説明

1またはそれより多くのパイロット信号を使用してモバイル機器が比較的静止したままであることを確認するための装置及び方法

モバイル機器に動作可能に結合されたトラッキング・ユニットが提供される。該トラッキング・ユニットは、該トラッキング・ユニットが比較的静止したままであることを決定するために、複数のGSM(登録商標)ネットワークのためにブロードキャスト・チャネルを使用し、複数のCDMAネットワークのためにパイロット・チャネルを使用することができる。該トラッキング・ユニットは、それが前に受信したほぼ同じ強度で同じ複数の無線周波数信号を受信していることを決定することにより、比較的静止したままであることを決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願のテクノロジーは、一般に、モバイル機器が比較的静止したままであることを確認することに関し、具体的には、モバイル機器が比較的静止したままであるかどうかを決定するために、CDMAネットワーク・パイロット・チャネルのような、繰返し可能な複数の無線周波数信号を使用することに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の移動無線デバイス、複数の移動無線端末、あるいは他の移動無線機器(以降、全体として、移動機器またはMEと呼ばれる)の位置を識別するか、あるいは決定する能力は、広く普及してきている。モバイル機器の位置は、例えば、専用及び公衆ネットワーク、WLAN、WWAN、WiFi、WiMax等を含む、いくつかのネットワークのうちの1またはそれより多くのものを使用する、業界内で一般に知られているいくつかの技術を使用して、決定されあるいは推定されることができる。複数の通信プロトコルは、例えば、複数の符号分割多元接続(CDMA)ネットワーク・プロトコル、複数のGSM(登録商標)(Global System for Mobile Communications)ネットワーク・プロトコル、UMTS(Universal Mobile Telecommunication System)、複数の時分割多元接続(TDMA)ネットワーク・プロトコル、複数のSC−FDMA(Single-Carrier Frequency Division Multiple Access)ネットワーク・プロトコル等を含むことができる。さらに、位置または場所情報は、技術において一般に知られているように衛星ベースの測位システム、地上ベースの測位システム、あるいはハイブリッド(hybrid)測位システムのいずれかであることができる。例えば、衛星ベースの測位システム(SPS)は、全地球測位システム(GPS:軍により開発されたとき、NAVSTARと当初呼ばれた)を使用し得る。当然ながら、GPSはSPSの単なる一例に過ぎず、例えば、他の複数のGNSS(Global Navigation Satellite Systems)、ガリレオ測位システム(ヨーロッパ)、Glonass(ロシア)、Compass/Beidou(中国)、QZSS(日本)、その組合せ等のような、他の複数のSPSが使用され得る。
【0003】
1つの典型的なシステムによれば、モバイル機器は、米国のGPSシステムのような、SPSに関連した複数の衛星から受信された複数の信号に部分的に基づいてその場所または位置を推定することができる。モバイル機器は、その位置を決定することに関する支援を要求するために無線ネットワークのアップリンク部分及び関連する基地局によってモバイル測位センタ及び/または位置決め装置(position determining equipment)と通信するように構成されることができる。該要求に応答して、該モバイル測位センタ及び/または位置決め装置は、該無線ネットワークのダウンリンク部分及び関連する基地局によってモバイル機器に該要求された情報を送信することができる。このような要求された情報は、例えば、現在見えている複数の衛星の識別を含むことができ、そこから該モバイル機器は、一般に技術的に知られているように、該見えている複数の衛星の位置に関する情報、複数の訂正ファクタ(correction factors)、期待されるドップラー・シフトに関する情報を受信することができる。該情報を送信すること、受信すること、及び処理すること、該複数の衛星信号を獲得すること、該位置を決定すること等は、該モバイル機器が複数の再充電の間で動作できる時間の量を減少させるかなりな量の電力、新しい電池、等を必要とする。
【0004】
しかしながら、あるモバイル機器はある時間期間のあいだ比較的静止したままである。このモバイル機器を追跡することは、それがたとえ比較的静止していても、例えば、不正(unauthorized)使用や窃盗等を検出するためには有用であり得る。しかしながら、このモバイル機器の該位置を検出することは、たとえ該モバイル機器が比較的静止していることが知られていても、従来の位置決定を必要とする。
【0005】
したがって、従来の複数の位置決定方法及び装置よりも少ない電力を使用する、移動していないデバイスに関する情報あるいはデバイスの位置に関する情報を提供するための複数の装置及び複数の方法が技術的に必要とされている。
【発明の概要】
【0006】
ここに示された複数の実施形態は、該モバイル機器のトラッキング・ユニットによって前に受信された無線周波数信号の第1の強度を格納し、次に該無線周波数信号を該モバイル機器で受信することにより上述の必要性に対処する。該次に受信された無線周波数信号の強度は計算され、該第1の強度と比較される。第2の強度が第1の強度の所定の(predetermined)許容差(tolerance)を有する場合、該モバイル機器は実質的に前に決定された位置にあると決定され、それによって位置決定を行なうことなく、該モバイル機器が比較的静止していることが決定され得る。
【0007】
ここに示された他の複数の実施形態は、モバイル機器が比較的静止したままであるかどうかを決定するために受信された複数の無線周波数信号を使用することにより、上述の必要性に対処する。該方法は、少なくとも1つの繰返し(repetitive)無線周波数信号を該モバイル機器で受信すること、及び該モバイル機器で受信された、前に受信された複数の繰返し無線周波数信号の情報を備えるデータベースを確立することを備える。該情報は、前に受信された各繰返し無線周波数信号の識別子、及び前に受信された各繰返し無線周波数信号の強度を備える。該識別子は、パイロットPNであることができ、該強度はパイロット強度であることができる。該方法はさらに、該モバイル機器がほぼ同じ位置にあるかどうかを決定するために、前に受信された複数の繰返し無線周波数信号の該データベース中の情報と現在受信された繰返し無線周波数信号の情報を比較し、該現在受信された繰返し無線周波数信号からの該情報を用いて該データベース中の該情報を更新する。
【0008】
ここにおけるさらに別の複数の実施形態は、モバイル機器が比較的静止しているかどうかを決定するために該モバイル機器に動作可能に結合されたトラッキング・ユニットを提供することにより、上述の必要性に対処する。該トラッキング・ユニットは、該モバイル機器に動作可能に結合されること、一体化されること等ができ、現在の複数の無線周波数送信を受信するように動作可能な無線受信機を含む。コントローラは、現在の複数の無線周波数送信から情報を抽出するために該無線受信機に動作可能に結合され、その情報は該複数の無線周波数送信の各々の識別子と、及び該複数の無線周波数送信の各々の強度とを備える。メモリは、前に受信された複数の無線周波数送信の該情報を格納する。該コントローラは、該モバイル機器が比較的静止したままであることを決定するために該現在の複数の無線周波数送信の該情報を、該前に受信された複数の無線周波数送信と比較するように動作可能である。
