2次元光学的識別のための符号化法、識別システム、およびプリント製品
【課題】2次元光学的識別(2D−OID)のための符号化法であって、符号化識別体を均一に分布させ、それによってより多くの符号化情報を担うことを可能とする方法を提供する。
【解決手段】2D−OIDは、位置決めブロック101、および、該位置決めブロック周囲の、複数のデータ符号化ブロック102〜109を含む。位置決めブロックおよびデータ符号化ブロックは、それぞれ、NxMマトリックスとして配置される、複数のドットを含む。ここに、N、Mは自然数である。位置決めブロックではドット列およびドット行から形成される、非対称形特異的パターンが填められる。また、データ符号化ブロックの中心部には少なくとも一つのドットが填められる。各データ符号化ブロックの残余のドットは、選択的に填められて二進コードを表す。
【解決手段】2D−OIDは、位置決めブロック101、および、該位置決めブロック周囲の、複数のデータ符号化ブロック102〜109を含む。位置決めブロックおよびデータ符号化ブロックは、それぞれ、NxMマトリックスとして配置される、複数のドットを含む。ここに、N、Mは自然数である。位置決めブロックではドット列およびドット行から形成される、非対称形特異的パターンが填められる。また、データ符号化ブロックの中心部には少なくとも一つのドットが填められる。各データ符号化ブロックの残余のドットは、選択的に填められて二進コードを表す。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学的識別の技術分野に関し、さらに詳細には、2次元光学的識別(2D−OID)のための符号化法および識別システム、および2D−OIDを有するプリント製品に関する。
【背景技術】
【0002】
光学的識別(OID)とは、通常のプリント製品の中にディジタルデータを秘匿することを可能とし、かつ、該秘匿ディジタルデータを抽出することを可能とする技術である。このディジタルデータは、通常のインクを用いる標準的プリント工程によって、通常のプリント製品の中に秘匿され、該プリント製品において元々のパターンと共存する。このプリント製品の中に秘匿されるディジタルデータは、OIDペンの中に設けられる光学的、画像処理技術によって抽出することが可能である。
【0003】
従来技術における、各光学的識別の符号化図形は、通常、複数の、微小な、情報ポイントによって構成される。これらの情報ポイントは、2D−OIDに込められる情報を持ってブロックの上に分布され、あるブロックの上に広がるポイントは、そのブロックに対応するビット値を示すのに用いられる。しかしながら、2D−OIDにおけるこのようなポイントは、通常、きわめて高い密度を有し、かつ、均一には分布されないので、この2D−OIDが、プリント製品において元のパターンと共存する場合、視覚が妨げられ、美観が損なわれる。
【0004】
図1aおよび1bに示すように、特許文献1は2D符号化法を開示する。この方法では、符号化図形10は、6x6状態区域13を持ち、該区域は、位置決めのためのヘッド状態区域11、および、符号化データを表示するための内容状態区域12に分割される。各状態区域13は、ピクセル有り、ピクセル無しの二つの状態を含み、内容状態区域112における、全ての状態区域13の組み合わせが、図1bに示すように符号化情報を示す。しかしながら、状態区域13の組み合わせは、符号化データと共に変動するので、1の数と位置はまちまちである。すなわち、ピクセルの数は定常ではなく、そのため、符号化図形のピクセルは、高密度に、不均一に分布する場合がある。プリント製品において、2Dコードが元のパターンと共存する際、視覚が著明に妨げられることがないようにするために、状態区域13の組み合わせを制限すると、これは、表される符号化データに対し否定的影響を及ぼす。
【0005】
別の符号化法が、特許文献2に開示される。図2は、複数の2D−OIDを持つ符号化図形設計の模式図を示す。この設計では、符号化図形(点線で示す区域)は、指定の規則的配列の中に、キーポイント2、複数のグリッドポイント4、および複数の情報ポイント3を含む。この実施態様では、符号化図形は、キーポイント2を中心とし、このキーポイントの周囲にグリッドポイントを割り当て、その際、各四つのグリッドポイント4は、一つの四角形ブロックとして配置され、この四つのグリッドポイント4の中心は、バーチャルポイントと見なされる。この四角形ブロック内の情報ポイント3は、バーチャルポイントから、上方、下方、左方、または右方に選択的にオフセット(ずれ)を持つことが可能であり、それによって、識別読み取りのための異なる数値を表す。キーポイント2は、符号化図形の中心のグリッドポイント4を、指定の方向に、ある距離だけ変位させることによって取得される。キーポイント2は、読み取りおよび拡大において画像を方向づけるために、符号化図形の参照方向を与えることが可能である。
【0006】
特許文献1と比べると、特許文献2に開示されるポイントは、符号化図面においてより均一な分布を有するが、各情報ポイントは四つのグリッドポイントの中に含まれるので、符号化図形において同じ密度のポイントをプリントするという条件下では、表される符号化情報はより少なくなる可能性がある。情報ポイント3が高い密度を持てば持つほど、視覚作用はより損なわれる。
【0007】
さらに、符号化図形が、限られた目的物表面積に形成され、情報量の供給が同じである場合、情報ポイントの分布密度が高くなりすぎて、二つの隣接情報ポイント間の距離が小さくなりすぎる。このような視覚妨害を抑えるために、情報ポイントの大きさがさらに縮小される。この縮小サイズが小さすぎる場合、プリンターおよびペーパーに対する認識要求は増大するので、プリント時のデータ損失が容易に出現し、そのために、印刷の困難が増し、読み取りエラーまたは認識問題を引き起こす可能性がある。一方、情報ポイント間の間隔を増し、そうすることによって、符号化図形における複数のポイントが、あまりに高い密度を持つことが無いようにすると、それは、2D−OIDによって担われる情報量を下げる可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】CN02122633.4
【特許文献2】日本特許第3706385号公報(JP3706385)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、前述の問題点を緩和および/または回避するための改良法およびシステムを供給することが望ましい。
【0010】
本発明の目的は、2次元光学的識別(2D−OID)のための符号化法であって、符号化識別体を均一に分布させ、それによってより多くの符号化情報を担うことを可能とする方法を提供することである。
【0011】
本発明のもう一つの目的は、特異的情報が秘匿されるプリント製品であるが、視覚に対し同じグレイレベル作用を与えることが可能な製品を提供することである。
【0012】
本発明のさらにもう一つの目的は、2次元光学的識別(2D−OID)のための識別システムであって、2D−OIDの符号化図形によって引き起こされる視覚干渉を抑え、それによってより多くの符号化情報を担うことを可能とする、識別システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一局面によれば、2次元光学的識別(2D−OID)のための符号化法が提供される。方法は:位置決めブロック、および、該位置決めブロックの周囲に、複数のデータ符号化ブロックを設けること;位置決めブロックの中に、複数ドットを、N、Mが正の整数である、NxMアレイ配置として設けること;前記各データ符号化ブロックの中に、NxMアレイ配置を持つ複数ドットを設けること;位置決めブロックにおいて、一行および一列のドットを填めて非対称な特異的パターンを形成し、かつ、前記各データ符号化ブロックの中心において少なくとも一つのドットを填めること;および、情報を担うために、データ符号化ブロックの残余のドットを選択的に填めること、を含む。
【0014】
本発明の別の局面によれば、2D−OIDを運用するプリント製品が提供される。この2D−OIDは、位置決めブロックおよびデータ符号化ブロックから構成される。位置決めブロック、および各データ符号化ブロックは、それぞれ、NxM配置を持つ複数ドットを含み、その際、位置決めブッロクでは、これらドットの行および列は填められて、位置決めおよび読み取り方向識別のための非対称特異的パターンを形成し、前記各データ符号化ブロック中心の少なくとも一つのドットは、位置決めのために填められ、前記各符号化ブロックの残余のドットは、二進符号化のために選択的に填められ、ここに、2D−OIDは、赤外線吸収インクによってプリントされ、識別子図形は、赤外線透過インクによってプリントされ、N、Mは正の整数である。
【0015】
本発明のさらに別の局面によれば、2次元光学的識別(2D−OID)のための識別システムが提供される。このシステムは、複数の2D−OID符号化図形を取得するために、ある特異的波長によって目的物表面から読み取るための識別デバイスを使用し、ここに、目的物表面は、複数の識別子図形を有し、符号化図形および識別子図形は、異なる光学的特性を有し、各符号化図形は、位置決めブロック、および該位置決めブロックの周囲に複数のデータ符号化ブロックを有し、位置決めブロックは、NxMアレイに配置される、複数の特異的パターンを有し、データ符号化ブロックは、NxMアレイに配置される複数の特異的パターンを有する。位置決めブロックでは、ドットの行および列が填められて、読み取り方向を識別するための非対称の特異的パターンを形成し、前記各データ符号化ブロック中心の少なくとも一つのドットは、位置決めのために填められ、前記各データ符号化ブロックの残余のドットは、二進符号化のために選択的に填められ、ここに、N、Mは正の整数である。識別デバイスは、目的物表面における符号化図形を識別し、情報を出力する。
【0016】
本発明の、他の目的、利点、および新規特性は、下記の詳細な説明を、添付の図面と組み合わせて読み取るとさらに明白となろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】1aおよび1bは、従来技術における、2D−OIDの符号化図形および対応情報の模式図である。
【図2】従来技術における、2D−OIDの、別の典型的符号化図形の模式図である。
【図3】本発明の実施態様による、複数2D−OIDの配置における符号化図形の模式図である。
【図4】本発明の実施態様による、図3の2D−OID符号化図形の模式図である。
【図5】本発明の実施態様による、2D−OIDの、別の符号化図形の模式図である。
【図6a】本発明の実施態様による、図5の2D−OIDの位置決めブロックの符号化図形の模式図である。
【図6b】本発明の実施態様による、図6aの2D−OIDの位置決めブロックの、別の符号化図形の模式図である。
【図7】本発明の実施態様による、図5の2D−OIDのデータ符号化ブロックの符号化図形の模式図である。
【図8】本発明の実施態様による、図5の2D−OIDのデータ符号化ブロックの、別の符号化図形の模式図である。
【図9】本発明の実施態様による、2D−OIDのデータ符号化ブロックの、別の符号化図形の模式図である。
【図10】本発明の実施態様による、2D−OIDの2x3アレイの符号化図形の模式図である。
【図11】本発明の実施態様による、2D−OIDのための符号化法のフローチャートである。
