説明

黒液からの合成ガスの製造方法

【課題】下流の合成において有用である黒液ガス化装置からの合成ガスの製造方法を提供する。
【解決手段】(a)ガス化装置において送風および場合に応じて噴霧流を用いて黒液からガス化装置流出物流を発生させ;(b)ガス化装置流出物流をガス流によって急冷して;(c)ついで水流によって急冷して未精製の合成ガスを形成し;(d)未精製の合成ガスを更に冷却しおよび洗浄しおよび分離してH2/COモル比0.9〜1,25を有する精製された未加工の合成ガスを形成し;(e)合成セクションにおいて精製した合成ガスをジメチルエーテルに部分転化し、加工された合成ガスの少なくともDMEの生成物流および水素に富むパージ流を生成し;(f)合成セクションからの加工された合成ガスまたは未加工の合成ガスの分割流の個々または組合せを分割しそして工程(a)および/または工程(b)に循環させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、下流の合成において有用である黒液ガス化装置からの合成ガスの製造方法に関する。
【0002】
特に、本発明は、高温の下降流タイプガス化装置において黒液をガス化して、貴重な薬品、特にDMEの合成において使用するための改良された組成を有する合成ガス流にすることに関する。
【背景技術】
【0003】
合成ガスは、いわゆる黒液(BL)を、送風(blast)、すなわち酸素、酸素富化空気または空気を用いてガス化することによって製造することができる。
【0004】
BLは、製紙プロセスからの中間生成物流である。BLは、例えば木材チップを水酸化ナトリウム水溶液で蒸解し(cook)そしてそれに続いて蒸発することによって水を減少させて含水量約70重量%にすることから生じる。BL物質は、ヘミセルロースおよびリグニンに富みそして無機物を相対的に高い含有率で有し、ガス化プロセスの間に多量の溶解物を形成する。
【0005】
既知のBLガス化装置炉タイプは、さまざまな様式で建設される。この目的を達成するために、ガス化装置は、ガス化チャンバー内でガス状反応媒質の上向流かまたは下降流のいずれか一方を有しそして多かれ少なかれ送風の添加点によって操作される。低温のBLガス化装置タイプ(ガス化出口温度約600°C)では、灰は、融解物よりもむしろ乾燥固体として抜き出される。高温のBLガス化装置タイプ(ガス化出口温度約900-1050°C)では、BLから生じた無機物は、ガス化装置を液状融解物として出て、下流のセクションで急冷される。
【0006】
高温の下降流ガス化装置では、黒液は、バーナー手段を通して供給されるのが普通である。ガス化帯域では、有機物質の発熱酸化および吸熱分解反応が行われる。ガス化プロセスから生じる温度は、約900-1050°Cであるのが代表的である。
【0007】
BLに溶解した有機物質から製造される合成ガスは、水素、一酸化炭素および二酸化炭素に富む。合成ガスは、さらに、水、黒液および酸素供給材料の組成に応じて不活性成分およびイオウ成分をNa2CO3およびNaSの灰融解物またはカリウム塩の同等物と共に含有する。
【0008】
このタイプのガス化装置では、ガス化プロセスからの流出物を、ガス化チャンバーの下の急冷チャンバーの中に液状水をスプレーして急冷することによって冷却するのが普通である。
【0009】
融解物は、こうして急冷水に溶解され、グリーンリカーの形成を生じ、グリーンリカーは、苛性化した後に、有機物質を溶解する準備ができている。
【0010】
合成ガスは、精製しそして燃料としてかまたは下流の化学工程用供給原料としてかのいずれか一方で使用してよい。
【0011】
黒液(BL)物質の代表的な重量による組成C 36.14%、H 3.50%、O 34.3%、N 0.14%、S 4.80%、Cl 0.24%、Na 18.6%およびK 2.02%。黒液の乾燥質量パーセンテージは約70重量%である。
【0012】
製造される合成ガスの組成は、BL供給材料組成、それの乾燥質量パーセンテージ、送風およびBL噴霧流のタイプならびにそれらの相対流量に依存する。その上に、合成ガスの組成は、ガス化装置作動条件に依存する。
【0013】
ガス化プロセスは、有機素材を、熱分解して例えばCO、CH4にしそして均一な水性ガスシフト反応
【化1】

