説明

1種または複数種のグリコシドをより高純度にするためのグリコシド混合物の処理方法

本発明は、天然のレバウジオシドA(RebA)、レバウジオシドB(RebB)、およびレバウジオシドD(RebD)、これらの対応合成物、および/または該天然物あるいは該合成物の誘導体を含む混合物を処理して、これらグリコシドの1種または複数種を高純度化する方法を提供する。多くの態様では、ステビア植物等の天然源から少なくとも一部が得られるグリコシド混合物を処理するために本発明を用いることができる。例えば、これにより、RebB材料またはRebD材料に対してRebA材料をより高純度に含む生成物を回収することが可能となる。精製されたRebA材料に代えて、あるいはそれに加えて、RebA材料に対してRebB材料および/またはRebD材料を高純度に含む生成物を得ることもできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2010年1月28日に出願され、名称が「レバウジオシドA組成物からのレバウジオシドBおよびレバウジオシドDの精製方法」である、米国仮出願番号61/299,160号の利益を主張するものであり、該出願のすべての内容は出典明示により本明細書に組み入れられる。
【0002】
本発明の方法は、レバウジオシド(rebaudioside)A材料、レバウジオシドB材料、およびレバウジオシドD材料を含む混合物をより純粋な状態に分離する処理に関する。例えば、レバウジオシドA、B、およびDの混合物を分離して、一方でReA、他方で、および/またはRebBおよび/またはRebDをより純粋な状態に分離することができる。さらに詳しくは、該処理は、1種または複数種の再結晶化方法を単独で、あるいは、そのグリコシド混合物の精製と組み合わせて用いる。
【背景技術】
【0003】
ステビアレバウディアナ(ステビア)は、数多くの研究および開発の対象であり、その研究および開発は、ノンカロリー甘味料としての可能性を有する、特定の天然の甘いステビアグリコシドの精製に向けられてきた。甘いグリコシド(ステビオールグリコシドとも呼ばれる。)はステビアから抽出することができ、6種のレバウジオシド(すなわち、レバウジオシドAからF)、ステビオシド(野生のステビアからの抽出物中の主要なグリコシド)、ダルコシド、およびステレビンを含んでいる。
【0004】
レバウジオシドA(RebA)は、ステビアの甘味グリコシド成分であり、スクロースの約250〜450倍の甘さを持っている。好ましい甘味プロファイル、監督規制承認(regulatory)、顧客満足度、および最小限の苦みの後味により、レバウジオシドAはノンカロリー甘味料として用いることが好ましい。レバウジオシドB(ReB)およびD(RebD)も、その甘さ特性が関心を持たれている、ステビアの甘味グリコシド成分である。
【0005】
その何らかの処理物およびまたは対応する合成物だけでなく、ステビアの天然抽出物は、グリコシドの混合物を通常含んでいる。これらの混合物を精製して、1種または複数種のこれらグリコシドをより純度の高い状態で得ることが望まれている。例えば、ある混合物が、他の成分の中で、RebA、RebB、およびRebDの組み合わせを含む場合がある。いくつかの例では、これらの混合物を処理して、RebBおよび・またはDの含有量を減らしながら、より純度の高い状態のRebAを含む生成物を回収することが望まれている。他の例では、これらの混合物を処理して、RebAの含有量を減らしながら、RebBおよび/またはRebDをより純度の高い状態で含む生成物を回収することが望まれている。さらに他の例では、生成物を組み合わせたものを回収するために、これらの混合物を処理する。例えば、混合物を処理して、RebBおよびRebDの含有量を減らしながらRebAの純度を高くした混合物成分を回収する場合、RebAの含有量を減らしながらRebBおよび/またはRebDの純度を高くした、処理された混合物の別の成分を回収することができる。
【0006】
レバウジオシドAを含む粗ステビア抽出物からのレバウジオシドAの精製について多くの方法が報告されている。
【0007】
特開昭56−121454号公報は、結晶化により、ステビオシドとレバウジオシドを高純度かつ高収率で分離する方法を報告している。その方法では、ステビアリバウジアナベルトーニの葉と茎から従来の方法で、ステビオシドとレバウジオシドの混合物を抽出している。この抽出物を70%以上のエタノール水溶液に溶解し、その溶液からレバウジオシドAを選択的に結晶化させている。
【0008】
特開昭63−173531号公報には、ステビアレバウジアナ植物から甘いグリコシドを抽出する方法が記載されている。その方法の第1工程では、ステビアレバウジア植物から甘いグリコシドの液状溶液を抽出する。第2工程では、甘いグリコシドのその液状溶液を非極性多孔質樹脂の中を通過させ、水溶液有機溶媒、好ましくはメタノールで溶出させる。第3工程では、その溶出溶液を濃縮し、乾燥して粉末物質を得る。この操作により、甘いグリコシドの混合物を分離できるが、レバウジオシド等の単一の純粋な甘いグリコシドを分離することはできない。
【0009】
米国特許出願公開第2006/0083838号は、商業的に入手できるステビアレバウジアナを出発材料として、レバウジオシドAを分離および精製する方法を報告している。その方法は、次の工程を含む:(1)選択したエタノール(EtOH)溶媒を調製するエタノール調製工程;(2)ステビアを出発物質として用いる第1の還流工程;および必要により、還流された混合物または撹拌された洗浄混合物から分離された残留分(retentate)を用いる追加の還流工程;(3)必要により、1回または複数回の撹拌洗浄工程;および(4)エタノール除去および乾燥工程。その報告された方法では、EtOH調製工程は、還流工程に用いる望ましい還流溶媒を調製するために行われる。通常、還流溶媒は、水を約5〜15体積%含むエタノールと水の混合物である。還流工程は、通常、還流溶媒の中にグリコシド混合物を入れること、混合物を約1時間還流すること、収量を増加させるために冷却すること、および濾過すること、を含んでいる。その方法は、さらに1回または複数回のエネルギー集約型の還流工程を含み、その工程は通常、約79〜80℃の温度で約1時間で行われる。撹拌洗浄工程は、通常、還流工程からのグリコシドと純粋エタノールから成る溶媒との混合物を用意すること、室温で約15分間その混合物撹拌すること、および濾過を含んでいる。その方法では、100%純粋な水溶性のレバウジオシドAが得られるとのことである。
【0010】
米国特許第5962678号(ペイザンら)は、ステビアレバウジアナ植物から選択された甘いグリコシドの抽出方法を報告している。その報告された方法では、甘いグリコシドはステビア植物から抽出され、多段階の工程で処理され、個々の成分が得られる。最初に、混合状態の甘いグリコシドを含む水溶液を抽出するためにステビア植物が処理される。一連のイオン交換樹脂を用いて、混合状態の甘いグリコシドから不純物である甘くないグリコシドが分離され、乾燥される。これらの乾燥した混合状態の甘いグリコシドは、まだ不純物を含んでいるが、次に水溶性有機溶媒、例えば無水メタノールに溶解して溶液とする。その溶液を還流し、冷却して第1の甘いグリコシド成分を沈殿させる。この最初の甘いグリコシド成分は、通常ステビオシドであり、濾過で回収され、第2の成分について記載された方法でさらに精製される。最初に沈殿した甘いグリコシドの結晶化からの濾過液を、加熱により濃縮することにより第2の甘いグリコシド成分が得られる。その溶液を冷却すると、第2の甘いグリコシド成分は沈殿し、回収される。この第2の甘いグリコシド成分は通常レバウジオシドAである。それを、水溶性有機溶媒、例えば少量の水を必要に応じて含んでもよいメタノールに溶解してさらに精製することができる。その溶液を還流し、最後の冷却することにより第2の甘いグリコシド成分を高純度で沈殿させる。その沈殿物は濾過により回収することができる。所望の純度を有する最終結晶化固体が得られるまで、この精製工程を繰り返すことができる。その方法によれば、レバウジオシドAの純度が、90%またはそれより大あるいは95%またはそれより大であることが報告されている。
【0011】
米国特許第4361697号(ドーベルシュタインら)は、ステビアレバウジアナ植物からのジテルペングリコシドの回収方法を報告している。その方法は、植物材料(material)を連続的に抽出する工程と、該工程では、グリコシドの液体クロマトグラフィーによる分離を阻害する植物物質(substance)を抽出するために、中間極性を有する第1の溶媒で植物材料(material)を抽出し、次いで高極性の第2の溶媒でグリコシドを抽出し、および抽出したグリコシドを液体クロマトグラフィーカラムの上に導入して該グリコシドをクロマトグラフィーにより分離する工程とを含むものであり、該液体クロマトグラフィーカラムは、無機支持体にケイ素原子を介して共有結合した酸素含有有機固定相の充填物を有している。グリコシドは、第1の溶媒より極性が高く第2の溶媒よりは極性が低い溶媒を用いて溶離される。
【0012】
米国特許第4892938号(ジオバネット)は、抽出および精製により、ステビアレバウジアナベルトーニの乾燥植物材料からステビオシドを回収する方法を報告している。抽出物は、室温から約65℃の温度で水中で撹拌し、次いで濾過し、および遠心分離することにより得られる。この抽出物を水酸化カルシウムで処理し、濾過または遠心分離することにより沈殿が回収できる。この沈殿を強酸性イオン交換樹脂、次いで弱塩基性イオン交換樹脂で処理し、濾過し、乾燥する。
【0013】
米国特許第4082858号(デュボア)は、ステビアレバウジアナ植物の葉からレバウジオシドAを回収する方法を報告している。最終精製として、液体クロマトグラフィー、それに続く、水と、炭素数1から3のアルカノール、好ましくはメタノールとを用いた最初の抽出を行う。水を最初の溶媒として用いることも開示されている。この工程での好ましい溶媒は、炭素数1から4の液体ハロアルカンである。好ましい第2の溶媒は、炭素数1から3のアルカノールであるが、好ましい第3の溶媒は、炭素数1から4のアルカノールであり、必要に応じて少量の水を含んでもよい。
