説明

2つの緑色蛍光タンパク質断片およびタンパク質−タンパク質の相互作用を検出するための方法におけるこれらの使用

全長強度を模倣する強度レベルを有する蛍光補完産物は、発色団の前の位置に突然変異によって改善された折りたたみの能力を導入することによって得られる。これは、特に緑色蛍光タンパク質(GFP)の黄色変異体によってみられる。アミノ酸172と173の間でGFPを分割することによって、相加的な増加が得られる。タンパク質間の相互作用を防止することができる薬物のスクリーニングは、蛍光標示式細胞分取(FACS)で最高のダイナミックレンジを有する細胞を選択することによって行われ、タクロリムスがFRBとFKBPの間のラパマイシンで誘導される相互作用を弱める能力によって例証した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、種々の分割フルオロフォア補完産物、特に緑色蛍光タンパク質(GFP)が濃い系を得るための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景。
【0003】
タンパク質-タンパク質の相互作用の測定として、特定の酵素断片による完全な酵素の再構築を使用することが提案されてきた。JohnssonおよびVarshavsky(Johnsson, N. , Varshavsky, A. (1994) Proc. Natl. Acad. Sci. U. S. A. 91, 10340-10344)では、ユビキチンの再構築を開示する。この再構築は、ユビキチンプロテアーゼによる融合物の不可逆的切断およびレポーターの放出を介して検出される。ツーハイブリッド技術とは反対に、この技術は、タンパク質-タンパク質の相互作用を、生細胞内におけるこの相互作用の天然の部位で、時間の関数としてモニターする可能性を含む。
【0004】
同様の系は、β-ガラクトシダーゼ(Rossi, F., Charlton, C. A., Blau, H.M. (1997) Proc. Natl. Acad. Sci. U. S. A. 94, 8405-8410)、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR、W098/34120))、およびβ-ラクタマーゼ(Wehrman, T., Kleaveland, B. , Her, J. H., Balint, R. F., Blau, H. M. (2002) Proc. Natl. Acad. Sci. U. S. A. 99, 3469-3474)を含むその他のタンパク質の再構築について提案されている。基本的概念は、機能的なタンパク質を2つの断片に分割することによって、機能が失われるということである。タンパク質XおよびYに対してそれぞれインフレームで融合された2つの断片を細胞内に形質転換またはトランスフェクトする。タンパク質XおよびYの間の結合により、2つの断片が共に近くにきて、補完断片の局部的な濃度が増大して、これらの断片の折りたたみが誘導されて、断片化されていないタンパク質と同様の活性を有する機能的なタンパク質を生じる。機能がDHFR活性である場合、タンパク質XおよびYが互いに結合した場合にだけ細胞が生存する。
【0005】
最近、蛍光タンパク質の断片の再構築および折りたたみを補助するための、やや似ている系を使用することが記載された。機能が蛍光であるので、タンパク質Xおよびタンパク質Yが、互いに結合することによって補完を補助する場合にだけ、細胞は、励起により発光する。
【0006】
Ghosh(I. Ghosh, A. D. Hamilton, L. Regan (2000) J. Am. Chem. Soc. 122, 5658-5659, W001/87919) は、sg100(F64L、S65C、Q80R、Y151L、1167T、およびK238N)と呼ばれるGFP変異体の使用を記載する。このGFPは、単一の蛍光の励起および発光ピークを、それぞれ475nmおよび505nmに有する(Palm(Palm, G. J. , Zdanov, A. , Gaitanaris, G. A. , Stauber, R., Pavlakis, G. N., Wlodawer, A. (1997) Nat. Struct. Biol. 4, 361-365)によって記載されているsg25と同様)。
【0007】
機能的なGFP断片の補完は、このGFPの最初の157のN末端のアミノ酸(N末端GFP)およびこのGFP(C末端GFP)の残りの81のC末端のアミノ酸(残基158から始まる)からなり、各々のGFPペプチド断片が、断片を結合させるために役立つ相互作用するロイシンジッパー・ペプチドに融合されている、2つの独立したペプチドを同時発現することによって達成される。
【0008】
Nagai(T. Nagai, A. Sawano, E. S. Park, A. Miyawaki (2001) Proc.Natl. Acad. U. S. A. 98, 3197-3202)は、以下の突然変異を有する黄色の蛍光性GFP変異体を試験する:S65G、V68L、Q69K、S72A、T203Y。この変異体は、開放性の129〜145のループ領域内の残基N144とY145の間で分割されており、該ペプチドは、Ca2+アッセイ法に使用するために、それぞれM13およびカルモジュリンに融合した。しかし、構築物をHeLa細胞に個々にトランスフェクトしたときに、アッセイ法に信頼性はなかった。
【0009】
したがって、この技術に使用するための代わりのGFPが必要とされる。
【発明の開示】
【0010】
発明の概要
本出願は、特定のGFPが、2つの独立したタンパク質の半分として発現されたときに、再構築して機能的な蛍光タンパク質を形成することができることを開示する。たとえば、EGFPが哺乳類細胞に発現されるときに、GFPのβバレルのβシート構造を形成する残基間のループ領域に位置する分割部位を選択することにより、強い蛍光を生じる(実施例5および実施例7)。本出願は、EYFPも再構築され、驚くべきことに、これがF64L突然変異を含む場合に、再構築されたタンパク質からの蛍光が著しく増強されることをさらに冷笑する(実施例9)。
【0011】
2つの独立したタンパク質の半分が相互作用しないタンパク質に融合されている場合、タンパク質の再構築は生じない。しかし、一緒にしたときは、これらが再構築される(実施例11)。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
詳細な開示
結合して1つの機能的な蛍光ユニットを形成することができる蛍光タンパク質の非蛍光性断片は、通常適切な部位で1つの蛍光タンパク質のコードヌクレオチド配列を分割し、独立してそれぞれのヌクレオチド配列断片を発現することによって作製される。蛍光タンパク質断片は、単独でまたは1つまたは複数のタンパク質の融合パートナーとの融合として発現されてもよい。
【0013】
したがって、本発明の1つの側面は、2つのGFP断片であって、GFPのアミノ酸番号1〜アミノ酸番号Xのアミノ酸の連続的なひと配列を含むGFPのN末端の断片であって、アミノ酸番号Xとアミノ酸番号X+1の間のペプチド結合は、GFPのループ内にある断片を含み、2つのGFP断片はまた、GFPのアミノ酸番号X+1からアミノ酸番号238のアミノ酸の連続的なひと配列を含むGFPのC末端の断片を含むGFP断片に関する。
【0014】
アミノ酸1は、GFPの第1のアミノ酸を示すことを意味する。アミノ酸238は、GFPの最後のアミノ酸を示すことを意味する。
【0015】
全ての残基は、野生型A.ビクトリア(A. victoria)GFP(GenBankアクセッション番号M62653)の番号付けに従って番号をつけ、前記番号付けを実施例1の蛍光タンパク質のアランメントによって例示される相同的な配列の相当するものの位置にも適用する。したがって、切断されたGFP(野生型GFPと比較して)での研究のとき、またはさらなるアミノ酸を有するGFPでの研究のときには、番号付けは該アランメントに相対的である。
【0016】
緑色蛍光タンパク質(GFP)は、クラゲ・エクオリア・ビクトリア(Aequorea Victoria)に由来する238アミノ酸の長さのタンパク質である(配列番号:1)。しかし、蛍光タンパク質は、ジシコソマ(Discosoma)種に由来する赤色蛍光タンパク質(Matz, M. V.et a/. 1999, Nature Biotechnology 17: 969-973)レニラ・レニホルミス(Renilla reniformis)に由来するGFP、レニラ・ムエレリ(Renilla MueIleri)に由来するGFP、または動物、真菌、もしくは植物に由来する蛍光タンパク質などの腔腸動物のその他のメンバーからも単離されている。GFPは、Heimら(Heim, R.ら、1994, Proc.Natl. Acad. Sci. 91: 26, pp 12501-12504によって開示された、野生型GFPのY66H変異体であるGFPの青色蛍光変異体(BFP);S65G、S72A、およびT203Yの変異を有するGFPの黄色蛍光変異体(YFP)(W098/06737);Y66Wの色突然変異、および任意にF64L、S65T、N1461、M153T、V163Aの折りたたみ/溶解度変異を有するGFPのシアン蛍光性変異体(CFP)(Heim, R. , Tsien, R. Y. (1996) Curr. Biol. 6, 178-182)を含む種々の改変形態で存在する。GFPで最も広く使われている変異体は、F64LおよびS65T突然変異(国際公開公報第97/11094号および国際公開公報第96/23810号)、並びに第1のMetの後の1つのバリン残基の挿入を有するEGFPである。F64L突然変異は、発色団から上流の位置1のアミノ酸である。この折りたたみ突然変異を含むGFPは、GFPが約30℃以上の温度で細胞に発現されるときに、蛍光強度の増加をもたらす(国際公開公報第97/11094号)。
【0017】
野生型GFPの蛍光が発色団の存在によることは既知であり、予測される一次アミノ酸配列の位置65〜67でのSYGの環化および酸化によって、およびおそらくその他のGFP類似体の位置65〜67でのSHG配列でも同様の理論によって作製される。
【0018】
本実施例では、再構築されたタンパク質からの蛍光強度を、この突然変異のないGFPと比較して、F64L突然変異を含むGFPで増強させる方法を明白に例証する。したがって、GFPは、この突然変異を有するGFP(たとえばEGFP)を選ぶこと、またはこの突然変異を選択のGFPに導入すること(たとえば、実施例8にて例証したようなYFP)によってF64L突然変異を含むことが好ましい。
【0019】
GFPの命名において、GFPの前に配置される「E」(EGFP、EYFP、ECFP)は、この特定のGFPが哺乳類細胞のために最適化されたコドンの選択性を有する核酸によってコードされることを示す。大部分のこれらのタンパク質も、最初のメチオニン残基(Met1)の後に挿入された余分のバリン残基を有する。この余分のバリン残基は、残基の番号付けにおいて考慮されない。したがって、好ましい態様において、本発明のGFPは、EGFP、EYFP、ECFP、dsRed、およびRenilla GFPからなる群より選択される。
【0020】
本出願のいくつかの実施例では、EGFPが使用される。したがって、本発明の好ましい態様において、GFPは、EGFPである。しかし、実施例8および実施例11は、EYFPが特定の利点を有することを示す。したがって、本発明のもう一つの好ましい態様において、GFPは、EYFPである。また、発色団の前の位置1が変異されたEYFP(E[F64L]YFP)が特定の利点を有することが示される。したがって、好ましい態様において、GFPは、E[F64L]YFPである。
【0021】
本状況において、野生型GFPの番号付け(配列番号:1)(Chalfie, M. , Tu, Y. , Euskirchen, G. , Ward, W. W. , Prasher, D. C. (1994) Science 263, 802-805、GFPのこの変異体は、位置231にヒスチジン残基を有する)を使用する。GFPの結晶構造(Yang, F. , Moss, L. G., Philips, G. N. (1996) Nat. Biotech. 14, 1246-1251)、図5、表1、および実施例に示したデータに基づいて、ほとんど全てのループの分割は、結合したタンパク質の相互作用によって援助される補完断片に適切に空間的に近似した後に再構築されるであろう。本出願の目的に関して、「ループ」の用語は、不規則な二次構造のターンまたはエレメントとして理解される。
【0022】
したがって、一つの側面において、本発明は、上記の通りの2つのGFP断片であって、
Xは、7、8、11、または12であり、好ましくは、XはThr9-Val11のループ内の9または10であるか;または、
Xは、21、22、25、または26であり、好ましくは、XはAsn23-His25のループ内の23または24であるか;または、
Xは、36、37、40、または41であり、好ましくは、XはThr38-Gly40のループ内の38または39であるか;または、
Xは46、47、56、または57であり、好ましくは、Xは48および55の間、すなわち、Xは、Cys48-Pro56のループ内の48、49、50、51、52、53、54、または55であるか;または、
Xは、70、71、76、または77であり、好ましくは、Xは72および75の間、すなわち、Xは、Ser72-Asp76のループ内の72、73、74、または75であるか;または、
Xは、79、80、83、または84であり、好ましくは、XはHis81-Phe83のループ内の81または82であるか;または、
Xは86、87、90、または91であり、好ましくは、XはMet88-Glu90のループ内の88または89であるか;または、
Xは、99、100、103、または104であり、好ましくは、XはLys101-Asp103のループ内の101または102であるか;または、
Xは、112、113、118、または119であり、好ましくは、Xは114および117の間、すなわち、Xは、Phe114-Thr118のループ内の114、115、116、または117であるか;または、
Xは126、127、145、または146であり、好ましくは、Xは128および144の間、すなわち、Xは、Ile128-Tyr145のループ内の128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144であるか;または、
Xは152、153、160、または161であり、好ましくは、Xは154の159の間、すなわち、Xは、Ala154-Gly160のループ内の154、155、156、157、158、または159であるか;または、
