説明

3−置換アミノ環状アミン誘導体の製造方法

【課題】高収率・高純度の3−置換アミノ環状アミン誘導体を、安全かつ安価に製造する。
【解決手段】式(1):


[式中、mは1、2、または3を、Rは水素原子等を、Rは、存在しないか、1または複数存在し、それぞれ独立して、ハロゲン原子等を、Rは置換されてもよいアルキル基等を、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子等を表す。]で示される化合物を、水素化ホウ素ナトリウムで処理して、式(2):


で示される化合物とし、これを官能基変換反応に付した後、引き続き単離することなく、式RNH[Rは水素原子等を表す]で示される化合物と反応させることを特徴とする、式(3):


で示される化合物の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬品原料等として工業的に非常に有用な3−置換アミノ環状アミン誘導体を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
3−置換アミノ環状アミン誘導体は、例えば抗菌剤の合成中間体(特許文献1参照)、2型糖尿病治療剤の合成中間体(特許文献2参照)等として使用できる。
3−置換アミノ環状アミン誘導体の製造方法としては、例えば、非特許文献1に記載の方法が知られている。
【特許文献1】国際公開第99/14214号パンフレット
【特許文献2】国際公開第04/33455号パンフレット
【非特許文献1】SYNTHETIC COMMUNICATIONS, 28(21), 3919-3926(1998)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の発明者らは、3−置換アミノ環状アミン誘導体の製造方法について、上記文献(SYNTHETIC COMMUNICATIONS, 28(21), 3919-3926(1998))記載の方法では大量合成のために解決すべき課題が複数存在することを見出した。
上記文献(SYNTHETIC COMMUNICATIONS, 28(21), 3919-3926(1998))記載の方法は下記の4工程からなる。
【0004】
【化1】

第1工程と第2工程の2工程は、文献の再現が困難である。
特に第2工程の還元工程は、水素化ホウ素カルシウムで実施しているが、水素化ホウ素カルシウムは予め調製して使用する必要があり、その調製は用いるカルシウム源になる試薬(たとえば塩化カルシウム)の粒度、水分含量などさまざまな要因をコントロールしなければならず、大量合成を考える時、非常に煩雑である。また、還元工程で大量合成を行う際には、還元反応に伴って発生する気体の量が大きな問題となる。
中間体である2つのメタンスルホニル基を持つ化合物Dは不安定で、文献(Tetrahedron Letters,35(30),5409-5412,1994)に記載の副反応などが起きるため、大量スケールでは濃縮操作ができず、単離が困難である。さらに、各工程でカラムクロマトグラフィーによる精製を行っているなど、このまま工業的な製造法とはなりえない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは前記課題を解決する方法について鋭意検討した結果、本発明に達した。すなわち、本発明は:
〔1〕 式(1):
【0006】
【化2】

[式中、mは、1、2、または3を表し;
は、水素原子、置換されてもよいアルキル基、置換されてもよいシクロアルキル基、置換されてもよいアルケニル基、置換されてもよいアリール基、置換されてもよいアラルキル基、置換されてもよいヘテロアリール基、置換されてもよいアシル基、置換されてもよいアロイル基、置換されてもよいアルコキシカルボニル基、または置換されてもよいアラルキルオキシカルボニル基を表し;
は、存在しないか、1または複数存在し、それぞれ独立して、ハロゲン原子、水酸基、置換されてもよいアルキル基、置換されてもよいシクロアルキル基、置換されてもよいアルコキシ基、置換されてもよいシクロアルキルオキシ基、置換されてもよいアリール基、置換されてもよいアラルキル基、置換されてもよいアミノ基を表すか、または2つのRが一緒になってメチレンもしくはエチレンを表し、環を構成する1つまたは2つの炭素原子と結合し新たな環を形成することもでき;
は、置換されてもよいアルキル基、置換されてもよいシクロアルキル基、置換されてもよいアルケニル基、置換されてもよいアリール基、置換されてもよいアラルキル基、置換されてもよいヘテロアリール基、置換されてもよいアルコキシ基、置換されてもよいシクロアルキルオキシ基、置換されてもよいアルケニルオキシ基、置換されてもよいアリールオキシ基、置換されてもよいアラルキルオキシ基、または、置換されてもよいヘテロアリールオキシ基を表し;
およびRは、それぞれ独立して、水素原子、置換されてもよいアルキル基、または置換されてもよいアリール基を表す。
]で示される化合物を、水素化ホウ素ナトリウムで処理して、
式(2):
【0007】
【化3】

[式中、m、R、R、Rは、前記と同義である。]で示される化合物とし、これを官能基変換反応に付した後、引き続き単離することなく、式RNH[Rは、水素原子、置換されてもよいアルキル基、または置換されてもよいアリール基を表す]で示される化合物と反応させることを特徴とする、
式(3):
【0008】
【化4】

