説明

5−アンドロステン−3β−オールステロイド中間体およびそれらの製法

本発明は5−アンドロステン−3β−オールステロイド中間体およびそれらの製法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は5−アンドロステン−3β−オールステロイドおよびそれらの製法を提供する。
【背景技術】
【0002】
ステロイド中間体は医薬品の製造にしばしば有効である。5−アンドロステン−3β,7β,11α−トリオール−17−オンは、エプレレノンの製造に有効なステロイド中間体である。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明は、5−アンドロステン−3β,7β,11α−トリオール−17−オンならびに一般式(IIおよびIV)の他の関連する類似体を得るための、5−アンドロステン−3β−オール−17−オンおよび一般式(I)の他の関連する類似体の7β−および11α−ヒドロキシル化に関する真菌による実用的方法を提供する。
【0004】
1つの態様において本発明は、式(II)
【化1】

(式中、R3は、
(1)−H;
(2)−CO−R4であり:
4は、HまたはC1−C5アルキルであり;
17およびR18は、一緒になって=Oを形成するか、または
17およびR18は、それらが結合するステロイド主鎖のC17炭素原子と共に、式
【化2】

のラクトン環を形成し、
【0005】
1−Z2は、単結合または二重結合のいずれかである)の7β−ヒドロキシステロイドを特徴とする。7β−ヒドロキシステロイド(II)の例は、5−アンドロステン−3β,7β−ジオール−17−オンおよび5,9(11)−アンドロスタジエン−3β,7β−ジオール−17−オンであるが、これらに限定されない。
【0006】
別の態様において本発明は、式(III)
【化3】

(式中、R3は、
(1)−H;
(2)−CO−R4であり:
4は、HまたはC1−C5アルキルであり;
17およびR18は、一緒になって=Oを形成するか、または
17およびR18は、それらが結合するステロイド主鎖のC17炭素原子と共に、式
【化4】

のラクトン環を形成する)の11α−ヒドロキシステロイドを特徴とする。式(III)の11α−ヒドロキシステロイドの例は、5−アンドロステン−3β,11α−ジオール−17−オンである。
【0007】
別の態様において本発明は、式(IV)
【化5】

(式中、R3は、
(1)−H;
(2)−CO−R4であり:
4は、HまたはC1−C5アルキルであり;
17およびR18は、一緒になって=Oを形成するか、または
17およびR18は、それらが結合するステロイド主鎖のC17炭素原子と共に、式
【化6】

のラクトン環を形成する)の7β,11α−ジヒドロキシステロイドを特徴とする。式(IV)の7β,11α−ジヒドロキシステロイドの例は、5−アンドロステン−3β,7β
,11α−トリオール−17−オンである。
【0008】
さらに別の態様において本発明は、式(II)
【化7】

(式中、R3は、
(1)−H;
(2)−CO−R4であり:
4は、HまたはC1−C5アルキルであり;
17およびR18は、一緒になって=Oを形成するか、または
17およびR18は、それらが結合するステロイド主鎖のC17炭素原子と共に、式
【化8】

のラクトン環を形成し、
1−Z2は、単結合または二重結合のいずれかである)の7β−ヒドロキシステロイドを製造する方法であって、
【0009】
(1)式(I)
【化9】

(式中、R3、R17、R18およびZ1−Z2は、上述の定義の通りである)のΔ5−ステロイドを、ディプロディア(Diplodia)、例えばディプロディア・ゴッシピナ(Diplodia gossypina)の7β−ヒドロキシラーゼと接触させること、
を含む、上記の方法を特徴とする。7β−ヒドロキシステロイド(II)の例は、5−アンドロステン−3β,7β−ジオール−17−オンおよび5,9(11)−アンドロスタジエン−3β,7β−ジオール−17−オンであるが、これらに限定されない。接触の方法は発酵、細胞濃縮物、全細胞または無細胞の反応によるものであり得る。
【0010】
別の態様において本発明は、式(III)
【化10】

(式中、R3は、
(1)−H;
(2)−CO−R4であり:
4は、HまたはC1−C5アルキルであり;
17およびR18は、一緒なって=Oを形成するか、または
17およびR18は、それらが結合するステロイド主鎖のC17炭素原子と共に、式
【化11】

のラクトン環を形成する)の11α−ヒドロキシステロイドを製造する方法であって、
【0011】
(1)式(I)
【化12】

(式中、R3、R17およびR18は、上述の定義の通りであり、そしてZ1−Z2は一重結合である)のΔ5−ステロイドを、アスペルギルス(Aspergillus)、例えばアスペルギルス・オクラセウス(Aspergillus ochraceus)の11α−ヒドロキシラーゼと接触させること、
を含む、上記の方法を特徴とする。11α−ヒドロキシステロイドの例は、5−アンドロステン−3β,11α−ジオール−17−オンである。接触の方法は発酵、細胞濃縮物、全細胞または無細胞の反応によるものであり得る。
【0012】
さらに別の態様において本発明は、式(IV)
【化13】

(式中、R3は、
(1)−H;
(2)−CO−R4であり:
4は、HまたはC1−C5アルキルであり;
17およびR18は、一緒になって=Oを形成するか、または
17およびR18は、それらが結合するステロイド主鎖のC17炭素原子と共に、式
【化14】

のラクトン環を形成する)の7β,11α−ジヒドロキシステロイドを製造する方法であって、
【0013】
(1)式(II)
【化15】

(式中、R3、R17およびR18は、上述の定義の通りであり、そしてZ1−Z2は一重結合である)の7β−ヒドロキシステロイドを、アスペルギルス、例えばアスペルギルス・オクラセウスの11α−ヒドロキシラーゼと接触させること、
を含む、上記の方法を特徴とする。7β,11α−ジヒドロキシステロイド(IV)の例は、5−アンドロステン−3β,7β,11α−トリオール−17−オンである。接触の方法は発酵、細胞濃縮物、全細胞または無細胞の反応によるものであり得る。
【0014】
さらにもう1つの態様において本発明は、式(IV)
【化16】

(式中、R3は、
(1)−H;
(2)−CO−R4であり:
4は、HまたはC1−C5アルキルであり;
17およびR18は、一緒になって=Oを形成するか、または
17およびR18は、それらが結合するステロイド主鎖のC17炭素原子と共に、式
【化17】

のラクトン環を形成する)の7β,11α−ジヒドロキシステロイドを製造する方法であって、
【0015】
(1)式(I)
【化18】

(式中、R3、R17およびR18は、上述の定義の通りであり、そしてZ1−Z2は単結合である)のΔ5−ステロイドをディプロディア、例えばディプロディア・ゴッシピナの7β−ヒドロキシラーゼと接触させて、式(II)
【化19】

(式中、R3、R17、R18およびZ1−Z2は、上述の定義の通りである)の7β−ヒドロキシステロイドを製造し;
そして
【0016】
(2)工程(1)の7β−ヒドロキシステロイド(II)をアスペルギルス、例えばアスペルギルス・オクラセウスの11α−ヒドロキシラーゼと接触させること、
を含む、上記の方法を特徴とする。7β,11α−ジヒドロキシステロイド(IV)の例は、5−アンドロステン−3β,7β,11α−トリオール−17−オンである。7β,11α−ジヒドロキシステロイド(IV)の製法は、工程(1)の7β−ヒドロキシステロイド(II)を工程(2)の接触の前に分離し得ないものである。
【0017】
別の態様において本発明は、式(IV)
【化20】

(式中、R3は、
(1)−H;
(2)−CO−R4であり:
4は、HまたはC1−C5アルキルであり;
17およびR18は、一緒になって=Oを形成するか、または
17およびR18は、それらが結合するステロイド主鎖のC17炭素原子と共に、式
【化21】

のラクトン環を形成する)の7β,11α−ジヒドロキシステロイドを製造する方法であって、
【0018】
(1)式(I)
【化22】

(式中、R3、R17およびR18は、上述の定義の通りであり、そしてZ1−Z2は一重結合である)のΔ5−ステロイドを、アブシディア(Absidia)、例えばアブシディア・コエルレア(Absidia coerulea)の7β,11α−ヒドロキシラーゼと接触させること、
を含む、上記の方法を特徴とする。7β,11α−ジヒドロキシステロイド(IV)の例は、5−アンドロステン−3β,7β,11α−トリオール−17−オンである。接触の方法は発酵、細胞濃縮物、全細胞または無細胞の反応によるものであり得る。
【0019】
さらに別の態様において本発明は、式(I)
【化23】

(式中、R3は、
(1)−H;
(2)−CO−R4であり:
4は、HまたはC1−C5アルキルであり;
17およびR18は、一緒になって=Oを形成するか、または
17およびR18は、それらが結合するステロイド主鎖のC17炭素原子と共に、式
【化24】

のラクトン環を形成し、
そしてZ1−Z2は二重結合である)の5,9(11)−アンドロスタジエンを製造する方法であって、
【0020】
(1)式(III)
【化25】

(式中、R3、R17およびR18は、上述の定義の通りである)の化合物を供して;そして
(2)11αヒドロキシル基を除去して、(式Iの)Z1およびZ2の間の二重結合を形成すること、
を含む、上記の方法を特徴とする。式IIIの化合物を供する工程は、式(I)
【化26】

