説明

2層式保冷具

【課題】本発明は、各種のサイズにおいて、身体に対する十分な冷却効果を発揮し、それ自体の保冷効果にも優れ、使用感を極めて良好とした2層式保冷具を実現し提供するものである。
【解決手段】本発明の2層式保冷具は、矩形シート状の表地3と、高周波加熱により溶着可能な非吸水性素材からなる矩形シート状の裏地4とを有する2枚の被覆材を、裏地4同士の間に高周波加熱により溶着可能な非吸水性素材からなる矩形シート状の仕切り材5を介在させて重ね合わせ、内部に仕切り材5により仕切られる第1収容層8a、第2収容層8bを形成して2層式とした形態の外装体2と、外装体2内の第1収容層8aに流動が規制される状態で収納したジェル、ポリアクリル酸ナトリウムを含む第1保冷媒体11と、第2収容層8bに流動が規制される状態で収納したジェル、塩化カルシウム六水和物等を含む第1保冷媒体11より柔軟性を有する第2保冷媒体12と、を有するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2層式保冷具に関し、詳しくは、ジェルを含む保冷媒体の冷却効果を利用し人体各部の冷却用として使用し得るとともに、弾力性に優れ使用感が極めて良好な2層式保冷具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来からジェルを含む保冷媒体を枕サイズ、敷布団サイズ、シーツサイズ等の外装体内に収納して冷却パッドを構成し、高温期の就寝時等において、この保冷具を枕に被せて頭部を冷却したりベッド上に載置して身体の背中等を冷却したりすることが行われている。
【0003】
このような冷却パッドの場合、内部に収納したジェルを含む保冷媒体の流動性が大きいことから、単に保冷媒体を外装体内に収納しただけでは身体の重さにより保冷媒体が外装体内で偏在してしまい、身体に対する冷却効果を十分に期待できなくなる。
【0004】
一方、近年、枕サイズ、敷布団サイズ、座布団サイズ等に形成した弾力性を有する立体網物が実用化され、これを就寝時や和室等で用いることも行われている。
【0005】
特許文献1には、冷却パッドに関連するものとして、枕サイズとした冷熱ゲルシートと、この冷熱ゲルシートを挿脱させる収納部を内部に備えた枕カバーとにより構成した冷熱ゲル枕が開示されている。
【0006】
しかしながら、特許文献1の場合、人体頭部の冷却効果を発揮させることを主眼としていて、比較的小寸法なもので、含水ゲルの流動性の点を考慮するとこのような冷熱ゲル枕の構成をそのまま長尺なシーツサイズ等に応用したとしても十分な冷却効果を期待し得ないものと推定される。
【0007】
本願出願人は、上述した観点から、先に枕サイズ、敷布団サイズ、シーツサイズ等のような各種サイズにおいて、保冷媒体の流動性による偏在を抑えて身体に対する十分な冷却効果を発揮し、かつ、適度な弾性を有し、使用感を良好とした保冷具に関する考案の実用新案登録出願を行い、実用新案登録を受けているものである(実用新案登録第3143117号)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2002−233442号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、実用新案登録第3143117号に係る保冷具の考案を基とし、シングルサイズ、枕サイズ、敷布団サイズ、シーツサイズ等のような各種のサイズにおいて、保冷媒体の流動性による偏在を抑えて身体に対する十分な冷却効果を発揮するとともにそれ自体の保冷効果にも優れ、しかも、弾性をより増大し、使用感を極めて良好とした2層式保冷具を実現し提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、布状素材からなる表地と、非吸水性素材からなる裏地とを有するシート状の2枚の被覆材同士を、前記裏地同士の間に布状素材からなるシート状の仕切り材を介在させて重ね合わせ、一方の被覆材と仕切り材との間に外周圧着部及び内部領域の部分圧着部により区画される第1収容層を、他方の被覆材と仕切り材との間に外周圧着部及び内部領域の部分圧着部により区画される第2収容層を形成して偏平な形態の2層式とした外装体と、前記外装体内の第1収容層に流動が規制される状態で収納したジェル、ポリアクリル酸ナトリウム、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム、グリセリン、水、防カビ剤等を含む第1保冷媒体と、前記外装体内の第2収容層に流動が規制される状態で収納したジェル、塩化カルシウム六水和物を主成分とし、水、防カビ剤等を含む前記第1保冷媒体より柔軟性を有する第2保冷媒体と、を有することを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1記載の発明によれば、外装体内の第1保冷媒体及び第2保冷媒体の流動性による偏在を抑えて使用者の身体に対する十分な冷却効果を発揮するとともにそれ自体の保冷効果にも優れ、しかも、第2保冷媒体の柔軟性と相俟って弾性がより増大し、使用感を極めて良好なものとすることができる2層式保冷具を実現し提供することができる。