Xは、169、170、175、176であり、好ましくは、Xは171の174の間、すなわち、Xは、Ile171-Ser175のループ内の171、172、173、または174であるか;または、
Xは186、187、197、または198であり、好ましくは、Xは188の196の間、すなわち、Xは、Ile188-Asp197のループ内の188、189、190、191、192、193、194、195、または196であるか;または、
Xは、208、209、215、または216である、好ましくは、Xは210の214の間、すなわち、Xは、Asp210-Art215のループ内の210、211、212、213、または214である。
【0023】
表1 GFP二次構造、GFP野生型配列のアミノ酸番号付け。αおよびβは、それぞれαヘリックス構造およびβシート二次構造を示す。
【表1】

実施例に開示した知見に基づくと、GFPの適切な分割部位は、GFPβ-バレルのβシート構造を形成する残基の間のループ領域に位置すると結論づけられる。したがって、GFPの分割は、好ましくはAsn23-His25のループ、Thr38-Gly40のループ、Lys101-Asp102のループ、Phe114-Thr118のループ、Ile128-Tyr145のループ、Ala154-Gly160のループ、Ile171-Ser175のループ、Ile188-Asp197のループ、またはAsp210-Arg215のループに作製される(表1、図5)。
【0024】
本実施例のデータは、Ala154-Gly160のループがGFP再構築のために非常によく適していることを明白に例証する。これは、特にGFPがアミノ酸Q157およびK158の間で分割される(すなわちXは157である)ときの場合である。したがって、本発明の好ましい態様は、2つのGFP断片であって、XはAla154-Gly160のループ内の157である断片に関する。
【0025】
また、本実施例のデータは、Ile171-Ser175のループがGFP再構築のために非常に有用であることを例証する。これは、特にGFPがアミノ酸E172およびD173の間で分割される(すなわち、Xは172である)ときの場合である。したがって、本発明の好ましい態様は、2つのGFP断片であって、XはIle171-Ser175のループ内の172である断片に関する。
【0026】
実施例9に図示したように、重複配列を有する断片は、特定の利点を有する。したがって、本発明の1つの側面は、2つのGFP断片であって、(a)GFPのアミノ酸番号1〜アミノ酸番号Xのアミノ酸の連続的なひと配列を含むGFPのN末端の断片であって、アミノ酸番号Xとアミノ酸番号X+1の間のペプチド結合は、GFPのループ内にある断片、および(b)GFPのアミノ酸番号Y+1〜アミノ酸番号238のアミノ酸の連続的な配列を含むGFPのC末端の断片であって、Y<Xでは、2つのGFP断片の重複を作りだし、かつアミノ酸Yとアミノ産Y+1の間のペプチド結合は、GFPのループ内にある断片を含む断片に関する。
【0027】
これらの重複するGFP断片は、たとえば、融合パートナーの構造の非常に多様な性質により、非常に柔軟なリンカー配列が必要とされる、機能的なクローニング系において非常に魅力的である。重複する断片により、融合パートナーのいずれかが長いリンカー配列を有することができる。
【0028】
上記定義されたGFPのC末端断片のYの性質を決定する目的のために、Xの値について論議したものと同じ考察を適用する。
【0029】
本発明の1つの態様において、重複は、ちょうど数アミノ酸残基、たとえばX-Y=1、X-Y=2、X-Y=3、X-Y=4、X-Y=5、X-Y=6、X-Y=7、X-Y=8、X-Y=9、またはX-Y=10である。
【0030】
GFPの折りたたみにおける折りたたみの特徴のために、本発明の好ましい態様は、重複するGFPのN末端およびC末端の断片であって、アミノ酸Yとアミノ酸Y+1の間のペプチド結合およびアミノ酸Xとアミノ酸X+1の間のペプチド結合がGFPのループ内にある断片に関する。これにより、得られる重複は、完全なαヘリックスまたはβシート二次構造である。
【0031】
2つの半分のGFPの再構築を得るためには、前記GFPの2つの半分を非常に近くに持ってきて、タンパク質の半分が折りたたまれて、機能的なGFPを形態する相互作用パートナーに融合されたGFPの2つの半分であることが好ましい。したがって、本発明の好ましい態様は、上記の通りに関心対象の第1のタンパク質に結合されたGFPのN末端断片を含む融合タンパク質に関する。特定の態様において、GFPのN末端断片をコードする核酸は、関心対象の第1のタンパク質にインフレームに融合される。同様の態様において、本発明は、上記の通りに2つのGFP断片であって、GFPのC末端の断片が関心対象の第2のタンパク質に結合された断片に関する。特定の態様において、GFPのC末端の断片をコードする核酸は、関心対象の第2のタンパク質にインフレームに融合される。
【0032】
当業者には明らかであろうが、関心対象のタンパク質は、N末端の、またはC末端のGFP断片に結合されている。しかし、実施例にて例証したように、GFPのN末端の断片に対する関心対象の第1のタンパク質の結合は、好ましくはGFPのN末端の断片のC末端に対してなされるであろう。同様に、GFPのC末端の断片に対する関心対象の第2のタンパク質の結合は、好ましくはGFPのC末端の断片のN末端になされるであろう。
【0033】
本実施例から明らかなように、関心対象のタンパク質は、タンパク質、ペプチド、または非タンパク質性(non-proteinaceous)のパートナーである。
【0034】
本発明の典型的態様において、上記の通りの抱合タンパク質であって、GFP断片が関心対象のタンパク質に結合されたものは、いずれかのGFPの断片と関心対象の対応するタンパク質の間にリンカー配列をさらに含む。リンカーは、GFPの断片に結合された関心対象のタンパク質に応じて選択されなければならない。したがって、リンカーは、柔軟でなければならない。長いリンカーは、関心対象のタンパク質による補完の立体障害を防止する。しかし、短いリンカーは、GFPの断片をお互いに近くに保持して、会合させやすい。
【0035】
本発明は、上記の通りのGFPのN末端断片にも関する。同様の態様において、本発明は、上記の通りのGFPのC末端の断片に関する。
【0036】
本発明の好ましい態様は、上記した断片または融合タンパク質のいずれかをコードする核酸に関する。1つの態様において、上記した本発明に従ったタンパク質のいずれかをコードする核酸構築物は、DNA構築物である。もう一つの態様において、上記した本発明に従ったタンパク質をコードする核酸構築物は、RNA構築物である。
【0037】
本発明の1つの側面は、上記した2つのGFP断片を含む細胞に関する。同様の態様において、本発明は、上記したGFPのN末端の断片を含む細胞に関する。同様の態様において、本発明は、上記したGFPのC末端の断片を含む細胞に関する。
【0038】
トランスフェクションのための多くの細胞系が存在する。哺乳類細胞のいくつかの例には、健康なもしくは病気にかかった動物から採取された組織または細胞(一次細胞)から直接単離されたもの、または細胞培養条件下で無限に複製できる形質転換された哺乳類細胞(細胞株)がある。「哺乳類細胞」の用語は、哺乳類起源の任意の生細胞を示すことが企図される。細胞は、確立された細胞株であってもよく、これらの多くは、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC、Virginia, USA)または同様の細胞カルチャー・コレクションから入手可能である。細胞は、トランスジェニック動物に由来する組織を含む哺乳類組織に由来する限られた生存期間を有する一次細胞、またはトランスジェニック組織を含む哺乳類組織に由来する新しく確立された不死化細胞株、または哺乳類起源の異なる細胞種を融合することによって誘導された雑種細胞または細胞株、たとえば雑種細胞腫細胞株であってもよい。細胞は、蛍光プローブの前に、またはこれに加えて、1つまたは複数の非天然の遺伝子産物、たとえば受容体、酵素、酵素基質を任意に発現してもよい。好ましい細胞株は、線維芽細胞起源の、たとえばBHK、CHO、BALB、NIH-3T3、または内皮起源の、たとえばHUVEC、BAE(ウシの動脈内皮)、CPAE(ウシ肺動脈内皮)、HLMVEC(ヒト肺微小血管内皮細胞)、または気道上皮起源の、たとえばBEAS-2B、または膵臓起源の、たとえばRIN、INS-1、MIN6、bTC3、aTC6、bTC6、HIT、または造血起源の、たとえば初代単離ヒト単球、マクロファージ、好中球、好塩基球、好酸球、およびリンパ球集団、AML-14、AML-193、HL-60、RBL-1、U937、RAW、JAWS、または脂肪細胞起源の、たとえば3T3-L1、ヒト前脂肪細胞、または神経内分泌起源の、たとえばAtT20、PC12、GH3、筋肉起源、たとえばSKMC、A10、C2C12、腎起源、たとえばHEK293、LLC-PK1、またはニューロン起源のもの、たとえばSK-N-DZ、SK-N-BE(2)、HCN-1A、NT2/D1を含むが、これらに限定されない。
【0039】
本発明の実施例は、CHO細胞に基づく。したがって、BALB、NIH-3T3、およびBHK細胞などの線維芽細胞に由来する細胞株が好ましい。
【0040】
異種抱合体は、プラスミド、たとえばトランスフェクトされた細胞が全ての異種抱合体(またはGFP断片)を同時に発現し、組み込むように、FuGENEなどの適切なトランスフェクション試薬を細胞に適用することによって、混合された個々のプラスミドとして細胞に導入されることが好ましい。それぞれの抱合体をコードするプラスミドは、これらの抱合体を発現する細胞を選択することができるように、異なる遺伝的抵抗性マーカーを含む。また、それぞれの抱合体は、HAまたはmycまたはFlagマーカーなどの異なったアミノ酸配列も含んでいることが好ましく、これは免疫細胞化学的に検出され、その結果細胞内におけるこれらの抱合体の発現が容易に確認されるであろう。抱合体の一方または両方の導入のための多くのその他の手段、たとえば電気穿孔法、リン酸カルシウム沈降法、微量注入法、アデノウイルスおよびレトロウイルスによる方法、両抱合体をコードす二シストロンの(bicistronic)プラスミドその他も、同様に適している。
【0041】
本発明を通じて、「タンパク質」の用語は、一般的な意味を有するべきである。これは、翻訳されたタンパク質、ペプチド、またはタンパク質断片のみならず、化学的に合成されたタンパク質も含む。細胞内で翻訳されるタンパク質については、天然に、または誘導されて、糖鎖形成および脂質化などの翻訳後修飾が生じることが予測され、これらの産物もタンパク質とみなされる。
【0042】
「細胞内のタンパク質の相互作用」の用語は、同じ細胞内における、上記の通りの2つのタンパク質の間の相互作用の一般的な意味を有する。相互作用は、タンパク質成分間の、最も通常には、それぞれのタンパク質上の1つもしくは複数の領域またはドメインとの間の共有結合性および/または非共有結合性の力により、その生理化学的な性質により、関与する2つのタンパク質成分の間の認識およびその後の相互作用をより特異的にし、または特異性を低くすることができる。好ましい態様において、細胞内の相互作用は、タンパク質-タンパク質の結合である。
【0043】
蛍光の記録は、問題の方法の目的に従って変更する。1つの態様において、放射される光を当業者に既知の種々の装置で測定する。一般的に、このような装置は、以下の構成要素を含む:(a)光源、(b)発光団の発光を刺激する供与源からの光の波長(群)を選択するための方法、(c)系の残りの部分への励起光を迅速に遮断または通過させることができる装置、(d)検体に励起光を伝え、空間的に分離された機能で放射された蛍光を収集し、かつこの蛍光発光からのイメージ(または、検出および測定の方法に関連する別のタイプの強度地図)を形成するための一連の光学エレメント、(e)一連の光学エレメントに関して予め定められた形状の、測定される細胞の容器を保持するベンチまたはスタンド、(f)光強度を、好ましくはイメージの形態で記録する検出器、および(g)記録した情報および/またはイメージを得て、かつ貯蔵するため、並びに記録されたイメージからの再分布の程度を計算するためのコンピュータまたは電子回路系および関連したソフトウェア。
【0044】
本発明の1つの態様において、実際の蛍光測定は、マイクロタイタータイプのプレートのための標準的な蛍光光度計(蛍光プレートリーダー)に作製される。
【0045】
1つの態様において、光学スキャニング・システムは、マイクロタイタータイプのプレートの底を照射するために使用され、その結果、同時に全ての空間の限界からの発光または蛍光の変化の時間分解型の記録を行うことができる。
【0046】
1つの態様において、イメージは、光学スキャニング・システムによって形成され、記録される。
【0047】
光強度を測定するための種々の機器が存在する。1つの態様において、蛍光プレートリーダーが使用される(たとえば、Wallac Victor (BD Biosciences)、Spectrafluor (Tecan)、Flex station (Molecular Devices)、Explorer (Acumen))。もう一つの態様において、イメージング・プレート・リーダーが使用される(たとえば、FLIPR (Molecular Devices) LeadSeaker (Amersham), VIPR (Molecular Devices))。もう一つの態様において、Arrayscan (Cellomics), Incell Analyser (Amersham), Opera (Evotec)などの自動化されたイメージャーが使用される。さらなる態様において、共焦点蛍光顕微鏡が使用される(たとえば、LSM510 (Zeiss))。
【0048】
本発明の1つの側面は、関心対象の2つのタンパク質間の相互作用を検出するための方法であって:
(a)2つの異種抱合体を含む少なくとも1つの細胞であって、
第1の異種抱合体は、上期されたとおりのGFPのN末端断片に結合された第1の関心対象のタンパク質を含み、
第2の異種抱合体は、上記されたとおりのGFPのC末端断片に結合された第2の関心対象のタンパク質を含む細胞を提供する工程と;および、
(b)少なくとも1つの細胞からの蛍光を測定する工程とを含み、
蛍光細胞は、関心対象の2つのタンパク質の間の相互作用を示す方法に関する。
【0049】
同様の態様において、本発明は、関心対象の2つのタンパク質間の相互作用をモニタリングするための方法であって:
(a)2つの異種抱合体をコードする核酸の少なくとも1つの配列を含む少なくとも1つの細胞であって、
第1の異種抱合体は、上記されたとおりのGFPのN末端断片に結合された第1の関心対象のタンパク質を含み、
第2の異種抱合体は、上記されたとおりのGFPのC末端断片に結合された第2の関心対象のタンパク質を含む細胞を提供する工程と;