(式中、R3、R17およびR18は、上述の定義の通りであり、そしてZ1−Z2は一重結合である)のΔ5−ステロイドをアスペルギルス、例えばアスペルギルス・オクラセウスの11α−ヒドロキシラーゼと接触させることを含み得る。
【0021】
本発明の各態様の具体形態には、以下の1つまたはそれ以上を含み得る。R3がHである。R3が−C(O)−CH3である。R17およびR18が=Oを形成する。R17、R18、およびステロイド主鎖のC17炭素原子が、上述に示したラクトン環を形成する。ラクトン環が式
【化27】

に示されるαおよびβの立体化学を有する。
【0022】
定義および取り決め
以下の定義および説明は、明細書および請求項の両方を含むこの文書全体を通じて用いる用語に関するものである。
【0023】
式に関する取り決めおよび変数の定義
明細書および請求項における種々の化合物または分子のフラグメントを表す化学式は、明確に定義される構造的特性に加えて、可変性置換基を有し得る。これらの可変性置換基は、アルファベットまたは数字の下付き文字の続くアルファベット、例えば「Zi」または「Ri」(ここで「i」は整数である)によって特定される。
【0024】
定義
以下の定義および説明は、明細書および請求項の両方を含むこの文書全体を通じて用いる用語に関するものである。
すべての温度は摂氏の度である。
r.p.m.は毎分回転数を表す。
TLCは薄層クロマトグラフィーを表す。
HPLCは高速液体クロマトグラフィーを表す。
psigは平方インチゲージ当たりのポンドを表す。
DOは溶存酸素を表す。
ROは逆浸透を表す。
SLMは毎分標準リットルを表す。
VVMは毎分容積を表す。
OURは酸素吸収速度を表す。
混合溶媒を用いる場合には、用いる溶媒の割合は容積/容積(v/v)である。
【0025】
発明の詳細な説明
概して本発明は、7β,11α−ジヒドロキシステロイドおよびそれらの製法に関する。本発明の化合物はエプレレノンの製造に用い得る。スキームIは、7β,11α−ジヒドロキシステロイドを用いてエプレレノンを製造するための一つの可能な方法を示す。
【0026】
【化28】

【0027】
スキームIに関しては中間体2は、塩化メチレン400 ml中のトリオール50.0gの攪拌したスラリーにヘキサメチルジシラザン(HMDS) (100 ml)を加えることによって製造し得る。次いでサッカリン(0.57g)を加えた後、その混合物を3時間加熱還流すると、その時間中にスラリーは徐々に透明の黄褐色の溶液へと溶解し得る。水(5ml)を加えて過量の HMDSをクエンチする。5分間の還流後、混合物を、350 mlの広口ガラス濾過漏斗上のマグネソール32.6gのCH2C12湿潤層を通して濾過する。濾液は透明かつほぼ無色になるはずである。濾過ケークをCH2C12 2×100 mlで洗浄する。合一した濾液を減圧下で濃縮した後、残留した塩化メチレンをテトラヒドロフラン(THF)2×500 ml分画を用いて蒸発除去し、各添加後に濃縮乾固して白色固体を得る。
【0028】
THF 500 ml 中のカリウムt−ブトキシド(42.0g) の懸濁液を、氷/メタノール浴を用いて−9°±5℃に冷却する。少なくとも1時間、適度に攪拌しながら、アセチレンを混合物中にその表面直下で発泡させる。0°±5℃の反応温度を維持しながら、THF (400 ml)中の上述からのシリル化したステロイド中間体を30分かけて加える。添加後、その混合物を5°±5℃でさらに1時間攪拌する。水(100ml)を徐々に加え、反応混合物を15°±5℃に加温する。10 % HCl 125 ml を徐々に加えてpHを2.5〜3に下げる。pH2.5 〜3を維持するために必要な5%HC1少量を加えながら、1〜2時間20°±5℃で混合物をpH2.5〜3で攪拌する。加水分解が完了した時点で、半飽和NaHC03溶液を加えてpHを5.5〜6に上げる。その混合物を酢酸エチル(500 ml)で希釈した後、相を分離する。水相を酢酸エチルで抽出した後、合一した酢酸エチル相を水、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、そして濃縮して付加化合物2を得る。
【0029】
ピリジン(150 ml) 中にテトラオール2(50.00g, 144ミリモル) を溶解した後、その生成混合物を氷浴中10℃未満に冷却することによって、中間体2をアシル化し得る。ジメチルアミノピリジン(DMAP) (1.7g, 14ミリモル)を加え、続いて無水酢酸(41.4 ml, 439ミリモル)を、溶液の温度を10℃未満に維持する速度で徐々に加える。添加後、反応混合物を室温に加温する。混合物を酢酸エチル(75 ml) および水(50 ml)で希釈し、5分間攪拌すると層が分離する。有機層を10% HCl (4×25 ml) 続いてH20 (2×50 ml)で洗浄し、MgS04上で乾燥した後、濃縮する。生成物をトルエン(100 ml)から再結晶する。
【0030】
アシル化した中間体3のヒドロホルミル化は、水素/一酸化炭素の1/1混合物下170 psiの圧力で12時間、化合物3(25.4g, 54 ミリモル) を、酢酸エチル(200 ml) 中のPPh3(2.13g, 8.1 ミリモル)およびRh2(OAc)4 (716 mg, 1.62 ミリモル) を用いて約80℃に加熱することによって生じ得る。その混合物を減圧下で濃縮した後、化合物4をカラムクロマトグラフィー(70/30 EtOAc/Hexおよびシリカ500g)によって精製する。
【0031】
ラクトール化合物4の酸化は、ラクトール4 (25g, 50 ミリモル)、塩化メチレン(250 ml)、水(38 ml), 2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル(TEMPO) (156 mg, 1 ミリモル)、KBr (595 mg, 5 ミリモル)およびNaHCO3 (5.5g, 65 ミリモル)を混合した後、その混合物を氷浴中10℃以下に冷却することによって達成し得る。1.1 M 次亜塩素酸ナトリウム(NaOCI)の溶液 (50 ml, 55 ミリモル)を徐々に加える。混合物を室温に加温した後、水(50 ml)で希釈する。層が分離した後、有機層をブライン(2×50ml)で洗浄する。その有機層をMgSO4で乾燥し、濾過した後、濃縮して5を灰白色のフォームとして得る。
【0032】
メタノール20ml 中のトリアセテート 5 (2.0g)、Pd (dppp) Br2 (126 mg)、ジイソプロピルアミン (0.78mL)、Et4NBr (260 mg)、NaBr (1.09g)の混合物を、CO の1200 psi 下65℃で12時間加熱して、続いて冷却し濃縮した後、残留物をシリカゲル上で40−75% 酢酸エチル/ヘキサンを用いてクロマトグラフィーに付して、メチルエステル6を得る。
【0033】
メタノール(50 ml)中の0.15N 炭酸カリウム中のジアセチルエステル6 (5.01g) の溶液を室温で攪拌した後、その反応をTLCで観測する。出発物質6がもはや検出されない時点で、混合物を水 (200 ml) で希釈した後、酢酸エチル (3×200 ml)で抽出する。合一した抽出物を水 (100 ml)、ブライン (100 ml)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥した後、減圧下で濃縮乾固する。その残留物をシリカゲル上で酢酸エチル/ヘキサンを用い
てクロマトグラフィーに付して、3−ヒドロキシル化合物7を得る。
【0034】
アルコール7(6.0g)、CH2C12 (40 mL)、水 (9.0 mL)、2,2, 6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル(TEMPO) (38 mg)、KBr (142 mg) および炭酸水素ナトリウム (4.0g) の混合物を5℃に冷却する。この混合物に、1.1 M NaOCl 14.1 mlを徐々に加える。添加後、混合物をさらに1時間攪拌し、そして希HClで酸性化する。化合物8をCH2C12を用いて分離する。
【0035】
メタノール(50 ml)中の0.15N 炭酸カリウム中の化合物8 (5.01g) の溶液を室温で攪拌した後、その反応をTLCで観測する。出発物質8がもはや検出されない時点で、混合物を水 (200 ml) で希釈した後、酢酸エチル (3×200 ml)で抽出する。合一した抽出物を水 (100 ml)、ブライン (100 ml)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥した後、減圧下で濃縮乾固する。その残留物をシリカゲル上で酢酸エチル/ヘキサンを用いてクロマトグラフィーに付して、化合物9を得る。
【0036】
PC15(1.08g) をTHF 中の化合物9の溶液に−51℃で加えると、温度は−48℃に上昇する。2時間後、混合物をNaHCO3水溶液中に注入した後、EtOAc で抽出しそして濃縮する。その物質をシリカゲル上で EtOAc/ヘキサンを用いてクロマトグラフィーに付して、ジエン化合物10を得た。
【0037】
例えば米国特許 No. 4,559,332および 5,981,744に記載された既知の方法によって、化合物10のエポキシ化によってエプレレノンを製造するものであり、それらの内容は参照によってその全体が組み込まれる。
【0038】
図式Aに関しては、式(I)のアンドロスタ−5−エン−17−オン化合物は、真菌の反応を介して別のステロイド中間体に変換し得る。例えば、式(I)のアンドロスタ−5−エン−17−オン化合物(式中、Z1−Z2は一重結合か二重結合のいずれかである)をディプロディア・ゴッシピナと接触させ、式(II)の7β−ヒドロキシアンドロスタ−5−エン−17−オン化合物を製造する。式(III)の11α−ヒドロキシアンドロスタ−5−エン−17−オン化合物は、式(I)のアンドロスタ−5−エン−17−オン化合物(式中、Z1−Z2は一重結合である)をアスペルギルス・オクラセウスと接触させて製造する。驚いたことに、式(III)の11α−ヒドロキシアンドロスタ−5−エン−17−オン化合物とディプロディア・ゴッシピナとの接触は、式(IV)の7β,11α−ジヒドロキシアンドロスタ−5−エン−17−オン化合物を製造しないのに対して、式(II)の7β−ヒドロキシアンドロスタ−5−エン−17−オン化合物(式中、Z1−Z2は一重結合である)とアスペルギルス・オクラセウスとの接触は式(IV)の7β,11α−ジヒドロキシアンドロスタ−5−エン−17−オン化合物を製造する。予想外にも、式(I)のアンドロスタ−5−エン−17−オン化合物(式中、Z1−Z2は一重結合である)とアブシディア・コエルレアとの接触は、式(IV)の7β,11α−ジヒドロキシアンドロスタ−5−エン−17−オン化合物を直接に製造する。
【0039】
【化29】

