説明

高香味オルニチン入り無アルコール麦芽飲料

【課題】アルコール分を実質的に含まないアルコール飲料風味の無アルコール麦芽飲料にオルニチン健康機能を付与し、しかも、無アルコール麦芽飲料の優れた香味を保持したオルニチン入り無アルコール麦芽飲料、及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明は、オルニチン入り無アルコール麦芽飲料の製造に際して、オルニチン原料として、オルニチン塩酸塩、オルニチンアスパラギン酸塩を併用し、かつ、オルニチン塩酸塩及びオルニチンアスパラギン酸塩のオルニチン換算合計重量に対するオルニチン塩酸塩のオルニチン換算の重量の割合が20%以上となるように併用することにより、オルニチン健康機能の付与と無アルコール麦芽飲料の優れた香味を保持したオルニチン入り無アルコール麦芽飲料を製造する。本発明において、オルニチン塩酸塩及びオルニチンアスパラギン酸塩と共に、有機酸を添加して、製品pHを調整することができる。該添加する有機酸としては、リンゴ酸、グルコン酸、及びフィチン酸から選択される1又は2以上の有機酸が挙げられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オルニチン健康機能の付与と無アルコール麦芽飲料の優れた香味を保持したオルニチン入り無アルコール麦芽飲料、及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、飲料の多様化から、アルコール飲料から派生して、アルコール含量が1%未満のアルコール飲料風味を有するノンアルコール発酵飲料が開発されている。アルコール含量が1%未満であるノンアルコール発酵飲料は、種々の方法で製造されており、例えば、製造過程において発酵性糖類の発酵を極力抑制する方法、特殊な酵母を利用してアルコール生成を抑制する方法、アルコール飲料の製造後蒸去によりアルコール分を1%未満とする方法、アルコール飲料の製造後透析によりアルコール分を1%未満とする方法、アルコール飲料を非対称型逆浸透膜を用いて処理し、アルコール分を1%未満とする方法等が知られている。
【0003】
また、最近では、ビール製造における仕込み工程において、α−グルコシダーゼを添加して、糖化液中の発酵性糖類を非発酵性糖類に変換し、発酵飲料の製造における発酵工程における生成アルコール濃度を低減してノンアルコールビールのようなノンアルコール発酵飲料を製造する方法が開示されている(特開平5−68528号公報)。これら、開示されているノンアルコール発酵飲料は、いずれもアルコール分が1%未満に調整されているが、その製造にはいずれの場合も、製造工程での発酵が行われていることから、アルコール分を実質的に含まないアルコール飲料風味の無アルコール飲料というものにはなっていない。
【0004】
一方で、近年の健康志向の高まりから、飲食品についても健康飲食品の開発が進められ、そのための健康機能を有する各種の成分が開示されている。そのような健康機能を有する成分としてオルニチンが知られている。オルニチンの健康機能としては、以前より各種のものが知られている。例えば、抗疲労効果(WO2004/078171)、血中アルコール濃度低減効果(WO2007/023931)、睡眠改善の効果(特開2006−342148号公報)、血流改善効果(WO2007/049628)、筋肉量増加効果(WO2007/077995)等様々な生理機能が知られており、該成分を各種飲食品に添加して、或いは、通常は、錠剤化することにより健康食品等として利用に供されてきた。
【0005】
オルニチンはそのままではアルカリ性を呈し使いづらいことから、飲食品原料として、オルニチン塩酸塩として販売されている。しかしながらオルニチン塩酸塩では、水溶液となった際に塩化物イオン濃度が高くなるという問題があり、一定濃度を超えた場合タンクや配管などの製造設備や缶容器に対して腐食などの悪影響を与えたり、乳製品に添加すると塩味を感じてしまうという問題もあって、オルニチンアスパラギン酸塩としての利用が行われている。オルニチンアスパラギン酸塩を使用すると、塩化物イオンを含まないため、オルニチン塩酸塩のような問題はないが、オルニチンアスパラギン酸塩固有の異味があるため、オルニチンアスパラギン酸塩含有乳製品を製造すると嗜好性が低下してしまうという問題がある。
【0006】
そこで、オルニチン等のアミノ酸やペプチドの異風味を低減する方法も開示されている。例えば、特公平3−47829号公報には、イソロイシンや、ロイシン、リジン、オルニチン等のアミノ酸と、糖類とを褐変反応のない条件下で含有させ、かつ、カカオ或いはコーヒー風味を付与させて苦味に対する抵抗感を低減させた食品組成物が、特開2009−118743号公報には、キサンタンガム、グアーガムのような増粘剤と、ポリ−γ−グルタミン酸とを含有させたアミノ酸の苦みの抑制方法が開示されている。