(b)発現可能な条件下で少なくとも1つの細胞を培養することと;および、
(c)少なくとも1つの細胞からの蛍光を測定する工程とを含み、蛍光細胞は、関心対象の2つのタンパク質の間の相互作用を示す方法に関する。
【0050】
本方法の一つの側面において、関心対象のタンパク質のうちの一方は、既知であるが、関心対象の他方のタンパク質は、未知のタンパク質である。両方の異種抱合体による細胞の並行トランスフェクションにより、関心対象の既知のタンパク質と相互作用する未知のタンパク質を発現する細胞は、蛍光性であり、これにより容易に検出可能である。本発明の別の実施例において、細胞株が関心対象の既知のタンパク質を含む異種抱合体を安定に発現することを確認し、次いで潜在的な相互作用パートナーを含む異種抱合体のライブラリーをウェルごとに1つの細胞にトランスフェクトする。
【0051】
本実施例において明らかに例証されるように、本方法は、関心対象の2つのタンパク質の間の相互作用を誘導する化合物を検出するために有用である。このような方法は、
(a)2つの異種抱合体を含む少なくとも1つの細胞であって、
第1の異種抱合体は、上記されたとおりのGFPのN末端断片に結合された第1の関心対象のタンパク質を含み、
第2の異種抱合体は、上記されたとおりののGFPのC末端断片に結合された第2の関心対象のタンパク質を含む細胞を提供する工程と;
(b)工程(a)の少なくとも1つの細胞からの蛍光を測定する工程と;
(c)工程(b)の少なくとも1つの細胞に対して、試験化合物および関心対象の2つのタンパク質間の相互作用を誘導する化合物を適用する工程と;および、
(d)工程(c)の少なくとも1つの細胞からの蛍光を測定する工程と;
を含み、
工程(b)から工程(d)において観察される蛍光の増大は、工程(c)で添加された試験化合物が、関心対象の2つのタンパク質間の相互作用を妨げないことを示すが、工程(b)から工程(d)において観察される蛍光の増大が小さくなることは、試験化合物が関心対象の2つのタンパク質間の相互作用の誘導を防げることを示す。
【0052】
関心対象の2つのタンパク質の間の相互作用を誘導する化合物が既知であり、かつ利用できる場合、この化合物は、関心対象の2つのタンパク質の間に相互作用を誘導する化合物を検出するための方法の参照化合物として有用であり得る。
【0053】
関心対象の2つのタンパク質の間の相互作用を誘導する化合物が既知である場合には、これにより、2つのタンパク質成分の間の条件的な相互作用を妨げる化合物をスクリーニングするという可能性も開ける。このような方法は、2つのタンパク質成分の間の条件的相互作用を妨げる化合物をスクリーニングするための方法であって:
(a)2つの異種抱合体を含む少なくとも1つの細胞であって、
第1の異種抱合体は、上記されたとおりのGFPのN末端断片に結合された第1の関心対象のタンパク質を含み、
第2の異種抱合体は、上記されたとおりのGFPのC末端断片に結合された第2の関心対象のタンパク質を含む細胞を提供する工程と;
(b)工程(a)の少なくとも1つの細胞からの蛍光を測定する工程と;
(c)工程(b)の少なくとも1つの細胞に対して、試験化合物および関心対象の2つのタンパク質間の相互作用を誘導する化合物を適用する工程と;および、
(d)工程(c)の少なくとも1つの細胞からの蛍光を測定する工程と;
を含み、
工程(b)から工程(d)において観察される蛍光の増大は、工程(c)で添加された試験化合物が、関心対象の2つのタンパク質間の相互作用を妨げないことを示すが、工程(b)から工程(d)において観察される蛍光の増大が小さくなることは、試験化合物が関心対象の2つのタンパク質間の相互作用の誘導を防げることを示す。
【0054】
本方法の1つの特定の利点は、これを異種細胞群において実施することができることである。これは、なかでもクローン細胞を得るために必要とされる工程を回避する。これは、試験前に蛍光標示式細胞分取(FACS)することによって達成される。そのプロセスの一工程では、関心対象の2つのタンパク質が相互作用しないと思われる場合であっても、機能的な蛍光が達成される細胞である最も緑色の細胞を除去することである。もう一つの工程は、2つの異種抱合体が相互作用しない、たとえば機能的な補完が全くまたはほとんど生じない細胞である黒い細胞の除去である。これは、これらの細胞内にトランスフェクションがなされていないか、2つの構築物間の発現比が乏しいか、またはいずれかの構築物の機能的な発現がないことによるものであり得る。最も緑色の細胞および黒い細胞では、トランスフェクションが望まれたように生じておらず、異種抱合体の補完が全くないか、乏しいか、または過剰であることが現在予想される。次いで、これによって得られた「中程度〜低い緑色」細胞はを上記した方法またはその他の補完に基づいた方法のいずれかに使用される。「最も緑色」、「中程度に緑色」、「低い緑色」、および「黒い」細胞は、それぞれ他のものと比較して減少したレベルの蛍光を有する。これらのレベルは、当業者によって相対的な比率で予定される。
【0055】
関心対象のタンパク質間の相互作用を検出するための好ましい方法は、さらなるFACSを含む。この第2のFACS工程の目的は、大きなダイナミックレンジを有する細胞を単離することである。第一段階では、関心対象の2つのタンパク質間の相互作用を誘導する化合物で「中程度〜低い緑色」のFACS細胞を刺激し、その後にタンパク質を相互作用させて、蛍光タンパク質断片を折りたたませ、蛍光性になるために十分な時間経過させる。次の工程では、最も緑色の細胞を除去する第2のFACS工程に供することである。残りの細胞群は、低〜中程度のバックグラウンドを有し、関心対象の2つのタンパク質間の相互作用によってなおも蛍光タンパク質を形成することができると考えられる。細胞を十分な数に増大させて、数世代で蛍光を希釈したであろうときに、細胞は、上記概説した方法、たとえば関心対象の2つのタンパク質の間に相互作用を誘導する化合物を検出するため、および2つのタンパク質の間の条件的な相互作用を妨げる化合物をスクリーンするための準備がなされる。
【0056】
本方法の好ましい側面において、少なくとも1つの細胞は、哺乳類細胞である。
【0057】
「化合物」の用語は、生物学的な機能を有するか、または細胞機構に生物学的な影響を及ぼす任意の試料を示すことが企図される。試料は、血液、血漿、唾液、乳汁、尿を含む体液試料などの生物物質の試料、または微生物もしくは植物の抽出物、重金属もしくは毒素を含む汚染物質を含む環境試料であってもよく、またはこれは、有機合成または遺伝学的技術によって調製される化合物または化合物の混合物を含む試料であってもよい。化合物は、タンパク質およびペプチドを含む小さな有機化合物または生体高分子であってもよい。
【0058】
本方法のもう一つの好ましい側面において、異種抱合体は、融合タンパク質である。
【0059】
この技術は、広い適応性を有する。相互作用を直接検出するので、これはゲノム科学およびプロテオミクスに使用することができる。高感度であることにより、これを標的の発見に適用することができ、高い特異性により、標的のバリデーションに適用できる。これは、ハイ・スループット・スクリーニングの創薬にまでスケール変更することができる。本技術は、定量的であり、ナノテクノロジーおよび診断にこれを適用できる。
【0060】
本発明は、以下の非限定の実施例においてより詳細に例示される。
【実施例】
【0061】
実施例1:蛍光タンパク質のアラインメント
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
GenBankエントリー 蛍光タンパク質
P42212 エクオリア・ビクトリア(Aequorea victoria)緑色蛍光タンパク質
AF372525 レニラ・レニホルミス(Renilla reniformis)緑色蛍光タンパク質
AY015996 レニラ・ムエレリ(Renilla MueIleri)緑色蛍光タンパク質
AY013824 エクオリア・マクロダクチラ(Aequorea macrodactyla)単離体GFPxm
AF384683 モンタストラエ・カベルノサ(Montastraea cavernosa)緑色蛍光タンパク質
AF401282 モンタストラエ・ファベオラータ(Montastraea faveolata)緑色蛍光タンパク質
AY015995 プチロサルカス種(Ptilosarcus sp.)CSG-2001緑色蛍光タンパク質
AF322221 アネモニア・サルカタ(Anemonia sulcata)緑色蛍光タンパク質FP499として
AF322222 アネモニア・サルカタ(Anemonia sulcata)非蛍光赤色タンパク質CP562として
AF246709 アネモニア・サルカタ(Anemonia sulcata)GFP様の色素蛋白FP595
AF168419 DsRed ジスコソマ種(Discosoma sp.)蛍光タンパク質FP583
AF168420 ジスコソマ・ストリアタ(Discosoma striata)蛍光タンパク質FP483
AF168421 アネモニア・マジャノ(Anemonia majano)蛍光タンパク質FP486
AF168422 ゾアンタウス種(Zoanthus sp.)蛍光タンパク質FP506
AF168423 ゾアンタウス種(Zoanthus sp.)蛍光タンパク質FP538
AF168424 クラブァリア種(Clavularia sp.)蛍光タンパク質FP484
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アランメントは、図16に示してある。
【0062】
実施例2:EGFP補完断片プローブの構築
原核生物および真核生物内で互いに結合することができる逆平行ロイシンジッパー(NZおよびCZと呼ばれる)を異なるGFPの断片に融合させて、二分子の蛍光補完実験を含む分子補完実験にこのような断片を使用するためのGFPを分割するために最適な部位を評価した。NZおよびCZロイシンジッパーは、リン酸化されたオリゴヌクレオチド2110-2115(NZジッパーのため、表2を参照されたい)またはリン酸化されたオリゴヌクレオチド2116-2121(CZジッパーのため)をNcoI-BamHI切断pTrcHis-Aベクター(Invitrogenから商業的に入手可能)内にアニールして結合することによって調製し、ベクターPS1515(NZジッパーをコードする発現ベクター)またはPS1516(CZジッパーをコードする発現ベクター)を作製した。NZおよびCZのアニーリング混合物1にライゲーションしたオリゴは、NZおよびCZジッパーのN末端部分のコード配列を産生した。NZおよびCZのアニーリング混合物2にライゲーションしたオリゴは、NZおよびCZジッパーの中間部分のコード配列を産生し、NZおよびCZのアニーリング混合物3にライゲーションしたオリゴは、NZおよびCZジッパーのC末端部分のコード配列を産生した。
【0063】
NZジッパーのためのアニーリング・プライマー対
NZアニーリングmix1
フォワード・オリゴ2110(1μM) 5μl
リバース・オリゴ2111(1μM) 5μl
50mMのトリス-HCl、10mM MgCl2、pH8.0 2μl
H2O 8μl
NZアニーリングmix2
フォワード・オリゴ2112(1μM) 5μl
リバース・オリゴ2113(1μM) 5μl
50mMのトリス-HCl、10mM MgCl2、pH8.0 2μl
H2O 8μl
NZアニーリングmix3
フォワード・オリゴ2114(1μM) 5μl
リバース・オリゴ2115(1μM) 5μl
50mMのトリス-HCl、10mM MgCl2、pH8.0 2μl
H2O 8μl
それぞれのアニーリング混合物を予め加熱したHybaid OmniGene PCR装置で80℃において2分間加熱し、その後に止めて、室温に冷却させた(約10分)。その後に、断片を氷上においた。
【0064】
CZジッパーのためのアニーリング・プライマー対
CZアニーリングmix1
フォワード・オリゴ2116(1μM) 5μl
リバース・オリゴ2117(1μM) 5μl
50mMのトリス-HCl、10mM MgCl2、pH8.0 2μl
H2O 8μl
CZアニーリングmix2
フォワード・オリゴ2118(1μM) 5μl
リバース・オリゴ2119(1μM) 5μl
50mMのトリス-HCl、10mM MgCl2、pH8.0 2μl
H2O 8μl
CZアニーリングmix3
フォワード・オリゴ2120(1μM) 5μl
リバース・オリゴ2121(1μM) 5μl
50mMのトリス-HCl、10mM MgCl2、pH8.0 2μl
H2O 8μl
それぞれのアニーリング混合物を予め加熱したHybaid OmniGene PCR装置で80℃において2分間加熱し、その後に止めて、室温に冷却させた(約10分)。その後に、断片を氷上においた。
【0065】
pTrcHis-A原核生物発現ベクターの制限消化
pTrcHis-A原核生物発現ベクターをNcoIおよびBamHI制限酵素で切断し、ゲルで精製したものを、NZおよびCZロイシンジッパーコード領域をクローニングするために使用した:
pTrcHis-Aベクターの制限消化
pTrcHis-A(μg/μl) 2μl
NcoI(10U/μl) 1μl
Nhel(5U/μl)、任意 0.5μl
BamHI(20U/μl) 1μl
100×BSA 0.4μl
10×NEB(New EnglandBiolabs, NEB)BamHI緩衝液 3μl
H2O 23μl
仔ウシ腸ホスファターゼ(任意、少なくとも20分のみ) 0.5μl
ベクターを37℃で約1時間消化し、アガロースゲル電気泳動によって精製した。所望のベクター断片をQiagenからのQlAquick Gel Extractionキット(スピンカラム)を使用してゲルから回収し、50μlの溶出緩衝液に回収した。未切断および自己ライゲーションしたベクターの量を最小にするために、NcoIおよびBamHIの間を切断するNhelを含めた。
【0066】
アニールしたNZオリゴ対のライゲーションおよびトランスフォーメーション
3つそれぞれのNZアニーリング混合物1-3を50倍に(50μlのH2Oに1μlの混合物)希釈して、混合し、次のように(20〜24℃で3時間)切断ベクターを結合した:
pTrcHis-AベクターへのNZジッパー断片のライゲーション
アニーリング混合物1 1μl
アニーリング混合物2 1μl
アニーリング混合物3 1μl
10×T4DNAリガーゼ緩衝液(New England Biolabs) 1μl
DNAリガーゼ(400U/μl、New England Biolabs) 0.5μl
pTrcHis-A(NcoI+BamHI切断) 0.5μl
H2O 5μl
