説明

6−アルキルまたはアルケニルー4−アミノピコリナート類およびその除草剤としての用途

式(I)[式中、XはHまたはFを表し、YはC〜Cアルコキシ置換C〜Cアルキル、C〜Cチオアルキル置換C〜Cアルキル、または、C〜Cアルケニルを表し、そして、Wは−NO、−N、−NR、−N=CRまたは−NHN=CRを表す]の4−アミノピコリン酸類、およびそれらのアミンおよび酸誘導体類は、広スペクトルの雑草防除性を示す強力な除草剤である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定の新規の6−アルキルまたはアルケニル−4−アミノピコリナート類、および、これらの誘導体、ならびに、これらの化合物の除草剤としての用途に関する。
【背景技術】
【0002】
数多くのピコリン酸類、および、その有害生物防除特性が、先行文献に記載されている。例えば、米国特許第3,285,925号は、4−アミノ−3,5,6−トリクロロピコリン酸誘導体、および、それらの植物成長抑制剤および除草剤としての用途を開示する。米国特許第3,325,272号は、4−アミノ−3,5−ジクロロピコリン酸誘導体、および、それらを植物の成長を抑制するため使用することを開示する。米国特許第3,317,549号は、3,6−ジクロロピコリン酸誘導体、および、それらの植物成長防除剤としての用途を開示する。米国特許第3,334,108号は、塩素化ジチオピコリン酸誘導体、および、それらの寄生虫駆除剤としての用途を開示する。米国特許第3,234,229号は、4−アミノ−ポリクロロ−2−トリクロロメチルリジン類、および、それらの除草剤としての用途を開示する。米国特許第3,755,338号は、4−アミノ−3,5−ジクロロ−6−ブロモ−ピコリナート類を殺菌・殺カビ剤として開示する。ベルギー特許第788756号は、6−アルキル−4−アミノー3,5−ジハロピコリン酸類を除草剤として開示する。Applied and Environineiztal Microbiology, Vol. 59, No. 7, July 1993, pp. 2251-2256では、4−アミノ−3,6−ジクロロピコリン酸は、4−アミノ−3,5,6−トリクロロ−ピコリン酸、市販の除草剤ピクロラムの嫌気性分解生成物として特定されている。米国特許第6,297,197B1号は、特定の4−アミノピコリナート類、および、それらの除草剤としての用途を開示する。米国特許第5,783,522号は、特定の6−フェニルピコリン酸類、および、それらの除草剤、乾燥剤および枯葉剤としての用途を開示する。WO0311853は、特定の6−アリール−4−アミノピコリナート類、および、その除草剤としての用途を記載する。WO9821199は、6−ピラゾリルピリジン類、および、その除草剤としての用途を開示する。米国特許第5,958,837号は、特定の6−アリールピコリン酸類、および、それらの除草剤、乾燥剤および枯葉剤としての用途を開示する。米国特許第6,077,650号は、6−フェニルピコリン酸類を、写真用脱色剤として開示し、欧州特許0972765A1は、2−、3−、または4−アリールピリジン類の合成を開示する。
【0003】
特定の6−アルキルまたはアルケニル−4−アミノ−ピコリン酸類およびその誘導体類は、木本類、イネ科草本類、および、カヤツリグサ科草本類のみならず広葉類に対する広スペクトルの雑草防除性、および、優秀な作物選択性を有する、強力な除草剤類である。この化合物は、さらに優れた毒性的または環境的プロフィールを有する。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、下記式Iの化合物
【0005】
【化2】

[式中、
XはHまたはFを表し、
Yは、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ置換C〜Cアルキル、C〜Cチオアルコキシ置換C〜Cアルキル、または、C〜Cアルケニルを表し、
そして、Wは−NO、−N、−NR、−N=CR、または、−NHN=CRを表し、
ここで、RおよびRは独立に、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシ、C〜Cアルコキシ、アミノ、C〜Cアシル、C〜Cカルボアルコキシ、C〜Cアルキルカルバミル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cトリアルキルシリル、もしくは、C〜Cジアルキルホスホニルを表し、または、RおよびRはNと一緒に5もしくは6員飽和または不飽和環を表し、これは追加のO、S、もしくは、Nへテロ原子を含んでいてもよく、および、
およびRは独立に、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、アリール、もしくは、ヘテロアリールを表し、または、RおよびRは=Cと一緒に5または6員飽和環を表す。]
ならびに、前記カルボン酸基または前記4−アミノ基における農業的に許容可能な誘導体を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
式Iの化合物[式中、XはFを表し、ここで、YはCHまたはCHCHを表し、WはNRを表し、RおよびRは、HまたはC〜Cアルキルを表す。]が独立に好適である。
【0007】
本発明は、除草剤有効量の式Iの化合物およびカルボン酸基における農業的に許容可能な誘導体を、農業的に許容可能な補助剤または担体との混合物中に含む、除草剤組成物を含む。本発明はまた、本発明の化合物の除草量を植生または植生場所に施用、さらにはその植生の発生前にその土壌に施用することにより、望ましくない植生を殺傷又は調節するための、その化合物及び組成物の使用を含む。
【0008】
本発明の除草性化合物は、式IIの4−アミノピコリン酸類の誘導体である。
【0009】
【化3】

これらの化合物は、Clを3位に有し、水素またはフッ素を5位に有し、および、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ置換C〜Cアルキル、C〜Cチオアルコキシ置換C〜Cアルキル、または、C〜Cアルケニル置換基、好適にはメチルおよびエチルを6位に有することで特徴づけられる。
【0010】
4位のアミノ基は非置換でも、1つ以上のC〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシ、C〜Cアルコキシ、または、アミノ置換基で置換されていてもよい。アミノ基はさらに、アミド、カルバマート、ウレア、スルフォンアミド、シリルアミン、ホスホルアミダート、イミン、またはヒドラゾンとして誘導体化されていてもよい。このような誘導体は、アミンへと分解する能力がある。非置換アミノ基、または、1もしくは2アルキル置換基で置換されたものが好適である。
【0011】
式Iのカルボン酸類は、実際に望ましくない植生を殺すか、またはコントロールする化合物であると考えられ、そして一般的に好適である。ピコリン酸中の酸原子団が、植物内または環境内で、本質的に同一の除草効果を有する酸原子団に変わることが可能な関連置換基を形成するように変性された、これらの化合物の類似体は、本発明の範囲内である。従って、2位のカルボン酸官能性を示すために用いる場合の「農業的に許容可能な誘導体」は、塩、エステル、アシルヒドラジド、イミダート、チオイミダート、アミジン、アミド、オルトエステル、アシルシアニド、アシルハリド、チオエステル、チオノエステル、ジチオールエステル、ニトリル、または、他の酸誘導体で公知のものと定義され、ここで、(a)それらは活性な成分、すなわち、6−アルキルまたはアルケニル−4−アミノピコリン酸の除草活性に実質的に影響せず、そして(b)それらは、植物中または土壌中で、式Iのピコリン酸へと水素化され、酸化され、または、代謝され、または、されることが可能であり、pHによって分離形態または非分離形態をとる。カルボン酸の好適な農業的に許容可能な誘導体は、農業的に許容可能な塩類、エステル類およびアミド類である。同様に、4位のアミノ官能性を示すために用いる場合の「農業的に許容可能な誘導体」は、塩、シリルアミン、ホスホリルアミン、ホスフィンイミン、ホスホルアミダート、スルホンアミド、スルフィルイミン、スルホオキシミン、アミナル、ヘミアミナル、アミド、チオアミド、カルバマート、チオカルバマート、アミジン、ウレア、イミン、ニトロ、ニトロソ、アジド、または、他の窒素含有誘導体で公知のものと定義され、ここで、(a)それらは活性な成分、すなわち、6−アルキルまたはアルケニル−4−アミノピコリン酸の除草活性に実質的に影響せず、そして(b)それらは、植物中、式IIの遊離アミンへと水素化される、または、されることが可能である。式IIの親ピリジン(parent pyridine)へと分解可能なN−オキシド類もまた、本発明の範囲内である。
【0012】
適当な塩類には、アルカリまたはアルカリ土類金属から派生するもの、および、アンモニア類およびアミン類から派生するものを含む。好適なカチオンにはナトリウム、カリウム、マグネシウムおよび式
NH
のアンモニウムカチオンを含む。
[式中、R、R、および、Rはそれぞれ独立して水素または(C〜C12)アルキル、(C〜C12)アルケニルもしくは(C〜C12)アルキニルを表し、そのそれぞれは場合により1つそれ以上のヒドロキシ、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルキルチオもしくはフェニル基により置換され、さらに、R、RおよびRの任意の2つは一緒に、1から12の炭素原子および2以下の酸素またはイオウ原子を含む脂肪族2官能性原子団を示す。]。式Iの化合物の塩類は、式Iの化合物を水酸化ナトリウムのような金属水酸化物、またはアンモニア、トリメチルアミン、ジエタノールアミン、2−メチル−チオプロピルアミン、ビスアリルアミン、2−ブトキシエチルアミン、モルホリン、シクロドデシルアミンまたはベンジルアミンのようなアミンを用いて処理することにより調製することができる。アミン塩類は、水溶性であり、そして望ましい水系除草組成物の調製に向いているため、多くの場合式Iの化合物の好適な形態である。
【0013】
適切なエステルとしては、メタノール、イソプロパノール、ブタノール、2−エチルヘキサノール、ブトキシエタノール、メトキシプロパノール、アリルアルコール、プロパギルアルコール、または、シクロヘキサノールのような、C〜C12アルキル、C〜Cアルケニル、または、C〜C12アルキニルアルコール類から誘導されたものが挙げられる。エステル類は、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)またはカルボニルジイミダゾール(CDI)のようなペプチドカップリングに用いるような、適切な活性剤を任意の数用いて、酸触媒の存在下で、対応する式Iのピコリン酸の酸塩化物を適切なアルコールと反応させ、または、対応する式Iのピコリン酸を切なアルコールと反応させることにより、ピコリン酸をアルコールとカップリングすることによって製造可能である。適切なアミド類としては、これらに限定されるものではないが、アンモニア、または、ジメチルアミン、ジエタノールアミン、2−メチルチオプロピルアミン、ビスアリルアミン、2−ブトキシエチルアミン、シクロドデシルアミン、ベンジルアミン、または、環状もしくは芳香族アミン類のようなC〜C12アルキル、C〜C12アルケニル、または、C〜C12アルキニルモノ−またはジ−置換アミン類から誘導されたもので、追加のヘテロ原子を有し、または有さないものであり、これらに限定されるものではないが、アジリジン、アゼチジン、ピロリジン、ピロール、イミダゾール、テトラゾール、またはモルホリンが挙げられる。アミド類は、式Iの対応するピコリン酸塩化物、混合無水物、または、カルボン酸エステルを、アンモニアまたは適切なアミンと反応させることによって製造可能である。
【0014】
本明細書で用いる「アルキル」、「アルケニル」および「アルキニル」の語、ならびに、「アルコキシ」、「アシル」、「アルキルチオ」および「アルキルスルホニル」のような派生語も、直鎖、分枝鎖、および環状の原子団をこれらの範囲内に含む。特に他に記載のない限り、それぞれは非置換でもよく、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキルチオ、C〜Cアシル、ホルミル、シアノ、アリールオキシ、またはアリールから選択され、しかしこれらに限定されない、1つ以上の置換基で置換されていてもよく、ただし、置換基が立体的に適合性であり、化学結合および歪みエネルギーの規則は充足されることを条件とする。「アルケニル」および「アルキニル」の語は、1つ以上の不飽和結合を含むことを意図する。
【0015】
「アリール」の語および「アリールオキシ」のような派生語は、フェニル、インダニル、または、ナフチル基、好適にはフェニル基をさす。「ヘテロアリール」および「ヘテロアリールオキシ」のような派生語は、1つ以上のへテロ原子、すなわち、N、O、Sを含む5−または6−員芳香環をさし、これらのヘテロ芳香環は、他の芳香族系と縮合していてもよい。以下のヘテロアリール基が好適である。
【0016】
【化4】

【0017】
アリールまたはヘテロアリール置換基は、非置換でも、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、アリールオキシ、ホルミル、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルコキシ、ハロゲン化C〜Cアルキル、ハロゲン化C〜Cアルコキシ、C〜Cアシル、C〜Cアルキルチオ、C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cアルキルスルホニル、アリール、C〜COC(O)アルキル、C〜CNHC(O)アルキル、C(O)OH、C〜CC(O)Oアルキル、C(O)NH2、C〜CC(O)NHアルキル、C〜CC(O)N(アルキル)、−OCHCH、−OCHCHCH−、−OCHO−または−OCHCHO−から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよく、ただし、置換基は立体的に適合性であり、化学結合および歪みエネルギーの規則は充足されることを条件とする。好適な置換基としては、C〜CアルキルおよびC〜Cハロアルキルが挙げられる。
【0018】
特に限定のない限り、「ハロゲン」の語、および、「ハロ」のような派生語は、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素をさす。「ハロアルキル」および「ハロアルコキシ」の語は、1つから最大可能な数までのハロゲン原子で置換された、アルキルおよびアルコキシ基をさす。
【0019】
式Iの化合物は、周知の化学的方法によって製造可能である。必要な出発物質は市販されているか、標準の手順を用いて容易に合成可能である。
【0020】
式Iの6置換アルキルまたはアルケニルピリジン類は、数多くの方法によって製造可能であり、それらは公知であるが、例えば、容易に脱離する基によって6位を適宜置換されたピリジン(III)と、(IV)タイプの有機金属化合物を、不活性溶媒中で遷移金属触媒の存在下で反応させることが挙げられる。
【0021】
【化5】

【0022】
この場合、「L」は塩素、臭素、ヨウ素、または、トリフルオロメタンスルホナートであることが可能であり、「金属」は、Mg−ハリド、Zn−ハリド、トリ(C〜Cアルキル)スズ、リチウム、銅、または、B(OR)(OR)であることが可能で、ここで、RおよびRは、相互に独立に、水素、C〜Cアルキルであり、または、一緒になった場合はエチレンまたはプロピレン基を形成することが可能であり、「触媒」は遷移金属触媒、特に、パラジウムジアセテートまたはビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリドのようなパラジウム触媒、または、ニッケル(II)アセチルアセトナートまたはビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(II)クロリドである。
【0023】
あるいは、式Iの化合物は、6位を金属置換されたピリジン(V)と、(VI)タイプのアルキルまたはアルケニル化合物を、不活性溶媒中で遷移金属触媒下で反応させることにより製造可能である。
【0024】
【化6】

