説明

2次元信号変換装置、2次元信号変換方法、制御プログラム、及び制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体

【課題】ページ内に輝度ムラが存在する2次元再生信号のレベルを規格化することによって、輝度ムラを低減する。
【解決手段】2次元信号変換装置10は、1または複数の2次元変調の符号ブロックに対応する2次元再生信号の単位で、2次元再生信号をグループ分けするブロック集合化回路3と、2次元再生信号のレベル値を、ブロック集合化回路3によって分けられたグループ毎に合算した合計値を算出する合計値計算回路4と、2次元再生信号のレベル値を、当該2次元再生信号が属するグループに対して合計値計算回路4によって算出された合計値に基づいて、規格化することにより2次元再生信号を変換する除算回路5と、を備える。これにより、2次元再生信号内の輝度ムラを低減することができるので、その結果、復号時のエラーレートを低く抑えることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホログラムメモリなどディジタル情報を2次元的に記録再生する光メモリシステムに好適に適用できる2次元信号変換装置、2次元信号変換方法、制御プログラム、及び制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、ホログラフィを用いて情報を2次元的に、すなわちページデータとして記録し再生するホログラムメモリが、次世代の高密度記録再生システムとして脚光を浴びつつある。
【0003】
図8を参照しながら、ホログラムメモリシステムの概要について説明する。図8は、ホログラムメモリシステムの概要を模式的に示す図である。図8に示すように、このシステムでは、情報データを記録する場合には、複数の画素よりなる空間光変調器60(例えば液晶パネルやDMD(Digital Micromirror Device)など)を用いて、記録すべき情報データに基づいて記録信号光を空間光変調し、レンズ61を通した記録信号光とコヒーレントな記録参照光とを干渉させることにより2次元的な干渉縞を生成し、この干渉縞により形成される像を2次元情報としてホログラム媒体62に記録する。
【0004】
ここで、ホログラム媒体62としては、ニオブ酸リチウムに代表される無機系のフォトリフラクティブ結晶を用いた書き換え型媒体や、有機高分子材料であるフォトポリマーを用いた追記型媒体がある。
【0005】
一方、記録された干渉縞をホログラム媒体62から読み出すことにより情報データを再生する場合には、ホログラム媒体62に対して記録参照光と同じ入射角度にて再生参照光を照射して生成される反射光あるいは透過光を、レンズ63を通して複数の画素を有する受光素子64(例えばCCDやCMOSセンサなど)により受光して再生信号を生成し、該生成された再生信号を用いて元の情報データを再生する。
【0006】
なお、上記のようにして得られた2次元的な再生信号は、信号の2次元波形を示していると捉えることもできる。また、上記2次元的な再生信号のうちある方向に沿って配列された再生信号は、信号の1次元波形を示していると捉えることもできる。このように、再生信号を波形と捉えて「再生波形信号」と称する場合もある。
【0007】
このように上記システムでは、2次元のページデータ単位で再生が行われるため、1次元で再生を行う従来の光ディスクよりも大幅に再生速度を向上させることが可能となる。
【0008】
(しきい値検出方法)
2次元再生信号を2値化して元のバイナリ情報ビットを復号する最も一般的な手法はしきい値検出方式である。しきい値検出方式においては、再生信号のレベルを所定のしきい値であるスライスレベルと比較し、スライスレベルよりも大きければ”1”、小さければ”0”と判定して、復号ビットとして出力する。
【0009】
(判定帰還ビタビ復号法)
しかし、ホログラムメモリシステムにおいては、その記録過程及び再生過程において種々の雑音が混入する(特に、記録媒体の不均質性に起因して雑音が発生する場合が多い)ことがあり、この雑音の影響によってSN比が低下したり、隣接する画素からの再生信号の影響、すなわち画素間干渉の発生などがあり、しきい値検出方式では正確に元の情報ビットを復号できない場合がある。
【0010】
そこで、雑音及び画素間干渉の影響を抑制して正確に情報ビットを復号する手法として、受光素子から出力される再生信号に対してビタビ復号処理を行う手法が研究されており、その一手法として、判定帰還ビタビ復号法(Decision Feedback Viterbi Algorithm)が開発されている(特許文献1参照)。
【0011】
上記判定帰還ビタビ復号法は、ページデータの横方向(行方向)に沿ってビタビ復号を行うことにより1行ずつ復号ビットを決定する処理を1行ずつ下(列方向)にずらしながら行い、その際、直前の復号結果(フィードバック行)を次行のビタビ復号に利用する判定帰還を行う点が特徴である。
【0012】
従来の判定帰還ビタビ復号法について図9及び図10を用いてその概要を説明する。画素間干渉を図9のような3行3列の行列で表される2次元インパルス応答hとして想定すると、トレリス状態は2行2列の行列として定義され、トレリス線図は図10のように表現される。なお、「2次元インパルス応答」とは、単位インパルス信号(1ビットのみの信号レベルが1であり、それ以外のビットの信号レベルが全て0であるような2次元ビット行列)を線形システムに入力したときの出力信号を意味する。図9の2次元インパルス応答hでは、中心の画素だけでなく周辺の隣接画素においても信号レベルが生じており、画素間干渉の発生が想定されていることが分かる。
【0013】
トレリス状態を[k,l;m,n]([k,l;m,n]は、行ベクトル[k,l]及び[m,n]を列方向に並べた行列を意味する。以下においてもこの表記に準じて行列を表記する。)で表記すると、k、l、m、nはいずれも0又は1なので、2の4乗、すなわち16種類のトレリス状態が存在する。
【0014】
各トレリス状態から次のトレリス状態へのブランチは4本ずつあり、各トレリス状態へ入力するブランチも4本ずつある。各ブランチが想定する想定値(「想定波形レベル」ともいう。)は、ブランチに繋がる2つのトレリス状態を結合した2行3列の行列に、その1つ上のフィードバック行(フィードバック行の詳細は後述)を結合させた3行3列の行列によって決定される。
【0015】
例えば[0,0;0,1]から[0,1;1,0]へのブランチが想定するレベルは、その1つ上のフィードバック行が[1,1,0]であったとすると、行列[1,1,0;0,0,1;0,1,0]によって決定される。具体的には、インパルス応答hと行列[1,1,0;0,0,1;0,1,0]との2次元畳み込み演算によって求まる「0.22」がこのブランチの想定値となる。ここで2次元畳み込み演算とは、一方の行列、例えば行列[1,1,0;0,0,1;0,1,0]、の行及び列の順序を逆転させた行列[0,1,0;1,0,0;0,1,1]と、他方の行列、例えばインパルス応答h、との各要素同士を乗算し、それらの和を計算することである。
【0016】
ビタビ復号処理は、左から右へ行方向に行われる。再生信号を行方向に走査することによって得られる再生波形信号と各ブランチの想定波形レベルとの2乗誤差をブランチメトリック、各トレリス状態に至るパスの累積ブランチメトリックをパスメトリックとし、各トレリス状態に入力する4本のパスのうちパスメトリックが最小のものを生き残りパスとして残す。
【0017】
これを行方向に繰り返すと、所定時間だけ前(左方向)に遡れば生き残りパスが1本に収束しているので、これを正解パスとして決定していく(この「所定時間」はパスメモリ長と呼ばれる)。この過程は従来の1次元ビタビ復号と原理的に同じなので詳細な説明は省略するが、1次元ビタビ復号と異なるのは、1次元だと正解パスがビット系列そのものに対応するのに対し、2次元では正解パスが行列になるので複数のビット行(上記例では2行)に対応する点である。
【0018】
この2行のビット行のうち、2行目は3行目以降のビット行からの影響を考慮していない、すなわち画素間干渉の影響を部分的にしか考慮しておらず信頼性に乏しいため、上下左右からの波形干渉が全て考慮に入れられてビタビ復号される1行目のみが復号ビットとして出力される。
【0019】
上記のような行方向のビタビ復号によって得られるのは1行分のビット行なので、ページデータ全体を復号するためには、この処理を1行ずつ列方向(下方向)にずらしながら繰り返す。
【0020】
ここで判定帰還の考え方が導入される。判定帰還は、1つ上の行の復号結果をフィードバック行として次の行のビタビ復号に反映させる手法であり、具体的には上記で説明したように、次の行のブランチの想定波形レベルを決める処理に用いることによって反映している。
【0021】
判定帰還の手順をもう少し詳しく説明する。受光素子64の最上端の行で受光した再生波形信号に基づいて再生するときは、当該最上端の行のさらに上の行における受光量が0であると見なせるので、最上行からの再生波形信号に基づいて再生するときには、フィードバック行を全て0とする。
【0022】
次に、上から2行目からの再生波形信号に基づいて再生するときは、1行目(最上端の行)では正確にビット行が復号されたと仮定し、これをフィードバック行として2行目の復号に用いる。
【0023】
更に、上から3行目の行からの再生波形信号に基づいて再生するときは、2行目の行では正確にビット行が復号されたと仮定し、これをフィードバック行として3行目の復号に用いる。
【0024】
このように、現在の復号対象行の1つ上の行では正確に復号処理がなされたと仮定して、1つ上の行の影響を考慮に入れつつ(すなわち列方向の判定帰還を行い)現在の行からの再生波形信号についてビタビ復号を行っているので、列方向の画素間干渉の影響をより考慮に入れたビタビ復号処理が実行されており、行方向のみの再生波形の変化を用いた従来の1次元ビタビ復号処理に比べて、より正確な復号処理ができる。
【0025】
(差分検出法)
一方、従来のホログラムメモリシステムにおいては、差分検出法と呼ばれる検出方法が開示されている(特許文献2参照)。
【0026】
差分検出法は、定重み符号と呼ばれる変調方式を用いて2次元変調されたページデータの2次元再生信号を復号する際に使用されるものである。代表的な定重み符号としては、符号ブロックが2つの画素からなる1:2符号や、符号ブロックが2×2、すなわち4つの画素からなる2:4符号などがある。
【0027】
(2:4符号)
図11を参照しながら、2:4符号について説明する。図11に示す2:4符号の場合、4つのビットのうち1ビットだけが’1’、残りの3ビットが’0’であるような符号ブロックに符号化される。したがって、このような符号ブロックは図11に示すように4種類ある。すなわち、[1,0;0,0]、[0,1;0,0]、[0,0;1,0]及び[0,0;0,1]の4種類である([k,l;m,n]は、行ベクトル[k,l]及び[m,n]を列方向に並べた行列を意味するものとする。以下においてもこの表記に準じて行列を表記する)。そして、2ビットの情報ビット(2の2乗、すなわち4通り)を変調して4ビットの符号ブロックに変換することから、2:4符号と呼ばれる。図11では、2ビットの情報ビット「00」を[1,0;0,0]に、2ビットの情報ビット「01」を[0,1;0,0]に、2ビットの情報ビット「10」を[0,0;1,0]に、2ビットの情報ビット「11」を[0,0;0,1]に変換している。
【0028】
差分符号においては、論理値「1」は明画素(受光素子上の対応する画素が明るい点となる)に、また、論理値「0」は暗画素(受光素子上の対応する画素が暗い点となる)に対応してホログラム媒体に記録される。差分検出方式では、各符号ブロックの再生信号の4画素のうち最も輝度が高い画素、すなわち再生信号レベルが最も大きい画素を「1」と判定し、それ以外の画素を「0」と判定することによって復号ビットが決定される。
【特許文献1】米国特許第5、740、184号明細書(1998年4月14日発行)
【特許文献2】特開平9−197947号公報(平成9年7月31日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0029】
ホログラムメモリにおいては、記録媒体や光学系の欠陥に起因して、回折像内での回折強度ムラによるページ内の輝度ムラが存在することがある。図12に輝度ムラが存在するホログラムメモリ再生信号の一例を示す。図12の再生信号では、同心円状に輝度ムラが発生しており、ページの中心部分の明るさに比べて、ページの周辺部分が暗くなっている。このような輝度ムラがあると、ビタビ復号を行っても、所定の2次元インパルス応答から求める各ブランチの想定レベルに対して再生信号のレベルがページ内で変動するため、誤った二値化を行う確率が高くなり、ビットエラーが多く発生するという問題があった。
【0030】
一方、差分検出は符号ブロック内の4画素の再生信号レベルの相対的な大小に基づいて復号ビットを決定するので、原理的に輝度ムラに強いという特徴がある。しかしながら差分検出はビタビ復号法のように画素間干渉の影響を十分に抑制できる復号方法ではないため、ホログラムメモリを高密度化することが困難であった。
【0031】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ページ内に輝度ムラが存在する2次元再生信号のレベル値を規格化することによって、輝度ムラを低減する2次元信号変換装置、2次元信号変換方法、制御プログラム、及び制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0032】
上記課題を解決するために、本発明に係る2次元信号変換装置は、少なくとも一部が定重み符号で2次元変調されたページデータから得られる2次元再生信号を変換する2次元信号変換装置であって、1または複数の上記2次元変調の符号ブロックに対応する上記2次元再生信号の単位で、上記2次元再生信号をグループ分けする2次元信号グループ化手段と、上記2次元再生信号のレベル値を、上記2次元信号グループ化手段によって分けられた上記グループ毎に合算した合計値を算出する再生信号レベル算出手段と、上記2次元再生信号のレベル値を、当該2次元再生信号が属するグループに対して上記再生信号レベル算出手段によって算出された合計値に基づいて、規格化することにより上記2次元再生信号を変換する再生信号レベル規格化手段と、を備えることを特徴としている。
【0033】