【0012】
請求項2記載の発明によれば、外装体を、綿材、ナイロン、ポリエステル、レーヨン、麻、起毛生地、ちりめん、楊柳、タオル地のうちから選ばれる一方の被覆材としての矩形シート状の表地と、高周波加熱により溶着可能なポリ塩化ビニルの非吸水性素材からなる他方の被覆材としての矩形シート状の裏地とを具備する2枚の被覆材と、前記裏地同士の間に高周波加熱により溶着可能なポリ塩化ビニルの非吸水性素材からなる布状素材を用いた矩形シート状の仕切り材とを用いて偏平な形態の2層式とし、外装体内に第1保冷媒体及び第2保冷媒体を収容した構成の基に、請求項1記載の発明と同様な効果を発揮させることができる。
【0013】
請求項3記載の発明によれば、請求項2記載の発明と同様な構成で、かつ、外装体のサイズをシングルサイズ、シーツサイズ又は敷布団サイズ、枕サイズ、カーシートサイズ、ワイン保冷用シートサイズから選ばれるいずれかのサイズとした構成の基に、外装体内の第1保冷媒体及び第2保冷媒体の流動性による偏在を抑えて就寝する使用者の身体に対する十分な冷却効果を発揮させ、又は、自動車の運転者の身体の一部である脚部等に対する十分な冷却効果を発揮させ、更には、ワインに対する冷却効果を発揮させることができる2層式保冷具を実現し提供することができる。
【0014】
請求項4記載の発明によれば、請求項3記載の発明と同様な構成で、かつ、外装体に抜穴を有する多数の部分圧着部を付加した構成で、請求項3記載の発明と同様な効果を発揮し、かつ、熱の放熱作用も良好な2層式保冷具を実現し提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は本発明の実施例1に係る2層式保冷具の正面図である。
【図2】図2は本実施例1に係る2層式保冷具の背面図である。
【図3】図3は本実施例1に係る2層式保冷具の概略断面図である。
【図4】図4は本実施例1に係る2層式保冷具の使用態様の一例を示す説明図である。
【図5】図5は冷却効果確認試験における被検者の温度測定箇所を示す説明図である。
【図6】図6は試験品である単層保冷具の平面図である。
【図7】図7は試験品である単層保冷具の概略断面図である。
【図8】図8は試験品であるハニカムメッシュ付き保冷具の平面図である。
【図9】図9は試験品であるハニカムメッシュ付き保冷具の平面図である。
【図10】図10は試験品であるハニカムメッシュ付き保冷具の概略断面図である。
【図11】図11は冷却効果確認試験における被検者Aについての3種の試験品に関する温度測定の結果を条件1、条件2に分けて示す図である。
【図12】図12は冷却効果確認試験における被検者Nについての3種の試験品に関する温度測定の結果を条件1、条件2に分けて示す図である。
【図13】図13は冷却効果確認試験における被検者Aについての3種の試験品に関するサーモグラフィ表面温度測定の結果を条件1、条件2に分けて示す図である。
【図14】図14は冷却効果確認試験における被検者Aについての3種の試験品に関するサーモグラフィ表面温度変化の結果を条件1、条件2に分けて示すグラフである。
【図15】図15は被検者Aが使用した試験品である単層保冷具についての条件1における使用前、及び60分使用直後から使用後30分までの5分間隔の7枚、合計8枚の各サーモグラフィ表面温度解析画像を概略的に示す図である。
【図16】図16は被検者Aが使用した本実施例1に係る2層式保冷具についての条件1における使用前、及び60分使用直後から使用後30分までの5分間隔の7枚、合計8枚の各サーモグラフィ表面温度解析画像を概略的に示す図である。
【図17】図17は被検者Aが使用した試験品であるハニカムメッシュ付き保冷具についての条件1における使用前、及び60分使用直後から使用後30分までの5分間隔の7枚、合計8枚の各サーモグラフィ表面温度解析画像を概略的に示す図である。
【図18】図18は被検者Aが使用した試験品である単層保冷具についての条件2における使用前、及び60分使用直後から使用後30分までの5分間隔の7枚、合計8枚の各サーモグラフィ表面温度解析画像を概略的に示す図である。
【図19】図19は被検者Aが使用した本実施例1に係る2層式保冷具についての条件2における使用前、及び60分使用直後から使用後30分までの5分間隔の7枚、合計8枚の各サーモグラフィ表面温度解析画像を概略的に示す図である。
【図20】図20は被検者Aが使用した試験品であるハニカムメッシュ付き保冷具についての条件2における使用前、及び60分使用直後から使用後30分までの5分間隔の7枚、合計8枚の各サーモグラフィ表面温度解析画像を概略的に示す図である。
【図21】図21は冷却効果確認試験における被検者Nについての3種の試験品に関するサーモグラフィ表面温度測定の結果を条件1、条件2に分けて示す図である。
【図22】図22は冷却効果確認試験における被検者Nについての3種の試験品に関するサーモグラフィ表面温度変化の結果を条件1、条件2に分けて示すグラフである。