【図12】本発明の実施態様による、2D−OIDの識別システムの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図3は、本発明の実施態様による、複数2D−OID 10の配置における符号化図形の模式図である。図4は、明瞭な記載のために提示される、本発明の実施態様による、図3の単一2D−OID 10符号化図形の模式図である。図4に示すように、2D−OID 10は、位置決めブロック101、および、八つのデータ符号化ブロック102から109を含む。この9個のブロックが、2D−OIDの符号化図形を構成する。8個のデータ符号化ブロック102から109、および位置決めブロック101は、点線で示される9個の四角形を有する、3x3の魔法陣として配置される。位置決めブロック101は、光学リーダーが、この2D−OIDを読み取る方向を識別可能とするように設計される。したがって、位置決めブロックの左辺および上辺の中空円またはドットは、位置決めのために黒で填められる。さらに、各データ符号化ブロック102から109の中心ドットも填められて、位置決めを補佐するための参照ポイントとなり、残余の中空ドットは、それぞれ、データポイントとも呼ばれ、二進数を表す。すなわち、この場合、データ符号化ブロック102から109は、それぞれ、000、001、010、011、100、101、110、および111を表す。したがって、各データ符号化ブロックは、3ビットデータを含むことが可能である。位置決めブロック101の残りの4ドットは、それぞれ、00、01、10、および11を表すデータポイントとなることが可能である。したがって、この位置決めブロック101は、2ビットデータを含むことが可能である。図4の中空円またはドットは、2D−OIDによって填められるべき特異的パターンを示す。2D−OIDの特異的パターンは、填められた区域の位置および形状を示すことが注目される。各特異的パターンのプロフィールが図4に描かれるが、プリント製品における実際の符号化図形は、充填された所望の特異的パターンをプリントすることによって得られ、充填されない特異的パターンはプリントされない。すなわち、図3に示すように、単一2D−OID 10は、中空ドット、例えば、左辺および上辺の中空ドットが位置決めのために填められる、位置決めブロック101と、位置決めブロックの周囲にあって、中心の中空ドットが填められて、位置決めを補佐するための参照ポイントとなる、データ符号化ブロック102から109とを有する。図4の、2D−OID 10の配置における符号化図形を見ると、位置決めは、位置決めブロックおよびデータ符号化ブロックの参照ポイントの助けを借りて実現することが可能であり、二つの隣接2D−OIDは混同されないことが知られる。図4に示すように、これらの2D−OID 10の間にスペーサーまたは識別子が無くとも、隣接2D−OIDは互いに干渉されない。
【0019】
この実施態様では、データは、データ符号化ブロックの中に符号化されるが、その際、各データドットは、中心ドットを除き、3ビット二進コードについて異なる二進コードを表し、各データ符号化ブロックは、たかだか一個の充填データドットを有する。さらに、位置決めブロックにおいても2ビットデータを符号化することが可能である。位置決めドットの外に、位置決めブロック101はさらに、4個の中空ドットを有するが、これらは、1個のデータポイントだけが填められる、データドットとして使用が可能である。
【0020】
3x3魔方陣OIDは、コードワードを示す。各3x3魔方陣における8個のデータ符号化ブロックは、任意に定義される符号化順序を取ることが可能である。現今の技術によれば、通常、800ドット・パーインチ(インチ当たりドット数、DPI)の密度を取得することが可能である。光学的読み取り技術の進歩と共に、この符号化はどんどん小さくなっている。この場合、1インチ平方のサイズは、88個のコードワードを含むことが可能である。さらに、この実施態様では、各2D−OIDは、101から109までの9個のブロックを持ち、各データ符号化ブロックにおける9個の中空ドットの内、二つの中空ドット、すなわち、一つの参照ドットおよび一つのデータドットだけが、定常的に填められる。充填された中空ドット(充填ドットとも呼ばれる)は、一般に、比較的均一に分布し、比較的低い密度を持つ。視覚に対し同じグレイレベルを持つドットと、充填ドットの間の間隔は、該充填ドットのサイズに関連するから、ドットの密度が高くなるか、均一になるほど、または充填ドットが小さくなるほど、視覚はより不明瞭になる。充填ドット間の間隔が約0.17mm±0.02、各ドットの直径が約0.04mm±0.02である場合、視覚のグレイレベルの不明瞭特性が現れる。したがって、2D−OIDの充填ドットがきわめて小さい場合、例えば、800DPIの解像度を持つ場合、同じグレイレベルがヒトの眼にも現れることになり、そのため視覚は容易に干渉されなくなる。すなわち、このような符号化が、充填ドット間のピッチが0.19mmを上回り、各充填ドットのサイズが0.06mmよりも小さいプリント製品において使用される場合、その情報は、このプリント製品の中に秘匿することが可能である。したがって、このような符号化は、眼にはまったく快適で、同じ視覚を無視する場合、より多くの符号化情報を担うことが可能である。
【0021】
さらに、典型的2D−OIDと比較すると、2D−OIDのデータ符号化ブロックに対応する位置決めブロックは、その範囲がより小さいという特性を持つので、位置決めを速やかに実現することが可能である。位置決めブロックは、全体2D−OIDの中心に配されるので、好ましい位置決め作用を実現するために、ごく僅かな位置決めドットしか必要とされないので、該2D−OIDにはより多くのデータドットが、より多くの情報を担うよう、残される。実際のパターンは、画像化後変形される場合があるし、あるいは、位置決めブロックの位置決めドットが、データ符号化ブロックの充填ドットと類似の符号化図形様相を呈するという問題点がある。データ符号化ブロックにおいて位置決めを助ける参照として使用される充填ドットは、該ブロックの中心に配されるので、位置決めに関して優れた補佐を実行するのにごく僅かなドットしか必要とされず、さらに、エラーコード補正が実行される。
【0022】
上記実施態様は、同じグレイレベルを持つ2D−OIDの可能な一つのタイプを記載するが、2D−OIDのサイズ、データ符号化ブロックのサイズ、位置決めブロックのサイズ、特異的パターンの配置、および、充填カラーは、異なる会社では異なる設計を持つことが可能であることは、当業者であれば知っている。したがって、本発明は、タイプを限定しない。すなわち、保存されるデータにしたがって、特異的パターンを形成する、特異的数のドットが、各データ符号化ブロックにおいて符号化され、填められる該特異的パターンに対応する位置から抽出されるが、この態様は、本発明の精神に合致し、同じグレイレベル特性を満たす。
【0023】
次に、もう一つの2D−OIDを、当業者が本発明の精神を行使することを可能とさせる一例として提示する。
【0024】
図5は、本発明の実施態様による、2D−OIDの、別の符号化図形の模式図である。図5に示すように、この実施態様では、2D−OIDは、一つの位置決めブロック201、および、八つのデータ符号化ブロック202から209を含む。この八つのデータ符号化ブロック202から209、および、一つの位置決めブロック201も、3x3魔方陣を構成する。位置決めブロック201は、3x3魔方陣の中心に配されるので、この2D−OIDを読み取る光学リーダーは、読み取り方向を識別することが可能である。したがって、位置決めブロック201の左辺および上辺の隣接ドットは填められる。しかしながら、異なる設計において、位置決めブロックは、方向およびパターンを決めるために一意なのであるから、したがって、当業者であれば、位置決めブロックを、他の充填ドットの組み合わせとして、例えば、互いに交わる右辺および上辺、右辺および下辺、左辺および下辺、または他の行辺および列辺のドットの組み合わせとして、好ましくは、より小さな範囲および独特なパターンの組み合わせとして設計することが可能である。さらに、充填ドットの数は、9以外の数であってもよい。データ符号化ブロック202から209の中心ドットは、位置決めを補佐するための参照として填めることが可能である。データ符号化ドットは、位置決めブロックと、データ符号化ブロックの各中心ドットの、位置決めブロックに対する地理的位置の間の間隔に基づいて推定することが可能であるから、位置決めを補佐するためにデータ符号化ブロックの中心ドットを填めることが必要である。同様に、当業者によって設計される、各データ符号化ブロックの充填ドットは、中心ドットに限定されない。例えば、中央にある、他のドットを填めることも可能である。
【0025】
図6aは、本発明の実施態様による、図5の2D−OIDの位置決めブロック201の符号化図形の模式図である。図6aに示すように、位置決めブロック201の9個のドット(すなわち、中空円)が填められ、残りの16個のドットは、16通りの、0000から1111の範囲の4ビット二進コードを表すことが可能である。各ドットの位置は、どの4ビット二進コードが表されるのか、を示すことが可能である。ドットの位置とデータとの関係は、多様な設定を有することが可能である。次に、図7は、本発明の実施態様による、図5の2D−OIDのデータ符号化ブロックの符号化図形の模式図である。図7に示すように、この実施態様では、参照ドットの外にさらに、ドットの数が24ある。これら24個のドットは、三つのサブブロック:一つは左上隅に8ドット、もう一つは右下隅に8ドット、および、最後の一つは、右上隅に4ドット、および左下隅に4ドット含む、に分けることが可能である。各サブブロックの8ドットは、8通りの、000から111の範囲の3ビット二進コードを表すことが可能であり、各ドットの位置は、どの3ビット二進コードが表されるのか、を決める。ドットの位置とデータの関係は、各ブロックにおいて別々に設定することが可能である。この実施態様では、各データ符号化ブロック202から209は、位置決めの補佐に使用される参照ドットを除き、データドットとして填められるべき3個のドットを有する。したがって、各データ符号化ブロック202から209において、合計4個のドットが填められる。これらの充填ドットは29個の異なる値を示すことが可能である。図6bは、本発明の実施態様による、図6aの2D−OIDの位置決めブロックの、別の符号化図形の模式図である。位置決め、および識別読み取り方向は、ドットの列および行から形成される非対称特異的パターンが填められている限り、決定が可能である。
【0026】
図8は、本発明の実施態様による、図5の2D−OIDのデータ符号化ブロックの、別の符号化図形の模式図である。この実施態様では、各データ符号化ブロックには、参照ドットの外にさらに、ドットの数が24である。これら24個のドットは、六つのサブブロック:第1は左上隅に4ドット、第2は左下隅に4ドット、第3は右上隅に4ドット、第4は右下隅に4ドット、第5は、中央の垂直線上に4ドット、および第6は、中央の水平線上に4ドットを含む、に分けることが可能である。各サブブロックの4ドットは、4通りの、00から11の範囲の2ビット二進コードを表すことが可能であり、各ドットの位置は、どの2ビット二進コードを表すのか、を決める。この実施態様では、各データ符号化ブロック202から209は、位置決めの補佐に使用される参照ドットを除き、データドットとして使用するために填めることが可能な6個のドットを有する。したがって、各データ符号化ブロック202から209において、合計7個のドットが填められる。これらの充填ドットは、212個の異なる値を表すことが可能である。