[式中、m、R、R、RおよびRは、前記と同義である。]で示される化合物の製造方法、
〔2〕 式(4):
【0009】
【化5】

[式中、mは、1、2、または3を表し;
は、水素原子、置換されてもよいアルキル基、置換されてもよいシクロアルキル基、置換されてもよいアルケニル基、置換されてもよいアリール基、置換されてもよいアラルキル基、置換されてもよいヘテロアリール基、置換されてもよいアシル基、置換されてもよいアロイル基、置換されてもよいアルコキシカルボニル基、または置換されてもよいアラルキルオキシカルボニル基を表し;
は、存在しないか、1または複数存在し、それぞれ独立して、ハロゲン原子、水酸基、置換されてもよいアルキル基、置換されてもよいシクロアルキル基、置換されてもよいアルコキシ基、置換されてもよいシクロアルキルオキシ基、置換されてもよいアリール基、置換されてもよいアラルキル基、置換されてもよいアミノ基を表すか、または2つのRが一緒になってメチレンもしくはエチレンを表し、環を構成する1つまたは2つの炭素原子と結合し新たな環を形成することもでき;
は、置換されてもよいアルキル基、置換されてもよいシクロアルキル基、置換されてもよいアルケニル基、置換されてもよいアリール基、置換されてもよいアラルキル基、置換されてもよいヘテロアリール基、置換されてもよいアルコキシ基、置換されてもよいシクロアルキルオキシ基、置換されてもよいアルケニルオキシ基、置換されてもよいアリールオキシ基、置換されてもよいアラルキルオキシ基、または、置換されてもよいヘテロアリールオキシ基を表し;
およびRは、それぞれ独立して、水素原子、置換されてもよいアルキル基、または置換されてもよいアリール基を表す。
]で示される化合物を、水素化ホウ素ナトリウムで処理して、
式(5):
【0010】
【化6】

[式中、m、R、RおよびRは、前記と同義である。]で示される化合物とし、これを官能基変換反応に付した後、引き続き単離することなく、式RNH[Rは、水素原子、置換されてもよいアルキル基、または置換されてもよいアリール基を表す]で示される化合物と反応させることを特徴とする、
式(6):
【0011】
【化7】

[式中、m、R、R、RおよびRは、前記と同義である。]で示される化合物の製造方法、
〔3〕 式(7):
【0012】
【化8】

[式中、mは、1、2、または3を表し;
は、水素原子、置換されてもよいアルキル基、置換されてもよいシクロアルキル基、置換されてもよいアルケニル基、置換されてもよいアリール基、置換されてもよいアラルキル基、置換されてもよいヘテロアリール基、置換されてもよいアシル基、置換されてもよいアロイル基、置換されてもよいアルコキシカルボニル基、または置換されてもよいアラルキルオキシカルボニル基を表し;
は、存在しないか、1または複数存在し、それぞれ独立して、ハロゲン原子、水酸基、置換されてもよいアルキル基、置換されてもよいシクロアルキル基、置換されてもよいアルコキシ基、置換されてもよいシクロアルキルオキシ基、置換されてもよいアリール基、置換されてもよいアラルキル基、置換されてもよいアミノ基を表すか、または2つのRが一緒になってメチレンもしくはエチレンを表し、環を構成する1つまたは2つの炭素原子と結合し新たな環を形成することもでき;
は、置換されてもよいアルキル基、置換されてもよいシクロアルキル基、置換されてもよいアルケニル基、置換されてもよいアリール基、置換されてもよいアラルキル基、置換されてもよいヘテロアリール基、置換されてもよいアルコキシ基、置換されてもよいシクロアルキルオキシ基、置換されてもよいアルケニルオキシ基、置換されてもよいアリールオキシ基、置換されてもよいアラルキルオキシ基、または、置換されてもよいヘテロアリールオキシ基を表し;
およびRは、それぞれ独立して、水素原子、置換されてもよいアルキル基、または置換されてもよいアリール基を表す。
]で示される化合物を、水素化ホウ素ナトリウムで処理して、
式(8):
【0013】
【化9】

[式中、m、R、RおよびRは、前記と同義である。]で示される化合物とし、これを官能基変換反応に付した後、引き続き単離することなく、式RNH[Rは、水素原子、置換されてもよいアルキル基、または置換されてもよいアリール基を表す]で示される化合物と反応させることを特徴とする、
式(9):
【0014】
【化10】

