説明

60GHzにおけるBSS/PBSSをサポートし且つスケジューリングがないネットワーキング

本発明の各種実施の形態によれば、1以上の無線ネットワークアーキテクチャモードにおける動作を調整し、通信についてアクティブである1以上の無線ネットワークアーキテクチャのうちのアクティブモードをネットワークステーションに伝達するネットワークコーディネータ、及びネットワークステーションへの通信をスケジュールするスケジューラモジュールを含む装置が開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線ネットワーク通信の分野に関し、特に、ミリ波又は高周波通信ネットワークにおける、基本サービスセット(BSS:Basic Service Set)及びパーソナル基本サービスセット(PBSS:Personal Basic Service Set)をサポートし、スケジューリングがないネットワーキングに関する。
【背景技術】
【0002】
IEEE 802.11アーキテクチャを使用して動作する無線ネットワークにおける装置は、中央局(STA)であるアクセスポイント(AP)の助けを借りて通信するか、アクセスポイントからの助けなしに互いにダイレクトに通信するようにセットアップされる。前者は、「インフラストラクチャモード“Infrastructure Mode”」と呼ばれ、後者は、「アドホックモード“Ad Hoc Mode”」と呼ばれる(又はピアツーピア又はコンテンションがないサービスとも呼ばれる)。何れかのモードは、無線ネットワークについて選択されるが、互いにダイレクトに通信している全ての装置は、同じモードを使用する必要がある。ビーコンフレームは、これら2つのモードのどちらがネットワーク内で動作しているかを合図するために使用される。ビーコンインターバルの長さは、プログラム可能なパラメータであり、等時間間隔で起こる(isochronous)オーディオデータの最適な量が最小のシステム遅延により受信機に送出することができるように、本発明により調節される。802.11ネットワークは、同時にこれらのアーキテクチャのうちの1つに従って動作し、使用中のアーキテクチャは、ビーコン及びプローブ応答フレームで搬送されるCapability Informationを通して指示され、APは、インフラストラクチャBSSで送信するか、又はSTAは、IBSSで送信する。この無線アーキテクチャの標準的な使用は、ウェブブラウジング、インターネットアクセス、バックアップ等を含む。
【0003】
しかし、ミリ波(60GHz)使用のために802.11規格を改訂する作業が開始されており、このミリ波(60GHz)の使用は、従来の802.11の使用とは非常に異なる。ミリ波の使用及び応用は、ワイヤレスディスプレイ、sync&go、ワイヤレスコンピューティングを含み、これらは、802.11規格によりカバーされていない。MMW(ミリメートル帯域又はmmW)は、1〜10ミリメートルの波長又は30〜300ギガヘルツの周波数を有する無線周波帯域である。低い放射帯域に比較して、この帯域における地上波信号は、大気減衰を極端に受ける傾向があり、長距離の使用を困難にする。
【特許文献1】WO 2009-069091 A1
【特許文献2】US 2006-0045059 A1
【特許文献3】US 2009-0257403 A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
15.3,WiMAX等のような従来のスケジュールされたアクセスメカニズムは、クライアントSTAがネットワークスケジューリング情報をデコードして分析するのを必要とし、これは、ネットワークに関連する全てのSTAでの複雑度を増加する傾向がある。スケジュールされたアクセスプロトコルのシンプルな(スケジュールのない)実現を提供することが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の様々な実施の形態によれば、1以上の無線ネットワークアーキテクチャのモードにおける動作を調整し、通信についてアクティブである前記1以上の無線ネットワークアーキテクチャのモードのうちのアクティブモードをネットワークステーションに伝達するネットワークコーディネータモジュール、及びネットワークステーションへの通信をスケジュールするスケジューラモジュールを備える装置が開示される。
【0006】