【0027】
したがって、データ符号化ブロックは、複数のサブブロックに分割することが可能であり、その場合、各サブブロックは、2nドットを有し、これによって、nが1より大きい正の整数であるnビットによって符号化されるデータを担うことが可能となる。nの値は、符号化図形を構成する充填ポイントの密度に影響を及ぼす可能性がある。
【0028】
図9は、本発明の実施態様による2D−OIDのデータ符号化ブロックの、別の符号化図形の模式図である。この実施態様では、ブロックの中心の9ドットが填められるが、これらの9ドットは、位置決めを補佐するための参照ドットとして使用される。したがって、各データ符号化ブロック202から209は、残り16個のドットを有し、これらは、16通りの、0000から1111の範囲の4ビット二進コードを表す。この場合、各データ符号化ブロック202から209は、データドットとして填められる、合計10個のドットを持ち、24(16)の異なる値を表すことが可能である。
【0029】
5x5データ符号化ブロックおよび位置決めブロックが、符号化スキームの一例として提示されているが、当業者であれば、4x4、または6x6、場合によってはNxMサイズでも、本発明の目的を実現することが可能であることを理解することができよう。したがって、本発明は、上述の例に限定されない。さらに、中空円および充填円、またはドットは、前述の実施態様において一例として提示されるもので、当業者であれば、本発明の精神および範囲から離れることなく、これらの中空および充填円を交換すること、すなわち、円を、他の形状、例えば、三角、正方形、卵形、四角形、正五角形、六角形など、円に限定されないで、円と同様の所望の結果を取得することを可能とする形状に変えることが可能である。
【0030】
図10に示すもう一つの例は、NxM符号化設定を実行するために提示される。図10は、本発明の実施態様による、2D−OIDの2x3アレイの符号化図形の模式図である。図10に示すように、位置決めブロック701および各データ符号化ブロック702から709は、2x3ドットを含む。この場合、位置決めブロック701において、互いに交わる左辺および上辺のドットは填められ、残りのドットは使用されない。各データ符号化ブロック702から709の、中央の2ドットは、位置決めを補佐する参照ドットとして填められ、残りの4ドットが、それぞれ、00から11の範囲の、異なる2ビット二進コードを表す。したがって、位置決めブロックおよびデータ符号化ブロックから形成される、この2D−OIDは、16ビットデータを表すように符号化することが可能である。各データ符号化ブロックを符号化する順序は、所望に応じて設定することが可能である。
【0031】
この実施態様に接すれば、当業者であれば、非正方形ブロックにおいても、本発明は、2D−OIDを符号化し、同じグレイレベル効果を実現できるように適応可能であることが理解されよう。したがって、本発明は、正方形に限定されない。
【0032】
さらに、データ符号化ブロックおよび位置決めブロックは、3x3魔方陣形に配置されるが、当業者であれば、別の配置、例えば、位置決めブロック、プラス、一内層および一外層のデータ符号化ブロックを用いることも可能であろう。この内層は、8ブロックを持ち、外層は16ブロックを持ち、位置決めブロックおよびデータ符号化ブロックは、図4および5に示す符号化図形を形成することが可能である。
【0033】
したがって、2D−OIDのための符号化法が示される、図11のフローチャートを実現することが可能である。図11に示すように、この符号化法は、下記のステップを含む。
【0034】
ステップS110は、位置決めブロック、該位置決めブロックの周囲に複数のデータ符号化ブロック、各データ符号化ブロックに複数ドットを設け、これらのドットを、データ符号化ブロックにおいてNxMアレイに配置する。
【0035】
3x3魔方陣配置が示される図4および5に見られるように、位置決めブロックにおいても複数ドットが設けられ、NxMアレイに配置される。ここにN、Mは正の整数である。
【0036】
ステップS111は、位置決めブロック中の第1および第2辺に隣接するドットを填め、各データ符号化ブロックの中心の、少なくとも一ドットを填める。
【0037】
ステップS112は、保存されるべきデータに基づき、各データ符号化ブロックの残余のドットから特異的数のドットを抽出し、この抽出ドットを填める。
【0038】
例えば、図4のデータ符号化ブロックから、3ビットデータを表すために、データを担うための一ドットが抽出されるか、または、図7の設計を用いて、図5のデータ符号化ブロックから、データを担うための3個のドットを抽出し、それによって9ビットデータが符号化され、この場合、512の異なる数値が表される。図8に示すように、データを担う6個のドットが、図5のデータ符号化ブロックから抽出され、それによって12ビットデータが符号化され、この場合は、212(4096)個の異なる数値が表される。
【0039】
ステップS113は、保存されるべきデータに基づき、位置決めブロックの残余のドットから、別の特異的数のドットを抽出し、この抽出ドットを填める。
【0040】
したがって、位置決めブロックの残余のドットから、データを担うための、別の、特異的数のドットが抽出されるよう選択することが可能である。当業者であれば、位置決めブロックの必須機能は、光学リーダーが読み取り方向を識別可能とすることであることを理解することが可能である。したがって、データを符号化するために位置決めブロックが使用されるかどうかは、選ばれた設計によって決められるので、したがって、2D−OIDの符号化法は、それ(使用すること)に限定されない。
【0041】
したがって、下記のステップを含む、2D−OIDのための別の符号化法が提供される。
【0042】
ステップ1は、3x3魔方陣形状の符号化図形を設ける。この図形において、一つの位置決めブロックは中心に、八つのデータ符号化ブロックは周辺にある。各データ符号化ブロックは、L個のサブブロックを持ち、1番目のサブブロックは、データを担うために2kl個の特異的パターンを有する。ここに、Lは正の整数であり、1=1,2, ...Lである。各特異的パターンは、kl−ビット二進コードを表すことが可能であり、ここに、klは正の整数である。異なる特異的パターンのドットは、異なる二進コードを表し、位置決めブロック中の複数のドットは、位置決めのために填められる。
【0043】
さらに、位置決めを補佐するために、各データ符号化ブロックの中心の、少なくとも一ドットは填められる。
【0044】
位置決めブロックの符号化図形は、NxMアレイに限定されず、データ符号化ブロックの配置と同様であってもよい。符号化図形は、二つの垂直隣接辺ドットの充填に限定されず、代わりに、一行ドットおよび一列ドットから形成される非対称特異的パターンの充填、例えば、公知の技術によって位置決めブロックに使用される、他の配置および充填スキームなども可能である。
【0045】
各ブロックのドットは、NxMアレイに配置することが可能であり、好ましくはNはMに等しい。この場合、N=M=3、またはN=M=5であるが、好ましくは、データ符号化ブロックにおいて位置決めを補佐するドットは、中心ドットと同じである。好ましくは、各サブブロックは、同じ数のドット、例えば、2、3、4個、または2、3、4個とは別の数のドットを持つ。
【0046】
好ましくは、位置決めブロックでは、二つの互いに直交する辺の隣接ドットが、例えば、完全に、または部分的に、例えば、各辺の、3個、およびそれ以上の連続ドットが、濃い色で填められる。
【0047】
それとは別に、3x3魔方陣の各データ符号化ブロックのドットは、円形アレイとして配置することも可能である。この円形アレイは、参照ポイントとして使用される一ドット、および、参照ドットを中心とする円周上に、データドットとして使用される、均一に分布される4または8個のドットを含む。この位置決めブロックは、NxMアレイ形状を取る。これらのドットの符号化は、前述の実施態様のものと同じである。このようなスキームは、より多くの情報量を担うことが可能であり、符号化図形によって引き起こされる視覚干渉を抑える。
【0048】
データを担うドット、位置決めを補佐するか、または位置決めするドットは、同じであっても異なっていてもよく、その形状は、円、四角、または多角形など、同じ形で異なるサイズを持っており、そのため、位置決め、および参照ドットが、位置決めドットにしたがって識別されるようになっていてもよい。充填ドットは、填められ、必然的に見られるが、他のドットは、必ずしも表示される必要はなく、特に、2D−OIDと共にプリントされる媒体に対して表示される必要はない。したがって、符号化がコンピュータ手順によって実行される場合、文書の中にドットの位置および形状データを保存するだけでよい。
【0049】
3x3魔方陣形の符号化図形は、位置決めブロックを中心とする対称構造を持つ、他の符号化図形と同様に改変することが可能である。この実施態様では、データ符号化ブロックは、同じ数のサブブロック、および対応位置を含む。各サブブロックは、同じ数のドット、および対応位置を持つ。同じ位置のドットは、同じ二進コードを示す。しかしながら、他の実施態様では、一つ以上の異なる符号化図形があってもよく、そのことは、本発明の目的を冒すものではない。
【0050】
ステップ2は、データ符号化ブロックをセグメントに設定する符号化順序に基づき、二進データを符号化して、対応するデータ符号化ブロックに割り当てる。各データ符号化ブロックは、サブブロックを設定する符号化配列に基づき、klビットデータを順次符号化して1番目サブブロックに割り当てる。すなわち、1番目のサブブロックに表される二進コードに等しい、klビットデータのドットの、特異的パターンが填められ、ここに1=1,2, ...Lである。
【0051】
ビット数が、符号化すべき二進データの、あるサブブロックを符号化するのに十分でない場合、設定ワード符号を填めて、該サブブロック中の残余のデータを符号化することが可能である。したがって、残余のサブブロック、またはデータ符号化ブロックは、充填ワード符号を符号化し、符号化を完了するために使用することが可能である。
【0052】
このステップでは、位置決めブロックの中に、データを担うための残余のドットがある場合、その符号化は、データ符号化ブロックにおけるそれと同様である、すなわち、符号化のためにL’個のサブブロックが分割される。1’番目のサブブロックは、データを担うための、2kl'の特異的パターンのドットを持つ。この特異的パターンのドットは、それぞれ、異なるビットを持つ二進コードを表す。データが、kl'ビットで符号化される場合、表される二進コードに等しい、kl'ビットデータの、特異的パターンのドットが填められる。ここに、L’、kl'は正の整数であり、1’=1,2, ...Lである。
【0053】
ステップ3は、データを担う、特異的パターンのドットが、符号化される二進データにしたがって完全に充填された後、符号化された2D−OIDの符号化図形を取得する。
【0054】
次に、一つ以上の符号化2D−OIDの符号化図形がプリント製品の上にプリントされ、それによって、秘匿された情報を符号化させたプリント製品が取得される。このプリント製品における2D−OIDによって引き起こされる視覚干渉は少ないので、視覚に対し同じグレイレベル作用を及ぼす。
【0055】
