説明

4−アミノブタ−2−エノリド類を調製する方法

本発明は、4−アミノブタ−2−エノリド類を調製する方法、及び、本発明の方法において使用される対応する中間体又は出発化合物を調製する方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、4−アミノブタ−2−エノリド類を調製する方法に関し、さらに、本発明の調製方法において経由される又は使用される対応する中間体及び出発化合物にも関する。本発明は、さらに、該対応する中間体及び出発化合物を調製する方法も提供する。
【背景技術】
【0002】
特定の置換4−アミノブタ−2−エノリド化合物は、EP 0539588A1から、殺虫活性化合物として知られている。さらに、特許出願WO 2007/115644、WO 2007/115643及びWO 2007/115646も、類似した殺虫活性4−アミノブタ−2−エノリド化合物について記載している。
【0003】
一般に、エナミノカルボニル化合物は、下記スキーム1に従って、テトロン酸とアミンから合成される。この手順は、例えば、EP 0539588A1と「Heterocycles Vol.27, No.8, 第1907から1923頁(1988)」に記載されている。
【0004】
【化1】

【0005】
この調製方法の特定の不利点は、出発物質として無水テトロン酸が必要とされるが、その無水テトロン酸の調製が面倒で費用がかかるということである。
【0006】
例えば、テトロン酸は、一般に、アセト酢酸エチルから出発し、臭素化とそれに続く水素化によって調製される(cf. Synthetic Communication, 11(5), 第385から390頁(1981))。アセト酢酸エチルから出発するテトロン酸の全収率は40%未満である。このことが、該調製方法を工業的観点から比較的魅力のないものとしている。
【0007】
スイス特許第503722号には、テトロン酸を調製するためのさらなる調製方法が記載されている。この調製方法においては、4−クロロアセト酢酸エチルを芳香族アミンと反応させて3−アリールアミノクロトラクトンを生成させ、次いで、鉱酸で処理することによってテトロン酸を放出させる。この調製方法の不利点は、テトロン酸の単離が高真空昇華によってのみ可能であるということである。このことが、該調製方法を工業的観点から比較的魅力のないものとしている。
【0008】
テトロン酸を調製するためのさらなる方法は、EP 0153615Aに記載されている。この調製方法においては、出発物質は、2,4−ジクロロアセト酢酸エステルである。この同様に段階的で複雑な調製方法では、所望の化合物は、同様に、65%という中程度の全収率でしか得られない。
【0009】
「Tetrahedron Letters, No.31, 第2683頁及び第2684頁(1974)」には、テトロン酸の調製と対応するエナミノカルボニル化合物の調製について記載されている。そこに記載されている合成は、下記スキーム2において再現される。使用される反応体は、アセチレンジカルボン酸ジメチルである。
【0010】
【化2】

【0011】
この調製方法の不利点は、30%という低い全収率、及び、高価な反応体(例えば、水素化アルミニウムリチウム(LiAlH))を試薬として使用しなければならないということである。
【0012】
テトロン酸メチルから出発して4−アミノブタ−2−エノリド類を調製する方法も、従来技術から知られている(J. Heterocyclic Chem., 21, 1753(1984))。この調製方法に関して使用される出発物質は、高価な4−ブロモ−3−メトキシブタ−3−エンカルボン酸エステルである。
【0013】
さらなる調製方法は、4−クロロアセト酢酸エステルから出発し、それをアミンと反応させる(Heterocycles, Vol.27, No.8, 1988, 第1907から1923頁)。該アミノフランを生成させる反応は、一段階で実施される。この段階においては、当該アミンを氷酢酸と一緒に4−クロロアセト酢酸エステルのベンゼン溶液に添加し、得られた混合物を数時間加熱還流する。この合成における4−メチルアミノ−2(5H)−フラノンの収率は、40%しかない。
【0014】
EP 0123095Aには、3−アミノ−4−アセトキシクロトン酸エステルからテトロンアミドを調製する調製方法が開示されている。3−アミノ−4−アセトキシクロトン酸エステルは、高価であり且つ調製するのが面倒である。従って、経済的に実用的な合成は、この調製方法では不可能である。
【0015】
マロン酸エステルと塩化クロロアセチルから出発してテトロン酸を調製するさらなる方法も、「J. Chem. Soc., Perkin Trans. 1(1972), No.9/10, 第1225から1231頁」から知られている。この調製方法では、所望の目標化合物は43%の収率で得られる。
【0016】
上記国際特許出願WO 2007/115644には、4−アミノブタ−2−エノリド類の調製、例えば、4−[[(6−クロロピリジン−3−イル)メチル]アミノ]フラン−2(5H)−オンを3−ブロモ−1,1−ジクロロプロプ−1−エンと反応させることによる4−[[(6−クロロピリジン−3−イル)メチル](3,3−ジクロロプロプ−2−エン−1−イル)アミノ]フラン−2(5H)−オンの調製について記載されている(cf. 調製実施例、方法2、実施例(3))。PCT/EP2007/002386にはまた、4−アミノブタ−2−エノリド類の調製、例えば、4−[(2−フルオロエチル)アミノ]フラン−2(5H)−オンを2−クロロ−5−クロロメチルピリジンと反応させることによる4−[[(6−クロロピリジン−3−イル)メチル](3,3−ジクロロプロプ−2−エン−1−イル)アミノ]フラン−2(5H)−オンの調製について記載されている(cf. 調製実施例、方法3、実施例(4))。上記反応は、好ましくは、リチウム又はナトリウムの水素化物を用いて実施する。これらの基体は、一般に、高価であり、また、同時に、安全性の理由によりその取扱いは困難である。それとは対照的に、本発明による調製方法においては、安全性の観点から取扱いがより容易な安価な塩基(例えば、NaOH)を使用する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】欧州特許出願公開第0539588号
【特許文献2】国際公開第2007/115644号
【特許文献3】国際公開第2007/115643号
【特許文献4】国際公開第2007/115646号
【特許文献5】欧州特許出願公開第0539588号
【特許文献6】スイス特許第503722号
【特許文献7】欧州特許出願公開第0153615号
【特許文献8】欧州特許出願公開第0123095号
【非特許文献】
【0018】
【非特許文献1】Heterocycles Vol.27, No.8, 第1907から1923頁(1988)
【非特許文献2】Synthetic Communication, 11(5), 第385から390頁(1981)
【非特許文献3】Tetrahedron Letters, No.31, 第2683から2684頁(1974)
【非特許文献4】J. Heterocyclic Chem., 21, 1753(1984)
【非特許文献5】Heterocycles, Vol.27, No.8, 1988, 第1907から1923頁
【非特許文献6】J. Chem. Soc., Perkin Trans. 1(1972), No.9/10, 第1225から1231頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
本発明の目的は、4−アミノブタ−2−エノリド化合物を調製するための新規で経済的に実用的な調製方法を提供すること、及び、その調製方法のための出発化合物を調製するための新規で経済的に実用的な調製方法を提供することであった。
【課題を解決するための手段】
【0020】
従って、本発明は、一般式(IVa)又は一般式(IVb)
【0021】
【化3】

〔式中、
Aは、ピリド−2−イル若しくはピリド−4−イルであるか、又は、ピリド−3−イル(6位がフッ素、塩素、臭素、メチル、トリフルオロメチル又はトリフルオロメトキシで置換されていてもよい。)であるか、又は、ピリダジン−3−イル(6位が塩素又はメチルで置換されていてもよい。)であるか、又は、ピラジン−3−イルであるか、又は、2−クロロピラジン−5−イルであるか、又は、1,3−チアゾール−5−イル(2位が塩素又はメチルで置換されていてもよい。)であり;
又は、
Aは、ピリミジニル基、ピラゾリル基、チオフェニル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、1,2,4−オキサジアゾリル基、イソチアゾリル基、1,2,4−トリアゾリル基又は1,2,5−チアジアゾリル基[フッ素、塩素、臭素、シアノ、ニトロ、C−C−アルキル(フッ素及び/又は塩素で置換されていてもよい。)、C−C−アルキルチオ(フッ素及び/又は塩素で置換されていてもよい。)又はC−C−アルキルスルホニル(フッ素及び/又は塩素で置換されていてもよい。)で置換されていてもよい。]であり、
又は、
Aは、
【0022】
【化4】

[ここで、
Xは、ハロゲン、アルキル又はハロアルキルであり;
Yは、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アジド又はシアノである。]
であり、
は、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、ハロアルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ハロシクロアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、ハロシクロアルキルアルキル又はアリールアルキルであり;
は、C−C12−アルキル、C−C−アリール又はアリールアルキルであり、好ましくは、C−C−アルキルであり、さらに好ましくは、メチル又はエチルであり;
及び、
Halは、塩素、臭素又はヨウ素である。〕
の化合物を調製する方法を提供し、ここで、該方法は、
一般式(II)
【0023】
【化5】

〔式中、R及びHalは、それぞれ、上記で定義されているとおりである。〕
の4−ハロアセト酢酸エステルを、
(a)式(IIIa)
【0024】
【化6】

〔式中、Rは、上記で定義されているとおりである。〕
のアミンと反応させて式(IVa)の化合物を生成させる;
又は、
(b)式(IIIb)
【0025】
【化7】

〔式中、Aは、上記で定義されているとおりである。〕
のアミンと反応させて式(IVb)の化合物を生成させる;
ことを特徴とする。
【0026】
本発明は、さらに、一般式(I)
【0027】
【化8】

〔式中、A及びRは、それぞれ、上記で定義されているとおりである。〕
の4−アミノブタ−2−エノリドを調製する方法も提供し、ここで、該方法は、
一般式(II)
【0028】
【化9】

〔式中、R及びHalは、それぞれ、上記で定義されているとおりである。〕
の4−ハロアセト酢酸エステルを、
(a)式(IIIa)
【0029】
【化10】

〔式中、Rは、上記で定義されているとおりである。〕
のアミンと反応させて式(IVa)
【0030】
【化11】

の化合物を生成させ、次いで、式(IVa)の化合物を溶媒の存在下で熱的に環化させて式(Va)
【0031】
【化12】

の化合物を生成させ、そして、式(Va)の化合物を、最後の段階において、式(VIa)
【0032】
【化13】

〔式中、Aは上記で定義されているとおりであり、Eは脱離基である。〕
の化合物と反応させて、式(I)の化合物を生成させる;
又は、
(b)式(IIIb)
【0033】
【化14】

〔式中、Aは、上記で定義されているとおりである。〕
のアミンと反応させて式(IVb)
【0034】
【化15】

の化合物を生成させ、次いで、式(IVb)の化合物を溶媒の存在下で熱的に環化させて式(Vb)
【0035】
【化16】

の化合物を生成させ、そして、式(Vb)の化合物を、最後の段階において、式(VIb)
【0036】
【化17】

〔式中、Rは上記で定義されているとおりであり、Eは脱離基である。〕
の化合物と反応させて、式(I)の化合物を生成させる;
ことを特徴とする。
【0037】
可能性を有する脱離基Eは、塩素、臭素若しくはヨウ素などのハロゲンであるか、又は、メシラート、トシラート若しくはSOMeなどの活性化ヒドロキシル化合物である。
【0038】
驚くべきことに、式(I)の4−アミノブタ−2−エノリド類は、本発明の条件下において、高い純度で極めて良好な収率で調製することが可能であり、その結果、本発明による調製方法は、上記で記載した不利点を克服する。4−クロロアセト酢酸エステルから出発してそれらをアミンと反応させる従来技術から知られている調製方法(Heterocycles, Vol.27, No.8, 1988, 1907−1923)と比較して、収率は本発明の調製方法によって2倍になった。WO 2007/115644に記載されている4−アミノブタ−2−エノリド類の調製方法(上記参照)と比較しても、収率は本発明の調製方法によって有意に高くなった。
【0039】
本発明は、さらに、式(IVa)又は式(IVb)
【0040】
【化18】

〔式中、
Halは、塩素であり;並びに、
、A及びRは、それぞれ、上記で定義されているとおりである。〕
の化合物も提供する。
【発明を実施するための形態】
【0041】
本発明による調製方法の生成物は、概括的に、式(I)によって定義される。上記式(I)の中に示されている基に関して、好ましい、特に好ましい及び特に極めて好ましい置換基及び範囲について以下で説明する。
【0042】
Aは、好ましくは、6−フルオロピリド−3−イル、6−クロロピリド−3−イル、6−ブロモピリド−3−イル、6−メチルピリド−3−イル、6−トリフルオロメチルピリド−3−イル、6−トリフルオロメトキシピリド−3−イル、6−クロロ−1,4−ピリダジン−3−イル、6−メチル−1,4−ピリダジン−3−イル、2−クロロ−1,3−チアゾール−5−イル、2−メチル−1,3−チアゾール−5−イル、2−クロロピリミジン−5−イル、2−トリフルオロメチルピリミジン−5−イル、5,6−ジフルオロピリド−3−イル、5−クロロ−6−フルオロピリド−3−イル、5−ブロモ−6−フルオロピリド−3−イル、5−ヨード−6−フルオロピリド−3−イル、5−フルオロ−6−クロロピリド−3−イル、5,6−ジクロロピリド−3−イル、5−ブロモ−6−クロロピリド−3−イル、5−ヨード−6−クロロピリド−3−イル、5−フルオロ−6−ブロモピリド−3−イル、5−クロロ−6−ブロモピリド−3−イル、5,6−ジブロモピリド−3−イル、5−フルオロ−6−ヨードピリド−3−イル、5−クロロ−6−ヨードピリド−3−イル、5−ブロモ−6−ヨードピリド−3−イル、5−メチル−6−フルオロピリド−3−イル、5−メチル−6−クロロピリド−3−イル、5−メチル−6−ブロモピリド−3−イル、5−メチル−6−ヨードピリド−3−イル、5−ジフルオロメチル−6−フルオロピリド−3−イル、5−ジフルオロメチル−6−クロロピリド−3−イル、5−ジフルオロメチル−6−ブロモピリド−3−イル又は5−ジフルオロメチル−6−ヨードピリド−3−イルである。
【0043】
は、好ましくは、フッ素で置換されていてもよいC−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキルアルキル又はアルコキシアルキルである。
【0044】
Aは、さらに好ましくは、6−フルオロピリド−3−イル基、6−クロロピリド−3−イル基、6−ブロモピリド−3−イル基、6−クロロ−1,4−ピリダジン−3−イル基、2−クロロ−1,3−チアゾール−5−イル基、2−クロロピリミジン−5−イル基、5−フルオロ−6−クロロピリド−3−イル基、5,6−ジクロロピリド−3−イル基、5−ブロモ−6−クロロピリド−3−イル基、5−フルオロ−6−ブロモピリド−3−イル基、5−クロロ−6−ブロモピリド−3−イル基、5,6−ジブロモピリド−3−イル基、5−メチル−6−クロロピリド−3−イル基、5−クロロ−6−ヨードピリド−3−イル基又は5−ジフルオロメチル−6−クロロピリド−3−イル基である。
【0045】
は、さらに好ましくは、メチル、エチル、プロピル、ビニル、アリル、プロパルギル、シクロプロピル、アルコキシアルキル、2−フルオロエチル、2,2−ジフルオロエチル又は2−フルオロシクロプロピルである。
【0046】
Aは、最も好ましくは、6−フルオロピリド−3−イル基、6−クロロピリド−3−イル基、6−ブロモピリド−3−イル基、2−クロロ−1,3−チアゾール−5−イル基、5−フルオロ−6−クロロピリド−3−イル基、5−フルオロ−6−ブロモピリド−3−イル基又は5,6−ジクロロピリド−3−イル基である。
【0047】
は、最も好ましくは、メチル、エチル、n−プロピル、n−プロプ−2−エニル、n−プロプ−2−イニル、シクロプロピル、メトキシエチル、2−フルオロエチル又は2,2−ジフルオロエチルである。
【0048】
本発明の調製方法は、以下のスキーム3a及びスキーム3bによって例示することができる。
【0049】
【化19】

【0050】
【化20】

【0051】
本発明に関連して、「アルキル」は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシルなどの、直鎖又は分枝鎖のC1−12アルキルとして定義される。C1−6アルキルが好ましく、C1−4アルキルが特に好ましい。
【0052】
「アルケニル」は、ビニル、アリル、1−プロペニル、イソプロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、1,3−ブタジエニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、1,3−ペンタジエニル、1−ヘキセニル、2−ヘキセニル、3−ヘキセニル、4−ヘキセニル、5−ヘキセニル、1,4−ヘキサジエニルなどの、少なくとも1の二重結合を有している直鎖又は分枝鎖のC2−12アルケニルとして定義される。C2−6アルケニルが好ましく、C2−4アルケニルが特に好ましい。
【0053】
「アルキニル」は、エチニル、1−プロピニル、プロパルギルなどの、少なくとも1の三重結合を有し且つ1又は2の二重結合も付加的に有しているC3−12アルキニルとして定義される。C3−6アルキニルが好ましく、C3−4アルキニルが特に好ましい。
【0054】
「アルコキシ」基、「アルコキシアルキル」基、「ハロアルキル」基、「シクロアルキルアルキル」基、「ハロシクロアルキルアルキル」基、「アリールアルキル」基及び類似した基内の各アルキル成分は、「アルキル」について上記で記載されているように定義される。同じことが、アルケニル成分又はアルキニル成分を含んでいる基にも適用される。
【0055】
「シクロアルキル」は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルなどのC3−8シクロアルキルとして定義される。C3−6シクロアルキルが好ましい。
【0056】
「アリール」は、6から14個の炭素原子を有している芳香族基として定義される。フェニルが好ましい。
【0057】
「アリールアルキル」は、例えば、ベンジル、フェニルエチル又はα−メチルベンジルなどとして定義される。ベンジルが好ましい。
【0058】
「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素として定義される。フッ素又は塩素が好ましい。
【0059】
「ハロアルキル」基、「ハロアルケニル」基、「ハロアルキニル」基、「ハロシクロアルキル」基、「ハロシクロアルキルアルキル」基及び類似した基内の各ハロゲン成分は、ハロゲンについて上記で記載されているように定義される。
【0060】
本発明に従って使用される4−ハロアセト酢酸エステルは、一般式(II)
【0061】
【化21】

〔式中、Rは、C−C12−アルキル、C−C−アリール又はアリールアルキル、好ましくは、C−C−アルキル、さらに好ましくは、メチル又はエチルであり;及び、Halは、Cl、Br又はI、好ましくは、Cl又はBr、さらに好ましくは、Clである。〕
の化合物である。
【0062】
該4−ハロアセト酢酸エステル化合物は、市販されているか、又は、文献に記載されている方法によって容易に調製することができる(Organic Syntheses(1973), 53, 1882; 米国特許第4,468,356号)。
【0063】
該4−ハロアセト酢酸エステルを、溶媒の存在下で又はバルクで、式(IIIa)又は式(IIIb)のアミンと反応させて、式(IVa)又は式(IVb)の化合物を生成させることができる。好ましくは、該応は溶媒中で実施する。適切な溶媒は、例えば、以下のものからなる群から選択される:脂肪族及び芳香族の炭化水素類、例えば、n−ヘキサン、ベンゼン、トルエン及びキシレン、ここで、該脂肪族及び芳香族の炭化水素類はフッ素原子及び塩素原子で置換されていいてもよい、例えば、塩化メチレン、ジクロロメタン、トリクロロメタン、四塩化炭素、フルオロベンゼン、クロロベンゼン又はジクロロベンゼン; エーテル類、例えば、ジエチルエーテル、ジフェニルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、イソプロピルエチルエーテル、ジオキサン、ジメチルグリコール又はTHF; ニトリル類、例えば、メチルニトリル、ブチルニトリル又はフェニルニトリル; 並びに、アルコール類、例えば、エタノール又はイソプロパノール。好ましい溶媒は、トルエン又はトルエンとエタノールの混合物である。
【0064】
式(IIIa)又は式(IIIb)のアミン類は、市販されているか、又は、文献に記載されている方法によって調製することができる(cf. 2−フルオロエチルアミン:米国特許第4030994号(1977); 3−フルオロ−n−プロピルアミン:US 6252087B1; 3,3−ジフルオロプロプ−2−エニルアミン塩酸塩:WO 2001/007414A1; 3,3−ジクロロプロプ−2−エニルアミン:DE 2747814; 2−クロロ−2−フルオロシクロプロピルアミン、2,2−ジクロロシクロプロピルアミン:K.R.Gassen, B.Baasner, J.Fluorine Chem. 49, 127−139, 1990; 式(IIIa)又は(IIIb)〔式中、Rはアルキルである。〕の化合物、第1級アミン類: cf. 例えば、Houben−Weyl, Methoden der Organischen Chemie[Methods of Organic Chemistry], vol.XI/1, 4th ed. 1957, Georg Thieme Verlag Stuttgart, p.648; M.L.Moore in ”The Leuckart Reaction” in: Organic Reactions, vol.5, 2nd ed. 1952, New York, John Wiley & Sons, Inc. London)。
【0065】
式(IVa)及び式(IVb)の化合物は、E/Z混合物の形態で存在している。
【0066】
【化22】

