説明

4−{(1R)−2−[(6−{2−[(2,6−ジクロロベンジル)オキシ]エトキシ}ヘキシル)アミノ]−1−ヒドロキシエチル}−2−(ヒドロキシメチル)フェノールを含む医薬製剤

鼻または口を経由する吸入投与に用いるβ−2アゴニストの新規医薬製剤およびその使用方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、β−2アドレナリン受容体を介する疾患の治療、例えば呼吸器の治療および/または予防に使用される薬学的製品および組成物に関する。より詳細には、本発明は化合物4−{(1R)−2−[(6−{2−[(2,6−ジクロロベンジル)オキシ]エトキシ}ヘキシル)アミノ]−1−ヒドロキシエチル}−2−(ヒドロキシメチル)フェノールの新規の組成物およびその薬学的に許容される塩およびそれの他の治療薬との合剤、特に6α,9α−ジフルオロ−17α−[(2−フラニルカルボニル)オキシ]−11β−ヒドロキシ−16α−メチル−3−オキソ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17β−チオカルボン酸 S−フルオロメチルエステル(フルチカゾンフランカルボン酸エステル)および前記組成物および合剤の医薬品としての、特に慢性閉塞肺疾患(COPD)の治療のような気管支喘息および関連する疾患の治療における使用に関する。
【背景技術】
【0002】
選択的β−2アドレノセプターアゴニストは、気管支拡張薬が指示された疾患の状態の予防や治療に用いられる。その様な状態は、喘息、慢性閉塞肺疾患(COPD)(例えば慢性的な、喘鳴するような気管支炎、肺気腫)、気道感染症、上気道疾患(例えば季節性およびアレルギー疾患を含む鼻炎)のような気流閉塞に関連する疾患を含む。
【0003】
特に、喘息及び他の関連する疾患は、通常、患者に気管支拡張効果をもたらすようなβ−2アドレナリン受容体(β−2アゴニスト)を用いて治療し、結果として呼吸困難の症状を緩和する。β−2アゴニストの分類において、現在、サルブタモール、ビルトルテロール、ピブテロール及びテルブタリンのように、速やかな症状緩和のために使用できる短時間作用型化合物がある。サルメテロール及びホルモテロールのように、より長時間作用する化合物もまた市販されている。サルメテロール及びホルモテロールは効果的な気管支拡張薬であるが、一般に、それらのヒトを対象とした作用の持続時間は約12時間であり、ゆえに一般的には、一日の服用量の二倍を必要とする。
【0004】
β−2アゴニストが患者の気管支収縮の症状緩和に備えるのに対し、喘息、すなわち炎症、の他の要素はしばしば別の治療を必要とする。通常、この治療にはステロイドを用いる。現在、使用可能な副腎皮質ステロイドはベクロメタゾン、二プロピオン酸塩、ブデソニド、フルニソリド、フルチカゾンプロピオン酸、モメタゾンフロ酸塩及びトリアムシノロンを含む。
【0005】
国際公開番号第WO03/024439号は以下の一般式の化合物、
【化1】

【0006】
並びにその塩、溶媒和物、及び生理学的に機能する誘導体を記載する。
【0007】
化合物 4−{(1R)−2−[(6−{2−[(2,6−ジクロロベンジル)オキシ]エトキシ}ヘキシル)アミノ]−1−ヒドロキシエチル}−2−(ヒドロキシメチル)フェノールは、その薬学的に許容される塩、特に酢酸塩、トリフェニル酢酸塩、α−フェニルケイ皮酸塩、1−ナフトエ酸塩および(R)−マンデル酸塩を伴い、国際公開番号第WO03/024439号に明確に記載されている。
【0008】
国際公開番号第WO02/12265号は化合物6α,9α−ジフルオロ−17α−[(2−フラニルカルボニル)オキシ]−11β−ヒドロキシ−16α−メチル−3−オキソ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17β−チオカルボン酸 S−フルオロメチルエステルを開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】国際公開第03/024439号パンフレット
【特許文献2】国際公開第02/12265号パンフレット
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
第一の様態において、本発明は4−{(1R)−2−[(6−{2−[(2,6−ジクロロベンジル)オキシ]エトキシ}ヘキシル)アミノ]−1−ヒドロキシエチル}−2−(ヒドロキシメチル)フェノールの乾燥粉末を含む新規の医薬製剤、
【化2】

【0011】
または、その薬学的に許容される塩を
ラクトースのような担体およびステアリン酸マグネシウムのような三元剤を含む混合物において提供する。
【0012】
以下、化合物(I)は、文脈により決定されるが、上記に描写された遊離塩基、及び/またはその一つまたは複数の塩を指すことがある。
【0013】
化合物(I)は鏡像異性的に純粋な形でまたは異性体の混合物、例えばラセミ混合物、として存在し得ることが認識されるであろう。
【0014】
一実施形態において、化合物(I)は4−{(1R)−2−[(6−{2−[(2,6−ジクロロベンジル)オキシ]エトキシ}ヘキシル)アミノ]−1−ヒドロキシエチル}−2−(ヒドロキシメチル)フェノール トリフェニル酢酸エステルである。
【0015】
他の実施形態において、化合物(I)は、4−{(1R)−2−[(6−{2−[(2,6−ジクロロベンジル)オキシ]エトキシ}ヘキシル)アミノ]−1−ヒドロキシエチル}−2−(ヒドロキシメチル)フェノール α−フェニルケイ皮酸エステルである。
