説明

2−ピリジニルエチルカルボキサミド誘導体及び殺真菌剤としてのそれらの使用

一般式(I)の化合物。該化合物を調製する方法。一般式(I)の化合物を含む殺真菌組成物。一般式(I)の化合物又は該化合物を含む組成物を適用することによって、植物を治療する方法。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規N−[2−(2−ピリジニル)エチル]カルボキサミド誘導体、それらの調製方法、殺真菌剤、特に殺真菌組成物の形態の殺真菌剤としてのそれらの使用、及びこれらの化合物又はそれらの組成物を使用して植物の植物病原性真菌を抑制する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
国際特許出願WO 01/11965は、幅広い殺真菌化合物のファミリーを開示している。N−[2−(2−ピリジニル)エチル]カルボキサミド誘導体の具体的な開示は存在しない。
【0003】
農薬の分野では、当業者既知の化合物より活性が高く、そのため等しい有効性を保持しながらもより少ない量の化合物を使用できる殺虫化合物を使用することに常に強い関心が寄せられている。
【0004】
本発明者らは、このような化合物の一般的な公知のファミリーに比べて、増強された殺真菌活性を示す化合物の新規ファミリーを見出した。
【発明の開示】
【0005】
従って、本発明は、一般式(I)の化合物並びにその塩、N−オキシド、金属錯体、准金属錯体及び光学的に活性な異性体に関する。
【0006】
【化6】

(式中、
−nは、1、2、又は3であり;
−Rは、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルであり;
−各置換基Xは、他と独立に、水素原子、ハロゲン原子、C−Cアルキル又はC−Cハロゲノアルキルとして選択され;
−R、R、R及びRは、他と独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基,アミノ基、スルファニル基、ホルミル基、ホルミルオキシ基、ホルミルアミノ基、カルボキシ基、カルバモイル基、N−ヒドロキシカルバモイル基、カルバメート基、(ヒドロキシイミノ)−C−C−アルキル基、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、C−C−アルコキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルコキシ、C−C−アルキルスルファニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルスルファニル、C−C−アルケニルオキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルケニルオキシ、C−C−アルキニルオキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキニルオキシ、C−C−シクロアルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノシクロアルキル、C−C−アルキルカルボニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルカルボニル、C−C−アルキルカルバモイル、ジ−C−C−アルキルカルバモイル、N−C−C−アルキルオキシカルバモイル、C−C−アルコキシカルバモイル、N−C−C−アルキル−C−C−アルコキシカルバモイル、C−C−アルコキシカルボニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルコキシカルボニル、C−C−アルキルカルボニルオキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルカルボニルオキシ、C−C−アルキルカルボニルアミノ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルカルボニルアミノ、C−C−アルキルアミノカルボニルオキシ、ジ−C−C−アルキルアミノカルボニルオキシ、C−C−アルキルオキシカルボニルオキシ、C−C−アルキルスルフェニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルスルフェニル、C−C−アルキルスルフィニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルスルホニル、ベンジル、ベンジルオキシ、ベンジルスルファニル、ベンジルスルフィニル、ベンジルスルホニル、ベンジルアミノ、フェノキシ、フェニルスルファニル、フェニルスルフィニル、フェニルスルホニル、フェニルアミノ、フェニルカルボニルアミノ、2,6ジクロロフェニル−カルボニルアミノ基若しくはフェニル基として選択され、;又はRとRは、両者で、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル若しくはシクロヘキシルを形成することができ;
但し、4つの置換基R、R、R及びRのうち3つが水素原子である場合には、4つ目の置換基は水素原子ではなく;
−Rは、水素原子、シアノ基、ホルミル基、ヒドロキシ基、C−C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキル、C−C−アルコキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルコキシ、C−C−シクロアルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノシクロアルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−シアノアルキル、C−C−アミノアルキル、C−C−アルキルアミノ−C−C−アルキル、ジ−C−C−アルキルアミノ−C−C−アルキル、C−C−アルキルカルボニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲンアルキルカルボニル、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−シクロアルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノシクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキル、C−C−ベンジルオキシカルボニル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキルカルボニル、C−C−アルキルスルホニル又は1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルスルホニルとして選択され;
−Hetは、同一又は異別であり得る1、2又は3個の複素原子を有する5−、6−又は7員の非縮合複素環を表し、Hetは、炭素原子によって連結されており、少なくともオルト位において置換されている。)
本発明において、
−ハロゲンは、フッ素、臭素、塩素又はヨウ素を意味し;
−複素原子は、N、O又はSを意味し;
−カルボキシは、−C(=O)OHを意味し;
−カルボニルは、−C(=O)−を意味し;
−カルバモイルは、−C(=O)NHを意味し;
−N−ヒドロキシカルバモイルは、−C(=O)NHOHを意味し;
−アルキル基、アルケニル基及びアルキニル基並びにこれらの用語を含有する部分は、直鎖又は分枝鎖とすることができる。
【0007】
本発明において、二置換されたアミノ及び二置換されたカルバモイル基の場合には、2個の置換基は、それらを有する窒素原子とともに、3から7個の原子を含有する飽和複素環を形成し得ることも理解しなければならない。
【0008】
本発明において、2−ピリジルは、あらゆる位置において、(X)及びR(X、R及びnは上記定義のとおりである。)によって置換され得る。好ましくは、本発明は、以下のように、異なる特徴を単独で又は組み合わせて選択することができる一般式(I)のN−[2−2−(ピリジニル)エチル]カルボキサミド誘導体に関する。
【0009】
−nに関しては、nは、1又は2である。より好ましくは、nは1である。
【0010】
−Xに関しては、Xは、好ましくは、ハロゲン原子として選択される。より好ましくは、Xは塩素である;
に関しては、Rは、好ましくは、−CFとして選択される;
−2−ピリジルが置換される位置に関しては、2−ピリジルは、3位及び/又は5位で置換される。より好ましくは、2−ピリジルは、3位がXによって置換されており、5位がRによって置換されている。
【0011】
より好ましくは、2−ピリジルは、3位がClによって置換されており、5位が−CFによって置換されている。
【0012】
本発明において、式(I)の化合物の「エチルアミド部分」の2個の炭素原子及び窒素原子は、それぞれ、R及びR、R及びR、並びにRによって置換されており、少なくとも一つの置換基R、R、R及びRは、水素とは異なる。好ましくは、本発明は、以下のように、異なる特徴を単独で又は組み合わせて選択することができる一般式(I)のN−[2−2−(ピリジニル)エチル]カルボキサミド誘導体にも関する。
【0013】
−R及びRに関しては、R及びRは、互いに独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、C−C−アルキル、1ないし5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキル、C−Cアルケニル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルスルファニル、C−C−アルキルスルフェニル、C−C−アルキルスルフィニル、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−アルキルカルボニルアミノ、C−C−アルコキシカルボニルオキシ、C−C−アルコキシカルボニルアミノ又はフェニル基として選択され得る。より好ましくは、R及びRは、互いに独立に、ハロゲン原子、C−C−アルキル、1ないし5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキル又はC−C−アルキルカルボニルアミノとして選択され得る。
【0014】
−R及びRに関しては、R及びRは、互いに独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C−C−アルキル、1ないし5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキル、C−C−アルキルカルボニルアミノ又はフェニル基として選択され得る。より好ましくは、R及びRは、互いに独立に、ハロゲン原子、C−C−アルキル、1ないし5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキル又はフェニル基として選択され得る。
【0015】
−Rに関しては、Rは、水素原子又はC−C−シクロアルキルとして選択され得る。
【0016】
本発明によれば、一般式(I)の化合物の「Het」は、五員環の複素環であり得る。Hetが五員環の複素環である本発明の化合物の具体例には、以下のものが含まれる。
【0017】
*Hetは、一般式(Het−1)の複素環を表す。
【0018】
【化7】

(−R及びRは、同一又は異別であり得、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、ニトロ基、C−C−アルキル又は1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルであり得、
−Rは、ハロゲン原子、ニトロ基、C−C−アルキル又は1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルであり得る。)
*Hetは、一般式(Het−2)の複素環を表す。
【0019】
【化8】

(−Rは、水素原子、ハロゲン原子、C−C−アルキル又は1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルであり得;並びに、
−R10及びR11は、同一又は異別であり得、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、C−C−アルキル又は1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルであり得る;
但し、R及びR11の両者が水素原子となることはない。)
*Hetは、一般式(Het−3)の複素環を表す。
【0020】
【化9】

(−R12は、ハロゲン原子、C−C−アルキル又は1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルであり得;及び、
−R13は、水素原子、C−C−アルキル又は1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルであり得る。)
*Hetは、一般式(Het−4)の複素環を表す。
【0021】
【化10】

(R14及びR15は、同一又は異別とすることができ、及び水素原子、ハロゲン原子、C−C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキル、C−C−アルキルチオ、C−C−アルキルスルホニル、ハロゲン原子若しくはC−C−アルキルによって必要に応じて置換されたフェニル、またはハロゲン原子若しくはC−C−アルキルによって必要に応じて置換されたピリジルであり得;並びに、
−R16は、ハロゲン原子、シアノ基、C−C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキル又は1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルコキシであり得る。)
*Hetは、一般式(Het−5)の複素環を表す。
【0022】
【化11】

(−R17及びR18は、同一又は異別とすることができ、及び水素原子、ハロゲン原子、C−C−アルキル、C−C−アルキルオキシ又は1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルであり得;及び、
−R19は、水素原子、ハロゲン原子、C−C−アルキル又は1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルであり得る。
【0023】
但し、R18及びR19の両者が水素原子となることはない。)
*Hetは、一般式(Het−6)の複素環を表す。
【0024】
【化12】

(−R20は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C−C−アルキル又は1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルであり得;、
−R21及びR23は、同一又は異別であり得、及び水素原子、ハロゲン原子、C−C−アルキル又は1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルであり得る;並びに
−R22は、水素原子、シアノ基、C−C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、ヒドロキシ−C−C−アルキル、C−C−アルキルスルホニル、ジ(C−C−アルキル)アミノスルホニル、C−C−アルキルカルボニル、ハロゲン原子若しくはC−C−アルキルによって必要に応じて置換されたフェニルスルホニル又はハロゲン原子若しくはC−C−アルキルによって必要に応じて置換されたベンゾイルであり得;
但し、R20及びR23の両者が水素原子となることはない。)
*Hetは、一般式(Het−7)の複素環を表す。
【0025】
【化13】

(−R24は、水素原子、シアノ基、C−C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、ヒドロキシ−C−C−アルキル、C−C−アルキルスルホニル、ジ(C−C−アルキル)アミノスルホニル、C−C−アルキルカルボニル、ハロゲン原子若しくはC−C−アルキルによって必要に応じて置換されたフェニルスルホニル又はハロゲン原子若しくはC−C−アルキルによって必要に応じて置換されたベンゾイルであり得;並びに
−R25、R26及びR27は、同一又は異別であり得、及び水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C−C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキル又はC−C−アルキルカルボニルであり得る;
但し、R24及びR27の両者が水素原子となることはない。)
*Hetは、一般式(Het−8)の複素環を表す。
【0026】
【化14】

(−R28は、水素原子又はC−C−アルキルであり得;及び
−R29は、ハロゲン原子、C−C−アルキル又は1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルであり得る。)
*Hetは、一般式(Het−9)の複素環を表す。
【0027】
【化15】

(−R30は、水素原子又はC−C−アルキルであり得;及び
−R31は、ハロゲン原子、C−C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキル又はハロゲン原子若しくはC−C−アルキルによって必要に応じて置換されたフェニルであり得る。)
*Hetは、一般式(Het−10)の複素環を表す。
【0028】
【化16】

(−R32は、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、シアノ基、C−C−アルキルアミノ、ジ−(C−C−アルキル)アミノ、C−C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキル又はハロゲン原子若しくはC−C−アルキルによって必要に応じて置換されたフェニルであり得;及び
−R33は、ハロゲン原子、C−C−アルキル又は1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルであり得る。)
*Hetは、一般式(Het−11)の複素環を表す。
【0029】
【化17】

(−R34は、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、シアノ基、C−C−アルキルアミノ、ジ−(C−C−アルキル)アミノ、C−C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルであり得;及び
−R35は、ハロゲン原子、C−C−アルキル又は1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルであり得る。)
*Hetは、一般式(Het−12)の複素環を表す。
【0030】
【化18】

(−R36は、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、C−C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−アルコキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルコキシ、C−C−アルキルチオ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルチオ、アミノカルボニル基又はアミノカルボニル−C−C−アルキルであり得;
−R37は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ又はC−C−アルキルチオであり得;
−R38は、水素原子、フェニル、C−C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキル、ヒドロキシ−C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−シクロアルキル、C−C−アルキルチオ−C−C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルチオ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル又は1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルコキシ−C−C−アルキルであり得る。
【0031】
*Hetは、一般式(Het−13)の複素環を表す。
【0032】
【化19】