実際には、図12に示される、2D−OIDの前述の符号化図形をプリントさせたプリント製品を識別するためのシステムが提供される。図には、2D−OIDの識別システムの模式図が提示される。この識別システムは、2D情報をプリントさせたプリント製品910、および2D−OID識別デバイス920を含む。別の実施態様では、プリント製品は、2D−OIDの符号化図形を持つ別の表面にプリントされた目的物であってもよい。
【0056】
プリント製品910は、複数の2D−OID符号化図形を持つ2D−OID層912、および、一つ以上の識別子図形を持つ識別子層914を含む。2D−OID層912は、赤外線吸収インクでプリントすることによって取得される。識別子層914は、赤外線透過インクでプリントすることによって取得される。したがって、識別子図形のプリント情報は、光の反射および吸収には影響しない。2D−OID符号化図形は、対応する識別子図形と重ね合わされ、識別子図形を含む。識別子は、符号化図形の符号化情報に関連する。識別子図形は、絵、文章、および符号、またはそれらの組み合わせの内の一つであってもよい。
【0057】
2D−OID識別子デバイス920は、光学リーダー921、処理デバイス922、および出力デバイス923を含む。この光学リーダー921、処理デバイス922、および出力デバイス923は、有線で、または無線で接続することが可能である。
【0058】
光学リーダーは、光学パッケージ、光学センサー、および赤外線透過機を含む。赤外線透過機は、プリント製品910の上を照明する。光学パッケージは、プリント製品によって反射される赤外線をろ過し、これによって、赤外線だけが、光学センサーに伝達されることが確保される。2D−OID層912は、赤外線吸収インクによるプリントによって取得され、識別子層914は、赤外線透過インクによるプリントによって取得されるのであるから、センサーは、2D−OID層912によって反射される赤外線を受信し、拡大符号化図形から成る対応情報を生成する。光学センサーは、例えば、CMOSセンサーであってもよい。
【0059】
処理デバイス922は、光学センサーによって生成された符号化図形の画像を受信し、符号化情報、例えば、符号化図形に符号化される識別子名および番号を識別し、この符号化情報に基づいて、関連情報、例えば、識別子に関連するオーディオ、ビデオを取得する。出力デバイス923は、符号化情報および/または関連情報を、指定の形式、例えば、LCDまたは音声出力として出力する。
【0060】
前述の2D−OID符号化図形によれば、処理デバイスは、位置決めパターンのドットを持つ位置決めブロックを検出し、位置決めブロック中の2ポイント間の間隔、および、3x3魔方陣において、位置決めブロックに対する、データ符号化ブロックの相対的地理的位置に基づいて充填されるデータドットの位置を直接推定し、推定位置に見出される充填データポイントに基づいて、符号化図形においてどのデータポイントが填められているかを決定する。
【0061】
符号化図形の視像化後変形が起こり、データ符号化ブロックおよび位置決めブロックの符号化図形が近似する場合もあるから、位置決めを補佐する、データ符号化ブロックの中心の参照ポイントを用いて、エラーコード補正を実行する。具体的に言うと、処理デバイスは、位置決めパターンのドットを検出する場合、該デバイスは、位置決めブロック中の2ポイント間の間隔、および、3x3魔方陣において、位置決めブロックに対する、データ符号化ブロックの相対的地理的位置に基づいて、参照ポイントの位置を見出し、さらに、参照ポイントが各推定位置に検出されるかどうかに基づいて、検出された位置決めブロックがエラーコードか、そうでないかを決定する。位置決めブロックが決定されると、処理デバイスは、位置決めブロック中の2点間の間隔、および、符号化図形における、位置決めブロックに対する、データ符号化ブロックの相対的地理的位置に基づいて、画像において、参照ポイントの周囲に、恐らく充填される、データポイントの位置を推定し、推定位置に見出される充填データポイントに基づいて、対応する二進コードを取得するために、符号化図形のどのデータポイントが填められたかを確かめる。データポイントに対応する二進コードは順次結合され、それによって符号化図形において符号化されたデータが取得される。
【0062】
識別デバイス920は、光学的識別ペンであってもよい。
【0063】
前述のように、本発明は、位置決めブロック、および、該位置決めブロックの周囲にデータ符号化ブロックを設け、これらのブロックを、3x3魔方陣形、または、位置決めブロック対称を持つ形に配置する。さらに、各データ符号化ブロックにNxMドットアレイが設けられる。位置決めブロックの二つの隣接辺における完全または部分ドットが填められると、光学的識別デバイスは、読み取り方向を確かめることが可能となる。中心部のドットの特異的パターンの外に、データ符号化ブロックにおいて特異的数のドットが填められ、したがって、符号化がプリント製品に適用された場合、符号化が十分に僅少である限り、視覚において同じグレイレベル作用が得られる。すなわち、本発明は、プリント製品の上に符号化情報を秘匿することが可能である。
【0064】
これまで本発明は、その好ましい実施態様に関連して説明されてきたが、他にも、多くの修飾および改変を、この後で主張される、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、実行可能であることを理解しなければならない。
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学的識別の技術分野に関し、さらに詳細には、2次元光学的識別(2D−OID)のための符号化法および識別システム、および2D−OIDを有するプリント製品に関する。
【背景技術】
【0002】
光学的識別(OID)とは、通常のプリント製品の中にディジタルデータを秘匿することを可能とし、かつ、該秘匿ディジタルデータを抽出することを可能とする技術である。このディジタルデータは、通常のインクを用いる標準的プリント工程によって、通常のプリント製品の中に秘匿され、該プリント製品において元々のパターンと共存する。このプリント製品の中に秘匿されるディジタルデータは、OIDペンの中に設けられる光学的、画像処理技術によって抽出することが可能である。
【0003】
従来技術における、各光学的識別の符号化図形は、通常、複数の、微小な、情報ポイントによって構成される。これらの情報ポイントは、2D−OIDに込められる情報を持ってブロックの上に分布され、あるブロックの上に広がるポイントは、そのブロックに対応するビット値を示すのに用いられる。しかしながら、2D−OIDにおけるこのようなポイントは、通常、きわめて高い密度を有し、かつ、均一には分布されないので、この2D−OIDが、プリント製品において元のパターンと共存する場合、視覚が妨げられ、美観が損なわれる。
【0004】
図1aおよび1bに示すように、特許文献1は2D符号化法を開示する。この方法では、符号化図形10は、6x6状態区域13を持ち、該区域は、位置決めのためのヘッド状態区域11、および、符号化データを表示するための内容状態区域12に分割される。各状態区域13は、ピクセル有り、ピクセル無しの二つの状態を含み、内容状態区域112における、全ての状態区域13の組み合わせが、図1bに示すように符号化情報を示す。しかしながら、状態区域13の組み合わせは、符号化データと共に変動するので、1の数と位置はまちまちである。すなわち、ピクセルの数は定常ではなく、そのため、符号化図形のピクセルは、高密度に、不均一に分布する場合がある。プリント製品において、2Dコードが元のパターンと共存する際、視覚が著明に妨げられることがないようにするために、状態区域13の組み合わせを制限すると、これは、表される符号化データに対し否定的影響を及ぼす。
【0005】
別の符号化法が、特許文献2に開示される。図2は、複数の2D−OIDを持つ符号化図形設計の模式図を示す。この設計では、符号化図形(点線で示す区域)は、指定の規則的配列の中に、キーポイント2、複数のグリッドポイント4、および複数の情報ポイント3を含む。この実施態様では、符号化図形は、キーポイント2を中心とし、このキーポイントの周囲にグリッドポイントを割り当て、その際、各四つのグリッドポイント4は、一つの四角形ブロックとして配置され、この四つのグリッドポイント4の中心は、バーチャルポイントと見なされる。この四角形ブロック内の情報ポイント3は、バーチャルポイントから、上方、下方、左方、または右方に選択的にオフセット(ずれ)を持つことが可能であり、それによって、識別読み取りのための異なる数値を表す。キーポイント2は、符号化図形の中心のグリッドポイント4を、指定の方向に、ある距離だけ変位させることによって取得される。キーポイント2は、読み取りおよび拡大において画像を方向づけるために、符号化図形の参照方向を与えることが可能である。
【0006】
特許文献1と比べると、特許文献2に開示されるポイントは、符号化図面においてより均一な分布を有するが、各情報ポイントは四つのグリッドポイントの中に含まれるので、符号化図形において同じ密度のポイントをプリントするという条件下では、表される符号化情報はより少なくなる可能性がある。情報ポイント3が高い密度を持てば持つほど、視覚作用はより損なわれる。
【0007】
さらに、符号化図形が、限られた目的物表面積に形成され、情報量の供給が同じである場合、情報ポイントの分布密度が高くなりすぎて、二つの隣接情報ポイント間の距離が小さくなりすぎる。このような視覚妨害を抑えるために、情報ポイントの大きさがさらに縮小される。この縮小サイズが小さすぎる場合、プリンターおよびペーパーに対する認識要求は増大するので、プリント時のデータ損失が容易に出現し、そのために、印刷の困難が増し、読み取りエラーまたは認識問題を引き起こす可能性がある。一方、情報ポイント間の間隔を増し、そうすることによって、符号化図形における複数のポイントが、あまりに高い密度を持つことが無いようにすると、それは、2D−OIDによって担われる情報量を下げる可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】CN02122633.4
【特許文献2】日本特許第3706385号公報(JP3706385)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、前述の問題点を緩和および/または回避するための改良法およびシステムを供給することが望ましい。
【0010】
本発明の目的は、2次元光学的識別(2D−OID)のための符号化法であって、符号化識別体を均一に分布させ、それによってより多くの符号化情報を担うことを可能とする方法を提供することである。
【0011】
本発明のもう一つの目的は、特異的情報が秘匿されるプリント製品であるが、視覚に対し同じグレイレベル作用を与えることが可能な製品を提供することである。
【0012】
本発明のさらにもう一つの目的は、2次元光学的識別(2D−OID)のための識別システムであって、2D−OIDの符号化図形によって引き起こされる視覚干渉を抑え、それによってより多くの符号化情報を担うことを可能とする、識別システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一局面によれば、2次元光学的識別(2D−OID)のための符号化法が提供される。方法は:位置決めブロック、および、該位置決めブロックの周囲に、複数のデータ符号化ブロックを設けること;位置決めブロックの中に、複数ドットを、N、Mが正の整数である、NxMアレイ配置として設けること;前記各データ符号化ブロックの中に、NxMアレイ配置を持つ複数ドットを設けること;位置決めブロックにおいて、一行および一列のドットを填めて非対称な特異的パターンを形成し、かつ、前記各データ符号化ブロックの中心において少なくとも一つのドットを填めること;および、情報を担うために、データ符号化ブロックの残余のドットを選択的に填めること、を含む。
