説明

1,2−エタンジオール誘導体の製造方法及びそれによって得られた該誘導体

【課題】
医薬品、農薬、液晶および高分子の原料として有用な、金属不純物含量の低い1,2−エタンジオール誘導体の製造方法を提供する。
【解決手段】
本発明によれば、α−ヒドロキシ酸誘導体またはα−ヒドロキシ酸エステル誘導体を還元する工程と、得られた還元物に有機溶媒を添加して1,2−エタンジオール誘導体を抽出する工程と、得られた抽出液を水洗して上記1,2−エタンジオール誘導体中の金属不純物含量を低減させる工程とを有する、1,2−エタンジオール誘導体の製造方法を提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬品、農薬、液晶および高分子の原料として有用な、金属不純物含量の低減された1,2−エタンジオール誘導体の製造方法及びそれによって得られた該誘導体に関する。
【背景技術】
【0002】
1,2−エタンジオール誘導体は種々の分野で利用されているが、用途によっては極端に金属不純物を嫌う分野がある。そのような分野に使用する場合は、製造過程等で混入する金属不純物を除去する必要がある。従来一般に、化合物に含有する金属不純物を除去するためには、有機溶媒に当該化合物を溶解させ、その溶液をイオン交換樹脂と接触させることで金属含量を低減させ、この溶液を濃縮し、当該目的物質を回収するという方法が採用されていた(特許文献1)。
しかし、この方法では、処理に要する時間が長く、廃水が多量に排出され、また対象化合物の種類によっては、有機溶媒に対する溶解度が低い等の理由により容積効率が高くならないという問題があった。
【特許文献1】特開2001−114717
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記実情に鑑み、高純度かつ金属不純物含量の低い1,2−エタンジオール誘導体が求められている。そこで、本発明は、金属不純物含量を低減させた1,2−エタンジオール誘導体の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、α−ヒドロキシ酸誘導体またはα−ヒドロキシ酸エステル誘導体を還元する工程と、得られた還元物に有機溶媒を添加して1,2−エタンジオール誘導体を抽出する工程と、得られた抽出液を水洗して前記1,2−エタンジオール誘導体中の金属不純物含量を低減させる工程とを有する、高純度かつ高収率で1,2−エタンジオール誘導体を製造する方法を見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、
<1> α−ヒドロキシ酸誘導体またはα−ヒドロキシ酸エステル誘導体を還元する工程と、得られた還元物に有機溶媒を添加して1,2−エタンジオール誘導体を抽出する工程と、得られた抽出液を水洗して前記1,2−エタンジオール誘導体中の金属不純物含量を低減させる工程とを有する、1,2−エタンジオール誘導体の製造方法、
<2> 前記α−ヒドロキシ酸誘導体を還元する工程において、α−ヒドロキシ酸誘導体をジボランまたはボラン・ジメチルスルフィドコンプレックスを用いて還元する、上記<1>に記載の1,2−エタンジオール誘導体の製造方法、
<3> 前記α−ヒドロキシ酸エステル誘導体を還元する工程において、α−ヒドロキシ酸エステル誘導体を水素化アルミニウムリチウムまたは水素化ホウ素ナトリウムを用いて還元する、上記<1>に記載の1,2−エタンジオール誘導体の製造方法、
<4> 前記有機溶媒が、酢酸エチルである、上記<1>から<3>のいずれかに記載の1,2−エタンジオール誘導体の製造方法、
<5> 前記有機溶媒が、前記抽出液中における1,2−エタンジオール誘導体の濃度が25重量%以下となる量で用いられる、上記<1>から<4>のいずれかに記載の1,2−エタンジオール誘導体の製造方法、
<6> 前記抽出液を洗浄する水が、前記抽出液に対して0.1〜1.0倍量で用いられる、上記<1>から<5>のいずれかに記載の1,2−エタンジオール誘導体の製造方法、
<7> 得られる1,2−エタンジオール誘導体が下記一般式(I)で表される、上記<1>から<6>のいずれかに記載の1,2−エタンジオール誘導体の製造方法、
【化2】

(式(I)中、Rは、置換基を有していてもよいアルキル基を表す。)
<8> 得られる1,2−エタンジオール誘導体中に含まれる金属不純物濃度が0.5重量%以下である、上記<1>から<7>のいずれかに記載の1,2−エタンジオール誘導体の製造方法、
<9> 上記<1>から<8>のいずれかに記載の1,2−エタンジオール誘導体の製造方法によって得られた1,2−エタンジオール誘導体であって、該誘導体中に含まれる金属不純物濃度が0.5重量%以下である、1,2−エタンジオール誘導体である。
【発明の効果】
【0005】