【0025】
この場合、「L」は塩素、臭素、ヨウ素、または、トリフルオロメタンスルホナートであることが可能であり、「金属」は、Mg−ハリド、Zn−ハリド、トリ(C〜Cアルキル)スズ、リチウム、銅、または、B(OR)(OR)であることが可能で、ここで、RおよびRは、相互に独立に、水素、C〜Cアルキルであり、または、一緒になった場合はエチレンまたはプロピレン基を形成することが可能であり、「触媒」は遷移金属触媒、特に、パラジウムジアセテートまたはビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリドのようなパラジウム触媒、または、ニッケル(II)アセチルアセトナートまたはビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(II)クロリドであることが可能である。
【0026】
ボロン酸類またはエステル類は、以下の文献に例示されているように公知である。
【0027】
(1) H-R. Ma et al., Synthetic Communications, 29 (14), 2477 (1999)
(2) M. Gray et al., Tetrahedron Letters, 41 (32), 6237 (2000)
(3) M H. Norman et al., Journal of Medicinal Chemistry, 43 (22), 4288 (2000)
(4) Li, Jun et al., Current Medicinal Chemistry, 8 (2), 121 (2001);
Reactions with Grignard compounds (metal = Mg-Hal)
(5) D. I. Davies et al., J. Chem. Soc. C, (15), 2019 (1969)
(6) Ohta et al., Heterocycles, 30(2, Spec. Issue), 875 (1990)
(7) M. Abarbri et al., Journal of Organic Chemistry, 65 (15), 4618 (2000);
Reaction with organozinc compounds (metal = Zn-Hal)
(8) F. Trecourt et al. , Journal of Organic Chemistry, 63 (9), 2892 (1998)
(9) S. Khatib et al., Tetrahedron, 56 (36), 6753 (2000)
(10) C. Rocaboy et al. , Journal of Organic Chemistry, 67 (20), 6863 (2002);
Reactions with organotin compounds (metal = Sn (Cl-C4 (alkyl) 3)
(11) V. Colandrea et al., Tetrahedron Letters, 41 (42), 8053 (2000)
(12) J. Li et al., Tetrahedron, 54 (3/4), 393 (1998)
(13) E. Laborde et al., Journal ofHeterocyclic Chemistry, 28 (1), 191 (1991)
【0028】
III+IV、またはV+VIのカップリングの後には、適切な限り、ピリジン環上の反応が行われ、式Iの化合物のさらなる誘導体を得られる場合がある。
【0029】
対応する4−ハロピリジン類をNaNと置換するような適切な反応の後には、対応する4−アジド誘導体の還元が行われ、4位にアミノ基を得る。標準条件下でのカルボニル化によって、2位にカルボン酸を得る。
【0030】
適切に置換された式III[式中、Lは塩素、臭素、ヨウ素、またはトリフルオロメタンスルホナートである]のピリジン類は、公知の方法で容易に得ることができる。WO0151468参照。例えば、6−ブロモ類似体は、数種の主要中間体、例えば、対応する6−ブロモ−4−アジド、6−ブロモ−4−ニトロ、および、6−ブロモ−4−ニトロピリジンN−オキシド類似体の還元により製造可能である。これらの中間体類は、順番に、6−ブロモ−4−ハロ類似体をNaNで求核置換することによって、または、対応する6−ブロモピリジン−N−オキシド類の求電子ニトロ化によって、製造可能である。あるいは、そのような類似体は、対応する4,6−ジブロモ類似体を直接アミノ化することにより製造可能である。
【0031】
4−N−アミド、カルバマート、ウレア、スルホンアミド、シリルアミン、および、ホスホルアミダートアミノ誘導体は、遊離アミノ化合物と、例えば、適切な酸ハリド、クロロホルマート、カルバミルクロリド、スルホニルクロリド、シリルクロリド、またはクロロホスファートとの反応により製造することが可能である。イミンまたはヒドラジンは、遊離アミンまたはヒドラジンと適切なアルデヒドまたはケトンとの反応により製造可能である。
【0032】
置換4−アミノ類似体類は、対応する4−ハロピリジン−2−カルボキシラートまたは他の任意の置換可能な4−置換基と置換アミンとの反応により製造可能である。
【0033】
これらの方法のいずれかにより得られた式Iの化合物は、通常の手段により回収できる。一般的には、反応混合物を塩酸のような酸水溶液で酸性化し、酢酸エチルまたはジクロロメタンのような有機溶媒で抽出する。有機溶媒および他の揮発物を蒸留またはエバポレーションにより除去して、式Iの目的化合物を得ることができ、それを再結晶またはクロマトグラフィーのような標準の手順によって精製可能である。
【0034】
式Iの化合物は、有用な発生前(pre-emergence)および発生後(post-emergence)の除草剤であることが見いだされた。これらを非選択的(高)施用率で用い、広範にわたる植生を防除し、または、望ましくない植生の選択的防除のために低施用率で用いることが可能である。施用する場所としては、牧草地および放牧地、路傍および道路用地、電力線および任意の工業地であり、有害な植生の防除が望ましい場所が挙げられる。他の用途は、トウモロコシ、コメ、および穀物類のような作物中の不必要な植生の防除である。これらはまた、かんきつ類、リンゴ、ゴム、やし油、森林およびその他の樹木作物類中の、望ましくない植生の防除に用いることもできる。通常は、この化合物は発生後に使用するのが好適である。さらに通常好適なのは、広範囲にわたる木本類、広葉類、イネ科草本類、および、カヤツリグサ科草本類を防除するため、この化合物を用いることである。この化合物を用いて、樹立した作物の望ましくない植生を防除することが特に示される。式Iに含まれる6−アルキルまたはアルケニル−4−アミノピコリナート類はそれぞれ本発明の範囲内であるが、除草活性の程度、作物選択性の程度、および得られる雑草防除スペクトルは、存在する置換基によって異なる。任意の特定の除草用途に適切な化合物は、本明細書中の情報および日常試験を用いて特定可能である。
【0035】
「除草剤」という語は、植物の生長を殺し、コントロールし、または、その他悪い方向へと改質する有効成分を意味する。除草有効量または植生防除量は、悪い方向への改質効果を引き起こす有効成分の量であり、自然発生からの逸脱、除草、抑制、乾燥、遅延などを含む。植物および植生という用語は、発芽種子(germinant seeds)、出芽実生(emerging seedlings)および樹立された植生(vegetation)を含む。
【0036】
本発明の化合物は、直接に植物または植物の場所に、生育段階のいずれか、または、植え付け前もしくは発生前に施用される場合に除草活性を示す。観察される効果は、施用する化学品の量だけではなく、防除されるべき植物種、植物の生育の段階、希釈物および噴霧液滴サイズの施用パラメーター、固体成分の粒度、使用時の環境条件、用いる特定の化合物、用いる特定の補助剤および担体、土壌の種類などによって異なる。これらおよび他の因子を当該技術分野で既知の方法で調節し、非選択的または選択的な除草作用を促進することが可能である。一般的に、雑草の最大防除を達成するためには、式Iの化合物を発生後から比較的未成熟な好ましくない植生に施用することが好適である。
【0037】