また、本発明に係る2次元信号変換方法は、少なくとも一部が定重み符号で2次元変調されたページデータから得られる2次元再生信号を変換する2次元信号変換方法であって、1または複数の上記2次元変調の符号ブロックに対応する上記2次元再生信号の単位で、上記2次元再生信号をグループ分けする2次元信号グループ化ステップと、上記2次元再生信号のレベル値を、上記2次元信号グループ化ステップによって分けられた上記グループ毎に合算した合計値を算出する再生信号レベル算出ステップと、上記2次元再生信号のレベル値を、当該2次元再生信号が属するグループに対して上記再生信号レベル算出ステップによって算出された合計値に基づいて、規格化することにより上記2次元再生信号を変換する再生信号レベル規格化ステップと、を含むことを特徴としている。
【0034】
上記の構成によれば、ページデータから得られる各2次元再生信号を、上記符号ブロックに対応する上記2次元再生信号の単位でグループ分けし、グループ毎の2次元再生信号のレベル値の合計値を算出し、上記合計値に基づき各2次元再生信号をグループ毎に規格化することができる。
【0035】
よって、ページデータから得られる2次元再生信号に輝度ムラが存在する場合であっても、2次元再生信号を規格化するので、結果として輝度ムラを低減することができる。さらに、少ない符号ブロックに対応する上記2次元再生信号の単位でグループ分けすることができるため、その場合は、周波数の高い(変動サイクルの小さい)輝度ムラも低減することができる。
【0036】
したがって、ページデータから得られる2次元再生信号に輝度ムラが存在する場合であっても、復号時のエラーレートを低く抑えることができるという効果を奏する。また、少ない符号ブロックに対応する上記2次元再生信号の単位でグループ分けする場合には、上記合計値を算出する回路規模を小さくすることができるという効果を奏する。
【0037】
さらに、本発明に係る2次元信号変換装置は、上記の構成において、上記再生信号レベル規格化手段は、上記2次元再生信号のレベル値を、当該2次元再生信号が属するグループに対して上記再生信号レベル算出手段によって算出された合計値で除算することによって、上記規格化を行う構成としてもよい。
【0038】
上記の構成によれば、2次元再生信号のレベル値を、当該2次元再生信号が属するグループにおける2次元再生信号のレベル値の合計値で除算することによって、上記規格化を行うことができる。
【0039】
よって、輝度ムラが振幅変動として現れている場合、2次元再生信号を上記合計値の除算で規格化することにより、効果的に輝度ムラを低減することができる。
【0040】
したがって、ページデータから得られる2次元再生信号の輝度ムラが振幅変動として現れている場合であっても、復号時のエラーレートを低く抑えることができるという効果を奏する。
【0041】
さらに、本発明に係る2次元信号変換装置は、上記の構成において、上記再生信号レベル規格化手段は、上記2次元再生信号のレベル値から、当該2次元再生信号が属するグループに対して上記再生信号レベル算出手段によって算出された合計値を所定値で除算した値を減算することによって、上記規格化を行う構成としてもよい。
【0042】
上記の構成によれば、2次元再生信号のレベル値から、当該2次元再生信号が属するグループにおける2次元再生信号のレベル値の合計値を所定値で除算した値を減算することによって、上記規格化を行うことができる。
【0043】
よって、輝度ムラがオフセット変動として現れている場合、2次元再生信号を合計値を所定値で除算したオフセット値の減算で規格化することにより、効果的に輝度ムラを低減することができる。
【0044】
したがって、ページデータから得られる2次元再生信号の輝度ムラがオフセット変動として現れている場合であっても、復号時のエラーレートを低く抑えることができるという効果を奏する。
【0045】
さらに、本発明に係る2次元信号変換装置は、上記の構成において、上記再生信号レベル規格化手段は、上記2次元再生信号のレベル値を、当該2次元再生信号が属するグループに対して上記再生信号レベル算出手段によって算出された合計値で除算した値から、上記合計値を所定値で除算した値を減算することによって、上記規格化を行う構成としてもよい。
【0046】
上記の構成によれば、2次元再生信号のレベル値を、当該2次元再生信号が属するグループにおける2次元再生信号のレベル値の合計値で除算した値から、上記合計値を所定値で除算した値を減算することによって、上記規格化を行うことができる。
【0047】
よって、輝度ムラがオフセット変動と振幅変動との複合として現れている場合、2次元再生信号を合計値を所定値で除算したオフセット値の減算、及び合計値での除算で規格化することにより、効果的に輝度ムラを低減することができる。
【0048】
したがって、ページデータから得られる2次元再生信号の輝度ムラが、オフセット変動と振幅変動との複合として現れている場合であっても、復号時のエラーレートを低く抑えることができるという効果を奏する。
【0049】
またさらに、本発明に係る2次元信号変換装置は、上記の構成において、上記再生信号レベル規格化手段は、上記2次元再生信号のレベル値から、当該2次元再生信号が属するグループに対して上記再生信号レベル算出手段によって算出された合計値を所定値で除算した値を減算した値を、上記合計値で除算することによって、上記規格化を行う構成としてもよい。
【0050】
上記の構成によれば、2次元再生信号のレベル値を、当該2次元再生信号が属するグループにおける2次元再生信号のレベル値の合計値を所定値で除算したオフセット値を減算した値を、上記合計値で除算することによって、上記規格化を行うことができる。
【0051】
よって、輝度ムラがオフセット変動と振幅変動との複合として現れている場合、2次元再生信号を、合計値を所定値で除算したオフセット値の減算、及び合計値での除算で規格化することにより、効果的に輝度ムラを低減することができる。
【0052】
したがって、ページデータから得られる2次元再生信号の輝度ムラが、オフセット変動と振幅変動との複合として現れている場合であっても、復号時のエラーレートを低く抑えることができるという効果を奏する。
【0053】
さらに、本発明に係る2次元信号変換装置は、上記の構成において、上記ページデータは、上記ページデータ上の上記符号ブロックの位置の基準となる同期パターンを含んでおり、上記2次元再生信号から上記同期パターンの再生信号を検出するための同期パターン検出手段を更に備え、上記2次元信号グループ化手段が、上記2次元再生信号上の、上記同期パターンの再生信号の位置に基づいて、上記グループ分けの対象となる2次元再生信号の位置を認識し、当該2次元再生信号をグループ分けする構成とすることが好ましい。
【0054】
上記の構成によれば、検出が容易に行える同期パターンの再生信号の位置を基準に、2次元変調されたページデータに対応する2次元再生信号の位置を認識し、グループ分けすることができる。
【0055】
よって、再生信号に輝度ムラがある場合にも、2次元再生信号のグループ分けを誤りなく容易に行うことができる。
【0056】
したがって、本発明に係る2次元信号変換装置の回路構成を複雑にすることなく、より確実に輝度ムラを低減することができるという効果を奏する。
【0057】
さらに、本発明に係る2次元信号変換装置は、上記再生信号レベル規格化手段によって上記規格化された2次元再生信号を、ビタビ復号するビタビ復号手段をさらに備えることが好ましい。
【0058】
上記の構成によれば、上記規格化された2次元再生信号を、画素間干渉の影響を抑制することができるビタビ復号をすることができる。
【0059】
よって、2次元再生信号の輝度ムラの影響と画素間干渉の影響との両方を抑制することができる。
【0060】