本発明の様々な実施の形態によれば、ネットワークコーディネータモジュール、スケジューラモジュール又は両者がビーコンフレームを送信するように構成されるという特徴を有する装置が開示される。さらに、ビーコンフレームが、ネットワークコーディネータモジュールがビーコンフレームを送信する場合に第一の値を有し、ネットワークコーディネータモジュールがビーコンフレームを送信する場合であって、アクセスポイントとしての役割を果たす場合に第二の値を有し、ネットワークコーディネータモジュールに加えて何れかのネットワークステーションがビーコンフレームを送信することができる場合に第三の値を有する情報ビットフィールドを含むという特徴を有する装置が開示される。さらに、60GHzのネットワークアーキテクチャに指向して(directionally)動作するディレクショナリティ(directionality)モジュールを有する装置が開示される。
【0007】
さらに、1以上の無線ネットワークアーキテクチャのモードがインフラストラクチャモードとアドホックモードとを含むという特徴を有する装置が開示される。さらに、ネットワークステーションが、インフラストラクチャモードで動作するように構成され、無線アクセスポイントとの接続を可能にする無線装置であるという特徴を有する装置が開示される。さらに、情報ビットフィールドがネットワークアーキテクチャの動作設定を識別するという特徴を有する装置が開示される。さらに、動作設定がミリ波帯域における設定であるという特徴を有する装置が開示される。
【0008】
本発明の様々な実施の形態によれば、1以上の無線ネットワークアーキテクチャのモードにおける動作を調整するネットワークコーディネータモジュール、通信をスケジュールするスケジューラモジュール、1以上の無線ネットワークアーキテクチャのモードのうちのどのモードが通信のためにアクティブであるかを判定するため、無線装置からの通信を受信するネットワークステーションを含む無線装置を備えるシステムが開示される。
【0009】
本発明の実施の形態によれば、無線装置がビーコンフレームを送信するように構成されるという特徴を有するシステムが開示される。さらに、無線装置がビーコンフレームを送信する場合に第一の値を有し、無線装置がビーコンフレームを送信する場合であって且つアクセスポイントとしての役割を果たす場合に第二の値を有し、無線装置に加えてネットワークステーションがビーコンフレームを送信する場合に第三の値を有する情報ビットフィールドを含むという特徴を有するシステムが開示される。さらに、無線装置が60GHzネットワークアーキテクチャに指向して動作するディレクショナリティモジュールを含むという特徴を有するシステムが開示される。さらに、1以上の無線ネットワークアーキテクチャのモードがインフラストラクチャ及びアドホックモードを含むという特徴を有するシステムが開示される。
【0010】
本発明の様々な実施の形態によれば、ネットワークコーディネータにより、あるフレームにおけるCapability Informationフィールドに基本サービスセット情報を付加する方法が開示される。
【0011】
例えば、フレームは、ビーコンフレーム、アソシエーション応答フレーム及びプローブ応答フレームからなるグループから選択される。例えば、基本サービスセット情報のビットフィールドは、ネットワークコーディネータモジュールがフレームを送信する場合に第一の値を有し、ネットワークコーディネータモジュール以外のアクセスポイントがフレームを送信する場合に第二の値を有する。
【0012】
本発明の様々な実施の形態によれば、無線ステーションにより、CBPのみのフィールド(CBP only field)を含む管理/拡張フレームを送信することを含む方法が開示され、CBPのみのフィールドは、無線ステーションがスケジュール情報エレメントをフレームの一部として含むかを示すように構成される。
【0013】
本発明の様々な実施の形態によれば、無線ステーションはアクセスポイント又はネットワークコーディネータモジュールからなるグループから選択されるという特徴を有する方法が開示される。さらに、フレームがビーコンフレーム及びアナウンスフレームからなるグループから選択されるという特徴を有する方法が開示される。さらに、CBPのみのフィールドが、フレームがスケジュール情報エレメントを含む場合に第一の値に設定され、フレームがスケジュール情報エレメントを含まない場合に第二の値に設定されるという特徴を有する方法が開示される。さらに、CBPのみのフィールドが第一の値に設定される場合に、無線ステーションは、フレームに含まれるスケジュール情報エレメントを使用することで所与のビーコン間隔についてネットワークコーディネータモジュールにより行われるチャネル割り当てを決定するという特徴を有する方法が開示される。さらに、CBPのみのフィールドが第二の値に設定されている場合、無線ステーションは、コンテンションに基づく期間(Contention Based Period)として全体のビーコン間隔が割り当てられたかを判定する。
【0014】