[式中、m、R、R、RおよびRは、前記と同義である。]で示される化合物の製造方法、
〔4〕 Rが存在しない、〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の製造方法、
〔5〕 mが1または2である、〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の製造方法、
〔6〕 Rが、置換されてもよいアルコキシ基、置換されてもよいシクロアルキルオキシ基、置換されてもよいアルケニルオキシ基、置換されてもよいアリールオキシ基、置換されてもよいアラルキルオキシ基、または置換されてもよいヘテロアリールオキシ基である、〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の製造方法、
〔7〕 Rが、置換されてもよいアルコキシ基、または置換されてもよいアラルキルオキシ基である、〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の製造方法、または
〔8〕 RおよびRが水素原子である、〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の製造方法に関する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、高収率・高純度の3−置換アミノ環状アミン誘導体を、安全かつ安価に製造することができる。特に、本発明は、大量合成する時に問題となる煩雑な調製操作を必要とする試薬を使用することなく、また、カラム精製を行うことなく、実用的に合成することの可能な方法を提供することができる。また、光学活性なアミノ酸誘導体を使用した場合、高い光学純度を有する3−置換アミノ環状アミン誘導体を製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に、本発明をさらに詳細に説明する。
なお、本明細書において、「置換されてもよい」もしくは「置換された」で定義される基における置換基の数は、置換可能であれば特に制限はなく、1または複数である。また、特に指示した場合を除き、各々の基の説明はその基が他の基の一部分または置換基である場合にも該当する。
【0017】
「ハロゲン原子」としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子等が挙げられる。
「アルキル基」としては、例えば、直鎖または分枝状の炭素数1から6のアルキル基等が挙げられ、具体的には、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、1−エチルプロピル、ヘキシル、イソヘキシル、1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、2−エチルブチル等が挙げられる。好ましくは、直鎖または分枝状の炭素数1から4のアルキル基等が挙げられ、具体的には、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチルまたはtert-ブチル等が挙げられる。
「アルケニル基」としては、例えば炭素数2から6のアルキニル基等が挙げられ、具体的には、例えば、ビニル、プロペニル、メチルプロペニル、ブテニルまたはメチルブテニル等が挙げられる。
「シクロアルキル基」としては、例えば炭素数3から10のシクロアルキル基等が挙げられ、具体的には、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、アダマンチルまたはノルボルニル等が挙げられる。好ましくは、炭素数3から6のシクロアルキル基等が挙げられ、具体的には、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシル等が挙げられる。
【0018】
「アリール基」としては、例えば、炭素数6から10個のアリール基等が挙げられ、具体的には、例えば、フェニル、1−ナフチルまたは2−ナフチル等が挙げられる。
「アラルキル基」としては、例えばアルキル基にアリール基が結合したもの等が挙げられる。具体的には、例えば、ベンジル、2−フェニルエチルまたは1−ナフチルメチル等が挙げられる。
「ヘテロアリール基」としては、例えば窒素原子、硫黄原子、酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1個以上(例えば1ないし4個)を含む5ないし10員、単環または多環式の基等が挙げられる。具体的には、ピロリル、チエニル、ピラニル、クロメニル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、ベンズオキサゾリル、ベンズチアゾリル、フリル、オキサゾリル、チアゾリル、イソオキサゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ピラジル、ピリミジル、ピリダジル、キノリル、イソキノリル、トリアゾリル、トリアジニル、テトラゾリル、インドリル、イミダゾ[1,2-a]ピリジル、ジベンゾフラニル、ベンズイミダゾリル、キノキサリル、シンノリル、キナゾリル、インダゾリル、ナフチリジル、キノリノリルまたはイソキノリノリル等が挙げられる。好ましくは、例えば窒素原子、硫黄原子、酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1個含む5ないし6員の基等が挙げられ、具体的には、例えばピリジル、チエニルまたはフリルなどが挙げられる。
【0019】
「アルコキシ基」としては、例えば、炭素数1から4のアルコキシ基等が挙げられ、具体的には例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ等が挙げられる。
「シクロアルキルオキシ基」としては、例えば炭素数3から10のシクロアルキルオキシ基等が挙げられ、具体的には、例えば、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ、シクロヘプチルオキシ、アダマンチルオキシまたはノルボルニルオキシ等が挙げられる。好ましくは、例えば炭素数3から6のシクロアルキルオキシ基等が挙げられ、具体的には、例えば、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシまたはシクロヘキシルオキシ等が挙げられる。
【0020】
「アシル基」としては、例えば炭素数1から4のアシル基等が挙げられ、具体的には例えば、ホルミルまたはアセチル等が挙げられる。
「アロイル基」としては、例えば炭素数7から11のアロイル基等が挙げられ、具体的には例えば、ベンゾイル、1−ナフチルカルボニルまたは2−ナフチルカルボニル等が挙げられる。
「アルコキシカルボニル基」としては、例えば炭素数2から5のアルコキシカルボニル基等が挙げられ、具体的には例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、sec−ブトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル等が挙げられる。
