3Dグラフィック表示システムおよび表示装置並びに電子メッセージ転送システムおよび表示装置
【課題】演算負荷を大きくすることなく、且つ環境に依存することなく、3Dオブジェクトを表示装置の描画エリア内でアニメーションさせた後、所望の位置に移動させる技術を提供することを課題とする。
【解決手段】3D空間200内に第1の空間202と第2の空間203が設定される。3Dオブジェクト210は、第2の空間203で位置P1から位置P2までアニメーションし、さらに、縮小しながら位置P2から位置P3までアニメーションする。第1の空間202と第2の空間203との距離は非常に大きく設定される。再生側においては、このように定義された3Dグラフィックアニメーションを3D空間200内でオフセットさせる。視点201から3Dグラフィックを観察すると、オフセットの前後において、第2の空間203上でのアニメーションに大きな変化がなく、最終的な位置P3が大きく移動する。
【解決手段】3D空間200内に第1の空間202と第2の空間203が設定される。3Dオブジェクト210は、第2の空間203で位置P1から位置P2までアニメーションし、さらに、縮小しながら位置P2から位置P3までアニメーションする。第1の空間202と第2の空間203との距離は非常に大きく設定される。再生側においては、このように定義された3Dグラフィックアニメーションを3D空間200内でオフセットさせる。視点201から3Dグラフィックを観察すると、オフセットの前後において、第2の空間203上でのアニメーションに大きな変化がなく、最終的な位置P3が大きく移動する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3Dグラフィックデータの制作および再生技術に関する。
【背景技術】
【0002】
3D(3次元)グラフィックを用いた電子メールシステムが存在する。下記特許文献1あるいは特許文献2には、3Dデータを用いた電子メールの送受信方法が開示されている。さらに、3Dグラフィックのアニメーションを電子メールコンテンツとして利用するシステムも存在する。電子メールを受信した端末において3Dグラフィックのアニメーションを再生させることにより、様々な趣向を凝らした付加価値の高い電子メッセージを交換することが可能となっている。
【0003】
【特許文献1】特開2004−234614号公報
【特許文献2】特開2004−343230号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
たとえば、受信端末において、3Dグラフィックアニメーションを固定位置で再生させることには、技術的な問題はあまりない。送信端末は、受信端末において再生させる3Dグラフィックアニメーションを指定するデータを送信すればよい。受信端末においては、受信したデータに基づいて再生させる3Dグラフィックアニメーションを特定する。そして、受信端末は、特定された3Dグラフィックアニメーションを固定位置で再生させればよい。
【0005】
しかし、3Dグラフィックアニメーションの再生位置をリアルタイムに変更しようとすると、いくつかの問題が発生する。たとえば、テキスト文章の一部に3Dグラフィックアニメーションが埋め込まれているような電子メールを考える。この場合、受信端末においては、テキスト文章を順に表示した後、3Dグラフィックアニメーションを表示することになるが、その表示位置は様々な位置となる。つまり、3Dグラフィックアニメーションを表示させる位置が行頭にある場合、行の途中にある場合、行末にある場合、1行目にある場合、文末にある場合など様々である。
【0006】
ここで、図12で示したような3Dグラフィックアニメーションを操作する場合を説明する。この3Dグラフィックアニメーションは、星型の3Dオブジェクト81が、図の軌跡82を描きながら、最終的に、表示装置(ディスプレイ)70の中央付近に移動するよう定義されたものである。
【0007】
例えば、テキスト文章の中に埋め込まれた3Dグラフィックアニメーションの表示位置がちょうど表示装置70の中央であるならば、図12で示したように、アニメーションを行えばよい。ところが、3Dグラフィックアニメーションを表示させたい位置(正確には、最終的に移動させたい位置)が行頭である場合、つまり、表示装置70の左側である場合には、図13で示したように、3Dグラフィックアニメーションを全体的に左側にオフセットする必要がある。このように全体をオフセットした場合、3Dオブジェクト81が軌跡82mを描く途中で、表示装置70の描画エリアを飛び出すという問題が生じる。
【0008】
このような問題を解決するために、図14で示したような3Dグラフィックアニメーションを予め用意する方法が考えられる。つまり、3Dオブジェクト81がアニメーションする軌跡として、共通の軌跡82aと、最終的に、表示装置70上の様々な位置に移動する複数の軌跡82bを用意する方法である。図では、仮に3つの軌跡82bを表示しているが、表示装置70全体をカバーするように多数の軌跡82bに対応したアニメーション定義データを用意する必要がある。この方法によれば、3Dオブジェクト81のアニメーションを表示装置70の画面内に収めながら、最終的に様々な位置へ移動する3Dグラフィックを再生させることが可能となるが、多数のアニメーション定義データを用意する必要があり、データ量が非常に大きくなるという問題がある。
【0009】
また、他の解決方法として、図15で示す方法が考えられる。この方法では、図12で示したものと同様の3Dグラフィックデータを1つ用意すればよい。そして、3Dグラフィックアニメーションの再生時に、動的に、軌跡82を操作して軌跡82tに変換するものである。この方法によれば、データ量を大きくすることなく、最終的に様々な位置へ移動する3Dグラフィックアニメーションを再生させることが可能となる。しかし、3Dグラフィックアニメーションを再生する際に、動的にそのアニメーション動作を制御するためには、3Dエンジンのアーキテクチャが、動的にデータ構造を操作できるようなものである必要がある。従って、環境に依存するという制約がある。また、動的にデータ構造を操作できる3Dエンジンの場合には、そうでない3Dエンジンに比べて演算処理の負荷が高いという問題もある。
【0010】
そこで、本発明は前記問題点に鑑み、データ量を大きくすることなく、また、演算負荷を大きくすることなく、最終的に様々な位置へ移動可能な3Dオブジェクトを表示装置の描画エリア内でアニメーションさせる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、3Dグラフィックを表示装置に表示させるシステムであって、オブジェクトを3D空間内でアニメーションさせる3Dグラフィックデータを生成する生成手段と、前記3Dグラフィックデータに基づいて3Dグラフィックアニメーションを前記表示装置に表示させる表示手段と、を備え、前記生成手段によって前記3Dグラフィックデータが定義される3D空間内には、第1の空間と第2の空間とが設定され、前記3Dグラフィックデータは、前記オブジェクトが前記第2の空間内をアニメーションした後、前記第2の空間から前記第1の空間上の所定の位置に移動するよう定義されたデータであって、前記第1の空間が近距離側となり、前記第2の空間が遠距離側となるような視点から前記オブジェクトを描画するデータであり、前記表示手段は、前記表示装置上における前記オブジェクトの最終的な表示位置を決定する手段と、前記3Dグラフィックデータにより定義された3Dグラフィックアニメーションを3D空間内でオフセットして平行移動させることにより、前記所定の位置が前記最終的な表示位置に一致するよう制御する手段と、を備えることを特徴とする。
【0012】
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の3Dグラフィック表示システムにおいて、前記オブジェクトは、3Dオブジェクトを含むことを特徴とする。
【0013】
請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の3Dグラフィック表示システムにおいて、前記第1の空間と前記第2の空間とは、互いに平行な平面であることを特徴とする。
【0014】
請求項4記載の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の3Dグラフィック表示システムにおいて、前記オブジェクトが前記第2の空間から前記第1の空間上の所定の位置に移動する過程において前記視点から観察した前記オブジェクトのサイズが変化しないように、前記3Dグラフィックデータは、前記オブジェクトを縮小しつつ移動させるよう定義されていることを特徴とする。
【0015】
請求項5記載の発明は、3Dグラフィックデータに基づいて3Dグラフィックアニメーションを表示する装置であって、前記3Dグラフィックデータは、第1の空間および第2の空間が設定された3D空間内で、オブジェクトが前記第2の空間内をアニメーションした後、前記第2の空間から前記第1の空間上の所定の位置に移動するよう定義するデータであって、前記第1の空間が近距離側となり、前記第2の空間が遠距離側となるような視点から前記オブジェクトを描画したデータであり、前記オブジェクトの最終的な表示位置を決定する手段と、前記3Dグラフィックデータにより定義された3Dグラフィックアニメーションを3D空間内でオフセットして平行移動させることにより、前記所定の位置が前記最終的な表示位置に一致するよう制御する手段と、を備えることを特徴とする。
【0016】
請求項6記載の発明は、請求項5に記載の3Dグラフィック表示装置において、前記オブジェクトは、3Dオブジェクトを含むことを特徴とする。
【0017】
請求項7記載の発明は、請求項5または請求項6に記載の3Dグラフィック表示装置において、前記第1の空間と前記第2の空間とは、互いに平行な平面であることを特徴とする。
【0018】
請求項8記載の発明は、請求項5ないし請求項7のいずれかに記載の3Dグラフィック表示装置において、前記オブジェクトが前記第2の空間から前記第1の空間上の所定の位置に移動する過程において前記視点から観察した前記オブジェクトのサイズが変化しないように、前記3Dグラフィックデータは、前記オブジェクトを縮小しつつ移動させるよう定義されていることを特徴とする。
【0019】
請求項9記載の発明は、3Dグラフィックデータによって定義された3Dグラフィックアニメーションを電子メッセージの一部として表示するシステムであって、テキスト文章の一部に前記3Dグラフィックアニメーションの挿入位置が指定された電子メッセージを送信する送信端末と、前記電子メッセージを受信して、前記テキスト文章および前記3Dグラフィックアニメーションを表示する受信端末と、を備え、前記3Dグラフィックデータは、第1の空間および第2の空間が設定された3D空間内で、オブジェクトが前記第2の空間内をアニメーションした後、前記第2の空間から前記第1の空間上の所定の位置に移動するよう定義するデータであって、前記第1の空間が近距離側となり、前記第2の空間が遠距離側となるような視点から前記オブジェクトを描画したデータであり、前記受信端末は、前記受信端末が備える表示装置に前記電子メッセージに記録されたテキスト文章を先頭から順に読み込んで所定の態様で表示するとともに、前記3Dグラフィックアニメーションを再生する際には、既に表示したテキスト文章に続く位置を前記オブジェクトの最終的な表示位置として決定する手段と、前記3Dグラフィックアニメーションを3D空間内でオフセットして平行移動させることにより、前記所定の位置が前記最終的な表示位置に一致するよう制御する手段と、を備えることを特徴とする。
【0020】
請求項10記載の発明は、3Dグラフィックデータによって定義された3Dグラフィックアニメーションを電子メッセージの一部として表示するシステムであって、電子メッセージを送信する送信端末と、前記電子メッセージを受信して、テキスト文章および前記3Dグラフィックアニメーションを表示する受信端末と、を備え、前記3Dグラフィックデータは、第1の空間および第2の空間が設定された3D空間内で、オブジェクトが前記第2の空間内をアニメーションした後、前記第2の空間から前記第1の空間上の所定の位置に移動するよう定義するデータであって、前記第1の空間が近距離側となり、前記第2の空間が遠距離側となるような視点から前記オブジェクトを描画したデータであり、前記受信端末は、所定のキーワードと対応付けられた前記3Dグラフィックデータを蓄積する3Dグラフィックデータベースと、前記電子メッセージのテキスト文章から前記3Dグラフィックデータベースに登録されているキーワードを抽出する手段と、抽出したキーワードに対応する3Dグラフィックデータを前記3Dグラフィックデータベースから取得する手段と、前記テキスト文章のキーワード以外の部分については元のテキスト文章を表示し、前記テキスト文章のキーワード部分については前記3Dグラフィックアニメーションを置き換えて表示する表示手段と、を備え、前記表示手段は、既に表示したテキスト文章に続く位置を前記オブジェクトの最終的な表示位置として決定するとともに、前記3Dグラフィックアニメーションを3D空間内でオフセットして平行移動させることにより、前記所定の位置が前記最終的な表示位置に一致するよう制御する手段、を備えることを特徴とする。