【0014】
によって一層の量のH2およびCO2で実質的に分解する。
【0015】
この目的を達成するために、ナトリウム化合物が水性ガスシフト反応を推進することが知られている(例えば、非特許文献1を参照)。
【0016】
均一なシフト反応が、BLガス化装置の急冷セクションにおける支配的な温度において遅いのに対して、Na化合物によって推進されることによるシフト反応は、250-300oCまで下がって行われ得る。シフト反応は、400oCより低い温度では、非常に遅くなるであろうけれど。
【0017】
Lurgi Dry Ash Gasification Processでは、ロックホッパーからの炭塵をガス化装置に輸送する役割を果たすロック加圧用ガスと呼ばれる加圧用ガスが使用される。ロックホッパーは、投入する間分離され、合成ガスで加圧され、そして反応装置に開かれる。本Processでは、不活性ガスによる合成ガスの希釈を避けるために、下流のプロセス水冷器からの未精製の合成ガスを分割流でガス化装置に循環させてロック加圧用ガスを供給する。
【0018】
Shell Coal Gasification ProcessおよびPrenflo Processでは、下流のスラグ濾過器からの高温急冷ガス(約250-280°C)の分割流をガス化装置に循環させて流出物を急冷冷却する。
【0019】
これらのプロセスの内に、生成する未精製の合成ガスの組成の変化をもたらすものは無い。
【0020】
上述した通りに、BLガス化によって発生される合成ガスの組成は、例えば、ガス化装置供給材料組成および作動条件に依存する。BLガス化によって製造される合成ガス中のH2/CO比は、0.85-1.5の範囲であるのが代表的であり、BL 供給材料は、例えば、原子組成、エネルギー含量およびレオロジーに関して当然変わることになるので、経時的に変わる。BL中の含水量は、パルプ製造における作動変化の結果として変わる。また、BLの実施可能な乾燥質量パーセンテージに上限があり、中でも、プロセスから製造される合成ガスにおいて、H2/CO比の如何に低い比を得ることができるかを制限することにもなる。
【0021】
従来、スチームがBLガス化装置において噴霧流として使用される、と言うのは、スチームがガス化装置圧力において直ぐに利用できる(現場で発生される)からである。噴霧流は、厳密が要求されるわけではないが、ガス化装置の効率に大きな影響を与える。噴霧流の最小流量は約0.05 kg/kg BLである。
【0022】
合成ガスからの化学化合物の製造において、製造において有用であるために、ガスの組成を調整することが通常必要である。いずれの反応物質の過剰は、生成物分離へのさらなる要求を生じることになる。特に、生成物が未反応成分と分離するのが困難な場合には、分離は、ひどく高くなり、プロセスを採算の合わないものにさせることになる。
【0023】
この数十年にわたり、増大する関心がジメチルエーテル(DME)に示されてきた。DMEは、環境に優しい化学物質であり、広範囲の用途を有する。 DMEは、推進剤として、家庭用器具においてLPGの代替品としておよびディーゼル燃料として使用することができる。
【0024】
DMEは、下記の反応を推進する触媒の1つ以上の床において合成ガスから圧力代表的には20-100バールの範囲でおよび温度200〜350°Cで製造される:
【化2】