(−R39は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、C−C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−アルコキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルコキシ、C−C−アルキルチオ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルチオ、アミノカルボニル又はアミノカルボニル−C−C−アルキルであり得;
−R40は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルコキシ又はC−C−アルキルチオであり得;及び
−R41は、水素原子、C−C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキル、ヒドロキシ−C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−シクロアルキル、C−C−アルキルチオ−C−C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルチオ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルコキシ−C−C−アルキル又はハロゲン原子、C−C−アルキル、C−C−アルコキシアルキル又はニトロ基によって必要に応じて置換されたフェニルであり得;
但し、R39及びR40の両者が水素原子となることはない。)
*Hetは、一般式(Het−14)の複素環を表す。
【0033】
【化20】

(−R42は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、C−C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−アルコキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルコキシ、C−C−アルキルチオ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルチオ、アミノカルボニル又はアミノカルボニル−C−C−アルキルであり得;
−R43は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルチオ又は1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルコキシであり得;
−R44は、水素原子、フェニル、ベンジル、C−C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキル、ヒドロキシ−C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−シクロアルキル、C−C−アルキルチオ−C−C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルチオ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルコキシ−C−C−アルキルであり得;
但し、R43及びR44の両者が水素原子となることはない。)
*Hetは、一般式(Het−15)の複素環を表す。
【0034】
【化21】

(−R45は、水素原子、ハロゲン原子、C−C−アルキル又は1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルであり得;及び
−R46は、ハロゲン原子、C−C−アルキル又は1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルであり得る。)
*Hetは、一般式(Het−16)の複素環を表す。
【0035】
【化22】

(−R47及びR48は、同一又は異別であり得、及び水素原子、ハロゲン原子、C−C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキル、ハロゲン原子若しくはC−C−アルキルによって必要に応じて置換されたフェニル、又はハロゲン原子若しくはC−C−アルキルによって必要に応じて置換されたヘテロシクリルであり得;
但し、R47及びR48の両者が水素原子となることはない。)
*Hetは、一般式(Het−17)の複素環を表す。
【0036】
【化23】

(−R49は、ハロゲン原子、C−C−アルキル又は1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルであり得;及び
−R50は、ハロゲン原子、C−C−アルキル又は1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルであり得る。)
*Hetは、一般式(Het−18)の複素環を表す。
【0037】
【化24】

(−R51は、ハロゲン原子、C−C−アルキル又は1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルであり得る。)
*Hetは、一般式(Het−19)の複素環を表す。
【0038】
【化25】

(−R52は、ハロゲン原子、C−C−アルキル又は1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルであり得;
(−R53は、水素原子、C−C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキル又はハロゲン原子若しくはC−C−アルキルによって必要に応じて置換されたフェニルであり得る。)
*Hetは、一般式(Het−20)の複素環を表す。
【0039】
【化26】

(−R54は、ハロゲン原子、C−C−アルキル又は1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルであり得る。)
本発明によれば、一般式(I)の化合物の「Het」は、六員環の複素環であり得る。Hetが六員環の複素環である本発明の化合物の具体例には、以下のものが含まれる。
【0040】
*Hetは、一般式(Het−21)の複素環を表す。
【0041】
【化27】

(−R55は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、C−C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルチオ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルチオ又は1から5個のハロゲン原子を有する−C−C−ハロゲノアルコキシであり得;
−R56、R57及びR58は、同一又は異別であり得、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C−C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルチオ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルコキシ、C−C−アルキルスルフィニル又はC−C−アルキルスルホニルであり得る。)
*Hetは、一般式(Het−22)の複素環を表す。
【0042】
【化28】

(−R59は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、C−C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルチオ、C−C−アルケニルチオ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルチオ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルコキシ、ハロゲン原子若しくはC−Cアルキルによって必要に応じて置換されたフェニルオキシ又はハロゲン原子若しくはC−Cアルキルによって必要に応じて置換されたフェニルチオであり得;
−R60、R61及びR62は、同一又は異別であり得、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C−C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルチオ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルコキシ、C−C−アルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル又はハロゲン原子若しくはC−Cアルキルによって必要に応じて置換されたN−モルホリン又はハロゲン原子若しくはC−Cアルキルによって必要に応じて置換されたチエニルであり得る。
【0043】
但し、R59及びR62の両者が水素原子となることはない。)
*Hetは、一般式(Het−23)の複素環を表す。
【0044】
【化29】

(−R63、R64、R65及びR66は、同一又は異別であり得、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、C−C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルチオ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルチオ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルコキシ、C−C−アルキルスルフィニル又はC−C−アルキルスルホニルであり得る。
【0045】
但し、R63及びR66の両者が水素原子となることはない。)
*Hetは、一般式(Het−24)の複素環を表す。
【0046】
【化30】

(−R67は、ハロゲン原子、C−C−アルキル又は1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルであり得;
−R68は、水素原子、C−C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキル、C−C−アルコキシカルボニル、1から3個のハロゲン原子によって必要に応じて置換されたベンジル、1から3個のハロゲン原子によって必要に応じて置換されたベンジルオキシカルボニル又はヘテロシクリルであり得る。)
*Hetは、一般式(Het−25)の複素環を表す。
【0047】
【化31】

−R69は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、C−C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルチオ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルチオ又は1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルコキシであり得;
−R70は、水素原子、C−C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキル又はベンジルであり得る。)
*Hetは、一般式(Het−26)の複素環を表す。
【0048】
【化32】

(−Xは、硫黄原子、−SO−、−SO−又は−CH−であり得;
−R71は、C−C−アルキル又は1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルであり得;並びに
−R72及びR73は、同一又は異別であり得、水素原子又はC−C−アルキルであり得る。)
*Hetは、一般式(Het−27)の複素環を表す。
【0049】
【化33】

(−R74は、C−C−アルキル又は1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルであり得る。)
*Hetは、一般式(Het−28)の複素環を表す。
【0050】
【化34】

(−R75は、C−C−アルキル又は1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルであり得る。)
*Hetは、一般式(Het−29)の複素環を表す。
【0051】
【化35】

(−R76は、ハロゲン原子、C−C−アルキル又は1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルであり得る。)
本発明は、一般式(I)の化合物を調製するための方法にも関する。このため、本発明のさらなる側面によれば、
一般式(II)の2−ピリジン誘導体:
【0052】
【化36】

(X、n、R、R、R、R、R及びRは、上記定義のとおりである。)又はその塩の一つを、一般式(III)
【0053】
【化37】

(−Hetは、上記定義のとおりであり;並びに
−Lは、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、−OR77、−OCOR77として選択される脱離基であり、R77は、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、ベンジル、4−メトキシベンジル、ペンタフルオロフェニル又は式
【0054】
【化38】

の基である。)のカルボン酸誘導体と、触媒の存在下で、及びLがヒドロキシル基であれば縮合剤の存在下で反応させることを含む、上記一般式(I)の化合物を調製する方法が提供される。
【0055】
本発明の方法は、触媒の存在下で実施される。適切な触媒は、4−ジメチル−アミノピリジン、1−ヒドロキシ−ベンゾトリアゾール又はジメチルホルムアミドとして選択され得る。
【0056】
がヒドロキシ基である場合には、本発明の方法は、縮合剤の存在下で実施される。適切な縮合剤は、ホスゲン、三臭化リン、三塩化リン、五塩化リン、酸化三塩化リン又は塩化チオニルなどの酸ハロゲン化物形成物質;クロロギ酸エチル、クロロギ酸メチル、クロロギ酸イソプロピル、クロロギ酸イソブチル又は塩化メタンスルホニルなどの無水物形成物質;N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)などのカルボジイミド又は五酸化リン、ポリリン酸、N,N’−カルボニル−ジイミダゾール、2−エトキシ−N−エトキシカルボニル−1,2−ジヒドロキノリン(EEDQ)、トリフェニルホスフィン/テトラクロロメタン、4−(4,6−ジメトキシ[1.3.5]トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド水和物又はブロモ−トリピロリジノ−ホスホニウム−ヘキサフルオロホスフェートなどの他の慣用の縮合剤として選択され得る。
【0057】
が水素である場合には、一般式(I)の化合物を調製するための上記方法は、一般式(Id)の化合物を一般式(XXII)の化合物と反応させて、一般式(I)の化合物を得ることを含む、以下の反応スキーム:
【0058】
【化39】

(−R、R、R、R、R、R、X、n及びHetは、上記定義のとおりであり、
−Lは、ハロゲン原子、4−メチルフェニルスルホニルオキシ又はメチルスルホニルオキシであるとして選択される脱離基である。)に従うさらなる工程によって、必要に応じて完結させることができる。
【0059】
、R、R、R又はRの定義に応じて、一般式(II)のアミン誘導体は、異なるプロセスによって調製され得る。このようなプロセスの一例(A)は、
−R、R、X、nが、上記定義のとおりであり;
−Rが、水素原子又はC−Cアルキルであり;及び
−R、R、Rが、水素原子であり;次いで、
−一般式(VI)の2−(ピリジル)シアノアセテート誘導体を与えるために、塩基の存在下、0℃から200℃の温度で、一般式(IV)のピリジン誘導体によって、一般式(V)のシアノアセテート誘導体をアシル化することを含む反応スキームA−1:
【0060】
【化40】

(式中:−R、R、X及びnは、上記定義のとおりである。
【0061】
−R78は、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、ベンジル、4−メトキシベンジル又はペンタフルオロフェニルであり;
−Uは、ハロゲン、C−Cアルキルスルホナート又はC−Cハロアルキルスルホナートとして選択される脱離基である。)に係る第一の工程と;
−40℃から還流温度に加熱した際に、一般式(VIIa)の2−ピリジルアセトニトリル誘導体を与えるために、同一又は異別のポット内で、一般式(VI)の化合物を塩基性加水分解し、酸性加水分解し、又はハロゲン化物によって置換することを含む、反応スキームA−2:
【0062】
【化41】

(式中:−R、R、X、nは、上記定義のとおりである。
【0063】
−R78は、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、ベンジル、4−メトキシベンジル又はペンタフルオロフェニルである。)に係る第二の工程と;
一般式(VIIb)の化合物を与えるために、一般式(XVII)の試薬により、一般式(VIIa)の化合物をアルキル化することを含む、反応スキームA−3:
【0064】
【化42】

(式中、−R、R、X、nは、上記定義のとおりである。
【0065】
−Rは、C−Cアルキルであり;
−Wは、ハロゲン、C−Cアルキルスルホナート、C−Cハロアルキルスルホナート又は4−メチル−フェニルスrホナートである。)に係る第三の工程と;
0℃から150℃の温度で、及び1バールから100バールの圧力下で、一般式(IX)の化合物を生成するために、触媒の存在下及び一般式(VIII)の化合物の存在下で、水素化によって又は水素化物供与体によって、一般式(VIIa)又は(VIIb)の化合物を還元することを含む、反応スキームA−4:
【0066】
【化43】

(式中、−R、R、X、nは、上記定義のとおりである。
【0067】
−Rは、水素原子又はC−Cアルキルであり;
−Lは、−OR77基又は−OCOR77基(R77は、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、ベンジル、4−メトキシベンジル又はペンタフルオロフェニルである。)であるとして選択される脱離基であり;PGは、−COOR77基又は−COR77基(R77は、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、ベンジル、4−メトキシベンジル又はペンタフルオロフェニルである。)であり得る保護基を表す。)に係る第四の工程と;
一般式(II)のアミン誘導体又はその塩の一つを与えるために、一般式(IX)の化合物の、酸性又は塩基性溶媒中での脱保護反応を行うことを含む、反応スキームA−5:
【0068】
【化44】

