説明

麺類の製麺方法

【課題】風味が良く且つ健康増進成分を多量に含む麺類を提供する。
【解決手段】玄米を水に浸漬した後、加温することで発芽させ、芽が少し出た状態で、粉末化または液状化した米胚芽を準備し、そばの種蒔きをし、芽が出て、若葉が茂り、花が咲く前の若芽の段階で、根の上の茎および葉を採取し、粉末化または液状化したそばスプラウトを準備し、原料粉に、粉末化または液状化した米胚芽と粉末化または液状化したそばスプラウトとを加え、生麺を製麺する。原料粉がキノコ菌植物活性酵素液を用いて有機栽培で生育した小麦粉であり、これに粉末化または液状化した米胚芽と粉末化または液状化したそばスプラウトとを加え、生うどんを製麺する。また、玄米がキノコ菌植物活性酵素液を用いて有機栽培で生育したものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、うどん、そば、パスタ等の麺類の製麺方法に係り、特に風味がよく且つ健康を増進できる成分を多量に含む麺類の製麺に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、麺類は主食の一種として広く食用に供されている。しかしながら、麺類は一般にデンプン質が主成分であり、例えばうどんにおいては、コシのあるおいしいうどんが市販されているが、栄養素としてはそれ自体は各種の健康増進成分を含むものではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、上述の事情に基づいてなされたもので、風味が良く且つ健康増進成分を多量に含む麺類を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の麺類の製麺方法は、玄米を水に浸漬した後、加温することで発芽させ、芽が少し出た状態で、粉末化または液状化した米胚芽を準備し、そばの種蒔きをし、芽が出て、若葉が茂り、花が咲く前の若芽の段階で、根の上の茎および葉を採取し、粉末化または液状化したそばスプラウトを準備し、原料粉に、粉末化または液状化した米胚芽と粉末化または液状化したそばスプラウトとを加え、生麺を製麺することを特徴とする。
【0005】
また、原料粉がキノコ菌植物活性酵素液を用いて有機栽培で生育した小麦粉であり、これに粉末化または液状化した米胚芽と粉末化または液状化したそばスプラウトとを加え、生うどんを製麺することを特徴とする。また、玄米がキノコ菌植物活性酵素液を用いて有機栽培で生育したものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
粉末化または液状化した米胚芽は、芽が少し出た状態の玄米が最も高い活性化エネルギー(生命力)を有する時のものである。従って、抗酸化作用を有するフェルラ酸含量を多量に含み、ギャバ効果による血圧や血糖値の低下、コレステロールや中性脂肪の低減、さらには認知症やうつ病などの精神的な病気に対し、健康増進作用を発揮する。そして、粉末化または液状化したそばスプラウトは、若芽の状態がそばの茎および葉が最も高い活性化エネルギー(生命力)を有する時であり、その状態のそばスプラウトは抗酸化作用を有するルチンを多量に含み、前記と同様の健康増進作用を発揮する。
【0007】
キノコ菌植物活性酵素液を用いて有機栽培で生育した小麦粉に、粉末化または液状化した米胚芽と粉末化または液状化したそばスプラウトを加え、生うどんを製麺することで、前記健康増進作用に加え、玄米の香りとそば若芽の香りのミックスした香りを有し、シコシコした喉越しのよいおいしいうどんを作ることができる。さらに、玄米がキノコ菌植物活性酵素液を用いて有機栽培で生育したものであることで、米胚芽の活性化エネルギー(生命力)をさらに高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の生うどんの製麺工程を示すフロー図である。
【図2】本発明の生麺の製麺工程を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の一実施形態のうどんについて説明する。このうどんには、米胚芽の粉末とそばスプラウトの粉末とが含まれている。うどん自体は、小麦粉と食塩と水を混合し、圧縮し、圧延し、切り出したもので、通常の製麺工程により作られたものである。粉末化または液状化した米胚芽と粉末化または液状化したそばスプラウトとは、最初の小麦粉と食塩と水の混合段階で加えられ、出来上がった生うどんに万遍なく分布していると考えられる。
【0010】
粉末化または液状化した米胚芽は、玄米を水に浸漬した後、加温することで発芽させ、芽が少し出た状態で、粉末化または液状化したものである。この芽が少し出た状態が玄米として最も高い活性化エネルギー(生命力)を有する時と考えられ、抗酸化作用を有するフェルラ酸含量が最も高まる時と考えられる。従って、この状態の米胚芽をうどんに含み、これを食用することで、ギャバ効果による血圧や血糖値の低下、コレステロールや中性脂肪の低減、さらには認知症やうつ病などの精神的な病気にまで、健康増進作用を最大限に発揮できるものと考えられる。
【0011】
粉末化または液状化したそばスプラウトは、そばの種蒔きをし、芽が出て、若葉が茂り、花が咲く前の若芽の段階で、根の上の茎および葉を採取し、これを粉末化または液状化したものである。このそばの茎および葉は、若芽の状態の時が最も高い活性化エネルギー(生命力)を有すると考えられ、この状態が抗酸化作用を有するルチンを最大限に含むものと考えられる。従って、この状態のそばスプラウトをうどんに含み、これを食用することで、前記と同様のそば若芽の有する健康増進作用を最大限に発揮できるものと考えられる。
【0012】