したがって、2次元再生信号に輝度ムラと画素間干渉とが現れている2次元再生信号に対しても、エラーレートの低い二値化を可能とするとともに、ホログラムメモリの更なる高密度化を実現できるという効果を奏する。
【0061】
なお、上記2次元信号変換装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記各手段として動作させることにより上記2次元信号変換装置をコンピュータにて実現させる制御プログラム、及び上記制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0062】
以上のように、本発明に係る2次元信号変換装置は、少なくとも一部が定重み符号で2次元変調されたページデータから得られる2次元再生信号を変換する2次元信号変換装置であって、1または複数の上記2次元変調の符号ブロックに対応する上記2次元再生信号の単位で、上記2次元再生信号をグループ分けする2次元信号グループ化手段と、上記2次元再生信号のレベル値を、上記2次元信号グループ化手段によって分けられた上記グループ毎に合算した合計値を算出する再生信号レベル算出手段と、上記2次元再生信号のレベル値を、当該2次元再生信号が属するグループに対して上記再生信号レベル算出手段によって算出された合計値に基づいて、規格化することにより上記2次元再生信号を変換する再生信号レベル規格化手段と、を備えることを特徴としている。
【0063】
また、本発明に係る2次元信号変換方法は、少なくとも一部が定重み符号で2次元変調されたページデータから得られる2次元再生信号を変換する2次元信号変換方法であって、1または複数の上記2次元変調の符号ブロックに対応する上記2次元再生信号の単位で、上記2次元再生信号をグループ分けする2次元信号グループ化ステップと、上記2次元再生信号のレベル値を、上記2次元信号グループ化ステップによって分けられた上記グループ毎に合算した合計値を算出する再生信号レベル算出ステップと、上記2次元再生信号のレベル値を、当該2次元再生信号が属するグループに対して上記再生信号レベル算出ステップによって算出された合計値に基づいて、規格化することにより上記2次元再生信号を変換する再生信号レベル規格化ステップと、を含むことを特徴としている。
【0064】
よって、ページデータから得られる2次元再生信号に輝度ムラが存在する場合であっても、2次元再生信号を規格化するので、結果として輝度ムラを低減することができる。さらに、少ない符号ブロックに対応する上記2次元再生信号の単位でグループ分けすることができるため、その場合は、周波数の高い(変動サイクルの小さい)輝度ムラも低減することができる。
【0065】
したがって、ページデータから得られる2次元再生信号に輝度ムラが存在する場合であっても、復号時のエラーレートを低く抑えることができるという効果を奏する。また、少ない符号ブロックに対応する上記2次元再生信号の単位でグループ分けする場合には、上記合計値を算出する回路規模を小さくすることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0066】
[実施の形態1]
本発明の第1の実施の形態について図1から図5に基づいて説明する。
【0067】
(システム構成)
図1は、本実施の形態に係る2次元信号変換装置10を備えるホログラムメモリ再生システム20の構成を示すブロック図である。ホログラムメモリ再生システム20は、ホログラムメモリ再生装置1及び2次元信号変換装置10を備えている。2次元信号変換装置10は、同期パターン検出回路(同期パターン検出手段)2、ブロック集合化回路(2次元信号グループ化手段)3、合計値計算回路(再生信号レベル算出手段)4、除算回路(再生信号レベル規格化手段)5、バッファメモリ6、ビタビ復号回路(ビタビ復号手段)7を備えている。
【0068】
ホログラムメモリ再生装置1は、背景技術の欄において図8に基づいて説明したシステムのうち再生側の構成に相当しており、干渉縞として情報が記録されたホログラム媒体に対して再生参照光を照射することにより生成される反射光あるいは透過光(コヒーレント光)を、レンズを通して複数の画素を有する受光素子(例えばCCDやCMOSセンサなど)によって受光して2次元の再生信号を生成する装置である。
【0069】
なお、背景技術の欄において述べたとおり、再生信号を波形と捉えて「再生波形信号」と称することもある。
【0070】
図2は、本実施の形態の図示しないホログラム媒体に記録されているページデータ50のフォーマットを示す図である。本実施の形態の図示しないホログラム媒体には、図2に示すようにフォーマットされた102行×102列の画素からなる2次元のページデータ50が記録されている。
【0071】
ページデータ50の各画素は、明画素及び暗画素からなり、それぞれ論理値「1」及び「0」に対応している。ページデータ50から得られる2次元再生信号の各レベル値は、ページデータ50に記録された論理値「1」及び「0」を反映した信号強度を示している。ただし、再生時の画素間干渉のため、各再生信号レベルは対応する画素の近接画素からの影響を受ける。また再生時に輝度ムラが発生し、再生信号レベルに影響を与える。したがって、論理値「1」に対応する各再生信号のレベル値は一定ではなく、同じく論理値「0」に対応する各再生信号のレベル値も一定ではない。またここでは「画素」という用語を、2次元再生信号の中の、ページデータ50に記録されたビットに対応する再生信号の各位置を示すものとして使用することがある。
【0072】
ページデータ50は、2×2すなわち4ビットの論理値「1」からなり、ページデータ50の左上隅に配置されページデータ50上の位置の基準となる同期パターン51と、ユーザデータなどの情報を示すビットが図11のような2:4符号によって2次元変調された、1または複数の符号ブロック52と、から構成される。ここで各符号ブロック52に含まれるビットをまとめて符号データと表現する。符号データは定重み符号で2次元変調されたデータである。符号ブロック52は、2×2すなわち4ビットから構成される。またページデータ50は、同期パターン51でも符号データでもないビットを含んでもよい。本実施の形態では、2行2列のビットエリアである同期パターン51と同じ行の、同期パターン51以外の任意の列のビット、及び同期パターン51と同じ列の、同期パターン51以外の任意の行のビット、は論理値「0」として記録されている。
【0073】
図1に示す同期パターン検出回路2は、ページデータ50の再生信号の中から図2に示す同期パターン51の再生信号を検出する回路である。同期パターン51は4つの論理値「1」が隣接して繋がった2×2(2行2列)のパターンであり、その再生信号は4倍のサイズを持つ明画素と見なせるので、簡単な構成で誤りなく検出することが可能である。また同期パターン51の位置はページデータの左上に限らず任意の位置に配置することができる。このように本発明の実施の形態はページデータ50に同期パターン51を含むことが好ましいが、含まなくてもよい。ページデータ50が同期パターン51を含まない場合、同期パターン検出回路2はページデータ50の中に同期パターンがないことをブロック集合化回路3に伝える。
【0074】
図1に示すブロック集合化回路3は、ホログラムメモリ再生装置1によって生成された2次元再生信号を、2×2すなわち4個の符号ブロック52からなるブロック集合53に対応する再生信号(画素)毎にグループ分けする回路である。1つのブロック集合53には、4×4すなわち16個のビットが含まれるので、1つのグループには4×4すなわち16個の再生信号(画素)が含まれる。
