説明

ASK変調回路および送信装置

【課題】高周波信号の通過損失を低減し、オン/オフ比を改善する。
【解決手段】高周波信号を伝達する入力端子11から出力端子12までの主伝送線路上の一点と接地との間に、上記主伝送線路側から、第3伝送線路23、高周波トランジスタ24がこの順番に設けられた高周波回路20を具備し、制御信号に基づいて高周波トランジスタ24のオン/オフの動作状態を切り替えることによって、上記高周波信号の振幅を変化させるASK変調回路10であって、上記主伝送線路と高周波回路20とが接続される接続点16に、先端開放伝送線路15を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ASK変調回路および送信装置に関し、特に、マイクロ波およびミリ波帯無線通信システムにおいて、データ信号に基づいてスイッチ回路の動作状態を切り替えることにより高周波信号の振幅を変化させるASK変調技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、マイクロ波・ミリ波帯無線通信システムで使用されるASK(Amplitude Shift Keying)変調回路が知られている。ASK変調回路では、高周波信号の伝送経路上の一点とグランドとの間に、ダイオードなどの非線形素子により構成されたスイッチ回路が配置される。これにより、データ信号に基づいてスイッチを開閉することによって、高周波信号の振幅が変調される。
【0003】
上記構成のASK変調回路には、SPST(Single Pole Single Throw)スイッチ回路を用いることができる。スイッチ回路としては、高周波信号の伝送経路や、この伝送経路とグランドとの間のシャント経路に、電界効果トランジスタやダイオードなどの半導体素子を配置し、これらの経路の半導体素子を開閉することによってスイッチング動作を行う構成がある。
【0004】
つまりは、従来のスイッチ回路は、スイッチング動作を行うことによって、高周波信号の伝送経路における高周波信号の通過特性を制御している。ゆえに、伝送経路にて高周波信号を通過させるスイッチング動作を行っている場合、高周波信号が伝送経路を損失なく通過することが望まれる。しかし、高周波信号がシャント経路に流れて、アースに漏洩してしまうという問題があった。
【0005】
そこで、例えば、特許文献1に、伝送経路とスイッチング動作を行う半導体素子との間に、上記伝送線路を通過する高周波信号の波長の4分の1の奇数倍の線路長を有する分布定数線路を設けるスイッチ回路が記載されている。
【0006】
図13は、従来のスイッチ回路100の構成を示す回路図である。
【0007】
従来のスイッチ回路100は、図13に示すように、入力端子101から出力端子102に至る高周波信号の伝送経路上の一点とグランドとの間に、伝送線路103、および電界効果トランジスタ104を設けた構成としている。
【0008】
電界効果トランジスタ104のゲート端子に、制御信号入力端子106から抵抗105を介して制御信号を供給し、電界効果トランジスタ104をオン/オフ(開/閉)する。伝送線路103は、伝送線路を通過する高周波信号の4分の1波長の線路長を有し、低インピーダンスを高インピーダンスに、高インピーダンスを低インピーダンスに変換する。
【0009】
よって、高周波信号の伝送経路と伝送線路103との接続点107から伝送線路103側を見たインピーダンスは、電界効果トランジスタ104がオン状態となって、ドレイン端子が低インピーダンスのとき、高インピーダンスとなる。これにより、高周波信号は、通過損失が抑制されて、入力端子101から出力端子102に伝達される。
【0010】
一方、電界効果トランジスタ104がオフ状態のときは、ドレイン端子が高インピーダンスとなる。これにより、伝送線路103によって低インピーダンスに変換され、接続点107から伝送線路103側を見たインピーダンスは、低インピーダンスとなる。それゆえ、高周波信号は反射され、出力端子102まで伝達されない。
【0011】
このような従来のスイッチ回路100を、制御信号としてのデータ信号に基づいて、電界効果トランジスタ104のオン/オフを切り替えることにより、ASK変調回路を構成することが可能となっていた。
【0012】
しかし、従来のスイッチ回路100では、電界効果トランジスタ104のソース端子をスルーホールやビアホールを用いて接地すると、周波数が高くなるにしたがって、電界効果トランジスタ104での容量成分や、スルーホールやビアホール部分のインダクタンス成分の影響が無視できなくなる。
【0013】
つまりは、上記容量成分やインダクタンス成分によって位相が変化してしまうという問題があった。このため、特に、ミリ波帯においては、電界効果トランジスタ104のオン/オフ状態における位相の変化を無視することができなくなり、所望の特性を得ることが難しくなる。
【0014】
例えば、電界効果トランジスタ104がオン状態では、ソース−ドレイン間は低抵抗でほぼ短絡となることが望まれる。ところが、容量成分やインダクタンス成分、グランドまでの接続長(例えば、ソース端子からビアホールまでの接続長や、ビアホールの電気的接続長)によって位相が回転する。これにより、伝送線路103によって所望のインピーダンスに変換することができなくなるため、高周波信号の通過損失が大きくなる。