【0016】
他の実施形態において、本発明は、以下を含む薬学的な製品を提供する。
【0017】
a)4−{(1R)−2−[(6−{2−[(2,6−ジクロロベンジル)オキシ]エトキシ}ヘキシル)アミノ]−1−ヒドロキシエチル}−2−(ヒドロキシメチル)フェノールまたはその薬学的に許容される塩(化合物I)、ラクトースのような担体およびステアリン酸マグネシウムのような三元剤を含む医薬製剤および
b)6α,9α−ジフルオロ−17α−[(2−フラニルカルボニル)オキシ]−11β−ヒドロキシ−16α−メチル−3−オキソ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17β−チオカルボン酸 S−フルオロメチルエステル
【化3】

【0018】
本発明は呼吸器疾患の治療および/または予防に用いる薬物の製造における、前記医薬製剤および/または医薬製品の使用を提供する。
【0019】
一実施形態において、喘息および/または慢性閉塞肺疾患(COPD)の治療に用いる薬物の製造のために使用される。
【0020】
本発明はまた、喘息および/または慢性閉塞肺疾患(COPD)のような炎症性のまたは気道疾患の治療および予防に使用される前記医薬製剤および/または前記医薬製品を提供する。
【0021】
本発明の他の実施形態は、治療および/または予防を必要とする患者へ、化合物(I)および化合物(II)を含む前記医薬製剤または前記医薬製品を投与することを含む呼吸器疾患の治療および/または予防に用いる方法であり、化合物(I)および化合物(II)を経時的にまたは同時にどちらかで投与する。
【0022】
本発明の一実施形態において、呼吸器疾患は慢性閉塞肺疾患、慢性気管支炎、喘息、慢性呼吸性閉塞、肺線維症、肺気腫およびアレルギー疾患から選択される。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明は、4−{(1R)−2−[(6−{2−[(2,6−ジクロロベンジル)オキシ]エトキシ}ヘキシル)アミノ]−1−ヒドロキシエチル}−2−(ヒドロキシメチル)フェノールを含む医薬製品
【化4】

【0024】
または、その薬学的に許容される塩に関する。
【0025】
現在まで、動物およびヒトの研究における、4−{(1R)−2−[(6−{2−[(2,6−ジクロロベンジル)オキシ]エトキシ}ヘキシル)アミノ]−1−ヒドロキシエチル}−2−(ヒドロキシメチル)フェノール(およびその塩)の広範囲にわたる試験を行っており、有利な安全性に伴い、24時間の期間にわたり気管支拡張が持続したことが実証され、ゆえに、一日一度の投与に有望である。
【0026】
第一の様態において、本発明は、4−{(1R)−2−[(6−{2−[(2,6−ジクロロベンジル)オキシ]エトキシ}ヘキシル)アミノ]−1−ヒドロキシエチル}−2−(ヒドロキシメチル)フェノール
【化5】

【0027】
または、その薬学的に許容される塩(化合物I)、ラクトースのような担体およびステアリン酸マグネシウムのような三元剤を含む新規製剤を提供する。
【0028】
前記製剤は、吸入による肺への局所的送達に適しており、鼻または口を通し吸入により投与され得る。
【0029】
ラクトースおよびステアリン酸マグネシウムと共にある化合物(I)の製剤は、低い製品強度において含まれる、製品の物理的および化学的安定性のレベルが高いことが実証された。
【0030】
前記製剤を薬学分野において周知の方法のうちいずれかにより調製し得る。そのような方法は一般に、前記担体および三元剤との会合部へ活性成分を齎す工程を含む。故に、一律におよび本質的にラクトースおよびステアリン酸マグネシウムとの会合化合物(I)へと運ぶことにより、製剤を調製し得る。所望ならば、製剤を適した単位剤形(unit dosage form)に充填し得る。
【0031】
化合物(I)は、一般に製剤に対し0.020〜3.0%の量、例えば0.024〜0.8重量%で存在し、この場合、化合物(I)の重量を遊離塩基として計算する。
【0032】
吸入による投与のための薬物は、望ましくは制御された粒径を有する。気管支系への吸入のための最適な粒径は、通常1〜10μm、好ましくは2〜5μmである。20μmを超える大きさを有する粒子は、一般的に、小さな気道に届かせる吸入の際には大き過ぎる。そのような粒径に達するためには、生成の際の活性成分の粒子を従来の方法、例えば微粒子化により大きさを小さくし得る。所望の画分を空気選別またはふるい分けにより外部に分離する。好ましくは、粒子は結晶となるであろう。
【0033】
担体、例えばラクトースは一般に製剤に対し94〜99重量%、例えば97.7〜99.0重量%で形成される。
【0034】
一般に、担体、例えばラクトースの粒径は本発明における吸入される薬物よりもはるかに大きくなるであろう。担体がラクトースである場合、それは、通常粉砕されたラクトースとして存在し、そのうちラクトース粒子の85%以下は60〜90μmのMMD(質量中位径)を有し、15%以下は15μm未満のMMDを有するであろう。
【0035】
一実施形態において、ラクトースは無水ラクトースまたはラクトース一水和物である。
【0036】
ステアリン酸マグネシウムは、一般に0.2〜2%の量、例えば0.6〜2%、例えば0.75%、1%、1.25%または1.5%で存在する。
【0037】
