説明

鼓形歯車状砥石のドレッシング方法及びディスク形ドレッサ

【課題】鼓形の歯車状砥石を高精度にドレッシングすることができると共に、ディスク形ドレッサの刃形形状を変更することなく、歯車状砥石の刃形形状を変更することができる鼓形歯車状砥石のドレッシング方法及びディスク形ドレッサを提供する。
【解決手段】ワークWに対して、その各歯Waにおけるねじれ方向と垂直な歯直角断面の輪郭を繋ぐように線接触して、当該ワークWを研削する鼓形の歯車状砥石12と、円盤状のディスク形ドレッサ14とを、噛み合わせた状態で同期回転させることにより、歯車状砥石12をディスク形ドレッサ14によりドレッシングする鼓形歯車状砥石のドレッシング方法において、ディスク形ドレッサ14の刃形形状を、研削後のワークWにおける歯Waの歯直角断面形状と一致させ、歯車状砥石12及びディスク形ドレッサ14を、歯車状砥石12の鼓形形状及びねじれ角に応じて、移動及び旋回させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、はすば歯車を研削可能な鼓形の歯車状砥石をドレッシングする鼓形歯車状砥石のドレシング方法、及び、そのドレッシング方法に使用されるディスク形ドレッサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、歯車の研削においては、その歯面を効率良く仕上げ加工するための様々な種類の砥石が用いられている。そして、このような砥石を使用して、研削を行っていくと、当該砥石が磨耗して、その切れ味が低下してしまう。このため、所定数量の歯車を研削した後には、磨耗した砥石に対してドレッシングを行って、その刃面を鋭い刃面に再生させることが必要となっている。
【0003】
そこで、従来から、磨耗した砥石を各種ドレッサによりドレッシングする砥石のドレッシング方法が提供されている。例えば、特許文献1には、鼓形の歯車状砥石をドレスギヤによりドレッシングする鼓形歯車状砥石のドレッシング方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−58230号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来のドレッシング方法では、ドレスギヤを用いてドレッシングするため、その全ての歯の歯形形状を、所定の精度内に加工しなくてはならず、その歯形形状の精度管理が非常に困難となっている。
【0006】
また、上記従来のドレッシング方法のように、ドレスギヤを採用すると、歯車の歯形形状を微修正する場合や、それを単に変更する場合には、これに応じて、ドレスギヤの歯形形状を変更し、更に、このドレスギヤのドレッシングにより歯車状砥石の刃形形状を変更する必要がある。即ち、上記従来のドレッシング方法では、歯車の歯形形状を何らかの事情で変更する度に、ドレスギヤの歯形形状や歯車状砥石の刃形形状も変更する必要があった。
【0007】
従って、本発明は上記課題を解決するものであって、鼓形の歯車状砥石を高精度にドレッシングすることができると共に、ディスク形ドレッサの刃形形状を変更することなく、歯車状砥石の刃形形状を変更することができる鼓形歯車状砥石のドレッシング方法及びディスク形ドレッサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決する第1の発明に係る鼓形歯車状砥石のドレッシング方法は、
はすば歯車に対して、当該はすば歯車の各歯におけるねじれ方向と垂直な歯直角断面の輪郭を繋ぐように線接触して、前記はすば歯車を研削する鼓形の歯車状砥石と、円盤状に形成されるディスク形ドレッサとを、噛み合わせた状態で同期回転させることにより、前記歯車状砥石を前記ディスク形ドレッサによりドレッシングする鼓形歯車状砥石のドレッシング方法において、
前記ディスク形ドレッサの刃形形状を、研削後の前記はすば歯車における前記歯の歯直角断面形状と一致させ、
前記歯車状砥石及び前記ディスク形ドレッサを、前記歯車状砥石の鼓形形状及びねじれ角に応じて、直交三軸方向に相対的に移動させると共に、
前記ディスク形ドレッサを、前記歯車状砥石のねじれ角に応じて、前記ディスク形ドレッサのドレッサ回転軸と直交するドレッサ旋回軸周りに所定の旋回角度に旋回させて位置決めして、前記はすば歯車の歯車回転軸周りに旋回させる
ことを特徴とする。
【0009】
