説明

2次元コード読取装置

【課題】各種部品の目視検査等における2次元コードの読取作業効率を向上させる。
【解決手段】位置センサ50が、オペレータが移動させている液晶モジュール150が撮像可能範囲内にあることを検出する。すると、フラッシュ発光器60が発光し、CCDセンサ30が電荷の蓄積を開始する。そして、所定時間経過したら、フラッシュ発光器60は発光を終了し、CCDセンサ30は電荷の蓄積を終了する。次に、CCDセンサ30により蓄積した電荷を電気信号に変換し、この電気信号をデジタル画像データに変換する。そして、変換されたデジタル画像データから部分画像データを生成し、この部分画像データから2次元コードが指示する情報を認識する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2次元コードが指示する情報を認識する2次元コード読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
被写体に印刷された文字やバーコードなどを撮影する撮像装置がある。このような撮像装置として、特許文献1には、カバーと装置本体とを備えており、装置本体の端部とカバーの端部とがヒンジ部を介して開閉可能に接続されている撮像装置が挙げられている。この撮像装置におけるカバーは、ヒンジ部を介して0度から90度の範囲で可動し、0度と90度の位置で固定可能に構成されている。また、装置本体は、折り畳まれたカバーが当接する側面に撮像レンズを備えている。この撮像レンズによる固定焦点での接写撮影における合焦平面は、光軸方向に対して垂直でカバーを90度まで開いた状態における先端を通るように調整されている。ユーザは、カバーを90度まで開いた状態で撮影を行うことにより、撮影時のピントを合わせるための目安となるガイドとして使用する。
【0003】
【特許文献1】特開2004−347858号公報(図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、商品や部品等の様々な部材に、小面積内に多量の情報を指示することが可能な2次元コードが表示され、商製品のトレーサビリティ管理や半導体液晶パネル等の各種部品の目視検査時における個別部品の特定等、商品及び製造工程管理等の分野において用いられることが多くなっている。このような2次元コードを読み取るために、光学式の情報読取装置として2次元コード読取装置が利用される。
【0005】
特許文献1に記載された撮像装置を用いて被写体に表示された2次元コードを撮影する場合、ユーザは、被写体を机上面に載置して、撮像装置のカバーを90度に開き、カバーの先端を机上面に対して垂直に当接させて2次元コードを撮影する必要がある。これらの操作は、ユーザにとって煩雑且つ面倒な作業であり、特に被写体の2次元コードを手動にて順次読み取る場合、作業効率が低下してしまう。
【0006】
そこで、本発明の目的は、各種部品の目視検査等における2次元コードの読取作業効率が向上する2次元コード読取装置を提供することである。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0007】
本発明の2次元コード読取装置は、被写体の2次元コードを含む所定領域の像を結像する光学系と、結像した光学像の画像信号を電気信号として出力する撮像素子と、前記被写体が前記光学系の光軸に沿った方向に関する合焦位置にあることを検出する位置センサと、前記被写体が前記合焦位置にあることを検出した前記位置センサの検出出力に基づき前記撮像素子から出力された電気信号をデジタル画像データに変換する変換手段と、前記変換手段によって得られた前記デジタル画像データに基づいて、前記被写体像に含まれる前記2次元コードが指示する情報を認識する認識手段とを備えている。
【0008】
この2次元コード読取装置によると、被写体を撮像台等に載置させなくとも、被写体に表示された2次元コードを空中で撮像して、2次元コードが指示する情報を認識することが可能となる。そのため、各種部品の目視検査等における2次元コードの読取作業効率が向上する。
【0009】
また、本発明の2次元コード読取装置は、被写体を照射する光源と、前記被写体の2次元コードを含む所定領域の像を結像する光学系と、結像した光学像の画像信号を電気信号として出力する撮像素子と、前記被写体が前記光学系の光軸に沿った方向に関する合焦位置にあることを検出する位置センサと、前記被写体が前記合焦位置にあることを検出した前記位置センサの検出出力に基づいて前記光源を発光させる発光制御手段と、前記撮像素子から出力された電気信号をデジタル画像データに変換する変換手段と、前記変換手段によって得られた前記デジタル画像データに基づいて、前記被写体像に含まれる前記2次元コードが指示する情報を認識する認識手段とを備えている。
【0010】
