説明

1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(8−メトキシイミノ−2,6−ジアザ−スピロ[3.4]オクト−6−イル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸のアスパラギンサン酸塩、その製造方法、およびそれを含む抗菌用薬学組成物

本発明は、1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(8−メトキシイミノ−2,6−ジアザ−スピロ[3.4]オクト−6−イル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸のアスパラギンサン酸塩、その製造方法、およびそれを含む抗菌用薬学組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2007年4月13日に出願された韓国出願第2007−36574号に基づいて優先権を主張する。
【0002】
本発明は、1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(8−メトキシイミノ−2,6−ジアザ−スピロ[3.4]オクト−6−イル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸のアスパラギン酸塩、その製造方法、およびそれを含む抗菌用薬学組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
キノロンカルボン酸誘導体は、合成抗菌剤であって、ヒトまたは動物の感染性疾病の治療に非常に効果的である。現在、シプロフロキサシン、ノルフロキサシン、オフロキサシンなどのキノロン抗菌剤がヒトの疾病治療に用いられている。このような薬物はグラム陰性菌に対して非常に活性である。ところが、グラム陽性菌に対しては平凡な抗菌力或いは多少低い抗菌力を示すという問題点を持っている。従来のキノロン系抗菌剤の限界を克服するために多様な研究が行われてきた。スパルフロキサシンは、グラム陽性菌に活性を示す、改善された抗菌剤の代表的な例である。ところが、この化合物も、連鎖球菌(streptococci)を始めとしてメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(methicillin-resistant Staphylococcus aureus(MRSA))および漸次増加しているキノロン耐性菌株には弱い抗菌力を示す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】韓国登録特許公報第10−566346号
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Carey and Sundberg, Advanced Organic Chemistry 4th Ed., Vols. A (2000) and B (2001), Plenum Press, New York, NY
【非特許文献2】Greene and Wuts, Protective Groups in Organic Synthesis, 3rd Ed. (1999) John Wiley & Sons, New York, NY
【非特許文献3】Lippincott et al., Remington's Pharmaceutical Sciences: The Science and Practice of Pharmacy, 20th Ed., Williams and Wilkins Publishing, Baltimore (2000)
【非特許文献4】Lewis et al., Hawley's Condensed Chemical Dictionary, 14th Ed., John Wiley Publishing, New York (2001)
【非特許文献5】Fedorak et al, Am. J. Physiol. (1995) 269, G210-218
【非特許文献6】McLoed et al, Gastroenterol (1994) 106, 405-413; Hochhaus et al, Biomed. Chrom, (1992) 6, 283-286
【非特許文献7】Larsen and Bundgaard, Int. J. Pharmaceutics (1987) 37, 87
【非特許文献8】Larsen et al, Int. J. Pharmaceutics (1988) 47, 103
【非特許文献9】Sinkula et al, J. Pharm. Sci. (1975) 64, 181-210
【非特許文献10】Higuchi and Stella, Pro-drugs as Novel Delivery Systems, Vol. 14 of the A.C.S. Symposium Series
【非特許文献11】Roche, Bioreversible Carriers in Drug Design (1987) American Pharmaceutical Association and Pergamon Press
【非特許文献12】Saulnier et al, Bioorg. and Med. Chem. Lett. (1994) 4, p. 1985
【非特許文献13】Jacques, Collet and Wilen, Enantiomers, Racemates and Resolutions (1981) John Wiley & Sons, New York, NY
【非特許文献14】Remington's Pharmaceutical Science, Mack Publishing Company, Easton PA
【非特許文献15】Remington, The Science and Practice of Pharmacy, 19th Ed. (1995) Mack Publishing Company, Easton, Pennsylvania.
【非特許文献16】Hoover, Remington's Pharmaceutical Sciences (1975) Mack Publishing Company, Easton, Pennsylvania
【非特許文献17】Liberman and Lachman, Pharmaceutical Dosage Forms (1980) Marcel Decker, New York, N.Y.
【非特許文献18】Lippincott, Williams & Wilkins, Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems, 7th Ed. (1999)
【非特許文献19】Renner HW, (1990) Mutat Res. 244: 185-8
【発明の概要】
【0006】
〔技術的課題〕
前述した菌株は、呼吸器感染の原因となる病原菌としてよく知られている。よって、改善されたキノロン系抗菌剤、特にこのような病原菌に対して優れた抗菌力を発揮する、改善されたキノロン系抗菌剤が必要である。
【0007】
〔技術的解決方法〕
(発明の要約)
本発明の一様相は、下記化学式(I)で表される1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(8−メトキシイミノ−2,6−ジアザ−スピロ[3.4]オクト−6−イル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸のアスパラギン酸塩である:
【0008】
【化1】

【0009】
本様相の幾つかの具現例において、前記アスパラギン酸は、D−アスパラギン酸、L−アスパラギン酸、DL−アスパラギン酸、またはD−アスパラギン酸とL−アスパラギン酸との非ラセミ混合物から選ばれる。幾つかの具現例において、前記アスパラギン酸はD−アスパラギン酸である。
【0010】
本発明の他の様相は、下記化学式(I)で表される1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(8−メトキシイミノ−2,6−ジアザ−スピロ[3.4]オクト−6−イル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸の薬学的に許容可能なアスパラギン酸塩である:
【0011】
【化2】

【0012】
本様相の幾つかの具現例において、前記アスパラギン酸は、D−アスパラギン酸、L−アスパラギン酸、DL−アスパラギン酸、またはD−アスパラギン酸とL−アスパラギン酸との非ラセミ混合物から選ばれる。幾つかの具現例において、前記アスパラギン酸はD−アスパラギン酸である。
【0013】
本発明の別の様相は、溶媒内で1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(8−メトキシイミノ−2,6−ジアザ−スピロ[3.4]オクト−6−イル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸とアスパラギン酸とを反応させる段階を含む、1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(8−メトキシイミノ−2,6−ジアザ−スピロ[3.4]オクト−6−イル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸のアスパラギン酸塩の製造方法である。
【0014】
本様相の幾つかの具現例において、前記溶媒は、酢酸エチル、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、アセトニトリル、ヘキサン、イソプロピルエーテルおよび水よりなる群から選ばれる少なくとも一つである。本様相の幾つかの具現例において、前記溶媒は、酢酸エチル、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、アセトニトリル、ヘキサン、イソプロピルエーテル、水およびこれらの任意の組み合わせよりなる群から選ばれる。幾つかの具現例において、前記溶媒はエタノールである。
【0015】
本様相の幾つかの具現例において、前記アスパラギン酸は、D−アスパラギン酸、L−アスパラギン酸、DL−アスパラギン酸、またはD−アスパラギン酸とL−アスパラギン酸の非ラセミ混合物から選択される。
【0016】
本様相の幾つかの具現例において、1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(8−メトキシイミノ−2,6−ジアザ−スピロ[3.4]オクト−6−イル)−4−オキソ−1,4−デヒドロ−[1,8]ナフチジリン−3−カルボン酸のアスパラギン酸塩の製造収率は少なくとも70%である。幾つかの具現例において、前記収率は少なくとも80%である。幾つかの具現例において、前記収率は少なくとも85%である。幾つかの具現例において、前記収率は少なくとも90%である。
【0017】
本様相の幾つかの具現例において、1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(8−メトキシイミノ−2,6−ジアザ−スピロ[3.4]オクト−6−イル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸のアスパラギン酸塩の製造収率は約70%〜約80%である。幾つかの具現例において、前記収率は約75%〜約85%である。幾つかの具現例において、前記収率は約85%〜約95%である。幾つかの具現例において、前記収率は約90%〜約99%である。
【0018】
本発明の別の様相は、1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(8−メトキシイミノ−2,6−ジアザ−スピロ[3.4]オクト−6−イル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸のアスパラギン酸塩を含む、抗菌用薬学的組成物である。
【0019】
本様相の幾つかの具現例において、前記アスパラギン酸は、D−アスパラギン酸、L−アスパラギン酸、DL−アスパラギン酸、またはD−アスパラギン酸とL−アスパラギン酸との非ラセミ混合物から選ばれる。幾つかの具現例において、前記アスパラギン酸はD−アスパラギン酸である。
【0020】
本様相の幾つかの具現例において、前記組成物は注射用に剤形化される。幾つかの具現例において、前記組成物は注射剤を含む。
【0021】
本発明の別の様相は、下記化学式(I)で表される1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(8−メトキシイミノ−2,6−ジアザ−スピロ[3.4]オクト−6−イル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸の少なくとも一つの薬学的に許容可能なアスパラギン酸塩の治療学的有効量を用いて動物の疾病または疾患を治療する方法である:
【0022】
【化3】