ステアリン酸マグネシウムは通常、1〜50μmの範囲、より詳細には1〜20μm、例えば1〜10μmの粒径を有するであろう。当技術分野において周知であるように、ステアリン酸はステアリン酸およびパルミチン酸の混合物を含有し得、少量の他の酸、例えばラウリン酸、ミリスチン酸、および/またはアラキジン酸もまた存在し得る。よって同様にステアリン酸マグネシウムは、前記酸で形成された塩の混合物を含有する。一般に、ステアリン酸の存在比率は、40.0〜100%となり得る。通常、ステアリン酸の比率は、総比率が90〜100%の量の、例えば96〜100%のステアリン酸およびパルミチン酸とともに60〜75%の量で存在し得る。
【0038】
一実施形態において、前述の製剤は化合物(I)、ラクトースおよびステアリン酸マグネシウムを含有する。
【0039】
一実施形態において、前述の製剤は化合物(I)、ラクトースおよびステアリン酸マグネシウムからなる。
【0040】
化合物(I)の薬学的に許容される酸付加塩は塩酸、臭化水素酸、硫酸、クエン酸、酒石酸、リン酸、乳酸、ピルビン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、トリフェニル酢酸、フェニル酢酸、メトキシフェニル酢酸などの置換フェニル酢酸、スルファミン酸、スルファニル酸、コハク酸、シュウ酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、グルタミン酸、アスパラギン酸、オキサロ酢酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、アリールスルホン酸(例えば、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸または、ナフタレンジスルホン酸)、サリチル酸、グルタル酸、グルコン酸、トリカルバリル酸、マンデル酸、ケイ皮酸、置換ケイ皮酸(例えば、メチル置換、メトキシ置換、ハロ置換またはフェニル置換ケイ皮酸、4−メチルおよび4−メトキシケイ皮酸およびα−フェニルケイ皮酸を含む)、アスコルビン酸、オレイン酸、ナフトエ酸、ヒドロキシナフトエ酸(例えば、1−または3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸)、ナフタレンアクリル酸(例えば、ナフタレン−2−アクリル酸)、安息香酸、4−メトキシ安息香酸、2−または4−ヒドロキシ安息香酸、4−クロロ安息香酸、4−フェニル安息香酸、ベンゼンアクリル酸(例えば、1,4−ベンゼンジアクリル酸)およびイセチオン酸から形成されるものを含む。
【0041】
一実施形態において、化合物(I)の薬学的に許容される塩を、酢酸塩、1−ナフトエ酸塩、および(R)−マンデル酸塩より選出する。
【0042】
一実施形態において、化合物(I)の薬学的に許容される塩はα−フェニルケイ皮酸塩である。
【0043】
一実施形態において、化合物(I)の薬学的に許容される塩はトリフェニル酢酸塩である。
【0044】
一実施形態において、本発明は、4−{(1R)−2−[(6−{2−[(2,6−ジクロロベンジル)オキシ]エトキシ}ヘキシル)アミノ]−1−ヒドロキシエチル}−2−(ヒドロキシメチル)フェノール トリフェニル酢酸エステル、ラクトースおよびステアリン酸マグネシウムを含有する新規の医薬製剤を提供する。
【0045】
さらなる実施形態において、本発明は、4−{(1R)−2−[(6−{2−[(2,6−ジクロロベンジル)オキシ]エトキシ}ヘキシル)アミノ]−1−ヒドロキシエチル}−2−(ヒドロキシメチル)フェノール トリフェニル酢酸エステル、ラクトースおよびステアリン酸マグネシウムからなる新規の医薬製剤を提供する。
【0046】
前記薬剤において、特定される成分は、上述に特定される量で一般に存在する。
【0047】
一実施形態において、本発明は、0.03〜0.04%の4−{(1R)−2−[(6−{2−[(2,6−ジクロロベンジル)オキシ]エトキシ}ヘキシル)アミノ]−1−ヒドロキシエチル}−2−(ヒドロキシメチル)フェノール トリフェニル酢酸エステル、94〜99%のラクトースおよび0.75〜1.25%のステアリン酸マグネシウムを含有する新規の医薬製剤を提供する。
【0048】
一実施形態において、本発明は、0.03〜0.04%の4−{(1R)−2−[(6−{2−[(2,6−ジクロロベンジル)オキシ]エトキシ}ヘキシル)アミノ]−1−ヒドロキシエチル}−2−(ヒドロキシメチル)フェノール トリフェニル酢酸エステル、97.7〜99.0%のラクトースおよび0.75〜1%のステアリン酸マグネシウムからなる新規の医薬製剤を提供する。
【0049】
上述に言及したように、化合物(I)は、有利な安全性に伴い、24時間の期間にわたり気管支拡張が持続したことが実証されており、そのため、慢性閉塞肺疾患、慢性気管支炎、喘息、慢性呼吸器閉塞、肺線維症、肺気腫およびアレルギー疾患のような呼吸器疾患の治療における潜在性を有することが示唆される。
【0050】
喘息は、慢性的な状態であり、広範囲で、可変のおよび可逆的な気道閉塞と特徴付けられる。症状には、咳嗽、喘鳴、息切れおよび/または胸部の圧迫感が含まれる。喘息発作は、花粉、粉塵、または他のアレルゲンのような引き金に曝されることにより生じ、気道の狭窄(気管支収縮)を生じる。喘息のような状態に苦しむ被検者は、往々にして、多様にその状態の不顕性症状を現すことがあるか、症状が現れる間中周期的な発作に苦しむことがあるか、または症状の再燃または悪化を経験することがあることが理解されるであろう。本明細書において、用語「治療」は、そのような周期的発作または現存する症状の悪化の予防を包含することが意図される。そのような治療は「維持治療」または「維持療法」と呼び得る。