【図23】図23は被検者Nが使用した試験品である単層保冷具についての条件1における使用前、及び60分使用直後から使用後30分までの5分間隔の7枚、合計8枚の各サーモグラフィ表面温度解析画像を概略的に示す図である。
【図24】図24は被検者Nが使用した本実施例1に係る2層式保冷具についての条件1における使用前、及び60分使用直後から使用後30分までの5分間隔の7枚、合計8枚の各サーモグラフィ表面温度解析画像を概略的に示す図である。
【図25】図25は被検者Nが使用した試験品であるハニカムメッシュ付き保冷具についての条件1における使用前、及び60分使用直後から使用後30分までの5分間隔の7枚、合計8枚の各サーモグラフィ表面温度解析画像を概略的に示す図である。
【図26】図26は被検者Nが使用した試験品である単層保冷具についての条件2における使用前、及び60分使用直後から使用後30分までの5分間隔の7枚、合計8枚の各サーモグラフィ表面温度解析画像を概略的に示す図である。
【図27】図27は被検者Nが使用した本実施例1に係る2層式保冷具についての条件2における使用前、及び60分使用直後から使用後30分までの5分間隔の7枚、合計8枚の各サーモグラフィ表面温度解析画像を概略的に示す図である。
【図28】図28は被検者Nが使用した試験品であるハニカムメッシュ付き保冷具についての条件2における使用前、及び60分使用直後から使用後30分までの5分間隔の7枚、合計8枚の各サーモグラフィ表面温度解析画像を概略的に示す図である。
【図29】図29は本実施例1の変形例である2層式保冷具を示す平面図である。
【図30】図30は本発明の実施例2に係る2層式保冷具を示す平面図である。
【図31】図31は本発明の実施例3に係る2層式保冷具を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は、シングルサイズ、枕サイズ、敷布団サイズ、シーツサイズ等のような各種のサイズにおいて、保冷媒体の流動性による偏在を抑えて身体に対する十分な冷却効果を発揮するとともにそれ自体の保冷効果にも優れ、しかも、弾性をより増大し、使用感を極めて良好とした2層式保冷具を実現し提供するという目的を、綿材、ナイロン、ポリエステル、レーヨン、麻、起毛生地、ちりめん、楊柳、タオル地のうちから選定される一方の被覆材としての矩形シート状の表地と、高周波加熱により溶着可能なポリ塩化ビニルの非吸水性素材からなる他方の被覆材としての矩形シート状の裏地とを、前記裏地同士の間に高周波加熱により溶着可能なポリ塩化ビニルの非吸水性素材からなる布状素材を用いた矩形シート状の仕切り材を介在させて重ね合わせ、一方の被覆材の裏地と仕切り材との間に外周圧着部及び内部領域の部分圧着部により区画される第1収容層を形成し、他方の被覆材の裏地と仕切り材との間に同じく外周圧着部及び内部領域の部分圧着部により区画される第2収容層を形成して偏平矩形状の2層式とするとともに、シングルサイズ、シーツサイズ又は敷布団サイズ、枕サイズ、カーシートサイズ、ワイン保冷用シートサイズから選ばれるいずれかのサイズとした外装体と、前記外装体内の第1収容層に流動が規制される状態で収納したジェル、ポリアクリル酸ナトリウム、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム、グリセリン、水、防カビ剤を含む第1保冷媒体と、前記外装体内の第2収容層に流動が規制される状態で収納したジェル、塩化カルシウム六水和物を主成分とし、水、防カビ剤を含む前記第1保冷媒体より柔軟性を有する第2保冷媒体と、を有する構成により実現した。
【実施例1】
【0017】
以下、本発明の実施例1に係る2層式保冷具1について詳細に説明する。
【0018】
本実施例1に係る2層式保冷具1は、例えば図4に示すように敷布団又はマットレス等の敷物9上に敷き、その上に使用者Mが上半身の腰から肩の領域を当てて就寝するような態様で使用するものである。
【0019】
本実施例1に係る2層式保冷具1は、図1乃至図3に示すように、例えば綿材、ナイロン、ポリエステル、レーヨン、麻、起毛生地、ちりめん、楊柳、タオル地等からなる一方の被覆材としての表地3と、高周波加熱により溶着可能な例えばポリ塩化ビニル(PVC)等の非吸水性素材からなる他方の被覆材としての裏地4とを、前記裏地4同士の間に高周波加熱により溶着可能な例えばポリ塩化ビニル(PVC)等の非吸水性素材からなる布状素材を用いたシート状の仕切り材5を介在させて重ね合わせ、一方の被覆材の裏地4と仕切り材5との間に外周圧着部6及び内部領域の部分圧着部7により区画される第1収容層8aを形成し、他方の被覆材の裏地4と仕切り材5との間に同じく外周圧着部6及び内部領域の直線状の部分圧着部7により区画される第2収容層8bを形成して偏平な形態の2層式とした外装体2を具備している。
【0020】