【0023】
本様相の幾つかの具現例において、前記アスパラギン酸は、D−アスパラギン酸、L−アスパラギン酸、DL−アスパラギン酸、またはD−アスパラギン酸とL−アスパラギン酸との非ラセミ混合物から選ばれる。幾つかの具現例において、前記アスパラギン酸はD−アスパラギン酸である。
【0024】
本発明の別の様相は、動物の疾病または疾患のための薬剤の製造において、化学式(I)の化合物の用途である。
【0025】
本様相の幾つかの具現例において、前記アスパラギン酸は、D−アスパラギン酸、L−アスパラギン酸、DL−アスパラギン酸、またはD−アスパラギン酸とL−アスパラギン酸との非ラセミ混合物から選ばれる。幾つかの具現例において、前記アスパラギン酸はD−アスパラギン酸である。
【0026】
本発明の別の様相は、動物の疾病または疾患の治療方法に使用するための化学式(I)の化合物である。
【0027】
本様相の幾つかの具現例において、前記アスパラギン酸は、D−アスパラギン酸、L−アスパラギン酸、DL−アスパラギン酸、またはD−アスパラギン酸とL−アスパラギン酸との非ラセミ混合物から選ばれる。幾つかの具現例において、前記アスパラギン酸はD−アスパラギン酸である。
【0028】
〔参考文献の参照〕
本明細書に言及される全ての刊行物および特許出願は、それぞれの刊行物または特許出願が具体的且つ個別的に参照文献によって参照されたところと同一の範疇で、本明細書において参考文献によって参照される。
【発明を実施するための形態】
【0029】
〔発明の詳細な説明〕
本発明は、1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(8−メトキシイミノ−2,6−ジアザ−スピロ[3.4]オクト−6−イル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸のアスパラギンサン酸塩に関する。また、本発明は、1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(8−メトキシイミノ−2,6−ジアザ−スピロ[3.4]オクト−6−イル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸のアスパラギンサン酸塩の製造方法に関する。また、本発明は、1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(8−メトキシイミノ−2,6−ジアザ−スピロ[3.4]オクト−6−イル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸のアスパラギンサン酸塩を含む抗菌用薬学的組成物に関する。
【0030】
〔用語辞典〕
本明細書および請求項を含んで本出願に使用される下記用語は、別途言及しない限りは下記の定義を有する。本明細書および記載された請求項に使用された単数「a」、「an」、および「the」は、本明細書に別途明示しない限りは複数形を含むという点に留意すべきである。標準化学用語の定義は、『Carey and Sundberg, Advanced Organic Chemistry 4th Ed., Vols. A (2000) and B (2001), Plenum Press, New York, NY』などの参考文献から探し出すことができる。別途記載しない限りは、質量分析、NMR、HPLC、タンパク質化学、生化学、組み換えDNA術および薬理学などの既存の方法は従来の技術の範囲内で適用される。
【0031】
本明細書で使用される下記の単語および語句は、本明細書で異ならせて使用される範疇以外は一般に次の意味を持つものとする。
【0032】
本明細書で単独或いは併用して使用される「選択的な(optional)」または「選択的に(optionally)」は、前記用語に続いて記載された事件または状況が起こってもよく、起こらなくてもよいことを意味するが、必ず起こる必要はなく、説明において前述の事件または状況が起こる例示および起こらない例示を含む。
【0033】
本明細書で使用される「保護基(protecting group)」は、幾つかまたは全ての反応モイエティを防ぐ化学的モイエティをいい、保護基が除去されるまで、このような基が化学反応に参与することを防止する。前記過程および含まれる特定基は当業界に知られており、『Greene and Wuts, Protective Groups in Organic Synthesis, 3rd Ed. (1999) John Wiley & Sons, New York, NY』などの参考資料を容易に探し出すことができ、前記参考資料は全体として本明細書に参照される。
【0034】
化学基が従来の化学式にしたがって左から右に記載される場合、これは化学的に同一の置換体である前記化学構造を右から左に記載するのと同一である:例えば、−CH2O−は−OCH2−と同じである。
【0035】
「薬学的製剤(pharmaceutical agent)」は、治療学的効果を与える或いは与えようとする任意の製剤をいい、薬剤として使用されるか或いは薬剤としての用途を示す。薬学的製剤は、治療、診断、調節(modulation)、または病的状態またはこれらの症状の予防に使用できる。当業者は、特定の疾病または症状を取り扱う場合、適切な薬学的製剤を選択することができる。本発明の範疇内と思われる代表的薬学的製剤は、下記の参考文献に提供される(開示された全ての文献は本明細書で参照される):Lippincott et al., Remington's Pharmaceutical Sciences: The Science and Practice of Pharmacy, 20th Ed., Williams and Wilkins Publishing, Baltimore (2000); and Lewis et al., Hawley's Condensed Chemical Dictionary, 14th Ed., John Wiley Publishing, New York (2001)。
【0036】
本明細書で使用される剤形、組成物または成分に関連し、用語「許容可能な(acceptable)」とは、治療対象の一般健康に持続的に有害な影響を及ぼさない。
【0037】
本明細書において単独でまたは併用して使用される「薬学的に許容可能な(pharmaceutically acceptable)」とは、化合物の生物学的活性または特性を無くさない物質をいい、相対的に無毒性である。よって、化学式(I)の化合物を含む薬学的製剤伝達組成物の薬学的に許容される成分(塩、担体、賦形剤または希釈液など)は、(1)薬学的製剤を伝達するために他の伝達組成物成分と両立することができなければならず、(2)伝達組成物が動物(例えば、ヒト)の治療学的用途であれば、毒性、炎症およびアレルギー性反応などの不適切な副作用を誘発してはならない。副作用は、これらの危険が薬学的製剤による利益を超える場合に不適である。すなわち、物質が好ましくない生物学的効果を生じることなく、或いは有害な方式でいずれかの含有組成物の成分と作用することなく、個体に投与できる。
【0038】
本明細書で使用される化合物の「薬学的に許容可能な塩(pharmaceutically acceptable salt)」は、塩として薬学的に許容可能なものをいう。薬学的に許容可能な塩は、化合物の生物学的効果および特性を維持しながら不都合でない塩である。幾つかの場合において、化学式(I)の化合物は、アミノおよび/またはカルボキシル基またはこれと同様の基の存在により酸および/または塩基塩を形成することができる。薬学的に許容可能な塩基添加塩は無機および有機塩から製造できる。無機塩基に由来した塩は、ほんの一例として、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウムおよびマグネシウム塩を含む。有機塩基に由来した塩は、これに限定されないが、アルキルアミン類、ジアルキルアミン類、トリアルキルアミン類、置換アルキルアミン類、ジ(置換アルキル)アミン類、トリ(置換アルキル)アミン類、アルケニルアミン類、ジ(置換アルケニル)アミン類、トリ(置換アルケニル)アミン類、シクロアルキルアミン類、ジ(シクロアルキル)アミン類、トリ(シクロアルキル)アミン類、置換シクロアルキルアミン類、二置換シクロアルキルアミン類、三置換シクロアルキルアミン類、シクロアルケニルアミン類、ジ(シクロアルケニル)アミン類、トリ(シクロアルケニル)アミン類、置換シクロアルケニルアミン類、二置換シクロアルケニルアミン類、三置換シクロアルケニルアミン類、アリールアミン類、ジアリールアミン類、トリアリールアミン類、ヘテロアリールアミン類、ジヘテロアリールアミン類、トリヘテロアリールアミン類、並びに、アミンにある少なくとも2つの置換体が相異なるアルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリールおよび複素環などよりなる群から選ばれる混合されたジ−およびトリ−アミン類などの1次、2次および3次アミン類を含む。また、アミノ窒素に共に位置する2つまたは3つの置換体が複素環またはヘテロアリール基を形成するアミン類を含む。薬学的に許容可能な酸添加塩は無機および有機酸から製造できる。無機酸に由来した塩は塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などを含む。有機酸に由来した塩は酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、リンゴ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエン−スルホン酸、サリチル酸などを含む。
【0039】
本明細書で使用される「プロドラッグ(prodrug)」とは、体内新陳代謝過程で薬学的に活性な形態に転換される薬物または化合物をいう。
【0040】
本明細書で使用される「薬学的組み合わせ(pharmaceutical combination)」とは、一つ以上の活性成分の混合または結合に起因した生成物を意味し、活性成分の固定および非固定組み合わせを全て含む。
【0041】
「固定組み合わせ(fixed combination)」とは、例えば、少なくとも一つの化学式(I)の化合物および助剤(co-agent)などの活性成分が同時に単一体または1回服用量の形態で一緒に患者に投与されることを意味する。「非固定組み合わせ(non-fixed combination)」とは、例えば、少なくとも一つの化学式(I)の化合物および助剤などの活性成分が同時に、一時にまたは順次特定の時間間隔の制限なしで分離体として患者に投与されることを意味し、前述したような投与は患者の体内で2つの化合物の効率的な数値を提供する。また、後者は、例えば3つまたはそれ以上の活性成分の投与など、カクテル治療にも適用する。
【0042】
本明細書で使用される「有効量(effective amount)」または「治療学的有効量(therapeutically effective amount)」は、投与される製剤または化合物の十分な量をいい、治療を必要とする哺乳類に投与する場合、疾病または疾患の一つまたはそれ以上の症状が多少治療されるように安定させる。その結果は、疾病の表示、症状または原因の減少および/または緩和、またはバイオシステムの他に何か好ましい変更であり得る。例えば、治療学的用途のための「有効量」は、臨床的に疾病を相当減少させるために必要な、本明細書に開示された化合物を含む組成物の量である。治療学的有効量は、治療される対象と疾病の状態、対象の体重および年齢、疾病状態の深刻性、特定化合物、投与療法、これによる投与時間、投与方式などによって異なり、これらの全ては当業者によって容易に決定できる。ある個体の場合、適切な有効量は服用量増加実験(dose escalation study)などの技術を用いて決定できる。
【0043】
「賦形剤(excipient)」は、一般に薬物用希釈剤または賦形液として使用される薬学的に非活性または不活性な物質をいう。相異なる形態の薬物投与は相異なる賦形剤を必要とすることもあり、「薬学的に許容可能な賦形剤」は「薬学的に許容可能な担体」を含む。例えば、錠剤、トローチ、丸薬、カプセルなどは、トラガカントゴム(gum tragacanth)、アカシア、コーンスターチまたはゼラチンなどの結合剤;コーンスターチ、ジャガイモ澱粉、アルギン酸などの崩壊剤(disintegrating agent);ステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤;蔗糖、乳糖またはサッカリンなどの甘味剤;および/またはペパーミント、オイル、ウィンターグリーンまたはチェリー香料などの着香剤を含む希釈剤を含むことができる。カプセルは液状担体などの追加的な希釈剤を含むことができる。シロップまたはエリキシルは蔗糖などの甘味剤、メチルやプロピルパラベンなどの防腐剤、染色剤、および/またはチェリーやオレンジ香料などの着香剤を含む賦形剤を含むことができる。
【0044】
本明細書で使用される「強化する(enhance)」または「強化(enhancing)」は、所望する効果の効能または期間を増やし或いは延長することを意味する。よって、治療学的製剤の効果強化に関連し、「強化(enhancing)」は、システム上の他の治療学的製剤の効果の効能または期間を増やし或いは延長することが可能な能力をいう。本明細書で使用される「強化−有効量(enhancing-effective amount)」は、所望のシステムで別の治療学的製剤の効果を強化することに十分な量をいう。
【0045】
本明細書で使用される「調節する(modulate)」または「調節(modulating)」は、ほんの一例として、標的の活性を強化するために、標的の活性を抑制するために、標的の活性を制限するために、または標的の活性を拡張するためのことを含んで標的の活性を変更するために、直接または間接に標的との相互作用を行うことを意味する。
【0046】
本明細書で使用される「調節剤(modulator)」は、直接または間接に標的と相互作用する分子をいう。前記相互作用は、これに限定されず、作用剤と拮抗剤との相互作用を含む。
【0047】
本明細書で使用される「同時投与(co-administration)」などは、選択される治療学的製剤を単一患者に投与することを包括する意味であり、前記製剤が同一または相異なる投与経路によって投与されるか、或いは同一または相異なる時間に投与される治療療法を含む。
【0048】
本明細書で使用される「薬学的組成(pharmaceutical composition)」とは、担体、安定剤、希釈剤、分散剤、懸濁剤、粘増剤、および/または賦形剤などの他の化学成分と活性化合物との混合物をいう。
【0049】
本明細書で使用される「担体(carrier)」、「薬学的に許容可能な担体(pharmaceutically acceptable carrier)」、または「薬学的に許容可能な賦形剤(pharmaceutically acceptable excipient)」は、化合物が細胞または組織に結合することを促進する、相対的に無毒性の化学的化合物または製剤をいう。これらはいずれの溶媒、分散媒体、コーティング、抗菌性および抗真菌性製剤、等張および吸収遅延剤なども含む。薬学的に活性な物質に対するこのような媒体と製剤の使用は、当該分野に良く知られている。任意の従来の媒体または製剤が活性成分に合わないという点を除けば、この治療学的組成物への使用が予想される。また、追加の活性成分が前記組成物に結合できる。
【0050】
「対象(subject)」または「患者(patient)」は哺乳類と非哺乳類を包括する。哺乳類の例示としては、これに限定されないが、任意の哺乳類構成員の種類:ヒト、 例えばチンパンジー、他の類人猿および猿種などの非ヒト−霊長類;牛、馬、羊、ヤギ、豚などの農場動物;ウサギ、犬および猫などの家畜;ラット、マウスおよびモルモットなどの齧歯動物を含む実験用動物などを含む。非哺乳類の例としては、これに限定されないが、鳥類、魚類などを含む。本明細書に提供される方法および組成物の一具現例において、前記哺乳類はヒトである。
【0051】
本明細書で使用される「治療する(treat)」、「治療(treating)」または「治療(treatment)」は、疾病または疾患症状を少なくとも緩和、軽減または改善させること、追加的な症状を少なくとも部分的に予防すること、症状の基底代謝原因を改善または予防すること、例えば疾病または疾患の発達を阻止することのように疾病または疾患を少なくとも部分的に抑制すること、疾病または疾患を少なくとも部分的に緩和させること、疾病または疾患の退行を少なくとも部分的に発生させること、疾病または疾患によって発生する状態を少なくとも部分的に緩和させること、および疾病または疾患の症状を少なくとも部分的に中断させることを含む。よって、哺乳類の疾病に対する任意の治療は下記の事項を任意に、全てまたは組み合わせて含み、少なくとも部分的な治療学的効果または予防的効果を提供しなければならない:
a)疾病の発病を予防すること、すなわち、疾病の臨床的症状が発達しないようにすること;
b)疾病の発病を遅延させること、すなわち、疾病の臨床的症状が後で発生するようにすること;
c)疾病の発病の重症度を減らすこと、すなわち、疾病の臨床的症状がより激しくならないようにすること;
d)進行中の疾病を緩和すること、すなわち、臨床的症状が退歩するようにすること;
e)進行中の疾病を阻止すること、すなわち、臨床的症状を除去するようにすること、および/または
f)正常生理機能を強化すること。
【0052】
化学式(I)の化合物は、酸性プロトンが親化合物に存在するときに形成される、薬学的に許容可能な塩として製造でき、いずれか一つは、例えば、アルカリ金属イオン、アルカリ土金属イオンまたはアルミニウムイオンなどの金属イオンで置換されるか、或いは有機塩基に配位する。また、開示された化合物の塩形態は出発物質または中間体の塩を用いて製造できる。
【0053】
化学式(I)の化合物は、前記化合物の遊離塩基形態を、薬学的に許容可能な無機または有機酸と反応させることにより、薬学的に許容可能な酸添加塩(薬学的に許容可能な塩の形態である)に製造できる。前記薬学的に許容可能な無機または有機酸は、これに限定されないが、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、メタリン酸などの無機酸;酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、Q−トルエンスルホン酸、酒石酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸、安息香酸、3−(4−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、アリールスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2−エタンジスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、4−メチルビシクロ−[2,2,2]オクト−2−エン−1−カルボン酸、グルコペプトン酸、4,4’−メチレンビス−(3−ヒドロキシ−2−エン−1−カルボン酸)、3−フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、3次ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、およびムコン酸などの有機酸を含む。
【0054】
択一的に、化学式(I)の化合物は、前記化合物の遊離酸形態を、薬学的に許容可能な無機または有機塩基と反応させることにより、薬学的に許容可能な塩基添加塩(薬学的に許容可能な塩の形態である)に製造できる。薬学的に許容可能な無機または有機塩基は、これに限定されないが、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、N−メチルグルカミンなどの有機塩基と、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウムなどの無機塩基を含む。
【0055】
薬学的に許容可能な塩に対する言及は、溶媒添加形態またはその結晶体形態、特に溶媒化合物(solavate)または多形体(polymorph)を含むものと理解されるべきである。溶媒化合物は、化学量論的または非化学量論的な量の溶媒を含み、水、エタノールなどのように薬学的に許容可能な溶媒との結晶化工程中に形成できる。水和物は前記溶媒が水の場合に形成され、アルコラートは前記溶媒がアルコールの場合に形成される。化学式(I)の化合物の溶媒化合物は、本明細書に記載された工程中に便利に製造または形成できる。ほんの一例として、化学式(I)の化合物の水和物は、これに限定されないが、ジオキサン、テトラヒドロフランまたはメタノールを含む有機溶媒を用いて、水性/有機溶媒混合物からの再結晶化によって便利に製造できる。また、本明細書に提供された化合物は、溶媒化された形態で存在してもよく、非溶媒化された形態で存在してもよい。一般に、本明細書に提供された化合物および方法の目的のために溶媒化された形態は、非溶媒化された形態と等価のものであると見なされる。
【0056】
化学式(I)の化合物は、多形体としても知られている結晶体形態を含む。多形体は、化合物の同一成分組成物の相異なる結晶パッキング(packing)配列を含む。多形体は、通常相異なるX線回折パターン、赤外線スペクトル、融点、密度、硬度、結晶型、光学および電気性質、安定性、および溶解度を有する。再結晶化溶媒、結晶化速度、および貯蔵温度などの多様な要素が、支配的に単一結晶形態を持つようにすることができる。
【0057】
化学式(I)の化合物はプロドラッグとして製造できる。プロドラッグは、一般に薬物前駆体が後続的に患者に投与された後で吸収され、新陳代謝経路による転換などの過程によって活性、またはさらに活性な種に転換される。あるプロドラッグは、プロドラッグ上に存在し、これをより少なく活性にしおよび/または薬物に溶解性または他の性質を与える化学基を有する。化学基がプロドラッグから除去および/または変形されると、活性薬物が生成される。前記プロドラッグは、ある場合には親薬物に比べて投与し易いから時々有用である。例えば、プロドラッグは経口投与によって生物学的に利用可能であるが、親薬物はそうではない。また、プロドラッグは薬学的組成物において親薬物より改善された溶解度を有する。これに限定されないが、プロドラッグの一例は化学式(I)の化合物であり、これはエステル(「プロドラッグ」)として投与され、細胞膜を横切る伝達を促進する。ここで、水溶性は移動に不利であるが、その後、新陳代謝的に水和されてカルボン酸、活性体になると、細胞内では水溶性が有利である。プロドラッグの更なる例は酸基に付いた短いペプチド(ポリアミノ酸)であり、ここで、ペプチドは新陳代謝されて活性モイエティを示す。
【0058】
プロドラッグは、部位特定組織への薬物伝達を強化するための変更因子(modifier)として使用するために可逆的な薬物誘導体として考案される。現在まで、プロドラッグの考案は、主溶媒が水である部位を標的にするために、治療学的化合物の有効水溶性を増加させてきた。例えば、本明細書に全体として参照された『Fedorak et al, Am. J. Physiol. (1995) 269, G210-218; McLoed et al, Gastroenterol (1994) 106, 405-413; Hochhaus et al, Biomed. Chrom, (1992) 6, 283-286; Larsen and Bundgaard, Int. J. Pharmaceutics (1987) 37, 87; Larsen et al, Int. J. Pharmaceutics (1988) 47, 103; Sinkula et al, J. Pharm. Sci. (1975) 64, 181-210; Higuchi and Stella, Pro-drugs as Novel Delivery Systems, Vol. 14 of the A.C.S. Symposium Series; and Roche, Bioreversible Carriers in Drug Design (1987) American Pharmaceutical Association and Pergamon Press』を参照する。
【0059】
また、化学式(I)の化合物のプロドラッグ誘導体は、当業者における公知の方法で製造できる(さらに詳細な例は『Saulnier et al, Bioorg. and Med. Chem. Lett. (1994) 4, p. 1985』を参照)。一例として、適切なプロドラッグは、化学式(I)の非誘導された化合物を、これに限定されないが、1,1−アシルオキシアルキルカルバノクロリデート(1,1-acyloxyalkylcarbanochloridate)、パラ−ニトロフェニルカーボネート(para-nitrophenyl carbonate)などの適切なカルバミル化剤と反応させることにより製造できる。本明細書に記載された化合物のプロドラッグ形態は本請求項の範疇内に含まれる。前記プロドラッグは、生体内(in vivo)で新陳代謝され、本明細書に開示されているように誘導体を生産する。実際、本明細書に記載されたある化合物は別の誘導体または活性化合物のためのプロドラッグでありうる。
【0060】
本発明の他の具現例において、本明細書に記載された化合物は、同位元素で、或いは、これに限定されないが、発色団(chromophore)や蛍光成分、生物発光標識、または化学発光標識の使用を含む他の手段によって標識できる。化学式(I)の化合物は一つまたはそれ以上のキラル中心を持つことができ、それぞれの中心はRまたはS配列で存在することができる。本明細書に存在する化合物は全ての部分立体異性、光学異性、およびエピマーの形態だけでなく、これらの適切な混合物を含む。化学式(I)の化合物は、化合物のラセミ混合物を光学的活性分解剤と反応させて一対の部分立体異性化合物を形成し、部分立体異性体を分離し、光学的に純粋な光学異性体を回収することにより、これらの個別的な立体異性体に製造できる。光学異性体の分解は、本明細書に記載された化合物の共有部分立体異性誘導体を用いて行われ得るが、分解可能な複合体が好ましい(例えば、結晶性部分立体異性塩)。部分立体異性体は、区別される物理的性能(融点、沸点、溶解度、反応度など)を有し、このような差異点を用いて容易に分離できる。部分立体異性体はキラルクロマトグラフィー、または好ましくは溶解度の差異に基づいた分離/分解技術によって分解できる。その後、ラセミ化をもたらさない任意の実用的な手段によって、分解剤以外にも、光学的に純粋な光学異性体が回収される。ラセミ混合物から化合物の立体異性体を分離するために適用可能な技術のより詳細な説明は、『Jacques, Collet and Wilen, Enantiomers, Racemates and Resolutions (1981) John Wiley & Sons, New York, NY』から探し出すことができ、これらは全体として本明細書に参照される。
【0061】
また、本明細書に提供される化合物および方法は、幾何異性体として存在することができる。本明細書に提供される化合物および方法は、全てのcis、trans、syn、anti、entgegen(E)およびzusammen(Z)異性体だけでなく、これらの適切な混合物を含む。ある場合には、化合物は互変異性体(tautomer)として存在することができる。本明細書に記載された化学式内に含まれる全ての互変異性体は、本明細書の化合物および方法によって提供される。本明細書に提供される化合物および方法の追加の具現例において、単一予備段階、組み合わせ、および相互転換に起因した光学異性体および/または部分立体異性体の混合物も本明細書に記載された適用のために有用でありうる。
【0062】
キノロン系抗菌剤のうち、1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(8−メトキシイミノ−2,6−ジアザ−スピロ[3.4]オクト−6−イル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸は、グラム陽性菌、グラム陰性菌、メチシリン耐性菌、ペニシリン耐性菌、および既存のキノロン耐性菌株に対して非常に優れた抗菌力を示す。ところが、水溶性が低いという問題点がある(韓国登録特許公報第10−566346号)。
【0063】
一般に、薬学的組成物に使用される活性成分は、水または広範囲なpH値範囲の水溶液に対して高い溶解度を有することが好ましい。1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(8−メトキシイミノ−2,6−ジアザ−スピロ[3.4]オクト−6−イル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸の薬学的活用を高めるために、優れた溶解度を有するこのような化合物の塩形態が開発された。
【0064】
1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(8−メトキシイミノ−2,6−ジアザ−スピロ[3.4]オクト−6−イル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸の多様な塩の形態が韓国登録特許公報第10−566346号に開示されている。開示された塩形態の例としては、塩酸、リン酸、硫酸などの無機酸;メタンスルホン酸、p−トルエン−スルホン酸、 酢酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、シュウ酸、安息香酸、酒石酸、フマル酸、マンデル酸、グルクロン酸などの有機酸;ナトリウムイオンおよびカリウムイオンなどの陽イオンを含む。前記酸の塩のうち、1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(8−メトキシイミノ−2,6−ジアザ−スピロ[3.4]オクト−6−イル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸のリン酸塩形態と塩酸塩形態が最も優れた溶解度を有するものと見られる。
【0065】
1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(8−メトキシイミノ−2,6−ジアザ−スピロ[3.4]オクト−6−イル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸のリン酸塩形態は、激しい線維性腹膜炎(fibrous peritonitis)を発生させるので、注射剤としては適しない。
【0066】
アスパラギン酸(2−アミノコハク酸)は、安定しており、自然的にアミノ酸を発生させるうえ、吸湿性または腐食性がないため、安全に取り扱うことができる。また、アスパラギン酸は、多量で容易に使用することができるため、大きい規模の製造に容易に使用できる。また、アスパラギン酸は、食品添加物または薬学的成分に使用できるように米国FDAから承認された。
【0067】
アスパラギン酸は、幾つかの薬物毒性から肝を保護し、ミネラル吸収を補助するうえ、DNA、RNAおよび免疫システムを改善する。
【0068】
1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(8−メトキシイミノ−2,6−ジアザ−スピロ[3.4]オクト−6−イル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸のアスパラギン酸塩は、リン酸塩の形態と塩酸塩の形態に比べて溶解度が顕著に優れるうえ、安定性などの物理的性質にも優れるし、実質的に毒性を示さないことを解明した。幾つかの具現例において、1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(8−メトキシイミノ−2,6−ジアザ−スピロ[3.4]オクト−6−イル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸のアスパラギン酸塩は、塩酸塩の形態に比べてより激しくない線維性腹膜炎を発生させることができる。幾つかの具現例において、1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(8−メトキシイミノ−2,6−ジアザ−スピロ[3.4]オクト−6−イル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸のアスパラギン酸塩は、塩酸塩の形態に比べてさらに高い致死量(LD)を示すことができる。幾つかの具現例において、1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(8−メトキシイミノ−2,6−ジアザ−スピロ[3.4]オクト−6−イル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸のアスパラギン酸塩は、リン酸塩の形態に比べてさらに高い致死量(LD)を示すことができる。
【0069】
本発明の一様相において、下記化学式(I)の構造で表される1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(8−メトキシイミノ−2,6−ジアザ−スピロ[3.4]オクト−6−イル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸のアスパラギン酸塩の形態が提供される。
【0070】
【化4】

