説明

5−(4−フルオロフェニル)−1−[2−((2R,4R)−4−ヒドロキシ−6−オキソテトラヒドロピラン−2−イル)エチル]−2−イソプロピル−4−フェニル−1H−ピロール−3−カルボン酸フェニルアミドを合成するための新規な方法

【課題】 5−(4−フルオロフェニル)−1−[2−((2R,4R)−4−ヒドロキシ−6−オキソテトラヒドロピラン−2−イル)エチル]−2−イソプロピル−4−フェニル−1H−ピロール−3−カルボン酸フェニルアミドの新規な製造法を提供する。
【解決手段】化合物(7)


と他の化合物を溶媒中で水を除きながら反応させることからなる方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
5−(4−フルオロフェニル)−1−[2−((2R,4R)−4−ヒドロキシ−6−オキソテトラヒドロピラン−2−イル)エチル]−2−イソプロピル−4−フェニル−1H−ピロール−3−カルボン酸フェニルアミドを製造するための改良合成であって、シアノ酢酸メチルが8操作又はそれより少ない操作で望まれる生成物に、並びに、本方法において用いられる他の価値ある中間体に転化される合成が記載される。
【背景技術】
【0002】
5−(4−フルオロフェニル)−1−[2−((2R,4R)−4−ヒドロキシ−6−オキソテトラヒドロピラン−2−イル)エチル]−2−イソプロピル−4−フェニル−1H−ピロール−3−カルボン酸フェニルアミドは、化学名[R−(R*,R*)]−2−(4−フルオロフェニル)−β,δ−ジヒドロキシ−5−(1−メチルエチル)−3−フェニル−4−[(フェニルアミノ)カルボニル]−1H−ピロール−1−ヘプタン酸カルシウム塩(2:1)三水和物によって知られるリピトール(登録商標)(アトルバスタチンカルシウム)の合成における価値ある中間体である。前述の化合物は、酵素3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル補酵素Aレダクターゼ(HMG−CoAレダクターゼ)の阻害剤として有用であり、従って、脂質低下剤及び/又はコレステロール低下剤として有用である。
【0003】
参照によって本明細書に取り込まれる米国特許第4,681,893号は、trans(±)−5−(4−フルオロフェニル)−2−(1−メチルエチル)−N,4−ジフェニル−1−[(2−テトラヒドロ−4−ヒドロキシ−6−オキソ−2H−ピラン−2−イル)エチル]−1H−ピロール−3−カルボキサミドを包含する一定のtrans−6−[2−(3−又は4−カルボキサミド置換ピロール−1−イル)アルキル]−4−ヒドロキシピラン−2−オンを開示している。
参照によって本明細書に取り込まれる米国特許第5,273,995号は、trans−5−(4−フルオロフェニル)−2−(1−メチルエチル)−N,4−ジフェニル−1−[(2−テトラヒドロ−4−ヒドロキシ−6−オキソ−2H−ピラン−2−イル)エチル]−1H−ピロール−3−カルボキサミドの開環した酸の(R,R)形態を有する鏡像異性体、即ち、[R−(R*,R*)]−2−(4−フルオロフェニル)−β,δ−ジヒドロキシ−5−(1−メチルエチル)−3−フェニル−4−[(フェニルアミノ)カルボニル]−1H−ピロール−1−ヘプタン酸を開示している。
参照によって本明細書に取り込まれる米国特許第5,003,080号;第5,097,045号;第5,103,024号;第5,124,482号;第5,149,837号;第5,155,251号;第5,216,174号;第5,245,047号;第5,248,793号;第5,280,126号;第5,397,792号;第5,342,952号;第5,298,627号;第5,446,054号;第5,470,981号;第5,489,690号;第5,489,691号;第5,510,488号;第5,998,633号;及び第6,087,511号は、アトルバスタチンを製造するための種々の方法及び鍵となる中間体を開示している。
アトルバスタチンカルシウムの結晶形は、参照によって本明細書に取り込まれる米国特許第5,969,156号及び第6,121,461号中に開示されている。
【0004】
5−(4−フルオロフェニル)−1−[2−((2R,4R)−4−ヒドロキシ−6−オキソテトラヒドロピラン−2−イル)エチル]−2−イソプロピル−4−フェニル−1
H−ピロール−3−カルボン酸フェニルアミドを製造するための合成操作は、米国特許第5,273,995号中に開示されている。
β−ケトエステル並びにβ−ジケトンの不斉還元は、有機合成において充分に確立された変換である。しかしながら、1,3,5−トリカルボニル系の場合においてはこれら反応の複雑さは増大するので、しばしば僅かな収率及び僅かな立体選択性しか得られない。事実、Saburi (Tetrahedron, 1997,1993; 49) 及び Carpentier (Eur. J. Org. Chem. 1999; 3421) による研究により、独立して、ジケトエステル不斉水素化にてついての低〜中程度のジアステレオ及び/又はエナンチオ選択性が証明されている。更に、先行技術における方法は高圧の水素化及び長い反応時間を必要とするという事実は、これら操作を、非実用的で、大規模製造方法に適用できないものにしている。
【0005】
しかしながら、本発明者らは、驚くべきことに、そして意外にも、本発明のジオールエステルである(R)−7−[2−(4−フルオロフェニル)−5−イソプロピル−3−フェニル−4−フェニルカルバモイルピロール−1−イル]−3,5−ジヒドロキシへプタン酸エステルが、対応する1,3,5−トリカルボニル前駆体から、プロトン酸のような二次的活性化剤の存在下で、キラルで非ラセミ体のジホスフィンリガンドを利用する温和で効率的なルテニウム触媒不斉水素化反応を介した高度に立体選択的なやり方で、直接得られ得ることを見出した。
本発明の目的は、5−(4−フルオロフェニル)−1−[2−((2R,4R)−4−ヒドロキシ−6−オキソテトラヒドロピラン−2−イル)エチル]−2−イソプロピル−4−フェニル−1H−ピロール−3−カルボン酸フェニルアミドを製造するための短くて効率的な方法である。本方法は、高価なキラル原料((R)−4−シアノ−3−ヒドロキシ酪酸エチルエステル)、及び低温ジアステレオ選択的ボラン還元の使用を回避する。更に、本方法と先行技術の方法に共通する重要なPaal−Knorr縮合工程が、反応時間の有意な減少を通じて改良された。
従って、本方法は、先行技術の方法にまさる有意な利点を有し、そして大規模合成に適用できるものである。
【発明の要旨】
【0006】
従って、本発明の第一の側面は、式(13):
【0007】
【化1】

【0008】
の化合物を製造するための改良方法であって:
(a)式(1)
【化2】

【0009】
(式中、Rは、アルキル、アリール、アリールアルキル又はヘテロアリールである。)の化合物を、溶媒中で、式(2):
1−H (2)
(式中、R1は、−XRであって、
Xが、O、
S若しくは
Seであるか、又は、R1は、
NR23であって、R2又はR3が、独立して、
アルキル、
シクロアルキル、
アリールアルキル若しくは
アリールであるか、又は、
2及びR3が一緒になって、
−(CH2)4−、
−(CH2)5−、
−(CH(R4)−CH2)3−、
−(CH(R4)−CH2)4−、
−(CH(R4)−(CH2)2−CH(R4))−、
−(CH(R4)−(CH2)3−CH(R4))−、
−CH2−CH2−A−CH2−CH2−、
−CH(R4)−CH2−A−CH2−CH2−、
−CH(R4)−CH2−A−CH2−CH(R4)−であり、
ここで、R4は、1〜4炭素原子のアルキルであり、Aは、O、S又はNであり、そして
、Rは、上で定義された通りである。)
の化合物と反応させて、式(3):
【0010】
【化3】

【0011】
(式中、R1は、上で定義された通りである。)
の化合物を与え;
(b)式(3)の化合物を、触媒及び強酸の存在下で溶媒中で、水素と反応させて、式(4):
【0012】
【化4】

【0013】
(式中、Yは、Cl、Br、TsO、MsO又はHSO4であり、そして、R1は、上で定義された通りである。)
の化合物を与え;
(c)式(4)の化合物を、溶媒中で塩基と反応させてから、溶媒中の式(5):
R−CO2H (5)
(式中、Rは、上で定義された通りである。)
の化合物を加えて、式(6)
【0014】
【化5】

【0015】
(式中、R及びR1は、上で定義された通りである。)
の化合物を与え;
(d)式(6)の化合物を、化合物(7):
【0016】
【化6】

と、溶媒中で水を除きながら反応させて、式(8):
【0017】
【化7】

【0018】
(式中、R1は、上で定義された通りである。)
の化合物を与え;
(e)式(8)の化合物を、溶媒中で強塩基の存在下で、式(9):
【0019】
【化8】

【0020】
(式中、Mは、ナトリウム、リチウム、カリウム、亜鉛、マグネシウム、銅、カルシウム又はアルミニウムであり、そしてR1は、上で定義された通りである。)
の化合物と反応させて、式(10):
【0021】
【化9】

【0022】
(式中、R1は、上で定義された通りである。)
の化合物を与え;
(f)式(10)の化合物を、触媒の存在下で、溶媒中、酸の存在下で、水素と反応させて、式(11)
【0023】
【化10】

(式中、R1は、上で定義された通りであるか又は、式(11a):
【0024】
【化11】

の化合物である。)
の化合物を与え;
(g)式(11b):
【0025】
【化12】

【0026】
(式中、R1aは、OH、XRであって、
Xが、O、
S若しくは
Seであるか、又は、R1aは、
NR23であって、R2又はR3が、独立して、
アルキル、
シクロアルキル、
アリールアルキル若しくは
アリールであるか、又は、
2及びR3が一緒になって、
−(CH2)4−、
−(CH2)5−、
−(CH(R4)−CH2)3−、
−(CH(R4)−CH2)4−、
−(CH(R4)−(CH2)2−CH(R4))−、
−(CH(R4)−(CH2)3−CH(R4))−、
−CH2−CH2−A−CH2−CH2−、
−CH(R4)−CH2−A−CH2−CH2−、
−CH(R4)−CH2−A−CH2−CH(R4)−であり、
ここで、R4は、1〜4炭素原子のアルキルであり、Aは、O、S又はNであり、そして
、Rは、上で定義された通りである。)
の化合物を、溶媒中で酸の存在下で反応させてから、溶媒中で、塩基、アシル化剤及びアシル化触媒と反応させて、式(12):
【0027】
【化13】

【0028】
の化合物を与え;そして
(h)式(12)の化合物を、HO−M(Mは、ナトリウム、リチウム、カリウム、亜鉛、マグネシウム、銅、カルシウム又はアルミニウムである。)と、式(17)又は(17b):
HOCH2−アリール (17) 又は HO−アリル (17b)
のアルコール中で、又は、式(16)又は(16b):
【0029】
【化14】

【0030】
(式中、Mは、上で定義された通りである。)
の化合物と、式(17)又は(17b)のアルコール中で(式(16)又は(16b)と(17)又は(17b)の化合物中のアリール又はアリルは同じものである。)溶媒中で反応させてから、触媒及び酸の存在下で水素を加えて、式(13)の化合物を与える工程を含んでなる方法である。
本発明の第二の側面は、式(8):
【0031】
【化15】

【0032】
(式中、R1は、上で定義された通りである。)
の化合物を製造するための改良方法であって:
式(4):
【化16】

【0033】
(式中、Yは、Cl、Br、TsO、MsO又はHSO4であり、そして、R1は、上で定義された通りである。)
の化合物を、式(20):
【0034】
【化17】

【0035】
(式中、R及びMは、上で定義された通りである。)
の化合物と、化合物(7):
【化18】

【0036】
と、溶媒中で水を除きながら反応させて、式(8)の化合物を与えることを含んでなる方法である。
本発明の第3の側面は、化合物(13):
【0037】
【化19】

【0038】
を製造するための改良方法であって:
(a)式(11)の化合物を、式(15):
【化20】

【0039】
(式中、R5及びR5aは、独立して同じか異なっていて、メチル、エチル又は−(CH2)n−(nは2〜4の整数である。)であり、そして、Rは、上で定義された通りである。)のアセタールと、溶媒中で酸の存在下で反応させてから、塩基の存在下で先のアセタールに対応するアルデヒドを加えて、式(14):
【0040】
【化21】

【0041】
(式中、R1及びRは、上で定義された通りである。)
の化合物を与え;
(b)式(14)の化合物を、親核性溶媒中で酸の存在下で反応させるか、又は場合によって触媒及び酸の存在下で、溶媒中で水素と反応させて、式(13)の化合物を与え;あるいは
(c)式(11)又は(11a)の化合物を、非親核性溶媒中で酸の存在下で反応させて、式(13)の化合物を与える工程を含んでなる方法である。
本発明の第4の側面は、式(11b):
【0042】
【化22】