【0025】
DMEを製造するための合成ガス中の適切なH2/COモル比は、約1であり、0.9〜1, 25であるのが好ましい。
【0026】
DME合成セクションの下流でまたは一体化して、製造されるDMEおよび副産物の CO2を未転化の合成ガスの流れから分離してよく、一方、COおよびCO2が不足するが、典型的にはH2およびイナートに一層富むパージガス流は、例えば加熱炉または補助ボイラに燃料として送られる。
【0027】
DMEの揮発度が高いことにより、合成プロセスの効率は、BL発生合成ガス中のH2/CO比の大きな変化に敏感である。
【0028】
BLガス化装置が、化学工程において使用するための合成ガスを提供するならば、パルプ製造および生成するBLの特性に関係なくガス組成を調整して最適な合成ガス組成を供することが通常必要になる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0029】
【非特許文献1】Sealock, L.J.Jr.; Elliott, D.C. in “Development of an advanced water-gas shift conversion system”, 4th annual advanced gasification contractors’ meeting; 26 Jun 1984; Morgantown, WV, USA
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0030】
これより、本発明の全般的な目的は、パルプ製造およびBL特性に関係なく、化学化合物の製造において使用するための適切な組成を有する合成ガスの製造方法を提供することにある。
【0031】
BLガス化装置において製造されるままの未精製の合成ガス組成に応じて、未精製のガス中のH2/CO比を増大させるかまたは低下させるかのいずれかをして適切な比に到着することが必要になる。
【0032】
今、BLガス化装置において製造された加工されたまたは未加工の合成ガスをガス化装置のガス化チャンバーと急冷帯域との間の中間帯域に循環させることが、改良された組成を有する調整された合成ガスを提供することを見出した。
【0033】
本発明において使用するために最も有用なBLガス化装置タイプは、BL、送風および場合に応じてBL滴を噴霧するためおよび酸化帯域において十分な混合を得るためのサポート流を供給する高温の、下降流タイプである。
【課題を解決するための手段】
【0034】
上記の知見に従って、本発明は、下記の工程:
(a) ガス化装置において送風および場合に応じて噴霧流を用いて黒液からガス化装置流出物流を発生させ;
(b) 場合に応じて、ガス化装置流出物流をガス流によって急冷してガス急冷された流出物流を形成し;
(c) 工程(a)のガス化装置流出物または工程(b)のガス急冷された流出物ガス流を水流によって急冷して未精製の合成ガスを形成し;
(d) 未精製の合成ガスを更に冷却しおよび洗浄しおよび分離してH2/COモル比0.9〜1,25を有する精製した未加工の合成ガスを形成し;
(e) 合成セクションにおいて精製した合成ガスをジメチルエーテルに部分転化し、加工された合成ガスの少なくともDMEの生成物流および水素に富むパージ流を製造し;
(f) 合成セクションからの加工された合成ガスまたは未加工の合成ガスの分割流の個々または組合せを分割しそして工程(a)および/または工程(b)に循環させる
を含む、高温の下降流黒液ガス化装置において製造される合成ガスの組成を調整する方法を提供する。
【0035】
「未加工の合成ガス」なる用語は、DME転化をまだ施しておらずそして工程(e)の上流の位置から工程(a)または(b)に循環させる合成ガスを言う。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
BLガス化装置からグリーンリカーを回収するために要求される灰の冷却および濃縮/溶解は、従来ガス化装置のガス化チャンバーの直下の急冷帯域において行われる。
【0037】
下流の合成ガス分割点からの合成ガスの循環は、急冷帯域においてアルカリ融解物によって促進されるシフト反応を抑制することによって生じる合成ガス中のH2/CO比の減少に寄与することになる。
【0038】
その上に、下流のDME合成から分離される副生されるCO2を循環させることによって、生じる合成においてH2/CO比を低下させることが可能である。
【0039】
場合に応じて、合成ガス/CO2の一部をガス化装置の供給セクションにおいて噴霧流として使用し、供給セクションには、スチームを供給するのが普通である。これより、一実施態様では、未加工の合成ガスまたは下流のDME合成からの流れを循環させると、ガス化チャンバーに供給するスチームをより少なくすることを可能にすることによって、生じる合成ガス中のH2/CO比を低下させる。
【0040】
必要とされる調整が、未加工合成ガス中のH2/CO比を増大させることである場合がいくつかある。これらの場合は、下流のDME合成からパージされる未転化の合成ガスを循環させることにより水素の含量を増大させることによって、未精製の合成ガスを調整することができる。場合に応じて、循環させる水素に富むパージガスの一部を噴霧流として使用してよく、それによって、通常の噴霧流、例えばスチームまたはCO2を減少させてよい。
これより、更に、本発明の実施態様では、下流のDME合成からの水素に富むパージ流を循環させると、生じる合成ガス中のH2/CO比を増大させる。これは、 ガス化チャンバーの中に供給すべきスチームおよび/またはCO2の量の減少を更にもたらす。
【0041】
水素に富む合成ガスパージ流は、その上メタンに富む。パージガス中に含有されるメタンのガス化もまた、製造される合成ガスのモル数に寄与するので、有利なことに、合成ガスが一層多く製造される。
【0042】
その上に、ガスを合成反応装置に導入する前の未加工の合成ガスおよびCO2の両方を循環させると、これらの流れの内の一方だけを循環させるのに比べてH2/CO比の一層大きな低下をもたらすことになる。
【0043】
理解することができるように、上述した手段を、生じる合成ガス中のH2/CO比を制御するために任意の様式で組み合わせることができる。
【0044】
上記の特徴を下記の例においておよび図面を参照することによりさらに詳細に説明することにする。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】BLガス化装置において合成ガスを製造し、合成ガスをそれに続くDME合成において使用する従来のプロセスの流路図を示す。
【図2】本発明に従うプロセスの流路図である。
【実施例】
【0046】
比較例1
図面中の図 1を参照すると、BLガス化装置前端と下流の精製/冷却および更に下流のジメチルエーテル合成セクションとの従来のプロセス配置を示す。このプロセス配置では、CO2は、DME合成セクションの前に合成から分離される。
【0047】
原子(重量をベースにした)組成C 36.14%、H 3.50%、O 34.3%、N 0.14%、S 4.80%、Cl 0.24%、Na 18.6%およびK 2.02%を有する70重量%乾燥マス(水30重量%)黒液1000 kg/時(LHV=3200 kcal/kg)を黒液ガス化装置(35バール)に供給し、そこで、スチーム0.1 kg/黒液kgの流量で供給するスチームの噴霧流を用いて黒液を噴霧しそして酸素を99容積%およびアルゴンを1容積%含有する送風を用いてガス化する。送風を調整してガス化装置流出物温度1000°Cおよびメタン漏出乾燥基準でCH4 1.81%を生じる。
【0048】
ガス化装置流出物を、急冷用水を用いて急冷してグリーンリカーを形成し、グリーンリカーをパルプセクションに循環させる。
【0049】
製造された未精製の合成ガスを急冷セクションから抜き出しそして精製および冷却セクションに通す。
【0050】
急冷セクションでは、水性ガスシフト反応によるCOのH2へのナトリウム促進化転化が、温度923°Cにまで下がって平衡へのアプローチ50°Cで進行し、精製した合成ガスのH2/CO比1.5をもたらす。合成ガスを圧縮しそしてDME合成ループ内で循環対メークアップ比1およびDME合成の出口温度260°Cを用いて転化させて、DME製造流量131 kg/時を生じる。本例では、合成ガス中のH2/CO比は、DME製造において使用するための最適な比の範囲外である。
【0051】
図1に示す通りの上記のプロセスの主要なパラメータを下記の表1にまとめ、表中、「位置」とは、図1中の種々の位置の番号を言う。
【0052】
【表1】