【0071】
別の具現例において、前記アスパラギン酸はD−アスパラギン酸である。別の具現例において、前記アスパラギン酸はL−アスパラギン酸である。別の具現例において、前記アスパラギン酸はDL−アスパラギン酸またはこれらのラセミ混合物である。別の具現例において、前記アスパラギン酸はD−アスパラギン酸とL−アスパラギン酸との非ラセミ混合物である。
【0072】
前記1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(8−メトキシイミノ−2,6−ジアザ−スピロ[3.4]オクト−6−イル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸のアスパラギン酸塩は、1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(8−メトキシイミノ−2,6−ジアザ−スピロ[3.4]オクト−6−イル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸、またはこれらの塩酸塩および/またはこれらのリン酸塩に比べてさらに優れた溶解度を有する。
【0073】
幾つかの具現例において、前記1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(8−メトキシイミノ−2,6−ジアザ−スピロ[3.4]オクト−6−イル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸のアスパラギン酸塩の溶解度は、蒸留水内の塩酸塩に比べて約4倍〜約8倍が高い。幾つかの具現例において、前記アスパラギン酸塩の溶解度は蒸留水内の塩酸塩に比べて約5倍〜約6倍が高い。
【0074】
幾つかの具現例において、前記1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(8−メトキシイミノ−2,6−ジアザ−スピロ[3.4]オクト−6−イル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸のアスパラギン酸塩の溶解度は、pH1.2の水溶液内の塩酸塩に比べて約15倍〜約30倍が高い。幾つかの具現例において、前記アスパラギン酸塩の溶解度はpH1.2の水溶液内の塩酸塩に比べて約17倍〜約27倍が高い。幾つかの具現例において、前記アスパラギン酸の溶解度はpH1.2の水溶液内の塩酸塩に比べて約25倍〜約30倍が高い。
【0075】
幾つかの具現例において、前記1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(8−メトキシイミノ−2,6−ジアザ−スピロ[3.4]オクト−6−イル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸のアスパラギン酸塩の溶解度は、pH6.8の水溶液内の塩酸塩に比べて約50倍〜約150倍が高い。幾つかの具現例において、前記1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(8−メトキシイミノ−2,6−ジアザ−スピロ[3.4]オクト−6−イル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸のアスパラギン酸塩の溶解度は、pH6.8の水溶液内の塩酸塩に比べて約69倍〜約130倍が高い。幾つかの具現例において、前記1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(8−メトキシイミノ−2,6−ジアザ−スピロ[3.4]オクト−6−イル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸のアスパラギン酸塩の溶解度は、pH6.8の水溶液内の塩酸塩に比べて約80倍〜約120倍が高い。
【0076】
幾つかの具現例において、前記1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(8−メトキシイミノ−2,6−ジアザ−スピロ[3.4]オクト−6−イル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸のアスパラギン酸塩は実温で安定している。幾つかの具現例において、前記アスパラギン酸塩は塩酸塩の形態よりさらに安定している。幾つかの具現例において、前記アスパラギン酸塩はリン酸塩の形態よりさらに安定している。
【0077】
幾つかの具現例において、前記1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(8−メトキシイミノ−2,6−ジアザ−スピロ[3.4]オクト−6−イル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸のアスパラギン酸塩は、非経口内投与の際に他の塩(メタンスルホン酸、塩酸塩、リン酸塩、または蟻酸塩)に比べて最も高い中間値の致死量(LD)を有する。
【0078】
幾つかの具現例において、前記1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(8−メトキシイミノ−2,6−ジアザ−スピロ[3.4]オクト−6−イル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸のアスパラギン酸塩は、非経口内投与の際に他の塩(メタンスルホン酸、塩酸塩、リン酸塩、または蟻酸塩)に比べて最も高い近似値の致死量(LD)を有する。
【0079】
幾つかの具現例において、前記1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(8−メトキシイミノ−2,6−ジアザ−スピロ[3.4]オクト−6−イル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸のアスパラギン酸塩は結晶性の形態でありうる。別の具現例において、前記1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(8−メトキシイミノ−2,6−ジアザ−スピロ[3.4]オクト−6−イル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸のアスパラギン酸塩は非結晶性の形態でありうる。
【0080】
本発明の別の様相において、前記化学式(I)の1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(8−メトキシイミノ−2,6−ジアザ−スピロ[3.4]オクト−6−イル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸のアスパラギン酸塩を製造する方法が提供される。
【0081】
幾つかの具現例において、前記化学式(I)の1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(8−メトキシイミノ−2,6−ジアザ−スピロ[3.4]オクト−6−イル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸のアスパラギン酸塩を製造する方法は、溶媒内で1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(8−メトキシイミノ−2,6−ジアザ−スピロ[3.4]オクト−6−イル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸とアスパラギン酸塩とを反応させる段階を含む。前記方法は反応式1で表わすことができる。
【0082】
【化5】