【0043】
(式中、R1aは、OH、−XRであって、
Xが、O、
S若しくは
Seであるか、又は、R1aは、
NR23であって、R2又はR3が、独立して、
アルキル、
シクロアルキル、
アリールアルキル若しくは
アリールであるか、又は、
2及びR3が一緒になって、
−(CH2)4−、
−(CH2)5−、
−(CH(R4)−CH2)3−、
−(CH(R4)−CH2)4−、
−(CH(R4)−(CH2)2−CH(R4))−、
−(CH(R4)−(CH2)3−CH(R4))−、
−CH2−CH2−A−CH2−CH2−、
−CH(R4)−CH2−A−CH2−CH2−、
−CH(R4)−CH2−A−CH2−CH(R4)−であり、
ここで、R4は、1〜4炭素原子のアルキルであり、Aは、O、S又はNであり、そして
、Rは、アルキル、アリール、アリールアルキル又はヘテロアリールである。)
の化合物を製造するための方法であって:
(a)式(10):
【0044】
【化23】

【0045】
(式中、R1は、上で定義された通りである。)
の化合物を、触媒の存在下、溶媒中で、酸の存在下で、1モルの水素と反応させて、式(18)及び/又は(18a):
【0046】
【化24】

【0047】
(式中、R1は、上で定義された通りである。)
の化合物を与え;そして
(b)式(18)又は(18a)の化合物のいずれかを、触媒の存在下、溶媒中で、酸の存在下で、水素と反応させて、式(11b)の化合物を与える工程を含んでなる方法である。
本発明の第5の側面は、式(6):
【0048】
【化25】

【0049】
(式中、Rは、アルキル、アリール、アリールアルキル又はヘテロアリールであり、そして、R1は、−XRであって、
Xが、O、
S若しくは
Seであるか、又は、R1は、
NR23であって、R2又はR3が、独立して、
アルキル、
シクロアルキル、
アリールアルキル若しくは
アリールであるか、又は、
2及びR3が一緒になって、
−(CH2)4−、
−(CH2)5−、
−(CH(R4)−CH2)3−、
−(CH(R4)−CH2)4−、
−(CH(R4)−(CH2)2−CH(R4))−、
−(CH(R4)−(CH2)3−CH(R4))−、
−CH2−CH2−A−CH2−CH2−、
−CH(R4)−CH2−A−CH2−CH2−、
−CH(R4)−CH2−A−CH2−CH(R4)−であり、
ここで、R4は、1〜4炭素原子のアルキルであり、Aは、O、S又はNであり、そして
、Rは、上で定義された通りである。)
の化合物である。
特に好ましいものは、RがPhCH2−又は(CH3)3−C−であり、R1
【0050】
【化26】

である、式(6)の化合物である。
特により好ましいものは、RがPhCH2−であり、R1
【0051】
【化27】

である、式(6)の化合物である。
本発明の第6の側面は、式(8):
【0052】
【化28】

(式中、R1は、上で定義された通りである。)
の化合物である。
特に好ましいものは、R1
【0053】
【化29】

である、式(8)の化合物である。
本発明の第7の側面は、式(10):
【0054】
【化30】

【0055】
(式中、R1は、上で定義された通りである。)
の化合物又は薬学的に許容できるその塩である。
特に好ましいものは、R1が−O−t−ブチル、−O−イソプロピル、−O−エチル、
−O−メチル、
【0056】
【化31】

又は−NMe2である、式(10)の化合物である。
本発明の第8の側面は、式(12):
【0057】
【化32】

の化合物である。
本発明の第9の側面は、式(18):
【0058】
【化33】

(式中、R1は、上で定義された通りである。)
の化合物又は薬学的に許容できるその塩である。
特に好ましいのものは、R1が−O−t−ブチル、−O−イソプロピル、−O−エチル
、−O−メチル、
【0059】
【化34】

又は−NMe2である、式(18)の化合物である。
本発明の第10の側面は、式(18a):
【0060】
【化35】

【0061】
(式中、R1は、上で定義された通りである。)
の化合物又は薬学的に許容できるその塩である。
特に好ましいものは、R1が−O−t−ブチル、−O−イソプロピル、−O−エチル、
−O−メチル、
【0062】
【化36】

又は−NMe2である、式(18)の化合物である。
【発明の詳しい説明】
【0063】
“アルキル”という用語は、1〜8炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖の炭化水素基を意
味し、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル等が含まれる。
“アルコキシ”及び“チオアルコキシ”は、“アルキル”については上で定義された通りである1〜6炭素原子のO−アルキル又はS−アルキルである。
“シクロアルキル”という用語は、3〜8炭素原子を有する飽和炭化水素環を意味し、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロへキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル等が含まれる。
“アリール”という用語は、フェニル基;フェニルアルキル基;上で定義されたアルキル、上で定義されたアルコキシ、上で定義されたチオアルコキシ、ハロゲン、トリフルオロメチル、アルキルについては上で定義された通りであるジアルキルアミノ、ニトロ、シアノ、アルキルが上で定義された通りである−C(O)−N(アルキル)2、−(CH2)n2−N(アルキル)2(n2は1〜5の整数であり、アルキルは上で定義された通りである。)、及び、アルキルとn2が上で定義された通りである−(CH2)n2−N(アルキル)−C
(O)−アルキルから選択される1〜4の置換基によって置換されたフェニル基である、芳香族基を意味する。
【0064】
“アリル”という用語は、3〜8炭素原子の炭化水素基であって、2位炭素と3位炭素の間に二重結合を含有し、未置換であるか、又は上に定義されたアルキル又はアリールから選択される1〜3の置換基によってその二重結合を含有する炭素上で置換された炭化水素基を意味し、例えば、プロペニル、2−ブテニル、シンナミル等が含まれる。
“アリールアルキル”という用語は、アリール及びアルキルが上で定義された通りである、アルキル基に付いた芳香族基を意味し、例えば、ベンジル、フェニルエチル、3−フェニルプロピル、(4−クロロフェニル)メチル等を意味する。
“アルカリ金属”は、周期律表のIA族の金属であり、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等が含まれる。
“アルカリ土類金属”は、周期律表のIIA族の金属であり、例えば、カルシウム、バリウム、ストロンチウム、マグネシウム等が含まれる。
【0065】
“ヘテロアリール”という用語は、N、O及びSから選択される1〜3のへテロ原子を含有する、場合によってベンゼン環に縮合してもよい5員及び6員ヘテロ芳香族基を意味し、例えば、上で定義されたアルキル、上で定義されたアルコキシ、上で定義されたチオアルコキシ、ハロゲン、トリフルオロメチル、アルキルが上で定義された通りであるジアルキルアミノ、ニトロ、シアノ、アルキルが上で定義された通りである−C(O)−N(アルキル)2、−(CH2)n2−N(アルキル)2(n2は1〜5の整数であって、アルキルは上で定義された通りである。)、及びアルキルとn2は上で定義された通りである−(CH2)n2−N(アルキル)−C(O)−アルキルから選択される置換基によって場合により置換
された、2−又は3−チエニル、2−又は3−フラニル、2−又は3−ピロリル、2−、3−又は4−ピリジニル、2−ピラジニル、2−、4−又は5−ピリミジニル、3−又は4−ピリダジニル、1H−インドール−6−イル、1H−インドール−5−イル、1H−ベンズイミダゾール−6−イル、1H−ベンズイミダゾール−5−イル、2−、4−又は5−チアゾリル、3−、4−又は5−イソチアゾリル、2−、4−又は5−イミダゾリル、3−、4−又は5−ピラゾリル、又は2−又は5−チアジアゾリル等であるヘテロ芳香族基が含まれる。
【0066】
本発明の化合物の薬学的に許容できる酸付加塩には、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、フッ化水素酸、亜リン酸等のような無機酸から誘導される塩、並びに、脂肪族モノ及びジカルボン酸、フェニル置換アルカン酸、ヒドロキシアルカン酸、アルカン二酸、芳香族酸、脂肪族及び芳香族スルホン酸等のような無毒性有機酸等から誘導される塩が含まれる。従って、そのような塩には、硫酸塩、ピロ硫酸塩、重硫酸塩、亜
硫酸塩、重亜流酸塩、硝酸塩、リン酸塩、リン酸一水素塩、リン酸二水素塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、プロピオン酸塩、カプリル酸塩、イソ酪酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、スクシン酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、フタル酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、フェニル酢酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩等が含まれる。やはり意図されるものは、アルギニン塩等のようなアミノ酸の塩、及びグルコン酸塩、ガラクツロン酸塩 (例えば、Berge S. M. et al., "Pharmaceutical Salts," J. of Pharma. Sci., 1977; 66: 1 を参照) である。
【0067】
前記塩基性化合物の酸付加塩は、慣用的なやり方でそのフリー塩基形態を十分な量の望まれる酸と接触させて塩を生成することによって製造される。そのフリー塩基形態は、慣用的なやり方でその塩形態を塩基に接触させてフリー塩基を単離することによって再生され得る。それらフリー塩基形態は、極性溶媒中の溶解性のような一定の物理的特性においてそれらそれぞれの塩形態と多少異なるが、他の点では、それら塩は、本発明の目的のためのそれらそれぞれのフリー塩基と等価である。
薬学的に許容できる塩基付加塩は、アルカリ金属及びアルカリ土類金属又は有機アミンのような金属又はアミンと形成される。カチオンとして用いられる金属の例は、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム等である。適するアミンの例は、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、エチレンジアミン、N−メチルグルカミン及びプロカインである (例えば、Berge S.M. et al., Pharmaceutical Salts," J. of Pharma Sci., 1977; 66: 1 を
参照)。
【0068】
前記酸性化合物の塩基付加塩は、慣用的なやり方でそのフリー酸形態を十分な量の望まれる塩基に接触させてその塩を生成することによって製造される。そのフリー酸形態は、慣用的なやり方でその塩形態を酸と接触させてフリー酸を単離することによって再生されうる。それらフリー酸形態は、極性溶媒中の溶解性のような一定の物理的特性においてそれらそれぞれの塩形態と多少異なるが、他の点では、それら塩は、本発明の目的のためのそれらそれぞれのフリー酸と等価である。
更に、本発明の化合物は、未溶媒和形態でも、並びに、水和形態を包含する溶媒和形態でも存在し得る。一般に、水和形態を包含するそれら溶媒和形態は、未溶媒和形態と等価であり、本発明の範囲内に包含されることが意図される。
【0069】
次のリストは、スキーム及びテキスト内で使用されている略語及び頭字語を含有する:
2SO4:硫酸
NaOMe:ナトリウムメトキシド
MeOH:メタノール
MtBE:メチルt−ブチルエーテル
GC:ガスクロマトグラフィー
Pt/C:炭素担持白金
Pd/C:炭素担持パラジウム
2:水素
HCl:塩酸
Hg:水銀
psi:ポンド毎平方インチ
iPrOH(IPA):イソプロピルアルコール
HPLC:高圧液体クロマトグラフィー
NaOH:水酸化ナトリウム
CH2C12:ジクロロメタン(塩化メチレン)
DMSO−d6:重水素化ジメチルスルホキシド
THF:テトラヒドロフラン
Na2SO4:硫酸ナトリウム
nBuLi:n−ブチルリチウム
NaCl:塩化ナトリウム
KOtBu:カリウムt−ブトキシド
NaHCO3:重炭酸ナトリウム
BnOH:ベンジルアルコール
Pd(OH)2/C:炭素担持水酸化パラジウム
2O:水
PivOH:ピバル酸
PhCHO:ベンズアルデヒド
PhCH3:トルエン
CDC13:重水素化クロロホルム
BnONa:ナトリウムベンジレート
NH4OH:水酸化アンモニウム
PhCH(OMe)2:ベンズアルデヒドジメチルアセタール
MsOH:メタンスルホン酸
pTsOH:パラトルエンスルホン酸
CSA:カンファースルホン酸
Ph:フェニル
NaH:水素化ナトリウム
KH:水素化カリウム
EtOAc:酢酸エチル
tBuOH(HOtBu):t−ブタノール
PhCH2CO2H:フェニル酢酸
NaNH2:ナトリウムアミド
KHMDS:カリウムヘキサメチルジシラジド
LAH:水素化リチウムアルミニウム
Pd/A123:アルミナ担持パラジウム
APCI:大気圧化学イオン化
ESI:エレクトロスプレーイオン化
DC:直接化学イオン化
1H NMR:プロトン核磁気共鳴分光法
13C NMR:13炭素核磁気共鳴分光法
BINAP:(R)−(+)−2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル
pTol−BINAP:(R)−(+)−ビス(ジ−p−トリルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル
Cl−MeO−BIPHEP:[(R)−(+)−5,5’ジクロロ−6,6’−ジメ
トキシ[1,1’−ビフェニル]−2,2’−ジイル]−ビス−ジフェニルホスフィン
C2−TunaPhos:[(12aR)−6,7−ジヒドロジベンゾ[e,g][1,4]ジオキソシン−1,12−ジイル]−ビス−ジフェニルホスフィン
C4−TunaPhos:[(14aR)−6,7,8,9−テトラヒドロジベンゾ[b,d][1,6]ジオキセシン−1,14−ジイル]−ビス−ジフェニルホスフィン
MeO−BIPHEP:[(1S)−(−)−6,6’−ジメトキシ[1,1’−ビフェニル]−2,2’−ジイル]−ビス−ジフェニルホスフィン
p−シメン:4−イソプロピルトルエン
ee:エナンチオマー過剰率
HRMS 高分解質量分析法
m/z 質量の電荷に対する比率
tR 保持時間
本発明の方法は、それの第1の側面では、式(13):
【0070】
【化37】

