説明

ADHD疾患を予防および治療するためのウツボグサ抽出物を含む組成物およびその使用

本発明は、ADHDを予防および治療するためのウツボグサ抽出物を含む組成物、およびその使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ADHD疾患を予防および治療するためのウツボグサ(Prunella vulgaris L)抽出物を含む組成物およびその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
小児にしばしば起こる精神障害であるADHD(注意欠陥多動性障害(Attention Deficit and Hyperactivity Disorder))の主要な症候群は注意欠陥、多動性および衝動性である。これらの症候群は学習障害、少年非行、薬物乱用および犯罪などの種々の心理社会的障害を伴うことが報告されている(非特許文献1、非特許文献2、非特許文献3)。
【0003】
ADHDの病因は遺伝因子(非特許文献4);インスタント食品の鉛レベルまたは食品添加物に対する反応、ワシントンDC(非特許文献5);まだ確認を得るには至っていないが、親子関係、親の社会的地位または薬物乱用および妊娠中の喫煙などの環境因子(非特許文献6)であると仮定されている。
【0004】
最近、ADHDはADHD患者を用いた脳画像研究の際の構造および機能研究において前頭線条体路の機能障害と密接な関係があることが報告され、MPH(メチルフェニデート)による薬物作用はこの領域におけるドーパミン作動系の機能的変化と関連がある(非特許文献7、非特許文献8)。
【0005】
さらに、ADHD患者の挙動はノルアドレナリン作動性神経系とドーパミン作動性神経系間の制御の不均衡を生じさせるとの報告もあり、それはグルタミン酸作動性ニューロンおよびGABA作動性ニューロンを支配するカテコールアミンの効果の低下によって生じたものであった(非特許文献9)。
【0006】
メチルフェニデートを含むリタリン(Ritalin)(登録商標)およびメチルフェン(Methylphen)(登録商標)は、頻繁に処方される中枢神経興奮薬(CNS stimultants)として用いられており、ADHD患者の注意欠陥、多動性および衝動性を緩和するための短期療法として有効な治療法であると報告されている。しかしながら、長期療法向けの方法はこれまでに確認されていない(非特許文献10)。
【0007】
従って、有害な作用をほとんど伴わずに長期治療活性を示す新規な治療薬を開発することがこれまで必要とされてきた。
【0008】
シソ科(Labiatae)に属するウツボグサ(Prunella vulgaris L)、ミヤマウツボグサ(Prunella vulgaris var. aleutica)、Prunella vulgaris var. asiaticaおよびベニバナウツボグサ(Prunella vulgaris var. lilacina)は、アジアおよびヨーロッパで肝硬変、高血圧、発熱を処置するために治療薬として用いられてきた(非特許文献11)。
【0009】
最近、ウツボグサ抽出物から単離された数種のトリテルペン化合物が抗アレルギー活性および抗炎症活性(非特許文献12)ならびに抗酸化活性、抗微生物活性および抗ウイルス活性(非特許文献13)を示したことが報告された。
【0010】
しかしながら、上記で引用したいずれの文献(それらの開示内容は参照により本明細書に組み入れる)にもウツボグサ(シソ科)の抽出物のADHDに対する治療効果について報告または開示したものはない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】Y. B. Lee, J. S. Shin, Korean Journal of family Social Work, pp129-157, 2000
【非特許文献2】G. D. Kewley, British Medical Journal, 23, pp1594-1596, 1998
【非特許文献3】L.B. Silver, Attention-deficit hyperactivity disorder, Washinton DC.: American psychiatry Press, Inc., 1992
【非特許文献4】R. A. Barley, Attention-deficit hyperactivity disorder: A Handbook of Diagnosis and Treatment. New York: Guilford Press. 1990
【非特許文献5】G. David, J. Neal, Abnormal Psychology, John Wiley & Sons. 1976
【非特許文献6】H. Mang, The Journal of Elementary Education, 18, pp243-277, 2005
【非特許文献7】M. H. Teicheher, C.M. Anderson et al., Nat. Med., 6, pp470-473, 2000
【非特許文献8】J.B. Schweitzer, D.O. Lee et al., Neuropsychopharmacology 28, pp967-973, 2003