発生後作業においては1から2000g/Haの施用率を一般的に用い、発生前施用においては1から2000g/Haの施用率を一般的に用いる。一般的に、より高い比率を指定すると、広い種類の望ましくない植生を非選択的に防除する。より低い比率では、一般的に選択的防除が得られ、作物が存在する場所に使用可能である。
【0038】
本発明の除草化合物は、より広い種々の望ましくない植生のコントロールするために、1つ以上の他の除草剤と組み合わせることが、多くの場合最もよい施用となる。他の除草剤と併用する場合、本請求の範囲の化合物は、他の1つまたは複数の除草剤と配合するか、他の1つまたは複数の除草剤とタンク内混合するか、または他の1つまたは複数の除草剤と順次に施用することが可能である。本発明の化合物と組み合わせて使用できる除草剤の一部としては、メトスラム、フルメトスラム、クロランスラム−メチル、ジクロスラム、ピノクススラム、および、フロラスラムのようなスルホンアミド類、クロリムロン、トリベヌロン、スルホメツロン、ニコスルフロン、クロルスルフロン、アミドスルフロン、トリアスルフロン、プロスルフロン、トリトスルフロン、チフェンスルフロン、スルホスルフロン、およびメトスルフロンのようなスルホニルウレア、イマザキン、イマゾピック、イマゼタピル、イムザピル、イマゼメタベンズ、およびイマザモックスのようなイミダゾリノン類、2,4−D、MCAA、ジクロプロップおよびメコプロップのようなフェノキシ−アルカン酸類、トリクロピルおよびフルロキシピルのようなピリジニルオキシ酢酸、クロピラリド、ピクロラム、4−アミノ−3,6−ジクロロピリジン−2−カルボン酸、およびジカンバのようなカルボン酸類、トリフルラリン、ベネフィン、ベンフルラリン、およびペンジメタリンのようなジニトロアニリン類、アラクロル、アセトクロルおよびメトラクロルのようなクロロアセトアニリド類、クロルフルレノールおよびジフルフェンゾピルのような、セミカルバゾン類(オーキシン輸送阻害剤)、フルアジホプ、ハロキシホプ、ジクロロホプ、クロジナホプ、およびフェノキサプロップのようなアリールオキシフェノキシプロピオナート類、ならびに、他の通常の除草剤、グリホセート、グルフォシネート、アシフルオルフェン、ベンタゾン、クロマゾーン、フミクロラック、フルオメチュロン、ホメサフェン、ラクトフェン、リニュロン、イソプルチュロン、シマジン、ノルフルラゾン、パラカット、ジウロン、ジフルフェニカン、ピコリナフェン、シニドン、セトキシジム、トラルコキシジム、キンメラック、イソクサベン、ブロモキシニル、およびメトリブジンが挙げられる。本発明の除草性化合物は、さらに、耐グリホサート性または耐グリホサート性作物上に、グリホサートおよびグルホシネートと併せて用いることが可能である。一般的に本発明の化合物を、処理する作物に選択的な除草剤であり、しかも使用する施用率でこれらの化合物により防除される雑草のスペクトルを相補する除草剤と組み合わせて使用することが好ましい。さらに、本発明の化合物および相補的な他の除草剤を同時に、混合製剤またはタンクミックスのいずれかとして施用することが好ましい。
【0039】
本発明の化合物は一般的に、クロキントセト、フリラゾール、ジクロルミド、ベノキサコル、メフェンピル−エチル、フェンクロラゾール−エチル、フルラゾール、ダイムロン、ジメピペレート、チオベンカルブ、フェンクロリム、および、フルクソフェニムのような既知の除草剤緩和剤と組み合わせて用い、その選択性を増すことができる。除草剤はさらに、遺伝子操作によって、または、突然変異および選択によって、除草剤または他の除草剤に対し耐性または抵抗を得た、多くの作物中の望ましくない植生を防除するために、追加して使用できる。例えば、感受性植物中のアセトラクテートシンターゼ阻害剤である化合物に対し耐性または抵抗を得たトウモロコシ、コムギ、イネ、ダイズ、テンサイ、綿、キャノーラ、ならびに、他の作物を処理できる。単体で、または、これらの除草剤と組み合わせて、多くのグリホセートおよびグルホシネート耐性作物も処理可能である。作物の一部(例えば綿)は、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸のようなオーキシン性除草剤(auxinic herbicide)に耐性を得ている。これらの除草剤を、このような耐性作物または他のオーキシン耐性作物の処理に用いてもよい。
【0040】
式Iの6−アルキルまたはアルケニル−4−アミノピコリナート化合物を除草剤として直接使用することも可能であるが、それらを除草効果量の化合物と少なくとも1つの農業的に許容できる補助剤または担体とを一緒に含む混合物中で使用することが好適である。適切な補助剤または担体は、特に作物の存在下で選択的雑草防除のため組成物を施用する濃度では、有用な作物に対して植物毒性を有するべきではなく、しかも式Iの化合物または他の組成物の成分と化学反応すべきではない。そのような混合物は、直接に雑草類もしくはそれらの部位への施用向けに設計されていてもよく、または、追加の担体および補助剤を用い、通常は適用前に希釈される濃縮物または配合物であってもよい。それらは粉剤、粒剤、顆粒水和剤もしくは水和剤のような固体、または、乳剤、溶液、もしくは懸濁剤のような液体であってもよい。
【0041】
本発明の除草混合物の調製に有用な、適当な農業的に許容できる補助剤および担体は、当業者には周知である。
【0042】
使用可能な液体担体としては、水、トルエン、キシレン、石油ナフサ、作物油、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、トリクロロエチレン、ペルクロロエチレン、酢酸エチル、酢酸アミル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルおよびジエチレングリコールモノメチルエーテル、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アミルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンなどが挙げられる。水は一般的に、濃縮物の希釈に第一に選択される担体である。
【0043】
適切な固体担体としては、タルク、ピロフィライトクレー、シリカ、アタパルガスクレー、キーゼルグール、チョーク、ケイ藻土、石灰、炭酸カルシウム、ベントナイトクレー、フラー土、綿実殻、小麦粉、大豆粉、軽石、木粉、クルミ殻粉、リグニンなどが挙げられる。
【0044】
通常、本発明の組成物は1つ以上の表面活性剤を含むことが望ましい。そのような表面活性剤は、固体および液体組成物の両方で、特に適用前に担体で希釈されるように設計されたものに有利に用いられる。この表面活性剤はアニオン性、カチオン性または非イオン性の性質であることができ、乳化剤、水和剤、懸濁剤として、または他の目的のために用いることができる。一般的な表面活性剤としては、ジエタノールアンモニウムラウリルサルフェートのようなアルキルサルフェートの塩類、カルシウムドデシルベンゼンスルホナートのようなアルキルアリールスルホナート塩類、ノニルフェノール−C18エトキシラートのようなアルキルフェノール−アルキレンオキシド付加生成物類、トリデシルアルコール−C16エトキシラートのような、アルコール−アルキレンオキシド付加生成物類、ステアリン酸ナトリウムのような石鹸類、ジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウムのような、アルキルナフタレン−スルホン酸塩類、ジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウムのような、スルホコハク酸塩類のジアルキルエステル類、ラウリルトリメチルアンモニウムクロリドのような第4級アミン類、ポリエチレングリコールステアラートのような、脂肪酸のポリエチレングリコールエステル類、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドのブロックコポリマー類、ならびに、モノおよびジアルキルホスフェートエステル類の塩類が挙げられる。
【0045】
農業的組成物において通常用いられる他の補助剤としては、相溶化剤、消泡剤、封鎖剤、中和剤および緩衝剤、腐食防止剤、染料、消臭剤、展延剤、浸透助剤、粘着剤、分散剤、増粘剤、凝固点降下剤、抗菌剤などが挙げられる。組成物は他の適合性成分、例えば他の除草剤、植物成長調節剤、殺菌・殺カビ剤、殺虫剤なども含有することができ、液体肥料または固体、粒子状肥料担体、例えば硝酸アンモニウム、尿素などと共に調製することができる。