【0007】
以上のように、近年の健康志向の高まりから、飲食品にオルニチンを添加して、オルニチンの健康機能を飲食品に付与する試みがなされており、その場合に起こるオルニチン等のアミノ酸やペプチドの異風味を低減する方法も開示されている。しかし、今までにノンアルコールのような麦芽飲料において、オルニチン等を用いて、健康機能を付与する試みや、その場合に制約となる問題を解決した飲料の提案は見当たらない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特公平3−47829号公報。
【特許文献2】特開平5−68528号公報。
【特許文献3】特開2006−342148号公報。
【特許文献4】特開2009−118743号公報。
【特許文献5】WO2004/078171。
【特許文献6】WO2007/023931。
【特許文献7】WO2007/049628。
【特許文献8】WO2007/077995。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の課題は、アルコール分を実質的に含まないアルコール飲料風味の無アルコール麦芽飲料にオルニチン健康機能を付与し、しかも、無アルコール麦芽飲料の優れた香味を保持したオルニチン入り無アルコール麦芽飲料、及びその製造方法を提供することにある。特に、無アルコール麦芽飲料にオルニチン健康機能を付与し、酸味・うまみがビール様飲料として調和し、ビール様の香味を有すると共に、pH調整剤やオルニチン由来の呈味が低減されているオルニチン入り無アルコール麦芽飲料、及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
無アルコールのような麦芽飲料に、オルニチンを添加して健康機能の付与を行なおうとすると、添加したオルニチン素材により、麦汁のpHや麦汁緩衝能力が上昇し、食品衛生法に基づく過度の殺菌条件が必要になることや、またこれを回避するためにpHを調整すると、酸味強度が上昇し、飲料としての味覚を失うという問題を生じる。また、添加するオルニチン素材によって、飲料に過剰な旨味を付与したり、オルニチン素材の異風味が付与されたりして、飲料としての味覚上問題となる。
【0011】
そこで、本発明者は、このような無アルコール麦芽飲料にオルニチンを添加する際に起こる問題を解決し、無アルコール麦芽飲料にオルニチン健康機能を付与し、しかも、無アルコール麦芽飲料の優れた香味を保持したオルニチン入り無アルコール麦芽飲料を製造すべく鋭意検討する中で、オルニチン原料として、オルニチン塩酸塩及びオルニチンアスパラギン酸塩を用い、両者を特定の重量比で飲料に添加することにより、オルニチン添加による麦汁のpHや麦汁緩衝能力の上昇、及びオルニチン素材の添加による異風味の付与を回避し、オルニチン健康機能の付与と無アルコール麦芽飲料の優れた香味を保持したオルニチン入り無アルコール麦芽飲料を製造することができることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
本発明は、オルニチン入り無アルコール麦芽飲料の製造に際して、オルニチン原料として、オルニチン塩酸塩、オルニチンアスパラギン酸塩を併用し、かつ、オルニチン塩酸塩及びオルニチンアスパラギン酸塩のオルニチン換算合計重量に対するオルニチン塩酸塩のオルニチン換算の重量の割合が20%以上となるように併用することにより、オルニチン健康機能の付与と無アルコール麦芽飲料の優れた香味を保持したオルニチン入り無アルコール麦芽飲料を製造することからなる。本発明においては、オルニチン塩酸塩及びオルニチン塩酸塩の使用量の重量比は、オルニチンに換算した重量で示している。
【0013】
すなわち、無アルコール麦芽飲料にオルニチンの健康を付与する試みの中で、添加したオルニチン素材が麦汁pHや麦汁緩衝能力を上昇させる点が大きな問題となる。また、例えばオルニチンアスパラギン酸塩などは、アスパラギン酸を50%含んでいるため、オルニチンと共にアスパラギン酸の濃度が高くなり、旨み成分が過剰となって、嫌な後味に繋がるという問題がある。つまり、次の二つの問題がある。(1)麦汁緩衝能力が高くなる点、(2)過剰な旨み成分により嫌な後味につながる点。そこで、(1)の麦汁緩衝能力が高くなる点については、具体的に次の点が問題となる。すなわち、無アルコール飲料は、飲料の扱いとなるため食品衛生法に基づき(厚生省告示第213号)、pH4.0未満の麦汁は65℃×10分又はこれと同等以上条件の殺菌が必要となり、pH4.0〜4.6の麦汁であれば85℃×30分又はこれと同等以上の条件の殺菌が必要となる。特に殺菌設備の制約上あるいは殺菌にかかるエネルギーコストなどの観点から、製品pH4.0未満の設計を選択した場合、有機酸等で製品pHを大きく下げる必要があり強烈な酸味が問題となる。
