説明

1以上の張力逃し機構を有する制御盤用装着備品

本発明の幾つかの実施形態は、1以上の張力逃し機構を有する制御盤用装着備品を提供する。装着備品は、基部と拘束部品とを有する。拘束部品は、第1の端部と第2の端部とを有する。拘束部品の第1の端部は、基部に回動可能に接続される。拘束部品の第2の端部は、ケーブル留め具を受容するよう適合させてある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御盤あるいはロボット等の他の動的構造用のケーブル装着備品に関する。より具体的には、本発明は1以上の張力逃し機構を有する制御盤用装着備品に関する。
【背景技術】
【0002】
制御盤用装着備品は、当業者にはよく知られている。一般に、制御盤用装着備品は基部を含んでいる。その基部は、たとえば接着剤を用いて制御盤に接続される。制御盤内の1以上のケーブルはケーブル留め具を用いて束ねられ、ケーブル留め具は制御盤用装着備品の基部に接続される。
【0003】
制御盤用装着備品は、ケーブルの重量と、制御盤用装着備品に対し追加の張力をもたらすケーブルの動きにより生成される反動荷重もまた支持する。しかしながら、既存の制御盤用装着備品はこの付加的な張力を軽減するよう設計されてはいない。前記した如く、既存の制御盤用装着備品は堅牢であり、かくしてケーブルの移動によって生成される反動荷重を含む全荷重が装着備品の基部に集中する。この欠陥を補償するため、既存の制御盤用装着備品はそれらが対処できるケーブル数について制限され、また同じ距離に対しより多数の装着備品が要求され、その両方が組み込みの時間と費用を増大させる。余りに多数のケーブルが制御盤用装着備品に取り付けられ、あるいは不十分な数の制御盤用装着備品が用いられる場合、接着剤は役に立たず、制御盤用装着備品の基部を制御盤から分離させる一因となる。
それ故、1以上の張力逃し機構を有する制御盤用装着備品に対する必要性が存在する。
【発明の概要】
【0004】
本発明の幾つかの実施形態は、1以上の張力逃し機構を有する制御盤用装着備品を提供するものである。装着備品は、基部と拘束部品を有する。拘束部品は、第1の端部と第2の端部とを有する。拘束部品の第1の端部は、基部に回動可能に接続される。拘束部品の第2の端部は、ケーブル留め具を受容するよう適合させる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】本発明の一実施形態になる制御盤に組み込まれる2個の装着備品の斜視図である。
【図2】図1の装着備品の拡大斜視図である。
【図3】取り付け前の図1の装着備品の斜視図である。
【図4】図1の装着備品用の拘束部品の斜視図である。
【図5】図4の拘束部品の拡大斜視図である。
【図6】図1の装着備品用のキャップの斜視図である。
【図7】図1の装着備品のうちの1つの一部分解斜視図である。
【図8】図7の装着備品の平面図である。
【図9】図8の9−9線に沿って見た断面図である。
【図10】本発明の他の実施形態になる装着備品の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
図1から図10は、本発明の1以上の好ましい実施形態になる1以上の張力逃し機構を有する制御盤用装着備品100を示す。
【0007】
図1に最もよく見てとれるように、制御盤10は筺体11を含む。筺体11は、リレーや電源および/またはプログラマブル・ロジック・コントローラー(「PLC」)等の1以上の電子部品12を含んでいる。制御盤10は、扉13もまた含んでいる。扉13は、電子部品12を筺体12内で制御するディスプレイやカウンターや警報や押し釦やスイッチやタッチスクリーン等の1以上の制御部14を含んでいる。制御部14は、1以上のケーブル留め具17を用いて束16に形成のできる1以上のケーブル15を用いて電子部品12に接続される。
【0008】
1以上の装着備品100が束16に沿った様々な位置に配置され、束16を制御盤10に固定している。たとえば、図1に最もよく見てとれるように、第1の装着備品100は制御盤10の筺体11に接続され、第2の装着備品100は制御盤10の扉13に接続される。ケーブル留め具17、従ってケーブル15もまた装着備品100に接続される。
【0009】
図1と図2に示す如く、制御盤10の扉13は開いていて、電子部品12へのアクセスを可能にしている。しかしながら、扉13は電子部品12を周囲の環境から保護すべく閉じることができる。制御盤10の扉13の開閉が、ケーブル15の束16を移動し、そのことが片や装着備品100の基部110に張力を生ぜしめる。しかしながら、装着備品100は1以上の張力逃し機構を含んでおり、それらを下記により詳しく説明する。
【0010】
図3に最もよく見てとれるように、各装着備品100は基部110とキャップ120と拘束部品130とを含んでいる。加えて、各装着備品100は図1と図2に示す如く制御盤10に装着備品100を固定する接着テープや磁気テープ等の固定具140を含んでいる。