【0046】
本発明の除草組成物中の有効成分の濃度は、一般的に0.001から98重量パーセントである。0.01から90重量パーセントの濃度が使用されることが多い。濃縮物として用いるため設計される組成物においては、有効成分は一般的に5から98重量%、好適には10から90重量パーセントの濃度で存在する。そのような組成物は、典型的には水のような不活性担体を用いて施用前に希釈される。雑草または雑草の部位に通常適用される希釈組成物は、一般的に0.0001から1重量パーセント、好ましくは0.001から0.05重量パーセントの有効成分を含む。
【0047】
本発明の組成物は、一般的な地上もしくは空中散布器、噴霧器、および散粒器の使用、潅漑水への添加、ならびに、当業者に既知の他の一般的手段により、雑草または雑草の部位に適用することができる。
【0048】
以下の実施例は、本発明の種々の観点を説明するために与えられ、そして請求の範囲の限定と解釈すべきではない。本発明の化合物の調製に有用な出発物質の多く、例えば4−アミノ−3,6−ジクロロピリジン−2−カルボン酸およびメチル−4−アミノ−6−ブロモ−3−クロロピリジン−2−カルボキシラートは、米国特許第6,297,197B1号に記載されている。
【実施例】
【0049】
1. メチル4−アミノ−3,6−ジクロロ−5−フルオロピリジン−2−カルボキシラートの調製
4−アミノ−3,6−ジクロロピリジン−2−カルボン酸(1100g、5.31mol)、1−クロロメチル−4−フルオロ−1,4−ジアゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン−ビス(テトラフルオロボラート)(2100g、5.93mol)の水溶液(6000mL)を、65℃に6時間温めた。反応混合物を室温まで冷却後、さらに18時間撹拌した。溶液を濃縮し、得られた固体を6Nの塩酸(5×1000mL)で洗浄し、乾燥し、4−アミノ−3,6−ジクロロ−5−フルオロピリジン−2−カルボン酸(757g、3.53mol、純度58%)を得た。粗物質を無水塩化水素で飽和したメタノール(3000mL)に加え、反応混合物を45℃で2時間加熱した。溶液を激しく撹拌しながら氷水(4000mL)に加え、得られた固体を回収した。粗エステルを酢酸エチル(1000mL)に溶解し、飽和重炭酸ナトリウム溶液(2×1000mL)で洗浄し、乾燥し、濃縮した。得られた固体を酢酸エチル/ヘキサンから再結晶し、メチル4−アミノ−3,6−ジクロロ−5−フルオロピリジン−2−カルボキシラート(402.5g、1.67mol)、融点128〜131℃を得た。
【0050】
2. メチル4−アミノ−3−クロロ−5−フルオロ−6−ビニルピリジン−2−カルボキシラート(化合物1)の調製
メチル4−アミノ−3,6−ジクロロ−5−フルオロピリジン−2−カルボキシラート(8.00g、33.0mmol)、トリブチル(ビニル)スズ(13.27g、42.0mmol)およびフッ化セシウム(11.19g、73.6mmol)のジメチルホルムアミド(250mL)溶液に窒素を15分間スパージ(sparge)した。続けて、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(1.17g、1.6mmol)を加え、混合物を90℃で終夜加熱した。混合物を冷却した後濃縮し、酢酸エチル中に取り上げ、シリカゲルプラグを通して濾過した。溶媒を除去し、粗生成物をカラムクロマトグラフィー(50%酢酸エチルのヘキサン溶液)で精製し、メチル4−アミノ−3−クロロ−5−フルオロ−6−ビニルピリジン−2−カルボキシラート(5.13g、22.2mmol)、融点68〜71℃を得た。
【0051】
以下のピリジン−2−カルボキシラートを実施例2の方法に基づき調製した。
【0052】
メチル4−アミノ−3−クロロ−6−ビニルピリジン−2−カルボキシラート、融点75〜76℃(化合物2)。
【0053】
3. メチル4−アミノ−3−クロロ−6−エチル−5−フルオロピリジン−2−カルボキシラート(化合物3)の調製
メチル4−アミノ−3−クロロ−5−フルオロ−6−ビニルピリジン−2−カルボキシラート(3.00g、13.0mmol)および10% Pd/C(0.30g)のエタノール(200mL)溶液を、パール装置(Parr apparatus)を用いて20psiの水素雰囲気下で1時間撹拌した。混合物をセライトを通じて濾過し、濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(50%酢酸エチルのヘキサン溶液)で精製し、メチル4−アミノ−3−クロロ−6−エチル−5−フルオロピリジン−2−カルボキシラート(2.35g、10.0mmol)、融点109〜110℃を得た。
【0054】
以下のピリジン−2−カルボキシラートを実施例3の方法に基づき調製した。
【0055】
メチル4−アミノ−3−クロロ−6−エチルピリジン−2−カルボキシラート、融点84〜85℃(化合物4)
【0056】
4. 4−アミノ−3−クロロ−6−エチル−5−フルオロピリジン−2−カルボン酸(化合物5)の調製
水酸化リチウム(0.49g、11.73mmol)の水溶液(25mL)を、メチル4−アミノ−3−クロロ−6−エチル−5−フルオロピリジン−2−カルボキシラート(1.36g、5.86mmol)のテトラヒドロフラン(25mL)溶液に加えた。
混合物を室温で終夜激しく撹拌し、続いて体積が半分になるまで濃縮した。水を追加後、反応混合物を酢酸エチルで1回洗浄し、未反応出発物質を除去した。水層を1NのHClでpH<3まで酸性化し、濃縮し、残渣をテトラヒドロフランおよびブラインで分配した。水層を廃棄し、有機層を濃縮し、真空下で乾燥し、4−アミノ−3−クロロ−6−エチル−5−フルオロピリジン−2−カルボン酸(1.01g、4.60mmol)を、融点が144〜145℃の白色固体として得た。
【0057】
以下のピリジン−2−カルボン酸を実施例4の方法に基づき調製した。
【0058】
4−アミノ−3−クロロ−6−エチルピリジン−2−カルボン酸、融点140〜142℃(化合物6)
【0059】
4−アミノ−3−クロロ−6−メチル−5−フルオロピリジン−2−カルボン酸、融点136〜139℃(化合物7)
【0060】
4−アミノ−3−クロロ−6−メチルピリジン−2−カルボン酸、融点205℃(化合物8)
【0061】
4−アミノ−3−クロロ−6−(メトキシメチル)ピリジン−2−カルボン酸、融点175〜178℃(化合物9)
【0062】
4−アミノ−3−クロロ−6−[(メチルチオ)メチル]ピリジン−2−カルボン酸、融点170〜172℃(化合物10)
【0063】
6−アリル−4−アミノ−3−クロロピリジン−2−カルボン酸;H NMR(dDMSO):δ7.33(br.s,2H),6.63(s,1H),5.92(m,1H),5.15(m,1H),3.40(d,J=6.6Hz,2H)(化合物11)
【0064】
5. メチル4−アミノ−3−クロロ−5−フルオロ−6−メチルピリジン−2−カルボキシラート(化合物12)の調製
メチルボロン酸(0.17g、2.93mmol)、フッ化セシウム(0.95g、6.27mmol)、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン(0.09g、0.21mmol)、メチル4−アミノ−3、6−ジクロロ−5−フルオロピリジン−2−カルボキシラート(0.50g、2.09mmol)およびトリエチルアミン(1mL)のアセトニトリル(20mL)溶液を、窒素で15分間パージした。続いて酢酸パラジウム(0.05g、0.21mmol)を加え、反応混合物を還流下で終夜加熱した。冷却後、水を加え、混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、乾燥し(MgSO)、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(35%酢酸エチルのヘキサン溶液)で精製し、メチル4−アミノ−3−クロロ−5−フルオロ−6−メチルピリジン−2−カルボキシラート(0.23g、1.05mmol)、融点113〜114℃を得た。
