説明

2−イミノ−チアゾリジン−4−オン誘導体の製造のための新規な方法

本発明は、式(I)及び(II)の2−イミノ−チアゾリジン−4−オン化合物の製造のための新規な方法並びに式(II)の化合物自体に関する。本発明の式(II)の化合物は、一般式(II)のチアゾリジン−4−オン誘導体の製造における中間体として用いることができる。当該誘導体は、WO2005/054215に記載されている。一般式(II)のこれらの化合物は、WO2005/054215において、免疫調節薬として作用するものと記載されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、式(I)及び(II)の2−イミノ−チアゾリジン−4−オン化合物の製造のための新規な方法並びに式(II)の化合物自体に関する。本発明の式(II)の化合物は、一般式(II)のチアゾリジン−4−オン誘導体の製造における中間体として用いることができる。当該誘導体は、国際公開番号 WO2005/054215のPCT特許出願に記載されている(特許文献1)。一般式(II)のこれらの化合物は、WO2005/054215において、免疫調節薬として作用するものと記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0002】
【特許文献1】国際公開番号 WO2005/054215
【発明の開示】
【0003】
第一の側面において、本発明は、式(I)の化合物の製造のための新規な方法に関する:
【化1】

式中、
は、1、2又は3個の置換基によって置換されていてもよいフェニルを表し、当該置換基は、C1−7−アルキル及びハロゲンより独立に選択され;
はC1−7−アルキルを表し;
当該方法は、Rが式(I)に対して定義した意味を有する式R−N=C=Sの化合物を、Rが式(I)に対して定義した意味を有する式R−NHの化合物と反応させ、続いてブロモ−アセチルブロミド及びピリジン塩基との反応を行うことを含む。
【0004】
好ましくは、上記の方法は、構造1の化合物を構造2の化合物と反応させた後に生じるチオウレア中間体等の中間体を単離及び/又は精製することなく行われる。
【0005】
ここに記載される製造方法で使用されるピリジン塩基は、好ましくはピリジン、ルチジン又はコリジンであり、好ましくはピリジンである。
【0006】
好ましくは、上記の方法は、Rが1個の(特にメチル等の)C1−7−アルキル又はハロゲンで置換されていてもよいフェニルを表し、Rが、(特にプロピル、イソプロピル又はブチル等の)C1−7−アルキルを表す、式(I)の化合物を製造するために用いられる。
【0007】
より好ましくは、上記の方法は、Rが1個のメチル又はクロロで置換されていてもよいフェニルを表し、Rがプロピル、イソプロピル又はブチルを表す、式(I)の化合物を製造するために用いられる。
【0008】
特に好ましくは、上記の方法は、下記の化合物から成る群より選択される式(I)の化合物を製造するために用いられる:
2−[(Z)−イソプロピルイミノ]−3−フェニル−チアゾリジン−4−オン、
3−フェニル−2−[(Z)−プロピルイミノ]−チアゾリジン−4−オン、
2−[(Z)−n−ブチルイミノ]−3−フェニル−チアゾリジン−4−オン、
2−[(Z)−イソプロピルイミノ]−3−o−トリル−チアゾリジン−4−オン、
2−[(Z)−イソプロピルイミノ]−3−(3−クロロフェニル)−チアゾリジン−4−オン及び
2−[(Z)−プロピルイミノ]−3−o−トリル−チアゾリジン−4−オン。
【0009】
さらなる側面において、本発明は、式(II)の化合物の製造のための新規な方法に関する:
【化2】

式中、
及びRは、上記の式(I)に定義した意味を有し;
は、水素、ヒドロキシ、C1−7−アルコキシ又はハロゲンを表し;
当該方法は、上記の手順に従って式(I)の化合物を製造し、その式(I)の化合物を構造3の化合物と反応させることを含む:
【化3】