この構成によれば、被写体が光学系の合焦位置にあることを位置センサが検出したことに応答して光源が発光し、2次元コードの読取制度が向上する。加えて、被写体が合焦位置にあることを位置センサが検出したことを、オペレータに感知させることができる。また、光源を常時発光させる必要がないため、省電力となる。
【0011】
また、前記光軸が通過する光学的に透明な窓が設けられた表面を有しており且つ前記光学系が収納された筐体をさらに備えていることが好ましい。この構成によれば、筐体に設けられた窓の位置を撮影位置の目安としてオペレータが被写体を前後左右(横方向)に移動・位置決めを行うことができるので、移動する被写体が光軸に直交する方向に関して位置センサの検出範囲から外れて、所定の撮像領域から逸脱してしまうのを未然に防止することができる。
【0012】
さらに、前記位置センサが前記光軸に対して垂直且つ前記合焦位置を含む平面に配置されていることが好ましい。この構成によれば、オペレータが目視により大凡の合焦位置(高さ位置)を知ることができるので、2次元コードの読取時の誤操作が起こりにくくなる。
【0013】
加えて、前記変換手段によって得られた前記デジタル画像データから、前記デジタル画像データよりもサイズが小さく且つ前記被写体の前記2次元コードに相当する画像に係るデータを含む部分画像データを生成する部分画像生成手段をさらに備えており、前記認識手段は、前記部分画像生成手段が生成した部分画像データに基づいて、前記被写体の前記2次元コードが指示する情報を認識することが好ましい。この構成によれば、変換手段によって得られたデジタル画像データに基づいて、被写体に表示された2次元コードが指示する情報を認識する場合に比べて、情報の認識速度が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。図1は、パーソナルコンピュータに接続された本発明の一実施形態に係る2次元コード読取装置の概略構成を示す外観図である。
【0015】
図1に示すように、2次元コード読取装置1は、被写体である対象部品150に表示された2次元コード152が指示する情報を認識する装置であり、装置本体100及びコントローラ200を備えている。装置本体100は、筐体10、反射鏡20、CCDセンサ30(撮像素子)を含む装置25、マクロレンズ40(光学系)、位置センサ50及びフラッシュ発光器60(光源)を備えている。本実施形態においては、対象部品150の一例として、液晶モジュールを用いて説明する。
【0016】
筐体10は、中空の直方体形状をしており、図1中右側の側面の下方中央に円形の開口10aを有し、上面の左方中央に矩形状の開口10bを有している。開口10bは、透明なガラス窓70によって上面から覆われている。筐体10内には、反射鏡20が配置されている。
【0017】
反射鏡20は、平面形状をしており、表面20aにおいて、開口10bから入射した光を開口10aに向かって直交方向に反射させるように、開口10bの下方に水平面に対して45度傾いて設置されている。
【0018】
装置25は、直方体形状をしており、その内部にCCDセンサ30が配置されている。また、装置25は、図1中左側の側面において円柱形状の凸部25aを有している。凸部25aは、開口10aから筐体10内に挿入されている。そして、凸部25aの先端には、マクロレンズ40が固定されている。CCDセンサ30は、受光面(図示せず)を備えており、マクロレンズ40によって受光面上に結像した光学像の光の明暗を電荷として蓄積して、その蓄積した電荷を電気信号に変換してコントローラ200に出力する。
【0019】
マクロレンズ40は、円柱形状をしており、凸部25aの先端に固定されている。したがって、マクロレンズ40は、凸部25aと同様に、開口10aから筐体10内に挿入されている。水平方向に設置されたマクロレンズ40の光軸は、反射鏡20によって直交方向に屈曲して、開口10bを通過している。マクロレンズ40は、撮像する被写体の大きさ等に合わせて、焦点位置等を合わせるように予め調整する。本実施形態においては、筐体10の上面から上方へ135mmの高さの位置が合焦位置となり、焦点深度が18mmになるように、マクロレンズ40の焦点合わせを行うとともに、後述する位置センサ50の高さ位置を調整しており、被写体である液晶モジュール150がこの合焦位置にあるときに、液晶モジュール150の光学像がCCDセンサ30の受光面上に結像することになる。
【0020】