(式中、−R、R、X、nは、上記定義のとおりである。
【0069】
−Rは、水素原子又はC−Cアルキルであり;
−PGは、−COOR基又は−COR基(Rは、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、ベンジル、4−メトキシベンジル又はペンタフルオロフェニルである。)であり得る保護基を表す。)に係る第五の工程と;
を含むプロセスに従って、一般式(II)のアミン誘導体が調製され得る場合であり得る。
【0070】
第一の工程(工程A−1)は、塩基の存在下で行われる。好ましくは、前記塩基は、無機又は有機塩基であるとして選択され得る。このような塩基の適切な例は、例えば、アルカリ土類金属又はアルカリ金属水素化物、水酸化物、アミド、アルコラート、カルボネート又は炭酸水素塩、酢酸塩又は三級アミンであり得る。
【0071】
本発明の第一の工程(工程A−1)は、0℃から200℃の温度で実施される。好ましくは、第一の工程(工程A−1)は、0から120℃の温度で実施され、より好ましくは0℃から80℃の温度で実施される。
【0072】
本発明の第一の工程(工程A−1)は、溶媒の存在下で実施され得る。好ましくは、前記溶媒は、水、有機溶媒又は両方の混合物として選択される。適切な有機溶媒は、例えば、脂肪族、脂環式又は芳香族溶媒であり得る。
【0073】
本発明の第一の工程(工程A−1)は、触媒の存在下でも実施され得る。好ましくは、前記触媒は、パラジウム塩又は錯体として選択される。より好ましくは、前記触媒は、パラジウム錯体として選択される。適切なパラジウム錯体触媒は、例えば、反応混合物にパラジウム塩と錯体リガンドを別々に添加することによって、反応混合物中に直接生成され得る。適切なリガンドは、例えば、(R)−(−)−1[(S)−2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)フェロセニル]エチルジシクロヘキシルホスフィン及びその対応する鏡像異性体若しくは両方の混合物;(R)−(−)−1[(S)−2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)フェロセニル]エチルジフェニルホスフィン及びその対応する鏡像異性体若しくは両方の混合物;(R)−(−)−1[(S)−2−(ジフェニルホスフィノ)フェロセニル]エチルジ−t−ブチルホスフィン及びその対応する鏡像異性体若しくは両方の混合物;又は(R)−(−)−1[(S)−2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)フェロセニル]エチルジシクロヘキシルホスフィン及びその対応する鏡像異性体若しくは両方の混合物など、巨大なホスフィン又はアルシンリガンドであり得る。
【0074】
本発明の第四の工程(工程A−4)は、水素化物供与体の存在下で実施される。好ましくは、水素化物供与体は、LiAlH、NaBH、KBH、Bなどの金属又は准金属水素化物であるとして選択される。
【0075】
本発明の第四の工程(工程A−4)は、触媒の存在下で実施される。好ましくは、触媒は、塩化Co(II)、塩化Ni(II)、アンモニア若しくはその塩の一つ、活性炭上のパラジウム、ラネーニッケル、ラネーコバルト又はプラチナとして選択される。
【0076】
本発明の第四の工程(工程A−4)は、0℃から150℃の温度で実施される。好ましくは、前記温度は、10℃から120℃の温度である。より好ましくは、前記温度は10℃から80℃の温度である。
【0077】
本発明の第四の工程(工程A−4)は、1バールから100バールの圧力で実施される。好ましくは、圧力は、1バールから50バールまでの圧力である。
【0078】
本発明の第四の工程(工程A−4)は、有機溶媒、水又はその混合物の存在下で実施され得る。好ましくは、前記溶媒は、エーテル、アルコール、カルボン酸、又は水若しくは純水とのそれらの混合物として選択される。
【0079】
このようなプロセスの第二の例(B)は、
−R、R、R、X、nが、上記定義のとおりであり;及び
−R、R、Rが、水素原子であり;
次いで、
−一般式(VIIb)の2−ピリジルアセトニトリル誘導体を与えるために、塩基の存在下、及び100℃から200℃の温度で、一般式(Vb)のピリジン誘導体を、一般式(IV)のピリジン誘導体によってアリール化することを含む反応スキームB−1:
【0080】
【化45】

(式中:−R、R、R、X及びnは、上記定義のとおりであり;
Uは、ハロゲン原子、C−Cアルキルスルホナート又はC−Cハロアルキルスルホナートとして選択される脱離基である。)に係る第一の工程と;
−一般式(IX)の化合物を生成するために、一般式(VIII)の化合物の存在下で、水素化によって又は水素化物供与体によって、一般式(VIIa)又は(VIIb)の化合物を還元することを含む、反応スキームB−2:
【0081】
【化46】

(式中、−R、R、R、X及びnは、上記定義のとおりであり;
−Lは、−OR79基又は−OCOR79基(R79は、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、ベンジル、4−メトキシベンジル又はペンタフルオロフェニルである。)であるとして選択される脱離基であり;
−PGは、−COOR79基又は−COR79基(R79は、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、ベンジル、4−メトキシベンジル又はペンタフルオロフェニルである。)であり得る保護基を表す。)に係る第二の工程と;
−一般式(II)のアミン誘導体又はその塩の一つを与えるために、一般式(IX)の化合物の、酸性又は塩基性溶媒中での脱保護反応を含む、反応スキームB−3:
【0082】
【化47】

(式中、−R、R、R、X及びnは、上記定義のとおりである。
【0083】
−PGは、−COOR79基又は−COR79基(R79は、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、ベンジル、4−メトキシベンジル又はペンタフルオロフェニルである。)であり得る保護基を表す。)に係る第三の工程と;
を含むプロセスに従って、一般式(II)のアミン誘導体が調製され得る場合であり得る。
【0084】
第一の工程(工程B−1)は、−100℃から200℃の温度で実施される。好ましくは、第一の工程(工程A−1)は、−80℃から120℃の温度で実施され、より好ましくは−80℃から80℃の温度で実施される。
【0085】
本発明の第一の工程(工程B−1)は、塩基の存在下で実施される。好ましくは、前記塩基は、無機又は有機塩基であるとして選択され得る。このような塩基の適切な例は、例えば、アルカリ土類金属又はアルカリ金属水素化物、水酸化物、アミド、アルコラート、カルボネート又は炭酸水素塩、酢酸塩又は三級アミンであり得る。
【0086】
本発明の第一の工程(工程B−1)は、溶媒の存在下で実施され得る。好ましくは、前記溶媒は、水、有機溶媒又は両方の混合物として選択される。適切な有機溶媒は、例えば、脂肪族、脂環式又は芳香族溶媒であり得る。
【0087】
本発明の第一の工程(工程B−1)は、触媒の存在下でも実施され得る。好ましくは、前記触媒は、パラジウム塩又は錯体として選択される。より好ましくは、前記触媒は、パラジウム錯体として選択される。適切なパラジウム錯体触媒は、例えば、反応混合物にパラジウム塩と錯体リガンドを別々に添加することによって、反応混合物中に直接生成され得る。適切なリガンドは、例えば、(R)−(−)−1[(S)−2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)フェロセニル]エチルジシクロヘキシルホスフィン及びその対応する鏡像異性体若しくは両方の混合物;(R)−(−)−1[(S)−2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)フェロセニル]エチルジフェニルホスフィン及びその対応する鏡像異性体若しくは両方の混合物;(R)−(−)−1[(S)−2−(ジフェニルホスフィノ)フェロセニル]エチルジ−t−ブチルホスフィン及びその対応する鏡像異性体若しくは両方の混合物;又は(R)−(−)−1[(S)−2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)フェロセニル]エチルジシクロヘキシルホスフィン及びその対応する鏡像異性体若しくは両方の混合物など、巨大なホスフィン又はアルシンリガンドであり得る。
【0088】
工程B−2が実施される好ましい条件は、上記プロセスAの工程A−4が実施される好ましい条件と同一である。
【0089】
工程B−3が実施される好ましい条件は、上記プロセスAの工程A−5が実施される好ましい条件と同一である。
【0090】
このようなプロセスの第三の例(C)は、
−R、R、X、nが、上記定義のとおりであり;
−Rが、ホルミルアミノ、C−C−アルキルカルボニルアミノ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルカルボニルアミノ、フェニルカルボニルアミノ又は2,6−ジクロロフェニルカルボニルアミノであり;及び
−R、R、Rが、水素原子であり;
次いで、
−一般式(VIIc)の2−ピリジルアセトニトリル誘導体を与えるために、塩基の存在下、及び−100℃から200℃の温度で、一般式(IV)のピリジン誘導体によって、一般式(Vc)の化合物をアリール化することを含む、反応スキームC−1:
【0091】
【化48】

(式中、−R、R、X、nは、上記定義のとおりであり;
Uは、ハロゲン原子、C−Cアルキルスルホナート又はC−Cハロアルキルスルホナートとして選択される脱離基である。)に係る第一の工程と;
−一般式(VIId)の化合物又はその塩の一つを生成するために、酸性加水分解によって、一般式(VIIc)の化合物を脱保護することを含む、反応スキームC−2:
【0092】
【化49】

(式中、−R、R、X、nは、上記定義のとおりである。)
に係る第二の工程と;
一般式(VIIe)の化合物を生成するために、一般式(VIId)の化合物と一般式(X)の塩化アシルの間にカップリングすることを含む、反応スキームC−3:
【0093】
【化50】

(式中、−R、R、X、nは、上記定義のとおりであり;
−Rは、水素原子、C−Cアルキル、1個から5個のハロゲン原子を有するC−Cハロゲノアルキル、フェニル又は2,6−ジクロロフェニルである。)
に係る第三の工程と;
−一般式(IXb)の化合物を生成するために、一般式(VIII)の化合物の存在下で、水素化によって又は水素化物供与体によって、一般式(VIIe)の化合物を還元することを含む、反応スキームC−4:
【0094】
【化51】

(式中、−R、R、X、nは、上記定義のとおりであり;
−R80は、水素原子、C−Cアルキル、1個から5個のハロゲン原子を有するC−Cハロゲノアルキル、フェニル又は2,6−ジクロロフェニルであり;
−Lは、−OR79基又は−OCOR79基(R79は、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、ベンジル、4−メトキシベンジル又はペンタフルオロフェニルである。)として選択される脱離基であり;
−PGは、−COOR79基又は−COR79基(R79は、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、ベンジル、4−メトキシベンジル又はペンタフルオロフェニルである。)であり得る保護基を表す。)
に係る第四の工程と;
一般式(II)のアミン誘導体又はその塩の一つを提供するために、一般式(IXb)の化合物の、酸性又は塩基性溶媒中での脱保護反応を含む、スキームC−5:
【0095】
【化52】

(式中、−R、R、X、nは、上記定義のとおりであり;
−R80は、水素原子、C−Cアルキルであり、1個から5個のハロゲン原子を有するC−Cハロゲノアルキル、フェニル又は2,6−ジクロロフェニルであり;
−Lは、−OR79基又は−OCOR79基(R79は、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、ベンジル、4−メトキシベンジル又はペンタフルオロフェニルである。)として選択される脱離基であり;
−PGは、−COOR79基又は−COR79基(R79は、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、ベンジル、4−メトキシベンジル又はペンタフルオロフェニルである。)であり得る保護基を表す。)
に係る第五の工程と;を含むプロセスに従って、一般式(II)のアミン誘導体が調製され得る場合であり得る。
【0096】
このようなプロセスの第四の例(D)は、
−R、R、R、X、Y、n及びpが、上記定義のとおりであり;
−Rが、水素原子であり;
−Rが、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、ベンジル又はフェニルであり;及び
−Rが、水素原子、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−アルコキシ又はC−C−シクロアルキルであり;
次いで、
−一般式(XII)の2−(ピリジル)ケトアセテート誘導体を与えるために、塩基の存在下、0℃から200℃の温度で、一般式(IV)のピリジン誘導体によって、一般式(XI)のケト酢酸塩誘導体をアリール化することを含む、反応スキームD−1:
【0097】
【化53】

(式中、−R、R、X及びnは、上記定義のとおりであり;
−Rは、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、ベンジル又はフェニルであり;
−Rは、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、ベンジル、4−メトキシベンジル又はペンタフルオロフェニルであり;
Uは、ハロゲン、C−Cアルキルスルホナート又はC−Cハロアルキルスルホナートとして選択される脱離基である。)
に係る第一の工程と;
−一般式(XIII)の2−ピリジルケトン誘導体を、40℃から還流温度で加熱した際に与えるために、同一又は異別のポット内で、一般式(XII)の化合物を塩基性加水分解し、酸性加水分解し、又はハロゲン化物によって置換することを含む、、反応スキームD−2:
【0098】
【化54】

(式中:−R、R、X、nは、上記定義のとおりであり;
−Rは、水素原子であり;
−Rは、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、ベンジル又はフェニルであり;
−R78は、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、ベンジル、4−メトキシベンジル又はペンタフルオロフェニルである。)
に係る第二の工程と;
一般式(XIV)のイミン誘導体を提供するために、一般式(XIII)の化合物を式R−NHのアミンと反応させることを含む、反応スキームD−3:
【0099】
【化55】

(式中、−R、R、X及びnは、上記定義のとおりであり;
−Rは、水素原子であり;
−Rは、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、ベンジル又はフェニルであり;
は、水素原子、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、C−Cアルコキシ又はC−Cシクロアルキルである。)
に係る第三の工程と;
−一般式(II)のアミン誘導体又はその塩の一つを与えるために、同一又は異別のポット内で、水素化によって又は水素化物供与体によって、一般式(XIV)のイミン誘導体を還元することを含む、スキームD−4:
【0100】
【化56】