式中、
は、上記式(II)に対して定義した意味を有する。
【0010】
好ましい態様において、本発明は、上記した式(II)の化合物の製造方法であって、酢酸及び塩基(特に酢酸ナトリウム)の存在下で、好ましくは高温で、特に40と80℃の間の温度で、好ましくは55℃で、式(I)の化合物を構造3の化合物と反応させる式(II)の化合物の製造方法に関する。反応は、ピロリジン又はピペリジン等のアミンの存在下で、トルエン又はベンゼン等の非極性溶媒中で行ってもよい。
【0011】
別の側面において、本発明は、Rが式(I)に対して定義した意味を有する式R−N=C=Sの化合物を、Rが式(I)に対して定義した意味を有する式R−NHの化合物と反応させ、続いて、ブロモ−アセチルブロミド及び特にピリジン等のピリジン塩基との反応を行って、式(I)の化合物を得(特に、中間体を単離及び/又は精製することなく式(I)の化合物の生成が起き)、続いて、Rが本明細書で定義した意味を有する構造3の化合物との反応を行うことを含む、R、R及びRが本明細書で定義した意味を有する、式(II)の化合物の製造方法であって、式(I)の化合物が単離及び/又は精製されない、すなわち、例えば抽出水性後処理及び濃縮乾固を行わないことを特徴とする式(II)の化合物の製造方法に関する。
【0012】
好ましい態様において、本発明は、先行する段落に記載された式(II)の化合物の製造方法であって、式(I)の化合物の生成がジクロロメタンの存在下で起き、続いて溶媒の変換を行って、酢酸溶媒中、塩基(特に酢酸ナトリウム)の存在下で、好ましくは高温で、特に40と80℃の間の温度で、好ましくは55℃で、構造3の化合物との反応が起こる式(II)の化合物の製造方法に関する。構造3の化合物との反応は、ピロリジン又はピペリジン等のアミンの存在下で、トルエン又はベンゼン等の非極性溶媒中で行ってもよい。
【0013】
好ましくは、上記の方法は、Rが1個の(特にメチル等の)C1−7−アルキル又はハロゲンで置換されていてもよいフェニルを表し、Rが、(特にプロピル、イソプロピル又はブチル等の)C1−7−アルキルを表し、Rが水素、(特にメトキシ等の)C1−7−アルコキシ又はハロゲンを表す、式(II)の化合物を製造するために用いられる。
【0014】
より好ましくは、上記の方法は、Rが1個のメチル又はクロロで置換されていてもよいフェニルを表し、Rがプロピル、イソプロピル又はブチルを表し、Rが水素、メトキシ又はクロロを表す、式(II)の化合物を製造するために用いられる。
【0015】
特に好ましくは、上記の方法は、下記の化合物から成る群より選択される式(II)の化合物を製造するために用いられる:
5−(3−クロロ−4−ヒドロキシ−ベンズ−(Z)−イリデン)−2−[(Z)−イソプロピルイミノ]−3−フェニル−チアゾリジン−4−オン、
5−(3−クロロ−4−ヒドロキシ−ベンズ−(Z)−イリデン)−2−[(Z)−プロピルイミノ]−3−フェニル−チアゾリジン−4−オン、
5−(3−クロロ−4−ヒドロキシ−ベンズ−(Z)−イリデン)−2−[(Z)−ブチルイミノ]−3−フェニル−チアゾリジン−4−オン、
5−(3−クロロ−4−ヒドロキシ−ベンズ−(Z)−イリデン)−2−[(Z)−イソプロピルイミノ]−3−(o−トリル)−チアゾリジン−4−オン、
5−(3−クロロ−4−ヒドロキシ−ベンズ−(Z)−イリデン)−2−[(Z)−イソプロピルイミノ]−3−(3−クロロ−フェニル)−チアゾリジン−4−オン、
5−(3−クロロ−4−ヒドロキシ−ベンズ−(Z)−イリデン)−2−[(Z)−プロピルイミノ]−3−(o−トリル)−チアゾリジン−4−オン、
5−(4−ヒドロキシ−ベンズ−(Z)−イリデン)−2−[(Z)−プロピルイミノ]−3−フェニル−チアゾリジン−4−オン、
5−(4−ヒドロキシ−3−メトキシ−ベンズ−(Z)−イリデン)−2−[(Z)−プロピルイミノ]−3−フェニル−チアゾリジン−4−オン、
5−(4−ヒドロキシ−ベンズ−(Z)−イリデン)−2−[(Z)−ブチルイミノ]−3−フェニル−チアゾリジン−4−オン、
5−(4−ヒドロキシ−3−メトキシ−ベンズ−(Z)−イリデン)−2−[(Z)−ブチルイミノ]−3−フェニル−チアゾリジン−4−オン、
5−(4−ヒドロキシ−ベンズ−(Z)−イリデン)−2−[(Z)−プロピルイミノ]−3−(o−トリル)−チアゾリジン−4−オン及び
5−(4−ヒドロキシ−3−メトキシ−ベンズ−(Z)−イリデン)−2−[(Z)−プロピルイミノ]−3−(3−クロロフェニル)−チアゾリジン−4−オン。
【0016】
また、特に好ましくは、上記の方法は、下記の化合物から成る群より選択される式(II)の化合物を製造するためにも用いられる:
5−(3−クロロ−4−ヒドロキシ−ベンズ−(Z)−イリデン)−2−[(Z)−イソプロピルイミノ]−3−フェニル−チアゾリジン−4−オン、
5−(4−ヒドロキシ−ベンズ−(Z)−イリデン)−2−[(Z)−プロピルイミノ]−3−フェニル−チアゾリジン−4−オン、
5−(3−クロロ−4−ヒドロキシ−ベンズ−(Z)−イリデン)−2−[(Z)−プロピルイミノ]−3−フェニル−チアゾリジン−4−オン、
5−(4−ヒドロキシ−3−メトキシ−ベンズ−(Z)−イリデン)−2−[(Z)−プロピルイミノ]−3−フェニル−チアゾリジン−4−オン、
5−(4−ヒドロキシ−ベンズ−(Z)−イリデン)−2−[(Z)−ブチルイミノ]−3−フェニル−チアゾリジン−4−オン、
5−(3−クロロ−4−ヒドロキシ−ベンズ−(Z)−イリデン)−2−[(Z)−ブチルイミノ]−3−フェニル−チアゾリジン−4−オン、
5−(4−ヒドロキシ−3−メトキシ−ベンズ−(Z)−イリデン)−2−[(Z)−ブチルイミノ]−3−フェニル−チアゾリジン−4−オン、
5−(3−クロロ−4−ヒドロキシ−ベンズ−(Z)−イリデン)−2−[(Z)−イソプロピルイミノ]−3−(o−トリル)−チアゾリジン−4−オン、
5−(4−ヒドロキシ−ベンズ−(Z)−イリデン)−2−[(Z)−プロピルイミノ]−3−(o−トリル)−チアゾリジン−4−オン、
5−(3−クロロ−4−ヒドロキシ−ベンズ−(Z)−イリデン)−2−[(Z)−プロピルイミノ]−3−(o−トリル)−チアゾリジン−4−オン及び
5−(4−ヒドロキシ−3−メトキシ−ベンズ−(Z)−イリデン)−2−[(Z)−プロピルイミノ]−3−(3−クロロフェニル)−チアゾリジン−4−オン。
【0017】
さらなる側面において、本発明は、式(II)の化合物であって、式中、
が、1、2又は3個の置換基によって置換されていてもよいフェニルを表し、当該置換基は、C1−7−アルキル及びハロゲンより独立に選択され;
が、C1−7−アルキルを表し;そして
が水素、ヒドロキシ、C1−7−アルコキシ又はハロゲンを表す式(II)の化合物に関する。
【0018】
好ましい態様において、本発明は、式(II)の化合物であって、式中、
が1個の(特にメチル等の)C1−7−アルキル又はハロゲンで置換されていてもよいフェニルを表し;
が、(特にプロピル、イソプロピル又はブチル等の)C1−7−アルキルを表し;そして
が、水素、(特にメトキシ等の)C1−7−アルコキシ又はハロゲンを表す、式(II)の化合物に関する。
【0019】
特に好ましい態様において、本発明は、式(II)の化合物であって、式中、Rが1個のメチル又はクロロで置換されていてもよいフェニルを表し、Rがプロピル、イソプロピル又はブチルを表し、Rが水素、メトキシ又はクロロを表す、式(II)の化合物に関する。
【0020】
より特定の態様において、本発明は、下記の化合物から成る群より選択される式(II)の化合物に関する:
5−(3−クロロ−4−ヒドロキシ−ベンズ−(Z)−イリデン)−2−[(Z)−イソプロピルイミノ]−3−フェニル−チアゾリジン−4−オン、
5−(3−クロロ−4−ヒドロキシ−ベンズ−(Z)−イリデン)−2−[(Z)−プロピルイミノ]−3−フェニル−チアゾリジン−4−オン、
5−(3−クロロ−4−ヒドロキシ−ベンズ−(Z)−イリデン)−2−[(Z)−ブチルイミノ]−3−フェニル−チアゾリジン−4−オン、
5−(3−クロロ−4−ヒドロキシ−ベンズ−(Z)−イリデン)−2−[(Z)−イソプロピルイミノ]−3−(o−トリル)−チアゾリジン−4−オン、
5−(3−クロロ−4−ヒドロキシ−ベンズ−(Z)−イリデン)−2−[(Z)−イソプロピルイミノ]−3−(3−クロロ−フェニル)−チアゾリジン−4−オン、
5−(3−クロロ−4−ヒドロキシ−ベンズ−(Z)−イリデン)−2−[(Z)−プロピルイミノ]−3−(o−トリル)−チアゾリジン−4−オン、
5−(4−ヒドロキシ−ベンズ−(Z)−イリデン)−2−[(Z)−プロピルイミノ]−3−フェニル−チアゾリジン−4−オン、
5−(4−ヒドロキシ−3−メトキシ−ベンズ−(Z)−イリデン)−2−[(Z)−プロピルイミノ]−3−フェニル−チアゾリジン−4−オン、
5−(4−ヒドロキシ−ベンズ−(Z)−イリデン)−2−[(Z)−ブチルイミノ]−3−フェニル−チアゾリジン−4−オン、
5−(4−ヒドロキシ−3−メトキシ−ベンズ−(Z)−イリデン)−2−[(Z)−ブチルイミノ]−3−フェニル−チアゾリジン−4−オン、
5−(4−ヒドロキシ−ベンズ−(Z)−イリデン)−2−[(Z)−プロピルイミノ]−3−(o−トリル)−チアゾリジン−4−オン及び
5−(4−ヒドロキシ−3−メトキシ−ベンズ−(Z)−イリデン)−2−[(Z)−プロピルイミノ]−3−(3−クロロフェニル)−チアゾリジン−4−オン。
【0021】
ここに記載された式(II)の化合物は、フェノールのアルキル化のための通常の方法を用いて、特許出願WO2005/054215に記載された一般式(II)の化合物に変換することができる。上記の通常の方法は、例えば、エタノール等の溶媒中での、水素化ナトリウム、炭酸セシウム、炭酸カリウム又はカリウム tert-ブトキシド等の塩基の存在下における、適宜なハロゲン化アルキル、アルキルトシレート又はアルキルトリフレ−トとの反応である。
【0022】
式(I)、式(II)又は構造3の化合物に対する上記又は下記のいずれの言及も、適切かつ好都合なように、そのような化合物の塩をも指すものと理解されるべきである。
【0023】
ここで用いられるC1−7アルキルという用語は、1から7の炭素原子をもつ飽和した、直鎖又は分岐鎖基を意味する。Rについて用いられるC1−7アルキル基は、好ましくは、n−プロピル、イソ−プロピル又はn−ブチルである。
【0024】
ここで用いられるC1−7アルコキシという用語は、RがC1−7アルキルであるR−O基を意味する。
【0025】
ここで用いられるハロゲンという用語は、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨード、好ましくはクロロを意味する。
【0026】
本発明によれば、式(I)又は(II)の化合物は、以下に記載された方法により製造される。一般に、それらは、下記の一般的反応スキーム中に概説した反応の一般的順序に従って製造される。
【0027】
一般的反応スキーム
【化4】

