記第1導体と前記第2導体との間に配置される誘電材料と、前記開口部の配列内に位置する複数のセルであって、各々が第1の細長いコンタクト部材と第2の細長いコンタクト部材とを支持するハウジングを含むセルと、導体接触部と基板接触部と前記導体接触部と前記基板接触部との間の中間部とを有する前記第1の細長いコンタクト部材のうちの第1コンタクト部材であって、前記導体接触部は前記第1導体の前記端部と物理的に接触し、前記基板接触部は前記第1ソケットと物理的に接触し且つ従順に係合し、そして前記中間部の少なくとも一部は前記ハウジングのうちの第1ハウジングと係合する、前記第1の細長いコンタクト部材のうちの第1コンタクト部材と、導体接触部と基板接触部と前記導体接触部と前記基板接触部との間の中間部とを有する前記第2の細長いコンタクト部材のうちの第1のコンタクト部材であって、前記導体接触部は前記第2導体の前記第1端部と物理的に接触し、前記基板接触部は前記第2ソケットと物理的に接触し且つ従順に係合し、そして前記中間部の少なくとも一部は前記ハウジングのうちの前記第1ハウジングと係合する、前記第2の細長いコンタクト部材のうちの第1コンタクト部材とを備えたコネクタと、を備えた相互接続システムが提供される。
【0008】
いくつかの好適な実施形態では、前記ハウジングは誘電性材料により製造され、前記インターポーザーは導電性材料により製造されるかまたは導電性材料により被覆される。いくつかの実施形態では、前記第1導体と前記第2導体との間に配置される前記誘電性材料は、第1面と第2面とを有する第3の回路基板を含む。いくつかの実施形態では、前記第1導体は前記第3の回路基板の前記第1面に配置され、前記第2導体は前記第3の回路基板の前記第2面に配置される。いくつかの実施形態では、前記第3の回路基板は第1スペーサーと第2スペーサーとの間に挟まれる。いくつかの実施形態では、前記第1スペーサーはその第1面に溝を持ち、前記溝は前記第1導体と位置が合いまたこれを反映する。いくつかの実施形態では、前記第1スペーサーは前記スペーサーを前記インターポーザーに取り付けるための少なくとも1つのフィンガーを有し、前記インターポーザーは前記少なくとも1つのフィンガーを受容するための少なくとも1つの窪みを有する。いくつかの実施形態では、前記第2スペーサーはその第1面に溝を持ち、前記溝は前記第2導体と位置が合いまたこれを反映する。いくつかの実施形態では、前記ハウジングのうちの前記第1ハウジングは、前記第3の回路基板を受容するようにされたスロットを含む。いくつかの実施形態では、前記ハウジングのうちの前記第1ハウジングはさらに、前記第1および第2の細長いコンタクト部材の前記導体接触部を受容するようにされたチャネルを含む。いくつかの実施形態では、前記導体接触部は前記チャネル内に柔軟に収容され、また前記チャネルは前記第1および第2の細長いコンタクト部材の各々の遠位端を越えて延びる。いくつかの実施形態では、前記基板接触部は約0.04インチより小さい、または実施形態によっては約0.03インチより小さい、もしくは実施形態によっては約0.02インチ
より小さい直径のピンを含む。いくつかの実施形態では、前記ハウジングは約0.3インチより小さい、または実施形態によっては約0.2インチより小さい、もしくは実施形態によっては約0.15インチより小さい幅を有する。いくつかの実施形態では、前記コネクタは約5GBPSより高い、または実施形態によっては、約10GBPSより高い差動応用例をサポートする。
【0009】
いくつかの他の実施形態によれば、高速および高密度の差動応用例のためのインターポーザーアセンブリであって、a)第1面と前記第1面とは反対側の第2面とを有するインターポーザーを備え、b)前記インターポーザーは、前記インターポーザーの前記第1面から前記インターポーザーの前記第2面まで延びる開口部の配列を含み、c)前記開口部の配列内に位置する複数のセルであって、各々が第1の細長いコンタクト部材と第2の細長いコンタクト部材とを支持するハウジングを含む、セルを備え、d)前記インターポーザーは導電性材料により製造されるかまたは導電性材料により被覆されており、e)前記ハウジングは誘電性材料により製造され、f)導体接触部と基板接触部と前記導体接触部と前記基板接触部との間の中間部とを有する前記第1の細長いコンタクト部材のうちの第1コンタクト部材であって、前記導体接触部は第1導体に取り付けられずに加圧接触を行うようにされ、前記基板接触部は約0.04インチより小さい直径を有するコンプライアントピンを含み、そして前記中間部の少なくとも一部は前記ハウジングのうちの第1ハウジングと係合する、前記第1の細長いコンタクト部材のうちの第1コンタクト部材を備え、そしてg)導体接触部と基板接触部と前記導体接触部と前記基板接触部との間の中間部とを有する前記第2の細長いコンタクト部材のうちの第1コンタクト部材であって、前記導体接触部は第2導体に取り付けられずに加圧接触を行うようにされ、前記基板接触部は約0.04インチより小さい直径を有するコンプライアントピンを含み、そして前記中間部の少なくとも一部は前記ハウジングのうちの第1ハウジングと係合する、前記第2の細長いコンタクト部材のうちの第1コンタクト部材を備えた、インターポーザーアセンブリが提供される。
【0010】
いくつかの他の実施形態によれば、第1回路基板上の信号経路を第2回路基板上の信号経路と電気的に接続する高速および高密度の差動応用例のためのコネクタであって、a)第1面と前記第1面とは反対側の第2面とを有するインターポーザーを備え、b)前記インターポーザーは、前記インターポーザーの前記第1面から前記インターポーザーの前記第2面まで延びる開口部の配列を含み、c)前記開口部の配列内に位置する複数のセルであって、各々が第1の細長いコンタクト部材と第2の細長いコンタクト部材とを支持するハウジングを含む、セルを備え、d)前記インターポーザーは導電性材料により製造されるかまたは導電性材料により被覆されており、e)前記ハウジングは誘電性材料により製造され、f)前記インターポーザーにほぼ垂直に延びる複数の回路基板を備え、g)前記回路基板間に複数のスペーサーを備え、そしてh)前記ハウジングは各々前記回路基板の各々の縁を受容するようにされたスロットを含む、コネクタが提供される。
【0011】
いくつかの実施形態では、前記第1および第2の細長いコンタクト部材は、前記回路基板上の各導体を押し付けるリーフスプリングを含む。いくつかの実施形態では、前記回路基板は複数の信号導体を含み、また前記回路基板の1つの第1面に配置された信号導体の数は、第2の回路基板の第1面に配置された信号導体の数と同じではない。いくつかの実施形態では、前記第1の回路基板の第2面に配置された信号導体の数は、前記第2の回路基板の第1面に配置された信号導体の数より1つ少ないかまたは1つ多い。いくつかの実施形態では、各ハウジングは前記インターポーザーの少なくとも1つの対応するスロットと係合するようにされた少なくとも1つのタブを含む。いくつかの実施形態では、隣接する回路基板同士の前記導体は、前記隣接するプリント回路基板同士の前記導体間の距離を大きくするように互い違いに配置される。
【0012】
いくつかの他の実施形態によれば、コネクタを製造する方法であって、a)インターポーザーであって、前記インターポーザーの第1面から前記インターポーザーの第2面へと延びる開口部の配列を有し、導電性材料により製造されるかまたは導電性材料により被覆されるインターポーザーを提供することと、b)各々が第1の細長いコンタクト部材と第2の細長いコンタクト部材とを支持するハウジングであって、各々が誘電性材料により製造され、また各々が各回路基板の縁を受容するようにされたスロットを有するハウジングを含む、複数のセルを提供することと、c)複数のプリント回路基板を、前記プリント回路基板の縁が前記ハウジングの前記スロットの各々の中に受容されるように、また前記第1および第2の細長いコンタクト部材が前記プリント回路基板の両面の各々の導体と係合するように、前記インターポーザーに対してほぼ垂直であって前記インターポーザーに向かう方向に移動させることと、を包含する方法が行われる。
【0013】
いくつかの実施形態では、前記第1および第2の細長いコンタクト部材は、前記スロットに挿入されると前記プリント回路基板によってずらされるリーフスプリング部を前記第1および第2の細長いコンタクト部材に配備することによって、前記プリント回路基板の両面の各々の導体に係合する。いくつかの実施形態では、前記方法は、複数のスペーサーを、前記スペーサーから延びる突出部を前記インターポーザーの係合する窪みへと挿入することによって、前記プリント回路基板の間で位置合わせをすることをさらに包含する。いくつかの実施形態では、前記方法は、外側に延びるタブが前記インターポーザーの各々のスロット内に受容されるまで、前記ハウジングを前記インターポーザーへと挿入することをさらに包含する。
【0014】
本明細書に組み込まれその一部を形成する添付の図面は、本発明の様々な実施形態の例示を助け、そして本記述と共に用いると、本発明の原理を説明しまた当業者が本発明を製造および使用するのを可能にするのにさらに役立つ。図面において、類似の参照番号は同一または機能的に類似の構成要素を示す。また、参照を容易にするために、多くの場合に参照番号の左端の数字は、その参照番号が最初に登場する図面を特定する。
【0015】
概要を述べると、図1〜図36は、特に、圧縮マウントコネクタまたは相互接続に関連する例示的な好適な実施形態の図であり、図37〜図46は、特に、コンプライアントマウントコネクタまたは相互接続に関連する他の好適な実施形態の図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明は多くの異なる形態で実施され得るが、多くの例示的な実施形態はここでは、本開示は本発明の原理の実施例を提供するものであると見なされるものであり、このような実施例は本発明をここで記述および/または例示する好適な実施形態に限定するようには意図されないという理解の上で記述される。
【0017】
以下において、2つのパートに分けて記述する。パート1は、通常は図1〜図36などとの関連で述べられる圧縮マウントコネクタまたは相互接続に関連し、またパート2では、通中は図37〜図46などとの関連で述べられるコンプライアントマウントコネクタまたは相互接続に関連する。
【実施例1】
【0018】
(パート1:例えば圧縮マウントコネクタなどに関連する実施形態)
図1は、本発明の好適な実施形態の例によるコネクタ100の分解図である。理解を容易にするために、いくつかの構成要素は省かれている。図1に示すように、コネクタ100は、導電体を上部にプリントした少なくとも1つのプリント回路基板120を含み得る。図示した実施形態では、コネクタ100はさらに、スペーサー対110aおよび110b、インターポーザー対180aおよび180b、エンドキャップ対190aおよび19
0b、バックボーン150、シールド160およびエンドプレート対190(すなわち190aおよび190b)を含み得る。図1には1つの回路基板および2つのスペーサーしか示していないが、当業者であれば、後に述べるように、典型的な構成ではコネクタ100は多数の回路基板およびスペーサーを含み、各回路基板が2つのスペーサーの間に配置されることは理解されよう。
【0019】
図2はプリント回路基板120の図である。図示した実施形態では、回路基板120は大体において方形の形状である。図示するように、回路基板120はその面220上に1つ以上の導電体を配備し得る。図示した実施形態では、基板120は面220上に4つの導体201、202、203および204を配備している。各導体201〜204は第1端部、第2端部および第1端部と第2端部との間の中間部を有する。各導体の第1端部は、面220の第1縁210上のまたはこれに隣接した点に位置し、また各導体の第2端部は、面220の第2縁211上のまたはこれに隣接した点に位置している。多くの実施形態では、図2に例示する実施形態に示すように、面220の第2縁211は第1縁210に対して垂直である。
【0020】
図2には示していないが、回路基板120の反対側の面には対応する導電体が存在する。詳しくは、各導体201〜204に対して、反対側の面には、この導体の鏡像である導体が存在する。この特徴は、基板120の正面図である図3に示されている。図3に示すように、導体301〜304が、面220とは反対方向に面している、基板120の面320上に配置されている。さらに図示するように、導体301〜304は各々導体201〜204に対応する。
【0021】
本発明の相互接続システム100を差動信号の伝送に用いると、導電体201〜204のうちの1つと反対側の面のこれに対応する導電体とを合わせて利用して、差動信号の伝送に必要な2本のワイヤ均衡対を形成し得る。2本の導電体の長さは同一であるので、2本の導電体間にスキューはないはずである(スキューとは信号が2本の導電体を伝播するのに要する時間の差である)。
【0022】
コネクタ100が多数の回路基板120を含む構成では、回路基板は好ましくは連続して平行に配置される。好ましくは、このような構成において、コネクタ100の各回路基板120は2つのスペーサー110間に配置される。
【0023】
図4は本発明の1つの実施形態によるスペーサー110aの側面斜視図である。図示するように、スペーサー110aは、基板120に面していないほうの面420上に1つ以上の溝を備えてもよい。図示した実施形態では、スペーサー110aの面420は3つの溝401、402および403を配備している。各溝401〜403は、面420の第1縁410上またはその近くの点から面420の第2縁411上またはその近くの点まで延びている。多くの実施形態では、図4に例示する実施形態に示すように、面420の第2縁411は第1縁410に対して垂直である。
【0024】
さらに示すように、スペーサー110aの面420は面420の縁に1つ以上の窪みを配備し得る。図示した実施形態では、面420の縁に4つの窪みが2セット存在する。第1の窪みセットは窪み421a〜dを含み、第2の窪みセットは窪み431a〜dを含む。各窪み421a〜dは、少なくとも1つの溝の端部の直ぐ隣に位置して、面420の縁410上の点から縁410から短い距離だけ内側に間隔をあけた第2の点まで延びる。同様に、各窪み431a〜dは、少なくとも1つの溝の端部の直ぐ隣に位置して、面420の縁411上の点から縁411から短い距離だけ内側に間隔をあけた第2の点まで延びる。従って、図示した実施形態では、全ての溝の端部間に少なくとも1つの窪みが存在する。各窪み421、431はスプリング要素の端部を受容するように設計されている(図1
6、要素1520を参照)。
【0025】
図4には示していないが、スペーサー110aの反対側の面491に溝および窪みがあってもよい。好適な実施形態では、スペーサー110の第1面における溝の数は、スペーサー110の第2面における溝の数より1つ少ない(または1つ多い)数であるが、これは必要条件ではない。同様に、この好適な実施形態では、スペーサー110の第1面における窪みの数は、スペーサー110の第2面における窪みの数より2つ少ない(または2つ多い)数である。この特徴は図5〜図7に図示されている。図5は面420の平面図、図6は反対側の面(すなわち面491)の平面図、そして図7はスペーサー110aの正面図である。
