説明

(メタ)アクリレート共重合体

【課題】従来の医療用材料に比べて、抗血栓性、ひいては生体適合性に優れ、かつ親水性の高い表面処理剤を提供する。
【解決手段】アルキル(メタ)アクリレート単位およびメトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート単位を含む水不溶性の共重合体。アルキル(メタ)アクリレート単位とメトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート単位とは、30〜99.5/0.5〜70モル比が好ましい。また、該共重合体のガラス転移温度は、−100〜20℃、平均分子量は2,000〜200,000が適当である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用具に血液適合性を付与する共重合体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、各種の高分子材料を利用した医用材料の検討が進められており、血液フィルター、人工腎臓用膜、血漿分離用膜、カテーテル、人工肺用膜、人工血管、癒着防止膜、人工皮膚等への利用が期待されている。この場合、生体にとって異物である合成材料を生体内組織や血液と接触させて使用することとなるため、医用材料が生体適合性を有していることが要求される。
【0003】
医用材料を血液と接する材料として使用する際には、(a)血液凝固系の抑制、(b)血小板の粘着・活性化の抑制、および(c)補体系の活性化の抑制の3要素が、生体適合性として重要な項目となる。中でも、体外循環用医用材料(例えば、人工腎臓、血漿分離膜)のように、血液と接する時間が比較的短い材料として使用する場合においては、一般に、ヘパリン、クエン酸ナトリウム等の抗凝固剤を同時に使用するため、特に、前記(b)および(c)の血小板や補体系の活性化の抑制が重要な課題となる。
【0004】
(b)血小板の粘着・活性化の抑制については、ミクロ相分離した表面や、親水性表面、特に、水溶性高分子を表面に結合させたゲル化表面が優れており、ポリプロピレン等の疎水性表面は劣っているといわれている。(非特許文献1、2参照)。しかし、ミクロ相分離構造を有する表面は、適度な相分離状態にコントロールすることにより良好な血液適合性を発現することが可能となるが、そのような相分離を作製できる条件は限られており、用途に制限があった。また、水溶性高分子を表面に結合させたゲル化表面では、血小板の粘着は抑制されるが、材料表面で活性化された血小板や微小血栓が体内に返還され、しばしば異常な血球成分(血小板)の変動が観察され、問題となることがあった。
【非特許文献1】トランスアクションズ オブ アメリカンソサエティ オブ アーティフィカル インターナショナル オルガンズ(Trans.Am.Soc.Artif.Intern.Organs)、vol.XXXIII、p.75〜84(1987)
【非特許文献2】高分子と医療、三田出版会、p.73(1989)
【0005】
一方、(c)補体系の活性化については、セルロース、エチレン−ビニルアルコール共重合体等のヒドロキシ基を有する表面が高い活性を示し、ポリプロピレン等の疎水性表面では活性が軽微であることが知られている。(非特許文献3参照)。したがって、セルロース系やビニルアルコール系の材料を、例えば、人工臓器用膜に使用すると補体系の活性化の問題が生じるが、逆に、ポリエチレン等の疎水性の表面を使用すると血小板の粘着・活性化の問題が生じてしまう。
【非特許文献3】人工臓器16(2)、p.1045〜1050(1987)
【0006】
また、例えば、人工血管のように、血液と接する時間が比較的長い材料として使用する場合には、上記3項目のほかに、新生内膜形式や生体内組織の新生と再生が良好に行われるために、生体内組織(細胞)との親和性がある材料である必要がある。この人工血管の材料としては、例えば、超極細ポリエステル繊維よりなる人工血管が挙げられる。(非特許文献4参照)。この超極細ポリエステル繊維は、生体の異物認識、生体防御による創傷治癒、自己組織再生を利用した医用材料の1つであり、今日、人工血管として主に使用されている。しかし、この人工血管を微小血管に長期間適用すると、人工血管が閉塞してしまうという問題が生じる。
【非特許文献4】人工臓器19(3)、p.1287〜1291
【0007】
更に、血液以外にも生体内組織や体液と接する医用材料、例えば、生体内に長期間埋入して使用される癒着防止膜、インプラント材、または創傷部(皮膚が剥がれて損傷し、生体内組織が露出した部位)に接して使用される創傷被覆材では、生体からの異物認識が少なく、生体からはく離しやすい表面(非癒着性表面)が必要とされる。しかしながら、従来上記材料として使用されているシリコーン、ポリウレタンおよびポリテトラフルオロエチレンでは、材料表面に生体内組織が癒着するため、生体の異物認識が強すぎて、満足する性能が得られていなかった。
【0008】
その他の医療用材料としては、ポリエチレングリコール(PEG)がある。PEGは非常に優れた血液適合性を有しており、医療分野への応用研究も多くなされている。しかし、PEGは水溶性であるため、医療用材料として使用する場合は、他のポリマーとのブロック共重合体やグラフト共重合体にして材料表面に固定化する必要があった。