【0014】
本発明の別の局面によれば、2D−OIDを運用するプリント製品が提供される。この2D−OIDは、位置決めブロックおよびデータ符号化ブロックから構成される。位置決めブロック、および各データ符号化ブロックは、それぞれ、NxM配置を持つ複数ドットを含み、その際、位置決めブッロクでは、これらドットの行および列は填められて、位置決めおよび読み取り方向識別のための非対称特異的パターンを形成し、前記各データ符号化ブロック中心の少なくとも一つのドットは、位置決めのために填められ、前記各符号化ブロックの残余のドットは、二進符号化のために選択的に填められ、ここに、2D−OIDは、赤外線吸収インクによってプリントされ、識別子図形は、赤外線透過インクによってプリントされ、N、Mは正の整数である。
【0015】
本発明のさらに別の局面によれば、2次元光学的識別(2D−OID)のための識別システムが提供される。このシステムは、複数の2D−OID符号化図形を取得するために、ある特異的波長によって目的物表面から読み取るための識別デバイスを使用し、ここに、目的物表面は、複数の識別子図形を有し、符号化図形および識別子図形は、異なる光学的特性を有し、各符号化図形は、位置決めブロック、および該位置決めブロックの周囲に複数のデータ符号化ブロックを有し、位置決めブロックは、NxMアレイに配置される、複数の特異的パターンを有し、データ符号化ブロックは、NxMアレイに配置される複数の特異的パターンを有する。位置決めブロックでは、ドットの行および列が填められて、読み取り方向を識別するための非対称の特異的パターンを形成し、前記各データ符号化ブロック中心の少なくとも一つのドットは、位置決めのために填められ、前記各データ符号化ブロックの残余のドットは、二進符号化のために選択的に填められ、ここに、N、Mは正の整数である。識別デバイスは、目的物表面における符号化図形を識別し、情報を出力する。
【0016】
本発明の、他の目的、利点、および新規特性は、下記の詳細な説明を、添付の図面と組み合わせて読み取るとさらに明白となろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】1aおよび1bは、従来技術における、2D−OIDの符号化図形および対応情報の模式図である。
【図2】従来技術における、2D−OIDの、別の典型的符号化図形の模式図である。
【図3】本発明の実施態様による、複数2D−OIDの配置における符号化図形の模式図である。
【図4】本発明の実施態様による、図3の2D−OID符号化図形の模式図である。
【図5】本発明の実施態様による、2D−OIDの、別の符号化図形の模式図である。
【図6a】本発明の実施態様による、図5の2D−OIDの位置決めブロックの符号化図形の模式図である。
【図6b】本発明の実施態様による、図6aの2D−OIDの位置決めブロックの、別の符号化図形の模式図である。
【図7】本発明の実施態様による、図5の2D−OIDのデータ符号化ブロックの符号化図形の模式図である。
【図8】本発明の実施態様による、図5の2D−OIDのデータ符号化ブロックの、別の符号化図形の模式図である。
【図9】本発明の実施態様による、2D−OIDのデータ符号化ブロックの、別の符号化図形の模式図である。
【図10】本発明の実施態様による、2D−OIDの2x3アレイの符号化図形の模式図である。
【図11】本発明の実施態様による、2D−OIDのための符号化法のフローチャートである。
【図12】本発明の実施態様による、2D−OIDの識別システムの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図3は、本発明の実施態様による、複数2D−OID 10の配置における符号化図形の模式図である。図4は、明瞭な記載のために提示される、本発明の実施態様による、図3の単一2D−OID 10符号化図形の模式図である。図4に示すように、2D−OID 10は、位置決めブロック101、および、八つのデータ符号化ブロック102から109を含む。この9個のブロックが、2D−OIDの符号化図形を構成する。8個のデータ符号化ブロック102から109、および位置決めブロック101は、点線で示される9個の四角形を有する、3x3の魔法陣として配置される。位置決めブロック101は、光学リーダーが、この2D−OIDを読み取る方向を識別可能とするように設計される。したがって、位置決めブロックの左辺および上辺の中空円またはドットは、位置決めのために黒で填められる。さらに、各データ符号化ブロック102から109の中心ドットも填められて、位置決めを補佐するための参照ポイントとなり、残余の中空ドットは、それぞれ、データポイントとも呼ばれ、二進数を表す。すなわち、この場合、データ符号化ブロック102から109は、それぞれ、000、001、010、011、100、101、110、および111を表す。したがって、各データ符号化ブロックは、3ビットデータを含むことが可能である。位置決めブロック101の残りの4ドットは、それぞれ、00、01、10、および11を表すデータポイントとなることが可能である。したがって、この位置決めブロック101は、2ビットデータを含むことが可能である。図4の中空円またはドットは、2D−OIDによって填められるべき特異的パターンを示す。2D−OIDの特異的パターンは、填められた区域の位置および形状を示すことが注目される。各特異的パターンのプロフィールが図4に描かれるが、プリント製品における実際の符号化図形は、充填された所望の特異的パターンをプリントすることによって得られ、充填されない特異的パターンはプリントされない。すなわち、図3に示すように、単一2D−OID 10は、中空ドット、例えば、左辺および上辺の中空ドットが位置決めのために填められる、位置決めブロック101と、位置決めブロックの周囲にあって、中心の中空ドットが填められて、位置決めを補佐するための参照ポイントとなる、データ符号化ブロック102から109とを有する。図4の、2D−OID 10の配置における符号化図形を見ると、位置決めは、位置決めブロックおよびデータ符号化ブロックの参照ポイントの助けを借りて実現することが可能であり、二つの隣接2D−OIDは混同されないことが知られる。図4に示すように、これらの2D−OID 10の間にスペーサーまたは識別子が無くとも、隣接2D−OIDは互いに干渉されない。
【0019】
この実施態様では、データは、データ符号化ブロックの中に符号化されるが、その際、各データドットは、中心ドットを除き、3ビット二進コードについて異なる二進コードを表し、各データ符号化ブロックは、たかだか一個の充填データドットを有する。さらに、位置決めブロックにおいても2ビットデータを符号化することが可能である。位置決めドットの外に、位置決めブロック101はさらに、4個の中空ドットを有するが、これらは、1個のデータポイントだけが填められる、データドットとして使用が可能である。
【0020】
3x3魔方陣OIDは、コードワードを示す。各3x3魔方陣における8個のデータ符号化ブロックは、任意に定義される符号化順序を取ることが可能である。現今の技術によれば、通常、800ドット・パーインチ(インチ当たりドット数、DPI)の密度を取得することが可能である。光学的読み取り技術の進歩と共に、この符号化はどんどん小さくなっている。この場合、1インチ平方のサイズは、88個のコードワードを含むことが可能である。さらに、この実施態様では、各2D−OIDは、101から109までの9個のブロックを持ち、各データ符号化ブロックにおける9個の中空ドットの内、二つの中空ドット、すなわち、一つの参照ドットおよび一つのデータドットだけが、定常的に填められる。充填された中空ドット(充填ドットとも呼ばれる)は、一般に、比較的均一に分布し、比較的低い密度を持つ。視覚に対し同じグレイレベルを持つドットと、充填ドットの間の間隔は、該充填ドットのサイズに関連するから、ドットの密度が高くなるか、均一になるほど、または充填ドットが小さくなるほど、視覚はより不明瞭になる。充填ドット間の間隔が約0.17mm±0.02、各ドットの直径が約0.04mm±0.02である場合、視覚のグレイレベルの不明瞭特性が現れる。したがって、2D−OIDの充填ドットがきわめて小さい場合、例えば、800DPIの解像度を持つ場合、同じグレイレベルがヒトの眼にも現れることになり、そのため視覚は容易に干渉されなくなる。すなわち、このような符号化が、充填ドット間のピッチが0.19mmを上回り、各充填ドットのサイズが0.06mmよりも小さいプリント製品において使用される場合、その情報は、このプリント製品の中に秘匿することが可能である。したがって、このような符号化は、眼にはまったく快適で、同じ視覚を無視する場合、より多くの符号化情報を担うことが可能である。
【0021】
さらに、典型的2D−OIDと比較すると、2D−OIDのデータ符号化ブロックに対応する位置決めブロックは、その範囲がより小さいという特性を持つので、位置決めを速やかに実現することが可能である。位置決めブロックは、全体2D−OIDの中心に配されるので、好ましい位置決め作用を実現するために、ごく僅かな位置決めドットしか必要とされないので、該2D−OIDにはより多くのデータドットが、より多くの情報を担うよう、残される。実際のパターンは、画像化後変形される場合があるし、あるいは、位置決めブロックの位置決めドットが、データ符号化ブロックの充填ドットと類似の符号化図形様相を呈するという問題点がある。データ符号化ブロックにおいて位置決めを助ける参照として使用される充填ドットは、該ブロックの中心に配されるので、位置決めに関して優れた補佐を実行するのにごく僅かなドットしか必要とされず、さらに、エラーコード補正が実行される。
【0022】
上記実施態様は、同じグレイレベルを持つ2D−OIDの可能な一つのタイプを記載するが、2D−OIDのサイズ、データ符号化ブロックのサイズ、位置決めブロックのサイズ、特異的パターンの配置、および、充填カラーは、異なる会社では異なる設計を持つことが可能であることは、当業者であれば知っている。したがって、本発明は、タイプを限定しない。すなわち、保存されるデータにしたがって、特異的パターンを形成する、特異的数のドットが、各データ符号化ブロックにおいて符号化され、填められる該特異的パターンに対応する位置から抽出されるが、この態様は、本発明の精神に合致し、同じグレイレベル特性を満たす。
【0023】
次に、もう一つの2D−OIDを、当業者が本発明の精神を行使することを可能とさせる一例として提示する。
【0024】
