説明

2モード式のレーダ液位計システム

容器内に注入された材料の液位を測定するためのレーダ液位計システムが開示される。システムは、注入された材料の表面に向かって延びる導波管と、導波管内に第1の伝搬モードのマイクロ波信号を送信するための送信器と、注入された材料の表面で反射され導波管を通して逆方向に伝搬するマイクロ波信号を受信するための受信器とを備える。さらに、反射されたマイクロ波信号に基づいて容器の充填レベルを決定するための処理回路と、導波管及び送信器を接続する遷移部材であって、送信されたマイクロ波信号の一部が第2の伝搬モードへ漏洩することを可能にするように構成された遷移部材とを備える。第1及び第2の伝搬モードは、導波管内での2つの異なる伝搬モードのマイクロ波信号の伝搬を許容する周波数帯域の範囲にあり、受信器は、少なくとも2つの異なる伝搬モードのマイクロ波信号を受信するように配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広い意味でレーダによる液位測定に関するものである。より具体的には、本発明は、注入された材料の表面よりも上方のガスの正確な組成及び/又は圧力が予め分からなくても、導波管により、高い精度で注入された材料、特に液体の高さについてレーダによる高さ測定を行うためのシステム及び方法に係るものである。
【背景技術】
【0002】
容器内の液体又は他の注入された材料の高さを測定するためのレーダ液位計システムがよく知られている。そうしたシステムは一般に、液体の表面に向かってマイクロ波信号を送信するための送信器、液体の表面で反射されたマイクロ波信号を受信するための受信器、並びに送信され反射されたマイクロ波信号の伝搬時間から容器内の液体の高さを計算するための信号処理装置を備えている。そうした装置は、特に原油及びそれから製造された製品などの石油製品にとってますます重要になってきている。ここで容器とは、タンカーの総積載量の一部をなす大型容器、或いはさらに大型の数十又は数千立方メートルの体積を有する、通常は円筒形の地上タンクを意味している。
【0003】
レーダ液位計システムにおいて高い精度が可能である1つの要因は、レーダ波の速度が一般によく知られていることであり、すなわち、それは真空中の光速(299792458m/秒)をガスの誘電率(通常の空気では1.0006に近い)の平方根で割ったものに等しい。しかし用途によっては、所望の高い精度を得るのに十分な精度の誘電率が分からないことがある。
【0004】
容器内の液体の高さを測定するための、ある特定の種類のレーダによる装置では、マイクロ波信号は、液体の表面へ向かうマイクロ波、及び液体の表面からのマイクロ波のための導波管として働く、容器内に取り付けられた垂直な鋼管などの導波管を通して、送信、反射及び受信がなされる。しかし、そうしたシステムにおける問題は、液体の表面よりも上方のガスがマイクロ波を減速させることである。この速度の低下量は正確に推定することができるが、それはガスの組成、温度及び圧力が分かっている場合のみであり、一般的にはそのような場合はない。
【0005】
先に論じた問題に対する解決策が、同出願人による米国特許第6915689号(特許文献1)に記載されている。この文献は、特に、測定値として認識される距離に対して、ガスの誘電率が無視できる又はきわめて小さい影響しか及ぼさない場合のパイプの測定方法を記載している。その方法は一般に、CTSの精度が必要とされ、且つ誘電率が1.00〜1.02(空気〜加圧プロパン)の範囲で変化する可能性のあるLPGの測定のためのものであり、使用される雰囲気での波長が周知であり、それを基準として用いることができる通常のレーダ式の方法とは異なる。CTS(保管輸送の安全性(Custody Transfer Safety))とは、例えば公的機関によって、公式又は商用の測定での使用を可能にするために認定された、20mの距離に対して±2mmなど、きわめて高い精度を有するシステムと理解される。米国特許第6915689号に記載されるように、正確な測定がレーダ波の速度ではなくパイプの直径に依存するようになるという犠牲を払った上で、誘電率が十分に分からないことに伴う問題を解決することができる。鋼管の直径は基準として用いるのに十分な安定性(温度補正を含む)を有しているが、直径の最初の決定は、パイプに沿って直径がわずかに(例えば+/−0.5%)異なっている可能性があることを含めて、問題を呈する虞がある。パイプは通常、6mのものが互いに溶接されたものであれば、25mの長さを有する。したがって、直径を正確に推定することは困難である。
【0006】
通常の石油製品、すなわち通常の温度では流体である製品を用いる場合、チューブ内のガスは一般に空気である。空気の公称誘電率は1.0006であるが、通常は+−0.0001の変動を伴う。しかし炭化水素などが蒸発する場合、タンクの内容物は誘電率を増大させ、空気の誘電率よりも高くなる。そうした増大が顕著になることもある。さらに、過圧下で液化ガスを収容している容器内の液位を測定する場合には、速度の変化はきわめて顕著である。一般的な炭化水素ガスの中では、プロパンが最も高い誘電率を有し、(ε=1.02に対応する)10バールの圧力において約1%の減速を生じさせる。保管輸送(CTS)の用途など多くの用途では、そのような大きな差異は許容されない。したがって、保管輸送の精度として定められる、より高い精度がしばしば必要となる。本明細書における保管輸送(CTS)の精度という表現は、液位測定の多くの商業的用途における正式な要件である、保管輸送に対して認可することができる十分な精度を意味している。伝搬速度に関しては、保管輸送の精度は約0.005〜0.05%の範囲の液位決定の精度を必要とすることがある。