上記課題を解決する第2の発明に係る鼓形歯車状砥石のドレッシング方法は、
はすば歯車に対して、当該はすば歯車の各歯におけるねじれ方向と垂直な歯直角断面の輪郭を繋ぐように線接触して、前記はすば歯車を研削する鼓形の歯車状砥石と、円盤状に形成されるディスク形ドレッサとを、噛み合わせた状態で同期回転させることにより、前記歯車状砥石を前記ディスク形ドレッサによりドレッシングする鼓形歯車状砥石のドレッシング方法において、
前記ディスク形ドレッサの刃形形状を、研削後の前記はすば歯車における前記歯の歯直角断面形状と一致させ、
前記歯車状砥石及び前記ディスク形ドレッサを、前記歯車状砥石の鼓形形状及びねじれ角に応じて、直交三軸方向に相対的に移動させると共に、
前記ディスク形ドレッサを、前記歯車状砥石のねじれ角に応じて、前記ディスク形ドレッサのドレッサ回転軸と直交するドレッサ旋回軸周りに旋回させる
ことを特徴とする。
【0010】
上記課題を解決する第3の発明に係るディスク形ドレッサは、
はすば歯車に対して、当該はすば歯車の各歯におけるねじれ方向と垂直な歯直角断面の輪郭を繋ぐように線接触して、前記はすば歯車を研削する鼓形の歯車状砥石を、ドレッシング可能で、且つ、円盤状に形成されるディスク形ドレッサにおいて、
刃形形状を、研削後の前記はすば歯車における前記歯の歯直角断面形状と一致させる
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
従って、本発明に係る鼓形歯車状砥石のドレッシング方法によれば、はすば歯車に対してその各歯における歯直角断面の輪郭を繋ぐように線接触可能な鼓形の歯車状砥石を、刃形形状が研削後のはすば歯車における各歯の歯直角断面形状と一致するディスク形ドレッサによりドレッシングすることにより、歯車状砥石を高精度にドレッシングすることができると共に、ディスク形ドレッサの刃形形状を変更することなく、歯車状砥石の刃形形状を変更することができる。
【0012】
また、本発明に係るディスク形ドレッサによれば、刃形形状を、鼓形の歯車状砥石による研削後のはすば歯車における各歯の歯直角断面形状と一致させることにより、歯車状砥石を高精度にドレッシングすることができると共に、その刃形形状を変更することなく、歯車状砥石の刃形形状を変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施例に係る鼓形歯車状砥石のドレッシング方法を示した図である。
【図2】ワークを鼓形歯車状砥石により研削するときの様子を示した図である。
【図3】ワークと鼓形歯車状砥石との噛み合い状態を示した図である。
【図4】ワークにおける鼓形歯車状砥石との接触線を示した図である。
【図5】ワークの歯の歯直角断面形状とディスク形ドレッサの刃形形状とが一致する様子を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る鼓形歯車状砥石のドレッシング方法及びディスク形ドレッサについて、図面を用いて詳細に説明する。
【実施例】
【0015】
先ず、本発明に係るドレッシング方法が採用された歯車研削盤(図示省略)は、図2に示すように、はすば歯車であるワーク(被加工歯車)Wを、鼓形の歯車状砥石12により研削するものであって、更に、図1に示すように、その機上において、歯車状砥石12を円盤状のディスク形ドレッサ14によりドレシングするドレッシング装置(図示省略)を備えている。
【0016】
次に、歯車研削盤の構成について、図1乃至図5を用いて説明する。
【0017】
図2に示すように、歯車研削盤には、回転テーブル13が、鉛直なワーク回転軸C1周りに回転可能に支持されており、この回転テーブル13の上面には、ワークWが着脱可能に取り付けられている。従って、回転テーブル13を回転駆動させることにより、ワークWをワーク回転軸C1周りに回転させることができる。
【0018】
また、歯車研削盤には、砥石主軸11が、砥石回転軸B1周りに回転可能に支持されており、この砥石主軸11の下端には、歯車状砥石12が着脱可能に取り付けられている。従って、砥石主軸11を回転駆動させることにより、歯車状砥石12を砥石回転軸B1周りに回転させることができる。
【0019】
