2つの製品のための収容取出デバイス
【課題】内部に収容している製品の流動性を向上させたデバイスを提供すること。
【解決手段】収容と取出とを行うためのデバイス(1)であって、−第1製品(P1)を収容するための容器(2)と;−容器(2)を着脱可能に閉塞し得るものとされたベース部分(6)を備えている閉塞カプセル(4)と;を具備し、このようなデバイスにおいて、閉塞カプセルが、可動部分(17)を備え、この可動部分が、内部に凹所を形成し、この凹所が、第2製品(P2)を収容しており、凹所が、開口(18)を規定しており、この開口が、キャップ(22)によって閉塞され、可動部分が、ベース部分に対して、キャップに対するアクセスがベース部分によって禁止されている閉塞状態と、キャップに対してアクセス可能とされた開放状態と、の間にわたって移動可能とされている。
【解決手段】収容と取出とを行うためのデバイス(1)であって、−第1製品(P1)を収容するための容器(2)と;−容器(2)を着脱可能に閉塞し得るものとされたベース部分(6)を備えている閉塞カプセル(4)と;を具備し、このようなデバイスにおいて、閉塞カプセルが、可動部分(17)を備え、この可動部分が、内部に凹所を形成し、この凹所が、第2製品(P2)を収容しており、凹所が、開口(18)を規定しており、この開口が、キャップ(22)によって閉塞され、可動部分が、ベース部分に対して、キャップに対するアクセスがベース部分によって禁止されている閉塞状態と、キャップに対してアクセス可能とされた開放状態と、の間にわたって移動可能とされている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に2つの化粧品やケア製品といったような少なくとも2つの製品を収容するとともにそれらを個別的に取り出すためのデバイスに関するものである。
【0002】
『化粧品』という表現は、1993年6月14日付けでのEC理事会指令第93/35/CEE号に規定された製品を意味するものとして、理解されたい。
【背景技術】
【0003】
特許文献1により、2つの個別収容デバイスからなるアセンブリによる複数の化粧品の個別的な収容と適用とを可能とし得るような、連結部材が公知である。
【0004】
また、特許文献2は、互いに組み合わせられた2つの容器を備えてなる公知デバイスを開示している。第1容器は、第1開口を備えている。この第1開口は、第2容器の底部がなす手段によって閉塞される。また、第2容器は、第2開口を備えている。この第2開口は、閉塞カプセルによって閉塞される。2つの容器は、上下方向に積み重ねられる。実際、このアセンブリが、平坦面上に第1容器の底部を載置した際には、第1容器および第2容器の内部に収容された各製品は、重力のために、各容器の底部内に留まったままとされる。
【0005】
また、特許文献3は、2つの製品を個別的に収容するための公知デバイスを開示している。このデバイスは、第1製品を保持する容器を備えている。この容器は、閉塞カプセルによって閉塞される。この閉塞カプセルは、一方においては、容器を閉塞させ得る取付手段を有したベース部分と、他方においては、第2製品を収容するための凹所と、を備えている。この凹所は、カプセルのうちの、ベース部分に対して可動とされた部分によって、閉塞される。この場合にも、容器内に収容された製品と、凹所内に収容された製品とは、それぞれ対応する収容空間内における底部において安定化される。
【0006】
それぞれの内部に収容された製品の連続的な適用に際して必要とされるデバイスの操作に関しては実質的な変更を伴うことなく、容器と凹所との一方または双方において製品を流動させ得るような、単純な手段が要望されている。
【0007】
特許文献4には、2つの製品を順次的に適用するような、まつ毛に対してメークアップを行うための公知方法が開示されている。この場合、適用される第1製品は、フィルム形成性の組成物とされ、適用される第2製品は、上記組成物が完全に乾燥する前に上記組成物層上に散布される固体粒子を含有している。
【特許文献1】欧州特許出願公開第1378188号明細書
【特許文献2】米国特許第2004−190974号明細書
【特許文献3】欧州特許出願公開第1382541号明細書
【特許文献4】欧州特許出願公開第1000607号明細書
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記問題点を少なくとも部分的に解決し得るような収容と取出とを行うためのデバイスを開示するものであり、本発明によるデバイスは、
−第1製品を収容するための容器と;
−容器を着脱可能に閉塞し得るものとされたベース部分を備えている閉塞カプセルと;
を具備し、
このようなデバイスにおいて、閉塞カプセルが、可動部分を備え、この可動部分が、内部に凹所を形成し、この凹所が、第2製品を収容しており、凹所が、開口を規定しており、この開口が、キャップによって閉塞され、可動部分が、ベース部分に対して、キャップに対するアクセスがベース部分によって禁止されている閉塞状態と、キャップに対してアクセス可能とされた開放状態と、の間にわたって移動可能とされていることを特徴としている。
【0009】
キャップは、ベース部分によってアクセス不可能なものとされる。これにより、少なくともベース部分によって、使用者がキャップを直接的に把持することが、禁止されている。本発明の様々な実施形態においては、キャップの把持は、容器の閉塞のために容器上にベース部分を取り付けた状態においては、ベース部分だけによって、あるいは、ベース部分と、このベース部分が取り付けられている容器と、の双方によって、禁止される。
【0010】
閉塞カプセルの可動部分は、閉塞カプセルのベース部分に対して、移動可能なものとされる。
【0011】
デバイスは、容器がベース部分によって閉塞されている際に容器とベース部分とによって規定されたデバイス内部に保持され得るよう構成された第1アプリケータを具備することができる。
【0012】
デバイスは、第2アプリケータを具備することができ、第2アプリケータは、凹所内に収容することができる。この第2アプリケータは、キャップに対して付設することができる。
【0013】
可動部分は、ベース部分に対して、フィルムヒンジによって連結することができ、ベース部分と可動部分とは、一体部材として、プラスチックから形成することができる。これに代えて、可動部分は、ベース部分に対して着脱可能なものとすることができる。
【0014】
キャップは、可動部分に対して、フィルムヒンジによって連結することができる。この場合、付加的には、ベース部分と可動部分とキャップとを、一体部材として、プラスチックから形成することができる。これに代えて、キャップは、可動部分に対して着脱可能なものとすることができる。
【0015】
キャップは、凹所を密封的に閉塞するためのシール手段を備えることができる。特に、シール手段は、シーリングリップとすることができる。
【0016】
第2製品は、流動可能なものとすることができ、特に、粉末または液体とすることができる。
【0017】
キャップは、キャップの取扱いを容易なものとし得るよう、把持手段を備えることができる。把持手段は、閉塞カプセルが閉塞状態とされている時には、ベース部分と可動部分との間に隠される。特に、この把持手段は、キャップのうちの、凹所に対向している面とは反対側の面から突出しているような、ラグという態様のものとすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明は、添付図面を参照しつつ以下の説明を読むことにより、明瞭となるであろう。以下の説明は、例示のためのものであって、本発明を何ら限定するものではない。
【0019】
図1は、本発明によるデバイス1を示している。このデバイス1は、容器2を備えている。容器2は、第1製品P1を収容しているとともに、第1製品P1を取り出すための開口3を形成している。図1においては、開口3は、閉塞カプセル4によって閉塞されている。
【0020】
容器2は、ガラスまたは熱可塑性材料から形成することができる。容器2は、透明な壁を有することができ、これにより、容器2内に収容されている製品P1の高さ位置をチェックすることができる。
【0021】
容器2は、長手方向軸線Xを有している。特に図1に図示された例においては、軸線Xは、底部5に対して垂直に延在しており、なおかつ、底部5は、平坦面上へと容器2を直立させ得るものとされている。開口3は、底部5に対して平行な平面内に形成することができる。
【0022】
閉塞カプセル4は、ベース部分6を備えている。ベース部分6には、取付手段7が形成されている。この取付手段7は、容器2の外表面上に形成された取付手段8と係合し得るものとされている。ベース部分6は、特に螺着やスナップ取付や摩擦係合によって、容器2に対して取り付け得るように構成することができる。取付手段7,8の各々は、ネジ山とすることができる、あるいは、特にグルーブや環状ビードといったようなスナップ取付を可能とし得るよう構成された凹凸形状とすることができる、あるいは、摩擦係合によって容器2に対して係合し得るよう構成された部分とすることができる。
【0023】
特に、図1においては、ベース部分6は、支持部9を有している。この支持部9から、スカート10が延出されている。このスカート10が、容器2のネック11上に形成された取付手段8に対して係合し得るような上記取付手段7を、形成している。支持部9は、開口3のリムに対しての密封接触を形成し得るものとして、構成することができる。
【0024】
図1に示す実施形態においては、ベース部分6は、第1アプリケータ12を備えている。この第1アプリケータ12は、支持部9から突出しているとともに、閉塞カプセル4が開口3を閉塞した状態においては容器2の内部へと少なくとも部分的に延出されている。特に、この第1アプリケータ12は、支持部9から垂直に起立しているロッド13の一端部に、取り付けることができる。
【0025】