【非特許文献9】E. B. Johansen, P. R. Killeen et al., Behav. Brain Func. 3, pp60, 2007
【非特許文献10】S. Kim, D. Ahn, Y. Lee, J. Korean Neuropsychiatr. Assoc., 4, pp683-699, 1998
【非特許文献11】Psotov J. et al; Biological activities of Prunella vulgaris extract. Phytother. Res. 17 (2003), pp.1082-1087
【非特許文献12】Ryu, S. Y. et al., Anti-allergic and anti-inflammatory triterpenes from the herb Prunella vulgaris. Planta Medica, 66, (2000), pp358-360
【非特許文献13】Psotov J. et al; Biological activities of Prunella vulgaris extract. Phytother. Res. 17 (2003), pp.1082-1087
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
注意欠陥、多動性および衝動性に対するウツボグサ抽出物の抑制効果をin vivo試験によって検討するため、本発明者らはADHD動物モデル、例えばSHR(自然発症高血圧ラット(spontaneous hypertensive rat))モデル試験およびY迷路試験による自発的交替行動試験などのin vivo試験を鋭意行い、ついにその抽出物が試験ラットの注意欠陥、多動性および衝動性を抑制したことを確認することにより本発明を成し遂げた。
【0013】
本発明のこれら、またその他の目的は、以下に示す本発明の詳細な開示から明らかになる。
【0014】
よって、本発明のもう1つの目的は、有効成分としてのウツボグサ抽出物をADHD疾患を治療または予防するのに有効な量で、薬学上許容される担体とともに含む医薬組成物を提供することである。
【0015】
本発明のもう1つの目的は、哺乳類においてADHD疾患を治療または予防するために用いられる薬剤の製造におけるウツボグサ抽出物の使用を提供することである。
【0016】
本発明の他の目的は、哺乳類においてADHD疾患を治療または予防する方法であって、前記哺乳類に有効量の前記抽出物をその薬学上許容される担体とともに投与することを含む方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の一実施形態において、本発明は、有効成分としてのウツボグサ抽出物をADHD疾患
を治療または予防するのに有効な量で、薬学上許容される担体とともに含む医薬組成物を提供する。
【0018】
さらに、本発明は、哺乳類においてADHD疾患を治療または予防するために用いられる薬剤の製造におけるウツボグサ抽出物の使用を提供する。
【0019】
さらに、本発明は、哺乳類においてADHD疾患を治療または予防する方法であって、前記哺乳類に有効量のウツボグサ抽出物をその薬学上許容される担体とともに投与することを含む方法を提供する。
【0020】
さらに、本発明はまた、有効成分としてのウツボグサ抽出物をADHD疾患を改善するのに有効な量で、食品学的に許容される添加物とともに含む医療食品も提供する。
【0021】
本発明で定義される「抽出物」とは、ウツボグサの花穂、茎葉、花または根、好ましくは花穂を極性溶媒、例えば、水、低級アルコール(メタノール、エタノール、ブタノールなど)およびそれらの混合物、好ましくは、水またはエタノールと水の混合溶媒、より好ましくは、水または60〜95%エタノールで抽出することによって調製される抽出物を含む。
【0022】
本発明の医薬組成物は、組成物の総重量に対して約0.01〜50重量%の上記抽出物を含有することができる。
【0023】
本発明の健康食品は、上記抽出物を組成物の総重量に対して0.01〜80%、好ましくは1〜50重量%として含む。
【0024】
上記医療食品は健康食品、健康飲料などに含有させることができ、粉末、顆粒、錠剤、チューイングタブレット、カプセル剤、飲料などとして使用することができる。
【0025】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0026】
本発明のウツボグサ抽出物は、詳しくは下記の手順によって調製することができる。
【0027】
本発明のウツボグサ抽出物は下記によって調製することができる。例えば、採集したウツボグサの花穂を乾燥させ、刻み、粉砕し、1〜100倍、好ましくはおよそ5〜20倍容量の蒸留水、低級アルコール(メタノール、エタノール、ブタノールなど)またはそれらの混合物、好ましくは、水またはエタノールと水の混合溶媒、より好ましくは、水または60〜95%エタノールと混合し;この溶液を、温水抽出、冷水抽出、還流抽出または超音波抽出から選択される抽出法、好ましくは還流抽出または超音波抽出を用い、30〜110℃、好ましくは50〜100℃の範囲の温度の温水で、1時間〜24時間、好ましくは1時間〜5時間の範囲の時間、1〜5回、好ましくは2〜3回連続的に処理し;その残渣を濾過して上清を得、ロータリーエバポレーターで濃縮し、その後、真空凍結乾燥、温風乾燥または噴霧乾燥によって乾燥させて本発明のウツボグサ抽出物粉末を得る。