更に、砥石主軸11は、水平なX軸方向(砥石切り込み方向)、X軸方向及び鉛直なZ軸方向と直交する水平なY軸方向、Z軸方向に移動可能に支持されると共に、X軸方向に延在する砥石旋回軸A周りに旋回可能に支持されている。従って、砥石主軸11を駆動させることにより、歯車状砥石12をX軸、Y軸、Z軸方向に移動させることができると共に、歯車状砥石12を砥石旋回軸A周りに旋回させることができる。
【0020】
そして、図3に示すように、歯車状砥石12を砥石旋回軸A周りに旋回させることにより、歯車状砥石12の砥石回転軸B1とワークWのワーク回転軸C1との間の軸交差角Σを、ワークWのねじれ角及び歯車状砥石12のねじれ角に応じて、調整することができる。即ち、軸交差角Σは、歯車状砥石12の取付角度であって、研削時の歯車状砥石12は、その軸交差角Σが与えられた状態で、砥石回転軸B1周りに回転する。
【0021】
ここで、歯車状砥石12は、はすば歯車状で、且つ、その外径寸法が、砥石幅方向中央部から砥石幅方向両端部に向かうに従って、大きくなるような、鼓形に形成されている。なお、歯車状砥石12の砥石幅方向の外形形状を示す鼓形形状は、軸交差角Σ及びワークWの外径寸法等に応じて、所定の曲率に規定されている。
【0022】
また、歯車状砥石12の刃面は、当該歯車状砥石12の砥石幅方向全域に亘って、連続的にねじれて形成されている。更に、歯車状砥石12のねじれ角は、その外形形状が鼓形となっているため、砥石幅方向中央部から砥石幅方向両端部に向かうに従って、徐々に変化している。
【0023】
従って、歯車状砥石12を、所定の軸交差角Σに配置すると共に、所定の鼓形に形成することにより、当該歯車状砥石12とワークWとを、互いが線接触するように、噛み合わせることができる。そして、このような噛み合い状態から、歯車状砥石12をZ軸方向に揺動させることにより、歯車状砥石12の砥石幅方向全域を使用して、ワークWを研削することができる。このとき、歯車状砥石12の刃面は、ワークWの歯面を、その歯すじ方向、即ち、当該ワークWのねじれ方向に沿って研削することになる。
【0024】
一方、図4に示すように、ワークWは、研削時の歯車状砥石12に対して、常に、その歯幅方向全域が線接触するように噛み合っており、この研削時のワークWにおける歯車状砥石12との接触線を、Wbと示している。そして、上述したように、歯車状砥石12は、ワークWをそのねじれ方向に沿って研削するため、研削時の接触線Wbは、ワークWの各歯Waにおけるそのねじれ方向と垂直な歯直角断面の輪郭を繋いだ線となっており、常に、ねじれ方向と直交した状態で、当該ねじれ方向に移動することになる。
【0025】
また、図1に示すように、歯車研削盤には、上記ドレッシング装置が設けられており、このドレッシング装置には、ディスク形ドレッサ14が、X軸、Y軸、Z軸方向に移動可能に支持されると共に、ドレッサ旋回軸B2周りに旋回可能で、且つ、ドレッサ回転軸C3周りに回転可能に支持されている。
【0026】
なお、ドレッサ旋回軸B2とドレッサ回転軸C3とは、ディスク形ドレッサ14の中心部において、互いに直交するように配置されている。即ち、ドレッサ旋回軸B2は、ディスク形ドレッサ14の径方向に延在しており、ドレッサ回転軸C3は、ディスク形ドレッサ14の中心軸と同軸上に配置されている。
【0027】
従って、ドレッシング装置を駆動させることにより、ディスク形ドレッサ14を、歯車状砥石12をドレッシング可能なドレス位置と、このドレス位置から退避した退避位置との間で、移動させることができる。更に、ドレッシング装置を駆動させることにより、ディスク形ドレッサ14を、歯車状砥石12のねじれ角に応じて、ドレッサ旋回軸B2周りに旋回させることができると共に、ディスク形ドレッサ14を、ドレッサ回転軸C3周りに回転させることができる。
【0028】
そして、図5に示すように、ディスク形ドレッサ14の刃形形状は、研削後のワークWを接触線Wbに沿って分断したときの各歯Waの断面形状、即ち、研削後のワークWの各歯Waにおけるそのねじれ方向と垂直な歯直角断面形状と一致している。これにより、ドレッシング時におけるディスク形ドレッサ14と歯車状砥石12との間の噛み合い状態と、研削時における歯車状砥石12とワークWとの間の噛み合い状態とを、一致させることができる。
【0029】
次に、歯車研削盤の動作について、図1、図2、図3、図5を用いて説明する。
【0030】