【0067】
式(II)の化合物を式(IIIa)又は式(IIIb)のアミンと反応させるために、触媒としてルイス酸を添加することも可能である。ルイス酸の例は、酢酸、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸である。酢酸を使用するのが好ましい。
【0068】
式(III)のアミンは、塩の形態でも使用することが可能である。これにより、ルイス酸を添加しなくてもよいか又は減らすことができる。
【0069】
式(II)の化合物と式(IIIa)又は式(IIIb)のアミンの反応は、減圧下又は標準圧力下又は高圧下で、−20℃から200℃の温度で実施することができる。該反応は、好ましくは、標準圧力下、−20℃から60℃の温度で実施し、さらに好ましくは、10℃から40℃で実施し、最も好ましくは、10℃から30℃で実施する。従って、本発明は、さらにまた、−20℃から60℃で式(II)の化合物を式(IIIa)のアミン若しくは式(IIIb)のアミンと反応させる、式(IVa)若しくは式(IVb)の化合物を調製する方法又は式(I)の化合物を調製する方法も提供する。該反応時間は、0.5から10時間である。反応時間をさらに長くしても悪影響を及ぼすことはない。当該溶媒は、留去することによって除去することが可能であるか、又は、20℃から35℃の温度範囲内で減圧下に除去することが可能である。
【0070】
式(IVa)又は(IVb)の化合物の式(Va)又は(Vb)の化合物への環化は、不活性溶媒中で実施することができる。適切な溶媒は、例えば、以下のものからなる群から選択される:脂肪族及び芳香族の炭化水素類、例えば、n−ヘキサン、ベンゼン、トルエン及びキシレン、ここで、該脂肪族及び芳香族の炭化水素類はフッ素原子及び塩素原子で置換されていいてもよい、例えば、塩化メチレン、ジクロロメタン、トリクロロメタン、四塩化炭素、フルオロベンゼン、クロロベンゼン又はジクロロベンゼン; エーテル類、例えば、ジフェニルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、イソプロピルエチルエーテル、ジオキサン、ジメチルグリコール又はTHF; ニトリル類、例えば、メチルニトリル、ブチルニトリル又はフェニルニトリル。トルエンが好ましい。
【0071】
式(IVa)又は(IVb)の化合物の式(Va)又は(Vb)の化合物への環化は、減圧下又は標準圧力下又は高圧下で、−20℃から200℃の温度、好ましくは、40℃から150℃で実施することができる。従って、本発明は、さらにまた、40℃から150℃で式(IVa)の化合物を熱的に環化させて式(Va)の化合物とし及び式(IVb)の化合物を熱的に環化させて式(Vb)の化合物とする、式(I)の化合物を調製する方法も提供する。該反応時間は、1時間から10時間である。反応時間をさらに長くしても悪影響を及ぼすことはない。
【0072】
式(Va)又は式(Vb)の化合物は、結晶化によって単離するか、又は、溶媒を除去することによって単離する。
【0073】
式(I)の4−アミノブタ−2−エノリド類は、式(Va)の化合物を式(VIa)の化合物と反応させることによって調製するか、又は、式(Vb)の化合物を式(VIb)の化合物と反応させることによって調製する。
【0074】
式(VIa)の化合物の一部は市販されており、式(VIa)の化合物の一部は既知であり、そして、既知方法で得ることができる(例えば、2−クロロ−5−クロロメチル−1,3−チアゾール:DE 3631538(1988)、EP 446913(1991)、EP 780384(1997)、EP 775700(1997)、EP 794180(1997)、WO 9710226(1997); 6−クロロ−3−クロロメチルピリジン:DE 3630046A1(1988)、EP 373464A2(1990)、EP 373464A2(1990)、EP 393453A2(1990)、EP 569947A1(1993); 6−クロロ−3−ブロモメチルピリジン: I.Cabanal−Duvillard et al., Heterocycl.Conunun. 5, 257−262(1999); 6−ブロモ−3−クロロメチルピリジン、6−ブロモ−3−ヒドロキシメチルピリジン:米国特許第5420270A号(1995); 6−フルオロ−3−クロロメチルピリジン:J.A.Pesti et al., J.Org.Chem. 65, 7718−7722(2000); 6−メチル−3−クロロメチルピリジン:EP 302389A2、E.v der Eycken et al., J.Chem.Soc., Perkin Trans 2 5, 928−937(2002); 6−トリフルオロメチル−3−クロロメチルピリジン:WO 2004/082616A2; 2−クロロ−5−クロロメチルピラジン:JP 05239034A2)。
【0075】
式(VIa)の化合物の一般的な調製方法は、下記スキーム4において再現される。
【0076】
【化23】