【0007】
米国特許第6915689号はさらに、パイプの直径をより正確に推定し、それに応じて修正処置をとるために、2つの異なる伝搬モードを使用することを開示している。異なるモードは異なる速度で伝搬するため、複数のモードが存在すると測定が困難になる。したがって、レーダ液位測定では通常、同時に存在する複数のモードは回避される。しかし米国特許第6915689号では、環境条件、特にパイプの直径に基づいて推定を行うために、複数のモードの使用が検討されている。
【特許文献1】米国特許第6915689号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、この文献によって教示された解決策に伴う問題は、異なるモードのマイクロ波信号を与えるために、送信器にかなり複雑な供給システムが必要となり、それによってシステムの複雑性、コスト及び使用の難しさが増すことである。
【0009】
したがって、測定結果について、少なくともほぼ同じ程度の精度及び信頼性を依然として提供する、より単純且つ/又はより経済的な解決策が求められている。
【0010】
したがって本発明の目的は、先に論じた問題を克服すること、又は少なくとも軽減することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的は、添付の特許請求の範囲によるレーダ液位計システム及び方法によって実現される。
本発明の第1の観点によれば、容器内に注入された材料の液位を測定するためのレーダ液位計システムであって、
注入された材料の表面に向かって延びる導波管と、
導波管内に第1の伝搬モードのマイクロ波信号を送信するための送信器と、
注入された材料の表面により反射され、導波管を反対方向に伝搬するマイクロ波信号を受信するための受信器と、
反射されたマイクロ波信号に基づいて容器の充填高さを決定するための処理回路と、
導波管と送信器を接続する遷移部材であって、送信されたマイクロ波信号の一部が第2の伝搬モードへ漏洩することを可能にするように構成された遷移部材とを備え、
第1及び第2の伝搬モードが、導波管内での2つの異なるモードのマイクロ波信号の伝搬を許容する周波数帯域の範囲にあり、受信器が、少なくとも2つの異なる伝搬モードのマイクロ波信号を受信するように配置されるレーダ液位計システムが提供される。
【0012】
本発明のレーダ液位計システムは、2つの導波管モードを用いて2通りの方法で距離を測定することにより、現在使用しているパイプの部分の正確な平均直径を計算するための単純な解決策を提供する。2モード式の測定自体は米国特許第6915689号によって知られており、この文献を参照によって本明細書に援用する。したがって本発明は、これまでに周知のシステムと本質的に同じ能力及び性能を備えているが、かなり簡易化された供給手段を有するレーダ液位計システムを提供し、それによってより単純且つより経済的なシステムを得ることができる。
【0013】
本発明を用いて、容器内の液体の高さを高精度で測定するための経済的で信頼性のある装置を得ることができる。その装置は、測定する液体の表面よりも上方に、所定範囲の誘電率を有するガスが存在する環境において特に有用である。液体は、例えば凝縮ガスからなり、またガスは気相の凝縮ガスからなることができ、その凝縮ガスが過圧状態で容器に貯蔵される。
【0014】
導波管は、例えば測定する液体の表面に向かって延びるチューブであり、容器内の液体が横方向にチューブの内外へ流れ、チューブの内側及び外側の液体を単一の高さに維持するように、チューブの壁はいくつかの孔を備えている。導波管は任意のタイプの断面を有することが可能であるが、長方形又は円形の断面が好ましい。チューブの直径は、好ましくは25〜150mmの範囲、最も好ましくは50〜100mmの範囲にある。
【0015】
パイプの直径及び作動周波数は、導波管内の第1及び第2の伝搬モードのマイクロ波信号の群速度が、少なくとも所定の誘電率の範囲内では本質的に誘電率と無関係になるように選択されることが好ましい。
【0016】
受信器は、第1及び第2の伝搬モードのうちの異なるモードとして受信されたマイクロ波信号の各部分を、例えば反射されたマイクロ波信号の伝搬モードが異なれば受信器への到達時間が異なることに基づく方法など、様々な方法で区別することができる。
【0017】
マイクロ波信号は、周波数変調持続波信号(FMCW)又はパルス式のレーダ信号とすることができる。
【0018】
本発明は、その高さよりも上方にガスが存在する容器内の液体の高さを測定するのに特に有用であり、導波管はガスを通って液体の表面に向かって延びる。
【0019】
第1のモードがH01モードであり、第2のモードがH02モードであることが好ましい。この場合、導波管がH03モードの通過を許容しない寸法を有することが好ましい。マイクロ波信号の周波数は、例えば5〜25GHzの範囲とすることができる。
【0020】
遷移部材は、マイクロ波の出力の好ましくは20〜80%、最も好ましくは40〜60%を第2の伝搬モードへ漏洩させるように構成される。
【0021】
遷移部材は有利には、本質的に円錐体として形成することができる。第2の伝搬モードへの適切な漏洩を得るためには、遷移部材の軸線方向の長さをかなり短くすることが好ましく、例えば0.25m未満とする。遷移部材の軸線方向の長さは、0.05〜0.10mの範囲であることが好ましい。従来技術では、かなり長い円錐体を用いて励振又は2つ以上の伝搬モードを回避していたが、ここでは2つ以上のモードの励振が用いられる。
【0022】