小麦粉は本発明者のキノコ菌植物活性酵素液(特許第4129470号、(株)ナリヒラの商品名SBN-11)を用いて有機栽培で生育したものであることが好ましい。試験結果によれば、化学肥料を用いた普通の栽培法による小麦のタンパク質含有量7.8%と水分含有量14.4%に対して、堆肥と有機配合肥料と前記酵素液を用いた有機栽培法による小麦では、タンパク質含有量13.3%と水分含有量12.1%の結果が得られた。このことから、前記酵素液を用いた有機栽培法による小麦粉をうどんの原料粉とすることで、グルテンを多量に含みコシの強いおいしいうどんが製麺可能である。
【0013】
玄米も、前記酵素液を用いて有機栽培で生育したものであることが好ましい。これにより、米胚芽の活性化エネルギー(生命力)をさらに高めることができる。
【0014】
このうどんには、米胚芽とそばスプラウトとが含まれているので、色はウグイス色で、玄米の香りとそば若芽の香りのミックスした香りを有し、シコシコした喉越しのよいおいしいうどんに仕上げることができる。
【0015】
次に、このうどんの製麺方法について、図1を参照して説明する。まず、粉末化または液状化した米胚芽を準備する。これは、玄米を水洗し、水に4時間程度浸漬し、恒温槽で30℃前後の温度で2日間程度加温することで、発芽する。発芽は少し芽が出た状態(1mm程度)が米胚芽の有する活性化エネルギー(生命力)が最大になると考えられ、この時点で加温を停止する。そして、グラインダ等により発芽した玄米を粉砕することで、米胚芽の粉末を生成する。
【0016】
また、発芽した玄米に水を加え、高速ミキサーで乳液状に仕上げ、濾過して液状化した米胚芽を分離することができる。また、発芽した玄米をアルコールに浸し、アルコール中に米胚芽成分を溶出させ、液状化した米胚芽成分を分離して取り出すようにしてもよい。また、発芽した玄米に培養菌を加え、恒温器で加温して培養することで、液状化した米胚芽を生成することもできる。
【0017】
さらに、粉末化または液状化したそばスプラウトを準備する。これは、そばの実を適当な畑に種蒔きし、芽が出て若葉が茂ったら、花が咲く前の若芽の段階が活性化エネルギー(生命力)が最大になると考えられ、この段階で根の上の茎および葉を採取する。そして、温風にて乾燥し、グラインダ等により粉砕して粉末化する。なお、そばは生育が早く、種蒔きから若芽の段階の茎および葉の採取まで1ヶ月程度で可能である。
【0018】
また、採取したそば若芽の段階の茎および葉を、高速ミキサーで液状化して、不純物を濾過して液状化したそばスプラウトを取り出すことができる。また、採取した茎および葉を、アルコールに浸し、アルコール中にそばスプラウト成分を溶出させ、液状化したそばスプラウト成分を分離して取り出すようにしてもよい。
【0019】
次に、うどんに適した小麦粉に、粉末化または液状化した米胚芽と粉末化または液状化したそばスプラウトとをそれぞれ1−3重量%程度加え、適量の食塩と水を混合し、混練する。小麦粉は、キノコ菌植物活性酵素液を用いた有機栽培法によるものを用いることが好ましい。これにより、上述のようにグルテンを多量に含みコシの強いおいしいうどんが製麺可能である。なお、混合以降の圧縮、圧延、切り出し等の工程は通常の生うどんの製麺工程と変わらない。
【0020】
この工程により製麺された生うどんは、玄米の香りとそば若芽の香りのミックスした香りを有し、シコシコした喉越しのよいおいしいうどんであり、且つ健康増進作用を有する成分を多量に含むものであることは上述のとおりである。
【0021】
次に、うどん、そば、中華麺、スパゲッティ等の麺類一般に、本発明を適用した実施形態について、図2を参照して説明する。まず、粉末化または液状化した米胚芽と粉末化または液状化したそばスプラウトとを上述のように準備する。そして、そばの場合は、原料粉はそば粉であり、中華麺およびスパゲッティの場合は、原料粉はそれぞれに適した小麦粉である。これらの原料粉に粉末化または液状化した米胚芽と粉末化または液状化したそばスプラウトとを適量混合し、さらに水等を適量混合して混練する。以降の工程はそれぞれの一般的な製麺工程による。すなわち、そばの場合には、圧縮し、圧延し、切り出して生そばが製麺される。
【0022】
出来上がったそれぞれの生麺には、米胚芽とそばスプラウトとが万遍なく含まれ、それぞれの生麺の有する特有の風味に加え、玄米の香りとそば若芽の香りのミックスした香りを有し、且つ上述の健康増進作用を有する成分を多量に含むものである。
【0023】
これまで本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術的思想の範囲内において種々異なる形態にて実施されてよいことは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0024】
本発明は、うどん、そば、中華麺、スパゲッティ等の生麺の製麺に利用可能であり、特に風味がよく且つ健康を増進できる成分を多量に含む生うどん等の製麺に好適に利用可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
玄米を水に浸漬した後、加温することで発芽させ、芽が少し出た状態で、粉末化または液状化した米胚芽を準備し、
そばの種蒔きをし、芽が出て、若葉が茂り、花が咲く前の若芽の段階で、根の上の茎および葉を採取し、粉末化または液状化したそばスプラウトを準備し、
原料粉に、前記粉末化または液状化した米胚芽と前記粉末化または液状化したそばスプラウトとを加え、生麺を製麺する麺類の製麺方法。
【請求項2】
前記原料粉がキノコ菌植物活性酵素液を用いて有機栽培で生育した小麦粉であり、これに前記粉末化または液状化した米胚芽と前記粉末化または液状化したそばスプラウトとを加え、生うどんを製麺する、請求項1に記載の麺類の製麺方法。
【請求項3】
前記玄米がキノコ菌植物活性酵素液を用いて有機栽培で生育したものである、請求項1または2に記載の麺類の製麺方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate