説明

5置換された1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン

本発明は、式1で示され、その式中、置換基及び記号は明細書中に記載の意味を有する化合物に関する。該化合物は、胃酸分泌阻害特定及び優れた胃腸保護作用特性を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬品の製造のための有効化合物として製薬工業において使用される新規化合物に関する。
【0002】
背景技術
国際特許出願WO99/28322号において、複素環式化合物が記載されており、該化合物は、胃腸H−ATPアーゼのインヒビターとして、従って胃酸分泌のインヒビターとして有効であると示されている。他の複素環式化合物のうちピロロ[3,2−b]ピリジン誘導体が挙げられているが、この特定の複素環系についての具体的な例は記載されていない。
【0003】
国際特許出願WO00/10999号において、特定の置換型を有するイミダゾ[1,2−a]ピリジンが開示されており、該化合物は、胃腸炎症性疾病の予防及び治療において使用することができる。
【0004】
発明の開示
本発明は、式1
【0005】
【化1】

[式中、
R1は、水素、基CH−R11又は基CH(OR12)−R11であり、その際、
R11は、水素、C〜C−アルキル又は基Cyであり、
R12は、水素、C〜C−アルキル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−シクロアルキル−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシカルボニル、フルオロ−C〜C−アルキル、C〜C−アルキルカルボニル又は基−CO−N(R121)(R122)であり、その際、
R121は、水素、C〜C−アルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル又はC〜C−シクロアルキルであり、かつ
R122は、水素又はC〜C−アルキルであるか、又は
R121及びR122は、一緒になって、これらが結合される窒素原子を含んで、ピロリジノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、アジリジノ基又はアゼチジノ基を形成し、
R2は、水素、C〜C−アルキル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−シクロアルキル−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシカルボニル、C〜C−アルケニル、C〜C−アルキニル、フルオロ−C〜C−アルキル又はヒドロキシ−C〜C−アルキルであり、
R3は、水素、C〜C−アルキル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−シクロアルキル−C〜C−アルキル、ハロゲン、C〜C−アルケニル、C〜C−アルキニル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、アリール、ヒドロキシ−C〜C−アルケニル、ヒドロキシ−C〜C−アルキニル、C〜C−アルコキシカルボニル、フルオロ−C〜C−アルキル、シアノメチル、ヒドロキシル、C〜C−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C〜C−アルキルアミノ、C〜C−アルキルカルボニルアミノ、C〜C−アルコキシカルボニルアミノ、カルボキシル、モノ−もしくはジ−C〜C−アルキルアミノ−C〜C−アルキル、C〜C−アルキルカルボニル、C〜C−アルケニルカルボニル、C〜C−アルキニルカルボニル又は基−CO−NR31R32であり、その際、
R31は、水素、C〜C−アルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル又はC〜C−シクロアルキルであり、かつ
R32は、水素、C〜C−アルキルであるか、又は
R31及びR32は、一緒になって、これらが結合される窒素原子を含んで、ピロリジノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、アジリジノ基又はアゼチジノ基を形成し、
R4は、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル、カルボキシル、C〜C−アルコキシカルボニル、ハロゲン、フルオロ−C〜C−アルキル、C〜C−アルケニル、C〜C−アルキニル、シアノ又は基−CO−NR41R42であり、その際、
R41は、水素、C〜C−アルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル又はC〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル又はC〜C−シクロアルキルであり、かつ
R42は、水素、C〜C−アルキルであるか、又は
R41及びR42は、一緒になって、これらが結合される窒素原子を含んで、ヒドロキシによって置換されていてよい、ピロリジノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、アジリジノ基又はアゼチジノ基であり、
Arは、R5、R6、R7及びR8によって置換された、フェニル、ナフチル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、1,2,3−トリアゾリル、インドリル、ベンゾイミダゾリル、フリル、ベンゾフリル、チエニル、ベンゾチエニル、チアゾリル、イソキサゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、キノリニル及びイソキノリニルからなる群から選択される単環式又は二環式の芳香族の残基であり、その際、
R5は、水素、C〜C−アルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルケニルオキシ、C〜C−アルキルカルボニル、カルボキシル、C〜C−アルコキシカルボニル、カルボキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシカルボニル−C〜C−アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、アリール、アリール−C〜C−アルキル、アリール−オキシ、アリール−C〜C−アルコキシ、トリフルオロメチル、ニトロ、アミノ、モノ−もしくはジ−C〜C−アルキルアミノ、C〜C−アルキルカルボニルアミノ、C〜C−アルコキシカルボニルアミノ、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルコキシカルボニルアミノ又はスルホニルであり、
R6は、水素、C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルコキシカルボニル、ハロゲン、トリフルオロメチル又はヒドロキシルであり、
R7は、水素、C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、ヒドロキシル又はハロゲンであり、かつ
R8は、水素、C〜C−アルキル又はハロゲンであり、その際、
アリールは、フェニル又は、C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、カルボキシル、C〜C−アルコキシカルボニル、ハロゲン、トリフルオロメチル、ニトロ、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシル及びシアノからなる群からの1個、2個又は3個の同一又は異なる置換基を有する置換されたフェニルであり、かつ
Cyは、テトラヒドロフリル基又は、Arもしくはアリールについて定義された単環式又は二環式の芳香族の残基である]で示される化合物及びこれらの化合物の塩に関する。
【0006】
〜C−アルキルは、直鎖状又は分枝鎖状の1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を表す。挙げられる例は、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、プロピル、イソプロピル、エチル及びメチル基である。
【0007】
〜C−シクロアルキルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル及びシクロヘプチルを表し、そのうちシクロプロピル、シクロブチル及びシクロペンチルが有利である。
【0008】
〜C−シクロアルキル−C〜C−アルキルは、前記のC〜C−シクロアルキル基の1つによって置換されている前記のC〜C−アルキル基の1つを表す。挙げられる例は、シクロプロピルメチル基、シクロヘキシルメチル基及びシクロヘキシルエチル基である。
【0009】
〜C−アルコキシは、酸素原子の他に直鎖状又は分枝鎖状の1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を有する基を表す。挙げられる例は、ブトキシ、イソブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ及び、有利にはエトキシ基及びメトキシ基である。
【0010】
〜C−アルコキシ−C〜C−アルキルは、前記のC〜C−アルキル基の1つであって、それが前記のC〜C−アルコキシ基の1つによって置換されている基を表す。挙げられる例は、メトキシメチル基、メトキシエチル基及びブトキシエチル基である。
【0011】
〜C−アルコキシカルボニル(−CO−C〜C−アルコキシ)は、前記のC〜C−アルコキシ基の1つが結合されたカルボニル基を表す。挙げられる例は、メトキシカルボニル(CHO−C(O)−)基及びエトキシカルボニル(CHCHO−C(O)−)基である。
【0012】
〜C−アルケニルは、2〜4個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖のアルケニル基を表す。挙げられる例は、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−プロペニル基及び2−プロペニル基(アリル基)である。
【0013】
〜C−アルキニルは、2〜4個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖のアルキニル基を表す。挙げられる例は、2−ブチニル、3−ブチニル、及び有利に2−プロピニル基(プロパルギル基)である。
【0014】
フルオロ−C〜C−アルキルは、1つ又は複数のフッ素原子により置換されている前記のC〜C−アルキル基の1つを表す。挙げられる一例は、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、2−フルオロエチル基、2,2−ジフルオロエチル基又は2,2,2−トリフルオロエチル基である。
【0015】
ヒドロキシ−C〜C−アルキルは、ヒドロキシル基で置換された前記のC〜C−アルキル基の1つを表す。挙げられる例は、ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル及び3−ヒドロキシプロピル基である。本発明の範囲内でのヒドロキシ−C〜C−アルキルは、例えば2個以上のヒドロキシ基を有するC〜C−アルキル基であると解される。挙げられる例は、3,4−ジヒドロキシブチル基及び、特に2,3−ジヒドロキシプロピル基である。
【0016】
ヒドロキシ−C〜C−アルキルは、ヒドロキシル基で置換された前記のC〜C−アルキル基を表す。挙げられる例は、1−ヒドロキシプロペニル又は1−ヒドロキシ−2−ブテニル基である。
【0017】
ヒドロキシ−C〜C−アルキニルは、ヒドロキシル基で置換された前記のC〜C−アルキニル基を表す。挙げられる例は、1−ヒドロキシプロピニル又は1−ヒドロキシ−2−ブチニル基である。
【0018】
本発明の目的のためには、ハロゲンは、臭素、塩素及びフッ素である。
【0019】
〜C−アルコキシ−C〜C−アルコキシは、前記のC〜C−アルコキシ基の1つであって、それが更に前記のC〜C−アルコキシ基の1つによって置換されている基を表す。挙げられる例は、2−(メトキシ)エトキシ(CH−O−CH−CH−O−)及び2−(エトキシ)エトキシ(CH−CH−O−CH−CH−O−)基である。
【0020】
〜C−アルコキシ−C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキルは、前記のC〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル基の1つであって、それが前記のC〜C−アルコキシ基の1つによって置換されている基を表す。挙げられる一例は、2−(メトキシ)エトキシメチル(CH−O−CH−CH−O−CH−)基である。
【0021】
〜C−アルキルは、直鎖状又は分枝鎖状の1〜7個の炭素原子を有するアルキル基を表す。挙げられる例は、ヘプチル基、イソヘプチル(5−メチルヘキシル)基、ヘキシル基、イソヘキシル(4−メチルペンチル)基、ネオヘキシル(3,3−ジメチルブチル)基、ペンチル基、イソペンチル(3−メチルブチル)基、ネオペンチル(2,2−ジメチルプロピル)基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、プロピル基、イソプロピル基、エチル基及びメチル基である。
【0022】
〜C−アルキルカルボニルは、カルボニル基の他に前記のC〜C−アルキル基の1つを有する基を表す。挙げられる例は、アセチル基である。
【0023】
〜C−アルケニルカルボニルは、カルボニル基の他に前記のC〜C−アルケニル基の1つを有する基を表す。挙げられる例は、エテニルカルボニル又は2−プロペニルカルボニル基である。
【0024】
〜C−アルキニルカルボニルは、カルボニル基の他に前記のC〜C−アルキニル基の1つを有する基を表す。挙げられる例は、エチニルカルボニル又は2−プロピニルカルボニル基である。
【0025】
〜C−アルケニルオキシは、酸素原子の他にC〜C−アルケニル基を有する基を表す。挙げられる例は、アリルオキシ基である。
【0026】
カルボキシ−C〜C−アルキルは、例えばカルボキシメチル(−CHCOOH)基又はカルボキシエチル基(−CHCHCOOH)を表す。
【0027】
〜C−アルコキシカルボニル−C〜C−アルキルは、前記のC〜C−アルキル基の1つであって、それが前記のC〜C−アルコキシカルボニル基の1つによって置換されている基を表す。挙げられる例は、エトキシカルボニルメチル(CHCHOC(O)CH−)基である。
【0028】
アリール−C〜C−アルキルは、アリール置換されたC〜C−アルキル基を表す。挙げられる例は、ベンジル基である。
【0029】
アリール−C〜C−アルコキシは、アリール置換されたC〜C−アルコキシ基を表す。挙げられる例は、ベンジルオキシ基である。
【0030】
モノ−もしくはジ−C〜C−アルキルアミノ基は窒素原子の他に、前記のC〜C−アルキル基の1つ又は2つを含有する。ジ−C〜C−アルキルアミノが好ましく、ジメチル−、ジエチル−もしくはジイソプロピルアミノが特に好ましい。
【0031】
モノ−もしくはジ−C〜C−アルキルアミノ−C〜C−アルキルは、前記のモノ−もしくはジ−C〜C−アルキルアミノ基の1つによって置換されている前記のC〜C−アルキル基の1つを表す。有利なモノ−もしくはジ−C〜C−アルキルアミノ−C〜C−アルキル基は、モノ−もしくはジ−C〜C−アルキルアミノメチル基である。挙げられる例は、ジメチルアミノメチル(CHN−CH基である。
【0032】
〜C−アルキルカルボニルアミノは、C〜C−アルキルカルボニル基が結合しているアミノ基を表す。挙げられる例は、プロピオニルアミノ(CC(O)NH−)基及びアセチルアミノ(アセトアミド、CHC(O)NH−)基である。
【0033】
〜C−アルコキシカルボニルアミノは、上記のC〜C−アルコキシカルボニル基の1つにより置換されたアミノ基を表す。挙げられる例は、エトキシカルボニルアミノ基及びメトキシカルボニルアミノ基である。
【0034】
〜C−アルコキシ−C〜C−アルコキシカルボニルは、前記のC〜C−アルコキシ−C〜C−アルコキシ基の1つと結合するカルボニル基を表す。挙げられる例は、2−(メトキシ)エトキシカルボニル(CH−O−CHCH−O−CO−)及び2−(エトキシ)エトキシカルボニル(CHCH−O−CHCH−O−CO−)基である。
【0035】
〜C−アルコキシ−C〜C−アルコキシカルボニルアミノは、上記のC〜C−アルコキシ−C〜C−アルコキシカルボニル基の1つにより置換されたアミノ基を表す。挙げられる例は、2−(メトキシ)エトキシカルボニルアミノ及び2−(エトキシ)エトキシカルボニルアミノ基である。
【0036】
挙げられる基Arは、例えば以下の置換基である:4−アセトキシフェニル、4−アセトアミドフェニル、2−メトキシフェニル、3−メトキシフェニル、4−メトキシフェニル、3−ベンジルオキシフェニル、4−ベンジルオキシフェニル、3−ベンジルオキシ−4−メトキシフェニル、4−ベンジルオキシ−3−メトキシフェニル、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル、4−ブトキシフェニル、2−クロロフェニル、3−クロロフェニル、4−クロロフェニル、2−クロロ−6−フルオロフェニル、3−クロロ−4−フルオロフェニル、2−クロロ−5−ニトロフェニル、4−クロロ−3−ニトロフェニル、3−(4−クロロフェノキシ)フェニル、2,4−ジクロロフェニル、3,4−ジフルオロフェニル、2,4−ジヒドロキシフェニル、2,6−ジメトキシフェニル、3,4−ジメトキシ−5−ヒドロキシフェニル、2,5−ジメチルフェニル、3−エトキシ−4−ヒドロキシフェニル、2−フルオロフェニル、4−フルオロフェニル、4−ヒドロキシフェニル、2−ヒドロキシ−5−ニトロフェニル、3−メトキシ−2−ニトロフェニル、3−ニトロフェニル、2,3,5−トリクロロフェニル、2,4,6−トリヒドロキシフェニル、2,3,4−トリメトキシフェニル、2−ヒドロキシ−1−ナフチル、2−メトキシ−1−ナフチル、4−メトキシ−1−ナフチル、1−メチル−2−ピロリル、2−ピロリル、3−メチル−2−ピロリル、3,4−ジメチル−2−ピロリル、4−(2−メトキシカルボニルエチル)−3−メチル−2−ピロリル、5−エトキシカルボニル−2,4−ジメチル−3−ピロリル、3,4−ジブロモ−5−メチル−2−ピロリル、2,5−ジメチル−1−フェニル−3−ピロリル、5−カルボキシ−3−エチル−4−メチル−2−ピロリル、3,5−ジメチル−2−ピロリル、2,5−ジメチル−1−(4−トリフルオロメチルフェニル)−3−ピロリル、1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−2−ピロリル、1−(2−ニトロベンジル)−2−ピロリル、1−(2−フルオロフェニル)−2−ピロリル、1−(4−トリフルオロメトキシフェニル)−2−ピロリル、1−(2−ニトロベンジル)−2−ピロリル、1−(4−エトキシカルボニル)−2,5−ジメチル−3−ピロリル、5−クロロ−1,3−ジメチル−4−ピラゾリル、5−クロロ−1−メチル−3−トリフルオロメチル−4−ピラゾリル、1−(4−クロロベンジル)−5−ピラゾリル、1,3−ジメチル−5−(4−クロロフェノキシ)−4−ピラゾリル、1−メチル−3−トリフルオロメチル−5−(3−トリフルオロメチルフェノキシ)−4−ピラゾリル、4−メトキシカルボニル−1−(2,6−ジクロロフェニル)−5−ピラゾリル、5−アリルオキシ−1−メチル−3−トリフルオロメチル−4−ピラゾリル、5−クロロ−1−フェニル−3−トリフルオロメチル−4−ピラゾリル、3,5−ジメチル−1−フェニル−4−イミダゾリル、4−ブロモ−1−メチル−5−イミダゾリル、2−ブチルイミダゾリル、1−フェニル−1,2,3−トリアゾール−4−イル、3−インドリル、4−インドリル、7−インドリル、5−メトキシ−3−インドリル、5−ベンジルオキシ−3−インドリル、1−ベンジル−3−インドリル、2−(4−クロロフェニル)−3−インドリル、7−ベンジルオキシ−3−インドリル、6−ベンジルオキシ−3−インドリル、2−メチル−5−ニトロ−3−インドリル、4,5,6,7−テトラフルオロ−3−インドリル、1−(3,5−ジフルオロベンジル)−3−インドリル、1−メチル−2−(4−トリフルオロフェノキシ)−3−インドリル、1−メチル−2−ベンゾイミダゾリル、5−ニトロ−2−フリル、5−ヒドロキシメチル−2−フリル、2−フリル、3−フリル、5−(2−ニトロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−2−フリル、4−エトキシカルボニル−5−メチル−2−フリル、5−(2−トリフルオロメトキシフェニル)−2−フリル、5−(4−メトキシ−2−ニトロフェニル)−2−フリル、4−ブロモ−2−フリル、5−ジメチルアミノ−2−フリル、5−ブロモ−2−フリル、5−スルホ−2−フリル、2−ベンゾフリル、2−チエニル、3−チエニル、3−メチル−2−チエニル、4−ブロモ−2−チエニル、5−ブロモ−2−チエニル、5−ニトロ−2−チエニル、5−メチル−2−チエニル、5−(4−メトキシフェニル)−2−チエニル、4−メチル−2−チエニル、3−フェノキシ−2−チエニル、5−カルボキシ−2−チエニル、2,5−ジクロロ−3−チエニル、3−メトキシ−2−チエニル、2−ベンゾチエニル、3−メチル−2−ベンゾチエニル、2−ブロモ−5−クロロ−3−ベンゾチエニル、2−チアゾリル、2−アミノ−4−クロロ−5−チアゾリル、2,4−ジクロロ−5−チアゾリル、2−ジエチルアミノ−5−チアゾリル、3−メチル−4−ニトロ−5−イソキサゾリル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、6−メチル−2−ピリジル、3−ヒドロキシ−5−ヒドロキシメチル−2−メチル−4−ピリジル、2,6−ジクロロ−4−ピリジル、3−クロロ−5−トリフルオロメチル−2−ピリジル、4,6−ジメチル−2−ピリジル、4−(4−クロロフェニル)−3−ピリジル、2−クロロ−5−メトキシカルボニル−6−メチル−4−フェニル−3−ピリジル、2−クロロ−3−ピリジル、6−(3−トリフルオロメチルフェノキシ)−3−ピリジル、2−(4−クロロフェノキシ)−3−ピリジル、2,4−ジメトキシ−5−ピリミジン、2−キノリニル、3−キノリニル、4−キノリニル、2−クロロ−3−キノリニル、2−クロロ−6−メトキシ−3−キノリニル、8−ヒドロキシ−2−キノリニル及び4−イソキノリニル。この点に関して、式1の化合物の適当な塩は、置換に依存して、殊に全ての酸付加塩である。薬学で慣用に使用される無機酸及び有機酸の薬理学的に認容性の塩を特に挙げることができる。好適にはこれらは、酸、例えば塩酸、臭化水素酸、リン酸、硝酸、硫酸、酢酸、クエン酸、D−グルコン酸、安息香酸、2−(4−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、酪酸、スルホサリチル酸、マレイン酸、ラウリン酸、リンゴ酸、フマル酸、コハク酸、シュウ酸、酒石酸、エンボン酸、ステアリン酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸又は3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸との水溶性又は非水溶性の酸付加塩であり、前記酸は、この酸が一塩基酸であるか又は多塩基酸であるかに依存して、及びどの塩が所望であるかに依存して、塩の製造において等モル比又はそれとは異なる比で使用される。本発明による化合物の工業的規模での製造の間に、例えばプロセス生成物としてまずは得ることができる薬理学的に非認容性の塩は当業者に公知の方法によって薬理学的に認容性の塩に変換される。
【0037】
本発明による化合物及びその塩は、例えばこれらが結晶形で単離される場合に種々の溶剤量を有してよいことは当業者には知られている。従ってまた本発明は、式1の化合物の全ての溶媒和物及び、特に全ての水和物、及び式1の化合物の塩の全ての溶媒和物及び、特に全ての水和物を包含する。
【0038】
本発明の一実施態様(実施態様a)は、式1で示され、その式中、R1が水素であり、かつR2、R3、R4及びArが冒頭に示した意味を有する化合物である。
【0039】
本発明のもう一つの実施態様(実施態様b)は、式1で示され、その式中、R1が基CH−R11又は基CH(OR12)−R11であり、かつR11、R12、R2、R3、R4及びArが冒頭に示した意味を有する化合物である。
【0040】
本発明のもう一つの実施態様(実施態様c)は、式1で示され、その式中、R2がC〜C−アルキルであり、かつR1、R3、R4及びArが冒頭に示した意味を有する化合物である。
【0041】
本発明のもう一つの実施態様(実施態様d)は、式1で示され、その式中、R2が水素、C〜C−シクロアルキル、C〜C−シクロアルキル−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシカルボニル、C〜C−アルケニル、C〜C−アルキニル、フルオロ−C〜C−アルキル又はヒドロキシ−C〜C−アルキルであり、かつR1、R3、R4及びArが冒頭に示した意味を有する化合物である。
【0042】
本発明による有利な実施態様は、実施態様cである。
【0043】
本発明による特に有利な一実施態様(実施態様e)は、式1で示され、その式中、R2及びR3がそれぞれC〜C−アルキル基であり、特にR2及びR3がそれぞれメチル基であり、かつR1、R4及びArが冒頭に示した意味を有する化合物である。
【0044】
また本発明は、式1で示され、その式中、
R1は、水素又は基CH−R11であり、その際、
R11は、水素、C〜C−アルキル、アリール、テトラヒドロフリル、ピリジル、フリル又はチエニルであり、
R2は、水素、C〜C−アルキル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−シクロアルキル−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシカルボニル、C〜C−アルケニル、C〜C−アルキニル、フルオロ−C〜C−アルキル又はヒドロキシ−C〜C−アルキルであり、
R3は、水素、C〜C−アルキル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−シクロアルキル−C〜C−アルキル、ハロゲン、C〜C−アルケニル、C〜C−アルキニル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、アリール、ヒドロキシ−C〜C−アルケニル、ヒドロキシ−C〜C−アルキニル、C〜C−アルコキシカルボニル、フルオロ−C〜C−アルキル、シアノメチル、ヒドロキシル、C〜C−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C〜C−アルキルアミノ、C〜C−アルキルカルボニルアミノ、C〜C−アルコキシカルボニルアミノ、カルボキシル、モノ−もしくはジ−C〜C−アルキルアミノ−C〜C−アルキル、C〜C−アルキルカルボニル、C〜C−アルケニルカルボニル、C〜C−アルキニルカルボニル又は基−CO−NR31R32であり、その際、
R31は、水素、C〜C−アルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル又はC〜C−シクロアルキルであり、かつ
R32は、水素、C〜C−アルキルであるか、又は
R31及びR32は、一緒になって、これらが結合される窒素原子を含んで、ピロリジノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、アジリジノ基又はアゼチジノ基を形成し、
R4は、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル、カルボキシル、C〜C−アルコキシカルボニル、ハロゲン、フルオロ−C〜C−アルキル、C〜C−アルケニル、C〜C−アルキニル、シアノ又は基−CO−NR41R42であり、その際、
R41は、水素、C〜C−アルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル又はC〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル又はC〜C−シクロアルキルであり、かつ
R42は、水素、C〜C−アルキルであるか、又は
R41及びR42は、一緒になって、これらが結合される窒素原子を含んで、ピロリジノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、アジリジノ基又はアゼチジノ基であり、
Arは、R5、R6、R7及びR8によって置換された、フェニル、ナフチル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、1,2,3−トリアゾリル、インドリル、ベンゾイミダゾリル、フリル、ベンゾフリル、チエニル、ベンゾチエニル、チアゾリル、イソキサゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、キノリニル及びイソキノリニルからなる群から選択される単環式又は二環式の芳香族の残基であり、その際、
R5は、水素、C〜C−アルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルケニルオキシ、C〜C−アルキルカルボニル、カルボキシル、C〜C−アルコキシカルボニル、カルボキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシカルボニル−C〜C−アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、アリール、アリール−C〜C−アルキル、アリール−オキシ、アリール−C〜C−アルコキシ、トリフルオロメチル、ニトロ、アミノ、モノ−もしくはジ−C〜C−アルキルアミノ、C〜C−アルキルカルボニルアミノ、C〜C−アルコキシカルボニルアミノ、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルコキシカルボニルアミノ又はスルホニルであり、
R6は、水素、C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルコキシカルボニル、ハロゲン、トリフルオロメチル又はヒドロキシルであり、
R7は、水素、C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、ヒドロキシル又はハロゲンであり、かつ
R8は、水素、C〜C−アルキル又はハロゲンであり、その際、
アリールは、フェニル又は、C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、カルボキシル、C〜C−アルコキシカルボニル、ハロゲン、トリフルオロメチル、ニトロ、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシル及びシアノからなる群からの1個、2個又は3個の同一又は異なる置換基を有する置換されたフェニルである、化合物及びこれらの化合物の塩に関する。
【0045】
式1の化合物のうち、前記の化合物であって、その式中、
R1は、水素、基CH−R11又は基CH(OR12)−R11であり、その際、
R11は、水素、C〜C−アルキル、アリール、テトラヒドロフリル、ピリジル、フリル又はチエニルであり、
R12は、水素、C〜C−アルキル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−シクロアルキル−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル、フルオロ−C〜C−アルキルであり、その際、
アリールは、フェニル又は、C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、カルボキシル、C〜C−アルコキシカルボニル、ハロゲン、トリフルオロメチル、ニトロ、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシル及びシアノからなる群からの1個、2個又は3個の同一又は異なる置換基を有する置換されたフェニルであり、
R2は、水素又はC〜C−アルキルであり、
R3は、水素、C〜C−アルキル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−シクロアルキル−C〜C−アルキル、ハロゲン、C〜C−アルケニル、C〜C−アルキニル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシカルボニル、シアノメチル、カルボキシル又は基−CO−NR31R32であり、その際、
R31は、水素、C〜C−アルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル又はC〜C−シクロアルキルであり、かつ
R32は、水素、C〜C−アルキルであるか、又は
R31及びR32は、一緒になって、これらが結合される窒素原子を含んで、ピロリジノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、アジリジノ基又はアゼチジノ基を形成し、
R4は、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル、カルボキシル、C〜C−アルコキシカルボニル、ハロゲン、フルオロ−C〜C−アルキル又は基−CO−NR41R42であり、その際、
R41は、水素、C〜C−アルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル又はC〜C−シクロアルキルであり、かつ
R42は、水素又はC〜C−アルキルであるか、又は
R41及びR42は、一緒になって、これらが結合される窒素原子を含んで、ヒドロキシ基によって置換されていてよい、ピロリジノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、アジリジノ基又はアゼチジノ基であり、
Arは、R5及びR6によって置換されたフェニル基であり、その際、
R5は、水素、C〜C−アルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルコキシカルボニル、ハロゲン、トリフルオロメチル、アミノ、モノ−もしくはジ−C〜C−アルキルアミノ、C〜C−アルキルカルボニルアミノ、C〜C−アルコキシカルボニルアミノ又はC〜C−アルコキシ−C〜C−アルコキシカルボニルアミノであり、かつ
R6は、水素、C〜C−アルキル又はC〜C−アルコキシであるか、又は
Arは、4−アセトキシフェニル、4−アセトアミドフェニル、2−メトキシフェニル、3−メトキシフェニル、4−メトキシフェニル、3−ベンジルオキシフェニル、4−ベンジルオキシフェニル、3−ベンジルオキシ−4−メトキシフェニル、4−ベンジルオキシ−3−メトキシフェニル、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル、4−ブトキシフェニル、2−クロロフェニル、3−クロロフェニル、4−クロロフェニル、2−クロロ−6−フルオロフェニル、3−クロロ−4−フルオロフェニル、2−クロロ−5−ニトロフェニル、4−クロロ−3−ニトロフェニル、3−(4−クロロフェノキシ)フェニル、2,4−ジクロロフェニル、3,4−ジフルオロフェニル、2,4−ジヒドロキシフェニル、2,6−ジメトキシフェニル、3,4−ジメトキシ−5−ヒドロキシフェニル、2,5−ジメチルフェニル、3−エトキシ−4−ヒドロキシフェニル、2−フルオロフェニル、4−フルオロフェニル、4−ヒドロキシフェニル、2−ヒドロキシ−5−ニトロフェニル、3−メトキシ−2−ニトロフェニル、3−ニトロフェニル、2,3,5−トリクロロフェニル、2,4,6−トリヒドロキシフェニル、2,3,4−トリメトキシフェニル、2−ヒドロキシ−1−ナフチル、2−メトキシ−1−ナフチル、4−メトキシ−1−ナフチル、1−メチル−2−ピロリル、2−ピロリル、3−メチル−2−ピロリル、3,4−ジメチル−2−ピロリル、4−(2−メトキシカルボニルエチル)−3−メチル−2−ピロリル、5−エトキシカルボニル−2,4−ジメチル−3−ピロリル、3,4−ジブロモ−5−メチル−2−ピロリル、2,5−ジメチル−1−フェニル−3−ピロリル、5−カルボキシ−3−エチル−4−メチル−2−ピロリル、3,5−ジメチル−2−ピロリル、2,5−ジメチル−1−(4−トリフルオロメチルフェニル)−3−ピロリル、1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−2−ピロリル、1−(2−ニトロベンジル)−2−ピロリル、1−(2−フルオロフェニル)−2−ピロリル、1−(4−トリフルオロメトキシフェニル)−2−ピロリル、1−(2−ニトロベンジル)−2−ピロリル、1−(4−エトキシカルボニル)−2,5−ジメチル−3−ピロリル、5−クロロ−1,3−ジメチル−4−ピラゾリル、5−クロロ−1−メチル−3−トリフルオロメチル−4−ピラゾリル、1−(4−クロロベンジル)−5−ピラゾリル、1,3−ジメチル−5−(4−クロロフェノキシ)−4−ピラゾリル、1−メチル−3−トリフルオロメチル−5−(3−トリフルオロメチルフェノキシ)−4−ピラゾリル、4−メトキシカルボニル−1−(2,6−ジクロロフェニル)−5−ピラゾリル、5−アリルオキシ−1−メチル−3−トリフルオロメチル−4−ピラゾリル、5−クロロ−1−フェニル−3−トリフルオロメチル−4−ピラゾリル、3,5−ジメチル−1−フェニル−4−イミダゾリル、4−ブロモ−1−メチル−5−イミダゾリル、2−ブチルイミダゾリル、1−フェニル−1,2,3−トリアゾール−4−イル、3−インドリル、4−インドリル、7−インドリル、5−メトキシ−3−インドリル、5−ベンジルオキシ−3−インドリル、1−ベンジル−3−インドリル、2−(4−クロロフェニル)−3−インドリル、7−ベンジルオキシ−3−インドリル、6−ベンジルオキシ−3−インドリル、2−メチル−5−ニトロ−3−インドリル、4,5,6,7−テトラフルオロ−3−インドリル、1−(3,5−ジフルオロベンジル)−3−インドリル、1−メチル−2−(4−トリフルオロフェノキシ)−3−インドリル、1−メチル−2−ベンゾイミダゾリル、5−ニトロ−2−フリル、5−ヒドロキシメチル−2−フリル、2−フリル、3−フリル、5−(2−ニトロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−2−フリル、4−エトキシカルボニル−5−メチル−2−フリル、5−(2−トリフルオロメトキシフェニル)−2−フリル、5−(4−メトキシ−2−ニトロフェニル)−2−フリル、4−ブロモ−2−フリル、5−ジメチルアミノ−2−フリル、5−ブロモ−2−フリル、5−スルホ−2−フリル、2−ベンゾフリル、2−チエニル、3−チエニル、3−メチル−2−チエニル、4−ブロモ−2−チエニル、5−ブロモ−2−チエニル、5−ニトロ−2−チエニル、5−メチル−2−チエニル、5−(4−メトキシフェニル)−2−チエニル、4−メチル−2−チエニル、3−フェノキシ−2−チエニル、5−カルボキシ−2−チエニル、2,5−ジクロロ−3−チエニル、3−メトキシ−2−チエニル、2−ベンゾチエニル、3−メチル−2−ベンゾチエニル、2−ブロモ−5−クロロ−3−ベンゾチエニル、2−チアゾリル、2−アミノ−4−クロロ−5−チアゾリル、2,4−ジクロロ−5−チアゾリル、2−ジエチルアミノ−5−チアゾリル、3−メチル−4−ニトロ−5−イソキサゾリル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、6−メチル−2−ピリジル、3−ヒドロキシ−5−ヒドロキシメチル−2−メチル−4−ピリジル、2,6−ジクロロ−4−ピリジル、3−クロロ−5−トリフルオロメチル−2−ピリジル、4,6−ジメチル−2−ピリジル、4−(4−クロロフェニル)−3−ピリジル、2−クロロ−5−メトキシカルボニル−6−メチル−4−フェニル−3−ピリジル、2−クロロ−3−ピリジル、6−(3−トリフルオロメチルフェノキシ)−3−ピリジル、2−(4−クロロフェノキシ)−3−ピリジル、2,4−ジメトキシ−5−ピリミジン、2−キノリニル、3−キノリニル、4−キノリニル、2−クロロ−3−キノリニル、2−クロロ−6−メトキシ−3−キノリニル、8−ヒドロキシ−2−キノリニル及び4−イソキノリニルからなる群から選択される、化合物及びこれらの化合物の塩を挙げることができる。
【0046】
更に挙げられるべき式1の化合物は、その式中、
R1は、水素又は基CH−R11であり、その際、
R11は、水素、C〜C−アルキル、フェニル、テトラヒドロフリル、ピリジル、フリル又はチエニルであり、
R2は、水素又はC〜C−アルキルであり、
R3は、水素、C〜C−アルキル、ハロゲン、C〜C−アルケニル、C〜C−アルキニル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシカルボニル、シアノメチル、アミノ、モノ−もしくはジ−C〜C−アルキルアミノ、C〜C−アルキルカルボニルアミノ、C〜C−アルコキシカルボニルアミノ、カルボキシル又は基−CO−NR31R32であり、その際、
R31は、水素、C〜C−アルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキルであり、かつ
R32は、水素、C〜C−アルキルであるか、又は
R31及びR32は、一緒になって、これらが結合される窒素原子を含んで、ピロリジノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、アジリジノ基又はアゼチジノ基を形成し、
R4は、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル、カルボキシル、C〜C−アルコキシカルボニル、ハロゲン又は基−CO−NR41R42であり、その際、
R41は、水素、C〜C−アルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル又はC〜C−シクロアルキルであり、かつ
R42は、水素又はC〜C−アルキルであるか、又は
R41及びR42は、一緒になって、これらが結合される窒素原子を含んで、ピロリジノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、アジリジノ基又はアゼチジノ基であり、
Arは、R5及びR6によって置換されたフェニル基であり、その際、
R5は、水素、C〜C−アルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルコキシカルボニル、トリフルオロメチル、アミノ、モノ−もしくはジ−C〜C−アルキルアミノ、C〜C−アルキルカルボニルアミノ、C〜C−アルコキシカルボニルアミノ又はC〜C−アルコキシ−C〜C−アルコキシカルボニルアミノであり、かつ
R6は、水素、C〜C−アルキル又はC〜C−アルコキシであるか、又は
Arは、4−アセトキシフェニル、4−アセトアミドフェニル、2−メトキシフェニル、3−メトキシフェニル、4−メトキシフェニル、3−ベンジルオキシフェニル、4−ベンジルオキシフェニル、3−ベンジルオキシ−4−メトキシフェニル、4−ベンジルオキシ−3−メトキシフェニル、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル、4−ブトキシフェニル、2−クロロフェニル、3−クロロフェニル、4−クロロフェニル、2−クロロ−6−フルオロフェニル、3−クロロ−4−フルオロフェニル、2−クロロ−5−ニトロフェニル、4−クロロ−3−ニトロフェニル、3−(4−クロロフェノキシ)フェニル、2,4−ジクロロフェニル、3,4−ジフルオロフェニル、2,4−ジヒドロキシフェニル、2,6−ジメトキシフェニル、3,4−ジメトキシ−5−ヒドロキシフェニル、2,5−ジメチルフェニル、3−エトキシ−4−ヒドロキシフェニル、2−フルオロフェニル、4−フルオロフェニル、4−ヒドロキシフェニル、2−ヒドロキシ−5−ニトロフェニル、3−メトキシ−2−ニトロフェニル、3−ニトロフェニル、2,3,5−トリクロロフェニル、2,4,6−トリヒドロキシフェニル、2,3,4−トリメトキシフェニル、2−ヒドロキシ−1−ナフチル、2−メトキシ−1−ナフチル、4−メトキシ−1−ナフチル、1−メチル−2−ピロリル、2−ピロリル、3−メチル−2−ピロリル、3,4−ジメチル−2−ピロリル、4−(2−メトキシカルボニルエチル)−3−メチル−2−ピロリル、5−エトキシカルボニル−2,4−ジメチル−3−ピロリル、3,4−ジブロモ−5−メチル−2−ピロリル、2,5−ジメチル−1−フェニル−3−ピロリル、5−カルボキシ−3−エチル−4−メチル−2−ピロリル、3,5−ジメチル−2−ピロリル、2,5−ジメチル−1−(4−トリフルオロメチルフェニル)−3−ピロリル、1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−2−ピロリル、1−(2−ニトロベンジル)−2−ピロリル、1−(2−フルオロフェニル)−2−ピロリル、1−(4−トリフルオロメトキシフェニル)−2−ピロリル、1−(2−ニトロベンジル)−2−ピロリル、1−(4−エトキシカルボニル)−2,5−ジメチル−3−ピロリル、5−クロロ−1,3−ジメチル−4−ピラゾリル、5−クロロ−1−メチル−3−トリフルオロメチル−4−ピラゾリル、1−(4−クロロベンジル)−5−ピラゾリル、1,3−ジメチル−5−(4−クロロフェノキシ)−4−ピラゾリル、1−メチル−3−トリフルオロメチル−5−(3−トリフルオロメチルフェノキシ)−4−ピラゾリル、4−メトキシカルボニル−1−(2,6−ジクロロフェニル)−5−ピラゾリル、5−アリルオキシ−1−メチル−3−トリフルオロメチル−4−ピラゾリル、5−クロロ−1−フェニル−3−トリフルオロメチル−4−ピラゾリル、3,5−ジメチル−1−フェニル−4−イミダゾリル、4−ブロモ−1−メチル−5−イミダゾリル、2−ブチルイミダゾリル、1−フェニル−1,2,3−トリアゾール−4−イル、3−インドリル、4−インドリル、7−インドリル、5−メトキシ−3−インドリル、5−ベンジルオキシ−3−インドリル、1−ベンジル−3−インドリル、2−(4−クロロフェニル)−3−インドリル、7−ベンジルオキシ−3−インドリル、6−ベンジルオキシ−3−インドリル、2−メチル−5−ニトロ−3−インドリル、4,5,6,7−テトラフルオロ−3−インドリル、1−(3,5−ジフルオロベンジル)−3−インドリル、1−メチル−2−(4−トリフルオロフェノキシ)−3−インドリル、1−メチル−2−ベンゾイミダゾリル、5−ニトロ−2−フリル、5−ヒドロキシメチル−2−フリル、2−フリル、3−フリル、5−(2−ニトロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−2−フリル、4−エトキシカルボニル−5−メチル−2−フリル、5−(2−トリフルオロメトキシフェニル)−2−フリル、5−(4−メトキシ−2−ニトロフェニル)−2−フリル、4−ブロモ−2−フリル、5−ジメチルアミノ−2−フリル、5−ブロモ−2−フリル、5−スルホ−2−フリル、2−ベンゾフリル、2−チエニル、3−チエニル、3−メチル−2−チエニル、4−ブロモ−2−チエニル、5−ブロモ−2−チエニル、5−ニトロ−2−チエニル、5−メチル−2−チエニル、5−(4−メトキシフェニル)−2−チエニル、4−メチル−2−チエニル、3−フェノキシ−2−チエニル、5−カルボキシ−2−チエニル、2,5−ジクロロ−3−チエニル、3−メトキシ−2−チエニル、2−ベンゾチエニル、3−メチル−2−ベンゾチエニル、2−ブロモ−5−クロロ−3−ベンゾチエニル、2−チアゾリル、2−アミノ−4−クロロ−5−チアゾリル、2,4−ジクロロ−5−チアゾリル、2−ジエチルアミノ−5−チアゾリル、3−メチル−4−ニトロ−5−イソキサゾリル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、6−メチル−2−ピリジル、3−ヒドロキシ−5−ヒドロキシメチル−2−メチル−4−ピリジル、2,6−ジクロロ−4−ピリジル、3−クロロ−5−トリフルオロメチル−2−ピリジル、4,6−ジメチル−2−ピリジル、4−(4−クロロフェニル)−3−ピリジル、2−クロロ−5−メトキシカルボニル−6−メチル−4−フェニル−3−ピリジル、2−クロロ−3−ピリジル、6−(3−トリフルオロメチルフェノキシ)−3−ピリジル、2−(4−クロロフェノキシ)−3−ピリジル、2,4−ジメトキシ−5−ピリミジン、2−キノリニル、3−キノリニル、4−キノリニル、2−クロロ−3−キノリニル、2−クロロ−6−メトキシ−3−キノリニル、8−ヒドロキシ−2−キノリニル及び4−イソキノリニルから選択される、化合物及びこれらの化合物の塩である。
【0047】
式1の化合物のうち、前記の化合物であって、その式中、
R1は、水素、基CH−R11又は基CH(OR12)−R11であり、その際、
R11は、水素、C〜C−アルキル、アリール、テトラヒドロフリル、ピリジル、フリル又はチエニルであり、
R12は、水素、C〜C−アルキル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−シクロアルキル−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル、フルオロ−C〜C−アルキルであり、その際、
アリールは、フェニル又は、C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、カルボキシル、C〜C−アルコキシカルボニル、ハロゲン、トリフルオロメチル、ニトロ、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシル及びシアノからなる群からの1個、2個又は3個の同一又は異なる置換基を有する置換されたフェニルであり、
R2は、C〜C−アルキルであり、
R3は、水素、C〜C−アルキル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−シクロアルキル−C〜C−アルキル、ハロゲン、C〜C−アルケニル、C〜C−アルキニル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシカルボニル、シアノメチル、カルボキシル又は基−CO−NR31R32であり、その際、
R31は、水素、C〜C−アルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル又はC〜C−シクロアルキルであり、かつ
R32は、水素、C〜C−アルキルであるか、又は
R31及びR32は、一緒になって、これらが結合される窒素原子を含んで、ピロリジノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、アジリジノ基又はアゼチジノ基を形成し、
R4は、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル、カルボキシル、C〜C−アルコキシカルボニル、ハロゲン、フルオロ−C〜C−アルキル又は基−CO−NR41R42であり、その際、
R41は、水素、C〜C−アルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル又はC〜C−シクロアルキルであり、かつ
R42は、水素又はC〜C−アルキルであるか、又は
R41及びR42は、一緒になって、これらが結合される窒素原子を含んで、ヒドロキシ基によって置換されていてよい、ピロリジノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、アジリジノ基又はアゼチジノ基であり、
Arは、R5及びR6によって置換されたフェニル基であり、その際、
R5は、水素、C〜C−アルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルコキシカルボニル、ハロゲン、トリフルオロメチル、アミノ、モノ−もしくはジ−C〜C−アルキルアミノ、C〜C−アルキルカルボニルアミノ、C〜C−アルコキシカルボニルアミノ又はC〜C−アルコキシ−C〜C−アルコキシカルボニルアミノであり、かつ
R6は、水素、C〜C−アルキル又はC〜C−アルコキシである、化合物及びこれらの化合物の塩を特に挙げることができる。
【0048】
式1で示され、その式中、
R1は、水素又は基CH−R11であり、その際、
R11は、水素、C〜C−アルキル、フェニル、テトラヒドロフリル、フリル又はチエニルであり、
R2は、C〜C−アルキルであり、
R3は、水素、C〜C−アルキル、ハロゲン、C〜C−アルケニル、C〜C−アルキニル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシカルボニル、シアノメチル、アミノ、モノ−もしくはジ−C〜C−アルキルアミノ、C〜C−アルキルカルボニルアミノ、C〜C−アルコキシカルボニルアミノ、カルボキシル又は基−CO−NR31R32であり、その際、
R31は、水素、C〜C−アルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキルであり、かつ
R32は、水素、C〜C−アルキルであるか、又は
R31及びR32は、一緒になって、これらが結合される窒素原子を含んで、ピロリジノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、アジリジノ基又はアゼチジノ基であり、
R4は、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル、カルボキシル、C〜C−アルコキシカルボニル、ハロゲン又は基−CO−NR41R42であり、その際、
R41は、水素、C〜C−アルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル又はC〜C−シクロアルキルであり、かつ
R42は、水素又はC〜C−アルキルであるか、又は
R41及びR42は、一緒になって、これらが結合される窒素原子を含んで、ピロリジノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、アジリジノ基又はアゼチジノ基であり、
Arは、R5及びR6によって置換されたフェニル基であり、その際、
R5は、水素、C〜C−アルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルコキシカルボニル、トリフルオロメチル、アミノ、モノ−もしくはジ−C〜C−アルキルアミノ、C〜C−アルキルカルボニルアミノ、C〜C−アルコキシカルボニルアミノ又はC〜C−アルコキシ−C〜C−アルコキシカルボニルアミノであり、かつ
R6は、水素、C〜C−アルキル又はC〜C−アルコキシである、化合物及びこれらの化合物の塩をまた特に挙げることができる。
【0049】
強調されるべき式1の化合物は、前記の化合物であって、その式中、
R1は、水素、基CH−R11又は基CH(OR12)−R11であり、その際、
R11は、水素、C〜C−アルキル、アリール、テトラヒドロフリル、ピリジル、フリル又はチエニルであり、
R12は、水素、C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル、フルオロ−C〜C−アルキルであり、その際、
アリールは、フェニル又は、C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、ハロゲン及びヒドロキシルからなる群からの1個の置換基を有する置換されたフェニルであり、
R2は、C〜C−アルキルであり、
R3は、水素、C〜C−アルキル、ハロゲン、C〜C−アルケニル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシカルボニル、カルボキシル又は基−CO−NR31R32であり、その際、
R31は、水素、C〜C−アルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキルであり、かつ
R32は、水素、C〜C−アルキルであり、
R4は、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル、カルボキシル、C〜C−アルコキシカルボニル、ハロゲン又は基−CO−NR41R42であり、その際、
R41は、水素、C〜C−アルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル又はC〜C−シクロアルキルであり、かつ
R42は、水素又はC〜C−アルキルであるか、又は
R41及びR42は、一緒になって、これらが結合される窒素原子を含んで、ヒドロキシ基によって置換されていてよい、ピロリジノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、アジリジノ基又はアゼチジノ基であり、
Arは、R5及びR6によって置換されたフェニル基であり、その際、
R5は、水素、C〜C−アルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルキルであり、かつ
R6は、C〜C−アルキルである、化合物及びこれらの化合物の塩である。
【0050】
また強調されるべき式1の化合物は、式1で示され、その式中、
R1は、水素又は基CH−R11であり、その際、
R11は、水素、C〜C−アルキル、フェニル、テトラヒドロフリル又はフリルであり、
R2は、C〜C−アルキルであり、
R3は、水素、C〜C−アルキル、ハロゲン、C〜C−アルケニル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシカルボニル、カルボキシル又は基−CO−NR31R32であり、その際、
R31は、水素、C〜C−アルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキルであり、かつ
R32は、水素、C〜C−アルキルであり、
R4は、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル、カルボキシル、C〜C−アルコキシカルボニル、ハロゲン又は基−CO−NR41R42であり、その際、
R41は、水素、C〜C−アルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル又はC〜C−シクロアルキルであり、かつ
R42は、水素又はC〜C−アルキルであるか、又は
R41及びR42は、一緒になって、これらが結合される窒素原子を含んで、ピロリジノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、アジリジノ基又はアゼチジノ基であり、
Arは、R5及びR6によって置換されたフェニル基であり、その際、
R5は、C〜C−アルキルであり、かつ
R6は、C〜C−アルキルである、化合物及びこれらの化合物の塩である。
【0051】
特に強調されるべき式1の化合物は、前記の化合物であって、その式中、
R1は、水素、基CH−R11又は基CH(OR12)−R11であり、その際、
R11は、水素、C〜C−アルキル、フェニル、テトラヒドロフリル、フリル又はチエニルであり、
R12は、水素、C〜C−アルキルであり、
R2は、C〜C−アルキルであり、
R3は、水素、C〜C−アルキル、ハロゲン、C〜C−アルケニル又はヒドロキシ−C〜C−アルキルであり、
R4は、カルボキシル、C〜C−アルコキシカルボニル、ハロゲン又は基−CO−NR41R42であり、その際、
R41は、水素、C〜C−アルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−シクロアルキルであり、かつ
R42は、水素、C〜C−アルキルであるか、又は
R41及びR42は、一緒になって、これらが結合される窒素原子を含んで、ヒドロキシ基によって置換されていてよい、ピロリジノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、アジリジノ基又はアゼチジノ基であり、
Arは、R5及びR6によって置換されたフェニル基であり、その際、
R5は、水素、C〜C−アルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルキルであり、かつ
R6は、C〜C−アルキルである、化合物及びこれらの化合物の塩である。
【0052】
また特に強調されるべき式1の化合物は、前記の化合物であって、その式中、
R1は、水素又は基CH−R11であり、その際、
R11は、水素、C〜C−アルキル、フェニル、テトラヒドロフリル又はフリルであり、
R2は、C〜C−アルキルであり、
R3は、水素、C〜C−アルキル、ハロゲン、C〜C−アルケニル又はヒドロキシ−C〜C−アルキル又は基−CO−NR31R32であり、その際、
R31は、C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキルであり、かつ
R32は、水素、C〜C−アルキルであり、
R4は、カルボキシル、C〜C−アルコキシカルボニル、ハロゲン又は基−CO−NR41R42であり、その際、
R41は、水素、C〜C−アルキル、C〜C−シクロアルキルであり、かつ
R42は、水素、C〜C−アルキルであるか、又は
R41及びR42は、一緒になって、これらが結合される窒素原子を含んで、ピロリジノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、アジリジノ基又はアゼチジノ基であり、
Arは、R5及びR6によって置換されたフェニル基であり、その際、
R5は、C〜C−アルキルであり、かつ
R6は、C〜C−アルキルである、化合物及びこれらの化合物の塩である。
【0053】
特に強調されるべき例示される式1の化合物は、前記の化合物であって、その式中、
R1は、水素又は基CH−R11であり、その際、
R11は、水素又はフェニルであり、
R2は、C〜C−アルキルであり、
R3は、水素、C〜C−アルキル、ハロゲン又はヒドロキシ−C〜C−アルキルであり、
R4は、カルボキシル、C〜C−アルコキシカルボニル、ハロゲン又は基−CO−NR41R42であり、その際、
R41は、C〜C−アルキルであり、かつ
R42は、水素又はC〜C−アルキルであり、
Arは、R5及びR6によって置換されたフェニル基であり、その際、
R5は、C〜C−アルキルであり、かつ
R6は、C〜C−アルキルである、化合物及びこれらの化合物の塩である。
【0054】
特に強調されるべき例示される式1の化合物は、前記の化合物であって、その式中、
R1は、水素であり、その際、
R2は、C〜C−アルキルであり、
R3は、水素、ハロゲン又はヒドロキシ−C〜C−アルキルであり、
R4は、カルボキシル、ハロゲン又は基−CO−NR41R42であり、その際、
R41は、C〜C−アルキルであり、かつ
R42は、C〜C−アルキルであり、
Arは、R5及びR6によって置換されたフェニル基であり、その際、
R5は、C〜C−アルキルであり、かつ
R6は、C〜C−アルキルである、化合物及びこれらの化合物の塩である。
【0055】
式1の化合物のうち、式1−1
【0056】
【化2】