【0009】
ここにおける他の複数の実施形態は、コンピュータに複数のオペレーション(operations)を行なわせるコンピュータ可読記憶媒体上に格納されたコンピュータ実行可能なコードを含むコンピュータ・プログラム製品を提供することにより、上述の必要性に対処する。それはコンピュータにオペレーションを行なわせる。具体的には、該実行可能なコードはコンピュータに、現在の複数の無線周波数送信を受信させ、該現在の複数の無線周波数送信から情報を抽出させ、該情報は該複数の無線周波数送信の各々の識別子と、該複数の無線周波数送信の各々の強度とを備え、前に受信された複数の無線周波数送信の情報を格納させ、及びモバイル機器が比較的静止したままであることを決定するために該現在の複数の無線周波数送信の該情報を、該前に受信された複数の無線周波数送信と比較させる。
【0010】
ここにおけるさらに別の複数の実施形態では、上述の必要性は、モバイル機器が比較的静止したままであるかどうかを決定するために複数の無線周波数信号を受信するためのトラッキング・ユニットを提供することにより対処される。該トラッキング・ユニットは、該モバイル機器のトラッキング・ユニットによって前に受信された無線周波数信号の第1の強度を格納するための手段を備える。該トラッキング・ユニットは、該無線周波数信号を該モバイル機器で受信するための手段、及び第1の強度を格納することに続いて受信された該受信された無線周波数信号の第2の強度を計算するための手段を備える。該トラッキング・ユニットは該第2の強度を該第1の強度と比較するための手段、及び該第2の強度が該第1の強度の所定の範囲内である場合、該モバイル機器が実質的に前に決定された位置にあると決定するための手段を有し、それによって位置決定を行なうことなく、該モバイル機器が比較的静止していることが決定されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、本願のテクノロジーによるシステムの1つの可能な典型的な実施形態を示す機能ブロックブロック図である。
【図2】図2は、図1からのトラッキング・ユニットの1つの可能な典型的な実施形態を示す機能ブロック図である。
【図3】図3は、本願のテクノロジーに関連した複数の動作工程の典型的なフローチャートである。
【図4】図4は、本願のテクノロジーに関連した典型的なメモリである。
【図5】図5は、図4の該メモリの構築に関連した複数の動作工程の典型的なフローチャートである。
【図6】図6は、本願のテクノロジーに関連した複数の動作工程の典型的なフローチャートである。
【詳細な説明】
【0012】
以下、実例となる実施形態を参照して本願のテクノロジーを説明する。しかしながら、本願のテクノロジーが実例となる実施形態に限定されていないこが理解されるべきである。具体的には、本願のテクノロジーは、モバイル機器のエネルギあるいは電池寿命を節約して使用する(conserves)効率的なやり方で、該モバイル機器を追跡する必要性と要望を認識している。多くの例において、該モバイル機器は長い時間期間比較的静止していることができる。比較的静止していることは、モバイル機器が固定された位置にとどまっていることを必要とせず、むしろ、移動が特定のエリアまたは場所(locale)に制限されることを意味するように広く解釈されるべきである。モバイル機器が完全に静止した(すなわち、移動は一切ない)ままであった場合、該モバイル機器は、例えば、モーション(motion)・センサが何等かの動きを示すまで、前に決定された同じ位置にあると考えられ得る。しかしながら、このテクノロジーは、該モバイル機器が事前定義された(predefined)または予め構成された(preconfigured)エリア内にとどまっていることを知ることにより関心をもっている。例えば、現場で一度も移動しない高価な機器(piece of equipment)は、該モーション・センサが動きを示すまで一旦設定された位置上にあると決定されることができるのに対して、例えば、犬は庭の中で常にかわることなく(consistently)移動することができるが、しかし、その犬がその庭の向こうへ移動する場合に警告されることを人は欲するに過ぎない。ジオフェンス(geofence)は、モバイル機器が境界内にあることを立証する(establishing)位置決定によって、及び該境界の範囲(limits)を確立することに基づいて、該犬のような該モバイル機器が該境界内にあることを決定される適用の一例にすぎない。本願のテクノロジーはここにおけるいくつかの実施形態のジオフェンスに関して説明され得るが、当業者は本願の開示を読むことにより、本願の該テクノロジーがジオフェンスの複数の適用に制限されないことを理解するだろう。
【0013】
図1を参照すると、モバイル機器追跡ネットワーク100の典型的なブロック図が与えられている。モバイル機器追跡ネットワーク100は、複数のアンテナ104及び少なくとも1つのモバイル機器106を有する1またはそれより多くの基地局102を含む。基地局102は、便宜と簡明さのために図示されていないシステム100の他の複数のコンポーネントを慣例的に含み、他のそのような複数のコンポーネントは、一般に技術的に知られているベース・トランシーバ・ステーション(BTS)、基地局コントローラ(BSC)、モバイル・スイッチング・センタ(MSC)等を含む。モバイル機器106は、アンテナ110に接続されたトラッキング・ユニット108を含む。技術的に共通しているように、トラッキング・ユニット108は基地局102のうちの1つに関連した該アンテナ104に無線通信ネットワーク112を通して情報を送信するために使用される複数の無線通信コンポーネントを含むことができる。トラッキング・ユニット108は、モバイル機器106に該トラッキング・ユニット108を固定すること、該トラッキング・ユニット108を該モバイル機器106中へ一体化すること、あるいは該トラッキング・ユニット108を該モバイル機器中へインプラントすること(implanting)により、モバイル機器106に典型的に結合される。例えば、該モバイル機器がコンテナである場合、トラッキング・ユニット108は該コンテナの外表面に付けられる(affixed)ことができる。モバイル機器がペットである場合、該トラッキング・ユニットは首輪の中へ一体化されて該ペットに固定されることができる。該モバイル機器がセルラー(cellular)電話または無線周波数識別ユニットである場合、該トラッキング・ユニット108は該モバイル機器106中に一体化されることができる。これらは、該トラッキング・ユニット108を関連するモバイル機器106に結合するごく少数の例である。
【0014】
トラッキング・ユニット108は、該トラッキング・ユニット108の位置を提供することができ、及びしたがって該関連するモバイル機器106の位置もまた提供する1またはそれより多くの位置感知受信機を含む。示された典型的なモバイル機器追跡ネットワーク100では、該トラッキング・ユニット108の該位置感知受信機は、複数の衛星114から複数の信号を受信する、複数のGPS受信機のような複数の衛星信号受信機を含む。一般に技術的に理解されるように、衛星受信機は複数の衛星114からの複数の信号に基づいてよく知られている複数の位置決定アルゴリズムを行なうことにより位置情報を比較的高い正確さで提供するように動作する。他の複数のモバイル機器追跡ネットワーク100は複数の地上ベースの(based)追跡信号あるいは複数の地上及び衛星信号の組合せを使用することかできる。
【0015】