【0014】
米国特許出願公開第2006/0134292号(アベリアンら)は、ステビアレバウジアナ植物材料から甘いグリコシドを回収する方法を報告している。乾燥され粉末化された葉は、ペクチナーゼ、セルラーゼ、α―アミラーゼの存在下で水で処理される。それら酵素の使用により抽出速度が顕著に増加し、次の精製工程が促進されることが報告されている。得られた抽出物を水酸化カルシウムを用いて処理し、超濾過して精製する。透過物をベントナイトを充填したカラムに通し、減圧下でシロップ状態になるまで濃縮する。エタノールを用いて処理すると、混合物から実質的に純粋なレバウジオシドを分離することができる。結晶を88〜95%エタノールで洗浄することにより、高純度のレバウジオシドAが得られる。
【0015】
他の技術は、例えば、味の素社に譲渡された、特開昭56−121454号公報、特開昭56−121455号公報、特開昭52−062300号公報、および特開昭56−121453号公報、ハイリン・ステビア・レバウジウム・シュガーに譲渡された中国特許公開第1243835号にも報告されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】特開昭56−121454号公報
【特許文献2】特開昭63−173531号公報
【特許文献3】米国特許出願公開第2006/0083838号明細書
【特許文献4】米国特許第5962678号明細書
【特許文献5】米国特許第4361697号明細書
【特許文献6】米国特許第4892938号明細書
【特許文献7】米国特許第4082858号明細書
【特許文献8】米国特許出願公開第2006/0134292号明細書
【特許文献9】特開昭56−121454号公報
【特許文献10】特開昭56−121455号公報
【特許文献11】特開昭52−062300号公報
【特許文献12】特開昭56−121453号公報
【特許文献13】中国特許公開第1243835号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
ノンカロリー甘味料として価値があるため、RebA、RebBおよび/またはRebD等のグリコシドを精製するための利用可能な方法を改良することが望まれている。特に、レバウジオシドBおよび・またはレバウジオシドDを含む組成物からレバウジオシドAを分離できる方法が強く望まれている。その方法は、より高純度のRebAを含む生成物、より高純度のRebBおよび/またはDを含む生成物、あるいはその両方を含む生成物を回収することを可能とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は、天然のレバウジオシドA、BおよびD、それらの対応合成物、および/またはその天然物またはその合成物の誘導体を含む混合物からこれらの1種または複数種のグリコシドをより高純度で得るための処理方法を提供する。多くの態様において、本発明を用いて、少なくとも一部がステビア植物等の天然物から得られるグリコシド混合物を処理することができる。これにより、例えば、RebBまたはRebDに対してRebAを高純度で含む生成物を回収することができる。高純度のRebAの回収に代えてあるいはそれに加えて、RebAに対してRebBおよび/またはDをより高純度に含む生成物を得ることもできる。
【0019】
本発明の原則によれば、これらのグリコシドを高純度で得ることができ優れた精製を可能とする。従来は、高純度を得るためには、収率等を犠牲にしていた。高レベルの収率と純度の両方を提供できる方法を提供することは、工業規模において特に大きな利点となる。
【0020】
本発明の処理は、他の精製方法と組み合わせて用いることができる。その組み合わせでは、本発明の方法は、該他の方法を用いる前および/または後で実施することができる。いくつかの実施方法では、その組み合わせは、1回または複数回追加して繰り返すことができる。
【0021】
1つの態様では、本発明は、RebA材料、RebB材料、またはRebD材料の少なくとも1種の高純度での回収促進のための、RebA材料、およびRebB材料またはRebD材料の少なくとも1種を含むグリコシド混合物の処理方法に関し、以下の工程を含む:
a)少なくともRebA材料と、RebB材料およびRebD材料の少なくとも1種を含むグリコシド混合物を含みスラリーを用意する工程であって、該スラリーが固相と液相を含む該工程;
b)各温度が約40℃より高い1つまたは複数の温度で、レバウジオシドA材料、B材料およびD材料の少なくとも1種が固相でより高純度になるのに十分な時間をかけてスラリーを熟成する工程;
c)濾過の少なくとも1部の時間において上記の混合物の温度が少なくとも40℃となるように、加熱された上記の混合物を濾過して固相と液相に分離する工程;および
d)固相または液相の少なくとも一方から少なくとも1種のグリコシドを回収する工程。
【0022】
別の態様では、本発明は、RebA材料、RebB材料、またはRebD材料の少なくとも1種の高純度での回収促進のための、RebA材料、およびRebB材料またはRebD材料の少なくとも1種を含むグリコシド混合物の処理方法に関し、以下の工程を含む:
a)少なくともRebA材料、RebB材料およびRebD材料を含むグリコシド混合物を含むスラリーを用意する工程であって、該スラリーが固相と液相を含む該工程;および
b)各温度が約85℃より高い1つまたは複数の温度で、(i)RebB材料およびRebD材料の少なくとも一方よりもRebA材料が固相で高純度になる;および/または(ii)RebA材料よりも、RebB材料およびRebD材料の少なくとも一方が液相で高純度になる、の少なくとも一方を達成するのに十分な時間および条件下でスラリーを熟成する工程。
【0023】
別の態様では、本発明は、RebA材料、RebB材料、またはRebD材料の少なくとも1種の高純度での回収促進のための、RebA材料、およびRebB材料またはRebD材料の少なくとも1種を含むグリコシド混合物の処理方法に関し、以下の工程を含む:
a)少なくともレバウジオシドA材料、B材料およびD材料を含むグリコシドを含むスラリーを用意する工程であって、該スラリーが固相と液相を含む該工程;
b)各温度が約40℃より高い1つまたは複数の温度で、レバウジオシドA材料、B材料およびD材料の少なくとも1種が、固相および/または液相の少なくとも一方で高純度になるのに十分な時間をかけてスラリーを熟成する工程;および
c)熟成の少なくとも一部の時間、加熱したスラリーを撹拌し、加熱したスラリーの一部を絶えず冷表面に接触させる工程。
【0024】
別の態様では、本発明は、RebA材料の高純度での回収促進のための、RebA材料、およびRebB材料またはRebD材料の2種またはそれより多種を含むグリコシド混合物の処理方法に関し、以下の工程を含む:
a)少なくともレバウジオシドA材料、B材料およびD材料を含む第1のスラリーを用意する工程であって、該スラリーが固相と液相を含み、該液相が第1の溶媒を含む該工程;
b)RebA材料が固相で高純度になるのに十分な時間をかけて第1のスラリーを熟成する工程;
c)工程(b)で得られた固相の少なくとも一部を第2のスラリーに加える工程であって、該第2のスラリーが固相と液相を含み、該液相が第1の溶媒とは異なる組成を有する第2の溶媒を含む該工程;および
d)RebA材料が固相で高純度になるのに十分な時間をかけて第2のスラリーを熟成する工程。
【0025】
別の態様では、本発明は、RebB材料またはRebD材料の少なくとも1種の高純度での回収促進のための、RebA材料、およびRebB材料またはRebD材料の2種またはそれより多種を含むグリコシド混合物の処理方法に関し、以下の工程を含む:
a)少なくともレバウジオシドA材料、B材料およびD材料を含む第1のスラリーを用意する工程であって、該スラリーが固相と液相を含み、該液相が第1の溶媒を含む該工程;

b)RebB材料またはRebD材料の少なくとも1種が液相で高純度になるのに十分な時間をかけて第1のスラリーを熟成する工程;
c)工程(b)で得られた液相の少なくとも一部を、第2のスラリーに加える工程であって、該第2のスラリーが固相と液相を含み、該液相が第1の溶媒とは異なる組成を有する第2の溶媒を含む該工程;および
d)RebB材料またはRebD材料の少なくとも1種が液相で高純度になるのに十分な時間をかけて第2のスラリーを熟成する工程。
【0026】
別の態様では、本発明は、不純物を含むレバウジオシドA組成物の精製方法に関し、以下の工程を含む:
a)少なくともレバウジオシドA材料と、レバウジオシドB材料とレバウジオシドD材料からなる群から選択された少なくとも1種の不純物を含むレバウジオシドA組成物を用意する工程であって、レバウジオシドA材料の少なくとも一部が第1の結晶形にある該工程;
b)レバウジオシドA組成物の少なくとも一部を、第1の結晶形から第2の結晶形に変換する工程;および
c)レバウジオシドA組成物の第2の結晶形の少なくとも一部を、第1の結晶形と同じであってもよい第3の結晶形に変換する工程。
【0027】
別の態様では、本発明は、RebA材料の高純度での回収促進のための、RebA材料、およびステビオシド材料、RebB材料またはRebD材料の少なくとも1種を含むグリコシド混合物の処理方法に関し、以下の工程を含む:
a)少なくともステビオシド、レバウジオシドA材料、B材料およびD材料を含むスラリーを用意する工程であって、該スラリーは固相と液相を含み、該スラリーは、該スラリー中のグリコシドの全重量に対してRebA材料を約60重量%より少ない量含み、該液相がエタノールを含む該工程;および