【0028】
よって、本発明のもう1つの実施形態では、本発明は、ウツボグサの花穂を、還流抽出または超音波抽出から選択される抽出法を用い、30〜110℃の範囲の温度で1時間〜5時間の範囲の時間、100倍容量の蒸留水、低級アルコール(メタノール、エタノールおよびブタノールなど)またはそれらの混合物で抽出する工程;その残渣を濾過して上清を得る工程;ならびにその上清を濃縮および乾燥させて本発明のウツボグサの乾燥抽出物粉末を得る工程を含む、本発明のウツボグサ抽出物の調製方法を提供する。
【0029】
上記方法によって調製されたウツボグサ抽出物は、ADHD動物モデル、例えばSHR(自然発症高血圧ラット)モデル試験およびY迷路試験による自発的交替行動試験などのin vivo試験によって注意欠陥、多動性および衝動性に対して有効な抑制効果を示すことが証明された。
【0030】
よって、上記方法によって調製されたウツボグサ抽出物は、ADHD疾患の治療または予防、ならびに学習障害などの子供の心理社会的障害のような種々の問題の解決、および少年非行、薬物乱用および犯罪などの防止に有用であり得る。
【0031】
よって、本発明は、有効成分として上記方法によって調製されたウツボグサ抽出物をADHD疾患を治療または予防するのに有効な量で、薬学上許容される担体とともに含む医薬組成物を提供する。
【0032】
さらに、本発明は、哺乳類においてADHD疾患を治療または予防するために用いられる薬剤の製造における上記方法によって調製されたウツボグサ抽出物の使用を提供する。
【0033】
さらに、本発明は、哺乳類においてADHD疾患を治療または予防する方法であって、前記哺乳類に上記方法によって調製された有効量のウツボグサ抽出物をその薬学上許容される担体とともに投与することを含む方法を提供する。
【0034】
さらに、本発明はまた、有効成分として上記方法によって調製されたウツボグサ抽出物をADHD疾患を改善するのに有効な量で、食品学的に許容される添加物とともに含む医療食品も提供する。
【0035】
本発明で定義される「予防」とは、このような疾患の罹患傾向がある哺乳類におけるこのような疾患の抑制を意味し、本明細書で用いる「治療」とは、(a)疾患もしくは病状の発生の抑制;(b)疾患もしくは病状の緩和;または(c)疾病もしくは病状の解消を意味する。
【0036】
本発明の組成物は、使用方法に応じた従来の担体、アジュバントまたは希釈剤をさらに含んでもよい。前記担体は用法および適用方法に応じた適当な物質として用いられるのが好ましいが、これに限定されない。適当な希釈剤はRemington’s Pharmaceutical Science (Mack Publishing co, Easton PA)の文書に一覧化されている。
【0037】
以下、下記調剤法および賦形剤は単に例として示すものであり、本発明を何ら限定しない。
【0038】
本発明の組成物は、薬学上許容される担体、アジュバントまたは希釈剤、例えば、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリトリトール、マルチトール、デンプン、アラビアガム、アルギン酸塩、ゼラチン、リン酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、セルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、水、安息香酸メチルヒドロキシ、安息香酸プロピルヒドロキシ、タルク、ステアリン酸マグネシウムおよび鉱油を含有する医薬組成物として提供することができる。これらの製剤はさらに増量剤、抗凝固剤、滑沢剤、湿潤剤、香味剤、乳化剤および保存剤などを含み得る。本発明の組成物は、当業者に周知のいずれかの手順を用いることによって患者に投与した後に有効成分の即時放出、徐放出または遅延放出をもたらすように調剤してもよい。
【0039】
例えば、本発明の組成物は、オイル、プロピレングリコールまたは注射剤を作製するために慣用される他の溶媒に溶解させることができる。担体の好適な例としては、生理食塩水、ポリエチレングリコール、エタノール、植物油、ミリスチン酸イソプロピルなどが挙げられるが、それらに限定されるものではない。局所的投与用としては、本発明の抽出物は軟膏およびクリームの形態で調剤することができる。
【0040】
本組成物を含有する医薬製剤は、経口投与形(粉末、錠剤、カプセル剤、軟カプセル剤、水剤、シロップ剤、エリキシル剤、丸剤、散剤、サシェ剤、顆粒剤)または局所用製剤(クリーム、軟膏、ローション、ゲル、バーム、パッチ、ペースト、スプレー溶液およびエアゾールなど)または注射用製剤(溶液、懸濁液、エマルション)などのいずれの形態で調製してもよい。
【0041】
医薬投与形における本発明の組成物はそれらの薬学上許容される塩の形態で使用可能であり、単独でまたは適当な会合状態で、ならびに他の薬学上有効な化合物と組合せて使用し得る。