【0077】
例えば、ヘテロ環式カルボン酸(A−COOH)は、文献に記載されている方法によって、対応するヘテロ環ヒドロキシメチル化合物(A−CH−OH)に変換することができる。これは、次に、文献に記載されている方法によって、活性化ヘテロ環式ヒドロキシメチル化合物(A−CH−E、E=トシラート、メシラート)又はヘテロ環式ハロメチル化合物(A−CH−E、E=ハロ)に変換される。後者は、文献から知られている適切なハロゲン化剤を用いて、対応するメチル基含有ヘテロ環(A−CH)から得ることもできる。
【0078】
式(VIb)の化合物の一部は、商業的に入手可能である(cf. 例えば、クロロジフルオロメタン、1−ブロモ−2−フルオロエタン、2−ブロモ−1,1−ジフルオロエタン、2−ブロモ−1−クロロ−1−フルオロエタン、1−ブロモ−3−フルオロプロパン、3−ブロモ−1,1−ジフルオロプロプ−1−エン)、又は、文献に記載されている方法によって得ることができる(cf. 例えば、3−ブロモ−1,1−ジクロロプロプ−1−エン:WO 8800183A1(1988); 一般式(VIb)[式中、Eは、ハロゲン、例えば、塩素、臭素及びヨウ素などである。]の化合物:Houben−Weyl, Methoden der Organischen Chemie, vol.V/3, Georg Thieme Verlag Stuttgart, p.503 及び vol.V/4 p.13, 517; 一般式(VIb)[式中、Eは、メシラートである。]の化合物:Crossland,R.K., Servis,K.L. J.Org.Chem.(1970), 35, 3195; 一般式(VIb)[式中、Eは、トシラートである。]の化合物:Roos,A.T. et al., Org.Synth.,Coll. Vol.1,(1941), 145; Marvel,C.S., Sekera,V.C. Org.Synth.,Coll. Vol.III,(1955), 366)。
【0079】
適切な脱離基Eは、一般的な反応条件下において適切な離核性を有する基である。例として、塩素、臭素若しくはヨウ素などのハロゲン、又は、メシラート、トシラート若しくはSOMeなどが、適切な脱離基として特定される。塩素、臭素及びメシラートが好ましい。
【0080】
該反応は、好ましくは、塩基の存在下で実施する。適切な塩基は、上記のような反応において典型的に使用される有機塩基及び無機塩基である。好ましくは、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水素化物、水酸化物、アミド、アルコキシド、酢酸塩、フッ化物、リン酸塩、炭酸塩及び炭酸水素塩からなる群から例として選択される塩基を使用する。ナトリウムアミド、水素化ナトリウム、リチウムジイソプロピルアミド、ナトリウムメトキシド、カリウムtert−ブトキシド、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、酢酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、フッ化カリウム、フッ化セシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム及び炭酸セシウムが特に好ましい。水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムが特に極めて好ましい。従って、本発明は、さらにまた、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムの存在下で式(Va)の化合物を式(VIa)の化合物と反応させて式(I)の化合物を生成させ及び式(Vb)の化合物を式(VIb)の化合物と反応させて式(I)の化合物を生成させる、式(I)の化合物の調製方法も提供する。第3級アミン類、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチルベンジルアミン、ピリジン、アルキルピリジン類、例えば、2−メチル−5−エチルピリジン、N−メチルピペリジン、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアミノピリジン、ジアザビシクロオクタン(DABCO)、ジアザビシクロノネン(DBN)及びジアザビシクロウンデセン(DBU)なども好ましい。
【0081】
塩基と使用される式(Va)又は式(Vb)のテトロンアミドのモル比は、例えば、0.5から10、好ましくは、0.9から6、さらに好ましくは、1.0から2である。さらに多い量の塩基を使用することも原則的に可能であるが、それは、好ましい実施形態とはならず、経済的な理由で不利である。
【0082】
式(VIa)又は式(VIb)のアルキル化剤と使用される式(Va)又は式(Vb)のテトロンアミドのモル比は、例えば、0.5から3、好ましくは、0.9から2、さらに好ましくは、1.0−1.5である。さらに多い量のアルキル化剤を使用することも原則的に可能であるが、それは、好ましい実施形態とはならず、経済的な理由で不利である。
【0083】
適切な場合には、式(Va)又は式(Vb)のテトロンアミドと式(VIa)又は式(VIb)のアルキル化剤の反応において、第4級アンモニウム又はホスホニウム化合物などの相間移動触媒を使用することができる。
【0084】
式(Va)又は式(Vb)のテトロンアミドは、式(VIa)又は式(VIb)のアルキル化剤と、バルクで反応させることができるか、又は、溶媒中で反応させることができる。該反応は、一般的な反応条件下で不活性な慣習的な溶媒から選択される溶媒の中で実施するのが好ましい。以下のものが好ましい: 脂肪族、脂環式又は芳香族の炭化水素類、例えば、石油エーテル、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン又はデカリン; ハロゲン化炭化水素類、例えば、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン又はトリクロロエタン; エーテル類、例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル(MTBE)、メチルtert−アミルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチル−THF、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン又はアニソール; ニトリル類、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、n−ブチロニトリル、イソブチロニトリル又はベンゾニトリル; アミド類、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルホルムアニリド、N−メチルピロリドン(NMP);又は、それらの混合物。
【0085】
式(Va)又は式(Vb)のテトロンアミドと式(VIa)又は式(VIb)のアルキル化剤の反応は、減圧下又は標準圧力下又は高圧下で、0℃から150℃の温度で実施することができる。該反応は、標準圧力下、10℃から90℃の温度で実施するのが好ましい。該反応時間は、1時間から30時間である。反応時間をさらに長くしても悪影響を及ぼすことはない。
【0086】
式(I)の4−アミノブタ−2−エノリド類の最終的な精製は、慣習的な精製方法で実施することができる。該精製は、結晶化によって実施するのが好ましい。
【0087】
本発明は、さらに、式(IVa)又は式(IVb)
【0088】
【化24】