位置センサ50は、板状の台53上に固設されている。台53は、底面を支持アーム51上に固定されている。支持アーム51の両端は、筐体10の図1中紙面直交方向の両側面において、回転可能に支持された軸52に接続されて、台53の高さ調整が可能となるように構成されるとともに、支持アーム51の台53の位置センサ50の取り付け面が水平可能に調整できるように構成されている。撮像する被写体の大きさが小さくなれば、それに応じて、被写体により近接して(焦点位置を短くして)撮像する必要があるが、そのような場合には、予め、支持アーム51を反時計方向に回動させて、位置センサ50の取り付け位置を低く設定するとともに、その位置センサ50の位置する水平面にマクロレンズ40の焦点が合うように、手動等でマクロレンズ40の焦点合わせを行うように装置を設定する。位置センサ50は、発光素子によって可視光(赤色光)を水平方向に且つ開口10bを通過しているマクロレンズ40の光軸と直交するように照射して、その反射光を受光素子によって受光することにより後述する撮像可能範囲50b内(図2参照)にある液晶モジュール150を検出し、その検出信号をコントローラ200に出力するように位置を調整されている。
【0021】
ここで、位置センサ50による液晶モジュール150の検出範囲となる撮像可能範囲について、図2を用いて説明する。図2は、位置センサ50による液晶モジュール150の検出範囲となる撮像可能範囲の説明図である。
【0022】
図2に示すように、位置センサ50は、合焦平面上に位置しており、撮像可能範囲50b内にある液晶モジュール150を検出する。撮像可能範囲50bとは、液晶モジュール150の像をCCDセンサ30の受光面上に結像する合焦位置及びその近傍の範囲(焦点深度範囲)である。この範囲内に液晶モジュール150が位置するときに、位置センサ50から照射される光が液晶モジュール150の側面で反射され、その反射光が位置センサで検知される。したがって、オペレータが液晶モジュール150を、撮像可能範囲50bを通過するように移動させる場合において、位置センサ50は液晶モジュール150が撮像可能範囲50b内に位置するときに検出信号をコントローラ200に出力する。
【0023】
図1に戻って、フラッシュ発光器60は、支持柱54の一端に固定されている。支持柱54の他端は、図1中紙面奥方向の筐体10の側面に固定されている。フラッシュ発光器60は、コントローラ200から発光開始信号が入力されたときに、筐体10に向かって例えば500μsecの間発光する。これにより、撮像可能範囲50bに位置する液晶モジュール150を照射する。なお、本実施形態においては、液晶モジュール150に付された2次元コード152は、透明ガラス面に位置しているため、上面からフラッシュ発光器60を発光させることにより照射することができるが、被写体の不透明部分に2次元コード152が設けられている場合には、下面方向にフラッシュ発光器60を設置して被写体面をフラッシュ発光により照射する必要がある。
【0024】
次に、被写体である液晶モジュール150について図3を用いて説明する。図3は、液晶モジュールの平面図である。液晶モジュール150は、液晶表示部151及び電極153を有する他、2次元コード152を有している。2次元コード152は、例えば、データマトリックス等の一辺2mmの矩形形状であり、固有の製造番号等がコード化されている。
【0025】
コントローラ200は、CCDセンサ30、位置センサ50、フラッシュ発光器60及びパーソナルコンピュータ(パソコン)300と電気的に接続されており、信号の入出力を行う。コントローラ200の各種動作の制御について図4を用いて説明する。図4は、パーソナルコンピュータに接続された2次元コード読取装置の概略構成を示すブロック図である。コントローラ200には、各種動作を制御するプログラムやデータなどが格納されたハードディスク、各種動作を制御する信号を生成するために各種演算を実行するCPU、CPUでの演算結果などのデータを一時保管するRAMなどが含まれている。
【0026】
コントローラ200は、発光制御部202、露光状態制御部203、デジタル画像データ変換部204、部分画像データ生成部205及び2次元コード情報認識部206を有している。
【0027】
発光制御部202は、フラッシュ発光器60の発光を制御する。発光制御部202は、位置センサ50によって検出信号が入力されたときに、フラッシュ発光器60に発光開始信号を出力する。これにより、フラッシュ発光器60は500μsecの間発光して、液晶モジュール150を照射する。
【0028】
露光状態制御部203は、CCDセンサ30の露光状態を制御する。露光状態制御部203は、位置センサ50によって検出信号が入力されたときに、CCDセンサ30に露光開始信号を出力する。これにより、CCDセンサ30は露光開始信号が入力されるまでに、蓄積していた電荷を破棄して、再度1msecの間だけシャッタを開いて電荷を蓄積する。そして、露光が終了したら、CCDセンサ30は電荷の蓄積を終了して、蓄積した電荷を電気信号に変換してコントローラ200に出力する。
【0029】