トラッキング・ユニット108は、上述された専用及び公衆ネットワーク等のうちの任意のもののような、従来の専用または公衆ネットワーク118を介してモバイル測位センタ等のようなサーバ116に接続することができる。したがって、1つの典型的な実施形態では、トラッキング・ユニット108はGPSあるいは上述された任意の衛星測位システムに関連した複数の衛星114から受信された複数の信号に部分的に基づいてモバイル機器106の位置を決定することができる。トラッキング・ユニット108はその位置に関する支援を要求するためにモバイル機器追跡ネットワーク100のアップリンク部分及び関連する基地局102によって、モバイル測位センタ、位置決め装置等のような、サーバ116と通信するように構成され得る。サーバ116は、モバイル機器追跡ネットワーク100のダウンリンク部分及び関連する基地局102により該要求された情報を該トラッキング・ユニット108へ送信することができる。1つの典型的な実施形態では、そのようなダウンリンク部分は、初期システム獲得(initial system acquisition)のためのビーコン機能性(beacon functionality) を提供する複数のパイロット・チャネル、システム獲得で要求される複数のシステム・パラメータを伝送するための複数の同期チャネル、複数のオーバヘッド・メッセージ、複数のページ、複数のセットアップ・メッセージ及び複数のオーダ(orders)を伝送するために使用される複数のページング・チャネルを含むことができる。ダウンリンク部分中のトラッキング・ユニット108に送信された情報はまた、例えば、該トラッキング・ユニット108等を制御する及び/または構成するための複数のコマンドを含むことができる。1つの典型的な実施形態中における他の情報は、例えば、現在見えている複数の衛星の識別を含むことができ、そこからトラッキング・ユニット108は、一般に技術的に知られているように、該見えている複数の衛星の位置に関する情報、複数の訂正ファクタ、期待されるドップラー・シフトに関する情報等を受信することができる。トラッキング・ユニット108は、一般に技術的によく知られている複数の技術を使用して該デバイスにおいて複数の衛星114からの複数の信号に基づく複数の擬似測定(pseudorange measurements)を得ることができる。関連するモバイル機器106及びトラッキング・ユニット108の位置は、獲得した衛星114から得られた該複数の擬似測定に基づいて推定され得る。その代わりに、その位置を推定するために、トラッキング・ユニット108は基地局102及びモバイル機器追跡ネットワーク100を介するアップリンクを通じて、外部アプリケーションがモバイル機器106及びトラッキング・ユニット108の位置を決定することを可能にするための一般に技術的に知られているアプリケーション・サービス、あるいは該複数の擬似測定をサーバ116へ送信することができる。認識されるように、従来の位置決定は、例えば、複数の衛星を獲得し、追跡するためのバッテリの使用を必要とする。したがって、位置決定のために使用されるバッテリ電力の量を減らすことが望ましい。例えば、要求されるただ一つの情報が、モバイル機器が比較的静止したままであるかどうかである場合、従来の位置決定を行なう必要がないならば、より少ないバッテリ電力が要求されることができる。
【0016】
トラッキング・ユニット108は位置決定のための複数の衛星信号、位置決定のための複数の地上信号、あるいはその組合せを受信することができるが、それはまた他の複数の信号を受信している。したがって、該位置決定と該他の複数の信号との間の相関は、該デバイスが比較的静止したままであるかどうかの決定を可能にすることができる。すなわち、該他の複数の信号が比較的一定のままである場合、該デバイスは比較的同じ位置にとどまっている。一般に、該他の複数の信号は、複数の繰返し信号である複数の無線周波数信号である。繰返し(repetitive)は、一般に、信号が同じ送信ソース(source)から生じることを意味するために使用されている。
【0017】
例えば、CDMAネットワークでは、トラッキング・ユニット108は識別された基地局102の各々から複数の繰返し信号を受信し、その複数の繰返し信号はパイロット・チャネル信号として一般に知られている。パイロット・チャネル、パイロット・チャネル信号、及びパイロット信号はここにおいて同じ意味で使用されている。繰返し信号はトラッキング・ユニット108により特定の強度で受信され、それは特定の基地局からのものとして識別可能である。一般に、該パイロット・チャネルは、各CDMA基地局102によって連続的に送信された変調されていない(unmodulated)直接シーケンス(direct-sequence)拡散スペクトル信号を備える。該パイロット・チャネルは、移動局が順方向CDMAチャネルのタイミングを獲得することを可能にし、コヒーレント(coherent)復調のための位相基準を供給し、及び複数の基地局102間のハンドオフ(handoff)をいつ行なうべきかを決定するための複数の基地局間の信号強度の比較のための手段を提供する。該パイロット・チャネルの該識別は、順方向CDMAチャネル及び逆方向CDMAチャネルを拡散するために使用された変調された最大長の複数の擬似雑音(pseudonoise)コードの1対であるパイロットPNシーケンスと慣例通りに呼ばれる。異なる複数の基地局は異なる複数のパイロットPNシーケンス・オフセットによって識別される。各基地局102のパイロット信号はまたトラッキング・ユニット108によって特定の強度で受信される。パイロット強度は、受信されたエネルギ全体に対する受信されたパイロット・エネルギの比である。同様の信号は、例えば、複数のGSM(登録商標)プロトコル・ネットワークのためのブロードキャスト・チャネル(BCCH)、複数のUMTSプロトコル・ネットワークのための共通したパイロット・チャネル(CPICH))等のような、他の複数の無線ネットワークに関して存在する。かなり静止しているモバイル機器106については、該トラッキング・ユニット108は、任の与えられた時刻(time of day)に関して、複数の基地局102の各々から同様の強度信号を受信すべきである。該パイロット・チャネルは関連した識別部分を既に有しており、複数の特定の基礎局から比較的一定しており、常にブロードキャストされるので、それは相対的な動き(relative movement)の代理(proxy)として使用されるのに特によく適している。換言すると、トラッキング・ユニットが同じ強度で(あるいはある許容差内で)同じ複数の基地局から複数の信号を受信する場合、該トラッキング・ユニットは、おそらく、前の位置決定と同じ位置にある。したがって、位置決定を再度行なうことの代わりに、該トラッキング・ユニットは同じ位置にあることが単に仮定される。
【0018】
該相対的な動きを計算するために、該複数のアルゴリズム(ここに説明されているような)は、相対的な動きの決定に達するために、他の複数のまたはマルチプル(multiple)基地局からの複数の信号を結合することができ、あるいは同じ複数の基地局からの複数の信号を使用することができる。これらの基地局はモバイル機器によって検出されていることができ、あるいはモバイル機器に複数の信号を送信していることができ、あるいは、それらはデバイス中に予め構成されることができ、もしくはその組合せであることができる。例えば、上記の犬の例に戻って参照すると、その犬は、既知の複数の基地局からの複数の信号を受信する既知の位置に含まれるであろう。これらの知られている基地局は、相対的な動きの複数の計算を行なうように予め構成されることができる。
【0019】