【0071】
の化合物を製造するための、新規で改良された経済的で商業的に実施できる方法である。
第1の側面にける本発明の方法が、スキーム1で概説される。かくして、Rが、アルキル、アリール,アリールアルキル又はヘテロアリールである、式(1)の化合物は、例えば、メチルt−ブチルエーテル等のような溶媒中で、R1が、XRであって、
Xが、O、
S若しくは
Seであるか、又は、R1が、
NR23であって、R2又はR3が、独立して、
アルキル、
シクロアルキル、
アリールアルキル若しくは
アリールであるか、又は、
2及びR3が一緒になって、
−(CH2)4−、
−(CH2)5−、
−(CH(R4)−CH2)3−、
−(CH(R4)−CH2)4−、
−(CH(R4)−(CH2)2−CH(R4))−、
−(CH(R4)−(CH2)3−CH(R4))−、
−CH2−CH2−A−CH2−CH2−、
−CH(R4)−CH2−A−CH2−CH2−、
−CH(R4)−CH2−A−CH2−CH(R4)−であり、
ここで、R4が1〜4炭素原子のアルキルであり、Aが、O、S又はNであり、そして、
Rが上で定義された通りである、式(2)の化合物と反応されて、R1が上で定義された
通りである式(3)の化合物を与える。好ましくは、その反応は、メチルt−ブチルエーテル中で、R1−Hがモルホリンである式(2)の化合物と行われる。
【0072】
式(3)の化合物は、例えば、Pt/C、Pd/Cのような触媒の存在下で、例えば、強酸のような酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、硫酸等の存在下で、水素と(場合によって、その還元は、スポンジNi/NH4OH
、金属水素化物等で行われて、式(4)の化合物のフリー塩基を与える)、例えば、メタ
ノール、エタノール等のような溶媒中で反応されて、Yが、Cl、Br、TsO、MsO又はHSO4であり、R1が上で定義された通りである式(4)の化合物を与える。
好ましくは、その反応は、Pt/C、塩酸及び水素の存在下で、メタノール中で行われる。
式(4)の化合物は、例えば、テトラヒドロフラン、トルエン、メチルt−ブチルエーテル等のような溶媒や、例えば、イソプロパノール、エタノール、メタノール等のようなアルコールの中で、例えば、ナトリウムメトキシド等のような塩基と反応されて、そのフリー塩基を与えた後に、例えば、イソプロピルアルコール、テトラヒドロフラン等のような溶媒中で、Rが上で定義された通りである式(5)の化合物と反応されて、Rが上で定義された通りである式(6)の化合物を与える。場合によって、式(4)の化合物のフリー塩基が、式(5)の化合物と反応されて、式(6)の化合物をもたらしてもよい。好ましくは、その反応は、メチルt−ブチルエーテル及びメタノール中でナトリウムメトキシドで行われてそのフリー塩基をもたらした後に、テトラヒドロフラン中でフェニル酢酸
(phenylacetic) と反応される。
【0073】
式(6)の化合物は、例えば、プロトン性、非プロトン性、極性又は非極性溶媒のような溶媒、例えば、テトラヒドロフラン等の中で、例えば、モレキュラーシーブ等のような化学乾燥剤を用いて、又はDean−Stark水トラップを用いて、又は、例えばトルエン等のような適する溶媒での共沸蒸留を用いて、水を除きながら、式(7)の化合物と反応されて、R1が上で定義された通りである式(8)の化合物を与える。好ましくは、
その反応は、テトラヒドロフラン中で、活性化された3Aモレキュラーシーブで行われる。
式(8)の化合物は、例えば、非反応性で非プロトン性の溶媒、例えば、テトラヒドロフラン、トルエン等のような溶媒中で、例えば、n−ブチルリチウム、リチウム若しくはカリウムヘキサメチルジシラジド、リチウムジイソプロピルアミド等のような強塩基の存在下で、Mが、ナトリウム、リチウム、カリウム、亜鉛、マグネシウム、銅、カルシウム又はアルミニウムであり、R1が上で定義された通りである、式(9)の化合物と反応さ
れて、R1が上で定義された通りである、式(10)の化合物を与える。好ましくは、そ
の反応は、Mがナトリウムである式(9)の化合物と行われ、塩基はn−ブチルリチウムであり、そして溶媒はテトラヒドロフランである。
【0074】
スキーム1中の式(10)の化合物のカルボニルは、ケト形態で示されている。しかしながら、式(10)の化合物は“ケト−エノール”互変異性を受けるので、本発明の範囲内に包含される幾つかの互変異性形態で存在することができる。
式(10)の化合物は、例えば、キラルで非ラセミ体のルテニウム(II)−ジホスフィン錯体等のような触媒の存在下で水素で処理される。例えば、[ジクロロ(1,5−シクロオクタジエン)]ルテニウム(II)オリゴマーのようなルテニウム触媒前駆体と、[(R)−(+)−2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル]のようなキラルジホスフィンリガンドである。しかしながら、キラルで非ラセミ体のルテニウム(II)/ジホスフィンのいずれの組み合わせも、この還元反応において使用され得る。例えば、ルテニウム(II)触媒前駆体には、[ジブロモ(1,5−シクロオクタジエン)]ルテニウム(II)ダイマー、[ビス(2−メタニル)シクロオクタ−1,5−ジエン]ルテニウム(II)錯体及び[ジクロロ(p−シメン)]ルテニウム(II)ダイマー等が含まれる。効果的なキラルジホスフィンリガンドの例には、2,2’−ビス(ジ−p−トリルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、2−ジフェニルホスフィノメチル−4−ジフェニルホスフィノ−1−t−ブトキシカルボニルピロリジン、トリクロロ[8.2.2.24,7]ヘキサデカ−4,6,10,12,13,15−ヘキサエン−5,11−ジイル−ビス(ジフェニルホスフィン)誘導体、4,4’−ビジベンゾフラン−3,3’−ジイルビス(ジフェニルホスフィン)、6,6’−ジメトキシ[1,1’−ビフェニル]−2,2’−ジイル]−ビス−ジフェニルホスフィン、[5,5’−ジクロロ−6,6’−ジ
メトキシ[1,1’−ビフェニル]−2,2’−ジイル]−ビス−ジフェニルホスフィン及び1,2−ビス(2,5−ジメチルホスホラノ)誘導対等が含まれ、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のような溶媒中で、場合によって、例えば、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、トルエン等のような共溶媒の存在下で、例えば、塩酸、臭化水素酸、Dowex(登録商標)イオン交換樹脂等のような酸の存在下で、R1が上
で定義された通りである式(11)の化合物又は式(11a)の化合物を与える。好ましくは、その反応は、メタノール中、臭化水素酸の存在下で、ジクロロ(p−シメン)ルテニウム(II)ダイマーと[(R)−(+)−5,5’−ジクロロ−6,6’−ジメトキシ[1,1’−ビフェニル]−2,2’−ジイル]−ビス−ジフェニルホスフィンで行われる。
【0075】
式(11b)(式中、R1aは、OH、−XRであって、
Xが、O、
S若しくは
Seであるか、又は、R1aは、
NR23であって、R2又はR3が、独立して、
アルキル、
シクロアルキル、
アリールアルキル若しくは
アリールであるか、又は、
2及びR3が一緒になって、
−(CH2)4−、
−(CH2)5−、
−(CH(R4)−CH2)3−、
−(CH(R4)−CH2)4−、
−(CH(R4)−(CH2)2−CH(R4))−、
−(CH(R4)−(CH2)3−CH(R4))−、
−CH2−CH2−A−CH2−CH2−、
−CH(R4)−CH2−A−CH2−CH2−、
−CH(R4)−CH2−A−CH2−CH(R4)−であり、
ここで、R4は、1〜4炭素原子のアルキルであり、Aは、O、S又はNであり、そし
て、Rは、アルキル、アリール、アリールアルキル又はヘテロアリールである。)の化合物は、例えば、トルエン、アセトニトリル、ジクロロメタン、メチルt−ブチルエーテル等のような非親核性溶媒中で、例えば、p−トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、硫酸、塩化水素等のような酸と反応されてから、例えば、トリエチルアミン、ピリジン、ジイソプロピルエチルアミン等のような塩基と、例えば、無水酢酸、塩化ベンゾイル、クロロ蟻酸ベンジル等のようなアシル化剤とで、4−ジメチルアミノピリジンの存在下で反応されて、式(12)の化合物を与える。好ましくは、その反応は、トルエン中でp−トルエンスルホン酸の存在下で行われてから、トルエン中で、トリエチルアミン、無水酢酸及び4−ジメチルアミノピリジンで処理される。
【0076】
式(12)の化合物は、Mが、ナトリウム、リチウム、カリウム、亜鉛、マグネシウム、銅、カルシウム又はアルミニウムであるHO−Mと、式(17)又は(17b)のアルコール中で、又はMが上で定義された通りである式(16)又は(16b)の化合物と、式(17)又は(17b)のアルコール中で(式(16)又は(16b)と(17)又は(17b)の化合物中のアリール又はアリルは同じものである。)、例えば、非親核性溶媒のような任意の共溶媒、例えば、アセトン、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン等の中で反応されてから、例えば、Pd(OH)2/C、Pd/C、Pd/Al23等のような触媒の存在下で、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸等のような酸の存在下で、水素が加えられて、式(13)の化合物を与える。好ましくは、その反応は、ベンジルア
ルコール中で水酸化ナトリウムで行われてから、Pd(OH)2/C及び硫酸の存在下で水素化される。
【0077】
第2の側面における本発明の方法がスキーム2に概説されている。かくして、スキーム1に記載されたように製造された式(4)の化合物は、例えば、モレキュラーシーブ等のような化学乾燥剤を用いて、又はDean−Stark水トラップを用いて、又は、例えば、テトラヒドロフラン、トルエン等のような適する溶媒での共沸蒸留を用いて、水を除きながら、R及びMが上で定義された通りである式(20)の化合物と、式(7)の化合物とで反応されて、R1が上で定義された通りである式(8)の化合物を与える。好まし
くは、その反応は、活性化された3Aモレキュラーシーブの存在下で、テトラヒドロフラン中で、RがPhCH2であり、Mがナトリウムである式(20)の化合物と行われる。
第3の側面における本発明の方法がスキーム3中に概説されている。かくして、式(11)の化合物は、R5及びR5aが、独立して同じか異なっていて、メチル、エチル又は−
(CH2)n−(nは、2〜4の整数である。)であり、そして、Rが上で定義された通り
である式(15)のアセタールと、例えば、塩酸、ピリジニウムp−トルエンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸等のような酸の存在下で、例えば、トルエン、ジクロロメタン、メチルt−ブチルエーテル等のような溶媒中で反応されてから、例えば、非親核性塩基、例えば、カリウムt−ブトキシド、カリウムビス(トリメチルシリル)アミド、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン等のような強塩基の存在下で、式(15)の先のアセタールに対応するアルデヒドが加えられて、R1及びRが上で定義され
た通りである式(14)の化合物を与える。好ましくは、その反応は、トルエン中で、p−トルエンスルホン酸の存在下でベンズアルデヒドジメチルアセタールと行われてから、テトラヒドロフラン中でベンズアルデヒド及びカリウムt−ブトキシドが加えられる。
【0078】
式(14)の化合物は、例えば、炭素担持パラジウム又は炭素担持白金等のような触媒の存在下で、例えば、塩酸等のような酸の存在下で、例えば、トルエン、テトラヒドロフラン、メチルt−ブチルエーテル、酢酸エチル等のような溶媒と、例えば、メタノール、エタノール等のようなアルコール中で、水素と反応されて、式(13)の化合物を与える。好ましくは、その反応は、トルエン中で、炭素担持白金、メタノール、塩酸の存在下で行われる。
場合によって、式(14)の化合物は、例えば、トルエン、ジクロロメタン、メチルt−ブチルエーテル等のような溶媒中で、例えば、塩酸、ピリジニウムp−トルエンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸等のような酸と反応されて、式(13)の化合物を与える。好ましくは、その反応は、塩化メチレン中で、p−トルエンスルホン酸の存在下で行われる。
あるいは、式(11)の化合物は、例えば、トルエン、アセトニトリル、メチルt−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン等のような非親核性溶媒中で、例えば、塩酸、臭化水素酸、p−トルエンスルホン酸等のような酸と反応されて、式(13)の化合物を与える。好ましくは、その反応は、トルエン中で、p−トルエンスルホン酸の存在下で行われる。
【0079】
第4の側面における本発明の方法がスキーム4中に概説されている。かくして、R1
上で定義された通りである式(10)の化合物は、式(10)の化合物から式(11)の化合物への転化について上に記載された方法を用いて、触媒の存在下で1モル当量の水素と反応されて、R1が上で定義された通りである式(18)又は式(18a)の化合物の
いずれか又はそれらの混合物を与える。式(18)及び(18a)の化合物の混合物は、例えば、クロマトフラフィー等のような慣用的な方法を用いて分離され得る。好ましくは、式(18)及び(18a)の化合物の混合物は、HPLCを用いて分離される。
式(18)若しくは(18a)の化合物又はそれらの混合物は、式(11)の化合物を製造するための上に記載された触媒の存在下で水素と反応されて、R1aが上で定義された
通りである式(11b)の化合物を与える。好ましくは、その反応は、少なくとも1モル当量の水素を用いて行われる。
式(13)の化合物は、米国特許第5,273,995号及び第5,969,156号中に開示されている操作を用いてアトルバスタチンカルシウム(19)に転化されうる。
次の非限定的実施例は、本発明の化合物を製造するための本発明者らの好ましい方法を例示する。
【0080】
【化38】