図5は、本発明の実施態様による、2D−OIDの、別の符号化図形の模式図である。図5に示すように、この実施態様では、2D−OIDは、一つの位置決めブロック201、および、八つのデータ符号化ブロック202から209を含む。この八つのデータ符号化ブロック202から209、および、一つの位置決めブロック201も、3x3魔方陣を構成する。位置決めブロック201は、3x3魔方陣の中心に配されるので、この2D−OIDを読み取る光学リーダーは、読み取り方向を識別することが可能である。したがって、位置決めブロック201の左辺および上辺の隣接ドットは填められる。しかしながら、異なる設計において、位置決めブロックは、方向およびパターンを決めるために一意なのであるから、したがって、当業者であれば、位置決めブロックを、他の充填ドットの組み合わせとして、例えば、互いに交わる右辺および上辺、右辺および下辺、左辺および下辺、または他の行辺および列辺のドットの組み合わせとして、好ましくは、より小さな範囲および独特なパターンの組み合わせとして設計することが可能である。さらに、充填ドットの数は、9以外の数であってもよい。データ符号化ブロック202から209の中心ドットは、位置決めを補佐するための参照として填めることが可能である。データ符号化ドットは、位置決めブロックと、データ符号化ブロックの各中心ドットの、位置決めブロックに対する地理的位置の間の間隔に基づいて推定することが可能であるから、位置決めを補佐するためにデータ符号化ブロックの中心ドットを填めることが必要である。同様に、当業者によって設計される、各データ符号化ブロックの充填ドットは、中心ドットに限定されない。例えば、中央にある、他のドットを填めることも可能である。
【0025】
図6aは、本発明の実施態様による、図5の2D−OIDの位置決めブロック201の符号化図形の模式図である。図6aに示すように、位置決めブロック201の9個のドット(すなわち、中空円)が填められ、残りの16個のドットは、16通りの、0000から1111の範囲の4ビット二進コードを表すことが可能である。各ドットの位置は、どの4ビット二進コードが表されるのか、を示すことが可能である。ドットの位置とデータとの関係は、多様な設定を有することが可能である。次に、図7は、本発明の実施態様による、図5の2D−OIDのデータ符号化ブロックの符号化図形の模式図である。図7に示すように、この実施態様では、参照ドットの外にさらに、ドットの数が24ある。これら24個のドットは、三つのサブブロック:一つは左上隅に8ドット、もう一つは右下隅に8ドット、および、最後の一つは、右上隅に4ドット、および左下隅に4ドット含む、に分けることが可能である。各サブブロックの8ドットは、8通りの、000から111の範囲の3ビット二進コードを表すことが可能であり、各ドットの位置は、どの3ビット二進コードが表されるのか、を決める。ドットの位置とデータの関係は、各ブロックにおいて別々に設定することが可能である。この実施態様では、各データ符号化ブロック202から209は、位置決めの補佐に使用される参照ドットを除き、データドットとして填められるべき3個のドットを有する。したがって、各データ符号化ブロック202から209において、合計4個のドットが填められる。これらの充填ドットは29個の異なる値を示すことが可能である。図6bは、本発明の実施態様による、図6aの2D−OIDの位置決めブロックの、別の符号化図形の模式図である。位置決め、および識別読み取り方向は、ドットの列および行から形成される非対称特異的パターンが填められている限り、決定が可能である。
【0026】
図8は、本発明の実施態様による、図5の2D−OIDのデータ符号化ブロックの、別の符号化図形の模式図である。この実施態様では、各データ符号化ブロックには、参照ドットの外にさらに、ドットの数が24である。これら24個のドットは、六つのサブブロック:第1は左上隅に4ドット、第2は左下隅に4ドット、第3は右上隅に4ドット、第4は右下隅に4ドット、第5は、中央の垂直線上に4ドット、および第6は、中央の水平線上に4ドットを含む、に分けることが可能である。各サブブロックの4ドットは、4通りの、00から11の範囲の2ビット二進コードを表すことが可能であり、各ドットの位置は、どの2ビット二進コードを表すのか、を決める。この実施態様では、各データ符号化ブロック202から209は、位置決めの補佐に使用される参照ドットを除き、データドットとして使用するために填めることが可能な6個のドットを有する。したがって、各データ符号化ブロック202から209において、合計7個のドットが填められる。これらの充填ドットは、212個の異なる値を表すことが可能である。
【0027】
したがって、データ符号化ブロックは、複数のサブブロックに分割することが可能であり、その場合、各サブブロックは、2nドットを有し、これによって、nが1より大きい正の整数であるnビットによって符号化されるデータを担うことが可能となる。nの値は、符号化図形を構成する充填ポイントの密度に影響を及ぼす可能性がある。
【0028】
図9は、本発明の実施態様による2D−OIDのデータ符号化ブロックの、別の符号化図形の模式図である。この実施態様では、ブロックの中心の9ドットが填められるが、これらの9ドットは、位置決めを補佐するための参照ドットとして使用される。したがって、各データ符号化ブロック202から209は、残り16個のドットを有し、これらは、16通りの、0000から1111の範囲の4ビット二進コードを表す。この場合、各データ符号化ブロック202から209は、データドットとして填められる、合計10個のドットを持ち、24(16)の異なる値を表すことが可能である。
【0029】
5x5データ符号化ブロックおよび位置決めブロックが、符号化スキームの一例として提示されているが、当業者であれば、4x4、または6x6、場合によってはNxMサイズでも、本発明の目的を実現することが可能であることを理解することができよう。したがって、本発明は、上述の例に限定されない。さらに、中空円および充填円、またはドットは、前述の実施態様において一例として提示されるもので、当業者であれば、本発明の精神および範囲から離れることなく、これらの中空および充填円を交換すること、すなわち、円を、他の形状、例えば、三角、正方形、卵形、四角形、正五角形、六角形など、円に限定されないで、円と同様の所望の結果を取得することを可能とする形状に変えることが可能である。
【0030】
図10に示すもう一つの例は、NxM符号化設定を実行するために提示される。図10は、本発明の実施態様による、2D−OIDの2x3アレイの符号化図形の模式図である。図10に示すように、位置決めブロック701および各データ符号化ブロック702から709は、2x3ドットを含む。この場合、位置決めブロック701において、互いに交わる左辺および上辺のドットは填められ、残りのドットは使用されない。各データ符号化ブロック702から709の、中央の2ドットは、位置決めを補佐する参照ドットとして填められ、残りの4ドットが、それぞれ、00から11の範囲の、異なる2ビット二進コードを表す。したがって、位置決めブロックおよびデータ符号化ブロックから形成される、この2D−OIDは、16ビットデータを表すように符号化することが可能である。各データ符号化ブロックを符号化する順序は、所望に応じて設定することが可能である。
【0031】
この実施態様に接すれば、当業者であれば、非正方形ブロックにおいても、本発明は、2D−OIDを符号化し、同じグレイレベル効果を実現できるように適応可能であることが理解されよう。したがって、本発明は、正方形に限定されない。
【0032】
さらに、データ符号化ブロックおよび位置決めブロックは、3x3魔方陣形に配置されるが、当業者であれば、別の配置、例えば、位置決めブロック、プラス、一内層および一外層のデータ符号化ブロックを用いることも可能であろう。この内層は、8ブロックを持ち、外層は16ブロックを持ち、位置決めブロックおよびデータ符号化ブロックは、図4および5に示す符号化図形を形成することが可能である。
【0033】
したがって、2D−OIDのための符号化法が示される、図11のフローチャートを実現することが可能である。図11に示すように、この符号化法は、下記のステップを含む。
【0034】
ステップS110は、位置決めブロック、該位置決めブロックの周囲に複数のデータ符号化ブロック、各データ符号化ブロックに複数ドットを設け、これらのドットを、データ符号化ブロックにおいてNxMアレイに配置する。
【0035】
3x3魔方陣配置が示される図4および5に見られるように、位置決めブロックにおいても複数ドットが設けられ、NxMアレイに配置される。ここにN、Mは正の整数である。
【0036】
ステップS111は、位置決めブロック中の第1および第2辺に隣接するドットを填め、各データ符号化ブロックの中心の、少なくとも一ドットを填める。
【0037】
ステップS112は、保存されるべきデータに基づき、各データ符号化ブロックの残余のドットから特異的数のドットを抽出し、この抽出ドットを填める。
【0038】
例えば、図4のデータ符号化ブロックから、3ビットデータを表すために、データを担うための一ドットが抽出されるか、または、図7の設計を用いて、図5のデータ符号化ブロックから、データを担うための3個のドットを抽出し、それによって9ビットデータが符号化され、この場合、512の異なる数値が表される。図8に示すように、データを担う6個のドットが、図5のデータ符号化ブロックから抽出され、それによって12ビットデータが符号化され、この場合は、212(4096)個の異なる数値が表される。
【0039】
ステップS113は、保存されるべきデータに基づき、位置決めブロックの残余のドットから、別の特異的数のドットを抽出し、この抽出ドットを填める。
【0040】
したがって、位置決めブロックの残余のドットから、データを担うための、別の、特異的数のドットが抽出されるよう選択することが可能である。当業者であれば、位置決めブロックの必須機能は、光学リーダーが読み取り方向を識別可能とすることであることを理解することが可能である。したがって、データを符号化するために位置決めブロックが使用されるかどうかは、選ばれた設計によって決められるので、したがって、2D−OIDの符号化法は、それ(使用すること)に限定されない。
【0041】
したがって、下記のステップを含む、2D−OIDのための別の符号化法が提供される。
【0042】
ステップ1は、3x3魔方陣形状の符号化図形を設ける。この図形において、一つの位置決めブロックは中心に、八つのデータ符号化ブロックは周辺にある。各データ符号化ブロックは、L個のサブブロックを持ち、1番目のサブブロックは、データを担うために2kl個の特異的パターンを有する。ここに、Lは正の整数であり、1=1,2, ...Lである。各特異的パターンは、kl−ビット二進コードを表すことが可能であり、ここに、klは正の整数である。異なる特異的パターンのドットは、異なる二進コードを表し、位置決めブロック中の複数のドットは、位置決めのために填められる。
【0043】
さらに、位置決めを補佐するために、各データ符号化ブロックの中心の、少なくとも一ドットは填められる。
【0044】
位置決めブロックの符号化図形は、NxMアレイに限定されず、データ符号化ブロックの配置と同様であってもよい。符号化図形は、二つの垂直隣接辺ドットの充填に限定されず、代わりに、一行ドットおよび一列ドットから形成される非対称特異的パターンの充填、例えば、公知の技術によって位置決めブロックに使用される、他の配置および充填スキームなども可能である。
【0045】
各ブロックのドットは、NxMアレイに配置することが可能であり、好ましくはNはMに等しい。この場合、N=M=3、またはN=M=5であるが、好ましくは、データ符号化ブロックにおいて位置決めを補佐するドットは、中心ドットと同じである。好ましくは、各サブブロックは、同じ数のドット、例えば、2、3、4個、または2、3、4個とは別の数のドットを持つ。
【0046】
好ましくは、位置決めブロックでは、二つの互いに直交する辺の隣接ドットが、例えば、完全に、または部分的に、例えば、各辺の、3個、およびそれ以上の連続ドットが、濃い色で填められる。