【0075】
合計値計算回路4は、ブロック集合化回路3によって分けられた各グループに含まれる全画素(すなわち、16個の再生信号)の再生信号レベルAの合計値Bを計算する回路である。
【0076】
除算回路5は、ブロック集合化回路3によって分けられた各グループに含まれる各画素の再生信号レベルAを、各画素が含まれるグループについて合計値計算回路4によって求められた合計値Bで除算する回路である。
【0077】
バッファメモリ6は、除算回路5から出力される、合計値で除算された、すなわちレベル値(A/B)をもつ規格化された再生信号を記憶するメモリである。
【0078】
ビタビ復号回路7は、バッファメモリ6に記憶された再生信号を2次元ビタビ復号する回路である。2次元ビタビ復号の動作は公知技術であるため、詳細な説明は省略する。
【0079】
なお、同期パターン検出回路2は同期パターン検出手段、ブロック集合化回路3は2次元信号グループ化手段、合計値計算回路4は再生信号レベル算出手段、除算回路5は再生信号レベル規格化手段、ビタビ復号回路7はビタビ復号手段、にそれぞれ対応している。
【0080】
尚、本実施の形態では、ブロック集合53を、2×2すなわち4個の符号ブロック52からなるとしたが、ブロック集合は少なくとも1つ以上の符号ブロックから構成されていればよい。
【0081】
(再生動作の流れ)
次に、図1に示した上記構成のホログラムメモリ再生システム20による再生動作を、図3に示すフローチャートを用いて説明すると以下の通りである。
【0082】
ホログラムメモリ再生装置1(図1参照)において、ホログラム媒体(図2のように102×102ビットのページデータ50が記録されているものとする)に再生参照光が照射され、受光素子(102×102画素のCCDアレイ)から2次元の再生波形信号が出力される(ステップS1)。この動作については、背景技術において説明したとおりであるので詳細は省略する。
【0083】
ここで、再生波形信号はページデータに明暗で記録された「0」または「1」のビットからなるデータを反映したものであるが、様々な原因で発生する輝度ムラにより、各「0」ビットの再生信号の強度は一定にならない。各「1」ビットの再生信号の強度についても同様に一定ではない。
【0084】
同期パターン検出回路2(図1参照)が再生波形信号から同期パターン51(図2参照)の再生信号を検出し、その位置に基づいて符号データの先頭位置を行位置i=1と列位置j=1として決定する(ステップS2)。ここでi、jは1以上の正整数であり、2次元再生信号の中の各再生信号の位置を示す変数である。
【0085】
次にブロック集合化回路3(図1参照)は、ブロック集合に対応する画素、(i×4−3)行目〜(i×4)行目、(j×4−3)列目〜(j×4)列目の再生信号毎にグループ分けする(ステップS3)。
【0086】
合計値計算回路4(図1参照)は、ステップS3で分けられた各グループ毎に再生信号レベルAの総和を求め、合計値Bを算出する(ステップS4)。
【0087】
除算回路5(図1参照)は、各再生信号レベルAを、当該再生信号が属するグループに対して算出された合計値Bで除算した結果(A/B)を出力し、バッファメモリ6(図1参照)に記憶する(ステップS5)。この処理により各グループの各再生信号レベルAが合計値Bで規格化される。規格化された各再生信号レベルは(A/B)である。
【0088】
以上のステップS3からステップS5までの処理を、ブロック集合の大きさ、すなわち4行4列ずつそれぞれ行方向または列方向にずらしてながら進めていき(ステップS6)、符号データ全体について再生信号レベルの規格化が行われるまで上記ステップS3からステップS6の処理を繰り返す(ステップS7)。
【0089】
符号データ全体の規格化処理が終わると(ステップS7にてYES)、ビタビ復号回路7が、バッファメモリ6に記憶された規格化された再生信号レベル(A/B)を順次読み出してビタビ復号処理を実行していき、復号ビットを出力する(ステップS8)。
【0090】
以上の動作により、最終的に符号データの復号結果としてのビットマップが得られる。
【0091】
(規格化処理)
ここで、ステップS5における規格化処理によって、再生信号の輝度ムラが低減される原理について詳しく説明する。
【0092】
図2に示すようにページデータ50は2:4符号で符号化されており、2×2すなわち4ビット毎に符号ブロック52をなしている。更にブロック集合53は2×2すなわち4個の符号ブロック52からなっている。2:4符号では各符号ブロック52内のビット「1」の数が1個と決まっているので、ブロック集合53内のビット「1」の数は必ず4個となっている。従って、ブロック集合53に対応するグループに属する再生信号レベルの合計値は、もし輝度ムラがないとすると、どのブロック集合についてもほぼ同じになる。もちろん、ブロック集合の縁(ブロック集合の境界に隣接するビット)に明画素(論理値「1」)がある場合、一部の画素は、画素間干渉によって隣接するブロック集合に対応するグループの再生信号レベルに影響を与えることになる(逆に、隣接するブロック集合の画素からの影響も受ける)ため、ブロック集合全てが全く同じ合計値となる訳ではないが、その影響は小さいのでほとんど無視することができる。この影響は、画素間干渉が小さくなるほど、またブロック集合が大きくなるほど、小さくなる。
【0093】
一方、ページデータの2次元再生信号内に輝度ムラが存在する場合、輝度が高い(明るい)領域では、グループの再生信号レベルの合計値は大きくなり、輝度が低い(暗い)領域では合計値は小さくなる。すなわち、グループの再生信号レベルの合計値は、当該グループが属する領域の輝度の変動を正確に反映していることになる。それゆえ、再生信号レベルを、当該再生信号が属するグループの合計値で除算すると、明るい領域に属するグループでは大きな合計値で除算されるので再生信号レベルは相対的に小さくなり、暗い領域に属するグループでは小さな合計値で除算されるので再生信号レベルは相対的に大きくなる。言い換えると、再生信号レベルが規格化される。
【0094】
図4(a)は、図12のように輝度ムラが含まれた再生信号について各グループ毎に求めた合計値の分布、図4(b)は合計値で規格化された再生信号を示している。図4(b)と図12を比べると分かるように、合計値で規格化することによって、再生信号の輝度ムラが低減されている。
【0095】
なお、上記の原理が有効となるためには、各ブロック集合の論理値の合計がほぼ同じになる必要がある。そのため、ページデータが定重み符号によって変調されていることが前提となっている。もしページデータが定重み特性を持たない符号(符号ブロック毎に含まれる論理値「1」の数が異なる符号)によって変調されていたとすると、輝度ムラがなくてもブロック集合によって論理値の合計が異なるので、グループの再生信号レベルの合計値で各再生信号を除算しても規格化することにならない。但し、変調前のページデータがほぼランダムなパターンであれば、変調後のページデータもほぼランダムなパターンになるため、定重み符号でなくてもブロック集合に含まれる符号ブロックの数を十分に大きく取ることによって、平均化の効果によって、各ブロック集合の合計値が互いに近い値となり、規格化の効果を得ることはできる。しかしながら、ブロック集合のサイズが大きくなるため、合計値を求める回路規模が大きくなってしまうこと、及び、変動サイクルの小さい(周波数の高い)輝度ムラに対して十分な規格化ができないという欠点がある。逆に言うと、本発明によれば小さなブロック集合でも規格化できる(最小で符号ブロック1個のみからなるブロック集合を構成することも可能)ので、合計値を求める回路規模が小さくて済み、かつ、周波数の高い輝度ムラに対しても効果を得ることが可能である。