「アラルキルオキシカルボニル基」としては、例えば炭素数8から13のアラルキルオキシカルボニル基等が挙げられ、具体的には例えば、ベンジルオキシカルボニル、2−フェニルエチルオキシカルボニルまたは1−ナフチルメチルオキシカルボニル等が挙げられる。
「アルケニルオキシ基」としては、例えば炭素数2から6のアルケニルオキシ基等が挙げられ、具体的には、例えば、ビニルオキシ、1−プロペニルオキシ、2−プロペニルオキシ、3−プロペニルオキシ、またはブテニルオキシ等が挙げられる。
「アリールオキシ基」としては、例えば、炭素数6から10個のアリールオキシ基等が挙げられ、具体的には、例えば、フェノキシ、1−ナフチルオキシまたは2−ナフチルオキシ等が挙げられる。
「アラルキルオキシ基」としては、例えばアルコキシ基にアリール基が結合したもの等が挙げられる。具体的には、例えば、ベンジルオキシ、2−フェニルエトキシまたは1−ナフチルメトキシ等が挙げられる。
「ヘテロアリールオキシ基」としては、上記ヘテロアリール基の結合手に酸素原子が結合した基が挙げられる。
「置換されてもよいアルキル基」または「置換されてもよいアルコキシ基」における置換基としては、例えば(1)ハロゲン原子、(2)水酸基、(3)置換されてもよいアルコキシ基、(4)置換されてもよいアミノ基等が挙げられる。
【0021】
上記(3)「置換されてもよいアルコキシ基」における置換基としては、例えば、
(a)水酸基、
(b)アルコキシ基、
(c)アルキル基で置換されてもよいアミノ基(例えば、アミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ等が挙げられる)、
(d)ハロゲン原子またはアルコキシ基で置換されたアルコキシ基(例えば、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、2,2−ジフルオロエトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシ、パーフルオロエトキシ、2−フルオロ−1−(フルオロメチル)エトキシ、1−(ジフルオロメチル)−2,2−ジフルオロエトキシ、メトキシメトキシ、エトキシメトキシ、メトシキエトキシ、エトキシエトキシ、メトキシプロポキシまたはエトキシプロポキシ等が挙げられる。)、
または(e)ハロゲン原子等が挙げられる。
上記(4)「置換されてもよいアミノ基」の置換基としては、例えば
(a)アルキル基、
(b)アルキルスルホニル基(例えば、メタンスルホニルまたはエタンスルホニル等が挙げられる。)、
または(c)アラルキル基等が挙げられる。また、該アルキル基の2個の置換基が結合して、例えば、ピロリジン(該ピロリジンはさらに水酸基で置換されていてもよい。)、ピペリジン、モルホリン、チオモルホリン、チオモルホリンオキシド、チオモルホリンジオキシド、または、ピペラジン(該ピペラジンの窒素原子は、メチル、エチルで置換されていてもよい)等の、炭素原子、窒素原子、酸素原子を含んでいてもよい脂肪族ヘテロ環を形成していてもよい。
【0022】
「置換されてもよいアシル基」および「置換されてもよいアルコキシカルボニル基」における置換基としては、上記の「置換されてもよいアルキル基」または「置換されてもよいアルコキシ基」における置換基として例示されたものが挙げられる。
「置換されてもよいシクロアルキル基」および「置換されてもよいシクロアルキルオキシ基」における置換基としては、上記の「置換されてもよいアルキル基」または「置換されてもよいアルコキシ基」における置換基の他、ハロゲン原子で置換されてもよいアルキル基等が挙げられる。
【0023】
「置換されてもよいアルケニル基」および「置換されてもよいアルケニルオキシ基」の置換基としては、例えば、
(1)水酸基、
(2)ハロゲン原子、
(3)アルキル基、
(4)ハロゲン原子またはアルコキシ基で置換されたアルキル基(例えば、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、2,2−ジフルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、パーフルオロエチル、2−フルオロ−1−(フルオロメチル)エチル、1−(ジフルオロメチル)−2,2−ジフルオロエチル、メトキシメチル、エトキシメチル、メトシキエチル、エトキシエチル、メトキシプロピルまたはエトキシプロピル等が挙げられる。)、
(5)アルコキシ基、
(6)ハロゲン原子またはアルコキシ基で置換されたアルコキシ基(例えば、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、2,2−ジフルオロエトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシ、パーフルオロエトキシ、2−フルオロ−1−(フルオロメチル)エトキシ、1−(ジフルオロメチル)−2,2−ジフルオロエトキシ、メトキシメトキシ、エトキシメトキシ、メトシキエトキシ、エトキシエトキシ、メトキシプロポキシまたはエトキシプロポキシ等が挙げられる。)、
または(13)フェニルオキシ等が挙げられる。
【0024】
「置換されてもよいアリール基」における置換基としては、例えば、
(1)水酸基、
(2)ハロゲン原子、
(3)アルキル基、
(4)ハロゲン原子、アルコキシ基またはシクロアルキル基で置換されたアルキル基(例えば、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、2,2−ジフルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、パーフルオロエチル、2−フルオロ−1−(フルオロメチル)エチル、1−(ジフルオロメチル)−2,2−ジフルオロエチル、メトキシメチル、エトキシメチル、メトシキエチル、エトキシエチル、メトキシプロピルまたはエトキシプロピル等が挙げられる。)、
(5)ニトロ基、
(6)アルキルスルホニル基、
(7)C1〜3アルキレンジオキシ基、
(8)アルキル基で置換されてもよいアミノ基(例えば、アミノ、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、ジメチルアミノ、メチルエチルアミノまたはジエチルアミノ等が挙げられる。)、
(9)ハロゲン原子で置換されてもよいアルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、またはトリフルオロメトキシ等が挙げられる。)、