図1に示すように、ロッド13は、スカート10に対して協働することによって所定位置に保持されているロッドホルダ14から、突出している。このロッドホルダ14は、上記取付手段7を有している。ロッドホルダ14は、適切であれば、開口3のリムに対しての密封接触を形成し得るものとして、構成することができる。いずれにしても、この実施形態においては、第1製品P1は、角質ファイバに対して適用し得るものとして構成されたような、例えばマスカラといったような、化粧品とされる。その場合、第1アプリケータ12は、そのような適用に適したものとされ、荒毛付き桿体という態様のものとされる。この目的のために、ネック11には、ワイパー部材15が設けられている。ワイパー部材15は、ブラシ(すなわち、荒毛付き桿体)と協働し得るものとして構成され、これにより、適用のたびごとに、桿体上に存在する製品量を所定量となるように調整することができる。
【0026】
本発明によるデバイス1を使用することにより、メークアップを行うことができる。その場合、第1ステージにおいて、第1製品P1が適用され、第2ステージにおいて、第2製品P2が適用される。この目的のために、閉塞カプセル4は、この閉塞カプセル4の可動部分17内に形成された凹所16を備えている。可動部分17は、閉塞カプセルのベース部分6に対して移動可能であるという意味において、可動なものである。
【0027】
図1に示す例においては、可動部分17は、固定スカート10が突出している側とは反対側において、ベース部分6に対して連結されている。可動部分17は、特に、凹所16に対するアクセスを可能としている開口18をベース部分6が閉塞し得るようにして、ベース部分6に対して取り付けられている。可動部分17は、凹所16に対するアクセスが閉塞されている第1状態すなわちいわゆる『閉塞』状態から、凹所16内へと開口18を通してアクセス可能とされている第2状態すなわちいわゆる『開放』状態へと、移動し得るよう構成されている。
【0028】
閉塞状態を維持し得るよう、可動部分17は、螺着やスナップ取付や摩擦係合によって、ベース部分6上の所定位置に保持され得るよう構成されている。図2に示す例においては、可動部分17は、弾性変形可能なタング19を備えている。このタング19は、第1スカート10の延出方向とは反対向きに支持体9から延出された第2スカート21の内表面上に形成された対応グルーブ20内へとスナップ係合し得るものとして、構成されている。
【0029】
使用者が、第1製品P1を適用する場合には、ベース部分6と可動部分17とは、好ましくは、閉塞状態に維持される。これにより、第1アプリケータ12を把持しつつ第1アプリケータ12を操作するための部材が形成される。
【0030】
第2製品P2を適用する場合には、ベース部分6は、好ましくは、容器2上に取り付けられている。これにより、取扱いが容易なものとされる。なおかつ、可動部分17は、『閉塞』状態から『開放』状態へと移動される。これにより、開口18に対するアクセスが可能とされる。実際、開口18は、キャップ22によって閉塞されている。このため、『閉塞』状態においては、キャップ22は、ベース部分6と可動部分17との間において、ベース部分6によって閉塞されている。一方、開放状態においては、キャップ22は、アクセス可能とされており、このため、開口18から取り外すことができる。その場合、使用者は、キャップ22を取り外して、第2製品P2の所定量を取り出す。第2製品P2は、第1製品P1と同じ領域に適用することができる、あるいは、第1製品P1を適用した領域とは異なる領域に適用することができる。
【0031】
キャップ22は、可動部分17上において螺着やスナップ取付や摩擦係合によって所定位置に保持し得るものとして、構成される。これにより、キャップ22は、『開放』状態と『閉塞』状態とのいずれにおいても、凹所を閉塞することができる。
【0032】
第2製品P2の適用を容易なものとし得るよう、デバイス1は、第2製品P2を好適に適用し得るよう構成された第2アプリケータ23を備えている。
【0033】
特に、第2アプリケータ23は、凹所16内へと延出するものとして、構成することができる。さらに、第2アプリケータ23は、キャップ22が第2アプリケータ23の把持手段をなすようにして、キャップ22上に保持することができる。
【0034】
図1および図2に示す例においては、第2製品P2は、粉末とされていて、例えば真珠質といったようなフレークおよび/またはピグメントのような固体ボディを有している。第2アプリケータ23は、弾性変形可能な部材という態様のものとされ、例えば、フロックによって覆われた発泡体から形成される。第2アプリケータ23は、特に、キャップ22の面25から突出した第2ロッド24の端部に取り付けられている。ここで、面25とは、キャップ22が凹所16を閉塞している際に、凹所16の内部を向いて配置される面のことである。
【0035】
図1および図2に示す実施形態によるデバイスを使用することにより、使用者は、まつ毛のメークアップを行うことができる。その場合、まず最初に、第1アプリケータ12を使用して、第1製品P1を適用し、さらに、そのようにして適用した第1製品P1が完全に乾燥してしまう前に、第2製品P2を適用する。これにより、第2製品P2は、まつ毛上において、第1製品P1によって保持される。
【0036】
特に、第2製品P2が流動性を有したものである場合には、とりわけ、粉末である場合には、第2製品P2は、貯蔵中に凝集する傾向があり、使用者が適用しようとする粒子サイズよりも実質的に大きなクラスターを形成する傾向がある。そのような場合には、使用者にとっては、第2製品の適正量を適用することが困難なものとなる。凹所16が閉塞カプセル4の可動部分17内に配置されていることのために、使用者が閉塞カプセルを開放状態へと移動させる際には、使用者は、片手で、ベース部分6によって閉塞されている容器2を保持しながら、可動部分17をベース部分6に対して回転させることができる。このような閉塞状態から開放状態への移動は、可動部分17に対して印加された運動力に基づいて、また、重力に基づいて、凹所16内における製品の流動を引き起こす。
【0037】
同様に、特に、第2製品P2が流動性を有したものである場合には、とりわけ、液体である場合には、第2製品P2は、第2アプリケータ23を使用して適用し得るものとして、構成することができる。複数回にわたる適用の後には、凹所内に残存している製品の液面高さは、必ずしも、第2アプリケータが第2製品内に含浸されていることを保証するものではない。可動部分17をベース部分6に対して移動させることにより、凹所内における製品の流動が引き起こされ、これにより、第2製品と第2アプリケータとの間の接触を改良することができる。
【0038】
実際、図1および図2に示す実施形態においては、可動部分17は、ヒンジ26を介して、ベース部分6に対して連結されている。特に、ヒンジ26は、図3に示すようなフィルムヒンジタイプのものとされ、この場合、ベース部分6と可動部分17とは、成型によって一体部材として形成される。可動部分17は、このヒンジを貫通している軸線Y回りに回転させることができる。
【0039】
回転軸線Yは、好ましくは、長手方向軸線Xに対して直交するものとされる。よって、閉塞状態においては、可動部分17は、開口18が長手方向軸線Xに対して直交しているようにして、かつ、閉塞カプセル4の長手方向軸線が実質的に長手方向軸線Xと重なり合うようにして、ベース部分6に対して配置される。閉塞状態から開放状態への移動時には、可動部分17は、180°にわたって回転され、ベース部分6と容器2とは、長手方向軸線Xが水平方向に対して実質的に直交する向きであるようにして、保持される。開放状態においては、可動部分17は、可動部分17を規定しているエッジが、第2スカート21を規定しているエッジと同一平面内に位置するようにして、ベース部分6の側方に配置される。
【0040】
開放状態においては、凹所の開口18は、上向きとされ、第2製品は、たとえキャップ22が取り外されていたにしても、重力によって凹所16からこぼれてしまう心配が一切ない。
【0041】
閉塞状態においては、開口18は、容器2の開口3が上向きとされているにしても、下向きとされる。
【0042】
フィルムヒンジ26は、スプリング効果ヒンジとすることができる。これにより、閉塞状態から開放状態への移動を、および、開放状態から閉塞状態への移動を、容易なものとし得るとともに加速することができる。この場合、フィルムヒンジ26は、ベース部分6と可動部分17とを連結する少なくとも1つの連結ストリップ27を有している。この場合、連結ストリップ27は、可動部分17がベース部分6に対して移動される際に、最適張力位置または最適圧縮位置を通過するものとされている。
【0043】
キャップ22は、可動部分17に対して着脱可能なものとして構成することができる。これに代えて、キャップ22は、フィルムヒンジタイプのヒンジを介して可動部分17に対して連結することもできる。
【0044】
可動部分に対してのキャップ22の取付および取外しを容易なものとし得るよう、キャップ22は、把持手段28を備えている。この把持手段は、凹所16に対向した面25とは反対側の面29から、突出している。把持手段は、面29に対して直交して起立したスタッドという態様のものとすることができる。閉塞状態においては、把持手段28は、キャップ22と支持体9との間に位置したスペース内へと延出される。このスペースの側方は、ベース部分6の第2スカート21によって、少なくとも部分的に規定されている。
【0045】
図4〜図15に示す変形例においては、本発明によるデバイスをなす各構成部材には、第1実施形態における符号に対して、100の位に数字を追加した符号が付されている。
【0046】