[式中、
R1は、水素、基−CH−R11又は基CH(OR12)−R11であり、その際、
R11は、水素、C〜C−アルキル又は基Cyであり、
R12は、水素、C〜C−アルキル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−シクロアルキル−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシカルボニル、フルオロ−C〜C−アルキル、C〜C−アルキルカルボニル又は基−CO−N(R121)(R122)であり、その際、
R121は、水素、C〜C−アルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル又はC〜C−シクロアルキルであり、かつ
R122は、水素又はC〜C−アルキルであるか、又は
R121及びR122は、一緒になって、これらが結合される窒素原子を含んで、ピロリジノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、アジリジノ基又はアゼチジノ基を形成し、
R2は、水素、C〜C−アルキル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−シクロアルキル−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシカルボニル、C〜C−アルケニル、C〜C−アルキニル、フルオロ−C〜C−アルキル又はヒドロキシ−C〜C−アルキルであり、
R3は、水素、C〜C−アルキル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−シクロアルキル−C〜C−アルキル、ハロゲン、C〜C−アルケニル、C〜C−アルキニル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、アリール、ヒドロキシ−C〜C−アルケニル、ヒドロキシ−C〜C−アルキニル、C〜C−アルコキシカルボニル、フルオロ−C〜C−アルキル、シアノメチル、ヒドロキシル、C〜C−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C〜C−アルキルアミノ、C〜C−アルキルカルボニルアミノ、C〜C−アルコキシカルボニルアミノ、カルボキシル、モノ−もしくはジ−C〜C−アルキルアミノ−C〜C−アルキル、C〜C−アルキルカルボニル、C〜C−アルケニルカルボニル、C〜C−アルキニルカルボニル又は基−CO−NR31R32であり、その際、
R31は、水素、C〜C−アルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル又はC〜C−シクロアルキルであり、かつ
R32は、水素、C〜C−アルキルであるか、又は
R31及びR32は、一緒になって、これらが結合される窒素原子を含んで、ピロリジノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、アジリジノ基又はアゼチジノ基を形成し、
R4は、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル、カルボキシル、C〜C−アルコキシカルボニル、ハロゲン、フルオロ−C〜C−アルキル、C〜C−アルケニル、C〜C−アルキニル、シアノ又は基CO−NR41R42であり、その際、
R41は、水素、C〜C−アルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル又はC〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル又はC〜C−シクロアルキルであり、かつ
R42は、水素、C〜C−アルキルであるか、又は
R41及びR42は、一緒になって、これらが結合される窒素原子を含んで、ヒドロキシ基によって置換されていてよい、ピロリジノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、アジリジノ基又はアゼチジノ基であり、
R5は、水素、C〜C−アルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルケニルオキシ、C〜C−アルキルカルボニル、カルボキシル、C〜C−アルコキシカルボニル、カルボキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシカルボニル−C〜C−アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、アリール、アリール−C〜C−アルキル、アリール−オキシ、アリール−C〜C−アルコキシ、トリフルオロメチル、ニトロ、アミノ、モノ−もしくはジ−C〜C−アルキルアミノ、C〜C−アルキルカルボニルアミノ、C〜C−アルコキシカルボニルアミノ、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルコキシカルボニルアミノ又はスルホニルであり、
R6は、水素、C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルコキシカルボニル、ハロゲン、トリフルオロメチル又はヒドロキシルであり、その際、
アリールは、フェニル又は、C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、カルボキシル、C〜C−アルコキシカルボニル、ハロゲン、トリフルオロメチル、ニトロ、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシル及びシアノからなる群からの1個、2個又は3個の同一又は異なる置換基を有する置換されたフェニルであり、かつ
Cyは、テトラヒドロフリル基又はArもしくはアリールについて定義された単環式又は二環式の芳香族の残基である]で示される化合物が好ましい。
【0057】
また好ましい化合物は、式1−1で示され、その式中、
R1は、水素又は基CH−R11であり、その際、
R11は、水素、C〜C−アルキル、アリール、テトラヒドロフリル、ピリジル、フリル又はチエニルであり、
R2は、水素、C〜C−アルキル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−シクロアルキル−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシカルボニル、C〜C−アルケニル、C〜C−アルキニル、フルオロ−C〜C−アルキル又はヒドロキシ−C〜C−アルキルであり、
R3は、水素、C〜C−アルキル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−シクロアルキル−C〜C−アルキル、ハロゲン、C〜C−アルケニル、C〜C−アルキニル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、アリール、ヒドロキシ−C〜C−アルケニル、ヒドロキシ−C〜C−アルキニル、C〜C−アルコキシカルボニル、フルオロ−C〜C−アルキル、シアノメチル、ヒドロキシル、C〜C−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C〜C−アルキルアミノ、C〜C−アルキルカルボニルアミノ、C〜C−アルコキシカルボニルアミノ、カルボキシル、モノ−もしくはジ−C〜C−アルキルアミノ−C〜C−アルキル、C〜C−アルキルカルボニル、C〜C−アルケニルカルボニル、C〜C−アルキニルカルボニル又は基−CO−NR31R32であり、その際、
R31は、水素、C〜C−アルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル又はC〜C−シクロアルキルであり、かつ
R32は、水素、C〜C−アルキルであるか、又は
R31及びR32は、一緒になって、これらが結合される窒素原子を含んで、ピロリジノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、アジリジノ基又はアゼチジノ基を形成し、
R4は、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル、カルボキシル、C〜C−アルコキシカルボニル、ハロゲン、フルオロ−C〜C−アルキル、C〜C−アルケニル、C〜C−アルキニル、シアノ又は基−CO−NR41R42であり、その際、
R41は、水素、C〜C−アルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル又はC〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル又はC〜C−シクロアルキルであり、かつ
R42は、水素、C〜C−アルキルであるか、又は
R41及びR42は、一緒になって、これらが結合される窒素原子を含んで、ピロリジノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、アジリジノ基又はアゼチジノ基であり、
R5は、水素、C〜C−アルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルケニルオキシ、C〜C−アルキルカルボニル、カルボキシル、C〜C−アルコキシカルボニル、カルボキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシカルボニル−C〜C−アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、アリール、アリール−C〜C−アルキル、アリール−オキシ、アリール−C〜C−アルコキシ、トリフルオロメチル、ニトロ、アミノ、モノ−もしくはジ−C〜C−アルキルアミノ、C〜C−アルキルカルボニルアミノ、C〜C−アルコキシカルボニルアミノ、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルコキシカルボニルアミノ又はスルホニルであり、
R6は、水素、C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルコキシカルボニル、ハロゲン、トリフルオロメチル又はヒドロキシルであり、その際、
アリールは、フェニル又は、C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、カルボキシル、C〜C−アルコキシカルボニル、ハロゲン、トリフルオロメチル、ニトロ、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシル及びシアノからなる群からの1個、2個又は3個の同一又は異なる置換基を有する置換されたフェニルである、化合物及びこれらの化合物の塩である。
【0058】
挙げられるべき式1−1の化合物は、前記の化合物であって、その式中、
R1は、水素、基CH−R11又は基CH(OR12)−R11であり、その際、
R11は、水素、C〜C−アルキル、アリール、テトラヒドロフリル、ピリジル、フリル又はチエニルであり、
R12は、水素、C〜C−アルキル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−シクロアルキル−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル、フルオロ−C〜C−アルキルであり、その際、
アリールは、フェニル又は、C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、カルボキシル、C〜C−アルコキシカルボニル、ハロゲン、トリフルオロメチル、ニトロ、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシル及びシアノからなる群からの1個、2個又は3個の同一又は異なる置換基を有する置換されたフェニルであり、
R2は、水素又はC〜C−アルキルであり、
R3は、水素、C〜C−アルキル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−シクロアルキル−C〜C−アルキル、ハロゲン、C〜C−アルケニル、C〜C−アルキニル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシカルボニル、シアノメチル、カルボキシル又は基−CO−NR31R32であり、その際、
R31は、水素、C〜C−アルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル又はC〜C−シクロアルキルであり、かつ
R32は、水素、C〜C−アルキルであるか、又は
R31及びR32は、一緒になって、これらが結合される窒素原子を含んで、ピロリジノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、アジリジノ基又はアゼチジノ基を形成し、
R4は、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル、カルボキシル、C〜C−アルコキシカルボニル、ハロゲン、フルオロ−C〜C−アルキル又は基−CO−NR41R42であり、その際、
R41は、水素、C〜C−アルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル又はC〜C−シクロアルキルであり、かつ
R42は、水素又はC〜C−アルキルであるか、又は
R41及びR42は、一緒になって、これらが結合される窒素原子を含んで、ヒドロキシ基によって置換されていてよい、ピロリジノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、アジリジノ基又はアゼチジノ基であり、
R5は、水素、C〜C−アルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルコキシカルボニル、ハロゲン、トリフルオロメチル、アミノ、モノ−もしくはジ−C〜C−アルキルアミノ、C〜C−アルキルカルボニルアミノ、C〜C−アルコキシカルボニルアミノ又はC〜C−アルコキシ−C〜C−アルコキシカルボニルアミノであり、かつ
R6は、水素、C〜C−アルキル又はC〜C−アルコキシである、化合物及びこれらの化合物の塩である。
【0059】
また挙げられるべき式1−1の化合物は、前記の化合物であって、その式中、
R1は、水素又は基CH−R11であり、その際、
R11は、水素、C〜C−アルキル、フェニル、テトラヒドロフリル、ピリジル、フリル又はチエニルであり、
R2は、水素又はC〜C−アルキルであり、
R3は、水素、C〜C−アルキル、ハロゲン、C〜C−アルケニル、C〜C−アルキニル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシカルボニル、シアノメチル、アミノ、モノ−もしくはジ−C〜C−アルキルアミノ、C〜C−アルキルカルボニルアミノ、C〜C−アルコキシカルボニルアミノ、カルボキシル又は基−CO−NR31R32であり、その際、
R31は、水素、C〜C−アルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキルであり、かつ
R32は、水素、C〜C−アルキルであるか、又は
R31及びR32は、一緒になって、これらが結合される窒素原子を含んで、ピロリジノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、アジリジノ基又はアゼチジノ基を形成し、
R4は、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル、カルボキシル、C〜C−アルコキシカルボニル、ハロゲン又は基−CO−NR41R42であり、その際、
R41は、水素、C〜C−アルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル又はC〜C−シクロアルキルであり、かつ
R42は、水素又はC〜C−アルキルであるか、又は
R41及びR42は、一緒になって、これらが結合される窒素原子を含んで、ピロリジノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、アジリジノ基又はアゼチジノ基であり、
R5は、水素、C〜C−アルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルコキシカルボニル、トリフルオロメチル、アミノ、モノ−もしくはジ−C〜C−アルキルアミノ、C〜C−アルキルカルボニルアミノ、C〜C−アルコキシカルボニルアミノ又はC〜C−アルコキシ−C〜C−アルコキシカルボニルアミノであり、かつ
R6は、水素、C〜C−アルキル又はC〜C−アルコキシである、化合物及びこれらの化合物の塩である。
【0060】
特に挙げられるべき式1−1の化合物は、前記の化合物であって、その式中、
R1は、水素、基CH−R11又は基CH(OR12)−R11であり、その際、
R11は、水素、C〜C−アルキル、アリール、テトラヒドロフリル、ピリジル、フリル又はチエニルであり、
R12は、水素、C〜C−アルキル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−シクロアルキル−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル、フルオロ−C〜C−アルキルであり、その際、
アリールは、フェニル又は、C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、カルボキシル、C〜C−アルコキシカルボニル、ハロゲン、トリフルオロメチル、ニトロ、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシル及びシアノからなる群からの1個、2個又は3個の同一又は異なる置換基を有する置換されたフェニルであり、
R2は、C〜C−アルキルであり、
R3は、水素、C〜C−アルキル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−シクロアルキル−C〜C−アルキル、ハロゲン、C〜C−アルケニル、C〜C−アルキニル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシカルボニル、シアノメチル、カルボキシル又は基−CO−NR31R32であり、その際、
R31は、水素、C〜C−アルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル又はC〜C−シクロアルキルであり、かつ
R32は、水素、C〜C−アルキルであるか、又は
R31及びR32は、一緒になって、これらが結合される窒素原子を含んで、ピロリジノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、アジリジノ基又はアゼチジノ基を形成し、
R4は、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル、カルボキシル、C〜C−アルコキシカルボニル、ハロゲン、フルオロ−C〜C−アルキル又は基−CO−NR41R42であり、その際、
R41は、水素、C〜C−アルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル又はC〜C−シクロアルキルであり、かつ
R42は、水素又はC〜C−アルキルであるか、又は
R41及びR42は、一緒になって、これらが結合される窒素原子を含んで、ヒドロキシ基によって置換されていてよい、ピロリジノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、アジリジノ基又はアゼチジノ基であり、
R5は、水素、C〜C−アルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルコキシカルボニル、ハロゲン、トリフルオロメチル、アミノ、モノ−もしくはジ−C〜C−アルキルアミノ、C〜C−アルキルカルボニルアミノ、C〜C−アルコキシカルボニルアミノ又はC〜C−アルコキシ−C〜C−アルコキシカルボニルアミノであり、かつ
R6は、水素、C〜C−アルキル又はC〜C−アルコキシである、化合物及びこれらの化合物の塩である。
【0061】
また特に挙げられるべき式1−1の化合物は、前記の化合物であって、その式中、
R1は、水素又は基CH−R11であり、その際、
R11は、水素、C〜C−アルキル、フェニル、テトラヒドロフリル、フリル又はチエニルであり、
R2は、C〜C−アルキルであり、
R3は、水素、C〜C−アルキル、ハロゲン、C〜C−アルケニル、C〜C−アルキニル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシカルボニル、シアノメチル、アミノ、モノ−もしくはジ−C〜C−アルキルアミノ、C〜C−アルキルカルボニルアミノ、C〜C−アルコキシカルボニルアミノ、カルボキシル又は基−CO−NR31R32であり、その際、
R31は、水素、C〜C−アルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキルであり、かつ
R32は、水素、C〜C−アルキルであるか、又は
R31及びR32は、一緒になって、これらが結合される窒素原子を含んで、ピロリジノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、アジリジノ基又はアゼチジノ基を形成し、
R4は、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル、カルボキシル、C〜C−アルコキシカルボニル、ハロゲン又は基−CO−NR41R42であり、その際、
R41は、水素、C〜C−アルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル又はC〜C−シクロアルキルであり、かつ
R42は、水素又はC〜C−アルキルであるか、又は
R41及びR42は、一緒になって、これらが結合される窒素原子を含んで、ピロリジノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、アジリジノ基又はアゼチジノ基であり、
R5は、水素、C〜C−アルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルコキシカルボニル、トリフルオロメチル、アミノ、モノ−もしくはジ−C〜C−アルキルアミノ、C〜C−アルキルカルボニルアミノ、C〜C−アルコキシカルボニルアミノ又はC〜C−アルコキシ−C〜C−アルコキシカルボニルアミノであり、かつ
R6は、水素、C〜C−アルキル又はC〜C−アルコキシである、化合物及びこれらの化合物の塩である。
【0062】
強調されるべき式1−1の化合物は、前記の化合物であって、その式中、
R1は、水素、基CH−R11又は基CH(OR12)−R11であり、その際、
R11は、水素、C〜C−アルキル、アリール、テトラヒドロフリル、ピリジル、フリル又はチエニルであり、
R12は、水素、C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル、フルオロ−C〜C−アルキルであり、その際、
アリールは、フェニル又は、C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、ハロゲン及びヒドロキシルからなる群からの1個の置換基を有する置換されたフェニルであり、
R2は、C〜C−アルキルであり、
R3は、水素、C〜C−アルキル、ハロゲン、C〜C−アルケニル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシカルボニル、カルボキシル又は基−CO−NR31R32であり、その際、
R31は、水素、C〜C−アルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキルであり、かつ
R32は、水素、C〜C−アルキルであり、
R4は、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル、カルボキシル、C〜C−アルコキシカルボニル、ハロゲン又は基−CO−NR41R42であり、その際、
R41は、水素、C〜C−アルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル又はC〜C−シクロアルキルであり、かつ
R42は、水素又はC〜C−アルキルであるか、又は
R41及びR42は、一緒になって、これらが結合される窒素原子を含んで、ヒドロキシ基によって置換されていてよい、ピロリジノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、アジリジノ基又はアゼチジノ基であり、
R5は、水素、C〜C−アルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルキルであり、かつ
R6は、C〜C−アルキルである、化合物及びこれらの化合物の塩である。
【0063】
また強調されるべき式1−1の化合物は、前記の化合物でって、その式中、
R1は、水素又は基CH−R11であり、その際、
R11は、水素、C〜C−アルキル、フェニル、テトラヒドロフリル又はフリルであり、
R2は、C〜C−アルキルであり、
R3は、水素、C〜C−アルキル、ハロゲン、C〜C−アルケニル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシカルボニル、カルボキシル又は基−CO−NR31R32であり、その際、
R31は、水素、C〜C−アルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキルであり、かつ
R32は、水素、C〜C−アルキルであり、
R4は、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル、カルボキシル、C〜C−アルコキシカルボニル、ハロゲン又は基−CO−NR41R42であり、その際、
R41は、水素、C〜C−アルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル又はC〜C−シクロアルキルであり、かつ
R42は、水素又はC〜C−アルキルであるか、又は
R41及びR42は、一緒になって、これらが結合される窒素原子を含んで、ピロリジノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、アジリジノ基又はアゼチジノ基であり、
R5は、C〜C−アルキルであり、かつ
R6は、C〜C−アルキルである、化合物及びこれらの化合物の塩である。
【0064】
特に強調されるべき式1−1の化合物は、前記の化合物であって、その式中、
R1は、水素、基CH−R11又は基CH(OR12)−R11であり、その際、
R11は、水素、C〜C−アルキル、フェニル、テトラヒドロフリル、フリル又はチエニルであり、
R12は、水素、C〜C−アルキルであり、
R2は、C〜C−アルキルであり、
R3は、水素、C〜C−アルキル、ハロゲン、C〜C−アルケニル又はヒドロキシ−C〜C−アルキルであり、
R4は、カルボキシル、C〜C−アルコキシカルボニル、ハロゲン又は基−CO−NR41R42であり、その際、
R41は、水素、C〜C−アルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−シクロアルキルであり、かつ
R42は、水素、C〜C−アルキルであるか、又は
R41及びR42は、一緒になって、これらが結合される窒素原子を含んで、ヒドロキシ基によって置換されていてよい、ピロリジノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、アジリジノ基又はアゼチジノ基であり、
R5は、水素、C〜C−アルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルキルであり、かつ
R6は、C〜C−アルキルである、化合物及びこれらの化合物の塩である。
【0065】
また特に強調されるべき化合物は、前記の化合物であって、その式中、
R1は、水素又は基CH−R11であり、その際、
R11は、水素、C〜C−アルキル、フェニル、テトラヒドロフリル又はフリルであり、
R2は、C〜C−アルキルであり、
R3は、水素、C〜C−アルキル、ハロゲン、C〜C−アルケニル又はヒドロキシ−C〜C−アルキル又は基−CO−NR31R32であり、その際、
R31は、C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキルであり、かつ
R32は、水素、C〜C−アルキルであり、
R4は、カルボキシル、C〜C−アルコキシカルボニル、ハロゲン又は基−CO−NR41R42であり、その際、
R41は、水素、C〜C−アルキル、C〜C−シクロアルキルであり、かつ
R42は、水素、C〜C−アルキルであるか、又は
R41及びR42は、一緒になって、これらが結合される窒素原子を含んで、ピロリジノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、アジリジノ基又はアゼチジノ基であり、
R5は、C〜C−アルキルであり、かつ
R6は、C〜C−アルキルである、化合物及びこれらの化合物の塩である。
【0066】
特に強調されるべき式1−1の例示される化合物は、前記の化合物であって、その式中、
R1は水素又は基CH−R11であり、その際、
R11は、水素又はフェニルであり、
R2は、C〜C−アルキルであり、
R3は、水素、C〜C−アルキル、ハロゲン又はヒドロキシ−C〜C−アルキルであり、
R4は、カルボキシル、C〜C−アルコキシカルボニル、ハロゲン又は基−CO−NR41R42であり、その際、
R41は、C〜C−アルキルであり、かつ
R42は、水素又はC〜C−アルキルであり、
R5は、C〜C−アルキルであり、かつ
R6は、C〜C−アルキルである、化合物及びこれらの化合物の塩である。
【0067】
また特に強調されるべき式1−1の例示される化合物は、前記の化合物であって、その式中、
R1は水素であり、
R2は、C〜C−アルキルであり、
R3は、水素、ハロゲン又はヒドロキシ−C〜C−アルキルであり、
R4は、カルボキシル、ハロゲン又は基−CO−NR41R42であり、その際、
R41は、C〜C−アルキルであり、かつ
R42は、C〜C−アルキルであり、
R5は、C〜C−アルキルであり、かつ
R6は、C〜C−アルキルである、化合物及びこれらの化合物の塩である。
【0068】
実施例で最終生成物として示される式1の化合物及び前記化合物の塩は殊に有利である。
【0069】
本発明による化合物を、例えば以下に示す反応式に従って、相応する出発化合物から合成することができる。合成を、当業者に公知の方法で、例えば以下の実施例においてより詳細に記載されているように実施する。
【0070】
本発明によれば、式1の化合物は、当業者に公知の方法を説明した公知の出発材料を使用した反応式1、2、3及び4に概説したようにして製造することができる。
【0071】
式2の化合物を、例えば反応式1に示したように変換して、式1の化合物を得ることができる。式2の化合物は、塩素原子を有しており、その原子を、例えば求核芳香族置換(例えば水とアルコールを用いて)又はパラジウム触媒によるクロスカップリング反応(例えばHeckカップリング、Stilleカップリング及びSonogashiraカップリング)によってR4残基と置換することができる。次いで残基R3を、例えば式3の化合物を求核剤で処理することによって導入することができる。挙げることができる例は、例えばフィルスマイヤー試薬を用いたホルミル化反応、例えばN−ブロモスクシンイミドを用いたハロゲン化反応、例えばt−ブチルニトライトを用いたニトロ化反応又は、例えば無水酢酸を用いたアシル化反応である。求核芳香族置換反応によって導入された前記R3を次いで変性させて、他の残基R3とすることができる。これは、以下の例によって説明できる:式4の化合物であってR3がハロゲンである化合物は、パラジウム触媒によるクロスカップリング反応に有用な出発材料である。式4の誘導体であってR3がホルミルである誘導体を、還元して相応のアルコール(引き続き所望であればエーテル化反応を行う)を得るか、又は前記誘導体を、酸化させて相応のカルボン酸(引き続き所望であれば、例えばアミド形成又はエステル形成を行う)を得ることができる。同様に、式4の化合物であってR3がカルボニルであるその誘導体は、R3がホルミルである化合物を、炭素求核剤、例えばグリニャール試薬で処理して、引き続き中間体である第二級アルコールを好適な試薬、例えば二酸化マンガンを用いて酸化させることによって製造することができる。式4で示されR3がニトロシルである4−アザインドールを還元させて、R3がアミノである相応の誘導体(引き続き所望であればN−アルキル化又はアシル化を行う)を得ることができる最後に、残基R1を、例えば式4の化合物を、アルキル化剤、例えばヨウ化メチル、臭化ベンジル又はエポキシドで処理することによって導入することができる。水素と異なる残基R1を、合成の任意の時点(例えば式2、3又は4の化合物の段階で)で導入することができる。同様に、残基R4を別の残基R4に変換すること(例えばエステルからカルボン酸又はアミドへの変換)は、式3、4、6又は1の化合物の段階で実施することができる。同様にして、残基R3を別の残基R3に変換することは、化合物4の段階でだけでなく、化合物1の段階でも達成することができる。残基R1、R3及びR4の導入/変性のための最良の戦略は、これらの残基の特性に依存していて、かつ当業者に明らかである。残基R1、R2及びR4の性質に応じて、式2、3、4、5及び6の化合物は、式1の化合物の特定の例となりうることが述べられるべきである。
【0072】
反応式1
【0073】
【化3】