特定の1実施形態では、モバイル機器106、トラッキング・ユニット108、サーバ116等は、該モバイル機器106がそれが前に位置された場所にかなり近いに違いないと決定するために、各パイロット信号の信号強度を、同じ基地局102からの前に記録されたパイロット信号強度と比較することが可能である。該モバイル機器がそれが前にあった場所に比較的近いと決定される場合、位置決定を行なう必要を回避することが可能であり、それによってトラッキング・ユニット108及びモバイル機器106の複数のリソースを大事に使う(conserve)ことができる。トラッキング・ユニット108に複数のパイロット信号を供給する基地局102がより多いと、それだけ一層高い正確さが得られることができる。該無線周波数信号の強度は送信機からの距離に比例して変わるので、信号の強度は代理としての使用に特によく適している。
【0020】
図2を参照すると、トラッキング・ユニット108の典型的な実施形態が提供されている。この実施形態では、該トラッキング・ユニット108は、多くのそのようなデバイスに典型的な複数のコンポーネント及び回路を含む。該デバイスは無線送信機/受信機150、GPS受信機154、及びアンテナ158を含む。無線送信機/受信機150は、アンテナ158で受信される複数の無線信号を受信して該複数の信号を復調し、コントローラ162にそれらを供給するように動作可能である。該コントローラ162は、プロセッサ、マイクロプロセッサ、チップセット、プログラム可能なアレイ、サーバ、コンピュータ等のような、任意の適切なコントローラであることができる。無線トランシーバ150はまた、コントローラ162から複数の信号を受信し、該複数の信号をRF信号上に変調し、該アンテナ158で該変調された信号を送信することができる。該GPS受信機154は、トラッキング・ユニット108の位置を決定するために適切な数のGPS衛星からのGPS信号を受信するように動作可能である。GPS受信機154はまたアンテナ158に接続される。アンテナ158は、単一のアンテナとして示されているが、受信アンテナ、送信(send)アンテナ及び、またはGPS受信機用の個別のアンテナのような、1またはそれより多くの別個のアンテナを含むことができる。コントローラ162はメモリ166及びオプションのユーザ・インターフェース170に結合される。コントローラ162は、トラッキング・ユニット108上で実行している任意の複数のアプリケーションを動作させることを含むトラッキング・ユニット108の複数のオペレーションを制御する。メモリ166は揮発性及び/または不揮発性メモリを含むこのようなトラッキング・ユニット108に適した任意のタイプのメモリを含むことができる。該メモリ166は、トラッキング・ユニット108のために異なる複数のアプリケーションを実行するためのコードを含む。オプションのユーザ・インターフェース170は、ビジュアル及び/またはグラフィカル・ユーザ・インターフェース及び関連するキーパッド及び/または任意の他の物理的入力デバイスを含む任意の適切なユーザ・インターフェースであることができる。以下さらに説明されるメモリ166は、該トラッキング・ユニット108によって受信された各パイロット・チャネルに関するパイロット強度及びパイロットPNを格納するために使用され得る。しかしながら、メモリは、ローカル(local)または一緒に配置された(co-located)メモリとして記載されているが、トラッキング・ユニット108から遠方に位置されることができる。図示され説明されたトラッキング・ユニット108はGPS受信機154を含むが、当業者は、該トラッキング・ユニット108が上述されたSPSのうちのいずれでも使用することができることを認識するであろう。さらに、トラッキング・ユニット108は支援されたGPS、地上ベースの複数の位置システム、複数のハイブリッド・システム、その組合せ等を使用し得る。
【0021】
以下にさらに詳細に説明されるように、複数の基地局102は異なる複数の時刻に異なる複数の強度でパイロット・チャネルをブロードキャストすることができ、及び/または、トラッキング・ユニット108は異なる複数の時刻に異なる複数の強度を有するプロット(plot)・チャネルを受信することができる。複数の変更は、基地局102の送信電力がその日の間ずっと変化するため、あるいは、例えば、マルチパス、他の複数のユーザからの干渉、大気条件、季節の問題等のような干渉のためであることができる。したがって、該信号強度は、時間の複数の同様の期間中に得られた複数の信号強度に比較されるべきである。さらに、本願のネットワーク100はトラッキング・ユニット108に複数の信号を供給する3つの基地局と共に示されているが、本願のテクノロジーは、単一の基地局102を使用する正確さ(accuracy)は該モバイル機器106の移動経路(trajectory)に依存して損なわれ(compromised)得るが、利用可能な数の基地局102あるいは単一の基地局102と共に作動することができる。
【0022】
図3を参照すると、本願のテクノロジーに関連した複数の動作工程を示す典型的なフローチャート200が与えられている。該フローチャート200は、前に受信され格納されたパイロットPN及びパイロット強度が格納される典型的な実施形態を説明し、前のパイロットPN及びパイロット強度を受信し、格納することは以下さらに詳細に説明される。さらに、関連する複数の工程は、特定の順番の複数のばらばらの(discrete)工程として提供されるが、しかし、様々な工程は反復して、連続的に、あるいは同様に生じ得ることが理解されるべきである。与えられた複数の工程は他の複数の工程と結合され、及び異なる順番で行なわれることができる。
【0023】
典型的なフローチャート200において、最初に工程202で、位置確認プロセスが開始される。一旦、開始されたトラッキング・ユニット108は1またはそれより多くの基地局102から複数のパイロット・チャネル信号を受信する(工程204)。実際には、該パイロット・チャネルが連続的にブロードキャストされるので、トラッキング・ユニット108は該複数のパイロット・チャネルを連続的に受信するが、しかし、該複数のパイロット・チャネルは、位置を確認しているか、あるいは情報を格納している時を除いて、現在の目的のために無視されることができる。該位置の確認の開始は、アプリケーション・ベースで、ランダムなあるいは事前定義された複数のインターバルで該デバイスにより自動的に、ユーザによって手動で、等により行なわれることができる。さらに、複数のパイロット・チャネル信号の受信は、該トラッキング・ユニット108が連続的にオンであったのか、デューティ・サイクルを有していたのか等に依存し得る。随意に、1またはそれより多くの基地局からの該複数のパイロット・チャネル信号は前に受信した同じ複数の基地局からのものであるかどうかを決定するためのチェックが行われることができる。このオプションのチェックは、フローチャート200において破線で工程206及び208として示されている。最初に、該受信された複数のパイロット信号の識別は該パイロットPNから決定される(工程206)。次に、該受信された複数のパイロット信号の該識別は、前の複数のパイロット信号の識別に一致するかどうかが決定される(工程208)。当然ながら、複数の信号が同じ複数の基地局から受信されることをチェックする代わりに、該システムは、該複数の基地局が同じであると仮定することができる。この典型的な実施形態では、該受信された複数のパイロット信号は同じ複数の基地局からのものであるかどうかを決定することは、該受信された複数のパイロットPNの各々が該格納された複数のパイロットPNと同じであるかどうかを決定することを含む。該受信された複数のパイロット信号のすべてが該前の複数のパイロット信号の該識別と一致しない場合、モバイル機器は移動したと結論付けられるので、工程210で従来の位置決定が行なわれ、そうでない場合は、それは同じ複数の基地局102を予測する(see)。トラッキング・ユニット108が前に受信されたものより多い、少ない、あるいは単に異なるパイロット信号を受信している場合、受信された複数のパイロット信号のすべてが一致しなくてもよい。