【0028】
一般的反応スキームによれば、式(I)の化合物は、酢酸等の溶媒中で、高温にて、酢酸ナトリウム等の塩基の存在下、式(I)の化合物を構造3の化合物と反応させることにより、方法Bに従って製造される。式(I)の所望の化合物は、ジクロロメタン等の溶媒中で、構造1のイソチオシアネートを、構造2のアミン、ブロモ-アセチルブロミド及びピリジン塩基と連続的に反応させることにより、方法Aに従って製造される。又、式(II)の化合物は、ジクロロメタン等の溶媒中で、構造1のイソチオシアネートを、構造2のアミン、ブロモ-アセチルブロミド及びピリジン塩基と連続的に反応させ、続いて、例えば酢酸等の溶媒中で、高温にて、酢酸ナトリウム等の塩基の存在下、構造3のアルデヒドを添加して、式(I)の化合物を単離及び/又は精製することなく、方法Cに従って製造することができる。構造1、2及び3の化合物は、商業的入手可能であるか、又は当業者に知られた手順に従って製造することができる。
【実施例】
【0029】
以下の実施例を用いて本発明を説明する。
【0030】
記載されたすべての温度は外部温度であり、摂氏度で述べてある。化合物は、H−NMR(400MHz)または13C−NMR(100MHz)によって(Bruker;化学シフトは、使用する溶媒と関連して、ppmで示してある;多重度:s=一重項、d=二重項、t=三重項;p=五重項、hex=六重項、hept=七重項、m=多重項、br=広域、結合定数は、Hzで示してある);LC−MSによって(HP 1100 Binary PumpおよびDADを備えたFinnigan Navigator、カラム:4.6×50mm、Zorbax SB−AQ、5μm、120Å、勾配:5〜95%のMアセトニトリル水溶液、1分、0.04%のトリフルオロ酢酸を含む、流速:4.5mL/分)特徴づけられ、tは、分で示してある。融点はBuchi融点装置B540で測定され、修正はされていない。
【0031】
略語
DMSO ジメチルスルホキシド
h 時間
LC−MS 液体クロマトグラフィー−質量分析
min 分
m.p. 融点
保持時間
【0032】
式(I)の2-イミノ-チアゾリジン-4-オンを製造するための代表的手順 (方法A)
構造1のアリールイソチオシアネートのジクロロメタン(20mL)溶液に、構造2のアルキルアミン(14.8mmol)を、20℃にて少量ずつ添加する。この溶液を20℃で15分間、撹拌する。溶液を0℃に冷却する。ブロモ−アセチルブロミド(1.287mL、14.8mmol)を、温度が5℃を超えないように、注意深く添加する。反応混合物を0℃で15分間、撹拌する。反応混合物にピリジン(2.453mL、30.3mmol)を、0℃にて添加する。混合物をさらに15分間、撹拌する。混合物を20℃に温める。反応混合物を水(10mL)で洗浄する。水相をジクロロメタン(10mL)で抽出する。有機相を合わせて、減圧下で溶媒を蒸発させ、式(I)の2−イミノ−チアゾリジン−4−オンを得る。
【0033】
骨格1
【化5】