そして、本実施例1に係る2層式保冷具1は、前記外装体2内の第1収容層8aに流動が規制される状態で収納したジェル、ポリアクリル酸ナトリウム、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム、グリセリン、水、防カビ剤等を含む第1保冷媒体11と、前記外装体2内の第2収容層8bに流動が規制される状態で収納したジェル、塩化カルシウム六水和物(Calcium chloride hexahydrate)を主成分とし、水、防カビ剤等を含む前記第1保冷媒体11より柔軟性を有する第2保冷媒体12と、を有している。
【0021】
なお、前記塩化カルシウム六水和物は、無色潮解性結晶からなるものである。
【0022】
更に、本実施例1に係る2層式保冷具1は、外装体2の四辺外周部を覆うように縫着した綿材のような周辺逢着材13を有している。
【0023】
前記2層式保冷具1における外装体2の形状、サイズは、矩形シート状でシングルサイズ(例えば幅90cm、長さ90cm)としている。前記外装体2の形状、サイズは、この他種々の態様が存在するが、これについては後述する。
【0024】
前記部分圧着部7としては、図1に示す場合の他、波形状の部分圧着部、長方形状の部分圧着部、傾斜平行配置で略長方形状を呈する複数個の部分圧着部、クロス配置で各々が略長方形状を呈し、点在する複数個の部分圧着部等、種々の形態のものを選定することができる。
【0025】
本実施例1によれば、図4に示すような使用態様の基に、第1保冷媒体11及び第2保冷媒体12の流動性による偏在を抑えて使用者Mの身体、特に腰から肩の領域に対する十分な冷却効果を発揮するとともにそれ自体の保冷効果にも優れた2層式保冷具1を実現し提供することができる。
【0026】
また、本実施例1によれば、前記第2保冷媒体12の柔軟性と相俟って弾性がより増大し、使用感を極めて良好なものとすることができる2層式保冷具1を実現し提供することができる。
【0027】
更に、本実施例1の2層式保冷具1によれば、前記2枚の被覆材のいずれを上面として使用してもよく、すなわち、リバーシブル使用が可能であり、長期間の使用に耐え得る2層式保冷具1とすることができる。
【0028】
なお、本実施例1における2層式保冷具1は、上述したような敷布団又はマットレス等のような敷物9上に敷いて使用する他、これ自体を床上に置き単体で使用できることは勿論である。
【0029】
また、前記2層式保冷具1の外装体2を構成する表地3、裏地4に代替して、当該外装体2自体を一枚もののポリ塩化ビニル材から形成して実施することもできる。この場合、外装体2を形成するポリ塩化ビニル材を透明なものとして実施しても良い。この場合においても、前記2層式保冷具1と略同様な2層式保冷具を実現できる。
【0030】
次に、本実施例1に係る2層式保冷具1について実施した冷却効果確認試験について詳述する。
【0031】
この冷却効果確認試験の試験内容は以下の通りである。
(1)温度測定
以下の条件で3種の試験品を使用した際の各試験品と衣服との間の温度を測定した。
試験時間:60分
測定箇所:図5に示す使用者Mの肩甲骨と肩甲骨の間(中央部)に対応する部分
測定間隔:1分毎
【0032】
(2)サーモグラフィ表面温度測定
前記(1)の温度測定後、被検者が起き上がった後の各試験品の生地表面を5分毎に30分まで撮影し、表面温度を測定した。
温度測定範囲:背面接触部分
撮影範囲:首元からウェストに対応する部分
【0033】
(3)共通事項
上述した(1)温度測定、(2)サーモグラフィ表面温度測定に関する共通事項は以下の通りである。
試験品は20分程試験環境になじませてから各測定を行った。
試験の際には敷布団の上に試験品を置き、掛け布団を掛けず、安静状態で行った。
試験は被検者がパシャマを着用した状態で行った。
【0034】
(4)試験環境
条件1:25.0℃±2℃、40±5%RH
条件2:30.0℃±2℃、40±5%RH
【0035】
(5)敷布団
表地:ポリエステル80%、綿20%
裏地:ポリエステル80%、綿20%
詰め物:ポリエステル100%、まき綿2.0kg、硬綿1.0kg
【0036】
(6)被検者:2人
被検者A:性別女性、年齢24、身長173cm、体重59kg
被検者N:性別女性、年齢39、身長160cm、体重48kg
【0037】
(7)被検者の衣服:
パシャマ:フライスクールネックTシャツ七分袖(綿100%)、ハーフパンツ
上半身は下着を着用しないものとした。
【0038】
(8)試験品:3種
a.本実施例1に係る2層式保冷具1(2層式ジェルマット:シングルサイズ)
b.図6、図7に示す単層保冷具21(単層ジェルマット:シングルサイズ)
c.図8乃至図10に示すハニカムメッシュ付き保冷具31(ハニカムメッシュ付きジェルマット:シングルサイズ
【0039】
前記単層保冷具21は、図6、図7に示すように、例えば綿材、ポリエステル、レーヨン、麻、起毛生地、ちりめん、楊柳、タオル地などからなる表地23と、高周波加熱により溶着可能な例えばポリ塩化ビニル(PVC)等の非給水性素材からなる裏地24と重合した一方の被覆材22aと、同様な構成の表地23、裏地24からなる他方の被覆材22bとを前記裏地24同士が対向する配置で重ね合わせた外装体25と、この外装体25内に密封収納したジェルを含む保冷媒体26と、を有している。