【0074】
式2の化合物は、例えば反応式2に示される合成により、出発材料として4−アミノ−2,6−ジクロロ−3−ニトロピリジンを用いて得ることができる。一般型CH−Arの種々の芳香族残基は、例えば4−アミノ−2,6−ジクロロ−3−ニトロピリジン(7)を好適な求電子剤、例えば芳香環で置換されていてよい塩化ベンジルで処理することによって導入することができる。次いで、式8の得られた化合物の更なる官能化は、例えばパラジウム触媒によるクロスカップリング反応、例えばStille反応によって、異なる置換基R2を有するアセチレン誘導体を用いて達成することができる。式9の化合物は、ニトロ官能を有しており、該官能は、標準的方法、例えば塩化スズ(II)の存在下での酸触媒による還元を用いて還元させることができる。最後に、式10の高度に置換されたアミノピリジンを、好適な触媒、例えばヨウ化銅(I)を用いて変換して、式2の4−アザインドールを得ることができる。
【0075】
反応式2
【0076】
【化4】

【0077】
4−アミノ−2,6−ジクロロ−3−ニトロピリジンは、公知化合物であり、該化合物は、市販されているか、又は当業者に公知のように、例えばJ.Heterocycl.Chem.1965,2,196−201に概説される合成に従って、市販の2−クロロ−4−ニトロピリジン−1−オキシド又は2,6−ジクロロピリジンを出発材料として用いて製造することができる(反応式3)。
【0078】
反応式3
【0079】
【化5】

【0080】
式2の1H−ピロロ[3,2−b]ピリジンを得るもう一つの試みは、式13の中間物質の還元的アミノ化に基づくものである。該還元的アミノ化反応は、(a)式13の1H−ピロロ[3,2−b]ピリジンを芳香族アルデヒドで好適な触媒、例えば酢酸の存在下に縮合させること、及び(b)工程(a)で得られたイミノ誘導体を好適な還元剤、例えばトリアセトキシホウ水素化ナトリウム、ギ酸又は分子水素を用いて活性炭上パラジウムの存在下で還元させること、を含む。好適な反応条件は、当業者によって確認できる。
【0081】
一般式13の出発材料は、前記の方法を用いて製造することができる:式11の化合物は、4−アミノ−2,6−ジクロロ−3−ニトロピリジンから、例えばパラジウム触媒によるクロスカップリング反応、例えばStille反応によって、異なる置換基R2を有するアセチレン誘導体を用いて得ることができる。式11の化合物は、ニトロ官能を有しており、該官能は、標準的方法、例えば塩化スズ(II)の存在下での酸触媒による還元を用いて還元させることができる。最後に、式12の高度に置換されたアミノピリジンを、好適な触媒、例えばヨウ化銅(I)を用いて変換して、式13の4−アザインドールを得ることができる。
【0082】
反応式4
【0083】
【化6】

【0084】
上記に概説される反応工程は、例えば実施例でより詳細に記載されるような自体公知の方法で実施される。
【0085】
以下の実施例は本発明をより詳細に説明するものであり、それを制限するものではない。同様に製造方法が明記されていない式1Iの他の化合物は、同様に又は当業者に公知の方法で慣用の処理技術を用いて製造できる。略語vは容量を表す。NMR(核磁気共鳴)シグナルの帰属のために、以下の略語を使用する:s(一重項)、d(二重項)、t(三重項)、q(四重項)、m(中心多重項(multiplet centred))、b(ブロード)。以下の単位を使用する:ml(ミリリットル)、(リットル)、mg(ミリグラム)、g(グラム)、mmol(ミリモル)、N(標準状態の)、M(モラー)、mbar(ミリバール)、MHz(メガヘルツ)。
【0086】
以下の略語を使用する:
DMF
N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO
ジメチルスルホキシド
HPLC
高圧液体クロマトグラフィー
TBTU
O−ベンゾチリアゾール−1−イル−N,N,N′,N′−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート
THF
テトラヒドロフラン
融点を化合物の結晶化後に測定したのであれば、精製のために使用した溶剤/溶剤混合物を括弧中に示す。NMR(核磁気共鳴)化学シフトを積分せずに示すのであれば、化合物の相応のプロトンのシグナルと溶剤、水又は不純物のシグナルとのオーバーレイが観測された。
【0087】
実施例
I. 最終生成物
1. (5−クロロ−2−メチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−7−イル)−(2−エチル−6−メチル−ベンジル)−アミン
アルゴンで充填された火炎乾燥されたフラスコ中で、6−クロロ−N−(2−エチル−6−メチル−ベンジル)−2−プロピ−1−イニル−ピリジン−3,4−ジアミン(実施例E、10.0g、32ミリモル)を、アルゴンで脱ガスされた無水DMF(80ml)中に溶解させた。ヨウ化銅(I)(1.20g、6.3ミリモル)を添加し、そして該反応混合物を80℃に、この温度に予熱された油浴を用いて加熱した。反応時間1時間後に、高温の暗褐色の反応混合物を、0.1Mの亜硫酸ナトリウム溶液(160ml)と氷(100g)との混合物に注いだ。ベージュ色の懸濁液が得られ、それを0℃で1時間撹拌した。沈殿物を濾別し、水100mlとメタノール/水(1:4(容量/容量))100mlの分量で洗浄し、そして真空中で乾燥させた。これにより、10.7gの表題化合物が得られた。そのベージュ色の固体は、H−NMR分光法により純粋であり、かつ15%の無機塩を含有していた(元素分析によって測定、91%収率)。
【0088】
【表1】

【0089】
2. エチル[7−(2−エチル−6−メチル−ベンジルアミノ)−2−メチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−5−カルボキシレート]
(5−クロロ−2−メチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−7−イル)−(2−エチル−6−メチル−ベンジル)−アミン(実施例1、10.5g中に約15質量%の無機塩を含有する、28ミリモル)をエタノール(800ml)及びDMF(200ml)中に溶かした溶液を、酢酸パラジウム(II)(1.13g、5.0ミリモル)、1,3−ビス(ジフェニルホスファノ)プロパン(2.35g、5.7ミリモル)及び炭酸カリウム(6.9g、5.0ミリモル)で処理した。該反応混合物を、2lのオートクレーブ中に移し、そして15バールの一酸化炭素圧を適用した。該反応混合物を、1.5時間の期間後に、190℃の温度と30バールの一酸化炭素圧に達するまで加熱した。この温度で3時間保持し、次いで1時間の期間にわたり室温に冷却した。圧力を解放し、該反応混合物を、殆どのエタノールが除去されるまで濃縮し、次いで水(600ml)及びジクロロメタン(600ml)で希釈した。相分離を行い、水相をジクロロメタン(2×100ml)で抽出した。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、そして減圧下に濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー[300gのシリカゲル、溶出剤:酢酸エチル、次いで酢酸エチル/メタノール=5:1(容量/容量)]によって精製した。表題化合物(8.75g)は淡褐色の粘性の固体として単離され、該固体は、約20質量%のDMFを含有していた(相応のH−NMRスペクトルから判断した)。該固体をジエチルエーテル(100ml)及びメタノール(10ml)中に入れた懸濁液を、室温で30分間撹拌した。溶剤を除去し、かつ真空中で乾燥させた後に、ベージュ色の固体(6.8g、68%収率)が得られ、それは、H−NMRスペクトルから判断して純粋な表題化合物であった。
【0090】
【表2】