【0009】
また、生体適合性材料であるポリ(2-メトキシエチルアクリレート)を血液接触面にコーティングすることで抗血栓性を発現する技術が知られている。(特許文献1参照)。しかし、コーティングの溶媒としてメタノールに溶解するがエタノールには不溶のため残存溶媒の毒性が懸念された。
【特許文献1】特開2002−105136号公報
【0010】
さらに、ポリエチレングリコールアクリレートとアクリルアクリレートとの水溶性共重合体が知られている。(特許文献2参照)。この技術は免疫測定の際に固相の表面の保護を実施することができる。しかし、この共重合体は水溶性のため長期間の生体適合性の持続は困難であった。
【特許文献2】特開平11−287802号公報
【0011】
また別に、ホスホリルコリン類似基含有重合体が知られている。(特許文献3参照)。この技術は生体適合性の高いホスホリルコリン基を含有する親水性(メタ)アクリレートモノマーと疎水性の高いアルキル(メタ)アクリレートモノマーとを共重合させることにより、良好な生体適合性を保ちつつ水不溶とするものである。しかしながら、この共重合体は剛直な固体状であるため、コーティング後に皮膜剥がれの恐れがあるだけでなく、免疫の観点での生体適合性は十分といえるものではなかった。ホスホリルコリン基のもつアンモニウムイオン(N+)が生体の免疫系を活性化するものと考えられる。(図1参照)。
【特許文献3】特開平11−35605号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、従来の医療用材料に比べて、抗血栓性、ひいては生体適合性に優れ、かつ、親水性の高い表面処理剤を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者らは親水性のポリエチレングリコール骨格を持つ(メタ)アクリレートと疎水性の長鎖アルキル(メタ)アクリレートとを共重合することにより得られる共重合体がPEGの生体適合性、ひいては血液適合性を維持しつつ水に不溶となることを発見し、それを塗布することで医療用具に血液適合性を付与できることを見出した。さらに、得られる共重合体はイオン性基のような極性の高い官能基を有していないため、血液と接触した際の免疫系の活性化を抑制できることを見出し、ついに本発明を完成した。すなわち、本発明は以下のような構成を有する。
(1)アルキル(メタ)アクリレート単位およびメトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート単位を含む水不溶性の(メタ)アクリレート共重合体。
(2)下記一般式1で示されるアルキル(メタ)アクリレート単位を含む(1)に記載の(メタ)アクリレート共重合体。
【化3】

(式中、Rは炭素原子数2〜30のアルキル基またはアラルキル基、Rは水素原子またはメチル基を示す。)
(3)下記一般式2で示されるメトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート単位を含む(1)または(2)に記載の(メタ)アクリレート共重合体。
【化4】

(式中、Rは水素原子またはメチル基、nは1〜1,000の整数を示す。)
(4)アルキル(メタ)アクリレート単位とメトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート単位とが30〜99.5/0.5〜70のモル比である(1)〜(3)いずれか記載の(メタ)アクリレート共重合体。
(5)炭素数1〜6のアルコールのいずれかに可溶である(1)〜(4)いずれか記載の(メタ)アクリレート共重合体。
(6)ガラス転移温度が−100〜20℃である(1)〜(5)いずれか記載の(メタ)アクリレート共重合体。
(7)数平均分子量が2,000〜200,000である(1)〜(6)いずれか記載の(メタ)アクリレート共重合体。
【発明の効果】
【0014】
本発明の共重合体は、生体適合性に優れ、かつ、親水性の高い材料として用いることができる。また材料としての物性が水に不溶な粘性物質であるため医用機材の物性を損なうことなく血液回路全体にコーティングできる材料を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明において、アルキル(メタ)アクリレート単位およびメトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート単位を含む(メタ)アクリレート共重合体は水不溶性であることが好ましい。ここで、水不溶性であるとは、(メタ)アクリレート共重合体を該共重合体1重量%に対して100重量%の37℃生理食塩水で30日間静置した際、該共重合体の重量減少率が1重量%以下であることを指す。水不溶性であることにより、生体組織や血液等と接触した場合にも、該共重合体の血液などへの溶出を防ぐ点で好ましい。
【0016】