【0014】
上記のように、pHを調整した場合に、通常の無アルコール麦芽飲料においても酸味が強烈となるが、オルニチン素材を用いることでpHが上昇した製品では、更に、酸味強度が増すため、飲用に耐える製品を作製するのは非常に困難となる。そこでpHを上昇させないオルニチン素材であるオルニチン塩酸塩を用いると有機酸の使用量は低減できる一方、オルニチン塩酸塩由来の塩化物イオン濃度が高くなり、製造設備や最終製品の缶資材等を腐食させるリスクが高まる。解決策としてオルニチン塩酸塩と、他のオルニチン素材を併用することで、オルニチン塩酸塩由来の塩化物イオン濃度を低減することができる。
【0015】
また、過剰な旨み成分により嫌な後味につながる点については、次のような解決策により対応することを考慮した。すなわち、例えばオルニチンアスパラギン酸塩を用いる場合、使用量によってはアスパラギン酸由来の旨みが強くなり、嫌な後味につながる。そこで、オルニチン塩酸塩は旨みにつながるような物質を含んでいないため、過剰な旨み低減のためにも、オルニチン塩酸塩の使用比率をある程度まで高めると効果を得ることができる。
【0016】
以上のように、オルニチン塩酸塩とオルニチンアスパラギン酸塩を併用することで、オルニチン塩酸塩由来の塩化物イオン濃度を低減し、また麦汁pHも高めない最適な麦汁を作成することができることを見い出した。更に、オルニチンアスパラギン酸塩などオルニチン以外のアミノ酸を含有するオルニチン素材を併用する際は、オルニチン塩酸塩比率を高めることで過剰なうまみを低減することができ、香味上優れたオルニチン入りの無アルコール麦芽飲料を提供することに成功した。
【0017】
本発明において、オルニチン塩酸塩及びオルニチンアスパラギン酸塩の配合量は、無アルコール麦芽飲料の製品あたり、オルニチンとして少なくとも0.05重量%以上であることが好ましい。また、本発明において、オルニチンアスパラギン酸塩の配合量は、500ppm以下とすることが好ましい。
【0018】
また、本発明においては、オルニチン入り無アルコール麦芽飲料の製造に際して、オルニチン原料として、オルニチン塩酸塩及びオルニチンアスパラギン酸塩を併用すると共に、有機酸を添加して、製品pHを調整することができる。該添加する有機酸としては、リンゴ酸、グルコン酸、及びフィチン酸から選択される1又は2以上の有機酸が挙げられる。該有機酸を添加して、製品のpHをpH3.80未満に調整することが好ましい。なお、添加する有機酸としては、上記有機酸と共に、他の有機酸、例えば、乳酸等との併用を行うこともできる。
【0019】
有機酸の添加量と、オルニチン塩酸塩及びオルニチンアスパラギン酸塩の使用量の重量比との関係について、例えば、リンゴ酸の添加量が、麦汁当たり0.058〜0.078%v/vの場合は、使用したオルニチン塩酸塩及びオルニチンアスパラギン酸塩のオルニチン換算合計重量に対する、オルニチン塩酸塩のオルニチン換算の重量の割合が80%以上であり、好ましくはオルニチン塩酸塩及びオルニチン塩酸塩の使用量の重量比がオルニチン塩酸塩:アスパラギン酸塩=80:20であることが好ましい。
【0020】
また、グルコン酸の添加量が、麦汁当たり0.145〜0.24%v/vの場合には、使用したオルニチン塩酸塩及びオルニチンアスパラギン酸塩のオルニチン換算合計重量に対するオルニチン塩酸塩のオルニチン換算の重量の割合が60%以上であり、好ましくはオルニチン塩酸塩及びオルニチン塩酸塩の使用量の重量比がオルニチン塩酸塩:アスパラギン酸塩=60:40〜80:20であり、更に好ましくはオルニチン塩酸塩:アスパラギン酸塩=60:40である。また、フィチン酸の添加量が、麦汁当たり0.03〜0.06%v/vの場合には、使用したオルニチン塩酸塩及びオルニチンアスパラギン酸塩のオルニチン換算合計重量に対するオルニチン塩酸塩のオルニチン換算重量の割合が20%以上であり、好ましくはオルニチン塩酸塩及びオルニチン塩酸塩の使用量の重量比がオルニチン塩酸塩:アスパラギン酸塩=20:80〜80:20であり、更に好ましくはオルニチン塩酸塩:アスパラギン酸塩=20:80〜60:40である。
【0021】
本発明における無アルコール麦芽飲料は、実質的にアルコールを含まない麦芽飲料であり、該無アルコール麦芽飲料として、例えば、麦汁調製工程、麦汁煮沸工程、煮沸麦汁の低温処理工程、及び吸着処理による麦汁フレーバー除去工程による、麦汁の非発酵工程によって製造され、その無アルコール麦芽飲料の製造において発酵工程を経ないで製造される無アルコール麦芽飲料を挙げることができる。
【0022】