【0051】
COPDは、気道閉塞により特徴付けられ、肺からの最大呼気流量を減少させ、息切れ(呼吸困難)および日々の活動および身体運動の能力を制限するような持続的な日々の症状として示される慢性疾患である。さらに、毎日の症状および活動の制限を悪化させる結果となり、症状/制限の悪化の重症度により患者が入院することになりうる状況の周期的な再燃がある。加えて、数年にわたり肺機能(疾患の進行)の進行性減退がある。
【0052】
COPDにおける気管支拡張治療は、必ずしも限定されないが、症状、特に呼吸困難の低減すること、患者が行う日々の活動および身体運動を必要とする他の活動を許可すること、および再燃を防止することを含む。
【0053】
例えば、化合物(I)を約1mcgから約400mcg/日(遊離塩基として計算される)の容量で、吸入により投与し得る。一実施形態において、化合物(I)および特に、ラクトースのような担体およびステアリン酸マグネシウムのような三元剤と共にある4−{(1R)−2−[(6−{2−[(2,6−ジクロロベンジル)オキシ]エトキシ}ヘキシル)アミノ]−1−ヒドロキシエチル}−2−(ヒドロキシメチル)フェノール トリフェニル酢酸エステルを含有する製剤を約1mcgから約100mcg/日、例えば3、6.25、12.5、25、50、または100mcg/日(遊離塩基として計算する)の用量で吸入により投与し得る。一実施形態において、化合物(I)を、12.5mcg/日の用量で吸入により投与し得る。他の実施形態において、化合物(I)を25mcg/日の用量で吸入により投与し得る。他の実施形態において、化合物(I)を50mcg/日の用量で吸入により投与し得る。一般に化合物(I)は一日一回の用量として投与するであろう。
【0054】
本発明の一実施形態において、化合物(I)の製剤を乾燥粉末吸入器、例えば貯蔵式乾燥粉末吸入器、単回用量乾燥粉末吸入器、前計量多回用量乾燥粉末吸入器、鼻吸入器または散布器の多様な型の方法で投与し得る。
【0055】
製剤は単位剤形で存在し得る。例えば、吸入による肺への局所的送達のための乾燥粉末組成物は、吸入器または散布器での使用に用いる、例えばゼラチンのカプセルまたはカートリッジ、または例えば積層したアルミニウム箔のブリスタ内に存在し得る。各カプセルおよびカートリッジは一般に化合物(I)を1mcg〜400mcg、例えば1mcg〜100mcg含み得る。
【0056】
製剤の梱包は単回用量送達または多回用量送達に適し得る。一実施形態において、吸入投与に適した組成物を、適した吸入装置内に搭載する薬包で提供される多数の密封した用量容器に取り込み得る。当技術分野において既知であるように、容器は、一つずつまた吸入装置のマウスピースで、吸入によって投与される乾燥粉末組成物の用量で、破くことが可能、剥ぐことが可能、またさもなくば開封可能である。薬包は多数の異なる形状、例えばディスク形または伸長する片の形状を取り得る。代表的な吸入装置は、GlaxoSmithKlineにより販売されるDISKHALER(商標)およびDISKUS(商標)装置である。DISKUS(商標)吸入装置は例えばGB 2242134Aに記載される。
【0057】
乾燥粉末吸入組成物をさらに吸入装置におけるバルクリザーバとして提供してもよく、その際装置に、リザーバから計量される用量を装置のマウスピースで患者が吸入することにより吸入することができる吸入管までの組成物の用量を計量するための計量機構を搭載し得る。その種類の模範的に販売される装置は、AstraZenecaのTURBUHALER(商標)、ScheringのTWISTHALER(商標)およびInnovataのCLICKHALER(商標)である。
【0058】
乾燥粉末吸入組成物を用いた更なる送達方法は、カプセル(カプセル毎に一用量)で提供される計量された用量の組成物のための方法であって、その際、その組成物は、通常、治療を必要とする患者によって、吸入装置に導かれる。装置は、カプセルを破裂、穿孔、またさもなくば開封するための方法を有し、その結果、患者が装置のマウスピースで吸入する際に、用量を患者の肺の中に流れに乗せて運ぶことが可能となる。そのような装置の販売される例としては、GlaxoSmithKlineのROTAHALER(商標)およびBoehringer IngelheimのANDIHALER(商標)を挙げることができる。
【0059】
さらなる実施形態において、本発明は、化合物(I)、担体、例えばラクトースおよびステアリン酸マグネシウムを単用量形態で含有する製剤を提供する。各単用量は、一般に化合物(I)を1mcgから400mcgの間、例えば1mcgから100mcgの間で含み得る。
【0060】
さらなる実施形態において、本発明は化合物(I)、担体、例えばラクトースおよびステアリン酸マグネシウムを含有する製剤を含む吸入器を提供する。
【0061】
化合物(I)を、1または複数の、吸入ステロイド薬および/または吸入抗コリン薬のような他の治療薬との合剤で使用し得る。化合物(I)および前記他の治療薬を、個別または併用医薬製剤として、別々に、経時的にまたは同時に投与し得る。化合物(I)および前記他の治療薬を別々に処方し、分包または装置に存在させ、または前記個々の処方された成分が単一包または装置に存在し得る。場合によっては、個々の化合物を同一の製剤で混合し、固定された医薬品の合剤として存在し得る。一般に、化合物のその様な個々のまたは混合した製剤はまた医薬担体または賦形剤を含むであろう。