【0026】
図5に示すように、溝401〜403、窪み421a〜dおよび窪み431a〜dがスペーサー110aの面420上に配置されている。同様に、図6に示すように、溝601〜604、窪み621a〜cおよび窪み631a〜cが、面420とは反対方向に面する、スペーサー110aの面491上に配置されている。
【0027】
溝601〜604は、溝401〜404と同様に、各溝601〜604は面491の第1縁610上の点から面491の第2縁611上の点まで延びる。同様に、窪み621および631は窪み421および431と同様である。各窪み421のように、各窪み621は、面491の縁610上の点から縁610から短い距離だけ内側に間隔をあけた第2の点まで延びる。同様に、各窪み631は、面491の縁611上の点から縁611から短い距離だけ内側に間隔をあけた第2の点まで延びる。各窪み621、631はスプリング要素の端部を受容するように設計されている(図16、要素1520を参照)。
【0028】
これらの図は、いくつかの実施形態では、スペーサー110の一方の面における溝の数はスペーサーの反対側の面における溝の数より1つだけ少ない(または1つだけ多い)ことを示している。また、一方の面における窪みの数は反対側の面における窪みの数より2つだけ少なく(または2つだけ多く)てよいことを示している。
【0029】
図4〜図6に示す実施形態では、一方の面上の各窪みは、反対側の面上の溝の端部のほぼ直ぐ反対側にあるように配置される。例えば、窪み421aは溝604の端部のほぼ直ぐ反対側にあり、窪み621aは溝403の端部のほぼ直ぐ反対側にある。この特徴は、スペーサーの正面図である図7を検討することによってさらに容易に理解できる。
【0030】
図4〜図6に戻って、図4はスペーサー110aがさらに3つのフィンガー435、437および440を含み得ることを示している。また、スペーサー110aはスロット444と、面420上に配置されこの面から外向きに突き出た第1ボス対450と、面491上に配置されこの面から外向きに突き出た第2ボス対650とを含み得ることも示している。ボス650は回路基板120の開口部244に嵌るようにされる。この特徴により、基板120を隣接するスペーサー110aおよび110bに対して正しく位置合わせすることができる。
【0031】
フィンガー435はスペーサー110aの正面の上の方に位置し、フィンガー437はスペーサー110aの底面の前の方に位置する。フィンガー435は、スペーサー110aの正面からスペーサーの正面に対して垂直の方向に外向きに突き出ている。同様に、フィンガー437は、スペーサー110aの底面からスペーサーの底面に対して垂直の方向に外向きに突き出ている。フィンガー435および437はスペーサー110aを各々インターポーザー180bおよび180aに取り付けるように作用する。詳しくは、インターポーザー180aはフィンガー437を受け入れ保持する窪み1810(図18参照)を含む。同様に、インターポーザー180bはフィンガー435を受け入れ保持する窪み
を含む。フィンガー435および437は各々突起部436および438を含む。突起部は、対応するインターポーザー内の対応する窪みにはめ込むのが可能なほどに十分に弾性がある。
【0032】
スロット444は、スペーサー110aの背面の方であるが背面から離れた位置にある。スロット444はスペーサー110の上面から下向きに延びてフィンガー440を形成する。フィンガー440とスロット444とがともに作用し、スペーサー110aがバックボーン150に取り付けられる。
【0033】
スペーサー110b(図1参照)に戻って、図示した実施形態では、スペーサー110bはスペーサー110aと類似はするが同一ではない。従って、いくつかの実施形態では、コネクタ100は2つのタイプのスペーサー、タイプAおよびタイプBを含む。別の実施形態では、2つより多いかまたは少ないタイプのスペーサーを用いてもよい。図8および図9は、1つの実施形態によるスペーサー110b(タイプBスペーサー)をさらに示す。図8は、スペーサー110bの面820の平面図である。面820は回路基板120に面している。図8に示すように、面820は、同じく基板120に面している、スペーサー110aの面491に類似する。面491のように、面820は4つの溝801〜804、第1セットの3つの窪み821a〜cおよび第2セットの3つの窪み831a〜cを有する。
【0034】
溝801〜804は、各溝801〜804が面820の第1縁810上の点から面820の第2縁811上の点まで延びている点において溝601〜604に類似する。同様に、窪み821および831は窪み621および631に類似する。各窪み621のように、各窪み821は、面820の縁810上の点から縁810から短い距離だけ内側に間隔をあけた第2の点まで延びる。同様に、各窪み831は、面820の縁811上の点から縁811から短い距離だけ内側に間隔をあけた第2の点まで延びる。
【0035】
図9はスペーサー110bの面920の平面図である。面920は、面820とは反対方向の回路基板120から離れた側に面している。図9に示すように、面920は、同じく基板120から離れた側に面している、スペーサー110aの面420に類似する。面420のように、面920は3つの溝901〜903、第1セットの4つの窪み921a〜dおよび第2セットの4つの窪み931a〜dを有する。
【0036】
溝901〜903は、各溝901〜903が面920の第1縁910上の点から面920の第2縁911上の点まで延びている点において溝401〜403に類似する。同様に、窪み921および931は窪み421および431に類似する。各窪み421は、面920の縁910上の点から縁910から短い距離だけ内側に間隔をあけた第2の点まで延び、各窪み931は、面920の縁911上の点から縁911から短い距離だけ内側に間隔をあけた第2の点まで延びる。
【0037】
スペーサー110bはまた、3つのフィンガー835、837および840と、スロット844と、スペーサー110bを貫通する開口部対850とを含む。開口部850はボス650を受容するようにされている。この特徴により、スペーサー110bはスペーサー110aに対して正しく位置合わせすることが可能となる。
【0038】
スペーサー110aの正面の上の方に位置するフィンガー435とは異なり、フィンガー835はスペーサー110bの正面の底の方に位置する。同様に、スペーサー110aの底面の前の方に位置するフィンガー437とは異なり、フィンガー837はスペーサー110bの底面の後ろの方に位置する。フィンガー835は、スペーサー110a(b)の正面からスペーサーの正面に対して垂直の方向に外向きに突き出ており、フィンガー4
37(837)は、スペーサー110a(b)の底面からスペーサーの底面に対して垂直の方向に外向きに突き出ている。フィンガー435および437のように、フィンガー835および837はスペーサー110bを各々インターポーザー180bおよび180aに取り付けるように作用する。
【0039】
上述のように、基板120はスペーサー110aおよび110bの間に位置決めされる。この特徴を図10に示す。図10には示していないが、スペーサー110aのボス650が基板120の開口部244およびスペーサー110bの開口部850を貫通して突き出ている。このボス650の使用によってスペーサー110a、bおよび基板120の正しい位置合わせが容易となる。基板120がスペーサーと正しく位置合わせされると、導体201〜204および301〜304が各々溝601〜604および801〜804と揃えられる。この特徴を図11に示す。
【0040】
図11に示すように、基板120に面したスペーサー110aの面に配置されている溝601〜604は、プリント回路基板120上の導電体201〜204を反映するようにスペーサー上に位置決めされている。同様に、基板120に面したスペーサー110bの面に配置されている溝801〜804は、導電体301〜304を反映するようにスペーサー上に位置決めされている。特に、溝601〜604および801〜804によって、導電体201〜204および301〜304が各々スペーサー110aおよび110bに触れるのが防止される。このようにして、基板120上に配置された導電体は基板120と溝との間に閉じ込められた空気によって絶縁される。
【0041】
スペーサー110は導電性材料により製造するか、または誘電性材料により製造して導電層により被覆して、これによりプリント回路基板120の導電体を電磁的に遮蔽するとよい。さらに、導電体とこれらに対応する溝との複合インピーダンスはそれらの寸法を変えることによって調整することができる。さらにまた、溝がテフロン(登録商標)などの誘電性材料の層を含むようにして、その破壊電圧を調整すると共に、導電体とこれらに対応する溝との複合インピーダンスをさらに調整することができる。
【0042】
次に図12は、コネクタ100に多回路基板を用いる場合のスペーサー110および回路基板120の配置の例を示す。図示したように、基板120およびスペーサー110は連続して平行に揃えられ、各回路基板120は2つのスペーサー間に挟まれる。図示した例では、上述の2つのタイプのスペーサー(A)および(B)と共に、2つのタイプの基板(A)および(B)が存在する。Aタイプの回路基板は互いに同一であり、Bタイプの回路基板は互いに同一である。同様に、Aタイプのスペーサーは互いに同一であり、Bタイプのスペーサーは互いに同一である。
【0043】
図示した実施形態では、スペーサー110および基板120は交互に並んで配置されている。つまり、所与の2つのAタイプスペーサーの間にBタイプスペーサーが存在し、逆の場合も同様である。また、所与の2つのAタイプ基板の間にBタイプ基板が存在し、逆の場合も同様である。このように、Aタイプスペーサーは別のAタイプスペーサーに隣接せず、またAタイプ基板は別のAタイプ基板に隣接しない。従って、この例の構成では、各基板120はAタイプスペーサーとBタイプスペーサーとの間に配置される。
【0044】
図12から分かるように、各基板120b(Bタイプ基板)の各面は3本の導体を有する。図13はBタイプ基板の一方の面1320(図示していない他方の面は面1320の鏡像である)の平面図である。図13に示すように、面1320には3つの導体1301、1302および1303が配置されている。図13を図2(Aタイプ基板の面の平面図)と比較することによって、AおよびBタイプの基板はほとんど同一であることが分かる。1つの相違点は、各面の導体の数および面上の導体の並びである。図示した実施形態で
は、Bタイプ基板はAタイプ基板より導電体が1つ少ない。
【0045】
図14は、Bタイプ基板上の導体1301〜1303の並びが、Aタイプ基板上の導体201〜204の並びとどのように違うかを示している。図14は、代表的な基板120aおよび120bを、基板120aの前縁1401が基板120bの対応する前縁1402と間隔を開けて離れ且つ平行となるように横に並べて示している。図14から、縁1402に位置するBタイプ基板上の導体の端部が、縁1401に位置するAタイプ基板上の導体の端部と位置が合っていないことがはっきりと分かる。例えば、図示した例では、Bタイプ基板上の所与の導体の端部は、Aタイプ基板上の2つの隣接する導体の端部に対して間隙的に配置されている。すなわち、B基板上の各導体の端部からA基板の隣接する面まで最短の線を引くとすると、この線はA基板上の2つの導体の端部の間の点が終点となる。例えば、導体1301の端部から基板120aの隣接する面までの最短の線は、導体204および203の端部の間の点が終点となる。導体をずらすことの利点は、コネクタ内のクロストークを減らし得るということである。
【0046】
図12に戻って、各基板120上の各導体は、その導体に直ぐ隣接するスペーサー上の溝と位置が合っていることがはっきりと分かる。すなわち、各スペーサー110上の各溝は、隣接する基板120上の対応する導体を反映するように設計されている。各導体は対応する溝と位置が合っているため、導体とスペーサーとの間には空間が存在する。
【0047】
コネクタ100が完全に組み立てられると、基板120上の各導体は2つのコンタクト部材(図15の代表的なコンタクト部材1530aを参照)と物理的および電気的に接触する。コンタクト部材各々の端部は隣接するスペーサーと導体との間の空間へと嵌り込む。詳しくは、各導体の第1端部が、第1コンタクト部材の接触部と物理的および電気的に接触し、各導体の第2端部が、第2コンタクト部材の接触部と物理的および電気的に接触する。そして、第1および第2コンタクト部材の接触部は各々導体の対応する端部とスペーサーとの間の空間内に置かれる。各コンタクト部材は、コンタクト部材が接触をする導体を、コネクタ100が取り付けられる回路基板上のトレースに電気的に接続するように作用する。
【0048】
図15は、基板120上の導体201を、コネクタ100が取り付けられる回路基板(図15には示さず)上のトレースに電機接続するための、本発明の1つの実施形態によるコンタクト部材1530aを示す。コンタクト部材1530aの一部はハウジング1522内に位置しているため、図15ではコンタクト部材の一部だけを見ることができる。
【0049】
図15に示すように、コンタクト部材1530aは導体201の端部に接触する(この特徴をより良好に示すためにスペーサーおよびインターポーザーは示されていない)。いくつかの実施形態では、導体201の両端部を中間部より広くして、コンタクト部材のコンタクト部を受容するための表面積がより大きくするようにされている。
【0050】
図15には別のコンタクト部材1530bが部分的に示されている。コンタクト部材1530bの底部もまたハウジング1522に覆われている。コンタクト部材1530bは、図15では見ることができない導体301の端部に接触する。ハウジング1522は好ましくはプラスチックなどの電気絶縁性材料により製造される。各ハウジング1522の電気コンタクト1530は製造中にハウジング内に配置するか、または後でハウジング内に嵌め込むことができる。
【0051】
コンタクト部材1530は、適切な電気および機械特性を有する任意の材料を利用して一般に利用可能な手法によって製造するとよい。金メッキの鱗青銅などのラミネート材料により製造してもよい。単体構造として図示しているが、当業者であれば、多構成要素か
らなっていてもよいことは理解されよう。
【0052】
図15にさらに示すように、ハウジング1522は2つの伸長スプリング1520aおよび1520bを保持するように構成され得る。スプリング1520はコンタクト部材1530および1531と同じ方向に延びる。スプリング1520の遠位端は対応するスペーサーの窪みに挿入されるように設計されている。例えば、スプリング1520aの遠位端は窪み621cに受容されるように設計されている。ハウジング1522とコンタクト部材1530とスプリング1520との組み合わせはセル1570と呼ばれる。