本発明は、本発明の無アルコール麦芽飲料の製造方法によって製造された、オルニチン健康機能の付与と無アルコール麦芽飲料の優れた香味を保持したオルニチン入り無アルコール麦芽飲料を包含する。
【0023】
すなわち、具体的には本発明は、(1)オルニチン入り無アルコール麦芽飲料の製造に際して、オルニチン原料として、オルニチン塩酸塩、オルニチンアスパラギン酸塩を併用し、かつ、オルニチン塩酸塩及びオルニチンアスパラギン酸塩のオルニチン換算合計重量に対するオルニチン塩酸塩のオルニチン換算の重量の割合が20%以上であることを特徴とするオルニチン健康機能の付与と無アルコール麦芽飲料の優れた香味を保持したオルニチン入り無アルコール麦芽飲料の製造方法や、(2)使用したオルニチン塩酸塩及びオルニチンアスパラギン酸塩のオルニチン換算合計重量に対するオルニチン塩酸塩のオルニチン換算の重量の割合が60%以上であることを特徴とする上記(1)記載のオルニチン健康機能の付与と無アルコール麦芽飲料の優れた香味を保持したオルニチン入り無アルコール麦芽飲料の製造方や、(3)使用したオルニチン塩酸塩及びオルニチンアスパラギン酸塩のオルニチン換算合計重量に対するオルニチン塩酸塩のオルニチン換算の重量の割合が80%以上であることを特徴とする上記(2)記載のオルニチン健康機能の付与と無アルコール麦芽飲料の優れた香味を保持したオルニチン入り無アルコール麦芽飲料の製造方法や、(4)オルニチン塩酸塩及びオルニチンアスパラギン酸塩の配合量が、無アルコール麦芽飲料の製品あたり、オルニチンとして少なくとも0.05重量%以上であることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれか記載のオルニチン健康機能の付与と無アルコール麦芽飲料の優れた香味を保持したオルニチン入り無アルコール麦芽飲料の製造方法や、(5)オルニチンアスパラギン酸塩の配合量を、500ppm以下とすることを特徴する上記(1)〜(4)のいずれか記載のオルニチン健康機能の付与と無アルコール麦芽飲料の優れた香味を保持したオルニチン入り無アルコール麦芽飲料の製造方法からなる。
【0024】
また、本発明は、(6)オルニチン入り無アルコール麦芽飲料の製造に際して、オルニチン原料として、オルニチン塩酸塩及びオルニチンアスパラギン酸塩を併用すると共に、有機酸を添加して、製品pHを調整することを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれか記載のオルニチン健康機能の付与と無アルコール麦芽飲料の優れた香味を保持したオルニチン入り無アルコール麦芽飲料の製造方法や、(7)添加する有機酸が、少なくともリンゴ酸、グルコン酸、及びフィチン酸から選択される1又は2以上の有機酸であることを特徴とする上記(6)記載のオルニチン健康機能の付与と無アルコール麦芽飲料の優れた香味を保持したオルニチン入り無アルコール麦芽飲料の製造方法や、(8)有機酸を添加しての製品pHの調整が、製品pH3.80未満に調整するものであることを特徴とする上記(6)又は(7)記載のオルニチン健康機能の付与と無アルコール麦芽飲料の優れた香味を保持したオルニチン入り無アルコール麦芽飲料の製造方法や、(9)リンゴ酸の使用量が、麦汁当たり0.058〜0.078%v/vであり、オルニチン塩酸塩及びオルニチンアスパラギン酸塩のオルニチン換算合計重量に対するオルニチン塩酸塩のオルニチン換算の重量の割合が20%以上であることを特徴とする上記(6)又は(7)記載のオルニチン健康機能の付与と無アルコール麦芽飲料の優れた香味を保持したオルニチン入り無アルコール麦芽飲料の製造方法や、(10)グルコン酸の使用量が、麦汁当たり0.145〜0.24%v/vであり、オルニチン塩酸塩及びオルニチンアスパラギン酸塩のオルニチン換算合計重量に対するオルニチン塩酸塩のオルニチン換算の重量の割合が40%以上であることを特徴とする上記(6)又は(7)記載のオルニチン健康機能の付与と無アルコール麦芽飲料の優れた香味を保持したオルニチン入り無アルコール麦芽飲料の製造方法からなる。
【0025】
更に、本発明は、(11)フィチン酸の使用量が、麦汁当たり0.03〜0.06%v/vであり、オルニチン塩酸塩及びオルニチンアスパラギン酸塩のオルニチン換算合計重量に対するオルニチン塩酸塩のオルニチン換算の重量の割合が80%以上であることを特徴とする上記(6)又は(7)記載のオルニチン健康機能の付与と無アルコール麦芽飲料の優れた香味を保持したオルニチン入り無アルコール麦芽飲料の製造方法や、(12)無アルコール麦芽飲料が、麦汁の非発酵工程によって製造されたものであることを特徴とする上記(1)〜(11)のいずれか記載のオルニチン健康機能の付与と無アルコール麦芽飲料の優れた香味を保持したオルニチン入り無アルコール麦芽飲料の製造方法や、(13)上記(1)〜(12)のいずれか記載の無アルコール麦芽飲料の製造方法によって製造されたオルニチン健康機能の付与と無アルコール麦芽飲料の優れた香味を保持したオルニチン入り無アルコール麦芽飲料や、(14)オルニチンを0.05重量%以上0.2重量%含むことを特徴とするオルニチン健康機能の付与と無アルコール麦芽飲料の優れた香味を保持したオルニチン入り無アルコール麦芽飲料からなる。