または(10)含窒素飽和ヘテロ環基(例えば、窒素原子を1から2個有し、更に酸素原子または硫黄原子を有してもよい、5から6員環の飽和ヘテロ環基等が挙げられ、具体的には、例えば、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ジオキソチオモルホリニル、ヘキサメチレンイミニル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、イミダゾリジニル、オキソイミダゾリジニル、ジオキソイミダゾリジニル、オキソオキサゾリジニル、ジオキソオキサゾリジニル、ジオキソチアゾリジニル、テトラヒドロフラニルまたはテトラヒドロピリジニル等が挙げられる。)等が挙げられる。
【0025】
「置換されてもよいヘテロアリール基」、「置換されてもよいアラルキル基」、「置換されてもよいアロイル基」、「置換されてもよいアラルキルオキシカルボニル基」、「置換されてもよいアリールオキシ基」、「置換されてもよいアラルキルオキシ基」および「置換されてもよいヘテロアリールオキシ基」における置換基としては、前記「置換されてもよいアリール基」における置換基として例示されたものが挙げられる。
【0026】
「置換されてもよいアミノ基」の置換基としては、前記「置換されてもよいアルキル基」もしくは「置換されてもよいシクロアルキル基」における置換基としての(4)「置換されてもよいアミノ基」における置換基として例示されたものが挙げられる。
【0027】
次に本発明の合成方法について詳細に説明する。
式(1)、式(4)または式(7)で示される化合物は、グルタミン酸、アスパラギン酸などを初めとする塩基性アミノ酸を文献公知の一般的な方法(例えば、Green, T. W.およびWuts, P. G. M., Protective Groups in Organic Synthesis, John Wiley & Sons, Inc. (1999)等)によって保護することにより得られる。例えば、グルタミン酸、アスパラギン酸などを、メタノール、エタノールなどのアルコール類と混合し、塩化チオニル、塩化オキザリルといったカルボキシル基の活性化剤で処理し、反応混合物を塩基性にして、ジ炭酸ジアルキル化合物と反応させることで得られる。反応混合物を塩基性にするための塩基は、無機塩基、有機塩基いずれでもよく、反応温度は、0℃から溶媒の沸点までの範囲が挙げられる。
【0028】
式(2)、式(5)または式(8)で示される化合物は、式(1)、式(4)または式(7)で示される化合物を適当な反応溶媒中、水素化ホウ素ナトリウムを用いて処理することで得られる。水素化ホウ素ナトリウムの使用量としては、例えば、式(1)、式(4)または式(7)で示される化合物1に対して、2倍モルから20倍モルの範囲が挙げられる。反応溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノールまたは2−プロパノールなどのアルコール系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランまたは1,4−ジオキサンなどのエーテル系溶媒、クロロホルムまたはジクロロメタンなどのハロゲン系溶媒、水、またはこれらの混合溶媒等が挙げられる。反応温度は−78℃から溶媒の沸点が考えられ、好ましくは−10℃から30℃が挙げられる。特に、水素化ホウ素ナトリウムを2−プロパノール、テトラヒドロフランと水の混合溶媒中で0℃から20℃の間で反応させる条件が好ましい。その際の水素化ホウ素ナトリウムの使用量としては、式(1)、式(4)または式(7)で示される化合物に対して2倍モルから4倍モルが挙げられ、好ましくは2倍モルから3倍モルが挙げられる。また2−プロパノール、テトラヒドロフランと水の混合比率は任意でよく、好ましくは、2−プロパノール1に対して、テトラヒドロフラン0.1から2、水0.1から2の重量比であり、さらに好ましくは、2−プロパノール1に対して、テトラヒドロフラン0.5、水1の重量比である。また、式(1)、式(4)または式(7)で示される化合物を水素化ホウ素ナトリウムで処理する工程において、水素化ホウ素ナトリウムのテトラヒドロフランと水の混合物に対して、式(1)、式(4)または式(7)で示される化合物の2−プロパノールと水の混合物を滴下して反応させることにより、気体の発生量を制御することができ、工業的に好ましいプロセスとなる。
【0029】
式(3)、式(6)または式(9)で示される化合物は、式(2)、式(5)または式(8)で示される化合物を官能基変換、すなわち式(2)、式(5)または式(8)で示される化合物の水酸基を適当な脱離基に変換した後、アンモニアまたは1級アミン化合物と反応させることにより得られる。適当な脱離基としては、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子などのハロゲン原子、メタンスルホニルオキシ基またはトリフロロメタンスルホニルオキシ基などのアルキルスルホニルオキシ基、p−トルエンスルホニルオキシ基などのアリールスルホニルオキシ基、またはアセチル基またはベンゾイル基などのアシル基などが挙げられる。これらは、公知の方法(例えば、「有機化学実験のてびき」3−4巻(1990年 化学同人、など)により、通常の有機反応で水酸基から誘導できる。それらの中でも、アルキルスルホニルオキシ基およびアリールスルホニルオキシ基は、水酸基からの変換が工業的にも容易であり好ましい。さらに好ましくはメタンスルホニル基の使用が挙げられる。水酸基からアルキルスルホニルオキシ基またはアリールスルホニルオキシ基への変換は、ハロゲン化アルキルスルホニル化合物、アルキルスルホン酸無水物、ハロゲン化アリールスルホニル化合物またはアリールスルホン酸無水物などを塩基の存在下、適当な溶媒を用いて行う。塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウムまたは炭酸水素ナトリウムなどの無機塩基、またはトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、モルホリンまたはN−メチルモルホリンなどの有機塩基が挙げられ、好ましくは有機塩基が挙げられ、さらに好ましくはトリエチルアミンまたはN−メチルモルホリンが挙げられる。溶媒は、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランまたは1,4−ジオキサンなどのエーテル系溶媒、クロロホルム、ジクロロメタンまたはクロロベンゼンなどのハロゲン系溶媒、アセトニトリルまたはプロピオニトリルなどの二トリル系溶媒、トルエン、ベンゼン、ヘキサンまたはヘプタンなどの炭化水素系溶媒、アセトンまたは2−ブタノンなどのケトン系溶媒、もしくはこれらの混合溶媒が挙げられ、好ましくは、エーテル系溶媒、ハロゲン系溶媒またはニトリル系溶媒の単独、あるいは混合しての使用が挙げられる。
【0030】
こうして得られた、脱離基を持つ化合物は、アンモニアまたは1級アミン化合物と反応させることにより、式(3)、式(6)または式(9)で示される化合物に変換される。反応は適当な溶媒を使用してよく、溶媒としては、アセトニトリルなどのニトリル系溶媒、メタノールまたはエタノールなどのアルコール系溶媒、クロロホルム、ジクロロメタンまたはクロロベンゼンなどのハロゲン系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランまたは1,4−ジオキサンなどのエーテル系溶媒、トルエン、ベンゼン、ヘキサンまたはヘプタンなどの炭化水素系溶媒、またはアセトンまたは2−ブタノンなどのケトン系溶媒が挙げられる。アンモニアはガスを用いても、水溶液で用いてもよい。水溶液は市販の濃度のものでよく、好ましくは28%以上の濃度のものが挙げられる。