【0040】
糸状菌反応物質はディプロディア(別名ボトリオディプロディア(Botryodiplodia)、ラシオディプロディア(Lasiodiplodia))属、アスペルギルス、およびアブシディア・コエルレアに属し、そして一般的に一次および二次の栄養型種の工程によって製造される。その二次種は、ステロイド生物変換反応の工程に接種するために利用する。
【0041】
本明細中に開示した方法は、式(I)、(II)、(III)および(IV)のステロイド化合物を製造するために用い得るものであり、これらは薬学的に有効なステロイド、例えばアルドステロン受容体拮抗剤の製造に有効な中間体である。加えて、5−アンドロステン−3β,7β−ジオール−17−オン (式II、式中、R3は水素であり、そしてR17およびR18は共にケトンであり、そしてZ1−Z2は一重結合である) は、心疾患、免疫機能、加齢および全般的な健康状態に対して有益な作用を有すると想定されている、商業的に利用可能なステロイドサプリメントである5−アンドロステン−3β−オール−7,17−ジオンの合成のための魅力的な中間体である。
【0042】
7β−ヒドロキシル化工程の詳細な説明
式(I)のステロイド化合物(式中、Z1−Z2は、一重結合または二重結合である)を7位で微生物学的にヒドロキシル化して、式(II)のステロイド化合物(式中、Z1−Z2は、一重結合または二重結合である)を製造する。
【0043】
式(I)のステロイドを7β−ヒドロキシル化することの可能なディプロディア、ボトリオディプロディアまたはラシオディプロディア属のいずれかの糸状菌を、本発明の方法において用い得る。好ましくはディプロディア・ゴッシピナ ATCC 20571 (別名ボトリオディプロディア・テオブロマエ(Botryodiplodia theobromae)IFO 6469)またはボトリオディプロディア・マロルム(Botryodiplodia malorum) ATCC 24444 (別名 CBS 134.50)を用いる。より好ましくはディプロディア・ゴッシピナ ATCC 20571 (別名ボトリオディプロディア・テオブロマエ IFO 6469)を用いる。
【0044】
該真菌のヒドロキシラーゼは、活発に増殖する培養物、全細胞濃縮物または細胞抽出物の形で利用し得る。好ましくは真菌を、該分野において認識されているいずれかの方法を用いて、好気性条件下液内培養において培養し、そして系中での7β−ヒドロキシル化反応を実施する。
【0045】
所望する真菌を、実施例1および2に記載する条件下で、指定した成分または熟練した当業者に既知であるような他の適当な炭素源および窒素源を用いて培養し得る。一般的に一次および二次の栄養型種の方法を、真菌による7β−ヒドロキシル化に関する製法において用いる。別法として一次栄養型種を、生物変換反応培地に接種するために直接用い得る。
【0046】
一次栄養型種培養は、約24〜約96時間(好ましくは約48〜72時間)、約20°〜約37°(好ましくは約28°)の温度で、そして約3.0〜約7.5のpHでインキュベートし得る。二次栄養型種培地は、約0. 006%〜約0.1%(v/v)、しかし通常は0.012% (v/v)の一次栄養型種培養を用いて接種し、そして約36〜約72時間(好ましくは約60時間)、約20°〜約37°(好ましくは約28°)の温度でインキュベートする。二次種培地のpHは約2.5〜約7.0、しかし好ましくは約3.0〜約5.0であり得る。二次栄養型種培地と同一または類似であり得る生物変換反応培地は、約1%〜約10%(好ましくは約3%〜約5%) (v/v) の二次栄養型種培養を用いて接種する。約12〜約72時間(好ましくは約16〜約24時間)の最初のインキュベーション期間の後、式(I)のステロイド基質を、好ましくは微粉化して生物変換反応培地に加える。微粉化した式(I)のステロイド基質を、乾燥粉末または水性スラリーとして、単一の添加か、一連の添加かまたは連続的な投入のいずれかで加え得る。微粉化した式(I)のステロイド基質は、好ましくは1g/Lを超える、より好ましくは2.5g/Lを超える、さらにより好ましくは5g/Lを超える濃度で用いる。式(II)の7β−ヒドロキシル化化合物を形成するための、式(I)のステロイド基質の生物変換反応は、約2〜約6日、しかし通常は約3〜約4日で進行する。
【0047】
7β−ヒドロキシル化の速度および程度は、以下によって非常に促進され得る:(i) 界面活性剤の存在における、選んだ真菌の培養、および生物変換反応の実施。該界面活性剤は、非イオン性界面活性剤から成る群、しかし好ましくはエトキシ化アルキルフェノールおよびポリオキシエチレンソルビタンエステルから成る亜群から選び得る。より好ましくは、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートを用いる;(ii) 天然油の存在における、選んだ真菌の培養、および生物変換反応の実施。天然油はヒマシ油、トウモロコシ油、綿実油、ラード油、アマニ油、オリーブ油、ピーナッツ油、ナタネ油、サフラワー種子油、ダイズ油、ヒマワリ種子油および麦芽油から成る群から選び得るが、これに限定されない。好ましくはダイズ油を用いる;(iii) (i) および (ii)で特定した方法の組合せを用いる。
【0048】
式(1)のステロイド基質の、式 (II)の7β−ヒドロキシル化化合物への生物変換反応
が終了した後、式 (II)の化合物は、該分野で認識されている多くの方法のいずれか1つを用いて分離し得る。好ましくは、濾過したまたは遠心分離したビール固形物を有機溶媒、例えばメタノール、アセトン、酢酸ブチルまたは塩化メチレンを用いて抽出し、そして式 (II)の7β−ヒドロキシル化化合物を結晶化によって分離する。結晶溶媒としては、水、メタノール、アセトン、酢酸ブチル、塩化メチレンまたはそれらの組合せから成る群から選ばれる溶媒があるが、これに限定されない。式 (II)の7β−ヒドロキシル化化合物の好ましい抽出溶媒および結晶溶媒は塩化メチレンである。
【0049】
11α−ヒドロキシル化工程の詳細な説明
式(I)または式(II)(式中、Z1−Z2は、一重結合である)のステロイド化合物を11位で微生物学的にヒドロキシル化して、式(III)または(IV)のステロイド化合物をそれぞれ製造する。
【0050】
式(I)または式(II)(式中、Z1−Z2は、一重結合である)のステロイドを11α−ヒドロキシル化することの可能なアスペルギルス属のいずれかの糸状菌を、本発明の方法において用い得る。好ましくはアスペルギルス・オクラセウス ATCC 18500 (別名NRRL 405)を用いる。
【0051】
該真菌のヒドロキシラーゼは、活発に増殖する培養物、全細胞濃縮物または細胞抽出物の形で利用し得る。好ましくは真菌を、該分野において認識されているいずれかの方法を用いて、好気性条件下液内培養において培養し、そして系中での11α−ヒドロキシル化反応を実施する。
【0052】
所望する真菌を、実施例3および4に記載する条件下で、指定した成分または熟練した当業者に既知であるような他の適当な炭素源および窒素源を用いて培養し得る。一般的に一次および二次の栄養型種の方法を、真菌による11α−ヒドロキシル化に関する製法において用いる。別法として一次栄養型種を、生物変換反応培地に接種するために直接用い得る。
【0053】
一次栄養型種培養は、約24〜約96時間(好ましくは約48〜72時間)、約20°〜約37°(好ましくは約28°)の温度で、そして約3.0〜約7.5のpHでインキュベートし得る。二次栄養型種培地は、約0.006%〜約0.1%(v/v)、しかし通常は0.012% (v/v)の一次栄養型種培養を用いて接種し、そして約36〜約72時間(好ましくは約60時間)、約20°〜約37°(好ましくは約28°)の温度でインキュベートする。二次種培地のpHは約2.5〜約7.0、しかし好ましくは約3.0〜約5.0であり得る。二次栄養型種培地と同一または類似であり得る生物変換反応培地は、約1%〜約10%(好ましくは約3%〜約5%) (v/v)の二次栄養型種培養を用いて接種する。約12〜約72時間(好ましくは約16〜約24時間)の最初のインキュベーション期間の後、式(I)または式(II)(式中、Z1−Z2は、一重結合である)のステロイド基質を、生物変換反応培地に加える。好ましくは該基質は微粉化する。微粉化した式(I)または式(II)(式中、Z1−Z2は、一重結合である)のステロイド基質を、乾燥粉末または水性スラリーとして、単一の添加か、一連の添加かまたは連続的な投入のいずれかで加え得る。微粉化した式(I)または式(II)(式中、Z1−Z2は、一重結合である)のステロイド基質は、好ましくは1g/Lを超える、より好ましくは2.5g/Lを超える、さらにより好ましくは5g/Lを超える濃度で用いる。式(III)または(IV)の11α−ヒドロキシル化化合物を形成するための、式(I)または式(II)(式中、Z1−Z2は、一重結合である)のステロイド基質の生物変換反応は、それぞれ約1〜約6日、しかし通常は約2〜約3日で進行する。
【0054】
11α−ヒドロキシル化の速度および程度は、以下によって非常に促進され得る:(i) 界面活性剤の存在における、選んだ真菌の培養、および生物変換反応の実施。該界面活性剤は、非イオン性界面活性剤から成る群、しかし好ましくはエトキシ化アルキルフェノールおよびポリオキシエチレンソルビタンエステルから成る亜群から選び得る。より好ましくは、オクチルフェノキシポリエトキシエタノールまたはノニルフェノキシポリエトキシエタノールを用いる;(ii) 天然油の存在における、選んだ真菌の培養、および生物変換反応の実施。天然油はヒマシ油、トウモロコシ油、綿実油、ラード油、アマニ油、オリーブ油、ピーナッツ油、ナタネ油、サフラワー種子油、ダイズ油、ヒマワリ種子油および麦芽油から成る群から選び得るが、これに限定されない。好ましくはダイズ油を用いる;(iii) (i) および (ii)で特定した方法の組合せを用いる。
【0055】
式(I) または式(II)(式中、Z1−Z2は、一重結合である)のステロイド基質の、式(III)または式(IV)の11α−ヒドロキシル化化合物への生物変換反応が終了した後、式(III)または式(IV)の化合物は、該分野で認識されている多くの方法のいずれか1つを用いて分離し得る。好ましくは、濾過したまたは遠心分離したビール固形物または全ビールを、水−混和性の有機溶媒、例えばメタノールまたはアセトンを用いて、約15°の低温または約55°の高温で抽出する。好ましい抽出温度は約45〜50℃である。式(III)または式(IV)の粗製11α−ヒドロキシル化化合物は、有機溶媒を除去しそして冷却する蒸発結晶によって生じる。好ましい抽出溶媒混合物は、80〜85%アセトン/15〜20%水である。古液は棄却する。
【0056】
式(III)または式(IV)の11α−ヒドロキシル化化合物の粗結晶は、炭素処理および結晶化によって精製する。炭素処理およびその後の結晶化は好ましくは、メタノールまたはアセトンから成る群から選ばれるがそれに限定されない水−混和性溶媒を用いて行なう。好ましい炭素処理/結晶溶媒はメタノールである。濾過によって炭素を除去した後、溶媒の蒸発および冷却によって結晶化を実施する。
【0057】
式(I)(式中、Z1−Z2は、二重結合である)の化合物は、既知の化学的手法を用いて、式(III)の化合物から11α−ヒドロキシルを除去することによって製造し得る。
【0058】
7β,11α−ジヒドロキシル化工程の詳細な説明
式(I)(式中、Z1−Z2は、一重結合である)のステロイド化合物を7および11位で微生物学的に、単一の工程でヒドロキシル化して、式(IV)のステロイド化合物を製造する。
【0059】
式(I)(式中、Z1−Z2は、一重結合である)のステロイドを7β,11α−ジヒドロキシル化することの可能なアブシディア属のいずれかの糸状菌を、本発明の方法において用い得る。好ましくはアブシディア・コエルレア ATCC 6647 (別名アブシディア・オルキディス(Absidia orchidis))を用いる。
【0060】
該真菌のヒドロキシラーゼは、活発に増殖する培養物、全細胞濃縮物または細胞抽出物の形で利用し得る。好ましくは真菌を、該分野において認識されているいずれかの方法を用いて、好気性条件下液内培養において培養し、そして系中での7β−および11α−ヒドロキシル化反応を実施する。