【0083】
1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(8−メトキシイミノ−2,6−ジアザ−スピロ[3.4]オクト−6−イル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸は、非活性有機溶媒に溶解できる。前記非活性有機溶媒は、1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(8−メトキシイミノ−2,6−ジアザ−スピロ[3.4]オクト−6−イル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸の重量(g)に比べて10倍〜20倍の量(mL)が使用できる。アスパラギン酸は、ここに、1当量の1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(8−メトキシイミノ−2,6−ジアザ−スピロ[3.4]オクト−6−イル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸に対して0.9〜2.5当量で添加できる。幾つかの具現例において、アスパラギン酸は1.0〜1.5当量添加できる。反応式1の反応は30〜70℃の温度で行われ得る。幾つかの具現例において、反応式1の反応は40〜60℃の温度で行われ得る。反応式1の反応は10分〜5時間持続することができる。幾つかの具現例において、反応式1の反応は30分〜2時間持続することができる。
【0084】
1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(8−メトキシイミノ−2,6−ジアザ−スピロ[3.4]オクト−6−イル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸のアスパラギン酸を製造するための一具現例において、前記アスパラギン酸はD−アスパラギン酸である。別の具現例において、前記アスパラギン酸はL−アスパラギン酸である。別の具現例において、前記アスパラギン酸はDL−アスパラギン酸またはこれらのラセミ混合物である。別の具現例において、前記アスパラギン酸はD−D−アスパラギン酸とL−アスパラギン酸との非ラセミ混合物である。1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(8−メトキシイミノ−2,6−ジアザ−スピロ[3.4]オクト−6−イル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸のアスパラギン酸塩を製造する方法の幾つかの具現例において、前記溶媒は酢酸エチル、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、アセトニトリル、ヘキサン、イソプロピルエーテル、水、およびこれらの任意の組み合わせよりなる群から選ばれる。幾つかの具現例において、前記溶媒はエタノールである。
【0085】
本発明の別の様相において、前記化学式(I)の1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(8−メトキシイミノ−2,6−ジアザ−スピロ[3.4]オクト−6−イル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸のアスパラギン酸塩を含む抗菌用薬学的組成物が提供される。幾つかの具現例において、前記アスパラギン酸は、D−アスパラギン酸、L−アスパラギン酸、DL−アスパラギン酸、またはD−アスパラギン酸とL−アスパラギン酸との非ラセミ混合物から選択される。幾つかの具現例において、前記アスパラギン酸はD−アスパラギン酸である。
【0086】
投与のために、前記抗菌用薬学的組成物は、前述した活性成分以外にも、少なくとも一つの薬学的に許容可能な担体を含んで製造できる。薬学的に許容可能な担体の例として、食塩水、精製水、リンガー液、緩衝食塩水、ブドウ糖液、マルトデキストリン液、グリセロール、エタノール、およびこれらの2つまたはそれ以上の混合物を含む。また、もし必要であれば、前記組成物は、他の従来の添加剤、例えば抗酸化剤、緩衝剤、および静菌剤などを含むことができる。しかも、前記組成物を水溶液、懸濁液、エマルジョン、丸薬、カプセル、顆粒および錠剤などの注射可能な剤形に剤形化するために、さらに希釈剤、分散剤、界面活性剤、結合剤、および潤滑剤を含むことができる。ひいては、前記組成物は『Remington's Pharmaceutical Science, Mack Publishing Company, Easton PA』に記載された方法を用いて、具体的な疾病およびその要素に応じて剤形化できる。
【0087】
本様相の前記組成物は、経口または非経口(例えば、静脈内投与、皮下投与、腹膜内投与、または局所塗布)で投与できる。本発明の前記組成物の投与量は、患者の体重、年齢、性別、健康状態、食餌、および投与時間、排泄率、疾病の重症度などを含む様々な要因によって多様化できる。幾つかの具現例において、化学式(I)の1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(8−メトキシイミノ−2,6−ジアザ−スピロ[3.4]オクト−6−イル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸のアスパラギン酸塩の1日投与量は約1〜100mg/kg、好ましくは2〜20mg/kgである。このような投与量は1日1回〜数回に分けて投与することができる。
【0088】
本発明の前記組成物は、単独で、または他の治療学的製剤と併用して使用できる。幾つかの具現例において、前記組成物は少なくとも一つの他の抗菌剤と併用する。
【0089】
〔薬学的組成物/剤形/投与〕
本明細書で使用される薬学的組成物とは、担体、安定剤、希釈剤、分散剤、懸濁剤、粘増剤および/または賦形剤などの他の化学的成分と少なくとも一つの化学式(I)の化合物との混合物をいう。薬学的組成物は、生体への前記化合物の投与を促進する。少なくとも一つの化学式(I)の化合物を含む薬学的組成物は、これに限定されないが、静脈内、経口、直腸、エアロゾル、非経口、眼、肺、経皮、膣、耳、鼻、および局所塗布を含む、当業界に知られている従来の任意の形態および経路で薬学的組成物として治療学的有効量で投与できる。
【0090】
薬学的組成物は、例えば、直接的に化合物を臓器に注射を介して、度々デポット(depot)または徐放性剤形として、全身よりは局部方式で投与することができる。さらに、少なくとも一つの化学式(I)の化合物を含む薬学的組成物は、例えば、臓器−特異的抗体でコートされたリポソームとして、標的薬物伝達システムで投与することができる。リポソームは、標的となり、臓器によって選択的に採用されるであろう。また、少なくとも一つの化学式(I)の化合物を含む薬学的組成物は、速放性剤形、徐放性剤形、または中放性剤形の形態で提供できる。
【0091】
経口投与において、化学式(I)の化合物は、活性化合物を当業界における公知の薬学的に許容可能な担体または賦形剤と結合させることにより、容易に剤形化できる。このような担体は、治療される患者による経口摂取のために、本明細書に記載された化合物が錠剤、粉末、丸薬、糖衣錠、カプセル、液状、ゲル、シロップ、エリキシル、懸濁液などに剤形化できるようにする。
【0092】
経口用薬学的製造では、一つまたはそれ以上の固形賦形剤を一つまたはそれ以上の本明細書記載の化合物と混合して得ることができ、選択的に生成された混合物を交替し、顆粒を混合して適切な補助剤を添加した後、必要であれば、錠剤または糖衣錠コアを得ることができる。適切な賦形剤としては、特にラクトース、スクロース、マンニトールまたはソルビトールを含む糖などの充填剤;例えば、コーンスターチ、小麦澱粉、米澱粉、ジャガイモ澱粉、ゼラチン、トラガカンスゴム、メチルセルロース、微晶質セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムなどのセルロースの製造;またはポリビニルピロリドン(PVPまたはポビドン)またはリン酸カルシウムなどの他のものがある。必要であれば、架橋されたクロスカメロースナトリウム、ポリビニルピロリドン、寒天、またはアルギン酸またはアルギン酸ナトリウムなどのその塩などの崩壊剤も添加できる。
【0093】
糖衣錠コアは、適切なコーティングと共に提供される。このために、濃縮された糖溶液が使用できる。これは選択的にアラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カーボポールゲル、ポリエチレングリコール、および/またはチタニウムジオキシド、ラッカー液、および適切な有機溶媒または溶媒混合物でありうる。同一性のためにまたは活性化合物投与量の相異なる組み合わせを特徴付けるために、染料または色素が錠剤または糖衣錠コーティングに添加できる。
【0094】
経口用製剤は、ゼラチンで製造された押し込み(push-fit)カプセルだけでなく、グリセロールやソルビトールなどの可塑剤およびゼラチンで製造された軟質の密閉カプセルを含む。押し込みカプセルは、ラクトースなどの充填剤、澱粉などの結合剤、および/またはタルクやマグネシウムステアリン酸塩などの潤滑剤、および選択的に安定剤と混合した活性成分を含むことができる。軟質カプセルにおいて、活性成分は脂肪油、流動パラフィン、または液体ポリエチレングリコールなどの適切な液体に溶解または懸濁できる。また、安定剤が添加できる。経口投与のための全ての剤形はこのような投与に適した投与量でなければならない。
【0095】
口腔または舌下投与のために、前記組成物は、従来の方式で剤形化された錠剤、ロゼンジ(lozenge)、またはゲルの形態でありうる。非経口注射は一時注射または連続注入を含むことができる。前記化学式(I)の薬学的組成物は、油性または水性賦形剤内の滅菌懸濁液、溶液またはエマルジョンであって、非経口注射のために適した形態であってもよく、懸濁剤、安定剤および/または分散剤などの剤形製剤(formulatory agent)を含む。非経口投与のための薬学的剤形は、水溶性形態で活性化合物の水溶液を含む。また、活性化合物の懸濁液は適切な油性注射懸濁液として製造できる。適切な親油性溶媒または賦形剤は、ゴマ油などの脂肪油、オレイン酸エチルまたはトリグリセリドなどの合成脂肪酸エステル、またはリポソームを含む。水性注射懸濁液は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール、またはデキストラのように懸濁液の粘度を増加させる物質を含むことができる。また、選択的に、懸濁液は安定剤または前記化合物の溶解度を増加させる製剤を含み、非常に濃縮された溶液を製造することができる。択一的に、活性成分は、使用する前、滅菌発熱性物質−除去水(sterile pyrogen-free water)などの適切な賦形剤を有する粉末形態であってもよい。
【0096】
化学式(I)の化合物は、局所投与でき、溶液、懸濁液、ローション、ゲル、ペースト(paste)、医薬用棒(medicated stick)、バルム(balm)、クリームまたは軟膏などの局所投与可能な各種組成物に剤形化できる。このような薬学的組成物は、溶解剤、安定剤、弾力強化剤、緩衝剤および防腐剤を含むことができる。
【0097】
化学式(I)の化合物の経皮性投与に適した剤形は、経皮性伝達装置または経皮性伝達パッチ(patch)を使用することができ、親油性エマルジョン、または高分子または接着剤内に溶解および/または分散された水溶液、緩衝された水溶液でありうる。このようなパッチは、連続性、拍動性、または薬学的製剤の伝達必要性のために構成できる。ひいては、化学式(I)の化合物の経皮性伝達はイオン泳動性パッチ(iontophoretic patch)などを用いて行うことができる。また、経皮性パッチは化学式(I)の化合物の制御された伝達を提供することができる。吸収速度は速度調節膜を用い、或いは高分子マトリックスまたはゲル内に化合物を捕着させることにより遅くなれる。反対に、吸収を増加させるために吸収強化剤が使用できる。吸収強化剤または担体は、吸収可能な薬学的に許容される溶媒を含み、皮膚を通過することを補助することができる。例えば、経皮性装置は、バッキング部材(backing member)を含む包帯の形態、前記化合物を選択的に担体と共に含む貯蔵器(reservoir)の形態、選択的に長期間にわたって調節された速度および所定の速度で宿主の皮膚に化合物を伝達するための速度制御バリアの形態、および前記装置を皮膚に対して安全にする手段の形態である。
【0098】
吸入による投与のために、化学式(I)の化合物は、エアロゾル、ミストまたは粉末の形態であってもよい。少なくとも一つの化学式(I)の化合物を含む薬学的組成物は、一般に、例えばジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、カーボンジオキシドまたは他の適した気体などの適切な推進剤(propellant)を用いて、加圧されたパック、または噴霧器から出るエアロゾルスプレーの形態で伝達される。加圧されたエアロゾルの場合、投与量単位は計測された量の伝達体にバルブを提供することにより定められる。吸入器(inhaler)または吹入器(insufflator)として使用するための、一例としてゼラチンなどのカプセルおよびカートリッジ(cartridge)は、前記化合物の粉末混合、および乳糖または澱粉などの適切な粉末ベースを含むように剤形化できる。
【0099】
また、化学式(I)の化合物は、ココアバタまたは他のグリセリドなどの従来の坐薬ベースだけでなく、ポリビニルピロリドン、PEGなどの合成高分子を含み、浣腸、直腸ゲル、直腸フォーム、直腸エアロゾル、坐薬、ゼリー坐薬、または保留浣腸などの直腸組成物に剤形化できる。前記組成物の坐薬形態において、これに限定されないが、選択的にココアバタと併用する脂肪酸グリセリド混合物などの低融点ワックスが最も先に溶ける。
【0100】
本明細書に提供される治療方法または用途の遂行において、本明細書に提供される化学式(I)の化合物の治療学的有効量が、治療される疾病または疾患を有する哺乳類に薬学的組成物として投与される。好ましくは、前記哺乳類はヒトである。治療学的有効量は疾病の重症度、個体の年齢および相対的な健康状態、使用される組成物の効能および他の要素によって広範囲に多様化できる。前記化合物は単独で、または一つまたはそれ以上の治療学的製剤と併用して混合物成分として使用できる。
【0101】
薬学的組成物は、活性化合物が薬学的に使用できる製剤になる過程を促進する補助剤および賦形剤を含む一つまたはそれ以上の生理学的に許容可能な担体を用いた従来の方式で剤形化できる。適切な剤形は選択される投与経路によって左右される。公知の任意の技術、担体および賦形剤は、当該技術に理解されるように且つ適切に使用できる。少なくとも一つの化学式(I)の化合物を含む薬学的組成物は、一例として、従来の混合、溶解、顆粒化、糖衣錠製造、粉末化、エマルジョン化、カプセル化、エントラッピングまたは圧着過程などの従来の方式で製造できる。
【0102】
薬学的組成物は、少なくとも一つの薬学的に許容可能な担体、希釈剤または賦形剤、および遊離酸または遊離塩基形態、または薬学的に許容可能な塩の形態である活性成分として、少なくとも一つの本明細書に記載の化学式(I)の化合物を含む。また、本明細書に記載された方法および薬学的組成物は、N−オキシド、結晶性形態(多形体という)だけでなく、同一形態の活性を有するこれら化合物の活性代謝産物の使用を含む。ある場合には、化合物は互変異性体(tautomer)として存在することができる。全ての互変異性体は、本明細書にある化合物の範疇内に含まれる。また、本明細書に記載された化合物は、水、エタノールなどの薬学的に許容可能な溶媒に溶ける形態で存在してもよく、溶けない形態で存在してもよい。本明細書にある化合物の溶媒化された形態も本明細書に記載されたものと見なす。また、薬学的組成物は保存剤、安定剤、湿潤剤またはエマルジョン剤などの補強剤、他の医薬的製剤または薬学的製剤、担体、溶液プロモーター(solution promoter)、浸透圧調節用塩、および/または緩衝剤を含むことができる。また、薬学的組成物は他の治療学的に重要な物質も含むことができる。
【0103】
本明細書に記載された化合物を含む組成物の製造方法は、前記化合物を一つまたはそれ以上の非活性気体、固形を形成するための薬学的に許容可能な担体または賦形剤、半固体または液体と共に剤形化することを含む。固体組成物は、これに限定されないが、粉末、錠剤、分散可能な顆粒、カプセル、カチェット(cachet)、および坐薬を含む。液体組成物は、化合物が溶媒化される溶液、化合物を含むエマルジョン、またはリポソーム、ミセルまたは本明細書に記載された化合物を含むナノ粒子を含有する溶液を含む。半固体組成物は、これに限定されないが、ゲル、懸濁液およびクリームを含む。前記組成物は、液状溶液または懸濁液であって、使用前の液体内に溶解または懸濁されることに適した固形状、またはエマルジョンとして存在しうる。また、このような組成物は湿潤剤、エマルジョン化剤、pH緩衝剤などの少量の無毒性、補助物質を含むことができる。
【0104】
本明細書に記載された薬学的組成物の概要は、例えば、『Remington, The Science and Practice of Pharmacy, 19th Ed. (1995) Mack Publishing Company, Easton, Pennsylvania.; Hoover, Remington's Pharmaceutical Sciences (1975) Mack Publishing Company, Easton, Pennsylvania; Liberman and Lachman, Pharmaceutical Dosage Forms (1980) Marcel Decker, New York, N.Y.; and Lippincott, Williams & Wilkins, Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems, 7th Ed. (1999)』から探し出すことができ、これらは全体として本明細書に参照される。
【0105】
本明細書による化合物は、広い投与量の範囲にわたって効果的である。例えば、成人の治療において、1日約0.01〜約10,000mg、約0.5〜約1000mg、約1〜約500mgの投与量、および1日約5〜約100mgの投与量が、幾つかの具現例で使用される投与量の例である。正確な投与量は投与経路、投与される化合物の形態、治療される個体、治療される個体の体重、並びに主治医の選好度および経験によって左右されるであろう。
【0106】
〔発明の様態〕
本発明の好適な具現例を本明細書に開示および記載したが、このような具現例が一例として提供されたことは当業者には明白であろう。当業者であれば、本発明から逸脱することなく、多様な変更、変化および代替が可能であろう。本明細書に記載された具現例の多様な代案が本発明の実施に使用できるのを理解しなければならない。下記請求の範囲は本発明の範疇を定めようとし、このような請求の範囲の範疇内の方法および構造とこれらの等価物もこれによって説明されるようにする。
【0107】
1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(8−メトキシイミノ−2,6−ジアザ−スピロ[3.4]オクト−6−イル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸は、韓国登録特許第10−566346号に記載された方法と同一に製造することができる。1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(8−メトキシイミノ−2,6−ジアザ−スピロ[3.4]オクト−6−イル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸のメタンスルホン酸塩は、韓国登録特許第10−566346号に記載された方法と同一に製造することができる。
【0108】
〔実施例1:1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(8−メトキシイミノ−2,6−ジアザ−スピロ[3.4]オクト−6−イル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸のD−アスパラギン酸塩の製造〕
1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(8−メトキシイミノ−2,6−ジアザ−スピロ[3.4]オクト−6−イル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸(5.0g)を50%のエタノール(80mL)に添加した後、その混合物を50℃で10分間攪拌した。D−アスパラギン酸(2.0g)を添加した後、その混合物を50℃で10分間攪拌した。その混合物を室温に冷却させた後、濾過して生成された固体を集めた。エタノール(100mL)を濾液に添加した後、その混合物を30分間攪拌した。濾過して生成された固体を集め、総5.55gの標的化合物を収得した(収率:83%)。融点:200〜201℃。1H NMR (D2O): δ 0.97 (bs, 2H), 1.27 (d, 2H), 2.00 (dd, 1H, J = 8.8, 17.6 Hz), 2.77 (dd, 1H, J = 3.3, 17.0 Hz), 3.53 (bs, 1H), 3.84 (dd, 1H, J = 3.3, 8.78 Hz), 4.01 (s, 3H), 4.31-4.45 (m, 8H), 7.46 (d, 1H, J = 12.2 Hz), 8.42 (s, 1H)。
【0109】
〔実施例2:1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(8−メトキシイミノ−2,6−ジアザ−スピロ[3.4]オクト−6−イル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸のL−アスパラギン酸塩の製造〕
1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(8−メトキシイミノ−2,6−ジアザ−スピロ[3.4]オクト−6−イル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸(500mg)を50%のエタノール(20mL)に添加した後、その混合物を50℃で10分間攪拌した。L−アスパラギン酸(174mg)を添加した後、その混合物を50℃で1時間攪拌した。その混合物を室温に冷却させた。エタノール(20mL)を反応混合物に添加した後、その混合物を30分間攪拌した。濾過して生成された固体を集め、550mgの標的化合物を収得した(収率:82%)。融点:205〜206℃。1H NMR (d6-DMSO): δ 0.93 (d, 2H, J = 3.5 Hz), 1.20 (d, 2H, J = 6.8 Hz), 2.42 (dd, 1H, J = 9.2, 17.3 Hz), 2.59 (dd, 1H, J = 3.3, 17.2 Hz), 3.50 (m, 1H), 3.59 (1H, dd, J = 3.1, 9.1 Hz), 3.91 (s, 3H), 4.24 (m, 6H), 4.41 (br, 2H), 7.59 (d, 1H, J = 12.4 Hz), 8.41(s, 1H)。
【0110】
〔実施例3:1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(8−メトキシイミノ−2,6−ジアザ−スピロ[3.4]オクト−6−イル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸の塩酸塩の製造〕
(3−1 塩酸塩)
エタノール(3mL)を0℃に冷却させ、塩化アセチル(1.13mL)を添加した後、その混合物を30分間攪拌した。1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(8−メトキシイミノ−2,6−ジアザ−スピロ[3.4]オクト−6−イル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸(800mg)を反応混合物に添加した後、0℃で30分間攪拌した。テトラヒドロフラン(4mL)を添加した後、その混合物を30分間攪拌した。濾過して生成された固体を集め、乾燥させて776mgの標的化合物を収得した(収率:89%)。融点:244〜245℃。1H NMR (d6-DMSO): δ 1.07 (d, 2H, J = 4.7 Hz), 1.21 (d, 2H, J = 6.8 Hz), 3.68 (m, 1H), 3.94 (s, 3H), 4.17 (m, 2H), 4.40 (s, 2H), 4.53 (s, 2H), 8.03 (d, 1H, J = 12.5 Hz), 8.59 (s, 1H)。
【0111】
(3−2 リン酸塩)
1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(8−メトキシイミノ−2,6−ジアザ−スピロ[3.4]オクト−6−イル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸(5.0g)を50%のエタノール(180mL)に添加した後、その混合物を50℃で10分間攪拌した。リン酸(0.84mL)を添加した後、その混合物を50℃で1時間攪拌した。その混合物を室温に冷却させた。濾過して生成された固体を集め、乾燥させて3.8gの標的化合物を収得した(収率:61%)。融点:220〜222℃。1H NMR (d6-DMSO): δ 1.11 (d, 2H, J = 4.2 Hz), 1.21 (d, 2H, J = 7.6 Hz), 3.71 (m, 1H), 3.97 (s, 3H), 4.18 (m, 4H), 4.41 (m, 2H), 4.55 (m, 2H), 8.06 (d, 1H, J = 12.6 Hz), 8.59 (s, 1H)。
【0112】
(3−3 蟻酸塩)
1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(8−メトキシイミノ−2,6−ジアザ−スピロ[3.4]オクト−6−イル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸(5.0g)をエタノール(50mL)に添加した後、85%の蟻酸(0.5mL)を添加した。その混合物を50℃で2時間攪拌した後、室温で3時間さらに攪拌した。濾過して生成された固体を集め、乾燥させて4.07gの標的化合物を収得した(収率:73%)。融点:198〜199℃。1H NMR (d6-DMSO): δ 1.10 (d, 2H, J=2.4 Hz), 1.25 (d, 2H, J = 6.6 Hz), 3.72 (m, 1H), 3.98 (m, 5H), 4.09 (m, 2H), 4.39 (s, 2H), 4.55 (s, 2H), 8.04 (d, 1H, J = 12.6 Hz), 8.31 (s, 1H), 8.58 (s, 1H)。
【0113】
〔実施例4A:多様な塩形態の溶解度の決定〕
親化合物の溶解度、塩酸塩の溶解度、D−アスパラギン酸塩の溶解度、およびL−アスパラギン酸塩の溶解度を室温で多様な溶媒条件の下に測定した。その結果を表1に示した。
【0114】
【表1】