【0081】
【化39】

【0082】
【化40】

【0083】
【化41】

【0084】
【実施例】
【0085】
実施例1
5−(4−フルオロフェニル)−1−[2−((2R,4R)−4−ヒドロキシ−6−オキソテトラヒドロピラン−2−イル)エチル]−2−イソプロピル−4−フェニル−1H−ピロール−3−カルボン酸フェニルアミド
工程1:3−モルホリン−4−イル−3−オキソプロピオニトリル
【0086】
【化42】

【0087】
還流冷却管、窒素流入口及びメカニカルスターラーを備えた、窒素で不活性化された反応器に、モルホリン(1.2mol)、シアノ酢酸メチル(1.0mol)及びMtBE(52mL)が充填される。その均一な溶液は約55℃に加熱され、そしてその温度で12〜18時間攪拌される。MtBE(33mL)が約15分かけて加えられて、その溶液は50℃を下回る温度までゆっくり冷却され、核形成がはっきり見えることとなる。追加のMtBE(66mL)が1時間かけて加えられる。この間、その反応液は周囲温度近くに冷却される。MtBEの添加を完了した後、その反応液は攪拌されながら約0℃まで冷却される。生じた沈殿物は濾過を介して集められ、そしてそのケーキは追加のMtBE(約40mL)で洗浄される。その固体が真空下で約45℃で乾燥されて、3−モルホリン−4−イル−3−オキソプロピオニトリル(139g)を与える。この物質は、更に精製されることなくその後の工程において使用される。
m/z(APCI(m+1))154.9; C7H10N2O2 についての計算値 154.07.
【0088】
工程2:3−アミノ−1−モルホリン−4−イル−プロパン−1−オン;塩酸塩
【化43】

【0089】
窒素不活性化反応器に、5%Pt−C(43g;58%水湿潤品 (water wet))が充填されて、その後に3−モルホリン−4−イル−3−オキソプロピオニトリル(2.8mol)が充填される。MeOH(3.4L)と12NHCl(3.08mol)の溶液が約25℃の内温を維持するような速度で加えられる。その容器とそれの内容物は3回のN2
圧力パージ(50psi)を介して脱気される。その雰囲気は3回のH2圧力パージ(5
0psi)を介して水素に交換されて、その反応液は、約25℃で、維持された水素の圧力(50psi)の下、約24時間勢いよく攪拌される。そのH2圧は、開放されてN2で置換される。その反応液は、フィルター剤に通されてから、MeOH(500mL)で洗浄される。その反応液は真空中で約1.4Lの容量に濃縮されて、IPA(2.2L)が加えられる。その反応混合液は0℃に冷却してから濾過される。その濾過ケーキは、MtBE(500mL)で洗浄され、そして真空下約30℃で乾燥されて、3−アミノ−1−モルホリン−4−イル−プロパン−1−オン塩酸塩を白色固体(439g)として与える。この物質は、更に精製されることなくその後の工程において使用される。
1H NMR(400MHz, DMSO)δ 2.72(t, 2H, J=6.78), 2.96(t, 2H, J=6.77), 3.83-3.44(m, 2H), 3.52-3.58(m, 2H), 8.08(bs, 3H).
13C NMR(100MHz, DMSO)δ 168.4, 65.9, 45.1, 41.45, 35.1, 29.6.
フリー塩基:m/z(APCI(m+1)) 159.2; C7H14N202についての計算値158.11.
【0090】
工程3:3−アミノ−1−モルホリン−4−イル−プロパン−1−オン;フェニル酢酸との化合物
【化44】

【0091】
反応器に、3−アミノ−1−モルホリン−4−イル−プロパン−1−オン塩酸塩(765mol)が充填される。MeOH(380mL)が加えられ、そしてその混合物は、室温で約10分間勢いよく攪拌される。MtBE(380mL)が加えられて、生じたスラリーが−10℃に冷却され、そして、NaOMeの25%(w/w)MeOH溶液(765mmol)が、滴下ロートを介して約−10℃の内温を維持するような速度でゆっくり加えられる。生じた懸濁液は、N2雰囲気下で勢いよく攪拌しながら0℃に温められる。
固体が濾過を介して除かれ、追加のMtBE(50mL)でリンスされる。溶媒が真空留去されてそのフリー塩基を粗製オイルとして与え、それはMtBE(600mL)中に入れられる。その混合物は勢いよく掻き混ぜながら約0℃に冷却され、そしてフェニル酢酸(765mmol)が、MtBE(300mL)の溶液としてゆっくり加えられる。その反応混合液は添加を完了した後に更に10分間攪拌され、その間に生成物が溶液から沈殿する。その固体は濾過を介して集められ、追加のMtBE(100mL)で洗浄され、そして真空下で≦40℃で乾燥されて、3−アミノ−1−モルホリン−4−イル−プロパン−1−オン;フェニル酢酸との化合物(191g)を与える。この物質は、更に精製され
ることなくその後の工程に進められるか、又は、場合によってMtBEから再沈殿されてもよい。
1 H NMR (400MHz, DMSO)δ 2.55(t, 2H, J=6.78), 2.86(t, 2H, J=6.78), 3.62(t, 2H), 3.42(t, 2H), 6.22(bs, 3H), 7.25-7.12(m, 5H).
13C NMR (100MHz, DMSO)δ 174.2, 169.0, 138.2, 129.2, 127.8, 125.5, 66.0, 45.2, 44.4, 41.4, 35.7, 31.6.
【0092】
工程4:5−(4−フルオロフェニル)−2−イソプロピル−1−(3−モルホリン−4−イル−3−オキソプロピル)−4−フェニル−1H−ピロール−3−カルボン酸フェニルアミド
方法A
【0093】
【化45】

【0094】
適する還流冷却管と、新たに活性された3Aモレキュラーシーブ(4〜8メッシュ;97.2g)を含有するソックスレー抽出器とを備えた窒素不活性化反応器に、3−アミノ−1−モルホリン−4−イル−プロパン−1−オンのフェニル酢酸との化合物(765mmol)と、2−[2−(4−フルオロフェニル)−2−オキソ−1−フェニルエチル]−4−メチル−3−オキソペンタン酸フェニルアミド(450mmol)が充填される。THF(360mL)が加えられて、生じた溶液が勢いよく攪拌されながらその反応液は約24時間還流温度に加熱され、その間に生成物が沈殿し始める。不完全に飽和したNaHCO3水溶液(100mL)が加えられ、そしてその反応混合液は攪拌され続けながら
約0℃に冷却される。MtBE(100mL)が加えられ、その固体は濾過を介して集められる。その固体は、蒸留水(100mL)とMtBE(2×100mL)で洗浄され、集められ、そして真空下で≦50℃で乾燥されて、5−(4−フルオロフェニル)−2−イソプロピル−1−(3−モルホリン−4−イル−3−オキソプロピル)−4−フェニル−1H−ピロール−3−カルボン酸フェニルアミドを白色固体(194g)として与える。この物質は、更に精製されることなくその後の工程に進められる。
m/z (APCI (m-1)) 538.2; (APCI (m+l)) 540.2; C33H34FN3O3 についての計算値 539.26.
【0095】
方法B
【化46】

【0096】
適する還流冷却管と、新たに活性された3Aモレキュラーシーブ(4〜8メッシュ;36g)を含有するソックスレー抽出器とを備えた窒素不活性化反応器に、3−アミノ−1−モルホリン−4−イル−プロパン−1−オン塩酸塩(170mmol)、フェニル酢酸ナトリウム塩(170mmol)、及び2−[2−(4−フルオロフェニル)−2−オキソ−1−フェニルエチル]−4−メチル−3−オキソペンタン酸フェニルアミド(100mmol)が充填される。THF(150mmol)が加えられて、生じた溶液が勢いよく攪拌されながら、その反応液は約24時間還流温度に加熱され、その間にその生成物が沈殿し始める。NaHCO3水溶液(100mL)がゆっくり加えられ、そしてその反応
混合液は、攪拌され続けながら約0℃に冷却される。MtBE(100mL)が加えられて、その固体が濾過を介して集められる。その黄色固体は、蒸留水(15mL)とMtBE(2×15mL)で洗浄され、集められ、そして真空下で≦50℃で乾燥されて、5−(4−フルオロフェニル)−2−イソプロピル−1−(3−モルホリン−4−イル−3−オキソプロピル)−4−フェニル−1H−ピロール−3−カルボン酸フェニルアミドを白色固体(42.1g)として与える。この物質は、更に精製されることなくその後の工程に進められる。
m/z (APCI (m-1)) 538.2; (APCI (m+l)) 540.2; C33H34FN3O3 についての計算値 539.26.
【0097】
方法C
【化47】

【0098】
還流冷却管、窒素流入口及びメカニカルスターラーを備えた窒素不活性化反応器に、モルホリン(1.2mol)、シアノ酢酸メチル(1.0mol)及びMtBE(52mL
)が充填される。その均一な溶液は約55℃に加熱されて、その温度で12〜18時間攪拌される。MtBE(33mL)が約15分かけて加えられて、その溶液は、50℃を下回る温度にゆっくり冷却されて、ついには核形成がはっきり見えることとなる。追加のMtBE(66mL)が1時間かけて加えられる。この間、その反応液は、周囲温度近くに冷却される。MtBEの添加を完了した後、その反応液は、攪拌しながら約0℃に冷却される。生じた沈殿は濾過を介して集められて、そのケーキは、追加のMtBE(40mL)で洗浄される。その粗製3−モルホリン−4−イル−3−オキソプロピオニトリルはMeOH(2L)中に入れられて、5%Pt−C(55g;58%水湿潤品)が充填された窒素不活性化圧力反応器に移される。HCl(12N;1.1mol)は、約25℃の内
温を維持するような速度で加えられる。その容器とそれの内容物は3回のN2圧力パージ
(50psi)を介して脱気される。その雰囲気は3回のH2圧力パージ(50psi)
を介して水素に交換されて、その反応液は、約25℃で、維持された水素の圧力(50psi)の下、約24時間勢いよく攪拌される。そのH2圧力は、開放されてN2で置き替えられる。その反応液はフィルター剤に通されて、その後にMeOH(500mL)で洗浄される。その反応液は、MeOH浸潤固体に濃縮され、IPA(100mL)中で再びス
ラリーにされる。そのスラリーは0℃に冷却して濾過される。その濾過ケーキは、冷(0℃)IPA(75mL)で洗浄されて、MeOH(500mL)及びMtBE(500mL)中で再びスラリーにされる。そのスラリーは、掻き混ぜながら−10℃に冷却されて、MeOH中のNaOMeの25%(w/w)溶液(1mol)が、≦−5℃の反応内部温度を維持するような速度で滴下される。生じた懸濁液が濾過されて、フリー塩基の澄んだ溶液がもたらされる。その溶媒は真空中で除かれて粗製オイルを与え、それがTHF(450mL)中に入れられて約0℃に冷却される。この溶液は、フェニル酢酸(1.0m
ol)及び2−[2−(4−フルオロフェニル)−2−オキソ−1−フェニルエチル]−4−メチル−3−オキソペンタン酸フェニルアミド(590mmol)を含有する窒素不活性化反応器中に移される。その反応器は、適する還流冷却管と、新たに活性化された3Aモレキュラーシーブ(4〜8メッシュ;125g)を含有するソックスレー抽出器とを装備している。生じた溶液が勢いよく攪拌されながら、その反応液はN2雰囲気下で24
時間還流されて、その間に生成物が沈殿し始める。不完全に飽和されたNaHCO3水溶
液(130mL)がゆっくり加えられて、その反応混合液は、攪拌され続けながら約0℃に冷却される。MtBE(130mL)が加えられて、その固体は濾過を介して集められる。その固体は、蒸留水(130mL)とMtBE(2×130mL)で洗浄され、集められ、そして真空下で≦50℃で乾燥されて、5−(4−フルオロフェニル)−2−イソプロピル−1−(3−モルホリン−4−イル−3−オキソプロピル)−4−フェニル−1H−ピロール−3−カルボン酸フェニルアミドを白色固体(223g)として与える。この物質は、更に精製されることなくその後の工程に進められる。
m/z (APCI (m-1)) 538.2; (APCI (m+l)) 540.2; C33H34FN3O3 についての計算値 539.26.
【0099】
工程5:7−[2−(4−フルオロフェニル)−5−イソプロピル−3−フェニル−4−フェニルカルバモイルピロール−1−イル]−3,5−ジオキソへプタン酸エチルエステ