処理回路は、反射された各伝搬モードのマイクロ波信号から、導波管又は容器内の環境の1つ又は複数の特性を推定し、その1つ又は複数の特性の推定を用いて、容器内の注入された材料の修正された液位を計算するように配置されることが好ましい。処理回路は、単一のユニットとして配置することも、相互に隔てられて配置されることもある複数のユニットを含む、分散させた形で配置することもできる。導波管又は容器内の環境の1つ又は複数の特性は、例えば導波管の断面寸法、導波管の長さに沿った断面寸法の変化、導波管の同心度の程度、導波管の内壁における不純物の存在、特に固体又は液体の炭化水素の存在、或いはタンク内のミストの存在を含むことができる。
【0023】
一連の具体例では、処理回路は、第1及び第2の伝搬モードのうちの異なるモードとして受信されたマイクロ波信号の受信及び識別された部分に基づいて、導波管の断面寸法を計算する。好ましくは、導波管は円形の断面を有し、計算された断面寸法は、マイクロ波信号が液体の表面で反射される前に伝搬した行程に沿った導波管の平均直径である。
【0024】
しかし別法としては、処理回路が2つの伝搬モードのそれぞれについて、注入された材料の表面までの距離を決定し、2つの同等な系列の測定値を得るようにする。次いで、これら2つの測定の系列を用いて平均値などの集計的な値を生成することができるが、それはチューブ又はパイプの直径とは無関係であり、またチューブ/パイプに沿った直径の変化による影響を受けない。
【0025】
最高の精度を確保するためには、パイプ内に機械的に固定された1つ又は2つの反射体を有することが望ましく、通常、この2つの固定された反射体は、「空のタンク」の状態、及び「満杯のタンク」よりも上方の周知の位置の状態に対応することができる。「空のタンク」の反射体は、米国特許第6795015号に記載されたように実施されることが好ましく、この文献を参照によって本明細書に援用するが、その場合、液面下にある間、反射器はほとんど見えず、液体の表面が反射器よりも下にあるときにははっきりと認識することができる。「満杯のタンク」の反射器は、複数のモードの1つだけを反射するように配置されることが好ましい。
【0026】
少なくとも2つの異なる伝搬モードの1つについて、少なくとも2つの異なる伝搬モードの他のモードよりも実質的に強いマイクロ波信号の反射を与えるために、導波管内に反射用のリアクタンスを配置することができる。
【0027】
本発明の他の観点によれば、容器内に注入された材料の液位を測定するための方法であって、
第1の伝搬モードのマイクロ波信号を、導波管を通して、注入された材料の表面に向かって送信する段階と、
注入された材料の表面で反射され導波管を通して反対方向に伝搬するマイクロ波信号を受信する段階と、
反射されたマイクロ波信号に基づいて容器の充填液位を決定する段階と
を含み、
送信されたマイクロ波信号の一部を第2の伝搬モードへ漏洩させることを可能にし、第1及び第2のモードの両方が、導波管でのマイクロ波信号の伝搬を許容する周波数帯域の範囲にあり、
マイクロ波信号が、2つの異なる伝搬モードで受信される方法が提供される。
【0028】
本発明のこの観点によれば、本発明の第1の観点に関連して先に論じたものと類似及び同様の利点、並びに変形を得ることができる。
【0029】
本発明のこれらの態様及び他の態様は、以下に記載する実施例から明らかになり、またそれらを参照することによって導き出されるであろう。
【実施例】
【0030】
例示の目的で、本発明は、添付の図面に示された本発明の実施例を参照して、以下でより詳細に説明される。
【0031】
図1及び図2は、本発明の一実施例によるレーダ式液位計(RLG)システム1を概略的に示している。システムは、周波数変調連続波(FMCW)のRLGシステム又はパルス式RLGシステム、或いは他の任意のタイプの距離測定用レーダとすることができるが、前者であることが好ましい。RLGシステムは、調整可能な可変周波数でマイクロ波信号を送信する能力を有することができる。
【0032】
RLGシステムは、実質的に鉛直なチューブ、或いはその上限又は天井が3で示された容器2の中にしっかりと取り付けられたチューブの形態の導波管1を備えている。容器は液体3を収容し、液体は原油又はそれから製造された製品などの石油製品、或いは過圧及び/又は冷却された状態で容器の中に貯蔵された凝縮ガスとすることができる。プロパン及びブタンは、液体として貯蔵される典型的な2種類のガスである。
【0033】
導波管1は、マイクロ波用の導波管として用いることが可能な金属材料からなることが好ましく、任意の断面形状を有することができる。ただし、円形、長方形又は超楕円の断面が好ましい。チューブはその全長ではなく、その上側部分及び下側部分のみが示されている。チューブは、その壁に比較的小さい多数の孔6を備え、容器からの流体をチューブの内側に連通させることを可能にしており、その結果、チューブ内の液体の高さが容器内と同じになる。孔のサイズ及び位置は、波の伝搬を妨げず、内側及び外側の液体の高さを十分迅速に均等にすることができるように選択される。
【0034】
その上には、ユニット7がしっかりと取り付けられる。このユニット7は、明示的に示されていないが、マイクロ波信号を送るための送信器、反射されたマイクロ波信号を受信するための受信器、及び反射されたマイクロ波信号の反射位置を決定するための信号処理装置を備えている。
【0035】
送信器は、図1に5で示され、保護チューブ8によって囲まれた送信器の導波管を備えている。導波管5は、円錐形の中間部などの遷移部材9を介して導波管1まで通じている。
【0036】