【0040】
前記保冷媒体26は、前記両裏地24同士の高周波加熱による四辺外周圧着部27、内側の部分圧着部28等の所定の圧着パターンの基にその流動が規制される状態で外装体25内に密封収納している。前記両表地23の外面側には、防かび加工を施している。また、前記四辺外周圧着部27の外側の外縁部には側地29を配置し(ヘム巻)、全周にわたって縫製加工により縫合している。
【0041】
前記ジェルを含む保冷媒体26の組成は、例えば、ジェル、ポリアクリル酸ナトリウム、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム、グリセリン、水、防カビ剤等からなものである。
【0042】
前記ハニカムメッシュ付き保冷具31は、図8乃至図10に示すように、例えば綿材、ナイロン、ポリエステル、レーヨン、麻、起毛生地、ちりめん、楊柳、タオル地等からなる表地33と、高周波加熱により溶着可能な例えばポリ塩化ビニル(PVC)等の非吸水性素材からなる裏地34とを重合した一方の被覆材と、同様な構成の表地33、裏地34からなる他方の被覆材とを前記裏地34同士が対向する配置で重ね合わせ、高周波加熱加工を施した外装体32と、この外装体32内に散在状態で密封収納したジェルを含む保冷媒体35と、を有する保冷具36と、前記保冷具36に対応するサイズに形成され、その一面に重合配置される偏平な形態の多穴弾性体37と、前記保冷具36の外装体32、多穴弾性体37の四辺外周部を覆うように縫着され、前記保冷具36、多穴弾性体37を一体化した綿材のような周辺逢着材38と、を有している。前記保冷具36は、部分圧着部36a、周辺圧着部36b、放熱用の孔36cを有している。
【0043】
前記多穴弾性体37は、多数の穴39が連続して連なる形態の矩形シート状の例えばポリエステル材又はナイロン材のような網目状表地40及び網目状裏地41を対向配置とし、前記網目状表地40、網目状裏地41の対向する網材間を各々間隔を隔て多数の弾性連結糸材42により連結することにより、前記網目状表地40、網目状裏地41間に弾性(バネ性)及び通気性を持たせた構成となっている。
【0044】
(9)温度測定の測定結果
被検者Aに関する前記3種の試験品についての前記(1)の温度測定の結果を図11の上覧、下欄に条件1、条件2に分けて示す。
【0045】
また、被検者Nに関する3種の試験品についての前記(1)の温度測定の結果を図12の上覧、下欄に条件1、条件2に分けて示す。
【0046】
被検者Aについては、本実施例1に係る2層式保冷具1の場合には、図11から明らかなように0分から60分経過までの温度上昇は、条件1の場合1.7℃、条件2の場合1.2℃であり、これに対して前記単層保冷具21の場合には、0分から60分経過までの温度上昇は、条件1の場合5.9℃、条件2の場合4.0℃である。また、前記ハニカムメッシュ付き保冷具31の場合には、条件1の場合5.3℃、条件2の場合4.2℃である。
【0047】
次に、被検者Nについては、本実施例1の2層式保冷具1の場合には、図12から明らかなように0分から60分経過までの温度上昇は、条件1の場合2.6℃、条件2の場合1.4℃であり、これに対して前記単層保冷具21の場合には、0分から60分経過までの温度上昇は、条件1の場合4.1℃、条件2の場合2.8℃である。また、前記ハニカムメッシュ付き保冷具31の場合には、条件1の場合4.2℃、条件2の場合2.8℃である。
【0048】
以上から、実施例1に係る2層式保冷具1は、他の2つの試験品(単層保冷具21、ハニカムメッシュ付き保冷具31)に比べて時間経過に伴う温度上昇が少なく、被検者に対する冷却効果が長く持続することが判明した。
【0049】
(10)サーモグラフィ表面温度測定の結果
被検者Aに関する前記3種の試験品についての前記(2)の表面温度測定の結果を図13の上覧、下欄に条件1、条件2に分けて示す。
【0050】
被検者Aについては、本実施例1に係る2層式保冷具1の場合には、使用済み直後から30分後までの温度下降は、図13の上覧、下欄及び図14の上覧、下欄に示すように、条件1の場合−2.9℃、条件2の場合−1.4℃であり、これに対して、前記単層保冷具21の場合には、条件1の場合−5.7℃、条件2の場合−4.2℃である。また、前記ハニカムメッシュ付き保冷具31の場合には、条件1の場合−6.6℃、条件2の場合−5.3℃である。
【0051】
次に、被検者Nについては、本実施例1に係る2層式保冷具1の場合には、使用済み直後から30分後までの温度下降は、図21の上覧、下欄及び図22の上覧、下欄に示すように、条件1の場合−2.4℃、条件2の場合−1.8℃であり、これに対して前記単層保冷具21の場合には、条件1の場合−6.0℃、条件2の場合−4.1℃である。また、前記ハニカムメッシュ付き保冷具31の場合には、条件1の場合−6.1℃、条件2の場合−4.2℃である。