【0011】
キャップ120は、基部110に接続される。たとえば、図7に最もよく見てとれるように、さらに一対の矢印101により示す如く、キャップ120は基部110に弾装される。すなわち、キャップ120は突起121等の1以上の弾装備品を含み、これが装着備品100の基部110上の切り溝111等の1以上の対応する弾装備品に係合する。
【0012】
基部110とキャップ120とが合わさり、ソケット150を形成する。たとえば、図7および図9から最もよく見てとれるように、基部110はソケット150の第1の部分151を含んでおり、キャップ120はソケット150の第2部分152を含んでいる。別の選択肢では、基部110とキャップ120とは一体形成することができる。すなわち、基部110にはたとえば、一体成形弾装ソケット150を含めることができる。別の選択肢では、基部110は、拘束部品130上に対応構造を回動可能に係合させる支柱等の構造を含めることができる。
【0013】
図4から最もよく見てとれるように、拘束部品130は第1の端部131を含む。拘束部品130の第1の端部131は、基部110に回動可能に接続されている。たとえば、図4および図5に最もよく見てとれるように、拘束部品130の第1の端部131はボール133を含んでいる。ボール133は、ソケット150に回動可能に接続されている。キャップ120はボール133を基部110に固定し、ボール133をソケット150内に保持する。拘束部品130は、キャップ120の窓孔122を挿通している。別の選択肢では、拘束部品130の第1の端部131にリング等の構造を含め、装着備品100の基部110上に支柱等の対応構造を回動可能に係合させることができる。図10に最もよく見てとれるように、拘束部品130の第1の端部131と装着備品100の基部110とは一体的に形成することができる。
【0014】
図5に最もよく見てとれるように、ボール133は複数のフィン134を含んでいる。このフィン134はソケット150との接触状態を維持し、平行移動を最小化しつつボール133が回動できるようにする。加えて、ボール133は赤道フィン135を含んでいる。赤道フィン135は、他のフィン134を支持している。赤道フィン135は他のフィン134に対し凹ませてあり、そのことで図9に最もよく見てとれるように、赤道フィン135がキャップ120内の窓孔122により妨害されないようにする。
【0015】
拘束部品130が回動できるようにすることで、ケーブル15あるいは束16の動きによって引き起こされた装着備品100の基部110の張力の一部を逃し、かくして装着備品100内で組み込み式張力逃しとして機能させることができる。
【0016】
図4に最もよく見てとれるように、拘束部品130は第2の端部132を含んでいる。拘束部品130の第2の端部は、拘束部品130の第1の端部、かくして装着備品100の基部110から離間している。拘束部品130の第2の端部132と装着備品100の基部110との間の離間量は、拘束部品130の長さにより決まる。
【0017】
図1および図2に示す如く、拘束部品130の第2の端部132はケーブル留め具17に接続されている。たとえば、図4に最もよく見てとれるように、拘束部品130の第2の端部132はケーブル留め具17を受容するスロット136を含んでいる。ケーブル留め具17は装着備品100とは別個であり、たとえケーブル留め具17がケーブル15の束16に固定されているときでも、スロット136内を摺動する。別の選択肢では、拘束部品130の第2の端部132とケーブル留め具17とは一体形成することができる。
【0018】
ケーブル留め具17がスロット136内を摺動できるようにすることで、ケーブル15あるいは束16の動きによって引き起こされた装着備品100の基部110にかかる張力の一部を逃し、かくして装着備品100内で組み込み式張力逃しとして機能させることができる。
【0019】
図4に最もよく見てとれるように、拘束部品130は捩り部137を含んでいる。拘束部品130は、拘束部品130の第2の端部132に向かって捩り部137から延出するアーム138も含んでいる。捩り部137により、アーム138は特定の方向に屈曲あるいは撓曲できるようになる。たとえば、図4に示し、かつさらに矢印139が示す如く、拘束部品130は90°の捩り部137を含んでおり、これにより拘束部品130のアーム138は装着備品100の基部110に平行な平面内で屈曲あるいは撓曲することができる。拘束部品130に0°と180°との間等の任意の角度からなる捩り部137を含めることができる点も、同様に熟慮してある。好ましくは、捩り部137は図4に最もよく見られるように拘束部品130の第1の端部131近傍に配置し、拘束部品130のアーム138の屈曲性や可撓性を最大化するが、捩り部138を拘束部品130に沿う任意の場所に配置できることも同様に熟慮してある。