【0053】
図16および図17は1つの実施形態によるセル1570をさらに示す。図17はセル1570の分解図である。図示するように、ハウジング1522は大体において方形の形状であり、スプリング1520を受容するための開口部1710とコンタクト材料1530を受容するための開口部1720とを含む。開口部1720は、図16に示すように、コンタクト部材1730の近位端1641がハウジング1522の底面を越えて突き出ることができるように、ハウジングの上面から底面へと延びている。
【0054】
開口部1710はハウジング1522の上面から底面へと延びるが、底表面には到達しない。従って、スプリング1520が開口部1710に挿入されると、近位端がハウジング1522の底表面を越えて突き出ることはない。開放開口部1710を図示しているが、閉鎖開口部を用いることもできることは理解されよう。
【0055】
図17に示すように、図示した実施形態による各コンタクト部材1530は近位端1641と遠位端1749とを有する。端部1641と1749との間には基部1743、移行部1744および接触部1745が存在する。基部1743は近位端1641と移行部1744との間にあり、移行部は基部1743と接触部1745との間にあり、そして接触部1745は移行部1744と遠位端1749との間にある。図示した実施形態では、基部1743は基部のほぼ全体がハウジング1522内にあるように開口部1720内に配置され、移行部1744は基部に対して内側に傾けられ、そして遠位端1749は移行部に対して外側に傾けられよって導入部として作用する。
【0056】
好適な実施形態では、コンタクト部材の接触部は、物理的および電気的に接触する導体の端部に固定されていない。例えば、接触部は、従来技術では典型的に行われているように、基板120の導体にはんだ付けをされることも他の方法で固定されることもない。代わりに、好適な実施形態では、コンタクト部材1630は、カードエッジコネクタで用いられるものに類似するワイピングアクションにより対応する導体に電機接続される。すなわち、コンタクト部材の接触部は対応する導体の端部を単に押し付けるだけである。例えば、図15に戻って、コンタクト部材1530aの接触部は導体201の端部を単に押し付けるまたは加圧するだけである。導体に固定されてはいないため、接触部は導体に押し付けられている間も導体の長さ方法に沿って移動して、ワイピングアクションを作り出すことができる。このワイピングアクションにより、コンタクト部材とプリント回路基板120の対応する導電体との間の良好な電機接続が確実となる。
【0057】
次に図18および図19は、各セル1570がインターポーザー180の開口部1811に嵌め込まれるように設計されていることを示す。図示した実施形態では、各インターポーザー180は、第1の整列セットで配置されて第1の縦横配置を作る第1セットの開口部1811a(図19参照)と、第2の整列セットで配置されて第2の縦横配置を作る第2セットの開口部1811bとを含む。図示した実施形態では、第2セットの各列は第1セットの2つの列の間に配置されている。例えば、開口部1811bの列である列1931は、各々が開口部1811aの列である列1930および1932の間に配置されている。
【0058】
図に示すように、第2セットの開口部同士は互いに揃っているが第1セットの開口部とは揃わないように、また逆の場合も同様となるように、第2の縦横配置は第1の縦横配置からずれている。
【0059】
インターポーザー180は、導電性材料により、または導電性材料により被覆される非導電性材料により製造されることによって、プリント回路基板120の導電体を電磁的に遮蔽し得る。
【0060】
また図18および図19に示すように、インターポーザー180は上面および底面に沿ってノッチ1810を含む。各ノッチ1810はスペーサー110のフィンガーの端部を受容するように設計されている。好ましくは、フィンガーは対応するノッチにカチッと嵌り込み、スペーサー110をインターポーザー180にしっかりと固定させる。この特徴を図20に示す。
【0061】
コネクタ100が完全に構築されると、第1および第2セットの各開口部はセル1570を受容している。各セル1570のハウジング1522は、インターポーザー180の対応する開口部内に設けられているスロット1888に嵌り込むようにされたタブ1633を有する。スロット1888は開口部の全長にわたって延びてはいない。従って、タブ1633はセル1570が開口部から落ちるのを防ぐ。セルおよび対応する開口部の特定の形状は単に例示のためのものであることは理解されよう。本発明はこれらの形状に限定されない。
【0062】
また、コネクタが完全に構築されると、インターポーザーは、各コンタクト部材1530の接触部1745が対応する導体に接触するようにされる。図21はこの概念を示す。
【0063】
図21は、基板120に対するならびに基板2190および2180に対するインターポーザー180の配置を示す。基板120とインターポーザー180とが、基板120の正面2102がスペーサー180bの開口部の縦列の中心線と合うように、また基板120の底面2104がスペーサー180aの開口部の縦列の中心線と合うように配置されることを示すために、同図にはスペーサー110は示されていない。図21はまた2つのセル1570を示しており、各々がインターポーザー180の開口部に配置されている。図21に示すように、各セル1570のコンタクト部材1530は対応する導体と物理的に接触する。
【0064】
図21には示していないが、コネクタ100の使用中は、各コンタクト部材1530a、bの近位端1641は、コネクタ100に接続された回路基板上の導電要素に接触する。例えば、コンタクト部材1530bの端部1641は回路基板2190上の導電要素に接触し、コンタクト部材1530aの端部1641は回路基板2180上の導電要素に接触する。従って、図21は、基板2190からコネクタ100を介して基板2180への少なくとも1つの電気信号経路があることを示している。この電気信号経路は、導体214とコンタクト部材1530bとコンタクト部材1530aとを含む。当業者には理解されるように、コネクタ100は基板2190および2180からの多数の電気信号経路を提供し、各信号経路は2つのコンタクト部材1530と基板120上の導体とを含む。
【0065】
図21に示す実施形態によれば、各インターポーザーはコネクタ100に接続される1つの回路基板と平行に配置される。詳しくは、インターポーザー180aは回路基板2180と平行であり、インターポーザー180bは回路基板2190と平行である。従って、インターポーザー180aの一方の面は基板2180に面し、インターポーザー180bの一方の面は基板2190に面する。
【0066】
次に図22は、コネクタ100の断面図であり、上述のように、コネクタ100の使用中は、各コンタクト部材1530の各近位端1641は回路基板2190上の導電要素2194に接触することを示す。好適な実施形態では、各導電要素2194は信号パッドであり、バイアではない。従って、好適な実施形態では、各近位端1641は単に回路基板を押し付けるだけであって回路基板内のバイアに挿入されるのではないため、コネクタ100は圧縮マウントコネクタである。しかし、他の実施形態では、各要素2194はバイアまたは他の導電要素であってもよい。
【0067】
好適な実施形態では、基板2190は、第1信号経路2196a(例えば、第1トレース)と第2信号経路2196b(例えば、第2トレース)とを有する差動信号経路を含む。図示するように、第1パッド2194は第1信号経路2196aに接続され、第2導電要素2194bは第1信号経路2196bに接続される。第2回路基板2180もまた、経路2196のような信号経路対に電気的に接続される、要素2194のような導電要素対を有し得る。
【0068】
図22に示すように、セル1570はインターポーザー180の開口部に挿入される。さらに示すように、セル1570の各コンタクト部材1530の遠位端はインターポーザーの上面2250を越えて延び、また各コンタクト部材1530の近位端1641はインターポーザーの底面2251を越えて延びる。この底面は基板2190に面し且つこれにほぼ平行である。各近位端1641は基板2190上の導電要素2194を押し付ける。同様に、コンタクト部材1530の各接触部1745は基板120上の導体を押し付ける。従って、コンタクト部材1530は、基板120上の導体を基板2190上の導電要素2194と電気的に接続させる。図22に示すように、基板120の導体の端部はインターポーザーの上面2250の近くにある。
【0069】
コンタクト部材1530の端部1641が対応する要素2194を押し付けると、要素によって生じる通常の力がコンタクト部材に加えられる。コンタクト部材1530はハウジング1570内でしっかりと保持されているため、この通常の力によりハウジング1522が通常の力の方向(すなわち、回路基板2190から離れる方向)に移動する。しかし、ハウジング1522が基板2190から離れる方向に移動するとスプリング1520は収縮して基板2190によって生じる通常の力の方向とは反対方向の力をハウジングに加えるため、スプリング1520によって、ハウジング1522が基板2190から離れる方向に移動する大きさが制限される。これは、スプリングの遠位端はスペーサー110の表面に当接し、またスペーサーはインターポーザー180にしっかりと取り付けられており、インターポーザー自体は基板2190に対して移動しないために生じる。よって、スプリング1502は収縮し、ハウジングに正常な力とは反対方向の力を加える。
【0070】
図1に戻って、各スペーサー110は細長いバックボーン150に取り付けられるように構成され得る。また、コネクタ100は、各々がバックボーン150の各端部に取り付けられるように設計されている2つのエンドキャップ100aおよび100bを含んでもよい。バックボーン150およびエンドキャップ100について以下に述べる。
【0071】
図23は、バックボーン150の実施形態を示す。図示した実施形態によるバックボーン150は、エンドキャップ100と係合するようにされたボス2300と、図27に示すように各々がスペーサー110のフィンガー440を受容するようにされたスロット2320とを含む。バックボーン150はさらに、スペーサー110と係合するようにされた歯2330を含んでもよい。
【0072】
図24はエンドキャップ199の実施形態を示す。図示した実施形態によるエンドキャ
ップ199は、隣接するスペーサーに配置されたボスおよびバックボーン150に配置されたボス2300と係合するようにされた開口部2402を含む。エンドキャップ199はさらに、コネクタ100を、多数の層、例えば30より多い層を有し得る回路基板と機械的に結びつけるようにされたスクリュー2420およびピン2410、ならびにエンドプレート191b(図1および図25参照)と係合するようにされたトング2430を含む。
【0073】
エンドキャップ199は対称である、すなわちコネクタ100のいずれの端部にも用いることができるものとして示されているが、個別の左側および右側のエンドキャップを用いてもよい。エンドキャップ199のスクリュー2420およびピン2410は、エンドキャップ199と一体形成してもよいし、エンドキャップ199の製造後これに取り付けてもよい。関係する機械応力の観点からプラスチック製ではなく金属製のスクリュー2420を利用する必要がある場合が多いことが分かっている。本発明はスクリュー2420およびピン2410の使用に限定されることはなく、他の締め付け手段を使用してもよいことは理解されよう。
【0074】
前述のように、エンドキャップ100およびスペーサー110は、プラスチックなどの絶縁性材料により製造し導電性材料で被覆して電磁的な遮蔽を提供してもよいし、または全体を金属などの導電性材料により製造してもよい。
【0075】
図25はバックボーン150およびエンドキャップ199の分解図であり、図26はバックボーン150およびエンドキャップ199を組み立てた図である。
【0076】
図25および図26に示すように、バックボーン150のボス2300はエンドキャップ100の対応する開口部2402内に入れられて剛直な構造を形成する。このボス2300および開口部2402の使用は例示のためのものであって、本発明はこれに限定されない。すなわち、他の締め付け手段を用いてバックボーン150をエンドキャップ100に機械的に接続させることができる。
【0077】
さらに、図27に示すように、フィンガー440とこれに係合するスロットとの組み合わせを用いて、スペーサー110をバックボーン150に機械的に接続させる。図示した組み合わせは例示のためのものであって、本発明はこれに限定されない。同様の方法で、上述のように、スペーサー110のフィンガー435、437、835および837がインターポーザー180の対応するスロットと係合するようにされている。図示したフィンガーとスロットとの組み合わせは例示のためのものであって、本発明はこれに限定されない。
【0078】
図1に戻って、図1は、コネクタ100は2つの取り付けクリップ190aおよび190bならびにシールド160もまた含むことを示している。取り付けクリップ190およびシールド160は上述のコネクタ100の構成要素と組み合わされて、複合的な配置を形成する。取り付けクリップ190およびシールド160は、コネクタ100の信号搬送要素を電磁的に遮蔽するように導電性であるとよい。取り付けクリップ190およびシールド160について以下に詳述する。
【0079】
図28は取り付けクリップ190bの実施形態を示す。図示した実施形態による取り付けクリップ190bは、(a)回路基板(例えば、基板2190または2180)の穴と係合するようにされたピン2860と、(b)エンドキャップ100のトング2430を受容するようにされたスロット2870とを含む。ピン2860は、上述の回路基板の穴と係合することによってクリップ190bを回路基板に接続させるよう作用する。ピン2860は導電性であり、接続先の回路基板の基平面に電気的および物理的に接続し得る。
【0080】
図29はクリップ190bおよびエンドキャップ199の分解図であり、図30はクリップ190bにエンドキャップ199が取り付けられた図である。図30に示すように、エンドキャップ199のトング2430はクリップ190bの対応するスロット2870と係合するようにされている。図示した他の締め付け手段と同様、本発明はトングおよび対応するスロットの使用に限定されない。
【0081】
次に図31は、シールド160の実施形態を示す。図示した実施形態によるシールド160は、インターポーザー180のスロットに嵌るようにされたフック3100を含む。図32はシールド160およびインターポーザー180の分解図である。図33はシールド160がインターポーザー180に接続されている図である。図33は、シールド160のフック3100がインターポーザー180のスロットにカチッと嵌って両者が機械的に接続する様子を示している。
【0082】