【0024】
次に、各基地局パイロット信号のパイロット信号強度が決定される(工程212)。各パイロット信号の該前に格納されたパイロット信号強度は、メモリからフェッチされる(fetched)(工程214)。以下に説明するように、該前に格納されたパイロット信号強度は、最後に受信されたあるいは計算された強度、時間にわたる平均強度、時間にわたる重みつき(weighted)平均強度、記録された最大及び最小の間の強度の範囲等であることができる。次に、該得られたパイロット信号のパイロット強度は前に格納されたパイロット強度の所定の許容差内にあるかどうかが決定される(工程216)。該所定の許容差は記録された強度からのパーセント変更(percent change)等であることができる。該許容差は、どれだけの移動変化が特定のアプリケーションに関して許容され得るかに基づいて主に決定される。受信された複数のパイロット信号の各々のパイロット強度が所定の閾値内にある場合、該モバイル機器は、次の位置確認の開始(工程202)まで、許容された位置の外側に移動していないと仮定される(工程218)。得られた複数のパイロット信号の各々のパイロット強度が所定の閾値の外側である場合、該モバイル機器は移動したと仮定されるので、従来の位置決定が行なわれる(工程210)。従来の位置決定が行なわれる場合、該前に格納されたパイロット・チャネル情報は消去されるべきである(工程220)。
【0025】
該テクノロジーの初期の展開時に、そして時々(from time to time)、本願のテクノロジーが、モバイル機器は比較的静止したままであると決定した時でも、位置決定を行なうことにより該モバイル機器の実際の位置を決定することは有益であり得る。これは、手動で、ランダムに、自動的に、事前定義された複数のインターバルで、該モバイル機器が該位置に最初に配置される時等にはもっと頻繁に、行なわれることができる。該モバイル・デバイスの実際の位置は、該許容差を調整すること(tuning)等によって粗い移動検出器の正確さを改善するために使用され得る。1つの典型的な実施形態では、例えば、該パイロット信号強度は、GPS位置決定を使用して固定されるいくつかの位置に関連付けられる。パイロット信号強度を獲得すること(taking)、及び許された移動エリアの周囲に関して、例えば、固定されたGPSの緯度及び経度の複数の位置にそれらを関連付けることは、可能な時に、該複数のパイロット強度の許容差を微調整すること(fine tuning)を可能にし得る。
【0026】
上記の典型的な実施形態はパイロット信号、パイロット信号PN及びパイロット信号強度に関して記述されているが、当業者は、トラッキング・ユニット108によって得られた任意の無線信号が適度に一貫している(consistent)、固有で(unique)ある、あるいは予測可能である限り、モバイル機器106が比較的静止したままであるかどうかを決定するために該無線信号を使用できることを理解することに注意すべきである。別の典型的な実施形態では、複数のパイロット・チャネル送信の代わりに、該トラッキング・ユニット108は複数の無線ブロードキャスト(radio broadcasts)を受信することができる。例えば、AMまたはFMの帯域において複数の無線塔信号を同様の位置の代理として使用することは可能であり得る。例えば、AM帯域の複数のラジオ局がブロードキャストしている場合、トラッキング・ユニット108は、該ブロードキャストされた周波数で識別可能である複数のAM帯域送信を得るように構成されることができ、及び該無線送信の強度を得るように構成されることができる。さらに、複数の空港あるいは他の一般的に静止している複数の送信ソースからの複数の無線周波数信号は同様に使用され得る。換言すると、トラッキング・ユニット108が受信し得る任意の無線周波数信号のほとんどは、該トラッキング・ユニット108が比較的静止したままであるという結論を可能にする同じ相対的な強度で、該トラッキング・ユニット108が依然として同じ複数の信号を受信していることを決定するための代理として使用されることができる。
【0027】
認識され得るように、ひとたびモバイル機器106が比較的静止すると、フローチャート200の方法は、パイロット・チャネルあるいは他の無線周波数ブロードキャストからの情報の初期セットが得られると、位置のための代理(proxy)として使用されることができる。情報の該セットは時として仮想アクティブ・セット(virtual active set)、仮想セット等と呼ばれることができる。位置の代理としてパイロット・チャネルを使用する場合において、該仮想セットは、例えば、複数のパイロットPN及び複数のパイロット強度を含むことができる。
【0028】
データベースは、該システムの該オペレーションを容易にするように時間にわたって構築されるであろうと想像される。したがって、ひとたびモバイル機器106が、それがとどまると期待される場所に(すなわち、ジオフェンス適用に関連付けられることができるような、比較的静止した位置内に)位置されると、トラッキング・ユニット108は、複数の基地局102から1またはそれより多くのパイロット・チャネル・ブロードキャストを受信し始め、及び該複数の信号に関係のあるデータベースを構築し始める。該データベースは、見えている任意所与の基地局に関して一貫しているパイロットPN、設計選択の事項としての任意の時間的導出(time derivation)であり得る該信号が記録される時刻、及び一日の間に変わり得るパイロット強度を含むことができる。トラッキング・ユニット108は、メモリ166にデータベースを維持することができ、あるいはサーバ116に関連したメモリのような、データベースを遠隔に配置することができる。典型的なデータベース300は図4に示されている。データベース300はいくつかのフィールドあるいはセル302を含むことができる。この場合は、複数のセル302は、基地局識別のためのパイロットPNセル304を含むことができ、そのうちの3つの基地局が示されているが、しかし基地局の数は、トラッキング・ユニット108がパイロット・チャネルを受信する基地局の数に等しい。パイロット強度及び/または基地局送信電力は、例えば、期待された使用法等により一日の間に変わり得るので、別のフィールドは時刻セル306となる。最後に、別のフィールドはパイロット強度セル308であり得る。したがって、午前11:00の基地局2の該期待されたパイロット強度は、MNO dBになる。当然ながら、該複数の時間は典型的なものであり、例えば、分(minute)、時間(hour)、数時間(several hours)、あるいはその日が平日であるか、あるいは週末であるか、ならびに複数の月(months)等で、強度のような任意の名称を表わし得る。該パイロット強度は示されている単一の表現であることができ、それは前に記録されたパイロット強度であり得る。その代わり、該パイロット強度は複数のパイロット強度の移動平均(running average)であり得る。さらに別の実施形態では、与えられた時間の最大及び最小の複数のパイロット強度は、複数のパイロット強度がそれぞれの範囲の許容差内にある場合に、該トラッキング・ユニットが比較的静止していると考えられることができ、該パイロット強度が期待される範囲を確立するために記録されることができる。
【0029】