本発明の好ましい態様によれば、α−ヒドロキシ酸誘導体から製造されたキレート能の大きい1,2−エタンジオール誘導体を製造することができる。また、本発明の好ましい態様によれば、α−ヒドロキシ酸誘導体を出発物質とし、還元工程や有機溶媒による抽出と水洗により、目的の1,2−エタンジオール誘導体を高純度および高収率、かつ簡便な操作で得ることができる。また、原料に光学活性体を用いた場合、光学純度を低下させることなく、高光学純度で1,2−エタンジオール誘導体を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明を具体的に説明する。
本発明の1,2−エタンジオール誘導体の製造方法は、α−ヒドロキシ酸誘導体またはα−ヒドロキシ酸エステル誘導体を還元する工程と、得られた還元物に有機溶媒を添加して1,2−エタンジオール誘導体を抽出する工程と、得られた抽出液を水洗して前記1,2−エタンジオール誘導体中の金属不純物含量を低減させる工程とを有する。
本発明におけるα−ヒドロキシ酸誘導体を還元する工程としては、α−ヒドロキシ酸誘導体をジボランやボラン・ジメチルスルフィドコンプレックス等の還元剤で還元する方法などが挙げられる。また、本発明におけるα−ヒドロキシ酸エステル誘導体を還元する工程としては、α−ヒドロキシ酸エステル誘導体を、水素化アルミニウムリチウムや水素化ホウ素ナトリウム等の還元剤で還元する方法などが挙げられる。
【0007】
本発明に使用されるα−ヒドロキシ酸誘導体は、例えばマンデル酸、2−クロロマンデル酸、3−クロロマンデル酸、4−クロロマンデル酸、2−メチルマンデル酸、3−メチルマンデル酸、4−メチルマンデル酸、2−ヒドロキシマンデル酸、3−ヒドロキシマンデル酸、4−ヒドロキシマンデル酸、2−メトキシマンデル酸、3−メトキシマンデル酸、4−メトキシマンデル酸、2−トリフルオロメチルマンデル酸、3−トリフルオロメチルマンデル酸、4−トリフルオロメチルマンデル酸、2−アミノマンデル酸、3−アミノマンデル酸、4−アミノマンデル酸、2−ニトロマンデル酸、3−ニトロマンデル酸、4−ニトロマンデル酸、2,4−ジクロロマンデル酸、2,4−ジフルオロマンデル酸、3,4−メチレンジオキシマンデル酸などが挙げられる。
【0008】
また、本発明に使用されるα−ヒドロキシ酸エステル誘導体としては、例えばマンデル酸メチルエステル、2−クロロマンデル酸エチルエステル、3−クロロマンデル酸イソプロピルエステル、4−クロロマンデル酸n−プロピルエステル、2−メチルマンデル酸n−ブチルエステル、3−メチルマンデル酸イソブチルエステル、4−メチルマンデル酸sec−ブチルエステル、2−ヒドロキシマンデル酸t−ブチルエステル、3−ヒドロキシマンデル酸メチルエステル、4−ヒドロキシマンデル酸エチルエステル、2−メトキシマンデル酸イソプロピルエステル、3−メトキシマンデル酸n−プロピルエステル、4−メトキシマンデル酸n−ブチルエステル、2−トリフルオロメチルマンデル酸イソブチルエステル、3−トリフルオロメチルマンデル酸sec−ブチルエステル、4−トリフルオロメチルマンデル酸t−ブチルエステル、2−アミノマンデル酸メチルエステル、3−アミノマンデル酸エチルエステル、4−アミノマンデル酸n−プロピルエステル、2−ニトロマンデル酸イソプロピルエステル、3−ニトロマンデル酸n−ブチルエステル、4−ニトロマンデル酸イソブチルエステル、2,4−ジクロロマンデル酸sec−ブチルエステル、2,4−ジフルオロマンデル酸t−ブチルエステル、3,4−メチレンジオキシマンデル酸メチルエステルなどが挙げられる。なお、これら1,2−エタンジオール誘導体はラセミ体でも光学活性体でもよい。
【0009】
本発明における生成物の1,2−エタンジオール誘導体は、対応するα−ヒドロキシ酸誘導体またはα−ヒドロキシ酸エステルを還元することによって得ることができる。本発明で得られる1,2−エタンジオール誘導体は、下記一般式(I)で表される。
【化3】

式(I)中、Rは、置換基を有していてもよいアルキル基を表す。
具体的には、例えば1−フェニル−1,2−エタンジオール、1−(2−クロロフェニル)−1,2−エタンジオール、1−(3−クロロフェニル)−1,2−エタンジオール、1−(4−クロロフェニル)−1,2−エタンジオール、1−(2−メチルフェニル)−1,2−エタンジオール、1−(3−メチルフェニル)1,2−エタンジオール、1−(4−メチルフェニル)−1,2−エタンジオール、1−(2−ヒドロキシフェニル)−1,2−エタンジオール、1−(3−ヒドロキシフェニル)− −1,2−エタンジオール、1−(4−ヒドロキシフェニル)−1,2−エタンジオール、1−(2−メトキシフェニル)−1,2−エタンジオール、1−(3−メトキシフェニル)−1,2−エタンジオール、1−(4−メトキシフェニル)−1,2−エタンジオール、1−(2−トリフルオロメチルフェニル)−1,2−エタンジオール、1−(3−トリフルオロメチルフェニル)−1,2−エタンジオール、1−(4−トリフルオロメチルフェニル)−1,2−エタンジオール、1−(2−アミノフェニル)−1,2−エタンジオール、1−(3−アミノフェニル)−1,2−エタンジオール、1−(4−アミノフェニル)−1,2−エタンジオール、1−(2−ニトロフェニル)−1,2−エタンジオール、1−(3−ニトロフェニル)−1,2−エタンジオール、1−(4−ニトロフェニル)−1,2−エタンジオール、1−(2,4−ジクロロフェニル)−1,2−エタンジオール、1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,2−エタンジオール、1−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−1,2−エタンジオールなどが挙げられる。