遷移部材9は、送信器の導波管5とタンク内の導波管1との間の遷移、及び導波管の接続の両方を提供するように配置される。しかし、さらに遷移部材は、送信されたマイクロ波信号の一部を、送信器によって与えられた第1の伝搬モードから第2の伝搬モードへ漏洩することができるように構成される。これによって、2つのモードが導波管を通って同時に送信される。送信器がH01を与え、それが遷移部材内でH02モードへ漏洩することが好ましい。しかしながら遷移部材は、H03及びより高次のモードを抑える、或いは少なくともそうしたモードを比較的少量しか誘導しないように適合されることが好ましい。
【0037】
遷移部材は、両方の伝搬モードについて本質的に同量のマイクロ波の出力を与えるように配置されることが好ましい。
【0038】
第1及び第2のモードは、少なくとも所定の誘電率の範囲内では、導波管内の第1及び第2の伝搬モードのマイクロ波信号の群速度が、本質的に誘電率と無関係になる周波数帯域の範囲内になるように選択されることが好ましい。好ましい実施例では、周波数及び直径は、H02モードに対しては誘電率が無視できる程度の影響しか及ぼさないが、H01モードは同じ周波数でより大きい影響を受けるように選択される。レーダ液位計はかなり広い帯域幅を使用し(その幅を中心周波数の10〜15%とすることができる)、伝搬は帯域の中央での群速度によって特徴付けられる。この場合、送受信されるマイクロ波信号、並びにチューブの内側の寸法の周波数帯域及びモード伝搬は、興味深い誘電率値の範囲、好ましくは1.00〜1.03の間の範囲にわたり、完全に一定のマイクロ波信号の群速度が得られるように選択されることが好ましい。そうした選択自体は、参照によって本明細書に援用する米国特許第6915689号によって既に知られている。
【0039】
遷移部は、軸線方向に内側の断面積が徐々に増大する管状部として実現されることが好ましく、その断面積は、送信器の導波管5の内側の断面積からチューブの導波管1の内側の断面積まで増大する。さらに、遷移部材は回転対称であることが好ましい。最も好ましくは、遷移部材は本質的に円錐形に形成される。第2のモードへの適切な漏洩を得るためには、遷移部材の軸線方向の長さをかなり短くすることが好ましく、例えば0.25m未満とされる。遷移部材の軸線方向の長さは、0.05〜0.10mの範囲であることが好ましい。
【0040】
動作時には、送信器は第1のモードのマイクロ波信号を発生させ、それは、送信器の導波管5、及び第2のモードへの漏洩を生じさせる円錐形の遷移部材9を通して導波管1へ送り込まれる。測定すべき表面に向かって導波管1のチューブの中を伝搬するマイクロ波信号は、その表面によって反射され、逆方向に受信器の方へ伝搬する。反射された信号は、円錐形の遷移部材9及び導波管5を通過し、受信器によって受信される。受信器は、第1及び第2の伝搬モードのうちの異なるモードとして受信されたマイクロ波信号の各部分を、反射されたマイクロ波信号の伝搬モードが異なれば受信器への到達時間が異なることに基づく方法など、様々な方法で区別することができる。次いで信号処理装置は、マイクロ波信号の往復時間から液体の高さを計算する。さらに処理回路は、反射された各伝搬モードのマイクロ波信号から、マイクロ波信号が液体の表面で反射される前に伝搬した行程に沿った導波管の平均径としての導波管の断面寸法など、導波管又は容器内の環境の1つ又は複数の特性を推定し、その1つ又は複数の特性の推定を用いて、容器内の注入された材料の修正された高さを計算するように配置することができる。
【0041】
較正用に、1つ又は複数のゼロ反射の反射器10を用いることが可能である。それは、H01に対しては反射を与えるが、H02に対しては反射を与えないなど、複数のモードのうちの1つのモードに対してのみ反射を与え、その他には反射を与えないように適合されることが好ましい。そうした反射器を、導波管1内の様々な高さに配置することができる。さらに、タンクが空のときの較正用に、反射器をタンクの底部に配置することができる。下部及び上部の反射器を用いることが好ましく、その場合、上部のものは見ることができ、機能制御に用いることが可能であり、下部のものは始動時の較正及び空のタンクの試験に用いることが可能である。上部の反射器は、2つのモードに対して異なる反射を与えるように配置されることが好ましいが、それが絶対に必要であるわけではない。底部の反射器は、両方のモードで同量の反射を与えるように配置されることが好ましい。しかし底部の反射器は、液体で覆われていないときに、覆われている場合よりも本質的に強い反射を与えるように配置されることが好ましい。そうした反射器自体は、参照によって本明細書に援用する米国特許第6795015号によって既に知られている。したがって、そのような2つの反射器の構成は、本質的にすべての較正の要求を十分に満足させるものであり、結果として、それによって他の高さに他の反射器は不要になる。
【0042】
図3は、図1のレーダ液位計システムについて興味深い機能を示すための、パイプに沿った概観図である。電子ユニット7は導波管5の中に出力を発生させ、モード発生器などでH01モードに変換される。そこではH01が最高の伝搬モードになるか、或いはH02は伝搬することができない。前記導波管の中又は上方に、シール31を設けることが可能である。タンクが加圧ガスに用いられる場合、シール31は高圧用に製造されることが好ましい。安全上の理由のために、ボール弁32を設けることも可能であり、例えばシールを交換しなければならない場合、それを用いることができる。導波管1のパイプの直径までの遷移を与える遷移部材9は、ボール弁の下に配置され、一般に適切な長さを有するまっすぐな円錐体により製造することができる。加圧されるタンクは一般に球形であり、この最高の液体の高さ(タンクが完全に満たされた状態よりも体積が数%小さい)は、タンクの頂部にそれほど近くならない。その空間内の実際の最高液位よりも少しに上に、較正用の反射器10bを配置することができる。この反射器は、好ましい実施例では、通常の液体の表面とほとんど同じようにH01を反射するが、H02を反射する程度はずっと低くなるか、或いはH02を全く反射しないように配置される。導波管1は、タンクを通ってほぼ鉛直に延びていることが好ましく、例えば1メートルあたり2つの、それぞれが10mmの直径を有する孔などによって、少し孔が開けられている。最悪の場合の熱移動を可能にするために、パイプはタンクの底部21より数cm又は数dm上で終わっている。底部の反射器10aは底部に固定することが可能であり、反射器が液面下にあるときはごくわずかな反射を与え、反射器が露出する液体の高さになると、液体の表面と同等の反射を与えるように配置されることが好ましい。