これらの特徴及び特性、並びに他の特徴及び特性は、構造の関連するエレメントの動作及び機能の方法、構成要素及び製造コストの組み合わせと同様に、添付図面を参照しながら以下の説明及び特許請求の範囲を考慮して明らかとなるであろう。添付図面の全ての図は、本明細書の一部を形成するものであり、同じ参照符号は、様々な図における対応する構成要素に対応する。しかし、図面は例示するものであって、特許請求の範囲を限定するものとして意図されていないことを理解されたい。本明細書及び特許請求の範囲において使用されたとき、単数の形式“a”,“an”及び“the”は、特に断りがない限り複数での参照を含む。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】802.11-2007仕様で提出された従来のCapability Informationを示す図である。
【図2】本発明に係る例となるネットワークアーキテクチャを示す図である。
【図3】本発明の様々な態様に係る、例示的なネットワークコーディネータPCP又はAPを示す図である。
【図4】本発明の様々な態様に従って提出された例示的なCapability Informationを示す図である。
【図5】本発明の様々な態様に従って提出された例示的なBSSを示す図である。
【図6】本発明の様々な態様に係る例示的なビーコン間隔の構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下の説明では、異なる実施の形態に示されるか否かに係らず、同じ構成要素には、同じ参照符号が与えられる。明確且つ一貫したやり方で本発明の実施の形態を例示するため、図面は、必ずしも縮尺されていない場合があり、所定の特徴は、幾分概念的な形式で示される場合がある。1実施の形態に関して記載及び/又は例示される特徴は、1以上の他の実施の形態において、同じやり方又は類似のやり方で使用されるか、他の実施の形態の特徴と組み合わせて又は他の実施の形態の特徴の代わりに使用される場合がある。
【0017】
[定義]
アクティブモード:アクティブモードは、通信についてアクティブにある無線ネットワークアーキテクチャのモードである。
【0018】
アドホックモード:無線コンピュータネットワークで、アドホックモードは、無線装置が互いに直接に通信する方法である。アドホックモードにおける動作により、互いの範囲にある全ての無線装置は、ピアツーピア方式で発見及び通信することができる。
【0019】
アクセスポイント(AP):ステーション(STA)機能を有し、関連するステーション(STA)の無線媒体(WM)を介して、配信サービスへのアクセスを提供するエンティティ。
【0020】
基本サービスセット(BSS):JOINサービスプリミティブを使用して上手く同期されるステーション(STA)と、STARTプリミティブを使用した1つのSTAのセット。BSSにおけるメンバシップは、BSSの全ての他のメンバとの無線通信が可能であることを意味しない。
【0021】
ビーコンフレーム:ビーコンフレームは、IEEE 802.11に基づくWLANにおける管理フレームのうちの1つである。ビーコンフレームは、ネットワークに関する全ての情報を含む。ビーコンフレームは、無線LANネットワークの存在を周期的に知らせるために送信される。ビーコンフレームは、インフラストラクチャBSSにおいてアクセスポイント(AP)により送信される。IBSSネットワークにおいて、ビーコンの生成は、ステーションの間で分散される。例えば、ビーコンフレームは、MACヘッダ、フレームボディ及びFCSを含み、タイムスタンプフィールド、ビーコンの送信の間の時間間隔であるビーコンインターバルフィールド、16ビットに及び、装置/ネットワークの機能に関する情報を含むCapability Informationフィールドを含むフィールドを有する。
【0022】
コンテンションフリー期間(CFP):ポイントコーディネータ(PC)により送信する権限がステーション(STA)にのみ割り当てられるときに、ポイントコーディネータの機能(CPF)の動作の間の時間期間であり、無線媒体(WM)の競合なしに基本サービスセット(BSS)のメンバ間でフレームの交換が行われるのを可能にする。
【0023】
データ送信時間(DTT):ステーションがデータを交換するために使用する時間。
【0024】
拡張サービスセット(ESS):1以上の相互接続された基本サービスセット(BSS)のうちの1つに関連する何れかのステーション(STA)で、論理リンク制御(LLC)レイヤにとって1つのBSSとして見える1以上のBSSのセット。
【0025】
独立基本サービスセット(IBSS):自己完結したネットワークを形成する基本サービスセット(BSS)であり、配信システム(DS)へのアクセスが利用可能ではない。
【0026】