方法A
【0100】
【化48】

【0101】
乾燥した窒素不活性化反応器に、水素化ナトリウム(300mmol)が充填される。無水THF(150mL)が加えられて、生じた混合液は、窒素の下で約−20℃に冷却される。アセト酢酸エチル(307mmol)は、≦−10℃の反応内部温度を維持するような速度で加えられる。その添加の後にTHF(30mL)でリンスされて、生じた溶液は、≦−10℃でおよそ45分間攪拌される。その温度は、約−18℃に冷却される。ヘキサン中のn−BuLiの10.0M溶液(300mmol)が、≦−4℃の反応内部温度を維持するような速度で加えられる。その添加の後にTHF(30mL)でリンスされて、生じた橙色溶液は、≦−4℃で約90分間攪拌される。その温度は、約−25℃に冷却される。ジエノレートの溶液に、5−(4−フルオロフェニル)−2−イソプロピル−1−(3−モルホリン−4−イル−3−オキソプロピル)−4−フェニル−1H−ピロール−3−カルボン酸フェニルアミド(74mmol)が加えられて、生じたスラリーは約−23℃で20時間攪拌される。その反応液は、≦−2℃の反応内部温度を維持するような速度で、18%HCl水(898mmol)とMtBE(20mL)の混合液中に加
えられて停止される。その反応器と移動系はTHF(30mL)でリンスされて、その反応混合液に移される。その二相溶液は、攪拌しながら約20℃に温められる。その混合液は分液ロートに移されて、そして、それら相は分離される。その有機層は、水(33mL)と飽和NaCl水溶液(33mL)で洗浄される。全ての水層は、MtBE(40mL)で抽出し直される (back-extracted)。それら二層は合わされて、≦60℃のバッチ内
温度を維持しながら真空中で粗製オイルに濃縮される。EtOH(24mL)がそのオイルに加えられて、再びその混合液は真空中で濃縮される。EtOH(330mL)と水(33mL)がその生じたオイルに直ちに加えられて、生成物の溶液は、≦10℃で約14時間静置される。生じた固体が集められ、冷20%EtOH水(100mL)で洗浄され、そして真空中で乾燥されて、7−[2−(4−フルオロフェニル)−5−イソプロピル−3−フェニル−4−フェニルカルバモイルピロール−1−イル]−3,5−ジオキソへ
プタン酸エチルエステル(35.6g)を白色固体として与える。この物質は、更に精製されることなくその後の工程に進められるか、又は、場合によってIPA/H2O液から
再沈殿されてもよい。
HRMS m/z (ESI (m-1)) 581.2463; C35H35FN2O5 についての計算値 582.2530.
【0102】
工程5方法Aに類似する方法で、アセト酢酸エチルの代わりにアセト酢酸の適切なエステル又はアミドを用いることによって次の化合物が得られる:
7−[2−(4−フルオロフェニル)−5−イソプロピル−3−フェニル−4−フェニルカルバモイルピロール−1−イル]−3,5−ジオキソヘプタン酸t−ブチルエステルHRMS m/z (ESI (m-1)) 609.2772; APCI (m+l) 611.3; C37H39FN205 についての計算値 610.2843.
7−[2−(4−フルオロフェニル)−5−イソプロピル−3−フェニル−4−フェニルカルバモイルピロール−1−イル]−3,5−ジオキソヘプタン酸イソプロピルエステル。
m/z (DCI (m+1)) 597; C36H37FN205 についての計算値 596.27.
7−[2−(4−フルオロフェニル)−5−イソプロピル−3−フェニル−4−フェニルカルバモイルピロール−1−イル]−3,5−ジオキソヘプタン酸メチルエステル。
m/z (DCI (m+1)) 569; C34H33FN205 についての計算値 568.24.
7−[2−(4−フルオロフェニル)−5−イソプロピル−3−フェニル−4−フェニルカルバモイルピロール−1−イル]−3,5−ジオキソヘプタン酸モルホリノアミド。HRMS m/z (ESI (m-1)) 622.2715; C37H38FN305 についての計算値 623.2795.
7−[2−(4−フルオロフェニル)−5−イソプロピル−3−フェニル−4−フェニルカルバモイルピロール−1−イル]−3,5−ジオキソヘプタン酸N,N−ジメチルアミド。
m/z (DCI (m+1)) 582; C35H36FN304 についての計算値 581.27.
【0103】
方法B
7−[2−(4−フルオロフェニル)−5−イソプロピル−3−フェニル−4−フェニルカルバモイルピロール−1−イル]−3,5−ジオキソヘプタン酸t−ブチルエステル
【0104】
【化49】

【0105】
窒素不活性化反応器に、アセト酢酸t−ブチルのナトリウム塩(100mmol)が充填される。無水トルエン(71.5mL)とTHF(8.2mL、101mmol)が加えられて、生じた溶液が、窒素の陽圧の下で約−10℃に冷却される。n−BuLiの10Mヘキサン溶液(104mmol)が、≦1℃の反応内部温度を維持するような速度で加えられる。生じた溶液は、添加を完了した後更に20〜30分間攪拌されながら、その温度が約−6℃に冷却される。その間に、5−(4−フルオロフェニル)−2−イソプロピル−1−(3−モルホリン−4−イル−3−オキソプロピル)−4−フェニル−1H−ピロール−3−カルボン酸フェニルアミド(25mmol)が、もう一つの窒素不活性化反応器に充填される。無水THF(50mL)が室温で加えられて、生じたスラリーが約−10℃に冷却され、そして15〜90分間攪拌される。ジエノレートの溶液は、モルホリンアミドのスラリーに、反応内部温度を約−5℃に維持するような速度で加えられる。この添加の後、そのスラリーは約−5℃で≧2時間攪拌される。勢いよく掻き混ぜながら、≦0℃の反応内部温度を維持するような速度で水(35mL)が加えられる。濃37%塩酸(19.0mL、229mmol)が、≦0℃の反応内部温度を維持するような速度で加えられる。その二層反応混合液は真空蒸留され、それら有機溶媒の>50%が除かれる。その蒸留が停止されて、その下方の水層が廃棄される。水(55mL)が加えられ、その真空蒸留が続けられて、ついにはそれら有機溶媒の大部分が除かれる。[注意:その真空蒸留を始める前に、その水層を排水して置換されるのが好ましい。]IPA(100mL)が加えられ、その後に水(100mL)が加えられる。その混合液は、≧6時間攪拌され、その生成物が固化できるようにされる。その固体は濾過を介して集められて、そのケーキは、あらかじめ混ぜられた1:1のIPA:H2O液で洗浄される。生じた固体
が真空中で35℃で乾燥されて、7−[2−(4−フルオロフェニル)−5−イソプロピル−3−フェニル−4−フェニルカルバモイルピロール−1−イル]−3,5−ジオキソヘプタン酸t−ブチルエステル(14.1g)を白色固体として与える。この物質は、更に精製されることなくその後の工程に進められるか、又は、場合によってトルエンから再沈殿されてもよい。
HRMS m/z (ESI (m-1)) 609.2772; APCI (m+l) 611.3; C37H39FN205 についての計算値 610.2843.
【0106】
工程5方法Bに類似する方法で、アセト酢酸t−ブチルのナトリウム塩の代わりにアセト酢酸の適切なエステル又はアミドのナトリウム塩を用いることによって次の化合物が得られる:
7−[2−(4−フルオロフェニル)−5−イソプロピル−3−フェニル−4−フェニルカルバモイルピロール−1−イル]−3,5−ジオキソヘプタン酸エチルエステル。
HRMS m/z (ESI (m-1)) 581.2463; C35H35FN205 についての計算値 582.2530.
7−[2−(4−フルオロフェニル)−5−イソプロピル−3−フェニル−4−フェニルカルバモイルピロール−1−イル]−3,5−ジオキソヘプタン酸イソプロピルエステル。
m/z (DCI (m+1)) 597; C36H37FN205 についての計算値 596.27.
7−[2−(4−フルオロフェニル)−5−イソプロピル−3−フェニル−4−フェニルカルバモイルピロール−1−イル]−3,5−ジオキソヘプタン酸メチルエステル。
m/z (DCI (m+1)) 569; C34H33FN205 についての計算値 568.24.
7−[2−(4−フルオロフェニル)−5−イソプロピル−3−フェニル−4−フェニルカルバモイルピロール−1−イル]−3,5−ジオキソヘプタン酸モルホリノアミド。HRMS m/z (ESI (m-1)) 622.2715; C37H38FN305 についての計算値 623.2795.
7−[2−(4−フルオロフェニル)−5−イソプロピル−3−フェニル−4−フェニルカルバモイルピロール−1−イル]−3,5−ジオキソヘプタン酸N,N−ジメチルアミド。
m/z (DCI (m+1)) 582; C35H36FN304 についての計算値 581.27.
【0107】
工程6:(5R)−7−[2−(4−フルオロフェニル)−5−イソプロピル−3−フェニル−4−フェニルカルバモイルピロール−1−イル]−3,5−ジヒドロキシへプタン酸メチルエステル
方法A
【0108】
【化50】