b)各温度が約85℃より高い1つまたは複数の温度で、ステビオシド、RebB材料およびRebD材料の少なくとも1種に対してRebA材料が、固相で高純度になるのに十分な時間および条件下でスラリーを熟成する工程。
【0028】
本発明に基づいて精製された、精製グリコシド組成物は、甘味料組成物、甘味付けされた食物および飲料に有用である。食物および飲料組成物の例には、炭酸飲料、非炭酸飲料(例えば、スポーツドリンクやドライビバリッジミックス)、アイスクリーム、チューイングガム、キャンディ、ジュース、ジャム、ゼリー、ピーナッツバター、ヨーグルト、またはコールドシリアルが含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】レバウジオシドAの化学構造式である。
【図2】レバウジオシドBの化学構造式である。
【図3】レバウジオシドDの化学構造式である。
【図4a】本発明に有用な、レバウジオシドAのエタノール結晶形を示す粉末X線回折パターンである。
【図4b】本発明に有用な、レバウジオシドAのエタノール結晶形を示す粉末X線回折パターンのピークリストである。
【図5a】本発明に有用な、レバウジオシドAの水結晶形を示す粉末X線回折パターンである。
【図5b】本発明に有用な、レバウジオシドAの水結晶形を示す粉末X線回折パターンのピークリストである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下に記載された本発明の態様は、以下の詳細な説明に開示された具体的な内容にまで本発明を絞り込まれ、または限定されるものではない。むしろ、当業者が本発明の原理および実例を評価しかつ理解できるように、態様は選択されかつ記載されている。本明細書で引用された、すべての特許、係属中の特許出願、発行された特許出願、および技術文献は、すべての目的のために、それぞれすべて出典明示により本明細書に組み入れられる。
【0031】
本発明は、レバウジオシドA、B、およびD、これらの1種または複数種の誘導体、および/またはこれらの天然物および/または誘導体の1種または複数種の対応合成物の処理方法であって、これらグリコシドの少なくとも1種を高純度で回収するための処理方法を提供する。これらのグリコシドに加えて、該混合物は、必要により、1種または複数種の他のグリコシドを含んでもよい。他のグリコシシドの例として、ステビオールグリコシド、これらの誘導体、または対応合成物が挙げられる。天然物から得られるRebA、B、およびDの混合物は、他のステビオールグリコシドを含むこともある。
【0032】
本発明は、これらの混合物から、少なくともRebB材料とRebD材料に対してRebA材料を高純度で得るためには特に有用である。よって、本発明の原理を用いて得られた精製組成物は、出発組成物よりは、RebA材料を大きなパーセントで含み、RebB材料および/またはRebD材料を少ないパーセントで含んでいる。よって、1つの態様では、本発明は、不純物を含むレバウジオシドA組成物からレバウジオシドBおよびレバウジオシドDのような不純物を除去する方法を提供する。
【0033】
本発明の原理は、RebB材料からRebA材料を分離するために用いることができる一方で、および/またはRebD材料から分離するために用いることもできるので、本発明の原理を用いて得られた精製組成物は、出発組成物よりは、RebB材料および/またはRebD材料を大きなパーセントで含み、RebA材料をより少ないパーセントで含む。よって、別の態様では、本発明は、不純物を含むRebBおよび/またはRebD組成物からRebA等の不純物を除去する方法を提供する。
【0034】
本明細書で用いる用語、「レバウジオシドA」または「RebA」は、図1に示す化学構造式を有する化合物を意味する。本明細書で用いる、グリコシドについての用語「材料」は、グリコシド、そのグリコシドの誘導体、そのグリコシドに相当する合成物またはその誘導体を意味する。よって、「RebA材料」は、RebA,RebA誘導体、および/またはRebAまたはRebA誘導体に対応する合成物を意味する。
【0035】
詳細な説明で用いる用語、「レバウジオシドB」または「RebB」は図2に示す化学構造式を有する化合物を意味する。本明細書では、「RebB材料」は、RebB、RebB誘導体、および/またはRebBまたはRebB誘導体に対応する合成物を意味する。
【0036】
詳細な説明で用いる用語、「レバウジオシドD」または「RebD」は図3に示す化学構造式を有する化合物を意味する。本明細書では、「RebD材料」は、RebD、RebD誘導体、および/またはRebDまたはRebD誘導体に対応する合成物を意味する。
【0037】
本明細書で用いる、グリコシド分子の誘導体は、1つまたは複数の部分の除去、1つまたは複数の部分の付加、1つまたは複数の部分の1つまたは複数の他の部分による置換、1つまたは複数の部分の保護、不飽和の付加または除去、分子の他の位置への不飽和の生成、これらの組み合わせ等によるグリコシドの修飾により得られるグリコシド生成物を含むが、誘導体は、炭水化物部分に含まれ、グリコシドのアグリコン部に結合していた、結合している、または結合する糖単位の数を変化させる(例えば、増加または減少)修飾、あるいは糖単位の1種(例えば、代表的な環境におけるマンノース単位)を糖単位の別の1種(例えば、代表的な環境におけるグルコース単位)で置換する修飾を受けた分子は含まない。誘導体は、糖単位の種類と数が修飾の結果変化しなくても、いくらかでも修飾が存在すれば、糖単位に対する修飾を含むものである。
【0038】
例えば、天然のエステル結合を介してアグリコンに結合しているRebA炭水化物への糖部分の付加は、RebAをRebDに変換する。炭水化物鎖は、1つの糖単位から2つの糖単位へと増加する。その修飾により、RebDが生成し、RebAの誘導体は生成しない。同様に、RebAから糖部分を除去するとRebA誘導体ではなくRebBが生成し、RebAの位置にはもはや炭水化物鎖は存在しない。
【0039】
対応する合成物は、その対応合成物が天然物ではなく化学合成により得られるという点以外は、天然グリコシドまたは天然グリコシド誘導体と実質的に同じである分子を意味する。合成分子の立体化学は、対応する天然物のそれと同じであっても異なっていてもよい。多くの光学活性中心がある場合、合成物とその対応する天然物との間でそれらのいくつかが同じでそれ以外は異なっていてもよい。混合物のグリコシドは種々の形態および物理的状態で提供可能である。例えば、個々のグリコシドを結晶形、一部結晶形、および/または非晶質状態で提供可能である。グリコシドは乾燥状態で提供可能であり、またはペースト、スラリー等の成分として提供可能である。他の例では、グリコシドの少なくとも一部を溶解させ、溶液、ゲル等の状態で提供することも可能である。
【0040】
1つの具体例として、グリコシドの少なくとも一部が結晶であり、アルコールからの結晶として提供可能である。通常、これは、1種のアルコールを少なくとも80%、さらに少なくとも90%、さらに少なくとも95%、さらに少なくとも実質的に100%を含む液体媒体の中でグリコシドが結晶化されることを意味し、該アルコールは、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、これらの組み合わせである。水は、その具体例に用いる共溶媒の一例である。水性アルコールは、好ましくは、少なくとも約80重量%、さらに少なくとも約90重量%、さらに少なくとも約95重量%のアルコールを含む。いくつかの態様では、スラリーの調製に使用されるエタノールは190プルーフのエタノール(93〜95重量%エタノール)を含む。エタノールの他の等級(例えば、180プルーフまたは200プルーフのエタノール)も有用である。
【0041】
エタノールからの結晶物が好ましい。出発混合物に存在するであろうRebB材料およびRebD材料に対してRebA材料をより高純度で得ることが望まれている態様においては特に好ましい。少なくともRebAの一部がエタノールからの結晶物である場合、グリコシド混合物に対する処理においてはRebAの純度が高くなることをデータは示している。別の具体例では、グルコシドの少なくとも一部が水による結晶物として提供される。通常、このことは、少なくとも80%、さらに少なくとも90%、さらに少なくとも95%、またはさらに少なくとも実質的に100%の水を含む液体媒体でグリコシドが結晶化されることを意味している。
【0042】
限定されるものではないが、エタノールと水からの有用な結晶形の例が、本発明の譲受人に譲渡された、出願日が2009年4月9日であり、名称が「高溶解性のレバウジオシドAを含む甘味料組成物およびその製造方法」である、米国仮出願第61/168072、およびその対応PCT出願であるPCT国際公開WO2010/118218A1に記載されており、出典明示によりその内容はすべて本明細書に組み入れられる。
【0043】
グリコシドが結晶化された液体媒体の特性に応じてグリコシドの結晶形は異なる。例えば、RebAのアルコール結晶形は水結晶形とは異なる。エタノール結晶形は、例えば、図4aに示すX線回折パターンを持つことで特徴付けられる。水結晶形は、例えば、図5aに示すX線回折パターンを持つことで特徴付けられる。
【0044】
いくつかの具体例では、本発明の原理は、グリコシドの連続的な結晶形に適用される。
よって、本発明の原則は、処理の第1段階でグリコシドに対して適用され、そこではグリコシドの少なくとも一部は第1の結晶形である。例として、グリコシドの少なくとも一部が第1の段階ではエタノール結晶形である。次の処理段階では、グリコシドの少なくとも一部が第2の結晶形である場合には、本発明の原則がグリコシドに適用される。例として、次の段階では、グリコシドの少なくとも一部は水結晶形である。第1および/または第2の段階は必要により繰り返すことができる。
【0045】