【0042】
本発明の抽出物の望ましい用量は被験体の状態および体重、重篤度、剤形、投与経路ならびに投与期間によって異なり、当業者が選択可能である。しかしながら、所望の効果を得るためには、一般に、0.01〜10g/kg、好ましくは0.1〜5g/体重kg/日の範囲の本発明の抽出物量で投与することが推奨される。この用量は1回で投与してもよいし、または1日数回に分割して投与してもよい。組成物に関しては、この複合草本組成物は組成物の総重量に対して0.01〜80重量%、好ましくは0.5〜50重量%の間で存在するべきである。
【0043】
本発明の医薬組成物は種々の経路を介して哺乳類(ラット、マウス、飼い動物またはヒト)などの被験動物に投与することができる。あらゆる投与様式が意図され、例えば、投与は経口、直腸または静脈内、筋肉内、皮下、皮内、くも膜下腔内、硬膜外または脳室内注射によって行うことができる。
【0044】
よって、本発明のもう1つの目的は、ADHD疾患を予防または緩和するための、ウツボグサ抽出物と食品学的に許容される添加物を含む医療食品を提供することである。
【0045】
よって、ADHD疾患を予防または緩和するためのウツボグサ抽出物を含む健康食品または食品添加物を提供することである。
【0046】
本発明で定義される「医療食品」とは、「添加物の形態として少量で、またはカプセル剤、丸剤、錠剤などの形態として全体量で、特定の意図される効果ではなく全般的に意図される効果を示す、本発明の抽出物を含有する食品」である。
【0047】
本発明で定義される「食品学的に許容される添加物」とは、「結果としてそれが直接的または間接的に一成分となる、または一成分になると妥当に予測され得る、またはそうでなければ食品の特徴に影響を及ぼす、意図される使用の物質」、例えば、当技術分野でよく知られている増粘剤、熟成剤、漂白剤、分離剤、湿潤剤、固化防止剤、清澄化剤、硬化剤、乳化剤、安定剤、増粘剤、塩基および酸、発泡剤、栄養素、着色剤、香味剤、甘味剤、保存剤、酸化防止剤などである。
【0048】
物質が食品に、その食品において特定の目的を果たすために添加される場合には直接的添加物と呼び、間接的食品添加物はその包装、保存またはその他の取扱いのために微量だけ食品に配合されるものである。
【0049】
本発明で定義される「健康食品」とは、種々のキャンディー、健康飲料、ガム、茶、ビタミン複合体またはダイエット食品などに含有させることができ、目的の疾患を予防または改善するための粉末、顆粒、錠剤、チューイングタブレット、カプセル剤、飲料などの形態で使用することができる。
【0050】
また、本発明の抽出物は目的の疾患の予防または改善のために食品または飲料に添加することができる。機能性健康食品または医療食品としての食品または飲料中の本発明の抽出物の量は、機能性健康食品組成物では、一般に食品の総重量の約0.01〜15w/w%の範囲であり得る。特に、機能性健康食品、医療食品または特定栄養食品中の本発明の抽出物の好ましい量は各食品の意図される目的に応じて異なり、一般に、添加物として使用するためには、食品組成物を100%の割合として、本発明の抽出物はヌードルなどの食品では約0.01〜5%、医療食品では40〜100%の範囲の量で用いるのが好ましい。
【0051】
健康食品を開発するためには、上記本発明の抽出物を含む添加可能な食品の例は、各種食品、飲料、ガム、ビタミン複合体および健康増進食品などであり、粉末、顆粒、錠剤、チューイングタブレット、カプセル剤または飲料などとして使用可能である。
【0052】
また、本発明の抽出物は調製乳粉、成長期用調製乳粉、成長期用調製食品などの小児・幼児食品へ添加を行うことにより、ADHD疾患を予防および改善することができよう。
【0053】
上記組成物は食品、添加物または飲料に添加することができ、食品または飲料中の上記抽出物は一般に、健康食品組成物では食品の総重量の約0.1〜80w/w%、好ましくは1〜50w/w%、また、健康飲料組成物100mlに対して1〜30g、好ましくは3〜10gの範囲であり得る。
【0054】
上記組成物は目的の疾患を予防するために食品、添加物または飲料に添加することができる。目的の疾患を予防するためには、食品または飲料中の上記本発明の抽出物の量は一般に、健康食品組成物では食品の総重量の約0.1〜15w/w%、好ましくは1〜10w/w%、また、健康飲料組成物100mlに対して1〜30g、好ましくは3〜10gの範囲であり得る。
【0055】
本発明の健康飲料組成物は上記本発明の抽出物を必須成分として、示された比率で含有する限り、他の液体成分には特に制限はなく、この場合の他の成分は、種々のデオドラントまたは従来の飲料などの天然甘味剤などであり得る。上記天然甘味剤の例は、グルコース、フルクトースなどの単糖類;マルトース、スクロースなどの二糖類;デキストリン、シクロデキストリンなどの従来の糖類;およびキシリトールおよびエリトリトールなどの糖アルコールである。上述のもの以外のデオドラントとしては、タウマチン、ステビア抽出物(レバウジオシドA(levaudioside A)、グリシルリジン(glycyrrhizin)など)といった天然デオドラント、およびサッカリン、アスパルテームなどの合成デオドラントが好ましく有用である。上記天然甘味剤の量は一般に本飲料組成物100mlに対して約1〜20g、好ましくは5〜12gの範囲である。