(−R、R、X及びnは、上記定義のとおりであり;
−Rは、水素原子であり;
−Rは、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、ベンジル、フェニルであり;
−Rは、水素原子、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、C−Cアルコキシ又はC−Cシクロアルキルである。)
に係る第四の工程と;
を含むプロセスに従って、一般式(II)のアミン誘導体が調製され得る場合であり得る。
【0101】
このようなプロセスの第五の例(E)は、
−R、R、R、R、X、Y、n及びpが、上記定義のとおりであり;
−Rが、水素原子であり;
−Rが、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、ベンジル又はフェニルであり;及び
−Rが、水素原子、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−アルコキシ又はC−C−シクロアルキルであり;
次いで、
−一般式(XIIIb)の2−(ピリジル)ケトン誘導体を与えるために、塩基の存在下、0℃から200℃の温度で、一般式(IV)のピリジン誘導体によって、一般式(XIV)のケトン誘導体をアリール化することを含む反応スキームE−1:
【0102】
【化57】

(式中、−R、R、R、X及びnは、上記定義のとおりであり;
−Rは、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、ベンジル又はフェニルであり;
−Uは、ハロゲン、C−Cアルキルスルホナート又はC−Cハロアルキルスルホナートとして選択される脱離基である。)
に係る第一の工程と;
一般式(XIVb)のイミン誘導体を与えるために、一般式(XIIIb)の化合物を式R−NHのアミンと反応させることを含む、反応スキームE−2:
【0103】
【化58】

(式中、−R、R、R、X及びnは、上記定義のとおりであり;
−Rは、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、ベンジル又はフェニルであり;
−Rは、水素原子、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−アルコキシ又はC−C−シクロアルキルである。)
に係る第二の工程と;
一般式(II)の化合物のアミン誘導体またはその塩の一つを提供するために、同一又は異別のポット内で、水素化によって又は水素化物供与体によって、一般式(XIVb)のイミン誘導体を還元することを含む、スキームE−3:
【0104】
【化59】

(式中:−R、R、R、X及びnは、上記定義のとおりであり;
−Rは、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、ベンジル又はフェニルであり;
−Rは、水素原子であり;
−Rは、水素原子、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−アルコキシ又はC−Cシクロアルキルである。)
に係る第三の工程と;
を含むプロセスに従って、一般式(II)のアミン誘導体が調製され得る場合であり得る。
【0105】
このようなプロセスの第六の例(F)は、
−R、R、X、nが、上記定義のとおりであり;
−Rが、シアノ基、ヒドロキシ基,C−C−アルキニル、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、C−C−アルコキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルコキシ、C−C−アルキルスルファニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルスルファニル、C−C−アルケニルオキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルケニルオキシ、C−C−アルキニルオキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキニルオキシ、ベンジルオキシ、ベンジルスルファニル、ベンジルアミノ、フェノキシ、フェニルスルファニル、フェニルアミノ又はフェニルスルファニル基、C−C−アルキルカルボニルオキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルカルボニルオキシであり;及び
−R及びRが、水素原子であり;
次いで、
−一般式(VI)の2−(ピリジル)シアノアセテート誘導体を与えるために、塩基の存在下、0℃から200℃の温度で、一般式(IV)のピリジン誘導体によって、一般式(V)のシアノアセテート誘導体をアリール化することを含む、反応スキームF−1:
【0106】
【化60】

(式中、−R、R、X及びnは、上記定義のとおりであり;
−R78は、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、ベンジル、4−メトキシベンジル又はペンタフルオロフェニルであり;
Uは、ハロゲン、C−Cアルキルスルホナート又はC−Cハロアルキルスルホナートとして選択される脱離基である。)
に係る第一の工程と;
−一般式(VIIa)の2−ピリジルアセトニトリル誘導体を、40℃から還流温度で加熱した際に与えるために、同一又は異別のポット内で、一般式(VI)の化合物を塩基性加水分解し、酸性加水分解し、又はハロゲン化物によって置換することを含む、反応スキームF−2:
【0107】
【化61】

(式中:−R、R、X、nは、上記定義のとおりであり;
−Rは、水素原子であり;
−Rは、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、ベンジル、4−メトキシベンジル又はペンタフルオロフェニルであり;
−R78は、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、ベンジル、4−メトキシベンジル又はペンタフルオロフェニルである。)
に係る第二の工程と;
一般式(VIIf)の化合物を与えるために、一般式(VIIa)の化合物をハロゲン化することを含む、反応スキームF−3:
【0108】
【化62】

(式中、−R、R、X及びnは、上記定義のとおりであり;
−Wは、ハロゲン原子である。)
に係る第三の工程と;
−78℃から150℃の温度で、一般式(VIIb)の化合物を生成するために、塩基の存在下において、一般式(XV)の化合物の存在下で一般式(VIIf)に記載の化合物を求核置換することを含む、反応スキームF−4:
【0109】
【化63】

(式中、−R、R、X及びnは、上記定義のとおりであり;
−Wは、ハロゲン原子であり;
−Rは、シアノ基、ヒドロキシ基,C−C−アルキニル、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、C−C−アルコキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルコキシ、C−C−アルキルスルファニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルスルファニル、C−C−アルケニルオキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルケニルオキシ、C−C−アルキニルオキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキニルオキシ、ベンジルオキシ、ベンジルスルファニル、ベンジルアミノ、フェノキシ、フェニルスルファニル、フェニルアミノ又はフェニルスルファニル基、C−C−アルキルカルボニルオキシ又は1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルカルボニルオキシである。)
に係る第四の工程と;
0℃から150℃の温度で、及び1バールから100バールの圧力下で、一般式(IX)の化合物を生成するために、触媒の存在下及び一般式(VIII)の化合物の存在下で、水素化によって又は水素化物供与体によって、一般式(VIIb)の化合物を還元することを含む反応スキームF−5:
【0110】
【化64】

(式中、−R、R、X、nは、上記定義のとおりであり;
−Rは、シアノ基、ヒドロキシ基,C−C−アルキニル、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、C−C−アルコキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルコキシ、C−C−アルキルスルファニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルスルファニル、C−C−アルケニルオキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルケニルオキシ、C−C−アルキニルオキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキニルオキシ、ベンジルオキシ、ベンジルスルファニル、ベンジルアミノ、フェノキシ、フェニルスルファニル、フェニルアミノ又はフェニルスルファニル基、C−C−アルキルカルボニルオキシ又は1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルカルボニルオキシであり;
−Lは、−OR79基又は−OCOR79基(R79は、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、ベンジル、4−メトキシベンジル又はペンタフルオロフェニルである。)であるとして選択される脱離基であり;
−PGは、−COOR79基又は−COR79基(R79は、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、ベンジル、4−メトキシベンジル又はペンタフルオロフェニルである。)であり得る保護基を表す。)
に係る第五の工程と;
一般式(II)のアミン誘導体又はその塩の一つを与えるために、一般式(IX)の化合物を、酸性又は塩基性溶媒中で脱保護反応することを含む、反応スキームF−6:
【0111】
【化65】

(式中、−R、R、X、nは、上記定義のとおりである。
【0112】
−−Rは、シアノ基、ヒドロキシ基,C−C−アルキニル、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、C−C−アルコキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルコキシ、C−C−アルキルスルファニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルスルファニル、C−C−アルケニルオキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルケニルオキシ、C−C−アルキニルオキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキニルオキシ、ベンジルオキシ、ベンジルスルファニル、ベンジルアミノ、フェノキシ、フェニルスルファニル、フェニルアミノ又はフェニルスルファニル基、C−C−アルキルカルボニルオキシ又は1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルカルボニルオキシであり;
−PGは、−COOR79基又は−COR79基(R79は、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、ベンジル、4−メトキシベンジル又はペンタフルオロフェニルである。)であり得る保護基を表す。)に係る第六の工程と;
を含むプロセスに従って、一般式(II)のアミン誘導体が調製され得る場合であり得る。
【0113】
このようなプロセスの第七の例(G)は、
−R、X、nが、上記定義のとおりであり;
−Rが、ヒドロキシ基であり;及び
−R、R及びRが、水素原子であり;
次いで、
−一般式(XVIII)の化合物を与えるために、一般式(XVI)のピリジン誘導体に対して、一般式(XVII)のメチルマグネシウムハロゲン化物を添加することを含む、反応スキームG−1:
【0114】
【化66】

(式中、−R、X及びnは、上記定義のとおりであり;
−Zは、ハロゲン原子である。)
に係る第一の工程と;
−塩素、臭素、次亜塩素酸イオン、次亜臭素酸イオン、三塩化イオン、三臭化イオン、N−クロロイミド、N−クロロアミド、N−クロロアミン、N−ブロモイミド、N−ブロモアミド又はN−ブロモアミンなどのハロゲン化剤を使用することによって、一般式(XVIII)の化合物を一般式(XIX)の化合物にハロゲン化することを含む、反応スキームG−2:
【0115】
【化67】

(式中:−R、R、X、nは、上記定義のとおりであり;
−Zは、ハロゲン原子である。)
に係る第二の工程と;
一般式(XX)の化合物を生成するために、フタルイミド塩による一般式(XIX)の化合物を求核置換することを含む、反応スキームG−3:
【0116】
【化68】

(式中、−R、X及びnは、上記定義のとおりであり;
−Zは、ハロゲン原子である。)
に係る第三の工程と;
一般式(XXI)の化合物を生成するために、水素化物供与体によって、一般式(XX)の化合物を還元することを含む、反応スキームG−4:
【0117】
【化69】

(式中、−R、X及びnは、上記定義のとおりである。)
に係る第四の工程と;
一般式(II)のアミン誘導体又はその塩の一つを与えるために、一般式(XXI)の化合物を、ヒドラジン水和物又はヒドラジン塩と反応させることによって脱保護することを含む、反応スキームG−5:
【0118】
【化70】