2−[(Z)−イソプロピルイミノ]−3−フェニル−チアゾリジン−4−オンを、方法Aに記載されたように製造する。LC-MS: tR = 0.58 min, [M+1]+ = 235; 1H-NMR (CDCl3): δ 7.51-7.47 (m, 2H), 7.43-7.35 (m, 1H), 7.31-7.29 (m, 2H), 3.99 (s, 2H), 3.53 (hept, J = 6.2 Hz, 1H), 1.15 (d, J = 6.2 Hz, 6H); 13C-NMR (CDCl3): δ 171.3, 135.2, 129.0, 128.5, 128.0, 125.8, 53.8, 32.6, 23.2。
【0034】
骨格2
【化6】

3−フェニル−2−[(Z)−プロピルイミノ]−チアゾリジン−4−オンを、方法Aに記載されたように製造する。LC-MS: tR = 0.60 min, [M+1]+ = 235; 1H-NMR (CDCl3): δ 7.51-7.36 (m, 3H), 7.28-7.24 (m, 2H), 3.99 (s, 2H), 3.27 (t, J = 7.0 Hz, 2H), 1.60 (hex, J = 7.0 Hz, 2H), 0.91 (t, J = 7.6 Hz, 3H); 13C-NMR (CDCl3): δ 171.3, 135.1, 129.2, 128.7, 128.0, 121.0, 54.2, 32.7, 23.5, 11.8。
【0035】
骨格3
【化7】


2−[(Z)−n−ブチルイミノ]−3−フェニル−チアゾリジン−4−オンを、方法Aに記載されたように製造する。LC-MS: tR = 0.69 min, [M+1]+ = 249; 1H-NMR (CDCl3): δ 7.52-7.48 (m, 2H), 7.44-7.40 (m, 1H), 7.30-7.28 (m, 2H), 4.00 (s, 2H), 3.32 (t, J = 7.0 Hz, 2H), 1.58 (p, 2H), 1.35 (sex, J1 = 7.2, 2H), 0.93 (t, J = 7.4 Hz, 3H); 13C-NMR (CDCl3): δ 171.3, 135.1, 129.2, 128.7, 128.0, 121.0, 52.2, 32.7, 32.3, 20.5, 13.9。
【0036】
骨格4
【化8】


2−[(Z)−イソプロピルイミノ]−3−o−トリル−チアゾリジン−4−オンを方法Aに従って得る。LC-MS: tR = 0.67 min, [M+1]+ = 249; 1H-NMR (CDCl3): δ 7.35-7.28 (m, 3H), 7.15-7.13 (m, 1H), 4.00 (s, 2H), 3.51 (hept, J = 6.4 Hz, 1H), 2.18 (s, 3H), 1.12 (d, 3 H), 1.11 (d, 3H); 13C-NMR (CDCl3): δ 171.1, 136.1, 134.6, 131.1, 129.2, 128.6, 126.9, 53.9, 32.6, 23.4, 23.3, 17.6。
【0037】
骨格5
【化9】


2−[(Z)−イソプロピルイミノ]−3−(3−クロロフェニル)−チアゾリジン−4−オンを、方法Aに記載されたように製造する。LC-MS: tR = 0.76 min, [M+1]+ = 269; 1H-NMR (CDCl3): δ 7.43-7.20 (m, 4H), 3.98 (s, 2H), 3.51 (hept, J = 6.2 Hz, 1H), 1.15 (d, 6H); 13C-NMR (CDCl3): δ 171.0, 136.2, 134.4, 129.9, 128.7, 128.5, 126.4, 53.9, 32.5, 23.3。
【0038】
骨格6
【化10】

2−[(Z)−プロピルイミノ]−3−o−トリル−チアゾリジン−4−オンを方法Aに従って得る。
LC-MS: tR = 0.67 min, [M+1]+ = 249; 1H-NMR (CDCl3): δ 7.34-7.26 (m, 3H), 7.14-7.09 (m, 1H), 4.02 (s, 2H), 3.34-3.22 (m, 2H), 2.20 (s, 3H), 1.63-1.54 (m, 2H), 0.90 (t, J = 7.4 Hz, 3H); 13C-NMR (CDCl3): δ 171.1, 136.1, 134.5, 131.1, 129.4, 128.6, 127.1, 54.4, 32.6, 23.6, 17.6, 11.8。
【0039】
表1
式(I)の2−イミノ−チアゾリジン−4−オンの合成結果の要約
【表1】

【0040】
上記の表1に記載した異性体の比は、H−NMRで測定した、式(III)の副位置異性体に対する式(I)の主位置異性体の割合を意味する。
【化11】

【0041】
式(II)の化合物を得るための、式(I)の化合物の構造3の化合物とのKnoevenagel縮合の代表的な手順(方法B)
式(I)の2−イミノ−チアゾリジン−4−オン(4.27mmol)、構造3の4−ヒドロキシ−ベンズアルデヒド(4.27mmol)及び酢酸ナトリウム(700mg、8.54mmol)の酢酸アセトン(10mL)溶液を、60℃で15h撹拌する。懸濁液を20℃に冷却し、ろ過する。ヌッチェ上のケーキを水と酢酸の混合物(5mL、1/1 [v]/[v])で洗浄する。生成物を減圧乾燥する。
【0042】
実施例1:
【化12】


5−(3−クロロ−4−ヒドロキシ−ベンズ−(Z)−イリデン)−2−[(Z)−イソプロピルイミノ]−3−フェニル−チアゾリジン−4−オンを方法Bに従って得る。LC-MS: tR = 1.02 min, [M+1]+ = 373; 1H-NMR (重DMSO): δ 10.9 (s br, 1H), 7.68-7.65 (m, 2H), 7.52-7.49 (m, 3H), 7.45-7.35 (m, 3H), 7.15 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 3.55 (hept, J = 6.2 Hz, 1H), 1.10 (d, J = 6.2 Hz, 6H);13C-NMR (重DMSO): δ 166.0, 155.2, 146.1, 135.9, 132.4, 130.4, 129.3, 128.9, 128.8, 126.3, 121.0, 119.1, 117.7, 54.8, 24.0;m.p.: 270℃。
【0043】
実施例2:
【化13】


5−(3−クロロ−4−ヒドロキシ−ベンズ−(Z)−イリデン)−2−[(Z)−プロピルイミノ]−3−フェニル−チアゾリジン−4−オンを方法Bに従って得る。
LC-MS: tR = 1.01 min, [M+1]+ = 373; 1H-NMR (重DMSO): δ 10.2 (s br, 1H), 7.66 (s, 1H), 7.55-7.48 (m, 4H), 7.45-7.41 (m, 1H), 7.37-7.35 (m, 2H), 6.95 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 3.29 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 1.54 (hex, J= 7.3, 2H), 0.86 (t, J = 7.3 Hz, 3H);13C-NMR (重DMSO): δ 166.1, 155.2, 147.8, 135.9, 132.4, 130.3, 129.3, 128.9, 128.8, 126.3, 121.0, 119.2, 117.7, 54.7, 23.8, 12.2;m.p.: 200℃。
【0044】
実施例3:
【化14】