図34は、インターポーザー180およびクリップ190aを省略した組み立て後のコネクタの図である。図35および図36は、1つの実施形態による完全に組み立てられたコネクタ100の各々異なる図である。図35には、エンドキャップ199aおよび199b、シールド160、インターポーザー180aおよびクリップ190bが示されている。
【0083】
図36には、エンドキャップ199aおよび199b、インターポーザー180aおよび180bならびにクリップ190aおよび190bが示されている。クリップ190aは任意の通常の締め付け手段によって組み立て品全体に取り付けるとよく、また、例えば、組み立てられたコネクタ100をドーターボードに取り付けるためにピンまたは他の締め付け手段を備えることができる。
【0084】
別のインターポーザー180bおよびクリップ190aは、相互接続システムアセンブリの適用に依存して、インターポーザー180aおよびクリップ190bと同一であっても異なってもよい(または全く設けなくてもよい)。
【0085】
2つのインターポーザー180を互いに垂直であるように示したが、本発明はこれに限定されない。すなわち、適用によっては、2つのインターポーザー180の面は例えば45度の角度または他の角度であってもよい。従って、コネクタ100は「直角」コネクタである必要はない。
【0086】
図34〜図36から分かるように、相互接続システムアセンブリ全体が互いに結合し合って、プリント回路基板120上の導電体を完全に電磁的に遮蔽し得る剛直な構造体を形成する。
【実施例2】
【0087】
(パート2:例えばコンプライアントピンコネクタなどに関連する実施形態)
図37〜図46は本発明のいくつかの他の好適な実施形態を示す。特に、図37〜図46に示す実施態様は上述した実施形態に大体において類似しており、商業上の応用例も類似している。しかし、図37〜図46に示す実施形態は好ましくは、コンプライアントピン接続部を持つ2ピースコネクタを含む。
【0088】
図37〜図46に示す構成要素は、図1〜図36を参照して上述した実施形態のいずれかのコネクタにほぼ類似する改変コネクタ100内で用いることができる。上述の実施形態におけるように、改変コネクタ100は好ましくは、開口部の配列を有する2つのインターポーザー180−Cと、インターポーザーの開口部に挿入されるセル122−Cと、
導電体をその面に(例えば、プリントまたは他の方法で形成して)有する少なくとも1つのプリント回路基板120−Cと、複数のスペーサー110−C(例えば、図示したスペーサー110a−Cおよび110b−C)とを含む。さらに、いくつかの例示的な実施形態では、改変コネクタはまた、図37〜図46を参照して述べる構成要素を維持するための支持構造物、包囲構造物および/またはその他の構造物を含む。例えば、いくつかの例示的であって非限定的実施形態では、以下のもの、すなわちエンドキャップ対(例えば上述のものを参照、図37〜図46には示さず)、バックボーン(例えば上述のものを参照、図37〜図46には示さず)、シールド(例えば上述のものを参照、図37〜図46には示さず)およびエンドプレート対(例えば上述のものを参照、図37〜図46には示さず)のうちの1つ以上、好ましくはすべてを含む。上述の実施形態におけるように、典型的な構成では、改変コネクタ110は多数の回路基板およびスペーサーを含むことは当業者であれば理解されよう。
【0089】
しかし、上述の圧縮マウント方式の最も好適な実施形態は1ピース型のコネクタを含む一方で、圧入マウント方式の最も好適な実施形態は2ピース型のコネクタを含む。この点に関して、従来の2ピースコネクタでは、一方のコネクタ部分は典型的には永久または半永久的な取り付け具としてマザーボードに(例えば、通常はある形態の圧入取り付け法によって)接着され、コネクタの第2のコネクタ部分は、これもある種の圧入の仕組みを用いてドーターカードに取り付けられる。ドーターカードがカードケージに滑り込むと、マザーボード側の部分(「ヘッダ」)はドーターカード側の部分(「ソケット」)と係合する。
【0090】
完全なコネクタが例えばドーターカードに固定される1ピースコネクタとは異なり、以下に述べる好適な2ピースの実施形態では、構成要素は好ましくは以下のように取り付けられる。先ず、両インターポーザーをセル122−Cと前もって組み立てておく。次に、第1のインターポーザー180−Cをコネクタ本体(例えば、回路基板120−Cおよびスペーサー110−Cを含む)に、例えば、コネクタ本体にねじ込み、嵌め込みおよび/または他の何らかの方法で永久または半永久的に接着させることによって、取り付ける。次にこの組み立て品をドーターカードに(例えば、従来の2ピースコネクタのソケットと同様の方法で)圧入する。一方、第2のインターポーザーをマザーボードに(例えば、従来の2ピースコネクタのヘッダと同様の方法で)直接取り付ける。ドーターカードをカードケージに滑り込ませると2つのコネクタ部分間が接続されて、2つのコネクタ部分は互いに結ばれる(注:後に詳述するように、2つのコネクタ部分が互いに接続されると、セル122−C内のスロットが好ましくはプリント回路基板120−Cを定位置に誘導する助けをする)。好ましくは、ドーターカード側のインターポーザーをコネクタ本体に永久または半永久的に接着させるためには、ラッチメカニズムを配備して第1のインターポーザーをコネクタ本体に接続させる。しかし、好適な実施形態では、ドーターカードは必要に応じてマザーボードから外すことができ、この第2のインターポーザーとコネクタ本体との間にはラッチメカニズムは配備されない。
【0091】
図39は、特にプリント回路基板120−Cを示す側面斜視図である。図示した実施形態では、回路基板120−Cは大体において方形の形状である。図示するように、回路基板120−Cは、その面220−C上に1つ以上の導電体を備え得る。図示した実施形態では、基板120−Cは3本の導体201−C、202−C、203−Cおよび204−Cを面220−C上に備えている。各導体201−C〜204−Cは第1端部、第2端部、および第1端部と第2端部との間の中間部を有する。前述の導体におけるように、各導体の第1端部は、面220−Cの第1縁上のまたはこれに隣接した点に位置しており、各導体の第2端部は、面220−Cの第2縁上のまたはこれに隣接した点に位置している。前述の実施形態におけるように、構成は状況に応じて所望通りに変動させ得るが、多くの実施形態では、図示するように、面220−Cの第2縁は第1縁に対してほぼ垂直である
。
【0092】
前述の好適な実施形態におけるように、図39には示していないが、回路基板120−Cの反対側の面には対応する導電体が存在する。詳しくは、各導体201−C〜204−Cに対して、反対側の面にはこの導体の鏡像である対応する導体が存在する。この特徴は図42に示されている。図42は、両面に導体対を有する複数の回路基板120−Cの破断正面断面図である。
【0093】
上述のように、改変相互接続システム100を差動信号の伝送に用いると、導電体の1つと反対側の面のこれに対応する導電体とを合わせて利用して、差動信号の伝送に必要な2本のワイヤ均衡対を形成し得る。繰り返すと、好適な実施形態では、2本の導電体の長さは同一であるので、2本の導電体間にスキューはないはずである(スキューとは信号が2本の導電体を伝播するのに要する時間の差である)。
【0094】
改変コネクタ100が多数の回路基板120−Cを含む構成では、回路基板は好ましくは連続してほぼ平行に配置される。好ましくは、このような構成では、コネクタ100の各回路基板120−Cは2つのスペーサー110−C間に位置する(例えば、スペーサー110a−Cおよび110b−Cを参照、これらの各々はここでは総称して参照番号110−Cとしても示される)。
【0095】
図38は、本発明の1つの実施形態によるスペーサー110a−Cを含むコネクタ100の構成要素の側面斜視図である。図示するように、スペーサー110a−Cは好ましくは、その面420−C上に1つ以上の溝を備えている。図示した実施形態では、スペーサー110a−Cの面420−Cは3つの溝401−C、402−Cおよび403−Cを備えている。各溝401−C〜403−Cは、面420−Cの第1縁上またはその近くの点から面420−Cの第2縁上またはその近くの点まで延びている。
【0096】
図38に示すように、スペーサー110a−Cの第1および第2縁は好ましくは、溝の端部の各々に、セル122−C(後述)のハウジング1522−C(後述)を収容するようにされた複数の窪み110rを含む。各窪みは好ましくは面の縁上の点から、縁から短い距離だけ内側に間隔をあけた第2の点まで延びている。従って、図示した実施形態では、全ての溝の端部に窪みが存在する。各窪みは、図38に示すように各セル122−Cの一方の側を受容するように設計されている。
【0097】
図38には示していないが、図42に最もよく示すように、いくつかの好適な実施形態では、(例えば図1〜図36に示した実施形態を参照して上述したように)スペーサー110a−Cの反対側の面(図示せず)にも同様の溝および窪みが存在する。いくつかの好適な実施形態では、スペーサー110a−Cの第1面における溝の数はスペーサー110a−Cの第2面における溝の数より1つ少ない(または1つ多い)。しかしこれは必要条件ではない。様々な実施形態では、スペーサーおよびその上の溝の選択は、図1〜図36を参照して上述した実施形態のいずれかの場合と類似し得る。図1〜図36を参照して上述したように、例として、いくつかの実施形態では、スペーサー110a−Cの一方の面における溝の数は、スペーサーの反対側の面における溝の数より1つ少ない(または1つ多い)。
【0098】
例えば図4〜図6に示した上述の実施形態で述べたフィンガーの具現例におけるように、図37〜図46に示す実施形態は好ましくは、コネクタが完全に組み立てられると(例えば、2ピースコネクタの両コネクタ部分が上述のように互いに取り付けられると)インターポーザー180−C1および180−C2の対応する受容スロット1810−C(図38参照)内で延びるスペーサーフィンガー435−Cおよび/または437−Cを含む
(注:インターポーザーの各々は総称して参照番号180−Cとしても示される)。フィンガーは例えば図37、図38および図40に最もよく示される。図示するように、好適な実施形態では、スペーサー110−Cのうちの複数のもの、またはこれらのすべてが各々、少なくとも1つ、好ましくは2つの、第1インターポーザー180−C1と係合する突出フィンガーを、および/または少なくとも1つ、好ましくは2つの、第2インターポーザー180−C2と係合する突出フィンガーを含む。これらフィンガーは各々のインターポーザー内の各々の受容スロット内で係合する。中でも、このようなフィンガーおよびスロットの係合は、第1インターポーザーと(例えば、ドーターカードに取り付けられた)コネクタ本体とを組み立てるとき、および/または2ピースコネクタの2つの部分を互いに接続させるとき(例えば、ドーターカードをカードケージに滑り込ますとき)に、例えばプリント回路基板のアラインメントを容易にするなど、有利となり得る。
【0099】
図37〜図46には示していないが、いくつかの実施形態では、スペーサー110a−Cの各々は、その面上に配置されそこから外向きに突き出た、回路基板120−Cの各々の開口部内に嵌り込む1つ以上のボス(図示せず)を含むことができる。図1〜図36を参照して上述した実施形態におけるように、この特徴は、基板120−Cが隣接するスペーサー(例えば、スペーサー110a−Cおよび110b−C)に対して正しく位置合わせすることができる助けとなるために使用することができる。
【0100】
いくつかの例示的な実施形態では、各スペーサーは、スペーサー110−Cの正面の上の方に位置するフィンガー435−Cと、スペーサー110−Cの正面の底の方に位置するフィンガー437−Cとを含む。上述のように、類似したフィンガー435−Cおよび/または437−Cは、スペーサー110−Cをインターポーザー180−C1および/または180−C2に取り付けるときの助けとなるために使用することができる。詳しくは、いくつかの好適な実施形態では、インターポーザー180−C1および180−C2は共に、各々のスペーサーからの対応するフィンガー435−Cおよび437−Cを受容するための2つの垂直方向に整列した窪み1810−Cを含む。いくつかの実施形態では、フィンガーは、対応するインターポーザー内の対応する窪みにカチッとはまるかまたは圧入するのが可能なほどに十分に弾性がある突出部を含むことができる。
【0101】
図示してはいないが、図37〜図46に示す実施形態は、いくつかの例示するケースにおいては、類似のバックボーン150(さらに後に示す)に取り付けられる類似のスロット444および対応する構造物を含み得る。
【0102】
図42に示すように、いくつかの実施形態では、2つの異なるスペーサータイプ、110a−Cおよび110b−Cがコネクタ100内で交互に配置される。従って、いくつかの実施形態では、コネクタ100は2つのタイプのスペーサー、タイプA(すなわち110a−C)およびタイプB(すなわち110b−C)を含む。いくつかの実施形態では、これら2つのスペーサータイプは互いに類似するが同一ではない。他の実施形態では、2つより多いかまたは少ないタイプのスペーサーを用いてもよい。図1〜図36に示した実施形態を参照して上述したように、2つのスペーサータイプAおよびBは、例えば、隣接するプリント回路基板が、例えば図43に示すように導体を互い違いに配置させ得るようにするために用いることができる。従って、同様に、上述のように、プリント回路基板120−Cもまた、スペーサーと協働してこの関係を実現するために2つのタイプAおよびBを含むことができる。
【0103】
この点に関して、好適な実施形態では、複数のほぼ平行のプリント回路基板120−Cは、交互に配置されるスペーサータイプAおよびB,例えばスペーサー110a−Cおよび110b−Cの間に配置される。上述のように、これは図42において最もよく示されている。
【0104】
繰り返すが、図示してはいないが前記スペーサーのうちの1つのボスは、いくつかの実施形態では、各々の基板120−Cの開口部を通って、および前記スペーサーbのうちの別の1つの開口部を通って突き出る(例えば、上述の実施形態と同様)。特に、これはスペーサーと基板120との正しい位置合わせを容易にし、これによって図42に示すように基板120−Cの導体が各々スペーサーの溝と位置があうようにすることができる。
【0105】
加えて、上述の実施形態におけるように、この位置合わせによって、基板120−Cに配置された導電体を、基板120−Cと溝との間に閉じ込められた空気によって絶縁することができる。
【0106】
上述の実施形態におけるように、様々な実施形態では、スペーサー110−Cは、導電性材料により、または導電層により被覆される誘電性材料により製造され、プリント回路基板120−Cの導電体を電磁的に遮蔽するとよい。さらに、導電体とこれらに対応する溝との複合インピーダンスはそれらの寸法を変えることによって調整することができる。さらにまた、溝にテフロン(登録商標)などの誘電性材料の層を含ませて、その破壊電圧を調整すると共に、導電体とこれらに対応する溝との複合インピーダンスをさらに調整することができる。