(式中、−R、X及びnは、上記定義のとおりである。)
に係る第五の工程と;
を含むプロセスに従って、一般式(II)のアミン誘導体が調製され得る場合であり得る。
【0119】
本発明の化合物は、上記プロセスに従って調製することができる。しかしながら、当業者であれば、この一般的な知識及び入手可能な文献に基づいて、合成することが望まれる化合物の各々の詳細に従ってこれらのプロセスを改変できることが理解されるであろう。
【0120】
本発明は、一般式(I)の活性物質の有効量を含む殺真菌組成物にも関する。このため、本発明によれば、活性成分としての上記一般式(I)の化合物の有効量と、農業的に許容される支持体、担体又は充填剤とを含む殺真菌組成物が提供される。
本明細書において、「支持体」という用語は、特に植物の部分により容易に適用できるようにするために前記活性物質が組み合わされる、天然又は合成の有機又は無機物質を表す。このため、この支持体は、一般には不活性であり、農業的に許容可能であるべきである。支持体は、固体又は液体であり得る。適切な支持体の例には、粘土、天然又は合成ケイ酸塩、シリカ、樹脂、蝋、固体肥料、水、アルコール、特にブタノール、有機溶媒、鉱物油及び植物油並びにそれらの誘導体が含まれる。このような支持体の混合物も使用され得る。
【0121】
前記組成物は、さらなる成分も含み得る。特に、前記組成物は、さらに、界面活性剤を含み得る。界面活性剤は、乳化剤、分散剤、又はイオン性若しくは非イオンタイプの湿潤剤又はこのような界面活性剤の混合物であり得る。例えば、ポリアクリル酸塩、リグノスルホン酸塩、フェノールスルホン酸塩又はナフタレンスルホン酸塩、エチレンオキサイドと脂肪アルコール若しくは脂肪酸若しくは脂肪アミンとのポリ凝集物、置換されたフェノール(特に、アルキルフェノール又はアリールフェノール)、スルホコハク酸エステルの塩、タウリン誘導体(特に、アルキルタウリン塩(alkyl taurate))、ポリオキシエチル化されたアルコール又はフェノールのリン酸エステル、ポリオールの脂肪酸エステル、及び硫酸塩、スルホン酸塩及びリン酸塩官能基を含有する上記化合物の誘導体を挙げることができる。活性物質及び/又は不活性な支持体が水に不溶性である場合、及び適用のためのベクター剤が水である場合には、少なくとも一つの界面活性剤の存在が一般的に不可欠である。好ましくは、界面活性剤含量は、前記組成物の5重量%ないし40重量%を占めることができる。
【0122】
必要に応じて、追加成分、例えば、保護コロイド、接着剤、濃縮剤、チキソトロピック剤、貫通剤、安定化剤、金属イオン封鎖剤を含むこともできる。より一般的には、前記活性物質は、通常の製剤技術に準拠する、任意の固体又は液体添加剤と組み合わせることが可能である。
【0123】
一般に、本発明の組成物は、0.05から99%(重量)まで、好ましくは10から70重量%までの活性物質を含有することもできる。
【0124】
本発明に係る組成物は、エアロゾル分配器、カプセル懸濁液、冷たい噴霧濃縮物、粉塵化可能な粉末(dustable powder)、乳化可能な濃縮物、水中油エマルジョン、油中水エマルジョン、カプセル封入された顆粒、微細な顆粒、種子処理のための流動可能な濃縮物、(圧力下にある)気体、気体生成製品、顆粒、熱い噴霧濃縮物、巨大顆粒、微細顆粒、油分散性粉末、油混和性の流動可能な濃縮物、油混和性液体、ペースト、植物桿(plant rodlet)、乾燥した種子処理のための粉末、農薬で被覆された種子、可溶性濃縮物、可溶性粉末、種子処理のための溶液、懸濁液濃縮物(流動可能な濃縮物)、超低容量(ulv)液体、超低容量(ulv)懸濁液、水分散性顆粒又は錠剤、スラリー処理のための水分散性粉末、水溶性顆粒又は錠剤、種子処理のための水溶性粉末及び湿潤可能な粉末などの様々な形態で使用することができる。
【0125】
これらの組成物には、噴霧又は粉塵化装置などの適切な装置を用いて、処理されるべき植物又は種子に直ちに適用される組成物のみならず、穀物への適用前に希釈しなければならない濃縮された商業用組成物も含まれる。
【0126】
本発明の化合物は、一以上の殺虫剤、殺真菌剤、殺菌剤、誘因性ダニ駆除剤又はフェロモン又は生物活性を有する他の化合物と混合することも可能である。このようにして得られた混合物は、広い活性スペクトルを有する。他の殺真菌剤との混合物は、特に有利である。
【0127】
本発明の殺真菌組成物は、穀物の植物病原性真菌を治癒的又は予防的に抑制するために使用することが可能である。このように、本発明のさらなる側面によれば、前記殺真菌組成物が、種子、植物及び/又は植物の果実又は植物がその中で増殖しており、又はその中で植物を増殖させることが望まれる土壌に適用されることを特徴とする、穀物の植物毒性真菌を治癒的に又は予防的に抑制する方法が提供される。
【0128】
穀物の植物病原性真菌に対して使用される組成物は、一般式(I)の活性物質の有効量及び非植物毒性量を含む。
【0129】
「有効量及び非植物毒性量」という表現は、穀物上に存在する真菌又は穀物上に出現しやすい真菌を抑制又は破壊するのに十分であり、及び前記穀物に対して植物毒性の明らかな症候を一切伴わない、本発明の組成物の量を意味する。このような量は、抑制されるべき真菌、穀物の種類、天候条件及び本発明の殺真菌組成物中に含まれる化合物に応じて、極めて広い範囲内を変動し得る。
【0130】
この量は、体系的な実施試験によって決定することが可能であり、これは、当業者の能力の範囲に属する。
【0131】
本発明の治療方法は、塊茎又は地下茎の他、種子、苗木又は種苗の仮植(seedlings pricking out)及び植物又は植物の仮植など増殖物質を治療するために有用である。この治療方法は、根を治療するためにも有用であり得る。本発明の治療方法は、幹、茎又は柄、葉、花及び当該植物の果実など、植物の地上部分を治療するためにも有用であり得る。
【0132】
本発明の方法によって保護できる植物として、綿;亜麻;つる植物;バラ種(Rosaceaesp.)(例えば、リンゴ及びナシなどの小さな種の果実の他、アンズ、アーモンド及びモモなどの核果)、リベシオイダエ種(Ribesioidae sp.)、クルミ種(Juglandaceae sp.)、カバノキ種(Betulaceae sp.)、ウルシ種(Anacardiaceae sp.)、ブナ種(Fagaceae sp.)、クワ種(Moraceae sp.)、モクセイ種(Oleaceae sp.)、マタタビ種(Actinidaceae sp.)、クスノキ種(Lauraceae sp.)、バショウ種(Musaceae sp.)(例えば、バナナの木及びプランテン(plantin))、アカネ種(Rubiaceae sp.)、ツバキ種(Theaceae sp.)、アオギリ種(Sterculiceae sp.)、ミカン種(Rutaceae sp.)(例えば、レモン、オレンジ及びグレープフルーツ)などの果物穀物;ナス種(Solanaceae sp.)(例えばトマト)、ユリ種(Liliaceae sp.)、キク種(Asteraceae sp.)(例えば、レタス)、セリ種(Umbelliferaesp.)アブラナ種(Cruciferae sp.)、アカザ種(Chenopodiaceae sp.)、ウリ種(Cucurbitaceae sp.)、パピリオナ種(Papilionaceae sp.)(例えば、エンドウ豆)、バラ種(Rosaceae sp.)(例えば、イチゴ)などの豆科の穀物;イネ種(Graminae sp.)(例えば、トウモロコシ、小麦、イネ、大麦及びライ小麦などの穀物)、キク種(Asteraceae sp.)(例えば、ヒマワリ)、アブラナ種(Cruciferae)(例えば、西洋アブラナ)、パピリオナ種(Papilionaceae sp.)(例えば、大豆)、ナス種(Solanaceae sp.)(例えば、ジャガイモ)、アカザ種(Chenopodiaceae sp.)(例えば、アオゲイトウ)などの大きな穀物;園芸及び森林穀物;並びに遺伝子組み換えが行われたこれらの穀物の相同体を挙げることができる。
【0133】
本発明の方法によって保護される植物及びこれらの植物に発症し得る疾病として、
−小麦、以下の種子の病気の抑制に関して:フザリウム病(ミクロドキウム・ニバレ(Microdochiumnivale)及びフザリウム・ロゼウム(Fusariumroseum)、黒穂病(Tilletiacaries(チレチア・カリーズ(Tilletia caries)、チレチア・コントロバーサ(Tilletiacontroversa)又はチレチア・インディカ(Tilletiaindica))、セプトリア病(septoria disease)(セプトリア・ノドラム(Septoria nodorum))及び裸黒穂病
−小麦、以下の植物の地上部の病気の抑制に関して:穀物の眼紋(タペシア・ヤルンダエ(Tapesiayallundae)、タペシア・アキュイフォルミス(Tapesiaacuiformis))、立ち枯れ病(ゲウマノミセス・グラミニス(Gaeumannomycesgraminis))、胴枯れ病(foot blight)(F.キュルモラム(F.culmorum)、F.グラミネアラム(F.graminearum))、黒斑点(black speck)(リゾクトニア・セレアリス(Rhizoctonia cerealis))、うどん粉病(エリシフェ・グラミニス・フォルマ・スペシエ・トリティシ(Erysiphe graminis forma specie tritici)、さび病(プッシニア・ストリフォルミス(Pucciniastriiformis)及びプッシニア・レコンディータ(Pucciniarecondita))及びセプトリア病(septoria diseases)(セプトリア・トリチシ(Septoria tritici)及びセプトリア・ノドラム(Septoria nodorum));
−小麦及び大麦、細菌及びウイルス性疾患の抑制に関して、例えば、大麦縞萎縮;
−大麦、以下の種子の病気の抑制に関して:網斑病(ピレノフォラ・グラミネア(Pyrenophora graminea)、ピレノフォラ・テレス(Pyrenophora teres)及びコクリオボラス・サチブス(Cochliobolus sativus)、裸黒穂病(ウスティラゴ・ヌーダ(Ustilago nuda))及びフザリウム病(fusaria)(ミクロドチウム・ニバレ(Microdochium nivale)及びフザリウム・ロゼウム(Fusarium roseum);
−大麦、植物の地上部分の以下の病気の抑制に関して:穀物眼紋病(タペシア・ヤルンダエ(Tapesiayallundae))、網斑病(ピレノフォラ・テレス(Pyrenophora teres)及びコクリオボラス・サチブス(Cochliobolus sativus))、うどん粉病(エリシフェ・グラミニス・フォルマ・スペシエ・ホルデイ(Erysiphe graminis forma specie hordei)、矮小葉のさび病(dwarf leaf rust)(プッシニア・ホルデイ(Puccinia hordei)及び葉枯病(リンコスポリウム・セカリス(Rhynchosporium secalis));
芋、塊茎の病気の抑制に関して(特に、ヘルミントスポリウム・サラニ(Helminthosporium salani)、フォーマ・チュベロサ(Phoma tuberosa)、リゾクトニア・サラニ(Rhizoctonia salani)、フザリウム・サラニ(Fusarium salani))、うどん粉病(フィトプソラ・インフェスタンス(Phytopthora infestans)及びある種のウイルス(ウイルスY);
−芋、以下の茎葉病(foliage diseases)の抑制に関して:胴枯れ病(アルテルナリア・サラニ(Alternaria salani)、うどん粉病(フィトプソラ・インフェスタンス(Phytopthora infestans);
−綿、種子から育った幼若植物の以下の病気の抑制に関して:立ち枯れ病及び頭領の腐敗(collar rot)(リゾクトニア・サラニ(Rhizoctonia salani)、フザリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum))及び黒根病(チエラビオプシス・バシコラ(Thielaviopsis basicola));
タンパク質産生穀物、例えば、豆、以下の種子の病気の抑制に関して:炭疽病(アスコチタ・ピシ(Ascochytapisi)、ミコスファエレラ・ピノデス(Mycosphaerellapinodes))、フザリウム病(フザリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum))、灰色かび病(ボトリティス・シネレア(Botrytis cinerea))及びうどん粉病(ペロノスポラ・ピシ(Peronospora pisi));
−含油穀物、例えば、菜種、以下の種子の病気の抑制に関して:フォーマ・リンガム(Phoma lingam)、アルテルナリア・ブラッシカエ(Alternaria brassicae)及びスクレロティニア・スクレロチオラム(Sclerotinia sclerotiorum);
−トウモロコシ、種子病の抑制に関して:(リゾパス種(Rhizopus sp.)、ペニシリウム種(Penicillium sp.)、トリコデルマ種(Trichoderma sp.)、アスペルギルス種(Aspergillus sp.)及びギッベレラ・フジクロイ(Gibberella fujikuroi));
−亜麻、種子の病気の抑制に関して:アルテルナリア・リニコラ(Alternaria linicola);
−森林樹、立ち枯れ病の抑制に関して(フザリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum)、リゾクトニア・サラニ(Rhizoctonia salani));
−米、地上部部分の以下の病気の抑制に関して、胴枯れ病(マグナポルセ・グリージ(Magnaporthe grisea)、縁取られた鞘の斑点(bordered sheath spot)(リゾクトニア・サラニ(Rhizoctonia salani));
−マメ科穀物、種子又は種子から成長した幼若植物の以下の病気の抑制に関して:立ち枯れ病及び頭領の腐敗(フザリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum)、フザリウム・ロゼウム(Fusarium roseum)、リゾクトニア・サラニ(Rhizoctonia salani)、ピチウム種(Pythium sp.));
−マメ科穀物、地上部分の以下の病気の抑制に関して、灰色かび病(ボトリティス種(Botrytis sp.))、うどん粉病(特に、エリシフェ・シコラセアラム(Erysiphe cichoracearum)、スファエロセカ・フリギネア(Sphaerotheca fuliginea)及びレヴェイルラ・タウリカ(Leveillula taurica))、フザリウム病(フザリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum)、フザリウム・ロゼウム(Fusarium roseum))、斑点病(クラドスポリウム種(Cladosporium sp.))、アルテルナリア斑点病(アルテルナリア病(Alternaria sp.))、炭疽病(コレトトリカム種(Colletotrichum sp.))、セプトリア斑点病(セプトリア種(Septoria sp.))、黒斑点(リゾクトニア・サラニ(Rhizoctonia salani))、うどん粉病(例えば、ブレミア・ラクツカエ(Bremia lactucae)、ペロノスポラ種(Peronospora sp.)、シュードペロノスポラ種(Pseudoperonospora sp.)、フィトフソラ種(Phytophthora sp.));
−果実樹、地上部分の病気に関して、モニリア病(モニリア・フルクチゲナエ(Monilia fructigenae)、M.ラクサ(M. laxa))、黒星病(scab)(ベンチュリア・イナクアリス(Venturia inaequalis)、うどん粉病(ポドスファエラ・ロイコトリカ(Podosphaera leucotricha));
−つる植物、茎葉の病気に関して:特に、灰色かび病(ボトリティス・シネレア(Botrytis cinerea))、うどん粉病(ウンシヌラ・ネカトール(Uncinula necator))、黒菌病(グイニャルディア・ビウェリ(Guignardia biwelli))及びうどん粉病(プラスモパラ・ビチコラ(Plasmopara viticola));
−ビートの根、地所部分の以下の病気に関して:セルコスポラ胴枯れ病(セルコスポラ・ビチコラ(Cercospora beticola))、うどん粉病(エリシフェ・ベチコラ(erysiphe beticola))、斑点病(ラムラリア・ベチコラ(Ramularia beticola))。
【0134】
本発明の殺真菌組成物は、樹木の上または内部で増殖し易い真菌性の病気に対しても使用され得る。「樹木」という用語は、あらゆるタイプの樹木の種、及び建築向けの、この樹木のあらゆるタイプの製品、例えば、固い木、高密度の木、合板及びベニヤ板を意味する。本発明の樹木を処理する方法は、主として、本発明の一以上の化合物又は本発明の組成物に接触させることに存する。これには、例えば、直接適用、噴霧、浸漬、注入又は他の任意の適切な手段が含まれる。
【0135】
本発明による処理において通常適用される活性物質の用量は、一般に及び有利に、葉の処理における適用の場合には、10ないし800g/ha、好ましくは50ないし300g/haである。適用される活性物質の用量は、一般に及び有利に、種子の処理の場合には、100kgの種子当り2ないし200g、好ましくは100kgの種子当り3ないし150gである。上記用量は、本発明の例示として記載されていることが自明である。当業者であれば、処理されるべき穀物の性質に従って、適用用量を適合させる方法を知っているであろう。
【0136】
本発明の殺真菌組成物は、本発明の化合物又は本発明の農薬組成物による、遺伝的に修飾された生物の処理において使用することもできる。遺伝的に修飾された植物とは、そのゲノム中に、目的のタンパク質をコードする異種遺伝子が安定に組み込まれた植物である。基本的には、「目的のタンパク質をコードする異種遺伝子」という表現は、形質転換された植物に、新しい農業的特性を付与する遺伝子、又は形質転換された植物の農業的品質を改善するための遺伝子を意味する。
【0137】
本発明の組成物は、例えば、真菌症、皮膚病、白癬菌病及びカンジダ症又はアスペルギルス種、例えば、アスペルギルス・フミガタス(Aspergillus fumigatus)によって引き起こされる疾病などのヒト及び動物の真菌病を治癒的又は予防的に処置するのに有用な組成物の調製のためにも使用され得る。
【0138】
ここで、以下の化合物の表及び実施例を参照しながら、本発明の側面を説明する。以下の表AからVは、本発明の殺真菌化合物の例を非限定的に例示する。以下の実施例において、M+1(又はM−1)は、それぞれ、質量分析計に観察された、分子イオンピークプラス又はマイナス1a.m.u(原子質量単位)を意味する。
【0139】
【表1】