【0109】
窒素不活性化圧力反応器に、7−[2−(4−フルオロフェニル)−5−イソプロピル−3−フェニル−4−フェニルカルバモイルピロール−1−イル]−3,5−ジオキソヘプタン酸エチルエステル(100.0mmol)とMeOH(250mL)が充填される。生じたスラリーは攪拌しながら約55℃に加熱されて、均一な溶液を与える。その容器とそれの内容物は、アルゴンでの3回の50psi圧力パージを介して脱気される。安定した流量のアルゴンの下で、1MHBrメタノール(7.0mmol)とRuCl2(D
MF)n[(R)−Cl−MeO−BIPHEP]触媒(0.5mmol)が加えられて
、その反応器は、アルゴンでの追加の50psi圧力パージをなされる。その雰囲気は、3回の50psi圧力パージを介して水素に交換される。その反応液は、維持された水素の圧力(50psi)の下で65℃で勢いよく攪拌されて、ついには水素吸収が終わる。その反応液は周囲温度に冷却され、その水素圧が開放され、そして窒素で置換される。(5R)−7−[2−(4−フルオロフェニル)−5−イソプロピル−3−フェニル−4−フェニルカルバモイルピロール−1−イル]−3,5−ジヒドロキシへプタン酸メチルエステルの粗製MeOH溶液は、精製をされることなくその後の工程に進められるか、又は、場合によって酢酸エチル−へプタン混合液で溶離するシリカゲル上でのフラッシュカラムクロマトグラフィーを介して単離されてもよい。
HPLC分析 (YMC ODS AQ S5; 1mL/分; 30℃; 254 nm: CH3CN/H2O, 60:40 (0〜22 分)
〜100:0 (27〜37 分) 〜60:40) は、1:1.5 の syn:anti 比率を示した。
キラルHPLC分析 (Chiralcel OD-H カラム; 5% EtOH:ヘキサン液; tR (3R, 5R)= 23.1 分/tR (3R, 5S)= 18.0 分/tR (3S, 5S)= 24.8 分/tR (3S, 5R)= 19.9 分) は、その(R)配置優位に≧98%のC−5におけるエナンチオマー過剰率を示した。
m/z (DCI (m+l)) 573; C34H37FN205 についての計算値 572.27.
【0110】
工程6方法Aに類似する方法で、MeOHの代わりに適切なアルコール性溶媒を用いる
と、次の化合物が得られる。例えば:
(5R)−7−[2−(4−フルオロフェニル)−5−イソプロピル−3−フェニル−4−フェニルカルバモイルピロール−1−イル]−3,5−ジヒドロキシへプタン酸エチルエステル。
m/z (DCI (m+1)) 587; C35H39FN205 についての計算値 586.28.
キラルHPLC分析 (Chiralcel OD-H カラム; 5% EtOH:ヘキサン液; tR(3R, 5R)=17.6 分/tR (3R, 5S)= 14.7 分/tR (3S, 5S)= 20.9 分/tR (3S, 5R)= 15.9 分) は、その(R)配置優位に≧98%のC−5におけるエナンチオマー過剰率を示した。
(5R)−7−[2−(4−フルオロフェニル)−5−イソプロピル−3−フェニル−4−フェニルカルバモイルピロール−1−イル]−3,5−ジヒドロキシへプタン酸イソプロピルエステル。
m/z (DCI (m+1)) 601; C36H41FN205 についての計算値 600.30.
【0111】
工程6方法Aに類似する方法で、MeOH中の代わりに非親核性/非配位性溶媒(例えば、トルエン)中で工程5からの適切なエステル又はアミドを用い、そしてHBrの代わりに酢酸を用いると、エステル交換を回避して次の化合物を得ることができる。例えば:
(5R)−7−[2−(4−フルオロフェニル)−5−イソプロピル−3−フェニル−4−フェニルカルバモイルピロール−1−イル]−3,5−ジヒドロキシへプタン酸t−ブチルエステル。
m/z (APCI (m+1)) 615.3; C37H43FN205 についての計算値 614.32.
(5R)−7−[2−(4−フルオロフェニル)−5−イソプロピル−3−フェニル−4−フェニルカルバモイルピロール−1−イル]−3,5−ジヒドロキシへプタン酸モルホリノアミド。
m/z (APCI (m-1+HCO2H)) 672.3; C37H42FN305 についての計算値 627.31.
(5R)−7−[2−(4−フルオロフェニル)−5−イソプロピル−3−フェニル−4−フェニルカルバモイルピロール−1−イル]−3,5−ジヒドロキシへプタン酸N,N−ジメチルアミド。
m/z (APCI (m+1)) 586; C35H40FN304 についての計算値 585.30.
【0112】
工程6方法Aに類似する方法で、RuCl2(DMF)n[(R)−Cl−MeO−BIPHEP]の代わりに代替のRu(II)−キラルジホスフィン錯体をその水素化触媒として用いると、C−5における変動するエナンチオマー過剰率を有するその同一の生成物を得ることができる。例えば、7−[2−(4−フルオロフェニル)−5−イソプロピル−3−フェニル−4−フェニルカルバモイルピロール−1−イル]−3,5−ジオキソへプタン酸エチルエステルの、(5R)−7−[2−(4−フルオロフェニル)−5−イソプロピル−3−フェニル−4−フェニルカルバモイルピロール−1−イル]−3,5−ジヒドロキシへプタン酸メチルエステルへの還元においては、次のように進行した:
RuCl2(DMF)n[(R)−(+)−BINAP]錯体は、キラルHPLC分析によって測定されたC−5における90%ee(その(R)配置優位に)を有する生成物を与えた。
RuCl2(DMF)n[(R)−(+)−pTol−BINAP]錯体は、キラルHPLC分析によって測定されたC−5における91%ee(その(R)配置優位に)を有する生成物を与えた。
RuCl2(DMF)n[(R)−(+)−C4−TunaPhos]錯体は、キラルHPLC分析によって測定されたC−5における93%ee(その(R)配置優位に)を有する生成物を与えた。
RuCl2(DMF)n[(R)−(+)−C2−TunaPhos]錯体は、キラルHPLC分析によって測定されたC−5における98%ee(その(R)配置優位に)を有する生成物を与えた。
RuCl2(DMF)n[(S)−(−)−MeO−BIPHEP]錯体は、キラルHP
LC分析によって測定されたC−5における95%ee(その(S)配置優位に)を有する生成物を与えた。
RuCl2[(R)−(+)−Cl−MeO−BIPHEP](NEt3n錯体は、キ
ラルHPLC分析によって測定されたC−5における≧98%ee(その(R)配置優位に)を有する生成物を与えた。
RuCl2[(R)−(+)−BINAP](NEt3n錯体は、キラルHPLC分析
によって測定されたC−5における91%ee(その(R)配置優位に)を有する生成物を与えた。
RuCl2[(R)−(+)−pTol−BINAP](NEt3n錯体は、キラルH
PLC分析によって測定されたC−5における91%ee(その(R)配置優位に)を有する生成物を与えた。
[Ru(TFA)2((R)−(+)−Cl−MeO−BIPHEP)]n錯体は、キラルHPLC分析によって測定されたC−5における≧98%ee(その(R)配置優位に)を有する生成物を与えた。
[Ru(TFA)2((R)−(+)−BINAP)]n錯体は、キラルHPLC分析によって測定されたC−5における90%ee(その(R)配置優位に)を有する生成物を与えた。
【0113】
方法B
窒素不活性化圧力反応器に、ベンゼンルテニウム(II)クロリドダイマー (benzene ruthenium (II) chloride dimmer) (11mg)と(R)−(+)−C2−TunaPhos(26mg)が充填される。その反応器はN2で圧力パージされ、N2を吹き込まれたMeOH(1.0mL)が、シリンジを介して加えられる。生じた混合液は完全にN2でパ
ージされて、25℃で30分間攪拌される。N2を吹き込まれたMeOH(4.5mL)
中の7−[2−(4−フルオロフェニル)−5−イソプロピル−3−フェニル−4−フェニルカルバモイルピロール−1−イル]−3,5−ジオキソへプタン酸t−ブチルエステル(0.5g)の溶液はその反応器にシリンジを介して加えられて、生じた混合液は、N2の下で60℃で30分間攪拌される。その溶液は、60psiの維持されたH2圧の下で60℃で22時間攪拌される。その反応液は周囲温度に冷却されて、そして、N2で繰り
返しパージされる。(5R)−7−[2−(4−フルオロフェニル)−5−イソプロピル−3−フェニル−4−フェニルカルバモイルピロール−1−イル]−3,5−ジヒドロキシへプタン酸メチルエステルの粗製MeOH溶液は、精製されることなくその後の工程に進められるか、又は、場合によって、酢酸エチル−へプタン混合液で溶離するシリカゲル上でのフラッシュカラムクロマトグラフィーを介して単離されてもよい。
HPLC分析 (YMC ODS AQ S5; 1mL/分; 30℃; 254 nm: CH3CN/H2O, 60:40 (0〜22 分)
〜 100:0 (27〜37 分) 〜 60:40) は、1:1.4 の syn:anti 比率を示した。
キラルHPLC分析 (Chiralcel OD-H カラム; 5% EtOH:ヘキサン液; tR (3R, 5R)= 23.1 分/tR (3R, 5S)= 18.0 分/tR (3S, 5S)= 24.8 分/tR (3S, 5R)= 19.9 分) は、その(R)配置優位に≧97%のC−5におけるエナンチオマー過剰率を示した。
m/z (DCI (m+l)) 573; C34H37FN205 についての計算値 572.27.
【0114】
工程7:5−(4−フルオロフェニル)−2−イソプロピル−1−[2−((S)−6−オキソ−3,6−ジヒドロ−2H−ピラン−2−イル)エチル]−4−フェニル−1H−ピロール−3−カルボン酸フェニルアミド
【0115】
【化51】

【0116】
適する窒素不活性化反応器に、KOH(110.0mmol)と水(300mL)が充
填される。この急速に攪拌されている溶液に、MeOH(250mL)中の(5R)−7−[2−(4−フルオロフェニル)−5−イソプロピル−3−フェニル−4−フェニルカルバモイルピロール−1−イル]−3,5−ジヒドロキシへプタン酸メチルエステルの粗製の工程6の溶液(約100mmol/>98%ee)が加えられる。その混合液は、窒素雰囲気下で約85℃の内温に加熱される。この間、MeOHが蒸留を介して除かれる。生じた反応混合液は45℃に冷却されて、そして、MtBE(2×150mL)で洗浄される。それらMtBE相は、分離されて廃棄される。その45℃の水相にトルエン(125mL)が加えられ、その後に6NHCl(20mL)がゆっくり加えられる。その二相混合液は10分間攪拌されて、そして、それら層が分離される。その水相は、もう一度トルエン(125mL)で抽出されて廃棄される。その合わされた有機層は、窒素雰囲気下で加熱して還流された。この間に、130mLの蒸留液が集められて廃棄される。生じた溶液は、約60℃に冷却され、そして、NEt3(140mmol)、DMAP(2.0mmol)及びAc2O(70.0mmol)が、55℃〜65℃の反応内部温度を維持するような速度でうまく加えられる。この溶液は、60℃で約15時間攪拌される。その混合液は50℃に冷却され、そして、1NHCl(100mL)がゆっくり加えられる。その二相混合液は10分間攪拌され、それら相が分離され、そして、その水相は廃棄される。その有機相はもう1ポーションの1NHCl(100mL)と水(100mL)で洗浄され、その間45℃〜55℃の温度が維持される。そのトルエン溶液はBu2O(200m
L)で希釈されて、生じた溶液は、連続的に掻き混ぜながら0℃にゆっくり冷却される。生じた固体が濾過ロート上で集められて、真空下で乾燥されて5−(4−フルオロフェニル)−2−イソプロピル−1−[2−((S)−6−オキソ−3,6−ジヒドロ−2H−ピラン−2−イル)エチル]−4−フェニル−1H−ピロール−3−カルボン酸フェニルアミドを白色〜オフホワイトの固体(34.4g)として与える。この物質は、更に精製されることなくその後の工程に進められるか、又は、場合によってIPA/H2O液から
再沈殿されてもよい。
m/z (DCI (m+1)) 523; C33H31FN203 についての計算値 522.23.
キラルHPLC分析 (Chiralpak AD カラム; 1mL/分; 30℃; 254nm; 10% IPA:ヘキサン
液; tR (R)= 18 分/tR (S)= 16 分) は、その(R)配置優位に>98%のエナンチオマー過剰率を示した。
【0117】
工程8:5−(4−フルオロフェニル)−1−[2−((2R,4R)−4−ヒドロキシ−6−オキソテトラヒドロピラン−2−イル)エチル]−2−イソプロピル−4−フェニル−1H−ピロール−3−カルボン酸フェニルアミド
方法A
【0118】
【化52】

【0119】
アルゴンでパージされた反応器に、5−(4−フルオロフェニル)−2−イソプロピル−1−[2−((S)−6−オキソ−3,6−ジヒドロ−2H−ピラン−2−イル)エチル]−4−フェニル−1H−ピロール−3−カルボン酸フェニルアミド(0.020mol/>99%ee)とベンジルアルコール(52mL)が充填される。その反応混合液は−10℃に冷却されて、NaOH(0.040mol)が加えられる。−10℃で19時間攪拌した後に、その反応液は37%HCl(0.042mol)で停止されて、水(25mL)とトルエン(25mL)で希釈される。その混合液が周囲温度に温められた後、その下方の水層が廃棄される。その上方の有機層は20%Pd(OH)2/C(1.0g
)及びH2SO4(0.01moles)と合わされて、50psi水素の下で50℃で16時間水素化される。その反応混合液は80℃に加熱されて、珪藻土を通じて濾過される。その反応器と触媒ケーキは、熱トルエン(10mL)でリンスされる。その下方の水層は廃棄される。その上方の有機相は、HCl水の温溶液(25mLの熱水中の0.16gの37%HCl)で洗浄されて、そしてアルゴンの下で2.5時間加熱して還流され、水が共沸的に除かれる。その反応混合物は65℃に冷却されて、5−(4−フルオロフェニル)−1−[2−((2R,4R)−4−ヒドロキシ−6−オキソテトラヒドロピラン−2−イル)エチル]−2−イソプロピル−4−フェニル−1H−ピロール−3−カルボン酸フェニルアミドの種晶が入れられる。2時間後、その反応混合液は、周囲温度にゆっくり冷却できるようにされる。生じたスラリーは、約0℃に冷却される。その生成物は集められて、冷トルエン(25mL)で洗浄される。生じた固体は、熱トルエン(95mL)中に溶解されて、65℃に冷却され、そして2時間保持される。その反応混合液は、周囲温度にゆっくり冷却されて、更に0℃に冷却される。その生成物が集められ、冷トルエン(25mL)で洗浄され、そして真空中で70℃で一晩乾燥されて、5−(4−フルオロフェニル)−1−[2−((2R,4R)−4−ヒドロキシ−6−オキソテトラヒドロピラン−2−イル)エチル]−2−イソプロピル−4−フェニル−1H−ピロール−3−カルボン酸フェニルアミド(8.4g)を白色固体として与える。
HPLC分析 (YMC ODS AQ S5; 1mL/分; 30℃; 254 nm: CH3CN/H2O, 60:40 (0〜22 分)
〜 100:0 (27〜37 分) 〜60:40) は、>99:1 の anti:syn 比率を示した。
キラルHPLC分析 (Chiralcel OF; 1mL/分; 60℃; 254nm; 20% IPA:ヘキサン液; tR (3R, 5R) =26分/tR (3R, 5S) =59分/tR (3S, 5S) =33 分/tR (3S, 5R) =37 分) は、その(R)配置優位に>99%のC−5におけるエナンチオマー過剰率を示した。
m/z (DCI (m+l)) 541; C33H33FN204 についての計算値 540.24.
工程8方法Aに類似する方法で、ベンジルアルコールの代わりに置換ベンジルアルコール誘導体(例えば、p−メトキシベンジルアルコール)が用いられてその対応する化合物をもたらし得る。
【0120】
方法B
【化53】