【0115】
表1に示すように、1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(8−メトキシイミノ−2,6−ジアザ−スピロ[3.4]オクト−6−イル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸のD−アスパラギン酸塩、および1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(8−メトキシイミノ−2,6−ジアザ−スピロ[3.4]オクト−6−イル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸のL−アスパラギン酸塩は、1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(8−メトキシイミノ−2,6−ジアザ−スピロ[3.4]オクト−6−イル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸またはその塩酸塩に比べて高い溶解度を有する。
【0116】
1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(8−メトキシイミノ−2,6−ジアザ−スピロ[3.4]オクト−6−イル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸のD−アスパラギン酸塩の溶解度、および1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(8−メトキシイミノ−2,6−ジアザ−スピロ[3.4]オクト−6−イル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸のL−アスパラギン酸塩の溶解度は蒸留水内の塩酸塩の溶解度に比べて約5〜6倍、pH1.2の塩酸塩の溶解度に比べて約17〜27倍、および/またはpH6.8の塩酸塩の溶解度に比べて69〜130倍高い可能性がある。
【0117】
〔実施例4B:多様な塩形態の溶解度の決定〕
前述したように製造した1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(8−メトキシイミノ−2,6−ジアザ−スピロ[3.4]オクト−6−イル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸のD−アスパラギン酸塩および1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(8−メトキシイミノ−2,6−ジアザ−スピロ[3.4]オクト−6−イル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸のL−アスパラギン酸塩の溶解度、および1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(8−メトキシイミノ−2,6−ジアザ−スピロ[3.4]オクト−6−イル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸の多様な塩の溶解度を蒸留水内で、室温で測定した。
【0118】
その結果を下記表に示し、溶解度は相応する遊離塩基の溶解度(mg/mL)で換算した。
【0119】
【表2】