本発明において、下記一般式1のアルキル(メタ)アクリレートとしては、R1の炭素数が2〜30のものを使用するのが好ましく、より好ましくは4〜24であり、さらに好ましくは6〜18である。このようなアルキル(メタ)アクリレートの具体例として、ノルマルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ミリスチル(メタ)アクリレート、パルミチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等があるが、コストと性能の観点から2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート及びラウリル(メタ)アクリレートが特に好ましい。
【化5】

(式中、Rは炭素原子数2〜30のアルキル基またはアラルキル基、Rは水素原子またはメチル基を示す。)
【0017】
本発明において、下記一般式2のメトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートとしては、エチレンオキサイド単位が1〜1,000であるものを使用するのが好ましい。より好ましくは1〜500、さらに好ましくは1〜100、よりさらに好ましくは2〜50、特に好ましくは2〜10である。具体的には、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシペンタエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシヘキサエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシヘプタエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシオクタエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシノナエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシデカエチレングリコール(メタ)アクリレートなどがある。繰り返し単位が大きく親水性が増大しすぎると共重合を行っても血液中への溶解性が高いため、医療材料から消失する可能性がある。したがって、繰り返しエチレンオキサイド単位が4のメトキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、3のメトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレートが好ましい。
【化6】

(式中、Rは水素原子またはメチル基、nは1〜1,000の整数を示す。)
【0018】
本発明において、(メタ)アクリレート共重合体の数平均分子量は2,000以上であることが重合後の再沈殿による精製の容易さの点で好ましい。また、分子量が大きいほどコーティング溶液を調製した際の粘度上昇のためコーティング基材との粘着性が向上するという副次効果もある。したがって、(メタ)アクリレート共重合体の数平均分子量は5,000以上がより好ましく、8,000以上がさらに好ましい。また、該(メタ)アクリレート共重合体の数平均分子量は200,000以下とすることが(メタ)アクリレート共重合体を材料等にコーティングする際のコーティング溶液の粘度を下げる意味で好ましい。より好ましくは150,000以下、さらに好ましくは100,000以下、さらにより好ましくは50,000以下、特に好ましくは25,000以下である。ここで、数平均分子量とは全分子の分子量の和を分子数で割ったものであり、高分子の特性の一つである。
数平均分子量を測定する方法としては、末端基定量法、浸透圧法、蒸気圧オスモメトリー、蒸気圧降下法、氷点降下法、沸点上昇法、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法などがあるが、本発明においては操作の容易さの点でゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法を採用するのが好ましい。
【0019】
本発明において、アルキル(メタ)アクリレート単位とメトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート単位とが30〜99.5/0.5〜70のモル比で共重合されていることが好ましい。アルキル(メタ)アクリレート単位が少なすぎると共重合体が血液など水に溶解しやすくなり、多すぎるとメトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートの血液適合性が十分に発揮されない可能性がある。したがって、モル比は40〜95/5〜60であることがより好ましい。
【0020】
「アクリル樹脂 合成・設計と新用途開発 中部経営開発センター 昭和60年発行」、「アクリル酸エステルとそのポリマー[II] 株式会社昭晃堂 昭和50年発行」によると、アクリル(メタ)アクリレートの炭素数が増大するにつれ、そのポリマーのガラス転移点は低下し、ある極小値をむかえた後増大する傾向にある。その極小値はn-アルキルアクリレートでは炭素数が8、n-アルキルメタクリレートでは炭素数が12である。つまり、炭素数8のアルキルアクリレートを共重合で組み込むことで共重合体のガラス転移温度を低下させることができることを示している。