【0121】
アルゴンパージ反応器に、5−(4−フルオロフェニル)−2−イソプロピル−1−[2−((S)−6−オキソ−3,6−ジヒドロ−2H−ピラン−2−イル)エチル]−4−フェニル−1H−ピロール−3−カルボン酸フェニルアミド(19.1mmol/>9
9%ee)とアリルアルコール(50mL)が充填される。その反応混合液は−5℃に冷
却されて、LiOH(38.2mmol)が加えられる。−5℃で1時間攪拌した後、その反応液は、37%HCl(42mmol)とトルエン(125mL)で停止される。その混合液が周囲温度に温められた後、その反応液は、約75mLの容量に濃縮される。追加のトルエン(50mL)が加えられて、その反応液は、蒸留を介して粗製オイルに濃縮され、そして、それは静置すると固化する。その粗製残渣が、DME(340mL)中に入れられる。この溶液に、脱イオン水(20mL)、p−トルエンスルホン酸(2.25g)及び5%Pd/C(11g;50%水湿潤品)が加えられる。生じた混合液は、N2
囲気下で45℃に1.5時間加熱され、更に16時間周囲温度にされる。その溶液は、フィルター助剤を通されて触媒が除かれて、溶媒が真空中で除かれる。その残渣はトルエン(50mL)中に入れられる。水(75mL)とKOH(950mg)が加えられて、その反応混合液は65℃に加熱されて、そして、それら層が分離される。その水層は65℃でトルエン(25mL)で洗浄されて、それら合わされたトルエン層は廃棄される。その水相にトルエン(50mL)が加えられ、その後に6NHCl(3.8mL)が加えられる。その混合液は65℃で5分間勢いよく攪拌されて、そして、それら層が分離される。
そのトルエン相は、アルゴンの下で2.5時間加熱して還流され、水が共沸的に除かれる。その反応混合液は65℃に冷却されて、5−(4−フルオロフェニル)−1−[2−((2R,4R)−4−ヒドロキシ−6−オキソテトラヒドロピラン−2−イル)エチル]−2−イソプロピル−4−フェニル−1H−ピロール−3−カルボン酸フェニルアミドの種晶が入れられる。2時間後、その反応混合液は周囲温度にゆっくり冷却される。生じたスラリーは約0℃に冷却される。その生成物は集められて、冷トルエン(25mL)で洗浄される。生じた固体は、熱トルエン(95mL)中に溶解されて、65℃に冷却され、そして、2時間保持される。その反応混合液は周囲温度にゆっくり冷却されて、そして更に0℃に冷却される。その生成物が集められ、冷トルエン(25mL)で洗浄され、そして真空中で70℃で一晩乾燥されて、5−(4−フルオロフェニル)−1−[2−((2R,4R)−4−ヒドロキシ−6−オキソテトラヒドロピラン−2−イル)エチル]−2−イソプロピル−4−フェニル−1H−ピロール−3−カルボン酸フェニルアミドを白色固体として与える。
HPLC分析 (YMC ODS AQ S5; 1mL/分; 30℃; 254 nm: CH3CN/H2O, 60:40 (0〜22 分)
〜100:0 (27〜37 分) 〜60:40) は、>99:1 の anti:syn 比率を示した。
キラルHPLC分析 (ChiralCel OF; 1mL/分; 60℃; 254nm; 20% IPA:ヘキサン液; tR (3R, 5R)= 26 分/tR (3R, 5S)= 59 分/tR (3S, 5S)= 33 分/tR (3S, 5R)= 37 分) は、その(R)配置優位に≧99%のC−5におけるエナンチオマー過剰率を示した。
m/z (DCI (m+l)) 541; C33H33FN204 についての計算値 540.24.
工程8方法Bに類似する方法においては、アリルアルコールの代わりにアリルアルコール誘導体(例えば、クロチルアルコール)が用いられて、その対応する化合物をもたらし得る。
【0122】
方法C
【化54】

【0123】
操作A
窒素不活性化反応器に、(5R)−7−[2−(4−フルオロフェニル)−5−イソプロピル−3−フェニル−4−フェニルカルバモイルピロール−1−イル]−3,5−ジヒドロキシへプタン酸t−ブチルエステル(10.0mmol)、ベンズアルデヒドジメチルアセタール(44.0mmol)、トルエン(40mL)及びp−トルエンスルホン酸一水和物(1.0mmol)が充填される。その反応液は、約20時間、又はHPLCによりアリコートを分析することによって反応完了が確認されるまで、真空下で勢いよく攪拌される。その溶液は窒素雰囲気の下で約−5℃に冷却され、そして、KOtBuの1MTHF溶液(9.0mmol)が、3等分して30〜45分間隔で加えられる。生じた溶液は、更に0℃で12〜14時間攪拌される。その反応液は、1NHCl(10mL)をゆっくり加えることによって停止される。生じた二相混合液は、約15℃に温められ、分液ロートに移され、そして、その水層が除かれて廃棄される。その有機相は飽和NaCl水溶液(100mL)で洗浄され、無水MgSO4(25g)で乾燥され、濾過され、そし
て真空中で粗製オイルに濃縮される。この物質は、精製をされることなくその後の工程に進められるか、又は、場合によってエーテル/ヘキサン液から再沈殿されてもよい。
m/z (APCI (m+1)) 703.4; C44H47FN205 についての計算値 702.35.
【0124】
工程8方法C操作Aに類似する方法においては、(5R)−7−[2−(4−フルオロフェニル)−5−イソプロピル−3−フェニル−4−フェニルカルバモイルピロール−1−イル]−3,5−ジヒドロキシへプタン酸t−ブチルエステルの代わりに、工程6からの適切なエステルを用いると、次の化合物が得られる。例えば:
((4R,6R)−6−{2−[2−(4−フルオロフェニル)−5−イソプロピル−3−フェニル−4−フェニルカルバモイルピロール−1−イル]エチル}−2−フェニル−[1,3]ジオキサン−4−イル)酢酸メチルエステル。
((4R,6R)−6−{2−[2−(4−フルオロフェニル)−5−イソプロピル−3−フェニル−4−フェニルカルバモイルピロール−1−イル]エチル}−2−フェニル−[1,3]ジオキサン−4−イル)酢酸エチルエステル。
((4R,6R)−6−{2−[2−(4−フルオロフェニル)−5−イソプロピル−3−フェニル−4−フェニルカルバモイルピロール−1−イル]エチル}−2−フェニル−[1,3]ジオキサン−4−イル)酢酸イソプロピルエステル。
【0125】
操作B
窒素不活性化圧力反応器に、操作Aからの((4R,6R)−6−{2−[2−(4−フルオロフェニル)−5−イソプロピル−3−フェニル−4−フェニルカルバモイルピロール−1−イル]エチル}−2−フェニル−[1,3]ジオキサン−4−イル)酢酸t−ブチルエステル(5.0g)、5%Pd/C(0.45g;50%H2O湿潤品)、Me
OH中の2NHCl(1.9mL)、トルエン(11mL)及びMeOH(3.1mL)が充填される。その容器とそれの内容物は、2サイクルの一部排気及び窒素加圧(それぞれ、25mmHg及び50psi)を介して脱気される。その雰囲気は、3サイクルの一部排気及び水素加圧(それぞれ、25mmHg及び50psi)を介して水素に交換される。その反応液は、H2の陽圧(約50psi)の下で40℃で約2.5時間勢いよく攪
拌される。その反応液は周囲温度に冷却されて、その水素圧が開放されて、窒素で置換される。その反応液はフィルター剤を通されてその触媒を除かれ、MeOH(2×5mL)で完全にリンスされる。この溶液へ、水(25mL)中のKOH(0.6g)が加えられる。その反応液は、窒素雰囲気の下で勢いよく攪拌され、約90℃の反応内部温度に加熱されて、蒸留を介してMeOHを除かれる。その二相混合液は70℃に冷却されて、その上方のトルエン相は、分離して廃棄される。その水相は、もう一度トルエン(10mL)で70℃で洗浄される。この有機洗浄液も、分離して廃棄される。その水層にトルエン(10mL)が加えられて、その後に2NHCl(5mL)がゆっくり加えられる。その二相混合液は10分間攪拌されて、そしてそれら層が分離される。その水相はもう一度トルエン(10mL)で抽出されて廃棄される。それら合わされた有機相は、Dean−Stark水トラップの下、アルゴンの下で、2.5時間加熱して還流される。その反応混合液は65℃に冷却されて、5−(4−フルオロフェニル)−1−[2−((2R,4R)−4−ヒドロキシ−6−オキソテトラヒドロピラン−2−イル)エチル]−2−イソプロピル−4−フェニル−1H−ピロール−3−カルボン酸フェニルアミドの種晶が入れられる。2時間後、その反応混合液は、周囲温度にゆっくり冷却される。生じたスラリーは、約0℃に冷却される。その生成物は集められて、冷トルエン(5mL)で洗浄される。生じた固体は熱トルエン(20mL)中に溶解され、65℃に冷却され、そして2時間保持される。その反応混合液は、周囲温度にゆっくり冷却され、次いで、0℃にされる。その生成物が集められ、冷トルエン(5mL)で洗浄され、そして真空中で70℃で一晩乾燥されて、5−(4−フルオロフェニル)−1−[2−((2R,4R)−4−ヒドロキシ−6−オキソテトラヒドロピラン−2−イル)エチル]−2−イソプロピル−4−フェニル−1H−ピロール−3−カルボン酸フェニルアミドを白色固体として与える。
m/z (DCI (m+1)) 541; C33H33FN204 についての計算値 540.24.
【0126】
方法D
【化55】