【0120】
前述したように、本発明の1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(8−メトキシイミノ−2,6−ジアザ−スピロ[3.4]オクト−6−イル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸のD−アスパラギン酸塩、および1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(8−メトキシイミノ−2,6−ジアザ−スピロ[3.4]オクト−6−イル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸のL−アスパラギン酸塩は最も高い溶解度を示す。
【0121】
〔実施例5:D−アスパラギン酸塩の安定度の決定〕
実施例1で製造した1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(8−メトキシイミノ−2,6−ジアザ−スピロ[3.4]オクト−6−イル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸のD−アスパラギン酸塩30mgを100mLの蒸留水に溶かした後、室温で安定度試験を実施した。その結果を表2に示した。
【0122】
【表3】

【0123】
表2に示すように、1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(8−メトキシイミノ−2,6−ジアザ−スピロ[3.4]オクト−6−イル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸のD−アスパラギン酸塩の室温における純度は、実験期間にわたって変わらなかった。よって、その化学的安定性は注射可能な剤形に非常に適した。
【0124】
〔実施例6:マウス毒性試験(Mouse Toxicity Test)〕
1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(8−メトキシイミノ−2,6−ジアザ−スピロ[3.4]オクト−6−イル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸のD−アスパラギン酸塩の毒性プロファイルを雄ICRマウスで確認した。雄ICRマウスを6個の投与群(群当たり5匹)に分けた後、24時間絶食させた。1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(8−メトキシイミノ−2,6−ジアザ−スピロ[3.4]オクト−6−イル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸のD−アスパラギン酸塩(実施例1で準備する)および他の塩形態(メタンスルホン酸塩、塩酸塩、リン酸塩および蟻酸塩を含む)を2000、1000、500、250、125および0(対照群)mg/kgの1日投与量で腹腔内投与し、1日に1回投与(総注射量10mL/kg)した。半数致死量(LD50)、近似致死量および最大耐薬性用量は、14日間観察した後で決定した。
【0125】
斃死率(mortality)、体重変化および臓器重量変化を測定した。また、検死(necropsy)および組織病理学的所見を行った。2000mg/kg投与群の全てのマウスおよび1000mg/kg投与群にある2匹のマウスが治療後2時間以内に死んだ。1000mg/kg投与群の1匹は治療8日後に死んだ。幾つかのマウスでは下痢および/または軟便を観察することができた。また、幾つかのマウスでは脾臓、睾丸、または副睾丸の増加した重量を観察することができた。睾丸洗浄管のルーメンにある未成熟生殖細胞を500mg/kg投与群で観察することができた。幾つかのマウスは、脾臓の付着線維性組織で炎症細胞の浸透を示し、或いは肝の線維性組織付着部位付近で壊死斑を示した。毒性試験に対する結果は表3に示した。
【0126】
【表4】

【0127】
表3に示すように、1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(8−メトキシイミノ−2,6−ジアザ−スピロ[3.4]オクト−6−イル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸のD−アスパラギン酸塩が、他の塩形態(メタンスルホン酸塩、塩酸塩、リン酸塩、および蟻酸塩を含む)に比べて最も高い半数致死量および最も高い近似致死量を有することを明らかにした。よって、1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(8−メトキシイミノ−2,6−ジアザ−スピロ[3.4]オクト−6−イル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸のD−アスパラギン酸塩は相当減少した毒性を持つと結論付けることができる。
【0128】
〔実施例7:注射可能な剤形の製造〕
下記方法によって、10mg/mLの活性成分を含む、注射可能な剤形を製造した:
化学式(I)の化合物1g、塩化ナトリウム0.6g、およびアスコルビン酸0.1gを蒸留水に溶かし、最終量が100mLとなるように作った。
【0129】
〔実施例8:ビーグル犬における静脈内2週反復投与毒性の研究〕
14ヶ月齢の雄ビーグル犬(11.80〜13.80kg、Gaoyao Kangda Laboratory、China)に10、5、2.5、1および0(溶媒対照)mg/kg(体重)の投与量の数値で1日1回ずつ2週間静脈内投与を行った。23個の主要臓器の臓器重量および組織病理学的変化とともに、斃死率、体重変化、臨床症状、および肉眼所見を14日間観察した。
【0130】
1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(8−メトキシイミノ−2,6−ジアザ−スピロ[3.4]オクト−6−イル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸のD−アスパラギン酸塩の形態(実施例1)を蒸留水内に200mg/mLの濃度で均一に懸濁し、40、20、10および4mg/mLの濃度でよく溶解させた。本試験項目は賦形剤として蒸留水を用いて0.25mL/kgの投与量で2週間反復静脈内投与することである。
【0131】
賦形剤対照群を含んだ全ての実験群から、斃死率は観察されなかった。
【0132】
実験期間に観察された臨床症状は嘔吐と流涎症(salivation)であった。嘔吐は対照群以外の全ての投与群から観察された。流涎症は5および10mg/kgの投与群から観察された。不安(restlessness)、下痢、投与部位浮腫などは5または10mg/kgの投与群から散発的に観察された。
【0133】
その他の有意な体重変化は観察されなかった。
【0134】
その他の有意な臓器重量の変化は観察されなかった。
【0135】
〔実施例9:マウスの薬動学的研究〕
7週齢の雄マウス(ICR CD−1)として、体重28〜31gのものを入手して使用した。それぞれの100mg/kg研究および10mg/kg研究に対して、総72匹のマウスを18個群に分け、それらの9個群には塩酸塩の形態(実施例3)を投与し、残りの9個群にはD−アスパラギン酸塩の形態(実施例1)を投与した。
【0136】
投与後、眼窩静脈叢によって0.25、0.5、1、1.5、2、3、4および5時間に血液を採取した。塩酸塩(実施例3)およびD−アスパラギン酸塩の形態(実施例1)に対するマウスにおける薬動学的パラメータを表4に比較して示した。
【0137】
【表5】