5−(3−クロロ−4−ヒドロキシ−ベンズ−(Z)−イリデン)−2−[(Z)−ブチルイミノ]−3−フェニル−チアゾリジン−4−オンを方法Bに従って得る。
LC-MS: tR= 1.05 min, [M+1]+ = 387; 1H-NMR (重DMSO): δ 11.0 (s br, 1H), 7.69-7.66 (m, 2H), 7.52-7.48 (m, 3H), 7.45-7.41 (m, 1H), 7.37-7.35 (m, 2H), 7.15 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 3.33 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 1.54-1.46 (m, 2H), 1.34-1.25 (m, 2H), 0.87 (t, J = 7.3 Hz, 3H);13C-NMR (重DMSO): δ 166.0, 155.4, 147.7, 135.9, 132.5, 130.3, 129.4, 128.95, 128.86, 128.2, 126.2, 121.0, 119.1, 117.7, 52.7, 32.7, 20.4, 14.2;m.p.: 192℃。
【0045】
実施例4:
【化15】

5−(3−クロロ−4−ヒドロキシ−ベンズ−(Z)−イリデン)−2−[(Z)−イソプロピルイミノ]−3−(o−トリル)−チアゾリジン−4−オンを方法Bに従って得る。
LC-MS: tR= 1.04 min, [M+1]+ = 387; 1H-NMR (重DMSO): δ 11.0 (s br, 1H), 7.70-7.66 (m, 2H), 7.53-7.51 (m, 1H), 7.38-7.25 (m, 4H), 7.15 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 3.55 (hept, J = 6.0 Hz, 1H), 2.08 (s, 3H), 1.10 (d, J = 5.9 Hz, 3H), 1.08 (d, 3H);13C-NMR (重DMSO): δ 165.8, 155.3, 145.3, 136.3, 135.2, 132.5, 131.1, 130.4, 129.50, 129.46, 129.0, 127.3, 126.2, 121.1, 119.0, 117.7, 54.9, 24.1, 24.0, 17.6;m.p.: 252℃。
【0046】
実施例5:
【化16】

5−(3−クロロ−4−ヒドロキシ−ベンズ−(Z)−イリデン)−2−[(Z)−イソプロピルイミノ]−3−(3−クロロ−フェニル)−チアゾリジン−4−オンを方法Bに従って得る。
LC-MS: tR= 1.07 min, [M+1]+ = 407; 1H-NMR (重DMSO): δ 11.0 (s br, 1H), 7.68-7.67 (m, 2H), 7.56-7.49 (m, 4H), 7.39-7.37 (m, 1H), 7.15 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 3.55 (hept, J = 6.0 Hz, 1H), 1.10 (d, J = 6.5 Hz, 3H);13C-NMR (重DMSO): δ 165.9, 155.5, 145.9, 137.2, 133.3, 132.5, 130.9, 130.4, 129.05, 129.01, 128.9, 127.9, 126.1, 121.1, 118.8, 117.8, 54.8, 24.0;
m.p.: 272℃。
【0047】
実施例6:
【化17】


5−(3−クロロ−4−ヒドロキシ−ベンズ−(Z)−イリデン)−2−[(Z)−プロピルイミノ]−3−(o−トリル)−チアゾリジン−4−オンを方法Bに従って得る。
LC-MS: tR= 1.03 min, [M+1]+ = 387; 1H-NMR (重DMSO): δ 11.0 (s br, 1H), 7.70-7.67 (m, 2H), 7.53-7.51 (m, 1H), 7.38-7.25 (m, 4H), 7.15 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 3.36-3.24 (m, 2H), 2.09 (s, 3H), 1.56-1.47 (m, 2H), 0.84 (t, J = 7.3 Hz, 3H);13C-NMR (重DMSO): δ 165.8, 155.3, 147.0, 136.3, 135.2, 132.5, 131.1, 130.3, 129.53, 129.50, 129.0, 127.3, 126.2, 121.1, 119.0, 117.8, 54.8, 23.9, 17.6, 12.2;m.p.: 199℃。
【0048】
表2:方法Bに従って式(II)の化合物を生成させるためのKnoevenagel反応の結果の要約
【表2】

【0049】
式(II)のKnoevenagel生成物の代表的なワン・ポット製造手順(方法C)

構造(I)のアリールイソチオシアネート(14.8mmol)のジクロロメタン(20mL)溶液に、構造2のアルキル(14.8mmol)を、20℃で、少量づつ添加する。溶液を20℃で15分間撹拌する。溶液を0℃に冷却する。ブロモ−アセチルブロミド(1.287mL、14.8mmol)を、温度が5℃を超えないように、注意深く添加する。反応混合物を0℃で15分間、撹拌する。反応混合物にピリジン(2.453mL、30.3mmol)を、0℃にて添加する。混合物をさらに15分間、撹拌する。混合物を20℃に温める。式(I)と(III)の位置異性体の比率を測定するためにインプロセス制御を行う。ジクロロメタンを減圧下で除去する。残渣に、構造3の4−ヒドロキシ−ベンズアルデヒド(14.8mmol)、酢酸ナトリウム(2.427g、29.6mmol)及び酢酸(20mL)を添加する。反応混合物を60℃で15h撹拌する。懸濁液を20℃に冷却して、水(20mL)を添加する。懸濁液をろ過する。ヌッチェ上のケーキを水と酢酸の混合物(10mL、1/1 [v]/[v])で洗浄する。生成物を減圧乾燥する。
【0050】
代替方法Cにおいては、以下の変形を除いては、上記の方法Cと同じ手順が行われる:ジクロロメタンの大部分は、高温(55−65℃)で、周囲圧にて除去される。構造3のベンズアルデヒドとの反応後に、懸濁液を20℃に冷却して水を添加する代わりに、75〜85℃にて、減圧下、より多くの溶媒を除去し、水(20mL)を60℃にて添加する。続いて、懸濁液をろ過し、ヌッチェ上のケーキを水と酢酸の混合物(10mL)で洗浄し、任意に、水(10ml)で洗浄する。続いて、生成物を、20−75℃で減圧乾燥する。
【0051】
実施例7:
【化18】

5−(3−クロロ−4−ヒドロキシ−ベンズ−(Z)−イリデン)−2−[(Z)−イソプロピルイミノ]−3−フェニル−チアゾリジン−4−オンを方法Cに従って得る。分析データについては、実施例1を見よ。
【0052】
実施例8:
【化19】