【0127】
窒素不活性化圧力反応器に、7−[2−(4−フルオロフェニル)−5−イソプロピル−3−フェニル−4−フェニルカルバモイルピロール−1−イル]−3,5−ジオキソへ
プタン酸エチルエステル(100.0mmol)とEtOH(250mL)が充填される。生じたスラリーは、攪拌しながら約55℃に加熱されて、均一な溶液を与える。その容器とそれの内容物は、アルゴンでの3回の50psi圧力パージを介して脱気される。安定した流量のアルゴンの下で、1MHBrエタノール(7.0mmol)とRuCl2
(R)−BINAP]NEt3触媒(0.5mmol)が加えられて、その反応器は、ア
ルゴンでの追加の50psi圧力パージをなされる。その雰囲気は、3回の50psi圧力パージを介して水素に交換される。その反応液は、維持された水素の圧力(50psi)の下で65℃で勢いよく攪拌されて、ついにはH2吸収が終わる。その反応液は約50
℃に冷却され、そして、その水素圧が開放されて窒素で置換される。(5R)−7−[2−(4−フルオロフェニル)−5−イソプロピル−3−フェニル−4−フェニルカルバモイルピロール−1−イル]−3,5−ジヒドロキシへプタン酸メチルエステルのその粗製EeOH溶液が、トルエン(250mL)で希釈される。この溶液に、ベンズアルデヒド(150mmol)とp−TsOH一水和物(5mmol)が加えられる。生じた反応混合液は110℃のポット温度に加熱されて、EtOHと水が、それらのトルエン共沸を介して除かれる。その溶液は、窒素雰囲気の下約−5℃に冷却され、そして、KOtBuの1MTHF溶液(90mmol)が、3等分して30〜45分間隔で加えられる。生じた溶液は、更に0℃で12〜14時間攪拌できるようにされる。その反応液は1NHCl(100mL)をゆっくり加えることによって停止される。生じた二相混合液は約15℃に温められるようにされて、分液ロートに移され、そして、その水相が除かれて廃棄される。その有機相は飽和NaCl水溶液(25mL)で洗浄され、無水MgSO4(5g)で
乾燥され、濾過され、そして真空中で粗製オイルに濃縮されて、そして、MeOH(200mL)中に入れられる。この溶液は、5%Pd/C(5g;50%水湿潤品)を含有する窒素不活性化圧力反応器に移される。濃HCl(2mL)が加えられて、その反応液は、維持されたH2の圧力(50psi)の下で50℃で約3時間攪拌される。その反応混
合液は周囲温度に冷却され、そのH2がN2によって置換され、そしてその触媒が濾過を介して除かれる。(3R,5R)−7−[2−(4−フルオロフェニル)−5−イソプロピル−3−フェニル−4−フェニルカルバモイルピロール−1−イル]−3,5−ジヒドロキシへプタン酸メチルエステルのこの溶液は、KOH(110.0mmol)と水(300mL)で充填された窒素不活性化反応器に移される。その混合液は窒素雰囲気の下で約85℃の内温に加熱される。この間にMeOHが蒸留を介して除かれる。生じた反応混合液は45℃に冷却され、そして、MtBE(2×150mL)で洗浄される。それらMtBE相は分離されて廃棄される。その45℃の水相にトルエン(125mL)が加えられて、その後に6NHCl(20mL)がゆっくり加えられる。その二相混合液は10分間攪拌されて、そして、それら相が分離される。その水相はもう一度トルエン(125mL)で抽出されて、廃棄される。それら合わせられた有機相は、Dean−Stark水トラップの下、アルゴンの下で、2.5時間加熱して還流される。その反応混合液は65℃に冷却されて、5−(4−フルオロフェニル)−1−[2−((2R,4R)−4−ヒドロキシ−6−オキソテトラヒドロピラン−2−イル)エチル]−2−イソプロピル−4−フ
ェニル−1H−ピロール−3−カルボン酸フェニルアミドの種晶が入れられる。2時間後、その反応混合液は周囲温度にゆっくり冷却される。生じたスラリーは約0℃に冷却される。その生成物は集められて、冷トルエン(100mL)で洗浄される。生じた固体は熱トルエン(350mL)中に溶解されて、65℃に冷却され、そして、2時間保持される。その反応混合液は、周囲温度にゆっくり冷却され、次いで0℃にされる。その生成物が集められ、冷トルエン(100mL)で洗浄され、そして真空中で70℃で乾燥されて、5−(4−フルオロフェニル)−1−[2−((2R,4R)−4−ヒドロキシ−6−オキソテトラヒドロピラン−2−イル)エチル]−2−イソプロピル−4−フェニル−1H−ピロール−3−カルボン酸フェニルアミドを白色固体として与える。
m/z (DCI (m+1)) 541; C33H33FN204 についての計算値 540.24.
【0128】
工程9:(R,R)−7−[2−(4−フルオロフェニル)−5−イソプロピル−3−フェニル−4−フェニルカルバモイルピロール−1−イル]−3,5−ジヒドロキシへプタン酸カルシウム塩
【0129】
【化56】

【0130】
アルゴンパージ反応器に、5−(4−フルオロフェニル)−1−[2−((2R,4R)−4−ヒドロキシ−6−オキソテトラヒドロピラン−2−イル)エチル]−2−イソプロピル−4−フェニル−1H−ピロール−3−カルボン酸フェニルアミド(14.8mmol)、MtBE(45mL)及びMeOH(20mL)が充填される。水(103mL)中のNaOH(15.2mmol)の溶液が加えられて、その反応混合液は52℃に加熱される。約1時間加熱した後、その反応混合液は34℃に冷却されて、それら層は分離される。その上方の有機層は廃棄される。その下方の水層はMtBE(33mL)で約33℃で洗浄される。その下方の水層はMtBE(2mL)で希釈されて、アルゴンの下で52℃に加熱される。水(44mL)中のCa(OAc)2・H2O(7.5mmol)の温溶液が約2時間かけて加えられる。Ca(OAc)2添加を始めて約5分後、その反応
混合液に、水(1.2mL)とメタノール(0.4mL)中の(R,R)−7−[2−(4−フルオロフェニル)−5−イソプロピル−3−フェニル−4−フェニルカルバモイルピロール−1−イル]−3,5−ジヒドロキシへプタン酸カルシウム塩(0.08mmol)のスラリーの種晶が入れられる。そのCa(OAc)2添加を完了した後、その反応
混合液は52℃で約15分間保持されて、そして20℃に冷却される。その生成物は集められ、水性メタノールの2:1溶液(48mL)と水(49mL)で逐次的に洗浄される。真空中で70℃で乾燥した後、(R,R)−7−[2−(4−フルオロフェニル)−5−イソプロピル−3−フェニル−4−フェニルカルバモイルピロール−1−イル]−3,5−ジヒドロキシへプタン酸カルシウム塩(8.7g)が、白色固体として得られる。この物質の分析値の内訳は、先行技術において報告されている値と一致する。
【0131】
触媒の調製
実施例A
RuCl2(DMF)n[(R)−(+)−Cl−MeO−BIPHEP]錯体
適する反応フラスコに、DMF(17.5mL)が充填される。その容器とそれの内容
物は、2サイクルの部分排気及び窒素加圧(それぞれ、25mmHg及び10psi)を介して脱気される。その過剰の窒素圧が開放されて、ベンゼンルテニウム(II)クロリドダイマー(0.50mmol)と(R)−(+)−Cl−MeO−BIPHEP(1.10mmol)が続けざまに加えられる。その容器とそれの内容物は、2サイクルの部分排気及び窒素加圧(それぞれ、25mmHg及び10psi)を介して再び脱気される。その過剰の窒素圧が開放されて、その反応器は、約100℃に10分間加熱される。生じた溶液は≦50℃に冷却され、そして、溶媒が真空中で除かれて、RuCl2(DMF)n[(R)−(+)−Cl−MeO−BIPHEP]をあせた褐色固体として与える。その粗製錯体は、精製や明白な特性決定をされることなくその後の反応において直接用いられるか、又は、場合によって将来の使用のために不活性雰囲気の下で保存されてもよい。
実施例Aに類似する方法で、(R)−(+)−Cl−MeO−BIPHEPの代わりに適切なキラルジホスフィンリガンドを用いると次の錯体が得られ得る。例えば:
RuCl2(DMF)n[(R)−(+)−BINAP]n錯体。
RuCl2(DMF)n[(R)−(+)−pTol−BINAP]n錯体。
RuCl2(DMF)n[(R)−(+)−C4−TunaPhos]n錯体。
RuCl2(DMF)n[(R)−(+)−C2−TunaPhos]n錯体。
RuCl2(DMF)n[(S)−(−)−MeO−BIPHEP]n錯体。
【0132】
実施例B
RuCl2[(R)−(+)−BINAP](NEt3n錯体
窒素不活性化圧力反応器に、ジクロロ−(1,5−シクロオクタジエン)ルテニウム(II)ダイマー(0.15mmol)と(R)−(+)−BINAP(0.32mmol)が充填される。トルエン(8.0mL)が加えられて、その後にトリエチルアミン(4.5mmol)が加えられる。その容器とそれの内容物は、2サイクルの部分排気及び窒素加圧(それぞれ、25mmHg及び10psi)を介して脱気される。その過剰の窒素圧が開放されて、その反応器が封止されて約140℃に加熱されて、そして、約4時間保持される。生じた透明赤色溶液が≦40℃に冷却され、そして、溶媒が真空中で除かれて、RuCl2[(R)−(+)−BINAP](NEt3n錯体をあせた褐色固体として与
える。その粗製錯体は、精製や明白な特性決定をされることなくその後の反応において直接用いられるか、又は、場合によって将来の使用のために不活性雰囲気の下で保存されてもよい。
実施例Bに類似する方法で、(R)−(+)−BINAPの代わりに適切なキラルジホスフィンリガンドを用いると次の錯体が得られ得る。例えば:
RuCl2[(R)−(+)−Cl−MeO−BIPHEP](NEt3)n錯体。
RuCl2[(R)−(+)−BINAP](NEt3)n錯体。
RuCl2[(R)−(+)−pTol−BINAP](NEt3)n錯体。
【0133】
実施例C
[Ru(TFA)2((R)−(+)−Cl−MeO−BIPHEP)]n錯体
適する反応フラスコに、アセトン(50mL)が充填される。その容器とそれの内容物は、2サイクルの一部分排気及びアルゴン加圧(それぞれ、25mmHg及び10psi)を介して脱気される。その過剰のアルゴン圧が開放されて、(0.50mmol)と(R)−(+)−Cl−MeO−BIPHEP(0.51mmol)が続けざまに加えられる。その容器とその内容物は、2サイクルの部分排気及びアルゴン加圧(それぞれ、25mmHg及び10psi)を介して再び脱気される。その過剰のアルゴン圧が開放されて、その反応器は、約30℃で勢いよく攪拌される。トリフルオロ酢酸(1.2mmol)がシリンジを介して加えられて、その反応混合液は、更に1時間攪拌される。慎重にO2
を取り除きながら真空中で溶媒が除かれて、[Ru(TFA)2((R)−(+)−Cl
−MeO−BIPHEP)]n錯体を固体として与える。その粗製錯体は、精製や明白な
特性決定をされることなくその後の反応において直接用いられるか、又は、場合によって
将来の使用のために不活性雰囲気の下で保存されてもよい。
実施例Cに類似する方法で、(R)−(+)−Cl−MeO−BIPHEPの代わりに適切なキラルジホスフィンリガンドを用いると次の錯体が得られ得る。例えば:
[Ru(TFA)2((R)−(+)−MeO−BIPHEP)]n錯体。
[Ru(TFA)2((R)−(+)−BINAP)]n錯体。
[Ru(TFA)2((R)−(+)−pTol−BINAP)]n錯体。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(8):
【化1】

(式中、R1は、−XRであって、
Xが、O、
S若しくは
Seであるか、又は、R1は、
NR23であって、R2又はR3が、独立して、
アルキル、
シクロアルキル、
アリールアルキル若しくは
アリールであるか、又は、
2及びR3が一緒になって、
−(CH2)4−、
−(CH2)5−、
−(CH(R4)−CH2)3−、
−(CH(R4)−CH2)4−、
−(CH(R4)−(CH2)2−CH(R4))−、
−(CH(R4)−(CH2)3−CH(R4))−、
−CH2−CH2−A−CH2−CH2−、
−CH(R4)−CH2−A−CH2−CH2−、
−CH(R4)−CH2−A−CH2−CH(R4)−であり、
ここで、R4は、1〜4炭素原子のアルキルであり、Aは、O、S又はNであり、そして
、Rは、アルキル、アリール、アリールアルキル又はヘテロアリールである。)
の化合物を製造するための方法であって、式(4):
【化2】

(式中、Yは、Cl、Br、TsO、MsO又はHSO4であり、そして、R1は、上で定義された通りである。)
の化合物を、式(20):
【化3】

(式中、Rは、上で定義された通りであり、そして、Mは、ナトリウム、リチウム、カリウム、亜鉛、マグネシウム、銅又はアルミニウムである。)
の化合物と、化合物(7):
【化4】

の化合物と、溶媒中で水を除きながら反応させるか、又は、式(4)の化合物を、溶媒中で塩基と反応させてから、溶媒中の式(5):
R−CO2H (5)
(式中、Rは、上で定義された通りである。)
の化合物を加えて、式(6):
【化5】

(式中、R及びR1は、上で定義された通りである。)
の化合物を与え、式(6)の化合物を、化合物(7)の化合物と、溶媒中で水を除きながら反応させて、式(8)の化合物を与えることを含んでなる方法。
【請求項2】
式(6):
【化6】

(式中、Rは、アルキル、アリール、アリールアルキル又はヘテロアリールであり、そして、R1は、−XRであって、
Xが、O、
S若しくは
Seであるか、又は、R1は、
NR23であって、R2又はR3が、独立して、
アルキル、
シクロアルキル、
アリールアルキル若しくは
アリールであるか、又は、
2及びR3が一緒になって、
−(CH2)4−、
−(CH2)5−、
−(CH(R4)−CH2)3−、
−(CH(R4)−CH2)4−、
−(CH(R4)−(CH2)2−CH(R4))−、
−(CH(R4)−(CH2)3−CH(R4))−、
−CH2−CH2−A−CH2−CH2−、
−CH(R4)−CH2−A−CH2−CH2−、
−CH(R4)−CH2−A−CH2−CH(R4)−であり、
ここで、R4は、1〜4炭素原子のアルキルであり、Aは、O、S又はNであり、そして
、Rは、上で定義された通りである。)
の化合物。
【請求項3】
請求項2記載の化合物であって、RがPhCH2−又は(CH3)3−C−であり、R1
【化7】

である化合物。

【公開番号】特開2008−100989(P2008−100989A)
【公開日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−239659(P2007−239659)
【出願日】平成19年9月14日(2007.9.14)
【分割の表示】特願2002−556188(P2002−556188)の分割
【原出願日】平成13年12月27日(2001.12.27)
【出願人】(503181266)ワーナー−ランバート カンパニー リミテッド ライアビリティー カンパニー (167)
【Fターム(参考)】