特に、図4に示すデバイス101は、フレキシブル壁を有したチューブという態様のものとし得るような容器102を備えている。この場合、フレキシブル壁上に印加された圧力によって、フレキシブル壁を変形させることができ、チューブの内容積を減少させることができる。これにより、このチューブ内に収容されている第1製品P1を、チューブによって規定されている開口103を通して吐出させることができ、例えば使用者の指上へと直接的に取り出すことができる。図4に示す実施形態においては、デバイス101は、第1アプリケータを備えていない。チューブ上における閉塞カプセル104の開放および閉塞は、特に、取付手段107,108の螺着によって、達成されている。
【0047】
さらに、この実施形態においては、可動部分117は、ベース部分106上において、着脱可能に螺着されている。これにより、閉塞状態から開放状態への移動は、長手方向軸線X回りにベース部分106に対して可動部分117を少なくとも回転させることによって、達成される。螺着解除操作時には、凹所116内において引き起こされる流動は、遠心的なものとなる。加えて、可動部分117の取外しが完了した際には、使用者が把持手段128に対してアクセスしてキャップ122を取り外し得るよう、可動部分117を、ひっくり返さなければならない。可動部分117をひっくり返す際にも、第2製品P2の流動が、凹所116内において引き起こされる。
【0048】
本発明において、特に図4に示す実施形態においては、デバイスは、第2製品のための第2アプリケータを備えている必要はない。第2製品は、キャップ122を取り外した状態においては、使用者の指によって、凹所116から直接的に取り出すことができる。図4においては、キャップ122は、可動部分117のうちの凹所116を規定している内表面に対して、摩擦係合によって、保持されている。閉塞状態においては、把持手段128は、支持体109の面に対して当接する。
【0049】
本発明による例えばデバイス1といったようなデバイス内に設けられている1つまたは複数のアプリケータは、様々な表面生地および様々な形状を有することができる。アプリケータの適用表面は、例えば、全体的に外向きに凸とされた形状を有することができる。
【0050】
他の代替可能な実施形態においては、例えばアプリケータ12および/またはアプリケータ23といったようなアプリケータは、多孔性のものとすることができる。このようなアプリケータは、例えば、開放セルを有したまたは閉塞セルを有した発泡体とすることができる。アプリケータは、圧縮可能なものとされ、例えば、ポリウレタンやポリエステルやポリエーテルやPVCやNBRからなる発泡体やあるいはフェルトといったような弾性変形可能材料から形成することができる。アプリケータは、また、例えば、ポリエチレンやPVCやEVAやポリアミドや真鍮からなる塊状物といったような塊状材料のような、非圧縮可能材料から形成することもできる。特に、アプリケータが、弾性変形可能であるかどうかにかかわらず非多孔性材料から形成されている場合には、アプリケータに対して、製品を通過させ得るような少なくとも1つの開口を有するように穴開けを実施することができる。
【0051】
本発明におけるアプリケータは、外面的には、不浸透性材料からなる表層を有することができ、なおかつ、第1製品を貫通させ得る少なくとも1つの開口を貫通状態で有している。また、アプリケータの適用表面は、例えば、織布や、不織布や、メッシュや、皮革材料、から形成することもできる。アプリケータ12および/または23は、互いに異なる様々なタイプの複数の層を備えることができる。
【0052】
また、本発明におけるアプリケータは、荒毛付きブラシや、櫛や、ペンシルブラシや、パッドや、弾性変形可能なチップ、という態様のものとすることができる。付加的には、アプリケータを、フロックによって被覆されたものとすることができる。
【0053】
特に、図5に示すような本発明によるデバイス201の実施形態は、図1に示す実施形態の一変形例であって、第1アプリケータ212が、多孔性フロック被覆チップという態様のものとされ、第1製品P1が、好ましくは、液体とされ、さらに、この変形例によるデバイス201が、第2アプリケータを備えていない。
【0054】
図6に示すような本発明によるデバイス301の実施形態においては、第1製品P1が、マニキュア液とされ、第2製品P2が、フレークという態様のものとされている。この場合、第1アプリケータは、ペンシルブラシ312という態様とされ、第2アプリケータは、パッド323という態様とされている。パッドは、フレークの薄い表面フィルムを採取し得るようなパターンを有している。図7は、特にパッド323が有し得るような様々なパターンを示している。このようなデバイスを使用した場合には、特に、爪上へと層状にマニキュア液を塗布することができ、その後、パッドを使用して、マニキュア液の乾燥最中に、マニキュア層上にパターン状でもってフレークを適用することができる。これにより、マニキュア液内にフレークを保持し得るとともに、美的に満足のいく効果を達成することができる。
【0055】
図8に示すような本発明によるデバイス401の実施形態においては、容器402は、エアロゾル容器とされ、第1製品P1は、加圧状態でもってエアロゾル容器内に収容されている。第1製品の取出は、バルブ450を使用して行うことができる。バルブ450の出口開口451に対向して、第1アプリケータとして機能する多孔質体412が、突出状態で配置されている。第1アプリケータ412は、閉塞カプセルのベース部分406によって閉塞されている。閉塞カプセルは、バルブ450のボディ上に配置された多孔質体の支持体452上へと、スナップ取付によって、保持されている。この場合、キャップ422のうちの、凹所416の内部に対向している面425は、フィルムによって被覆されている。フィルムは、例えば不織布材料から形成されたフィルムといったようなものとされる。キャップ422は、あるいは、面425は、第2アプリケータ423を形成し得るものとして構成されている。
【0056】
図9に示すような本発明によるデバイス501の実施形態においては、第1製品P1は、可動部材上に取り付けられたバーという態様のものとされている。これにより、バーは、容器502の外部へと突出し得るものとされている。第1製品P1は、口紅という態様とされる。閉塞カプセル504は、第1製品をなすバーが容器の内部へと引っ込められた際には、容器502上へと取り付けられ得るように構成されている。可動部分517内に収容されている第2製品は、例えばリップグロスといったような、唇上に適用し得るものとすることができる。
【0057】
図10に示すような本発明によるデバイス601の実施形態においては、容器602は、第1製品P1を収容した瓶という態様のものとされている。容器602は、閉塞カプセル605によって閉塞されている。閉塞カプセル604は、ベース部分606を備えている。この実施形態においては、閉塞カプセル604は、さらに、2つの凹所を備えている。一方の凹所は、可動部分617aによって規定されているとともに、第2製品P2を収容している。他方の凹所は、可動部分617bによって規定されているとともに、第3製品P3を収容している。
【0058】
ベース部分606は、容器602のネック上へと螺着されている。ベース部分606は、ロッド613の端部のところに、アプリケータ612を備えている。アプリケータ612は、例えば、ペンシルブラシという態様のものとされているとともに、ベース部分がネック上に螺着された状態では容器602の内部に保持されている。
【0059】
閉塞カプセル604は、ベース部分606の両サイドに、2つの可動部分617a,617bを備えている。これら2つの可動部分は、容器の長手方向軸線Xを通過する中央平面に関して、実質的に対称的なものとされている。可動部分617a,617bは、ベース部分606に対して、可動部分の上端に配置されたヒンジ626a,626bによって、連結されている。ヒンジは、特に、フィルムヒンジとされている。可動部分617a,617bは、それぞれ対応するヒンジを貫通しかつ長手方向軸線Xに対して直交する軸線の回りに回転することができる。可動部分617a,617bは、閉塞状態においては、例えばスナップ取付によって、ベース部分606上に保持することができる。
【0060】
各可動部分617a,617bには、下端部に、開口618a,618bが形成されている。開口618a,618bは、それぞれ、キャップ622a,622bによって閉塞される。キャップ622a,622bは、例えばスナップ取付によって、可動部分617a,617b上に保持され得るように構成されている。これにより、『開放』状態においてもまた『閉塞』状態においても、凹所内において開口618a,618bを閉塞することができる。
【0061】
可動部分617a,617bは、図10に示すように、ベース部分606上にスナップ取付される。キャップ622が閉塞され、可動部分617a,617bは、瓶の肩部に対向して配置される。これにより、凹所616a,616bに対するアクセスは、部分的には、ベース部分606によって、また、瓶によっても、阻止される。
【0062】
使用者が第2製品P2または第3製品P3を適用しようとする際には、使用者は、可動部分617a,617bのいずれかを、ヒンジ626aまたは626b回りに回転させる。これにより、キャップ622a,622bを露出させることができ、キャップに対してアクセスすることができる。その後に、キャップを取り外して、製品に対してアクセスすれば良い。
【0063】
この実施形態においては、各キャップ622a,622bは、アプリケータ623a,623bを有することができる。
【0064】
ヒンジを介してベース部分706に対して連結することに代えて、可動部分717a,717bは、グルーブ内へと装着されるリブを使用して、ベース部分706に対して着脱可能に固定することができる。図11に示す実施形態においては、各可動部分717a,717bは、リブ730を備えている。リブ730は、閉塞カプセルが閉塞状態とされている時には、このリブの高さ方向の一部分が長手方向軸線Xと平行に延在している。リブ730は、T字形横断面形状を有している。リブ730は、図13に示すようなベース部分706上に設けられた対応形状のグルーブ731内にわたって、スライドし得るものとされている。よって、可動部分は、グルーブ731内をスライドすることができる。これにより、可動部分を、ベース部分706から完全に取り外すことができる。リブおよびグループの寸法は、これら部材間に十分な摩擦が存在するように、選択することができる。これにより、単に重力によっては、可動部分がベース部分から外れないものとし得るとともに、使用者が取外しを要望した際には、可動部分をスライドさせることができる。