802.11において定義される2つのネットワークアーキテクチャ:インフラストラクチャBSS(基本サービスセット)又は略してBSS、及びIBSS(独立基本サービスセット)。802.11ネットワークは、同時にこれらのアーキテクチャのうちの1つに従って動作し、使用中のアーキテクチャは、ビーコン及びプローブの応答フレームで搬送されるCapability Informationフィールドを通して合図され、APは、BSSで送信するか、STAは、IBSSで送信する。
【0027】
インフラストラクチャ:インフラストラクチャは、配信システムの媒体(DSM)、アクセスポイント(AP)及びポータルエンティティを含む。また、インフラストラクチャは、拡張サービスセット(ESS)の配信及び統合サービス機能の論理的な位置でもある。インフラストラクチャは、配信システム(DS)に加えて、1以上のAPとゼロ以上のポータルを含む。
【0028】
ネットワークコーディネータモジュール:ネットワークコーディネータモジュールは、1以上の無線ネットワークアーキテクチャモードにおける動作を調整し、通信についてアクティブである1以上の無線ネットワークアーキテクチャのモードのアクティブモードをネットワークステーションに伝達する。
【0029】
スケジューラモジュール:スケジューラモジュールは、ネットワークステーションへの通信をスケジュールする。
【0030】
ステーション(STA):IEEE 802.11に準拠する、媒体アクセス制御(MAC)及び無線媒体(WM)に対する物理レイヤ(PHY)インタフェースを含む装置である。
無線媒体(WM):無線ローカルエリアネットワーク(LAN)のピア物理レイヤ(PHY)エンティティ間のプロトコルデータユニット(PDU)の転送を実現するために使用される媒体である。
【0031】
[実施の形態]
図1は、802.11-2007仕様で提出された従来のCapability Informationを示す。従来のCapability Informationフィールドは、要求された又は通知された任意の機能を示すために使用されるサブフィールドB0−B15のような多数のサブフィールドを含む。従来のCapability Informationフィールドの長さは、2オクテットとして示される。それぞれのCapability Informationサブフィールドは、管理/拡張フレームサブタイプに従って解釈することができる。特に、サブフィールドB0は、ESSを識別し、サブフィールドB1は、IBSSを識別する。
【0032】
図2は、本発明の様々な態様に係る例示的なネットワークアーキテクチャを示す。パーソナル基本サービスセット(PBSS)は、ミリ波の使用をサポートするために使用される。PBSSは、60GHz付近で動作するネットワークのような、ミリ波又は高周波ネットワーク215における指向(directionality)を容易にするネットワークコーディネータ又はPCP(PBSSセントラルポイント)205として動作するSTAを含む。幾つかの態様では、PCP205は、APと置き換えられる。PCPは、ネットワークSTA210a,210b及び210c間の通信をスケジュールする。ネットワークSTA210a,210b及び210cは、APとして構成されるか、又は例えばワイヤレスディスプレイ又はワイヤレスフォンを含むモバイル通信装置といった、ネットワークにより同期化され、他の場所で使用されるのを可能にするネットワークで動作する装置のようなバッテリで動作する非APのSTAとして構成される。図2は、3つのネットワークSTAを有する例示的なアーキテクチャを単に示しているが、3を超えるか又は3未満のSTAがネットワークで動作する場合がある。
【0033】
図3は、本発明の様々な態様に係る例示的なネットワークコーディネータ又はPCP又はAPを示す。例示的なネットワークコーディネータ又はPCP又はAPは、ネットワークコーディネータモジュール305、スケジューラモジュール310及びディレクショナリティモジュール315を有する。ネットワークコーディネータモジュールは、1以上の無線ネットワークアーキテクチャのモードにおける動作を調整する。例えば、無線ネットワークのモードは、インフラストラクチャBSS、IBSS又はPBSSを含む。ネットワークコーディネータモジュールは、1以上の無線ネットワークアーキテクチャのモードのうちのどのモードが通信のためにアクティブであるかをネットワークステーション又はSTAに伝達する。ネットワークステーションは、インフラストラクチャモードで動作し、無線アクセスポイントとの接続を可能にする無線装置とすることができる。
【0034】
また、ネットワークコーディネータモジュールは、ネットワークステーションへの通信をスケジュールするスケジューラモジュールを含む。ネットワークコーディネータモジュールは、60GHzネットワークアーキテクチャのような高周波又はミリ波帯域に指向して動作するディレクショナリティモジュールを含む。