5−(4−ヒドロキシ−ベンズ−(Z)−イリデン)−2−[(Z)−プロピルイミノ]−3−フェニル−チアゾリジン−4−オンを方法Cに従って得る。
LC-MS: tR= 0.93 min, [M+1]+ = 339; 1H-NMR (重DMSO): δ 10.2 (s br, 1H), 7.66 (s, 1H), 7.55-7.48 (m, 4H), 7.45-7.41 (m, 1H), 7.37-7.35 (m, 2H), 6.95 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 3.29 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 1.54 (hex, J= 7.3, 2H), 0.86 (t, J = 7.3 Hz, 3H);13C-NMR (重DMSO): δ 166.3, 159.9, 148.2, 136.0, 132.6, 130.3, 129.3, 129.0, 128.8, 125.0, 117.3, 116.8, 54.6, 23.8, 12.2;m.p.: 232℃。
【0053】
実施例9:
【化20】

5−(3−クロロ−4−ヒドロキシ−ベンズ−(Z)−イリデン)−2−[(Z)−プロピルイミノ]−3−フェニル−チアゾリジン−4−オンを方法Cに従って得る。分析データについては、実施例2を見よ。
【0054】
実施例10:
【化21】


5−(4−ヒドロキシ−3−メトキシ−ベンズ−(Z)−イリデン)−2−[(Z)−プロピルイミノ]−3−フェニル−チアゾリジン−4−オンを方法Cに従って得る。
LC-MS: tR= 0.95 min, [M+1]+ = 369; 1H-NMR (重DMSO): δ 9.84 (s br, 1H), 7.69 (s, 1H), 7.53-7.49 (m, 2H), 7.45-7.42 (m, 1H), 7.38-7.36 (m, 2H), 7.26 (s, 1H), 7.16 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 6.97 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 3.84 (s, 3 H), 3.30 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 1.54 (hex, J= 7.3, 2H), 0.86 (t, J = 7.3 Hz, 3H);13C-NMR (重DMSO): δ 166.2, 149.4, 148.4, 135.9, 130.7, 129.4, 129.0, 128.8, 125.4, 123.9, 121.0, 117.5, 116.7, 115.1, 56.2, 54.5, 23.8, 12.2;m.p.: 173℃。
【0055】
実施例11:
【化22】


5−(4−ヒドロキシ−ベンズ−(Z)−イリデン)−2−[(Z)−ブチルイミノ]−3−フェニル−チアゾリジン−4−オンを方法Cに従って得る。
LC-MS: tR= 0.98 min, [M+1]+ = 353; 1H-NMR (重DMSO): δ 10.2 (s br, 1H), 7.67 (s, 1H), 7.55-7.48 (m, 4H), 7.44-7.41 (m, 1H), 7.37-7.35 (m, 2H), 6.95 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 3.33 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 1.54-1.47 (m, 2H), 1.34-1.25 (m, 2H), 0.87 (t, J = 7.3 Hz, 3H);13C-NMR (重DMSO): δ 166.3, 159.9, 148.1, 136.0, 132.6, 130.3, 129.3, 129.0, 128.8, 125.0, 117.3, 116.7, 52.7, 32.7, 20.4, 14.2;m.p.: 228℃。
【0056】
実施例12:
【化23】

5−(3−クロロ−4−ヒドロキシ−ベンズ−(Z)−イリデン)−2−[(Z)−ブチルイミノ]−3−フェニル−チアゾリジン−4−オンを方法Cに従って得る。分析データについては、実施例3を見よ。
【0057】
実施例13:
【化24】

5−(4−ヒドロキシ−3−メトキシ−ベンズ−(Z)−イリデン)−2−[(Z)−ブチルイミノ]−3−フェニル−チアゾリジン−4−オンを方法Cに従って得る。
LC-MS: tR= 0.99 min, [M+1]+ = 383; 1H-NMR (重DMSO): δ 9.86 (s br, 1H), 7.68 (s, 1H), 7.52-7.49 (m, 2H), 7.45-7.41 (m, 1H), 7.37-7.35 (m, 2H), 7.26 (s, 1H), 7.15 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 6.97 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 3.84 (s, 3H), 3.34 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 1.54-1.46 (m, 2H), 1.34-1.25 (m, 2H), 0.87 (t, J = 7.3 Hz, 3H);13C-NMR (重DMSO): δ 166.2, 149.4, 148.4, 148.1, 136.0, 130.6, 129.3, 129.0, 128.8, 125.5, 123.9, 117.5, 116.7, 115.1, 56.2, 52.6, 32.6, 20.3, 14.2;m.p.: 164℃。
【0058】
実施例14:
【化25】

5−(3−クロロ−4−ヒドロキシ−ベンズ−(Z)−イリデン)−2−[(Z)−イソプロピルイミノ]−3−(o−トリル)−チアゾリジン−4−オンを方法Cに従って得る。分析データについては、実施例4を見よ。
【0059】
実施例15:
【化26】

5−(4−ヒドロキシ−ベンズ−(Z)−イリデン)−2−[(Z)−プロピルイミノ]−3−(o−トリル)−チアゾリジン−4−オンを方法Cに従って得る。
LC-MS: tR= 0.97 min, [M+1]+ = 353; 1H-NMR (重DMSO): δ 11.1 (s br, 1H), 7.67 (s, 1H), 7.55-7.54 (m, 2H), 7.38-7.24 (m, 4H), 6.95 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 3.36-3.24 (m, 2H), 2.09 (s, 3H), 1.56-1.47 (m, 2H), 0.84 (t, J = 7.3 Hz, 3H);13C-NMR (重DMSO): δ 166.0, 159.9, 147.5, 136.3, 135.3, 132.7, 131.1, 130.4, 129.6, 129.4, 127.3, 124.9, 117.2, 116.8, 54.7, 23.9, 17.6, 12.2;m.p.: 198℃。
【0060】
実施例16
【化27】

5−(3−クロロ−4−ヒドロキシ−ベンズ−(Z)−イリデン)−2−[(Z)−プロピルイミノ]−3−(o−トリル)−チアゾリジン−4−オンを方法Cに従って得る。分析データについては、実施例6を見よ。
【0061】
実施例17
【化28】