【0091】
3. 7−(2−エチル−6−メチル−ベンジルアミノ)−2−メチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−5−カルボン酸塩酸塩
エチル[7−(2−エチル−6−メチル−ベンジルアミノ)−2−メチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−5−カルボキシレート](実施例2、1.55g、4.4ミリモル)を、メタノール(30ml)及び水(3ml)中に溶解させた。破砕した水酸化カリウム(493mg、8.80ミリモル)を添加し、そして該反応混合物を、50℃で1時間撹拌した。更に250mg(4.46ミリモル)の破砕した水酸化カリウムを添加し、その反応を50℃で更に1時間継続した。該反応混合物を、減圧下に濃縮し、そして残留物を水(20ml)及び2Nの塩酸によってpH値6が得られるまで処理した。メタノール(20ml)を添加した後に、無色の沈殿物が形成した。そのpH値を6に再調整し、そして該懸濁液を0℃で1時間撹拌した。その固体を、濾過によって単離し、そして真空中で乾燥させることで、1.26gの表題化合物(79%収率)が得られた。
【0092】
【表3】

【0093】
4. 7−(2−エチル−6−メチル−ベンジルアミノ)−2−メチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−5−カルボン酸ジメチルアミド
アルゴンで充填したフラスコ中で、7−(2−エチル−6−メチル−ベンジルアミノ)−2−メチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−5−カルボン酸塩酸塩(実施例3、1.00g、2.8ミリモル)をジクロロメタン(100ml)及びDMF(25ml)中に入れた懸濁液を、TBTU(1.10g、3.4ミリモル)で処理した。黄色の反応混合物を1時間還流させ、そしてジメチルアミン(THF中2Mの溶液1.90ml、3.8ml)を添加した。その反応を室温で1時間継続し、そして黄色のようえきを水(2×50ml)で抽出した。水相を、ジクロロメタン(20ml)で抽出し、合した有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、そして減圧下に濃縮した。固体残留物が得られ、それを酢酸エチル(20ml)で洗浄して、ベンゾトリアゾール不純物を取り除き、該固体をジクロロメタン(50ml)及び水(50ml)中に懸濁させ、そしてpH値10を、2Nの水酸化ナトリウム溶液の添加によって調整した。メタノール(5ml)を添加した後に、2つの澄明な相が得られ、それらを分離した。水相を、ジクロロメタン(3×50ml)で抽出した。合した有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、そして溶剤を真空中で除去した。表題化合物(740mg、76%収率)がベージュ色の固体として得られ、これはH−NMR分光測定によれば純粋であった。
【0094】
【表4】

【0095】
5. 3−ブロモ−7−(2−エチル−6−メチル−ベンジルアミノ)−2−メチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−5−カルボン酸ジメチルアミド
アルゴンで充填したフラスコ中で、7−(2−エチル−6−メチル−ベンジルアミノ)−2−メチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−5−カルボン酸ジメチルアミド(実施例4、150mg、0.43ミリモル)を無水DMF(10ml)中に溶解させた。その溶液を0℃に冷却し、N−ブロモスクシンイミド(84mg、0.47ミリモル、2mlのDMF中に溶解されている)を10分間の期間にわたり添加し、そしてその反応を0℃で30分間継続した。ジクロロメタン(30ml)及び炭酸ナトリウム飽和溶液(30ml)を、前記反応混合物に添加し、そして相を分離し、そして水相をジクロロメタン(2×10ml)で抽出した。合した有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮した。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー[30gのシリカゲル、溶出剤:酢酸エチル/石油エーテル=8:2(容量/容量)、次いで酢酸エチル/メタノール=10:1(容量/容量)]と、酢酸エチル(2ml)及びジエチルエーテル(5ml)の混合物での処理とによって精製した。その懸濁液を15分間撹拌した後に、表題化合物を濾過によって分離し、そして真空中で乾燥させた(150mg、81%収率)。
【0096】
【表5】

【0097】
6. 7−(2−エチル−6−メチル−ベンジルアミノ)−3−ヒドロキシメチル−2−メチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−5−カルボン酸ジメチルアミド
アルゴンで充填したフラスコ中で、ホウ水素化ナトリウム(70mg、1.85ミリモル)を、7−(2−エチル−6−メチル−ベンジルアミノ)−3−ホルミル−2−メチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−5−カルボン酸ジメチルアミド(実施例F、1.40g、3.7ミリモル)を無水エタノール(120ml)中に入れた懸濁液に添加した。反応混合物を室温で30分間撹拌し、次いで更なる分量のホウ水素化ナトリウム(70mg、1.85ミリモル)で処理した。撹拌を、室温で更に1時間にわたって継続した。その溶液を、容量60mlにまで濃縮した。ジクロロメタン(100ml)及び塩化アンモニウム飽和溶液(80ml)を添加した。相分離を行い、水相をジクロロメタン(2×40ml)で抽出した。合した有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、そして減圧下に濃縮した。粗製表題化合物(1.35g)を、フラッシュクロマトグラフィー[200gのシリカゲル、溶出剤:ジクロロメタン/メタノール=20:1(容量/容量)、次いで8:2(容量/容量)]によって精製した。相応のフラクションを蒸発させることで、1.01gの純粋な表題化合物が得られた(72%収率)。
【0098】
【表6】

【0099】
7. 7−(2−エチル−6−メチル−ベンジルアミノ)−2,3−ジメチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−5−カルボン酸ジメチルアミド
3−ヒドロキシメチル前駆物質の接触水素化:7−(2−エチル−6−メチル−ベンジルアミノ)−3−ヒドロキシメチル−2−メチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−5−カルボン酸ジメチルアミド(実施例6、200mg、0.52ミリモル)を酢酸(70ml)中に溶かした溶液を、活性炭上パラジウム(10質量%、40mg)で処理した。10バールの水素圧を適用し、そして該反応混合物を室温で3.5時間、そして50℃で4時間撹拌した。水素化触媒を濾過によって分離し、そして濾液を3mlの容量にまで濃縮した。ジクロロメタン(50ml)及びメタノール(20ml)を添加し、そしてpH値8を、2Nの水酸化ナトリウム溶液で調整した。相分離を行い、そして水相を、ジクロロメタン(20ml)及びメタノール(2ml)の混合物で2回抽出した。合した有機相を蒸発乾涸し、その残留物(200mgの黄色油状物)を、フラッシュクロマトグラフィー[70gのシリカゲル、溶出剤:ジクロロメタン/メタノール=20:1(容量/容量)]によって精製した。純粋な表題化合物(87mg、46%収率)が、無色の固体として単離された。
【0100】
【表7】

【0101】
3−ブロモ前駆物質のクロスカップリング:4つのマイクロ波反応容器に、3−ブロモ−7−(2−エチル−6−メチル−ベンジルアミノ)−2−メチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−5−カルボン酸ジメチルアミド(実施例5、188mg、0.44ミリモル)を無水ジオキサン(4ml)中に入れた懸濁液をそれぞれ装填した。トリメチルボロキシン(165mg、183μl、1.31ミリモル)、炭酸セシウム(430mg、1.32ミリモル)及びクロロ−[2′−(ジメチルアミノ)−2−ビフェニリル]−(ジノルボルニルホスフィン)−パラジウム(CAS359803−53−5、13mg、23マイクロモル)を添加した後に、それぞれの溶液を封止し、マイクロ波炉中で150℃に加熱した。16分の期間後に、更なる触媒(13mg、23マイクロモル)を添加し、そしてその反応を更に16分間継続した。これらの反応混合物を合し、そして塩化アンモニウム飽和溶液(100ml)及びジクロロメタン(100ml)で希釈した。3Nの塩酸を添加することによってpH値を7に調整した。相分離を行い、水相をジクロロメタン(2×50ml)で抽出した。合した有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、蒸発乾涸した。粗生成物(890mg)をフラッシュクロマトグラフィー[120gのシリカゲル、溶出剤:ジクロロメタン/メタノール=20:1(容量/容量)]によって精製した。相応のフラクションを蒸発させることで、表題化合物(70質量%、57%収率)と、7−(2−エチル−6−メチル−ベンジルアミノ)−2−メチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−5−カルボン酸ジメチルアミド(30質量%、25%収率)との混合物514mgが得られた。該混合物を、分取HPLCによって分離し、そして純粋な表題化合物が単離された。
【0102】
8. (5−クロロ−2−メチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−7−イル)−(2,6−ジメチル−ベンジル)−アミン
アルゴンで充填された火炎乾燥されたフラスコ中で、6−クロロ−N−(2,6−ジメチル−ベンジル)−2−プロピ−1−イニル−ピリジン−3,4−ジアミン(実施例I、10.0g、33ミリモル)を、アルゴンで脱ガスされた無水DMF(80ml)中に溶解させた。ヨウ化銅(I)(1.27g、6.7ミリモル)を添加し、そして該反応混合物を80℃に、この温度に予熱された油浴を用いて加熱した。反応時間1時間後に、高温の暗褐色の反応混合物を、0.1Mの亜硫酸ナトリウム溶液(160ml)と氷(100g)との混合物に注いだ。ベージュ色の懸濁液が得られ、それを0℃で1時間撹拌した。沈殿物を濾過によって分離し、そして真空中で乾燥させた(50ミリバール、60℃、12時間)。これにより、9.2gの表題化合物(92%収率)が得られた。
【0103】
【表8】

【0104】
9. エチル[7−(2,6−ジメチル−ベンジルアミノ)−2−メチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−5−カルボキシレート]
(5−クロロ−2−メチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−7−イル)−(2,6−ジメチル−ベンジル)−アミン(実施例8、18.9g、63ミリモル)をエタノール(1900ml)及びDMF(475ml)中に溶かした溶液を、酢酸パラジウム(II)(2.15g、9.6ミリモル)、1,3−ビス(ジフェニルホスファノ)プロパン(4.47g、10.8ミリモル)及び炭酸カリウム(13.2g、9.6ミリモル)で処理した。該反応混合物を、10lのオートクレーブ中に移し、そして18バールの一酸化炭素圧を適用した。該反応混合物を、1時間の期間後に、200℃の温度と35バールの一酸化炭素圧に達するまで加熱した。この温度で3時間保持し、次いで0.5時間の期間にわたり室温に冷却した。圧力を解放し、該反応混合物を、殆どのエタノールが除去されるまで濃縮し、次いで水(800ml)及びジクロロメタン(500ml)で希釈した。相分離を行い、水相をジクロロメタン(2×100ml)で抽出した。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、そして減圧下に濃縮した。粗生成物(褐色油状物)を、メタノール(100ml)中に溶解させ、そしてシリカゲル(50g)を添加した。溶剤を蒸発させ、そして残留物を、1kgのシリカゲルで充填したカラムの頂部に載せた。表題化合物を、ジクロロメタン/メタノール[30:1(容量/容量)、次いで8:2(容量/容量)]の混合物で溶出させた。相応のフラクションを蒸発させた後に、2つの表題化合物のバッチが単離された:11.42gのベージュ色の結晶(44%の校正収率)及び5.35gの淡褐色の結晶(25%収率)。第一のバッチは、約18質量%のDMF(相応のH−NMRスペクトルによって判断した)を含油していた。
【0105】
【表9】

【0106】
10. 7−(2,6−ジメチル−ベンジルアミノ)−2−メチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−5−カルボン酸塩酸塩
エチル[7−(2,6−ジメチル−ベンジルアミノ)−2−メチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−5−カルボキシレート](実施例9、11.0g、33ミリモル)を、メタノール(210ml)及び水(21ml)中に溶解させた。破砕した水酸化カリウム(7.3g、130ミリモル)を添加し、そして該反応混合物を、60℃で1.5時間撹拌した。殆どのメタノール(150ml)を減圧下で除去した。その反応混合物を、水(90ml)で希釈し、そして6Nの塩酸を、pH値6が得られるまで添加した。懸濁液が形成し、それを0℃で30分間撹拌した。その固体を濾過によって単離し、そして真空中で乾燥(50ミリバール、50℃、18時間)させることで、8.05gの純粋な表題化合物(71%収率)が得られた。
【0107】
【表10】

【0108】
11. 7−(2,6−ジメチル−ベンジルアミノ)−2−メチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−5−カルボン酸ジメチルアミド
7−(2,6−ジメチル−ベンジルアミノ)−2−メチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−5−カルボン酸の塩酸塩(実施例10、11.0g、32ミリモル)及びTBTU(20.4g、64ミリモル)を無水DMF(260ml)中に入れた懸濁液を、60℃で1.5時間加熱した。ジメチルアミンをTHF(158ml、316ミリモル)中に溶かした2Mの溶液を添加した後に、該反応混合物を60℃で1時間加熱した。更なる分量のTBTU(2.0g、6ミリモル)及びジメチルアミン溶液(THF中2M、50ml、100ミリモル)を添加した。その反応を60℃で更に1時間継続し、そして溶剤を減圧下で除去した。残留物を、ジクロロメタン(400ml)及び炭酸ナトリウム飽和溶液(400ml)の混合物中に溶解させた。6Nの水酸化ナトリウム溶液を添加することによってpH値を10に調整した。該混合物を、メタノール(50ml)で希釈し、そして相分離を行った。水相を、ジクロロメタンとメタノールとの混合物[1:1(容量/容量)、2×100ml]で抽出した。合した有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、そして減圧下に濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー[150gのシリカゲル、溶出剤:ジクロロメタン/メタノール=20:1(容量/容量)]によって精製した。純粋な表題化合物(TLC分析による)を含有したフラクションを蒸発させた後に、4.7gの固体物質が得られた。その固体を、酢酸エチル中に懸濁させ、そして2.0g(19%収率)の純粋な表題化合物が濾過によって単離された。クロマトグラフィーフラクションは、不純物と共に表題化合物を含有しており、該フラクションを、その濾液と合し、そして溶剤を蒸発させた。残留物を、フラッシュクロマトグラフィー[200gのシリカゲル、溶出剤:ジクロロメタン/メタノール=20:1(容量/容量)、次いで10:1(容量/容量)]によって精製した。これにより、更に5.0gの純粋な表題化合物(47%収率、全収率66%)が得られた。
【0109】
【表11】

【0110】
12. 3−ブロモ−7−(2,6−ジメチル−ベンジルアミノ)−2−メチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−5−カルボン酸ジメチルアミド
アルゴンで充填したフラスコ中で、7−(2,6−ジメチル−ベンジルアミノ)−2−メチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−5−カルボン酸ジメチルアミド(実施例11、2.00g、5.9ミリモル)を無水DMF(10ml)中に溶解させた。その溶液を0℃に冷却し、N−ブロモスクシンイミド(1.16g、6.5ミリモル、20mlのDMF中に溶解されている)を20分間の期間にわたり添加し、そしてその反応を0℃で30分間継続した。該反応溶液を、ジクロロメタン(100ml)と炭酸ナトリウム飽和溶液(200ml)との混合物に注いだ。メタノール(30ml)を添加した後に、相を分離した。水相を、ジクロロメタンとメタノールとの混合物[7:3(容量/容量)、2×20ml]で抽出した。合した有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮した。粗生成物(2.5g)を、フラッシュクロマトグラフィー[100gのシリカゲル、溶出剤:酢酸エチル/石油エーテル=8:2(容量/容量)、次いで酢酸エチル/メタノール=8:2及び1:1(容量/容量)]と、引き続いて酢酸エチル(50ml)及びメタノール(0.2ml)の高温の混合物での処理とによって精製した。その懸濁液を1時間撹拌した後に、表題化合物を濾過によって分離し、そして真空中で乾燥させた(1.75g、71%収率)。
【0111】
【表12】

【0112】
13. 7−(2,6−ジメチル−ベンジルアミノ)−3−ヒドロキシメチル−2−メチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−5−カルボン酸ジメチルアミド
アルゴンで充填したフラスコ中で、7−(2,6−ジメチル−ベンジルアミノ)−3−ホルミル−2−メチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−5−カルボン酸ジメチルアミド(実施例J、580mg、1.59ミリモル)を無水エタノール(12ml)中に入れた懸濁液に、ホウ水素化ナトリウム(120mg、3.17ミリモル)を添加した。該反応混合物を50℃で5分間加熱し、次いで室温で1時間撹拌した。その溶液を、ジクロロメタン(100ml)と塩化アンモニウム飽和溶液(200ml)との混合物に注いだ。その二相混合物を室温で20分間にわたって撹拌した。相分離を行い、水相をジクロロメタン(2×20ml)で抽出した。合した有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、そして減圧下に濃縮した。残留物を、ジクロロメタン(10ml)とジエチルエーテル(20ml)との混合物中に懸濁させた。該懸濁液を、室温で30分間にわたって撹拌した。純粋な表題化合物を、濾過によって単離し、そして真空中で乾燥させた(430mgの無色の固体、74%収率)。
【0113】
【表13】

【0114】
14. 7−(2,6−ジメチル−ベンジルアミノ)−2,3−ジメチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−5−カルボン酸ジメチルアミド
3−ヒドロキシメチル前駆物質のトリエチルシランでの還元:室温で、トリエチルシラン(6.8ml、5.0g、43ミリモル)を、7−(2,6−ジメチル−ベンジルアミノ)−3−ヒドロキシメチル−2−メチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−5−カルボン酸ジメチルアミド(実施例13、1.00g、2.7ミリモル)をトリフルオロ酢酸(15ml)中に溶かした溶液に滴加した。その溶液を、室温で2時間撹拌し(ガス発生が観察された)、そして更なるトリエチルシラン(2.3ml、1.7g、14ミリモル)を添加した。1時間の期間後に、その反応物を、氷(100g)とジクロロメタン(50ml)との混合物に注いだ。0℃の温度で、pH値8.2を、6Nの水酸化ナトリウム溶液を添加することによって調整した。ジクロロメタン(50ml)及びメタノール(20ml)を添加することで、澄明な二相混合物が得られた。それらの相を分離し、そして水相をジクロロメタンとメタノールとの混合物[5:1(容量/容量)、2×60ml]で抽出した。合した有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、蒸発乾涸した。固体の残留物を、高温の酢酸エチル(50ml)中に懸濁させた。1時間の期間にわたり、その懸濁液を室温に冷却させた。沈殿物を濾過によって単離し、そして酢酸エチル(15ml)とジエチルエーテル(15ml)とで洗浄した。無色の固体が得られ(630mg)、それを、ジクロロメタンとメタノールとの混合物[6:1(容量/容量)、35ml]と同時蒸発させ、次いで真空中で乾燥させた。これにより、純粋な表題化合物(600mg、63%収率)が得られた。
【0115】
【表14】

【0116】
3−ヒドロキシメチル前駆物質の、O−フェニルクロロチオノホルメートによる活性化を介しての脱酸素化:7−(2,6−ジメチル−ベンジルアミノ)−3−ヒドロキシメチル−2−メチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−5−カルボン酸ジメチルアミド(実施例13、200mg、0.55ミリモル)、4−ジメチルアミノピリジン(20mg、0.16ミリモル)及びピリジン(90μl、88mg、1.11ミリモル)をジクロロメタン(5ml)中に入れた懸濁液を、O−フェニルクロロチオノホルメート(129μl、165mg、0.96ミリモル)で処理した。赤色の溶液が得られ、それを30分間にわたり40℃に加温した。全て等量の試薬(20mgの4−ジメチルアミノピリジン、90μlのピリジン、129μlのO−フェニルクロロホルメート)を添加し、そしてその反応を室温で1.5時間継続した。該反応混合物を、塩化アンモニウム飽和溶液(50ml)に注ぎ、そしてその二相混合物をジクロロメタン(3×10mlで抽出した。合した有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、蒸発乾涸した。これにより、粗製のチオ炭酸[7−(2,6−ジメチル−ベンジルアミノ)−5−ジメチルカルバモイル−2−メチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イルメチル]エステルフェニルエステル(520mg)が得られた。ジオキサン(4ml)、トリエチルアミン(0.28ml、0.20g、2.0ミリモル)及び次亜リン酸(0.22ml、水中50%)を添加した後に、該反応混合物を100℃に加温し、そして2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル[66mg、0.40ミリモル]で処理した。1時間の期間後に、その反応物を、重炭酸ナトリウム飽和溶液(50ml)に注ぎ、そしてジクロロメタン(3×15ml)で抽出した。合した有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、そして溶剤を蒸発させた。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー[20gのシリカゲル、溶出剤:ジクロロメタン/メタノール=20:1(容量/容量)]によって精製した。相応のフラクションを蒸発させることで、純粋な表題化合物(30mg、15%収率)が得られた。
【0117】
融点:315℃
15. 1−ベンジル−7−(2,6−ジメチル−ベンジルアミノ)−3−ヒドロキシメチル−2−メチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−5−カルボン酸ジメチルアミド
アルゴン雰囲気下で0℃において、7−(2,6−ジメチル−ベンジルアミノ)−3−ヒドロキシメチル−2−メチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−5−カルボン酸ジメチルアミド(実施例13、100mg、0.27ミリモル)を、水素化ナトリウム(油中60質量%、11mg、0.28ミリモル)を無水THF(3ml)中に入れた懸濁液に添加した。該混合物を0℃で40分間撹拌し、そして蒸発乾涸した。残留物を、無水DMF(3ml)中に懸濁し、そして臭化ベンジル(43ml、62mg、0.36ミリモル)を添加した。該反応混合物(澄明な溶液)を、室温で1時間撹拌し、そして重炭酸ナトリウム飽和溶液(5ml)、水(50ml)及びジクロロメタン(50ml)の混合物に注いだ。相分離を行い、水相をジクロロメタン(2×10ml)で抽出した。合した有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮した。残留物(130mg)をフラッシュクロマトグラフィー[20gのシリカゲル、溶出剤:ジクロロメタン/メタノール=20:1(容量/容量)]によって精製した。表題化合物(59mg、48%収率)は90%純度(相応のH−NMRスペクトルから判断した)で単離され、そして更に結晶化(室温、20時間)によって、酢酸エチル/酢酸[20:1(容量/容量)、1ml]から精製することができた。沈殿物を濾過によって単離し、そして真空中で乾燥させた。これによって、23mgの表題化合物(18%収率)が得られた。
【0118】
【表15】