【0096】
(シミュレーション結果)
本実施の形態に係る2次元信号変換装置を用いた際の、ビットエラーレートの改善効果を確認するために、シミュレーションにてビタビ復号結果のビットエラーレートを評価した実験結果を図5に示す。ランダムに発生させた「0」「1」のビット系列を情報データとして、これに5:9符号による変調を掛けてページデータを作成した。5:9符号は5ビットの情報データを3×3すなわち9ビットの符号ブロックに変換する変調方式であり、9ビットのうち2ビットだけが「1」である定重み符号である。作成したページデータに対して、ホログラムメモリの再生特性をシミュレートしたモデルを用いて擬似再生信号を生成し、これに白色ガウスノイズを印加して入力信号とした。輝度ムラは、ページデータ内で20〜100%の同心円状の変動を与えた(中心部の平均輝度を100%として、中心からの距離に反比例した信号レベルとした。ページデータ最外周部での輝度の平均レベルは中心の20%)。また比較のため、定重み符号による変調を行わないランダムパターンをページデータとして作成した擬似再生信号の場合も併せて実験した。なお、ページデータ内の「1」の出現確率はビタビ復号結果に影響する可能性があるため、条件を合わせるために5:9符号と一致させて「1」の出現確率が2/9=22.2%となるようにランダムパターンを作成した。
【0097】
図5のグラフの横軸はブロック集合のサイズM、縦軸はビタビ復号結果のビットエラーレートを表す。ここで、各ブロック集合はM×Mビットで構成されている。符号ブロックは3×3ビットなのでMは3の倍数となる。この結果から、5:9符号による変調パターンについては、規格化を行わない場合(M=0が相当)ではビットエラーレートが4E−3(4.0×10−3)であったのに対し、M=3で1E−3、M=6で6E−4、M=9で5E−4とブロック集合のサイズを大きくしていくにつれてビットエラーレートが大きく改善していき、Mの値が”9”以上ではほぼ飽和している。実質的に、Mの値が”6”程度でも十分なビットエラーレート改善効果を得ることができている。
【0098】
一方、5:9符号で変調されていないランダムパターンについて、規格化を行わない場合(M=0)ではビットエラーレートが1E−2であったのに対して、M=3では2E−1となり、改善するどころか逆に大きく悪化している。この理由は上記でも述べた通り、ブロック集合によって含まれる論理値「1」の個数が異なるので、輝度ムラがなかったとしてもグループ毎の再生信号レベルAの合計値が大きく異なってしまうため、合計値で除算すると誤った規格化を行ってしまうからである。それでも、M=6、9、12とブロック集合のサイズを大きくしていくとビットエラーレートは徐々に改善していく。これは、上記で述べたように、平均化の効果によるものである。しかしながら、5:9符号の変調パターンと同程度のビットエラーレートを得るためには、M=20〜30ビット程度と大きなサイズのブロック集合が必要となることが分かる。
【0099】
以上説明したとおり、定重み符号で変調されたページデータの再生信号を、本実施の形態のように、ブロック集合に対応するグループ毎の再生信号レベルの合計値で規格化することによって、輝度ムラが低減されて、エラーレートの低い復号を実現できるという効果を得ることが可能となる。
【0100】
さらに、定重み符号を用いて、符号ブロックをN個(Nは1以上の所定整数)含むようなブロック集合を定義することで、小さなブロック集合のサイズで上記の効果が得られ、回路規模を簡略化できるとともに、周波数の高い輝度ムラの影響も低減することができるという効果も得られる。また、ビタビ復号を併用することにより、画素間干渉の影響をも十分に抑制し、ホログラムメモリを高密度化することができる。
【0101】
尚、本実施の形態における除算回路5はグループ毎の再生信号レベルの合計値で各再生信号レベルを除算する構成で説明したが、合計値の代わりに各グループに含まれる再生信号の数で除算した平均値を用いてもよい。なぜなら、各ブロック集合は全て同数の符号ブロックを含む、すなわち、いずれのブロック集合も同数のビット数から構成されるので、グループにおける再生信号レベルの平均値での除算と合計値での除算とは、実質的に同等の意味を持つからである。輝度ムラが振幅変動として現れている場合には、各再生信号レベルを、各グループの再生信号レベルの平均値に比例する量(例えば合計値)で規格化することが有効である。
【0102】
この考えの基に、符号データのブロック集合への分割の方法は、ページデータの中央部と周辺部とで異なっていてもよい。ページデータの中央に対応する領域では輝度ムラの周波数が低く、かつ、周辺部に対応する領域では輝度ムラの周波数が高い場合には、ページデータの中央部のブロック集合に含まれる符号ブロックの数を大きくし、かつ、周辺部のブロック集合に含まれる符号ブロックの数を小さくすることで、効率的に再生信号レベルを規格化できる。尚、上記のように各ブロック集合に含まれるビット数が異なる場合は、合計値の代わりに合計値を各ブロック集合に含まれるビット数で除算した平均値を用いて、各再生信号レベルを規格化する必要がある。
[実施の形態2]
実施の形態1では、各再生信号レベルをグループ毎の合計値で除算して再生信号を規格化する構成を示した。しかし、規格化の方法は合計値による除算に限らない。そこで、本実施の形態では、各再生信号レベルを、グループ毎の合計値を所定値で除算した値で減算して再生信号を規格化する構成を示す。
【0103】
本発明の第2の実施の形態について図6に基づいて説明する。
【0104】
図6は、本発明のビタビ復号装置またはビタビ復号方法を適用した本実施の形態に係る2次元信号変換装置11を備えるホログラムメモリ再生システム21の構成を示すブロック図である。なお、ホログラムメモリ再生システム21の構成要素において、図1のホログラムメモリ再生システム20の構成要素と同等の機能を有する構成要素については、同一の符号を付記してその説明を省略する。
【0105】
ホログラムメモリ再生システム21がホログラムメモリ再生システム20と異なっている点は、2次元信号変換装置11が2次元信号変換装置10の除算回路5(図1参照)の代りに減算回路(再生信号レベル規格化手段)8を備えている点である。
【0106】
合計値計算回路4は、ブロック集合化回路3によって分けられたグループに含まれる全画素(すなわち、16個の再生信号)の再生信号レベルAの合計値Bを計算する回路である。
【0107】
減算回路8は、各画素が含まれるグループについて合計値計算回路4によって求められた合計値Bを各ブロック集合に含まれるビット数である”16”で除算して得られるオフセット値Cを、各グループに含まれる各画素の再生信号レベルAから、減算する回路である。この場合オフセット値Cは各グループの再生信号レベルの平均値に相当する。
【0108】
なお、ホログラムメモリ再生システム21のうち、減算回路8は規格化手段に対応している。
【0109】