【0062】
一実施形態において、化合物(I)を6α,9α−ジフルオロ−17α−[(2−フラニルカルボニル)オキシ]−11β−ヒドロキシ−16α−メチル−3−オキソ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17β−チオカルボン酸 S−フルオロメチルエステル (フルチカゾンフランカルボン酸エステル)との合剤として使用し得る。
【化6】

【0063】
化合物(II)は、また動物モデルおよびヒトにおける広範囲な研究の対象となっており、糖質コルチコステロイドを吸入する長期作用が見出されており、肺への一日一回の投与に用いる能力を有する。
【0064】
化合物(II)は、慢性閉塞肺疾患、慢性気管支炎、喘息、慢性呼吸閉塞、肺線維症、肺気腫およびアレルギー疾患のような呼吸器疾患の治療における可能性を有することが示唆される。
【0065】
化合物(II)は、例えば国際公開番号第WO02/12265号に記載のように、吸入のための製剤として存在し得る。ゆえに化合物(II)は例えば、乾燥粉末製剤として、任意にラクトースまたはデンプンのような担体または賦形剤と共に存在し得る。
【0066】
本発明による使用のために、1日に約25mcgから約800mcgの用量で、必要に応じ容量を分割して吸入により化合物(II)を投与し得る。ゆえに化合物(I)の一日量は例えば25、50、100、200、300,400,600、または800mcgとなり得る。一般に化合物(II)を、一日に一回の用量として投与するであろう。
【0067】
化合物(II)は、例えば化合物(I)で記載のように、単位用量形態で提供され得る。化合物(II)の各単位用量は25から800mcgの間になり得る。
【0068】
さらなる様態において、本発明は、6α,9α−ジフルオロ−17α−[(2−フラニルカルボニル)オキシ]−11β−ヒドロキシ−16α−メチル−3−オキソ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17β−チオカルボン酸 S−フルオロメチルエステル(化合物II)との合剤で4−{(1R)−2−[(6−{2−[(2,6−ジクロロベンジル)オキシ]エトキシ}ヘキシル)アミノ]−1−ヒドロキシエチル}−2−(ヒドロキシメチル)フェノールまたはその薬学的に許容される塩(化合物I)、ラクトースのような担体およびステアリン酸マグネシウムのような三元剤を含有する乾燥粉末製剤を提供する。
【0069】
一実施形態において、前記合剤は4−{(1R)−2−[(6−{2−[(2,6−ジクロロベンジル)オキシ]エトキシ}ヘキシル)アミノ]−1−ヒドロキシエチル}−2−(ヒドロキシメチル)フェノールの乾燥粉末製剤またはラクトースのような担体とステアリン酸マグネシウム三元剤との混合物としてその薬学的に許容される塩(化合物I)および6α,9α−ジフルオロ−17α−[(2−フラニルカルボニル)オキシ]−11β−ヒドロキシ−16α−メチル−3−オキソ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17β−チオカルボン酸 S−フルオロメチルエステル(化合物II)の分離製剤を含有する包の形状で存在する。
【0070】
前記包は、化合物(I)および化合物(II)のそれぞれ分離製剤を含む、2つの分かれた吸入装置を具備する。化合物(II)を送達するための吸入装置は、化合物(I)の送達のために上記に記載したものを含む。
【0071】
前記包はまた、任意には1つまたは複数の賦形剤との混合物としての化合物(I)および化合物(II)の分離した格納容器を与える送達装置を有する。ゆえに例えば、合剤の個々の化合物は、例えば分離医薬組成物において、例えば国際公開番号第WO2003/061743 A1号、第WO2007/012871 A1号および/または第WO2007/068896号に記載のように、同時に投与可能であるが、別々に貯蔵される。一実施形態において、作用の分離した格納容器を与える送達装置は、剥ぐことが可能なブリスタ片形の2つの薬物包を有する吸入装置であり、各包は、その長さに沿って配置されるブリスタポケットに前計量用量を含む。前記装置は、内部指標機構を有し、装置を作働する度に、装入ベラが各片のポケットを開け、包を置く、その結果各包の新しく曝された用量が各々、装置のマウスピースと繋がる多岐管に隣接する。患者がマウスピースで吸入する際、各用量を同時にその付随するポケットから多岐管へと引き抜き、マウスピースを通して患者の気道へと流れに乗せて運ぶ。このように装置が使用される度に、患者に各薬物包からの用量からなる併用療法を投与する。
【0072】
異なる化合物の分離した組成物を与えるさらなる装置は、InnovataのDUOHALER(商標)である。
【0073】
本発明はさらに、少なくとも化合物(I)がステアリン酸マグネシウムを用いて処方される化合物(I)と化合物(II)の組み合わせを含む医薬製剤を提供する。
【0074】
さらなる様態において、本発明は、下記を有する新規医薬製品を提供する。
【0075】
a)ラクトースのような担体およびステアリン酸マグネシウムのような三元剤との混合物としての4−{(1R)−2−[(6−{2−[(2,6−ジクロロベンジル)オキシ]エトキシ}ヘキシル)アミノ]−1−ヒドロキシエチル}−2−(ヒドロキシメチル)フェノールまたはその薬学的に許容される塩(化合物I)の乾燥粉末製剤、および