〔式中、Halは、Clである。〕
の化合物も提供する。
【0089】
式(I)の4−アミノブタ−2−エノリド類を調製するための本発明による調製方法及び式(I)の4−アミノブタ−2−エノリド類を調製するための出発物質を調製するための本発明による調製方法について、上記記述についてさらに例証する下記実施例において記載する。しかしながら、該実施例は、限定的に解釈されるべきではない。
【実施例】
【0090】
調製実施例
実施例1
519mLのトルエンと200mLのエタノールの中の300gの4−クロロアセト酢酸エチルの溶液に、20.8mLの酢酸を添加する。冷却しながら、10℃から30℃で、エタノール中の33%メチルアミン溶液188.7gを滴下して加える。次に、その混合物を室温で8時間撹拌し、温度を35℃まで下げて減圧下に溶媒を除去する。328gの4−クロロ−3−(メチルアミノ)ブタ−2−エンカルボン酸エチルが91%の純度で得られる(これは、収率92%に相当する)。
H NMR(CDCl, 298K)δ: 1.25t(3H),3.01d(3H),4.00s(1H),4.10q(2H),4.67s+4.96s(1H)E/Z,8.22s(1H;NH)。
【0091】
実施例2
90mLのトルエンと30mLのエタノールの中の30gの4−クロロアセト酢酸エチルの溶液に、2mLの酢酸を添加する。冷却しながら、10℃から30℃で、8.9gのエチルアミンを滴下して加える。次に、その混合物を室温で6時間撹拌し、温度を35℃まで下げて減圧下に溶媒を除去する。37.7gの4−クロロ−3−(エチルアミノ)ブタ−2−エンカルボン酸エチルが88%の純度で得られる(これは、収率98%に相当する)。
H NMR(DMSO d, 298K)δ: 1.16m(6H),2.81q+2.96q(2H)E/Z,3.32q(2H),4.32s(2H),4.43s+4.70s(1H)E/Z 8.3−9.3広幅(1H,NH)。
【0092】
実施例3
300mLのトルエンと100mLのエタノールの中の100gの4−クロロアセト酢酸エチルの溶液に、7mLの酢酸を添加する。冷却しながら、10℃から30℃で、37.3gのn−プロピルアミンを滴下して加える。次に、その混合物を室温で9時間撹拌し、温度を35℃まで下げて減圧下に溶媒を除去する。140.6gの4−クロロ−3−(n−プロピルアミノ)ブタ−2−エンカルボン酸エチルが76%の純度で得られる(これは、収率88%に相当する)。
H NMR(DMSO d, 298K)δ: 0.92t(3H),1.16t(3H),1.56m(2H),3.26q(2H),4.00m(2H),4.31s(2H),4.44s+4.72s(1H)E/Z,7.7−8.8広幅(1H,NH)。
【0093】
実施例4
300mLのトルエンと100mLのエタノールの中の100gの4−クロロアセト酢酸エチルの溶液に、7mLの酢酸を添加する。冷却しながら、10℃から30℃で、38.3gのイソプロピルアミンを滴下して加える。次に、その混合物を室温で5時間撹拌し、温度を35℃まで下げて減圧下に溶媒を除去する。141.8gの4−クロロ−3−(イソプロピルアミノ)ブタ−2−エンカルボン酸エチルが70%の純度で得られる(これは、収率82%に相当する)。
H NMR(DMSO d, 298K)δ: 1.16t(3H),1.21d(6H),126q(2H),4.00m(1H),4.34s(2H),4.44s+4.69s(1H)E/Z,7.7−9.0広幅(1H,NH)。
【0094】
実施例5
300mLのトルエンと100mLのエタノールの中の100gの4−クロロアセト酢酸エチルの溶液に、6.7mLの酢酸を添加する。冷却しながら、10℃から30℃で、48.3gのn−ブチルアミンを滴下して加える。次に、その混合物を室温で8時間撹拌し、温度を35℃まで下げて減圧下に溶媒を除去する。136.6gの4−クロロ−3−(n−ブチルアミノ)ブタ−2−エンカルボン酸エチルが89%の純度で得られる(これは、収率94%に相当する)。
H NMR(DMSO d, 298K)δ: 0.92t(3H),1.16t(3H),1.35m(2H),1.52m(2H),3.29q(2H),4.01m(2H),4.44s+4.72s(1H)E/Z,7.7−8.5広幅(1H,NH)。
【0095】
実施例6
300mLのトルエンと100mLのエタノールの中の100gの4−クロロアセト酢酸エチルの溶液に、6.7mLの酢酸を添加する。冷却しながら、10℃から30℃で、47.4gのイソブチルアミンを滴下して加える。次に、その混合物を室温で8時間撹拌し、温度を35℃まで下げて減圧下に溶媒を除去する。140.8gの4−クロロ−3−(イソブチルアミノ)ブタ−2−エンカルボン酸エチルが79%の純度で得られる(これは、収率86%に相当する)。
H NMR(DMSO d, 298K)δ: 0.91t(3H),0.93t(3H),1.17t(3H),1.78m(1H),3.12t(2H),4.02q(2H),4.31s(2H),4.44s+4.69s(1H)E/Z,8.0−8.5広幅(1H,NH)
実施例7
300mLのトルエンと100mLのエタノールの中の100gの4−クロロアセト酢酸エチルの溶液に、6.7mLの酢酸を添加する。冷却しながら、10℃から30℃で、46.5gの2−メトキシエチルアミンを滴下して加える。次に、その混合物を室温で8時間撹拌し、温度を35℃まで下げて減圧下に溶媒を除去する。140.8gの4−クロロ−3−(2−メトキシエチルアミノ)ブタ−2−エンカルボン酸エチルが88%の純度で得られる(これは、収率95%に相当する)。
H NMR(DMSO d, 298K)δ: 1.16t(3H),3.27d(2H),3.37s(3H),3.46d(2H),3.99m(2H),4.32s(2H),4.49s+4.72s(1H)E/Z,7.7−8.5広幅(1H,NH)。
【0096】
実施例8
300mLのトルエンと100mLのエタノールの中の100gの4−クロロアセト酢酸エチルの溶液に、6.7mLの酢酸を添加する。冷却しながら、10℃から30℃で、65.7gのベンジルアミンを滴下して加える。次に、その混合物を室温で8時間撹拌し、温度を35℃まで下げて減圧下に溶媒を除去する。157.8gの4−クロロ−3−(ベンジルアミノ)ブタ−2−エンカルボン酸エチルが50%の純度で得られる(これは、収率52%に相当する)。
H NMR(DMSO d, 298K)δ: 1.11t(3H),3.95q(2H),4.24d(2H),4.34s(2H),4.44s+4.72s(1H)E/Z,7.20−7.40m(5H),8.3−8.8広幅(1H,NH)。
【0097】
実施例9
12mLのトルエン中の2.1gの4−クロロアセト酢酸エチルの溶液に、0.15mLの酢酸を添加する。冷却しながら、10℃から30℃で、4mLのエタノールに溶解させた2gの2−クロロ−5−(アミノメチル)ピリジンを滴下して加える。次に、その混合物を室温で8時間撹拌し、温度を35℃まで下げて減圧下に溶媒を除去する。4.2gの4−クロロ−3−([[6−クロロピリジン−3−イル]メチル)アミノ)ブタ−2−エンカルボン酸エチルが86%の純度で得られる(これは、収率98%に相当する)。
H NMR(CDCl, 298K)δ: 1.26t(3H),3.98s(2H),4.13q(2H),4.56d(2H),4.79s+4.99s(1H)E/Z,7.35d(1H),7.64d(1H),8.35d(1H),8.5−8.7広幅(1H,NH)。
【0098】
実施例10
1080mLのトルエン中の197.2gの4−クロロアセト酢酸エチルの溶液に、13.3mLの酢酸を添加する。冷却しながら、10℃から30℃で、360mLのエタノールに溶解させた100gの2,2−ジフルオロエチルアミンを滴下して加える。次に、その混合物を室温で8時間撹拌し、温度を35℃まで下げて減圧下に溶媒を除去する。278gの4−クロロ−3−(2,2−ジフルオロエチルアミノ)ブタ−2−エンカルボン酸エチルが93%の純度で得られる(これは、収率98%に相当する)。
H NMR(DMSO d, 298K)δ: 1.17t(3H),3.73m(2H),4.04q(2H),4.36s(2H),4.84s(1H),6.03t+6.16t+6.31t(1H,C),8.2−8.4t(広幅)(1H,NH)。
【0099】
実施例11
328.8gの4−クロロ−3−(メチルアミノ)ブタ−2−エンカルボン酸エチル(実施例1)を519gのトルエンの中に懸濁させ、得られた懸濁液を4時間加熱還流させる。次に、その懸濁液を20℃に冷却し、固体を濾去し、150mLのトルエンで洗浄し、150mLのエタノールで洗浄する。142gの4−(メチルアミノ)フラン−2(5H)−オンが95%の純度で得られる(これは、収率71%に相当する)。