【0043】
図4は、使用される2つのモードに対して著しく異なる反射作用を有する、高位置の反射器10bのいくつかの例示的な実施例を示している。上部の反射器はいくつかの方法で製造できるが、H01は反射し、H02は反射しないようにすることが好ましい。H01/H02に対して、反射器は、放射状の金属製のピンによってパイプに取り付けられた薄い金属リングなどの形を有することができる。リングは、H02の円周方向の場がゼロである半径方向の位置に配置され、したがってH02の反射は小さい。他方、H01は強い反射を有するが、薄い形状によって適切な強度まで低減させることが可能である。放射状の金属製付属物は、十分薄く製造されていればH01/H02モードには影響を及ぼさない。
【0044】
図4aに示すように第1の例示的な実施例では、反射器10bは、導波管1の中に放射状のピン102によって支持された水平なリング101を備えている。放射状のピンが、H01又はH02の場のパターンに影響を及ぼすことはなく、またその数及び位置は、適切な機械的安定性が得られるように選択される。リングの直径がパイプの直径の55%(又は54.62%)であれば、リングの位置はH02の円周方向の電場がゼロになるところになり、結果として、H02は図示した構造による影響を全く受けない(すなわち、H02からの反射がない)。その反射器の形状では、パイプの接合部に取り付けることが好ましい方法になる。
【0045】
上部の反射器を提供する他の方法を図4bに示す。この実施例では、反射器10b’は、孔104を通して管1に挿入するために一時的に曲げることができる、薄い鋼のリボン103を備えている。したがって、形状及び機能は図4aについて論じた実施例と類似しているが、挿入する方法によって、孔を通して、すなわち接合部などに関係なく反射器を取り付けることが可能になる。
【0046】
リングを提供するさらに他の方法を、H01及びH02に関する機能の観点から図4cに示す。この実施例では、反射器10b’’は、金属製のリングの中に円周方向に方向付けされたいくつかの半波長ダイポール105に分割されたリングを備えている。半波長反射器105はすべて、図4bの例示的な実施例と同様に、パイプのまわりの支持体(図示せず)に取り付けられ、孔104を通して導波管のパイプ1に挿入することができる。半波長反射器は、例えば10GHzの周波数を用いるときには15mmの長さとすることができ、薄い金属板又は指状のもので形成することが可能である。半波長反射器は、少なくともある程度の可撓性を有するように製造されることが好ましく、それによって、導波管のパイプのより小さい孔へ挿入することが可能になる。4つの半波長反射器を有するその実施例は例示的なものにすぎず、2、3又は6つなど他の数の半波長反射器も同様に実施可能であることに留意されたい。
【0047】
図5は、先に論じたシステムにおいて底部の反射器として使用することができる、反射器10aの実施例を示している。そうした底部の反射器自体は、参照によって本明細書に援用する米国特許第6795015号によって既に知られている。
【0048】
図5の例示的な実施例では、反射器は、導波管のパイプよりも下又はその端部、及び底部の少し上に配置され、底部に取り付けられるのに適している。反射器は、放射状の支持体111に取り付けられたいくつかの金属リング110を備えている。リングは、H01及びH02の導波管モードの円周方向の電場に対する金属面として現れ、結果として各導波管モードは、液体が反射器よりも下にあるとき、リングよりも下のおそらくは不規則な底部の構造に関係なく反射される。しかし、リング間の距離は液体の誘電率に合わせられ、リングが液面下にあるときにはリングにより導波管は形成され、リングを波長の半分の高さに製造することによって、反射器は使用される周波数の波に対して透過的なレードームとして働く。
【0049】
図6は、図3のレーダ液位計システムで受け取ることができる、3つの例示的なタンクのスペクトルを示している。第1のタンクのスペクトルAでは、タンク内の中位の液体の高さに関する状況が示される。この場合、タンクのスペクトルは一般に、上部の反射器10bに対応する受信エコー信号A1、液体の表面でのH01モードの反射に対応する受信エコー信号A2、及び液体の表面でのH02モードの反射に対応する受信エコー信号A3を含む。第2のタンクのスペクトルBでは、タンク内の低い液体の高さに関する状況が示される。この場合、タンクのスペクトルは一般に、A1とほぼ同じ位置に、上部の反射器10bに対応する受信エコー信号B1、A2よりも少し下に、液体の表面でのH01モードの反射に対応する受信エコー信号B2、並びにA3よりもかなり下に、液体の表面でのH02モードの反射に対応する受信エコー信号B3を含む。第3のタンクのスペクトルCでは、本質的に空のタンクに関する状況が示される。この場合、タンクのスペクトルは一般に、A1及びB1と同じ高さに、上部の反射器10bに対応する受信エコー信号C1、底部の反射器10aでのH01モードの反射に対応する受信エコー信号C4、及び底部の反射器10aでのH02モードの反射に対応する受信エコー信号C5を含む。