【0061】
所望する真菌を、実施例5に記載する条件下で、指定した成分または熟練した当業者に既知であるような他の適当な炭素源および窒素源を用いて培養し得る。一般的に一次および二次の栄養型種の方法を、真菌による7β,11α−ジヒドロキシル化に関する製法において用いる。別法として一次栄養型種を、生物変換反応培地に接種するために直接用い得
る。
【0062】
一次栄養型種培養は、約24〜約96時間(好ましくは約48〜72時間)、約20°〜約37°(
好ましくは約28°)の温度 で、そして約3.0〜約7.5のpHでインキュベートし得る。一次栄養型種培地と同一または類似であり得る二次栄養型種培地は、約0.006%〜約0.1%(v/v)、しかし通常は0.012% (v/v)の一次栄養型種培養を用いて接種し、そして約36〜約96時間(好ましくは約70〜80時間)、約20°〜約37°(好ましくは約28°) の温度でインキュベートする。二次種培地のpHは約2.5〜約7.5、しかし好ましくは約3.0〜約7.0であり得る。二次栄養型種培地と同一または類似であり得る生物変換反応培地は、約1%〜約10%(好ましくは約3%〜約5%) (v/v)の二次栄養型種培養を用いて接種する。約12〜約72時間(好ましくは約15〜約24時間)の最初のインキュベーション期間の後、式(I)(式中、Z1−Z2は、一重結合である)のステロイド基質を、生物変換反応培養に加える。好ましくは該基質は微紛化する。微紛化した式(I)(式中、Z1−Z2は、一重結合である)のステロイド基質を、乾燥粉末または水性スラリーとして、単一の添加か、一連の添加かまたは連続的な投入のいずれかで加え得る。微紛化した式(I)(式中、Z1−Z2は、一重結合である)のステロイド基質は、好ましくは1g/Lを超える、より好ましくは2.5g/Lを超える、さらにより好ましくは5g/Lを超える濃度で用いる。式(IV)の11α−ヒドロキシル化化合物を形成するための、式(I)(式中、Z1−Z2は、一重結合である)のステロイド基質の生物変換反応は、約2〜約9日、しかし通常は約5〜約7日で進行する。式(I) (式中、Z1−Z2は、一重結合である)のステロイド基質の、式(IV)の7β,11α−ジヒドロキシル化化合物への生物変換反応が終了した後、式(IV)の化合物は、該分野で認識されている多くの方法のいずれか1つを用いて分離し得る。好ましくは、濾過したまたは遠心分離したビール固形物または全ビールを、水−混和性有機溶媒、例えばメタノールまたはアセトンを用いて、約15°の低温または約55°の高温で抽出する。好ましい抽出温度は約45〜50℃である。式(IV)の粗製7β,11α−ジヒドロキシル化化合物は、有機溶媒を除去しそして冷却する蒸発結晶によって生じる。好ましい抽出溶媒混合物は、80%アセトン/20%水である。古液は棄却する。
【0063】
式(IV)の7β,11α−ジヒドロキシル化化合物の粗結晶は、塩化メチレン中への磨砕によって望ましくない不純物を除去し、続いて炭素処理および結晶化によって精製する。炭素処理とその後の結晶化は好ましくは、メタノールまたはアセトンまたは混合物から成る群から選ばれるがそれに限定されない水−混和性溶媒を用いて行なう。好ましい炭素処理/結晶溶媒はメタノールである。濾過によって炭素を除去した後、溶媒の蒸発および冷却によって化合物の結晶化を達成する。
【実施例】
【0064】
さらなる詳述なしに、熟練した当業者は前述の説明を用いて、本発明を完璧な程度に実施できると考えられる。以下の詳細な実施例は、本発明の種々の化合物を製造する方法、および/または種々の操作を実施する方法を記載したものであり、そして単に実例として構成されており、前述の開示をいかなる点においても制限するものではない。熟練した当業者は反応物質に関しても、そして反応条件および技術に関しても、妥当な別の方法を該製法から即座に認識し得る。
【0065】
3β−ヒドロキシアンドロスタ−5−エン−17−オン、および5−アンドロステン−3β−オール−17−オンと呼称されるものは、中国に所在するJiangsu Wujin Pharmaceuticals から入手可能である。
【0066】
実施例1
5−アンドロステン−3β−オール−17−オン (I、式中、R3=水素、R17,18=ケトン、そしてZ1−Z2は一重結合である)の5−アンドロステン−3β, 7β−ジオール−17−オン (II
、式中、R3=水素、R17,18=ケトン、そしてZ1−Z2は一重結合である)への生物変換反応
5−アンドロステン−3β−オール−17−オンの5−アンドロステン−3β, 7β−ジオール−17−オンへの生物変換反応は、10−Lの発酵の規模で、ディプロディア・ゴッシピナ ATCC 20571 (別名ボトリオディプロディア・テオブロマエ IFO 6469)の液内培養を用いて実施した。
【0067】
(A)一次種工程
ディプロディア・ゴッシピナ ATCC 20571 の凍結栄養細胞を解凍し、ポテトデキストロース寒天培地(PDA)に移入した後、28°で72時間インキュベートした。単一の菌糸体用プラグ (直径6−7 mm )を用いて、一次種培地100 mL を有する、シリコン処理した目盛り付き500−mL振盪フラスコに接種した。一次種培地は以下から成るものであった(RO水リットル当たり): デキストリン、50g; 大豆粉末、35g; セレロース、5g; 塩化コバルト六水和物、2 mg; シリコン脱泡剤 (SAG 471)、0.5 mL; 水酸化ナトリウム(2N)で調節した滅菌前のpH 7.0−7.2。ディプロディア・ゴッシピナ ATCC 20571 を48時間28°で、環境制御のインキュベーターシェーカー装置を用いて280 r. p. m. (軌道距離1インチ)でインキュベートした。
【0068】
(B)二次種工程
二次種発酵物10リットルは、栄養型一次種培養1.2 mLを用いて接種した(接種率0.012
% [v/v] )。二次種培地は以下を含有した(RO水リットル当たり): セレロース、60g; 大豆粉末、25g;大豆油、30 mL; 硫酸マグネシウム七水和物、1g; リン酸二水素カリウム、0.74g ; ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、2 mL; シリコン脱泡剤 (SAG 471), 0.5 mL; 濃硫酸で調節した滅菌前のpH 3.95−4.00。二次種培地を有する発酵槽は、ジャケットおよび噴射水蒸気の両者を用いて、20分間121°で滅菌した。滅菌中の撹拌速度は200r. p. m.であった。滅菌後、培地のpHを滅菌硫酸(5 %)を用いて4.0に調節した。ディプロディア・ゴッシピナ ATCC 20571 を以下の開始条件を用いて28°でインキュベートした: 撹拌、100 r. p. m.; 背圧 = 5 psig; 気流 = 2.5 SLM (0.25 VVM) ; 低DO設定値、30 %; pHの調整なし。DOが最初に30 %に低下した時点で、気流を5 SLM
(0.5VVM)に増加した。培養が低DOに再び到達した時点で、撹拌を調節して30 % DOを維持した。接種後約60時間、OURが約10〜約15mM/L/hの時点で、二次種培養物を収集した。
【0069】
(C)ステロイド生物変換反応
ステロイド生物変換発酵物10リットルは、栄養型二次種培養物500 mLを用いて接種した(接種率5 % [v/v] )。ステロイド生物変換培地は二次種培地と同一であった。滅菌条件およびpH調整は、二次種培地に記載した通りであった。ディプロディア・ゴッシピナ
ATCC 20571 を28°で、低DO設定値を30 %から50 %に増加した以外は二次種培養で用いたものと基本的に同一の開始条件を用いてインキュベートした。DOが最初に50 %に低下した時点で、気流を2.5 SLM (0.25VVM)から5 SLM (0.5VVM)に増加した。培養が低DOに再び到達した時点で、撹拌を調節して50 % DOを維持した。接種後24時間から、0.2 %ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート最少量中にスラリー化した微粉化5−アンドロステン−3β−オール−17−オンを該発酵物に加え、1時間おきに総量400gまで加えた。接種後約3日に、追加のセレロース100gを該発酵物10−Lに加えた。
【0070】
生物変換培養物は、TLCを用いて5−アンドロステン−3β,7β−ジオール−17−オンを毎日分析した。全ビール1ミリリットルをメタノール10 mLを用いて抽出した。細胞を水−メタノール混合物から遠心分離(3,000 xg 10分間)によって分離した後、数マイクロリットルをTLCプレートに載せた。そのTLCプレートをシクロヘキサン:酢酸エチル:メタノール (90:60:15) 中で展開した後、TLCに50%硫酸を噴霧し続いて乾燥器中で炭化することによって、生成物を可視化した。生成物を、50%硫酸を用いた噴霧において青色に変色
する基準試料と比較した。5−アンドロステン−3β−オール−17−オンの5−アンドロステン−3β, 7β−ジオール−17−オンへの生物変換は、接種後約4日で完了した。
【0071】
(D)分離方法
収集した全ビールを遠心分離した後、高含有量の固形物を遠心分離によって回収した。その高含有量の固形物を塩化メチレン10リットルで抽出した後、高含有量の抽出物を遠心分離によって回収した。その抽出物をポリッシュし、そして約1リットルに濃縮蒸留した後、その結晶スラリーを−10 ℃に冷却した。結晶を濾過によって回収し、冷却した塩化メチレンで洗浄して着色を除去した後、乾燥して、精製結晶の5−アンドロステン−3β,7β−ジオール−17−オン227グラムを得た。
【0072】
実施例2
5,9(11)−アンドロスタジエン−3β−オール−17−オン (I、式中、R3=水素、R17,18=ケトン、そしてZ1−Z2は二重結合である)の5,9 (11)−アンドロスタジエン−3β,7β−ジオール−17−オン (II、式中、R3=水素、R17,18=ケトン、そしてZ1−Z2は二重結合である)への生物変換
5,9(11)−アンドロスタジエン−3β−オール−17−オンの5,9(11)−アンドロスタジエン−3β,7β−ジオール−17−オンへの生物変換は、10−Lの発酵の規模で、ディプロディア・ゴッシピナ ATCC 20571 (別名ボトリオディプロディア・テオブロマエ IFO 6469)の液内培養を用いて実施した。
【0073】
(A) 一次種工程
一次種培養物を実施例1に記載した通りに調製した。
(B) 二次種工程
二次種培養物10リットルを実施例1に記載した通りに調製した。
(C) ステロイド生物変換反応
ステロイド−生物変換培養物10リットルを実施例1に記載した通りに調製した。接種後約24時間に、0.2 %ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート最少量中にスラリー化した微粉化5,9(11)−アンドロスタジエン−3β−オール−17−オン120gを、該発酵物10−Lに加えた。
生物変換培養は、実施例1に記載した方法を用いて、5,9(11)−アンドロスタジエン−3β,7β−ジオール−17−オンを毎日分析した。5,9(11)−アンドロスタジエン−3β−オール−17−オンの5,9(11)−アンドロスタジエン−3β, 7β−ジオール−17−オンへの生物変換は、接種後約3日で完了した。
(D) 分離方法
全ビールからの高含有量の固形物を遠心分離によって回収した。その液状ビール相を、塩化メチレン15リットルを用いて抽出した。沈降後、廃棄するビール上層をデカントし、そして廃棄した。次いで、残留した高含有量の塩化メチレンを用いて、高含有量の固形物を抽出した。生成した高含有量の塩化メチレン抽出物を、廃棄する固形物から流し出し、ポリッシュし、約0.5リットルに濃縮蒸留した後、−10℃に冷却した。得られた結晶を濾過によって回収し、酢酸n−ブチルで洗浄して着色を除去した後、乾燥して、精製結晶の5,9(11)−アンドロスタジエン−3β,7β−ジオール−17−オン52.2グラムを得た。
【0074】
実施例3
5−アンドロステン−3β−オール−17−オン (I、式中、R3=水素、R17,18=ケトン、そしてZ1−Z2は一重結合である)の5−アンドロステン−3β, 11α−ジオール−17−オン (II、式中、R3=水素、R17,18=ケトン、そしてZ1−Z2は一重結合である)への生物変換