【0119】
16. 7−(2,6−ジメチル−ベンジルアミノ)−1,2,3−トリメチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−5−カルボン酸ジメチルアミド
アルゴン雰囲気下で0℃において、7−(2,6−ジメチル−ベンジルアミノ)−2,3−ジメチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−5−カルボン酸ジメチルアミド(実施例14、200mg、0.57ミリモル)を無水DMF(7ml)中に溶かした溶液を、水素化ナトリウム(油中60質量%、25mg、0.63ミリモル)で処理した。その溶液を、室温で1時間撹拌し、0℃で冷却し、そしてヨウ化メチル(53μl、120mg、0.85ミリモル)を添加した。該反応混合物を室温で2時間撹拌し、そしてそれを水(50ml)とジクロロメタン(50ml)との混合物に注いだ。相分離を行い、水相をジクロロメタン(2×20ml)で抽出した。合した有機相をメタノール(10ml)で希釈し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、そして真空中で濃縮した。残留物(橙色油状物)をフラッシュクロマトグラフィー[30gのシリカゲル、溶出剤:ジクロロメタン/メタノール=20:1(容量/容量)]によって精製した。相応のフラクションを蒸発させることで、黄色油状物(170mg)が得られ、それはジエチルエーテルでの処理後に固化した。その黄色の固体を酢酸エチル/石油エーテル[1:1(容量/容量)、2ml]中に入れた懸濁液を、室温で30分間撹拌した。表題化合物(33mg、16%収率)が濾過によって単離された。濾液を蒸発させることによって、94mgの黄色油状物が得られ、それをフラッシュクロマトグラフィー[シリカゲル、溶出剤:酢酸エチル、次いで酢酸エチル/メタノール=9:1(容量/容量)]と、引き続きジイソプロピルエーテル(1ml)での処理とによって精製した。これによって、更に36mgの純粋な表題化合物(17%収率)が得られた。
【0120】
【表16】

【0121】
17. 1−ベンジル−7−(2,6−ジメチル−ベンジルアミノ)−2,3−ジメチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−5−カルボン酸ジメチルアミド
アルゴン雰囲気下で0℃において、7−(2,6−ジメチル−ベンジルアミノ)−2,3−ジメチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−5−カルボン酸ジメチルアミド(実施例14、200mg、0.57ミリモル)を無水DMF(7ml)中に溶かした溶液を、水素化ナトリウム(油中60質量%、25mg、0.63ミリモル)で処理した。その溶液を、室温で1時間撹拌し、0℃で冷却し、そして臭化ベンジル(75μl、108mg、0.63ミリモル)を添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌し、そして塩化アンモニウム飽和溶液(40ml)とジクロロメタン(40ml)との混合物に注いだ。相分離を行い、水相をジクロロメタン(2×5ml)で抽出した。合した有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮した。その残留物をフラッシュクロマトグラフィー[20gのシリカゲル、溶出剤:ジクロロメタン/メタノール=40:1(容量/容量)]によって精製した。相応のフラクションを蒸発させることで、黄色油状物が得られ、それはジエチルエーテルでの処理後に固化した。その黄色の固体を酢酸エチル(0.2ml)及びジイソプロピルエーテル(2ml)中に入れた懸濁液を、室温で20分間撹拌した。表題化合物(95mg、38%収率)が濾過によって単離された。
【0122】
【表17】

【0123】
18. 7−(2,6−ジメチル−ベンジルアミノ)−2−メチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−5−カルボン酸メチルアミド
7−(2,6−ジメチル−ベンジルアミノ)−2−メチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−5−カルボン酸の塩酸塩(実施例10、5.0g、16ミリモル)及びTBTU(10.4g、32ミリモル)を無水DMF(140ml)中に入れた懸濁液を、60℃で1時間加熱した。メチルアミンをエタノール(12ml、168ミリモル)中に溶かした8Mの溶液を添加した後に、該反応混合物を80℃で1時間加熱した。更なる分量のTBTU(2.0g、6ミリモル)及びメチルアミン溶液(エタノール中8M、10ml、80ミリモル)を添加した。その反応を60℃で更に1時間継続し、そして室温で16時間継続した。溶剤を減圧下で除去した。残留物を、ジクロロメタン(300ml)及び炭酸ナトリウム飽和溶液(300ml)の混合物中に溶解させた。相分離を行い、水相をジクロロメタン(2×50ml)で抽出した。合した有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、そして減圧下に濃縮した。粗生成物(褐色油状物)をフラッシュクロマトグラフィー[200gのシリカゲル、溶出剤:ジクロロメタン/メタノール=20:1ないし10:1(容量/容量)]によって精製した。相応のフラクションを蒸発させることで、表題化合物:2.34gのベージュ色の固体が得られ、それは微量のDMFとテトラメチル尿素を含有していた(45%収率)。
【0124】
【表18】

【0125】
19. エチル[7−(2,6−ジメチル−ベンジルアミノ)−3−ヒドロキシメチル−2−メチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−5−カルボキシレート]
アルゴン雰囲気下で、粗製のエチル[7−(2,6−ジメチル−ベンジルアミノ)−3−ホルミル−2−メチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−5−カルボキシレート](実施例K、400mg、1.09ミリモル)を無水エタノール(8ml)中に入れた懸濁液を、室温で、ホウ水素化ナトリウム(83mg、2.19ミリモル)で処理した。反応混合物を室温で1時間撹拌し、そして塩化アンモニウム飽和溶液(100ml)とジクロロメタン(100ml)との混合物に注いだ。二相の混合物を20分間撹拌した。相分離を行い、水相をジクロロメタン(2×5ml)で抽出した。合した有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、そして溶剤を蒸発させた。残留物(250mgの黄色のフォーム)をフラッシュクロマトグラフィー[15gのシリカゲル、溶出剤:ジクロロメタン/メタノール=20:1(容量/容量)]によって精製した。表題化合物が27%の収率(107mgの無色の固体)で得られた。
【0126】
【表19】

【0127】
出発材料及び中間体
A. 2,6−ジクロロ−4−ニトロアミノピリジン
4−アミノ−2,6−ジクロロピリジン(50.0g、307ミリモル)の分量を、濃硫酸(320ml)中に溶解させた。添加速度は、内部温度10℃を超過しないように調整した。該混合物を−5℃に冷却し、そして硝酸(90%、150ml)を40分の期間にわたり、内部温度が0℃未満に維持されるように添加した。その反応を0℃で2時間継続し、そして該反応混合物を氷水(2.5リットル、機械的撹拌)に注いだ。無色の懸濁液が形成し、それを0℃で30分間撹拌し、そして濾過した。室温で、濾過ケークを、水(1リットル)中に懸濁し、そして撹拌を15分間継続した。表題化合物が濾過によって単離され、そしてそれを真空中で乾燥させた(50ミリバール、17時間、50℃)。無色の固体が得られた(67.0g、定量的収率)。
【0128】
【表20】

【0129】
B. 4−アミノ−2,6−ジクロロ−3−ニトロピリジン
2,6−ジクロロ−4−ニトロアミノピリジン(実施例A、67.0g、322ミリモル)の分量を、濃硫酸(320ml)中に溶解させた。添加速度は、内部温度40℃を超過しないように調整した。該反応混合物を100℃に加熱した。1時間の期間後に、黄色の溶液が得られ、それを氷水(3リットル)に注いだ。6Nの水酸化ナトリウム溶液(約1.9リットル)を添加することによってpH値を9.5に調整した。無色の懸濁液が形成し、それを室温で30分間撹拌した。その沈殿物を濾過によって回収し、水(4リットル)中に懸濁し、そして撹拌を、室温で30分間継続した。表題化合物が濾過によって単離され、そしてそれを真空中で乾燥させた(50ミリバール、17時間、50℃)。無色の固体が得られた(75.3g、定量的収率)。
【0130】
【表21】

【0131】
C. (2,6−ジクロロ−3−ニトロ−ピリジン−4−イル)−(2−エチル−6−メチル−ベンジル)−アミン
窒素で充填した火炎乾燥されたフラスコ中で、水素化ナトリウム(5.2g、パラフィン中60質量%、130ミリモル)を、無水THF(120ml)中に懸濁させた。4−アミノ−2,6−ジクロロ−3−ニトロピリジン(実施例B、22.4g、108ミリモル)を無水THF(200ml)中に溶かした溶液を、温度がフラスコ中で10〜15℃に維持されるように滴加した。赤色の溶液が得られ、それを1時間撹拌した。第二のフラスコを、窒素で充填し、そこに、2−エチル−6−メチルベンジルクロリド(20.0g、118ミリモル)を無水THF(120ml)中に溶かした溶液を装填し、そしてヨウ化ナトリウム(17.7g、118ミリモル)を添加した。黄色の懸濁液が得られ、それを1時間撹拌し、次いでそれを、第一のフラスコの内容物へと、温度10℃を超過しないようにゆっくりと添加した。該反応混合物を0℃で1時間撹拌し、氷水(1200ml)に注ぎ、そして酢酸エチル(2×400ml、2×200ml)で抽出した。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、そして容量600mlにまで濃縮させた。シリカゲル(100g)を添加し、そして残りの溶剤を真空中で除去した。フラッシュカラムを1.2kgのシリカゲルで準備し、そこに前記残留物を装填し、そして表題化合物は石油エーテル/酢酸エチル(15:1(容量/容量))で溶出した。無色の固体(26.3g、77%収率)が得られ、それは、H−NMR分光法によれば純粋であった。
【0132】
【表22】

【0133】
D. (6−クロロ−3−ニトロ−2−プロピ−1−イニル−ピリジン−4−イル)−(2−エチル−6−メチル−ベンジル)−アミン
アルゴンで充填した火炎乾燥されたフラスコ中で、(2,6−ジクロロ−3−ニトロ−ピリジン−4−イル)−(2−エチル−6−メチル−ベンジル)−アミン(実施例C、10.0g、29ミリモル)を無水1,4−ジオキサン(30ml)中に溶かした溶液を、トリ−n−ブチル−1−プロピニルスタンナン(9.9ml、10.7g、33ミリモル)及びビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(1.00g、1.4ミリモル)で処理した。該反応混合物を50℃に加熱し、この温度で3時間保持し、そしてシリカゲル(60g)の存在下で蒸発させた。フラッシュカラムを500gのシリカゲルで充填し、そこに前記残留物を装填した。有機スズ化合物が石油エーテル(1l)での溶出によって分離された後に、表題化合物は石油エーテル/酢酸エチル=10:1(容量/容量)で溶出した。橙色の結晶(7.7g、76%収率)が単離された。H−NMRスペクトルによって指摘されるように、有機スズ化合物は、後処理/精製の過程でほぼ完全に除去された。
【0134】
【表23】

【0135】
E. 6−クロロ−N−(2−エチル−6−メチル−ベンジル)−2−プロピ−1−イニル−ピリジン−3,4−ジアミン
(6−クロロ−3−ニトロ−2−プロピ−1−イニル−ピリジン−4−イル)−(2−エチル−6−メチル−ベンジル)−アミン(実施例D、10.0g、29ミリモル)をジエチルエーテル(140ml)中に溶かした溶液を、塩化スズ(II)(66.0g、293ミリモル)を濃塩酸(34.4ml)中に溶かした溶液で処理した。添加速度は、エーテル性溶液の緩慢な沸騰が保持されるように調整した;その試薬の完全な添加には約15分が必要であった。該反応混合物を室温で1時間撹拌し、氷水(1l)と酢酸エチル(500ml)との混合物に注ぎ、そしてその二相混合物のpH値を、6Nの水酸化ナトリウム溶液の添加によって10に調整した。該懸濁液を、Celite545で濾過し、その濾過ケークを酢酸エチル(400ml)で洗浄し、そして得られた濾液の相を分離した。水相を、酢酸エチル(2×200ml)で抽出した。合した有機相を、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、そして蒸発乾涸させることで、5.38gの表題化合物(ベージュ色の固体、59%収率)が得られた。更に3.4gの表題化合物(無色の固体、37%収率)が、Celite残留物を酢酸エチル(1l)でSoxhiet装置を用いて連続的に抽出し(15時間)、引き続き真空中で濃縮することによって得られた。
【0136】
【表24】

【0137】
F. 7−(2−エチル−6−メチル−ベンジルアミノ)−3−ホルミル−2−メチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−5−カルボン酸ジメチルアミド
アルゴンで充填したフラスコに、無水DMF(7ml)を装填し、そしてオキシ塩化リン(660μl、1.10g、7.2ミリモル)を0℃で添加した。該溶液を室温で1時間撹拌し、次いでそれを0℃で、7−(2−エチル−6−メチル−ベンジルアミノ)−2−メチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−5−カルボン酸ジメチルアミド(実施例4、1.00g、2.9ミリモル)を無水DMF(10ml)中に溶かした溶液に添加した。該反応混合物を、室温で20時間撹拌し、更なるフィールスマイヤー試薬(660μlのオキシ塩化リンと7mlの無水DMFとから前記のように製造される)を、0℃で添加した。その反応を室温で16時間継続し、そして氷水(50ml)の添加によって停止させた。ジクロロメタン(100ml)及び重炭酸ナトリウム飽和溶液(50ml)を添加し、そしてpH値を、2Nの水酸化ナトリウム溶液で8に調整した。相分離を行い、水相をジクロロメタン(2×30ml)で抽出した。合した有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、そして減圧下に濃縮した。残留物(1.2gの黄色油状物)をフラッシュクロマトグラフィー[60gのシリカゲル、溶出剤:酢酸エチル/メタノール=10:1(容量/容量)]によって精製した。相応のフラクションを蒸発させることで、純粋な表題化合物(620mgの黄色の結晶、58%収率)が得られた。
【0138】
【表25】

【0139】
G. (2,6−ジクロロ−3−ニトロ−ピリジン−4−イル)−(2,6−ジメチル−ベンジル)−アミン
窒素で充填した火炎乾燥されたフラスコ中で、水素化ナトリウム(4.8g、パラフィン中60質量%、120ミリモル)を、無水THF(110ml)中に懸濁させた。灰色の懸濁液を0℃に冷却し、そして4−アミノ−2,6−ジクロロ−3−ニトロピリジン(実施例B、25.0gの粗生成物、120ミリモル)を無水THF(180ml)中に溶かした溶液を、温度がフラスコ中で10〜15℃に維持されるように滴加した。赤色の溶液が得られ、それを0℃で1時間撹拌した。第二のフラスコを、窒素で充填し、そこに、2,6−ジメチルベンジルクロリド(17.0g、110ミリモル)を無水THF(110ml)中に溶かした溶液を装填し、そしてヨウ化ナトリウム(16.5g、110ミリモル)を添加した。無色の懸濁液が得られ、それを室温で1時間撹拌し、次いでそれを、第一のフラスコの内容物へと、温度5℃を超過しないようにゆっくりと添加した。該反応混合物を0℃で1時間撹拌し、氷水(1500ml)に注ぎ、そして酢酸エチル(3×250ml)で抽出した。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、そして容量400mlにまで濃縮させた。シリカゲル(100g)を添加し、そして残りの溶剤を真空中で除去した。フラッシュカラムを1kgのシリカゲルで準備し、そこに前記残留物を装填し、そして表題化合物は石油エーテル/酢酸エチル[15:1、次いで10:1(容量/容量)]で溶出した。表題化合物が黄色の固体(30.8g、79%収率)として得られ、これはH−NMR分光測定により純粋であった。
【0140】
【表26】

【0141】
H. (6−クロロ−3−ニトロ−2−プロピ−1−イニル−ピリジン−4−イル)−(2,6−ジメチル−ベンジル)−アミン
アルゴンで充填した火炎乾燥されたフラスコ中で、(2,6−ジクロロ−3−ニトロ−ピリジン−4−イル)−(2,6−ジメチル−ベンジル)−アミン(実施例G、38.0g、117ミリモル)及びビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(4.10g、5.8ミリモル)を、無水1,4−ジオキサン(120ml)中に溶解させ、そしてトリ−n−ブチル−1−プロピニルスタンナン(37.2ml、40.3g、122ミリモル)を添加した。該反応混合物を50℃に加熱し、そしてこの温度で3時間保持した。更なるビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(0.50g、0.7ミリモル)及びトリ−n−ブチル−1−プロピニルスタンナン(0.9ml、1.0g、3ミリモル)を添加し、そしてその反応を50℃で1.5時間継続した。その褐色の溶液を、シリカゲル(80g)の存在下で蒸発させた。フラッシュカラムを1000gのシリカゲルで充填し、そこに前記残留物を装填した。有機スズ化合物が石油エーテル(2リットル)での溶出によって分離された後に、表題化合物は石油エーテル/酢酸エチル=10:1(容量/容量)及び酢酸エチルで溶出した。相応のフラクションを蒸発させることで、2つの表題化合物のバッチが得られた:ベージュ色の固体(22.3g、58%収率)及び褐色の油状物(19g)。第二のバッチを、カラムクロマトグラフィー[500gのシリカゲル、溶出剤:石油エーテル/酢酸エチル=5:1(容量/容量)]によって更に精製した。ベージュ色の固体(9.9g、26%収率)が単離された。2つのバッチ中に存在する有機スズ化合物の量(13モル%/4モル%)を、H−NMR分光法によって測定した。
【0142】
【表27】

【0143】
I. 6−クロロ−N−(2,6−ジメチル−ベンジル)−2−プロピ−1−イニル−ピリジン−3,4−ジアミン
(6−クロロ−3−ニトロ−2−プロピ−1−イニル−ピリジン−4−イル)−(2,6−ジメチル−ベンジル)−アミン(実施例H、10.0g、30ミリモル)をジエチルエーテル(140ml)中に溶かした溶液を、塩化スズ(II)二水和物(69.0g、306ミリモル)を濃塩酸(36.0ml)中に溶かした溶液で処理した。添加速度は、エーテル性溶液の緩慢な沸騰が保持されるように調整した;その試薬の完全な添加には約15分が必要であった。該反応混合物を室温で1時間撹拌し、氷水(1リットル)と酢酸エチル(500ml)との混合物に注ぎ、そしてその二相混合物のpH値を、6Nの水酸化ナトリウム溶液の添加によって10に調整した。該懸濁液を、Celite545で濾過し、その濾過ケークを酢酸エチル(2×150ml)で洗浄し、そして得られた濾液の相を分離した。水相を、酢酸エチル(2×150ml)で抽出した。合した有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、蒸発乾涸した。褐色の固体残留物(3.78g)を、高温のジエチルエーテル(15ml)で処理した。その懸濁液を、室温に冷却させ、更なるジエチルエーテル(40ml)で希釈し、そして0℃で1時間撹拌を継続した。表題化合物を濾過によって単離した(2.0gの黄色の結晶、22%収率)。Celite残留物を、酢酸エチル/メタノール=9:1(容量/容量)[1リットル]で、Soxhiet装置を用いて抽出した。15時間の期間後に、溶剤を蒸発させた。黄色の固体残留物(7.0g)を、沸騰しているクロロホルム(300ml)中に懸濁させた。その高温の懸濁液を1時間還流下に撹拌し、そして迅速に濾過した。その濾液を濃縮することで、第二の表題化合物のバッチ(5.14gの黄色の固体、56%収率)が得られた。両方のバッチは、微量のみの有機スズ不純物(H−NMR分光法によって確認した)しか含有していなかった。
【0144】
【表28】

【0145】
J. 7−(2,6−ジメチル−ベンジルアミノ)−3−ホルミル−2−メチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−5−ジメチルアミド
アルゴンで充填したフラスコ中で、オキシ塩化リン(0.72ml、1.21g、7.9ミリモル)を、7−(2,6−ジメチル−ベンジルアミノ)−2−メチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−5−カルボン酸ジメチルアミド(実施例11、1.30g、3.9ミリモル)を無水DMF(8ml)中に入れた懸濁液に添加した。該反応混合物を80℃で1時間加熱した。更なる分量のオキシ塩化リン(0.10ml、0.17g、1.1ミリモル)を添加した後に、その反応を80℃で40分間継続した。その褐色の溶液を、重炭酸ナトリウム溶液(600ml)とジクロロメタン(200ml)との氷冷混合物にゆっくりと添加した。二相の混合物を20分間撹拌した。相分離を行い、水相をジクロロメタン(2×50ml)で抽出した。合した有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、そして溶剤を蒸発させた。粗生成物をDMF(3ml)中に溶かした溶液に、ジクロロメタン(5ml)及びジエチルエーテル(10ml)を添加した。得られた懸濁液を、室温で30分間にわたり撹拌し、そして沈殿物を濾過によって単離した。これにより、純粋な表題化合物(600mg、43%収率)が得られた。
【0146】
注釈:結晶化工程を省いて、粗生成物(約60質量%の表題化合物を含有する)を実施例13に記載される還元工程に供することも可能である。
【0147】
【表29】