上述したように、実際の緯度及び経度の複数の測定はまた、任意の与えられた基地局に関する任意の与えられた時刻におけるパイロット信号強度測定に関係付けられることができる。図4に示されているように、データベース300は、複数の測定に関する関連した複数の実際の位置(列内のa/b及びc/dで示された)を有する緯度/経度セル310を含むことができる。実際の複数の緯度及び複数の経度はあらゆる関連した読み(reading)には必要ない。これらの実際の位置は、モバイル機器が該境界内にとどまっているかどうかを決定するための該テクノロジーに関する許容差を調整するために上述のように使用され得る。
【0030】
以下図5を参照すると、記録する代表的な複数の信号を記録することに関連した複数の動作工程を示す典型的なフローチャート320が提供されている。最初に、工程322において、代表的な複数の信号の該記録が開始される。次に、該トラッキング・ユニット108は該位置において1またはそれより多くの無線周波数信号を受信する(工程324)。トラッキング・ユニット108、あるいは設計選択事項としてのある遠隔プロセッサは、は、受信された1またはそれより多くの無線周波数信号のそれぞれのための識別子を抽出する(工程326)。典型的な1つの識別子は、上述されたパイロットPNを含むことができ、別のものはAM/FM帯域を含むことができ、別のものは空港タワー識別を含むことができ、さらに別のものは、ブロードキャスト・チャネル識別、その組合せ等を含むことができる。複数の識別子の各々は、トラッキング・ユニット108のメモリ166のようなメモリ中に格納される(工程328)。信号ソースからの距離の変化と共に変わるある類似した信号あるいはパイロット強度のような信号強度は、1またはそれより多くの無線周波数信号の各々に関して計算される(工程330)。該信号強度は該対応した識別子に関連付けられ(工程332)、メモリ166のようなメモリに格納される(工程334)。随意に、タイム・スタンプは、技術的に慣例であるように、検出され、あるいは決定され、受信された複数の無線周波数信号のそれぞれの識別子及び強度と関連付けられ、該メモリに格納されることができる(工程336)。
【0031】
位置の変化と共に変わるある類似した信号、あるいは該強度に関して、該トラッキング・ユニット108及び該モバイル機器106は比較的同じ位置にあると考えられると決定されると、記録された各強度信号は前に記録され格納された信号と単に置換することができる。その代わりに、最初に記録された強度は保持される(retained)ことができる。さらに別の実施形態においては、該記録された強度は複数の移動平均、複数の重みつき平均等であることができる。したがって、工程フローチャート320は、該複数の強度を平均するオプションの工程333を含むことができる。このような平均する工程は、例えば、下記の式を使用することにより計算され得る:
平均信号強度=(Σ(信号強度)n)/n
ここでは、(信号強度)n)は信号強度であり、nは信号の数である。時間にわたって該信号強度を平均することは、単一の値を提供することに関するただ1つのオプションである。もっと最近計算された複数の信号強度にさらなる重みを与えることによって大気条件をさらに正確に反映することのできる複数の重みつき平均のような、別の複数の平均式もまた使用され得る。
【0032】
図6を参照すると、本願のテクノロジーの1つの可能な実施形態の複数の動作工程を示す典型的なフローチャート350が与えられている。フローチャート350は、該受信された信号強度が許容差内にあって該モバイル機器106が比較的静止したままであることを示すかどうかを決定するために使用されることのできる複数の信号強度を記録するための複数の動作工程の1つの可能な実施形態を提供する。最初に、工程352において、該モバイル機器は比較的静止していると決定される。該モバイル機器が比較的静止していると決定することは、ユーザ、モバイル機器が所定の位置内にとどまっていることを示す連続した複数の位置決定、ユーザからの手動の表示(indication) 等によって行なわれ得る。次に、工程354において、該トラッキング・ユニット108は、該モバイル機器106が比較的静止したままである、あるいはあるエリア内にとどまっているかどうかを評価する(evaluate)ために使用され得る1またはそれより多くの無線周波数信号が存在するかどうかを決定する。該モバイル機器106が比較的静止したままである、あるいはあるエリア内にとどまっているかどうかを評価するために使用され得る1またはそれより多くの無線周波数信号が存在する場合、該トラッキング・ユニットは該複数の無線周波数信号を識別し(工程356)、該複数の無線周波数信号の該強度を計算し(工程358)、各無線周波数信号のアイデンティティ(identity)及び強度を格納する(工程360)。この例において、これは識別された信号の最初の強度であるので、該強度はメモリの最小及び最大強度セルの両方に格納される。簡明にするために、該格納された最小及び最大は、前に記録された最小あるいは前に記録された最大と呼ばれることができる。認識できるように、時刻等はまた上記に記載された複数の動作と同様に記録され得る。トラッキング・ユニット108(分、時間、日、等によるように、連続的から断続的にまで1つのスペクトル上に設定されうる次のインターバルで)は、次の無線周波数信号を受信し、該無線周波数信号を識別する(工程362)。随意に、トラッキング・ユニット108は、該次の複数の無線周波数信号が前に説明された前の複数の無線周波数信号と同じであるかどうかを決定することができる(破線で示されている工程363)。その後、該次の無線周波数信号の強度が計算される(工程364)。その後、該モバイル機器は比較的同じ位置内にとどまっているかどうかが決定される(工程365)。このような計算は上記のフローチャート200等と一致していることができる。該モバイル機器は移動したと決定される場合、工程210と同様に、従来の位置決定が行なわれ、該モバイル機器が次に比較的静止した位置にある時のために、該プロセスは工程352に戻る。該モバイル機器が移動していないと決定される場合、該次の無線周波数信号の強度は、該前に記録された最小の強度信号及び最大強度信号と比較される(工程366)。次の無線周波数信号の強度が該前に格納された最小より小さい場合、該次の無線周波数信号は格納され、該前に格納された最小になり(工程370)、該プロセスは工程362に戻る。該次の無線周波数信号の強度が該前に格納された最小以上である場合、それは前に格納された最大より大きいかどうかが決定される(工程372)。それが該前に格納された最大の信号より大きい場合、該次の無線周波数信号は格納され、該前に格納された最大になる(工程374)。最後に、該モバイル機器が比較的静止したままであるかどうかを連続して決定するために、制御は工程362に戻される。
【0033】
上記の複数の動作工程は、モバイル機器が移動していないと決定するために無線周波数信号強度が存在すべき帯域を提供することに関する1つの可能な方法を示している。実際の決定は、該強度が前に記録された最小より小さい所定の量以下であり、及び前に記録された最大より大きい所定の量以下であるかどうかを決定することによりなされることができる。同様に、位置代理及び/または位置確認プロセスを開始するための所定の最小信号強度が存在し得る。
【0034】
当業者は、情報及び複数の信号が様々な異なるテクノロジー及び技術のうちの任意のものを使用して表わされることができることを理解するであろう。例えば、上記の記載の全体にわたって参照され得るデータ、複数の命令、複数のコマンド、情報、複数の信号、複数のビット、複数の記号、及び複数のチップは、複数の電圧、複数の電流、電磁波、複数の電磁波、複数の磁気フィールドまたは複数の磁気粒子、複数の光学フィールドまたは複数の光学粒子、あるいはその任意の組合せで表わされることができる。