式(2)、式(5)または式(8)で示される化合物を官能基変換に付した後、引き続き単離することなく、式RNHで示される化合物と反応させる工程の溶媒としては、アセトニトリルが好適である。なお、上記単離には反応溶液中の不溶物を濾別することは含まれない。
【0031】
こうして得られた、式(3)、式(6)または式(9)で表される化合物は、公知の方法、例えば、国際公開第99/14214号パンフレットまたは国際公開第04/33455号パンフレット等に記載された方法により、それぞれ抗菌剤または2型糖尿病治療剤等へと導くことができる。
【実施例1】
【0032】
以下に実施例および参考例により本発明の製造方法および製造中間体をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。
【0033】
参考例1
N-t-ブトキシカルボニルグルタミン酸ジメチル
D-グルタミン酸 17.5 g (119 mmol)をメタノール(70 g)に溶解し、氷浴で冷却して、塩化チオニル 19.8 g (167 mmol)を3時間で滴下した。混合物を25 ℃まで昇温し、20時間攪拌し、再び5 ℃まで冷却した。水(50 g)を加え、トリエチルアミン(約48 g)でpHを8.5に合わせた。混合物に同温でジ-t-ブチル ジカーボネート30.0 g (137 mmol)を発泡に注意しながら滴下し、混合物を 25 ℃に昇温して、2時間攪拌した。混合物を減圧濃縮し、酢酸エチル(50 g)と水(8 g)を加え攪拌し、水層を除去した。有機層を、水(50 g)で洗浄し、減圧濃縮して、N-t-ブトキシカルボニルグルタミン酸メチルを無色液体として 34.2 g得た(収率94%)
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 5.12 (brd, 1H, J=7.7Hz), 4.34 (ddd, 1H, J=7.7, 7.0 and 5.2Hz), 3.75 (s, 3H), 3.68 (s, 3H), 2.45 (brdd, 1H, J=16.6 and 7.1Hz), 2.38 (brdd, 1H, J16.6 and 7.1Hz), 2.19 (brdq, 1H, J=14.3 and 6.7Hz), 1.95 (brdq, 1H, J=14.3 and 7.4Hz), 1.44 (s, 9H).
【0034】
実施例1
t-ブチル [1,5-ジヒドロキシペント-2-イル]カルバメート
水素化ホウ素ナトリウム 8.46 g (224 mmol)をテトラヒドロフラン(34 g)に懸濁させ、0 ℃に冷却した。ここに、N-t-ブトキシカルボニルグルタミン酸ジメチル 30.8 g (112 mmol)を2-プロパノール(68 g)と水(61 g)に溶解した溶液を6時間で滴下した。滴下終了後同温で2時間攪拌し、水(86 g)を加えた。この混合物を、20%塩化アンモニア水(85 g)に滴下し、25℃で1時間攪拌した。2-プロパノール(31 g)を加え、不溶物を濾別した。濾液を濃縮し、酢酸エチル(154 g)と飽和食塩水(77 g)を加え、攪拌後、油層と水層を分離した。水層に酢酸エチル(154 g)を加え、攪拌後、水層を除去した。先の有機層と併せ、濃縮し、表題化合物を白色固体 (23.4 g, 収率95%)として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 4.88 (brd, 1H, J=6.8Hz), 3.76-3.52 (series of m, 5H), 2.50 (brs, 2H), 1.70-1.46(series of m, 2H), 1.44 (s, 9H).
【0035】
実施例2
(R)-3-t-ブトキシカルボニルアミノピペリジン
t-ブチル [1,5-ジヒドロキシペント-2-イル]カルバメート 10.0 g (45.6 mmol)をアセトニトリル(50 g)に懸濁させ、氷浴で冷却し、トリエチルアミン 11.08 g (109 mmol)を加えた。塩化メタンスルホニル 12.0 g (105 mmol)を、0〜5℃の範囲で滴下し、滴下終了後、同温で1時間、25 ℃で2時間攪拌した。不溶物を濾別し、濾上物をアセトニトリル(15 g)で洗浄した。濾液に28%アンモニア水 389 g (6.41 mol)を加え、15〜25℃で25時間攪拌した。混合物を40℃以下で濃縮して、トルエン(65 g)で洗浄し、28%アンモニア水(130 g)で希釈した。この溶液からトルエン(130 g)で3回抽出し、あわせたトルエン溶液を減圧濃縮し、表題化合物を白色固体 (4.80 g, 収率56%)として得た。この物質のHPLCでの光学純度は99% eeであった。
HPLC条件
カラム:OD-RH (CHIRALCEL(登録商標))
検出波長 (UV):210 nm
流速:1.0mL/min
移動層:水/アセトニトリル = 75/25
サンプル調製:2mg/mLに調製した表題化合物のアセトニトリル溶液1mLに、0.05mole/Lの塩化ベンゾイルのアセトニトリル溶液1mLを加え、約10秒振り混ぜ、メタノール1mLを加えサンプル溶液とする。
保持時間:32分((S)体 : 36分)
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 4.80 (brs, 1H), 3.57 (brs, 1H), 3.05 (m, 1H), 2.81 (m, 1H), 2.66 (m, 1H), 2.52 (m, 1H), 1.84 (m, 1H), 1.66 (m, 1H), 1.60-1.40(series of m, 2H), 1.44 (s, 9H).
【0036】
実施例3
(R)-3-t-ブトキシカルボニルアミノピペリジン
t-ブチル [1,5-ジヒドロキシペント-2-イル]カルバメート 139 g (634 mmol)をアセトニトリル(446 g)に懸濁させ、氷浴で冷却し、N-メチルモルホリン 163 g (1.61 mol)を加えた。塩化メタンスルホニル 177 g (1.55 mol)を、0〜5℃の範囲で滴下し、滴下終了後、同温で1時間、25 ℃で2時間攪拌した。反応溶液を5%食塩水 (443 g)で洗浄し、28%アンモニア水 2.87 kg (47.2 mol)を加え、15〜25℃で25時間攪拌した。混合物を40℃以下で半量に濃縮して、トルエン(956 g)で洗浄し、28%アンモニア水(1.8 kg)で希釈した。この溶液からトルエン(1.8 kg)で3回抽出し、あわせたトルエン溶液を減圧濃縮し、表題化合物を白色固体として得た (70.0g, 収率55%)。この物質のHPLCでの光学純度は99% eeであった。