あるいは、NZアニーリング混合物1、2、および3の断片は、ベクターの不在化でライゲーションさせ、NcoI-BamHI切断ベクターに結合させる前にアガロースゲル電気泳動によって精製することができる。アニーリング混合物1-3に由来する、アニールし、かつライゲートされたオリゴヌクレオチドは、pTrcHis-AのNcoIおよびBamHI制限消化によって作製されたオーバーハングと互換性を持った一本鎖末端のオーバーハングを有した。切断pTrcHis-Aへの断片のライゲーション後、NcoIおよびBamHI部位を再生した。
【0067】
ベクターへのライゲーションに続き、2μlのライゲーション混合物を50μlのOne Shot TOP10化学的形質転換受容性大腸菌細胞(Invitrogen)に、製造業者プロトコルに従って形質転換した。ライゲーションは、異なる量または体積の断片および緩衝液を使用して行うことができる。挿入されたDNA配列(配列番号:7)およびコードされるNZジッパー・ペプチド(配列番号:8)は、以下の通りである:
【化1】

末端のGly-Gly-Thr-Gly-Ser-Glyアミノ酸配列は、NZジッパー・ペプチドとEGFPのN末端の断片(N末端EGFP)の間に挿入されたリンカー配列部分である。また、N末端EGFP-NZ融合タンパク質のジッパー配列は、N末端EGFPリバース増幅プライマー2129、2130、および2131(表3)に繰り返されているGly-Gly-Thr-Glyコード配列を有するGly-Gly-Thr-Gly-Ser-Glyである。pTrcHis-Aにジッパー・ペプチドを、およびNZジッパー・ベクターPS1515(を参照下記の)にN末端EGFP-NZ断片をクローニングするために使用したユニークなNcoI(CCATGG)、AgeI(ACCGGT)、およびBamHI(GGATCC)部位には下線を引いてある。星印(*)は、終止コドンを示す。
【0068】
アニールしたCZオリゴ対のライゲーションおよびトランスフォーメーション
3つそれぞれのCZアニーリング混合物4-6を50倍に(50μlのH2Oに1μlの混合物)希釈して、次のように混合した:
pTrcHis-AベクターへのCZジッパー断片のライゲーション
CZアニーリング混合物1 1μl
CZアニーリング混合物2 1μl
CZアニーリング混合物3 1μl
10×T4DNAリガーゼ緩衝液(New England Biolabs) 1μl
DNAリガーゼ(400U/μl、New England Biolabs) 0.5μl
pTrcHis-A(NcoI+BamHI切断) 0.5μl
H2O 5μl
あるいは、CZアニーリング混合物1、2、および3の断片は、ベクターの不在化でライゲーションさせ、NcoI-BamHI切断ベクターに結合させる前にアガロースゲル電気泳動によって精製することができる。アニーリング混合物1-3に由来する、アニールし、かつライゲートされたオリゴヌクレオチドは、pTrcHis-AのNcoIおよびBamHI制限消化によって作製されたオーバーハングと互換性を持った一本鎖末端のオーバーハングを有した。切断pTrcHis-Aへの断片のライゲーション後、NcoIおよびBamHI部位を再生した。
【0069】
ベクターへのライゲーションに続き、2μlのライゲーション混合物を50μlのOne Shot TOP10化学的形質転換受容性大腸菌細胞(Invitrogen)に、製造業者プロトコルに従って形質転換した。ライゲーションは、異なる量または体積の断片および緩衝液を使用して行うことができる。挿入されたDNA配列(配列番号:9)およびコードされるNZジッパー・ペプチド(配列番号:10)は、以下の通りである:
【化2】

末端のGly-Gly-Thr-Glyアミノ酸配列は、CZジッパー・ペプチドとEGFPのC末端の断片(C末端EGFP)の間に挿入されたリンカー配列の一部である。また、C末端EGFP-NZ融合タンパク質のジッパー配列は、C末端EGFPリバース増幅プライマー2133、2134、および2135(表3)に繰り返されているThr-Glyコード配列を有するGly-Gly-Thr-Glyである。pTrcHis-Aにジッパー・ペプチドを、およびCZジッパー・ベクターPS1516(を参照下記の)にC末端EGFP断片をクローニングするために使用したユニークなNcoI(CCATGG)、AgeI(ACCGGT)、およびBamHI(GGATCC)部位には下線を引いてある。星印(*)は、終止コドンを示す。
【0070】
実施例3:大腸菌コロニーPCRスクリーン、プラスミドミニプレップ、およびDNAシーケンシング
選択としてカルベニシリンの100μg/ml(使用したた大腸菌培地に存在する)を含むルーリア・ブロース(LB)寒天板に形質転換された細菌をまいた。所望のNZまたはCZ構築物を含む形質転換体を迅速に同定するために、オリゴ2110(5’フォワードNZオリゴ)および2115(3’リバースNZオリゴ)またはオリゴ2116(5’フォワードCZオリゴ)および2121(3’リバースCZオリゴ)を使用してコロニーPCRスクリーニングを行った:
試料あたり(15μlの反応体積)
10×Taqポリメラーゼ緩衝液(Perkin Elmer) 1.5μl
dNTP(それぞれ5mMのヌクレオチド) 0.3μl
50mM MgCl2 0.6μl
ジメチルスルホキシド(DMSO) 0.3μl
Taqポリメラーゼ(Perkin Elmer) 0.2μl
5'フォワード・プライマー 0.5μl
3’リバース・プライマー 0.5μl
H2O 6.1μl
H2Oに再懸濁した形質転換体 5.0μl
サイクリング・パラメーター(RoboCycler Gradient 96、Stratagene)
94℃で3分間の最初の変性に続き、25サイクルの(全て1分間の工程):94℃での変性、53℃でのプライマーのアニーリング、および72℃でのプライマー伸張。最後に、さらなる72℃での伸張工程を含めた(5分)。
【0071】
16のNZ形質転換体および16のCZ形質転換体をスクリーニングした。アガロースゲル電気泳動解析によって決定される約120塩基対の予想される産物サイズを有するPCR断片は、14のNZクローンおよび15のCZクローンから増幅された。
【0072】
3つの陽性のコロニーをそれぞれのトランスフォーメーション(NZおよびCZ)から拾い、5mlの液状のLB培地に接種するために使用した。37℃で一晩培養した後に、プラスミドDNAをQiagenからのQlAprepキットを使用するミニプレップによって精製した。フォワード・シーケンシング・プライマー1282を使用するABI PRISMモデル377 DNAシーケンサーでのDNAシーケンシングによって、適切なNZ(PS1515)またはCZ(PS1516)断片挿入物を含むプラスミドを同定した。
実施例4:EGFP断片およびジッパーの融合タンパク質をコードする原核生物発現ベクター
原核生物発現ベクターPS1515およびPS1516の中に、それぞれNZおよびCZジッパーをコードするDNA配列は、ロイシンジッパー・コード配列の5’末端(NZベクターPS1515において)または3’末端(CZベクターPS1516において)のいずれかのリンカー配列に適切に位置するユニークなAgeI制限部位を、ジッパーをコードする断片をクローニングするために使用したユニークなNcoIまたはBamHI部位と組み合わせて使用して(DNAおよびアミノ酸配列は、上に示してある)、所望のEGFP断片(EGFPのN末端の断片は、N末端EGFPと呼ばれ、EGFPのC-末端断片は、C末端EGFPと呼ばれる)またはその他の断片をコードするDNA配列に融合することができる。融合タンパク質のコード配列の一般的な構造は、図1に示してある。
【0073】
たとえば、N末端EGFP断片、たとえば残基1〜172(N末端EGFP172)に融合された(すなわち、N末端EGFP断片のC末端に融合されている)NZジッパーのN末端からなる融合タンパク質をコードする原核生物発現ベクターを調製するために、商業的な発現ベクターのpEGFP-C1(Clontech)のEGFPコード配列のこの領域を、表3に従ってフォワード・オリゴ2128(ユニークなNcoI部位を含む)およびリバース・オリゴ2131(ユニークなAgeI部位を含む)を使用するPCRによって増幅した。
【0074】
試料あたり(50μlの反応体積)
10×Pfuポリメラーゼ緩衝液(Stratagene) 5.0μl
dNTP(それぞれ5mMのヌクレオチド) 1.0μl
Pfu Hot Startポリメラーゼ(Stratagene) 1.0μl
5'フォワード・プライマー 1.0μl
3'リバース・プライマー 1.0μl
H2O 39.0μl
サイクリング・パラメーター(Hybaid OmniGene PCR装置)
94℃で3分間の最初の変性に続き、25サイクルの(全て1分間の工程):94℃での変性、53℃でのプライマーのアニーリング、および72℃でのプライマー伸張。最後に、さらなる72℃での伸張工程を含めた(5分)。
【0075】
次いで、プライマー配列に含まれる適切に設計された末端の制限部位を有する所望のEGFP断片、たとえば上述した残基1〜172で構成される断片をコードするPCR断片をゲル精製し、上記したようにNcoIおよびAgeI、またはAgeIおよびBamHIで切断して、同じ酵素で切断してゲルで精製した構築されたNZまたはCZ原核生物ロイシンジッパー発現ベクターPS1515またはPS1516に結合させた:
N末端EGFPおよびC末端EGFPのPCR断片の制限消化
EGFP断片(ゲル精製した) 26μl
NcoI(10U/μl)またはBamHI(20U/μl) 0.5μl
AgeI(10U/μl) 1.0μl
10×New England Biolabs緩衝液2 3
Z(PS1515)およびCZ(PS1516)ベクターの制限消化
ベクター(1μl/μl) 1.0μl
NcoI(10U/μl)またはBamHI(20U/μl) 0.33μl
AgeI(10U/μl) 0.66μl
10×New England Biolabs緩衝液2 1
H2O 7
全ての酵素は、New England Biolabsからのものである。DNA標品は、37℃で1時間消化して、ゲル精製した。
【0076】
切断PS1515またはPS1516ベクターへのEGFP断片のライゲーション
切断して精製したベクター 2μl
切断して精製したN末端EGFPまたはC末端EGFP断片 4μl
10×T4 DNAリガーゼ緩衝液(New England Biolabs) 1μl
T4 DNAリガーゼ(400U/μl、New England Biolabs) 0.5μl
H2O 2.5μl
22℃で30分間ライゲーションを進行させて、その後にそれぞれ2μlのライゲーション混合物を50μlのOne Shot TOP10化学的形質転換受容性大腸菌細胞(Invitrogen)に形質転換した。形質転換細胞を、カルベニシリンを含むLBプレートにまいて、プラスミドを上記の通りにそれぞれのトランスフォーメーションから2つのコロニーから調製した。
【0077】
実施例5:大腸菌におけるEGFPに基づいた二分子の蛍光補完
発現された機能的なN末端EGFP-NZまたはCZ-C末端EGFP補完構築物を、1μlの各々の適切にマッチされたN末端EGFP-NZまたはCZ-C末端EGFPプラスミド(すなわち、EGFP断片を発現するプラスミドであって、前記断片は、同じ分割部位の後(N末端EGFP断片)または前(C末端EGFP断片)で切断されているもの)で10μlのOne Sho tTOP10化学的形質転換受容性大腸菌細胞(Invitrogen)を同時形質転換し、カルベニシリンおよび5mMのイソプロピル-β-チオガラクトシダーゼ(IPTG)を含むLBプレートに同時形質転換された細胞をまくことによって同定した。
【0078】
形質転換した細胞を37℃で一晩培養した。EGFPに基づいた二分子の蛍光補完のために緑色の蛍光性である大腸菌コロニーは、青い光源(Fiberoptic-Heim LQ2600)を照射して黄色のガラスフィルターで見たときに、トランスフェクションの約10〜20時間後に拡大せずに寒天板上で目に見えた(蛍光は、1日または複数日間5℃でプレートを貯蔵する間にさらに発生した)。
【0079】
機能的な補完は、残基157と158の間または残基172と173の間のいずれかでの分割に基づいた補完構築物で同時形質転換した細胞において明らかに目に見え、機能的なN末端EGFP-NZまたはCZ-C末端EGFP補完断片を産生した発現ベクターのDNA配列(PS1594、PS1595、PS1596、PS1597と名付けてあり、表4を参照されたい)は、前述したようにプライマー1282を使用するDNAシーケンシングによって検証した。
【0080】
驚くべきことに、Ile171-Ser175のループで分割したEGFP補完断片を発現するベクター(すなわち、残基172および173の間、ベクターPS1595およびPS1597)で同時形質転換した細胞の大腸菌コロニーは、Ala154-Gly160のループで分割したEGFP補完断片を発現するベクター(すなわち、残基157および158の間、ベクターPS1594およびPS1596)で同時形質転換された細胞のコロニーよりも有意に蛍光性であった。
【0081】
残基144と145の間の分割基づいた補完構築物で同時形質転換された細胞では、機能的な補完は、明らかには見えなかった。DNAシーケンシングにより、それぞれ、発現ベクターPS1614およびPS1615が適切なN末端EGFP-NZおよびCZ-C末端EGFP補完断片をコードすることを確認した。
【0082】
実施例6:EGFP断片およびジッパーのの融合タンパク質をコードする真核生物発現ベクター
144/145での分割断片に基づいた補完断片によって低い蛍光シグナル生じたので、哺乳類細胞の断片補完の評価を可能にするために、残基157/158または172/173での分割に基づいた補完断片のみを真核生物の発現系に導入した。PS1596およびPS1597のN末端EGFP-NZ断片およびPS1594およびPS1595のCZ-C末端EGFP断片は、開始コドンにNcoI部位の5’が、および終止コドンにBamHI部位3’が隣接して位置する。断片は、Eco47III/BamHIで切断した哺乳類発現ベクターへ、平滑末端NcoI/BamHI断片として導入した。N末端EGFP-NZおよびCZ-C末端EGFPの両者を発現するプラスミドの安定発現を選択するために、N末端EGFP-NZ断片およびCZ-C末端EGFP断片のための発現ベクターは、それぞれネオマイシン/ジェネティシン/G418およびゼオシンの選択マーカーを含む。
【0083】
プラスミドPS1594、PS1595、PS1596、およびPS1597は、NcoI制限酵素で切断し、Klenow断片で平滑末端にして、ゲル精製し、後述するようにBamHIで切断して、ゲル精製した。
【0084】
N末端EGFP-NZおよびCZ-C末端EGFPの原核生物発現ベクターの制限消化
PS1594、PS1595、PS1596、またはPS1597(1μg/ml) 1μl
NcoI(10U/μl NewEnglandBiolabsから) 1μl