H NMR(DMSO d, 298K)δ: 2.71d(3H),4.50s(1H),4.60s(2H),7.2−7.7広幅(1H,NH)。
【0100】
実施例12
37.5gの4−クロロ−3−(エチルアミノ)ブタ−2−エンカルボン酸エチル(実施例2)を86.5gのトルエンの中に懸濁させ、2時間加熱還流させる。次に、その混合物を20℃に冷却し、減圧下に溶媒を除去する。25.5gの4−(エチルアミノ)フラン−2(5H)−オンが74%の純度で得られる(これは、収率75%に相当する)。
H NMR(DMSO d, 298K)δ: 1.12t(3H),3.07m(2H),4.51s(1H),4.60s(2H),7.4−7.7広幅(1H,NH)。
【0101】
実施例13
140gの4−クロロ−3−(n−プロピルアミノ)ブタ−2−エンカルボン酸エチル(実施例3)を216gのトルエンに溶解させ、得られた溶液を2時間加熱還流させる。次に、その混合物を20℃に冷却し、減圧下に溶媒を除去する。100.3gの4−(n−プロピルアミノ)フラン−2(5H)−オンが86%の純度で得られる(これは、収率89%に相当する)。
H NMR(DMSO d, 298K)δ: 0.89t(3H),1.51m(2H),3.00q(2H),4.52s(1H),4.60s(1H),7.4−7.6広幅(1H,NH)。
【0102】
実施例14
50gの4−クロロ−3−(n−ブチルアミノ)ブタ−2−エンカルボン酸エチル(実施例5)を86gのトルエンに溶解させ、得られた溶液を2時間加熱還流させる。次に、その混合物を20℃に冷却し、減圧下に溶媒を除去する。40.7gの4−(nブチルアミノ)フラン−2(5H)−オンが86%の純度で得られる(これは、収率99%に相当する)。
H NMR(DMSO d, 298K)δ: 0.89t(3H),1.33m(2H),1.50m(2H),3.01q(2H),4.51s(1H),4.59s(2H),7.4−7.7広幅(1H,NH)。
【0103】
実施例15
140gの4−クロロ−3−(イソブチルアミノ)ブタ−2−エンカルボン酸エチル(実施例6)を216gのトルエンに溶解させ、得られた溶液を2時間加熱還流させる。次に、その混合物を20℃に冷却し、減圧下に溶媒を除去する。104gの4−(イソブチルアミノ)フラン−2(5H)−オンが87%の純度で得られる(これは、収率92%に相当する)。
H NMR(DMSO d, 298K)δ: 0.89d(6H),1.79m(1H),2.84t(2H),4.52s(1H),4.61s(2H),7.4−7.7広幅(1H,NH)。
【0104】
実施例16
157gの4−クロロ−3−(ベンジルアミノ)ブタ−2−エンカルボン酸エチル(実施例8)を259gのトルエンに溶解させ、得られた溶液を4時間加熱還流させる。次に、その混合物を20℃に冷却し、固体を濾去し、100mLのトルエンで洗浄する。109gの4−(ベンジルアミノ)フラン−2(5H)−オンが92%の純度で得られる(これは、収率86%に相当する)。
H NMR(DMSO d, 298K)δ: 4.27d(2H),4.58s(1H),4.67s(2H),7.26−7.45m(5H),7.9−8.2広幅(1H,NH)。
【0105】
実施例17
18.8gの4−クロロ−3−([[6−クロロピリジン−3−イル]メチル]アミノ)ブタ−2−エンカルボン酸エチル(実施例9)を86gのトルエンに溶解させ、得られた溶液を9時間加熱還流させる。次に、その混合物を20℃に冷却し、減圧下に溶媒を除去する。16.1gの4−([[6−クロロピリジン−3−イル]メチル]アミノ)フラン−2(5H)−オンが96%の純度で得られる(これは、収率87%に相当する)。
H NMR(CDCl, 298K)δ: 4.33d(2H),4.66s(1H),4.72s(2H),6.5−6.7広幅(1H,NH),7.32d(1H),7.63d(1H),8.34d(1H)。
【0106】
実施例18
280gの4−クロロ−3−(2,2−ジフルオロエチルアミノ)ブタ−2−エンカルボン酸エチル(実施例10)を709gのトルエンに溶解させ、得られた溶液を4時間加熱還流させる。次に、その混合物を20℃に冷却し、固体を濾去し、100mLのトルエンで洗浄する。183gの4−(ジフルオロエチルアミノ)フラン−2(5H)−オンが97%の純度で得られる(これは、収率96%に相当する)。
H NMR(DMSO d, 298K)δ: 3.44−3.59m(2H),4.65s(1H),4.77s(2H),6.60t+6.14t+6.28t(1H,C),7.4−7.9広幅(1H,NH)。
【0107】
実施例19
450mLのジメトキシエタンに、室温で、30gの4−(メチルアミノ)フラン−2(5H)−オン(実施例11)を最初に入れる。次に、12.6gの水酸化ナトリウムを添加し、40℃で、ジメトキシエタン中の2−クロロ−5−(クロロメチル)ピリジンの20%溶液225gを計量供給する。得られた混合物を50℃でさらに6時間撹拌する。減圧下に溶媒を実質的に除去し、残留物を300mLの水と混合させる。固体を濾去し、150mLの水で洗浄し、減圧下で乾燥させる。58.7gの4−([[6−クロロピリジン−3−イル]メチル](メチル)アミノ)フラン−2(5H)−オンが94%の純度で得られる(これは、収率87%に相当する)。
H NMR(DMSO d, 298K)δ: 2.88s(3H),4.47s(2H),4.74s(1H),4.89s(2H),7.52d(1H),7.78d(1H),8.37s(1H)。
【0108】
実施例20
75mLのジメトキシエタンに、室温で、6.3gの4−(ベンジルアミノ)フラン−2(5H)−オン(実施例16)を最初に入れる。次に、1.1gの水酸化ナトリウムを添加し、40℃で、ジメトキシエタン中の2−クロロ−5−(クロロメチル)ピリジンの20%溶液25.5gを計量供給する。得られた混合物を50℃でさらに6時間撹拌する。減圧下に溶媒を実質的に除去し、残留物を50mLの水及び50mLの塩化メチレンと混合させる。有機相を除去し、水相を50mLの塩化メチレンで再度抽出する。塩化メチレン相を合して硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下に溶媒を除去する。8gの4−{ベンジル[(6−クロロピリジン−3−イル)メチル]アミノ}フラン−2(5H)−オンが得られる(これは、収率85%に相当する)。
H NMR(アセトニトリル−d)δ: 4.40(s,4H),4.71(s,1H),4.87(s,2H),7.23(d,J=7.37Hz,2H),7.28−7.33(m,1H),7.33−7.38(m,3H),7.61(dd,J=8.25,2.64Hz,1H),8.20(d,J=2.20Hz,1H)。
【0109】
実施例21
75mLのジメトキシエタンに、室温で、6.3gの4−(ベンジルアミノ)フラン−2(5H)−オン(実施例16)を最初に入れる。次に、1.3gの水酸化ナトリウムを添加し、40℃で、ジメトキシエタン中の2−クロロ−5−(クロロメチル)−1,3−チアゾールの15%溶液34.4gを計量供給する。得られた混合物を50℃でさらに6時間撹拌する。減圧下に溶媒を実質的に除去し、残留物を50mLの水及び50mLの塩化メチレンと混合させる。有機相を除去し、水相を50mLの塩化メチレンで再度抽出する。塩化メチレン相を合して硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下に溶媒を除去する。6.9gの4−{ベンジル[(2−クロロ−1,3−チアゾール−5−イル)メチル]アミノ}フラン−2(5H)−オンが得られる(これは、収率71%に相当する)。
【0110】
実施例22
75mLのジメトキシエタンに、室温で、6.3gの4−(ベンジルアミノ)フラン−2(5H)−オン(実施例16)を最初に入れる。次に、1.1gの水酸化ナトリウムを添加し、40℃で、4gの塩化ベンジル計量供給する。得られた混合物を50℃でさらに7時間撹拌する。減圧下に溶媒を実質的に除去し、残留物を50mLの水及び50mLの塩化メチレンと混合させる。有機相を除去し、水相を50mLの塩化メチレンで再度抽出する。塩化メチレン相を合して硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下に溶媒を除去する。5.6gの4−(ジベンジルアミノ)フラン−2(5H)−オンが得られる(これは、収率68%に相当する)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(IVa)又は式(IVb)
【化1】