【発明の効果】
【0026】
本発明は、アルコール分を実質的に含まないアルコール飲料風味の無アルコール麦芽飲料において、オルニチン健康機能を付与し、しかも、無アルコール麦芽飲料の優れた香味を保持したオルニチン入り無アルコール麦芽飲料を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明は、オルニチン入り無アルコール麦芽飲料の製造に際して、オルニチン原料として、オルニチン塩酸塩、オルニチンアスパラギン酸塩を併用し、かつ、オルニチン塩酸塩及びオルニチンアスパラギン酸塩のオルニチン換算合計重量に対するオルニチン塩酸塩のオルニチン換算の重量の割合が20%以上となるように併用することにより、オルニチン健康機能の付与と無アルコール麦芽飲料の優れた香味を保持したオルニチン入り無アルコール麦芽飲料の製造方法からなる。
【0028】
本発明において、オルニチン健康機能を付与する無アルコール麦芽飲料は、その調製過程において、発酵工程を含まず、実質的にアルコールを含まない麦芽飲料として調製される。該無アルコール麦芽飲料の製造は、例えば、麦汁調製工程、麦汁煮沸工程、煮沸麦汁の低温処理工程、及び吸着処理による麦汁フレーバー除去工程による、麦汁の非発酵工程によって製造される無アルコール麦芽飲料を挙げることができる。以下に、該無アルコール麦芽飲料の製造について説明する。
【0029】
(麦汁の調製)
まず、麦汁を調製する。この工程は、常法により、例えば(a)麦芽粉砕物、副原料及び水の混合物を、糖化及び濾過して、糖度4〜14%の麦汁を得る工程、(b)得られた麦汁にホップを添加した後、煮沸する工程、ついで、(c)煮沸した麦汁を冷却する工程を行うことにより得ることができる。
【0030】
(a)麦芽粉砕物は、大麦、例えば二条大麦を、常法により発芽させ、これを乾燥後、所定の粒度に粉砕したものであれば良い。副原料としては、例えば、米、コーンスターチ、コーングリッツ、糖類などが挙げられる。また水の品質も場合によっては、得られる製品のテクスチャー(のどごし)や風味・味覚に影響するであろうが、本発明の効果が奏される限り特に限定されない。ここで、上記混合物中における麦芽粉砕物、副原料および水の割合は適宜決定することができる。また、このような混合物の糖化および濾過は常法により行うことができる。
【0031】
(b)上述のようにして得られた麦汁にホップを添加した後、煮沸するのが良い。これによりホップの風味・香気を煮出することができる。また、煮沸後、沈殿により生じたたん白質などの粕を除去することが好ましい。
【0032】
(c)ついで、煮沸した麦汁を冷却する。この冷却は、麦汁が凍らない程度の極力低い温度、通常、1〜5℃まで冷却するのが望ましい。
【0033】
(d)このように得られた麦汁に、麦汁フレーバーを除去する吸着剤で処理し、麦汁フレーバーを吸着・除去することもできる。
【0034】
(麦芽飲料の濾過)
上記のようにして得られた麦芽飲料を、次いで濾過して不要なたん白および吸着剤を除去する。濾過は珪藻土濾過機を用いて行うことができる。本発明においては、たとえば通常のビール又は発泡酒の製造において行われる工程、例えば、脱気水などによる最終濃度の調節、低温殺菌(パストリゼーション)、容器(例えば樽、壜、缶)への充填(パッケージング)、容器のラベリングなどを行うことができる。
【0035】
(pH調整)
食品衛生法に基づき所定のpHまで低減させる必要があるが、pH調整剤は、上述の製法のどの段階でも添加することができる。該pH調製のために添加する有機酸としては、乳酸、リンゴ酸、グルコン酸、及びフィチン酸から選択される1又は2以上の有機酸が挙げられる。該有機酸を添加して、製品のpHをpH3.80未満に調整することが好ましい。
【0036】
(オルニチンの添加)
本発明において、無アルコール麦芽飲料にオルニチン健康機能を付与するために用いるオルニチンは、通常オルニチン塩として用いられている塩酸塩、及びアスパラギン酸塩を用いることができる。本発明において、無アルコール麦芽飲料にオルニチン健康機能を付与するためには、オルニチン塩酸塩及びオルニチンアスパラギン酸塩の配合量は、無アルコール麦芽飲料の製品あたり、オルニチンとして少なくとも0.05重量%以上であることが好ましい。