グリコシドの連続的な結晶形に適用される本発明の原則のそれら具体例は、本明細書では形変換精製(form transition purification)を意味する。この用語の指摘するところは、グリコシドの結晶形は処理の過程で少なくとも1回の結晶形変換を受けるということである。データによれば、精製処理に形変換の方法を組み入れることにより、RebA等のグリコシド生成物の純度を高めることができる。限定されるものではないが、結晶性グリコシドが液体媒体に溶解し、次いで変換過程で新しい結晶形に再結晶すると考えられる。したがって、結晶格子に取り込まれている不純物や他の成分は、より容易に放出および/または分離されるが、これは、結晶変換が1つの固相から直接別の固相へと変化する機構と比べると、結晶が溶解することによる。
【0046】
形変換精製を組み入れた具体例が、実施例を含めて以下にさらに記載されている。
【0047】
本発明では、処理するグリコシド混合物を、少なくとも1種の固相と少なくとも1種の液相を含むスラリーの中に加える。固相には非晶質および/または結晶性を用いることができる。スラリーは、少なくとも処理する該混合物と適切な液体媒体を含む成分から通常得られる。
【0048】
スラリーに加えるグリコシド混合物の量は広い範囲で変化させることができる。スラリー中のグリコシド混合物の濃度を変化させてもよく、それにより精製速度を変化させる。例えば、不純物を含むレバウジオシドA組成物からレバウジオシドBとレバウジオシドDの除去は、この濃度の影響を受ける。一般的に、スラリーの濃度が増加すると(すなわち、溶解固形分が増加する)、一方ではRebB材料からのRebA材料の分離速度、他方ではRebD材料からのRebA材料の分離速度が低下する。固形分量が多すぎると、処理過程において、スラリーの撹拌と濾過もより困難となる。一方、固形分量が少なすぎると、収量、コスト、および効率が低下する。実施上の問題点を考量し、具体的なスラリーの態様では、スラリーの全重量に対して、グリコシドは約5重量%から約50重量%、好ましくは約10重量%から約40重量%、さらに好ましくは約15重量%から約30重量%である。
【0049】
スラリーを、室温以上の少なくとも1つの高温で加熱し、該高温で熟成させる。(i)グリコシドの少なくとも1種(例えばRebA材料)に対して結晶相がより高純度になること、および/または(ii)他のグリコシドの少なくとも1種(例えば、RebB材料およびRebD材料の少なくとも1種)に対して液相がより高純度になること、のいずれか1つが得られるのに十分な期間をかけて熟成を行う。長く熟成を行うと、より高純度となる。よって、スラリーを長く熟成させると、不純物を含むレバウジオシドA組成物の、レバウジオシドB材料とレバウジオシドD材料の除去量を増加させることができる。熟成の期間は、主に実際上の制限により決められる。例えば、ある期間経過後は、精製量は大きく減少するので、経済的には実用的ではない。いくつかの態様におけるそれらの問題を考量し、スラリーの熟成は、約1時間またはそれより長時間、例えば約1時間から約24時間の期間が好ましい。好ましい態様として、スラリーは、約3時間〜約8時間、さらには約4時間〜約6時間の期間熟成させる。
【0050】
液体媒体は、水、アルコール、またはそれらの組み合わせを含むことが好ましい。アルコールの具体例としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、それらの組み合わせ等を挙げることができる。本明細書で説明しているように、アルコールは含水でもよい。いくつかの態様では、スラリーの調製に用いるエタノールは、190プルーフエタノール(93〜95重量%エタノール)である。他の等級のエタノール(例えば、180プルーフまたは200プルーフのエタノール)を用いることもできる。
【0051】
処理は、広い範囲の高温で行うことができる。液体媒体の沸騰および還流は避けることが望ましい。熱により、リバイジオシドA材料からのレバウジオシドB材料およびレバウジオシドD材料の分離速度および分離量は増加する。限定されるものではないが、1種または複数のグリコシドは、分離を伴う形態的またはその他の転換を起こすことが考えられる。そのような態様では、スラリーを、少なくとも約40℃、好ましくは少なくとも約50℃、より好ましくは少なくとも約70℃、さらに好ましくは少なくとも95℃に加熱する。加熱の上限の温度は、約200℃、好ましくは約150℃、より好ましくは約120℃である。1つの実施例としては、加熱は100℃が適切である。
【0052】
混合物を十分に混合すると、バルク温度は混合物全体で均一である。その十分に混合した混合物では、バルク温度はその温度範囲にあることが望ましい。混合物が十分に混合されていない場合、温度勾配が存在し、混合物の少なくとも一部、好ましくは少なくとも約5体積%、より好ましくは少なくとも約30体積%、さらに好ましくは少なくとも約50体積%がその温度範囲にあることが望ましい。
【0053】
処理はある圧力範囲でも行うことができる。例えば、処理を、大気圧下または大気圧よりも高い高圧下で行うことができる。高圧下で、該高圧における液体の沸点以下に維持しながらスラリーを高温に加熱してもよい。大気圧からの絶対圧の例として、約30atm
まで、さらには約1.1atm〜約30atm、好ましくは約1.1atm〜約15atm、より好ましくは約1.1atm〜約10atm、さらに好ましくは約1.1atm〜約5atmである。少なくとも90重量%のエタノールを含む液体媒体を用いるいくつかの実施例では、約3atmの圧力が適切である。それらの態様では、高圧にすればより高温とすることができ、圧力は所望の温度の溶媒の蒸気圧より高いことが好ましい。高温は、グリコシド間の分離を促進するので好ましい。例えば、高温にすると、一般的に、一方では、RebA材料とRebB材料の分離が促進され、他方では、RebA材料とRebD材料の分離が促進される。
【0054】
いくつかの態様では、処理の間、スラリーを撹拌する。撹拌は、一般的に精製の程度を向上させる。例えば、RebA材料、RebB材料、およびRebD材料を含むスラリーを熟成すると、レバウジオシドA材料からのリバイジオシドB材料とリバイジオシドD材料の分離速度および分離量を増加させる。代表的には撹拌は、例えば、バッフル付きの混合容器(例えば、5リットルのバッフル付きの混合容器)の中で、インペラーで高速(例えば、200rpm)で混合する。
【0055】
スラリーは熟成されているので、グリコシド成分は、液相と固相の間に選択的に分配される。RebA材料、RebB材料およびRebD材料の間では、RebA材料は固相で安定であるのに対し、RebB材料およびRebD材料は液相で安定である。このことは、固相でより高純度のRebA材料が得られ、液相ではより高純度のRebB材料およびRebD材料が得られることを意味している。得られた固相は、結晶性成分も含む。
【0056】
2つの相は、所望の精製された材料を回収するために、濾過を含む種々の方法を用いて容易に分離することができる。純度の高いRebA材料が必要な時は、結晶をロ別し、洗浄し、乾燥し、さらに処理する。RebB材料およびRebD材料が必要な時は、液体を処理してRebB材料およびRebD材料を、乾燥生成物、ディスパーション、溶液等の形で回収する。噴霧乾燥、炉乾燥、真空乾燥、それらの組み合わせ等の種々の乾燥方法を用いることができる。
【0057】
好ましい態様では、処理で得られる固相と液相を、濾過により分離する。好ましくは、濾過の一部の時間で、生成混合物の温度は、少なくとも約50℃、好ましくは少なくとも約70℃である。RebA材料、RebB材料およびRebD材料を含む混合物において、RebA材料からRebB材料およびRebD材料の分離は熱濾過により促進される。
【0058】
限定されるものではないが、濾過の少なくとも一部の時間では高温で分離を行うことが好ましく、それは温度に依存する溶解度差だけでなく形態変化も含む要因によるものと考えられる。室温では、RebAで飽和した94重量%エタノール溶液中の、RebBの溶解度は溶媒100gに対して約0.3gであり、RebDの溶解度は溶媒100gに対して約0.01gである。100℃では、RebDの濃度は最大で0.2g/100gであることが認められ、RebBの濃度は最大で0.5g/100gであることが認められた。94重量%エタノール中のRebAの溶解度の変化は、非常に少ない。
【0059】
スラリーを高温で熟成させると、RebB材料およびRebD材料の溶液中の濃度は増加し、それに対応して、固相中のRebB材料およびRebD材料の量が減少する。熱濾過によれば、RebB材料およびRebD材料の高い溶解度を維持しながら固体と液体を分離できるので、RebA材料からRebB材料およびRebD材料を容易に分離することができる。一方、冷却濾過は、液体中のRebB材料およびRebD材料の濃度が室温における溶解度に近づくので、RebB材料およびRebD材料の沈殿が生成するという危険がある。これは、固相にRebB材料およびRebD材料をより多く存在させることになるので、固相中のRebA材料の純度が低下する。よって、冷却濾過は、処理の早い段階で得られた精製利得を低下させる。濾過の前に冷却する必要がある場合には、スラリーは必要な範囲のみで冷やすことが好ましい。一例として、濾過前の100℃から70℃の冷却は、濾過に伴う危険を減らしながら、精製方法を実施することができる。
【0060】
理論に拘束されるものではないが、液相と固相の両方の存在により、精製の少なくとも一部は溶媒を介した結晶化により起こるものと考えられる。固相と液相が存在するスラリーでは、結晶化と溶解は同時に起きる。このことは、時間のある時点において、グリコシドの一部のみが結晶相であり、残部は液相に溶解していることが真実であることを意味している。しかしながら、実質的にすべての存在するグリコシドは、溶解と結晶化に関与し、グリコシドの異なる部分は、他の部分が1種または複数種の可溶状態に変換される一方、1種または複数種の不溶性状態に連続的に関与しているものと考えられる。要約すると、あるグリコシドのみがある時点では1つの相または他の相に存在し、実質的にすべてのグリコキシドは結晶化と溶解を時間とともに繰り返している。連続的な部分は溶解および結晶化するので、相間に分配され、その結果、純度が高められる。このプロセスは動的であり、時間とともに純度と形状に変化をもたらす。