デジタル画像データ変換部204は、CCDセンサ30から出力された電気信号をデジタル画像データに変換する。部分画像データ生成部205は、デジタル画像データ変換部204によって変換されたデジタル画像データから液晶モジュール150の2次元コード152に相当する画像を抽出して、抽出された画像に係る部分画像データを生成する。例えば、デジタル画像データから画像を生成して、パソコン300のディスプレイ310上に表示した場合について、図5を用いて説明する。図5は、デジタル画像データから生成されてディスプレイ上に表示された画像である。
【0030】
デジタル画像データから生成された画像210は、受光面上に結像された液晶モジュール150の表面の光学像から得られたものである。撮像範囲である画像210は、2次元コード152に相当する画像を確実に撮像できるように、2次元コード152に相当する画像の領域面積の少なくとも30倍の領域面積を撮像範囲である画像210とすることが好ましく、より好ましくは50倍以上、更には100倍以上の領域面積を撮像範囲である画像210とすることが望ましい。また、通常CCDセンサ等を用いて2次元コードの読み取りを行う場合、2次元コードの1セルに4(2×2)乃至9(3×3)のCCD素子(ピクセル)数を対応付けることで認識精度の向上を図っている。
【0031】
以上のような視点より、例えば1×2mmの寸法の2次元コード152に相当する画像を認識するに際し、30万画素のCCDセンサを用いた場合、撮像範囲である画像210が10×7mmの寸法になるように設定し、2次元コード152に相当する画像の領域面積の35倍の領域面積を撮像範囲である画像210としている。また、100万画素のCCDセンサを用いた場合、撮像範囲である画像210が12.5×12.5mmの寸法になるように設定し、2次元コード152に相当する画像の領域面積の78倍の領域面積を撮像範囲である画像210としている。更に、400万画素のCCDセンサを用いた場合、撮像範囲である画像210は、25×25mmになるように設定し、2次元コード152に相当する画像の領域面積の312倍の領域面積を撮像範囲である画像210としている。このように設定することにより、1点鎖線で囲まれた領域210a内の例えば1×2mmの寸法の2次元コード152に相当する画像を、所定の解像度で確実に撮像することが出来る。また、この2次元コード152を含んだ領域を部分画像データ生成部205によって抽出したものが、部分画像データとなる。
【0032】
図4に戻って、2次元コード情報認識部206は、部分画像データ生成部205によって生成された部分画像データに基づいて、液晶モジュール150の2次元コード152が指示する情報を認識する。具体的には、この2次元コード情報認識部206は、2次元コード152が指示する固有の製造番号等を認識する。
【0033】
パソコン300は、制御部301、ディスプレイ310、キーボード320及びマウス330を有している。ここで、制御部301には、各種動作を制御するプログラムやデータなどが格納されたハードディスク、各種動作を制御する信号を生成するために各種演算を実行するCPU、CPUでの演算結果などのデータを一時保管するRAMなどが含まれている。
【0034】
制御部301は、表示制御部302を有している。また、制御部301には、ディスプレイ310、キーボード320及びマウス330がそれぞれ接続されている。表示制御部302は、2次元コード情報認識部206によって認識された2次元コードが指示する情報である固有の製造番号等をディスプレイ310に表示させる。
【0035】
次に、2次元コード読取装置1の動作について、図6を用いて説明する。図6は、2次元コード読取装置1の制御シーケンスを示すフローチャートである。
【0036】
まず、位置センサ50が、オペレータが移動させている液晶モジュール150が撮像可能範囲50b内にあることを検出する(A1)。位置センサ50によって、液晶モジュール150が撮像可能範囲50b内にあることを検出すると、シャッタが1msecの期間開となり露光が行われる(A3)とともに、フラッシュ発光器60は500μsecの間発光し(A2)、CCDセンサ30は1msecの間電荷の蓄積を行う。そして、CCDセンサ30により蓄積した電荷を電気信号に変換し(A4)、この電気信号をデジタル画像データに変換する(A5)。そして、変換されたデジタル画像データから部分画像データを生成し(A6)、この部分画像データから、従来公知の認識方法により2次元コードが指示する情報を認識する(A7)。最後に、認識された情報をパソコン300に送信する(A8)。
【0037】
以上のように、本実施形態に係る2次元コード読取装置1によると、液晶モジュール150を載置台等に載置させなくとも、液晶モジュール152に表示された2次元コード152を空中で撮像して、2次元コードが指示する情報を認識することが可能となる。そのため、各種部品の目視検査等における2次元コードの読取作業効率が向上する。