【0140】
一般式(1)の化合物を調製する方法の例
(実施例1)
N−{2−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]ブチル}−1−メチル−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(化合物15)の調製
100mgの2−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]−1−ブタンアミン(0.0004mol)、60mgの1−メチル−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−4−カルボン酸(0.0004mol)、及び0.109gの4−(4,6−ジメトキシ[1.3.5]トリアジン−2−イル)−4−塩化メチルモルホルニウム水和物(0.0004mol)を2mLのエタノール中で常温で一晩撹拌する。
【0141】
前記反応混合物を乾燥するまで濃縮し、シリカ上で精製して、95mgのN−{2−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]ブチル}−1−メチル−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(57%)を得る。
【0142】
マススペクトル:[M+1]=429。
【0143】
(実施例2)
N−{2−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]−2−メチルプロピル}−1−メチル−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(化合物24)の調製
104mgの2−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]−2−メチル−1−プロパナミン塩酸塩、40μLのトリエチルアミン、62mgの3−(トリフルオメチル)−1H−ピラゾール−4−カルボン酸、及び0.13gの4−(4,6−ジメトキシ[1.3.5]トリアジン−2−イル)−4−塩化メチルモルホルニウム水和物(0.00054mol)を2mLのメタノール中で常温で一晩撹拌する。
【0144】
前記反応混合物を乾燥するまで濃縮し、シリカ上で精製して、95mgのN−{2−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]−2−メチルプロピル}−1−メチル−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(59%)を生成する。
【0145】
マススペクトル:[M+1]=429。
【0146】
(実施例3)
N−(1−{[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]メチル}プロピル)−3−ヨード−2−チオフェンカルボキサミド(化合物32)の調製
100mgの1−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]−2−ブタンアミン(0.0004mol)、107mgの3−ヨード−チオフェン−2−カルボン酸(0.0004mol)、及び83mgの4−(4,6−ジメトキシ[1.3.5]トリアジン−2−イル)−4−塩化メチルモルホルニウム水和物(0.0003mol)を2mLのエタノール中で常温で一晩撹拌する。
【0147】
前記反応混合物を乾燥するまで濃縮し、シリカ上で精製して、96mgのN−(1−{[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]メチル}プロピル)−3−ヨード−2−チオフェンカルボキサミド(54%)を生成する。
【0148】
マススペクトル:[M+1]=489。
【0149】
(実施例4)
N−{2−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]−1−フェニルエチル}−3−ヨード−2−チオフェンカルボキサミド(化合物37)の調製
79mgの2−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]−1−フェニルエタナミン(0.0003mol)、76mgの3−ヨード−チオフェン−2−カルボン酸(0.0003mol)、及び83mgの4−(4,6−ジメトキシ[1.3.5]トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホルニウム水和物(0.0003mol)を3mLのエタノール中で常温で一晩撹拌する。
【0150】
前記反応混合物を乾燥するまで濃縮し、シリカ上で精製して、27mgのN−{2−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]−1−フェニルエチル}−3−ヨード−2−チオフェンカルボキサミドを生成する。
【0151】
マススペクトル:[M+1]=537。
【0152】
(実施例5)
N−{2−(アセチルアミノ)−2−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]エチル}−3−ヨード−2−チオフェンカルボキサミド(化合物36)の調製
108mgのN−{2−アミノ−1−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]エチル}アセトアミドトリフルオロ酢酸塩(0.0003mol)、76mgの3−ヨード−チオフェン−2−カルボン酸(0.0003mol)、83mgの4−(4,6−ジメトキシ[1.3.5]トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホルニウム水和物(0.0003mol)、及び41μLのトリエチルアミン(0.0003mol)を3mLのエタノール中で常温で一晩撹拌する。反応混合物を乾燥するまで濃縮し、シリカ上で精製して、29mgのN−{2−(アセチルアミノ)−2−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]エチル}−3−ヨード−2−チオフェンカルボキサミドを生成する。
【0153】
マススペクトル:[M+1]=518。
【0154】
出発原料調製方法の実施例(一般式2の中間体)
(実施例6)
2−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]−1−フェニルエタナミンの調製
2−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]−1−フェニルエタノンの調製
4.3mL(0.029mol)のアセトフェノンを、常温のジメトキシエタン中の2.6mg(0.065mol)の水素化ナトリウム60%の懸濁液に添加する。45分後、5.55mL(0.038mol)の2,3−ジクロロ−5−(トリフルオロメチル)ピリジンを添加する。25分後、前記反応混合物を100mLの塩化水素酸1Nに注ぎ、100mlの酢酸エチルで、2度抽出する。
【0155】
有機相を100mLの水で2度洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、ろ過して、濃縮し、溶出剤としてヘプタン及び酢酸エチルを使用してシリカのカラム上で精製される15gの粗製物を得て、5.74gの目的の生成物2−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]−1−フェニルエタノン(74%)を生成する。
【0156】
H NMR δ(ppm)8,37、(1H,s)、7,95(1H,s)、7,45(2H,m)、7,42(2H,m)、4,75(2H,s)。
【0157】
2−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]−1−フェニルエタナミンの調製
5.6g(0.0187mol)の2−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]−1−フェニルエタノンを50mLのメタノール中で希釈する。50mgのモレキュラシーブ3Å、14.4g(0.187mol)の酢酸アンモニウム及び2.45g(0.037mol)のシアノ水素化硼素ナトリウムを次に添加する。pHを酢酸(1mL)で5−6に調節する。常温での反応4日後、媒体をろ過して、1M水酸化ナトリウム水溶液をpH=12になるまで添加する。150mLの酢酸エチルを添加し、分離後、水相を150mLの酢酸エチルで2度抽出する。
【0158】
有機相を100mLの塩水及び100mLの水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、ろ過して、濃縮し、1.3gの目的生成物2−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]−1−フェニルエタナミン(23%)を生成する。
【0159】
マススペクトル:[M+1]=301。
【0160】
(実施例7)
2−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]−1−ブタンアミン塩酸塩の調製
メチル[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル](シアノ)酢酸の調製
アルゴン下で、油(2.91mol、1.8eq)中で分散の116gの水素化ナトリウム60%を3LのDMF中で懸濁した。前記懸濁液を氷水中で冷却した。200mLのDMFの溶液中の160g(1.616mol、1.0eq)のシアノ酢酸メチルを撹拌しながら滴加した。温度が50℃まで上昇し、水素を放出した。一旦泡立ちが治まると、350g(1.616mol、1.0eq)の2,3−ジクロロ−5−(トリフルオロメチル)−ピリジンを撹拌しながら添加した。前記混合物を常温で一晩撹拌した。50mLのメタノールを滴加し、反応物を急冷した。前記反応混合物を5Lの水へ注いだ。pHを濃縮された塩化水素酸で3−4に調節した。
【0161】
形成された黄色の沈殿物をろ過し、水及びペンタンで十分に洗浄した。414gのメチル[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル](シアノ)酢酸(92%)を再生した。
【0162】
マススペクトル:[M+1]=279。
【0163】
[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]アセトニトリルの調製
314g(1.13mol、1eq)のメチル[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル](シアノ)酢酸及び22g(0.38mol、0.33eq)の塩化ナトリウムを44mLの水及び1.1LのDMSOの混合物中で溶解した。前記反応混合物を撹拌し、160℃に加熱した。ガスを放出し、一旦泡立ちが治まると、前記反応物を撹拌しながら常温に戻した。1Lの水及び0.5Lのジクロロメタンを添加した。分離後、水相を0.5LのDCMで、2度抽出した。
【0164】
有機相を0.5Lの水で2度抽出して、硫酸マグネシウム上で乾燥させた。濃縮後、粗製物を100mLのDCM中で希釈し、シリカ上でEtOAc/ヘプタン(20/80)を使用して溶出した。ろ過液を濃縮して、227gの[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]アセトニトリル(91%)を生成した。
【0165】
マススペクトル:[M+1]=223。
【0166】
2−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]ブタンニトリルの調製
199g(0.9mol)の3の[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]アセトニトリルを3LのTHF中、−5℃で溶解する。0.6LのTHF中の106g(0.945mol)のカリウムter−ブタノアートの溶液を前記反応媒体にゆっくりと添加する。2H後、147g(0.945mol)のヨウ化エチルを常温で一晩撹拌される反応混合物に滴加する。3Lの水及び2Lの酢酸エチルを前記反応混合物に添加し、分離後、水相を500mLの酢酸エチルで2度抽出する。
【0167】
有機相を4Lの塩水及び1Lの水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濃縮して、223gの目的生成物2−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]ブタンニトリル(100%)を生成する。
【0168】
H NMRδ(ppm)8,7(1H,d,J=1,5Hz)、7,91(1H,d,J=1,5Hz)、4,37(1H,dd,J=6,57Hz−7,83Hz)、2,00(2H,m)、1,06(3H,t,J=7.33Hz)。
【0169】
tert−ブチル2−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]ブチルカルバメートの調製
189gの2−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]ブタンニトリル(0.758mol)、331g(1.51mol)の炭酸ジテルブチル、198g(0.834mol)の塩化ニッケル(II)−6水和物を2Lのメタノール中で常温で撹拌する。200.6g(5.31mol)の水素化硼素ナトリウムを少量ずつ添加する。3時間の撹拌後、前記反応混合物をSupercel上でろ過して、2Lの酢酸エチルを添加し、続いて1.5Lの重炭酸ナトリウム水溶液を添加する。
【0170】
分離後、有機相を1Lの重炭酸ナトリウム水溶液で3度洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濃縮して、シリカ上で精製される375gの粗製物を生成し、147gの目的生成物tert−ブチル2−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]ブチルカルバメート(50.5%)を得る。
【0171】
H NMRδ(ppm)8,88(1H,d,J=1,5Hz)、8,04(1H,d,J=1,5Hz)、5,04(1H,b)、3,78(1H,m)、3,67(2H,m)、1,88(2H,m)、1,34(9H,s)、1,01(3H,t,J=7.33Hz)。
【0172】
2−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]−1−ブタンアミン塩酸塩の調製
146gのtert−ブチル2−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]カルバミン酸ブチル(0.414mol)を2Lのジクロロメタン中で溶解する。190mLのトリフルオロ酢酸を滴加する。前記反応混合物を常温で12時間撹拌し、乾燥するまで濃縮して、300mLの塩化水素酸2M中で希釈する。
【0173】
2H後、前記反応混合物を乾燥するまで濃縮して、104gの目的生成物2−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]−1−ブタンアミン塩酸塩(87%)を得る。
【0174】
(実施例8)
1−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]−2−ブタンアミンの調製
メチル2−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]−3−オキソペンタノエートの調製
4.45gの水酸化カリウム85%を40mLのDMF中で懸濁し、4.37gのメチル3−オキソペンタン酸(0.036mol)を続いて添加する。前記反応混合物を50℃に温め、6mLの2,3−ジクロロ−5−(トリフルオロメチル)ピリジンを取り入れる。前記反混合物を50℃で4時間撹拌し、150mLのNaHPO(1M)水溶液で急冷して、150mLの酢酸エチルで3度抽出する。
【0175】
有機相を150mLの塩水及び150mLの水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させて、濃縮し、シリカ上で精製される8.8gの粗製物を得て、2.09gの目的生成物メチル2−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]−3−オキソペンタン酸(24%)を生成する。
【0176】
マススペクトル:[M+1]=310。
【0177】
1−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]−2−ブタノンの調製
2.08gのメチル2−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]−3−オキソペンタン酸(0.00677mol)及び0.12gの塩化ナトリウムを水(0.25mL)及びジメチルスルホキシド(20mL)の混合物中で溶解する。前記反応媒体を130℃で8時間撹拌する。冷却後、100mLの水を150mLの酢酸エチルで2度抽出される前記反応混合物に添加する。
【0178】
有機相を100mLの水で2度洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させて、濃縮する。シリカ上での精製後、0.67gの目的生成物1−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]−2−ブタノン(39%)を得る。
【0179】
マススペクトル:[M+1]=253。
【0180】
1−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]−2−ブタンアミンの調製
0.64gのf1−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]−2−ブタノン(0.0025mol)を5mLのメタノール中で希釈する。7.0gのモレキュラシーブ3Å、1.90g(0.025mol)の酢酸アンモニウム、及び0.39g(0.0052mol)のシアノ水素化硼素ナトリウムを続いて添加する。前記反応媒体を常温で一晩撹拌する。ろ過後、pHを水酸化ナトリウム1Mの水溶液で9に調節する。前記反応混合物を乾燥するまで濃縮し、30mLの酢酸エチルを添加する。有機相を水酸化ナトリウム1Mの水溶液、塩水、及び水で洗浄して、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、ろ過して、乾燥するまで濃縮する。前記粗製物を15mLの塩化水素酸1M中で溶解し、15mLの酢酸エチルで抽出する。
【0181】
次に水相を水酸化ナトリウム1Mの水溶液で塩基性とし、15mLの酢酸エチルで3度抽出して、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、ろ過して、乾燥するまで濃縮し、0.21gの目的生成物1−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]−2−ブタンアミン(32%)を得る。
【0182】
マススペクトル:[M+1]=253。
【0183】
(実施例9)
N−{2−アミノ−1−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]エチル}アセトアミドトリフルオロアセテートの調製
[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル][(ジフェニルメチレン)アミノ]アセトニトリルの調製
N−(ジフェニルメチレン)アミノアセトニトリル(11.1g、0.05mol)及び60mLの(50mL)ジメチルホルムアミドの溶液を、−10℃のジメチルホルムアミド(50mL)中の水素化ナトリウム60%(4.0g、0.1mol)の懸濁液に滴加した。1時間の撹拌後、前記反応混合物へ添加し、7mLの2,3−ジクロロ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン(0.052mol)を前記反応混合物へ添加する。前記反応媒体を常温にして、3時間撹拌し、ジエチルエーテル(500mL)及び塩化アンモニウム10%(500mL)水溶液の混合物で急冷する。分離後、有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、ろ過して、濃縮する。
【0184】
シリカ上で粗製物を精製し、17.8gの[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル][(ジフェニルメチレン]アミノ]アセトニトリル(90%)を生成する。
【0185】
m.p.=105−108℃。
【0186】
アミノ[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]アセトニトリル塩酸塩の調製
15.0gの[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル][(ジフェニルメチレン)アミノ]アセトニトリル(0.037mol)をジクロロメタン(15mL)及び塩化水素酸10%(15mL)の混合物中、常温で3時間撹拌する。相を分離し、有機相を15mLの塩化水素酸10%で洗浄する。
【0187】
水相を乾燥するまで濃縮してジエチルエーテルで洗浄するピンク色の固体を得て、ろ過し、乾燥させて、8.10gの目的生成物のアミノ[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]アセトニトリル塩酸塩(79%)を得る。
【0188】
m.p.=258−260℃。
【0189】
N−[[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル](シアノ)メチル]アセトアミドの調製
0.67gのアミノ[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]アセトニトリル塩酸塩(0.00245mol)を15mLのジクロロメタン中で溶解し、0.68mLのトリエチルアミンを添加する。10分後、常温にて、0.18mLの塩化アセチル(0.00245mol)を添加し、前記反応混合物を一晩撹拌する。前記反応物を20mLの水で急冷する。
【0190】
分離後、有機相を20mLの水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、ろ過して、乾燥するまで濃縮し、シリカ上で精製する0.75gの粗製物を得て、0.54gの目的生成物N−[[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル](シアノ)メチル]アセトアミド(80%)を生成する。
【0191】
マススペクトル:[M+1]=278。
【0192】
tert−ブチル2−(アセチルアミノ)−2−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]カルバミン酸エチルの調製
5.00gのN−[[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル](シアノ)メチル]アセトアミド(0.018mol)、7.86g(0.036mol)の炭酸ジテルブチル及び4.28gの塩化ニッケル(II)−6水和物を25mLのメタノール中、常温で撹拌する。3.40g(0.09mol)の水素化硼素ナトリウムを少量ずつ添加する。前記反応混合物を一晩撹拌する。200mLの酢酸エチルを添加し、続けて50mLの水を添加する。分離後、水相を50mLの酢酸エチルで2度抽出する。
【0193】
有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濃縮して、シリカ上で精製する4.01gの粗製物を生成し、1.35gの目的生成物tert−ブチル2−(アセチルアミノ)−2−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]カルバミン酸エチル(19%)を得る。
【0194】
マススペクトル:[M+1]=382。
【0195】
N−{2−アミノ−1−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]エチル}アセトアミドトリフルオロ酢酸塩の調製
1.30gのtert−ブチル2−(アセチルアミノ)−2−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル] カルバミン酸エチル(0.034mol)をジクロロメタン(2.5mL)及びトリフルオロ酢酸(2.5mL)の混合物中で希釈する。常温で一晩撹拌してから、前記反応混合物を乾燥するまで濃縮し、1.34gの目的生成物N−{2−アミノ−1−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]エチル}アセトアミドトリフルオロ酢酸塩(99%)を生成する。
【0196】
マススペクトル:[M+1−HC1]=282。
【0197】
(実施例10)
2−アミノ−1−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]エタノールの調製
1−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]エタノンの調製
75:25のトルエン/テトラヒドロフラン中の210mL(0.29mol)のメチルマグネシウム臭化物の1.4M溶液を225mLの乾燥トルエンへ添加した。前記溶液を−5℃に冷却し、30g(0.145mol)の3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジンカルボニトリルを2時間で0℃の溶液にゆっくりと添加した。添加後、濃い色の溶液をさらに常温で5時間撹拌した。前記反応混合物を350mLのIN塩化水素酸で中和し、常温で3時間撹拌した。水相を酢酸エチル(3×200mL)で再度抽出し、水(300mL)で洗浄して、マグネシウム上で乾燥させた。前記溶媒を減圧下で蒸発させ、33.2gの粗製物を茶色の油性物として得た。
【0198】
前記粗製物をシリカゲル上(9:1のヘプタン/酢酸エチルの溶出剤)でフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、1−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]エタノンを13.1g(40%)の黄色の油性物として得た。
【0199】
マススペクトル:[M+1]=224。
【0200】
2−ブロモ−1−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]エタノンの調製
常温で27.8g(0.074mol)のフェニルトリメチルアンモニウム3臭化物を、150mLの乾燥テトラヒドロフラン中の16.6g(0.074mol)の1−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]エタノン溶液に少量ずつ添加した。前記溶液を常温で3時間撹拌した。形成された固体をろ過して取り出し、母液を真空下で濃縮した。結果的に生じたオレンジ色の油性物(32.7g)をシリカゲル(3:1のヘプタン/ジクロロメタンの溶出液)上でフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、2−ブロモ−1−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]エタノンを10.4g(46%)の黄色の油性物として得た。
【0201】
マススペクトル:[M−1]=302。
【0202】
2−{2−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]−2−オキソエチル}−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオンの調製
引き続いて、50mg(0.33mmol)のヨウ化カリウム及び1.23g(6.6mmol)のフタルイミドカリウムを、10mLの2−ブタノン中の1g(3.3mmol)の2−ブロモ−1−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]エタノン溶液に添加した。前記反応混合物を86℃で2時間撹拌した。反応混合物を100mLの水の中へ注ぎ、水相を酢酸エチル(2×50mL)で抽出して、有機相を水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させた。
【0203】
前記溶媒を減圧下で蒸発し、結果的に生じる固体をジクロロメタン中で粉砕し、2−{2−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]−2−オキソエチル}−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオンを0.35g(29%)のベージュ色の固体として得た。mp=162℃
マススペクトル:[M+1]=369。
【0204】
2−{2−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]−2−ヒドロキシエチル}−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオンの調製
0℃で700mg(1.9mmol)の2−{2−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]−2−オキソエチル}−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオンを、5mlのメタノール中の36mg(0.95mmol)の水素化硼素ナトリウムの懸濁液へ添加した。前記反応混合物を常温で1時間撹拌した。pHを1N塩化水素酸の添加により7に調節し、エタノールを減圧下で取り除いた。残留物をジクロロメタン(2×50ml)で再度抽出し、有機相を塩水で洗浄して、硫酸マグネシウム上で乾燥させた。前記溶媒を蒸発して、0.55gの粗製物を黄色の固体として得た。
【0205】
前記粗製物をシリカゲル(8:2のヘプタン/酢酸エチルの溶出剤)上のフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、2−{2−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]−2−ヒドロキシエチル}−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオンを0.3g(42%)のクリーム色の固体として得た。
【0206】
マススペクトル:[M+1]=371。
【0207】
2−アミノ−1−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]エタノールの調製
0.02ml(0.4mmol)のヒドラジン1水和物を3mlのエタノール中の150mg(0.4mmol)の2−{2−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]−2−ヒドロキシエチル}−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオンの懸濁液に添加した。
【0208】
前記反応混合物を還流しながら4時間加熱した。冷却後、白い固体をろ過し、母液を真空化で濃縮して、2−アミノ−1−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]エタノールを50mg(52%)の黄色の固体として得た。
【0209】
マススペクトル:[M+1]=241。
【0210】
一般式(1)の化合物の生物学的活動実施例
(実施例A)
アルタナリアブラシカエ(アブラナ科植物の斑点病)のインビボ試験
試験する活性成分を、濃縮された懸濁液型製剤100g/l中、ポッターホモジナイゼーションで調製する。前記懸濁液を水で希釈し、目的の活性剤の濃縮物を取り出す。
【0211】
ポット育苗箱の二十日大根(パーノット種)は、50/50のポゾランの泥炭土に種をまき、18−20℃で栽培し、上記の水性懸濁液を噴霧することによって、子葉段階で処理する。
【0212】
対照植物として使用される植物は、活性剤を含有していない水溶液で処理する。
【0213】
24時間後、前記植物にアルタナリアブラシカエの胞子(40,000胞子/cm)の水性懸濁液を吹き掛けて感染させる。前記胞子を12−13日経った培養物から収集する。
【0214】
感染した二十日大根を18℃の湿った空気で6−7日間培養する。
【0215】
感染から6−7日後、対照植物と比較して評価する。
【0216】
前記の条件で、良い(少なくとも50%)から完全保護までを、1回分330ppmで次の化合物:1、2、3、7、8、9、10、11、12、13、15、16、17、18、20、23、32、33、34、37、40、52、54、及び58を使用して観察する。
【0217】
(実施例B)
エリシフェ・グラミニス f.sp. トリチシ(Erysiphe graminis f. sp. tritici)(小麦のうどん粉病)のインビボ試験
試験する活性成分を濃縮された懸濁液型製剤100g/l中、ポッターホモジナイゼーションで調製する。前記懸濁液を水で希釈し、目的の活性剤の濃縮物を取り出す。
ポット育苗箱の小麦(オーダス種)は、50/50のポゾランの泥炭土に種をまき、12℃で栽培し、上記の水性懸濁液を吹き掛けて1葉段階(高さ10cm)で扱う。
【0218】
対照植物として使用される植物は、活性剤を含有していない水溶液で処理する。
24時間後、前記植物にエリシフェ・グラミニスの胞子をまぶして感染させ、胞子は病気にかかった植物を使用して実行する。
【0219】
感染から7−14日後、対照植物と比較して評価する。
【0220】
前記の条件で、良い(少なくとも50%)から完全保護までを、1回分330ppmで次の化合物:8、9、11、15、18、20、及び23を使用して観察する。
【0221】
(実施例C)
ボトリチスシネレア(キュウリの灰色かび病)のインビボ試験
試験する活性成分を濃縮された懸濁液型製剤100g/l中でポッターホモジナイゼーションで調製する。前記懸濁液を水で希釈し、目的の活性剤の濃縮物を取り出す。
ポット育苗箱のキュウリ(マーケター種)は、50/50のポゾランの泥炭土に種をまき、18−20℃で栽培し、上記の水性懸濁液を吹き掛けて子葉Z11段階で扱う。対照植物を活性剤を含まない水溶液を使用して扱う。
【0222】
24時間後、前記植物にボトリチスシネレアの胞子(150,000胞子/ml)の水溶液を葉の上面に何滴か溶着して感染させる。前記胞子を15日経った培養物から収集し、次の栄養溶液化合物で懸濁する。
【0223】
・20g/Lのゼラチン
・50g/Lの甘蔗糖
・2g/LのNHNO
・1g/LのKHPO
感染したキュウリを5/7日間15〜11℃(昼/夜)の80%の相対湿度の気候室に置く。
【0224】
感染から5/7日後、対照植物と比較して評価する。
【0225】
前記の条件で、良い(少なくとも50%)から完全保護までを、1回分330ppmで次の化合物:12、24、31、及び33を使用して観察する。
【0226】
(実施例D)
ピレノホラテレス(大麦綱斑病)のインビボ試験
試験する活性成分を濃縮された懸濁液型製剤100g/l中でポッターホモジナイゼーションで調製する。前記懸濁液を水で希釈し、目的の活性剤の濃縮物を取り出す。
ポット育苗箱の大麦(エキスプレス種)は、50/50のポゾランの泥炭土に種をまき、12℃で栽培し、上記の水性懸濁液を吹き掛けて1葉段階(高さ10cm)で扱う。対照植物として使用される植物は、活性剤を含有していない水溶液で処理する。24時間後、前記植物にピレノホラテレスの胞子(12,000胞子/ml)の水性懸濁液を吹き掛けて感染させる。前記胞子を12日経った培養物から収集する。感染した大麦を24時間20℃及び100%の相対湿度で培養し、その後12日間80%の相対湿度で培養する。
【0227】
感染から12日後、対照植物と比較して評価する。
【0228】
これらの条件で、良い(少なくとも50%)から完全保護までが、1回分330ppmで次の化合物:2、4、7、8、9、11、12、14、15、16、17、18、20、21、22、23、24、25、29、32、33、34、37、40、50、51、52、53、54、56、57、58、及び59を使用して観察される。
【0229】
(実施例E)
ペロノスポラブラシカエ(キャベツのべと病)のインビボ試験
試験する活性成分を濃縮された懸濁液型製剤100g/l中、ポッターホモジナイゼーションで調製する。前記懸濁液を水で希釈し、目的の活性剤の濃縮物を取り出す。
ポット育苗箱のキャベツ(エミネンス種)は、50/50のポゾランの泥炭土に種をまき、18−20℃で栽培し、上記の水性懸濁液を吹き掛けて子葉段階で扱う。対照植物として使用される植物は、活性剤を含有していない水溶液で処理する。
【0230】
24時間後、前記植物にベロノスプラブラシカエの胞子(50,000胞子/ml)の水性懸濁液を吹き掛けて感染させる。前記胞子を感染した植物から収集する。
【0231】
感染したキャベツを20℃の湿った空気で5日間培養する。
【0232】
感染から5日後、対照植物と比較して評価する。
【0233】
前記の条件で、良い(少なくとも50%)から完全保護までが、1回分330ppmで次の化合物:46を使用して観察される。
【0234】
特許出願WO01/11965(表Dの化合物316を参照)に開示されているN−{1−メチルカルバモイル−2−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]エチル}−4−フェニルベンズアミドは、330ppmでアルタナリアブラシカエにおいての効果は弱く、ボトリチスシネレアにおいての効果は無かった。同じく特許出願WO01/11965(表Dの化合物307を参照)に開示されているN−{1−エチルカルバモイル−2−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]エチル}−3−ニトロベンズアミドは、330ppmでアルタナリアブラシカエでの効果は弱く、ボトリチスシネレアでは効果が無かった。特許出願WO01/11965(表Dの化合物304及び314)に開示されているN−{1−エチルカルバモイル−2−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]エチル}−ベンズアミド及びN−{1−メチルカルバモイル−2−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]エチル}−ベンズアミドは、330ppmでボトリチスシネレアでは効果が無かった。特許出願WO01/11965(表Dの化合物306、310、及び315)に開示されているN−{1−エチルカルバモイル−2−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]エチル}−4−クロロベンズアミド、N−{1−エチルカルバモイル−2−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]エチル}−2−ブロモベンズアミド、及びN−{1−メチルカルバモイル−2−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]エチル}−4−メトキシベンズアミドは、330ppmでボトリチスシネレアおいては効果が無かった。
【0235】
特許出願WO01/11965(表Bの化合物101を参照)に開示されているN−{[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]メチル}−5−チエニルアセトアミドは、330ppmでアルタナリアブラシカエにおいての効果は弱く、ボトリチスシネレア及びペロノスポラパラシチカでは効果が無かった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)の化合物並びにその塩、N−オキシド、金属錯体、准金属錯体及び光学的に活性な異性体。
【化1】