【0052】
以上から、本実施例1の2層式保冷具1は、他の2つの試験品(単層保冷具21、ハニカムメッシュ付き保冷具31)に比べて、図13中の使用直後の温度上昇が抑えられていて温度変化(温度上昇)が少なく、2層式保冷具1自体の保冷効果に優れていることが判明した。
【0053】
図15乃至図20は、被検者Aについての3種の試験品に関するサーモグラフィ表面温度解析画像の概略を示すものである。
【0054】
すなわち、図15は単層保冷具21についての条件1における使用前、及び60分使用直後から使用後30分までの5分間隔の7枚、合計8枚の各サーモグラフィ表面温度解析画像の概略を示す。
【0055】
図16は、本実施例1に係る2層式保冷具1についての条件1における使用前、及び60分使用直後から使用後30分までの5分間隔の7枚、合計8枚の各サーモグラフィ表面温度解析画像の概略を示す。
【0056】
図17は、ハニカムメッシュ付き保冷具31についての条件1における使用前、及び60分使用直後から使用後30分までの5分間隔の7枚、合計8枚の各サーモグラフィ表面温度解析画像の概略を示す。
【0057】
図18は単層保冷具21についての条件2における使用前、及び60使用直後から使用後30分までの5分間隔の7枚、合計8枚の各サーモグラフィ表面温度解析画像の概略を示す。
【0058】
図19は、本実施例1に係る2層式保冷具1についての条件2における使用前、及び60分使用直後から使用後30分までの5分間隔の7枚、合計8枚の各サーモグラフィ表面温度解析画像の概略を示す。
【0059】
図20は、ハニカムメッシュ付き保冷具31についての条件2における使用前、及び60分使用直後から使用後30分までの5分間隔の7枚、合計8枚の各サーモグラフィ表面温度解析画像の概略を示す。
【0060】
次に、図23乃至図28は、被検者Nについての3種の試験品に関するサーモグラフィ表面温度解析画像の概略を示すものである。
【0061】
すなわち、図23は単層保冷具21についての条件1における使用前、及び60分使用直後から使用後30分までの5分間隔の7枚、合計8枚の各サーモグラフィ表面温度解析画像の概略を示す。
【0062】
図24は、本実施例1に係る2層式保冷具1についての条件1における使用前、及び60分使用直後から使用後30分までの5分間隔の7枚、合計8枚の各サーモグラフィ表面温度解析画像の概略を示す。
【0063】
図25は、ハニカムメッシュ付き保冷具31についての条件1における使用前、及び60分使用直後から使用後30分までの5分間隔の7枚、合計8枚の各サーモグラフィ表面温度解析画像の概略を示す。
【0064】
図26は単層保冷具21についての条件2における使用前、及び60使用直後から使用後30分までの5分間隔の7枚、合計8枚の各サーモグラフィ表面温度解析画像の概略を示す。
【0065】
図27は、本実施例1に係る2層式保冷具1についての条件2における使用前、及び60分使用直後から使用後30分までの5分間隔の7枚、合計8枚の各サーモグラフィ表面温度解析画像の概略を示す。
【0066】
図28は、ハニカムメッシュ付き保冷具31についての条件2における使用前、及び60分使用直後から使用後30分までの5分間隔の7枚、合計8枚の各サーモグラフィ表面温度解析画像の概略を示す。
【0067】
次に、図29を参照して本実施例1に係る2層式保冷具1の変形例である2層式保冷具1Aについて説明する。
図29に示す2層式保冷具1Aは、上述した2層式保冷具1の構成に加えて、例えば円環状で、かつ、放熱用の円形の多数の抜穴(貫通穴)Hを有する熱溶着による多数の部分圧着部7aを外装体2に付加したことが特徴である。図29には、抜穴Hを合計48個設けた例を示している。
【0068】
前記部分圧着部7a及び抜穴Hの形成方法としては、まず、外装体2に対して高周波加熱により合計で48個の部分圧着部7aを形成し、次に、各部分圧着部7aの中央部分にやはり高周波加熱により各々抜穴Hを開けるものである。
前記各部分圧着部7a、各抜穴Hの形成個数は、各々図示例に限定されるものでないことは勿論である。
【0069】
この変形例の2層式保冷具1Aによれば、上述した2層式保冷具1の場合と同様な作用、効果を発揮するとともに、前記多数の抜穴Hを設けたことによって、この抜穴Hを通じて使用者Mの身体、特に腰から肩に至る領域からの熱の放熱作用を極めて良好に行うことができ、使用者Mの使用感をより高めることができる。
【実施例2】
【0070】
次に、図30を参照して本発明の実施例2に係る2層式保冷具1Bについて説明する。
【0071】
なお、図30に示す本実施例2に係る2層式保冷具1Bにおいて、既述した実施例1に係る2層式保冷具1の場合と同一の要素には同一の符号を付し、その詳細説明は省略する。
【0072】
本実施例2に係る2層式保冷具1Bは、基本的構成を前記実施例1に係る2層式保冷具1と同様とするとともに、2層式保冷具1B自体の形状、サイズを、矩形シート状でシーツ用サイズ又は敷布団サイズ(例えば幅90cm、長さ180cm)としたことが特徴である。