【0053】
DME eq. 流量は、= MWDME(nDME+ nMeOH/2)として挙げ、ここで、niは、成分iのモル流量である。
比較例2
例1を繰り返すが、噴霧流をレート0.05 kg/黒液kgに減少させていた。精製した合成ガス中のH2/CO比は1.39でありそして合成ガス中のH2/CO比が低下されることにより、DME製造は135 kg/時に増大される。
【0054】
下記の表2は、図1を参照することにより、本例の主要なパラメータをまとめる。
【0055】
【表2】

【0056】
例3
これは、未加工の合成ガスをBLガス化装置に循環させることの影響を実証する本発明の例である。図面中の図2を参照する。
【0057】
例2を繰り返すが、精製した合成ガスの分割流を、ガス化装置のガス化装置チャンバーと急冷チャンバーとの間の追加点に循環させる。それによって、ガス化装置流出物を、循環させる合成ガスにより急冷することによって冷却して温度923°Cにした後に、流出物を水により更に急冷する。
【0058】
未精製の/精製した合成ガスを循環させる場合に得られる効果は、急冷セクション内に従来存在する水性ガスシフトを推進させるための条件を除き、こうして、合成ガス中のH2/CO比をジメチルエーテルへの下流の転化において用いるための最適条件に一層近づけさせることである。精製した合成ガスのH2/CO比は、本例では、1.25でありそしてDME製造は、141 kg/時に増大される。
【0059】
下記の表3は、図2を参照することにより、例において使用しおよび得られた主要なパラメータをまとめる。
【0060】
【表3】