〔式中、
Aは、ピリド−2−イル若しくはピリド−4−イルであるか、又は、ピリド−3−イル(6位がフッ素、塩素、臭素、メチル、トリフルオロメチル又はトリフルオロメトキシで置換されていてもよい。)であるか、又は、ピリダジン−3−イル(6位が塩素又はメチルで置換されていてもよい。)であるか、又は、ピラジン−3−イルであるか、又は、2−クロロピラジン−5−イルであるか、又は、1,3−チアゾール−5−イル(2位が塩素又はメチルで置換されていてもよい。)であり;
又は、
Aは、ピリミジニル基、ピラゾリル基、チオフェニル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、1,2,4−オキサジアゾリル基、イソチアゾリル基、1,2,4−トリアゾリル基又は1,2,5−チアジアゾリル基[フッ素、塩素、臭素、シアノ、ニトロ、C−C−アルキル(フッ素及び/又は塩素で置換されていてもよい。)、C−C−アルキルチオ(フッ素及び/又は塩素で置換されていてもよい。)又はC−C−アルキルスルホニル(フッ素及び/又は塩素で置換されていてもよい。)で置換されていてもよい。]であり、
又は、
Aは、
【化2】

[ここで、
Xは、ハロゲン、アルキル又はハロアルキルであり;
Yは、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アジド又はシアノである。]
基であり、
は、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、ハロアルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ハロシクロアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、ハロシクロアルキルアルキル又はアリールアルキルであり;
は、C−C12−アルキル、C−C−アリール又はアリールアルキルであり、好ましくは、C−C−アルキルであり、さらに好ましくは、メチル又はエチルであり;
及び、
Halは、Cl、Br又はIであり、好ましくは、Cl又はBrであり、さらに好ましくは、Clである。〕
の化合物を調製する方法であって、
一般式(II)
【化3】

〔式中、R及びHalは、それぞれ、上記で定義されているとおりである。〕
の4−ハロアセト酢酸エステルを、
(a)式(IIIa)
【化4】

〔式中、Rは、上記で定義されているとおりである。〕
のアミンと反応させて式(IVa)の化合物を生成させる;
又は、
(b)式(IIIb)
【化5】

〔式中、Aは、上記で定義されているとおりである。〕
のアミンと反応させて式(IVb)の化合物を生成させる;
ことを特徴とする、前記方法。
【請求項2】
式(I)
【化6】

〔式中、A及びRは、それぞれ、請求項1で定義されているとおりである。〕
の4−アミノブタ−2−エノリドを調製する方法であって、
一般式(II)
【化7】

〔式中、
は、C−C12−アルキル、C−C−アリール又はアリールアルキルであり、好ましくは、C−C−アルキルであり、さらに好ましくは、メチル又はエチルであり;
及び、
Halは、Cl、Br又はIであり、好ましくは、Cl又はBrであり、さらに好ましくは、Clである。〕
の4−ハロアセト酢酸エステルを、
(a)式(IIIa)
【化8】

〔式中、Rは、上記で定義されているとおりである。〕
のアミンと反応させて式(IVa)
【化9】

の化合物を生成させ、次いで、式(IVa)の化合物を溶媒の存在下で熱的に環化させて式(Va)
【化10】

の化合物を生成させ、そして、式(Va)の化合物を、最後の段階において、式(VIa)
【化11】

〔式中、Aは上記で定義されているとおりであり、Eは脱離基である。〕
の化合物と反応させて、式(I)の化合物を生成させる;
又は、
(b)式(IIIb)
【化12】

〔式中、Aは、上記で定義されているとおりである。〕
のアミンと反応させて式(IVb)
【化13】

の化合物を生成させ、次いで、式(IVb)の化合物を溶媒の存在下で熱的に環化させて式(Vb)
【化14】

の化合物を生成させ、そして、式(Vb)の化合物を、最後の段階において、式(VIb)
【化15】

〔式中、Rは上記で定義されているとおりであり、Eは脱離基である。〕
の化合物と反応させて、式(I)の化合物を生成させる;
ことを特徴とする、前記方法。
【請求項3】
−20℃から60℃で式(II)の化合物を式(IIIa)のアミン又は式(IIIb)のアミンと反応させることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
40℃から150℃で式(IVa)の化合物を熱的に環化させて式(Va)の化合物とし及び式(IVb)の化合物を熱的に環化させて式(Vb)の化合物とすることを特徴とする、請求項2又は3に記載の方法。
【請求項5】
式(IVa)
【化16】

〔式中、
Halは、塩素であり;
は、C1−12−アルキル、ハロアルキル、アルケニル、ハロアルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ハロシクロアルキル、アルコキシ又はハロシクロアルキルアルキルであり;
及び、
は、C−C12−アルキル、C−C−アリール又はアリールアルキルであり、好ましくは、C−C−アルキルであり、さらに好ましくは、メチル又はエチルである。〕
の化合物。
【請求項6】
式(IVb)
【化17】

〔式中、
Halは、塩素であり;
は、C−C12−アルキル、C−C−アリール又はアリールアルキルであり、好ましくは、C−C−アルキルであり、さらに好ましくは、メチル又はエチルであり;
及び、
Aは、ピリド−2−イル若しくはピリド−4−イルであるか、又は、ピリド−3−イル(6位がフッ素、塩素、臭素、メチル、トリフルオロメチル又はトリフルオロメトキシで置換されていてもよい。)であるか、又は、ピリダジン−3−イル(6位が塩素又はメチルで置換されていてもよい。)であるか、又は、ピラジン−3−イルであるか、又は、2−クロロピラジン−5−イルであるか、又は、1,3−チアゾール−5−イル(2位が塩素又はメチルで置換されていてもよい。)であり;
又は、
Aは、ピリミジニル基、ピラゾリル基、チオフェニル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、1,2,4−オキサジアゾリル基、イソチアゾリル基、1,2,4−トリアゾリル基又は1,2,5−チアジアゾリル基[フッ素、塩素、臭素、シアノ、ニトロ、C−C−アルキル(フッ素及び/又は塩素で置換されていてもよい。)、C−C−アルキルチオ(フッ素及び/又は塩素で置換されていてもよい。)又はC−C−アルキルスルホニル(フッ素及び/又は塩素で置換されていてもよい。)で置換されていてもよい。]であり、
又は、
Aは、
【化18】

[ここで、
Xは、ハロゲン、アルキル又はハロアルキルであり;
Yは、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アジド又はシアノである。]
基である。〕
の化合物。

【公表番号】特表2010−539200(P2010−539200A)
【公表日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−525228(P2010−525228)
【出願日】平成20年9月5日(2008.9.5)
【国際出願番号】PCT/EP2008/007269
【国際公開番号】WO2009/036898
【国際公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【出願人】(302063961)バイエル・クロツプサイエンス・アクチエンゲゼルシヤフト (524)
【Fターム(参考)】