本実施例2に係る2層式保冷具1Bによれば、この2層式保冷具1Bをベッドや敷布団上のシーツの上に置き、使用者Mが就寝する際に、当該使用者Mの身体、すなわち、肩、背中、腰、足にわたる領域について、上述した2層式保冷具1の場合と同様な作用、効果を発揮させることができる。
【0073】
また、本実施例2に係る2層式保冷具1Bについて、図29に示す場合と同様な放熱用の円形の多数の抜穴を有する熱溶着による多数の部分圧着部を外装体2に設けることも勿論可能であり、この場合には、この抜穴を通じて使用者Mの身体、すなわち、肩、背中、腰、足にわたる領域からの熱の放熱作用を極めて良好に行うことができ、使用者Mの使用感をより高めることができる。
【0074】
更に、本実施例2の2層式保冷具1Bによれば、外装体2のいずれを上面として使用してもよく、すなわち、リバーシブル使用が可能であり、長期間の使用に耐え得る2層式保冷具1Bとすることができる。
なお、本実施例2における2層式保冷具1Bは、ベッドや敷布団上のシーツの上に置いて使用する場合の他、これ自体を床等の上に置き単体で使用できることは勿論である。
【実施例3】
【0075】
次に、図31を参照して本発明の実施例3に係る2層式保冷具1Cについて説明する。
なお、図31に示す実施例3に係る2層式保冷具1Cにおいて、既述した実施例1に係る2層式保冷具1の場合と同一の要素には同一の符号を付し、その詳細説明は省略する。
【0076】
本実施例3に係る2層式保冷具1Cは、基本的構成を実施例1に係る2層式保冷具1と同様とするとともに、2層式保冷具1C自体の形状、サイズを、矩形シート状で枕用サイズ(例えば幅30cm、長さ40cm)としたことが特徴である。
【0077】
本実施例3に係る2層式保冷具1Cによれば、この2層式保冷具1Cをベッドや敷布団上の枕の上に置き、使用者Mが頭部を載せて就寝する際に、当該使用者Mの頭部について上述した2層式保冷具1の場合と同様な作用、効果を発揮させることができる。
【0078】
また、本実施例3に係る2層式保冷具1Cについて、図29に示す場合と同様な放熱用の円形の多数の抜穴を有する熱溶着による多数の部分圧着部を外装体2に設けることも勿論可能であり、この場合には、この抜穴を通じて使用者Mの頭部の領域からの熱の放熱作用を極めて良好に行うことができ、使用者Mの使用感をより高めることができる。
【0079】
更に、本実施例3の2層式保冷具1Cによれば、外装体2のいずれを上面として使用してもよく、すなわち、リバーシブル使用が可能であり、長期間の使用に耐え得る2層式保冷具1Cとすることができる。
【0080】
なお、本実施例3における2層式保冷具1Cは、枕の上に置いて使用する場合の他、これ自体を単体で使用できることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明の2層式保冷具は、上述したように主に就寝時に用いる他、夏場等における疲労回復用、スポーツ後の休息用等として広範な用途に適用可能である。また、本発明の2層式保冷具は、上述した場合の他、カーシート上に敷いて使用するためのカーシートサイズ、座布団上に敷いて使用するための座布団サイズ、更には、ワインを保冷するためのワイン保冷用シートサイズ等、種々の応用が可能である。
【符号の説明】
【0082】
1 2層式保冷具
1A 2層式保冷具
1B 2層式保冷具
1C 2層式保冷具
2 外装体
3 表地
4 裏地
5 仕切り材
6 外周圧着部
7 部分圧着部
7a 部分圧着部
8a 第1収容層
8b 第2収容層
9 敷物
11 第1保冷媒体
12 第2保冷媒体
13 周辺逢着材
21 単層保冷具
22a 被覆材
22b 被覆材
23 表地
24 裏地
25 外装体
26 保冷媒体
27 四辺外周圧着部
28 部分圧着部
29 側地
31 ハニカムメッシュ付き保冷具
32 外装体
33 表地
34 裏地
35 保冷媒体
36 保冷具
36a 部分圧着部
36b 周辺圧着部
36c 孔
37 多穴弾性体
38 周辺逢着材
39 穴
40 網目状表地
41 網目状裏地
42 弾性連結糸材
M 使用者
H 抜穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
布状素材からなる表地と、非吸水性素材からなる裏地とを有するシート状の2枚の被覆材同士を、前記裏地同士の間に布状素材からなるシート状の仕切り材を介在させて重ね合わせ、一方の被覆材と仕切り材との間に外周圧着部及び内部領域の部分圧着部により区画される第1収容層を、他方の被覆材と仕切り材との間に外周圧着部及び内部領域の部分圧着部により区画される第2収容層を形成して偏平な形態の2層式とした外装体と、
前記外装体内の第1収容層に流動が規制される状態で収納したジェル、ポリアクリル酸ナトリウム、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム、グリセリン、水、防カビ剤を含む第1保冷媒体と、