【0065】
この実施形態においては、一方の可動部分717bは、図10に図示された可動部分と同じものとすることができる。すなわち、可動部分717bは、下端部に、キャップ722bによって閉塞され得る開口718bを備え、キャップ722bは、アプリケータ723bを備えている。
【0066】
可動部分717bを、瓶から移動させることによってグルーブ731内にわたってスライドさせた際には、もはや、瓶の肩部は、キャップ722bを閉塞することがない。これにより、キャップ722bに対してアクセスすることができ、キャップ722bを開口718bから取り外すことができる。
【0067】
図12に示すように、閉塞カプセル704の第2可動部分717aは、この例においては、この可動部分717aの上端によって規定された開口718aを備えている。開口718aは、フラップ722によって閉塞される。フラップ722は、可動部分のうちの、可動部分がベース部分に対して取り付けられた際にベース部分706に対して対向する側面上において、リブ730よりも上方位置に、形成されている。フラップは、リブの長手方向軸線に対して直交する軸線回りに回転し得るように構成されている。フラップは、リブの直上位置において、注ぎ口の態様とされている。よって、凹所716a内に収容されている第2製品P2は、アプリケータを必要とすることなく、取り出すことができる。
【0068】
可動部分717aが、図11に示すようにして、ベース部分706に対して取り付けられている際には、フラップは閉塞されており、ベース部分706に対向して配置されている。よって、凹所716aに対するアクセスは、ベース部分706の上部によって阻止されている。
【0069】
フラップ722を露出させるには、グルーブ731内にわたって可動部分717aをスライドさせるだけで良い。これにより、フラップを回転させることができ、第2製品P2を取り出すことができる。
【0070】
図14および図15に示すような閉塞カプセルの変形例においては、可動部分817は、側方開口818を備えることができる。側方開口818は、可動部分817のうちの、可動部分817をベース部分806上に取り付けた際にベース部分806に対向する面上において、リブ830の上方に、形成されている。側方開口818は、例えば、チューブ状スカートによって形成されている。このチューブ状スカートには、キャップ822をらちゃくすることができ、これにより、側方開口818を閉塞することができる。閉塞カプセルのベース部分806は、さらに、薄い上端部を備えている。可動部分をベース部分に対して取り付けた際には、この薄い上端部に対して、キャップ82が対向して配置される。キャップ822は、リブの長手方向軸線に対して直交する軸線方向に、開放される。これにより、可動部分817をベース部分に対して取り付けた際には、キャップの螺着を軽除することができない。なぜなら、キャップが、ベース部分の薄い上端部807によって閉塞されているからである。
【0071】
閉塞カプセルが2つの可動部分を備えている場合、各可動部分が、凹所に対するアクセスが阻止されている閉塞状態から、凹所の開口に対してアクセス可能とされている開放状態へと、互いに独立に移動し得ることは、明らかである。第2製品P2および第3製品P3は、互いに同じものとすることも、また、互いに異なるものとすることも、できる。
【0072】
例えば、第1製品および/または第2製品および/または第3製品は、プレスされた粉末や、プレスされていない粉末や、クリームや、ゲル、とすることができ、例えば真珠質といったようなフレークおよび/またはピグメントのような固体ボディを有することもまた有さないこともできる。
【0073】
容器の凹所内に収容される第1製品と第2製品と第3製品とは、互いに相補的なものとすることができる。すなわち、同じ適用対象領域に対して、同時的にあるいは順次的に適用し得るものとすることができる。第2製品および/または第3製品の色は、第1製品の色とは異なるものとすることができる。第2製品および第3製品の一方は、メークアップ製品またはスキンケア製品とすることができ、他方は、第1製品の色や生地を変更し得るような製品とすることができる。これにより、例えば、特定の皮膚色調に適用製品の色を適合させたり、また、特定のメークアップ効果に適用製品の色を適合させたり、することができる。
【0074】
第2製品および第3製品は、凹所内への注入によって、あるいは、凹所内に適応したカップ内に形成することによって、凹所内に配置することができる。
【0075】
本明細書の全般にわたって、『1つのものを備えている』という表現は、特に指定しない限り、『少なくとも1つのものを備えている』と同義であると解釈されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明によるデバイスの第1実施形態を示す長手方向断面図であって、閉塞状態を示している。
【図2】本発明によるデバイスを示す長手方向断面図であって、開放状態を示している。
【図3】本発明における閉塞カプセルを示す斜視図であって、開放状態を示している。
【図4】本発明によるデバイスの第2実施形態を示す長手方向断面図であって、閉塞カプセルは、閉塞状態とされつつ容器から取り外された状態で、図示されている。
【図5】本発明によるデバイスの第3実施形態を示す長手方向断面図であって、閉塞状態を示している。
【図6】本発明によるデバイスの第4実施形態を示す長手方向断面図であって、閉塞状態を示している。
【図7】本発明におけるキャップの様々な代替可能な実施態様を示す平面図である。
【図8】本発明によるデバイスの第5実施形態を示す長手方向断面図であって、閉塞状態を示している。
【図9】本発明によるデバイスの第6実施形態を示す側面図であって、閉塞状態を示している。
【図10】本発明によるデバイスの第7実施形態を示す長手方向断面図であって、閉塞状態を示している。
【図11】本発明によるデバイスの第8実施形態を示す長手方向断面図であって、閉塞状態を示している。
【図12】図11のデバイスにおける閉塞カプセルの可動部分を示す斜視図である。
【図13】図11のデバイスにおける閉塞カプセルのベース部分示す斜視図である。
【図14】閉塞カプセルの可動部分の変形例を示す斜視図である。
【図15】閉塞カプセルのベース部分の変形例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0077】
1 デバイス
2 容器
4 閉塞カプセル
6 ベース部分
12 第1アプリケータ
17 可動部分
18 開口
22 キャップ
23 第2アプリケータ
26 フィルムヒンジ
28 把持手段
P1 第1製品
P2 第2製品
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に2つの化粧品やケア製品といったような少なくとも2つの製品を収容するとともにそれらを個別的に取り出すためのデバイスに関するものである。
【0002】
『化粧品』という表現は、1993年6月14日付けでのEC理事会指令第93/35/CEE号に規定された製品を意味するものとして、理解されたい。
【背景技術】
【0003】
特許文献1により、2つの個別収容デバイスからなるアセンブリによる複数の化粧品の個別的な収容と適用とを可能とし得るような、連結部材が公知である。
【0004】
また、特許文献2は、互いに組み合わせられた2つの容器を備えてなる公知デバイスを開示している。第1容器は、第1開口を備えている。この第1開口は、第2容器の底部がなす手段によって閉塞される。また、第2容器は、第2開口を備えている。この第2開口は、閉塞カプセルによって閉塞される。2つの容器は、上下方向に積み重ねられる。実際、このアセンブリが、平坦面上に第1容器の底部を載置した際には、第1容器および第2容器の内部に収容された各製品は、重力のために、各容器の底部内に留まったままとされる。
【0005】
また、特許文献3は、2つの製品を個別的に収容するための公知デバイスを開示している。このデバイスは、第1製品を保持する容器を備えている。この容器は、閉塞カプセルによって閉塞される。この閉塞カプセルは、一方においては、容器を閉塞させ得る取付手段を有したベース部分と、他方においては、第2製品を収容するための凹所と、を備えている。この凹所は、カプセルのうちの、ベース部分に対して可動とされた部分によって、閉塞される。この場合にも、容器内に収容された製品と、凹所内に収容された製品とは、それぞれ対応する収容空間内における底部において安定化される。
【0006】
それぞれの内部に収容された製品の連続的な適用に際して必要とされるデバイスの操作に関しては実質的な変更を伴うことなく、容器と凹所との一方または双方において製品を流動させ得るような、単純な手段が要望されている。
【0007】
特許文献4には、2つの製品を順次的に適用するような、まつ毛に対してメークアップを行うための公知方法が開示されている。この場合、適用される第1製品は、フィルム形成性の組成物とされ、適用される第2製品は、上記組成物が完全に乾燥する前に上記組成物層上に散布される固体粒子を含有している。
【特許文献1】欧州特許出願公開第1378188号明細書
【特許文献2】米国特許第2004−190974号明細書
【特許文献3】欧州特許出願公開第1382541号明細書
【特許文献4】欧州特許出願公開第1000607号明細書
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記問題点を少なくとも部分的に解決し得るような収容と取出とを行うためのデバイスを開示するものであり、本発明によるデバイスは、