【0021】
請求項11記載の発明は、請求項9または請求項10に記載の電子メッセージ転送システムにおいて、前記電子メッセージは、電子メールであることを特徴とする。
【0022】
請求項12記載の発明は、請求項9ないし請求項11のいずれかに記載の電子メッセージ転送システムにおいて、前記オブジェクトは、3Dオブジェクトを含むことを特徴とする。
【0023】
請求項13記載の発明は、請求項9ないし請求項12のいずれかに記載の電子メッセージ転送システムにおいて、前記第1の空間と前記第2の空間とは、互いに平行な平面であることを特徴とする。
【0024】
請求項14記載の発明は、請求項9ないし請求項13のいずれかに記載の電子メッセージ転送システムにおいて、前記オブジェクトが前記第2の空間から前記第1の空間上の所定の位置に移動する過程において前記視点から観察した前記オブジェクトの大きさが変化しないように、前記3Dグラフィックデータは、前記オブジェクトを縮小しつつ移動させるよう定義されていることを特徴とする。
【0025】
請求項15記載の発明は、3Dグラフィックデータによって定義された3Dグラフィックアニメーションを電子メッセージの一部として表示する装置であって、テキスト文章の一部に前記3Dグラフィックアニメーションの挿入位置が指定された電子メッセージを受信する手段と、前記テキスト文章および前記3Dグラフィックアニメーションを表示する表示手段と、を備え、前記3Dグラフィックデータは、第1の空間および第2の空間が設定された3D空間内で、オブジェクトが前記第2の空間内をアニメーションした後、前記第2の空間から前記第1の空間上の所定の位置に移動するよう定義するデータであって、前記第1の空間が近距離側となり、前記第2の空間が遠距離側となるような視点から前記オブジェクトを描画したデータであり、前記表示手段は、前記電子メッセージに記録されたテキスト文章を先頭から順に読み込んで所定の態様で表示するとともに、前記3Dグラフィックアニメーションを再生する際には、既に表示したテキスト文章に続く位置を前記オブジェクトの最終的な表示位置として決定する手段と、前記3Dグラフィックアニメーションを3D空間内でオフセットして平行移動させることにより、前記所定の位置が前記最終的な表示位置に一致するよう制御する手段と、を備えることを特徴とする。
【0026】
請求項16記載の発明は、3Dグラフィックデータによって定義された3Dグラフィックアニメーションを電子メッセージの一部として表示する装置であって、前記3Dグラフィックデータは、第1の空間および第2の空間が設定された3D空間内で、オブジェクトが前記第2の空間内をアニメーションした後、前記第2の空間から前記第1の空間上の所定の位置に移動するよう定義するデータであって、前記第1の空間が近距離側となり、前記第2の空間が遠距離側となるような視点から前記オブジェクトを描画したデータであり、所定のキーワードと対応付けられた前記3Dグラフィックデータを蓄積する3Dグラフィックデータベースと、前記電子メッセージのテキスト文章から前記3Dグラフィックデータベースに登録されているキーワードを抽出する手段と、抽出したキーワードに対応する3Dグラフィックデータを前記3Dグラフィックデータベースから取得する手段と、前記テキスト文章のキーワード以外の部分については元のテキスト文章を表示し、前記テキスト文章のキーワード部分については前記3Dグラフィックアニメーションを置き換えて表示する表示手段と、を備え、前記表示手段は、既に表示したテキスト文章に続く位置を前記オブジェクトの最終的な表示位置として決定するとともに、前記3Dグラフィックアニメーションを3D空間内でオフセットして平行移動させることにより、前記所定の位置が前記最終的な表示位置に一致するよう制御する手段、を備えることを特徴とする。
【0027】
請求項17記載の発明は、請求項15または請求項16に記載の電子メッセージ表示装置において、前記電子メッセージは、電子メールであることを特徴とする。
【0028】
請求項18記載の発明は、請求項15ないし請求項17のいずれかに記載の電子メッセージ表示装置において、前記オブジェクトは、3Dオブジェクトを含むことを特徴とする。
【0029】
請求項19記載の発明は、請求項15ないし請求項18のいずれかに記載の電子メッセージ表示装置において、前記第1の空間と前記第2の空間とは、互いに平行な平面であることを特徴とする。
【0030】
請求項20記載の発明は、請求項15ないし請求項19のいずれかに記載の電子メッセージ表示装置において、前記オブジェクトが前記第2の空間から前記第1の空間上の所定の位置に移動する過程において前記視点から観察した前記オブジェクトの大きさが変化しないように、前記3Dグラフィックデータは、前記オブジェクトを縮小しつつ移動させるよう定義されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0031】
3Dグラフィックアニメーションは、3Dオブジェクトが視点から遠距離にある第2の空間でアニメーションした後、近距離側にある第1の空間に移動するよう定義されている。これにより、3Dグラフィックアニメーション全体をオフセットさせることにより、第2の空間におけるアニメーションをあまり変化させることなく、最終的な移動位置を変化させることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
{3Dグラフィックデータの制作から供給までの流れ}
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。図1は、3D(3次元)グラフィックアニメーションの制作から供給までの一連の流れを示す図である。
【0033】
コンテンツ制作会社1において、CGクリエイターがコンピュータ2を利用し、3Dグラフィックデータ253(図2参照)を制作する。コンテンツ制作会社1において制作された3Dグラフィックデータ253は、携帯電話会社3に供給される。携帯電話会社3は、販売する携帯電話装置4に、コンテンツ制作会社1からの供給を受けた3Dグラフィックデータ253を組み込む。(携帯電話装置4に搭載される3Dグラフィックデータを3Dグラフィックデータ51とする。)。また、携帯電話会社3において、3Dグラフィックデータ51を再生するために必要な3Dエンジン52および3Dメールプログラム53が携帯電話装置4に組み込まれる。
【0034】
3Dグラフィックデータ51、3Dエンジン52、3Dメールプログラム53が搭載された携帯電話装置4は、携帯電話会社3により市場に販売される。そして、ユーザは、購入した携帯電話装置4を利用して3Dグラフィックメールの交換を行うのである。3Dグラフィックメールは、電話回線網やインターネットなどからなるネットワーク5を介して送受信される。
【0035】
あるいは、コンテンツ制作会社1において制作された3Dグラフィックデータ253が、フラッシュメモリなどの記憶媒体に格納されて携帯電話装置4のユーザに供給される形態であってもよい。あるいは、3Dグラフィックデータ253がネットワーク5に接続されたサーバに格納され、携帯電話装置4のユーザがダウンロードを行って取得する形態であってもよい。
【0036】
{コンテンツの制作}
図2は、コンテンツ制作会社1においてCGクリエイターが使用するコンピュータ2の機能ブロック図である。コンピュータ2は、CPU21、RAM22、キーボード、マウス等を備える操作部23、液晶ディスプレイなどの表示部24、ハードディスク等の記憶装置25を備えている。コンピュータ2は、たとえば、パーソナルコンピュータである。あるいは、コンピュータグラフィックを制作する専用のコンピュータが用いられる。
【0037】
記憶装置25には、3Dモデルデータやアニメーション定義データを制作するための3Dグラフィック制作プログラム251、3Dグラフィックを処理するための3Dエンジン252が格納されている。また、記憶装置25には、制作された3Dグラフィックデータ253が格納される。
【0038】
この明細書において、3Dグラフィックデータとは、3Dモデルデータとアニメーション定義データとを含んでいる。3Dモデルデータは、3Dのオブジェクトを定義したデータであり、アニメーション定義データは、3Dモデルデータに動きや変形を与えるためのデータである。つまり、3Dモデルデータにより、表示させる3Dオブジェクトの立体的形状、大きさ、色などが定義され、アニメーション定義データは、3Dモデルデータにより定義されている3Dオブジェクトを回転させたり、拡大させたり、移動させたり、変形させたりするための処理を定義したデータである。
【0039】
次に、本発明の特徴的な処理の内容について説明する。図3は、コンピュータ2内で3Dグラフィック制作プログラム251を用いて3Dグラフィックデータ253を制作する場合に定義される仮想的な3D空間200の様子を示している。3D空間200内には、第1の空間202と第2の空間203が配置される。この実施の形態において第1の空間202と第2の空間203は、互いに平行な平面としている。ただし、第1の空間202と第2の空間203が3D空間であってもよい。
【0040】
3Dグラフィック制作プログラム251は、また、3D空間200内に視点201を設定する。3D空間200内において制作された3Dグラフィックデータ253は、実際には、視点201から観察した2Dグラフィックとして表示装置に描画される。視点201は、カメラ位置と呼ばれたりもする。
【0041】
そして、図にも示すように、3D空間200内において、視点201と第1の空間202との距離aは、視点201と第2の空間203との距離bより短くなるように設定されている。つまり、視点201に対して近距離側に第1の空間202が設定され、遠距離側に第2の空間203が設定されている。
【0042】
さらに好ましくは、3D空間200内において、視点201と第1の空間202との距離aは、視点201と第2の空間203との距離bより充分に短くなるように設定される。この実施の形態においては、a:b=1:100となるように設定されている。
【0043】
図4は、3D空間200内で定義される3Dオブジェクト210の一例を示す図である。3Dオブジェクト210は、3Dモデルデータによって定義される。ここでは、3Dオブジェクト210は、立体的な星型の3Dグラフィックである。
【0044】
図5は、図4で示した3Dオブジェクト210に動きを与えるアニメーション定義データの内容を、そのアニメーション動作を通じて表したものである。このアニメーション定義データは、3Dオブジェクト210を、まず、第2の空間203内で図の軌跡211に沿ってアニメーションさせるよう定義したものである。つまり、3Dオブジェクト210は、位置P1で表示された後、軌跡211に沿って位置P2まで移動する。さらに、このアニメーション定義データは、3Dオブジェクト210が第2の空間203内で軌跡211に沿ってアニメーションした後、軌跡212に沿って第1の空間202に移動するよう定義したものである。つまり、3Dオブジェクト210は、位置P2から位置P3に向けて移動する。そして、3Dオブジェクト210は、第1の空間202内の位置P3(ここでは、第1の空間202の略中央位置とする。)でアニメーション動作を終えるのである。
【0045】
また、3Dオブジェクト210が位置P2から位置P3までに移動する間に、視点201から見た3Dオブジェクト210の大きさが変化しないように、3Dオブジェクト210の大きさが次第に縮小するようにアニメーション定義データに定義されている。具体的には、a:b=1:100であるので、第1の空間202において最終的に3Dオブジェクト210を表示したいサイズの100倍のサイズで第2の空間203内において3Dオブジェクト210を表示させる(図5においては、a:bの比を正確に表していないが、実際には、第2の空間203上では、第1の空間202上に比べて3Dオブジェクト210のサイズは100倍である。)。そして、3Dオブジェクト210が軌跡212上で視点201からの距離がc(a<c<b)の位置に移動しているときには、3Dオブジェクト210のサイズは、第1の空間202におけるサイズのc/a倍で定義されるのである。
【0046】
以上説明したようなアニメーション定義データによって、3Dオブジェクト210がアニメーションの動作を行うと、視点201から観察した3Dオブジェクト210の様子は、図6のようになる。つまり、位置P1→P2→P3と移動する過程において、3Dオブジェクト210のサイズは一定であり、軌跡211を描いた後、位置P2から位置P3に移動する。この位置P2から位置P3への移動が軌跡212の投影に対応しているのである。
【0047】
コンテンツ制作会社1において、以上説明したような3Dモデルデータおよびアニメーション定義データから構成される3Dグラフィックデータ253が制作されると、上述したように、このデータは、3Dグラフィックデータ51として携帯電話装置4に組み込まれる。携帯電話装置4を購入したユーザは、この3Dグラフィックデータ51を利用して3Dグラフィックメールの交換を行うのである。
【0048】
{3Dグラフィックメールの交換}