【0056】
上述の組成物以外の成分は各種栄養素、ビタミン、無機質または電解質、合成香味剤、着色剤およびチーズ、チョコレートなどの場合の改良剤、ペクチン酸およびその塩、アルギン酸およびその塩、有機酸、保護コロイド粘着剤、pH調整剤、安定剤、保存剤、グリセリン、アルコール、炭酸飲料に用いられる炭酸化剤などである。上述のもの以外の成分は天然果汁、果汁飲料および野菜飲料を調製するための果汁であってもよく、その成分は単独で用いても組合せて用いてもよい。成分の比率は重要ではないが、一般に本組成物を100w/w%として約0〜20w/w%の範囲である。
【0057】
上述の本発明の抽出物を含む添加可能な食品の例は、各種食品、飲料、ガム、ビタミン複合体および健康増進食品などである。
【0058】
本発明の趣旨または範囲から逸脱することなく、本発明の組成物、使用および調製において種々の改変および変形が行えることが当業者には自明である。
【発明の効果】
【0059】
発明の有利な効果
本発明のウツボグサ抽出物は供試ラットの注意欠陥、多動性および衝動性に対して有効な抑制効果を示し、副作用または毒性は無かった。よって、本発明のウツボグサ抽出物は、ADHD疾患を治療または予防するための治療薬または医療食品として有用であり得る。
【0060】
本発明の上記および他の目的、特徴およびその他の利点は、以下の詳細な説明から添付の図面を参照すればより明確に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】図1はSHR動物モデルの移動距離(多動性)に対するウツボグサ抽出物の抑制効果を示す。
【図2】図2は SHR動物モデルの移動距離(多動性)に対するウツボグサ抽出物の抑制効果を示す。
【図3】図3はSHR動物モデルの交替行動に対するウツボグサ抽出物の抑制効果を表す。
【図4】図4はSHR動物モデルの衝動性制御に対するウツボグサ抽出物の抑制効果を表す。
【発明を実施するための形態】
【0062】
以下の実施例および試験例は、その範囲を限定することなく本発明をさらに説明することを意図するものである。
【実施例】
【0063】
実施例1 ウツボグサ抽出物の調製
1−1 水溶性抽出物の調製
ソウルにあるKyung−dong市場から購入したウツボグサの乾燥花穂1kgを細断し、ミキサーで粉砕した。この粉末を10Lの蒸留水と混合し、ヒーター(MS-E104, TOPS Co. Ltd.)を用い100℃の熱湯で2時間抽出した。残渣を濾過して上清を得、凍結乾燥装置(FDU-2000, EYELA)で乾燥させて22.03gの水溶性抽出物を得た(以下「PVW」と呼ぶ;収率22.03%)。
【0064】
サンプルを冷蔵庫で−20℃に維持し、使用前に蒸留水に溶かすことにより下記実験に用いた。
【0065】
1−2 70%エタノール可溶性抽出物の調製
ソウルにあるKyung−dong市場から購入したウツボグサの乾燥花穂1kgを細断し、ミキサーで粉砕した。この粉末を10Lの70%エタノールと混合し、超音波装置(Powersonic 420, Hwashin Tech. Co. Ltd. www.hstech.co.kr)を用い60℃で2時間、超音波抽出を行った。残渣を濾過して上清を得、凍結乾燥装置(FDU-2000, EYELA)で乾燥させて16.85gの70%エタノール可溶性抽出物を得た(以下「PV70E」と呼ぶ;収率16.85%)。
【0066】
サンプルを冷蔵庫で−20℃に維持し、使用前に蒸留水に溶かすことにより下記実験に用いた。
【0067】
参照例1 調製および試薬
1−1 動物
下記in vivo試験のため、Orient Co. Ltd.(韓国ソウル)から購入した体重23〜25gの雄ICRマウスを、クリーンケージ(Uimyung research institute for neuroscience in Sahmyook Uni. www.syu.ac.kr)内で5日間環境に馴化させ、水と餌を自由に摂らせた。ケージは12時間間隔の規則的に管理した明/暗条件下、温度23±2℃、相対湿度55±10%の条件で維持した。
【0068】
1−2 統計学
試験結果は全て、一元配置分散分析(ANOVA)の後に多重比較のためのスチューデント−ニューマン−クールズ検定(Student-Newman-Keults test)を行って分析した。統計的有意性はP<0.05に設定した。
【0069】
試験例1 ADHD活性試験(in vivo)
1−1. SHR動物モデルの多動性に対する効果
SHR動物の多動性に対する。実施例1で調製されたウツボグサ抽出物の抑制効果を試験するために、文献(Kong, W. X et al., Effect on taurine on rat behaviors in three anxiety models, (2006), Pharmacology Biochem., Behavior 83:271-276; Arulmozhi D. K. et al, Pharmacological studies of the aqueous extract of Sapindus trifoliatus on central nervous system: possible ant-migraine mechanism, J. Ethnophamacol., 97:491-496)に開示されている手順に従って以下の試験を行った。