10×緩衝液4(NEB) 3μl
H2O 25μl
プラスミドは、37℃で約1時間消化した。1μlの1mMのdNTP混合物および1ユニットのクレノーフラグメント(New England Biolabs)を添加して、反応を室温で30分インキュベートした。線状のプラスミド断片をアガロースゲル電気泳動によって精製し、QiagenからのQIA quick Gel Extractionキット(スピンカラム)を使用してゲルから回収し、50μlの溶出緩衝液に回収した。5μlのBamH緩衝液(New England Biolabs)および10ユニットのBamHI酵素を添加した。プラスミドを37℃で約1時間消化した。所望のプラスミド断片をアガロースゲル電気泳動によって精製し、QiagenからのQIA quick Gel Extractionキット(スピンカラム)を使用してゲルから回収し、50μlの溶出緩衝液に回収した。
【0085】
同じ哺乳類細胞のN末端EGFP-NZおよびCZ-C末端EGFP断片を安定に同時発現するためには、異なる選択マーカーを有する哺乳類発現ベクターが必要とされた。これを得るために、発現ベクターpEGFP-C1のカナマイシン/ネオマイシン選択マーカーをPS0609と称されるプラスミドに存在するゼオシン耐性マーカーで置換した。
【0086】
ゼオシンマーカーを有するpEGFP-C1に対するカナマイシン/ネオマイシンマーカーの置換
pEGFP-C1をカナマイシン/ネオマイシン選択マーカーを切除するAvrIIで消化し、ゲル精製後、ベクター断片を、ゼオシン耐性をコードする約0.5kbpのAvrII断片とライゲートした。この断片は、プライマー9655および9658(表2を参照)を使用して、プラスミドpZeoSV(Invitrogen)のゼオシン選択マーカーをPCR増幅することによって単離した。両方のプライマーは、AvrIIクローニング部位を含み、その大腸菌のプロモーターを含むプラスミドpZeoSVのゼオシン耐性遺伝子の側面に位置する。上部プライマー9658は、ゼオシンの初めのAseI部位にわたっており、これは、哺乳類細胞の耐性を駆動するSV40プロモーターに関してAvrII挿入物の向きを決定するために使用することができる。生じるプラスミドは、PS0609と称する。
【0087】
プラスミドPEGFP-C1(Clontech)およびそのゼオシン耐性誘導体PS0609は、後述するように、Eco47III制限酵素で切断し、ゲル精製し、BamHIで切断しておよびゲル精製した。これらの工程では、EGFPを切除し、その他のベクターを無処理のままにする。
【0088】
真核生物発現ベクターの制限消化
pEGFP-C1またはPS0609DNA(1μg/μl) 0.5μl
Eco47III(10U/μl、Promegaから) 1μl
10×緩衝液D(Promega) 3μl
H2O 25.5μl
プラスミドを37℃で約1時間消化した。線状のプラスミド断片をアガロースゲル電気泳動によって精製し、QiagenからのQIA quick Gel Extractionキット(スピンカラム)を使用してゲルから回収し、50μlの溶出緩衝液に回収した。5μlのBamH緩衝液(New England Biolabs)および10ユニットのBamHI酵素を添加した。プラスミドを37℃で約1時間消化した。所望のプラスミド断片をアガロースゲル電気泳動によって精製し、QiagenからのQIA quick Gel Extractionキット(スピンカラム)を使用してゲルから回収し、50μlの溶出緩衝液に回収した。
【0089】
pEGFP-C1へのN末端EGFP-NZ断片の、およびPS0609へのCZ-C末端EGFP断片のライゲーション
切断して精製したベクター 2μl
切断して精製したN末端EGFP-NZまたはCZ-C末端EGFP 4μl
10×T4 DNAリガーゼ緩衝液(New England Biolabs) 1μl
T4 DNAリガーゼ(400U/μl、New England Biolabs) 0.5μl
H2O 2.5μl
ライゲーション反応は、16℃で一晩インキュベートした。3μlをOne Shot TOP10化学的形質転換受容性大腸菌細胞(Invitrogen)に形質転換し、形質転換体を、pEGFP-C1およびPS0609誘導体についてそれぞれカナマイシンを有するimMediaまたはゼオシンを有するimMediaで選択した(両方ともInvitrogenから)。
【0090】
それぞれのトランスフォーメーション・プレートからの4つの形質転換体を適切な選択(カナマイシンまたはゼオシン)を有するimMediaに拾い37℃で6時間培養した。プラスミドDNAをQIAprepスピンカラム法(Qiagen)によって単離し、AseIおよびMluIでの制限消化物によって解析した。挿入物のDNA配列は、最後に上記の通りに配列決定によって検証した。生じるプラスミドは、PS1557、PS1558、PS1559、およびPS1560と名付けた(表4)。
【0091】
実施例7:哺乳類の二分子の蛍光補完に基づいたEGFP
EGFP断片/ジッパー融合タンパク質を発現する細胞株を確立するために、CHO-hIR細胞には、2つの細胞株1)CHO-hIR PS1559+PS1557および2)CHO-hIR PS1560+PS1558を生じるプラスミド対をトランスフェクトした。CHO-hIR細胞株は、Hansen, B. F., Danielsen, G. M., Drejer, K., Srensen, A. R. , Wiberg, F. C., Klein, H. H. , Lundemose, A. G. (1996)インスリン類似体で刺激後のインシュリン受容体からの持続性のシグナリングは、増大された分裂促進的な能力を示すBiochem. J. Apr 1; 315 (Pt 1): 271-279)に記載されたように、ヒトインスリン受容体(hIR、GenBankアクセッション番号M10051)を安定にトランスフェクトしたCHO-K1(ATCCCCL-61)細胞からなる。ベクターのための選択マーカーは、メトトレキセート(MTX)である。細胞株がインスリン-感受性であり、かつ非常に安定表現型を選択圧なしでも維持することができるため、hIRの発現は、選択圧なしでもCHO-hIR細胞において非常に安定である。
【0092】
安定な細胞は、ジェネティシンおよびゼオシンを含む選択培地での細胞増殖によって得られた。
【0093】
CHO-hIR細胞には、製造業者の説明書に従ってFugene(Roche)を使用してトランスフェクトした。トランスフェクションの翌日、一過性の発現について細胞を検査し、1:10に分割して、選択培地(500μg/mlのジェネティシン(Invitrogen)および1mg/mlのゼオシン(Cayla)を補った細胞増殖培養液)に曝露した。細胞株は、選択培地中で2〜3週の培養後に安定していた。
【0094】
使用した細胞増殖培養液は、NUTであった。GLUTAMAX-1(Gibco/lnvitrogen)を有するMIXF-12(Ham's)には、10%ウシ胎児血清(JRH Biosciences)および1%のペニシリン-ストレプトマイシン(10,000IU/ml、Gibco/lnvitrogen)を補充した。CHO-hIR細胞は、増殖培養液において培養し、標準的な細胞記培養プロトコルに従って週に2回、1:4〜1:16に分割した。CHO-hIR PS1559+PS1557およびCHO-hIR PS1560+PS1558も、細胞増殖培養液には、常に500μg/mlジェネティシン(Invitrogen)および1mg/mlゼオシン(Cayla)を補充したことを除いて同様に処理した。
【0095】
pEGFP-C1(短いC末端の伸張を有するEGFPを発現)、PS1559+PS1557(157-158で分割されたEGFP相補的断片の、N末端EGFP157-NZ+CZ-C末端EGFP158を発現)、およびPS1560+PS1558(172-173で分割されたEGFP相補的断片の、N末端EGFP172-NZ+CZ-C末端EGFP173を発現)を別々にトランスフェクトした3種のCHO-hIR細胞株のイメージを、トランスフェクション後の1日、2日、および10日に収集し、異なる相補構築物を発現する細胞の相対的な明るさを評価した。イメージは、エピフロレッセンス研究のために備えられたニコンDiaphot300で収集した:エピフロレッセンスのための光源は、Nikon100W Hgアーク灯であり、特注の石英ファイバー・イルミネーター(TILL Photonics GmbH、Planegg、Germany)を介して顕微鏡に結合した。励起光は、450〜490nmバンドパスフィルター(Delta Light and Optics, Lyngby, Denmark)を通して、Chroma 72100の505nmのカット−オンの二色性ミラー(Chroma Technology, Brattleboro, VT, USA)を介して検体に向けた。×40のNA1.3油浸レンズを全てのイメージのために使用した。放射光は、540〜550のバンドパスフィルター(Chroma)を介してHammamatsu Orca ERカメラに通した。全てのイメージは、50ミリ秒の露光時間で収集し、それぞれの視野において最も明るい(EGFPを発現する)細胞でさえイメージが飽和しないことを保証するように選択した(最大画素数<4095)。このシステムにおいてイメージを得るために使用した画像化ソフトウェアは、Windows版(Scanalytics, USA)IPLabであった。
【0096】
イメージの提示および解析
顕微鏡イメージは、ImageJソフトウェア・パッケージ、米国国立保健研究所(http://rsb. info. nih. gov/ij/)のWayne Rasbandによって書かれたパブリックドメイン画像分析ソフトウェアで解析し、データ分析は、Microsoft Excelを使用して行った。図2に示したイメージは、異なるN末端EGFP-NZおよびCZ-C末端EGFP発現ベクターを同時トランスフェクトしたか、またはpEGFP-C1をトランスフェクトした蛍光性CHO-hIR細胞のものである。イメージは、その範囲内で細胞および蛍光の分布が視覚化されるように個々に大きさを変えた。このスケーリングのため、相対的な蛍光レベルをイメージ間で比較することはできない。同じイメージを同様に大きさを変えると、これらは図3のように見え、残基172と173の間での分割に基づいた補完構築物をトランスフェクトされた細胞は、残基157と158の間での分割に基づいた補完構築物をトランスフェクトされた細胞よりも有意に蛍光性であると思われる。しかし、pEGFP-C1構築物をトランスフェクトされた細胞は、2日目において有意に強い蛍光を示す。
【0097】
ImageJソフトウェア・パッケージを使用して、同じイメージをバックグラウンドおよび最大蛍光強度について解析した(図4)。図から、残基172と173の間、およびおそらくこのループのその他のどこかにおける分割は、残基157と158の間、およびおそらくこのループのその他のどこかにおける分割よりも優れていることが明らかである。
【0098】
実施例8:EYFPおよびEYFP変異体F64L断片/ジッパー融合タンパク質をコードする真核生物の発現ベクター
真核生物のN末端EGFP-NZ発現ベクターPS1559(N末端EGFP157-NZ)およびPS1560(N末端EGFP172-NZ)の対応するN-末端EYFP(配列番号:5)断片(N末端EYFP-NZ)変異体への突然変異誘発、並びに真核生物のC末端EGFP発現ベクターPS1557(CZ-C末端EGFP158)およびPS1558(CZ-C末端EGFP173)の対応するC末端のEYFP断片(CZ-C末端EYFP)変異体への突然変異誘発は、QuickChangeキットを使用して、および製造業者説明書(Stratagene)に従って部位特異的突然変異誘発によって達成した。発現ベクターPS1559(N末端EGFP157-NZ)およびPS1560(N末端EGFP172-NZ)をN末端EYFP断片発現ベクターPS1639(N末端EYFP157-NZ)およびPS1642(N末端EYFP172-NZ)に変換するために、プライマー2333および2334を使用した。導入した突然変異は、以下の通りであったL64F:T65G:V68L:S72A。さらに、発現ベクターPS1559(N末端EGFP157-NZ)およびPS1560(N末端EGFP172-NZ)をF64L変異したN末端のEYFP断片発現ベクターPS1640(N末端E[F64L]YFP157-NZ)およびPS1641(N末端E[F64L]YFP172-NZ)に変換するために、プライマー2335および2336を使用した。導入された突然変異は、以下の通りであったT65G:V68L:S72A。したがって、発現されたN末端EYFP断片は、以下のアミノ酸配列(残基64〜72のみを示してある)を有する:
【表2】

最後に、発現ベクターPS1557(CZ-C末端EGFP158)およびPS1558(CZ-C末端EGFP173)を、T203Y突然変異を導入することによってC末端EYFP断片発現ベクターPS1637(CZ-C末端EYFP158)およびPS1638(CZ-C末端EYFP173)に変換するために、プライマー2337および2338を使用した。全ての配列は、ベクターをDNAシーケンシングすることによって検証し、全てのプライマー配列を表2に示してある。
【0099】
実施例9:哺乳類細胞におけるEGFPに基づいた二分子の蛍光補完
構築されたEYFPに基づいた分割蛍光タンパク質発現ベクターの上記したPS1637〜PS1642を、実施例7に記載したEGFPに基づいた分割蛍光タンパク質発現ベクターの1557〜1560と平行して、並びにプローブの明るさが増大したので、50msの露出時間の代わりに10msの露出時間を使用して全てのイメージを作製し、かつ細胞をよりイメージするために40×対物レンズの代わりに20×対物レンズを使用したことを除いて、同じ実験の設定(同じフィルターセットを含む)および手順(画像分析手順を含む)を使用して、哺乳類細胞において調査した。その他の適切なフィルターセットを使用することもできた。トランスフェクションの翌日(1日目)にイメージをとる。
【0100】
同様に大きさを変えたトランスフェクト細胞の蛍光イメージからも、残基172と173の間の分割部位では、再び残基157と158の間の分割部位よりも優れていることが示されているのは明らかである(図6)。さらに、EYFP断片に基づた補完は、EGFP断片に基づた補完よりも優れていることが明らかである。驚くべきことに、EGFPからのF64L突然変異のN-末端EYFP断片への導入により、補完断片の蛍光をさらに増強した。イメージから分かるように、最適な分割部位(残基172と173の間)を使用、最適な蛍光タンパク質の色彩変異体(EYFP)を使用、並びにN末端EYFP断片にF64Lの折りたたみ突然変異を導入することのポジティブな効果は、相加的である。これらの観察の定量は、図6に示したイメージを解析することによって行い、数値で表した結果を図7に示してある。