【0020】
拘束部品130を屈曲あるいは撓曲できるようにすることで、ケーブル15あるいは束16の動きにより引き起こされる装着備品100の基部110にかかる張力の一部を逃し、かくして装着備品100内で組み込み式張力逃しとして機能する。
【0021】
それ故、前記した如く、本発明の幾つかの実施形態は1以上の張力逃し機構を有する制御盤用装着備品を提供する。
【0022】
本発明の特定の好適な実施形態を図示し説明してきたが、本発明の教示から逸脱することなく変形例と改変例が可能であることが当業者には明らかとなろう。前述の説明と添付図面に記された事項は、限定としてではなく、例示としてのみ提供されるものである。例示実施形態は数例に過ぎず、本発明の範囲を制限するものと解釈してはならない。特許請求の範囲は、その旨記載していない限り、記載順や記載構成要件に限定して読み取ってはならない。それ故、下記の請求項群およびそれに対する均等物の範囲内に包含される全ての実施形態は、本発明として特許請求の範囲に記載するものである。
【符号の説明】
【0023】
10 ・・・制御盤、 11 ・・・筺体、 12 ・・・電子部品、 13 ・・・扉、 14 ・・・制御部、 15 ・・・ケーブル、 16 ・・・束、 17 ・・・ケーブル留め具、 100 ・・・装着備品、 110 ・・・基部、 120 ・・・キャップ、 130 ・・・拘束部品、 133 ・・・ボール、 134 ・・・フィン、 135 ・・・赤道フィン、 136 ・・・スロット、 137 ・・・捩り部、 138 ・・・アーム、 150 ・・・ソケット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基部と、
第1の端部と第2の端部とを有する拘束部品であって、該拘束部品の第1の端部は基部に回動可能に接続され、該拘束部品の第2の端部はケーブル留め具を受容するよう適合さされている、制御盤用装着備品。
【請求項2】
前記基部はソケットを含み、前記拘束部品の第1の端部はソケットに回動可能に接続されたボールを含んでいる、請求項1に記載の装着備品。
【請求項3】
前記ボールは複数のフィンを含んでいる、請求項2に記載の装着備品。
【請求項4】
前記フィンのうちの少なくとも1つを他のフィンに対し凹ませた、請求項3に記載の装着備品。
【請求項5】
前記拘束部品の第2の端部を装着備品の前記基部から離間させた、請求項1に記載の装着備品。
【請求項6】
前記拘束部品の第2の端部がケーブル留め具を受容するスロットを含んでいる、請求項1に記載の装着備品。
【請求項7】
前記ケーブル留め具は、該ケーブル留め具をケーブル束に固着したときに前記スロット内を摺動する、請求項6に記載の装着備品。
【請求項8】
前記装着備品と前記ケーブル留め具とは別個の構成要素とした、請求項1に記載の装着備品。
【請求項9】
前記装着備品と前記ケーブル留め具とは一体形成されている、請求項1に記載の装着備品。
【請求項10】
前記拘束部品は捩り部とアームとを含んでおり、前記捩り部から前記アームが前記拘束部品の第2の端部に向って延在している、請求項1に記載の装着備品。
【請求項11】
前記捩り部により前記拘束部品のアームを前記装着備品の基部に平行な方向に屈曲させることができる、請求項10に記載の装着備品。
【請求項12】
前記基部に接続されたキャップをさらに備えている、請求項1に起債の装着備品。
【請求項13】
前記キャップは前記基部内に弾装されている、請求項12に記載の装着備品。
【請求項14】
前記キャップは前記拘束部品の第1の端部を前記基部に固定している、請求項12に記載の装着備品。
【請求項15】
前記拘束部品の第2の端部は前記キャップ内の窓孔を挿通している、請求項12に記載の装着備品。
【請求項16】
前記基部と前記キャップとはソケットを形成し、前記拘束部品の第1の端部は前記ソケットに回動可能に接続されたボールを含んでいる、請求項12に記載の装着備品。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公表番号】特表2012−504930(P2012−504930A)
【公表日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−530219(P2011−530219)
【出願日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際出願番号】PCT/US2009/059209
【国際公開番号】WO2010/039942
【国際公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【出願人】(507202736)パンドウィット・コーポレーション (70)
【Fターム(参考)】