b)6α,9α−ジフルオロ−17α−[(2−フラニルカルボニル)オキシ]−11β−ヒドロキシ−16α−メチル−3−オキソ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17β−チオカルボン酸 S−フルオロメチルエステル(化合物II)の乾燥粉末製剤。
【0076】
本発明の一実施形態において、化合物(I)は、4−{(1R)−2−[(6−{2−[(2,6−ジクロロベンジル)オキシ]エトキシ}ヘキシル)アミノ]−1−ヒドロキシエチル}−2−(ヒドロキシメチル)フェノール トリフェニル酢酸エステルである。
【0077】
またさらなる様態において、分離製剤として以下を含有する送達装置を提供する。
【0078】
a)4−{(1R)−2−[(6−{2−[(2,6−ジクロロベンジル)オキシ]エトキシ}ヘキシル)アミノ]−1−ヒドロキシエチル}−2−(ヒドロキシメチル)フェノールまたはその薬学的に許容される塩(化合物I)、ラクトースのような担体およびステアリン酸マグネシウムのような三元剤を有する乾燥粉末製剤および
b)6α,9α−ジフルオロ−17α−[(2−フラニルカルボニル)オキシ]−11β−ヒドロキシ−16α−メチル−3−オキソ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17β−チオカルボン酸 S−フルオロメチルエステル(化合物II)を有する乾燥粉末製剤。
【0079】
本発明の一実施形態において、化合物(I)は、4−{(1R)−2−[(6−{2−[(2,6−ジクロロベンジル)オキシ]エトキシ}ヘキシル)アミノ]−1−ヒドロキシエチル}−2−(ヒドロキシメチル)フェノール トリフェニル酢酸エステルである。
【0080】
一般に、本明細書に記載される各治療薬は鏡像異性的に純粋な形状で用いるが、本発明が前記治療薬のいずれかまたは両方に関連した異性体の混合物、例えばラセミ混合物、にまで広がることを認識するであろう。
【0081】
本発明はまた、β−2アドレナリン受容体を通して介する疾患の治療に用いる薬物の製造において、化合物(I)、ラクトースのような担体およびステアリン酸マグネシウムのような三元剤を有する製剤の使用のために提供される。
【0082】
一実施形態において、当該使用は、呼吸器疾患の治療および/または予防に用いる薬物の製造のために用いる。
【0083】
他の実施形態において、当該使用は、喘息および/または慢性閉塞肺疾患(COPD)の治療のための薬物の製造のために用いる。
【0084】
本発明はまた、例えば呼吸器疾患の治療および/または予防において、β−2アドレナリン受容体を通して介する疾患の治療に用いる薬物の製造における、化合物(I)、ラクトースのような担体およびステアリン酸マグネシウムのような三元剤を有し、化合物(II)との合剤の製剤の使用を提供する。
【0085】
一実施形態において、当該使用は、化合物(I)および化合物(II)の同時または経時的投与による、呼吸器疾患の治療および/または予防のための薬物の製造のために用いる。
【0086】
他の実施形態において、当該使用は、化合物(I)および化合物(II)の同時または経時的投与による喘息および/または慢性閉塞肺疾患(COPD)の治療のための薬物の製造のために用いる。
【0087】
本発明はまた、喘息および/または慢性閉塞肺疾患(COPD)のような炎症性または呼吸気管疾患の治療および/または予防における使用のための、化合物(I)、ラクトースのような担体およびステアリン酸マグネシウムのような三元剤を有する製剤を提供する。
【0088】
本発明はまた、喘息および/または慢性閉塞肺疾患(COPD)のような炎症性または呼吸気管疾患の治療および/または予防における使用のための、化合物(I)、ラクトースのような担体およびステアリン酸マグネシウムのような三元剤を有し、化合物(II)との合剤の製剤を提供する。
【0089】
本発明の他の実施形態は炎症性または呼吸気管疾患の治療および/または予防のための方法であり、その方法は、治療を必要とする患者に、化合物(I)、ラクトースのような担体およびステアリン酸マグネシウムのような三元剤を有する製剤を有する医薬製品を投与することを有する。
【0090】
本発明の他の実施形態は炎症性または呼吸気管疾患の治療および/または予防のための方法であり、その方法は、経時的にまたは同時にいずれかで、治療を必要とする患者に化合物(I)、ラクトースのような担体およびステアリン酸マグネシウムのような三元剤および化合物(II)を有する製剤を有する医薬製品を投与することを有する。
【0091】
本発明の一実施形態において、呼吸器疾患は、慢性閉塞肺疾患、慢性気管支炎、喘息、慢性呼吸閉塞、肺線維症、肺気腫およびアレルギー疾患からなる群から選ばれる。
【0092】
本発明の他の実施形態において、医薬製品は呼吸器疾患の治療、より詳細には、化合物(I)および化合物(II)の同時または連続的な投与による、喘息および/または慢性閉塞肺疾患(COPD)の治療に使用され得る。
【0093】
6α,9α−ジフルオロ−17α−[(2−フラニルカルボニル)オキシ]−11β−ヒドロキシ−16α−メチル−3−オキソ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17β−チオカルボン酸 S−フルオロメチルエステルを国際公開番号第WO2002/12265号に記載のように調製し得る。
【0094】