【表3】

【表4】

【表5】

最適な構築物(N末端E[F64L]YFP172-NZおよびCZ-C末端E[F64L]YFP173)が再構築されたときは、ほとんどEYFP自体と同じ強度であることに留意すべきことはおもしろい。蛍光強度の際立った増大は、ノイズに対するシグナルを増大するために、インビボまたはインビトロで少量のプローブの検出を容易にする等のために、多くのタイプの定量的な細胞解析(たとえば、ハイ・スループット・スクリーニングおよび顕微鏡観察)において重要である。
【0101】
また、C末端EGFPとN末端EYFPまたはC末端EYFP断片とN末端EGFPの混合により、潜在的に異なる色の機能的な蛍光抱合体を生じることができる(図8および9)。重複配列を有する断片も機能的であり、たとえば、融合パートナーが非常に多様な性質であるために非常に柔軟なリンカー配列が必要とされる機能的なクローニング系において、非常に魅力的であろう。重複断片は、いずれの融合パートナーにも長いリンカー配列を持たせることができる(図8、図9において定量)。
【0102】
実施例10:PS1769、1767、1771、1768の構築
プラスミドPS1769は、N末端E[F64L]YFP172およびFKBPの融合物をコードし、一部Gateway組換え配列に由来するリンカー配列GSGSGSGDITSLYKKAGSTによって接続されている(1文字アミノ酸コード、配列番号:11)。
【0103】
プラスミドPS1767は、たN末端E[F64L]YFP172およびFRAPのFKBP結合部分のFRB(FRAPのアミノ酸の2025〜2114)の融合物をコードし、一部Gateway組換え配列に由来するリンカー配列GSGSGSGDITSLYKKAGSTによって接続されている(1文字アミノ酸コード、配列番号:12)。
【0104】
プラスミドPS1771は、FRBおよびC末端EYFP173の融合物をコードし、一部Gateway組換え配列に由来するリンカー配列DPAFLYKVVISGSGSGSGによって接続されている(1文字アミノ酸コード、配列番号:13)。
【0105】
プラスミドPS1768は、FKBPおよびC末端EYFP173の融合物をコードし、一部Gateway組換え配列に由来するリンカー配列DPAFLYKWISGSGSGSGによって接続されている(1文字アミノ酸コード、配列番号:14)。
【0106】
プラスミドPS1769の構築
プラスミドPS1769は、N末端E[F64L]YFP172およびFKBPの融合物をコードし、リンカー配列によって接続されており、CMVプロモーターの制御下にあり、かつ大腸菌および哺乳類細胞の選択可能なマーカーとして、それぞれカナマイシンおよびネオマイシン耐性を有する。
【0107】
プラスミドPS1769は、プラスミドPS1779(侵入クローン)およびPS1679(転送ベクター;destination vector)に由来した。プラスミドPS1679は、プラスミドPS1672およびpEGFP-C1(Clontech)に由来した。プラスミドPS1672は、上記したプラスミドPS1641に由来した。
【0108】
PS1672中間体の構築
PS1641は、プライマー2219および2222(表2)でのPCRに供し、0.5kbのNhe1-BamH1断片をNhe1およびBamH1で消化したpEGFP-C1(Clontech)にライゲーションした。これにより、N末端EGFPをN末端E[F64L]YFP172で、続いてGly-Ser-Gly-Ser-Gly-Ser-Glyのフレーム・リンカー配列およびBamH1のすぐ上流にユニークなEcoRV部位をコードするリンカーで置換する。このプラスミドをPS1672と呼ぶ。
【0109】
転送ベクター(destination vector)PS1679の構築
プラスミドPS1672は、DNAをEcoRVで切断し、Gateway製造業者(Invitrogen)の推奨に従って、Gateway Cassetteのリーディング・フレームAにこれをライゲーションすることによってGateway互換性を持つ転送ベクターに変換した。この転送ベクターは、PS1679と呼ぶ。
【0110】
Gateway侵入クローンPS1779の構築
FKBP(GenBankアクセッション番号XM016660)のコード配列をPCRおよびプライマー2442および1272(表2)を使用してヒトcDNAから単離した。製造業者(Invitrogen)の推奨に従って、ca0.4kbの産物をBP反応によってドナー・ベクターpDONR207に移して、侵入クローンPS1779を作製する。
【0111】
最後に、製造業者(Invitrogen)の推奨に従って、発現ベクターPS1769は、侵入クローンPS1779からLR反応で転送ベクターPS1679にFKBPを移すことによって作製した。
【0112】
プラスミドPS1767の構築。
【0113】
プラスミドPS1767は、N末端E[F64L]YFP172およびFRAPのFKBP結合部分のFRB(アミノ酸2025〜2114)の融合物をコードし、リンカー配列によって接続されており、CMVプロモーターの制御下にあり、かつ大腸菌および哺乳類細胞の選択可能なマーカーとして、それぞれカナマイシンおよびネオマイシン耐性を有する。
【0114】
プラスミドPS1767は、プラスミドPS1781(侵入クローン)およびPS1679(転送ベクター)に由来した。プラスミドPS1679は、上記の通りに構築した。
【0115】
Gateway 侵入クローンPS1781の構築
FRAPのFKBP結合部分(アミノ酸2025〜2114(GenBankアクセッション番号XM001528)は、PCR並びにプライマー2444および1268(表2)を使用してヒトcDNAから単離した。製造業者(Invitrogen)の推奨に従って、ca0.3kbの産物をBP反応によってドナー・ベクターpDONR207に移して、侵入クローンPS1781を作製する。
【0116】
最後に、製造業者(Invitrogen)の推奨に従って、発現ベクターPS1767は、侵入クローンPS1781からLR反応で転送ベクターPS1679にFRPを移すことによって作製した。
【0117】
プラスミドPS1771の構築
プラスミドPS1771は、FRBと呼ばれているFRAPのFKBP結合部分(FRAPのアミノ酸2025〜2114)およびEYFP(FRB-C末端EYFP173)のC末端の融合物をコードし、リンカー配列によって接続されており、CMVプロモーターの制御下にあり、かつ大腸菌および哺乳類細胞の選択可能なマーカーとして、ゼオシン耐性を有する。
【0118】
プラスミドPS1771は、プラスミドPS1782(侵入クローン)およびPS1688(転送ベクター)に由来した。プラスミドPS1688は、プラスミドPS1674および上記したPS609に由来した。プラスミドPS1674は、上記したプラスミドPS1638に由来した。
【0119】
PS1674中間体の構築
PS1638をプライマー2225および2132(表2)でPCRに供し、ca0.25kbのNhe1-BamH1断片をNhe1およびBamH1で消化したPS609にライゲーションした。これにより、インフレームでフレーム・リンカー配列Gly-Ser-Gly-Ser-Gly-Ser-GlyおよびNhe1のすぐ下流にユニークなEcoRV部位をコードするリンカー配列の後のEYFP(173-238)でEGFPを置換する。このプラスミドは、PS1674と呼ぶ。
【0120】
転送ベクターPS1688の構築
プラスミドPS1674は、DNAをEcoRVで切断し、Gateway製造業者(Invitrogen)の推奨に従って、Gateway Cassetteのリーディング・フレームAにこれをライゲーションすることによってGateway互換性を持つ転送ベクターに変換した。この転送ベクターは、PS1688と呼ぶ。
【0121】
Gateway 侵入クローンPS1782の構築
FRAPのFKBP結合部位(GenBankアクセッション番号XM001528、アミノ酸2025〜2114)は、PCR並びにプライマー2444および2445(表2)を使用してヒトcDNAから単離した。製造業者(Invitrogen)の推奨に従って、ca0.3kbの産物をBP反応によってドナー・ベクターpDONR207に移して、侵入クローンPS1782を作製する。
【0122】
最後に、製造業者(Invitrogen)の推奨に従って、発現ベクターPS1768は、侵入クローンPS1782からLR反応で転送ベクターPS1688にFRBを移すことによって作製した。
【0123】
プラスミドPS1768の構築
プラスミドPS1768は、FKBPおよびEYFP(173〜238)(FKBP-C末端EYFP173)の融合物をコードし、CMVプロモーターの制御下にあり、かつ大腸菌および哺乳類細胞の選択可能なマーカーとして、ゼオシン耐性を有する。
【0124】
プラスミドPS1768は、プラスミドPS1780(侵入クローン)およびPS1688(転送ベクター)に由来した。プラスミドPS1688は、上記の通りに構築した。
【0125】
Gateway侵入クローンPS1780の構築
FKBP(GenBankAccなしXM016660)のコード配列は、PCR並びにプライマー2442および2443(表2)を使用してヒトcDNAから単離した。製造業者(Invitrogen)の推奨に従って、ca0.4kbの産物をBP反応によってドナー・ベクターpDONR207に移して、侵入クローンPS1780を作製する。
【0126】
最後に、製造業者(Invitrogen)の推奨に従って、発現ベクターPS1768は、侵入クローンPS1782からLR反応で転送ベクターPS1688にFKBPを移すことによって作製した。
【0127】
実施例11:タンパク質-タンパク質の相互作用を阻害する化合物のスクリーニング方法において有用性示す、GFP補完法を使用する誘導性の相互作用系の構築。
【0128】
免疫抑制性化合物のラパマイシンは、FK506結合タンパク質(FKBP)に、および同時にラージPl3キナーゼ相同体FRAP(mTORまたはRAFTとしても知られる)に結合し、したがって、これらの2つのタンパク質に対するヘテロ二量体化(heterodimeriser)化合物として役立つ。関心対象のタンパク質の間にヘテロ二量体を誘導するためにラパマイシンを使用するために、タンパク質のうちの一方をFKBPドメインに融合し、他方をFRBと呼ばれるFRAPの90アミノ酸部分(これは、FKBP-ラパマイシン抱合体を結合するために十分である(Chen etal, PNAS 92, 4947 (1995))に融合した。この実施例では、FRBおよびFKBPの融合物を分割-EYFP(EYFP(1〜172)配列にF64L突然変異を含む(N末端E[F64L]YFP172))の補完的な半分に対して作製し、その結果、補完反応は、ラパマイシンの添加によって制御することができる。
【0129】
本実施例は、条件つきで相互作用するように作製することができる成分を使用するモデルGFP補完系が、相互作用刺激に用量依存的な方法で予想通りに反応することを証明する。また、本実施例は、E[F64L]YFP補完系の蛍光発生の割合についての情報を提供する。さらには、本系は、E[F64L]YFP補完系の補完的な半分に融合されたタンパク質の相互作用を遮断する化合物を検出するために使用することができることを証明する。
【0130】
以下の融合が構築物は、実施例10に記載したように作製した:
N末端E[F64L]YFP172-FKBP=PS1769をコードするプラスミド
FRB-C末端EYFP173=PS1771
N末端E[F64L]YFP172-FRB=PS1767
FKBP-C末端EYFP173=PS1768
プローブは、供給元によって推薦される方法に従って、トランスフェクション試薬FuGENE(商標)6(Boehringer Mannheim Corp, USA)を用いて、PS1771とPS1769、およびPS1768とPS1767を対にしてCHO-hIR細胞(上記)に同時トランスフェクトした。細胞は、細胞増殖培養液(Glutamax-1、10%のウシ胎児血清(FBS)、100μgペニシリン-ストレプトマイシン混合物mol-1を含むHAM'sF12栄養混合物(GibcoBRL、Life Technologies, Denmarkによって供給される))中で培養した。プラスミドに適切した2つの選択薬剤(1mg/mlのゼオシン、プラス0.5mg/mlのG418サルフェートである)の添加を使用して、トランスフェクション細胞をこの培地中で培養した。細胞は、37℃において、100%の湿気中で、および5%のCO2を補った通常の気体雰囲気条件で、培養した。
【0131】
選択薬剤を持続して存在させて10〜12日培養後に生じる細胞株は、安定にトランスフェクトされたと判断した。蛍光顕微鏡のためには、細胞の一定分量をLab-Tekチャンバ・カバーガラス(Nalge Nunc International, NaperviIle USA)に移して、24時間付着させ、少なくとも約80%コンフルエンスに到達させた。イメージは、Nikon Diaphot 300倒立蛍光顕微鏡(Nikon Corp. , Tokyo, Japan)を使用して、×20(乾式)および/または×40(油浸)対物レンズを使用して、かつOrca ER電荷結合素子(CCD)カメラ(Hammamatsu Photonics K. K. , Hammamatsu City, Japan)組み合わせてルーチンに収集した。細胞は、イメージ・バックグラウンドを最小にするために、470±20nmの励起フィルター、510nmのダイクロイック・ミラー、および515±15nmの発光フィルターを介して100WのHBOアーク灯で照射した。イメージの収集、その後の測定、および蛍光強度の解析は、Windowsソフトウェア(Scanalytics, Fairfax, VA USA)のためのIPLab Spectrumによって全て制御した。
【0132】
また、細胞は、画像化目的のため、および蛍光プレートリーダーで蛍光強度を測定するための両方のために、プラスチックの96ウェルプレート(Polyfiltronics Packard 96-View Plate or Costar Black Plate, );両タイプとも組織培養処理されている)中で400μLにつき約1.0×105細胞の接種密度から16時間培養した。実験の前に、細胞をglutamax、100μgペニシリン-ストレプトマイシン混合物mol-1および10% FBSを含むHAM F-12培地中で選択薬剤(類)なしで一晩培養した。この培地は、低い自家蛍光を有し、直接インキュベーターから細胞に対して蛍光測定することができる。端点測定のために、プレート中の細胞を4%のホルムアルデヒドのリン酸緩衝食塩水(PBS)+10μMのヘキスト22538溶液で10分間ルーチンで固定し、続いてPBSを使用して3回の洗浄工程をを行った。核色素ヘキスト22538の使用により、細胞密度に対して、それぞれのウェルからのEYFP蛍光シグナルを修正することができる。このような方法で調製されるプレートを、適切なフィルターセットを備えたFluoroskan AscentCFプレートリーダー(Labsystems, Finland)で測定した(EYFP:励起485nm、発光527nm;ヘキスト22538:355nM励起、460nm発光)。