ワークWを歯車状砥石12により研削する場合には、図2及び図3に示すように、先ず、ワークWを回転テーブル11に装着した後、歯車状砥石12を、X軸、Y軸、Z軸方向に移動させると共に、砥石旋回軸A周りに旋回させる。これにより、歯車状砥石12は、軸交差角Σが与えられた状態で、ワークWと噛み合うことになる。
【0031】
次いで、上述した噛み合い状態から、歯車状砥石12を砥石回転軸B1周りに回転させると共に、ワークWをワーク回転軸C1周りに回転させる。
【0032】
そして、歯車状砥石12に対して、X軸方向に切り込みを与えた後、この歯車状砥石12をZ軸方向に揺動させる。これにより、歯車状砥石12は、その砥石幅方向全域を使用して、ワークWを研削することになる。
【0033】
この結果、歯車状砥石12とワークWとの間における同期回転及び軸交差角Σによって、歯車状砥石12の刃面とワークWの歯面との間に、大きなすべりが発生するため、ワークWの歯面が歯車状砥石11の刃面により微細に研削される。
【0034】
ここで、歯車状砥石12を用いて所定数量のワークWを研削すると、その刃面が磨耗して切れ味が低下するため、歯車状砥石12をディスク形ドレッサ14により定期的にドレッシングする。また、このような、歯車状砥石12の刃面が磨耗した場合だけでなく、ワークWの歯形形状を微修正する場合や、ワークWの歯形形状を単に変更する場合でも、ディスク形ドレッサ14を使用して、歯車状砥石12をドレッシングする。
【0035】
そして、本実施形態の歯車研削盤では、鼓形の歯車状砥石12をディスク形ドレッサ14によりドレッシングする方法として、下記に示した2種類のドレッシング方法のいずれかの方法を採用するようにしている。
【0036】
そこで、1つ目のドレッシング方法では、図1に示すように、先ず、ディスク形ドレッサ14を退避位置からドレス位置に移動させた後、このドレス位置に位置決めしたディスク形ドレッサ14を、歯車状砥石12のねじれ角に応じて、ドレッサ旋回軸B2周りに所定の旋回角度に旋回させて位置決めする。
【0037】
次いで、歯車状砥石12を、X軸、Y軸、Z軸方向に移動させると共に、砥石旋回軸A周りに旋回させる。これにより、図5に示すように、歯車状砥石12は、軸交差角Σが与えられた状態で、ディスク形ドレッサ14と噛み合うことになる。
【0038】
そして、上述した噛み合い状態から、歯車状砥石12を、当該歯車状砥石12の鼓形形状及びねじれ角に応じて、砥石回転軸B1周りに回転させると共に、X軸、Y軸、Z軸方向に移動させる。これと同時に、ディスク形ドレッサ14を、ドレッサ回転軸C3周りに回転させると共に、歯車状砥石12のねじれ角に応じて、ワーク回転軸C1周りに旋回させる。これにより、歯車状砥石12の刃面がディスク形ドレッサ14の刃面によりドレッシングされる。
【0039】
次いで、上述したようなドレッシング動作が、歯車状砥石12の刃溝の数量分行われることになり、全ての刃溝のドレッシング動作が終了すると、ディスク形ドレッサ14を、ドレス位置から退避位置に移動させて、待機状態とする。
【0040】
また、2つ目のドレッシング方法では、図1に示すように、先ず、ディスク形ドレッサ14を退避位置からドレス位置に移動させる。
【0041】
次いで、歯車状砥石12を、X軸、Y軸、Z軸方向に移動させると共に、砥石旋回軸A周りに旋回させる。これにより、図5に示すように、歯車状砥石12は、軸交差角Σが与えられた状態で、ディスク形ドレッサ14と噛み合うことになる。
【0042】
そして、上述した噛み合い状態から、歯車状砥石12を、当該歯車状砥石12の鼓形形状及びねじれ角に応じて、砥石回転軸B1周りに回転させると共に、X軸、Y軸、Z軸方向に移動させる。これと同時に、ディスク形ドレッサ14を、ドレッサ回転軸C3周りに回転させると共に、歯車状砥石12のねじれ角に応じて、ドレッサ旋回軸B2周りに旋回させる。これにより、歯車状砥石12の刃面がディスク形ドレッサ14の刃面によりドレッシングされる。
【0043】
次いで、上述したようなドレッシング動作が、歯車状砥石12の刃溝の数量分行われることになり、全ての刃溝のドレッシング動作が終了すると、ディスク形ドレッサ14を、ドレス位置から退避位置に移動させて、待機状態とする。
【0044】
なお、上述した本実施形態では、ドレッシング時において、歯車状砥石12を、当該歯車状砥石12の鼓形形状及びねじれ角に応じて、直交3軸方向となるX軸、Y軸、Z軸方向に移動させるようにしているが、歯車状砥石12及びディスク形ドレッサを、X軸、Y軸、Z軸方向に相対的に移動させるようにしても構わない。