(式中、
−nは、1、2、又は3であり;
−Rは、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルであり;
−各置換基Xは、他と独立に、水素原子、ハロゲン原子、C−Cアルキル又はC−Cハロゲノアルキルとして選択され;
−R、R、R及びRは、他と独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基,アミノ基、スルファニル基、ホルミル基、ホルミルオキシ基、ホルミルアミノ基、カルボキシ基、カルバモイル基、N−ヒドロキシカルバモイル基、カルバメート基、(ヒドロキシイミノ)−C−C−アルキル基、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、C−C−アルコキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルコキシ、C−C−アルキルスルファニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルスルファニル、C−C−アルケニルオキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルケニルオキシ、C−C−アルキニルオキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキニルオキシ、C−C−シクロアルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノシクロアルキル、C−C−アルキルカルボニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルカルボニル、C−C−アルキルカルバモイル、ジ−C−C−アルキルカルバモイル、N−C−C−アルキルオキシカルバモイル、C−C−アルコキシカルバモイル、N−C−C−アルキル−C−C−アルコキシカルバモイル、C−C−アルコキシカルボニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルコキシカルボニル、C−C−アルキルカルボニルオキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルカルボニルオキシ、C−C−アルキルカルボニルアミノ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルカルボニルアミノ、C−C−アルキルアミノカルボニルオキシ、ジ−C−C−アルキルアミノカルボニルオキシ、C−C−アルキルオキシカルボニルオキシ、C−C−アルキルスルフェニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルスルフェニル、C−C−アルキルスルフィニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルスルホニル、ベンジル、ベンジルオキシ、ベンジルスルファニル、ベンジルスルフィニル、ベンジルスルホニル、ベンジルアミノ、フェノキシ、フェニルスルファニル、フェニルスルフィニル、フェニルスルホニル、フェニルアミノ、フェニルカルボニルアミノ、2,6ジクロロフェニル−カルボニルアミノ基若しくはフェニル基として選択され;又はRとRは、両者で、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル若しくはシクロヘキシルを形成することができ;
但し、4つの置換基R、R、R及びRのうち3つが水素原子である場合には、4つ目の置換基は水素原子ではなく;
−Rは、水素原子、シアノ基、ホルミル基、ヒドロキシ基、C−C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキル、C−C−アルコキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルコキシ、C−C−シクロアルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノシクロアルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−シアノアルキル、C−C−アミノアルキル、C−C−アルキルアミノ−C−C−アルキル、ジ−C−C−アルキルアミノ−C−C−アルキル、C−C−アルキルカルボニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲンアルキルカルボニル、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−シクロアルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノシクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキル、C−C−ベンジルオキシカルボニル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキルカルボニル、C−C−アルキルスルホニル又は1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルスルホニルとして選択され;
−Hetは、同一又は異別であり得る1、2又は3個の複素原子を有する5−、6−又は7員の非縮合複素環を表し、Hetは、炭素原子によって連結されており、少なくともオルト位において置換されている。)
【請求項2】
nが1又は2であることを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
Xがハロゲン原子であることを特徴とする、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
Xが塩素であることを特徴とする、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
が−CFであることを特徴とする、請求項1から4の何れか一項に記載の化合物。
【請求項6】
2−ピリジルが3及び/又は5位において置換されていることを特徴とする、請求項1から5の何れか一項に記載の化合物。
【請求項7】
前記2−ピリジルが3位においてXによって置換されており、及び5位においてRによって置換されていることを特徴とする、請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
前記2−ピリジルが3位においてClによって置換されており、及び5位において−CFによって置換されていることを特徴とする、請求項1から7の何れか一項に記載の化合物。
【請求項9】
及びRが、互いに独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、C−C−アルキル、1ないし5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキル、C−Cアルケニル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルスルファニル、C−C−アルキルスルフェニル、C−C−アルキルスルフィニル、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−アルキルカルボニルアミノ、C−C−アルコキシカルボニルオキシ、C−C−アルコキシカルボニルアミノ又はフェニル基として選択されることを特徴とする、請求項1から8の何れか一項に記載の化合物。
【請求項10】
及びRが、互いに独立に、ハロゲン原子、C−C−アルキル、1ないし5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキル又はC−C−アルキルカルボニルアミノとして選択されることを特徴とする、請求項9に記載の化合物。
【請求項11】
及びRが、互いに独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C−C−アルキル、1ないし5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキル、C−C−アルキルカルボニルアミノ又はフェニル基として選択されることを特徴とする、請求項1から10の何れか一項に記載の化合物。
【請求項12】
及びRが、互いに独立に、ハロゲン原子、C−C−アルキル、1ないし5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキル又はフェニル基として選択されることを特徴とする、請求項11に記載の化合物。
【請求項13】
が、水素原子又はC−C−シクロアルキルであることを特徴とする、請求項1から12の何れか一項に記載の化合物。
【請求項14】
Hetが五員環の複素環であることを特徴とする、請求項1から13の何れか一項に記載の化合物。
【請求項15】
Hetが六員環の複素環であることを特徴とする、請求項1から13の何れか一項に記載の化合物。
【請求項16】
一般式(II)の2−ピリジン誘導体:
【化2】