【0061】
いくつかの態様では、溶解と結晶化は一般的に実質的に同じ速度で起き、2つの相間の全体的な分配については実質的な変化はほとんどない。すなわち、結晶相の分子の溶解と、液相の分子の結晶化は実質的に同じ速度で進む。
【0062】
いくつかの態様では、特に加熱処理時に混合物を撹拌する場合、処理される混合物のバルク温度より低い温度にある1つまたは複数の冷表面の存在下で熱処理を行うことが好ましい。すなわち、混合物が撹拌され、それにより混合物が熱処理の過程で混合されている場合、混合物の連続する部分が冷表面と接触する。混合は、混合物のバルクを概ね均一のバルク温度にするが、その冷表面の存在下で混合物を加熱すると、純度を高くできることが見出された。これに対し、加熱した混合物を加熱と冷却の繰り返しサイクルに供しても、同様の純度向上効果は認められなかった。
【0063】
限定されるものではないが、冷表面の存在下での加熱の利点を説明できる可能性のある理論を提案する。混合物における熱表面および冷表面の両方の存在は、冷表面の近傍では結晶化し易く、熱表面近傍またはより熱いバルク混合物中では溶解し易い。混合物の中に冷表面を保持することにより、結晶の冷領域から熱領域への対流とともに結晶化と溶解が頻繁に発生し、その結果、少なくとも結晶性出発材料については純度が高くなる。結晶性材料または非晶質材料のいずれかを用いた場合には、冷表面と熱表面の両方が粒径を大きくする。それは、粒径の小さい粒子は、表面積/体積比が高いためにより速やかに溶解するからである。高い純度は、混合物中の小粒径部分が減少したことによるためと考えられる。熱混合物中で冷表面を用いることにより、非晶質出発材料および結晶性出発材料の両方の精製速度を増加させることもできる。
【0064】
通常、冷表面の温度は、約40℃より低い1つまたは複数の温度であり、好ましくは約35℃以下、さらに好ましくは約30℃以下である。冷表面は種々の方法で形成することができる。一態様では、混合物の中に浸漬したコイルの表面で冷表面を形成し、その中に冷却流体を流す。その具体例では、流体は、最初の温度が、例えば、約30℃以下、さらに約20℃以下、さらに約15℃以下である、コイルの浸漬した部分に入り、熱移動により高温となった、例えば5℃またはそれより暖かい温度、さらに10℃またはそれより暖かい温度、あるいは15℃またはそれより暖かい温度であるコイルの浸漬した部分から出る。別の態様では、冷表面は外部の熱交換器により形成され、加熱容器から取り出されたスラリーの一部はその中を通って加熱容器に戻り循環する。
【0065】
本態様の好ましい形態では、高温で処理し易くするために、上述したように大気圧より高い圧力下でスラリーを加熱することができる。加圧下で、高温で処理を行うと、一方でRebAとRebBの分離が、他方でRebAとRebDの分離が促進されることが見出された。
【0066】
本発明の方法で出発材料として用いられるグルコシド混合物は、レバウジオシドAを主成分として含んでいる。主成分とは、少なくとも20重量%を意味する。典型的には、グルコシド混合物は、グルコシド全重量に対して、RebA材料を約20重量%から約96重量%、好ましくは約30重量%から約96重量%、より好ましくは約40重量%から約96重量含んでいる。混合物中のレバウジオシドB材料とレバウジオシドD材料の両方の全量は変化する。多くの態様では、RebB材料とRebD材料の全量は、グルコシド全量に対して最大で約6重量%である。例えば、いくつかの態様では、混合物は、レバウジオシドAを約90重量%から約96重量%、レバウジオシドBを約1重量%から約4重量%、およびレバウジオシドDを約1重量%から約4重量%含んでいる。本発明の原理を用いて得られた結晶性生成物は、RebAを、少なくとも約80重量%、さらに少なくとも約90重量%、またはさらに少なくとも約96重量%含むことができる。
【0067】
約60重量%以下、さらに45重量%以下、あるいはさらに30重量%以下のRebA材料を含むグリコシド混合物中のRebA材料の純度を高めるために本発明を用いることは非常に有効である。特に、その混合物中のステビオシドの量が、全グリコシドの少なくとも約10重量%、または全グリコシドの少なくとも約20重量%、あるいはいくつかの態様ではRebA材料の量よりも多い場合に有効である。その組成物中のRebA材料は結晶性または非晶質でもよく、通常、少なくとも一部が非晶質である。グリコシド混合物中にRebA材料の含有量のレベルがそのように少ない場合、従来の多くの方法では、RebA材料が水やエタノール等の溶媒に非常に溶解し易いため、適切に結晶化および精製するのが困難である。好ましくは、その態様に用いられるスラリーの液相は、エタノールを含み、スラリーに含まれる溶媒の全重量に対して、好ましくは少なくとも約80重量%のエタノール、あるいがさらに少なくとも約90重量%のエタノール、あるいはさらに少なくとも95重量%のエタノールを含む。
【0068】
限定されるものではないが、その混合物は、特に天然物から得られたものである場合、比較的多い量のステビオシド材料を含む傾向がある。ステビオシドはRebA材料を溶解し易い。本発明の溶媒を介した結晶化処理は、必要に応じて形変換結晶化と組み合わせることができ、従来の経験からすれば技術的な障害になるであろうステビオシド材料の溶解力にも拘わらず、RebA材料を結晶相の中に選択的に分配することができる。理論に拘束されるものではないが、高温、特に85℃以上、好ましくは90℃以上、より好ましくは100℃以上の高温は、ステビオールグリコシドの形態変化をもたらし、そのような好ましくない状況でも、RebA材料の結晶化を促進する。
【0069】
純度を高めるまたはすでに高純度であるRebAの純度を高めるために本発明を用いることは非常に有効である。例えば、従来の方法では、約90重量%〜約95重量%のRebA材料を含む結晶を製造することができる。その結晶は、多くの適用基準に準じておりRebA材料に関しては高純度であるが、より高純度のRebA材料が必要される基準がある。本発明は、そのような結晶にも適用することができ、RebAの純度を96重量%、さらに96重量%から99重量%まで高めることができる。
【0070】
本発明の1つの好ましい態様では、不純物を含むレバウジオシドAの30重量%スラリーの190プルーフのエタノール溶液を70℃に加熱し、約1時間撹拌する。この後、リバウジシドA結晶を含む残留生成物を濾過により回収し、残留物を190プルーフのエタノールで洗浄する(例えば、約2ケーキ重量(2 cake weight)の溶媒)。その方法により、不純物を含むレバウジオシドAから、約30%のレバウジオシドBと、約50%のレバウジオシドDを除去できる。レバウジオシドAの収率は、典型的には約95重量%である。
【0071】
本発明の別の好ましい態様では、不純物を含むレバウジオシドAの30重量%スラリーの190プルーフエタノール溶液を70℃に加熱し、約24時間撹拌する。この後、リバウジシドA結晶を含む残留生成物を濾過により回収し、残留物を190プルーフエタノールで洗浄する(例えば、約2ケーキ重量の溶媒)。その方法により、不純物を含むレバウジオシドAから、約50%のレバウジオシドBと、約50%のレバウジオシドDを除去できる。レバウジオシドAの収率は、典型的には約95重量%である。
【0072】
代表的な精製されたレバウジオシドA組成物は、典型的には、レバウジオシドA材料を約97重量%以上、レバウジオシドB材料を約2重量%以下、およびレバウジオシドD材料を約2重量%以下含んでいる。精製されたレバウジオシドA組成物に含まれる他の成分は、例えば、ステビオシド材料、レバウジオシドC材料、およびレバウジオシドF材料である。
【0073】
本発明の特に好ましい態様は、一方ではRebA材料をRebB材料から分離し、および/または他方ではRebA材料をRebD材料から分離すること(分解ともいう)を含む。1つの態様では、本発明は、少なくとも一部は溶媒を介する結晶化により起きると信じられている効果を用いて、不純物含有レバウジオシドA組成物を精製する方法を提供する。不純物を含むレバウジオシドA組成物は、レバウジオシドB材料とレバウジオシドD材料から選択される少なくとも1種の不純物を含む。好ましくは、少なくともRebA材料はエタノールからの結晶形である。
【0074】
他の態様では、RebA材料は他の結晶形および/または非晶質である。その方法は、次の工程を含む:(a)レバウジオシドA材料と、レバウジオシドB材料およびレバウジオシドD材料から選択される少なくとも1種の不純物とを含む、不純物含有レバウジオシドA組成物を用意する工程;
(b)エタノール等の適切な液体媒体を用いて不純物含有レバウジオシドA組成物のスラリーを調製する工程;
(c)スラリーを約1時間またはそれより長い時間熟成する工程;
(d)必要に応じて、熟成の少なくとも一部の時間、例えば約45℃〜約100℃にスラリーを加熱する工程;
(e)必要に応じて、熟成の少なくとも一部の時間、スラリーを撹拌する工程;
(f)熟成工程後、スラリーを濾過し、精製されたRebA材料を含む結晶(残留物)を回収し、残留物を洗浄して、精製されたレバウジオシド組成物を提供する。精製されたレバウジオシド組成物は、少なくとも1種の不純物の少なくとも一部が、不純物含有レバウジオシド組成物と比較して減少している。
【0075】