【0065】
以下のピリジン−2−カルボキシラートを実施例5の方法に基づき調製した。
【0066】
メチル4−アミノ−3−クロロ−6−メチルピリジン−2−カルボキシラート、融点125〜127℃(化合物13)
【0067】
6. ジ−tert−ブチルクロロ[5−クロロ−6−(メトキシカルボニル)−1−オキシドピリジン−2−イル]マロナートの調製
ジ−tert−ブチルマロナート(9.70g、45.0mmol)を、水酸化ナトリウム(オイル中に60%、3.90g、97.5mmol)の無水テトラヒドロフラン(20mL)懸濁液に滴下し、水素が発生しなくなるまで撹拌した。続いて、メチル3,6−ジクロロピリジン−2−カルボキシラート 1−オキシド(10.00g、45mmol)を最小量の無水テトラヒドロフランで溶液としたものを、ゆっくりと滴下ロートで加え、反応混合物を還流下で3時間撹拌した。0℃に冷却後、塩化スルフリル(5.43mL、67.5mmol)をゆっくりと加え、1.5時間かけて混合物を室温まで温まるに任せた。反応混合液を酢酸エチルで希釈し、そして飽和NaHCO溶液で数回洗浄した。有機層を乾燥し(MgSO)、濾過し、濃縮乾固して、ジ−tert−ブチルクロロ[5−クロロ−6−(メトキシカルボニル)−1−オキシドピリジン−2−イル]マロナート(19.65g、45.0mmol)を黄色固体として得た。H NMR(CDCl):δ7.90(d,1H),4.00(s,3H),1.40(s,18H)。
【0068】
7. メチル3−クロロ−6−(クロロメチル)ピリジン−2−カルボキシラート 1−オキシドの調製
ジ−tert−ブチルクロロ[5−クロロ−6−(メトキシカルボニル)−1−オキシドピリジン−2−イル]マロナート(19.65g、45mmol)、トリフルオロ酢酸(41mL)およびジクロロメタン(82mL)の混合物を2.5時間還流し、冷却し、続いて濃縮乾固した。粗残渣をキシレン中に取りあげ、混合物を二酸化炭素が発生しなくなるまで還流下で加熱した。反応混合物を続いて室温まで冷却し、エチルエーテルを加えた後、少量の飽和NaHCO溶液を加えた。有機層を分離し、水層をブラインで飽和し、酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、乾燥し(MgSO)、濾過し、濃縮乾固した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(20〜50%酢酸エチルのヘキサン溶液)で精製し、メチル3−クロロ−6−(クロロメチル)ピリジン−2−カルボキシラート 1−オキシド(7.11g、30.1mmol)を褐色の固体として得た。H NMR(CDCl):δ7.60(d,2H),7.40(d,2H),4.80(s,2H),4.00(s,3H)。
【0069】
8. メチル3−クロロ−6−(メトキシメチル)ピリジン−2−カルボキシラート 1−オキシドの調製
メチル3−クロロ−6−(クロロメチル)ピリジン−2−カルボキシラート 1−オキシド(1.5g、6.35mmol)のメタノール(15mL)溶液を0℃に冷却した。ナトリウムメトキシドの25%メタノール溶液(1.52mL)を加え、混合物を室温で6日間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄した。水層にブライン溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、乾燥し(MgSO4)、濾過し、濃縮乾固して、粗生成物としてのメチル3−クロロ−6−(メトキシメチル)ピリジン−2−カルボキシラート1−オキシド(1.14g、4.92mmol)を黄色油として得た。H NMR(CDCl):δ7.50(d,1H),7.40(d,1H),4.60(s,2H),4.10(s,3H),3.50(s,3H)。
【0070】
9. メチル3−クロロ−6−[(メトキシチオ)メチル]ピリジン−2−カルボキシラート 1−オキシドの調製
メチル3−クロロ−6−(クロロメチル)ピリジン−2−カルボキシラート 1−オキシド(3.35g、14.19mmol)のテトラヒドロフラン(20mL)溶液を0℃に冷却した。続いてナトリウムチオメトキシド(1.04g、14.90mmol)を加え、混合物を室温で4時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄した。水層をブラインで飽和し、酢酸エチルで数回抽出した。有機層を合わせ、乾燥し(MgSO4)、濾過し、濃縮乾固して、粗生成物としてのメチル4−アミノ−3−クロロ−6−[(メチルチオ)メチル]ピリジン−2−カルボキシラート 1−オキシド(3.80g)を褐色固体として得た。H NMR(CDCl):δ7.50(d,1H),7.30(d,1H),4.00(s,3H),3.90(s,2H),2.20(s,3H)。
【0071】
10. メチル3,4−ジクロロ−6−(メトキシメチル)ピリジン−2−カルボキシラートの調製
メチル3−クロロ−6−(メトキシメチル)ピリジン−2−カルボキシラート 1−オキシド(1.64g、7.08mmol)のアセトニトリル(28mL)溶液をオキシ塩化リン(1.32mL、14.16mmol)に加え、混合物を還流下で4時間撹拌した。混合物を室温まで冷却後、真空下で濃縮乾固した。残渣をエチルエーテルで希釈し、そして飽和NaHCO溶液でよく洗浄した。有機層を分離し、そして水層をエチルエーテルで抽出した。有機層を合わせ、溶液を乾燥し(MgSO)、濾過し、濃縮乾固して、粗生成物としてのメチル3,4−ジクロロ−6−(メトキシメチル)ピリジン−2−カルボキシラート(1.74g)を黄色油として得た。H NMR(CDCl):δ7.70(s,1H),4.60(s,2H),4.00(s,3H),3.40(s,3H)。
【0072】
以下のピリジン−2−カルボキシラートを実施例10の方法に基づき調製した。
【0073】
メチル3,4−ジクロロ−6−[(メチルチオ)メチル]ピリジン−2−カルボキシラート。H NMR(CDCl):δ7.70(s,1H),4.00(s,3H),3.90(s,2H),2.10(s,3H)。
【0074】
11. メチル4−アミノ−3−クロロ−6−(メトキシメチル)ピリジン−2−カルボキシラート(化合物14)の調製
メチル3,4−ジクロロ−6−(メトキシメチル)ピリジン−2−カルボキシラート(1.74g、6.96mmol)を最小量のジメチルホルムアミドに溶解した。アジ化ナトリウム(0.50g、7.65mmol)を慎重に加えた後、少量の水を加えて、均一混合物を得た。続いて反応混合物を70℃で48時間撹拌した。混合物を冷却し、乾固に近くなるまで濃縮し、粗生成物としてアジドを得た。粗生成物を即座に最小量のメタノールに溶解し、氷浴中で冷却した。ホウ化水素ナトリウム(0.11g、2.92mmol)を慎重に加え、15分間かけて混合物が室温となるに任せた。続いて反応混合物を酢酸エチルで希釈し、数回水で洗浄した。有機層を乾燥し(MgSO)、濾過し、濃縮乾固した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(20〜50%酢酸エチルのヘキサン溶液)で精製し、メチル4−アミノ−3−クロロ−6−(メトキシメチル)ピリジン−2−カルボキシラート(0.35g、1.52mmol)を白色固体として得た。H NMR(CDCl):δ6.90(s,1H),4.80(br.s,2H),4.50(s,2H),4.00(s,3H),3.40(s,3H)。
【0075】
以下のピリジン−2−カルボキシラートを実施例11の方法に基づき調製した。
【0076】
メチル4−アミノ−3−クロロ−6−[(メチルチオ)メチル]ピリジン−2−カルボキシラート。H NMR(CDCl):δ6.90(s,1H),4.00(s,3H),3.70(s,2H),2.10(s,3H)。(化合物15)
【0077】
12.除草性組成物の調製
以下の説明のための組成物においては、部およびパーセンテージは重量による。
【0078】
(懸濁性濃縮物)
配合 A
重量%
化合物1 26.2
ポリグリコール26−3 5.2
非イオン性乳化剤−(ジ−sec−
ブチル)−フェニル−ポリ(オキシ
プロピレン)ブロックポリマーと
(オキシエチレン)。ポリオキシ
エチレン含有量は12モル。