次に、3Dグラフィックメールの交換処理ついて説明する。ここでは、上述したように、3Dグラフィックデータ51、3Dエンジン52、3Dメールプログラム53が搭載された携帯電話装置4,4間で3Dグラフィックメールを交換する場合を説明する。
【0049】
図7は、携帯電話装置4の機能ブロック図である。携帯電話装置4は、携帯電話装置4の全体制御を行うCPU41、各種のプログラムが実行される際にバッファ領域として使用されるRAM42、十字カーソル、英数字ボタンなどを含む操作部43、電話番号やメール表示の他、各種の情報表示を行う表示部44、音声通信やデータ通信を行うための通信処理部45、基地局との間で電波の送受信を行うアンテナ46、記憶装置47、マイク48、スピーカ49を備えている。
【0050】
表示部44としては、たとえば、液晶表示ディスプレイが用いられる。記憶装置47としては、たとえば、フラッシュメモリなどのROMが用いられる。記憶装置47には、前述したように、携帯電話装置4の出荷時に、3Dグラフィックデータ51、3Dエンジン52、3Dメールプログラム53が格納されている。ただし、前述したように、携帯電話装置4に着脱可能な記憶媒体を介して、これらデータが提供されてもよいし、これらデータをインターネット上のサーバからダウンロードして取得する形態であってもよい。
【0051】
送信側の携帯電話装置4では、3Dメールプログラム53を利用して、3Dグラフィックメールの入力操作が行われる。ここでは、ユーザにより、図8で示したような3Dグラフィックメールの入力操作が行われる場合を説明する。
【0052】
ユーザは、操作部43を操作して、まず、テキスト文字の入力を行う。たとえば、「今日はとても楽しかった」という文字を入力する。続いて、ユーザは、操作部43を操作して、3Dグラフィックアニメーションの指定操作を行う。ここでは、星型の3Dグラフィックアニメーションがユーザにより指定され、図に示すように、星型の3Dオブジェクト210が入力したテキスト文字に続いて表示されている。さらに、ユーザは、「また、遊びに行きましょう。それでは」というテキスト文字を入力する。そして、最後に、再び、星型の3Dグラフィックアニメーションの指定操作を行う。これにより、文末に星型の3Dオブジェクト210が表示される。ここでは、同じ星型の3Dグラフィックアニメーションを指定したが、記憶装置47内には、様々な3Dグラフィックアニメーションに対応した3Dグラフィックデータ51が用意されており、ユーザは、これらを自由に選択して指定することが可能である。
【0053】
送信側の携帯電話装置4において、図8で示したような3Dグラフィックメールが作成されると、次に、この3Dグラフィックメールが送信される。この送信されるメールのデータには、テキスト文字のデータと3Dグラフィックアニメーションを指定するデータ(つまり、3Dグラフィックデータ51を指定するデータ)とが含まれている。つまり、この実施の形態においては、送信側と受信側が同じ3Dグラフィックデータ51を持っていることを前提としているので、3Dグラフィックデータ51そのものを送信する必要はなく、どの3Dグラフィックアニメーションを利用するかを指定するデータのみが送信される。ただし、送信側から受信側に3Dグラフィックデータ51を送信する方法であっても構わない。
【0054】
受信側の携帯電話装置4においては、受信したメールのデータから、テキスト文字のデータと3Dグラフィックアニメーションを指定するデータとを取得する。そして、3Dメールプログラム53は、受信したデータを用いて3Dグラフィックメールを再生するのである。
【0055】
3Dグラフィックメールの再生方法について説明する。受信した3Dグラフィックメールは、テキスト文章の中に3Dグラフィックアニメーションが埋め込まれたものである。そして、3Dグラフィックアニメーションの表示位置(正確には、最終的な表示位置)は、様々である。そこで、再生側の携帯電話装置4では、図9に示すように、3Dグラフィックアニメーションを全体的にオフセットすることにより、3Dオブジェクト210の最終的な移動位置を様々に変化させるのである。
【0056】
図9は、デフォルト状態における3Dグラフィックアニメーション(図では太線で示す。)とオフセットされた3Dグラフィックアニメーション(図では鎖線で示す。)を示す図である。デフォルト状態の3Dグラフィックアニメーションは、図5でも示したように、3Dオブジェクト210が位置P1から軌跡211を描いて位置P2に移動し、位置P2から軌跡212を描いて位置P3に移動する。オフセットされたアニメーションは、このデフォルトのアニメーションの動作を全体的に3D空間200内で平行移動させて、3Dオブジェクト210の最終的な移動位置が位置P3’になるようにしたものである。つまり、3Dオブジェクト210は位置P1’で最初に表示され、軌跡211mに沿って位置P2’まで移動し、位置P2’から軌跡212mに沿って位置P3’まで移動する。
【0057】
このように、3Dグラフィックデータ51によって定義されている3Dグラフィックアニメーションを全体的に3D空間200内でオフセットさせる処理は、3Dグラフィックデータ51のデータ構造を操作することなく、一般に再生ソフトウェア側から制御可能である。つまり、3Dエンジン52あるいは3Dメールプログラム53の処理によって、3Dグラフィックアニメーションの全体の動作をオフセットさせることが可能である。
【0058】
このようにして、オフセットされた3Dグラフィックアニメーションを視点201から観察したグラフィックを図10に示す。図に示すように、表示部44に描画される3Dグラフィックアニメーションは、位置P1’から位置P2’に至る軌跡は、図6で示した位置P1から位置P2に至る軌跡と近似しており、位置P2’から位置P3’に至る軌跡が位置P2から位置P3に至る軌跡と大きく異なるようになっている。これは、3Dグラフィックアニメーション全体が同じ距離だけオフセットされているわけであるが、視点201から見た第2の空間203が非常に遠方に設定されているため、第2の空間203上におけるオフセットの距離は、第1の空間202上に投影させた場合、非常に短い距離となるからである。たとえば、この実施の形態においては、a:b=1:100で設定されているので、第2の空間203上におけるオフセットの距離は、第1の空間202上では100分の1に縮小されるのである。したがって、第1の空間202上において位置P3を位置P3’に大きく移動させたとしても、第2の空間203上におけるアニメーションの動作にあまり変化を与えないようにすることができるのである。
【0059】
図11を参照しながら、受信した3Dグラフィックメールの再生手順について説明する。3Dメールプログラム53は、まず、順にテキスト文字を表示する。ここでは、「今日はとても楽しかった」という文字が表示される(図11(a))。次に、3Dメールプログラム53は、3Dグラフィックアニメーションを指定するデータを読み込むと、記憶装置47から対応する3Dグラフィックデータ51を読み込み、3Dグラフィックアニメーションの再生を行う(図11(b),(c))。ここでは、星型の3Dオブジェクト210を最終的に、1行目の行末(表示部44の右上部)に表示させたいので、3Dグラフィックデータ51で定義されているアニメーションの最終的な位置P3が、表示部44の右上部に一致するように3Dグラフィックアニメーションをオフセットさせながら再生する。この場合にも、第2の空間203上におけるアニメーション動作は大きく変化しないので、図に示したように、星型の3Dオブジェクト210は、表示部44の描画エリアをはみ出すことなくアニメーションし(図11(b))、最終的に、表示部44の右上部に移動する(図11(c))。
【0060】
続いて、3Dメールプログラム53は、「また、遊びに行きましょう。それでは」というテキスト文字を表示する(図11(d))。次に、3Dメールプログラム53は、3Dグラフィックアニメーションを指定するデータを読み込むと、記憶装置47から対応する3Dグラフィックデータ51を読み込み、再び、3Dグラフィックアニメーションの再生を行う(図11(e),(f))。ここでは、星型の3Dオブジェクト210を最終的に、3行目の行中(表示部44の中央上部)に表示させたいので、3Dグラフィックデータ51で定義されているアニメーションの最終的な位置P3が、表示部44の中央上部に一致するように3Dグラフィックアニメーションをオフセットさせながら再生する。この場合にも、第2の空間203上におけるアニメーション動作は大きく変化しないので、図に示したように、星型の3Dオブジェクト210は、表示部44の描画エリアをはみ出すことなくアニメーションし(図11(e))、最終的に、表示部44の中央上部に移動する(図11(f))。
【0061】
このように、本実施の形態によれば、受信側において、3Dオブジェクト210を描画エリア内からはみ出させることなく、最終的に様々な位置へ移動させることが可能である。そして、受信側においては、3Dグラフィックアニメーションをオフセット操作する処理を行うだけであるので、処理の負荷が小さく、リアルタイムに最終的な移動位置を変化させることが可能である。また、3Dグラフィックアニメーションをオフセットさせる処理は、一般的な3Dエンジンであれば、3Dグラフィックデータのデータ構造を操作する必要がなく、再生処理時にアプリケーション側で操作可能であるので、環境に依存することなく、汎用的に利用可能な技術である。
【0062】
{変形例}
上記の実施の形態において説明した3Dグラフィックアニメーションは、3Dオブジェクトがアニメーションを行う場合を説明したが、2Dオブジェクトが3D空間内をアニメーションするものであってもよい。
【0063】
上記の実施の形態において説明した3Dグラフィックアニメーションは、3Dオブジェクト210が第2の空間203内でアニメーションした後、第1の空間202に向かって移動し、第1の空間202に到達した地点が最終的な移動位置P3であった。これは一例であり、3Dオブジェクト210が第2の空間203内をアニメーションした後、第1の空間202に移動し、さらに、第1の空間202内でアニメーションした後、最終的な位置P3に移動するようなものであってもよい。ただし、第1の空間202内でアニメーションさせた場合には、オフセットした際に、アニメーションが描画エリアからはみ出す可能性があるので、あまり大きな動きをさせないことが好ましい。
【0064】
また、上記の実施の形態において説明した3Dグラフィックアニメーションは、3Dオブジェクト210が最終的な位置P3に移動して、アニメーションを終了する場合を説明した。これは一例であり、3Dオブジェクトが、最終的な位置P3に移動した後も、小さな動きのアニメーションを続行するものであってもよい。たとえば、小刻みに揺れる動きや、小さな変形を繰り返すアニメーションが続行されてもよい。
【0065】
また、上記の実施の形態においては、受信側の端末は、テキスト文章の中に3Dグラフィックアニメーションを埋め込んで表示させているが、テキスト文章の表示態様は特に限定されるものではない。通常の電子メールと同様に、テキストデータをそのまま表示させてもよいし、テキスト文章についても3D文字に置き換えて表示するようにしてもよい。
【0066】
3Dメールプログラム53は、単独で、3Dメールを作成あるいは再生させる機能を備えたプログラムであってもよいし、携帯電話装置に搭載されている標準のメールプログラムにアドインされるタイプの付加プログラムであってもよい。
【0067】
また、上記の実施の形態においては、送信側の携帯電話装置4が再生させる3Dグラフィックアニメーションを指定するものであった。これ以外の方法として、送信側はテキスト文章のみからなる電子メールを送信し、受信側において、テキスト文章の中のキーワードを検出し、このキーワードに対応した3Dグラフィックアニメーションを再生させるような形態であっても、本発明を適用可能である。
【0068】
この場合、受信側の携帯電話装置に、所定のキーワードと3Dグラフィックデータとを対応付けたデータベースを持たせるようにすればよい。たとえば、「楽しい」、「うれしい」などのキーワードに星型の3Dオブジェクトがアニメーションする3Dグラフィックデータを対応付けておけば、受信したメールのテキスト文章中にこれらのキーワードが存在していた場合、受信側だけの処理で、キーワードを3Dグラフィックアニメーションに変換して表示させることが可能である。つまり、受信端末は、受信した電子メールのテキスト文章から3Dグラフィックデータベースに登録されているキーワードを抽出する。そして、抽出したキーワードに対応する3Dグラフィックデータを3Dグラフィックデータベースから取得し、テキスト文章中におけるキーワード部分については3Dグラフィックアニメーションに置き換えて表示するのである。
【0069】
そして、この場合にも、テキスト文章中のどの場所にキーワードが存在するかはメールを表示させるまで判明しないが、テキスト文章を表示させつつ、リアルタイムで3Dグラフィックアニメーションの最終的な移動位置を決定し、3Dグラフィックアニメーションをオフセットさせることにより、所望の位置に3Dオブジェクトを移動させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】3Dグラフィックデータの制作、配布、利用に関係するシステムの全体図である。