【0070】
ラットを1週間環境に馴化させ、試験前に10分間、1回以上装置に馴化させた。試験群として用いる実施例1で調製されたPV70EおよびPVW、ならびに陽性対照として用いるメチルフェニデート(Johnson Mattey Public Limited Co.)をマウスの腹膜内に3mg/kgの用量で投与した。
【0071】
試験サンプルで30分処置した後、SHRマウス、すなわちADHD動物モデルおよび陰性対照として用いる正常マウスを試験ボックスに入れ、マウスの運動を調べ、分析装置(EthoVision system; Noldus IT b.v., オランダ)を用いて10分間、マウスの総移動距離と総移動時間を測定した。
【0072】
結果として、図1および2に見て取れるように、実施例1で調製されたウツボグサ抽出物(PV70EおよびPVW)で処置したSHRの全般的な運動は、総移動距離および直立回数に関しては、SHRマウスの増大した運動を有意に引き下げ(有意;p<0.01、0.05)、この場合のSHRマウスの運動は正常マウスに比べて高かった(有意;p<0.01)。しかしながら、実施例1で調製されたウツボグサ抽出物(PV70EおよびPVW)は正常なマウスの運動には影響を及ぼさなかった。
【0073】
一方、陽性対照として用いたメチルフェニデート(Johnson Mattey Public Limited Co.)は正常マウスの運動を増大させたがSHRの運動には影響を及ぼさず、このことはADHD治療薬として慣用されているメチルフェニデートはADHD患者の多動性に影響を及ぼさないか、または多動性に好ましくない作用を引き起こすおそれがあることを意味する。
【0074】
1−2 SHR動物モデルの交替行動に対する効果
SHR動物の交替行動に対する、実施例1で調製されたウツボグサ抽出物の抑制効果を試験するために、文献(Sarter M., et al., Attenuation of scopolamine-induced impairment of spontaneous alternation by antagonist but not agonist and agonist beta-carbolines, (1988), Psychopharmacology (Berl). 94:491-495; Kim D. H. et al, Gomisin A improves scopolamine-induced memory impairment in mice, (2006), Eur. J. Pharmacol., 542:129-235)に開示されている手順に従って以下の改変型Y迷路試験を行った。
【0075】
Y迷路試験は、それぞれA、BおよびCと呼ばれる3つのアーム(アーム間角度120℃、長さ42cm、幅3cm、各壁の高さ12cm)を持つ迷路にて行った。迷路の床と壁は暗色不透明のポリビニルプラスチックで構成した。マウスをまず1つのアームに入れ、アームに侵入する順番および回数をマウスごとに8分間、手作業で記録した。全てのアームが表された3つ組、すなわち、ABC、CABまたはBCA(BABは相当しない)のパーセンテージを、短期記憶を評価するための「交替」として記録した。対照群のマウスには0.9%生理食塩水を施し、試験30分前に記憶障害を誘発するためにスコポラミン(1mg/kg,i.p.)またはビヒクルを導入した。アームは各試験間に水を噴霧して洗浄し、臭気および残材を除去した。各マウスの交替スコア(%)は下記の数式1に従って算出した。
【0076】
交替行動(%)=(実際の交替)/(最大交替)×100
【0077】
結果として、図3に見て取れるように、実施例1で調製されたウツボグサ抽出物(PV70EおよびPVW)で処置したSHRの交替行動は、SHRマウスの低下した交替行動を用量依存的に有意に増大させ(有意;p<0.05)、この場合のSHRマウスの交替行動は正常マウスに比べて低かった。正常マウス(WKYホワイトマウス)の交替行動に有意な変化はなく、実施例1で調製されたウツボグサ抽出物で処置されたSHRの集中力は、陽性対照として用いたメチルフェニデートで処置されたSHRの集中力と同等の能力を示した。
【0078】
1−3 SHR動物モデルの衝動性制御に対する効果