【0038】
また、液晶モジュール150を照射するフラッシュ発光器60を備えていることにより、明るく鮮明な2次元コード152に相当する画像を得ることができるので、2次元コード152が指示する情報の誤認識が減少する。
【0039】
さらに、位置センサ50によって液晶モジュール150が撮像可能範囲50b内にあることを検出したときだけ、フラッシュ発光器60を発光させることにより、液晶モジュール150が撮像可能範囲50b内にあることを位置センサ50が検出したことを、オペレータに感知させることができる。また、フラッシュ発光器60を常時発光させる必要がないため、省電力となる。
【0040】
加えて、筐体10にガラス窓70が設けられていることにより、ガラス窓70の位置を撮影位置の目安としてオペレータが液晶モジュール150を前後左右方向(横方向)に移動・位置決めを行うことができるので、移動する液晶モジュール150が光軸に直交する方向に関して位置センサ50の検出範囲から外れて、所定の撮像領域から逸脱してしまうのを未然に防止することができる。また、筐体10内にホコリや塵が混入するのを防止することができる。
【0041】
また、位置センサ50が光軸に直交し且つ合焦平面に配置されていることにより、オペレータが目視により大凡の撮像可能範囲50b(高さ位置)を知ることができるので、2次元コードの読取時の誤操作が起こりにくくなる。
【0042】
さらに、部分画像生成部205によって生成された部分画像データに基づいて、2次元コード情報認識部206によって、液晶モジュール150に表示された2次元コード152が指示する情報を認識することにより、デジタル画像データ変換部204によって得られたデジタル画像データに基づいて、液晶モジュール150に表示された2次元コードが指示する情報を認識する場合に比べて、情報の認識速度が向上する。
【0043】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能なものである。例えば、本実施形態においては、位置センサ50によって液晶モジュール150撮像可能範囲50b内にあることを検出したときにのみ、フラッシュ発光器60を発光させていたが、常時フラッシュ発光器60を発光させていてもよい。
【0044】
また、本実施形態において、CCDセンサ30は常時電荷を蓄積しており、露光開始信号が入力されたときに蓄積していた電荷を破棄して、再度電荷を蓄積していたが、メカニカルシャッターを開閉させることによって、露光開始信号が入力されて、露光開始信号が入力されるまでの間のみ電荷を蓄積するようにしてもよい。
【0045】
加えて、本実施形態においては、撮像素子としてCCDセンサ30を用いたが、CCDセンサ30に限らず、CMOSセンサなど他の撮像素子を用いてもよい。
【0046】
また、本実施形態においては、反射鏡20を用いて光軸を直交方向に屈曲させていたが、直交方向に限らず、液晶モジュール150の像をCCDセンサ30の受光面上に結像することができるならば、いかなる方向に屈曲させてもよい。また、反射鏡20を用いなくてもよい。
【0047】
さらに、本実施形態においては、液晶モジュール150を照射するために、フラッシュ発光器60を備えていたが、フラッシュ発光器60を備えていなくてもよい。
【0048】
加えて、本実施形態においては、部分画像データ生成部205によってデジタル画像データから液晶モジュール150の2次元コード152に相当する画像を部分画像データとして抽出して、この部分画像データから2次元コード152が指示する情報を認識していたが、部分画像データ生成部205を備えずに、デジタル画像データから2次元コード152が指示する情報を認識してもよい。
【0049】
また、本実施形態においては、位置センサ50は、合焦平面上に位置していたが、合焦平面に限らず、いかなる位置から液晶モジュールを検出してもよい。
【0050】
さらに、本実施形態において、液晶モジュール152の位置検出方法として、位置センサ50を合焦平面上に設置していたが、液晶モジュール152の位置検出方法はこれに限るものではない。例えば、図7(a)に示すように、筐体10の左方端部における上方前後端部から交差するように支柱401、402を設けて、この支柱401、402の両端に、一端が固定された腕木405、406、407、408が設ける。そして、腕木406、407に発光素子420及び腕木405、408に受光素子410を設ける。腕木406の発光素子420から発光した光は、腕木408の受光素子410によって受光される。腕木407の発光素子420から発光した光は、腕木405の受光素子410によって受光される。図7(c)に示すように、腕木406の発光素子420から発光されて、腕木408の受光素子410によって受光される光と、腕木407の発光素子420から発光されて、腕木405の受光素子410によって受光される光とは交差せずに、対象部品の幅寸法だけ図7(c)中上下方向に離れている。