【0035】
当業者は、ここに開示された複数の実施形態に関連して記載された様々な実例となる複数の論理ブロック、複数のモジュール、複数の回路、及び複数のアルゴリズム工程が、電子ハードウェア、コンピュータ・ソフトウェア、あるいは両者の組合せとしてインプリメントされ得ることをさらに認識するであろう。ハードウェアとソフトウェアのこの互換性(interchangeability)を明確に例証するために、様々な実例となる複数のコンポーネント(components)、複数のブロック、複数のモジュール、複数の回路、及び複数の工程は、それらの機能性(functionality)の点から上記において一般的に説明されている。そのような機能性がハードウェアとしてインプリメントされるのか、あるいはソフトウェアとしてインプリメントされるのかは、システム全体に課された複数の設計制約(constraints) 及び特定の用途に依存する。当業者は、各特定用途の異なる方法で該記載された機能性をインプリメントすることができるが、しかし、そのような複数のインプリメンテーション(implementation)決定は、本発明の技術的範囲からの逸脱を引き起こすと解釈されるべきでない。
【0036】
ここに開示された複数の実施形態に関連して記載された様々な実例となる複数の論理ブロック、複数のモジュール、及び複数の回路は、ここに記述された複数のファンクション(functions)を行なうために設計された、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールド・プログラム可能なゲート・アレイ(FPGA)または他のプログラム可能な論理デバイス、ディスクリート(discrete)ゲートまたはトランジスタ論理回路(transistor logic)、複数のディスクリート・ハードウェア・コンポーネント、あるいはその任意の組合せを用いてインプリメントされ、あるいは行なわれることができる。汎用プロセッサはマイクロプロセッサであることができるが、しかし、別の実施形態においては、該プロセッサは任意のコンベンショナル・プロセッサ(conventional processor)、コントローラ、マイクロコントローラ、あるいは状態機械であることができる。プロセッサはまた、例えば、DSPコアに関連した1またはそれより多くのマイクロプロセッサ、複数のマイクロプロセッサ、1つのマイクロプロセッサと1つのDSPの組合せ等の、複数の計算デバイスの組合せ、あるいは任意の他のこのような構成としてインプリメントされ得る。
【0037】
ここに開示された複数の実施形態に関連して記載された1つの方法またはアルゴリズムの複数の工程は、ハードウェアにおいて、プロセッサによって実行されるソフトウェア・モジュールにおいて、あるいは該2者の組合せで直接具体化されることができる。ソフトウェア・モジュールは、RAM(Random Access Memory)、フラッシュ・メモリ、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Electrically Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、複数のレジスタ、ハード・ディスク(disk)、取外し可能ディスク、CD−ROM、あるいは技術的に知られている任意の他の形態の記憶媒体の中に存在し得る。典型的な記憶媒体は、プロセッサが該記憶媒体から情報を読取り、及び該記憶媒体に情報を書込むことができるように、該プロセッサに結合される。別の実施形態では、該記憶媒体は該プロセッサと一体化していることができる。該プロセッサと該記憶媒体はASIC中に存在し得る。該ASICはユーザ端末中に存在し得る。別の実施形態では、該プロセッサと該記憶媒体は、ユーザ端末中に複数のディスクリート・コンポーネントとして存在し得る。
【0038】
開示された複数の実施形態の先の説明は、当業者が本発明を形成するか使用することを可能にするために提供されている。これらの開示された複数の実施形態への様々な修正は当業者に容易に明白になり、また、ここに規定されている複数の一般的な原理は、本願発明の技術的範囲を逸脱せずに、他の複数の実施形態に適用され得る。したがって、本願発明は、ここに示された複数の実施形態に限定されるものではなく、ここに開示されている複数の原理及び複数の新しい特徴と一致する非常に広い技術的範囲を与えられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モバイル機器が比較的静止したままであるかどうかを決定するために受信された複数の無線周波数信号を使用する方法、前記方法は下記を備える、
前記モバイル機器のトラッキング・ユニットによって前に受信された無線周波数信号の第1の強度を格納すること、
前記無線周波数信号を前記モバイル機器で次に受信すること、
前記次に受信された無線周波数信号の第2の強度を計算すること、
前記第2の強度を前記第1の強度と比較すること、
前記第2の強度が前記第1の強度の所定の許容差を有する場合、前記モバイル機器は実質的に前に決定された位置にあると決定すること、
それによって、位置決定を行なうことなく、前記モバイル機器が比較的静止していることが決定されることができる。
【請求項2】
無線周波数信号の第1の強度を格納することは、複数の無線周波数信号の複数の第1の強度を格納することを備える、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記第1の強度は前の最小信号強度及び前の最大信号強度を備える、及びここにおいて前記第2の強度を前記第1の強度と前記比較することは、前記第2の強度が、前記前の最小信号より下の第1の所定の量以上であり、及び前記前の最大信号より上の第2の所定の量以下であることを決定することを備える、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記第1の所定の量は前記第2の所定の量に等しい、請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記無線周波数信号はCDMAネットワークのためのパイロット・チャネルを備える、請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記第1の強度は前のパイロット強度を備え、前記第2の強度は現在のパイロット強度を備える、請求項5記載の方法。
【請求項7】
下記を備える、請求項5記載の方法、
前記前のパイロット強度に関連した第1のパイロットPNを格納すること、
現在のパイロット・チャネルに関連した第2のパイロットPNを決定すること、
前記第1のパイロットPNを、前記第2のパイロットPNと比較すること、
それによって、前記第1のパイロットPNが前記第2のパイロットPNに等しい場合にのみ、前記モバイル機器が比較的静止したままであることが決定される。
【請求項8】
下記を備える、請求項1記載の方法、
前記モバイル機器の実際の位置を得ること、
前記モバイル機器の前記実際の位置の決定に基づいて前記所定の許容差を調節すること。
【請求項9】
前記無線周波数信号は複数のパイロット・チャネルを備える、ここにおいて前記第1のパイロットPNは複数の第1のパイロットPNを備え、前記第2のパイロットPNは複数の第2のパイロットPNを備える、請求項7記載の方法。
【請求項10】
前記無線周波数信号は、UMTSネットワークの共通したパイロット・チャネルまたはGSM(登録商標)ネットワークのブロードキャスト・チャネルのうちの少なくとも1つを備える、請求項1記載の方法。
【請求項11】