【図2】3Dグラフィックデータを制作するコンピュータの機能ブロック図である。
【図3】3Dグラフィックデータを制作する際にコンピュータ上で定義される仮想的な3D空間を示す図である。
【図4】3Dモデルデータ(3Dオブジェクト)の一例を示す図である。
【図5】3D空間内で定義された3Dグラフィックデータの一例を示す図である。
【図6】視点位置から観察した3Dグラフィックアニメーションの様子を示す図である。
【図7】携帯電話装置の機能ブロック図である。
【図8】送信側の携帯電話装置で入力された3Dグラフィックメールの内容を示す図である。
【図9】3Dグラフィックアニメーションを受信側の携帯電話装置でオフセットさせた様子を示す図である。
【図10】視点位置から観察したオフセットされた3Dグラフィックアニメーションの様子を示す図である。
【図11】受信側の携帯電話装置で表示される3Dグラフィックメールの内容を示す図である。
【図12】従来の3Dグラフィックアニメーションの一例を示す図である。
【図13】従来の3Dグラフィックアニメーションをオフセットさせた場合の表示内容を示す図である。
【図14】複数のアニメーションに対応した複数のアニメーション定義データを持つ3Dグラフィックアニメーションを示す図である。
【図15】3Dグラフィックアニメーションを動的に変化させる方法を示す図である。
【符号の説明】
【0071】
4 携帯電話装置
51 3Dグラフィックデータ
52 3Dエンジン
53 3Dグラフィックメール
200 3D空間
201 視点(カメラ位置)
202 第1の空間
203 第2の空間
210 3Dオブジェクト
211 アニメーション軌跡
212 アニメーション軌跡
【技術分野】
【0001】
本発明は、3Dグラフィックデータの制作および再生技術に関する。
【背景技術】
【0002】
3D(3次元)グラフィックを用いた電子メールシステムが存在する。下記特許文献1あるいは特許文献2には、3Dデータを用いた電子メールの送受信方法が開示されている。さらに、3Dグラフィックのアニメーションを電子メールコンテンツとして利用するシステムも存在する。電子メールを受信した端末において3Dグラフィックのアニメーションを再生させることにより、様々な趣向を凝らした付加価値の高い電子メッセージを交換することが可能となっている。
【0003】
【特許文献1】特開2004−234614号公報
【特許文献2】特開2004−343230号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
たとえば、受信端末において、3Dグラフィックアニメーションを固定位置で再生させることには、技術的な問題はあまりない。送信端末は、受信端末において再生させる3Dグラフィックアニメーションを指定するデータを送信すればよい。受信端末においては、受信したデータに基づいて再生させる3Dグラフィックアニメーションを特定する。そして、受信端末は、特定された3Dグラフィックアニメーションを固定位置で再生させればよい。
【0005】
しかし、3Dグラフィックアニメーションの再生位置をリアルタイムに変更しようとすると、いくつかの問題が発生する。たとえば、テキスト文章の一部に3Dグラフィックアニメーションが埋め込まれているような電子メールを考える。この場合、受信端末においては、テキスト文章を順に表示した後、3Dグラフィックアニメーションを表示することになるが、その表示位置は様々な位置となる。つまり、3Dグラフィックアニメーションを表示させる位置が行頭にある場合、行の途中にある場合、行末にある場合、1行目にある場合、文末にある場合など様々である。
【0006】
ここで、図12で示したような3Dグラフィックアニメーションを操作する場合を説明する。この3Dグラフィックアニメーションは、星型の3Dオブジェクト81が、図の軌跡82を描きながら、最終的に、表示装置(ディスプレイ)70の中央付近に移動するよう定義されたものである。
【0007】
例えば、テキスト文章の中に埋め込まれた3Dグラフィックアニメーションの表示位置がちょうど表示装置70の中央であるならば、図12で示したように、アニメーションを行えばよい。ところが、3Dグラフィックアニメーションを表示させたい位置(正確には、最終的に移動させたい位置)が行頭である場合、つまり、表示装置70の左側である場合には、図13で示したように、3Dグラフィックアニメーションを全体的に左側にオフセットする必要がある。このように全体をオフセットした場合、3Dオブジェクト81が軌跡82mを描く途中で、表示装置70の描画エリアを飛び出すという問題が生じる。
【0008】
このような問題を解決するために、図14で示したような3Dグラフィックアニメーションを予め用意する方法が考えられる。つまり、3Dオブジェクト81がアニメーションする軌跡として、共通の軌跡82aと、最終的に、表示装置70上の様々な位置に移動する複数の軌跡82bを用意する方法である。図では、仮に3つの軌跡82bを表示しているが、表示装置70全体をカバーするように多数の軌跡82bに対応したアニメーション定義データを用意する必要がある。この方法によれば、3Dオブジェクト81のアニメーションを表示装置70の画面内に収めながら、最終的に様々な位置へ移動する3Dグラフィックを再生させることが可能となるが、多数のアニメーション定義データを用意する必要があり、データ量が非常に大きくなるという問題がある。
【0009】
また、他の解決方法として、図15で示す方法が考えられる。この方法では、図12で示したものと同様の3Dグラフィックデータを1つ用意すればよい。そして、3Dグラフィックアニメーションの再生時に、動的に、軌跡82を操作して軌跡82tに変換するものである。この方法によれば、データ量を大きくすることなく、最終的に様々な位置へ移動する3Dグラフィックアニメーションを再生させることが可能となる。しかし、3Dグラフィックアニメーションを再生する際に、動的にそのアニメーション動作を制御するためには、3Dエンジンのアーキテクチャが、動的にデータ構造を操作できるようなものである必要がある。従って、環境に依存するという制約がある。また、動的にデータ構造を操作できる3Dエンジンの場合には、そうでない3Dエンジンに比べて演算処理の負荷が高いという問題もある。
【0010】
そこで、本発明は前記問題点に鑑み、データ量を大きくすることなく、また、演算負荷を大きくすることなく、最終的に様々な位置へ移動可能な3Dオブジェクトを表示装置の描画エリア内でアニメーションさせる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、3Dグラフィックを表示装置に表示させるシステムであって、オブジェクトを3D空間内でアニメーションさせる3Dグラフィックデータを生成する生成手段と、前記3Dグラフィックデータに基づいて3Dグラフィックアニメーションを前記表示装置に表示させる表示手段と、を備え、前記生成手段によって前記3Dグラフィックデータが定義される3D空間内には、第1の空間と第2の空間とが設定され、前記3Dグラフィックデータは、前記オブジェクトが前記第2の空間内をアニメーションした後、前記第2の空間から前記第1の空間上の所定の位置に移動するよう定義されたデータであって、前記第1の空間が近距離側となり、前記第2の空間が遠距離側となるような視点から前記オブジェクトを描画するデータであり、前記表示手段は、前記表示装置上における前記オブジェクトの最終的な表示位置を決定する手段と、前記3Dグラフィックデータにより定義された3Dグラフィックアニメーションを3D空間内でオフセットして平行移動させることにより、前記所定の位置が前記最終的な表示位置に一致するよう制御する手段と、を備えることを特徴とする。
【0012】
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の3Dグラフィック表示システムにおいて、前記オブジェクトは、3Dオブジェクトを含むことを特徴とする。
【0013】
請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の3Dグラフィック表示システムにおいて、前記第1の空間と前記第2の空間とは、互いに平行な平面であることを特徴とする。
【0014】
請求項4記載の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の3Dグラフィック表示システムにおいて、前記オブジェクトが前記第2の空間から前記第1の空間上の所定の位置に移動する過程において前記視点から観察した前記オブジェクトのサイズが変化しないように、前記3Dグラフィックデータは、前記オブジェクトを縮小しつつ移動させるよう定義されていることを特徴とする。
【0015】
請求項5記載の発明は、3Dグラフィックデータに基づいて3Dグラフィックアニメーションを表示する装置であって、前記3Dグラフィックデータは、第1の空間および第2の空間が設定された3D空間内で、オブジェクトが前記第2の空間内をアニメーションした後、前記第2の空間から前記第1の空間上の所定の位置に移動するよう定義するデータであって、前記第1の空間が近距離側となり、前記第2の空間が遠距離側となるような視点から前記オブジェクトを描画したデータであり、前記オブジェクトの最終的な表示位置を決定する手段と、前記3Dグラフィックデータにより定義された3Dグラフィックアニメーションを3D空間内でオフセットして平行移動させることにより、前記所定の位置が前記最終的な表示位置に一致するよう制御する手段と、を備えることを特徴とする。
【0016】
請求項6記載の発明は、請求項5に記載の3Dグラフィック表示装置において、前記オブジェクトは、3Dオブジェクトを含むことを特徴とする。
【0017】
請求項7記載の発明は、請求項5または請求項6に記載の3Dグラフィック表示装置において、前記第1の空間と前記第2の空間とは、互いに平行な平面であることを特徴とする。
【0018】
請求項8記載の発明は、請求項5ないし請求項7のいずれかに記載の3Dグラフィック表示装置において、前記オブジェクトが前記第2の空間から前記第1の空間上の所定の位置に移動する過程において前記視点から観察した前記オブジェクトのサイズが変化しないように、前記3Dグラフィックデータは、前記オブジェクトを縮小しつつ移動させるよう定義されていることを特徴とする。
【0019】
請求項9記載の発明は、3Dグラフィックデータによって定義された3Dグラフィックアニメーションを電子メッセージの一部として表示するシステムであって、テキスト文章の一部に前記3Dグラフィックアニメーションの挿入位置が指定された電子メッセージを送信する送信端末と、前記電子メッセージを受信して、前記テキスト文章および前記3Dグラフィックアニメーションを表示する受信端末と、を備え、前記3Dグラフィックデータは、第1の空間および第2の空間が設定された3D空間内で、オブジェクトが前記第2の空間内をアニメーションした後、前記第2の空間から前記第1の空間上の所定の位置に移動するよう定義するデータであって、前記第1の空間が近距離側となり、前記第2の空間が遠距離側となるような視点から前記オブジェクトを描画したデータであり、前記受信端末は、前記受信端末が備える表示装置に前記電子メッセージに記録されたテキスト文章を先頭から順に読み込んで所定の態様で表示するとともに、前記3Dグラフィックアニメーションを再生する際には、既に表示したテキスト文章に続く位置を前記オブジェクトの最終的な表示位置として決定する手段と、前記3Dグラフィックアニメーションを3D空間内でオフセットして平行移動させることにより、前記所定の位置が前記最終的な表示位置に一致するよう制御する手段と、を備えることを特徴とする。
【0020】
請求項10記載の発明は、3Dグラフィックデータによって定義された3Dグラフィックアニメーションを電子メッセージの一部として表示するシステムであって、電子メッセージを送信する送信端末と、前記電子メッセージを受信して、テキスト文章および前記3Dグラフィックアニメーションを表示する受信端末と、を備え、前記3Dグラフィックデータは、第1の空間および第2の空間が設定された3D空間内で、オブジェクトが前記第2の空間内をアニメーションした後、前記第2の空間から前記第1の空間上の所定の位置に移動するよう定義するデータであって、前記第1の空間が近距離側となり、前記第2の空間が遠距離側となるような視点から前記オブジェクトを描画したデータであり、前記受信端末は、所定のキーワードと対応付けられた前記3Dグラフィックデータを蓄積する3Dグラフィックデータベースと、前記電子メッセージのテキスト文章から前記3Dグラフィックデータベースに登録されているキーワードを抽出する手段と、抽出したキーワードに対応する3Dグラフィックデータを前記3Dグラフィックデータベースから取得する手段と、前記テキスト文章のキーワード以外の部分については元のテキスト文章を表示し、前記テキスト文章のキーワード部分については前記3Dグラフィックアニメーションを置き換えて表示する表示手段と、を備え、前記表示手段は、既に表示したテキスト文章に続く位置を前記オブジェクトの最終的な表示位置として決定するとともに、前記3Dグラフィックアニメーションを3D空間内でオフセットして平行移動させることにより、前記所定の位置が前記最終的な表示位置に一致するよう制御する手段、を備えることを特徴とする。