【0021】
メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート単独重合体は親水性が高いため血液適合性には優れているが、水溶性であるので血液等に長期間接触させた場合、徐々に溶出する問題があった。本発明者らは血液適合性に優れるだけでなく、長期使用に耐える材料について鋭意検討した結果、血液等への溶出を防止するための適度な疎水性と、コーティングの物理的な膜剥がれを防止するための柔軟性とを付与することによって、該課題を解決できることを見出した。すなわち、上記説明したような特定のメトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート単位と特定の炭素数のアルキル(メタ)アクリレート単位とを共重合することにより前記課題を解決できることを見出し本発明を完成した。
【0022】
本発明において、(メタ)アクリレート共重合体は炭素数1〜6のアルコールのいずれかに可溶であることが好ましい。炭素数1〜3のアルコールに可溶であることがコーティング後の乾燥が容易になるためより好ましい。ここで、可溶であるとは前記アルコール10mlに(メタ)アクリレート共重合体1gを25℃で浸漬した際、少なくとも90重量%の(メタ)アクリレート共重合体が溶解することを言う。
【0023】
「高分子基礎科学 株式会社昭晃堂 1991年発行」によると、高分子を熔融状態から冷却してゆくと、結晶化せずに過冷却状態を経てついにはガラス状態となり固化してしまうことがある。この液体状態とガラス状態の転移をガラス転移といい、この温度をガラス転移温度という、と書かれている。ガラス転移温度以下では高分子は流動性を失ってガラス状であるのに対し、ガラス転移温度以上では流動性を持ち、いわば液体の状態にある。つまり、本発明の共重合体に柔軟性を持たせるためには室温よりも低いガラス転移温度をもつ必要がある。
【0024】
本発明の(メタ)アクリレート共重合体のガラス転移温度は−100〜20℃であることが好ましい。−50〜10℃であることがより好ましい。ガラス転移温度が高すぎると作業環境においてコーティング膜が物理的に剥離してしまう可能性がある。ガラス転移温度が低すぎると共重合体の流動性が増大し、コーティングの作業性が低下する可能性がある。
【0025】
本発明の共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体およびグラフト共重合体のいずれであってもよい。また、本発明の共重合体を製造するための共重合反応自体には特別の制限はなく、ラジカル重合、イオン重合、光重合、マクロマーを利用した重合等の公知の方法を用いることができる。
【0026】
本発明の(メタ)アクリレート共重合体を製造するための一例としてラジカル重合による製造方法を以下に示す。
即ち、攪拌可能な反応装置にモノマーと溶媒、開始剤を加え、窒素置換の後加熱することで重合が開始し、一定時間その温度を保つことで重合は完結する。得られた共重合体を精製するには、共重合体不溶の溶媒で再沈殿を行うかあるいは共重合体水溶液を透析する等の一般的な方法で可能である。この重合の際に連鎖移動剤を併用し分子量をコントロールすることも可能である。共重合の際に用いられる溶剤としては、メタノールやエタノールやイソプロピルアルコール等のアルコール類、酢酸エチル、トルエン、ベンゼン、メチルエチルケトン等の有機溶剤、あるいは水が用いられ、これらを混合して用いることもできる。
【0027】
重合開始剤としては、一般的にラジカル重合で用いられる過酸化物系、アゾ系のラジカル開始剤が用いられる。過酸化物系ラジカル開始剤としては例えば過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素等の無機系過酸化物、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンパーオキサイド等の有機系過酸化物が、アゾ系ラジカル開始剤としては例えば2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジハイドロクロライド、ジメチル2,2’−アゾビスブチレート、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)等が用いられる。また、過酸化物系の開始剤に還元剤を組み合わせたレドックス開始剤も使用できる。
【0028】
重合する際の温度は、溶剤の種類、開始剤の種類によって異なるが、開始剤の10時間半減期温度付近を使用するのが好ましい。具体的には、前記開始剤を使用する場合40〜80℃が好ましい。重合の際に分子量を制御するため用いられる連鎖移動剤としては、ドデシルメルカプタン、チオリンゴ酸、チオグリコール酸等の高沸点のチオール化合物、イソプロピルアルコール、亜リン酸、次亜リン酸等を用いることができる。
【0029】