【0148】
K. エチル[7−(2,6−ジメチル−ベンジルアミノ)−3−ホルミル−2−メチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−5−カルボキシレート]
アルゴンで充填したフラスコ中で、オキシ塩化リン(0.28ml、0.47g、3.1ミリモル)を、エチル[7−(2,6−ジメチル−ベンジルアミノ)−2−メチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−5−カルボキシレート](実施例9、0.50g、1.5ミリモル)を無水DMF(3ml)中に入れた懸濁液に添加した。暗褐色の溶液が得られ、それを室温で20分間、そして80℃で40分間撹拌した。その反応溶液を、50mlの氷水にゆっくりと注いだ。ジクロロメタン(50ml)を添加し、そしてpH値6を、2Nの水酸化ナトリウム溶液で調整した。相分離を行い、水相をジクロロメタン(2×10ml)で抽出した。合した有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、そして溶剤を蒸発させた。褐色の油状残留物をフラッシュクロマトグラフィー[30gのシリカゲル、溶出剤:ジクロロメタン/メタノール=20:1〜6:4(容量/容量)]によって精製した。表題化合物(400mg、74%収率)は、80%純度(相応のH−NMR分光法によって判断した)で単離された。
【0149】
【表30】

【0150】
L. 6−クロロ−3−ニトロ−2−プロピ−1−イニル−ピリジン−4−イルアミン
アルゴンで充填した火炎乾燥されたフラスコ中で、4−アミノ−2,6−ジクロロ−3−ニトロピリジン(実施例B、15.0g、72ミリモル)を無水1,4−ジオキサン(60ml)中に溶かした溶液を、トリ−n−ブチル−1−プロピニルスタンナン(23.1ml、25.0g、76ミリモル)及びビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(2.53g、3.6ミリモル)で処理した。該反応混合物を50℃に加熱し、この温度で4時間保持し、そしてシリカゲル(50g)の存在下で蒸発させた。フラッシュカラムを400gのシリカゲルで充填し、そこに前記残留物を装填した。殆どの有機スズ化合物が石油エーテル(3l)での溶出によって分離された後に、表題化合物は石油エーテル/酢酸エチル=7:3及び1:1(容量/容量)で溶出した。相応のフラクションを蒸発させることで、褐色の固体が得られ、それを真空中で乾燥させ(16.1g)、そしてそれはH−NMR分光法によって、表題化合物(63モル%)、未変換の出発物質(27モル%)、有機スズ化合物(7モル%)及び酢酸エチル(3モル%)の混合物として分析された。その表題化合物は、更なる精製を行うことなく、実施例Mに記載される還元工程で使用された。
【0151】
【表31】

【0152】
M. 6−クロロ−2−プロピ−1−イニル−ピリジン−3,4−ジアミン
6−クロロ−3−ニトロ−2−プロピ−1−イニル−ピリジン−4−イルアミン(実施例L、16.0gの粗生成物、48ミリモル)をジエチルエーテル(120ml)中に溶かした溶液を、塩化スズ(II)二水和物(160.0g、709ミリモル)を濃塩酸(60ml)中に溶かした溶液で処理した。添加速度は、エーテル性溶液の緩慢な沸騰が保持されるように調整した;その試薬の完全な添加には約15分が必要であった。該反応混合物を室温で1時間撹拌し、氷水(1リットル)と酢酸エチル(600ml)との混合物に注ぎ、そしてその二相混合物のpH値を、6Nの水酸化ナトリウム溶液の添加によって9.6に調整した。その濃密な懸濁液を室温で2時間にわたって撹拌し、そしてCelite545で濾過した。得られた濾液の相を分離し、そして水相を酢酸エチル(2×200ml)で抽出した。合した有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、蒸発乾涸した。その黄色の固体残留物(10.5g)を、ジクロロメタンとメタノールとの混合物中に溶解させ、そして溶剤を30gのシリカゲルの存在下に蒸発させた。フラッシュカラムを400gのシリカゲルで充填し、そこに前記残留物を装填した。純粋な表題化合物は、酢酸エチル/石油エーテル=1:1(容量/容量)での溶出と、相応のフラクションの蒸発によって単離された(6.0gの黄色の結晶、69%収率)。
【0153】
【表32】

【0154】
N. 5−クロロ−2−メチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−7−イルアミン
アルゴンで充填された火炎乾燥されたフラスコ中で、6−クロロ−2−プロピ−1−イニル−ピリジン−3,4−ジアミン(実施例M、2.0g、11ミリモル)を、無水DMF(20ml)中に溶解させた。ヨウ化銅(I)(420mg、2.20ミリモル)を添加し、そして該反応混合物を80℃に、この温度に予熱された油浴を用いて加熱した。1時間の反応時間後に、溶剤を減圧下で蒸発させた。残留物を水(100ml)及びジクロロメタン(70ml)中に溶解させた。相分離を行い、水相をジクロロメタン(2×70ml)で抽出した。合した有機相をメタノール(30ml)で希釈し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、そして蒸発乾涸させた。暗褐色の油状の残留物(2.4g)が単離され、それをフラッシュクロマトグラフィー[100gのシリカゲル、溶出剤:ジクロロメタン/メタノール=20:1から7:3(容量/容量))によって精製した。純粋な表題化合物は、相応のフラクションの蒸発後に得られた(1.35gの黄色の結晶、68%収率)。
【0155】
【表33】

【0156】
産業上利用性
式1、式1及び式1−1の化合物及びそれらの塩(=本発明による有効化合物)は、それらを産業上利用可能にする有用な薬理学的特性を有する。殊に、式1の化合物及びその塩は、温血動物、殊にヒトにおいて、胃酸分泌の著しい阻害及び優れた胃及び腸の保護作用を示す。本願明細書中において、本発明による有効化合物は、作用の高い選択性、作用の有利な持続、殊に良好な腸内活性、重篤な副作用の不在及び広い治療範囲により特徴付けられる。
【0157】
”胃及び腸の保護”とは、本願明細書中において、胃腸疾患、殊に、例えば微生物(例えばヘリコバクターピロリ)、細菌毒素、医薬品(例えばある種の抗炎症薬及び抗リウマチ薬、例えばNSAID類及びCOX阻害剤類)、化学薬品(例えばエタノール)、胃酸又はストレス環境により引き起こされ得る胃腸炎症疾患及び損傷(例えば胃潰瘍、消化性潰瘍、例えば消化性潰瘍出血、十二指腸潰瘍、胃炎、胃酸過多又は医薬品に関連する機能性消化不良)の予防及び治療の意味であると解釈される。“胃及び腸の保護”とは、一般知識によれば、制限されないが胸やけ及び/又は逆流が含まれる症状の胃食道逆流疾患(GERD)が含まれると解される。
【0158】
その優れた特性において、本発明による有効化合物は、驚異的にも、抗潰瘍発生特性及び抗分泌特性が確定された種々のモデルにおける先行技術から公知の化合物に明確に勝ることが判明した。その特性のため、本発明による有効化合物は、ヒト医学及び獣医学における使用において顕著に適当であり、その際、前記化合物及び塩は殊に胃及び/又は腸の疾患の治療及び/又は予防のために使用される。
【0159】
従って本発明の他の課題は、上記疾患の治療及び/又は予防において使用するための本発明による有効化合物である。
【0160】
本発明は同様に、前記の疾患の治療及び/又は予防のために使用される医薬品の製造のための、本発明による有効化合物の使用に関する。
【0161】
本発明は更に、上記疾患を治療及び/又は予防するための本発明による有効化合物の使用を含む。
【0162】
本発明の更なる態様は、本発明による有効化合物の1種以上の化合物を含有する医薬品である。
【0163】
医薬品は、有利に自体公知の方法及び当業者に公知の方法によって製造される。医薬品として、本発明による薬理学的有効化合物は、それ自体で、又は有利には適当な医薬品助剤又は賦形剤と組み合わせて、錠剤、被覆錠剤、カプセル剤、坐剤、パッチ剤(例えばTTS)、乳剤、懸濁剤又は液剤の形で使用され、その際、有効化合物の含有率は有利には0.1〜95%であり、かつ助剤及び賦形剤の適当な選択によって、有効化合物に厳密に適合された、及び/又は作用の所望の開始及び/又は持続に厳密に適合された医薬品投与形(例えば遅延放出形又は腸溶形)を得ることができる。
【0164】
所望の医薬品製剤のために適当な助剤及び賦形剤は、当業者の専門知識に基づき当業者に公知である。液剤、ゲル形成剤、坐剤基剤、錠剤助剤及び他の有効化合物賦形剤の他に、例えば、酸化防止剤、分散剤、乳化剤、消泡剤、矯臭剤、保存剤、可溶化剤、着色剤、又は殊に浸透促進剤及び錯化剤(例えばシクロデキストリン)を使用することができる。
【0165】
本発明による有効化合物は、経口的、非経口的又は経皮的に投与することができる。
【0166】
一般にヒト医学において、経口投与の場合、約0.01〜約20、有利には0.05〜5、特に0.1〜1.5mg/体重kgの日用量で、所望の結果を達成するために適切である場合には複数の、有利には2〜4の個別の投与量の形で本発明による有効化合物を投与することが有利であることが判明した。非経口的治療の場合には、類似の、又は(殊に活性化合物を静脈投与する場合には)概してより低い用量を使用することができる。当業者は自身の専門知識に基づいて、そのつど必要とされる活性化合物の最適な用量及び投与方法を容易に決定することができる。
【0167】
本発明による有効化合物及び/又はそれらの塩を上記疾患の治療のために使用すべき場合には、医薬製剤は、他の薬剤の群の一つ又はそれ以上の薬理学的活性成分、例えば:トランキライザー(例えばベンゾジアゼピンの群からのもの、例えばジアゼパム)、鎮痙薬(例えばビエタミベリン又はカミロフィン)、抗コリン作用薬(例えばオキシフェンシクリミン又はフェンカルバミド)、局所麻酔薬(例えばテトラカイン又はプロカイン)及び場合によっては更に酵素、ビタミン又はアミノ酸を含有することもできる。
【0168】
本願明細書中で強調すべきであるものは、特に、本発明による有効化合物と、酸の分泌を抑制する医薬品、例えばHブロッカー(例えばシメチジン、ラニチジン)、H/KHATPase阻害薬(例えばオメプラゾール、パントプラゾール)との組合せ、又は更に、いわゆる抹消性抗コリン作用薬(例えばピレンゼピン、テレンゼピン)との組合せ、又は、主な作用を付加的もしくはさらに付加的な意味で増強し、かつ/又は副作用を排除もしくは低減することを目的としたガストリン拮抗薬との組合せ、又は更に、ヘリコバクターピロリを制御するための抗菌活性物質(例えばセファロスポリン、テトラサイクリン、ペニシリン、マクロライド、ニトロイミダゾール又はそれとは別にビスマス塩)との組合わせである。挙げることができる適当な抗菌補助成分は、例えばメズロシリン、アンピシリン、アモキシシリン、セファロチン、セフォキシチン、セフォタキシム、イミペネム、ゲンタマイシン、アミカシン、エリスロマイシン、シプロフロキサシン、メトロニダゾール、クラリスロマイシン、アジスロマイシン及びこれらの組合せ(例えばクラリスロマイシン+メトロニダゾール)である。
【0169】
本発明による有効化合物はその優れた胃及び腸の保護作用の観点で、一定の潰瘍発生に有効であることが公知である医薬品(例えば特定の抗炎症薬及び抗リウマチ薬、例えばNSAID類)との自由な、又は固定された組合せのために適切である。更に、本発明による有効化合物は、運動性変性剤との自由な、又は固定された組合せのために適切である。
【0170】
薬理学
本発明による式1の化合物の優れた胃保護作用及び胃酸分泌抑制作用を動物実験モデルによる検査において示すことができる。実施例では、以下に記載するモデルで検査した本発明による化合物に、これらの化合物の番号に相応する番号を付した。
【0171】
潅流されるラット胃に対する分泌阻害作用の試験
以下の第A表に、インビボでの、十二指腸内投与/静脈内投与後の潅流されるラット胃のペンタガストリンにより刺激される酸分泌に対する本発明による式1の化合物の影響を示す。
【0172】
表A:
【0173】
【表34】

【0174】
方法
麻酔処理したラット(CDラット、メス、200〜250g;1.5g/kg i.m.ウレタン)の腹部を気管切開後に正中上腹部切開により開放し、かつPVCカテーテルを経口により食道に固定し、かつチューブの端部がちょうど胃管腔に設置されるように幽門を介してもう1つのカテーテルを固定した。幽門から通るカテーテルは側方の開放部を通って外側の右腹壁に通じていた。
【0175】
完全に洗浄した後(約50〜100ml)、暖かい(37℃)生理NaCl溶液を連続的に胃に通過させた(0.5ml/分、pH6.8〜6.9;Braun−Unita I)。pH(pHメーター632、ガラス電極EA147;φ=5mm、Metrohm)及び、新たに調製した0.01NのNaOH溶液で滴定し、pH7(Dosimat 665 Metrohm)とすることにより、分泌されたHClをそのつど15分間隔で回収された流出液において測定した。
【0176】
胃液分泌を、同時に、手術(つまり2つの予備的なフラクションの測定後)の終了の約30分後に静脈内ペンタガストリン(左大腿静脈)の1μg/kg(=1.65ml/h)の連続的な注入により刺激した。試験すべき物質を十二指腸内(物質7は静脈内)に液体体積2.5ml/kgでペンタガストリンの連続的な注入の開始60分後に投与した。
【0177】
動物の体温を赤外線の照射及び加熱パッドにより一定の37.8〜38℃に維持した(自動、直腸温度センサによる無段制御)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式1
【化1】