SHR動物の衝動性制御に対する、実施例1で調製されたウツボグサ抽出物の抑制効果を試験するために、文献(Bull, E., et al., Evaluation of the spontaneously hypertensive rat as a model of attention defici hyperactivity disorder: acquisition and performance of the DRL-60s test, (2000), Behavioural Brain Research 109:27-35; Marco, E. M. et al., Enhancement of endocannabinoid signaling during adolescence: Modulation of impulsivity and long-term consequences on metabolic brain parameters in early maternally deprived rats, (2007), Pharmacology Biochemistry and Behavior, 86:Issue 2, pp334-345)に開示されている手順に従って以下の改変型試験を行った。
【0079】
3つのコンパートメント、すなわち、(a)安全コンパートメント、(b) 電流コンパートメント、(c)水分補給コンパートメントと試験ボックスを監視するビデオ録画システム装置からなる試験ボックスを試験に用いた。
【0080】
マウスを安全コンパートメントから出発させ、電流コンパートメントを通過させて水分補給コンパートメントに向かわせた。マウスの電流コンパートメント通過回数が増すと、マウスの衝動性は強くなるとみなされる。マウスには水分補給のために電流に耐える訓練を3日間行い、1日間水分供給を停止した。試験日にマウスに90mg/kgのNaClを経口投与して喉の渇きを生じさせ、次に、その投与の1時間後に試験サンプルを投与した。試験サンプルを投与して30分後に、安全コンパートメントに入れたマウスを電流コンパートメントを通過させて水分補給コンパートメントに向かわせることにより、マウスの通過回数を30分間記録した。
【0081】
結果として、図4に見て取れるように、実施例1で調製されたウツボグサ抽出物(PV70EおよびPVW)で処置したSHRの衝動性行動(=電場通過回数)は、SHRマウスの増大された衝動性活動を用量依存的に有意に低下させ(有意;p<0.01)、この場合のSHRマウスの衝動性行動は正常マウスに比べて有意に高かった。正常マウス(WKYホワイトマウス)の衝動性行動には有意な変化はなく、実施例1で調製されたウツボグサ抽出物で処置されたSHRの衝動性制御能は、陽性対照として用いたメチルフェニデートで処置されたSHRの衝動性制御能と同等の能力を示した。
【0082】
実施例1で調製された本発明のウツボグサ抽出物(PV70EおよびPVW)は処置ラットの注意欠陥、多動性および衝動性に対して有効な抑制効果を示し、陽性対照として用いたメチルフェニデートは処置マウスの注意欠陥と衝動性行動にのみ抑制効果を示し、試験マウスの衝動性行動には影響を及ぼさなかったことが確認された。
【0083】
よって、実施例1で調製された本発明のウツボグサ抽出物(PV70EおよびPVW)は、ADHD疾患を治療または予防するための治療薬または医療食品として有用であるといえる。
【0084】
試験例2 毒性試験
方法
ICRマウス(平均体重25±5g)およびSprague−Dawleyラット(235±10g,Biogenomics Co., Ltd.)に対する急性毒性試験を、実施例1で調製された本発明のウツボグサ抽出物(PV70EおよびPVW)を用いて行った。3匹のマウスまたはラットからなる4群にそれぞれ10mg/kg、100mg/kgおよび1000mg/kgの試験サンプル(経口)または溶媒(0.2ml、i.p.)を投与し、2週間観察した。
【0085】
結果
いずれの群または性でも死亡率、臨床徴候、体重変化および肉眼的形態に有意な作用は無かった。これらの結果は本発明で調製された抽出物が有効かつ安全であることを示唆した。
【0086】
以下、調剤法および賦形剤に種類を記載するが、本発明はこれに限定されない。代表的調製例を以下に示した。
【0087】
散剤の調剤
PV70E 50mg
ラクトース 100mg
タルク 10mg
散剤製剤は、上記の成分を混合し、密閉パッケージに充填することにより調剤した。
【0088】
錠剤の調剤
PV70E 50mg
コーンスターチ 100mg
ラクトース 100mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
錠剤製剤は、上記の成分を混合し、打錠することにより調剤した。
【0089】
カプセル剤の調剤
PVW 50mg
コーンスターチ 100mg
ラクトース 100mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
錠剤製剤は、上記の成分を混合し、従来のゼラチン調剤法によりゼラチンカプセル剤に充填することによって調剤した。
【0090】
注射剤の調剤
PVW 50mg
蒸留水 注射に最適な量
PH調整剤 適量
注射製剤は、有効成分を溶解させ、pHを約7.5に調整した後、全ての成分を2mlアンプルに充填し、従来の注射剤調剤法により滅菌することによって調剤した。
【0091】
水剤の製剤
PVW 0.1〜80g
糖 5〜10g
クエン酸 0.05〜0.3%
カラメル 0.005〜0.02%
ビタミンC 0.1〜1%
蒸留水 79〜94%
COガス 0.5〜0.82%
水剤製剤は、有効成分を溶解させ、全ての成分を充填し、従来の注射剤調剤法により滅菌することによって調剤した。
【0092】