5−アンドロステン−3β−オール−17−オンの5−アンドロステン−3β, 11α−ジオール−17−オンへの生物変換は、10−Lの発酵の規模で、アスペルギルス・オクラセウス ATCC 18500 (別名NRRL 405)の液内培養を用いて実施した。
【0075】
(A) 一次種工程
アスペルギルス・オクラセウス ATCC 18500の一次種培養物を、実施例1のディプロディア・ゴッシピナ ATCC 20571 に関して記載した通りに調製した。
(B) 二次種工程
二次種発酵物10リットルは、栄養型一次種培養物1.2 mLを用いて接種した(接種率0.012
% [v/v] )。二次種培地は以下を含有した(RO水リットル当たり): セレロース、40g; 大豆粉末、25g;大豆油、30 mL; 硫酸マグネシウム七水和物、1g; リン酸二水素カリウム、0.74g ;ノニルフェノキシポリエトキシエタノール、0.25 mL; シリコン脱泡剤 (SAG
471), 0.5 mL; 濃硫酸で調節した滅菌前のpH 3.95−4.00。二次種培地を有する発酵槽は、ジャケットおよび噴射水蒸気の両者を用いて、20分間121°で滅菌した。滅菌中の撹拌速度は200r. p. m.であった。滅菌後、培地のpHを滅菌硫酸(5%)を用いて4.0に調節した。アスペルギルス・オクラセウス ATCC 18500 を以下の開始条件を用いて28°でインキュベートした: 撹拌、100 r. p. m.; 背圧 = 5 psig; 気流 = 2.5 SLM (0.25 VVM) ; 低DO設定値、50 %; pHの調整なし。DOが最初に50 %に低下した時点で、気流を5 SLM (0.5VVM)に増加した。培養が低DOに再び到達した時点で、撹拌を調節して50 % DOを維持した。接種後50〜54時間、OURが約20〜約26mM/L/hの時点で、二次種培養物を収集した。
【0076】
(C) ステロイド生物変換
ステロイド生物変換発酵物10リットルは、栄養型二次種培養500 mLを用いて接種した(接種率5 % [v/v] )。ステロイド生物変換培地は、ノニルフェノキシポリエトキシエタノールを0.25mL/Lから2mL/Lに増加しそして滅菌前のpHを濃硫酸で2.95−3.00に調節した以外は、二次種培地と基本的に同一であった。滅菌条件は二次種培地に記載した通りであった。滅菌後、培地のpHを滅菌硫酸(5%)を用いて3.0に調節した。アスペルギルス・オクラセウス ATCC 18500 を28°で、撹拌を最初に200 r. p. m.に設定した以外は二次種培養で用いたものと基本的に同一の開始条件を用いてインキュベートした。接種後約18時間に、0.2 %ノニルフェノキシポリエトキシエタノール最少量中にスラリー化した微粉化5−アンドロステン−3β−オール−17−オン200gを、発酵物10−Lに加えた。
生物変換培養物は、5−アンドロステン−3β,11α−ジオール−17−オンをTLCを用いて毎日分析した。全ビール1ミリリットルをメタノール19 mLを用いて抽出した。細胞を水−メタノール混合物から遠心分離(3,000 xg 10分間)によって分離した後、数マイクロリットルをTLCプレートに載せた。そのTLCプレートをシクロヘキサン: 酢酸エチル: メタノール (90: 60: 15) 中で展開した後、TLCに50%硫酸を噴霧し続いて乾燥器中で炭化することによって生成物を可視化した。5−アンドロステン−3β−オール−17−オンの5−アンドロステン−3β, 11α−ジオール−17−オンへの生物変換は、接種後約3日で完了した。
【0077】
(D) 分離方法
全ビール固形物を遠心分離によって回収した。液体は棄却した。高含有量の固形物を85%アセトン15%水10リットルを用いて45℃〜50℃で抽出した後、その高含有量の抽出物を遠心分離によって回収した。その抽出物を濃縮蒸留してアセトンを除去すると、粗結晶の水性スラリーが生じた。その粗結晶を濾過によって回収した後、母液を廃棄した。その水で湿った粗結晶を55℃に加熱することによってメタノール700ミリリットル中に溶解し、次いで、ダルコ G−60 炭素5グラムを用いて脱色した。濾過して炭素を除去した後、濾液を濃縮して生成物を結晶化した。さらに酢酸n−ブチル300 mLを加えそして濃縮することによって、メタノールを除去して濃密な結晶スラリーとした。その結晶を濾過し、酢酸n−ブチルで洗浄した後、乾燥して精製結晶の5−アンドロステン−3β,11α−ジオール−17−オン174グラムを得た。
【0078】
実施例4
5−アンドロステン−3β,7β−ジオール−17−オン (II、式中、R3=水素、R17,18=ケ
トン、そしてZ1−Z2は一重結合である)の5−アンドロステン−3β, 7β,11α−トリオール−17−オン (IV、式中、R3=水素、R17,18=ケトンである)への生物変換
5−アンドロステン−3β,7β−ジオール−17−オンの5−アンドロステン−3β, 7β,11α−トリオール−17−オンへの生物変換は、10−Lの発酵の規模で、アスペルギルス・オクラセウス ATCC 18500 (別名NRRL 405)の液内培養を用いて実施した。
【0079】
(A) 一次種工程
アスペルギルス・オクラセウス ATCC 18500 の一次種培養物を、実施例3に記載した通りに調製した。
(B) 二次種工程
アスペルギルス・オクラセウス ATCC 18500 の二次種培養物10リットルを、実施例3に記載した通りに調製した。
(C) ステロイド生物変換
アスペルギルス・オクラセウス ATCC 18500 のステロイド−生物変換培養物10リットルを、実施例3に記載した通りに調製した。
接種後約18時間に、0.2 %ノニルフェノキシポリエトキシエタノール最少量中にスラリー化した微粉化5−アンドロステン−3β,7β−ジオール−17−オン200gを、発酵10−Lに加えた。
生物変換培養物は、実施例1に記載した通りに、TLCを用いて5−アンドロステン−3β,7β,11α−トリオール−17−オンを毎日分析した。5−アンドロステン−3β,7β−ジオール−17−オンの5−アンドロステン−3β, 7β,11α−トリオール−17−オンへの生物変換は、接種後約4日で完了した。
【0080】
(D) 分離方法
全ビール固形物を遠心分離によって回収した。液体は廃棄した。高含有量の固形物を80%アセトン20%水10リットルを用いて45℃〜50℃で抽出した後、その暖かい抽出物を濾過によって浄化した。その高含有量の濾液を濃縮蒸留してアセトンを除去すると、粗結晶の水性スラリーが生じた。その粗結晶を濾過によって回収した後、母液を廃棄した。その水で湿った結晶を塩化メチレン600ミリリットル中に磨砕して不純物を除去し、メタノール700ミリリットル中に(55℃への加熱によって)溶解し、次いで、ダルコ G−60 炭素5グラムを用いて脱色した。濾過して炭素を除去した後、濾液を濃縮して生成物を結晶化した。さらに酢酸n−ブチル300 mLを加えそして濃縮することによって、メタノールを除去して濃密な結晶スラリーとした。その結晶を濾過し、酢酸n−ブチルで洗浄した後、乾燥して精製結晶の5−アンドロステン−3β, 7β,11α−トリオール−17−オン158グラムを得た。
【0081】
実施例5
5−アンドロステン−3β−オール−17−オン (I、式中、R3=水素、R17,18=ケトン、そしてZ1−Z2は一重結合である)の5−アンドロステン−3β, 7β,11α−トリオール−17−オン (IV、式中、R3=水素、R17,18=ケトンである)への生物変換
5−アンドロステン−3β−オール−17−オンの5−アンドロステン−3β, 7β,11α−トリオール−17−オンへの生物変換は、10−Lの発酵の規模で、アブシディア・コエルレア ATCC 6647 (別名アブシディア・オルキディス(Absidia orchidis)) の液内培養を用いて実施した。
【0082】
(A) 一次種工程
アブシディア・コエルレア ATCC 6647 の一次種培養物を、実施例1でディプロディア・ゴッシピナ ATCC 20571に関して記載した通りに調製した。
(B) 二次種工程
二次種発酵物10リットルは、栄養型一次種培養物1.2 mLを用いて接種した(接種率0.012
% [v/v] )。二次種培地は以下を含有した(RO水リットル当たり): デキストリン、50g;大豆粉末、35g; セレロース、5g; 塩化コバルト六水和物、2 mg; シリコン脱泡剤 (SAG 471), 0.5 mL; 濃硫酸で調節した滅菌前のpH 4.95−5.00。二次種培地を有する発酵槽は、ジャケットおよび噴射水蒸気の両者を用いて、20分間121°で滅菌した。滅菌中の撹拌速度は200r. p. m.であった。滅菌後、培地のpHを滅菌硫酸(5%)を用いて5.0に調節した。アブシディア・コエルレア ATCC 6647 を以下の開始条件を用いて28°でインキュベートした: 撹拌、100 r. p. m.; 背圧 = 5 psig; 気流 = 2.5 SLM (0.25 VVM) ; 低DO設定値、50 %; pHの調整なし。DOが最初に30 %に低下した時点で、気流を5 SLM (0.5VVM)に増加した。培養が低DOに再び到達した時点で、撹拌を調節して30 % DOを維持した。接種後76時間、OURが約4〜約7mM/L/hの時点で、二次種培養物を収集した。
【0083】
(C) ステロイド生物変換
ステロイド生物変換発酵物10リットルは、栄養型二次種培養物500 mLを用いて接種した(接種率5 % [v/v] )。ステロイド生物変換反応培地は以下を含有した(RO水リットル当たり): デキストリン、50g;大豆粉末、35g; セレロース、20g; シリコン脱泡剤 (SAG 471), 0.5 mL; 濃硫酸で調節した滅菌前のpH 2.95−3.00。滅菌条件は二次種培地に記載した通りであった。滅菌後、培地のpHを滅菌硫酸(5%)を用いて3.0に調節した。アブシディア・コエルレア ATCC 6647 を28°で、二次種培養で用いたものと同一の開始条件を用いてインキュベートした。接種後約17時間に、0.2 %オクチルフェノキシポリエトキシエタノール最少量中にスラリー化した微粉化5−アンドロステン−3β−オール−17−オン200gを、発酵物10−Lに加えた。
生物変換培養物は、実施例1に記載した通りに、TLCを用いて5−アンドロステン−3β,7β,11α−トリオール−17−オンを毎日分析した。5−アンドロステン−3β−オール−17−オンの5−アンドロステン−3β,7β,11α−トリオール−17−オンへの生物変換は、接種後約6〜7日で完了した。
【0084】
(D) 分離方法
全ビール固形物を遠心分離によって回収した。液体は廃棄した。高含有量の固形物を85%アセトン15%水10リットルを用いて45℃〜50℃で抽出した後、その暖かい抽出物を濾過によって浄化した。その高含有量の濾液を濃縮蒸留してアセトンを除去すると、粗結晶の水性スラリーが生じた。その結晶スラリーを濾過した後、母液を廃棄した。その水で湿った結晶を塩化メチレン600ミリリットル中に研和して不純物を除去し、メタノール700ミリリットル中に(55℃への加熱によって)溶解し、次いでダルコ G−60 炭素5グラムを用いて脱色した。濾過して炭素を除去した後、濾液を濃縮して生成物を結晶化した。さらに酢酸n−ブチル300 mLを加えそして濃縮することによって、メタノールを除去して濃密な結晶スラリーとした。その結晶を濾過し、酢酸n−ブチルで洗浄した後、乾燥して粗結晶の5−アンドロステン−3β, 7β,11α−トリオール−17−オン75.5グラムを得た。
その粗結晶を塩化メチレン600ミリリットル中に磨砕して不純物をさらに除去し、メタノール700ミリリットル中に(55℃への加熱によって)溶解し、次いでダルコ G−60 炭素5グラムを用いて脱色した。濾過して炭素を除去した後、濾液を濃縮して生成物を結晶化した。さらに酢酸n−ブチル300 mLを加えそして濃縮することによって、メタノールを除去して濃密な結晶スラリーとした。その結晶を濾過し、酢酸n−ブチルで洗浄した後、乾燥して精製結晶の5−アンドロステン−3β, 7β,11α−トリオール−17−オン42.1グラムを得た。
【0085】
実施例6
5−アンドロステン−3β,11α−ジオール−17−オンからの5,9(11)−アンドロスタジエン−3β−オール−17−オンの製造
【化30】