【0133】
予想通りに、CHO-hIR[PS1769+PS1771]およびCHO-hIR[PS1767+PS1768]の両細胞株は、ラパマイシンに応答し、数時間のインキュベーション後にEYFP蛍光を実質的に増大した(図10)。これらの細胞の開始条件(t=0)では、大部分の細胞においてかろうじて見えるだけであるが、集団の一部の細胞(<5%)では、処理前にも低いが、かなりの蛍光を有したことに留意されたい(図10a)。4時間(図10b)後に、多くの細胞(約40%)は、細胞質および核のコンパートメントの全体にわたって有意に高いEYFP蛍光を発生した。16時間後(図10c)には、細胞あたりの反応はさらに増大し、細胞群の大部分(約70%)を包含した。結果は、第2の細胞株CHO-hIR[PS1769+PS1771]と本質的に同一であった。
【0134】
図11のグラフは、CHO-hIR[PS1767+PS1768]株のラパマイシン処理に続く細胞におけるEYFP蛍光の発生率を示す。細胞を96ウェルプレート中で3μMのラパマイシンで処理し、種々の時間に蛍光を測定した。処理および測定は、HAM's培地+10%のFBS中で培養している細胞で行い、蛍光測定では、この培地からバックグラウンド蛍光を修正した。グラフは、蛍光の発生の半減時間が約5時間であることを示す。蛍光の発生率には、二量体化薬(dimeriser)ラパマイシンによって媒介されるFKBPとFRBの間の相互作用のための時間プラスEYFP部分のアニーリングのための時間、並びにうまくアニールされたEYFPタンパク質内でフルオロフォアを成熟するために必要とされる時間(おそらく、より長い)を含む。
【0135】
図12は、CHO-hIR[PS1769+PS1771]細胞株についての、異なるラパマイシン用量に対する応答曲線である。細胞を96ウェルプレートで培養し、種々のラパマイシン用量で16時間処理し、次いで固定して、ヘキストで染色した後、AscentプレートリーダーでEGFP蛍光/細胞(任意単位)を示した。値をPBSバックグラウンド並びに細胞数について修正する。本細胞株は、この実験において使用したラパマイシンの用量範囲全体にわたって、約3倍のEYFP強度/細胞の増加を示す。
【0136】
反応のダイナミックレンジを増大するため、およびこれらの細胞株から固有のEYFPバックグラウンド・シグナルを減少させるための1つの方法は、ラパマイシン刺激の前にEYFPが明るいで細胞画分を除去することである。これは、蛍光標示式細胞分取(FACS)法によって容易に達成される。この方法によって、各々の細胞株を3つの群にソートした:(i)最も緑色の群、(ii)中程度〜低い緑色の群、および(iii)黒い群。「最も緑色」のものは、いずれの場合においても廃棄したが、その他の2つの群をさらに使用するのために培養した。図13(a)および図13(b)は、ソーティング手順の後における細胞株CHO-hIR[PS1767+PS1768]の100nMラパマイシンに対する改善された反応を示す。
【0137】
図14(a)および(b)は、CHO-hIR[PS1767+PS1768]親系に由来する「中程度〜低い緑色」および「黒い」FACS群(それぞれ)の反応を示す。ラパマイシンに対する用量反応をそれぞれの細胞株について7時間(a)および30時間(b)後に測定した。蛍光の値は、プレート及び培地バックグラウンドに対して修正した。EYFP蛍光の増加は、いずれの場合においても刺激されていない値よりも20倍よい。予想外に、絶対的な蛍光シグナルは、7および30時間の間に有意に変化しないように思われるが、細胞はこの期間中になおも生存している。それぞれの細胞株についての7および30時間の用量反応曲線は非常によく似ており、「中程度〜低い緑色」の群では約0.25μM、「黒い」群では0.1μMのEC50を有する。このデータは、一旦二量体化が生じれば、EYFP補体が30時間以上細胞内で安定であることを示唆する。中程度〜低い緑色の群は、全体的により大きな反応範囲を有し、最も高いラパマイシン濃度において黒い群の3倍を超える強度に達する。両FACS群は、親株(非FACS)と比較して、有意に低い刺激前蛍光強度を有する。
【0138】
図15(a)および(b)は、2つのFACSした株、CHO-hIR[PS1768+PS1767]「中程度〜低い緑色」の群(図15(a))およびCHO-hIR[PS1769+PS1771]「黒い」群(図15(b))において、FK506対100nmラパマイシンの用量反応競合曲線を示す。EC50値は、いずれの場合においても約1.2μ MFK506である。細胞は、2つの化合物の混合物と共に一晩中インキュベートし(16時間)、次いで固定して、ヘキストで染色した後、AscentプレートリーダーでEYFP蛍光/細胞を決定した。プレートおよび溶液のバックグラウンドを減じ;それぞれのグラフ上の点線は、これらの実験におけるそれぞれの細胞株の刺激前の蛍光レベルを示す。これらの結果は、N末端E[F64L]YFP172およびC末端EYFP173に対する融合を使用するGFP補完法を2つのタンパク質成分の間の条件的な相互作用を妨げる化合物のスクリーンにうまく使用し得ることを示す。
【0139】
表2 クローニングに使用したオリゴヌクレオチド。P*から始まるオリゴヌクレオチドは、ライゲーションを可能にするために5’末端にリン酸化してある。
【表6】

表3 EGFP断片の増幅に使用したプライマー対。
【表7】

表4 クローニングおよび発現ベクター。
【表8】

表5 配列名および番号。
【表9】

本明細書において参照される全ての引用した特許、刊行物、継続中の出願、および仮出願は、参照により本明細書に援用される。
【0140】
したがって、本発明は、記載され、同じものがさまざまな方法で変更してもよいことは、明らかである。このような変更は、本発明の趣旨および範囲から逸脱するとは見なされず、当業者にとって明らかであると考えられる全てのこのような修飾は、請求の範囲の範囲内に含まれることが企図される。
【図面の簡単な説明】
【0141】
【図1】融合タンパク質をコードする配列の一般的な構造。
【図2】N末端EGFP-NZおよびCZ-C末端EGFP発現ベクターを同時トランスフェクションし、またはpEGFP-C1をトランスフェクトした蛍光性CHO-hIR細胞の16ビットのイメージをとり、これらの範囲内の細胞および蛍光の分布を視覚化するように個々にサイズを変更した。画素強度のサイズを変更(スケーリング)していることにより、相対的な蛍光レベルをイメージ中で比較することはできない。分割部位は、残基157/158(上段の列、プラスミドPS1557およびPS1559)の間または残基172/173(中段の列、プラスミドPS1558およびPS1560)間のいずれかである。下段の列では、EGFP発現ベクターpEGFP-C1を細胞にトランスフェクトした。イメージは、トランスフェクション後の1日(左カラム)、2日(中間のカラム)、または10日(右カラム)目にとった。細胞のイメージは、補完断片を機能的に発現した細胞の代表である。
【図3】図2に示したものと同じ、N末端EGFP-NZおよびCZ-C末端EGFP発現ベクターを同時トランスフェクトし、またはpEGFP-C1をトランスフェクトした蛍光CHO-hIR細胞の16ビットのイメージであるが、本イメージは、ここでは同じ強度スケーリングによって示してあり、蛍光強度の比較をすることができる。残基172と173の間の分割に基づく補完構築物をトランスフェクトした細胞(中間の列)では、残基157と158の間の分割に基づく補完構築物をトランスフェクトした細胞(最上列)よりも明らかに高い蛍光がある。しかし、pEGFP-C1構築物をトランスフェクトした細胞(下列)は、2日目において有意に強い蛍光を示す。
【図4】図3に示した未操作の顕微鏡イメージをImageJソフトウェア・パッケージを使用して解析し、データ解析をMicrosoft Excelで行った。それぞれの16ビットの単色IP Lab顕微鏡イメージについて、画素強度データをImageJで作製し、データ解析のためにExcel展開-シートにエクスポートした。画素の最も暗いものおよび最も明るいものの0.5%をそれぞれのイメージにおいて同定し、これらの2つの群の平均強度を算出した。最も暗い0.5%の画素の平均強度は、バックグランド蛍光強度として定義し(ヒストグラムの白いバーとして示した)、最も明るい0.5%の画素の強度は、最大強度として定義した。最大強度とバックグラウンド強度の間の強度の相違は、反応として定義した(ヒストグラムの網掛けをしたバーとして示した)。バックグラウンド強度および反応の合計は、最大強度に等しい。図から、残基172と173の間、およびおそらくこのループのその他のどこかにおける分割は、残基157と158の間、およびおそらくこのループのその他のどこかにおける分割よりも優れていることが明らかである。
【図5】適切な蛍光タンパク質の分割部位の位置をGFPのリボンおよびワイヤーフレーム表現で示してある。2つの表示は、2つの側面からの同じ部位を示す(分子は、縦軸のまわりを約180度回転させた)。
【図6】図3に記載したように、EGFPおよびEYFPに基づいた補完断片を発現する発現ベクターの同時トランスフェクションし、種々の補完断片が細胞中で組み合わさって機能的な抱合体を生じる能力を比較した。全てのイメージは、イメージ間で蛍光強度の直接的な比較ができるように同じサイズに変更される。
【0142】
N末端の断片の一回のトランスフェクションのみでは、バックグラウンド・レベル以上の検出可能な蛍光を生じなかった(データ示さず)。これらのN末端の断片は、全長GFPの発色団を形成するアミノ酸残基65〜67を含む。
【図7】図6に示したイメージの定量分析。結果は、細胞の外観検査からの心証と一致する。データは、図4のレジェンドに記載したように作成した。
【図8】図3に記載したように、EGFPおよびEYFPに基づいた補完断片を発現する発現ベクターを同時トランスフェクションし、異なる色彩のEGFP、EYFP、およびEYFP F64L断片を混合した効果を比較し、重複する断片、たとえば、残基1〜172および158〜238をコードする断片を組み合わせることの影響を決定する。全ての色彩の組み合わせにおいて、適切な組み合わせのもの、すなわち全くまたはほとんどの残基が重複しないときよりも一般的に効率的ではない。また、重複領域を有する断片は、機能的であり、融合パートナーの立体障害のためによって、より長いリンカー配列が必要であるか、または必要であろう実験において、これは有利であろう。これは、融合パートナーがロイシンジッパーであるこの実験ではなかった。実施例(中間のカラム)において、残基158〜172は、両方の断片に存在した。全ての局面において、F64Lは、蛍光強度に対して有利な効果を有する。全てのイメージは、イメージ間で蛍光強度の直接的な比較ができるように同じスケールに変更される。
【図9】図8に示したイメージの定量分析。結果は、図7に示した結果と直接比較することができ、これらは、細胞の外観検査からの心証と一致する。データは、図4のレジェンドに記載したように作成した。
【図10】1μMのラパマイシンで処理後の3つの時点におけるCHO-hIR[PS1767+PS1768]細胞。イメージ(c)は、25ミリ秒の暴露でとり、前の2つのイメージは、それぞれ100ミリ秒の暴露でとった点に留意されたい。
【0143】
(a)は、これらの細胞の開始条件(t=0)であり、大部分の細胞においてかろうじて見えるだけであるが、集団の一部の細胞(<5%)は、処理前にも低いが、かなりの蛍光を有したことに留意されたい。
【0144】
(b)4時間後に、多くの細胞(約40%)は、細胞質および核のコンパートメントの全体にわたって有意に大きなEYFP蛍光を発生した。
【0145】
(c)16時間後には、細胞あたりの反応はさらに増大し、細胞群の大部分(約70%)を包含した。
【図11】CHO-hIR[PS1767+PS1768]株のラパマイシン処理に続く細胞のEYFP蛍光の発生率。細胞を96ウェルプレート中で3μMおラパマイシンで処理し、種々の時間において蛍光を測定した。処理および測定は、HAM's培地+10%のFBS中で培養している細胞で行い、蛍光測定では、この培地からバックグラウンド蛍光を修正した。グラフは、蛍光の発生の半減時間が約5時間であることを示す。HAM'sバックグラウンドに対して修正した値、8回の測定についてそれぞれの値の平均±sd。
【図12】CHO-hIR[PS1769+PS1771]細胞株についての、異なるラパマイシン用量に対する反応曲線。細胞を96ウェルプレートで培養し、種々のラパマイシン用量で16時間処理し、次いで固定して、ヘキストで染色した後、AscentプレートリーダーでEGFP蛍光/細胞(任意単位)を示した。値をPBSバックグラウンド並びに細胞数について修正する。細胞株は、この実験において使用したラパマイシンの用量範囲全体にわたって、約3倍のEYFP強度/細胞の増加を示す。
【図13】各々の細胞株を3群に蛍光標示式細胞分取(FACS)した:(i)最も緑色の群、(ii)中程度〜低い緑色の群、および(iii)黒い群。「最も緑色」のものは、いずれの場合においても廃棄したが、その他の2つの群をさらに使用するのために培養した。
【0146】
A:刺激前の(i)、および100nmラパマイシンで刺激の16時間後の(ii)及び(iii)「黒い」CHO-hIR[ps1768+ps1767]FACS群。イメージ(i)および(ii)は、100ms曝露し、イメージ(iii)は、25ms暴露した。
【0147】
B:刺激の前(i)、および100nMラパマイシンで16時間刺激後(ii)及び(iii)の「中程度〜低い緑色」のCHO-hIR[ps1768+ps1767]FACS群。イメージ(i)および(ii)は、100SM曝露し、イメージ(iii)は、25ms暴露した。
【図14】CHO-hIR[PS1767+PS1768]親株に由来する「中程度〜低い緑色」(a)および「黒い」(b)FACS群(それぞれ)の反応を示す。(図13を参照されたい)。ラパマイシンに対する用量反応をそれぞれの細胞株について7時間(a)および30時間(b)後に測定した。蛍光の値は、プレート及び培地バックグラウンドに対して修正した。EYFP蛍光の増加は、いずれの場合においても刺激されていない値よりも20倍よい。