健康食品の調製
PV70E 1000mg
ビタミン混合物 適量
ビタミンAアセテート 70μg
ビタミンE 1.0mg
ビタミンB 0.13mg
ビタミンB 0.15mg
ビタミンB 0.5mg
ビタミンB12 0.2μg
ビタミンC 10mg
ビオチン 10μg
ニコチン酸アミド 1.7mg
葉酸 50μg
パントテン酸カルシウム 0.5mg
ミネラル混合物 適量
硫酸第一鉄 1.75mg
酸化亜鉛 0.82mg
炭酸マグネシウム 25.3mg
リン酸一カリウム 15mg
リン酸二カルシウム 55mg
クエン酸カリウム 90mg
炭酸カルシウム 100mg
塩化マグネシウム 24.8mg
上記のビタミンおよびミネラル混合物は多様に異なってよい。このような変形形態は本発明の趣旨および範囲からの逸脱とみなされるべきではない。
【0093】
健康飲料の調製
PVW 1000mg
クエン酸 1000mg
オリゴ糖 100g
アプリコット濃縮液 2g
タウリン 1g
蒸留水 900ml
健康飲料調製物は、有効成分を溶解させ、混合し、85℃で1時間攪拌し、濾過した後に全ての成分を1000mlアンプルに充填し、従来の健康飲料調製法によって滅菌することによって調製した。
【0094】
本発明を記載してきたが、これらは場合によって異なってよいことは明白である。このような変形形態は本発明の趣旨および範囲からの逸脱とみなされるべきではなく、当業者には自明であるように、このような改変は特許請求の範囲の範囲内に含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0095】
本発明のウツボグサ抽出物は試験ラットの注意欠陥、多動性および衝動性に対して有効な抑制効果を示し、副作用または毒性は無かった。よって、本発明のウツボグサ抽出物はADHD疾患を治療または予防するための治療薬または医療食品として有用であるといえる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有効成分としてのウツボグサ(Prunella vulgaris, L)抽出物をADHD疾患を治療または予防するのに有効な量で、薬学上許容される担体とともに含む、医薬組成物。
【請求項2】
前記抽出物がウツボグサの花穂、茎葉、花または根を極性溶媒で抽出することにより調製される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記極性溶媒が水、メタノール、エタノール、ブタノールまたはそれらの混合物である、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記抽出物が、ウツボグサの花穂を、還流抽出または超音波抽出から選択される抽出方法を用いて30〜110℃の範囲の温度で1時間〜5時間の範囲の時間、1〜100倍容量の蒸留水、低級アルコールまたはそれらの混合物で抽出する工程;その残渣を濾過して上清を得る工程;ならびにその上清を濃縮および乾燥させて請求項1のウツボグサの乾燥抽出物粉末を得る工程を含む方法によって調製される、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
ウツボグサの花穂を、還流抽出または超音波抽出から選択される抽出方法を用いて30〜110℃の範囲の温度で1時間〜5時間の範囲の時間、1〜100倍容量の蒸留水、低級アルコール(メタノール、エタノールおよびブタノールなど)またはそれらの混合物で抽出する工程;その残渣を濾過して上清を得る工程;ならびにその上清を濃縮および乾燥させて請求項1のウツボグサの乾燥抽出物粉末を得る工程を含む、ウツボグサ抽出物の調製方法。
【請求項6】
哺乳類においてADHD疾患を治療または予防するために用いられる薬剤の製造におけるウツボグサ抽出物の使用。
【請求項7】
哺乳類においてADHD疾患を治療または予防する方法であって、前記哺乳類に有効量のウツボグサ抽出物をその薬学上許容される担体とともに投与することを含む方法。
【請求項8】
有効成分としてのウツボグサ抽出物をADHD疾患を改善するのに有効な量で、食品学的に許容される添加物とともに含む、医療食品。
【請求項9】
ADHD疾患を予防および緩和するためのウツボグサ抽出物を含む健康食品または食品添加物。
【請求項10】
キャンディー、健康飲料、ガム、茶、ビタミン複合体またはダイエット食品に含まれる、請求項9に記載の健康食品または食品添加物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2013−515716(P2013−515716A)
【公表日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−545837(P2012−545837)
【出願日】平成22年11月10日(2010.11.10)
【国際出願番号】PCT/KR2010/007904
【国際公開番号】WO2011/078479
【国際公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(512133731)ドンクク ファーマスーティカルズ カンパニー,リミテッド (1)
【Fターム(参考)】