【0086】
工程1
CH2C12(300mL)中の5−アンドロステン−3β,11α−ジオール−17−オン(30.4g,100ミリモル)のスラリーに、TMEDA(18.1mL, 120ミリモル)を加えた。そのスラリーを−10℃
に冷却した後、クロロギ酸メチル(7.72mL,100ミリモル)を加えた。反応を室温に加温した。TLCによると反応は完了しなかったので、さらにクロロギ酸メチル(772μL, 10ミリモル)を加えた。反応が完了したとTLCによって判断された時点で、EtOAc(300mL)およびH2O(l00mL)を加え、そして生成した層を分離した。有機相をH2O50mLで洗浄し、MgS04上で乾燥した後、濃縮して、放置中に凝固した油とした。その粗製生成物を、熱EtOAc/CH2CI2およびヘプタンから再結晶した。スラリーをさらに0〜5℃に冷却した後、生成物を濾過によって採集した。(22g, 60.8%化学物質)。そのカーボネートを、5%−20% アセトン/CH2CI2の勾配を用いて溶離したシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーによってさらに精製して、純粋なモノカーボネートを得た(20.57, 56.8%)。
【0087】
工程2
工程1のカーボネート(38.0g, 0.105 モル)をTHF 570 mL中に溶解した後、−35℃に冷却した。温度を−30℃未満に維持しながら、固体のPC15 (37.1g, 0.178 モル)を徐々に加えた。TLCが反応完了を示した時点で、混合物を冷却したNaHC03中に注入し、そして生成物を酢酸エチルで抽出した。有機層をMgS04上で乾燥した後、濃縮して油を得た。
【0088】
工程3
工程2のこの油をメタノール(500 ml)中に溶解し、そしてK2CO3 36.1gで処理した後、混合物を室温で15時間撹拌した。残留したカーボネートを濾過によって除去した。溶液を部分的に濃縮した後、水を加えて、所望するジエンアルコールを沈殿させ、それをオーブン中45℃で乾燥した。収量29.52g。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(II)
【化1】