Witconate 5.2
P12−20(アニオン性乳化剤−
カルシウムドデシルベンゼンスルホ
ナート−60重量%活性)

アロマティック100 63.4
(キシレン・レンジ芳香族溶媒)
【0079】
配合 B
重量%
化合物3 3.5
Sunspray 11N(パラフィン油) 40.0
ポリグリコール26−3 19.0
オレイン酸 1.0
キシレンレンジ(xylene range)芳香族溶媒 36.5
【0080】
配合 C
重量%
化合物4 13.2
Stepon C−65 25.7
Ethomeen T/25 7.7
Ethomeen T/15 18.0
キシレンレンジ(xylene range)芳香族溶媒 35.4
【0081】
配合 D
重量%
化合物14 30.0
Agrimer Al−10LC(乳化剤) 3.0
N−メチル−2−ピロリドン 67.0
【0082】
(水和剤)
配合 E
重量%
化合物13 10.0
Agrimul 70−A(分散剤) 2.0
Amsul DMA 60(希釈剤) 2.0
Emulsogen M (乳化剤) 8.0
Attagel 50(懸濁補助剤) 2.0
作物油 76.0
【0083】
これらの濃縮物は、水で希釈可能であり、雑草防除用に適した濃度の乳剤を得ることができる。
【0084】
配合 F
重量%
化合物5 26.0
ポリグリコール26−3 2.0
Polyfon H 4.0
Zeosyl 100(沈降水和SiO) 17.0
バーデンクレー+不活性物 51.0
【0085】
配合 G
重量%
化合物11 62.4
Polyfon H 6.0
(リグニンスルホナートのナトリウム塩)
Sallogen HR 4.0
(ナフタレンスルホナートのナトリウム塩)
Zeosyl 100 27.6
【0086】
配合 H
重量%
化合物7 1.4
Kunigel V1(担体) 30.0
Stepanol ME Dry(湿潤剤) 2.0
Tosnanon GR 31A(バインダー) 2.0
Kaolin NK−300 クレー(フィラー)64.6
【0087】
有効成分を対応する担体に適用し、続いてこれらを混合して粉砕し、水和性および懸濁力に優れた水和剤を得る。これらの水和剤を水で希釈することによって、雑草防除用に適した濃度の懸濁物を得ることができる。
【0088】
(水分散性粒剤)
配合 I
重量%
化合物6 26.0
Sallogen HR 4.0
Polyfon H 5.0
Zeosyl 100 17.0
カオリナイトクレー 48.0
【0089】
有効成分をケイ酸に加え、これを続いて他の材料と混合し、粉体になるまで粉砕する。粉体を水で凝集させ、ふるいをかけ、−10から+60メッシュの粒剤を得る。これらの粒剤を水に分散することによって、雑草防除用に適した濃度の懸濁物を得ることができる。
【0090】
(粒剤)
【0091】
配合 J
重量%
化合物9 5.0
Celetom MP−88 95.0
【0092】
有効成分を、N−メチル−ピロリジノン、シクロヘキサノン、ガンマ−ブチロラクトンなどのような極性溶媒中で、Celetom MP 88担体または他の適切な担体に適用する。得られた粒剤は、雑草を防除するために、手、散粒機、飛行機などで施用可能である。
【0093】
配合 K
重量%
化合物11 1.0
Polyfon H 8.0
Nakal BA77 2.0
ステアリン酸亜鉛 2.0
バーデンクレー 87.0
【0094】
全ての材料をブレンドし、粉体となるまで粉砕し、続いて水およびクレーを加えて、混合物をペーストを形成するまで撹拌する。混合物をダイを通じて押出し、適切な大きさの粒剤を得る。
【0095】
(水溶性液体)
【0096】
配合 L
重量%
化合物5 3.67
モノエタノールアミンpHバッファ 0.5
水 95.83
【0097】
有効成分を適切な量の水に溶解し、バッファとして追加のモノエタノールアミンを加える。水溶性の表面活性剤を加えてもよい。他の補助剤を混合して、物理的、化学的、および/または製剤特性を改良してもよい。
【0098】
13. 発生後除草活性の評価
所望の試験植物種の種子を、表面積が64平方センチメートルのプラスチックポット中の、一般的にはpHが6.0〜6.8であり、そして有機物質含量が30パーセントであるGrace−Sierra MetroMix(商標)306播種用混合物に蒔いた。良い発芽および健康な植物を確実にする必要がある場合は、殺菌・殺カビ剤処理および/または他の化学的もしくは物理的処理を施した。約15時間の日照時間を有し、昼間23〜29℃および夜間22〜28℃に保たれた温室で、植物を7〜21日生育させた。栄養および水は定期的に与え、そして必要に応じ、頭上の1000ワット金属ハロゲンランプを用い、補助的な照明を与えた。植物は、第1または第2本葉段階に達した時、試験に使用した。
【0099】
試験する最高率により定めた各試験化合物の量を計測し、20mLのガラスバイアルに入れ、そして4mLのアセトンおよびジメチルスルホキシドの97:3 v/v(容量/容量)混合物に溶解して、濃縮ストック溶液を得た。試験化合物が容易に溶解しない場合は、混合物を温め、および/または超音波処理した。得られた濃縮ストック溶液を、アセトン、水、イソプロピルアルコール、ジメチルスルホキシド、Atplus 411F作物油濃縮物、およびTriton X−155表面活性剤を、48.5:39:10:1.5:1.0:0.02v/v比率で含有する水性混合物を用いて希釈して、所定の濃度の噴霧溶液を得た。試験用の最高濃度の溶液は、ストック溶液の2mLのアリコートを13mLの混合物で希釈して調製し、そしてより低濃度の溶液は、ストック溶液を連続希釈して調製した。既知濃度の各溶液の約1.5mLのアリコートを、2から4psiの圧縮空気圧(140から280キロパスカル)により作動するDeVilbiss噴霧器を用い、各試験植物容器上に均一に噴霧して、各植物全体を覆った。対照植物には、同様に水性混合物を噴霧した。この試験において、1ppmの施用率で約1g/Haを施用したことになる。
【0100】
処理した植物および対照植物を、上記のように温室に置き、そして試験化合物が洗い流されないように、地下潅漑により給水した。2週間後、未処理植物の状態と比較された試験植物の状態を視覚により判定し、0から100パーセントの尺度で評点をつけたが、ここで0は損傷無しを示し、100は完全な死を示す。
【0101】
J. Berkson によるJournal of the American Statistical Society, 48, 565 (1953) 記載、および D. Finney による"Probit Analysis" Cambridge University Press (1952)に記載の、充分に認めらたプロビット法を用いて、上記のデータをGR50およびGR80値を計算するため使用可能であり、これらは、目的植物のそれぞれ50パーセントまたは80パーセントを殺しまたは防除するために必要な、除草剤の有効量に対応する成長抑制指数を定義する。
【0102】
試験された化合物の一部、用いた施用率、試験した植物種、および、結果を表1〜2に示す。小麦およびトウモロコシに対する選択性を表3および4に示す。
【0103】
【表1】