【0010】
本発明に用いられる還元剤としては、例えば水素化アルミニウムリチウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素カリウム、水素化ホウ素亜鉛、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、水素化リチウムアルミニウム、水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム、ジボラン、ボラン−ジメチルスルフィドコンプレックス、ボラン−テトラヒドロフランコンプレックス、ボラン−ピリジンコンプレックスなどが挙げられる。その添加量は、理論当量以上であればよい。具体的には、1.0〜1.5当量が好ましく、1.0〜1.1当量であることがさらに好ましい。使用量が多い場合には、反応後に生成する無機塩量が増加する。一方、少ない場合は未反応の原料が残存してしまうことで収率を低下させる要因になってしまう。
反応温度は、0〜100℃が好ましく、20〜80℃がさらに好ましい。温度が低い場合は、反応速度が遅く、原料が残存してしまうことがある。
【0011】
本発明における、上記得られた還元物に有機溶媒を添加して1,2−エタンジオール誘導体を抽出する工程で使用される有機溶媒としては、例えばジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、メチルイソブチルケトン、エチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、エチルセロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及びプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートのようなグリコールエーテルエステル類、エチルセロソルブ、メチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル及びジエチレングリコールジメチルエーテルのようなグリコールモノ又はジエーテル類、n−ヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類等が挙げられる。これらの有機溶媒のうち、好ましくは、酢酸エチルが挙げられる。これらの溶媒は、それぞれ単独で、又は2種以上組み合わせて用いることができる。有機溶媒は水と任意の割合で混じり合わない有機溶媒であれば特に限定されない。その使用量は、抽出液中における1,2−エタンジオール誘導体の濃度を25重量%以下とする量であることが好ましく、20重量%以下であることがさらに好ましい。使用量が多い場合には、後処理における濃縮に時間を要するなど、工業的には好ましくない。一方、少ない場合には、還元剤などの金属イオンが、生成する1,2−エタンジオールに包接されてしまい、洗浄ではこの金属イオンを除去できなくなってしまい、金属不純物含量の低い1,2−エタンジオール誘導体を得ることができなくなってしまう。
【0012】
本発明における、得られた抽出液を水洗して1,2−エタンジオール誘導体中の金属不純物含量を低減させる工程で使用される抽出液を洗浄する水の量は、抽出液に対して0.1〜1.0倍量が好ましく、0.2〜0.5倍量であることがさらに好ましい。使用する水の量が多い場合には、1,2−エタンジオール誘導体が溶解してしまい、収率を低下させる要因となる。一方、少ない場合には、1,2−エタンジオールに包接している金属イオンを溶解させることができないことから、当該化合物中の金属イオン含量を低減することができない。使用される水は、好ましくは、純水、イオン交換水などが挙げられる。
以上の操作により、金属不純物含量が少ない1,2−エタンジオール誘導体を提供することができる。
上記製造方法によって得られる1,2−エタンジオール誘導体は、該誘導体中に含まれる金属不純物濃度が0.5重量%以下であることが好ましい。
【実施例】
【0013】
以下、実施例および比較例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
〔分析条件〕
1,2−エタンジオール誘導体の濃度分析
1,2−エタンジオール誘導体の高速液体クロマトグラフィーによる純度分析
試料調製方法 :試料25mgを溶離液25mLに溶解
装置 :カラムオーブン 日本分光社製 865−CO
UV 日本分光社製 870−UV
ポンプ 日本分光社製 880−PU
インテグレーター 島津製作所社製 C−R3A