【0021】
請求項11記載の発明は、請求項9または請求項10に記載の電子メッセージ転送システムにおいて、前記電子メッセージは、電子メールであることを特徴とする。
【0022】
請求項12記載の発明は、請求項9ないし請求項11のいずれかに記載の電子メッセージ転送システムにおいて、前記オブジェクトは、3Dオブジェクトを含むことを特徴とする。
【0023】
請求項13記載の発明は、請求項9ないし請求項12のいずれかに記載の電子メッセージ転送システムにおいて、前記第1の空間と前記第2の空間とは、互いに平行な平面であることを特徴とする。
【0024】
請求項14記載の発明は、請求項9ないし請求項13のいずれかに記載の電子メッセージ転送システムにおいて、前記オブジェクトが前記第2の空間から前記第1の空間上の所定の位置に移動する過程において前記視点から観察した前記オブジェクトの大きさが変化しないように、前記3Dグラフィックデータは、前記オブジェクトを縮小しつつ移動させるよう定義されていることを特徴とする。
【0025】
請求項15記載の発明は、3Dグラフィックデータによって定義された3Dグラフィックアニメーションを電子メッセージの一部として表示する装置であって、テキスト文章の一部に前記3Dグラフィックアニメーションの挿入位置が指定された電子メッセージを受信する手段と、前記テキスト文章および前記3Dグラフィックアニメーションを表示する表示手段と、を備え、前記3Dグラフィックデータは、第1の空間および第2の空間が設定された3D空間内で、オブジェクトが前記第2の空間内をアニメーションした後、前記第2の空間から前記第1の空間上の所定の位置に移動するよう定義するデータであって、前記第1の空間が近距離側となり、前記第2の空間が遠距離側となるような視点から前記オブジェクトを描画したデータであり、前記表示手段は、前記電子メッセージに記録されたテキスト文章を先頭から順に読み込んで所定の態様で表示するとともに、前記3Dグラフィックアニメーションを再生する際には、既に表示したテキスト文章に続く位置を前記オブジェクトの最終的な表示位置として決定する手段と、前記3Dグラフィックアニメーションを3D空間内でオフセットして平行移動させることにより、前記所定の位置が前記最終的な表示位置に一致するよう制御する手段と、を備えることを特徴とする。
【0026】
請求項16記載の発明は、3Dグラフィックデータによって定義された3Dグラフィックアニメーションを電子メッセージの一部として表示する装置であって、前記3Dグラフィックデータは、第1の空間および第2の空間が設定された3D空間内で、オブジェクトが前記第2の空間内をアニメーションした後、前記第2の空間から前記第1の空間上の所定の位置に移動するよう定義するデータであって、前記第1の空間が近距離側となり、前記第2の空間が遠距離側となるような視点から前記オブジェクトを描画したデータであり、所定のキーワードと対応付けられた前記3Dグラフィックデータを蓄積する3Dグラフィックデータベースと、前記電子メッセージのテキスト文章から前記3Dグラフィックデータベースに登録されているキーワードを抽出する手段と、抽出したキーワードに対応する3Dグラフィックデータを前記3Dグラフィックデータベースから取得する手段と、前記テキスト文章のキーワード以外の部分については元のテキスト文章を表示し、前記テキスト文章のキーワード部分については前記3Dグラフィックアニメーションを置き換えて表示する表示手段と、を備え、前記表示手段は、既に表示したテキスト文章に続く位置を前記オブジェクトの最終的な表示位置として決定するとともに、前記3Dグラフィックアニメーションを3D空間内でオフセットして平行移動させることにより、前記所定の位置が前記最終的な表示位置に一致するよう制御する手段、を備えることを特徴とする。
【0027】
請求項17記載の発明は、請求項15または請求項16に記載の電子メッセージ表示装置において、前記電子メッセージは、電子メールであることを特徴とする。
【0028】
請求項18記載の発明は、請求項15ないし請求項17のいずれかに記載の電子メッセージ表示装置において、前記オブジェクトは、3Dオブジェクトを含むことを特徴とする。
【0029】
請求項19記載の発明は、請求項15ないし請求項18のいずれかに記載の電子メッセージ表示装置において、前記第1の空間と前記第2の空間とは、互いに平行な平面であることを特徴とする。
【0030】
請求項20記載の発明は、請求項15ないし請求項19のいずれかに記載の電子メッセージ表示装置において、前記オブジェクトが前記第2の空間から前記第1の空間上の所定の位置に移動する過程において前記視点から観察した前記オブジェクトの大きさが変化しないように、前記3Dグラフィックデータは、前記オブジェクトを縮小しつつ移動させるよう定義されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0031】
3Dグラフィックアニメーションは、3Dオブジェクトが視点から遠距離にある第2の空間でアニメーションした後、近距離側にある第1の空間に移動するよう定義されている。これにより、3Dグラフィックアニメーション全体をオフセットさせることにより、第2の空間におけるアニメーションをあまり変化させることなく、最終的な移動位置を変化させることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
{3Dグラフィックデータの制作から供給までの流れ}
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。図1は、3D(3次元)グラフィックアニメーションの制作から供給までの一連の流れを示す図である。
【0033】
コンテンツ制作会社1において、CGクリエイターがコンピュータ2を利用し、3Dグラフィックデータ253(図2参照)を制作する。コンテンツ制作会社1において制作された3Dグラフィックデータ253は、携帯電話会社3に供給される。携帯電話会社3は、販売する携帯電話装置4に、コンテンツ制作会社1からの供給を受けた3Dグラフィックデータ253を組み込む。(携帯電話装置4に搭載される3Dグラフィックデータを3Dグラフィックデータ51とする。)。また、携帯電話会社3において、3Dグラフィックデータ51を再生するために必要な3Dエンジン52および3Dメールプログラム53が携帯電話装置4に組み込まれる。
【0034】
3Dグラフィックデータ51、3Dエンジン52、3Dメールプログラム53が搭載された携帯電話装置4は、携帯電話会社3により市場に販売される。そして、ユーザは、購入した携帯電話装置4を利用して3Dグラフィックメールの交換を行うのである。3Dグラフィックメールは、電話回線網やインターネットなどからなるネットワーク5を介して送受信される。
【0035】
あるいは、コンテンツ制作会社1において制作された3Dグラフィックデータ253が、フラッシュメモリなどの記憶媒体に格納されて携帯電話装置4のユーザに供給される形態であってもよい。あるいは、3Dグラフィックデータ253がネットワーク5に接続されたサーバに格納され、携帯電話装置4のユーザがダウンロードを行って取得する形態であってもよい。
【0036】
{コンテンツの制作}
図2は、コンテンツ制作会社1においてCGクリエイターが使用するコンピュータ2の機能ブロック図である。コンピュータ2は、CPU21、RAM22、キーボード、マウス等を備える操作部23、液晶ディスプレイなどの表示部24、ハードディスク等の記憶装置25を備えている。コンピュータ2は、たとえば、パーソナルコンピュータである。あるいは、コンピュータグラフィックを制作する専用のコンピュータが用いられる。
【0037】
記憶装置25には、3Dモデルデータやアニメーション定義データを制作するための3Dグラフィック制作プログラム251、3Dグラフィックを処理するための3Dエンジン252が格納されている。また、記憶装置25には、制作された3Dグラフィックデータ253が格納される。
【0038】
この明細書において、3Dグラフィックデータとは、3Dモデルデータとアニメーション定義データとを含んでいる。3Dモデルデータは、3Dのオブジェクトを定義したデータであり、アニメーション定義データは、3Dモデルデータに動きや変形を与えるためのデータである。つまり、3Dモデルデータにより、表示させる3Dオブジェクトの立体的形状、大きさ、色などが定義され、アニメーション定義データは、3Dモデルデータにより定義されている3Dオブジェクトを回転させたり、拡大させたり、移動させたり、変形させたりするための処理を定義したデータである。
【0039】
次に、本発明の特徴的な処理の内容について説明する。図3は、コンピュータ2内で3Dグラフィック制作プログラム251を用いて3Dグラフィックデータ253を制作する場合に定義される仮想的な3D空間200の様子を示している。3D空間200内には、第1の空間202と第2の空間203が配置される。この実施の形態において第1の空間202と第2の空間203は、互いに平行な平面としている。ただし、第1の空間202と第2の空間203が3D空間であってもよい。
【0040】
3Dグラフィック制作プログラム251は、また、3D空間200内に視点201を設定する。3D空間200内において制作された3Dグラフィックデータ253は、実際には、視点201から観察した2Dグラフィックとして表示装置に描画される。視点201は、カメラ位置と呼ばれたりもする。
【0041】
そして、図にも示すように、3D空間200内において、視点201と第1の空間202との距離aは、視点201と第2の空間203との距離bより短くなるように設定されている。つまり、視点201に対して近距離側に第1の空間202が設定され、遠距離側に第2の空間203が設定されている。
【0042】
さらに好ましくは、3D空間200内において、視点201と第1の空間202との距離aは、視点201と第2の空間203との距離bより充分に短くなるように設定される。この実施の形態においては、a:b=1:100となるように設定されている。
【0043】
図4は、3D空間200内で定義される3Dオブジェクト210の一例を示す図である。3Dオブジェクト210は、3Dモデルデータによって定義される。ここでは、3Dオブジェクト210は、立体的な星型の3Dグラフィックである。
【0044】
図5は、図4で示した3Dオブジェクト210に動きを与えるアニメーション定義データの内容を、そのアニメーション動作を通じて表したものである。このアニメーション定義データは、3Dオブジェクト210を、まず、第2の空間203内で図の軌跡211に沿ってアニメーションさせるよう定義したものである。つまり、3Dオブジェクト210は、位置P1で表示された後、軌跡211に沿って位置P2まで移動する。さらに、このアニメーション定義データは、3Dオブジェクト210が第2の空間203内で軌跡211に沿ってアニメーションした後、軌跡212に沿って第1の空間202に移動するよう定義したものである。つまり、3Dオブジェクト210は、位置P2から位置P3に向けて移動する。そして、3Dオブジェクト210は、第1の空間202内の位置P3(ここでは、第1の空間202の略中央位置とする。)でアニメーション動作を終えるのである。
【0045】
また、3Dオブジェクト210が位置P2から位置P3までに移動する間に、視点201から見た3Dオブジェクト210の大きさが変化しないように、3Dオブジェクト210の大きさが次第に縮小するようにアニメーション定義データに定義されている。具体的には、a:b=1:100であるので、第1の空間202において最終的に3Dオブジェクト210を表示したいサイズの100倍のサイズで第2の空間203内において3Dオブジェクト210を表示させる(図5においては、a:bの比を正確に表していないが、実際には、第2の空間203上では、第1の空間202上に比べて3Dオブジェクト210のサイズは100倍である。)。そして、3Dオブジェクト210が軌跡212上で視点201からの距離がc(a<c<b)の位置に移動しているときには、3Dオブジェクト210のサイズは、第1の空間202におけるサイズのc/a倍で定義されるのである。
【0046】
以上説明したようなアニメーション定義データによって、3Dオブジェクト210がアニメーションの動作を行うと、視点201から観察した3Dオブジェクト210の様子は、図6のようになる。つまり、位置P1→P2→P3と移動する過程において、3Dオブジェクト210のサイズは一定であり、軌跡211を描いた後、位置P2から位置P3に移動する。この位置P2から位置P3への移動が軌跡212の投影に対応しているのである。
【0047】
コンテンツ制作会社1において、以上説明したような3Dモデルデータおよびアニメーション定義データから構成される3Dグラフィックデータ253が制作されると、上述したように、このデータは、3Dグラフィックデータ51として携帯電話装置4に組み込まれる。携帯電話装置4を購入したユーザは、この3Dグラフィックデータ51を利用して3Dグラフィックメールの交換を行うのである。