【0138】
〔実施例10:ラットへの静脈内投与後の薬動学的研究〕
ラットにおける塩酸塩形態(実施例3)およびD−アスパラギン酸塩形態(実施例1)の薬動学的パラメータを比較して表5に示した。
【0139】
【表6】

【0140】
〔実施例11:犬の薬動学的パラメータ〕
4匹の雄ビーグル犬をGaoyao Kangda Laboratory Animal Sciences & Technology Co.,LTDから購入した。投与量を体重の5mg/0.1mg/kgの濃度で滅菌水内の溶液に剤形化した。D−アスパラギン酸塩の形態(実施例1)を橈側皮静脈(cephalic vein)を介して静脈内投与した。
【0141】
血液サンプルを0.083、0.25、1、1.5、2、3、5および8時間後の投与で橈側皮静脈を介してナトリウムヘパリン抗凝固物質(anticoagulant)含有チューブに集めた。WinNonlin(ver 1.0、Scientific Consulting Inc.,USA)を用いて薬動学的パラメータを計算した。D−アスパラギン酸塩形態(実施例1)の薬動学的パラメータを表6に示した。
【0142】
【表7】

【0143】
〔実施例12:マウスおよびラットの1回投与毒性〕
マウス研究に対して、D−アスパラギン酸塩形態(実施例1)の1回投与静脈内注射を次の投与量で行った:900、400、200、100および50mg/kg/10mL。蒸留水10mg/kgを対照群として使用した。斃死率、体重変化、および臓器重量変化を測定した。また、組織病理学的変化所見を行った。
【0144】
900および400mg/kg投与群の全てのマウスは治療完了後に死んだ。200、100および50mg/kg投与群は、激しい毒性を示していない。有意な標的臓器も発見されなかった。
【0145】
ラット研究に対して、D−アスパラギン酸塩形態(実施例1)の1回投与静脈内注射を次の投与量で行った:600、300、150、75、37.5mg/kg/5mL。蒸留水5mL/kgを対照群として用いた。斃死率、体重変化、および臓器重量変化を測定した。また、組織病理学的変化所見を行った。
【0146】
600および300mg/kg投与群の全てのラットは、治療完了後に死んだ。150および75mg/kg投与群では運動力の損失を観察することができた。150および75mg/kg投与群では若干の体重増加を観察することができた。また、150および75mg/kg投与群では肝および胸腺に対して臓器重量の増加を観察することができた。
1回投与毒性の結果を表7に示した。
【0147】
【表8】

【0148】
〔実施例13:静脈内一時注射毒性の研究〕
D−アスパラギン酸塩形態(実施例1)の1日1回2週間反復投与毒性実験を実施例8と同様に犬およびラットの両方ともに対して実施した。i.v.反復1回投与毒性の結果を表8に示した。
【0149】
【表9】

【0150】
〔実施例14:雄マウス骨髄細胞の小核試験〕
骨髄細胞遺伝学は、メカニズムの解明だけでなく、染色体異常誘発活性物質および抗染色体異常誘発活性物質の解明に有用な短期(short term)技術である。『Renner HW, (1990) Mutat Res. 244: 185-8』を参照されたい。小さい齧歯動物を用いる小核試験が、新しく開発された製剤の遺伝毒性をテストするのに敏感な方法であり得る。
【0151】
D−アスパラギン酸塩形態(実施例1)またはクロロホスファミド(CPA)がこのような実験に使用できる。D−アスパラギン酸塩形態(実施例1)に対する実験用静脈内の高投与は250mg/kgであり、低投与は200mg/kgであった。CPAの70mg/kg腹膜内投与を陽性対照群投与(7匹の雄ICRマウスを各群に使用する)として使用した。1回注射投与24時間の後、全ての動物を犠牲にし、一つまたはそれ以上の核を有する多染性赤血球(MNPCE)の数変化を、製造された血液上の総白血球の変化および好中球とリンパ球間の数値差異とともに評価した。また、細胞毒性の可能性を探知するためにPCE/(PCE+正染性赤血球(NCE))の比率を計算した。
【0152】
200または250mg/kgの1回静脈内注射により、治療完了後に発作を伴って死ぬこともある。治療完了後のマウス生存のために、注射後4時間以内に運動力の損失を探知することができる。斃死率または運動力の損失を表9に示した。
【0153】
【表10】

【0154】
相異なる血液塗抹回数において、リンパ球比率の急激な増加とともに血液内総白血球数の有意な減少が、CPA処理された投与群および200mg/kg注射された投与群で現れた。全てのD−アスパラギン酸塩形態の処理された投与群に対して体重またはMNPCE数の有意な変化がなかった。ここで、CPA処理された投与群はMNPCEの有意な増加を示した。よって、雄ICR骨髄細胞における小核試験は、1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(8−メトキシイミノ−2,6−ジアザ−スピロ[3.4]オクト−6−イル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1.8]ナフチリジン−3−カルボン酸のD−アスパラギン酸塩形態に対してネガティブな結果を示した。MNPCEの数およびPCE(PCE+NCE)比率の変化を表10に示した。白血球および好中球の変化は表11に示した。
【0155】
【表11】

【0156】
【表12】

【0157】
〔実施例15:筋肉内局所毒性試験〕
筋肉内局所毒性試験のために、D−アスパラギン酸塩形態(実施例1)を7日間1日1回反復的に注射した。使用された投与量は200、100、および50mg/kgであった。また、50mg/kgのシプロフロキサシン(ciprofloxacin)および2mL/kgの蒸留水(対照群)も使用した。投与群当たり5匹のマウスを使用した。
【0158】
斃死率、臨床症状、体重の変化、下腿厚さ変化、臓器重量変化、検死所見、血液WBC数値変化、および組織病理学的変化所見を含む多様なパラメータを測定または実施した。
【0159】
【表13】

【0160】
結果は、反復された7日間のD−アスパラギン酸塩形態(実施例1)200mg/kgの静脈内注射がシプロフロキサシン50mg/kgの静脈内注射と比較して類似の局所毒性を引き起こすおそれがあることを示す。反復された7日間のD−アスパラギン酸塩形態(実施例1)50mg/kgの静脈内注射は若干の局所毒性を示す。下腿厚さの変化は表12に示し、白血球数値の変化は表13に示した。
【0161】
【表14】

【産業上の利用可能性】
【0162】
本発明に係る1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(8−メトキシイミノ−2,6−ジアザ−スピロ[3.4]オクト−6−イル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1.8]ナフチリジン−3−カルボン酸のアスパラギン酸塩は 、溶解度および安定度などの物理化学的性質に優れる。しかも、前記アスパラギン酸塩は、他の塩と比較して一層高いLD50値を示すことにより、非常に低い毒性を持つ。よって、これは抗菌剤用として非常に効果的である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式(I)で表される1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(8−メトキシイミノ−2,6−ジアザ−スピロ[3.4]オクト−6−イル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸のアスパラギン酸塩:
【化1】

【請求項2】
前記アスパラギン酸は、D−アスパラギン酸、L−アスパラギン酸、DL−アスパラギン酸、またはD−アスパラギン酸とL−アスパラギン酸との非ラセミ混合物から選ばれることを特徴とする、請求項1に記載のアスパラギン酸塩。
【請求項3】
溶媒内で1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(8−メトキシイミノ−2,6−ジアザ−スピロ[3.4]オクト−6−イル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸をアスパラギン酸と反応させる段階を含む、請求項1の1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(8−メトキシイミノ−2,6−ジアザ−スピロ[3.4]オクト−6−イル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸のアスパラギン酸塩の製造方法。
【請求項4】
前記溶媒は、酢酸エチル、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、アセトニトリル、ヘキサン、磯プロピルエーテル、および水よりなる群から選ばれる少なくとも一つである、請求項3に記載の製造方法。
【請求項5】
前記アスパラギン酸は、D−アスパラギン酸、L−アスパラギン酸、DL−アスパラギン酸、またはD−アスパラギン酸とL−アスパラギン酸との非ラセミ混合物から選ばれることを特徴とする、請求項3に記載の製造方法。
【請求項6】
1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(8−メトキシイミノ−2,6−ジアザ−スピロ[3.4]オクト−6−イル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸のアスパラギン酸塩を含む、抗菌用薬学的組成物。
【請求項7】
前記アスパラギン酸は、D−アスパラギン酸、L−アスパラギン酸、DL−アスパラギン酸、またはD−アスパラギン酸とL−アスパラギン酸との非ラセミ混合物から選ばれることを特徴とする、請求項6に記載の抗菌用薬学的組成物。
【請求項8】
前記組成物は注射用に剤形化されることを特徴とする、請求項6または7に記載の抗菌用薬学的組成物。
【請求項9】
下記化学式(I)で表される1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(8−メトキシイミノ−2,6−ジアザ−スピロ[3.4]オクト−6−イル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸の薬学的に許容可能なアスパラギン酸塩:
【化2】

【請求項10】
下記化学式(I)で表される1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(8−メトキシイミノ−2,6−ジアザ−スピロ[3.4]オクト−6−イル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸の少なくとも一つの薬学的に許容可能なアスパラギン酸塩の治療学的有効量を用いて動物の疾病または疾患を治療する方法:
【化3】


【公表番号】特表2010−523649(P2010−523649A)
【公表日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−502952(P2010−502952)
【出願日】平成20年4月14日(2008.4.14)
【国際出願番号】PCT/KR2008/002106
【国際公開番号】WO2008/127060
【国際公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【出願人】(507001911)ドン ファ ファーマシューティカル カンパニー リミテッド (12)
【Fターム(参考)】