【0107】
図42は、コネクタ100に多回路基板を用いるときのスペーサー110−Cと回路基板120−Cとの例示的な配置を示している。図示するように、基板120−Cとスペーサー110−Cとは連続してほぼ平行に揃えられ、各回路基板120−Cは2つのスペーサーの間に挟まれる。図示した例では、2つのタイプの回路基板AおよびBと、2つのタイプのスペーサーAおよびB(上述の通り)が存在する。Aタイプの回路基板は互いに同一であり、Bタイプの回路基板は互いに同一である。同様に、Aタイプのスペーサーは互いに同一であり、Bタイプのスペーサーは互いに同一である。これは大体において図12を参照して上述した実施形態と同様である。
【0108】
図42に示した実施形態では、スペーサー110−Cおよび基板120−Cは交互に並んで配置される。つまり、所与の2つのAタイプスペーサーの間にBタイプスペーサーが存在し、逆の場合も同様である。また、所与の2つのAタイプ基板の間にBタイプ基板が存在し、逆の場合も同様である。このように、Aタイプスペーサーは別のAタイプスペーサーに隣接せず、またAタイプ基板は別のAタイプ基板に隣接しない。従って、この例の構成では、各基板120−CはAタイプスペーサーとBタイプスペーサーとの間に配置される。
【0109】
例として、いくつかの実施形態では、各Bタイプ基板120−Cの各面は(例えば図39に示すように)3本の導体を持つ。図13を参照して上述したように、いくつかの実施形態では、AおよびBタイプ基板120−Cはほとんど同一である。1つの相違点は、各面の導体の数および面上の導体の並びである。いくつかの図示した実施形態では、Bタイプ基板はAタイプ基板より導電体が1つ少ない。
【0110】
上述のように、導体をずらすことの1つの利点は、特に、コネクタ内のクロストークを減らし得るということである。
【0111】
図42に示すように、各基板120−C上の各導体は、その導体に直ぐ隣接するスペーサー上の溝と位置が合っている。すなわち、各スペーサー110−C上の各溝は、隣接する基板120上の対応する導体に従うように設計されている。このように、各導体は対応する溝と位置が合っているため、導体とスペーサーとの間には空間がある。
【0112】
改変コネクタ100が完全に組み合わされると、基板120−C上の各導体は2つのコンタクト部材1530−C(図43に最もよく示されている)と物理的および電気的に接触する。これらコンタクト部材の各々はセル122−Cのハウジング1522−C内に含まれ、基板120−Cの両側のスペーサー内の対応する窪み110r内に位置する。詳しくは、各導体の第1端部が、第1コンタクト部材の接触部と物理的および電気的に接触し、各導体の第2端部が、第2コンタクト部材の接触部と物理的および電気的に接触する。そして、第1および第2コンタクト部材の接触部は各々導体の対応する端部とスペーサーとの間の空間内に置かれる。図43は導体の一方の端部に位置するこのようなコンタクト部材を示すが、好適な実施形態では、類似のコンタクト部材が導体の他方の端部にも設けられていることは理解されよう。各コンタクト部材は、コンタクト部材が接触する導体を、コネクタ100が取り付けられる回路基板上のトレースに電気的に接続するように作用する。
【0113】
さらに図43は、基板120−C上の各導体をコネクタ100が取り付けられる回路基板上の各トレースに電気的に接続するための、本発明の1つの実施形態によるコンタクト部材1530a−Cおよび1530b−Cを示す(注:コンタクト部材の各々はは総称して参照番号1530−Cとしても示される)。この部分断面図にはコンタクト部材の全長が示されているが、好適な実施形態では、一部はハウジング1522−C内に位置しているため、コンタクト部材の一部のみが露出されることは理解されよう。
【0114】
図43に示すように、コンタクト部材1530a−Cは、図15を参照して上述したのと同様の方法で導体(図示せず)の端部に接触する。いくつかの実施形態では、図39に示すように、導体の端部は中間部より広くして、各コンタクト部材の接触部を受容する表面積をより大きくすることができる。図43に示すように、コンタクト部材1530b−Cは大体においてコンタクト部材1530a−Cと同様であり、底部は同じくハウジング1522−C内に収容されている。
【0115】
図1〜図36に示した実施形態を参照して上述したハウジングのように、ハウジング1522−Cは好ましくは、プラスチックなどの電気絶縁性または誘電性材料により製造される。製造において、各ハウジング1522−Cの電気コンタクト1530−Cは製造中にハウジング内に配置するか、または後でハウジング内に嵌め込むことができる。
【0116】
コンタクト部材1530−Cは、適切な電気および機械特性を有する任意の材料を利用して一般に利用可能な手法によって製造するとよい。例えば、コンタクト部材は金メッキの鱗青銅などのラミネート材料により製造してもよい。これらの実施形態のコンタクト部材は好ましくはほぼ単体の構造であるとして図示しているが、多構成要素よりなるものであることも考えられる。
【0117】
スプリングを用いる上述の実施形態とは異なり、図37〜図46に示す実施形態の好適な具体例では、ハウジングは好ましくは、使用中はインターポーザーに対して(例えば、インターポーザーに圧入すること、および/または組み立てられると他の方法でインターポーザーに対して保持することによって)固定される。図37〜図46に示す実施形態では、ハウジング1522−Cとコンタクト部材1530−Cとの組み合わせをセル122−Cと呼ぶ。
【0118】
いくつかの好適な実施形態では、ハウジング1522−Cは、ハウジング1522−Cがインターポーザー内に実質的に固定して置かれるように構成されているのであれば、図15に示すものと大体において類似し得る。図41および図45に最もよく示すように、ハウジング1522−Cは、例えば、コンタクト部材1530−Cを受容するためのほぼ方形の開口部1522rを含み得る。開口部は、例えば図43に示すように、コンタクト
部材の近位端1641a−Cおよび1641b−Cがハウジング1522−Cの底面を越えて突き出ることができるように、ハウジングの上面から底面へと延びている。図45に示すように、いくつかの好適な実施形態では、ほぼ方形の開口部が、ハウジング1522−Cを貫通するほぼI形状の通路1522I内に設けられている。特に、ほぼI形状の通路1522Iを使用することで、例えばハウジング1522−Cの膨張能力を高めることによって、コンタクト部材のハウジング内への挿入を容易にすることができる。用語V形状と同様に、用語I形状は一般的に解釈され、正確にI形状である必要はなく、広い部分(例えば1522rなど)が別の部分を介して接続または実質的に接続されるような構成を包含する。
【0119】
図17に示した実施形態におけるように、いくつかの好適な実施形態による各コンタクト部材1530−Cは近位端1641−Cと遠位端1749−Cとを有する。これら好適な実施形態では、端部1641−Cと1749−Cとの間には基部1743−C、移行部1744−Cおよび接触部1745−Cが存在する。図示した実施形態では、基部1743−Cは、基部のほぼ全体がハウジング1522−C内にあるようハウジング内の開口部1522r内に配置され(すなわち、ハウジングの開口部1522r内に圧入および/または摩擦により係合される)、移行部1744−Cは基部に対して内側に傾けられ(すなわち、ハウジングの基板受容部内に移動可能に支持され)、そして遠位端1749−Cは移行部に対して外側に傾けられ従って導入部として作用する。
【0120】
好適な実施形態では、コンタクト部材の接触部は、物理的および電気的に接触する導体の端部に固定されていない。例えば、接触部は、基板120−Cの導体にはんだ付けをされることも他の方法で固定されることもない。代わりに、好適な実施形態では、各コンタクト部材は、カードエッジコネクタで用いられるものに類似する接続手段を用いて弾性または押圧の力によってその対応する導体に電気的に接続される。すなわち、コンタクト部材の接触部は好ましくは対応する導体の端部を押し付ける。特に、図37〜図46に示す実施形態の好適な具体例では、ハウジングはインターポーザーおよび基板に対して固定されるが、この接続形態は、特に、コンタクト部材とプリント回路基板120−Cの対応する導電体との間の良好な電気的な接続を確実にする助けとなり、例えば、プリント回路基板および/またはその他の位置合わせを容易にするなど、構成要素の製造および組み立てを容易にすることができる。
【0121】
図37〜図41に示すように、図18および図19に示した実施形態と同様に、各セル122−Cは、各インターポーザー180−Cの対応する開口部1811−Cに嵌り込むように設計されている。これらの図示した実施形態では、各インターポーザー180−Cは、第1の整列セットで配置されて第1の縦横配置を作る第1セットの開口部と、第2の整列セットとなるように配置されて第2の縦横配置を作る第2セットの開口部とを含む。これらの実施形態では、例えば図18〜図19を参照して上述した実施形態と同様の方法で、第2セットの各列は第1セットの2つの列の間に配置される。図示したように、第2セットの開口部同士は互いに揃っているが第1セットの開口部とは揃わないように、また逆の場合も同様となるように、第2の縦横配置は第1の縦横配置からずれている。
【0122】
図示した実施形態では、インターポーザー180−Cは、導電性材料により、または導電性材料により被覆される非導電性材料により製造することによって、プリント回路基板120の導電体を電磁的に遮蔽し得る。
【0123】
コネクタ100が完全に構築されると、第1および第2セットの各開口部は好ましくはセル122−Cを受容する。各セル1570のハウジング1522−Cは、所望であれば、図16に示したタブ1633に類似するタブであって、インターポーザー180−Cの対応する開口部内に設けられたスロットに嵌るようにされてセル122−Cが開口部へと
落ちるのを防ぐのを助けるタブを含むことができる。
【0124】
図46に最もよく示すように、いくつかの好適な実施形態では、ハウジング1522−Cは、2つの横方向に延びるタブ1633−Cを有するほぼT形状の構築物を含むことができる。さらに、インターポーザー180−Cは、複数の窪み1811−C間を延びる溝または窪み、例えば、図37、図40、図41および図44に示すような窪みの列に沿って延びる横方向の溝180gを含むことができる。
【0125】
しかし、ハウジングの構造は身近な状況に応じて選択することができ、好ましくは、使用中のインターポーザーの位置に対して確実に固定されるように構成され得る。セルおよび対応するインターポーザー開口部の特定の形状は単に例示のためであることは理解されたい。本発明はこれらの形状に限定されず、広い範囲の様々な形状を用い得る。
【0126】
図44に概略的に示すように、コネクタ100が使用中のときは、各コンタクト部材の近位端1641−Cの各々は、コネクタ100に接続される回路基板2190−C上の各々の導電要素に接触する。従って、好適な実施形態では、基板2190−Cからコネクタ100内の基板への少なくとも1つの電気信号経路がある。当業者には理解されるように、コネクタ100は基板2190からの多数の電気信号経路を提供することができ、各信号経路は2つのコンタクト部材1530−Cと基板120−C上の導体とを含む。
【0127】
図44に概略的に示すように、例えば図21〜図22に示した実施形態におけるように、各インターポーザー180a−Cおよび180b−Cはコネクタ100に接続される各回路基板と平行に配置され得る。詳しくは、インターポーザー180a−Cは第1回路基板(図44に示す基板2190−Cに類似)と平行に、およびインターポーザー180b−Cは別の回路基板(図44に示す基板2190−Cに類似)と平行に配置することができる。従って、このような実施形態では、インターポーザー180a−Cの一方の面は第1基板に面し、インターポーザー180b−Cの一方の面は第2の基板に面する。
【0128】
図22に示した実施形態と同様に、各コンタクト部材1530−Cの各近位端1641−Cは好ましくは回路基板2190−C上の各導電要素2194−Cに接触する。好適な実施形態では、各導電要素2194−Cは各コンタクト部材の近位端1641−Cを受容するための雌ソケットである。
【0129】
好適な実施形態では、コネクタ100はコンプライアントマウントコネクタであり、各近位端1641−Cは各々の雌ソケット内に嵌り込むピンを形成する。しかし、他の実施形態では、各要素2194−Cは、コンタクト部材を従順に受容することができるバイアまたは他の導電要素であってもよい。
【0130】
好適な実施形態では、基板2190−Cは、第1信号経路(例えば、第1トレース)と第2信号経路(例えば、第2トレース)とを含む差動信号経路を含む。図22に示した実施形態におけるように、第1要素2194−Cは第1信号経路に接続され、第2導電要素2194−Cは第2信号経路に接続される。第2回路基板(例えば、他方のインターポーザー近くのもの)もまた、同様の方法で、信号経路対に電機接続される、要素2194−Cのような導電要素対を有し得る。
【0131】
図37〜図41を参照して、各セル122−Cは各々のインターポーザー180−Cの開口部に挿入される。いくつかの実施形態では、セル122−Cの各コンタクト部材1530−Cの遠位端は各々のインターポーザーの上面を越えて延び(図38〜図39および図43〜図44参照)、各コンタクト部材の近位端1641−Cは各々のインターポーザーの底面を越えて延びる(図37、図40および図41参照)。上述のように、完全に組
み立てられると、インターポーザー180−Cは各基板(例えば、マザーボードおよびドーターボードなど)に面しこれとほぼ平行となる。例として、図42は、基板2190−Cに面しこれとほぼ平行であるインターポーザー180−Cを示す。
【0132】
コンタクト部材1530−Cの端部1641−Cが対応する要素2194−C内で押し付けられると、要素によって生じる通常の力がコンタクト部材に加えられる。使用中はコンタクト部材1530−Cはハウジングに対して固定して置かれ、またハウジングはインターポーザーに対して固定して置かれているため、コンタクト部材は要素2194−Cに容易に従属的に接続することができる。
【0133】
上述のように、いくつかの実施形態では、図37〜図46に示した装置は、図1〜図36を参照して上述したバックボーン150と同様の細長いバックボーンに取り付けられるように構成することができる。さらに、改変コネクタ100はまた、上述のエンドキャップ100aおよび100bと同様の2つのエンドキャップを含み、各々が例えばバックボーン150の各端部に取り付けられるように設計することができる。図1〜図36を参照して上述した実施形態におけるように、エンドキャップおよびスペーサーは共に、電磁的な遮蔽を与えるために導電性材料で覆われたプラスチックなどの絶縁性材料により製造するか、または全体を例えば金属などの導電性材料により製造することができる。いくつかの実施形態では、バックボーン、エンドキャップおよび関連する構造物に関する様々な特徴は、図1〜図36を参照して上述したものと同様であり得る。しかし、好適な2ピースコネクタの実施形態では、インターポーザーのうちの1つをコネクタ本体に接続しておく一方で、第2のインターポーザーを、上述のようにドーターカードがカードケージに挿入されるとコネクタ本体と接続され得る第2のコネクタ部分として、コネクタ本体から離しておくために、配慮がなされ得る。