本発明において、無アルコール麦芽飲料の製品あたりのオルニチン含量は、0.05重量%〜0.2重量%とすることが好ましい。缶入り飲料においては、缶の腐食性とうまみの観点から、オルニチンの量は0.2重量%、より好ましくは0.17重量%を上限とすることが好ましい。また、本発明において、オルニチンアスパラギン酸塩の配合量は、500ppm以下とすることが好ましい。本発明のオルニチン健康機能を付与した無アルコール麦芽飲料を製品化するに際しては、オルニチン健康機能の効果的な発揮のためには、好ましくは1飲料あたりオルニチンとして250mg〜2000mgの範囲に調整されることが好ましい。更に、好ましくは250mg〜1000mgの範囲に調整されることが好ましい。
【0037】
本発明において、添加するオルニチン原料のオルニチン塩酸塩とオルニチンアスパラギン酸塩の重量比は、オルニチン塩酸塩及びオルニチンアスパラギン酸塩のオルニチン換算合計重量に対するオルニチン塩酸塩のオルニチン換算の重量の割合が20%以上となるように併用されるが、pH調整に用いられる有機酸の種類及び添加量によって、適宜、適当な重量比を定めて、用いることができる。
【0038】
例えば、有機酸としてリンゴ酸を用いる場合に、リンゴ酸の添加量が麦汁当たり0.058〜0.078%v/vの場合は、リンゴ酸の添加量が、麦汁当たり0.058〜0.078%v/vの場合には、使用したオルニチン塩酸塩及びオルニチンアスパラギン酸塩のオルニチン換算合計重量に対する、オルニチン塩酸塩のオルニチン換算の重量の割合が80%以上であり、好ましくはオルニチン塩酸塩及びオルニチン塩酸塩の使用量の重量比がオルニチン塩酸塩:アスパラギン酸塩=80:20であることが好ましい。
【0039】
更に、グルコン酸の添加量が、麦汁当たり0.145〜0.24%v/vの場合には、使用したオルニチン塩酸塩及びオルニチンアスパラギン酸塩のオルニチン換算合計重量に対するオルニチン塩酸塩のオルニチン換算の重量の割合が60%以上であり、好ましくはオルニチン塩酸塩及びオルニチン塩酸塩の使用量の重量比がオルニチン塩酸塩:アスパラギン酸塩=60:40〜80:20であり、更に好ましくはオルニチン塩酸塩:アスパラギン酸塩=60:40である。また、フィチン酸の添加量が、麦汁当たり0.03〜0.06%v/vの場合には、使用したオルニチン塩酸塩及びオルニチンアスパラギン酸塩のオルニチン換算合計重量に対する、オルニチン塩酸塩のオルニチン換算の重量の割合が20%以上であり、好ましくはオルニチン塩酸塩及びオルニチン塩酸塩の使用量の重量比がオルニチン塩酸塩:アスパラギン酸塩=20:80〜80:20であり、更に好ましくはオルニチン塩酸塩:アスパラギン酸塩=20:80〜60:40である。
【0040】
上述の方法により、オルニチンの健康機能を付与した無アルコール麦芽飲料を製造するが、オルニチンは、無アルコール麦芽飲料の製造工程のどの段階でも添加することができる。また、オルニチンを添加するためのオルニチン塩酸塩、オルニチンアスパラギン酸塩を含有する素材は特に限定されることがない。例えば、オルニチン塩酸塩、オルニチンアスパラギン酸塩自体、該オルニチンのフリー体(オルニチン含有量100%の溶液)等が考えられる。
【0041】
以下に実施例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
【実施例1】
【0042】
<(1)麦汁の調整>
仕込槽に麦芽粉砕物240kgに温水730Lを加えて混合し、50〜70℃とし、10〜90分間保持してマイシェを作った。次いで、68〜76℃で10〜40分間保持して、糖化を行った。糖化工程終了後、これを麦汁濾過槽において濾過して、その濾液として透明な麦汁2、000Lを得た(糖度5.0%)。得られた麦汁を煮沸釜に移し、更にホップを1.1kg加えて、100℃で90分間煮沸した。煮沸した麦汁にオルニチン塩酸塩及びオルニチンアスパラギン酸塩を表1に示した6水準の割合で添加し、最終的にオルニチン濃度を990〜1300mg/Lに調整した冷却麦汁を作成した。その冷却麦汁に対して、乳酸、リンゴ酸、グルコン酸、フィチン酸を添加しpH3.80まで低減させた。最終的に、990〜1300mg/Lとなるようにオルニチン濃度を調整した。
【0043】
【表1】

【0044】
<(2)品質>
得られた麦汁に関して官能評価を実施したところ、オルニチン塩酸塩比率が高いほど有機酸使用量を抑えることができ結果的に酸味強度が下がった。また有機酸の種類によっても酸味強度が異なり、フィチン酸やグルコン酸を用いたときに酸味強度を抑えることができた。結果を表2に示す。
【0045】
【表2】

【0046】