得られた共重合体を精製するための再沈殿溶媒には、非水溶性共重合体の溶解性が低いメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等の脂肪族アルコール類が用いられ、他の溶剤と混合して用いても良い。
【0030】
実際の再沈殿の処理方法としては例えば、重合溶液1重量部に対して再沈殿溶媒10〜20重量部を用い、重合溶液を攪拌中の再沈殿溶媒へ滴下することにより実施される。1回の再沈殿で共重合体が十分に精製できないときは、2回以上同じ操作を行っても良い。
【0031】
精製された共重合体を材料として用いるためには乾燥による溶媒の除去が必要となる。乾燥方法としては例えば、60℃で1Torr以下の減圧下において2〜10日間継続して実施し、十分な乾燥が得られないときは引き続き減圧乾燥を行っても良い。
【0032】
上述した本発明の共重合体は、水不溶性であり、表面処理剤として好ましく用いることができる。具体的な態様として、得られた共重合体を有機溶媒に溶解することにより得られる溶液を医療用具等の基材表面に塗布した後、溶媒を除去することによって得ることができる。本発明の共重合体を基材表面に担持させる方法としては、コーティング法や放射線、電子線、紫外線によるグラフト重合を利用する方法、基材の官能基との化学反応を利用する方法等の公知の方法が挙げられる。中でも、コーティング法は、製造工程が容易であるため、実用上好ましい。コーティング法は、特に限定されず、塗布法、スプレー法、ディップ法等を用いることができる。例えば、塗布法によるコーティング法は、例えば、アルコール、クロロホルム、アセトン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド等の適当な有機溶媒に本発明の(メタ)アクリレート共重合体を溶解したコーティング液に、基材を浸せきした後、余分な溶液を除き、ついで風乾させるなどの簡単な操作で実施できる。また、コーティング後の基材に熱を加え乾燥させることも好ましい。これにより、基材と本発明の共重合体との接着性をより高め、より強固に固定することができる。
【0033】
有機溶媒としては基材である医療用具にできる限り損傷を与えないものが選択され、具体的にはメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、アセトン、ノルマルヘキサン、シクロヘキサン、テトラヒドロフラン、1、4-ジオキサン、シクロヘキサノン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン等が使用されるが、この中でも沸点が低く、コーティング後の乾燥が容易なメタノール、エタノール、イソプロピルアルコールがより好ましい。
【0034】
本発明のアルキル(メタ)アクリレート単位とメトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート単位とを共重合することにより得られる(メタ)アクリレート共重合体は、親水性と疎水性が適度にバランスされているので、(メタ)アクリレート共重合体として好適に使用することができる。
【0035】
本発明の(メタ)アクリレート共重合体は、いずれかを単独で用いることもできるし、2種以上を混合して用いることもできる。本発明の(メタ)アクリレート共重合体は、生体適合性、ひいては抗血栓性に優れるので、医療用具や人工臓器用膜の表面処理に好適に用いられる。
【0036】
本(メタ)アクリレート共重合体を用いて処理を行った医療用具が血液と接触した際、親水性の高いメトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート単位が表面に張り出して抗血栓性を発揮し、またアルキル(メタ)アクリレートは基材近傍に留まることによって血液と医療用具が直接接触することを防いでいるものと考えられる。よって、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートの共重合組成比は40モル%以下、さらに好ましくは30 モル%以下である。
【0037】
本(メタ)アクリレート共重合体の水不溶性を確認する方法としてエージング処理が挙げられる。エージング処理に用いる抽出溶媒としては、簡便性とその後に実施する血液適合性評価の信頼性を向上させる点で、生理食塩水を用いることが好ましい。37℃恒温下にて行うのがさらに好ましい。(メタ)アクリレート共重合体が水不溶性であると、エージング処理後も高い血液適合性が維持される。
【0038】
本(メタ)アクリレート共重合体の免疫活性化度を評価する方法として補体価の比較が挙げられる。CH50を測定するMayer法は簡便で速やかな測定が可能であり、しかも測定キットの入手が容易で安価なため好ましい。(非特許文献5参照)。
【非特許文献5】人工臓器23(3)、654−659(1994)
【0039】