【0045】
従って、本発明に係る鼓形歯車状砥石のドレッシング方法によれば、ワークWに対してその各歯Waにおける歯直角断面の輪郭を繋ぐように線接触可能な鼓形の歯車状砥石12を、刃形形状が研削後のワークWにおける各歯Waの歯直角断面形状と一致するディスク形ドレッサ14によりドレッシングすることにより、歯車状砥石12を高精度にドレッシングすることができると共に、ディスク形ドレッサ14の刃形形状を変更することなく、歯車状砥石12の刃形形状及びワークWの歯形形状を変更することができる。
【0046】
また、本発明に係るディスク形ドレッサ14によれば、刃形形状を、鼓形の歯車状砥石12による研削後のワークWにおける各歯Waの歯直角断面形状と一致させることにより、歯車状砥石12を高精度にドレッシングすることができると共に、その刃形形状を変更することなく、歯車状砥石12の刃形形状及びワークWの歯形形状を変更することができる。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は、ドレッシング時間の短縮化を図ることができる鼓形歯車状砥石のドレッシング方法及びディスク形ドレッサに適用可能である。
【符号の説明】
【0048】
11 砥石主軸
12 歯車状砥石
13 回転テーブル
14 ディスク形ドレッサ
W ワーク
Wa 歯
Wb 接触線
A 砥石旋回軸
B1 砥石回転軸
B2 ドレッサ旋回軸
C1 ワーク回転軸
C3 ドレッサ回転軸
Σ 軸交差角

【特許請求の範囲】
【請求項1】
はすば歯車に対して、当該はすば歯車の各歯におけるねじれ方向と垂直な歯直角断面の輪郭を繋ぐように線接触して、前記はすば歯車を研削する鼓形の歯車状砥石と、円盤状に形成されるディスク形ドレッサとを、噛み合わせた状態で同期回転させることにより、前記歯車状砥石を前記ディスク形ドレッサによりドレッシングする鼓形歯車状砥石のドレッシング方法において、
前記ディスク形ドレッサの刃形形状を、研削後の前記はすば歯車における前記歯の歯直角断面形状と一致させ、
前記歯車状砥石及び前記ディスク形ドレッサを、前記歯車状砥石の鼓形形状及びねじれ角に応じて、直交三軸方向に相対的に移動させると共に、
前記ディスク形ドレッサを、前記歯車状砥石のねじれ角に応じて、前記ディスク形ドレッサのドレッサ回転軸と直交するドレッサ旋回軸周りに所定の旋回角度に旋回させて位置決めして、前記はすば歯車の歯車回転軸周りに旋回させる
ことを特徴とする鼓形歯車状砥石のドレッシング方法。
【請求項2】
はすば歯車に対して、当該はすば歯車の各歯におけるねじれ方向と垂直な歯直角断面の輪郭を繋ぐように線接触して、前記はすば歯車を研削する鼓形の歯車状砥石と、円盤状に形成されるディスク形ドレッサとを、噛み合わせた状態で同期回転させることにより、前記歯車状砥石を前記ディスク形ドレッサによりドレッシングする鼓形歯車状砥石のドレッシング方法において、
前記ディスク形ドレッサの刃形形状を、研削後の前記はすば歯車における前記歯の歯直角断面形状と一致させ、
前記歯車状砥石及び前記ディスク形ドレッサを、前記歯車状砥石の鼓形形状及びねじれ角に応じて、直交三軸方向に相対的に移動させると共に、
前記ディスク形ドレッサを、前記歯車状砥石のねじれ角に応じて、前記ディスク形ドレッサのドレッサ回転軸と直交するドレッサ旋回軸周りに旋回させる
ことを特徴とする鼓形歯車状砥石のドレッシング方法。
【請求項3】
はすば歯車に対して、当該はすば歯車の各歯におけるねじれ方向と垂直な歯直角断面の輪郭を繋ぐように線接触して、前記はすば歯車を研削する鼓形の歯車状砥石を、ドレッシング可能で、且つ、円盤状に形成されるディスク形ドレッサにおいて、
刃形形状を、研削後の前記はすば歯車における前記歯の歯直角断面形状と一致させる
ことを特徴とするディスク形ドレッサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−111659(P2013−111659A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−256980(P2011−256980)
【出願日】平成23年11月25日(2011.11.25)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】