そして、マクロレンズ40の焦点深度において、液晶モジュール152が2つの発光素子420の光を遮断するように設定する。この状態で液晶モジュール152が2つの発光素子420の光を遮断したときにのみ露光状態制御部203が露光開始信号を出力する。これにより、位置センサ50を1つ設けている場合に比べて、2次元コードが指示する情報の誤認識がさらに減少する。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】パーソナルコンピュータに接続された本発明の一実施形態に係る2次元コード読取装置の概略構成を示す外観図である。
【図2】位置センサによる液晶モジュールの位置検出範囲の説明図である。
【図3】液晶モジュールの平面図である。
【図4】パーソナルコンピュータに接続された2次元コード読取装置の概略構成を示すブロック図である。
【図5】デジタル画像データから得られた画像である。
【図6】2次元コード読取装置の制御シーケンスを示すフローチャートである。
【図7(a)】2次元コード読取装置の概略構成を示す斜視図である。
【図7(b)】2次元コード読取装置の概略構成を示す平面図である。
【図7(c)】2次元コード読取装置の概略構成を示す上面図である。
【符号の説明】
【0052】
1 2次元コード読取装置
10 筐体
30 CCDセンサ
40 マクロレンズ
50 位置センサ
60 フラッシュ発光器
150 液晶モジュール
202 発光制御部
204 デジタル画像データ変換部
205 部分画像データ生成部
206 2次元コード情報認識部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体の2次元コードを含む所定領域の像を結像する光学系と、
結像した光学像の画像信号を電気信号として出力する撮像素子と、
前記被写体が前記光学系の光軸に沿った方向に関する合焦位置にあることを検出する位置センサと、
前記被写体が前記合焦位置にあることを検出した前記位置センサの検出出力に基づき前記撮像素子から出力された電気信号をデジタル画像データに変換する変換手段と、
前記変換手段によって得られた前記デジタル画像データに基づいて、前記被写体像に含まれる前記2次元コードが指示する情報を認識する認識手段とを備えていることを特徴とする2次元コード読取装置。
【請求項2】
被写体を照射する光源と、
前記被写体の2次元コードを含む所定領域の像を結像する光学系と、
結像した光学像の画像信号を電気信号として出力する撮像素子と、
前記被写体が前記光学系の光軸に沿った方向に関する合焦位置にあることを検出する位置センサと、
前記被写体が前記合焦位置にあることを検出した前記位置センサの検出出力に基づいて前記光源を発光させる発光制御手段と、
前記撮像素子から出力された電気信号をデジタル画像データに変換する変換手段と、
前記変換手段によって得られた前記デジタル画像データに基づいて、前記被写体像に含まれる前記2次元コードが指示する情報を認識する認識手段とを備えていることを特徴とする2次元コード読取装置。
【請求項3】
前記光軸が通過する光学的に透明な窓が設けられた表面を有しており且つ前記光学系が収納された筐体をさらに備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の2次元コード読取装置。
【請求項4】
前記位置センサが前記光軸に対して垂直且つ前記合焦位置を含む平面に配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の2次元コード読取装置。
【請求項5】
前記変換手段によって得られた前記デジタル画像データから、前記デジタル画像データよりもサイズが小さく且つ前記被写体の前記2次元コードに相当する画像に係るデータを含む部分画像データを生成する部分画像生成手段をさらに備えており、
前記認識手段は、前記部分画像生成手段が生成した部分画像データに基づいて、前記被写体の前記2次元コードが指示する情報を認識することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の2次元コード読取装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7(a)】
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【図7(b)】
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【図7(c)】
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