【0047】
それとは別に、3x3魔方陣の各データ符号化ブロックのドットは、円形アレイとして配置することも可能である。この円形アレイは、参照ポイントとして使用される一ドット、および、参照ドットを中心とする円周上に、データドットとして使用される、均一に分布される4または8個のドットを含む。この位置決めブロックは、NxMアレイ形状を取る。これらのドットの符号化は、前述の実施態様のものと同じである。このようなスキームは、より多くの情報量を担うことが可能であり、符号化図形によって引き起こされる視覚干渉を抑える。
【0048】
データを担うドット、位置決めを補佐するか、または位置決めするドットは、同じであっても異なっていてもよく、その形状は、円、四角、または多角形など、同じ形で異なるサイズを持っており、そのため、位置決め、および参照ドットが、位置決めドットにしたがって識別されるようになっていてもよい。充填ドットは、填められ、必然的に見られるが、他のドットは、必ずしも表示される必要はなく、特に、2D−OIDと共にプリントされる媒体に対して表示される必要はない。したがって、符号化がコンピュータ手順によって実行される場合、文書の中にドットの位置および形状データを保存するだけでよい。
【0049】
3x3魔方陣形の符号化図形は、位置決めブロックを中心とする対称構造を持つ、他の符号化図形と同様に改変することが可能である。この実施態様では、データ符号化ブロックは、同じ数のサブブロック、および対応位置を含む。各サブブロックは、同じ数のドット、および対応位置を持つ。同じ位置のドットは、同じ二進コードを示す。しかしながら、他の実施態様では、一つ以上の異なる符号化図形があってもよく、そのことは、本発明の目的を冒すものではない。
【0050】
ステップ2は、データ符号化ブロックをセグメントに設定する符号化順序に基づき、二進データを符号化して、対応するデータ符号化ブロックに割り当てる。各データ符号化ブロックは、サブブロックを設定する符号化配列に基づき、klビットデータを順次符号化して1番目サブブロックに割り当てる。すなわち、1番目のサブブロックに表される二進コードに等しい、klビットデータのドットの、特異的パターンが填められ、ここに1=1,2, ...Lである。
【0051】
ビット数が、符号化すべき二進データの、あるサブブロックを符号化するのに十分でない場合、設定ワード符号を填めて、該サブブロック中の残余のデータを符号化することが可能である。したがって、残余のサブブロック、またはデータ符号化ブロックは、充填ワード符号を符号化し、符号化を完了するために使用することが可能である。
【0052】
このステップでは、位置決めブロックの中に、データを担うための残余のドットがある場合、その符号化は、データ符号化ブロックにおけるそれと同様である、すなわち、符号化のためにL’個のサブブロックが分割される。1’番目のサブブロックは、データを担うための、2kl'の特異的パターンのドットを持つ。この特異的パターンのドットは、それぞれ、異なるビットを持つ二進コードを表す。データが、kl'ビットで符号化される場合、表される二進コードに等しい、kl'ビットデータの、特異的パターンのドットが填められる。ここに、L’、kl'は正の整数であり、1’=1,2, ...Lである。
【0053】
ステップ3は、データを担う、特異的パターンのドットが、符号化される二進データにしたがって完全に充填された後、符号化された2D−OIDの符号化図形を取得する。
【0054】
次に、一つ以上の符号化2D−OIDの符号化図形がプリント製品の上にプリントされ、それによって、秘匿された情報を符号化させたプリント製品が取得される。このプリント製品における2D−OIDによって引き起こされる視覚干渉は少ないので、視覚に対し同じグレイレベル作用を及ぼす。
【0055】
実際には、図12に示される、2D−OIDの前述の符号化図形をプリントさせたプリント製品を識別するためのシステムが提供される。図には、2D−OIDの識別システムの模式図が提示される。この識別システムは、2D情報をプリントさせたプリント製品910、および2D−OID識別デバイス920を含む。別の実施態様では、プリント製品は、2D−OIDの符号化図形を持つ別の表面にプリントされた目的物であってもよい。
【0056】
プリント製品910は、複数の2D−OID符号化図形を持つ2D−OID層912、および、一つ以上の識別子図形を持つ識別子層914を含む。2D−OID層912は、赤外線吸収インクでプリントすることによって取得される。識別子層914は、赤外線透過インクでプリントすることによって取得される。したがって、識別子図形のプリント情報は、光の反射および吸収には影響しない。2D−OID符号化図形は、対応する識別子図形と重ね合わされ、識別子図形を含む。識別子は、符号化図形の符号化情報に関連する。識別子図形は、絵、文章、および符号、またはそれらの組み合わせの内の一つであってもよい。
【0057】
2D−OID識別子デバイス920は、光学リーダー921、処理デバイス922、および出力デバイス923を含む。この光学リーダー921、処理デバイス922、および出力デバイス923は、有線で、または無線で接続することが可能である。
【0058】
光学リーダーは、光学パッケージ、光学センサー、および赤外線透過機を含む。赤外線透過機は、プリント製品910の上を照明する。光学パッケージは、プリント製品によって反射される赤外線をろ過し、これによって、赤外線だけが、光学センサーに伝達されることが確保される。2D−OID層912は、赤外線吸収インクによるプリントによって取得され、識別子層914は、赤外線透過インクによるプリントによって取得されるのであるから、センサーは、2D−OID層912によって反射される赤外線を受信し、拡大符号化図形から成る対応情報を生成する。光学センサーは、例えば、CMOSセンサーであってもよい。
【0059】
処理デバイス922は、光学センサーによって生成された符号化図形の画像を受信し、符号化情報、例えば、符号化図形に符号化される識別子名および番号を識別し、この符号化情報に基づいて、関連情報、例えば、識別子に関連するオーディオ、ビデオを取得する。出力デバイス923は、符号化情報および/または関連情報を、指定の形式、例えば、LCDまたは音声出力として出力する。
【0060】
前述の2D−OID符号化図形によれば、処理デバイスは、位置決めパターンのドットを持つ位置決めブロックを検出し、位置決めブロック中の2ポイント間の間隔、および、3x3魔方陣において、位置決めブロックに対する、データ符号化ブロックの相対的地理的位置に基づいて充填されるデータドットの位置を直接推定し、推定位置に見出される充填データポイントに基づいて、符号化図形においてどのデータポイントが填められているかを決定する。
【0061】
符号化図形の視像化後変形が起こり、データ符号化ブロックおよび位置決めブロックの符号化図形が近似する場合もあるから、位置決めを補佐する、データ符号化ブロックの中心の参照ポイントを用いて、エラーコード補正を実行する。具体的に言うと、処理デバイスは、位置決めパターンのドットを検出する場合、該デバイスは、位置決めブロック中の2ポイント間の間隔、および、3x3魔方陣において、位置決めブロックに対する、データ符号化ブロックの相対的地理的位置に基づいて、参照ポイントの位置を見出し、さらに、参照ポイントが各推定位置に検出されるかどうかに基づいて、検出された位置決めブロックがエラーコードか、そうでないかを決定する。位置決めブロックが決定されると、処理デバイスは、位置決めブロック中の2点間の間隔、および、符号化図形における、位置決めブロックに対する、データ符号化ブロックの相対的地理的位置に基づいて、画像において、参照ポイントの周囲に、恐らく充填される、データポイントの位置を推定し、推定位置に見出される充填データポイントに基づいて、対応する二進コードを取得するために、符号化図形のどのデータポイントが填められたかを確かめる。データポイントに対応する二進コードは順次結合され、それによって符号化図形において符号化されたデータが取得される。
【0062】
識別デバイス920は、光学的識別ペンであってもよい。
【0063】
前述のように、本発明は、位置決めブロック、および、該位置決めブロックの周囲にデータ符号化ブロックを設け、これらのブロックを、3x3魔方陣形、または、位置決めブロック対称を持つ形に配置する。さらに、各データ符号化ブロックにNxMドットアレイが設けられる。位置決めブロックの二つの隣接辺における完全または部分ドットが填められると、光学的識別デバイスは、読み取り方向を確かめることが可能となる。中心部のドットの特異的パターンの外に、データ符号化ブロックにおいて特異的数のドットが填められ、したがって、符号化がプリント製品に適用された場合、符号化が十分に僅少である限り、視覚において同じグレイレベル作用が得られる。すなわち、本発明は、プリント製品の上に符号化情報を秘匿することが可能である。
【0064】
これまで本発明は、その好ましい実施態様に関連して説明されてきたが、他にも、多くの修飾および改変を、この後で主張される、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、実行可能であることを理解しなければならない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二次元光学的識別(2D−OID)のための符号化法であって:
位置決めブロック、および、該位置決めブロックの周囲に、複数のデータ符号化ブロックを設けること;
位置決めブロックの中に、NxMアレイ配置を持つ複数ドットを設けること、ここにN、Mは正の整数であり;
前記各データ符号化ブロックの中に、前記NxMアレイ配置を持つ複数ドットを設けること;
一行および一列の該ドットを填めて、位置決めブロック内に非対称な特異的パターンを形成し、前記各データ符号化ブロックの中心において少なくとも一つのドットを填めること;および、
情報を担うために、データ符号化ブロックの残余のドットを選択的に填めること、を含む方法。
【請求項2】
前記非対称な特異的パターンが、前記位置決めブロックにおける、二つの互いに交わる辺の、前記ドットによって形成されることを特徴とする、請求項1に記載の符号化法。
【請求項3】
前記データ符号化ブロックの数が8であり、該データ符号化ブロックおよび前記位置決めブロックが、3x3の魔法陣を構成することを特徴とする、請求項1に記載の符号化法。
【請求項4】
NもMも共に3であり、前記各データ符号化ブロックにおける残余のドット数が8であり、該8ドットが、それぞれ、3ビット二進コードを表すことを特徴とする、請求項1に記載の符号化法。
【請求項5】
NおよびMが3であり、前記位置決めブロックの充填ドットの数が5であり、該位置決めブロックの残余の4ドットが2ビット二進コードを表すことを特徴とする、請求項1に記載の符号化法。
【請求項6】
NもMも共に5であり、前記残余の24ドットが、6個のサブブロックに分割され、前記各サブブロックにおける4ドットが、それぞれ、2ビット二進コードを表すか、または、3個の前記サブブロックに分割され、各サブブロックにおける8ドットが、それぞれ、3ビット二進コードを表すことを特徴とする、請求項1に記載の符号化法。
【請求項7】
NもMも共に5であり、前記位置決めブロックの充填ドットの数が9であり、該位置決めブロックの残余の16ドットが4ビット二進コードを表すことを特徴とする、請求項2に記載の符号化法。
【請求項8】