なお、上記評価において、[酸味強度]は、1〜5段階評価で、1が酸味強いことを示す。[飲料としての適正]は、1〜5段階評価で、3以上が飲料として適しているとして評価した。[うまみ強度]は、1〜5段階評価で、1がうまみの後残りがあり、逆に5がうまみの後残りがなく、すっきりと飲める味覚として評価した。[塩素濃度]は、オルニチン塩酸塩由来の塩素濃度の計算値である。オルニチン塩酸塩は、オルニチン:塩化物イオン=80:20%の割合で含んでいる。また、麦汁由来の塩化物イオンもあるため、合計の塩素濃度予測値を麦汁上乗せとして表示した。 通常、200ppm以上の塩素濃度では、缶の腐食性のリスクが高まるため、腐食性の有無を事前に試験する必要が生じる。一般的な知見はないが、過去の実績からは300ppm以下が安心である。
【0047】
<評価>
上記試験により、以下のことがわかった:
(a)オルニチン塩酸塩比率が高くなるにつれて、全体低に酸味強度を抑えることができた。
これは、オルニチン塩酸塩は麦汁緩衝力を上昇させないため、少量の有機酸でpH3.8を達成できたためである。酸味の観点からは、オルニチン塩酸塩:オルニチンアスパラギン酸塩=20:80〜100:0が適当であることが把握された(ただし、使用する有機酸の種類にもよる)。
【0048】
(b)一方でオルニチン塩酸塩比率を上げると、塩化物イオン濃度が高くなる。一般的に塩素濃度が高くなると、製造設備や缶資材への腐食性が問題となる。塩化物イオン濃度の観点からは、オルニチン塩酸塩:オルニチンアスパラギン酸塩=0:100〜80:20、より好ましくはオルニチン塩酸塩:オルニチンアスパラギン酸塩=0:100〜60:40が適当であることが把握された。
【0049】
(c)酸味強度と飲料としての適正に相関が見られた。pH3.80未満とするために、多量の有機酸を使用しているため多くの試験区で酸味が強烈となった。酸味が強烈なほど、飲料としての適正も低くなった。飲料としての適正の観点からは、オルニチン塩酸塩:オルニチンアスパラギン酸塩=20:80〜100:0が適当であることが把握された(ただし、使用する有機酸の種類にもよる)。
【0050】
(d)オルニチンアスパラギン酸塩比率を低くすることで、うまみ強度を低減できた。過剰なうまみは、後に残り爽快さを失わせる。アスパラギン酸濃度を500ppm以下とすることで、うまみの嫌な後残りを抑えることができた。うまみの嫌な後残り軽減の観点からは、オルニチン塩酸塩:オルニチンアスパラギン酸塩=40:60〜100:0が適当であることが把握された。
【0051】
結論として、本発明の製造方法が、酸味やうまみを突出させない香味上すぐれたオルニチン入り無アルコール麦芽飲料の作製に適していることが示された。また、飲料としての適正の観点からは、オルニチン塩酸塩:オルニチンアスパラギン酸塩=20:80〜100:0(ただし、オルニチン塩酸塩:オルニチンアスパラギン酸塩=20:80の場合は、フィチン酸を使用)が、オルニチン入り無アルコール麦芽飲料の作製に適していることが示された。
飲料としての適正に加え、うまみの後残りや塩化物イオン濃度低減の観点をふまえた総合的な観点からは、オルニチン塩酸塩:オルニチンアスパラギン酸塩=20:80〜80:20より好ましくはオルニチン塩酸塩:オルニチンアスパラギン酸塩=40:60〜80:20更に好ましくはオルニチン塩酸塩:オルニチンアスパラギン酸塩=40:60〜60:40が適切であると考えられた。有機酸としては、フィチン酸、グルコン酸が特に好ましい有機酸であることが確認された。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は、アルコール分を実質的に含まないアルコール飲料風味の無アルコール麦芽飲料において、オルニチン健康機能を付与し、しかも、無アルコール麦芽飲料の優れた香味を保持したオルニチン入り無アルコール麦芽飲料を提供する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オルニチン入り無アルコール麦芽飲料の製造に際して、オルニチン原料として、オルニチン塩酸塩、オルニチンアスパラギン酸塩を併用し、かつ、オルニチン塩酸塩及びオルニチンアスパラギン酸塩のオルニチン換算合計重量に対するオルニチン塩酸塩のオルニチン換算の重量の割合が20%以上であることを特徴とするオルニチン健康機能の付与と無アルコール麦芽飲料の優れた香味を保持したオルニチン入り無アルコール麦芽飲料の製造方法。
【請求項2】
使用したオルニチン塩酸塩及びオルニチンアスパラギン酸塩のオルニチン換算合計重量に対するオルニチン塩酸塩のオルニチン換算の重量の割合が60%以上であることを特徴とする請求項1記載のオルニチン健康機能の付与と無アルコール麦芽飲料の優れた香味を保持したオルニチン入り無アルコール麦芽飲料の製造方法。
【請求項3】