−第1製品を収容するための容器と;
−容器を着脱可能に閉塞し得るものとされたベース部分を備えている閉塞カプセルと;
を具備し、
このようなデバイスにおいて、閉塞カプセルが、可動部分を備え、この可動部分が、内部に凹所を形成し、この凹所が、第2製品を収容しており、凹所が、開口を規定しており、この開口が、キャップによって閉塞され、可動部分が、ベース部分に対して、キャップに対するアクセスがベース部分によって禁止されている閉塞状態と、キャップに対してアクセス可能とされた開放状態と、の間にわたって移動可能とされていることを特徴としている。
【0009】
キャップは、ベース部分によってアクセス不可能なものとされる。これにより、少なくともベース部分によって、使用者がキャップを直接的に把持することが、禁止されている。本発明の様々な実施形態においては、キャップの把持は、容器の閉塞のために容器上にベース部分を取り付けた状態においては、ベース部分だけによって、あるいは、ベース部分と、このベース部分が取り付けられている容器と、の双方によって、禁止される。
【0010】
閉塞カプセルの可動部分は、閉塞カプセルのベース部分に対して、移動可能なものとされる。
【0011】
デバイスは、容器がベース部分によって閉塞されている際に容器とベース部分とによって規定されたデバイス内部に保持され得るよう構成された第1アプリケータを具備することができる。
【0012】
デバイスは、第2アプリケータを具備することができ、第2アプリケータは、凹所内に収容することができる。この第2アプリケータは、キャップに対して付設することができる。
【0013】
可動部分は、ベース部分に対して、フィルムヒンジによって連結することができ、ベース部分と可動部分とは、一体部材として、プラスチックから形成することができる。これに代えて、可動部分は、ベース部分に対して着脱可能なものとすることができる。
【0014】
キャップは、可動部分に対して、フィルムヒンジによって連結することができる。この場合、付加的には、ベース部分と可動部分とキャップとを、一体部材として、プラスチックから形成することができる。これに代えて、キャップは、可動部分に対して着脱可能なものとすることができる。
【0015】
キャップは、凹所を密封的に閉塞するためのシール手段を備えることができる。特に、シール手段は、シーリングリップとすることができる。
【0016】
第2製品は、流動可能なものとすることができ、特に、粉末または液体とすることができる。
【0017】
キャップは、キャップの取扱いを容易なものとし得るよう、把持手段を備えることができる。把持手段は、閉塞カプセルが閉塞状態とされている時には、ベース部分と可動部分との間に隠される。特に、この把持手段は、キャップのうちの、凹所に対向している面とは反対側の面から突出しているような、ラグという態様のものとすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明は、添付図面を参照しつつ以下の説明を読むことにより、明瞭となるであろう。以下の説明は、例示のためのものであって、本発明を何ら限定するものではない。
【0019】
図1は、本発明によるデバイス1を示している。このデバイス1は、容器2を備えている。容器2は、第1製品P1を収容しているとともに、第1製品P1を取り出すための開口3を形成している。図1においては、開口3は、閉塞カプセル4によって閉塞されている。
【0020】
容器2は、ガラスまたは熱可塑性材料から形成することができる。容器2は、透明な壁を有することができ、これにより、容器2内に収容されている製品P1の高さ位置をチェックすることができる。
【0021】
容器2は、長手方向軸線Xを有している。特に図1に図示された例においては、軸線Xは、底部5に対して垂直に延在しており、なおかつ、底部5は、平坦面上へと容器2を直立させ得るものとされている。開口3は、底部5に対して平行な平面内に形成することができる。
【0022】
閉塞カプセル4は、ベース部分6を備えている。ベース部分6には、取付手段7が形成されている。この取付手段7は、容器2の外表面上に形成された取付手段8と係合し得るものとされている。ベース部分6は、特に螺着やスナップ取付や摩擦係合によって、容器2に対して取り付け得るように構成することができる。取付手段7,8の各々は、ネジ山とすることができる、あるいは、特にグルーブや環状ビードといったようなスナップ取付を可能とし得るよう構成された凹凸形状とすることができる、あるいは、摩擦係合によって容器2に対して係合し得るよう構成された部分とすることができる。
【0023】
特に、図1においては、ベース部分6は、支持部9を有している。この支持部9から、スカート10が延出されている。このスカート10が、容器2のネック11上に形成された取付手段8に対して係合し得るような上記取付手段7を、形成している。支持部9は、開口3のリムに対しての密封接触を形成し得るものとして、構成することができる。
【0024】
図1に示す実施形態においては、ベース部分6は、第1アプリケータ12を備えている。この第1アプリケータ12は、支持部9から突出しているとともに、閉塞カプセル4が開口3を閉塞した状態においては容器2の内部へと少なくとも部分的に延出されている。特に、この第1アプリケータ12は、支持部9から垂直に起立しているロッド13の一端部に、取り付けることができる。
【0025】
図1に示すように、ロッド13は、スカート10に対して協働することによって所定位置に保持されているロッドホルダ14から、突出している。このロッドホルダ14は、上記取付手段7を有している。ロッドホルダ14は、適切であれば、開口3のリムに対しての密封接触を形成し得るものとして、構成することができる。いずれにしても、この実施形態においては、第1製品P1は、角質ファイバに対して適用し得るものとして構成されたような、例えばマスカラといったような、化粧品とされる。その場合、第1アプリケータ12は、そのような適用に適したものとされ、荒毛付き桿体という態様のものとされる。この目的のために、ネック11には、ワイパー部材15が設けられている。ワイパー部材15は、ブラシ(すなわち、荒毛付き桿体)と協働し得るものとして構成され、これにより、適用のたびごとに、桿体上に存在する製品量を所定量となるように調整することができる。
【0026】
本発明によるデバイス1を使用することにより、メークアップを行うことができる。その場合、第1ステージにおいて、第1製品P1が適用され、第2ステージにおいて、第2製品P2が適用される。この目的のために、閉塞カプセル4は、この閉塞カプセル4の可動部分17内に形成された凹所16を備えている。可動部分17は、閉塞カプセルのベース部分6に対して移動可能であるという意味において、可動なものである。
【0027】
図1に示す例においては、可動部分17は、固定スカート10が突出している側とは反対側において、ベース部分6に対して連結されている。可動部分17は、特に、凹所16に対するアクセスを可能としている開口18をベース部分6が閉塞し得るようにして、ベース部分6に対して取り付けられている。可動部分17は、凹所16に対するアクセスが閉塞されている第1状態すなわちいわゆる『閉塞』状態から、凹所16内へと開口18を通してアクセス可能とされている第2状態すなわちいわゆる『開放』状態へと、移動し得るよう構成されている。
【0028】
閉塞状態を維持し得るよう、可動部分17は、螺着やスナップ取付や摩擦係合によって、ベース部分6上の所定位置に保持され得るよう構成されている。図2に示す例においては、可動部分17は、弾性変形可能なタング19を備えている。このタング19は、第1スカート10の延出方向とは反対向きに支持体9から延出された第2スカート21の内表面上に形成された対応グルーブ20内へとスナップ係合し得るものとして、構成されている。
【0029】
使用者が、第1製品P1を適用する場合には、ベース部分6と可動部分17とは、好ましくは、閉塞状態に維持される。これにより、第1アプリケータ12を把持しつつ第1アプリケータ12を操作するための部材が形成される。
【0030】
第2製品P2を適用する場合には、ベース部分6は、好ましくは、容器2上に取り付けられている。これにより、取扱いが容易なものとされる。なおかつ、可動部分17は、『閉塞』状態から『開放』状態へと移動される。これにより、開口18に対するアクセスが可能とされる。実際、開口18は、キャップ22によって閉塞されている。このため、『閉塞』状態においては、キャップ22は、ベース部分6と可動部分17との間において、ベース部分6によって閉塞されている。一方、開放状態においては、キャップ22は、アクセス可能とされており、このため、開口18から取り外すことができる。その場合、使用者は、キャップ22を取り外して、第2製品P2の所定量を取り出す。第2製品P2は、第1製品P1と同じ領域に適用することができる、あるいは、第1製品P1を適用した領域とは異なる領域に適用することができる。
【0031】
キャップ22は、可動部分17上において螺着やスナップ取付や摩擦係合によって所定位置に保持し得るものとして、構成される。これにより、キャップ22は、『開放』状態と『閉塞』状態とのいずれにおいても、凹所を閉塞することができる。
【0032】
第2製品P2の適用を容易なものとし得るよう、デバイス1は、第2製品P2を好適に適用し得るよう構成された第2アプリケータ23を備えている。
【0033】
特に、第2アプリケータ23は、凹所16内へと延出するものとして、構成することができる。さらに、第2アプリケータ23は、キャップ22が第2アプリケータ23の把持手段をなすようにして、キャップ22上に保持することができる。
【0034】