実施の形態1では、各再生信号レベルAをグループ毎の合計値Bで除算して規格化していたが、これは輝度ムラが振幅変動として現れている場合に有効である。しかし、輝度ムラがオフセット変動として現れている場合、このオフセット分を再生信号レベルAから差し引くことによって規格化する方が効果的である。このような輝度ムラのオフセット変動は、例えばホログラムメモリ再生装置の中に漏れ入ってくる外部の光、またはホログラムメモリ再生装置の内部の光が直接受光素子に捉えられる等の原因により起こる。
【0110】
本実施の形態では、再生信号レベルのグループ毎のオフセット値Cを求めているが、オフセット量が大きい場合にはこのオフセット値Cはオフセット変動に対応していると考えられるので、各再生信号レベルAからオフセット値Cを差し引いた値を減算回路8によって算出してこれを規格化された再生信号レベルとしてバッファメモリ6に記憶し、ビタビ復号回路7によってビタビ復号を行えば、輝度ムラがオフセット変動として現れている場合に、効果的に輝度ムラを低減し、かつ、画素間干渉の影響をも十分に抑制することが可能となる。
【0111】
なお、本実施の形態におけるオフセット値Cは、再生信号レベルの合計値を各ブロック集合に含まれるビット数(すなわち、各ブロック集合に対応するグループに含まれる再生信号の数)で除算した値としたが、除算する分母は各ブロック集合に含まれるビット数に限らず、「各ブロック集合に含まれるビット数以上の実数」を用いて除算してもよい。すなわち、再生信号レベルの合計値を各ブロック集合に含まれるビット数で割り、「1以下の正の実数」を乗算したものをオフセット値Cとして定義してもよい。すなわち、各グループに属する再生信号レベルの合計値を、ブロック集合に含まれるビット数以上の実数で除算して得られる値をオフセット値Cとしてもよい。輝度ムラのオフセット量が小さい場合には、各再生信号レベルAから、当該グループの再生信号レベルの平均値を減算すると、オフセット量を多く見積もりすぎることになる。そのため想定されるオフセット量に応じて、平均値に「1以下の正の実数」を乗算したものをオフセット値Cとしてもよい。
【0112】
[実施の形態3]
実施の形態1、2では、再生信号レベル規格化手段としてそれぞれ除算回路、減算回路を用いた構成とした。しかし、除算回路及び減算回路の両者を組み合わせて使用することもできる。そこで、本実施の形態では、再生信号レベル規格化手段として除算回路及び減算回路を組み合わせた構成を示す。
【0113】
本発明の第3の実施の形態について図7に基づいて説明する。
【0114】
図7は、本発明のビタビ復号装置またはビタビ復号方法を適用した本実施の形態に係る2次元信号変換装置12を備えるホログラムメモリ再生システム22の構成を示すブロック図である。本実施の形態では、上記の実施の形態1及び2に記載した合計値による除算及びオフセット値による減算の処理を組み合わせて使用する。なお、ホログラムメモリ再生システム22の構成要素において、図1のホログラムメモリ再生システム20の構成要素、または図6のホログラムメモリ再生システム21の構成要素と同等の機能を有する構成要素については、同一の符号を付記してその説明を省略する。
【0115】
ホログラムメモリ再生システム22がホログラムメモリ再生システム20と異なっている点は、2次元信号変換装置12が除算回路5に加えて減算回路8を備える点である。
【0116】
合計値計算回路4は、ブロック集合化回路3によって分けられたグループに含まれる全画素(すなわち、16個の再生信号)の再生信号レベルAの合計値Bを計算する回路である。
【0117】
減算回路8は、各画素が含まれるグループについて合計値計算回路4によって求められた合計値Bを各ブロック集合に含まれるビット数である”16”で除算して得られるオフセット値Cを、各グループに含まれる各画素の再生信号レベルAから、減算する回路である。この場合オフセット値Cは各グループの再生信号レベルの平均値に相当する。
【0118】
除算回路5は、減算回路8によって求められた減算値(A−C)を、合計値計算回路4によって求められた合計値Bで除算する回路である。減算回路8及び除算回路5で計算された結果((A−C)/B)が規格化された各画素の再生信号レベルになる。
【0119】
なお、ホログラムメモリ再生システム22のうち、除算回路5及び減算回路8は規格化手段に対応している。
【0120】
本実施の形態は、輝度ムラがオフセット変動と振幅変動との複合要因により起こっている場合に有効である。オフセット値Cは想定されるオフセット量に応じて実施の形態2に記載したように調整することができる。同様に合計値Bでの除算の代わりに、合計値Bをブロック集合に含まれるビット数で割った平均値を用いて除算を行ってもよい。
【0121】
また、本実施の形態の減算と除算との順序を入れ替えて適用してもよい。その場合、ホログラムメモリ再生システム22の図7における減算回路8と除算回路5との配置を入れ替えたものを使用することができ、規格化された各画素の再生信号レベルは(A/B−C)となる。この場合、オフセット値Cを、例えば各グループの再生信号レベルの平均値とすると、合計値Bで規格化されていないオフセット値Cはオフセット量を大きく見積もりすぎていることになるので、オフセット値Cを以下のように規格化するべきである。例えば、オフセット値Cを合計値Bで除算して規格化したものを、除算回路5からの出力A/Bから減算すると、結局((A−C)/B)が規格化された各画素の再生信号レベルになる。これに限らず、想定されるオフセット量に応じて、平均値に所定の数(1以下の正の実数)を乗算したものをオフセット値Cとしてもよい。
【0122】
なお、上記実施の形態1、2及び3では、再生システムの例としてホログラムメモリシステムについて説明したが、再生システムはこれに限らず、2次元信号の再生を行うシステムにおいて等しくその効果を発揮することができる。すなわち、他の再生システムとしてQRコードに代表される2次元バーコード再生システムなどにも本発明を適用することができる。
【0123】
本発明は上述した各実施の形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施の形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施の形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0124】
最後に、2次元信号変換装置10・11・12の各ブロック、特に同期パターン検出回路2、ブロック集合化回路3、合計値計算回路4、除算回路5、減算回路8、及びビタビ復号回路7は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0125】
すなわち、2次元信号変換装置10・11・12は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラム及び各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである2次元信号変換装置10・11・12の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記2次元信号変換装置10・11・12に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0126】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0127】