〔式中、R3は、
(1)−H;
(2)−CO−R4であり:
4は、HまたはC1−C5アルキルであり;
17およびR18は、一緒になって=Oを形成するか、または
17およびR18は、それらが結合するステロイド主鎖のC17炭素原子と共に、式
【化2】

のラクトン環を形成し、
1−Z2は、単結合または二重結合のいずれかである〕の7β−ヒドロキシステロイド。
【請求項2】
3がHである請求項1記載の7β−ヒドロキシステロイド(II)。
【請求項3】
3が−C(O)−CH3である請求項2記載の7β−ヒドロキシステロイド(II)。
【請求項4】
17およびR18が=Oを形成する、請求項1記載の7β−ヒドロキシステロイド(II)。
【請求項5】
17、R18、およびステロイド主鎖のC17炭素原子がラクトン環を形成する、請求項1記載の7β−ヒドロキシステロイド(II)。
【請求項6】
ラクトン環が式
【化3】

に示されるαおよびβの立体化学を有する、請求項5記載の7β−ヒドロキシステロイド(II)。
【請求項7】
7β−ヒドロキシステロイド(II)が5−アンドロステン−3β,7β−ジオール−17−オンである、請求項1記載の7β−ヒドロキシステロイド(II)。
【請求項8】
7β−ヒドロキシステロイド(II)が5,9(11)−アンドロスタジエン−3β,7β−ジオール−17−オンである、請求項1記載の7β−ヒドロキシステロイド(II)。
【請求項9】
式(III)
【化4】

〔式中、R3は、
(1)−H;
(2)−CO−R4であり:
4は、HまたはC1−C5アルキルであり;
17およびR18は、一緒になって=Oを形成するか、または
17およびR18は、それらが結合するステロイド主鎖のC17炭素原子と共に、式
【化5】

のラクトン環を形成する〕の11α−ヒドロキシステロイド。
【請求項10】
3がHである請求項9記載の11α−ヒドロキシステロイド(III)。
【請求項11】
3が−C(O)−CH3である請求項10記載の11α−ヒドロキシステロイド(III
)。
【請求項12】
17およびR18が=Oを形成する、請求項9記載の11α−ヒドロキシステロイド(III)。
【請求項13】
17、R18、およびステロイド主鎖のC17がラクトン環を形成する、請求項9記載の11α−ヒドロキシステロイド(III)。
【請求項14】
ラクトン環が式
【化6】

に示されるαおよびβの立体化学を有する、請求項13記載の7β−ヒドロキシステロイド(II)。
【請求項15】
11α−ヒドロキシステロイドが5−アンドロステン−3β,11α−ジオール−17−オンである、請求項9記載の11α−ヒドロキシステロイド(III)。
【請求項16】
式(IV)
【化7】

〔式中、R3は、
(1)−H;
(2)−CO−R4であり:
4は、HまたはC1−C5アルキルであり;
17およびR18は、一緒になって=Oを形成するか、または
17およびR18は、それらが結合するステロイド主鎖のC17炭素原子と共に、式
【化8】

のラクトン環を形成する〕の7β,11α−ジヒドロキシステロイド。
【請求項17】
3がHである請求項16記載の7β,11α−ジヒドロキシステロイド(IV)。
【請求項18】
3が−C(O)−CH3である請求項17記載の7β,11α−ジヒドロキシステロイド(IV)。
【請求項19】
17およびR18が=Oを形成する、請求項16記載の7β,11α−ジヒドロキシステロイド(IV)。
【請求項20】
17、R18、およびステロイド主鎖のC17炭素原子がラクトン環を形成する、請求項16記載の7β,11α−ジヒドロキシステロイド(IV)。
【請求項21】
ラクトン環が式
【化9】

に示されるαおよびβの立体化学を有する、請求項16記載の7β−ヒドロキシステロイド(II)。
【請求項22】
7β,11α−ジヒドロキシステロイド(IV)が5−アンドロステン−3β,7β,11α−トリオール−17−オンである、請求項16記載の7β,11α−ジヒドロキシステロイド(IV)。
【請求項23】
式(II)
【化10】

〔式中、R3は、
(1)−H;
(2)−CO−R4であり:
4は、HまたはC1−C5アルキルであり;
17およびR18は、一緒になって=Oを形成するか、または
17およびR18は、それらが結合するステロイド主鎖のC17炭素原子と共に、式
【化11】

のラクトン環を形成し、
1−Z2は、単結合または二重結合のいずれかである〕の7β−ヒドロキシステロイドを製造する方法であって、
(1)式(I)
【化12】

(式中、R3、R17、R18およびZ1−Z2は、上述の定義の通りである)のΔ5−ステロイ
ドを、ディプロディアの7β−ヒドロキシラーゼと接触させること、
を含む、上記の方法。
【請求項24】
3がHである請求項23記載の7β−ヒドロキシステロイド(II)の製法。
【請求項25】
3が−C(O)−CH3である請求項24記載の7β−ヒドロキシステロイド(II)の製法。
【請求項26】
17およびR18が=Oを形成する、請求項23記載の7β−ヒドロキシステロイド(II)の製法。
【請求項27】
17、R18、およびステロイド主鎖のC17炭素原子がラクトン環を形成する、請求項23記載の7β−ヒドロキシステロイド(II)の製法。
【請求項28】
ラクトン環が式
【化13】

に示されるαおよびβの立体化学を有する、請求項23記載の7β−ヒドロキシステロイド(II)の製法。
【請求項29】
7β−ヒドロキシステロイド(II)が5−アンドロステン−3β,7β−ジオール−17−オンである、請求項23記載の7β−ヒドロキシステロイド(II)の製法。
【請求項30】
7β−ヒドロキシステロイド(II)が5,9(11)−アンドロスタジエン−3β,7β−ジオール−17−オンである、請求項23記載の7β−ヒドロキシステロイド(II)の製法。
【請求項31】
接触が発酵、細胞濃縮物、全細胞または無細胞の反応によるものである、請求項23記載の7β−ヒドロキシステロイド(II)の製法。
【請求項32】
接触が発酵によるものである、請求項31記載の7β−ヒドロキシステロイド(II)の製法。
【請求項33】
ディプロディアがディプロディア・ゴッシピナである、請求項23記載の7β−ヒドロキシステロイド(II)の製法。
【請求項34】
式(III)
【化14】

〔式中、R3は、
(1)−H;
(2)−CO−R4であり:
4は、HまたはC1−C5アルキルであり;
17およびR18は、一緒になって=Oを形成するか、または
17およびR18は、それらが結合するステロイド主鎖のC17炭素原子と共に、式
【化15】

のラクトン環を形成する〕の11α−ヒドロキシステロイドを製造する方法であって、
(1)式(I)
【化16】

(式中、R3、R17およびR18は、上述の定義の通りであり、そしてZ1−Z2は単結合である)のΔ5−ステロイドを、アスペルギルスの11α−ヒドロキシラーゼと接触させること、
を含む、上記の方法。
【請求項35】
3がHである請求項34記載の11α−ヒドロキシステロイド(III)の製法。
【請求項36】
3が−C(O)−CH3である請求項35記載の11α−ヒドロキシステロイド(III)の製法。
【請求項37】
17およびR18が=Oを形成する、請求項34記載の11α−ヒドロキシステロイド(III)の製法。
【請求項38】
17、R18、およびステロイド主鎖のC17炭素原子がラクトン環を形成する、請求項34記載の11α−ヒドロキシステロイド(III)の製法。
【請求項39】
ラクトン環が式
【化17】