図1および図2に示す例においては、第2製品P2は、粉末とされていて、例えば真珠質といったようなフレークおよび/またはピグメントのような固体ボディを有している。第2アプリケータ23は、弾性変形可能な部材という態様のものとされ、例えば、フロックによって覆われた発泡体から形成される。第2アプリケータ23は、特に、キャップ22の面25から突出した第2ロッド24の端部に取り付けられている。ここで、面25とは、キャップ22が凹所16を閉塞している際に、凹所16の内部を向いて配置される面のことである。
【0035】
図1および図2に示す実施形態によるデバイスを使用することにより、使用者は、まつ毛のメークアップを行うことができる。その場合、まず最初に、第1アプリケータ12を使用して、第1製品P1を適用し、さらに、そのようにして適用した第1製品P1が完全に乾燥してしまう前に、第2製品P2を適用する。これにより、第2製品P2は、まつ毛上において、第1製品P1によって保持される。
【0036】
特に、第2製品P2が流動性を有したものである場合には、とりわけ、粉末である場合には、第2製品P2は、貯蔵中に凝集する傾向があり、使用者が適用しようとする粒子サイズよりも実質的に大きなクラスターを形成する傾向がある。そのような場合には、使用者にとっては、第2製品の適正量を適用することが困難なものとなる。凹所16が閉塞カプセル4の可動部分17内に配置されていることのために、使用者が閉塞カプセルを開放状態へと移動させる際には、使用者は、片手で、ベース部分6によって閉塞されている容器2を保持しながら、可動部分17をベース部分6に対して回転させることができる。このような閉塞状態から開放状態への移動は、可動部分17に対して印加された運動力に基づいて、また、重力に基づいて、凹所16内における製品の流動を引き起こす。
【0037】
同様に、特に、第2製品P2が流動性を有したものである場合には、とりわけ、液体である場合には、第2製品P2は、第2アプリケータ23を使用して適用し得るものとして、構成することができる。複数回にわたる適用の後には、凹所内に残存している製品の液面高さは、必ずしも、第2アプリケータが第2製品内に含浸されていることを保証するものではない。可動部分17をベース部分6に対して移動させることにより、凹所内における製品の流動が引き起こされ、これにより、第2製品と第2アプリケータとの間の接触を改良することができる。
【0038】
実際、図1および図2に示す実施形態においては、可動部分17は、ヒンジ26を介して、ベース部分6に対して連結されている。特に、ヒンジ26は、図3に示すようなフィルムヒンジタイプのものとされ、この場合、ベース部分6と可動部分17とは、成型によって一体部材として形成される。可動部分17は、このヒンジを貫通している軸線Y回りに回転させることができる。
【0039】
回転軸線Yは、好ましくは、長手方向軸線Xに対して直交するものとされる。よって、閉塞状態においては、可動部分17は、開口18が長手方向軸線Xに対して直交しているようにして、かつ、閉塞カプセル4の長手方向軸線が実質的に長手方向軸線Xと重なり合うようにして、ベース部分6に対して配置される。閉塞状態から開放状態への移動時には、可動部分17は、180°にわたって回転され、ベース部分6と容器2とは、長手方向軸線Xが水平方向に対して実質的に直交する向きであるようにして、保持される。開放状態においては、可動部分17は、可動部分17を規定しているエッジが、第2スカート21を規定しているエッジと同一平面内に位置するようにして、ベース部分6の側方に配置される。
【0040】
開放状態においては、凹所の開口18は、上向きとされ、第2製品は、たとえキャップ22が取り外されていたにしても、重力によって凹所16からこぼれてしまう心配が一切ない。
【0041】
閉塞状態においては、開口18は、容器2の開口3が上向きとされているにしても、下向きとされる。
【0042】
フィルムヒンジ26は、スプリング効果ヒンジとすることができる。これにより、閉塞状態から開放状態への移動を、および、開放状態から閉塞状態への移動を、容易なものとし得るとともに加速することができる。この場合、フィルムヒンジ26は、ベース部分6と可動部分17とを連結する少なくとも1つの連結ストリップ27を有している。この場合、連結ストリップ27は、可動部分17がベース部分6に対して移動される際に、最適張力位置または最適圧縮位置を通過するものとされている。
【0043】
キャップ22は、可動部分17に対して着脱可能なものとして構成することができる。これに代えて、キャップ22は、フィルムヒンジタイプのヒンジを介して可動部分17に対して連結することもできる。
【0044】
可動部分に対してのキャップ22の取付および取外しを容易なものとし得るよう、キャップ22は、把持手段28を備えている。この把持手段は、凹所16に対向した面25とは反対側の面29から、突出している。把持手段は、面29に対して直交して起立したスタッドという態様のものとすることができる。閉塞状態においては、把持手段28は、キャップ22と支持体9との間に位置したスペース内へと延出される。このスペースの側方は、ベース部分6の第2スカート21によって、少なくとも部分的に規定されている。
【0045】
図4〜図15に示す変形例においては、本発明によるデバイスをなす各構成部材には、第1実施形態における符号に対して、100の位に数字を追加した符号が付されている。
【0046】
特に、図4に示すデバイス101は、フレキシブル壁を有したチューブという態様のものとし得るような容器102を備えている。この場合、フレキシブル壁上に印加された圧力によって、フレキシブル壁を変形させることができ、チューブの内容積を減少させることができる。これにより、このチューブ内に収容されている第1製品P1を、チューブによって規定されている開口103を通して吐出させることができ、例えば使用者の指上へと直接的に取り出すことができる。図4に示す実施形態においては、デバイス101は、第1アプリケータを備えていない。チューブ上における閉塞カプセル104の開放および閉塞は、特に、取付手段107,108の螺着によって、達成されている。
【0047】
さらに、この実施形態においては、可動部分117は、ベース部分106上において、着脱可能に螺着されている。これにより、閉塞状態から開放状態への移動は、長手方向軸線X回りにベース部分106に対して可動部分117を少なくとも回転させることによって、達成される。螺着解除操作時には、凹所116内において引き起こされる流動は、遠心的なものとなる。加えて、可動部分117の取外しが完了した際には、使用者が把持手段128に対してアクセスしてキャップ122を取り外し得るよう、可動部分117を、ひっくり返さなければならない。可動部分117をひっくり返す際にも、第2製品P2の流動が、凹所116内において引き起こされる。
【0048】
本発明において、特に図4に示す実施形態においては、デバイスは、第2製品のための第2アプリケータを備えている必要はない。第2製品は、キャップ122を取り外した状態においては、使用者の指によって、凹所116から直接的に取り出すことができる。図4においては、キャップ122は、可動部分117のうちの凹所116を規定している内表面に対して、摩擦係合によって、保持されている。閉塞状態においては、把持手段128は、支持体109の面に対して当接する。
【0049】
本発明による例えばデバイス1といったようなデバイス内に設けられている1つまたは複数のアプリケータは、様々な表面生地および様々な形状を有することができる。アプリケータの適用表面は、例えば、全体的に外向きに凸とされた形状を有することができる。
【0050】
他の代替可能な実施形態においては、例えばアプリケータ12および/またはアプリケータ23といったようなアプリケータは、多孔性のものとすることができる。このようなアプリケータは、例えば、開放セルを有したまたは閉塞セルを有した発泡体とすることができる。アプリケータは、圧縮可能なものとされ、例えば、ポリウレタンやポリエステルやポリエーテルやPVCやNBRからなる発泡体やあるいはフェルトといったような弾性変形可能材料から形成することができる。アプリケータは、また、例えば、ポリエチレンやPVCやEVAやポリアミドや真鍮からなる塊状物といったような塊状材料のような、非圧縮可能材料から形成することもできる。特に、アプリケータが、弾性変形可能であるかどうかにかかわらず非多孔性材料から形成されている場合には、アプリケータに対して、製品を通過させ得るような少なくとも1つの開口を有するように穴開けを実施することができる。
【0051】
本発明におけるアプリケータは、外面的には、不浸透性材料からなる表層を有することができ、なおかつ、第1製品を貫通させ得る少なくとも1つの開口を貫通状態で有している。また、アプリケータの適用表面は、例えば、織布や、不織布や、メッシュや、皮革材料、から形成することもできる。アプリケータ12および/または23は、互いに異なる様々なタイプの複数の層を備えることができる。
【0052】
また、本発明におけるアプリケータは、荒毛付きブラシや、櫛や、ペンシルブラシや、パッドや、弾性変形可能なチップ、という態様のものとすることができる。付加的には、アプリケータを、フロックによって被覆されたものとすることができる。
【0053】
特に、図5に示すような本発明によるデバイス201の実施形態は、図1に示す実施形態の一変形例であって、第1アプリケータ212が、多孔性フロック被覆チップという態様のものとされ、第1製品P1が、好ましくは、液体とされ、さらに、この変形例によるデバイス201が、第2アプリケータを備えていない。
【0054】
図6に示すような本発明によるデバイス301の実施形態においては、第1製品P1が、マニキュア液とされ、第2製品P2が、フレークという態様のものとされている。この場合、第1アプリケータは、ペンシルブラシ312という態様とされ、第2アプリケータは、パッド323という態様とされている。パッドは、フレークの薄い表面フィルムを採取し得るようなパターンを有している。図7は、特にパッド323が有し得るような様々なパターンを示している。このようなデバイスを使用した場合には、特に、爪上へと層状にマニキュア液を塗布することができ、その後、パッドを使用して、マニキュア液の乾燥最中に、マニキュア層上にパターン状でもってフレークを適用することができる。これにより、マニキュア液内にフレークを保持し得るとともに、美的に満足のいく効果を達成することができる。