【0050】
次に、本発明の背景となる理論、及び2モード式の測定の適用について簡単に論じる。これまではパイプにおけるCTSの精度を、パイプを有するパルス式システムで得ることは困難であったため、以下の議論ではFMCWに焦点を合わせているが、この議論を少し修正することによって、パルス式システムにも同様に適用することができる。線形掃引及び通常の液体の表面によって生成された典型的なIF(中間周波数)信号は、完全に一定の振幅と共にほぼ一定の周波数を有する。(距離に比例する)一定の周波数は、掃引中に線形成長を伴う位相として記述することが可能であり、典型的な信号処理装置は、位相の成長を直線に最小二乗法によりマッチングさせる。測定が自由な空間においてではなくパイプを通して行われると、位相は掃引中にわずかに非線形の変化を有するようになり、この変化を下式によって示すことができる。
【0051】
【数1】


ここで、
k:10GHz付近での16%の掃引に対して、193〜227m−1の範囲にわたって変化する波数(=リスケールされた周波数)
L:パイプの長さ
d:パイプの直径
ε:空気の1.0006から、加圧されたプロパンの1.02までの範囲にある雰囲気の誘電率
X:H11では1.841、H01では3.832、H02では7.016である適用可能なベッセル関数の根である。
【0052】
式(1)によって理解されるように、位相は周波数についてわずかな非線形依存性を有し、非線形の程度は、線形ではなく放物曲線近似によって推定することができる。非線形の程度は弧の高さとして表され、この場合と同様にカットオフに近いパイプ内の伝搬の場合には、適切な精度で計算することができる。弧の高さを用いて、パイプの直径を、パイプの測定された部分に沿った平均値として計算することができる。「未加工距離(raw distance)」Lは導関数として下式のように求められ、
【数2】


計算は一般に最小二乗法を用いて行い、パイプの場合、Lは1に近い係数fによって調整される。実際的な条件では、以下のより簡単な計算を用いてLを得ることができる。
【0053】
【数3】


ここで、k及びkは掃引の終点である。
【0054】
(1)及び(2)から、変化するεを伴う測定距離の変化を、次のように求めることができる。
【0055】
【数4】


上側の括弧がゼロのときには、ガスの独立性に関する条件が満たされ、それを中心周波数に対応するkとして表すこともできる。
【0056】
【数5】

【0057】
パイプの直径は長さの基準とすることによって計算に組み込まれる。したがって、直径のppm単位の精度は、所望される距離のppm単位の精度よりも高くなければならない。したがって、(ppmスケールの)直径の測定は無用であり、回転対称モード(H0n及びE0n)のみを用いて、理想的な円形からのずれの影響を回避することができる。このために、同時に存在する2つの導波管モード、好ましくはH01及びH02を用いて、2つのLを得ることが可能であり、それらの間の差が、実際の経路全体の平均として理解されるパイプの直径の正確な寸法になる。
【0058】
01及びH02によって測定された(式(2)からの)未加工距離がL01及びL02で表される場合、自由空間に対応する「平均の」LFSを生成することが可能であることを、下式のように示すことができる。
【0059】
【数6】

【0060】
FSは(局所的にも一般的にも)直径の変化に依存せず、誘電率のみに依存する。一方、式(2)からのLは直径に依存するが、誘電率には依存しない。空のタンクの較正について記録された値LFS、L、及び弧の高さから始めて、タンクの測定された部分全体の直径の分布を計算することができる。前記直径の分布は、(予測される温度変化がなければ)時間について一定となり、その後、それを用いてタンク全体に対してCTSの精度を得ることができる。
【0061】
さらに2モード式の測定は、使用される鋼の温度変化及び熱膨張、並びにおそらくは不均一なパイプの直径の影響など、他の環境変化を考慮する。パイプは、+/−0.5%の直径の精度を有する可能性がある、6mの製品から製造することができる。H11は分極に依存する速度を有し、また本質的に完全に円形のパイプを必要とするため、H11又は他の分極モードを使用しないことが好ましい。
【0062】
導波管のパイプは、入手可能な標準規格品の中から選択されることが好ましく、使用に適した範囲の周波数の利用を可能にする。例えば、52.5mmの呼び内径を有する50.8mm(2インチ)のSCH40を用いることができる。平均の誘電率としてε=1.01を使用すると、中心周波数は約9781MHzとして選択されることが好ましい。これは、30〜40mの場合に使用することができる。或いは、95.5mmの内径を有する88.9mm(3.5インチ)のSCH10のパイプを使用することも可能であり、(5)のガスの独立条件を満たすために、約9843MHzの中心周波数が用いられる。
【0063】
パイプの直径は、(一般的には長さ6mの)製品間で数十分の1パーセント異なる可能性があり、したがって差異が最大の場合には、cm範囲のずれになる可能性もある。2つの伝搬モードの使用が安定的な方法であり、H01及び、H02を同時に使用することが好ましい。どちらの伝搬モードも回転対称であり、したがって機械的な循環性からの定常偏差に鈍感であり(すなわち<1%)、同じモード変換器の構造で生成することができる。
【0064】
式(5)に適合させたH02を用いた測定は、同じ周波数及び直径でのH01による測定値よりも30%長い未加工距離を与える。本発明の簡易化された方法では、これらのモードは同時に許容される。同時に存在するこれらのモードは、通常の設計によるものよりもずっと短い円錐形の遷移部などの遷移部材の手段によって得られる。