【0048】
{3Dグラフィックメールの交換}
次に、3Dグラフィックメールの交換処理ついて説明する。ここでは、上述したように、3Dグラフィックデータ51、3Dエンジン52、3Dメールプログラム53が搭載された携帯電話装置4,4間で3Dグラフィックメールを交換する場合を説明する。
【0049】
図7は、携帯電話装置4の機能ブロック図である。携帯電話装置4は、携帯電話装置4の全体制御を行うCPU41、各種のプログラムが実行される際にバッファ領域として使用されるRAM42、十字カーソル、英数字ボタンなどを含む操作部43、電話番号やメール表示の他、各種の情報表示を行う表示部44、音声通信やデータ通信を行うための通信処理部45、基地局との間で電波の送受信を行うアンテナ46、記憶装置47、マイク48、スピーカ49を備えている。
【0050】
表示部44としては、たとえば、液晶表示ディスプレイが用いられる。記憶装置47としては、たとえば、フラッシュメモリなどのROMが用いられる。記憶装置47には、前述したように、携帯電話装置4の出荷時に、3Dグラフィックデータ51、3Dエンジン52、3Dメールプログラム53が格納されている。ただし、前述したように、携帯電話装置4に着脱可能な記憶媒体を介して、これらデータが提供されてもよいし、これらデータをインターネット上のサーバからダウンロードして取得する形態であってもよい。
【0051】
送信側の携帯電話装置4では、3Dメールプログラム53を利用して、3Dグラフィックメールの入力操作が行われる。ここでは、ユーザにより、図8で示したような3Dグラフィックメールの入力操作が行われる場合を説明する。
【0052】
ユーザは、操作部43を操作して、まず、テキスト文字の入力を行う。たとえば、「今日はとても楽しかった」という文字を入力する。続いて、ユーザは、操作部43を操作して、3Dグラフィックアニメーションの指定操作を行う。ここでは、星型の3Dグラフィックアニメーションがユーザにより指定され、図に示すように、星型の3Dオブジェクト210が入力したテキスト文字に続いて表示されている。さらに、ユーザは、「また、遊びに行きましょう。それでは」というテキスト文字を入力する。そして、最後に、再び、星型の3Dグラフィックアニメーションの指定操作を行う。これにより、文末に星型の3Dオブジェクト210が表示される。ここでは、同じ星型の3Dグラフィックアニメーションを指定したが、記憶装置47内には、様々な3Dグラフィックアニメーションに対応した3Dグラフィックデータ51が用意されており、ユーザは、これらを自由に選択して指定することが可能である。
【0053】
送信側の携帯電話装置4において、図8で示したような3Dグラフィックメールが作成されると、次に、この3Dグラフィックメールが送信される。この送信されるメールのデータには、テキスト文字のデータと3Dグラフィックアニメーションを指定するデータ(つまり、3Dグラフィックデータ51を指定するデータ)とが含まれている。つまり、この実施の形態においては、送信側と受信側が同じ3Dグラフィックデータ51を持っていることを前提としているので、3Dグラフィックデータ51そのものを送信する必要はなく、どの3Dグラフィックアニメーションを利用するかを指定するデータのみが送信される。ただし、送信側から受信側に3Dグラフィックデータ51を送信する方法であっても構わない。
【0054】
受信側の携帯電話装置4においては、受信したメールのデータから、テキスト文字のデータと3Dグラフィックアニメーションを指定するデータとを取得する。そして、3Dメールプログラム53は、受信したデータを用いて3Dグラフィックメールを再生するのである。
【0055】
3Dグラフィックメールの再生方法について説明する。受信した3Dグラフィックメールは、テキスト文章の中に3Dグラフィックアニメーションが埋め込まれたものである。そして、3Dグラフィックアニメーションの表示位置(正確には、最終的な表示位置)は、様々である。そこで、再生側の携帯電話装置4では、図9に示すように、3Dグラフィックアニメーションを全体的にオフセットすることにより、3Dオブジェクト210の最終的な移動位置を様々に変化させるのである。
【0056】
図9は、デフォルト状態における3Dグラフィックアニメーション(図では太線で示す。)とオフセットされた3Dグラフィックアニメーション(図では鎖線で示す。)を示す図である。デフォルト状態の3Dグラフィックアニメーションは、図5でも示したように、3Dオブジェクト210が位置P1から軌跡211を描いて位置P2に移動し、位置P2から軌跡212を描いて位置P3に移動する。オフセットされたアニメーションは、このデフォルトのアニメーションの動作を全体的に3D空間200内で平行移動させて、3Dオブジェクト210の最終的な移動位置が位置P3’になるようにしたものである。つまり、3Dオブジェクト210は位置P1’で最初に表示され、軌跡211mに沿って位置P2’まで移動し、位置P2’から軌跡212mに沿って位置P3’まで移動する。
【0057】
このように、3Dグラフィックデータ51によって定義されている3Dグラフィックアニメーションを全体的に3D空間200内でオフセットさせる処理は、3Dグラフィックデータ51のデータ構造を操作することなく、一般に再生ソフトウェア側から制御可能である。つまり、3Dエンジン52あるいは3Dメールプログラム53の処理によって、3Dグラフィックアニメーションの全体の動作をオフセットさせることが可能である。
【0058】
このようにして、オフセットされた3Dグラフィックアニメーションを視点201から観察したグラフィックを図10に示す。図に示すように、表示部44に描画される3Dグラフィックアニメーションは、位置P1’から位置P2’に至る軌跡は、図6で示した位置P1から位置P2に至る軌跡と近似しており、位置P2’から位置P3’に至る軌跡が位置P2から位置P3に至る軌跡と大きく異なるようになっている。これは、3Dグラフィックアニメーション全体が同じ距離だけオフセットされているわけであるが、視点201から見た第2の空間203が非常に遠方に設定されているため、第2の空間203上におけるオフセットの距離は、第1の空間202上に投影させた場合、非常に短い距離となるからである。たとえば、この実施の形態においては、a:b=1:100で設定されているので、第2の空間203上におけるオフセットの距離は、第1の空間202上では100分の1に縮小されるのである。したがって、第1の空間202上において位置P3を位置P3’に大きく移動させたとしても、第2の空間203上におけるアニメーションの動作にあまり変化を与えないようにすることができるのである。
【0059】
図11を参照しながら、受信した3Dグラフィックメールの再生手順について説明する。3Dメールプログラム53は、まず、順にテキスト文字を表示する。ここでは、「今日はとても楽しかった」という文字が表示される(図11(a))。次に、3Dメールプログラム53は、3Dグラフィックアニメーションを指定するデータを読み込むと、記憶装置47から対応する3Dグラフィックデータ51を読み込み、3Dグラフィックアニメーションの再生を行う(図11(b),(c))。ここでは、星型の3Dオブジェクト210を最終的に、1行目の行末(表示部44の右上部)に表示させたいので、3Dグラフィックデータ51で定義されているアニメーションの最終的な位置P3が、表示部44の右上部に一致するように3Dグラフィックアニメーションをオフセットさせながら再生する。この場合にも、第2の空間203上におけるアニメーション動作は大きく変化しないので、図に示したように、星型の3Dオブジェクト210は、表示部44の描画エリアをはみ出すことなくアニメーションし(図11(b))、最終的に、表示部44の右上部に移動する(図11(c))。
【0060】
続いて、3Dメールプログラム53は、「また、遊びに行きましょう。それでは」というテキスト文字を表示する(図11(d))。次に、3Dメールプログラム53は、3Dグラフィックアニメーションを指定するデータを読み込むと、記憶装置47から対応する3Dグラフィックデータ51を読み込み、再び、3Dグラフィックアニメーションの再生を行う(図11(e),(f))。ここでは、星型の3Dオブジェクト210を最終的に、3行目の行中(表示部44の中央上部)に表示させたいので、3Dグラフィックデータ51で定義されているアニメーションの最終的な位置P3が、表示部44の中央上部に一致するように3Dグラフィックアニメーションをオフセットさせながら再生する。この場合にも、第2の空間203上におけるアニメーション動作は大きく変化しないので、図に示したように、星型の3Dオブジェクト210は、表示部44の描画エリアをはみ出すことなくアニメーションし(図11(e))、最終的に、表示部44の中央上部に移動する(図11(f))。
【0061】
このように、本実施の形態によれば、受信側において、3Dオブジェクト210を描画エリア内からはみ出させることなく、最終的に様々な位置へ移動させることが可能である。そして、受信側においては、3Dグラフィックアニメーションをオフセット操作する処理を行うだけであるので、処理の負荷が小さく、リアルタイムに最終的な移動位置を変化させることが可能である。また、3Dグラフィックアニメーションをオフセットさせる処理は、一般的な3Dエンジンであれば、3Dグラフィックデータのデータ構造を操作する必要がなく、再生処理時にアプリケーション側で操作可能であるので、環境に依存することなく、汎用的に利用可能な技術である。
【0062】
{変形例}
上記の実施の形態において説明した3Dグラフィックアニメーションは、3Dオブジェクトがアニメーションを行う場合を説明したが、2Dオブジェクトが3D空間内をアニメーションするものであってもよい。
【0063】
上記の実施の形態において説明した3Dグラフィックアニメーションは、3Dオブジェクト210が第2の空間203内でアニメーションした後、第1の空間202に向かって移動し、第1の空間202に到達した地点が最終的な移動位置P3であった。これは一例であり、3Dオブジェクト210が第2の空間203内をアニメーションした後、第1の空間202に移動し、さらに、第1の空間202内でアニメーションした後、最終的な位置P3に移動するようなものであってもよい。ただし、第1の空間202内でアニメーションさせた場合には、オフセットした際に、アニメーションが描画エリアからはみ出す可能性があるので、あまり大きな動きをさせないことが好ましい。
【0064】
また、上記の実施の形態において説明した3Dグラフィックアニメーションは、3Dオブジェクト210が最終的な位置P3に移動して、アニメーションを終了する場合を説明した。これは一例であり、3Dオブジェクトが、最終的な位置P3に移動した後も、小さな動きのアニメーションを続行するものであってもよい。たとえば、小刻みに揺れる動きや、小さな変形を繰り返すアニメーションが続行されてもよい。
【0065】
また、上記の実施の形態においては、受信側の端末は、テキスト文章の中に3Dグラフィックアニメーションを埋め込んで表示させているが、テキスト文章の表示態様は特に限定されるものではない。通常の電子メールと同様に、テキストデータをそのまま表示させてもよいし、テキスト文章についても3D文字に置き換えて表示するようにしてもよい。
【0066】
3Dメールプログラム53は、単独で、3Dメールを作成あるいは再生させる機能を備えたプログラムであってもよいし、携帯電話装置に搭載されている標準のメールプログラムにアドインされるタイプの付加プログラムであってもよい。
【0067】
また、上記の実施の形態においては、送信側の携帯電話装置4が再生させる3Dグラフィックアニメーションを指定するものであった。これ以外の方法として、送信側はテキスト文章のみからなる電子メールを送信し、受信側において、テキスト文章の中のキーワードを検出し、このキーワードに対応した3Dグラフィックアニメーションを再生させるような形態であっても、本発明を適用可能である。
【0068】
この場合、受信側の携帯電話装置に、所定のキーワードと3Dグラフィックデータとを対応付けたデータベースを持たせるようにすればよい。たとえば、「楽しい」、「うれしい」などのキーワードに星型の3Dオブジェクトがアニメーションする3Dグラフィックデータを対応付けておけば、受信したメールのテキスト文章中にこれらのキーワードが存在していた場合、受信側だけの処理で、キーワードを3Dグラフィックアニメーションに変換して表示させることが可能である。つまり、受信端末は、受信した電子メールのテキスト文章から3Dグラフィックデータベースに登録されているキーワードを抽出する。そして、抽出したキーワードに対応する3Dグラフィックデータを3Dグラフィックデータベースから取得し、テキスト文章中におけるキーワード部分については3Dグラフィックアニメーションに置き換えて表示するのである。
【0069】