【0134】
さらに、いくつかの実施形態では、改変コネクタ100はまた、上述の取り付けクリップ190aおよび190bと同様の1つ以上の取り付けクリップ、および上述のシールド160と同様のシールドを含むように構成することができる。図1〜図36に示した実施形態を参照して上述したように、いくつかの実施形態では、取り付けクリップおよびシールドは、コネクタ100の上述の部分と組み合わせて、複合配置を形成することができる。上述のように、いくつかの実施形態では、取り付けクリップおよびシールドは、コネクタ100の信号搬送要素を電磁的に遮蔽するように導電性であるとよい。いくつかの実施形態では、取り付けクリップおよびシールドに関連する様々な特徴は、図1〜図36を参照して上述したものと同様であり得る。しかし、好適な2ピースコネクタの実施形態では、ここでも、インターポーザーのうちの1つをコネクタ本体に接続しておく一方で、第2のインターポーザーを、上述のようにドーターカードがカードケージに挿入されるとコネクタ本体と接続され得る第2のコネクタ部分として、コネクタ本体から離しておくために、配慮がなされ得る。
【0135】
図1〜図36を参照して上述した実施形態におけるように、2つの例示したインターポーザー180a−Cおよび180b−Cは互いにほぼ垂直であるとして示されているが、本発明はこれに限定されない。すなわち、適用によっては、2つのインターポーザー180の面は例えば45度の角度または他の角度であってもよい。従って、改変コネクタ100は「直角」コネクタである必要はない。
【0136】
図1〜図36を参照して上述した実施形態におけるように、いくつかの実施形態では、両コネクタ部分が組み立てられた状態で互いに取り付けられると、相互接続システム全体は好ましくは、プリント回路基板120−C上の導電体が電磁的に遮蔽され得る実質的に剛直な構造体を形成する。
【0137】
図38、図39、図43、図44および図46に示すように、いくつかの実施形態では、ハウジング122−Cはプリント回路基板の縁を受容するようにされた受容スロット122sを含むように形成される。この点に関して、図39はプリント回路基板120−Cが複数のハウジング内に受容されるものとして示している。好ましくは、図39、43および44に示すように、ハウジングはインターポーザー180−C内から突出し、受容スロット122sはハウジング内をインターポーザーの表面近くまで延びて、これにより基板120−Cはインターポーザーの表面、または実質的に表面まで移動することができる。いくつかの実施形態では、ハウジング122−Cは、プリント回路基板120−Cの挿入を容易にするようにスロット122sの1つ以上の面に縁122iから傾斜または面取りを入れることができる。
【0138】
図38、図39、図43、図44および図46に示すように、ハウジングは好ましくは、上述の部分1744−C、1745−Cおよび1749−Cを含むコンタクト部材の柔軟な端部を受容するようにされた内部チャネル122cを含む。
【0139】
好適な実施形態では、インサートを装填したインターポーザーを提供することができる(すなわち、ここではセル122−Cを、インターポーザーに挿入されるインサートと呼ぶ)。さらに、好適な実施形態では、製造中にコンタクトは好ましくはこれら「インサート」に予め組み入れられる。例えば、いくつかの実施形態では、コンタクトを、例えばコンタクトを図46に示す矢印A1の方向に押すことによって、これら誘電性またはプラスチック製の「インサート」に押し込むことができる。次に「インサート」を、例えば、セルを図46に示す矢印A2の方向に押すことによって、インターポーザーに装填することができる。さらに、上述のように、スペーサーは好ましくはこれら「インサート」を収容する窪み110rを含む。
【0140】
さらに、上述のように、組み立て時、これら「インサート」は、本質的に、例えばセル122−Cのスロット122s(および場合によっては傾斜縁122i)によって、プリント回路基板のためのガイドとして作用することができる。このようにして、好適な実施形態は、特に、プリント回路基板がコンタクトに対して確実に正しい位置となるのを助ける。このようにして、プリント回路基板との接触を実現することに関連してこれまでに直面している問題を実質的に減らすことができる。加えて、これらの実施形態はまた、(例えば、コンタクトをハウジングから外側に延ばすのではなくハウジング1522−C内に閉じ込めることによって)、組み立て中にエラーが生じると問題を引き起こす恐れのあるオーバーストレスからコンタクトを保護することができる。上述のように、この構造体は、例えばコネクタ本体に接続される第1インターポーザーを有する第1コネクタ部分の組み立て、および2ピースコネクタを用いてドーターカードがマザーボードに接続されるときの第2コネクタ部分のコネクタ本体との接続の両方において有利であり得る。
【0141】
いくつかの好適な適用では、ここで述べる実施形態は、例えば、2.5GBPSより高い、または実施形態によっては5GBPSより高い、もしくは実施形態によっては約10GBPSまでの、さらには実施形態によっては10GBPSより高い、超高速、高密度の差動応用例のために設計され得る。いくつかの例示的な実施形態では、コネクタは直線インチ当たり25対より多い差動信号対、または実施形態によっては直線インチ当たり35対より多い差動信号対、もしくは実施形態によっては直線インチ当たり45対より多い差動信号対を含む。
【0142】
いくつかの例示的であって非限定的実施形態では、装置は、以下の寸法サイズ、すなわち、a)基板間距離(図42において参照番号0.080で示す)約0.080インチ、b)スペーサー溝深さ(図42において参照番号0.039で示す)約0.039インチ、c)スペーサー溝幅(図42において参照番号0.044で示す)約0.044インチ
、d)スペーサー溝互い違い間隔距離(図42において参照番号0.094で示す)約0.094インチ、e)ハウジング1522−Cの深さ距離(図43において参照番号0.24で示す)約0.24インチ、f)ハウジング1522−Cの幅距離(図43において参照番号0.13で示す)約0.13インチ、g)コンタクトピン延長距離(図43において参照番号0.04で示す)約0.04インチ、およびh)コンタクトピン間隔距離(図43において参照番号0.06で示す)約0.06インチ、のうちの少なくともいくつかまたは好ましくはすべてを有する構成要素含むことができる。
【0143】
いくつかの好適な実施形態では、コンタクトの近位端1641a−Cおよび1641b−Cは、図37、図40および図41に示した構成に実質的に類似する構成を有するように形成することができる。この点に関して、図41に示す拡大図を参照すると、ピンはここではvピン形状と呼ばれる形状で形成することができる。このようなvピン形状では、ピンは(図示するように)ほぼV形断面で形成される。本開示では、用語vピン形状および/またはv形は、u形の形状、および基部から延びる2つのアーム部分を持つ他の形状を包含する一般的な用語である。この用語は、アームが互いに対してある角度で外側に延びることを包含するが、こうである必要はなく、平行なアーム、内側に傾いたアームおよび/または他のバリエーションをも包含する。
【0144】
いくつかの例示的な実施形態では、v形状は、例えば鋳造、冷間成形、鍛造、プレス成形などの成形手法によって実現することができる。いくつかの例示的な実施形態では、v形状の成形では、コンタクト部材は先ずほぼ平坦な部材(例えば、約千分の20インチの厚さであり得る)から成形し、次にコンタクト部材をさらにプレスまたはスタンピングを行って減厚の(例えば、約千分の4インチの厚さであり得る)端部を形成する。次に適切な成形および/または他の手法を用いて減厚端部を折り曲げることによってv形を付与することができる。
【0145】
このようなvピン形状について述べたが、他の実施形態では様々な他のピン形状を用い得ることは考えられる。本発明の他の実施形態では、実質的に任意の適切な断面形状を持つピンを用いることができる。さらに、例示したピンはいくつかの例示的実施形態ではほぼ一定の断面形状をもつが(すなわち、例示した例では前面の面取り部分以外では)、他の実施形態では、不連続なまたは他の様々な断面形状のピンを持つことができる。
【0146】
さらに、いくつかの好適な実施形態では、直径が約0.025インチより小さい、または実施形態によっては約0.020インチより小さい、もしくは実施形態によっては約0.018インチ以下のコンプライアント部を有するコンプライアントピンを製造することができる。
【0147】
例えば図1〜図36を参照して上述した圧縮マウントコネクタの実施形態とは異なり、コンプライアントマウントコネクタは、例えば、圧縮コンタクトの共面性、ラッチ強さおよび精度の問題に関連した、ならびに圧縮マウント接続において安定した界面を維持するために係合界面に垂直な軸で必要とされる制御に関連したいくつかの障害を避けることができるという利点がある。
【0148】
コンプライアントピンは様々な他の高速相互接続において広く用いられているが、ここで述べる実施形態は現在のシステムを大幅に改良したものである。例えば、コンプライアント機能のサイズおよび配線により、現在のシステムは典型的には、例えばインピーダンス不連続およびクロストークなどの性能上の問題を抱えている。これに対して、ここで述べる好適な実施形態は、コンプライアントピン終端の性能のプリント回路基板に対する調整を向上させることができる。特に、上述のように、好適な実施形態では、コネクタは、特に高程度のクロストーク絶縁を促進し得る空間的な関係を有するブロードサイド結合伝
送ラインを用いる。
【0149】
上記に本発明の様々な実施形態/変形例について述べたが、これらは単なる例示として示されるものであって限定するものでないことは理解されたい。従って、本発明の広さおよび範囲は上述の例示的な実施形態の何れによっても限定されるものではなく、以下に述べる請求の範囲およびそれらの等価物によってのみ定義されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0150】
【図1】本発明の実施形態の例によるコネクタの展開図である。
【図2】本発明の実施形態によるプリント回路基板の図である。
【図3】図2に示したプリント回路基板の正面図である。
【図4】本発明の実施形態の例によるスペーサーの斜視図である。
【図5】図4に示したスペーサーの第1面の平面図である。
【図6】図4に示したスペーサーの第2面の平面図である。
【図7】図4に示したスペーサーの正面図である。
【図8】第2のスペーサーの第1面の平面図である。
【図9】第2のスペーサーの第2面の平面図である。
【図10】2つのスペーサーに挟まれた回路基板よりなる装置の斜視図である。
【図11】図10に示した装置の正面図である。
【図12】本発明の実施形態の例による多回路基板および多スペーサーの配置を示す図である。
【図13】本発明の実施形態による回路基板の第1面の平面図である。
【図14】Aタイプ回路基板上の導体の整列がBタイプ回路基板上の導体の整列とどのように違うかを示す図である。
【図15】本発明の1つの実施形態によるコンタクト部材を示す図である。
【図16】本発明の1つの実施形態によるセルを示す図である。
【図17】本発明の1つの実施形態によるセルを示す図である。
【図18】セルがインターポーザーの開口部に嵌り込むようにされ得ることを示す図である。
【図19】セルがインターポーザーの開口部に嵌り込むようにされ得ることを示す図である。
【図20】インターポーザーの対応するノッチに挿入されるスペーサーのフィンガーを示す図である。
【図21】1つの実施形態による、基板120に対する、ならびに基板2190および2180に対するインターポーザー180の配置を示す図である。
【図22】コネクタ100の実施形態の断面図である。
【図23】バックボーン150の実施形態を示す図である。
【図24】エンドキャップ199の実施形態を示す図である。
【図25】バックボーン150およびエンドキャップ199の分解図である。
【図26】バックボーン150およびエンドキャップ199を組み立てた図である。
【図27】バックボーン150に接続されたスペーサーの図である。
【図28】取り付けクリップ190bの実施形態を示す図である。
【図29】クリップ190bおよびエンドキャップ199の分解図である。
【図30】エンドキャップ199が取り付けられたクリップ190bの図である。
【図31】シールド160の実施形態を示す図である。
【図32】シールド160およびインターポーザー180の分解図である。
【図33】インターポーザー180に接続されているシールド160の図である。
【図34】インターポーザー180およびクリップ190aを省略した、組み立てられたコネクタの図である。
【図35】図35ではセルなしで、図36では2つのセルと共に組み立てられた、1つの実施形態によるコネクタ100の各々異なる図である。
【図36】図35ではセルなしで、図36では2つのセルと共に組み立てられた、1つの実施形態によるコネクタ100の各々異なる図である。
【図37】インサートを装填したインターポーザー、スペーサーなどを含む、本発明のいくつかの例示的な他の実施形態によるコネクタの例示的な構成要素の正面斜視図である。
【図38】コネクタの例示的な構成要素、特にインサートを装填したインターポーザーおよびスペーサーを示す、図37に示した矢印38の方向に後方右側から見た側面斜視図である。
【図39】コネクタの例示的な構成要素、特にプリント回路基板を示す、図37に示した矢印39の方向に後方右側から見た側面斜視図である。
【図40】図37の一部の拡大図であって、インターポーザーに装填した複数のセルまたはインサートの拡大図を示す図である。
【図41】図37の一部をさらに拡大した図であって、インターポーザーに装填したセルまたはインサートのうちの1つの拡大図を示す図である。
【図42】コネクタの電気構成要素がマザーボードまたはドーターカードのフットプリントに対応するときのこれらの空間的な関係を示す概略図であって、例えば、複数のほぼ平行なプリント回路基板およびスペーサーを装備したコネクタを示す図である。
【図43】図37に示した装填したインターポーザーの一部を、図42に示したラインA−Aによって示されるような方向に取られた後方断面図の概略を示す図である。
【図44】本発明のいくつかの好適な実施形態によるインターポーザー内に装填するためのセルまたはインサートの平面図である。
【図45】図44に示したセルまたはインサートの最前部の図である。