【0061】
例4
本例は、下流のDME合成からのパージガスをBLガス化装置に循環させることの効果を実証する。
【0062】
例3を繰り返すが、一層高い乾物パーセンテージ80重量%を有するBL流をガス化装置に供給する。そのような変更は、ガス化装置流出物のH2/CO比が、DME合成用に最適であるよりも低くなるという結果になる。DME合成セクションからのパージガスの分割流をガス急冷として使用する。急冷されたガス化装置流出物の温度は523°Cである。DME合成セクションからのパージガス流中の水素が過剰であることにより、DME合成セクションへの生じた精製した合成ガスのH2/CO比は、その後、最適な化学量論比である1に近くなる。DME 製造は148 kg/時である。
【0063】
表4は、図2を参照することにより、例において使用しおよび得られた説明する主要なパラメータを示す。
【0064】
【表4】

【0065】
例5
これは、下流のDME合成から分離したCO2をBLガス化装置に循環させることの効果を実証する例である。例3を繰り返すが、未精製の/精製した合成ガスの代わりに、CO2をガス急冷として循環させ、このことは、ガス化装置流出物中のH2/CO比を値1.25に調整することを意味しそしてDMEの製造流量は142 kg/時である。
【0066】
下記の表5は、図2を参照することにより、例において使用しおよび得られた主要なパラメータをまとめる。
【0067】
【表5】

【0068】
例6
本例は、下流のDME合成からのパージガスの一部をBLガス化装置にガスパージ流および噴霧流の両方として循環させることの効果を実証する。
【0069】
例4を繰り返すが、スチームの代わりに、パージガスの第二分割流を噴霧流としてレート0.05 kg/黒液kgで使用する。
【0070】
パージ流中に含有されるメタンの一部をそこからガス化装置においてガス化し、ガス化装置流出物流中の水素および一酸化炭素の量を増大させる。生じるH2/CO比は1.00でありそしてDMEの製造流量は149 kg/時である。
【0071】
下記の表6は、図2を参照することにより、例において使用しおよび得られた主要なパラメータをまとめる。
【0072】
【表6】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の工程:
(a) ガス化装置において送風および場合に応じて噴霧流を用いて黒液からガス化装置流出物流を発生させ;
(b) 場合に応じて、ガス化装置流出物流をガス流によって急冷してガス急冷された流出物流を形成し;
(c) 工程(a)のガス化装置流出物または工程(b)のガス急冷された流出物ガス流を水流によって急冷して未精製の合成ガスを形成し;
(d) 未精製の合成ガスを更に冷却しおよび洗浄しおよび分離してH2/COモル比0.9〜1,25を有する精製された未精製の合成ガスを形成し;
(e) 合成セクションにおいて精製した合成ガスをジメチルエーテルに部分転化し、加工された合成ガスの少なくともDMEの生成物流および水素に富むパージ流を生成し;
(f) 合成セクションからの加工された合成ガスまたは未加工の合成ガスの分割流の個々または組合せを分割しそして工程(a)および/または工程(b)に循環させる
を含み、工程(e)で更に発生されるCO2の副産物流を一部分においてまたは完全に工程(a)および/または工程(b)に循環させる、
高温の下降流黒液ガス化装置において製造される合成ガスの組成を調整する方法。
【請求項2】
CO2の副産物流を加工されたまたは未加工の合成ガスと共に循環させる、請求項1記載の方法。
【請求項3】
未加工の合成ガスを工程(a)に噴霧流として循環させる、請求項1記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−7051(P2010−7051A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−118171(P2009−118171)
【出願日】平成21年5月15日(2009.5.15)
【出願人】(590000282)ハルドール・トプサー・アクチエゼルスカベット (50)
【Fターム(参考)】