また、2次元信号変換装置10・11・12を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【0128】
このように本明細書において、手段とは必ずしも物理的手段を意味するものではなく、各手段の機能がソフトウェアによって実現される場合も含む。さらに、1つの手段の機能が2つ以上の物理的手段により実現されても、もしくは2つ以上の手段の機能が1つの物理的手段により実現されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0129】
2次元信号に対してエラーレートの低い復号を可能とする本発明は、2次元信号を再生するホログラムメモリ再生装置や、QRコードに代表される2次元バーコード再生装置などに適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0130】
【図1】本発明の実施の形態に係るホログラムメモリ再生システムの構成を示すブロック図である。
【図2】図1のホログラムメモリ再生システムにおけるページデータのフォーマットを示す図である。
【図3】図1のホログラムメモリ再生システムの再生動作を示すフローチャートである。
【図4】(a)は再生信号レベルの合計値の分布を示す図であり、(b)は規格化された再生信号の一例を示す図である。
【図5】ビットエラーレートに関する実験結果を示すグラフである。
【図6】本発明の他の実施の形態に係るホログラムメモリ再生システムの構成を示すブロック図である。
【図7】本発明のさらに他の実施の形態に係るホログラムメモリ再生システムの構成を示すブロック図である。
【図8】従来のホログラムメモリ記録再生装置の構成を示すブロック図である。
【図9】想定するインパルス応答を示す図である。
【図10】判定帰還ビタビ復号法を表現するトレリス線図である。
【図11】2:4符号を説明する図である。
【図12】輝度ムラが存在するホログラムメモリ再生信号の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0131】
1 ホログラムメモリ再生装置
2 同期パターン検出回路(同期パターン検出手段)
3 ブロック集合化回路(2次元信号グループ化手段)
4 合計値計算回路(再生信号レベル算出手段)
5 除算回路(再生信号レベル規格化手段)
6 バッファメモリ
7 ビタビ復号回路(ビタビ復号手段)
8 減算手段(再生信号レベル規格化手段)
10 2次元信号変換装置
11 2次元信号変換装置
12 2次元信号変換装置
20 ホログラムメモリ再生システム
21 ホログラムメモリ再生システム
22 ホログラムメモリ再生システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一部が定重み符号で2次元変調されたページデータから得られる2次元再生信号を変換する2次元信号変換装置であって、
1または複数の上記2次元変調の符号ブロックに対応する上記2次元再生信号の単位で、上記2次元再生信号をグループ分けする2次元信号グループ化手段と、
上記2次元再生信号のレベル値を、上記2次元信号グループ化手段によって分けられた上記グループ毎に合算した合計値を算出する再生信号レベル算出手段と、
上記2次元再生信号のレベル値を、当該2次元再生信号が属するグループに対して上記再生信号レベル算出手段によって算出された合計値に基づいて、規格化することにより上記2次元再生信号を変換する再生信号レベル規格化手段と、を備えることを特徴とする2次元信号変換装置。
【請求項2】
上記再生信号レベル規格化手段は、上記2次元再生信号のレベル値を、当該2次元再生信号が属するグループに対して上記再生信号レベル算出手段によって算出された合計値で、除算することによって、上記規格化を行うことを特徴とする請求項1に記載の2次元信号変換装置。
【請求項3】
上記再生信号レベル規格化手段は、上記2次元再生信号のレベル値から、当該2次元再生信号が属するグループに対して上記再生信号レベル算出手段によって算出された合計値を所定値で除算した値を、減算することによって、上記規格化を行うことを特徴とする請求項1に記載の2次元信号変換装置。
【請求項4】
上記再生信号レベル規格化手段は、上記2次元再生信号のレベル値を、当該2次元再生信号が属するグループに対して上記再生信号レベル算出手段によって算出された合計値で、除算した値から、上記合計値を所定値で除算した値を、減算することによって、上記規格化を行うことを特徴とする請求項1に記載の2次元信号変換装置。
【請求項5】
上記再生信号レベル規格化手段は、上記2次元再生信号のレベル値から、当該2次元再生信号が属するグループに対して上記再生信号レベル算出手段によって算出された合計値を所定値で除算した値を、減算した値を、上記合計値で、除算することによって、上記規格化を行うことを特徴とする請求項1に記載の2次元信号変換装置。
【請求項6】
上記ページデータは、上記ページデータ上の上記符号ブロックの位置の基準となる同期パターンを含んでおり、
上記2次元再生信号から上記同期パターンの再生信号を検出するための同期パターン検出手段を更に備え、
上記2次元信号グループ化手段が、上記2次元再生信号上の、上記同期パターンの再生信号の位置に基づいて、上記グループ分けの対象となる2次元再生信号の位置を認識し、当該2次元再生信号をグループ分けすることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の2次元信号変換装置。
【請求項7】
上記再生信号レベル規格化手段によって上記規格化された2次元再生信号を、ビタビ復号するビタビ復号手段をさらに備えることを特徴とする2次元信号変換装置。
【請求項8】
少なくとも一部が定重み符号で2次元変調されたページデータから得られる2次元再生信号を変換する2次元信号変換方法であって、
1または複数の上記2次元変調の符号ブロックに対応する上記2次元再生信号の単位で、上記2次元再生信号をグループ分けする2次元信号グループ化ステップと、
上記2次元再生信号のレベル値を、上記2次元信号グループ化ステップによって分けられた上記グループ毎に合算した合計値を算出する再生信号レベル算出ステップと、
上記2次元再生信号のレベル値を、当該2次元再生信号が属するグループに対して上記再生信号レベル算出ステップによって算出された合計値に基づいて、規格化することにより上記2次元再生信号を変換する再生信号レベル規格化ステップと、を含むことを特徴とする2次元信号変換方法。
【請求項9】
請求項1から7のいずれか一項に記載の2次元信号変換装置としてコンピュータを機能させるための制御プログラムであって、コンピュータを前記各手段として機能させるための制御プログラム。
【請求項10】
請求項9に記載の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図4】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−15635(P2010−15635A)
【公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−173959(P2008−173959)
【出願日】平成20年7月2日(2008.7.2)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】