【0035】
幾つかの態様では、ネットワークアーキテクチャモジュール、スケジューラモジュール、又はこれらの両者は、ビーコンフレームを送信する。ビーコンフレームは、ネットワークコーディネータモジュールがビーコンフレームを送信する場合に第一の値を有し、ネットワークコーディネータモジュールがビーコンフレームを送信し、且つアクセスポイントとしての役割を果たす場合に第二の値を有し、ネットワークコーディネータモジュールに加えてネットワークステーションがビーコンフレームを送信することができる場合に第三の値を有する情報ビットフィールドを含む。幾つかの態様では、情報ビットフィールドは、ネットワークアーキテクチャの動作設定を識別する。
【0036】
幾つかの態様では、ネットワークコーディネータ又はPCP又はAPは、基本サービスセットのビットフィールドをフレームにおけるCapability Informationフィールドに付加する。フレームは、ビーコンフレーム、アソシエーション応答フレーム及び/又はプローブ応答フレームとすることができる。基本サービスセットの情報ビットフィールドは、ネットワークコーディネータがフレームを送信する場合に第一の値を有し、ネットワークコーディネータ以外のポイントがフレームを送信するように構成される場合に第二の値を有する。
【0037】
幾つかの態様では、アクセスポイント又はネットワークコーディネータのような無線ネットワークステーションは、CBPのみのフィールドを含む管理/拡張フレームを送信する。CBPのみのフィールドは、無線ステーションがスケジュール情報エレメントをフレームの一部として含んでいるかを示し、フレームは、ビーコンフレーム及び/又はアナウンスフレームである。幾つかの態様では、CBPのみのフィールドは、フレームがスケジュール情報エレメントを含む場合に第一の値に設定され、又はフレームがスケジュール情報エレメントを含まない場合に第二の値を設定される。幾つかの態様では、CBPのみのフィールドが第一の値に設定される場合、無線ステーションは、フレームに含まれるスケジュール情報エレメントを使用することで、所与のビーコン間隔についてネットワークコーディネータにより行われたチャネル割り当てを決定する。幾つかの態様では、CBPのみのフィールドが第二の値に設定されない場合、無線ステーションは、全体のビーコン間隔がコンテンションに基づく期間として割り当てられるかを判定する。
【0038】
幾つかの態様では、PCPは、PBSSで動作している間、ビーコンを送出することができる。フレームフォーマットは、PBSSネットワークアーキテクチャが使用中であること、逆に、又は802.11におけるPBSSアーキテクチャをサポートするために使用中でないことをSTA(AP/PCP)が示すのを可能にするために拡張される。情報ビットフィールド又はPBSSは、ビーコンフレームにおいて定義されるか、又はビーコンフレームを送信するPCPにより1に設定され、ビーコンフレーム又はプローブ応答フレームを送信するAPによりゼロに設定されるミリ波のCapability Informationの一部で定義される。このように、STAは、どのネットワークアーキテクチャがミリ波帯域で動作しているかを識別する。
【0039】
図4は、本発明の様々な実施の形態に係る例示的なCapability Informationフィールドを示す。例示的なCapability Informationフィールドは、要求された又は通知された任意の機能を示すために使用されるサブフィールド405〜415のような多数のサブフィールドを含む。Capability Informationフィールドの長さは、2オクテットであるが、他の適切な長さが使用される場合がある。それぞれのCapability Informationサブフィールドは、管理/拡張フレームのサブタイプに従って解釈される。例えば、サブフィールド405は、ビットB0−B1をもつBSSタイプのフィールドであり、サブフィールド410は、フィールドB2をもつCBPのみのフィールドであり、ビットB3〜B7をもつサブフィールド415は、他の使用又は将来の使用のために確保される。
【0040】
CBPのみのサブフィールド410は、ビーコン間隔(BI)のデータ送信時間(DTT)においてPCP/APにより提供されるリンクアクセスのタイプを示す。AP/PCPは、B1のDTT部分の全体がランダムアクセスのためのCBPとして割り当てられたときに、CBPのみのビットを1に設定する。B1のDTT部分の割り当てが拡張スケジュールエレメントを通してAP/PCPにより提供されるとき、AP/PCPは、CBPのみのビットを0に設定する。
【0041】