そして、この場合にも、テキスト文章中のどの場所にキーワードが存在するかはメールを表示させるまで判明しないが、テキスト文章を表示させつつ、リアルタイムで3Dグラフィックアニメーションの最終的な移動位置を決定し、3Dグラフィックアニメーションをオフセットさせることにより、所望の位置に3Dオブジェクトを移動させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】3Dグラフィックデータの制作、配布、利用に関係するシステムの全体図である。
【図2】3Dグラフィックデータを制作するコンピュータの機能ブロック図である。
【図3】3Dグラフィックデータを制作する際にコンピュータ上で定義される仮想的な3D空間を示す図である。
【図4】3Dモデルデータ(3Dオブジェクト)の一例を示す図である。
【図5】3D空間内で定義された3Dグラフィックデータの一例を示す図である。
【図6】視点位置から観察した3Dグラフィックアニメーションの様子を示す図である。
【図7】携帯電話装置の機能ブロック図である。
【図8】送信側の携帯電話装置で入力された3Dグラフィックメールの内容を示す図である。
【図9】3Dグラフィックアニメーションを受信側の携帯電話装置でオフセットさせた様子を示す図である。
【図10】視点位置から観察したオフセットされた3Dグラフィックアニメーションの様子を示す図である。
【図11】受信側の携帯電話装置で表示される3Dグラフィックメールの内容を示す図である。
【図12】従来の3Dグラフィックアニメーションの一例を示す図である。
【図13】従来の3Dグラフィックアニメーションをオフセットさせた場合の表示内容を示す図である。
【図14】複数のアニメーションに対応した複数のアニメーション定義データを持つ3Dグラフィックアニメーションを示す図である。
【図15】3Dグラフィックアニメーションを動的に変化させる方法を示す図である。
【符号の説明】
【0071】
4 携帯電話装置
51 3Dグラフィックデータ
52 3Dエンジン
53 3Dグラフィックメール
200 3D空間
201 視点(カメラ位置)
202 第1の空間
203 第2の空間
210 3Dオブジェクト
211 アニメーション軌跡
212 アニメーション軌跡
【特許請求の範囲】
【請求項1】
3Dグラフィックを表示装置に表示させるシステムであって、
オブジェクトを3D空間内でアニメーションさせる3Dグラフィックデータを生成する生成手段と、
前記3Dグラフィックデータに基づいて3Dグラフィックアニメーションを前記表示装置に表示させる表示手段と、
を備え、
前記生成手段によって前記3Dグラフィックデータが定義される3D空間内には、第1の空間と第2の空間とが設定され、前記3Dグラフィックデータは、前記オブジェクトが前記第2の空間内をアニメーションした後、前記第2の空間から前記第1の空間上の所定の位置に移動するよう定義されたデータであって、前記第1の空間が近距離側となり、前記第2の空間が遠距離側となるような視点から前記オブジェクトを描画するデータであり、
前記表示手段は、
前記表示装置上における前記オブジェクトの最終的な表示位置を決定する手段と、
前記3Dグラフィックデータにより定義された3Dグラフィックアニメーションを3D空間内でオフセットして平行移動させることにより、前記所定の位置が前記最終的な表示位置に一致するよう制御する手段と、
を備えることを特徴とする3Dグラフィック表示システム。
【請求項2】
請求項1に記載の3Dグラフィック表示システムにおいて、
前記オブジェクトは、3Dオブジェクトを含むことを特徴とする3Dグラフィック表示システム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の3Dグラフィック表示システムにおいて、
前記第1の空間と前記第2の空間とは、互いに平行な平面であることを特徴とする3Dグラフィック表示システム。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の3Dグラフィック表示システムにおいて、
前記オブジェクトが前記第2の空間から前記第1の空間上の所定の位置に移動する過程において前記視点から観察した前記オブジェクトのサイズが変化しないように、前記3Dグラフィックデータは、前記オブジェクトを縮小しつつ移動させるよう定義されていることを特徴とする3Dグラフィック表示システム。
【請求項5】
3Dグラフィックデータに基づいて3Dグラフィックアニメーションを表示する装置であって、
前記3Dグラフィックデータは、第1の空間および第2の空間が設定された3D空間内で、オブジェクトが前記第2の空間内をアニメーションした後、前記第2の空間から前記第1の空間上の所定の位置に移動するよう定義するデータであって、前記第1の空間が近距離側となり、前記第2の空間が遠距離側となるような視点から前記オブジェクトを描画したデータであり、
前記オブジェクトの最終的な表示位置を決定する手段と、
前記3Dグラフィックデータにより定義された3Dグラフィックアニメーションを3D空間内でオフセットして平行移動させることにより、前記所定の位置が前記最終的な表示位置に一致するよう制御する手段と、
を備えることを特徴とする3Dグラフィック表示装置。
【請求項6】
請求項5に記載の3Dグラフィック表示装置において、
前記オブジェクトは、3Dオブジェクトを含むことを特徴とする3Dグラフィック表示装置。
【請求項7】
請求項5または請求項6に記載の3Dグラフィック表示装置において、
前記第1の空間と前記第2の空間とは、互いに平行な平面であることを特徴とする3Dグラフィック表示装置。
【請求項8】
請求項5ないし請求項7のいずれかに記載の3Dグラフィック表示装置において、
前記オブジェクトが前記第2の空間から前記第1の空間上の所定の位置に移動する過程において前記視点から観察した前記オブジェクトのサイズが変化しないように、前記3Dグラフィックデータは、前記オブジェクトを縮小しつつ移動させるよう定義されていることを特徴とする3Dグラフィック表示装置。
【請求項9】
3Dグラフィックデータによって定義された3Dグラフィックアニメーションを電子メッセージの一部として表示するシステムであって、
テキスト文章の一部に前記3Dグラフィックアニメーションの挿入位置が指定された電子メッセージを送信する送信端末と、
前記電子メッセージを受信して、前記テキスト文章および前記3Dグラフィックアニメーションを表示する受信端末と、
を備え、
前記3Dグラフィックデータは、第1の空間および第2の空間が設定された3D空間内で、オブジェクトが前記第2の空間内をアニメーションした後、前記第2の空間から前記第1の空間上の所定の位置に移動するよう定義するデータであって、前記第1の空間が近距離側となり、前記第2の空間が遠距離側となるような視点から前記オブジェクトを描画したデータであり、
前記受信端末は、
前記受信端末が備える表示装置に前記電子メッセージに記録されたテキスト文章を先頭から順に読み込んで所定の態様で表示するとともに、前記3Dグラフィックアニメーションを再生する際には、既に表示したテキスト文章に続く位置を前記オブジェクトの最終的な表示位置として決定する手段と、
前記3Dグラフィックアニメーションを3D空間内でオフセットして平行移動させることにより、前記所定の位置が前記最終的な表示位置に一致するよう制御する手段と、
を備えることを特徴とする電子メッセージ転送システム。
【請求項10】
3Dグラフィックデータによって定義された3Dグラフィックアニメーションを電子メッセージの一部として表示するシステムであって、
電子メッセージを送信する送信端末と、
前記電子メッセージを受信して、テキスト文章および前記3Dグラフィックアニメーションを表示する受信端末と、
を備え、
前記3Dグラフィックデータは、第1の空間および第2の空間が設定された3D空間内で、オブジェクトが前記第2の空間内をアニメーションした後、前記第2の空間から前記第1の空間上の所定の位置に移動するよう定義するデータであって、前記第1の空間が近距離側となり、前記第2の空間が遠距離側となるような視点から前記オブジェクトを描画したデータであり、
前記受信端末は、
所定のキーワードと対応付けられた前記3Dグラフィックデータを蓄積する3Dグラフィックデータベースと、
前記電子メッセージのテキスト文章から前記3Dグラフィックデータベースに登録されているキーワードを抽出する手段と、
抽出したキーワードに対応する3Dグラフィックデータを前記3Dグラフィックデータベースから取得する手段と、
前記テキスト文章のキーワード以外の部分については元のテキスト文章を表示し、前記テキスト文章のキーワード部分については前記3Dグラフィックアニメーションを置き換えて表示する表示手段と、
を備え、
前記表示手段は、
既に表示したテキスト文章に続く位置を前記オブジェクトの最終的な表示位置として決定するとともに、前記3Dグラフィックアニメーションを3D空間内でオフセットして平行移動させることにより、前記所定の位置が前記最終的な表示位置に一致するよう制御する手段、
を備えることを特徴とする電子メッセージ転送システム。
【請求項11】
請求項9または請求項10に記載の電子メッセージ転送システムにおいて、
前記電子メッセージは、電子メールであることを特徴とする電子メッセージ転送システム。
【請求項12】
請求項9ないし請求項11のいずれかに記載の電子メッセージ転送システムにおいて、
前記オブジェクトは、3Dオブジェクトを含むことを特徴とする電子メッセージ転送システム。
【請求項13】
請求項9ないし請求項12のいずれかに記載の電子メッセージ転送システムにおいて、
前記第1の空間と前記第2の空間とは、互いに平行な平面であることを特徴とする電子メッセージ転送システム。
【請求項14】
請求項9ないし請求項13のいずれかに記載の電子メッセージ転送システムにおいて、
前記オブジェクトが前記第2の空間から前記第1の空間上の所定の位置に移動する過程において前記視点から観察した前記オブジェクトの大きさが変化しないように、前記3Dグラフィックデータは、前記オブジェクトを縮小しつつ移動させるよう定義されていることを特徴とする電子メッセージ転送システム。
【請求項15】
3Dグラフィックデータによって定義された3Dグラフィックアニメーションを電子メッセージの一部として表示する装置であって、
テキスト文章の一部に前記3Dグラフィックアニメーションの挿入位置が指定された電子メッセージを受信する手段と、
前記テキスト文章および前記3Dグラフィックアニメーションを表示する表示手段と、
を備え、
前記3Dグラフィックデータは、第1の空間および第2の空間が設定された3D空間内で、オブジェクトが前記第2の空間内をアニメーションした後、前記第2の空間から前記第1の空間上の所定の位置に移動するよう定義するデータであって、前記第1の空間が近距離側となり、前記第2の空間が遠距離側となるような視点から前記オブジェクトを描画したデータであり、
前記表示手段は、
前記電子メッセージに記録されたテキスト文章を先頭から順に読み込んで所定の態様で表示するとともに、前記3Dグラフィックアニメーションを再生する際には、既に表示したテキスト文章に続く位置を前記オブジェクトの最終的な表示位置として決定する手段と、
前記3Dグラフィックアニメーションを3D空間内でオフセットして平行移動させることにより、前記所定の位置が前記最終的な表示位置に一致するよう制御する手段と、
を備えることを特徴とする電子メッセージ表示装置。
【請求項16】
3Dグラフィックデータによって定義された3Dグラフィックアニメーションを電子メッセージの一部として表示する装置であって、
前記3Dグラフィックデータは、第1の空間および第2の空間が設定された3D空間内で、オブジェクトが前記第2の空間内をアニメーションした後、前記第2の空間から前記第1の空間上の所定の位置に移動するよう定義するデータであって、前記第1の空間が近距離側となり、前記第2の空間が遠距離側となるような視点から前記オブジェクトを描画したデータであり、
所定のキーワードと対応付けられた前記3Dグラフィックデータを蓄積する3Dグラフィックデータベースと、
前記電子メッセージのテキスト文章から前記3Dグラフィックデータベースに登録されているキーワードを抽出する手段と、
抽出したキーワードに対応する3Dグラフィックデータを前記3Dグラフィックデータベースから取得する手段と、
前記テキスト文章のキーワード以外の部分については元のテキスト文章を表示し、前記テキスト文章のキーワード部分については前記3Dグラフィックアニメーションを置き換えて表示する表示手段と、
を備え、
前記表示手段は、
既に表示したテキスト文章に続く位置を前記オブジェクトの最終的な表示位置として決定するとともに、前記3Dグラフィックアニメーションを3D空間内でオフセットして平行移動させることにより、前記所定の位置が前記最終的な表示位置に一致するよう制御する手段、
を備えることを特徴とする電子メッセージ表示装置。
【請求項17】
請求項15または請求項16に記載の電子メッセージ表示装置において、
前記電子メッセージは、電子メールであることを特徴とする電子メッセージ表示装置。
【請求項18】
請求項15ないし請求項17のいずれかに記載の電子メッセージ表示装置において、
前記オブジェクトは、3Dオブジェクトを含むことを特徴とする電子メッセージ表示装置。
【請求項19】
請求項15ないし請求項18のいずれかに記載の電子メッセージ表示装置において、