【図46】図44に示したセルまたはインサートの正面斜視図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
相互接続システムであって、
第1回路基板であって、(a)第1差動相互接続経路と、(b)前記第1回路基板の表面の第1ソケットと、(c)同じく前記第1回路基板の前記表面の第2ソケットとを備えた第1回路基板であって、前記第1差動相互接続経路は、前記第1ソケットに電気的に接続された第1信号経路と前記第2ソケットに電気的に接続された第2信号経路とを備えている、第1回路基板と、
第2差動相互接続経路を備えた第2回路基板と、
前記第1差動相互接続経路を前記第2差動相互接続経路と電気的に接続させるコネクタであって、
第1面と前記第1面とは反対側の第2面とを有するインターポーザーであって、前記第1面は前記第1回路基板の前記表面に面しており、前記インターポーザーの前記第1面から前記インターポーザーの前記第2面まで延びる開口部の配列を含む、インターポーザーと、
前記インターポーザーの前記第2面に隣接する端部を有する第1導体と、
前記第1導体とほぼ平行であり長さがほぼ等しい第2導体であって、同じく前記インターポーザーの前記第2面に隣接する端部を有する第2導体と、
前記第1導体と前記第2導体との間に配置される誘電材料と、
前記開口部の配列内に位置する複数のセルであって、各々が第1の細長いコンタクト部材と第2の細長いコンタクト部材とを支持するハウジングを含むセルと、
導体接触部と基板接触部と前記導体接触部と前記基板接触部との間の中間部とを有する前記第1の細長いコンタクト部材のうちの第1コンタクト部材であって、前記導体接触部は前記第1導体の前記端部と物理的に接触し、前記基板接触部は前記第1ソケットと物理的に接触し且つ従順に係合し、そして前記中間部の少なくとも一部は前記ハウジングのうちの第1ハウジングと係合する、前記第1の細長いコンタクト部材のうちの第1コンタクト部材と、
導体接触部と基板接触部と前記導体接触部と前記基板接触部との間の中間部とを有する前記第2の細長いコンタクト部材のうちの第1のコンタクト部材であって、前記導体接触部は前記第2導体の前記第1端部と物理的に接触し、前記基板接触部は前記第2ソケットと物理的に接触し且つ従順に係合し、そして前記中間部の少なくとも一部は前記ハウジングのうちの前記第1ハウジングと係合する、前記第2の細長いコンタクト部材のうちの第1コンタクト部材と、を備えたコネクタと、
を備えた相互接続システム。
【請求項2】
前記ハウジングは誘電性材料により製造される、請求項1に記載の相互接続システム。
【請求項3】
前記ハウジングは誘電性材料により製造され、前記インターポーザーは導電性材料により製造されるかまたは導電性材料により被覆される、請求項1に記載の相互接続システム。
【請求項4】
前記インターポーザーは金属により製造される、請求項3に記載の相互接続システム。
【請求項5】
前記第1導体と前記第2導体との間に配置される前記誘電性材料は、第1面と第2面とを有する第3の回路基板を構成する、請求項1に記載の相互接続システム。
【請求項6】
前記第1導体は前記第3の回路基板の前記第1面に配置され、前記第2導体は前記第3の回路基板の前記第2面に配置される、請求項5に記載の相互接続システム。
【請求項7】
前記第3の回路基板は第1スペーサーと第2スペーサーとの間に挟まれる、請求項6に
記載の相互接続システム。
【請求項8】
前記第1スペーサーはその第1面に溝を持ち、前記溝は前記第1導体と位置が合いまたこれを反映する、請求項7に記載の相互接続システム。
【請求項9】
前記第1スペーサーは前記スペーサーを前記インターポーザーに取り付けるための少なくとも1つのフィンガーを有する、請求項7に記載の相互接続システム。
【請求項10】
前記インターポーザーは前記少なくとも1つのフィンガーを受容するための少なくとも1つの窪みを有する、請求項9に記載の相互接続システム。
【請求項11】
前記第2スペーサーはその第1面に溝を持ち、前記溝は前記第2導体と位置が合いまたこれを反映する、請求項8に記載の相互接続システム。
【請求項12】
前記ハウジングのうちの前記第1ハウジングは、前記第3の回路基板を受容するようにされたスロットを含む、請求項1に記載の相互接続システム。
【請求項13】
前記ハウジングのうちの前記第1ハウジングはさらに、前記第1および第2の細長いコンタクト部材の前記導体接触部を受容するようにされたチャネルを含む、請求項12に記載の相互接続システム。
【請求項14】
前記導体接触部は前記チャネル内に柔軟に収容され、また前記チャネルは前記第1および第2の細長いコンタクト部材の各々の遠位端を越えて延びる、請求項13に記載の相互接続システム。
【請求項15】
前記基板接触部は約0.04インチより小さい直径のピンを含む、請求項1に記載の相互接続システム。
【請求項16】
前記基板接触部は約0.03インチより小さい直径のピンを含む、請求項1に記載の相互接続システム。
【請求項17】
前記基板接触部は約0.02インチより小さい直径のピンを含む、請求項1に記載の相互接続システム。
【請求項18】
前記ハウジングは約0.3インチより小さい幅を有する、請求項1に記載の相互接続システム。
【請求項19】
前記ハウジングは約0.2インチより小さい幅を有する、請求項1に記載の相互接続システム。
【請求項20】
前記ハウジングは約0.15インチより小さい幅を有する、請求項1に記載の相互接続システム。
【請求項21】
前記コネクタは約5GBPSより高い差動応用例をサポートする、請求項1に記載の相互接続システム。
【請求項22】
前記コネクタは約10GBPSより高い差動応用例をサポートする、請求項1に記載の相互接続システム。
【請求項23】
高速および高密度の差動応用例のためのインターポーザーアセンブリであって、
a)第1面と前記第1面とは反対側の第2面とを有するインターポーザーを備え、
b)前記インターポーザーは、前記インターポーザーの前記第1面から前記インターポーザーの前記第2面まで延びる開口部の配列を含み、
c)前記開口部の配列内に位置する複数のセルであって、各々が第1の細長いコンタクト部材と第2の細長いコンタクト部材とを支持するハウジングを含む、セルを備え、
d)前記インターポーザーは導電性材料により製造されるかまたは導電性材料により被覆されており、
e)前記ハウジングは誘電性材料により製造され、
f)導体接触部と基板接触部と前記導体接触部と前記基板接触部との間の中間部とを有する前記第1の細長いコンタクト部材のうちの第1コンタクト部材であって、前記導体接触部は第1導体に取り付けられずに加圧接触を行うようにされ、前記基板接触部は約0.04インチより小さい直径を有するコンプライアントピンを含み、そして前記中間部の少なくとも一部は前記ハウジングのうちの第1ハウジングと係合する、前記第1の細長いコンタクト部材のうちの第1コンタクト部材を備え、そして
g)導体接触部と基板接触部と前記導体接触部と前記基板接触部との間の中間部とを有する前記第2の細長いコンタクト部材のうちの第1コンタクト部材であって、前記導体接触部は第2導体に取り付けられずに加圧接触を行うようにされ、前記基板接触部は約0.04インチより小さい直径を有するコンプライアントピンを含み、そして前記中間部の少なくとも一部は前記ハウジングのうちの第1ハウジングと係合する、前記第2の細長いコンタクト部材のうちの第1コンタクト部材を備えた、
インターポーザーアセンブリ。
【請求項24】
前記ハウジングのうちの前記第1ハウジングは、前記インターポーザーにほぼ垂直に位置する回路基板の縁を受容するようにされたスロットを含む、請求項23に記載のインターポーザーアセンブリ。
【請求項25】
前記ハウジングのうちの前記第1ハウジングはさらに、前記第1および第2の細長いコンタクト部材の前記導体接触部を受容するようにされたチャネルを含む、請求項24に記載のインターポーザーアセンブリ。
【請求項26】
前記導体接触部は前記チャネル内に柔軟に収容され、また前記チャネルは前記第1および第2の細長いコンタクト部材の各々の遠位端を越えて延びる、請求項25に記載のインターポーザーアセンブリ。
【請求項27】
前記ピンは約0.03インチより小さい直径を有する、請求項23に記載のインターポーザーアセンブリ。
【請求項28】
前記ピンは約0.02インチより小さい直径を有する、請求項23に記載のインターポーザーアセンブリ。
【請求項29】
前記ハウジングは各々約0.3インチより小さい幅を有する、請求項23に記載のインターポーザーアセンブリ。
【請求項30】
前記ハウジングは各々約0.2インチより小さい幅を有する、請求項23に記載のインターポーザーアセンブリ。
【請求項31】
前記アセンブリは約5GBPSより高い差動応用例をサポートする、請求項23に記載のインターポーザーアセンブリ。
【請求項32】
前記アセンブリは約10GBPSより高い差動応用例をサポートする、請求項23に記
載のインターポーザーアセンブリ。
【請求項33】
第1回路基板上の信号経路を第2回路基板上の信号経路と電気的に接続する高速および高密度の差動応用例のためのコネクタであって、
a)第1面と前記第1面とは反対側の第2面とを有するインターポーザーを備え、
b)前記インターポーザーは、前記インターポーザーの前記第1面から前記インターポーザーの前記第2面まで延びる開口部の配列を含み、
c)前記開口部の配列内に位置する複数のセルであって、各々が第1の細長いコンタクト部材と第2の細長いコンタクト部材とを支持するハウジングを含む、セルを備え、
d)前記インターポーザーは導電性材料により製造されるかまたは導電性材料により被覆されており、
e)前記ハウジングは誘電性材料により製造され、
f)前記インターポーザーにほぼ垂直に延びる複数の回路基板を備え、
g)前記回路基板間に複数のスペーサーを備え、そして
h)前記ハウジングは各々前記回路基板の各々の縁を受容するようにされたスロットを含む、
コネクタ。
【請求項34】
前記第1および第2の細長いコンタクト部材は、前記回路基板上の各導体を押し付けるリーフスプリングを含む、請求項33に記載のコネクタ。
【請求項35】
前記回路基板は複数の信号導体を含み、また前記回路基板の1つの第1面に配置された信号導体の数は、第2の回路基板の第1面に配置された信号導体の数と同じではない、請求項33に記載のコネクタ。
【請求項36】
前記第1の回路基板の第2面に配置された信号導体の数は、前記第2の回路基板の第1面に配置された信号導体の数より1つ少ないかまたは1つ多い、請求項35に記載のコネクタ。
【請求項37】
各ハウジングは前記インターポーザーの少なくとも1つの対応するスロットと係合するようにされた少なくとも1つのタブを含む、請求項33に記載のシステム。
【請求項38】
隣接する回路基板同士の前記導体は、前記隣接するプリント回路基板同士の前記導体間の距離を大きくするように互い違いに配置される、請求項35に記載のシステム。
【請求項39】
前記複数のスペーサーを受容するようにされたスロットを含むバックボーンをさらに備えた、請求項33に記載のシステム。
【請求項40】
前記インターポーザーの1つを収容するようにされたエンドプレートをさらに備えた、請求項33に記載のシステム。
【請求項41】
前記システムの2つの面を覆うようにされたシールドプレートをさらに備えた、請求項33に記載のシステム。
【請求項42】
コネクタを製造する方法であって、
a)インターポーザーであって、前記インターポーザーの第1面から前記インターポーザーの第2面へと延びる開口部の配列を有し、導電性材料により製造されるかまたは導電性材料により被覆されるインターポーザーを提供することと、
b)各々が第1の細長いコンタクト部材と第2の細長いコンタクト部材とを支持するハウジングであって、各々が誘電性材料により製造され、また各々が各回路基板の縁を受容
するようにされたスロットを有するハウジングを含む、複数のセルを提供することと、
c)複数のプリント回路基板を、前記プリント回路基板の縁が前記ハウジングの前記スロットの各々の中に受容されるように、また前記第1および第2の細長いコンタクト部材が前記プリント回路基板の両面の各々の導体と係合するように、前記インターポーザーに対してほぼ垂直であって前記インターポーザーに向かう方向に移動させることと、
を包含する方法。
【請求項43】
前記第1および第2の細長いコンタクト部材は、前記スロットに挿入されると前記プリント回路基板によってずらされるリーフスプリング部を前記第1および第2の細長いコンタクト部材に配備することによって、前記プリント回路基板の両面の各々の導体に係合する、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
複数のスペーサーを、前記スペーサーから延びる突出部を前記インターポーザーの係合する窪みへと挿入することによって、前記プリント回路基板の間で位置合わせをすることをさらに包含する、請求項42に記載の方法。
【請求項45】
外側に延びるタブが前記インターポーザーの各々のスロット内に受容されるまで、前記ハウジングを前記インターポーザーへと挿入することをさらに包含する、請求項42に記載の方法。
【請求項46】
前記ハウジングのうちの第1ハウジングは前記第1および第2の細長いコンタクト部材の導体接触部を受容するようにされたチャネルをさらに含む、請求項42に記載の方法。
【請求項47】
前記導体接触部は前記チャネル内に柔軟に収容され、また前記チャネルは前記第1および第2の細長いコンタクト部材の各々の遠位端を越えて延びる、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記第1および第2の細長いコンタクト部材は約0.03インチより小さい直径のコンプライアントピンを含む、請求項42に記載の方法。
【請求項49】
前記ピンは約0.02インチより小さい直径を有する、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記ハウジングは約0.3インチより小さい幅を有する、請求項42に記載の方法。
【請求項51】
前記ハウジングは約0.2インチより小さい幅を有する、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記コネクタは約5GBPSより高い差動応用例をサポートするようにされる、請求項42に記載の方法。
【請求項53】
前記コネクタは約10GBPSより高い差動応用例をサポートするようにされる、請求項52に記載の方法。
【請求項1】
相互接続システムであって、
第1回路基板であって、(a)第1差動相互接続経路と、(b)前記第1回路基板の表面の第1ソケットと、(c)同じく前記第1回路基板の前記表面の第2ソケットとを備えた第1回路基板であって、前記第1差動相互接続経路は、前記第1ソケットに電気的に接続された第1信号経路と前記第2ソケットに電気的に接続された第2信号経路とを備えている、第1回路基板と、
第2差動相互接続経路を備えた第2回路基板と、
前記第1差動相互接続経路を前記第2差動相互接続経路と電気的に接続させるコネクタであって、