本発明の第三の態様は、表面が本発明の(メタ)アクリレート共重合体で処理されてなる医療用具である。本発明の医療用具は、表面の少なくとも一部、好ましくは表面の血液等と接触する部分の全部が本発明の(メタ)アクリレート共重合体で処理されている。本発明の医療用具は、優れた抗血栓性を要求されるものであるのが好ましい態様の一つである。そのような医療用具としては、例えば、血液フィルター、血液保存容器、血液回路、留置針、カテーテル、ガイドワイヤー、ステント、人工肺装置、透析装置、癒着防止材、創傷被覆材、生体組織の粘着材、生体組織再生用の補修材が挙げられる。特に、体外循環回路を有し、そこに血液接触部を有する医療用具が好ましい態様である。
【0040】
ここで医療用具の基材としては通常使用される全ての材料が含まれる。すなわち、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、熱可塑性ポリエーテルポリウレタン、熱硬化性ポリウレタン、架橋部を有するポリジメチルシロキサン等のシリコーンゴム、ポリメチルメタクリレート、ポリフッ化ビニリデン、4フッ化ポリエチレン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアセタール、ポリスチレン、ABS樹脂およびこれらの樹脂の混合物、ステンレス、チタニウム、アルミニウム等の金属などが挙げられる。
【実施例】
【0041】
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
【0042】
(数平均分子量の測定)
試料15 mgに3 mLのGPC測定用の移動相を加えて溶解し、0.45μmの親水性PTFE(Millex-LH、日本ミリポア)でろ過を行った。GPC測定は510高圧ポンプ、717plus自動注入装置(日本ウォーターズ)、RI-101(昭和電工)の測定装置を用い、カラムPLgel 5μMIXED-D(600x7.5 mm)((Polymer Laboratories)、カラム温度は常温で行い、移動相は0.03重量%のジブチルヒドロキシトルエン(BHT)を添加したテトラヒドロフラン(THF)を用いた。RIにて検出を行い、50 μL注入した。分子量構成は単分散PMMA(Easi Cal: Polymer Laboratories)で行った。
【0043】
(共重合組成比の測定)
NMR用試験管(規格;N-5、日本精密化学社製)中にサンプル50 mgをパスツールピペットにて加えた後、重クロロホルム(和光純薬製)0.7 mLを加え十分に混和し、試料用キャップ(規格NC-5、日本精密化学社製)で蓋をした。共重合組成比は、VARIAN社のGEMINI-200を用いて室温下1H NMR測定を実施し、算出した。
【0044】
(アルコール可溶性テスト)
50 mLバイアル中にサンプル 500mgを加えた後、炭素数1〜6いずれかのアルコール 2 mLを加え、十分混和させた。その後、目視により溶解を確認した。
【0045】
(ガラス転移温度の測定)
示差走査熱量計(島津DSC-50)を用いた。試料10 mgをセル(Alセル、6mmφ、島津製作所)につめ、蓋をして、シーラ・クリンパ(島津製作所)でクリンプおよびシールした後、測定機器にセットして測定を行った。測定は液体窒素による冷却の後、N2ガス気流下、昇温速度5℃/minにて−150℃から60℃まで実施した。
【0046】
(エージング処理)
サンプル0.2 gにエタノール19.8 gを加えて溶解することで1重量%のエタノール溶液を調整し、表面処理剤を得た。表面処理剤を25x25x1mmの塩ビシートに塗布し、60℃で24 h乾燥させた。さらに、37℃生理食塩水中で30日間エージングを行い、血液適合性試験用エージングサンプルとした。30日間エージング後のサンプルについて重量減少率が20重量%以下のものを○、20重量%より大きいものを×とした。重量減少が20重量%以上の場合は測定の誤差を考慮しても有意に生理食塩水に溶解したと判断できる。
【0047】
(血液適合性試験)
ウサギより脱血したクエン酸加新鮮血60 mLを50 mL遠沈管二本に等分し、それを1000 rpmにて10分間遠心分離した。その上澄みを10 mL遠沈管四本に等分した。それをさらに1500 rpmで10分間遠心分離した後、上澄みを除去し、沈殿である血小板ペレットを分離した。その中にHBSS(ハンクス平衡塩溶液)を添加して希釈することで、血小板濃度 3.0x108/mLの血小板溶液を得た。血小板濃度は血球カウンター(KX-21 シスメックス株式会社製)で確認した。この濃度の血小板溶液を試験液とした。得られた試験液を0.2 mLとり、60x15 mmのシャーレ(コーニング社、 ポリスチレン製)内の血液適合性試験用エージングサンプル上面に滴下した後、蓋をして37℃で1時間インキュベートした。その後、2.5重量%のグルタルアルデヒド水溶液5 mLを加え、室温で24 時間静置した。水でシャーレ内の溶液を置換する操作を3回行った後、水を除去した。水で洗浄した塩ビシートを−5℃で24 h凍結させた後、0.1 Torrにて24 h乾燥させた。血小板が付着した部分から10x10 mm切り出し、走査型電子顕微鏡(SEM)用サンプル台に両面テープではりつけ、測定サンプルとした。イオン蒸着を行ったサンプルを用いてSEMにて粘着血小板の様子を撮影した。撮影したSEM写真(x3000倍)を目視により比較観察し、付着血小板数が50以下の場合を良好と評価した。
【0048】
(補体価評価−サンプル調製)