5−(4−ヒドロキシ−3−メトキシ−ベンズ−(Z)−イリデン)−2−[(Z)−プロピルイミノ]−3−(3−クロロフェニル)−チアゾリジン−4−オンを方法Cに従って得る。
LC-MS: tR= 1.02 min, [M+1]+ = 403; 1H-NMR (重DMSO): δ 9.86 (s br, 1H), 7.69 (s, 1H), 7.56-7.50 (m, 3H), 7.40-7.37 (m, 1H), 7.26 (s, 1H), 7.16 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 6.97 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 3.85 (s, 3H), 3.30 (t, J = 6.9 Hz, 2H), 1.59-1.50 (m, 2H), 0.87 (t, J = 7.4 Hz, 3H);13C-NMR (重DMSO): δ 166.0, 149.5, 148.4, 148.0, 137.2, 133.3, 130.86, 130.80, 129.1, 128.9, 128.0, 125.4, 123.9, 117.5, 116.7, 115.2, 56.2, 54.5, 23.9, 12.2;m.p.: 200℃。
【0062】
Table 3:方法Cに従う、式(II)の化合物のワン・ポット製造手順の結果
【表3】

【0063】
上記の表3に記載した異性体の比は、式(III)の副位置異性体に対する式(I)の主位置異性体の割合を意味し、当該異性体は、式(II)の化合物の製造において中間体として生じる。異性体の比率は、イン・プロセス制御において、LC−MSにより測定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物:
【化1】

(式中、Rは、1、2又は3個の置換基によって置換されていてもよいフェニルを表し、当該置換基は、C1−7−アルキル及びハロゲンより独立に選択され;RはC1−7−アルキルを表す。)を製造するための方法であって、
が式(I)に対して定義した意味を有する式R−N=C=Sの化合物を、Rが式(I)に対して定義した意味を有する式R−NHの化合物と反応させ、続いてブロモ−アセチルブロミド及びピリジン塩基との反応を行うことを含む当該方法。
【請求項2】
中間体の単離及び/又は精製が起こらない、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ピリジン塩基がピリジンである、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
が、1個のC1−7−アルキル又はハロゲンで置換されていてもよいフェニルを表し、Rが、C1−7−アルキルを表す、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
が、1個のメチル又はクロロで置換されていてもよいフェニルを表し、Rが、プロピル、イソプロピル又はブチルを表す、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
2−[(Z)−イソプロピルイミノ]−3−フェニル−チアゾリジン−4−オン、
3−フェニル−2−[(Z)−プロピルイミノ]−チアゾリジン−4−オン、
2−[(Z)−n−ブチルイミノ]−3−フェニル−チアゾリジン−4−オン、
2−[(Z)−イソプロピルイミノ]−3−o−トリル−チアゾリジン−4−オン、
2−[(Z)−イソプロピルイミノ]−3−(3−クロロフェニル)−チアゾリジン−4−オン及び
2−[(Z)−プロピルイミノ]−3−o−トリル−チアゾリジン−4−オン、
から成る群より選択される化合物を製造するための、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
式(II)の化合物:
【化2】

(式中、R及びRは、請求項1の式(I)に対して定義した意味を有し;Rは、水素、ヒドロキシ、C1−7−アルコキシ又はハロゲンを表す。)の製造のための方法であって、
請求項1〜3のいずれかに記載の方法に従って式(I)の化合物を製造すること、及び、そのような式(I)の化合物を構造3の化合物:
【化3】

(式中、Rは、上記式(II)に対して定義した意味を有する。)と反応させることを含む当該方法。
【請求項8】
式(I)の化合物を構造3の化合物と、酢酸及び塩基の存在下で、高温にて反応させる、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
が請求項1の式(I)に対して定義した意味を有する式R−N=C=Sの化合物を、Rが請求項1の式(I)に対して定義した意味を有する式R−NHの化合物と反応させ、続いて、ブロモ−アセチルブロミド及びピリジン塩基との反応を行って、請求項1に記載の式(I)の化合物を得、続いて、Rが請求項7で定義した意味を有する構造3の化合物との反応を行うことを含む、請求項7に記載の式(II)の化合物の製造のための方法であって、
当該式(I)の化合物が単離及び/又は精製されないことを特徴とする当該方法。
【請求項10】
式(I)の化合物の生成がジクロロメタンの存在下で起き、続いて、酢酸溶媒中、塩基の存在下、高温にて、構造3の化合物との反応が起こるように、溶媒の変換を行う、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記ピリジン塩基がピリジンである、請求項9又は10に記載の方法。
【請求項12】
が1個のC1−7−アルキル又はハロゲンで置換されていてもよいフェニルを表し、RがC1−7−アルキルを表し、Rが水素、C1−7−アルコキシ又はハロゲンを表す、請求項7〜11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
が1個のメチル又はクロロで置換されていてもよいフェニルを表し、Rがプロピル、イソプロピル又はブチルを表し、Rが水素、メトキシ又はクロロを表す、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
5−(3−クロロ−4−ヒドロキシ−ベンズ−(Z)−イリデン)−2−[(Z)−イソプロピルイミノ]−3−フェニル−チアゾリジン−4−オン、
5−(3−クロロ−4−ヒドロキシ−ベンズ−(Z)−イリデン)−2−[(Z)−プロピルイミノ]−3−フェニル−チアゾリジン−4−オン、
5−(3−クロロ−4−ヒドロキシ−ベンズ−(Z)−イリデン)−2−[(Z)−ブチルイミノ]−3−フェニル−チアゾリジン−4−オン、
5−(3−クロロ−4−ヒドロキシ−ベンズ−(Z)−イリデン)−2−[(Z)−イソプロピルイミノ]−3−(o−トリル)−チアゾリジン−4−オン、
5−(3−クロロ−4−ヒドロキシ−ベンズ−(Z)−イリデン)−2−[(Z)−イソプロピルイミノ]−3−(3−クロロ−フェニル)−チアゾリジン−4−オン、
5−(3−クロロ−4−ヒドロキシ−ベンズ−(Z)−イリデン)−2−[(Z)−プロピルイミノ]−3−(o−トリル)−チアゾリジン−4−オン、
5−(4−ヒドロキシ−ベンズ−(Z)−イリデン)−2−[(Z)−プロピルイミノ]−3−フェニル−チアゾリジン−4−オン、
5−(4−ヒドロキシ−3−メトキシ−ベンズ−(Z)−イリデン)−2−[(Z)−プロピルイミノ]−3−フェニル−チアゾリジン−4−オン、
5−(4−ヒドロキシ−ベンズ−(Z)−イリデン)−2−[(Z)−ブチルイミノ]−3−フェニル−チアゾリジン−4−オン、
5−(4−ヒドロキシ−3−メトキシ−ベンズ−(Z)−イリデン)−2−[(Z)−ブチルイミノ]−3−フェニル−チアゾリジン−4−オン、
5−(4−ヒドロキシ−ベンズ−(Z)−イリデン)−2−[(Z)−プロピルイミノ]−3−(o−トリル)−チアゾリジン−4−オン及び
5−(4−ヒドロキシ−3−メトキシ−ベンズ−(Z)−イリデン)−2−[(Z)−プロピルイミノ]−3−(3−クロロフェニル)−チアゾリジン−4−オン、
から成る群より選択される化合物を製造するための、請求項7〜11のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
5−(3−クロロ−4−ヒドロキシ−ベンズ−(Z)−イリデン)−2−[(Z)−イソプロピルイミノ]−3−フェニル−チアゾリジン−4−オン、
5−(4−ヒドロキシ−ベンズ−(Z)−イリデン)−2−[(Z)−プロピルイミノ]−3−フェニル−チアゾリジン−4−オン、
5−(3−クロロ−4−ヒドロキシ−ベンズ−(Z)−イリデン)−2−[(Z)−プロピルイミノ]−3−フェニル−チアゾリジン−4−オン、
5−(4−ヒドロキシ−3−メトキシ−ベンズ−(Z)−イリデン)−2−[(Z)−プロピルイミノ]−3−フェニル−チアゾリジン−4−オン、
5−(4−ヒドロキシ−ベンズ−(Z)−イリデン)−2−[(Z)−ブチルイミノ]−3−フェニル−チアゾリジン−4−オン、
5−(3−クロロ−4−ヒドロキシ−ベンズ−(Z)−イリデン)−2−[(Z)−ブチルイミノ]−3−フェニル−チアゾリジン−4−オン、
5−(4−ヒドロキシ−3−メトキシ−ベンズ−(Z)−イリデン)−2−[(Z)−ブチルイミノ]−3−フェニル−チアゾリジン−4−オン、
5−(3−クロロ−4−ヒドロキシ−ベンズ−(Z)−イリデン)−2−[(Z)−イソプロピルイミノ]−3−(o−トリル)−チアゾリジン−4−オン、
5−(4−ヒドロキシ−ベンズ−(Z)−イリデン)−2−[(Z)−プロピルイミノ]−3−(o−トリル)−チアゾリジン−4−オン、
5−(3−クロロ−4−ヒドロキシ−ベンズ−(Z)−イリデン)−2−[(Z)−プロピルイミノ]−3−(o−トリル)−チアゾリジン−4−オン及び
5−(4−ヒドロキシ−3−メトキシ−ベンズ−(Z)−イリデン)−2−[(Z)−プロピルイミノ]−3−(3−クロロフェニル)−チアゾリジン−4−オン、
から成る群より選択される化合物を製造するための、請求項7〜11のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
式(II)の化合物:
【化4】