【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1):
【化1】

[式中、mは、1、2、または3を表し;
は、水素原子、置換されてもよいアルキル基、置換されてもよいシクロアルキル基、置換されてもよいアルケニル基、置換されてもよいアリール基、置換されてもよいアラルキル基、置換されてもよいヘテロアリール基、置換されてもよいアシル基、置換されてもよいアロイル基、置換されてもよいアルコキシカルボニル基、または置換されてもよいアラルキルオキシカルボニル基を表し;
は、存在しないか、1または複数存在し、それぞれ独立して、ハロゲン原子、水酸基、置換されてもよいアルキル基、置換されてもよいシクロアルキル基、置換されてもよいアルコキシ基、置換されてもよいシクロアルキルオキシ基、置換されてもよいアリール基、置換されてもよいアラルキル基、置換されてもよいアミノ基を表すか、または2つのRが一緒になってメチレンもしくはエチレンを表し、環を構成する1つまたは2つの炭素原子と結合し新たな環を形成することもでき;
は、置換されてもよいアルキル基、置換されてもよいシクロアルキル基、置換されてもよいアルケニル基、置換されてもよいアリール基、置換されてもよいアラルキル基、置換されてもよいヘテロアリール基、置換されてもよいアルコキシ基、置換されてもよいシクロアルキルオキシ基、置換されてもよいアルケニルオキシ基、置換されてもよいアリールオキシ基、置換されてもよいアラルキルオキシ基、または、置換されてもよいヘテロアリールオキシ基を表し;
およびRは、それぞれ独立して、水素原子、置換されてもよいアルキル基、または置換されてもよいアリール基を表す。
]で示される化合物を、水素化ホウ素ナトリウムで処理して、
式(2):
【化2】

[式中、m、R、R、Rは、前記と同義である。]で示される化合物とし、これを官能基変換反応に付した後、引き続き単離することなく、式RNH[Rは、水素原子、置換されてもよいアルキル基、または置換されてもよいアリール基を表す]で示される化合物と反応させることを特徴とする、
式(3):
【化3】