使用したオルニチン塩酸塩及びオルニチンアスパラギン酸塩のオルニチン換算合計重量に対するオルニチン塩酸塩のオルニチン換算の重量の割合が80%以上であることを特徴とする請求項2記載のオルニチン健康機能の付与と無アルコール麦芽飲料の優れた香味を保持したオルニチン入り無アルコール麦芽飲料の製造方法。
【請求項4】
オルニチン塩酸塩及びオルニチンアスパラギン酸塩の配合量が、無アルコール麦芽飲料の製品あたり、オルニチンとして少なくとも0.05重量%以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載のオルニチン健康機能の付与と無アルコール麦芽飲料の優れた香味を保持したオルニチン入り無アルコール麦芽飲料の製造方法。
【請求項5】
オルニチンアスパラギン酸塩の配合量を、500ppm以下とすることを特徴する請求項1〜4のいずれか記載のオルニチン健康機能の付与と無アルコール麦芽飲料の優れた香味を保持したオルニチン入り無アルコール麦芽飲料の製造方法。
【請求項6】
オルニチン入り無アルコール麦芽飲料の製造に際して、オルニチン原料として、オルニチン塩酸塩及びオルニチンアスパラギン酸塩を併用すると共に、有機酸を添加して、製品pHを調整することを特徴とする請求項1〜5のいずれか記載のオルニチン健康機能の付与と無アルコール麦芽飲料の優れた香味を保持したオルニチン入り無アルコール麦芽飲料の製造方法。
【請求項7】
添加する有機酸が、少なくともリンゴ酸、グルコン酸、及びフィチン酸から選択される1又は2以上の有機酸であることを特徴とする請求項6記載のオルニチン健康機能の付与と無アルコール麦芽飲料の優れた香味を保持したオルニチン入り無アルコール麦芽飲料の製造方法。
【請求項8】
有機酸を添加しての製品pHの調整が、製品pH3.80未満に調整するものであることを特徴とする請求項6又は7記載のオルニチン健康機能の付与と無アルコール麦芽飲料の優れた香味を保持したオルニチン入り無アルコール麦芽飲料の製造方法。
【請求項9】
リンゴ酸の使用量が、麦汁当たり0.058〜0.078%v/vであり、オルニチン塩酸塩及びオルニチンアスパラギン酸塩のオルニチン換算合計重量に対するオルニチン塩酸塩のオルニチン換算の重量の割合が20%以上であることを特徴とする請求項6又は7記載のオルニチン健康機能の付与と無アルコール麦芽飲料の優れた香味を保持したオルニチン入り無アルコール麦芽飲料の製造方法。
【請求項10】
グルコン酸の使用量が、麦汁当たり0.145〜0.24%v/vであり、オルニチン塩酸塩及びオルニチンアスパラギン酸塩のオルニチン換算合計重量に対するオルニチン塩酸塩のオルニチン換算の重量の割合が40%以上であることを特徴とする請求項6又は7記載のオルニチン健康機能の付与と無アルコール麦芽飲料の優れた香味を保持したオルニチン入り無アルコール麦芽飲料の製造方法。
【請求項11】
フィチン酸の使用量が、麦汁当たり0.03〜0.06%v/vであり、オルニチン塩酸塩及びオルニチンアスパラギン酸塩のオルニチン換算合計重量に対するオルニチン塩酸塩のオルニチン換算の重量の割合が80%以上であることを特徴とする請求項6又は7記載のオルニチン健康機能の付与と無アルコール麦芽飲料の優れた香味を保持したオルニチン入り無アルコール麦芽飲料の製造方法。
【請求項12】
無アルコール麦芽飲料が、麦汁の非発酵工程によって製造されたものであることを特徴とする請求項1〜11のいずれか記載のオルニチン健康機能の付与と無アルコール麦芽飲料の優れた香味を保持したオルニチン入り無アルコール麦芽飲料の製造方法。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか記載の無アルコール麦芽飲料の製造方法によって製造されたオルニチン健康機能の付与と無アルコール麦芽飲料の優れた香味を保持したオルニチン入り無アルコール麦芽飲料。
【請求項14】
オルニチンを0.05重量%以上0.2重量%含むことを特徴とするオルニチン健康機能の付与と無アルコール麦芽飲料の優れた香味を保持したオルニチン入り無アルコール麦芽飲料。

【公開番号】特開2011−139687(P2011−139687A)
【公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−3191(P2010−3191)
【出願日】平成22年1月8日(2010.1.8)
【出願人】(000253503)キリンホールディングス株式会社 (247)
【出願人】(307027577)麒麟麦酒株式会社 (350)
【出願人】(391058381)キリンビバレッジ株式会社 (94)
【出願人】(594197388)小岩井乳業株式会社 (13)
【出願人】(308032666)協和発酵バイオ株式会社 (41)
【Fターム(参考)】