式中、
は、1、2又は3個の置換基によって置換されていてもよいフェニルを表し、当該置換基は、C1−7−アルキル及びハロゲンより独立に選択され;
は、C1−7−アルキルを表し;そして
は、水素、ヒドロキシ、C1−7−アルコキシ又はハロゲンを表す。
【請求項17】
が、1個のC1−7−アルキル又はハロゲンで置換されていてもよいフェニルを表し;
が、C1−7−アルキルを表し;そして
が、水素、C1−7−アルコキシ又はハロゲンを表す、請求項16に記載の化合物。
【請求項18】
が、1個のメチル又はクロロで置換されていてもよいフェニルを表し、Rが、プロピル、イソプロピル又はブチルを表し、Rが水素、メトキシ又はクロロを表す、請求項17に記載の化合物。
【請求項19】
5−(3−クロロ−4−ヒドロキシ−ベンズ−(Z)−イリデン)−2−[(Z)−イソプロピルイミノ]−3−フェニル−チアゾリジン−4−オン、
5−(3−クロロ−4−ヒドロキシ−ベンズ−(Z)−イリデン)−2−[(Z)−プロピルイミノ]−3−フェニル−チアゾリジン−4−オン、
5−(3−クロロ−4−ヒドロキシ−ベンズ−(Z)−イリデン)−2−[(Z)−ブチルイミノ]−3−フェニル−チアゾリジン−4−オン、
5−(3−クロロ−4−ヒドロキシ−ベンズ−(Z)−イリデン)−2−[(Z)−イソプロピルイミノ]−3−(o−トリル)−チアゾリジン−4−オン、
5−(3−クロロ−4−ヒドロキシ−ベンズ−(Z)−イリデン)−2−[(Z)−イソプロピルイミノ]−3−(3−クロロ−フェニル)−チアゾリジン−4−オン、
5−(3−クロロ−4−ヒドロキシ−ベンズ−(Z)−イリデン)−2−[(Z)−プロピルイミノ]−3−(o−トリル)−チアゾリジン−4−オン、
5−(4−ヒドロキシ−ベンズ−(Z)−イリデン)−2−[(Z)−プロピルイミノ]−3−フェニル−チアゾリジン−4−オン、
5−(4−ヒドロキシ−3−メトキシ−ベンズ−(Z)−イリデン)−2−[(Z)−プロピルイミノ]−3−フェニル−チアゾリジン−4−オン、
5−(4−ヒドロキシ−ベンズ−(Z)−イリデン)−2−[(Z)−ブチルイミノ]−3−フェニル−チアゾリジン−4−オン、
5−(4−ヒドロキシ−3−メトキシ−ベンズ−(Z)−イリデン)−2−[(Z)−ブチルイミノ]−3−フェニル−チアゾリジン−4−オン、
5−(4−ヒドロキシ−ベンズ−(Z)−イリデン)−2−[(Z)−プロピルイミノ]−3−(o−トリル)−チアゾリジン−4−オン及び
5−(4−ヒドロキシ−3−メトキシ−ベンズ−(Z)−イリデン)−2−[(Z)−プロピルイミノ]−3−(3−クロロフェニル)−チアゾリジン−4−オン、
から成る群より選択される、請求項16〜18のいずれかに記載の化合物。

【公表番号】特表2010−510976(P2010−510976A)
【公表日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−537744(P2009−537744)
【出願日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際出願番号】PCT/IB2007/054752
【国際公開番号】WO2008/062376
【国際公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【出願人】(500226786)アクテリオン ファーマシューティカルズ リミテッド (151)
【氏名又は名称原語表記】Actelion Pharmaceuticals Ltd
【住所又は居所原語表記】Gewerbestrass 16,CH−4123 Allschwil,Switzerland
【Fターム(参考)】