[式中、m、R、R、RおよびRは、前記と同義である。]で示される化合物の製造方法。
【請求項2】
式(4):
【化4】

[式中、mは、1、2、または3を表し;
は、水素原子、置換されてもよいアルキル基、置換されてもよいシクロアルキル基、置換されてもよいアルケニル基、置換されてもよいアリール基、置換されてもよいアラルキル基、置換されてもよいヘテロアリール基、置換されてもよいアシル基、置換されてもよいアロイル基、置換されてもよいアルコキシカルボニル基、または置換されてもよいアラルキルオキシカルボニル基を表し;
は、存在しないか、1または複数存在し、それぞれ独立して、ハロゲン原子、水酸基、置換されてもよいアルキル基、置換されてもよいシクロアルキル基、置換されてもよいアルコキシ基、置換されてもよいシクロアルキルオキシ基、置換されてもよいアリール基、置換されてもよいアラルキル基、置換されてもよいアミノ基を表すか、または2つのRが一緒になってメチレンもしくはエチレンを表し、環を構成する1つまたは2つの炭素原子と結合し新たな環を形成することもでき;
は、置換されてもよいアルキル基、置換されてもよいシクロアルキル基、置換されてもよいアルケニル基、置換されてもよいアリール基、置換されてもよいアラルキル基、置換されてもよいヘテロアリール基、置換されてもよいアルコキシ基、置換されてもよいシクロアルキルオキシ基、置換されてもよいアルケニルオキシ基、置換されてもよいアリールオキシ基、置換されてもよいアラルキルオキシ基、または、置換されてもよいヘテロアリールオキシ基を表し;
およびRは、それぞれ独立して、水素原子、置換されてもよいアルキル基、または置換されてもよいアリール基を表す。
]で示される化合物を、水素化ホウ素ナトリウムで処理して、
式(5):
【化5】

[式中、m、R、RおよびRは、前記と同義である。]で示される化合物とし、これを官能基変換反応に付した後、引き続き単離することなく、式RNH[Rは、水素原子、置換されてもよいアルキル基、または置換されてもよいアリール基を表す]で示される化合物と反応させることを特徴とする、
式(6):
【化6】

[式中、m、R、R、RおよびRは、前記と同義である。]で示される化合物の製造方法。
【請求項3】
式(7):
【化7】

[式中、mは、1、2、または3を表し;
は、水素原子、置換されてもよいアルキル基、置換されてもよいシクロアルキル基、置換されてもよいアルケニル基、置換されてもよいアリール基、置換されてもよいアラルキル基、置換されてもよいヘテロアリール基、置換されてもよいアシル基、置換されてもよいアロイル基、置換されてもよいアルコキシカルボニル基、または置換されてもよいアラルキルオキシカルボニル基を表し;
は、存在しないか、1または複数存在し、それぞれ独立して、ハロゲン原子、水酸基、置換されてもよいアルキル基、置換されてもよいシクロアルキル基、置換されてもよいアルコキシ基、置換されてもよいシクロアルキルオキシ基、置換されてもよいアリール基、置換されてもよいアラルキル基、置換されてもよいアミノ基を表すか、または2つのRが一緒になってメチレンもしくはエチレンを表し、環を構成する1つまたは2つの炭素原子と結合し新たな環を形成することもでき;
は、置換されてもよいアルキル基、置換されてもよいシクロアルキル基、置換されてもよいアルケニル基、置換されてもよいアリール基、置換されてもよいアラルキル基、置換されてもよいヘテロアリール基、置換されてもよいアルコキシ基、置換されてもよいシクロアルキルオキシ基、置換されてもよいアルケニルオキシ基、置換されてもよいアリールオキシ基、置換されてもよいアラルキルオキシ基、または、置換されてもよいヘテロアリールオキシ基を表し;
およびRは、それぞれ独立して、水素原子、置換されてもよいアルキル基、または置換されてもよいアリール基を表す。
]で示される化合物を、水素化ホウ素ナトリウムで処理して、
式(8):
【化8】

[式中、m、R、RおよびRは、前記と同義である。]で示される化合物とし、これを官能基変換反応に付した後、引き続き単離することなく、式RNH[Rは、水素原子、置換されてもよいアルキル基、または置換されてもよいアリール基を表す]で示される化合物と反応させることを特徴とする、
式(9):
【化9】

[式中、m、R、R、RおよびRは、前記と同義である。]で示される化合物の製造方法。
【請求項4】
が存在しない、請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項5】
mが1または2である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項6】
が、置換されてもよいアルコキシ基、置換されてもよいシクロアルキルオキシ基、置換されてもよいアルケニルオキシ基、置換されてもよいアリールオキシ基、置換されてもよいアラルキルオキシ基、または置換されてもよいヘテロアリールオキシ基である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項7】
が、置換されてもよいアルコキシ基、または置換されてもよいアラルキルオキシ基である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項8】
およびRが水素原子である、請求項1〜7のいずれかに記載の製造方法。