第1面と前記第1面とは反対側の第2面とを有するインターポーザーであって、前記第1面は前記第1回路基板の前記表面に面しており、前記インターポーザーの前記第1面から前記インターポーザーの前記第2面まで延びる開口部の配列を含む、インターポーザーと、
前記インターポーザーの前記第2面に隣接する端部を有する第1導体と、
前記第1導体とほぼ平行であり長さがほぼ等しい第2導体であって、同じく前記インターポーザーの前記第2面に隣接する端部を有する第2導体と、
前記第1導体と前記第2導体との間に配置される誘電材料と、
前記開口部の配列内に位置する複数のセルであって、各々が第1の細長いコンタクト部材と第2の細長いコンタクト部材とを支持するハウジングを含むセルと、
導体接触部と基板接触部と前記導体接触部と前記基板接触部との間の中間部とを有する前記第1の細長いコンタクト部材のうちの第1コンタクト部材であって、前記導体接触部は前記第1導体の前記端部と物理的に接触し、前記基板接触部は前記第1ソケットと物理的に接触し且つ従順に係合し、そして前記中間部の少なくとも一部は前記ハウジングのうちの第1ハウジングと係合する、前記第1の細長いコンタクト部材のうちの第1コンタクト部材と、
導体接触部と基板接触部と前記導体接触部と前記基板接触部との間の中間部とを有する前記第2の細長いコンタクト部材のうちの第1のコンタクト部材であって、前記導体接触部は前記第2導体の前記第1端部と物理的に接触し、前記基板接触部は前記第2ソケットと物理的に接触し且つ従順に係合し、そして前記中間部の少なくとも一部は前記ハウジングのうちの前記第1ハウジングと係合する、前記第2の細長いコンタクト部材のうちの第1コンタクト部材と、を備えたコネクタと、
を備えた相互接続システム。
【請求項2】
前記ハウジングは誘電性材料により製造される、請求項1に記載の相互接続システム。
【請求項3】
前記ハウジングは誘電性材料により製造され、前記インターポーザーは導電性材料により製造されるかまたは導電性材料により被覆される、請求項1に記載の相互接続システム。
【請求項4】
前記インターポーザーは金属により製造される、請求項3に記載の相互接続システム。
【請求項5】
前記第1導体と前記第2導体との間に配置される前記誘電性材料は、第1面と第2面とを有する第3の回路基板を構成する、請求項1に記載の相互接続システム。
【請求項6】
前記第1導体は前記第3の回路基板の前記第1面に配置され、前記第2導体は前記第3の回路基板の前記第2面に配置される、請求項5に記載の相互接続システム。
【請求項7】
前記第3の回路基板は第1スペーサーと第2スペーサーとの間に挟まれる、請求項6に
記載の相互接続システム。
【請求項8】
前記第1スペーサーはその第1面に溝を持ち、前記溝は前記第1導体と位置が合いまたこれを反映する、請求項7に記載の相互接続システム。
【請求項9】
前記第1スペーサーは前記スペーサーを前記インターポーザーに取り付けるための少なくとも1つのフィンガーを有する、請求項7に記載の相互接続システム。
【請求項10】
前記インターポーザーは前記少なくとも1つのフィンガーを受容するための少なくとも1つの窪みを有する、請求項9に記載の相互接続システム。
【請求項11】
前記第2スペーサーはその第1面に溝を持ち、前記溝は前記第2導体と位置が合いまたこれを反映する、請求項8に記載の相互接続システム。
【請求項12】
前記ハウジングのうちの前記第1ハウジングは、前記第3の回路基板を受容するようにされたスロットを含む、請求項1に記載の相互接続システム。
【請求項13】
前記ハウジングのうちの前記第1ハウジングはさらに、前記第1および第2の細長いコンタクト部材の前記導体接触部を受容するようにされたチャネルを含む、請求項12に記載の相互接続システム。
【請求項14】
前記導体接触部は前記チャネル内に柔軟に収容され、また前記チャネルは前記第1および第2の細長いコンタクト部材の各々の遠位端を越えて延びる、請求項13に記載の相互接続システム。
【請求項15】
前記基板接触部は約0.04インチより小さい直径のピンを含む、請求項1に記載の相互接続システム。
【請求項16】
前記基板接触部は約0.03インチより小さい直径のピンを含む、請求項1に記載の相互接続システム。
【請求項17】
前記基板接触部は約0.02インチより小さい直径のピンを含む、請求項1に記載の相互接続システム。
【請求項18】
前記ハウジングは約0.3インチより小さい幅を有する、請求項1に記載の相互接続システム。
【請求項19】
前記ハウジングは約0.2インチより小さい幅を有する、請求項1に記載の相互接続システム。
【請求項20】
前記ハウジングは約0.15インチより小さい幅を有する、請求項1に記載の相互接続システム。
【請求項21】
前記コネクタは約5GBPSより高い差動応用例をサポートする、請求項1に記載の相互接続システム。
【請求項22】
前記コネクタは約10GBPSより高い差動応用例をサポートする、請求項1に記載の相互接続システム。
【請求項23】
高速および高密度の差動応用例のためのインターポーザーアセンブリであって、
a)第1面と前記第1面とは反対側の第2面とを有するインターポーザーを備え、
b)前記インターポーザーは、前記インターポーザーの前記第1面から前記インターポーザーの前記第2面まで延びる開口部の配列を含み、
c)前記開口部の配列内に位置する複数のセルであって、各々が第1の細長いコンタクト部材と第2の細長いコンタクト部材とを支持するハウジングを含む、セルを備え、
d)前記インターポーザーは導電性材料により製造されるかまたは導電性材料により被覆されており、
e)前記ハウジングは誘電性材料により製造され、
f)導体接触部と基板接触部と前記導体接触部と前記基板接触部との間の中間部とを有する前記第1の細長いコンタクト部材のうちの第1コンタクト部材であって、前記導体接触部は第1導体に取り付けられずに加圧接触を行うようにされ、前記基板接触部は約0.04インチより小さい直径を有するコンプライアントピンを含み、そして前記中間部の少なくとも一部は前記ハウジングのうちの第1ハウジングと係合する、前記第1の細長いコンタクト部材のうちの第1コンタクト部材を備え、そして
g)導体接触部と基板接触部と前記導体接触部と前記基板接触部との間の中間部とを有する前記第2の細長いコンタクト部材のうちの第1コンタクト部材であって、前記導体接触部は第2導体に取り付けられずに加圧接触を行うようにされ、前記基板接触部は約0.04インチより小さい直径を有するコンプライアントピンを含み、そして前記中間部の少なくとも一部は前記ハウジングのうちの第1ハウジングと係合する、前記第2の細長いコンタクト部材のうちの第1コンタクト部材を備えた、
インターポーザーアセンブリ。
【請求項24】
前記ハウジングのうちの前記第1ハウジングは、前記インターポーザーにほぼ垂直に位置する回路基板の縁を受容するようにされたスロットを含む、請求項23に記載のインターポーザーアセンブリ。
【請求項25】
前記ハウジングのうちの前記第1ハウジングはさらに、前記第1および第2の細長いコンタクト部材の前記導体接触部を受容するようにされたチャネルを含む、請求項24に記載のインターポーザーアセンブリ。
【請求項26】
前記導体接触部は前記チャネル内に柔軟に収容され、また前記チャネルは前記第1および第2の細長いコンタクト部材の各々の遠位端を越えて延びる、請求項25に記載のインターポーザーアセンブリ。
【請求項27】
前記ピンは約0.03インチより小さい直径を有する、請求項23に記載のインターポーザーアセンブリ。
【請求項28】
前記ピンは約0.02インチより小さい直径を有する、請求項23に記載のインターポーザーアセンブリ。
【請求項29】
前記ハウジングは各々約0.3インチより小さい幅を有する、請求項23に記載のインターポーザーアセンブリ。
【請求項30】
前記ハウジングは各々約0.2インチより小さい幅を有する、請求項23に記載のインターポーザーアセンブリ。
【請求項31】
前記アセンブリは約5GBPSより高い差動応用例をサポートする、請求項23に記載のインターポーザーアセンブリ。
【請求項32】
前記アセンブリは約10GBPSより高い差動応用例をサポートする、請求項23に記
載のインターポーザーアセンブリ。
【請求項33】
第1回路基板上の信号経路を第2回路基板上の信号経路と電気的に接続する高速および高密度の差動応用例のためのコネクタであって、
a)第1面と前記第1面とは反対側の第2面とを有するインターポーザーを備え、
b)前記インターポーザーは、前記インターポーザーの前記第1面から前記インターポーザーの前記第2面まで延びる開口部の配列を含み、
c)前記開口部の配列内に位置する複数のセルであって、各々が第1の細長いコンタクト部材と第2の細長いコンタクト部材とを支持するハウジングを含む、セルを備え、
d)前記インターポーザーは導電性材料により製造されるかまたは導電性材料により被覆されており、
e)前記ハウジングは誘電性材料により製造され、
f)前記インターポーザーにほぼ垂直に延びる複数の回路基板を備え、
g)前記回路基板間に複数のスペーサーを備え、そして
h)前記ハウジングは各々前記回路基板の各々の縁を受容するようにされたスロットを含む、
コネクタ。
【請求項34】
前記第1および第2の細長いコンタクト部材は、前記回路基板上の各導体を押し付けるリーフスプリングを含む、請求項33に記載のコネクタ。
【請求項35】
前記回路基板は複数の信号導体を含み、また前記回路基板の1つの第1面に配置された信号導体の数は、第2の回路基板の第1面に配置された信号導体の数と同じではない、請求項33に記載のコネクタ。
【請求項36】
前記第1の回路基板の第2面に配置された信号導体の数は、前記第2の回路基板の第1面に配置された信号導体の数より1つ少ないかまたは1つ多い、請求項35に記載のコネクタ。
【請求項37】
各ハウジングは前記インターポーザーの少なくとも1つの対応するスロットと係合するようにされた少なくとも1つのタブを含む、請求項33に記載のシステム。
【請求項38】
隣接する回路基板同士の前記導体は、前記隣接するプリント回路基板同士の前記導体間の距離を大きくするように互い違いに配置される、請求項35に記載のシステム。
【請求項39】
前記複数のスペーサーを受容するようにされたスロットを含むバックボーンをさらに備えた、請求項33に記載のシステム。
【請求項40】
前記インターポーザーの1つを収容するようにされたエンドプレートをさらに備えた、請求項33に記載のシステム。
【請求項41】
前記システムの2つの面を覆うようにされたシールドプレートをさらに備えた、請求項33に記載のシステム。
【請求項42】
コネクタを製造する方法であって、
a)インターポーザーであって、前記インターポーザーの第1面から前記インターポーザーの第2面へと延びる開口部の配列を有し、導電性材料により製造されるかまたは導電性材料により被覆されるインターポーザーを提供することと、
b)各々が第1の細長いコンタクト部材と第2の細長いコンタクト部材とを支持するハウジングであって、各々が誘電性材料により製造され、また各々が各回路基板の縁を受容
するようにされたスロットを有するハウジングを含む、複数のセルを提供することと、
c)複数のプリント回路基板を、前記プリント回路基板の縁が前記ハウジングの前記スロットの各々の中に受容されるように、また前記第1および第2の細長いコンタクト部材が前記プリント回路基板の両面の各々の導体と係合するように、前記インターポーザーに対してほぼ垂直であって前記インターポーザーに向かう方向に移動させることと、
を包含する方法。
【請求項43】
前記第1および第2の細長いコンタクト部材は、前記スロットに挿入されると前記プリント回路基板によってずらされるリーフスプリング部を前記第1および第2の細長いコンタクト部材に配備することによって、前記プリント回路基板の両面の各々の導体に係合する、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
複数のスペーサーを、前記スペーサーから延びる突出部を前記インターポーザーの係合する窪みへと挿入することによって、前記プリント回路基板の間で位置合わせをすることをさらに包含する、請求項42に記載の方法。
【請求項45】
外側に延びるタブが前記インターポーザーの各々のスロット内に受容されるまで、前記ハウジングを前記インターポーザーへと挿入することをさらに包含する、請求項42に記載の方法。
【請求項46】
前記ハウジングのうちの第1ハウジングは前記第1および第2の細長いコンタクト部材の導体接触部を受容するようにされたチャネルをさらに含む、請求項42に記載の方法。
【請求項47】
前記導体接触部は前記チャネル内に柔軟に収容され、また前記チャネルは前記第1および第2の細長いコンタクト部材の各々の遠位端を越えて延びる、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記第1および第2の細長いコンタクト部材は約0.03インチより小さい直径のコンプライアントピンを含む、請求項42に記載の方法。
【請求項49】
前記ピンは約0.02インチより小さい直径を有する、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記ハウジングは約0.3インチより小さい幅を有する、請求項42に記載の方法。
【請求項51】
前記ハウジングは約0.2インチより小さい幅を有する、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記コネクタは約5GBPSより高い差動応用例をサポートするようにされる、請求項42に記載の方法。
【請求項53】
前記コネクタは約10GBPSより高い差動応用例をサポートするようにされる、請求項52に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【公表番号】特表2007−531964(P2007−531964A)
【公表日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−520396(P2006−520396)
【出願日】平成16年7月19日(2004.7.19)
【国際出願番号】PCT/US2004/023096
【国際公開番号】WO2005/011061
【国際公開日】平成17年2月3日(2005.2.3)
【出願人】(506400801)ウィンチェスター・エレクトロニクス・コーポレイション (4)
【氏名又は名称原語表記】WINCHESTER ELECTRONICS CORPORATION
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年7月19日(2004.7.19)
【国際出願番号】PCT/US2004/023096
【国際公開番号】WO2005/011061
【国際公開日】平成17年2月3日(2005.2.3)
【出願人】(506400801)ウィンチェスター・エレクトロニクス・コーポレイション (4)
【氏名又は名称原語表記】WINCHESTER ELECTRONICS CORPORATION
【Fターム(参考)】
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