に示されるαおよびβの立体化学を有する、請求項34記載の11α−ヒドロキシステロイド(III)の製法。
【請求項40】
11α−ヒドロキシステロイドが5−アンドロステン−3β,11α−ジオール−17−オンである、請求項34記載の11α−ヒドロキシステロイド(III)の製法。
【請求項41】
接触が発酵、細胞濃縮物、全細胞または無細胞の反応によるものである、請求項34記載の11α−ヒドロキシステロイド(III)の製法。
【請求項42】
接触が発酵によるものである、請求項41記載の11α−ヒドロキシステロイド(III)の製法。
【請求項43】
アスペルギルスがアスペルギルス・オクラセウスである、請求項34記載の11α−ヒドロキシステロイド(III)の製法。
【請求項44】
式(IV)
【化18】

〔式中、R3は、
(1)−H;
(2)−CO−R4であり:
4は、HまたはC1−C5アルキルであり;
17およびR18は、一緒になって=Oを形成するか、または
17およびR18は、それらが結合するステロイド主鎖のC17炭素原子と共に、式
【化19】

のラクトン環を形成する〕の7β,11α−ジヒドロキシステロイドを製造する方法であって、
(1)式(II)
【化20】

(式中、R3、R17およびR18は、上述の定義の通りであり、そしてZ1−Z2は一重結合である)の7β−ヒドロキシステロイドを、アスペルギルスの11α−ヒドロキシラーゼと接触させること、
を含む、上記の方法。
【請求項45】
3がHである請求項44記載の7β,11α−ジヒドロキシステロイド(IV)の製法。
【請求項46】
3が−C(O)−CH3である請求項45記載の7β,11α−ジヒドロキシステロイド(IV)の製法。
【請求項47】
17およびR18が=Oを形成する、請求項44記載の7β,11α−ジヒドロキシステロイド(IV)の製法。
【請求項48】
17、R18、およびステロイド主鎖のC17炭素原子がラクトン環を形成する、請求項44記載の7β,11α−ジヒドロキシステロイド(IV)の製法。
【請求項49】
ラクトン環が式
【化21】

に示されるαおよびβの立体化学を有する、請求項48記載の7β,11α−ジヒドロキシステロイド(IV)の製法。
【請求項50】
7β,11α−ジヒドロキシステロイド(IV)が5−アンドロステン−3β,7β,11α−トリオール−17−オンである、請求項48記載の7β,11α−ジヒドロキシステロイド(IV)の製法。
【請求項51】
接触が発酵、細胞濃縮物、全細胞または無細胞の反応によるものである、請求項48記載の7β,11α−ジヒドロキシステロイド(IV)の製法。
【請求項52】
接触が発酵によるものである、請求項51記載の7β,11α−ジヒドロキシステロイド(IV)の製法。
【請求項53】
アスペルギルスがアスペルギルス・オクラセウスである、請求項48記載の7β,11α−ジヒドロキシステロイド(IV)の製法。
【請求項54】
式(IV)
【化22】

〔式中、R3は、
(1)−H;
(2)−CO−R4であり:
4は、HまたはC1−C5アルキルであり;
17およびR18は、一緒になって=Oを形成するか、または
17およびR18は、それらが結合するステロイド主鎖のC17炭素原子と共に、式
【化23】

のラクトン環を形成する〕の7β,11α−ジヒドロキシステロイドを製造する方法であって、
(1)式(I)
【化20】

(式中、R3、R17およびR18は、上述の定義の通りであり、そしてZ1−Z2は単結合である)のΔ5−ステロイドをディプロディアの7β−ヒドロキシラーゼと接触させて、式(II)
【化25】

(式中、R3、R17およびR18は、上述の定義の通りであり、そしてZ1−Z2は一重結合である)の7β−ヒドロキシステロイドを製造し;
そして
(2)工程(1)の7β−ヒドロキシステロイド(II)をアスペルギルスの11α−ヒドロキシラーゼと接触させること、
を含む、上記の方法。
【請求項55】
3がHである請求項54記載の7β,11α−ジヒドロキシステロイド(IV)の製法。
【請求項56】
3が−C(O)−CH3である請求項55記載の7β,11α−ジヒドロキシステロイド(IV)の製法。
【請求項57】
17およびR18が=Oを形成する、請求項54記載の7β,11α−ジヒドロキシステロイド(IV)の製法。
【請求項58】
17およびR18が、それらが結合するステロイド主鎖のC17炭素原子と共にラクトン環を形成する、請求項54記載の7β,11α−ジヒドロキシステロイド(IV)の製法。
【請求項59】
ラクトン環が式
【化26】

に示されるαおよびβの立体化学を有する、請求項54記載の7β,11α−ジヒドロキシステロイド(IV)の製法。
【請求項60】
7β,11α−ジヒドロキシステロイド(IV)が5−アンドロステン−3β,7β,11α−トリオール−17−オンである、請求項54記載の7β,11α−ジヒドロキシステロイド(IV)の製法。
【請求項61】
接触が発酵、細胞濃縮物、全細胞または無細胞の反応によるものである、請求項54記載の7β,11α−ジヒドロキシステロイド(IV)の製法。
【請求項62】
接触が発酵によるものである、請求項61記載の7β,11α−ジヒドロキシステロイド(IV)の製法。
【請求項63】
ディプロディアがディプロディア・ゴッシピナである、請求項61記載の7β,11α−ジヒドロキシステロイド(IV)の製法。
【請求項64】
アスペルギルスがアスペルギルス・オクラセウスである、請求項61記載の7β,11α−ジヒドロキシステロイド(IV)の製法。
【請求項65】
工程(1)の7β−ヒドロキシステロイド(II)を工程(2)の接触の前に分離しない、請求項54記載の7β,11α−ジヒドロキシステロイド(IV)の製法。
【請求項66】
工程(1)の7β−ヒドロキシステロイド(II)を工程(2)の接触の前に分離する、請求項54記載の7β,11α−ジヒドロキシステロイド(IV)の製法。
【請求項67】
式(IV)
【化27】

〔式中、R3は、
(1)−H;
(2)−CO−R4であり:
4は、HまたはC1−C5アルキルであり;
17およびR18は、一緒になって=Oを形成するか、または
17およびR18は、それらが結合するステロイド主鎖のC17炭素原子と共に、式
【化28】

のラクトン環を形成する〕の7β,11α−ジヒドロキシステロイドを製造する方法であって、
(1)式(I)
【化29】

(式中、R3、R17およびR18は、上述の定義の通りであり、そしてZ1−Z2は単結合である)のΔ5−ステロイドを、アブシディアの7β,11α−ヒドロキシラーゼと接触させること、
を含む、上記の方法。
【請求項68】
3がHである請求項67記載の7β,11α−ジヒドロキシステロイド(IV)の製法。
【請求項69】
3が−C(O)−CH3である請求項68記載の7β,11α−ジヒドロキシステロイド(IV)の製法。
【請求項70】
17およびR18が=Oを形成する、請求項67記載の7β,11α−ジヒドロキシステロイド(IV)の製法。
【請求項71】
17およびR18が、それらが結合するステロイド主鎖のC17炭素原子と共にラクトン環を形成する、請求項67記載の7β,11α−ジヒドロキシステロイド(IV)の製法。
【請求項72】
ラクトン環が式
【化30】

に示されるαおよびβの立体化学を有する、請求項67記載の7β,11α−ジヒドロキシステロイド(IV)の製法。
【請求項73】
7β,11α−ジヒドロキシステロイド(IV)が5−アンドロステン−3β,7β,11α−トリオール−17−オンである、請求項67記載の7β,11α−ジヒドロキシステロイド(IV)の製法。
【請求項74】
接触が発酵、細胞濃縮物、全細胞または無細胞の反応によるものである、請求項67記載の7β,11α−ジヒドロキシステロイド(IV)の製法。
【請求項75】
接触が発酵によるものである、請求項74記載の7β,11α−ジヒドロキシステロイド(IV)の製法。
【請求項76】
アブシディアがアブシディア・コエルレアである、請求項67記載の7β,11α−ジヒドロキシステロイド(IV)の製法。
【請求項77】
式(I)
【化31】

〔式中、R3は、
(1)−H;
(2)−CO−R4であり:
4は、HまたはC1−C5アルキルであり;
17およびR18は、一緒になって=Oを形成するか、または
17およびR18は、それらが結合するステロイド主鎖のC17炭素原子と共に、式
【化32】

のラクトン環を形成し、
そしてZ1−Z2は二重結合である〕の5,9(11)−アンドロスタジエンを製造する方法であって、
(1)式(III)
【化33】

(式中、R3、R17およびR18は、上述の定義の通りである)の化合物を供して;そして
(2)11αヒドロキシル基を除去して、(式Iの)Z1およびZ2の間の二重結合を形成すること、
を含む、上記の方法。
【請求項78】
式IIIの化合物を供する工程に、式(I)
【化34】

(式中、R3、R17およびR18は、上述の定義の通りであり、そしてZ1−Z2は一重結合である)のΔ5−ステロイドをアスペルギルスの11α−ヒドロキシラーゼと接触させることを含む、請求項77記載の方法。

【公表番号】特表2006−507369(P2006−507369A)
【公表日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−502036(P2005−502036)
【出願日】平成15年3月21日(2003.3.21)
【国際出願番号】PCT/US2003/007791
【国際公開番号】WO2004/016640
【国際公開日】平成16年2月26日(2004.2.26)
【出願人】(504396379)ファルマシア・アンド・アップジョン・カンパニー・エルエルシー (130)
【Fターム(参考)】