説明

2種類の増速機を持った水力発電装置

【課題】河川や水路等で小規模な水力発電をしようとするとき、通常の流速では必要な回転数が得られないことが多い。必要な発電機回転数を簡易に得るための装置を提供する。
【解決手段】装置内で水路面積を減少させることによって得る水流増速装置1と、それによって増速された水流によって回転する水車2と、水車軸からの出力回転数を歯車列によって増加させる回転数増加装置3と、これら2種類の増速装置によって増速された回転入力で回転する発電機4とで一体として構成された水力発電装置。水流増速装置は流入部に対し水路断面積を減少させることによって得るが、流出部周囲からの水圧によりその効果が減ぜられる。流出部断面積を増速部に比べて大きくすることによって水圧を減ずることができ、断面積を変えない場合に比べて増速部の水流速度をより大きくすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、増速機を持った水力発電装置に関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
発電機で発電するためには一定の回転数が必要であるが、河川や水路等で小規模な水力発電をしようとするとき、通常の流速では必要な回転数が得られないことが多い。一般的には高い位置から導水して落差を使って流速を増加させたり、水車の回転出力軸に増速機をつないで必要な回転数を得たりしているが、水路工事が必要であったり、強力な増速をするために大きな装置を要したりする。本発明は、必要な流速を簡易に得るための装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明の水力発電装置は、水流増速装置と軸回転数増速装置を組み合わせることにより小型で簡易に必要な発電機回転数を得ようとするものである。本発明は、装置内で水路面積を減少させることによって得る水流増速装置と、それによって増速された水流によって回転する水車と、水車軸からの出力回転数を歯車列によって増加させる回転数増加装置と、この増速装置によって増速された回転入力で回転する発電機とを一体として構成された水力発電装置である。
なお、水流増速は水路断面を狭めることによって得るが、流出部周囲からの水圧によりその効果が減ぜられる。流出部の断面積を増速部に比べて大きくすることによって水圧を減ずることができ、断面積を変えない場合に比べて増速部の水流速度を大きくすることができる。
【発明の効果】
【0004】
本発明によれば、流速があまり大きくない水路でも大規模な水路工事などをせず、一体型の発電装置のみで簡易に必要な流速と発電機回転数を得て発電することができる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】本発明の実施形態に係る水力発電装置を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係る水力発電装置の一例を示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係る水力発電装置の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
図3により本発明の水力発電装置を説明する。水流が水路断面積を減少させることによって得る水流増速装置1によって増速され水車2を回転させる。水車の回転は水車軸を介して歯車列による回転数増加装置3に伝達され発電に必要な回転数にまで増速される。これら2種類の増速装置によって増速された回転が発電機4に伝達され発電を行う。これらの装置が一体的に組立てられて一つの発電装置として構成される。
水流増速装置は流入部に対し水路断面積を減少させることによって得るが、流出部周囲からの水圧によりその効果が減ぜられる。流出部断面積を増速部に比べて大きくすることによって水圧を減ずることができ、断面積を変えない場合に比べて増速部の水流速度をより大きくすることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水流の速度エネルギーを利用して発電する水力発電装置で、発電に必要な回転数を得るために、
水流速度を増加させる前記水流増速装置と、
水車の回転を機械的に増速させる前記歯車列と、
を持つ水力発電装置。
【請求項2】
前記水力発電装置で、当該高速水流部の水路断面積を取水部に比べて減ずるとともに、流出部の水路断面積を当該部に比べて大きくした水流増速装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−202397(P2012−202397A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−85768(P2011−85768)
【出願日】平成23年3月23日(2011.3.23)
【出願人】(506351318)
【Fターム(参考)】