サンプル0.2gにエタノール19.8gを加えて溶解することにより得られた溶液を表面処理剤とし、直径1mmのガラス球1gと接触させ溶液を除去した後、60℃にて24時間乾燥させることにより調整した。さらに、37℃生理食塩水中で30日間エージングを行い、補体価評価用サンプルとした。
【0049】
(補体価評価−測定)
50mLポリプロピレン製遠沈管(IWAKI)内に分取したヒト新鮮血10mLを室温にて静置することで凝固させ、3000rpmにて30分間遠心(LC06、TOMY SEIKO CO. LTDを使用)させることにより血清を3.5mL得た。前記の方法で表面処理を行った1mmφガラスビーズ1gに希釈液0.1mLを添加した後1時間37℃にてインキュベートし、得られた血清0.2mL添加し同様に1時間37℃にてインキュベートを行った。希釈液2.6mL、接触した血清12.5μL及び感作ヒツジ赤血球0.4mLを十分混合した後37℃にて1時間インキュベートを行い、0℃にて10分冷却した後、2000rpmにて遠心し、上澄み2mLの吸光度を541nmにて測定した(U-2000 Spectrometer、HITACHIを使用)。同時に希釈液2.6mLおよび感作ヒツジ赤血球0.4mLを添加したものを溶血なしのものとしてデータを差し引いた。測定にはオートCH50−L「生研」(統一商品番号400437・希釈液52mL、感作ヒツジ赤血球6mL)を用いた。表面処理を行わないガラス球の吸光度値を1としての相対的な吸光度を算出し、1.2以上を良好とし、1.2未満を不良とした。1.2未満の場合は測定誤差を考慮しても有意に補体が活性化したと判断できる。
【0050】
(実施例1)
メトキシトリエチレングリコールアクリレート(MTEGA)(新中村化学工業株式会社)15.1 gおよび2-エチルヘキシルアクリレート(EHA)(東京化成工業株式会社)29.7 gにアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)(和光純薬)0.0447 gを加え、酢酸エチル(東京化成工業株式会社)178.9 g中で80℃、20時間の条件で重合反応を行った。重合反応終了後、反応液をメタノールに滴下し沈殿させ、生成物を単離した。生成物をテトラヒドロフラン(THF)に溶解し、メタノールに滴下する操作を二回行い、精製した。これを一昼夜60℃にて減圧乾燥し、共重合体1を得た。
【0051】
(実施例2)
MTEGA(新中村化学工業株式会社)22.2 gおよびEHA(東京化成工業株式会社)44.2 gにアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)(和光純薬)0.0543 gを加え、酢酸エチル(東京化成工業株式会社)178.9 g中で80℃、20時間の条件で重合反応を行った。重合反応終了後、反応液をメタノールに滴下し沈殿させ、生成物を単離した。生成物をテトラヒドロフラン(THF)に溶解し、メタノールに滴下する操作を二回行い、精製した。これを一昼夜60℃にて減圧乾燥し、共重合体2を得た。
【0052】
(実施例3)
メトキシトリエチレングリコールアクリレート(MTEGA)(新中村化学工業株式会社)33.4 gおよびラウリルアクリレート(LA)(東京化成工業株式会社)38.9 gにアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)(和光純薬)0.0747 gを加え、酢酸エチル(東京化成工業株式会社)178.9 g中で80℃、20時間の条件で重合反応を行った。重合反応終了後、反応液をメタノールに滴下し沈殿させ、生成物を単離した。生成物をテトラヒドロフラン(THF)に溶解し、メタノールに滴下する操作を二回行い、精製した。これを一昼夜60℃にて減圧乾燥し、共重合体3を得た。
【0053】
(実施例4)
メトキシトリエチレングリコールアクリレート(MTEGA)(新中村化学工業株式会社)22.2 gおよびラウリルアクリレート(LA)(新中村化学工業株式会社)44.2 gにアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)(和光純薬)0.0655 gを加え、酢酸エチル(東京化成工業株式会社)178.9 g中で80℃、20時間の条件で重合反応を行った。重合反応終了後、反応液をメタノールに滴下し沈殿させ、生成物を単離した。生成物をテトラヒドロフラン(THF)に溶解し、メタノールに滴下する操作を二回行い、精製した。これを一昼夜60℃にて減圧乾燥し、共重合体4を得た。
【0054】
(比較例1)
メトキシポリエチレングリコールアクリレート(MPEGA)(新中村化学工業株式会社)95.2 gおよびエチルアクリレート(EA)(東京化成工業株式会社)5.1 gにアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)(和光純薬)0.125 gを加え、イソプロピルアルコール(東京化成工業株式会社)250 g中で80℃、20時間の条件で重合反応を行った。なお、メトキシポリエチレングリコールアクリレートにおいてエチレンオキシドの重合度が9のポリエチレングリコールを用いた。重合反応終了後、反応液をn-ヘキサンに滴下し沈殿させ、生成物を単離した。生成物をイソプロピルアルコールに溶解し、n-ヘキサンに滴下する操作を二回行い、精製した。これを一昼夜60℃にて減圧乾燥し、共重合体5を得た。