【図15】2つのFACSした株、(a)CHO-hIR[PS1768+PS1767]「中程度〜低い緑色」の群および(b)CHO-hIR[PS1769+PS1771]「黒い」群における、FK506対100nmラパマイシンの用量反応競合曲線を示す。EC50値は、いずれの場合においても約1.2μ MFK506である。細胞は、2つの化合物の混合物と共に一晩中インキュベートし(16時間)、次いで固定して、ヘキストで染色した後、AscentプレートリーダーでEYFP蛍光/細胞を決定した。プレートおよび溶液のバックグラウンドを減じ;それぞれのグラフ上の点線は、これらの実験におけるそれぞれの細胞株の刺激前の蛍光レベルを示す。
【図16a】蛍光タンパク質のアランメント。
【図16b】蛍光タンパク質のアランメント。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つのGFP断片であって、
(a)GFPのアミノ酸番号1〜アミノ酸番号Xのアミノ酸の連続的な配列を含むGFPのN末端の断片であって、アミノ酸番号Xとアミノ酸番号X+1の間のペプチド結合は、GFPのループ内にある断片、および、
(b)GFPのアミノ酸番号X+1〜アミノ酸番号238のアミノ酸の連続的な配列を含むGFPのC末端の断片、
を含むGFP断片。
【請求項2】
2つのGFP断片であって、
(a)GFPのアミノ酸番号1〜アミノ酸番号Xのアミノ酸の連続的なひと配列を含むGFPのN末端の断片であって、アミノ酸番号Xとアミノ酸番号X+1の間のペプチド結合は、GFPのループ内にある断片、および、
(b)GFPのアミノ酸番号Y+1〜アミノ酸番号238のアミノ酸の連続的な配列を含むGFPのC末端の断片であって、Y<Xでは、2つのGFP断片の重複を作りだし、かつアミノ酸Yとアミノ産Y+1の間のペプチド結合は、GFPのループ内にある断片、
を含む断片。
【請求項3】
GFPが、EGFP、EYFP、ECFP、dsRed、およびRenilla GFPからなる群より選択される、前述の請求項のいずれか1項に記載の2つのGFP断片。
【請求項4】
GFPがEGFPである、前述の請求項のいずれか1項に記載の2つのGFP断片。
【請求項5】
GFPがEYFPである、前述の請求項のいずれか1項に記載の2つのGFP断片。
【請求項6】
発色団の前の位置1のアミノ酸が、蛍光強度の増加を提供するために変異された、前述の請求項のいずれか1項に記載の2つのGFP断片。
【請求項7】
発色団の前の位置1のアミノ酸FがLによって置換された、前述の請求項のいずれか1項に記載の2つのGFP断片。
【請求項8】
GFPが変異されてS72A突然変異をさらに含む、前述の請求項のいずれか1項に記載の2つのGFP断片。
【請求項9】
前述の請求項のいずれか1項に記載の2つのGFP断片であって、Xは、Thr9-Val11のループ内の9および10の間;またはAsn23-His25のループ内の23と24の間;またはThr38-Gly40のループ内の38と39の間;またはCys48-Pro56のループ内の48と55の間;またはSer72-Asp76のループ内の72と75の間;またはHis81-Phe83のループ内の81と82の間;またはMet88-Glu90のループ内の88と89の間;またはLys101-Asp103のループ内の101と102の間;またはPhe114-Thr118のループ内の114と117の間;またはIle128-Tyr145のループ内の128と144の間;またはAla154-Gly160のループ内の154と159の間;またはIle171-Ser175のループ内の171と174の間;またはIle188-Asp197のループ内の188と196の間;またはAsp210-Art215のループ内の210と214の間にある断片。
【請求項10】
XがAla154-Gly160のループ内の154と159の間にある、前述の請求項のいずれか1項に記載の2つのGFP断片。
【請求項11】
XがAla154-Gly160のループ内の157にある、前述の請求項のいずれか1項に記載の2つのGFP断片。
【請求項12】
XがIle171-Ser175のループ内の171と174の間にある、前述の請求項のいずれか1項に記載の2つのGFP断片。
【請求項13】
XがIle171-Ser175のループ内の172にある、前述の請求項のいずれか1項に記載の2つのGFP断片。
【請求項14】
YがAla154-Gly160のループ内の154と159の間にある、前述の請求項のいずれか1項に記載の2つのGFP断片。
【請求項15】
YがAla154-Gly160のループ内の157にある、前述の請求項のいずれか1項に記載の2つのGFP断片。
【請求項16】
XがIle171-Ser175のループ内の172にあり、かつYがAla154-Gly160のループ内の157にある、前述の請求項のいずれか1項に記載の2つのGFP断片。
【請求項17】
GFPのN末端の断片が、関心対象の第1のタンパク質とインフレームで融合されている、前述の請求項のいずれか1項に記載の2つのGFP断片。
【請求項18】
関心対象の第1のタンパク質が、GFPのN末端断片のN末端に融合されている、前述の請求項のいずれか1項に記載の2つのGFP断片。
【請求項19】
関心対象の第1のタンパク質が、GFPのN末端断片のC末端に融合されている、前述の請求項のいずれか1項に記載の2つのGFP断片。
【請求項20】
GFPのC末端の断片が、関心対象の第2のタンパク質とインフレームで融合されている、前述の請求項のいずれか1項に記載の2つのGFP断片。
【請求項21】
関心対象の第2のタンパク質が、GFPのC末端断片のN末端に融合されている、前述の請求項のいずれか1項に記載の2つのGFP断片。
【請求項22】
関心対象の第2のタンパク質が、GFPのC末端断片のC末端に融合されている、前述の請求項のいずれか1項に記載の2つのGFP断片。
【請求項23】
関心対象の第1のタンパク質にインフレームで融合されたGFPのN末端断片が、GFPのN末端断片と関心対象の第1のタンパク質の間にリンカー配列をさらに含む、前述の請求項のいずれか1項に記載の2つのGFP断片。
【請求項24】
前関心対象の第2のタンパク質にインフレームで融合されたGFPのC末端断片が、GFPのC末端断片と関心対象の第2のタンパク質の間にリンカー配列をさらに含む、述の請求項のいずれか1項に記載の2つのGFP断片。
【請求項25】
前述の請求項のいずれか1項に記載の2つのGFP断片であって、GFPはF64L突然変異をさらに含むEYFPであり、Xは172であり、GFPのN末端断片に融合された関心対象の第1のタンパク質は、GFPのN末端断片のC末端に融合されており、およびGFPのC末端断片に融合された関心対象の第2のタンパク質は、GFPのC末端断片のN末端に融合されている断片。
【請求項26】
前述の請求項のいずれか1項に記載の2つのGFP断片であって、GFPは、F64L突然変異をさらに含むEYFPであり、Xが157であり、GFPのN末端断片に融合した関心対象の第1のタンパク質は、GFPのN末端断片のC末端に融合されており、およびGFPのC末端断片に融合された関心対象の第2のタンパク質は、GFPのC末端断片のN末端に融合されている断片。
【請求項27】
前述の請求項のいずれか1項に記載のGFPのN末端断片。
【請求項28】
前述の請求項のいずれか1項に記載のGFPのC末端断片。
【請求項29】
前述の請求項のいずれか1項に記載の断片をコードする核酸。
【請求項30】
前述の請求項のいずれか1項に記載のGFPのN末端断片を含む細胞。
【請求項31】
前述の請求項のいずれか1項に記載のGFPのC末端断片を含む細胞。
【請求項32】
前述の請求項のいずれか1項に記載の2つのGFP断片を含む細胞。
【請求項33】
前述の請求項のいずれか1項に記載の2つのGFP断片を含むベクター。
【請求項34】
前述の請求項のいずれか1項に記載のGFPのN末端断片を含むベクター。
【請求項35】
前述の請求項のいずれか1項に記載のGFPのC末端断片を含むベクター。
【請求項36】
前述の請求項のいずれか1項に記載の2つのGFP断片を含むプラスミド。
【請求項37】
前述の請求項のいずれか1項に記載のGFPのN末端断片を含むプラスミド。
【請求項38】
前述の請求項のいずれか1項に記載のGFPのC末端断片を含むプラスミド。
【請求項39】
関心対象の2つのタンパク質間の相互作用を検出するための方法であって:
(a)2つの異種抱合体を含む少なくとも1つの細胞であって、
第1の異種抱合体は、前述の請求項のいずれか1項に記載のGFPのN末端断片に結合された関心対象の第1のタンパク質を含み、
第2の異種抱合体は、前述の請求項のいずれか1項に記載のGFPのC末端断片に結合された関心対象の第2のタンパク質を含む細胞を提供する工程と;および、
(b)少なくとも1つの細胞からの蛍光を測定する工程とを含み、
蛍光細胞は、関心対象の2つのタンパク質の間の相互作用を示す方法。
【請求項40】
関心対象の2つのタンパク質間の相互作用をモニタリングするための方法であって:
(a)2つの異種抱合体をコードする核酸の少なくとも1つの配列を含む少なくとも1つの細胞であって、
第1の異種抱合体は、前述の請求項のいずれか1項に記載のGFPのN末端断片に結合された関心対象の第1のタンパク質を含み、
第2の異種抱合体は、前述の請求項のいずれか1項に記載のGFPのC末端断片に結合された関心対象の第2のタンパク質を含む細胞を提供する工程と;
(b)少なくとも1つの細胞を発現可能な条件下で培養する工程と;および、
(c)少なくとも1つの細胞からの蛍光を測定する工程とを含み、
蛍光細胞は、関心対象の2つのタンパク質の間の相互作用を示す方法。
【請求項41】
新たな相互作用パートナーを検出するための、前述の請求項のいずれか1項に記載の方法であって、関心対象のタンパク質の一方は、既知であり、他方の関心対象のタンパク質は、未知のタンパク質であり、
-両方の異種抱合体によって細胞の並行トランスフェクションを行う工程をさらに含み、
関心対象の既知のタンパク質に対する相互作用パートナーを発現する細胞は、蛍光性であり、これにより容易に検出できる方法。
【請求項42】
新たな相互作用パートナーを検出するための、前述の請求項のいずれか1項に記載の方法であって、関心対象のタンパク質の一方は、既知であり、他方の関心対象のタンパク質は、未知のタンパク質であり、
-関心対象の既知のタンパク質を含む異種抱合体を安定に発現する細胞株を確立する工程と;
-潜在的な相互作用パートナーを含む異種抱合体のライブラリーを前記細胞株にトランスフェクトする工程と;
をさらに含み、
関心対象の既知のタンパク質に対する相互作用パートナーを発現する細胞は、蛍光性であり、これにより容易に検出可能である方法。
【請求項43】
関心対象の2つのタンパク質の間に相互作用を誘導する化合物を検出するための方法であって:
(a)2つの異種抱合体を含む少なくとも1つの細胞であって、
第1の異種抱合体は、上記記載のGFPのN末端断片に結合された関心対象の第1のタンパク質を含み、
第2の異種抱合体は、上記記載のGFPのC末端断片に結合された関心対象の第2のタンパク質を含む細胞を提供する工程と;
(b)工程(a)の少なくとも1つの細胞からの蛍光を測定する工程と;
(c)工程(b)の少なくとも1つの細胞に試験化合物を適用する工程と;および、
(d)工程(c)の少なくとも1つの細胞からの蛍光を測定する工程と;
を含み、
工程(b)から工程(d)において観察される蛍光の増大は、工程(c)で添加された試験化合物が、関心対象の2つのタンパク質の間に相互作用を誘導することができることを示す方法。
【請求項44】
2つのタンパク質成分の間の条件的相互作用を妨げる化合物をスクリーニングするための方法であって:
(a)2つの異種抱合体を含む少なくとも1つの細胞であって、
第1の異種抱合体は、上記記載のGFPのN末端断片に結合された関心対象の第1のタンパク質を含み、
第2の異種抱合体は、上記記載のGFPのC末端断片に結合された関心対象の第2のタンパク質を含む細胞を提供する工程と;
(b)工程(a)の少なくとも1つの細胞からの蛍光を測定する工程と;
(c)工程(b)の少なくとも1つの細胞に対して、試験化合物および関心対象の2つのタンパク質間の相互作用を誘導する化合物を適用する工程と;および、
(d)工程(c)の少なくとも1つの細胞からの蛍光を測定する工程と;
を含み、
工程(b)から工程(d)において観察される蛍光の増大は、工程(c)で添加された試験化合物が、関心対象の2つのタンパク質間の相互作用を妨げないことを示すが、工程(b)から工程(d)において観察される蛍光の増大が小さくなることは、試験化合物が関心対象の2つのタンパク質間の相互作用の誘導を防げることを示す方法。
【請求項45】
前述の請求項のいずれか1項に記載の方法であって、少なくとも1つの細胞は、異種細胞群であり、
-最も緑色の細胞を除去する工程と;
-黒い細胞を除去する工程と;
これによって「中程度〜低い緑色」の細胞を得る工程、
をさらに含む方法。
【請求項46】
除去工程がFACSによって行われる、前述の請求項に記載の方法。
【請求項47】
前述の請求項のいずれか1項に記載の方法であって、少なくとも1つの細胞は、高いダイナミックレンジを有する異種細胞群であり、
-関心対象の2つのタンパク質の間に相互作用を誘導する化合物で「中程度〜低い緑色」の細胞を刺激する工程と;および、
-タンパク質を相互作用させて、蛍光タンパク質断片を折りたたませて、蛍光性にさせるために十分な時間を経過させる工程と;
-最も緑色の細胞を単離する工程と;
をさらに含み、
この細胞の集団は、非常に低いバックグラウンドを有し、関心対象の2つのタンパク質の間の相互作用により蛍光タンパク質を形成することができる方法。
【請求項48】
単離工程がFACSによって行われる、前述の請求項に記載の方法。
【請求項49】
少なくとも1つの細胞が哺乳類細胞である、前述の請求項のいずれか1項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16a】
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【図16b】
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【公表番号】特表2006−506950(P2006−506950A)
【公表日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2003−586184(P2003−586184)
【出願日】平成14年12月19日(2002.12.19)
【国際出願番号】PCT/DK2002/000882
【国際公開番号】WO2003/089464
【国際公開日】平成15年10月30日(2003.10.30)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
WINDOWS
【出願人】(503217233)バイオイメージ・アクティーゼルスカブ (1)
【Fターム(参考)】