【0055】
図8に示すような本発明によるデバイス401の実施形態においては、容器402は、エアロゾル容器とされ、第1製品P1は、加圧状態でもってエアロゾル容器内に収容されている。第1製品の取出は、バルブ450を使用して行うことができる。バルブ450の出口開口451に対向して、第1アプリケータとして機能する多孔質体412が、突出状態で配置されている。第1アプリケータ412は、閉塞カプセルのベース部分406によって閉塞されている。閉塞カプセルは、バルブ450のボディ上に配置された多孔質体の支持体452上へと、スナップ取付によって、保持されている。この場合、キャップ422のうちの、凹所416の内部に対向している面425は、フィルムによって被覆されている。フィルムは、例えば不織布材料から形成されたフィルムといったようなものとされる。キャップ422は、あるいは、面425は、第2アプリケータ423を形成し得るものとして構成されている。
【0056】
図9に示すような本発明によるデバイス501の実施形態においては、第1製品P1は、可動部材上に取り付けられたバーという態様のものとされている。これにより、バーは、容器502の外部へと突出し得るものとされている。第1製品P1は、口紅という態様とされる。閉塞カプセル504は、第1製品をなすバーが容器の内部へと引っ込められた際には、容器502上へと取り付けられ得るように構成されている。可動部分517内に収容されている第2製品は、例えばリップグロスといったような、唇上に適用し得るものとすることができる。
【0057】
図10に示すような本発明によるデバイス601の実施形態においては、容器602は、第1製品P1を収容した瓶という態様のものとされている。容器602は、閉塞カプセル605によって閉塞されている。閉塞カプセル604は、ベース部分606を備えている。この実施形態においては、閉塞カプセル604は、さらに、2つの凹所を備えている。一方の凹所は、可動部分617aによって規定されているとともに、第2製品P2を収容している。他方の凹所は、可動部分617bによって規定されているとともに、第3製品P3を収容している。
【0058】
ベース部分606は、容器602のネック上へと螺着されている。ベース部分606は、ロッド613の端部のところに、アプリケータ612を備えている。アプリケータ612は、例えば、ペンシルブラシという態様のものとされているとともに、ベース部分がネック上に螺着された状態では容器602の内部に保持されている。
【0059】
閉塞カプセル604は、ベース部分606の両サイドに、2つの可動部分617a,617bを備えている。これら2つの可動部分は、容器の長手方向軸線Xを通過する中央平面に関して、実質的に対称的なものとされている。可動部分617a,617bは、ベース部分606に対して、可動部分の上端に配置されたヒンジ626a,626bによって、連結されている。ヒンジは、特に、フィルムヒンジとされている。可動部分617a,617bは、それぞれ対応するヒンジを貫通しかつ長手方向軸線Xに対して直交する軸線の回りに回転することができる。可動部分617a,617bは、閉塞状態においては、例えばスナップ取付によって、ベース部分606上に保持することができる。
【0060】
各可動部分617a,617bには、下端部に、開口618a,618bが形成されている。開口618a,618bは、それぞれ、キャップ622a,622bによって閉塞される。キャップ622a,622bは、例えばスナップ取付によって、可動部分617a,617b上に保持され得るように構成されている。これにより、『開放』状態においてもまた『閉塞』状態においても、凹所内において開口618a,618bを閉塞することができる。
【0061】
可動部分617a,617bは、図10に示すように、ベース部分606上にスナップ取付される。キャップ622が閉塞され、可動部分617a,617bは、瓶の肩部に対向して配置される。これにより、凹所616a,616bに対するアクセスは、部分的には、ベース部分606によって、また、瓶によっても、阻止される。
【0062】
使用者が第2製品P2または第3製品P3を適用しようとする際には、使用者は、可動部分617a,617bのいずれかを、ヒンジ626aまたは626b回りに回転させる。これにより、キャップ622a,622bを露出させることができ、キャップに対してアクセスすることができる。その後に、キャップを取り外して、製品に対してアクセスすれば良い。
【0063】
この実施形態においては、各キャップ622a,622bは、アプリケータ623a,623bを有することができる。
【0064】
ヒンジを介してベース部分706に対して連結することに代えて、可動部分717a,717bは、グルーブ内へと装着されるリブを使用して、ベース部分706に対して着脱可能に固定することができる。図11に示す実施形態においては、各可動部分717a,717bは、リブ730を備えている。リブ730は、閉塞カプセルが閉塞状態とされている時には、このリブの高さ方向の一部分が長手方向軸線Xと平行に延在している。リブ730は、T字形横断面形状を有している。リブ730は、図13に示すようなベース部分706上に設けられた対応形状のグルーブ731内にわたって、スライドし得るものとされている。よって、可動部分は、グルーブ731内をスライドすることができる。これにより、可動部分を、ベース部分706から完全に取り外すことができる。リブおよびグループの寸法は、これら部材間に十分な摩擦が存在するように、選択することができる。これにより、単に重力によっては、可動部分がベース部分から外れないものとし得るとともに、使用者が取外しを要望した際には、可動部分をスライドさせることができる。
【0065】
この実施形態においては、一方の可動部分717bは、図10に図示された可動部分と同じものとすることができる。すなわち、可動部分717bは、下端部に、キャップ722bによって閉塞され得る開口718bを備え、キャップ722bは、アプリケータ723bを備えている。
【0066】
可動部分717bを、瓶から移動させることによってグルーブ731内にわたってスライドさせた際には、もはや、瓶の肩部は、キャップ722bを閉塞することがない。これにより、キャップ722bに対してアクセスすることができ、キャップ722bを開口718bから取り外すことができる。
【0067】
図12に示すように、閉塞カプセル704の第2可動部分717aは、この例においては、この可動部分717aの上端によって規定された開口718aを備えている。開口718aは、フラップ722によって閉塞される。フラップ722は、可動部分のうちの、可動部分がベース部分に対して取り付けられた際にベース部分706に対して対向する側面上において、リブ730よりも上方位置に、形成されている。フラップは、リブの長手方向軸線に対して直交する軸線回りに回転し得るように構成されている。フラップは、リブの直上位置において、注ぎ口の態様とされている。よって、凹所716a内に収容されている第2製品P2は、アプリケータを必要とすることなく、取り出すことができる。
【0068】
可動部分717aが、図11に示すようにして、ベース部分706に対して取り付けられている際には、フラップは閉塞されており、ベース部分706に対向して配置されている。よって、凹所716aに対するアクセスは、ベース部分706の上部によって阻止されている。
【0069】
フラップ722を露出させるには、グルーブ731内にわたって可動部分717aをスライドさせるだけで良い。これにより、フラップを回転させることができ、第2製品P2を取り出すことができる。
【0070】
図14および図15に示すような閉塞カプセルの変形例においては、可動部分817は、側方開口818を備えることができる。側方開口818は、可動部分817のうちの、可動部分817をベース部分806上に取り付けた際にベース部分806に対向する面上において、リブ830の上方に、形成されている。側方開口818は、例えば、チューブ状スカートによって形成されている。このチューブ状スカートには、キャップ822をらちゃくすることができ、これにより、側方開口818を閉塞することができる。閉塞カプセルのベース部分806は、さらに、薄い上端部を備えている。可動部分をベース部分に対して取り付けた際には、この薄い上端部に対して、キャップ82が対向して配置される。キャップ822は、リブの長手方向軸線に対して直交する軸線方向に、開放される。これにより、可動部分817をベース部分に対して取り付けた際には、キャップの螺着を軽除することができない。なぜなら、キャップが、ベース部分の薄い上端部807によって閉塞されているからである。
【0071】
閉塞カプセルが2つの可動部分を備えている場合、各可動部分が、凹所に対するアクセスが阻止されている閉塞状態から、凹所の開口に対してアクセス可能とされている開放状態へと、互いに独立に移動し得ることは、明らかである。第2製品P2および第3製品P3は、互いに同じものとすることも、また、互いに異なるものとすることも、できる。
【0072】
例えば、第1製品および/または第2製品および/または第3製品は、プレスされた粉末や、プレスされていない粉末や、クリームや、ゲル、とすることができ、例えば真珠質といったようなフレークおよび/またはピグメントのような固体ボディを有することもまた有さないこともできる。
【0073】
容器の凹所内に収容される第1製品と第2製品と第3製品とは、互いに相補的なものとすることができる。すなわち、同じ適用対象領域に対して、同時的にあるいは順次的に適用し得るものとすることができる。第2製品および/または第3製品の色は、第1製品の色とは異なるものとすることができる。第2製品および第3製品の一方は、メークアップ製品またはスキンケア製品とすることができ、他方は、第1製品の色や生地を変更し得るような製品とすることができる。これにより、例えば、特定の皮膚色調に適用製品の色を適合させたり、また、特定のメークアップ効果に適用製品の色を適合させたり、することができる。