カラム :ODS−2(GLサイエンス社製)
キャリヤー :アセトニトリル:10mMリン酸水溶液=30/70
カラム温度 :40℃
流速 :1mL/min
波長 :230nm
【0014】
1,2−エタンジオール誘導体中の金属イオンの濃度分析
1,2−エタンジオール誘導体中の金属イオンの高速液体クロマトグラフィーによる分析
試料調製方法 :試料25mgを溶離液25mLに溶解
装置 :カラムオーブン 日本分光社製 865−CO
電気伝導度検出器 Shodex社製 CD−5
ポンプ 日本分光社製 880−PU
インテグレーター 島津製作所社製 C−R3A
カラム :YK−421(Shodex社製)
キャリヤー :アセトニトリル:3mM硝酸水溶液=60/40
カラム温度 :40℃
流速 :1mL/min
【0015】
[実施例1]
攪拌機および温度計を付した1000ml三口フラスコに、R−マンデル酸メチルエステル100.0g(0.60mol)をメタノール350.0gに溶解した。この反応液を10℃まで冷却し、水素化ホウ素ナトリウム17.1g(0.45mol)を15℃以下で添加し、そのままの温度で1時間攪拌した。その後、25%硫酸111.8gで反応液を中和し、ロータリーエバポレーターによりメタノールを溜去した。得られた濃縮液(還元物)に酢酸エチル319.2gを添加して、R−1−クロロフェニル−1,2−エタンジオールを抽出した。得られた抽出液を純水63.8gで洗浄した後、有機相を濃縮し金属不純物濃度の低いR−1−クロロフェニル−1,2−エタンジオールを75.8g(収率95%)得た。この濃縮後の生成物中のナトリウム濃度は0.14重量%であった。
【0016】
[実施例2]
抽出に使用した酢酸エチルを718.2gとした以外は、実施例1と同様の方法で行った。有機相を濃縮しR−1−クロロフェニル−1,2−エタンジオールを78.2g(収率98%)で得た。この濃縮後の生成物中のナトリウム濃度は0.13重量%であった。
【産業上の利用可能性】
【0017】
本発明によれば、簡便な方法で金属不純物含量の低い1,2−エタンジオール誘導体を高純度および高収率で得ることができる。また、本発明によれば、光学活性体を用いた場合、高い光学純度で目的の1,2−エタンジオール誘導体を得ることができる。得られた1,2−エタンジオール誘導体は、医薬品、農薬、液晶および高分子の原料として幅広く用いることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
α−ヒドロキシ酸誘導体またはα−ヒドロキシ酸エステル誘導体を還元する工程と、得られた還元物に有機溶媒を添加して1,2−エタンジオール誘導体を抽出する工程と、得られた抽出液を水洗して前記1,2−エタンジオール誘導体中の金属不純物含量を低減させる工程とを有する、1,2−エタンジオール誘導体の製造方法。
【請求項2】
前記α−ヒドロキシ酸誘導体を還元する工程において、α−ヒドロキシ酸誘導体をジボランまたはボラン・ジメチルスルフィドコンプレックスを用いて還元する、請求項1に記載の1,2−エタンジオール誘導体の製造方法。
【請求項3】
前記α−ヒドロキシ酸エステル誘導体を還元する工程において、α−ヒドロキシ酸エステル誘導体を水素化アルミニウムリチウムまたは水素化ホウ素ナトリウムを用いて還元する、請求項1に記載の1,2−エタンジオール誘導体の製造方法。
【請求項4】
前記有機溶媒が、酢酸エチルである、請求項1から3のいずれかに記載の1,2−エタンジオール誘導体の製造方法。
【請求項5】
前記有機溶媒が、前記抽出液中における1,2−エタンジオール誘導体の濃度が25重量%以下となる量で用いられる、請求項1から4のいずれかに記載の1,2−エタンジオール誘導体の製造方法。
【請求項6】
前記抽出液を洗浄する水が、前記抽出液に対して0.1〜1.0倍量で用いられる、請求項1から5のいずれかに記載の1,2−エタンジオール誘導体の製造方法。
【請求項7】
得られる1,2−エタンジオール誘導体が下記一般式(I)で表される、請求項1から6のいずれかに記載の1,2−エタンジオール誘導体の製造方法。
【化1】

(式(I)中、Rは、置換基を有していてもよいアルキル基を表す。)
【請求項8】
得られる1,2−エタンジオール誘導体中に含まれる金属不純物濃度が0.5重量%以下である、請求項1から7のいずれかに記載の1,2−エタンジオール誘導体の製造方法。
【請求項9】
請求項1から8のいずれかに記載の1,2−エタンジオール誘導体の製造方法によって得られた1,2−エタンジオール誘導体であって、該誘導体中に含まれる金属不純物濃度が0.5重量%以下である、1,2−エタンジオール誘導体。

【公開番号】特開2010−43039(P2010−43039A)
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−209550(P2008−209550)
【出願日】平成20年8月18日(2008.8.18)
【出願人】(000006035)三菱レイヨン株式会社 (2,875)
【Fターム(参考)】