前記位置決めブロックにおける前記非対称特異的パターンが、位置決め、および読み取り方向の識別のために使用されることを特徴とする、請求項1に記載の符号化法。
【請求項9】
2D−OIDを運用するプリント製品であって、該2D−OIDは、位置決めブロックおよびデータ符号化ブロックから構成され、該位置決めブロック、および該各データ符号化ブロックは、それぞれ、NxM配置を持つ複数ドットを含み、その際、該位置決めブッロクでは、これらドットの行および列が填められて、位置決めおよび読み取り方向識別のための非対称特異的パターンを形成し、前記各データ符号化ブロック中心の少なくとも一つのドットは、位置決めのために填められ、前記各データ符号化ブロックの残余のドットは、二進符号化のために選択的に填められ、ここに、2D−OIDは、赤外線吸収インクによってプリントされ、識別子図形は、赤外線透過インクによってプリントされ、N、Mは正の整数であることを特徴とする、プリント製品。
【請求項10】
2D−OIDのための識別システムであって、複数の2D−OID符号化図形を取得するために、ある特異的波長によって目的物表面を読み取るための識別デバイスを使用し、ここに、該目的物表面はさらに、複数の識別子図形を有し、該符号化図形および識別子図形は、異なる光学的特性を有し、前記各符号化図形は、位置決めブロック、および該位置決めブロックの周囲に複数のデータ符号化ブロックを有し、該位置決めブロックまたはデータ符号化ブロックは、それぞれ、NxMアレイに配置される、複数のドットを有し;
該位置決めブロックでは、ドットの行および列が填められて、位置決めおよび読み取り方向を識別のための非対称特異的パターンを形成し、前記各データ符号化ブロック中心の少なくとも一つのドットは、位置決めのために填められ、前記各符号化ブロックの残余のドットは、二進符号化のために選択的に填められ、ここに、N、Mは正の整数であり;
該識別デバイスは、該目的物表面における符号化図形を識別し、次に、情報を出力する、
ことを特徴とする、識別システム。
【請求項11】
NもMも共に3であり、前記各データ符号化ブロックにおける残余のドット数が8であり、該8ドットが、それぞれ、3ビット二進コードを表し、前記位置決めブロックの充填ドットの数が5であり、該位置決めブロックの残余の4ドットが、2ビット二進コードを表すことを特徴とする、請求項10に記載の識別システム。
【請求項12】
NもMも共に5であり、残余の24ドットが、6個のサブブロックに分割され、前記各サブブロックにおける4ドットが、それぞれ、2ビット二進コードを表すか、または、3個のサブブロックに分割され、前記各サブブロックにおける8ドットが、それぞれ、3ビット二進コードを表すことを特徴とする、請求項10に記載の識別システム。
【請求項13】
NもMも共に5であり、前記非対称特異的パターンのドットの数が9であり、前記位置決めブロックの残余の16ドットが4ビット二進コードを表すことを特徴とする、請求項10に記載の識別システム。
【請求項14】
前記識別デバイスが:
前記目的物表面から前記符号化図形の画像を捕捉するための光学リーダー;
該符号化図形から前記非対称特異的パターンを定め、該符号化図形において前記残余のドットを定め、それによって、該符号化図形に符号化される情報を識別するための処理デバイス;および、
該情報を出力するための出力デバイス、
をさらに含むことを特徴とする、請求項10に記載の識別システム。
【請求項15】
前記データ符号化ブロックの数が8であり、該データ符号化ブロックおよび前記位置決めブロックが、3x3の魔法陣を構成することを特徴とする、請求項10に記載の識別システム。
【請求項16】
前記符号化図形、および前記識別子図形が互いに重ね合わされることを特徴とする、請求項10に記載の識別システム。
【請求項17】
前記目的物表面が印刷表面を示し、前記符号化図形が、赤外線吸収インクによってプリントされ、前記識別子図形が、赤外線透過インクによってプリントされることを特徴とする、請求項10に記載の識別システム。
【請求項1】
二次元光学的識別(2D−OID)のための符号化法であって:
位置決めブロック、および、該位置決めブロックの周囲に、複数のデータ符号化ブロックを設けること;
位置決めブロックの中に、NxMアレイ配置を持つ複数ドットを設けること、ここにN、Mは正の整数であり;
前記各データ符号化ブロックの中に、前記NxMアレイ配置を持つ複数ドットを設けること;
一行および一列の該ドットを填めて、位置決めブロック内に非対称な特異的パターンを形成し、前記各データ符号化ブロックの中心において少なくとも一つのドットを填めること;および、
情報を担うために、データ符号化ブロックの残余のドットを選択的に填めること、を含む方法。
【請求項2】
前記非対称な特異的パターンが、前記位置決めブロックにおける、二つの互いに交わる辺の、前記ドットによって形成されることを特徴とする、請求項1に記載の符号化法。
【請求項3】
前記データ符号化ブロックの数が8であり、該データ符号化ブロックおよび前記位置決めブロックが、3x3の魔法陣を構成することを特徴とする、請求項1に記載の符号化法。
【請求項4】
NもMも共に3であり、前記各データ符号化ブロックにおける残余のドット数が8であり、該8ドットが、それぞれ、3ビット二進コードを表すことを特徴とする、請求項1に記載の符号化法。
【請求項5】
NおよびMが3であり、前記位置決めブロックの充填ドットの数が5であり、該位置決めブロックの残余の4ドットが2ビット二進コードを表すことを特徴とする、請求項1に記載の符号化法。
【請求項6】
NもMも共に5であり、前記残余の24ドットが、6個のサブブロックに分割され、前記各サブブロックにおける4ドットが、それぞれ、2ビット二進コードを表すか、または、3個の前記サブブロックに分割され、各サブブロックにおける8ドットが、それぞれ、3ビット二進コードを表すことを特徴とする、請求項1に記載の符号化法。
【請求項7】
NもMも共に5であり、前記位置決めブロックの充填ドットの数が9であり、該位置決めブロックの残余の16ドットが4ビット二進コードを表すことを特徴とする、請求項2に記載の符号化法。
【請求項8】
前記位置決めブロックにおける前記非対称特異的パターンが、位置決め、および読み取り方向の識別のために使用されることを特徴とする、請求項1に記載の符号化法。
【請求項9】
2D−OIDを運用するプリント製品であって、該2D−OIDは、位置決めブロックおよびデータ符号化ブロックから構成され、該位置決めブロック、および該各データ符号化ブロックは、それぞれ、NxM配置を持つ複数ドットを含み、その際、該位置決めブッロクでは、これらドットの行および列が填められて、位置決めおよび読み取り方向識別のための非対称特異的パターンを形成し、前記各データ符号化ブロック中心の少なくとも一つのドットは、位置決めのために填められ、前記各データ符号化ブロックの残余のドットは、二進符号化のために選択的に填められ、ここに、2D−OIDは、赤外線吸収インクによってプリントされ、識別子図形は、赤外線透過インクによってプリントされ、N、Mは正の整数であることを特徴とする、プリント製品。
【請求項10】
2D−OIDのための識別システムであって、複数の2D−OID符号化図形を取得するために、ある特異的波長によって目的物表面を読み取るための識別デバイスを使用し、ここに、該目的物表面はさらに、複数の識別子図形を有し、該符号化図形および識別子図形は、異なる光学的特性を有し、前記各符号化図形は、位置決めブロック、および該位置決めブロックの周囲に複数のデータ符号化ブロックを有し、該位置決めブロックまたはデータ符号化ブロックは、それぞれ、NxMアレイに配置される、複数のドットを有し;
該位置決めブロックでは、ドットの行および列が填められて、位置決めおよび読み取り方向を識別のための非対称特異的パターンを形成し、前記各データ符号化ブロック中心の少なくとも一つのドットは、位置決めのために填められ、前記各符号化ブロックの残余のドットは、二進符号化のために選択的に填められ、ここに、N、Mは正の整数であり;
該識別デバイスは、該目的物表面における符号化図形を識別し、次に、情報を出力する、
ことを特徴とする、識別システム。
【請求項11】
NもMも共に3であり、前記各データ符号化ブロックにおける残余のドット数が8であり、該8ドットが、それぞれ、3ビット二進コードを表し、前記位置決めブロックの充填ドットの数が5であり、該位置決めブロックの残余の4ドットが、2ビット二進コードを表すことを特徴とする、請求項10に記載の識別システム。
【請求項12】
NもMも共に5であり、残余の24ドットが、6個のサブブロックに分割され、前記各サブブロックにおける4ドットが、それぞれ、2ビット二進コードを表すか、または、3個のサブブロックに分割され、前記各サブブロックにおける8ドットが、それぞれ、3ビット二進コードを表すことを特徴とする、請求項10に記載の識別システム。
【請求項13】
NもMも共に5であり、前記非対称特異的パターンのドットの数が9であり、前記位置決めブロックの残余の16ドットが4ビット二進コードを表すことを特徴とする、請求項10に記載の識別システム。
【請求項14】
前記識別デバイスが:
前記目的物表面から前記符号化図形の画像を捕捉するための光学リーダー;
該符号化図形から前記非対称特異的パターンを定め、該符号化図形において前記残余のドットを定め、それによって、該符号化図形に符号化される情報を識別するための処理デバイス;および、
該情報を出力するための出力デバイス、
をさらに含むことを特徴とする、請求項10に記載の識別システム。
【請求項15】
前記データ符号化ブロックの数が8であり、該データ符号化ブロックおよび前記位置決めブロックが、3x3の魔法陣を構成することを特徴とする、請求項10に記載の識別システム。
【請求項16】
前記符号化図形、および前記識別子図形が互いに重ね合わされることを特徴とする、請求項10に記載の識別システム。
【請求項17】
前記目的物表面が印刷表面を示し、前記符号化図形が、赤外線吸収インクによってプリントされ、前記識別子図形が、赤外線透過インクによってプリントされることを特徴とする、請求項10に記載の識別システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6a】
【図6b】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6a】
【図6b】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−61650(P2010−61650A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−178270(P2009−178270)
【出願日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【出願人】(509215813)ジェネラルプラス テクノロジー インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−178270(P2009−178270)
【出願日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【出願人】(509215813)ジェネラルプラス テクノロジー インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】
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