いくつかの態様では、本発明は、不純物含有レバウジオシド組成物等のグルコキシド混合物の精製方法を提供し、その方法は形変換精製を含んでいる。その態様では、グリコシド混合物が提供され、少なくとも1種のグリコシドは第1の結晶形である。例えば、不純物含有レバウジオシド組成物は、レバウジオシドA材料と、レバウジオシドB材料とレバウジオシドD材料からなる群から選択される少なくとも1種の不純物とを含むものとして提供される。少なくともRebA材料は、エタノール結晶形等の第1の結晶形である。エタノール結晶形は上述のようにスラリー中で熟成され、RebA材料の結晶の純度が向上する。混合物は次いで、グリコシドを第2の結晶形に変換するために処理される。例えば、これは、レバウジオシドA材料をエタノール結晶形から水結晶形に変換することを含む。水結晶形は、上述のようにスラリー中で熟成することができ、それによりRebA材料の結晶の純度が向上する。次いで、レバウジオシドA材料の水結晶形は、水結晶形からエタノール結晶形へと変換することができる。また、この形は上述の方法により熟成することができ、それにより純度が向上する。この一連の変換は、精製されたレバウジオシドA組成物を提供するのに寄与し、該組成物は、レバウジオシドB材料とレバウジオシドD材料から選択された少なくとも1種の不純物の量が減少している。
【0076】
いくつかの態様では、エタノール結晶形を水結晶形へと変換させる工程は以下の工程を含む:(a)レバウジオシドA組成物を水と組み合わせて水系スラリーを調製する工程;および(b)エタノール結晶形から水結晶形へと変換させるに十分な期間、水系スラリーを放置する工程。水結晶形は、レバウジオシドAの4水和物多形として表すことができる。いくつかの態様では、水結晶形をエタノール結晶形へと変換させる工程は以下の工程を含む:(a)レバウジオシドA組成物をエタノールと組み合わせてエタノール系スラリーを調製する工程;および(b)水結晶形からエタノール結晶形へと変換させるに十分な期間、エタノール系スラリーを放置する工程。固形分量、溶媒特性、撹拌、温度、圧力は、溶媒を介する結晶化技術に関し、上述のように選択できる。しかしながら、水形をエタノール形に変換するのに用いられるエタノールは、通常、約93重量%エタノールよりも高濃度のものを含むが、他の濃度を用いることもできる。
【0077】
形変換精製は、不純物含有レバウジオシドA組成物(すなわち、出発物質)から、レバウジオシドB、レバウジオシドD、またはその両方を除去する。いくつか態様では、形変換精製は、不純物含有レバウジオシドA組成物に存在する、レバウジオシドBを最大約50%、およびレバウジオシドD材料を最大約95%除去する。
【0078】
本発明の原則は、他の精製方法と組み合わせて用いることができる。例えば、PCT公開第WO2008/091547A2は、溶媒/貧溶媒/溶媒の技術を用いてRebA等のグリコシドの精製方法を記載している。本発明は、その溶媒/貧溶媒/溶媒の技術の前および/または後で用いることができ、それにより精製されたRebAをより効果的および/または効率的に得ることができる。PCT公開第WO2008/091547A2は、すべての目的のためそのすべてが、出典明示により、本明細書に組み入れられる。
【実施例】
【0079】
以下の限定されない実施例を参照して、本発明を説明する。
【0080】
実施例1:
グリコシド材料の3個の試料は、RebAをそれぞれ90%、95%、92%、RebDをそれぞれ2.9%、0.1%、1.0%、およびRebBをそれぞれ0.07%、3.0%、1.4%含むエタノール結晶形であり、それを水と混合して、13%固形分を含む水スラリーを調製した。スラリーを一晩中室温で磁気撹拌子とスターラーを用い、すべての固形材料を懸濁状態にするように十分撹拌した。一晩熟成した後、材料を濾過した。材料は、RebAをそれぞれ93%、95%、95%、RebDをそれぞれ2.4%、0%、0.6%、およびRebBをそれぞれ0.5%、3.9%、2.5%含んでいた。各処理で、固相に回収された材料は、反応に供された全材料の、それぞれ88%、98%、および98%であった。ロ液を真空乾燥器で乾燥したところ、RebAをそれぞれ73%、79%、72%、RebDをそれぞれ9.6%、1.8%、8.4%、およびRebBをそれぞれ0.4%、3.7%、0.5%含んでいた。
【0081】
実施例2:
実施例1で製造した3種の各材料を、純粋エタノールを用い、固形分がそれぞれ3.3%、8.8%、6.0%であるスラリーとし、室温で一晩攪拌した。再度攪拌した後、材料をまた濾過し、200プルーフのエタノールで洗浄し、乾燥した。濾過した各生成物は、RebAをそれぞれ99%、98%、98%、RebDをそれぞれ1.1%、0.0%、0.1%、およびRebBをそれぞれ0.1%、1.3%、1.0%含んでいた。実施例1の工程を含め、固相中の材料の全収率は、それぞれ64%、83%、および73%であった。ロ液を真空乾燥器で乾燥したところ、RebAをそれぞれ86%、49%、74%、RebDをそれぞれ3.0%、0.36%、2.6%、およびRebBをそれぞれ1.6%、19%、11%含んでいた。
【0082】
実施例3:
実施例1で製造した3種の各材料を、190プルーフのエタノールを用い、固形分がそれぞれ6.9%、4.9%、7.2%であるスラリーとし、室温で一晩攪拌した。再度攪拌した後、材料をまた濾過し、190プルーフのエタノールで洗浄し、乾燥した。各生成物は、RebAをそれぞれ99%、99%、99%、RebDをそれぞれ0.0%、0.3%、0.3%、およびRebBをそれぞれ1.0%、0.1%、0.6%含んでいた。実施例1の工程を含め、固相中の材料の全収率は、それぞれ68%、45%、および71%であった。ロ液を真空乾燥器で乾燥したところ、RebAをそれぞれ74%、81%、73%、RebDをそれぞれ10%、2.3%、9.7%、およびRebBをそれぞれ0.5%、3.5%、0.5%含んでいた。
【0083】
実施例4:
グリコシド材料の3個の試料は、RebAをそれぞれ90%、95%、92%、RebDをそれぞれ2.9%、0.1%、1.0%、およびRebBをそれぞれ0.07%、3.0%、1.4%含むエタノール結晶形であり、それを実施例1と同様に処理した。処理後に回収した固体材料は、RebAをそれぞれ97%、95%、95%、RebDをそれぞれ1.1%、0%、0.65%、およびRebBをそれぞれ0.9%、3.9%、2.9%含んでいた。3種の回収した各固体材料を、純粋エタノールを用い、固形分がそれぞれ5.1%、6.0%、5.3%であるスラリーとし、室温で一晩攪拌した。再度攪拌した後、材料をまた濾過し、純粋メタノールで洗浄し、乾燥した。各生成物は、RebAをそれぞれ99%、99%、99%、RebDをそれぞれ0.2%、0.0%、0.2%、およびRebBをそれぞれ0.2%、1.3%、0.7%含んでいた。水中での第1の処理工程を含め、固相中の材料の全収率は、それぞれ41%、64%、および58%であった。ロ液を回収し、真空乾燥器で乾燥したところ、RebAをそれぞれ83%、79%、72%、RebDをそれぞれ6.5%、2.7%、9.6%、およびRebBをそれぞれ0.5%、4.0%、0.4%含んでいた。
【0084】
実施例5:
93.4%RebA、2.4%RebD、および1.5%RebBを含むエタノール結晶形を含む材料を190プルーフエタノールと混合して、固形分10%を含むスラリーを調製した。スラリーを室温で攪拌した。1時間後、試料の材料を濾過し、190プルーフのエタノールで洗浄し、乾燥した。96%RebA、1.5%RebD、および1.6%RebBを含む試料が固相として回収された。残りのスラリーを一晩放置した後、濾過し、190プルーフのエタノールで洗浄し、乾燥した。さらに最大で24時間後、残留スラリーからの結晶性生成物は96%RebA、1.4%RebD、および1.6%RebBを含み、残留スラリー中のグリコシド材料の89%が固相として回収された。ロ液を回収し、真空乾燥器で乾燥したところ、RebAを83%、RebDを10.4%、およびRebBを4.9%含んでいた。
【0085】
実施例6:
93.4%RebA、2.4%RebD、および1.5%RebBを含むエタノール結晶形を含む材料を190プルーフのエタノールと混合して、固形分30%を含むスラリーを調製した。スラリーを70℃に加熱し攪拌した。1時間後、試料を70℃で濾過し、190プルーフのエタノールで洗浄し、乾燥した。試料は、96%RebA、1.8%RebD、および1.7%RebBを含み、試料のグリコシド材料の95%が固相として回収された。ロ液を回収し、真空乾燥器で乾燥したところ、RebAを87%、RebDを7.0%、およびRebBを3.9%含んでいた。このサンプリング後の残留スラリーを一晩放置し、濾過し、190プルーフのエタノールで洗浄し、乾燥した。さらに最大で24時間後、残留スラリーの結晶性生成物は98%RebA、1.3%RebD、および0.4%RebBを含み、残留スラリー中のグリコシド材料の95%が固相として回収された。
【0086】
実施例7:
93.4%RebA、2.4%RebD、および1.5%RebBを含むエタノール結晶形を含む材料を190プルーフのエタノールと混合して、固形分30%を含むスラリーを調製した。スラリーを70℃に加熱し攪拌した。1時間後、試料を70℃で濾過し、純粋エタノールで洗浄し、乾燥した。試料は95%RebA、2.3%RebD、および1.5%RebBを含み、試料のグリコシド材料の97%が固相として回収された。ロ液を回収し、真空乾燥器で乾燥したところ、RebAを73%、RebDを7.7%、およびRebBを17%含んでいた。残留スラリーを一晩放置し、70℃で濾過し、190プルーフのエタノールで洗浄し、乾燥した。さらに最大で24時間後、残留スラリーの結晶性生成物は98%RebA、1.3%RebD、および0.4%RebBを含み、残留スラリー中のグリコシド材料の95%が固相として回収された。
【0087】
実施例8:
58gのステビオールグリコシドを94重量%エタノールの中に加え、ステビオールグリコシドの20重量%スラリーを調製した。攪拌機と表面積58cmの冷却ループを備えた20psigの500mlの圧力容器の中にスラリーを入れた。冷却ループは、単純なU字型のステンレス鋼製のループであり、全長が約40cm、攪拌機を入れるために容器の中心から少しずらして配置されている。容器を窒素で置換した。次いでスラリーをバルク温度が100℃になるまで1時間加熱し、そのまま100℃で2時間維持した。15℃の水を冷却ループに60ml/分で供給した。冷却水は冷却ループを25℃にした。圧力容器は180rpmで攪拌した。100℃で2時間維持した後、混合物を70℃で30分間冷却し、70℃でブフナー漏斗で濾過し、ブフナー漏斗の中で57gのエタノールで洗浄した。固形物を回収し、乾燥し、HPLCで分析した。12gの材料が製造された。
【0088】
【表1】

【0089】
実施例9:
91gの非晶質ステビオールグリコシドを100%エタノールの中に加え、ステビオールグリコシドの30重量%スラリーを調製した。実施例8と同様に圧力容器の中にスラリーを入れ20psigとした。容器を窒素で置換し、次いで混合物をバルク温度が100℃になるまで1時間加熱し、そのまま100℃で2時間維持したが、その際、入口で15℃の水を冷却ループに60ml/分で冷却ループに流し、攪拌は180rpmとした。冷却水の出口の温度は25℃であった。次いで、混合物を70℃で30分間冷却し、70℃でブフナー漏斗で濾過し、ブフナー漏斗の中で63gの純粋エタノールで洗浄した。固形物を回収し、乾燥し、HPLCで分析した。8gの材料が製造された。
【0090】
【表2】

【0091】
実施例10:
59gのエタノール結晶形ステビオールグリコシドを94重量%エタノールの中に加え、ステビオールグリコシドの19重量%スラリーを調製した。実施例8と同様に圧力容器の中にスラリーを入れ20psigとした。容器を窒素で置換した。次いでスラリーをバルク温度が100℃になるまで1時間加熱し、そのまま100℃で6時間維持したが、その際、入口で15℃の水を冷却ループに60ml/分で冷却ループに流し、攪拌は180rpmとした。冷却水の出口の温度は25℃であった。次いで、混合物を70℃で30分間冷却し、70℃で濾過し、107gの純粋エタノールで洗浄した。固形物を回収し、乾燥し、HPLCで分析した。
【0092】
【表3】

【0093】
実施例11:
59gの非晶質ステビオールグリコシドを94重量%エタノールの中に加え、ステビオールグリコシドの19重量%スラリーを調製した。実施例8と同様に圧力容器の中にスラリーを入れ20psigとした。容器を窒素で置換した。次いでスラリーをバルク温度が100℃になるまで1時間加熱し、そのまま100℃で2時間維持したが、その際、入口で15℃の水を冷却ループに60ml/分で冷却ループに流し、攪拌は180rpmとした。冷却水の出口の温度は25℃であった。次いで、混合物を70℃で30分間冷却し、70℃で濾過し、ブフナー漏斗の中で133gの純粋エタノールで洗浄した。固形物を回収し、乾燥し、HPLCで分析した。35gの材料が製造された。濾液を回収し、真空乾燥器で乾燥し、HPLCで分析した。
【0094】
【表4】

【0095】
実施例12:
60gの非晶質ステビオールグリコシドを純粋エタノールの中に加え、ステビオールグリコシドの19重量%スラリーを調製した。実施例8と同様に圧力容器の中にスラリーを入れ20psigとした。容器を窒素で置換した。次いでスラリーをバルク温度が100℃になるまで1時間加熱し、そのまま100℃で2時間維持したが、その際、入口で15℃の水を冷却ループに60ml/分で冷却ループに流し、攪拌は180rpmとした。冷却水の出口の温度は25℃であった。次いで、混合物を70℃で30分間冷却し、70℃で濾過し、148gの純粋エタノールで洗浄した。固形物を回収し、乾燥し、HPLCで分析した。46gの材料が製造された。濾液を回収し、真空乾燥器で乾燥し、HPLCで分析した。
【0096】
【表5】

【0097】
実施例13(冷却無しの実施例):
86gのアルコール結晶性ステビオールグリコシドを190プルーフのエタノールの中に加え、ステビオールグリコシドの19重量%スラリーを調製した。実施例8と同様に圧力容器の中にスラリーを入れ20psigとした。容器を窒素で置換した。次いでスラリーを100℃になるまで1時間加熱し、そのまま100℃で2時間維持したが、その際、冷却水を冷却ループに流さなかった。容器は180rpmで攪拌した。次いで、混合物を70℃に冷却し、70℃で濾過し、216gの純粋エタノールで洗浄した。固形物を回収し、乾燥し、HPLCで分析した。75gの材料が製造された。濾液を回収し、真空乾燥器で乾燥し、HPLCで分析した。
【0098】
【表6】

【0099】
実施例14(冷却有りの実施例):
86gのアルコール結晶性ステビオールグリコシドを190プルーフのエタノールの中に加え、ステビオールグリコシドの19重量%スラリーを調製した。実施例8と同様に圧力容器の中にスラリーを入れ20psigとした。容器を窒素で置換した。次いでスラリーを100℃になるまで1時間加熱し、そのまま100℃で2時間維持したが、その際、入口で15℃の水を冷却ループに60ml/分で冷却ループに流した。冷却水の出口の温度は25℃であった。容器は180rpmで攪拌した。次いで、混合物を70℃に冷却し、70℃で濾過し、216gの純粋エタノールで洗浄した。固形物を回収し、乾燥し、HPLCで分析した。75gの材料が製造された。濾液を回収し、真空乾燥器で乾燥し、HPLCで分析した。
【0100】
【表7】

【0101】
本発明の他の態様は、本明細書を検討することにより、あるいは本明細書に開示された例から、当業者には明らかであろう。本明細書に記載された原則および態様に対する種々の省略、変形、および変更は、以下の特許請求の範囲に示された本発明の本来の範囲および精神から逸脱することのない範囲で当業者によりなされてもよい。本明細書で引用されたすべての特許、特許文献、および刊行物は、各文献を個々に組み入れるのと同じ限度で、出典明示により本明細書に組み入れられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
RebA材料、RebB材料、またはRebD材料の少なくとも1種の高純度での回収促進のための、RebA材料、およびRebB材料またはRebD材料の少なくとも1種を含むグリコシド混合物の処理方法であって、以下の工程を含む:
a)少なくともレバウジオシドA材料と、レバウジオシドB材料およびレバウジオシドD材料の少なくとも1種とを含むグリコシド混合物を含むスラリーを用意する工程であって、該スラリーが固相と液相を含む該工程、
b)各温度が約40℃より高い1つまたは複数の温度で、レバウジオシドA材料、B材料およびD材料の少なくとも1種が固相でより高純度になるのに十分な時間をかけてスラリーを熟成する工程、
c)加熱された上記の混合物を濾過して固相と液相に分離する工程であって、濾過の少なくとも一部の時間において上記の混合物の温度が少なくとも40℃である該工程、および
d)固相または液相の少なくとも一方から少なくとも1種のグリコシドを回収する工程。
【請求項2】
工程(d)が、RebA材料を含む固相を回収することを含む請求項1記載の方法。
【請求項3】
工程(d)が、RebB材料およびRebD材料の少なくとも1種を含む液相を回収することを含む請求項1記載の方法。
【請求項4】
RebB材料およびRebD材料の少なくとも1種を含む固相を回収するために、液相を処理する工程をさらに含む請求項3記載の方法。
【請求項5】
工程(a)で用意するスラリーが、RebA材料を約20重量%〜約96重量%含む請求項1記載の方法。
【請求項6】
工程(a)で用意するスラリーが、RebB材料とRebD材料とを合わせて少なくとも約3重量%含む請求項1記載の方法。
【請求項7】
工程(a)で用意するスラリーが、RebB材料とRebD材料とを合わせて少なくとも約6重量%含む請求項1記載の方法。
【請求項8】
スラリーを工程(b)で処理するに際し、工程(c)で得られる固相が少なくとも80重量%のRebA材料を含むような条件で行う請求項1記載の方法。
【請求項9】
スラリーを工程(b)で処理するに際し、工程(c)で得られる固相が少なくとも90重量%のRebA材料を含むような条件で行う請求項1記載の方法。
【請求項10】
スラリーを工程(b)で処理するに際し、工程(c)で得られる固相が少なくとも96重量%のRebA材料を含むような条件で行う請求項1記載の方法。
【請求項11】
スラリーを工程(b)で処理するに際し、工程(c)で得られる固相が、レバウジオシドB材料とレバウジオシドD材料とを合わせて最大約3重量%含む結晶相を含むような条件で行う請求項1記載の方法。
【請求項12】
工程(a)から(d)の少なくとも1つにおける液相が少なくとも1種のアルコールを含む請求項1記載の方法。
【請求項13】
アルコールが含水アルコールである請求項12記載の方法。
【請求項14】
工程(a)から(d)の少なくとも1つにおける液相が、エタノール、イソプロパノール、メタノール、n−ブタノール、およびそれらの組み合わせから選択されるアルコールを含む請求項1記載の方法。
【請求項15】
アルコールが含水アルコールである請求項14記載の方法。
【請求項16】
工程(a)から(d)の少なくとも1つにおける液相が水を含む請求項1記載の方法。
【請求項17】
工程(a)で用意されるスラリーが、RebA材料、RebB材料、およびRebD材料の少なくとも1種のアルコール結晶形を含む請求項1記載の方法。
【請求項18】
熟成の温度が少なくとも50℃である請求項1記載の方法。
【請求項19】
熟成の温度が少なくとも70℃である請求項1記載の方法。
【請求項20】
熟成の温度が少なくとも70℃であり、かつ圧力が大気圧より大きい請求項1記載の方法。
【請求項21】
熟成の圧力が、約1.1atm〜約30atmの絶対圧の範囲である請求項1記載の方法。
【請求項22】
熟成の圧力が、約1.1atm〜約10atmの絶対圧の範囲である請求項1記載の方法。