4−{(1R)−2−[(6−{2−[(2,6−ジクロロベンジル)オキシ]エトキシ}ヘキシル)アミノ]−1−ヒドロキシエチル}−2−(ヒドロキシメチル)フェノール, および4−{(1R)−2−[(6−{2−[(2,6−ジクロロベンジル)オキシ]エトキシ}ヘキシル)アミノ]−1−ヒドロキシエチル}−2−(ヒドロキシメチル)フェノール トリフェニル酢酸エステルを含むその塩を国際公開番号第WO2003/024439号に記載のように調製し得る。
【実施例】
【0095】
化合物(I)および化合物(II)の臨床研究
α−フェニルケイ皮酸塩およびトリフェニル酢酸塩としての化合物(I)は、単一用量および反復用量研究を含む多くの臨床薬理学研究において、研究された。加えてそれら研究は賦形剤セロビオースオクタアセタートおよびステアリン酸マグネシウムと共にある化合物(I)を評価した。
【0096】
喘息患者において、トラフ(24時間)FEV1で統計学的におよび臨床的に有意な改善をプラセボと比較して全ての用量を用いて観察した。化合物(I)トリフェニル酢酸(ラクトースおよびステアリン酸マグネシウムを含む)25mcg〜100mcgの単一用量は投薬後平均23〜24時間で対プラセボのFEV1が200mLまたはそれ以上の増加することが評価され、24時間作用が持続することを実証した。
【0097】
喘息患者の一研究において、ラクトースおよびステアリン酸マグネシウムと共に処方される100mcgの化合物(I)トリフェニル酢酸は作用の効果的な開始を示した。
【0098】
COPD患者において、100mcgおよび400mcgの化合物(I)α−フェニルケイ皮酸(ラクトースのみと共に)は100mL超過の加重平均トラフFEV1(22〜24時間)におけるプラセボとの臨床的に関連する調整された平均差を成し遂げた。化合物(I)トリフェニル酢酸(ラクトースおよびステアリン酸マグネシウムを含む)の25mcg〜100mcgの単一用量は、投薬後平均23〜24時間で対プラセボのFEV1が190mLまたはそれ以上に増加することにより、24時間の作用の持続が実証された。
【0099】
化合物(II)は単一および反復用量および用量範囲で多くの臨床薬理学研究において研究された。加えて、それら研究は、賦形剤セロビオースオクタアセタートおよびステアリン酸マグネシウムと共にある化合物(II)を評価した。
【0100】
喘息患者において、トラフ(24時間)FEV1で統計学的におよび臨床的に有意な改善をプラセボと比較して100mcg〜400mcgの化合物(II)の用量で観察した。
【0101】
研究はまた、健康な被検体における新規乾燥粉末装置からの別々のおよび単一用量としての合剤で投与する際の、化合物(I)および化合物(II)の薬理学および薬物動態を評価することを実行した。
【0102】
医薬製剤
調合物の調製
Ph.Eur/USNFの要求に応じる医薬等級ラクトース一水和物を使用した。使用前に、物質を非凝集させるためにラクトース一水和物を粗い網(網の大きさが800ミクロン)を通してふるいにかけた。化合物(I)トリフェニル酢酸を使用前に、2〜5ミクロンのMMD(質量中位径)を得るためにAPTMマイクロナイザで微粒子化した。
【0103】
Ph.Eur/NFの要求に応じる医薬等級ステアリン酸マグネシウムを10未満の質量中位粒子径で供給し、使用した。
【0104】
ステアリン酸マグネシウム(通常130g)をラクトース一水和物と併用し、ステアリン酸マグネシウム/ラクトース予備混合物を提供するために高剪断ミキサ(QMM、PMAまたはTRV類のミキサ)または低剪断回転型ブレンダ(ターブラミキサ)のいずれかを使用して調合した(調合物Aとして下文に言及する)。
【0105】
最終的な調合物Bを、化合物(I)トリフェニル酢酸(通常5から165g)と適切な量の調合物Aを高剪断ミキサ(QMM、PMAまたはTRVシリーズのミキサ)または低剪断回転型ブレンダ(ターブラミキサ)のいずれかを使用して第一前混合することにより得、その際、必要とする量でステアリン酸マグネシウムを含む調合物Bの提供に適切な重量比率でさらに調合物Aと調合物A/化合物(I)トリフェニル酢酸を前混合し調合した。
【0106】
化合物(I)トリフェニル酢酸をラクトース一水和物と併用し、高剪断TRVシリーズのミキサを用いて調合した。調合物中の化合物(I)トリフェニル酢酸の終濃度は通常遊離塩基環境で0.02%w/wから0.8%w/wであった。
【0107】
調合された組成物を、吸入に用いる乾燥粉末の供給のために一般に使用される型のブリスタ片に運び(通常、ブリスタ毎の調合物Bの名目平均量は12.5〜13.5mgであった)、ブリスタ片を、従来の方法で密封した。
【0108】
上述の手順を使用して、以下の代表的な製剤を調製した。
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
4−{(1R)−2−[(6−{2−[(2,6−ジクロロベンジル)オキシ]エトキシ}ヘキシル)アミノ]−1−ヒドロキシエチル}−2−(ヒドロキシメチル)フェノールまたは
【化1】

その薬学的に許容される塩、
担体および三元剤を有する医薬製剤。
【請求項2】
前記担体がラクトースである請求項1に記載の医薬製剤。
【請求項3】
前記三元剤がステアリン酸マグネシウムである請求項1または請求項2に記載の医薬製剤。
【請求項4】
化合物(I)が4−{(1R)−2−[(6−{2−[(2,6−ジクロロベンジル)オキシ]エトキシ}ヘキシル)アミノ]−1−ヒドロキシエチル}−2−(ヒドロキシメチル)フェノール トリフェニル酢酸エステルである請求項1から3のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項5】