XANST=オナモミ(Xanthium strumarium)
CHEAL=ラムスクアーター(Lambsquarter;Chenopodium album)
ECHCG=バーンヤードグラス(Barnyardgrass;Echinochloa crus-galli))
SETFA=ジャイアント・エノコログサ(Setaria faberi))
【0104】
【表2】


XANST=オナモミ
CHEAL=ラムスクアーター
ECHCG=バーンヤードグラス
SETFA=ジャイアント・エノコログサ
【0105】
【表3】


CHEAL=ラムスクアーター
AMARE=アカザ(Pigweed (redroot); Amaranthus retroflexus)
TRZAS=コムギ(var.Merica; Triticum aestivum)
【0106】
【表4】


XANST=オナモミ
CHEAL=ラムスクアーター
AMARE=アカザ(Pigweed)
ZEAMX=トウモロコシ(#143377)(Zea mays)
【0107】
14. 発生前除草活性の評価
所望の試験植物種の種子を壌土(43パーセントのシルト岩、19パーセントのクレーおよび38パーセントの砂土、8.1のpHおよび1.5パーセントの有機物含量)および砂土を、70対30の比率で混合し調製した土壌マトリックスに植えた。土壌マトリックスを、113平方センチメートルの表面積を有するプラスチックの容器に入れた。良好な発芽および健康な植物を確実にする必要がある場合は、殺菌・殺カビ剤処理および/または他の化学的もしくは物理的処理を施した。
【0108】
試験する最高率により定めた、各試験化合物の計測した量を、20mLのガラスバイアルに入れ、そして4mLのアセトンおよびジメチルスルホキシドの97:3のv/v(容量/容量)混合物に溶解して、濃縮したストック溶液を得た。試験化合物が容易に溶解しない場合は、混合物を温め、および/または超音波処理した。得られる濃厚原液を水とTween(登録商標)155表面活性剤の99.9:0.1混合物で希釈し、既知濃度の適用溶液を得た。試験用の最高濃度の溶液は、ストック溶液の2mLのアリコートを15mLの混合物で希釈して調製し、そしてより低濃度の溶液は、ストック溶液を段階希釈して調製した。既知の濃度の各溶液の2.5mLのアリコートを、TeeJet TN−3中空コーンノズルが取り付けられたCornwall 5.0mLガラスシリンジを用い、播種された各容器の土壌表面上(113立方センチメートル)に均一に噴霧し、各ポットの土壌を完全に覆った。対照容器は、同様に水性混合物を用いて噴霧した。
【0109】
処理された容器および対照容器を、約15時間の日照時間を有し、昼間23〜29℃および夜間22〜28℃に保たれた温室に置いた。栄養および水は定期的に与え、そして必要に応じ、頭上の1000ワット金属ハロゲンランプを用い、補助的な照明を与えた。水は上から放出することにより与えた。3週間後、発芽し、生育した未処理植物の状態と比較して、発芽し、生育した試験植物の状態を視覚により判定し、0から100パーセントの尺度で評点をつけたが、ここで0は損傷無しを示し、100は完全な死または発芽無しに対応する。
【0110】
いくつかの試験した化合物、用いた適用率、試験した植物種および結果を表5に示す。
【0111】
【表5】


CHEAL=ラムスクアーター
IPOHE=アイビーリーフ・アサガオ(Ipomoea hederacea)
DIGSA=オヒシバ(大)(Digitaria sanguinalis)
SETFA=ジャイアント・エノコログサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物、
【化1】

[式中、
XはHまたはFを表し、
YはC〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ置換C〜Cアルキル、C〜Cチオアルキル置換C〜Cアルキル、または、C〜Cアルケニルを表し、そして、
Wは−NO、−N、−NR、−N=CRまたは−NHN=CRを表し、
ここで、RおよびRは独立に、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシ、C〜Cアルコキシ、アミノ、C〜Cアシル、C〜Cカルボアルコキシ、C〜Cアルキルカルバミル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cトリアルキルシリル、もしくは、C〜Cジアルキルホスホニルを表し、または、RおよびRはNと一緒に5もしくは6員飽和もしくは不飽和環を表し、これは追加のO、S、もしくは、Nへテロ原子を含んでいてもよく、および、
およびRは独立に、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、アリール、もしくは、ヘテロアリールを表し、または、RおよびRは=Cと一緒に5または6員飽和環を表す。]
ならびに、前記カルボン酸基または前記4−アミノ基における農業的に許容可能な誘導体。
【請求項2】
XがFを表す、請求項1の化合物。
【請求項3】
YがCHまたはCHCHを表す、請求項1の化合物。
【請求項4】
WがNRを表し、ここで、RおよびRは独立にHまたはC〜Cアルキルを表す、請求項1の化合物。
【請求項5】
農業的に許容可能な補助剤または担体と共に、請求項1に記載の式Iの化合物を除草有効量含む、除草性組成物。
【請求項6】
除草有効量の請求項1に記載の式Iの化合物を、その植生またはその場所に接触し、または、その土壌に施用することを含む、望ましくない植生を調節するために植生の発生を防除する方法。

【公表番号】特表2006−523236(P2006−523236A)
【公表日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−509682(P2006−509682)
【出願日】平成16年4月2日(2004.4.2)
【国際出願番号】PCT/US2004/010358
【国際公開番号】WO2004/089906
【国際公開日】平成16年10月21日(2004.10.21)
【出願人】(501035309)ダウ アグロサイエンシィズ エルエルシー (197)
【Fターム(参考)】