前記モバイル機器のトラッキング・ユニットによって前に受信された無線周波数信号の第1の強度を格納する工程は、前記無線周波数信号の前に記録されたすべての強度を平均することを備える、請求項1記載の方法。
【請求項12】
前記平均は重みつき平均である、請求項11記載の方法。
【請求項13】
モバイル機器が比較的静止したままであるかどうかを決定するために受信された複数の無線周波数信号を使用する方法、前記方法は下記を備える、
少なくとも1つの繰返し無線周波数信号を前記モバイル機器で受信すること、
前記モバイル機器で受信された、前に受信された複数の繰返し無線周波数信号の情報を備えるデータベースを確立すること、前記情報は前に受信された各繰返し無線周波数信号の識別子、及び前に受信された各繰返し無線周波数信号の強度を備える、
前記モバイル機器がほぼ同じ位置にあるかどうかを決定するために、前に受信された複数の繰返し無線周波数信号の前記データベース中の情報と、現在受信された繰返し無線周波数信号の情報を比較すること、
前記現在受信された繰返し無線周波数信号からの前記情報を用いて前記データベース中の前記情報を更新すること。
【請求項14】
前記識別子はパイロットPNであり、前記強度はパイロット強度である、請求項13記載の方法。
【請求項15】
前記データベース中の前記情報は、前記比較がほぼ同じ時刻からの情報を比較するように前記パイロットPN及び前記パイロット強度が決定される時刻である、請求項14記載の方法。
【請求項16】
前記データベースを確立する前記工程は、前記受信された繰返し無線周波数信号から各無線周波数信号の識別子を抽出すること、及び前記受信された繰返し無線周波数信号の強度を計算すること、ならびに前記識別子及び関連した強度を前記情報として前記データベース中に格納することを備える、請求項14記載の方法。
【請求項17】
前記更新する工程は、前記現在受信された繰返し無線周波数信号を用いて前記前に受信された複数の繰返し無線周波数信号からの前記情報を平均することを備える、請求項16記載の方法。
【請求項18】
前記情報を前記更新することは、前記現在受信された繰返し無線周波数信号を、最小の前に受信された繰返し無線周波数信号と比較すること、前記最小の前に受信された繰返し無線周波数信号を、前記現在受信された繰返し無線周波数信号と置換することを備える、請求項13記載の方法。
【請求項19】
前記情報を前記更新することは、前記現在受信された繰返し無線周波数信号を、最大の前に受信された繰返し無線周波数信号と比較すること、前記最大の前に受信された繰返し無線周波数信号を、前記現在受信された繰返し無線周波数信号と置換することを備える、請求項13記載の方法。
【請求項20】
前記情報は前記前に受信された複数の繰返し無線周波数信号に関する少なくとも1つの位置決定を備える、請求項13記載の方法。
【請求項21】
モバイル機器が比較的静止しているかどうかを決定するために前記モバイル機器に動作可能に結合されたトラッキング・ユニット、前記トラッキング・ユニットは下記を備える、
現在の複数の無線周波数送信を受信するように動作可能な無線受信機、
前記現在の複数の無線周波数送信から情報を抽出するために前記無線受信機に動作可能に結合されたコントローラ、前記情報は前記複数の無線周波数送信の各々の識別子と、及び前記複数の無線周波数送信の各々の強度とを備える、
前に受信された複数の無線周波数送信の前記情報を格納するメモリ、
ここにおいて、前記コントローラは、前記モバイル機器が比較的静止したままであることを決定するために、前記現在の複数の無線周波数送信の前記情報を、前記前に受信された複数の無線周波数送信と比較するように動作可能である。
【請求項22】
前記無線受信機は、CDMA下で動作している複数の基地局からの複数のパイロット・チャネル送信を受信する、請求項21記載のトラッキング・ユニット。
【請求項23】
前記コントローラは、前記複数のパイロット・チャネル送信から前記パイロットPN及び前記パイロット強度を抽出し、前記パイロットPN及び前記パイロット強度を前記情報として格納する、請求項21記載のトラッキング・ユニット。
【請求項24】
前記無線受信機は、UMTSネットワーク下で動作している複数の基地局からの共通した複数のパイロット・チャネルまたはGSM(登録商標)下で動作している複数の基地局からの複数のブロードキャスト・チャネルのうちの少なくとも1つを受信する、請求項20記載のトラッキング・ユニット。
【請求項25】
前記コントローラに動作可能に結合された位置決定センサを備える、ここにおいて前記トラッキング・ユニットの前記位置は確定できる、請求項20記載のトラッキング・ユニット。
【請求項26】
前記位置決定センサはGPS受信機である、請求項24記載のトラッキング・ユニット。
【請求項27】
前記コントローラは、前記トラッキング・ユニットが前の位置から移動したことを前記コントローラが決定する場合に、前記情報を消去するために前記メモリに動作可能に結合される、請求項20記載のトラッキング・ユニット。
【請求項28】
前記コントローラは、前記メモリが前に受信された複数の無線周波数送信を格納した後に前記モバイル機器が比較的静止したままであることを決定するように動作可能である、請求項20記載のトラッキング・ユニット。
【請求項29】
該モバイル機器の位置を決定するように適応されたGPS受信機を備え、それによって該コントローラは該モバイル機器の該位置をメモリに格納するように動作可能であり、該モバイル機器が比較的静止したままであるかどうかを決定する能力を調整するために該モバイル機器の該位置を使用するように適応される、請求項20記載のトラッキング・ユニット。
【請求項29】
下記をコンピュータに行なわせるコンピュータ可読記憶媒体上に格納されたコンピュータ実行可能なコードを含むコンピュータ・プログラム製品、
現在の複数の無線周波数送信を受信すること、
前記現在の複数の無線周波数送信から情報を抽出すること、前記情報は前記複数の無線周波数送信の各々の識別子と、前記複数の無線周波数送信の各々の強度とを備える、
前に受信された複数の無線周波数送信の情報を格納すること、
モバイル機器が比較的静止したままであることを決定するために前記現在の複数の無線周波数送信の前記情報を、前記前に受信された複数の無線周波数送信と比較すること。
【請求項30】
モバイル機器が比較的静止したままであるかどうかを決定するために複数の無線周波数信号を受信するためのトラッキング・ユニット、前記トラッキング・ユニットは下記を具備する、
前記モバイル機器のトラッキング・ユニットによって前に受信された無線周波数信号の第1の強度を格納するための手段、
前記無線周波数信号を前記モバイル機器で受信するための手段、
前記第1の強度を格納することに続いて受信された前記受信された無線周波数信号の第2の強度を計算するための手段、
前記第2の強度を前記第1の強度と比較するための手段、
前記第2の強度が前記第1の強度の所定の範囲を有する場合、前記モバイル機器が実質的に前に決定された位置にあると決定するための手段、
それによって、位置決定を行なうことなく、前記モバイル機器が比較的静止していることが決定されることができる。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2012−507725(P2012−507725A)
【公表日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−534799(P2011−534799)
【出願日】平成21年10月30日(2009.10.30)
【国際出願番号】PCT/US2009/062696
【国際公開番号】WO2010/051413
【国際公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】