幾つかの態様では、APは、送信されたビーコン又はプローブ応答管理フレームにおいて、ESSサブフィールドを1に設定し、IBSSサブフィールドを0に設定する。IBSSにおけるSTAは、送信されたビーコン又はプローブ応答管理フレームにおいて、ESSサブフィールドを0に設定し、IBSSサブフィールドを1に設定する。
【0042】
図5は、本発明の様々な態様に係る、ミリ波のビーコンを送信するSTAにより確立されたBSSのタイプを示す、図4からの例示的なBSSタイプフィールド405を示す。フィールド505は、B0を識別し、フィールド510は、B1を識別し、フィールド515は、BSSタイプを識別する。例えば、B0及びB1の両者が1である場合、BSSタイプは、インフラストラクチャBSSを識別する。B0が1であり、B1が0である場合、BSSタイプはPBSSである。B0が0であり、B1が1である場合、BSSタイプはIBSSである。B0及びB1が0である場合、BSSタイプは予約される。
【0043】
幾つかの態様によれば、60GHzにおけるネットワークアーキテクチャ及び基本的な媒体アクセスメカニズムは、チャネルアクセス方法として時分割多重アクセス又はTDMAに基づく。TDMAでは、チャネルスケジュールは、PCP/APによりネットワークにおける全てのSTAに送出される。BSS設定における送信は、スケジューリングを必要としない(すなわちスケジュールフリー)ランダムアクセスを使用する。さらに、バッテリにより動作する非AP/非PCP STAは、潜在的に長く且つ複雑なチャネルスケジュールを分析することが必要であり、これは、必ずしもBSS設定にあるどころか、PBSS使用を選択しない。
【0044】
図6は、本発明の様々な態様に係る例示的なビーコン間隔を示す。幾つかの態様では、BSS及びシンプルなPBSS使用をサポートして、電力節約を促進するため、ネットワークのチェネルスケジュールが提供されるか否かをPCP/APがSTAに容易に通知する方法が提供される。例示的なビーコンインターバルは、CBPのみのフィールド610を囲んでいるビーコンフィールド605及びビーコンフィールド615を有している。ビーコンインターバル620は、ビーコンフィールド605及びCBPのみのフィールド620の長さを表している。図4におけるサブフィールド410でも示されるCBPのみのフィールドは、PCP/APが、これらが送信するビーコン又はアナウンスフレームの一部としてExtended Schedule IEを含んでいるかを示す。
【0045】
CBPのみのフィールドがゼロに設定される場合、STAは、どの割り当てをPCP/APがビーコン間隔において行ったかを理解するため、受信フレームを分析してExtended Schedule IEを探す必要がある。他方で、CBPのみのフィールドが1に設定された場合、STAは、現在のフレームがExtended Schedule IEを含まないことを知る。この場合、STAは、全体のビーコン間隔が図6に示されるようにコンテンションに基づく期間として割り当てられることを想定する。
【0046】
CBPのみのビットは、かなりの実現の簡単さ及び電力節約の機会を提供する。CBPのみのビットにより、AP/PCPは、Extended Schedule IEを使用する必要なしに、CBPを非常に容易に割り当てるのを可能にする。CBPのみのビットは、非AP/非PCPのSTAがExtended Schedule IEをデコードするのを要求せず、従って電力を節約する。CBPのみのビットは、従来のBSSの使用及びシンプルなPBSSの使用を給仕する容易且つ簡単な方法を提供する。
【0047】
先の開示は、様々な有効な実施の形態であると現在考えられるものを説明したが、係る詳細は、その目的のためであって、特許請求の範囲は、開示される実施の形態に限定されるものではなく、それどころか、特許請求の範囲の精神及び範囲にある変更及び等価なアレンジメントをカバーすることが意図されることを理解されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上の無線ネットワークアーキテクチャモードにおける動作を調整し、通信のためにアクティブである前記1以上の無線ネットワークアーキテクチャモードのアクティブモードをネットワークステーションに伝達するネットワークコーディネータモジュールと、
前記ネットワークステーションへの通信をスケジュールするスケジューラモジュールと、
を備える装置。
【請求項2】
前記ネットワークコーディネータモジュール、前記スケジューラモジュール、又は前記ネットワークコーディネータモジュールと前記スケジューラモジュールの両者は、ビーコンフレームを送信する、