【0055】
(比較例2)
2-エチルヘキシルアクリレート(EHA)(東京化成工業株式会社)22.3 gにアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)(和光純薬)0.0467 gを加え、酢酸エチル(東京化成工業株式会社)100 g中で80℃、20時間の条件で重合反応を行った。重合反応終了後、反応液をメタノールに滴下し沈殿させ、生成物を単離した。生成物をn-ヘキサンに溶解し、メタノールに滴下する操作を二回行い、精製した。これを一昼夜60℃にて減圧乾燥し、共重合体6を得た。
【0056】
(比較例3)
MPC10.0 g、ブチルメタクリレート(BMA)10.0 g、t−ブチルパーオキシネオデカノエート0.069 gを水30重量%及びエタノール70重量%からなる水系混合媒体に溶解して100 gとした(全重合溶媒中の単量体濃度20重量%)。この溶液を50 ℃の温浴中に浸漬して6時間重合させた。重合反応終了後、反応液をn-ヘキサンに滴下し沈殿させ、生成物を単離した。生成物をエタノールに溶解し、n-ヘキサンに滴下する操作を二回行い、精製した。これを昼夜60 ℃にて減圧乾燥し、共重合体7を得た。
【0057】
血液適合性試験の結果、表1に示すように比較例1、2では多数の血小板が積み重なるように粘着していたが、一方、実施例においては表面の血小板粘着数が低く良好な血液適合性を示すことがわかった。また、免疫系評価の結果、良好な補体活性抑制作用があることがわかった。
【0058】
本発明において、30日間のエージング後も良好な血液適合性を示すことがわかった。これにより、長期間の性能維持が予測される。
【0059】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明の共重合体は、血液適合性に優れ、かつ、親水性の高い材料として用いることができる。また材料としての物性が水に不溶な粘性物質であるため医用機材の物性を損なうことなく血液回路全体にコーティングできる材料を提供できる。したがって、産業の発展に寄与することが大である。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本願発明と従来技術との相違点を示す概念図。
【図2】実施例1の血液適合性評価の結果を表すSEM画像。
【図3】実施例2の血液適合性評価の結果を表すSEM画像。
【図4】実施例3の血液適合性評価の結果を表すSEM画像。
【図5】実施例4の血液適合性評価の結果を表すSEM画像。
【図6】比較例1の血液適合性評価の結果を表すSEM画像。
【図7】比較例2の血液適合性評価の結果を表すSEM画像。
【図8】比較例3の血液適合性評価の結果を表すSEM画像。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルキル(メタ)アクリレート単位およびメトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート単位を含む水不溶性の(メタ)アクリレート共重合体。
【請求項2】
下記一般式1で示されるアルキル(メタ)アクリレート単位を含む請求項1に記載の(メタ)アクリレート共重合体。
【化1】

(式中、Rは炭素原子数2〜30のアルキル基またはアラルキル基、Rは水素原子またはメチル基を示す。)
【請求項3】
下記一般式2で示されるメトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート単位を含む請求項1または2に記載の(メタ)アクリレート共重合体。
【化2】

(式中、Rは水素原子またはメチル基、nは1〜1,000の整数を示す。)
【請求項4】
アルキル(メタ)アクリレート単位とメトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート単位とが30〜99.5/0.5〜70のモル比である請求項1〜3いずれか記載の(メタ)アクリレート共重合体。
【請求項5】
炭素数1〜6のアルコールのいずれかに可溶である請求項1〜4いずれか記載の(メタ)アクリレート共重合体。
【請求項6】
ガラス転移温度が−100〜20℃である請求項1〜5いずれか記載の(メタ)アクリレート共重合体。
【請求項7】
数平均分子量が2,000〜200,000である請求項1〜6いずれか記載の(メタ)アクリレート共重合体。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−146133(P2007−146133A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−288230(P2006−288230)
【出願日】平成18年10月24日(2006.10.24)
【出願人】(000003160)東洋紡績株式会社 (3,622)
【Fターム(参考)】