前記第1の空間と前記第2の空間とは、互いに平行な平面であることを特徴とする電子メッセージ表示装置。
【請求項20】
請求項15ないし請求項19のいずれかに記載の電子メッセージ表示装置において、
前記オブジェクトが前記第2の空間から前記第1の空間上の所定の位置に移動する過程において前記視点から観察した前記オブジェクトの大きさが変化しないように、前記3Dグラフィックデータは、前記オブジェクトを縮小しつつ移動させるよう定義されていることを特徴とする電子メッセージ表示装置。
【請求項1】
3Dグラフィックを表示装置に表示させるシステムであって、
オブジェクトを3D空間内でアニメーションさせる3Dグラフィックデータを生成する生成手段と、
前記3Dグラフィックデータに基づいて3Dグラフィックアニメーションを前記表示装置に表示させる表示手段と、
を備え、
前記生成手段によって前記3Dグラフィックデータが定義される3D空間内には、第1の空間と第2の空間とが設定され、前記3Dグラフィックデータは、前記オブジェクトが前記第2の空間内をアニメーションした後、前記第2の空間から前記第1の空間上の所定の位置に移動するよう定義されたデータであって、前記第1の空間が近距離側となり、前記第2の空間が遠距離側となるような視点から前記オブジェクトを描画するデータであり、
前記表示手段は、
前記表示装置上における前記オブジェクトの最終的な表示位置を決定する手段と、
前記3Dグラフィックデータにより定義された3Dグラフィックアニメーションを3D空間内でオフセットして平行移動させることにより、前記所定の位置が前記最終的な表示位置に一致するよう制御する手段と、
を備えることを特徴とする3Dグラフィック表示システム。
【請求項2】
請求項1に記載の3Dグラフィック表示システムにおいて、
前記オブジェクトは、3Dオブジェクトを含むことを特徴とする3Dグラフィック表示システム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の3Dグラフィック表示システムにおいて、
前記第1の空間と前記第2の空間とは、互いに平行な平面であることを特徴とする3Dグラフィック表示システム。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の3Dグラフィック表示システムにおいて、
前記オブジェクトが前記第2の空間から前記第1の空間上の所定の位置に移動する過程において前記視点から観察した前記オブジェクトのサイズが変化しないように、前記3Dグラフィックデータは、前記オブジェクトを縮小しつつ移動させるよう定義されていることを特徴とする3Dグラフィック表示システム。
【請求項5】
3Dグラフィックデータに基づいて3Dグラフィックアニメーションを表示する装置であって、
前記3Dグラフィックデータは、第1の空間および第2の空間が設定された3D空間内で、オブジェクトが前記第2の空間内をアニメーションした後、前記第2の空間から前記第1の空間上の所定の位置に移動するよう定義するデータであって、前記第1の空間が近距離側となり、前記第2の空間が遠距離側となるような視点から前記オブジェクトを描画したデータであり、
前記オブジェクトの最終的な表示位置を決定する手段と、
前記3Dグラフィックデータにより定義された3Dグラフィックアニメーションを3D空間内でオフセットして平行移動させることにより、前記所定の位置が前記最終的な表示位置に一致するよう制御する手段と、
を備えることを特徴とする3Dグラフィック表示装置。
【請求項6】
請求項5に記載の3Dグラフィック表示装置において、
前記オブジェクトは、3Dオブジェクトを含むことを特徴とする3Dグラフィック表示装置。
【請求項7】
請求項5または請求項6に記載の3Dグラフィック表示装置において、
前記第1の空間と前記第2の空間とは、互いに平行な平面であることを特徴とする3Dグラフィック表示装置。
【請求項8】
請求項5ないし請求項7のいずれかに記載の3Dグラフィック表示装置において、
前記オブジェクトが前記第2の空間から前記第1の空間上の所定の位置に移動する過程において前記視点から観察した前記オブジェクトのサイズが変化しないように、前記3Dグラフィックデータは、前記オブジェクトを縮小しつつ移動させるよう定義されていることを特徴とする3Dグラフィック表示装置。
【請求項9】
3Dグラフィックデータによって定義された3Dグラフィックアニメーションを電子メッセージの一部として表示するシステムであって、
テキスト文章の一部に前記3Dグラフィックアニメーションの挿入位置が指定された電子メッセージを送信する送信端末と、
前記電子メッセージを受信して、前記テキスト文章および前記3Dグラフィックアニメーションを表示する受信端末と、
を備え、
前記3Dグラフィックデータは、第1の空間および第2の空間が設定された3D空間内で、オブジェクトが前記第2の空間内をアニメーションした後、前記第2の空間から前記第1の空間上の所定の位置に移動するよう定義するデータであって、前記第1の空間が近距離側となり、前記第2の空間が遠距離側となるような視点から前記オブジェクトを描画したデータであり、
前記受信端末は、
前記受信端末が備える表示装置に前記電子メッセージに記録されたテキスト文章を先頭から順に読み込んで所定の態様で表示するとともに、前記3Dグラフィックアニメーションを再生する際には、既に表示したテキスト文章に続く位置を前記オブジェクトの最終的な表示位置として決定する手段と、
前記3Dグラフィックアニメーションを3D空間内でオフセットして平行移動させることにより、前記所定の位置が前記最終的な表示位置に一致するよう制御する手段と、
を備えることを特徴とする電子メッセージ転送システム。
【請求項10】
3Dグラフィックデータによって定義された3Dグラフィックアニメーションを電子メッセージの一部として表示するシステムであって、
電子メッセージを送信する送信端末と、
前記電子メッセージを受信して、テキスト文章および前記3Dグラフィックアニメーションを表示する受信端末と、
を備え、
前記3Dグラフィックデータは、第1の空間および第2の空間が設定された3D空間内で、オブジェクトが前記第2の空間内をアニメーションした後、前記第2の空間から前記第1の空間上の所定の位置に移動するよう定義するデータであって、前記第1の空間が近距離側となり、前記第2の空間が遠距離側となるような視点から前記オブジェクトを描画したデータであり、
前記受信端末は、
所定のキーワードと対応付けられた前記3Dグラフィックデータを蓄積する3Dグラフィックデータベースと、
前記電子メッセージのテキスト文章から前記3Dグラフィックデータベースに登録されているキーワードを抽出する手段と、
抽出したキーワードに対応する3Dグラフィックデータを前記3Dグラフィックデータベースから取得する手段と、
前記テキスト文章のキーワード以外の部分については元のテキスト文章を表示し、前記テキスト文章のキーワード部分については前記3Dグラフィックアニメーションを置き換えて表示する表示手段と、
を備え、
前記表示手段は、
既に表示したテキスト文章に続く位置を前記オブジェクトの最終的な表示位置として決定するとともに、前記3Dグラフィックアニメーションを3D空間内でオフセットして平行移動させることにより、前記所定の位置が前記最終的な表示位置に一致するよう制御する手段、
を備えることを特徴とする電子メッセージ転送システム。
【請求項11】
請求項9または請求項10に記載の電子メッセージ転送システムにおいて、
前記電子メッセージは、電子メールであることを特徴とする電子メッセージ転送システム。
【請求項12】
請求項9ないし請求項11のいずれかに記載の電子メッセージ転送システムにおいて、
前記オブジェクトは、3Dオブジェクトを含むことを特徴とする電子メッセージ転送システム。
【請求項13】
請求項9ないし請求項12のいずれかに記載の電子メッセージ転送システムにおいて、
前記第1の空間と前記第2の空間とは、互いに平行な平面であることを特徴とする電子メッセージ転送システム。
【請求項14】
請求項9ないし請求項13のいずれかに記載の電子メッセージ転送システムにおいて、
前記オブジェクトが前記第2の空間から前記第1の空間上の所定の位置に移動する過程において前記視点から観察した前記オブジェクトの大きさが変化しないように、前記3Dグラフィックデータは、前記オブジェクトを縮小しつつ移動させるよう定義されていることを特徴とする電子メッセージ転送システム。
【請求項15】
3Dグラフィックデータによって定義された3Dグラフィックアニメーションを電子メッセージの一部として表示する装置であって、
テキスト文章の一部に前記3Dグラフィックアニメーションの挿入位置が指定された電子メッセージを受信する手段と、
前記テキスト文章および前記3Dグラフィックアニメーションを表示する表示手段と、
を備え、
前記3Dグラフィックデータは、第1の空間および第2の空間が設定された3D空間内で、オブジェクトが前記第2の空間内をアニメーションした後、前記第2の空間から前記第1の空間上の所定の位置に移動するよう定義するデータであって、前記第1の空間が近距離側となり、前記第2の空間が遠距離側となるような視点から前記オブジェクトを描画したデータであり、
前記表示手段は、
前記電子メッセージに記録されたテキスト文章を先頭から順に読み込んで所定の態様で表示するとともに、前記3Dグラフィックアニメーションを再生する際には、既に表示したテキスト文章に続く位置を前記オブジェクトの最終的な表示位置として決定する手段と、
前記3Dグラフィックアニメーションを3D空間内でオフセットして平行移動させることにより、前記所定の位置が前記最終的な表示位置に一致するよう制御する手段と、
を備えることを特徴とする電子メッセージ表示装置。
【請求項16】
3Dグラフィックデータによって定義された3Dグラフィックアニメーションを電子メッセージの一部として表示する装置であって、
前記3Dグラフィックデータは、第1の空間および第2の空間が設定された3D空間内で、オブジェクトが前記第2の空間内をアニメーションした後、前記第2の空間から前記第1の空間上の所定の位置に移動するよう定義するデータであって、前記第1の空間が近距離側となり、前記第2の空間が遠距離側となるような視点から前記オブジェクトを描画したデータであり、
所定のキーワードと対応付けられた前記3Dグラフィックデータを蓄積する3Dグラフィックデータベースと、
前記電子メッセージのテキスト文章から前記3Dグラフィックデータベースに登録されているキーワードを抽出する手段と、
抽出したキーワードに対応する3Dグラフィックデータを前記3Dグラフィックデータベースから取得する手段と、
前記テキスト文章のキーワード以外の部分については元のテキスト文章を表示し、前記テキスト文章のキーワード部分については前記3Dグラフィックアニメーションを置き換えて表示する表示手段と、
を備え、
前記表示手段は、
既に表示したテキスト文章に続く位置を前記オブジェクトの最終的な表示位置として決定するとともに、前記3Dグラフィックアニメーションを3D空間内でオフセットして平行移動させることにより、前記所定の位置が前記最終的な表示位置に一致するよう制御する手段、
を備えることを特徴とする電子メッセージ表示装置。
【請求項17】
請求項15または請求項16に記載の電子メッセージ表示装置において、
前記電子メッセージは、電子メールであることを特徴とする電子メッセージ表示装置。
【請求項18】
請求項15ないし請求項17のいずれかに記載の電子メッセージ表示装置において、
前記オブジェクトは、3Dオブジェクトを含むことを特徴とする電子メッセージ表示装置。
【請求項19】
請求項15ないし請求項18のいずれかに記載の電子メッセージ表示装置において、
前記第1の空間と前記第2の空間とは、互いに平行な平面であることを特徴とする電子メッセージ表示装置。
【請求項20】
請求項15ないし請求項19のいずれかに記載の電子メッセージ表示装置において、
前記オブジェクトが前記第2の空間から前記第1の空間上の所定の位置に移動する過程において前記視点から観察した前記オブジェクトの大きさが変化しないように、前記3Dグラフィックデータは、前記オブジェクトを縮小しつつ移動させるよう定義されていることを特徴とする電子メッセージ表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2006−227781(P2006−227781A)
【公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−38898(P2005−38898)
【出願日】平成17年2月16日(2005.2.16)
【出願人】(504134265)株式会社メガチップスLSIソリューションズ (114)
【出願人】(505057646)株式会社アクロディア (7)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年2月16日(2005.2.16)
【出願人】(504134265)株式会社メガチップスLSIソリューションズ (114)
【出願人】(505057646)株式会社アクロディア (7)
【Fターム(参考)】
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