前記化合物(I)が4−{(1R)−2−[(6−{2−[(2,6−ジクロロベンジル)オキシ]エトキシ}ヘキシル)アミノ]−1−ヒドロキシエチル}−2−(ヒドロキシメチル)フェノール α−フェニルケイ皮酸エステルである請求項1から3のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項6】
口または鼻吸入による投与に適した形状の請求項1から5のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項7】
化合物(I)が1〜400mcg/用量で存在する請求項1から6のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項8】
呼吸器疾患の治療に用いる薬物の製造における請求項1から7のいずれか一項に記載の医薬製剤の使用。
【請求項9】
喘息の治療のための薬物の製造に用いる請求項8に記載の使用。
【請求項10】
慢性閉塞肺疾患(COPD)の治療のための薬物の製造に用いる請求項9に記載の使用。
【請求項11】
治療を必要とする患者に請求項1から7のいずれか一項に記載の医薬製剤を投与することを含む呼吸器疾患の治療のための方法。
【請求項12】
前記疾患が慢性閉塞肺疾患、慢性気管支炎、喘息、慢性呼吸閉塞、肺線維症、肺気腫およびアレルギー疾患からなる群より選出される請求項11に記載の方法。
【請求項13】
口または鼻による吸入を通して投与する請求項11または請求項12に記載の方法。
【請求項14】
製品を一日に一度投与する請求項11から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
a)請求項1から7のいずれか一項に記載の医薬製剤、および
b)6α,9α−ジフルオロ−17α−[(2−フラニルカルボニル)オキシ]−11β−ヒドロキシ−16α−メチル−3−オキソ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17β−チオカルボン酸 S−フルオロメチルエステル
【化2】

を含む医薬製品。
【請求項16】
前記化合物(I)および化合物(II)が分離投与に適応した形状で存在する請求項15に記載の製品。
【請求項17】
前記化合物(I)および前記化合物(II)が反復投与に適した形状で存在する請求項15に記載の製品。
【請求項18】
前記化合物(I)および前記化合物(II)が同時投与に適した形状で存在する請求項15に記載の製品。
【請求項19】
前記化合物(I)および前記化合物(II)が分離した組成物として存在する請求項15から18のいずれか一項に記載の製品。
【請求項20】
前記化合物(I)および前記化合物(II)が互いと混合される請求項18に記載の製品。
【請求項21】
前記化合物(II)が乾燥粉末組成物の形状で存在する請求項15から20のいずれか一項に記載の製品。
【請求項22】
前記化合物(II)を薬学的に許容される担体または賦形剤とともに処方する請求項15から21のいずれか一項に記載の製品。
【請求項23】
口または鼻吸入による投与に適した形状である請求項15から22のいずれか一項に記載の製品。
【請求項24】
化合物(II)が約25mcgから約800mcg/用量の量で存在する請求項15から23のいずれか一項に記載の製品。
【請求項25】
呼吸器疾患の治療のための薬物の製造における請求項15から24のいずれか一項に記載の製品の使用。
【請求項26】
喘息の治療のための薬物の製造に用いる請求項25に記載の使用。
【請求項27】
慢性閉塞肺疾患(COPD)の治療のための薬物の製造に用いる請求項25に記載の使用。
【請求項28】
治療を必要とする患者に請求項15から24のいずれか一項に記載の医薬製品を投与することを含む呼吸器疾患の治療のための方法。
【請求項29】
前記疾患が慢性閉塞肺疾患、慢性気管支炎、喘息、慢性呼吸閉塞、肺線維症、肺気腫およびアレルギー疾患からなる群より選出される請求項28に記載の方法。
【請求項30】
口または鼻による吸入を通し投与する請求項28または請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記化合物(I)および前記化合物(II)を同時に投与する請求項28から30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記製品を一日に一度投与する請求項28から31のいずれか一項に記載の方法。

【公表番号】特表2012−518663(P2012−518663A)
【公表日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−551415(P2011−551415)
【出願日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際出願番号】PCT/EP2009/052306
【国際公開番号】WO2010/097115
【国際公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【出願人】(397009934)グラクソ グループ リミテッド (832)
【氏名又は名称原語表記】GLAXO GROUP LIMITED
【住所又は居所原語表記】Glaxo Wellcome House,Berkeley Avenue Greenford,Middlesex UB6 0NN,Great Britain
【Fターム(参考)】