【0065】
少なくとも約2〜3mよりも長い距離では、2つのモードは、互いに妨げることなく測定可能な、十分に分離された2つのエコーとして現れる。同時に存在する2つのモード(H02及びH01)を生成するモード変換器を使用することが可能であり、最も簡単な方法は、通常の設計では短すぎる50.8mm〜101.6mm(2インチ〜4インチ)の円錐形の遷移部を使用するだけである。回転対称を保つと、短い円錐によってH0nモードのみが生成され、適切な直径によって生成されるモードがH01及びH02に制限される。他の方法は、回転対称の機械的な妨害作用と組み合わせてH01変換器を用いることである。
【0066】
短い距離に関する制限は、ほとんどの実際的な状況で厳しい制限にはならない。例えば通常の大きさの球では、球の98%の体積は、その直径の11/12のところ、すなわち24mの球では頂部よりも2m下に存在する。使用されない高さ区間での精度低下は、一般に許容される。
【0067】
本発明の実施例の実際的な例として、約10GHzの周波数を想定することができる。この場合、ガスの独立条件を満たし、H01モードのマイクロ波信号を供給するために、送信器の導波管として50.8mm(2インチ)の40のパイプを用いることができる。少なくともより深いタンク(40〜50m)には、チューブの導波管として88.9mm(3.5インチ)のSCH10など、より厚いパイプを用いることができる。その場合、遷移部材として、50.8mm(2インチ)のSCH40から88.9mm(3.5インチ)のSCH10までの円錐形の遷移部を用いることができる。第2の伝搬モードへの適切な漏洩を得るためには、標準によって得られるものよりもかなり短い円錐を使用する。その結果、マイクロ波の出力の周知の部分(50/50など)がH02へ漏洩する。この場合、(厳密な形状に応じた)約0.5mの標準的な長さではなく、50〜100mmのまっすぐな円錐を用いて、所望のモードの混合を与えることができる。円錐よりも小さいパイプの直径は、H03の通過を許容せず、また回転対称によってH01/H02以外のモードは生成されない。したがって、適切な短い円錐を用いるだけで、所望のモードの混合が生じる。
【0068】
これまで本発明の特定の実施例について記述してきた。しかし当業者には明らかであるように、いくつかの代替が実施可能である。例えば当業者には容易に明らかであるように、液位計システム及び処理回路の様々な機能を実施するために、多くの様々な構成部材を用いることができる。さらに、第1のモードの信号出力と第2のモードとの間の関係を変更することも可能である。そうした変更及び他の自明な変更は、添付の特許請求の範囲によって定められる本発明の範囲内であるとみなさなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の一実施例によるレーダ液位計システムが内部に配置された容器の概略的な側面断面図。
【図2】図1のレーダ・ベースの液位測定用装置をさらに詳しく、斜視図として概略的に示す図。
【図3】図1のレーダ液位計システムの概略的な側面断面図。
【図4a】底部の反射器の例示的な実施例を示す図。
【図4b】底部の反射器の例示的な実施例を示す図。
【図4c】底部の反射器の例示的な実施例を示す図。
【図5】注入されたタンクの反射器について、いくつかの実施例を示す図。
【図6】いくつかの典型的なタンクの状態に対する概略的なタンクのスペクトルを示す図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器内に注入された材料の液位を測定するためのレーダ液位計システムにおいて、
前記注入された材料の表面に向かって延びる導波管と、
前記導波管内に第1の伝搬モードのマイクロ波信号を送信するための送信器と、
前記注入された材料の表面で反射され、前記導波管を通って逆方向に伝搬するマイクロ波信号を受信するための受信器と、
前記反射されたマイクロ波信号に基づいて前記容器の充填高さを決定するための処理回路と、
前記導波管と前記送信器を接続する遷移部材であって、前記送信されたマイクロ波信号の一部を第2の伝搬モードへ漏洩させるように構成された遷移部材と
を備え、
前記第1及び第2の伝搬モードが、前記導波管内での前記2つの異なる伝搬モードの前記マイクロ波信号の伝搬を許容する周波数帯域の範囲にあり、
前記受信器が、前記少なくとも2つの異なる伝搬モードの前記マイクロ波信号を受信するように配置される、レーダ液位計システム。
【請求項2】
容器内の液位よりも上方にガスが存在する容器内の液位を測定するために、前記導波管が前記ガスを通って前記液体の表面に向かって延びる請求項1に記載されたレーダ液位計システム。
【請求項3】
前記第1の伝搬モードがH01モードであり、前記第2の伝搬モードがH02モードである請求項1又は請求項2に記載されたレーダ液位計システム。
【請求項4】
前記導波管がH03モードの通過を許容しない寸法を有する請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載されたレーダ液位計システム。
【請求項5】
前記遷移部材が、前記マイクロ波の出力の20〜80%を前記第2の伝搬モードへ漏洩させるように構成される請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載されたレーダ液位計システム。
【請求項6】
前記遷移部材が、前記マイクロ波の出力の40〜60%を前記第2の伝搬モードへ漏洩させるように構成される請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載されたレーダ液位計システム。