請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記ビーコンフレームは、前記ネットワークコーディネータモジュールが前記ビーコンフレームを送信する場合に第一の値を有し、前記ネットワークコーディネータモジュールが前記ビーコンフレームを送信し、且つアクセスポイントとしての役割を果たす場合に第二の値を有し、前記ネットワークコーディネータモジュールに加えて何れかのネットワークステーションが前記ビーコンフレームを送信することができる場合に第三の値を有する情報ビットフィールドを含む、
請求項2記載の装置。
【請求項4】
60GHzのネットワークアーキテクチャに指向して動作するディレクショナリティモジュールを更に備える、
請求項1記載の装置。
【請求項5】
前記1以上の無線ネットワークアーキテクチャモードは、インフラストラクチャモードとアドホックモードとを含む、
請求項1記載の装置。
【請求項6】
前記ネットワークステーションは、前記インフラストラクチャモードで動作し、無線アクセスポイントとの接続を可能にする、
請求項5記載の装置。
【請求項7】
前記情報ビットフィールドは、前記ネットワークアーキテクチャの動作設定を識別する、
請求項3記載の装置。
【請求項8】
前記動作設定は、ミリ波帯域における設定である、
請求項7記載の装置。
【請求項9】
1以上のネットワークアーキテクチャモードにおける動作を調整するネットワークコーディネータモジュールと、通信をスケジュールするスケジューラモジュールとを含む無線装置と、
前記無線装置からの通信を受け、前記1以上の無線ネットワークアーキテクチャモードのうちのどのモードが通信のためにアクティブであるかを判定するネットワークステーションと、
を備えるシステム。
【請求項10】
前記無線装置は、ビーコンフレームを送信する、
請求項9記載のシステム。
【請求項11】
前記ビーコンフレームは、前記無線装置が前記ビーコンフレームを送信する場合に第一の値を有し、前記無線装置が前記ビーコンフレームを送信し、且つアクセスポイントとしての役割を果たす場合に第二の値を有し、前記無線装置に加えて何れかのネットワークステーションが前記ビーコンフレームを送信することができる場合に第三の値を有する情報ビットフィールドを含む、
請求項10記載のシステム。
【請求項12】
前記無線装置は、60GHzネットワークアーキテクチャに指向して動作するディレクショナリティモジュールを含む、
請求項9記載のシステム。
【請求項13】
前記1以上の無線ネットワークアーキテクチャモードは、インフラストラクチャモード及びアドホックモードを含む、
請求項9記載の装置。
【請求項14】
無線ステーションにより、CBPのみのフィールドを含む管理フレームを送信するステップを含み、前記CBPのみのフィールドは、前記無線ステーションが、スケジュール情報エレメントを前記管理フレームの一部として含んでいるかを示す、方法。
【請求項15】
前記無線ステーションは、アクセスポイント又はネットワークコーディネータからなるグループから選択される、
請求項14記載の装置。
【請求項16】
前記管理フレームは、ビーコンフレームとアナウンスフレームからなるグループから選択される、
請求項14記載の装置。
【請求項17】
前記CBPのみのフィールドは、前記管理フレームがスケジュール情報エレメントを含む場合に第一の値に設定されるか、又は、前記管理フレームが前記スケジュール情報エレメントを含まない場合に第二の値に設定される、
請求項11記載の方法。
【請求項18】
前記CBPのみのフィールドが前記第一の値に設定される場合、前記無線ステーションは、前記管理フレームに含まれる前記スケジュール情報エレメントを使用することで、所与のビーコン間隔でネットワークコーディネータにより行われたチャネル割り当てを判定する、
請求項17記載の方法。
【請求項19】
前記CBPのみのフィールドが前記第二の値に設定された場合、前記無線ステーションは、全体のビーコン間隔がコンテンションに基づく期間として割り当てられることを判定する、
請求項17記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2013−513288(P2013−513288A)
【公表日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−542000(P2012−542000)
【出願日】平成22年9月23日(2010.9.23)
【国際出願番号】PCT/US2010/050015
【国際公開番号】WO2011/068585
【国際公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【出願人】(593096712)インテル コーポレイション (931)
【Fターム(参考)】