【0074】
第2製品および第3製品は、凹所内への注入によって、あるいは、凹所内に適応したカップ内に形成することによって、凹所内に配置することができる。
【0075】
本明細書の全般にわたって、『1つのものを備えている』という表現は、特に指定しない限り、『少なくとも1つのものを備えている』と同義であると解釈されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明によるデバイスの第1実施形態を示す長手方向断面図であって、閉塞状態を示している。
【図2】本発明によるデバイスを示す長手方向断面図であって、開放状態を示している。
【図3】本発明における閉塞カプセルを示す斜視図であって、開放状態を示している。
【図4】本発明によるデバイスの第2実施形態を示す長手方向断面図であって、閉塞カプセルは、閉塞状態とされつつ容器から取り外された状態で、図示されている。
【図5】本発明によるデバイスの第3実施形態を示す長手方向断面図であって、閉塞状態を示している。
【図6】本発明によるデバイスの第4実施形態を示す長手方向断面図であって、閉塞状態を示している。
【図7】本発明におけるキャップの様々な代替可能な実施態様を示す平面図である。
【図8】本発明によるデバイスの第5実施形態を示す長手方向断面図であって、閉塞状態を示している。
【図9】本発明によるデバイスの第6実施形態を示す側面図であって、閉塞状態を示している。
【図10】本発明によるデバイスの第7実施形態を示す長手方向断面図であって、閉塞状態を示している。
【図11】本発明によるデバイスの第8実施形態を示す長手方向断面図であって、閉塞状態を示している。
【図12】図11のデバイスにおける閉塞カプセルの可動部分を示す斜視図である。
【図13】図11のデバイスにおける閉塞カプセルのベース部分示す斜視図である。
【図14】閉塞カプセルの可動部分の変形例を示す斜視図である。
【図15】閉塞カプセルのベース部分の変形例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0077】
1 デバイス
2 容器
4 閉塞カプセル
6 ベース部分
12 第1アプリケータ
17 可動部分
18 開口
22 キャップ
23 第2アプリケータ
26 フィルムヒンジ
28 把持手段
P1 第1製品
P2 第2製品
【特許請求の範囲】
【請求項1】
収容と取出とを行うためのデバイス(1)であって、
−第1製品(P1)を収容するための容器(2)と;
−前記容器(2)を着脱可能に閉塞し得るものとされたベース部分(6)を備えている閉塞カプセル(4)と;
を具備し、
このようなデバイスにおいて、
前記閉塞カプセルが、可動部分(17)を備え、
この可動部分が、内部に凹所を形成し、
この凹所が、第2製品(P2)を収容しており、
前記凹所が、開口(18)を規定しており、
この開口が、キャップ(22)によって閉塞され、
前記可動部分が、前記ベース部分に対して、前記キャップに対するアクセスが前記ベース部分によって禁止されている閉塞状態と、前記キャップに対してアクセス可能とされた開放状態と、の間にわたって移動可能とされていることを特徴とするデバイス。
【請求項2】
請求項1記載のデバイスにおいて、
前記容器が前記ベース部分によって閉塞された際に前記容器と前記ベース部分とによって規定されたデバイス内部に保持される第1アプリケータ(12)を具備していることを特徴とするデバイス。
【請求項3】
請求項1または2記載のデバイスにおいて、
前記凹所が、第2アプリケータ(23)を収容し得るものとして構成されていることを特徴とするデバイス。
【請求項4】
請求項3記載のデバイスにおいて、
前記第2アプリケータが、前記キャップに付設されていることを特徴とするデバイス。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載のデバイスにおいて、
前記可動部分が、前記ベース部分に対して、フィルムヒンジ(26)によって連結されていることを特徴とするデバイス。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれか1項に記載のデバイスにおいて、
前記可動部分が、前記ベース部分に対して着脱可能なものとされていることを特徴とするデバイス。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載のデバイスにおいて、
前記キャップが、前記可動部分に対して、フィルムヒンジによって連結されていることを特徴とするデバイス。
【請求項8】
請求項1〜6のいずれか1項に記載のデバイスにおいて、
前記キャップが、前記可動部分に対して着脱可能なものとされていることを特徴とするデバイス。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載のデバイスにおいて、
前記キャップが、前記凹所を密封的に閉塞するためのシール手段を備えていることを特徴とするデバイス。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項に記載のデバイスにおいて、
前記第2製品が、特に粉末または液体といったような、流動可能なものとされていることを特徴とするデバイス。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか1項に記載のデバイスにおいて、
前記キャップが、前記閉塞カプセルが前記閉塞状態とされている時に前記ベース部分と前記可動部分との間に隠された把持手段(28)を備えていることを特徴とするデバイス。
【請求項1】
収容と取出とを行うためのデバイス(1)であって、
−第1製品(P1)を収容するための容器(2)と;
−前記容器(2)を着脱可能に閉塞し得るものとされたベース部分(6)を備えている閉塞カプセル(4)と;
を具備し、
このようなデバイスにおいて、
前記閉塞カプセルが、可動部分(17)を備え、
この可動部分が、内部に凹所を形成し、
この凹所が、第2製品(P2)を収容しており、
前記凹所が、開口(18)を規定しており、
この開口が、キャップ(22)によって閉塞され、
前記可動部分が、前記ベース部分に対して、前記キャップに対するアクセスが前記ベース部分によって禁止されている閉塞状態と、前記キャップに対してアクセス可能とされた開放状態と、の間にわたって移動可能とされていることを特徴とするデバイス。
【請求項2】
請求項1記載のデバイスにおいて、
前記容器が前記ベース部分によって閉塞された際に前記容器と前記ベース部分とによって規定されたデバイス内部に保持される第1アプリケータ(12)を具備していることを特徴とするデバイス。
【請求項3】
請求項1または2記載のデバイスにおいて、
前記凹所が、第2アプリケータ(23)を収容し得るものとして構成されていることを特徴とするデバイス。
【請求項4】
請求項3記載のデバイスにおいて、
前記第2アプリケータが、前記キャップに付設されていることを特徴とするデバイス。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載のデバイスにおいて、
前記可動部分が、前記ベース部分に対して、フィルムヒンジ(26)によって連結されていることを特徴とするデバイス。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれか1項に記載のデバイスにおいて、
前記可動部分が、前記ベース部分に対して着脱可能なものとされていることを特徴とするデバイス。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載のデバイスにおいて、
前記キャップが、前記可動部分に対して、フィルムヒンジによって連結されていることを特徴とするデバイス。
【請求項8】
請求項1〜6のいずれか1項に記載のデバイスにおいて、
前記キャップが、前記可動部分に対して着脱可能なものとされていることを特徴とするデバイス。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載のデバイスにおいて、
前記キャップが、前記凹所を密封的に閉塞するためのシール手段を備えていることを特徴とするデバイス。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項に記載のデバイスにおいて、
前記第2製品が、特に粉末または液体といったような、流動可能なものとされていることを特徴とするデバイス。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか1項に記載のデバイスにおいて、
前記キャップが、前記閉塞カプセルが前記閉塞状態とされている時に前記ベース部分と前記可動部分との間に隠された把持手段(28)を備えていることを特徴とするデバイス。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2006−298489(P2006−298489A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−112543(P2006−112543)
【出願日】平成18年4月14日(2006.4.14)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−112543(P2006−112543)
【出願日】平成18年4月14日(2006.4.14)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【Fターム(参考)】
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