【請求項7】
前記遷移部材が、本質的に円錐体として形成される請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載されたレーダ液位計システム。
【請求項8】
前記遷移部材の軸線方向の長さが0.25m未満である請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載されたレーダ液位計システム。
【請求項9】
前記遷移部材の軸線方向の長さが0.05〜0.10mの範囲である請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載されたレーダ液位計システム。
【請求項10】
前記処理回路が、前記反射された各伝搬モードのマイクロ波信号から、前記導波管又は前記容器内の環境の1つ又は複数の特性を推定し、前記1つ又は複数の特性の前記推定を用いて、前記容器内の前記注入された材料の修正された液位を計算するように配置される請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載されたレーダ液位計システム。
【請求項11】
前記導波管又は前記容器内の環境の前記1つ又は複数の特性が、前記導波管の断面寸法、前記導波管の長さに沿った断面寸法の変化、前記導波管の同心度の程度、前記導波管の内壁における不純物の存在、特に固体又は液体の炭化水素の存在、或いはタンク内のミストの存在を含む請求項10に記載されたレーダ液位計システム。
【請求項12】
前記少なくとも2つの異なる伝搬モードの1つについて、前記少なくとも2つの異なる伝搬モードの他のものよりも実質的に強い前記マイクロ波信号の反射を与えるために、前記導波管内に反射用のリアクタンスが配置される請求項1から請求項11までのいずれか1項に記載されたレーダ液位計システム。
【請求項13】
容器内の注入された材料の液位を測定するための方法において、
第1の伝搬モードのマイクロ波信号を、導波管を通して前記注入された材料の表面に向かって送信する段階と、
前記注入された材料の表面で反射され、前記導波管を通して逆方向に伝搬するマイクロ波を受信する段階と、
前記反射されたマイクロ波信号に基づいて前記容器の充填液位を決定する段階とを含み、
前記送信されたマイクロ波信号の一部を第2の伝搬モードへ漏洩させ、
前記第1及び第2のモードの両方が、前記導波管での前記マイクロ波信号の伝搬を許容する周波数帯域の範囲にあり、
前記マイクロ波信号が、前記2つの異なる伝搬モードで受信される、液位測定方法。
【請求項14】
容器内の液位よりも上方にガスが存在する容器内の液位を測定するために、前記導波管が前記ガスを通って前記液体の表面に向かって延びる請求項13に記載された液位測定方法。
【請求項15】
前記第1の伝搬モードがH01モードであり、前記第2の伝搬モードがH02モードである請求項13又は請求項14に記載された液位測定方法。
【請求項16】
03モードのへの漏洩が妨げられる請求項15に記載された液位測定方法。
【請求項17】
前記マイクロ波の出力の20〜80%が、前記第2の伝搬モードへ漏洩する請求項13から請求項16までのいずれか1項に記載された液位測定方法。
【請求項18】
前記マイクロ波の出力の40〜60%が、前記第2の伝搬モードへ漏洩する請求項17に記載された液位測定方法。
【請求項19】
前記第2の伝搬モードへの漏洩が、本質的に円錐体として形成される遷移部材内で行われる請求項13から請求項18までのいずれか1項に記載された液位測定方法。
【請求項20】
前記遷移部材の軸線方向の長さが0.25m未満である請求項13から請求項19までのいずれか1項に記載された液位測定方法。
【請求項21】
前記反射された各伝搬モードのマイクロ波信号が、前記導波管又は前記容器内の環境の1つ又は複数の特性を推定し、前記1つ又は複数の特性の前記推定を用いて、前記容器内の前記注入された材料の修正された液位を計算するために使用される請求項13から請求項20までのいずれか1項に記載された液位測定方法。
【請求項22】
前記導波管又は前記容器内の環境の前記1つ又は複数の特性が、前記導波管の断面寸法、前記導波管の長さに沿った断面寸法の変化、前記導波管の同心度の程度、前記導波管の内壁における不純物の存在、特に固体又は液体の炭化水素の存在、或いはタンク内のミストの存在を含む請求項21に記載された液位測定方法。
【請求項23】
前記少なくとも2つの異なる伝搬モードの1つについて、前記少なくとも2つの異なる伝搬モードの他のものより実質的に強い前記マイクロ波信号の反射を与えるために、前記導波管内に反射用のリアクタンスが配置される請求項13から請求項22までのいずれか1項に記載されたレーダ液位計システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図4c】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2009−511901(P2009−511901A)
【公表日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−535492(P2008−535492)
【出願日】平成18年10月13日(2006.10.13)
【国際出願番号】PCT/SE2006/001157
【国際公開番号】WO2007/043950
【国際公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【出願人】(505184388)ローズマウント タンク レーダー アクチボラゲット (15)
【Fターム(参考)】