【請求項23】
熟成の圧力が、約1.1atm〜約5atmの絶対圧の範囲である請求項1記載の方法。
【請求項24】
混合物のバルク温度よりも低い温度にある冷表面の存在下で、混合して熟成させる請求項1記載の方法。
【請求項25】
冷表面の少なくとも一部の温度が、約40℃より低い請求項24記載の方法。
【請求項26】
RebA材料、RebB材料、またはRebD材料の少なくとも1種の高純度での回収促進のための、RebA材料、RebB材料、またはRebD材料の2種またはそれより多種を含むグリコシド混合物の処理方法であって、以下の工程を含む:
a)少なくともレバウジオシドA材料、レバウジオシドB材料およびレバウジオシドD材料を含むグリコシドを含むスラリーを用意する工程であって、該スラリーが固相と液相を含む該工程、および
b)各温度が約85℃より高い1つまたは複数の温度で、(i)RebB材料およびRebD材料の少なくとも一方よりもRebA材料が固相で高純度になる;および/または(ii)RebA材料よりも、RebB材料およびRebD材料の少なくとも一方が液相で高純度になる、の少なくとも一方を達成するに十分な時間および条件下でスラリーを熟成する工程。
【請求項27】
熟成後、固相のRebA材料を回収する工程をさらに含む請求項26記載の方法。
【請求項28】
熟成後、液相のRebB材料およびRebD材料の少なくとも一方を回収する工程をさらに含む請求項26記載の方法。
【請求項29】
RebB材料およびRebD材料の少なくとも一方を含む固相を回収するために液相を処理する工程をさらに含む請求項28記載の方法。
【請求項30】
熟成の圧力が、大気圧より高い絶対圧である請求項26記載の方法。
【請求項31】
熟成の圧力が、約1.1atm〜約30atmの絶対圧の範囲である請求項26記載の方法。
【請求項32】
熟成の圧力が、約1.1atm〜約10atmの絶対圧の範囲である請求項26記載の方法。
【請求項33】
熟成の圧力が、約1.1atm〜約5atmの絶対圧の範囲である請求項26記載の方法。
【請求項34】
工程(a)で用意されるスラリーが、スラリー中のグリコシドの全重量に対して約60重量%未満のRebA材料を含み、および液相がエタノールを含む請求項26記載の方法。
【請求項35】
工程(a)で用意されるスラリーが、スラリー中のグリコシドの全重量に対して約45重量%未満のRebA材料を含み、および液相がエタノールを含む請求項26記載の方法。
【請求項36】
工程(a)で用意されるスラリーが、スラリー中のグリコシドの全重量に対して約30重量%未満のRebA材料を含み、および液相がエタノールを含む請求項26記載の方法。
【請求項37】
工程(a)で用意されるRebA材料の少なくとも一部が非晶質である請求項26記載の方法。
【請求項38】
工程(a)で用意されるスラリーが、スラリー中のグリコシドの全重量に対して約45重量%未満のRebA材料と少なくとも10重量%のステビオシド材料を含み、および液相がエタノールを含む請求項26記載の方法。
【請求項39】
工程(a)で用意されるスラリーが、スラリー中のグリコシドの全重量に対して約45重量%未満のRebA材料と少なくとも20重量%のステビオシド材料を含み、および液相がエタノールを含む請求項26記載の方法。
【請求項40】
混合物のバルク温度よりも低い温度にある冷表面の存在下で、混合して熟成させる請求項26記載の方法。
【請求項41】
冷表面の少なくとも一部の温度が、約40℃より低い請求項24記載の方法。
【請求項42】
RebA材料、RebB材料、またはRebD材料の少なくとも1種の高純度での回収促進のための、RebA材料、およびRebB材料またはRebD材料の2種またはそれより多種を含むグリコシド混合物の処理方法であって、以下の工程を含む:
a)少なくともレバウジオシドA材料、B材料およびD材料を含むグリコシドを含むスラリーを用意する工程であって、該スラリーが固相と液相を含む該工程;
b)各温度が約40℃より高い1つまたは複数の温度で、レバウジオシドA材料、B材料およびD材料の少なくとも1種が、固相および/または液相の少なくとも一方で高純度になるのに十分な時間をかけてスラリーを熟成する工程;および
c)熟成の少なくとも一部の時間、加熱したスラリーを撹拌し、加熱したスラリーの一部を絶えず冷表面に接触させる工程。
【請求項43】
熟成後、固相のRebA材料を回収する工程をさらに含む請求項42記載の方法。
【請求項44】
熟成後、液相のRebB材料およびRebD材料の少なくとも一方を回収する工程をさらに含む請求項42記載の方法。
【請求項45】
RebB材料およびRebD材料の少なくとも一方を含む固相を回収するために液相を処理する工程をさらに含む請求項44記載の方法。
【請求項46】
攪拌されたスラリーがバルク温度を有し、冷表面の少なくとも一部の温度が、攪拌されるスラリーのバルク温度より低い請求項42記載の方法。
【請求項47】
冷表面の少なくとも一部の温度が、約40℃より低い請求項42記載の方法。
【請求項48】
冷表面の少なくとも一部の温度が、約30℃より低い請求項42記載の方法。
【請求項49】
冷表面は熱交換器により形成され、容器から取り出された攪拌されたスラリーの一部はその中を通って容器に戻る、請求項42記載の方法。
【請求項50】
RebA材料の高純度での回収促進のための、RebA材料、およびRebB材料またはRebD材料の2種またはそれより多種を含むグリコシド混合物の処理方法であって、以下の工程を含む:
a)少なくともレバウジオシドA材料、レバウジオシドB材料およびレバウジオシドD材料を含む第1のスラリーを用意する工程であって、該スラリーが固相と液相を含み、該液相が第1の溶媒を含む該工程;
b)RebA材料が固相で高純度になるのに十分な時間をかけて第1のスラリーを熟成する工程;
c)工程(b)で得られた固相の少なくとも一部を第2のスラリーに加える工程であって、該第2のスラリーが固相と液相を含み、該液相が第1の溶媒とは異なる組成を有する第2の溶媒を含む該工程;および
d)RebA材料が固相で高純度になるのに十分な時間をかけて第2のスラリーを熟成する工程。
【請求項51】
第1の溶媒がアルコールを含み、第2の溶媒が少なくとも約80重量%の水を含む請求項50記載の方法。
【請求項52】
アルコールがエタノールである請求項51記載の方法。
【請求項53】
アルコールが含水アルコールである請求項52記載の方法。
【請求項54】
第1の溶媒が少なくとも約80重量%の水を含み、第2の溶媒が少なくとも約80重量%のアルコールを含む請求項50記載の方法。
【請求項55】
RebB材料またはRebD材料の少なくとも1種の高純度での回収促進のための、RebA材料と、RebB材料またはRebD材料の少なくとも1種とを含むグリコシド混合物の処理方法であって、以下の工程を含む:
a)少なくともレバウジオシドA材料、B材料およびD材料を含む第1のスラリーを用意する工程であって、該スラリーが固相と液相を含み、該液相が第1の溶媒を含む該工程;

b)RebB材料またはRebD材料の少なくとも1種が液相で高純度になるのに十分な時間をかけて第1のスラリーを熟成する工程;
c)工程(b)で得られた液相の少なくとも一部を、第2のスラリーに加える工程であって、該第2のスラリーが固相と液相を含み、該液相が第1の溶媒とは異なる組成を有する第2の溶媒を含む該工程;および
d)RebB材料またはRebD材料の少なくとも1種が液相で高純度になるのに十分な時間をかけて第2のスラリーを熟成する工程。
【請求項56】
不純物を含むレバウジオシドA組成物の精製方法であって、以下の工程を含む:
a)少なくともレバウジオシドA材料と、レバウジオシドB材料とレバウジオシドD材料からなる群から選択された少なくとも1種の不純物を含むレバウジオシドA組成物を用意する工程であって、レバウジオシドA材料の少なくとも一部が第1の結晶形にある該工程;
b)レバウジオシドA組成物の少なくとも一部を、第1の結晶形から第2の結晶形に変換する工程;および
c)レバウジオシドA組成物の第2の結晶形の少なくとも一部を、第1の結晶形と同じであってもよい第3の結晶形に変換する工程。
【請求項57】
第1および第2の結晶形の少なくとも一方が、アルコール結晶形であり、他方が水結晶形である請求項56記載の方法。
【請求項58】
第1の結晶形がアルコール結晶形である請求項56記載の方法。
【請求項59】
第1の結晶形がアルコール結晶形であり、第2の結晶形が水結晶形である請求項56記載の方法。
【請求項60】
水結晶形が、四水和物である請求項57または59記載の方法。
【請求項61】
請求項1,26,42,50,55,または56のいずれか一つの方法により製造された甘味料組成物。
【請求項62】
請求項61記載の甘味料組成物を含む食品製品または飲料製品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5a】
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【図5b】
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【公表番号】特表2013−518118(P2013−518118A)
【公表日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−551288(P2012−551288)
【出願日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際出願番号】PCT/US2011/022741
【国際公開番号】WO2011/094423
【国際公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【出願人】(500159680)カーギル・インコーポレイテッド (30)
【Fターム(参考)】