前記外装体内の第2収容層に流動が規制される状態で収納したジェル、塩化カルシウム六水和物を主成分とし、水、防カビ剤を含む前記第1保冷媒体より柔軟性を有する第2保冷媒体と、
を有することを特徴とする2層式保冷具。
【請求項2】
綿材、ナイロン、ポリエステル、レーヨン、麻、起毛生地、ちりめん、楊柳、タオル地のうちから選定される一方の被覆材としての矩形シート状の表地と、高周波加熱により溶着可能なポリ塩化ビニルの非吸水性素材からなる他方の被覆材としての矩形シート状の裏地とを、前記裏地同士の間に高周波加熱により溶着可能なポリ塩化ビニルの非吸水性素材からなる布状素材を用いた矩形シート状の仕切り材を介在させて重ね合わせ、一方の被覆材の裏地と仕切り材との間に外周圧着部及び内部領域の部分圧着部により区画される第1収容層を形成し、他方の被覆材の裏地と仕切り材との間に同じく外周圧着部及び内部領域の部分圧着部により区画される第2収容層を形成して2層式で偏平矩形状とした形態の外装体と、
前記外装体内の第1収容層に流動が規制される状態で収納したジェル、ポリアクリル酸ナトリウム、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム、グリセリン、水、防カビ剤を含む第1保冷媒体と、
前記外装体内の第2収容層に流動が規制される状態で収納したジェル、塩化カルシウム六水和物を主成分とし、水、防カビ剤を含む前記第1保冷媒体より柔軟性を有する第2保冷媒体と、
を有することを特徴とする2層式保冷具。
【請求項3】
綿材、ナイロン、ポリエステル、レーヨン、麻、起毛生地、ちりめん、楊柳、タオル地のうちから選定される一方の被覆材としての矩形シート状の表地と、高周波加熱により溶着可能なポリ塩化ビニルの非吸水性素材からなる他方の被覆材としての矩形シート状の裏地とを、前記裏地同士の間に高周波加熱により溶着可能なポリ塩化ビニルの非吸水性素材からなる布状素材を用いた矩形シート状の仕切り材を介在させて重ね合わせ、一方の被覆材の裏地と仕切り材との間に外周圧着部及び内部領域の部分圧着部により区画される第1収容層を形成し、他方の被覆材の裏地と仕切り材との間に同じく外周圧着部及び内部領域の部分圧着部により区画される第2収容層を形成して偏平矩形状の2層式とするとともに、シングルサイズ、シーツサイズ又は敷布団サイズ、枕サイズ、カーシートサイズ、ワイン保冷用シートサイズから選ばれるいずれかのサイズとした外装体と、
前記外装体内の第1収容層に流動が規制される状態で収納したジェル、ポリアクリル酸ナトリウム、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム、グリセリン、水、防カビ剤を含む第1保冷媒体と、
前記外装体内の第2収容層に流動が規制される状態で収納したジェル、塩化カルシウム六水和物を主成分とし、水、防カビ剤を含む前記第1保冷媒体より柔軟性を有する第2保冷媒体と、
を有することを特徴とする2層式保冷具。
【請求項4】
綿材、ナイロン、ポリエステル、レーヨン、麻、起毛生地、ちりめん、楊柳、タオル地のうちから選定される一方の被覆材としての矩形シート状の表地と、高周波加熱により溶着可能なポリ塩化ビニルの非吸水性素材からなる他方の被覆材としての矩形シート状の裏地とを、前記裏地同士の間に高周波加熱により溶着可能なポリ塩化ビニルの非吸水性素材からなる布状素材を用いた矩形シート状の仕切り材を介在させて重ね合わせ、一方の被覆材の裏地と仕切り材との間に外周圧着部及び内部領域の部分圧着部により区画される第1収容層を形成し、他方の被覆材の裏地と仕切り材との間に同じく外周圧着部及び内部領域の部分圧着部により区画される第2収容層を形成して偏平矩形状の2層式とするとともに、シングルサイズ、シーツサイズ又は敷布団サイズ、枕サイズ、カーシートサイズ、ワイン保冷用シートサイズから選ばれるいずれかのサイズとした外装体と、
前記外装体内の第1収容層に流動が規制される状態で収納したジェル、ポリアクリル酸ナトリウム、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム、グリセリン、水、防カビ剤を含む第1保冷媒体と、
前記外装体内の第2収容層に流動が規制される状態で収納したジェル、塩化カルシウム六水和物を主成分とし、水、防カビ剤を含む前記第1保冷媒体より柔軟性を有する第2保冷媒体と、
前記外装体を貫通する抜穴を有する熱溶着による多数の部分圧着部と、
を有することを特徴とする2層式保冷具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図21】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2011−218006(P2011−218006A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−91582(P2010−91582)
【出願日】平成22年4月12日(2010.4.12)
【出願人】(592103349)株式会社ヒラカワコーポレーション (12)
【Fターム(参考)】