(X、n、R、R、R、R、R及びRは、請求項1〜15の何れか一項に記載のとおりである。)又はその塩の一つを、一般式(III)
【化3】

(−Hetは、請求項1〜15の何れか一項に定義されているとおりであり;並びに
−Lは、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、−OR、−OCORであり、Rは、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、ベンジル、4−メトキシベンジル、ペンタフルオロフェニル又は式
【化4】

の基として選択される脱離基である)のカルボン酸誘導体と、触媒の存在下で、及びLがヒドロキシル基であれば縮合剤の存在下で反応させることを含む、請求項1から15の何れか一項に記載の一般式(I)に記載の化合物の調製方法。
【請求項17】
が水素原子であること、及び、
一般式(Id)の化合物を一般式(XXII)の化合物と反応させて一般式(I)の化合物を提供することを含む以下の反応スキーム:
【化5】

(−R、R、R、R、R、X、n及びHetは、請求項1から15の何れか一項に定義されているとおりであり、
−Lは、ハロゲン原子、4−メチルフェニルスルホニルオキシ又はメチルスルホニルオキシであるとして選択される脱離基である)に従うさらなる工程によって完結されることを特徴する、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
請求項1から15の何れか一項に記載の化合物の有効量と農業的に許容される支持体とを含む、殺真菌組成物。
【請求項19】
植物の種子若しくは植物の葉及び/又は植物の果実、又は植物がその中で成長している、若しくはその中で植物を成長させることが望まれる土壌に、請求項18に記載の組成物の有効かつ非植物毒性量が適用されることを特徴とする、穀物の植物病原性真菌を予防的に又は治癒的に撲滅する方法。

【公表番号】特表2007−516974(P2007−516974A)
【公表日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−544396(P2006−544396)
【出願日】平成16年12月16日(2004.12.16)
【国際出願番号】PCT/EP2004/014897
【国際公開番号】WO2005/058833
【国際公開日】平成17年6月30日(2005.6.30)
【出願人】(503325538)バイエル・クロツプサイエンス・エス・アー (73)
【Fターム(参考)】