[式中、
R1は、水素、基CH−R11又は基CH(OR12)−R11であり、その際、
R11は、水素、C〜C−アルキル又は基Cyであり、
R12は、水素、C〜C−アルキル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−シクロアルキル−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシカルボニル、フルオロ−C〜C−アルキル、C〜C−アルキルカルボニル又は基−CO−N(R121)(R122)であり、その際、
R121は、水素、C〜C−アルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル又はC〜C−シクロアルキルであり、かつ
R122は、水素又はC〜C−アルキルであるか、又は
R121及びR122は、一緒になって、これらが結合される窒素原子を含んで、ピロリジノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、アジリジノ基又はアゼチジノ基を形成し、
R2は、水素、C〜C−アルキル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−シクロアルキル−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシカルボニル、C〜C−アルケニル、C〜C−アルキニル、フルオロ−C〜C−アルキル又はヒドロキシ−C〜C−アルキルであり、
R3は、水素、C〜C−アルキル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−シクロアルキル−C〜C−アルキル、ハロゲン、C〜C−アルケニル、C〜C−アルキニル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、アリール、ヒドロキシ−C〜C−アルケニル、ヒドロキシ−C〜C−アルキニル、C〜C−アルコキシカルボニル、フルオロ−C〜C−アルキル、シアノメチル、ヒドロキシル、C〜C−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C〜C−アルキルアミノ、C〜C−アルキルカルボニルアミノ、C〜C−アルコキシカルボニルアミノ、カルボキシル、モノ−もしくはジ−C〜C−アルキルアミノ−C〜C−アルキル、C〜C−アルキルカルボニル、C〜C−アルケニルカルボニル、C〜C−アルキニルカルボニル又は基−CO−NR31R32であり、その際、
R31は、水素、C〜C−アルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル又はC〜C−シクロアルキルであり、かつ
R32は、水素、C〜C−アルキルであるか、又は
R31及びR32は、一緒になって、これらが結合される窒素原子を含んで、ピロリジノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、アジリジノ基又はアゼチジノ基を形成し、
R4は、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル、カルボキシル、C〜C−アルコキシカルボニル、ハロゲン、フルオロ−C〜C−アルキル、C〜C−アルケニル、C〜C−アルキニル、シアノ又は基−CO−NR41R42であり、その際、
R41は、水素、C〜C−アルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル又はC〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル又はC〜C−シクロアルキルであり、かつ
R42は、水素、C〜C−アルキルであるか、又は
R41及びR42は、一緒になって、これらが結合される窒素原子を含んで、ヒドロキシによって置換されていてよい、ピロリジノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、アジリジノ基又はアゼチジノ基であり、
Arは、R5、R6、R7及びR8によって置換された、フェニル、ナフチル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、1,2,3−トリアゾリル、インドリル、ベンゾイミダゾリル、フリル、ベンゾフリル、チエニル、ベンゾチエニル、チアゾリル、イソキサゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、キノリニル及びイソキノリニルからなる群から選択される単環式又は二環式の芳香族の残基であり、その際、
R5は、水素、C〜C−アルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルケニルオキシ、C〜C−アルキルカルボニル、カルボキシル、C〜C−アルコキシカルボニル、カルボキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシカルボニル−C〜C−アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、アリール、アリール−C〜C−アルキル、アリール−オキシ、アリール−C〜C−アルコキシ、トリフルオロメチル、ニトロ、アミノ、モノ−もしくはジ−C〜C−アルキルアミノ、C〜C−アルキルカルボニルアミノ、C〜C−アルコキシカルボニルアミノ、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルコキシカルボニルアミノ又はスルホニルであり、
R6は、水素、C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルコキシカルボニル、ハロゲン、トリフルオロメチル又はヒドロキシルであり、
R7は、水素、C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、ヒドロキシル又はハロゲンであり、かつ
R8は、水素、C〜C−アルキル又はハロゲンであり、その際、
アリールは、フェニル又は、C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、カルボキシル、C〜C−アルコキシカルボニル、ハロゲン、トリフルオロメチル、ニトロ、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシル及びシアノからなる群からの1個、2個又は3個の同一又は異なる置換基を有する置換されたフェニルであり、かつ
Cyは、テトラヒドロフリル基又は、Arもしくはアリールについて定義された単環式又は二環式の芳香族の残基である]で示される化合物及びそれらの塩。
【請求項2】
式1で示され、その式中、
R1は、水素又は基CH−R11であり、その際、
R11は、水素、C〜C−アルキル、アリール、テトラヒドロフリル、ピリジル、フリル又はチエニルであり、
R2は、水素、C〜C−アルキル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−シクロアルキル−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシカルボニル、C〜C−アルケニル、C〜C−アルキニル、フルオロ−C〜C−アルキル又はヒドロキシ−C〜C−アルキルであり、
R3は、水素、C〜C−アルキル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−シクロアルキル−C〜C−アルキル、ハロゲン、C〜C−アルケニル、C〜C−アルキニル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、アリール、ヒドロキシ−C〜C−アルケニル、ヒドロキシ−C〜C−アルキニル、C〜C−アルコキシカルボニル、フルオロ−C〜C−アルキル、シアノメチル、ヒドロキシル、C〜C−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C〜C−アルキルアミノ、C〜C−アルキルカルボニルアミノ、C〜C−アルコキシカルボニルアミノ、カルボキシル、モノ−もしくはジ−C〜C−アルキルアミノ−C〜C−アルキル、C〜C−アルキルカルボニル、C〜C−アルケニルカルボニル、C〜C−アルキニルカルボニル又は基−CO−NR31R32であり、その際、
R31は、水素、C〜C−アルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル又はC〜C−シクロアルキルであり、かつ
R32は、水素、C〜C−アルキルであるか、又は
R31及びR32は、一緒になって、これらが結合される窒素原子を含んで、ピロリジノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、アジリジノ基又はアゼチジノ基を形成し、
R4は、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル、カルボキシル、C〜C−アルコキシカルボニル、ハロゲン、フルオロ−C〜C−アルキル、C〜C−アルケニル、C〜C−アルキニル、シアノ又は基−CO−NR41R42であり、その際、
R41は、水素、C〜C−アルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル又はC〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル又はC〜C−シクロアルキルであり、かつ
R42は、水素、C〜C−アルキルであるか、又は
R41及びR42は、一緒になって、これらが結合される窒素原子を含んで、ピロリジノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、アジリジノ基又はアゼチジノ基であり、
Arは、R5、R6、R7及びR8によって置換された、フェニル、ナフチル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、1,2,3−トリアゾリル、インドリル、ベンゾイミダゾリル、フリル、ベンゾフリル、チエニル、ベンゾチエニル、チアゾリル、イソキサゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、キノリニル及びイソキノリニルからなる群から選択される単環式又は二環式の芳香族の残基であり、その際、
R5は、水素、C〜C−アルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルケニルオキシ、C〜C−アルキルカルボニル、カルボキシル、C〜C−アルコキシカルボニル、カルボキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシカルボニル−C〜C−アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、アリール、アリール−C〜C−アルキル、アリール−オキシ、アリール−C〜C−アルコキシ、トリフルオロメチル、ニトロ、アミノ、モノ−もしくはジ−C〜C−アルキルアミノ、C〜C−アルキルカルボニルアミノ、C〜C−アルコキシカルボニルアミノ、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルコキシカルボニルアミノ又はスルホニルであり、
R6は、水素、C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルコキシカルボニル、ハロゲン、トリフルオロメチル又はヒドロキシルであり、
R7は、水素、C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、ヒドロキシル又はハロゲンであり、かつ
R8は、水素、C〜C−アルキル又はハロゲンであり、その際、
アリールは、フェニル又は、C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、カルボキシル、C〜C−アルコキシカルボニル、ハロゲン、トリフルオロメチル、ニトロ、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシル及びシアノからなる群からの1個、2個又は3個の同一又は異なる置換基を有する置換されたフェニルである、請求項1記載の化合物並びにそれらの塩。
【請求項3】
式1で示され、その式中、
R1は、水素、基CH−R11又は基CH(OR12)−R11であり、その際、
R11は、水素、C〜C−アルキル、アリール、テトラヒドロフリル、ピリジル、フリル又はチエニルであり、
R12は、水素、C〜C−アルキル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−シクロアルキル−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル、フルオロ−C〜C−アルキルであり、その際、
アリールは、フェニル又は、C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、カルボキシル、C〜C−アルコキシカルボニル、ハロゲン、トリフルオロメチル、ニトロ、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシル及びシアノからなる群からの1個、2個又は3個の同一又は異なる置換基を有する置換されたフェニルであり、
R2は、水素又はC〜C−アルキルであり、
R3は、水素、C〜C−アルキル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−シクロアルキル−C〜C−アルキル、ハロゲン、C〜C−アルケニル、C〜C−アルキニル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシカルボニル、シアノメチル、カルボキシル又は基−CO−NR31R32であり、その際、
R31は、水素、C〜C−アルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル又はC〜C−シクロアルキルであり、かつ
R32は、水素、C〜C−アルキルであるか、又は
R31及びR32は、一緒になって、これらが結合される窒素原子を含んで、ピロリジノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、アジリジノ基又はアゼチジノ基を形成し、
R4は、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル、カルボキシル、C〜C−アルコキシカルボニル、ハロゲン、フルオロ−C〜C−アルキル又は基−CO−NR41R42であり、その際、
R41は、水素、C〜C−アルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル又はC〜C−シクロアルキルであり、かつ
R42は、水素又はC〜C−アルキルであるか、又は
R41及びR42は、一緒になって、これらが結合される窒素原子を含んで、ヒドロキシ基によって置換されていてよい、ピロリジノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、アジリジノ基又はアゼチジノ基であり、
Arは、R5及びR6によって置換されたフェニル基であり、その際、
R5は、水素、C〜C−アルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルコキシカルボニル、ハロゲン、トリフルオロメチル、アミノ、モノ−もしくはジ−C〜C−アルキルアミノ、C〜C−アルキルカルボニルアミノ、C〜C−アルコキシカルボニルアミノ又はC〜C−アルコキシ−C〜C−アルコキシカルボニルアミノであり、かつ
R6は、水素、C〜C−アルキル又はC〜C−アルコキシであるか、又は
Arは、4−アセトキシフェニル、4−アセトアミドフェニル、2−メトキシフェニル、3−メトキシフェニル、4−メトキシフェニル、3−ベンジルオキシフェニル、4−ベンジルオキシフェニル、3−ベンジルオキシ−4−メトキシフェニル、4−ベンジルオキシ−3−メトキシフェニル、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル、4−ブトキシフェニル、2−クロロフェニル、3−クロロフェニル、4−クロロフェニル、2−クロロ−6−フルオロフェニル、3−クロロ−4−フルオロフェニル、2−クロロ−5−ニトロフェニル、4−クロロ−3−ニトロフェニル、3−(4−クロロフェノキシ)フェニル、2,4−ジクロロフェニル、3,4−ジフルオロフェニル、2,4−ジヒドロキシフェニル、2,6−ジメトキシフェニル、3,4−ジメトキシ−5−ヒドロキシフェニル、2,5−ジメチルフェニル、3−エトキシ−4−ヒドロキシフェニル、2−フルオロフェニル、4−フルオロフェニル、4−ヒドロキシフェニル、2−ヒドロキシ−5−ニトロフェニル、3−メトキシ−2−ニトロフェニル、3−ニトロフェニル、2,3,5−トリクロロフェニル、2,4,6−トリヒドロキシフェニル、2,3,4−トリメトキシフェニル、2−ヒドロキシ−1−ナフチル、2−メトキシ−1−ナフチル、4−メトキシ−1−ナフチル、1−メチル−2−ピロリル、2−ピロリル、3−メチル−2−ピロリル、3,4−ジメチル−2−ピロリル、4−(2−メトキシカルボニルエチル)−3−メチル−2−ピロリル、5−エトキシカルボニル−2,4−ジメチル−3−ピロリル、3,4−ジブロモ−5−メチル−2−ピロリル、2,5−ジメチル−1−フェニル−3−ピロリル、5−カルボキシ−3−エチル−4−メチル−2−ピロリル、3,5−ジメチル−2−ピロリル、2,5−ジメチル−1−(4−トリフルオロメチルフェニル)−3−ピロリル、1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−2−ピロリル、1−(2−ニトロベンジル)−2−ピロリル、1−(2−フルオロフェニル)−2−ピロリル、1−(4−トリフルオロメトキシフェニル)−2−ピロリル、1−(2−ニトロベンジル)−2−ピロリル、1−(4−エトキシカルボニル)−2,5−ジメチル−3−ピロリル、5−クロロ−1,3−ジメチル−4−ピラゾリル、5−クロロ−1−メチル−3−トリフルオロメチル−4−ピラゾリル、1−(4−クロロベンジル)−5−ピラゾリル、1,3−ジメチル−5−(4−クロロフェノキシ)−4−ピラゾリル、1−メチル−3−トリフルオロメチル−5−(3−トリフルオロメチルフェノキシ)−4−ピラゾリル、4−メトキシカルボニル−1−(2,6−ジクロロフェニル)−5−ピラゾリル、5−アリルオキシ−1−メチル−3−トリフルオロメチル−4−ピラゾリル、5−クロロ−1−フェニル−3−トリフルオロメチル−4−ピラゾリル、3,5−ジメチル−1−フェニル−4−イミダゾリル、4−ブロモ−1−メチル−5−イミダゾリル、2−ブチルイミダゾリル、1−フェニル−1,2,3−トリアゾール−4−イル、3−インドリル、4−インドリル、7−インドリル、5−メトキシ−3−インドリル、5−ベンジルオキシ−3−インドリル、1−ベンジル−3−インドリル、2−(4−クロロフェニル)−3−インドリル、7−ベンジルオキシ−3−インドリル、6−ベンジルオキシ−3−インドリル、2−メチル−5−ニトロ−3−インドリル、4,5,6,7−テトラフルオロ−3−インドリル、1−(3,5−ジフルオロベンジル)−3−インドリル、1−メチル−2−(4−トリフルオロフェノキシ)−3−インドリル、1−メチル−2−ベンゾイミダゾリル、5−ニトロ−2−フリル、5−ヒドロキシメチル−2−フリル、2−フリル、3−フリル、5−(2−ニトロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−2−フリル、4−エトキシカルボニル−5−メチル−2−フリル、5−(2−トリフルオロメトキシフェニル)−2−フリル、5−(4−メトキシ−2−ニトロフェニル)−2−フリル、4−ブロモ−2−フリル、5−ジメチルアミノ−2−フリル、5−ブロモ−2−フリル、5−スルホ−2−フリル、2−ベンゾフリル、2−チエニル、3−チエニル、3−メチル−2−チエニル、4−ブロモ−2−チエニル、5−ブロモ−2−チエニル、5−ニトロ−2−チエニル、5−メチル−2−チエニル、5−(4−メトキシフェニル)−2−チエニル、4−メチル−2−チエニル、3−フェノキシ−2−チエニル、5−カルボキシ−2−チエニル、2,5−ジクロロ−3−チエニル、3−メトキシ−2−チエニル、2−ベンゾチエニル、3−メチル−2−ベンゾチエニル、2−ブロモ−5−クロロ−3−ベンゾチエニル、2−チアゾリル、2−アミノ−4−クロロ−5−チアゾリル、2,4−ジクロロ−5−チアゾリル、2−ジエチルアミノ−5−チアゾリル、3−メチル−4−ニトロ−5−イソキサゾリル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、6−メチル−2−ピリジル、3−ヒドロキシ−5−ヒドロキシメチル−2−メチル−4−ピリジル、2,6−ジクロロ−4−ピリジル、3−クロロ−5−トリフルオロメチル−2−ピリジル、4,6−ジメチル−2−ピリジル、4−(4−クロロフェニル)−3−ピリジル、2−クロロ−5−メトキシカルボニル−6−メチル−4−フェニル−3−ピリジル、2−クロロ−3−ピリジル、6−(3−トリフルオロメチルフェノキシ)−3−ピリジル、2−(4−クロロフェノキシ)−3−ピリジル、2,4−ジメトキシ−5−ピリミジン、2−キノリニル、3−キノリニル、4−キノリニル、2−クロロ−3−キノリニル、2−クロロ−6−メトキシ−3−キノリニル、8−ヒドロキシ−2−キノリニル及び4−イソキノリニルからなる群から選択される、請求項1記載の化合物並びにそれらの塩。
【請求項4】
式1で示され、その式中、
R1は、水素、基CH−R11又は基CH(OR12)−R11であり、その際、
R11は、水素、C〜C−アルキル、アリール、テトラヒドロフリル、ピリジル、フリル又はチエニルであり、
R12は、水素、C〜C−アルキル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−シクロアルキル−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル、フルオロ−C〜C−アルキルであり、その際、
アリールは、フェニル又は、C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、カルボキシル、C〜C−アルコキシカルボニル、ハロゲン、トリフルオロメチル、ニトロ、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシル及びシアノからなる群からの1個、2個又は3個の同一又は異なる置換基を有する置換されたフェニルであり、
R2は、C〜C−アルキルであり、
R3は、水素、C〜C−アルキル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−シクロアルキル−C〜C−アルキル、ハロゲン、C〜C−アルケニル、C〜C−アルキニル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシカルボニル、シアノメチル、カルボキシル又は基−CO−NR31R32であり、その際、
R31は、水素、C〜C−アルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル又はC〜C−シクロアルキルであり、かつ
R32は、水素、C〜C−アルキルであるか、又は
R31及びR32は、一緒になって、これらが結合される窒素原子を含んで、ピロリジノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、アジリジノ基又はアゼチジノ基を形成し、
R4は、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル、カルボキシル、C〜C−アルコキシカルボニル、ハロゲン、フルオロ−C〜C−アルキル又は基−CO−NR41R42であり、その際、
R41は、水素、C〜C−アルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル又はC〜C−シクロアルキルであり、かつ
R42は、水素又はC〜C−アルキルであるか、又は
R41及びR42は、一緒になって、これらが結合される窒素原子を含んで、ヒドロキシ基によって置換されていてよい、ピロリジノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、アジリジノ基又はアゼチジノ基であり、
Arは、R5及びR6によって置換されたフェニル基であり、その際、
R5は、水素、C〜C−アルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルコキシカルボニル、ハロゲン、トリフルオロメチル、アミノ、モノ−もしくはジ−C〜C−アルキルアミノ、C〜C−アルキルカルボニルアミノ、C〜C−アルコキシカルボニルアミノ又はC〜C−アルコキシ−C〜C−アルコキシカルボニルアミノであり、かつ
R6は、水素、C〜C−アルキル又はC〜C−アルコキシである、請求項1記載の化合物並びにそれらの塩。
【請求項5】
式1で示され、その式中、
R1は、水素、基CH−R11又は基CH(OR12)−R11であり、その際、
R11は、水素、C〜C−アルキル、アリール、テトラヒドロフリル、ピリジル、フリル又はチエニルであり、
R12は、水素、C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル、フルオロ−C〜C−アルキルであり、その際、
アリールは、フェニル又は、C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、ハロゲン及びヒドロキシルからなる群からの1個の置換基を有する置換されたフェニルであり、
R2は、C〜C−アルキルであり、
R3は、水素、C〜C−アルキル、ハロゲン、C〜C−アルケニル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシカルボニル、カルボキシル又は基−CO−NR31R32であり、その際、
R31は、水素、C〜C−アルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキルであり、かつ
R32は、水素、C〜C−アルキルであり、
R4は、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル、カルボキシル、C〜C−アルコキシカルボニル、ハロゲン又は基−CO−NR41R42であり、その際、
R41は、水素、C〜C−アルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル又はC〜C−シクロアルキルであり、かつ
R42は、水素又はC〜C−アルキルであるか、又は
R41及びR42は、一緒になって、これらが結合される窒素原子を含んで、ヒドロキシ基によって置換されていてよい、ピロリジノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、アジリジノ基又はアゼチジノ基であり、
Arは、R5及びR6によって置換されたフェニル基であり、その際、
R5は、水素、C〜C−アルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルキルであり、かつ
R6は、C〜C−アルキルである、請求項1記載の化合物並びにそれらの塩。
【請求項6】
式1で示され、その式中、
R1は、水素、基CH−R11又は基CH(OR12)−R11であり、その際、
R11は、水素、C〜C−アルキル、フェニル、テトラヒドロフリル、フリル又はチエニルであり、
R12は、水素、C〜C−アルキルであり、
R2は、C〜C−アルキルであり、
R3は、水素、C〜C−アルキル、ハロゲン、C〜C−アルケニル又はヒドロキシ−C〜C−アルキルであり、
R4は、カルボキシル、C〜C−アルコキシカルボニル、ハロゲン又は基−CO−NR41R42であり、その際、
R41は、水素、C〜C−アルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−シクロアルキルであり、かつ
R42は、水素、C〜C−アルキルであるか、又は
R41及びR42は、一緒になって、これらが結合される窒素原子を含んで、ヒドロキシ基によって置換されていてよい、ピロリジノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、アジリジノ基又はアゼチジノ基であり、
Arは、R5及びR6によって置換されたフェニル基であり、その際、
R5は、水素、C〜C−アルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルキルであり、かつ
R6は、C〜C−アルキルである、請求項1記載の化合物並びにそれらの塩。
【請求項7】
式1で示され、その式中、
R1は水素又は基CH−R11であり、その際、
R11は、水素又はフェニルであり、
R2は、C〜C−アルキルであり、
R3は、水素、C〜C−アルキル、ハロゲン又はヒドロキシ−C〜C−アルキルであり、
R4は、カルボキシル、C〜C−アルコキシカルボニル、ハロゲン又は基−CO−NR41R42であり、その際、
R41は、C〜C−アルキルであり、かつ
R42は、水素又はC〜C−アルキルであり、
Arは、R5及びR6によって置換されたフェニル基であり、その際、
R5は、C〜C−アルキルであり、かつ
R6は、C〜C−アルキルである、請求項1記載の化合物並びにそれらの塩。
【請求項8】
式1で示され、その式中、
R1は、水素であり、その際、
R2は、C〜C−アルキルであり、
R3は、水素、ハロゲン又はヒドロキシ−C〜C−アルキルであり、
R4は、カルボキシル、ハロゲン又は基−CO−NR41R42であり、その際、
R41は、C〜C−アルキルであり、かつ
R42は、C〜C−アルキルであり、
Arは、R5及びR6によって置換されたフェニル基であり、その際、
R5は、C〜C−アルキルであり、かつ
R6は、C〜C−アルキルである、請求項1記載の化合物並びにそれらの塩。
【請求項9】
請求項1記載の式1の化合物であって、式1−1
【化2】

[式中、
R1は、水素、基CH−R11又は基CH(OR12)−R11であり、その際、
R11は、水素、C〜C−アルキル又は基Cyであり、
R12は、水素、C〜C−アルキル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−シクロアルキル−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシカルボニル、フルオロ−C〜C−アルキル、C〜C−アルキルカルボニル又は基−CO−N(R121)(R122)であり、その際、
R121は、水素、C〜C−アルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル又はC〜C−シクロアルキルであり、かつ
R122は、水素又はC〜C−アルキルであるか、又は
R121及びR122は、一緒になって、これらが結合される窒素原子を含んで、ピロリジノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、アジリジノ基又はアゼチジノ基を形成し、
R2は、水素、C〜C−アルキル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−シクロアルキル−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシカルボニル、C〜C−アルケニル、C〜C−アルキニル、フルオロ−C〜C−アルキル又はヒドロキシ−C〜C−アルキルであり、
R3は、水素、C〜C−アルキル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−シクロアルキル−C〜C−アルキル、ハロゲン、C〜C−アルケニル、C〜C−アルキニル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、アリール、ヒドロキシ−C〜C−アルケニル、ヒドロキシ−C〜C−アルキニル、C〜C−アルコキシカルボニル、フルオロ−C〜C−アルキル、シアノメチル、ヒドロキシル、C〜C−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C〜C−アルキルアミノ、C〜C−アルキルカルボニルアミノ、C〜C−アルコキシカルボニルアミノ、カルボキシル、モノ−もしくはジ−C〜C−アルキルアミノ−C〜C−アルキル、C〜C−アルキルカルボニル、C〜C−アルケニルカルボニル、C〜C−アルキニルカルボニル又は基−CO−NR31R32であり、その際、
R31は、水素、C〜C−アルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル又はC〜C−シクロアルキルであり、かつ
R32は、水素、C〜C−アルキルであるか、又は
R31及びR32は、一緒になって、これらが結合される窒素原子を含んで、ピロリジノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、アジリジノ基又はアゼチジノ基を形成し、
R4は、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル、カルボキシル、C〜C−アルコキシカルボニル、ハロゲン、フルオロ−C〜C−アルキル、C〜C−アルケニル、C〜C−アルキニル、シアノ又は基CO−NR41R42であり、その際、
R41は、水素、C〜C−アルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル又はC〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル又はC〜C−シクロアルキルであり、かつ
R42は、水素、C〜C−アルキルであるか、又は
R41及びR42は、一緒になって、これらが結合される窒素原子を含んで、ヒドロキシ基によって置換されていてよい、ピロリジノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、アジリジノ基又はアゼチジノ基であり、
R5は、水素、C〜C−アルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルケニルオキシ、C〜C−アルキルカルボニル、カルボキシル、C〜C−アルコキシカルボニル、カルボキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシカルボニル−C〜C−アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、アリール、アリール−C〜C−アルキル、アリール−オキシ、アリール−C〜C−アルコキシ、トリフルオロメチル、ニトロ、アミノ、モノ−もしくはジ−C〜C−アルキルアミノ、C〜C−アルキルカルボニルアミノ、C〜C−アルコキシカルボニルアミノ、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルコキシカルボニルアミノ又はスルホニルであり、
R6は、水素、C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルコキシカルボニル、ハロゲン、トリフルオロメチル又はヒドロキシルであり、その際、
アリールは、フェニル又は、C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、カルボキシル、C〜C−アルコキシカルボニル、ハロゲン、トリフルオロメチル、ニトロ、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシル及びシアノからなる群からの1個、2個又は3個の同一又は異なる置換基を有する置換されたフェニルであり、かつ
Cyは、テトラヒドロフリル基又はArもしくはアリールについて定義された単環式又は二環式の芳香族の残基である]で示されることを特徴とする化合物及びそれらの塩。
【請求項10】
式1−1で示され、その式中、
R1は水素又は基CH−R11であり、その際、
R11は、水素又はフェニルであり、
R2は、C〜C−アルキルであり、
R3は、水素、C〜C−アルキル、ハロゲン又はヒドロキシ−C〜C−アルキルであり、
R4は、カルボキシル、C〜C−アルコキシカルボニル、ハロゲン又は基−CO−NR41R42であり、その際、
R41は、C〜C−アルキルであり、かつ
R42は、水素又はC〜C−アルキルであり、
R5は、C〜C−アルキルであり、かつ
R6は、C〜C−アルキルである、請求項9記載の化合物並びにそれらの塩。
【請求項11】
式1−1で示され、その式中、
R1は水素であり、
R2は、C〜C−アルキルであり、
R3は、水素、ハロゲン又はヒドロキシ−C〜C−アルキルであり、
R4は、カルボキシル、ハロゲン又は基−CO−NR41R42であり、その際、
R41は、C〜C−アルキルであり、かつ
R42は、C〜C−アルキルであり、
R5は、C〜C−アルキルであり、かつ
R6は、C〜C−アルキルである、請求項9記載の化合物並びにそれらの塩。
【請求項12】
請求項1記載の化合物及び/又はその薬理学的に認容性の塩と一緒に慣用の製剤学的助剤及び/又は賦形剤を含有する医薬品。
【請求項13】
請求項1記載の化合物及びそれらの薬理学的に認容性の塩を胃腸疾患を予防及び治療するために用いる使用。
【請求項14】
請求項1記載の化合物及びそれらの薬理学的に認容性の塩を、胃腸疾患の治療及び/又は予防のために使用される医薬品の製造のために用いる使用。

【公表番号】特表2008−508347(P2008−508347A)
【公表日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−524334(P2007−524334)
【出願日】平成17年7月29日(2005.7.29)
【国際出願番号】PCT/EP2005/053729
【国際公開番号】WO2006/013195
【国際公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【出願人】(507229021)ニコメッド ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (90)
【氏名又は名称原語表記】Nycomed GmbH
【住所又は居所原語表記】Byk−Gulden−Str. 2, D−78467 Konstanz, Germany
【Fターム(参考)】