【0015】
同様に、電界効果トランジスタ104がオフ状態でも、容量成分やインダクタンス成分によって位相が回転し、伝送線路103によって所望のインピーダンスに変換することができなくなる。このため、高周波信号を十分に減衰させることができなくなる。
【0016】
特に、ミリ波帯においては、電界効果トランジスタ104がオフ状態のときのソース−ドレイン間の寄生容量によって高周波信号が漏れてしまうため、所望のインピーダンスに変換することができない。それゆえ、従来のスイッチ回路100の構成では、ミリ波帯においては、十分なオフ状態を実現することが難しい。
【0017】
また、電界効果トランジスタ104が、オン状態のときの等価回路はオン抵抗として、また、オフ状態のときの等価回路は、オフ抵抗とソース−ドレイン間の寄生容量との並列接続として考えることができる。
【0018】
この場合、電界効果トランジスタ104のオン状態とオフ状態とでは、位相の回転量が異なることになる。それゆえ、従来のスイッチ回路100の構成ではオン状態とオフ状態との両方の特性を改善することができない。よって、十分なオン/オフ比を確保することが難しい。
【0019】
そこで、例えば、特許文献2に、電界効果トランジスタのソース端子に、他端が開放された伝送線路と他端が接地された抵抗とが接続されたスイッチ回路が記載されている。電界効果トランジスタのソース端子は、抵抗を介して直流的に接地されているため、電界効果トランジスタのゲート端子とソース端子との間にバイアス電圧をかけることができる。これにより、上記ソース端子の高周波的な接地に、スルーホールやビアホールを用いずに他端が開放された伝送線路を用いることができるため、周波数が高くなってもスイッチ特性の悪化を抑制することが可能となっている。
【特許文献1】特開平7−235802号公報(1995年9月5日公開)
【特許文献2】特開平9−275303号公報(1997年10月21日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
しかしながら、上記特許文献2に記載のスイッチ回路では、高周波信号が、シャント経路に流れて、アースに漏洩してしまうという問題を解決するには至っていない。理由は、電界効果トランジスタがオン/オフした場合の容量成分変化に伴う位相変化量の違いによる影響や、主伝送線路と電界効果トランジスタの接続長が考慮されていない為である。
【0021】
また、上記特許文献2に記載のスイッチ回路では、電界効果トランジスタのソース端子に、他端が開放された伝送線路を接続することにより、周波数が高くなることによるスイッチ特性の悪化を抑制している。
【0022】
しかし、スルーホールやビアホールを用いて接地することにより、例えば、2層プリント配線基板では、1層目から2層目へ、また、4層プリント配線基板では、4層目から2層目へなどと、配線パターンの設計範囲が広がるという利点がある。それゆえ、他端が開放された伝送線路と抵抗とを設ける場合は、スルーホールやビアホールを用いて接地する場合と比べ、基板サイズが大きくなるという問題点を有している。
【0023】
さらに、上記特許文献2に記載のスイッチ回路においても、電界効果トランジスタのソース端子に抵抗を設けているので、抵抗のインダクタンス成分の影響がないとは言い切れない。
【0024】
したがって、ミリ波帯の周波数における、電界効果トランジスタでの容量成分や、スルーホールやビアホール部分のインダクタンス成分の影響を考慮して高周波信号の通過損失を低減し、電界効果トランジスタにおけるオン状態とオフ状態との両方の特性を改善することにより、十分なオン/オフ比を簡単な構成で確保することが望まれている。
【0025】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、高周波信号の通過損失を低減し、オン/オフ比を改善することができるASK変調回路および送信装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0026】
本発明のASK変調回路は、上記課題を解決するために、高周波信号を伝達する主伝送線路上の一点と接地との間に、上記主伝送線路側から、第1の伝送線路、および非線形素子がこの順番に設けられた高周波回路を具備し、制御信号に基づいて上記非線形素子の動作状態を切り替えることによって、上記高周波信号の振幅を変化させるASK変調回路であって、上記主伝送線路と上記高周波回路とが接続される接続点に、先端開放伝送線路を備えることを特徴としている。
【0027】
上記の構成によれば、制御信号に基づいて、非線形素子がオフの動作状態に切り替えられている場合、非線形素子の第1の伝送線路側の端子のインピーダンスは、第1の伝送線路によって低インピーダンスに変換され、主伝送線路上の接続点から高周波回路側を見たインピーダンスは、低インピーダンス、すなわち略短絡となる。これにより、主伝送線路を伝達する高周波信号の通過量が低くなる。
【0028】
一方、制御信号に基づいて、非線形素子がオンの動作状態に切り替えられている場合、非線形素子の第1の伝送線路側の端子は低インピーダンスとなる。このため、第1の伝送線路によって高インピーダンスに変換され、主伝送線路上の接続点から高周波回路側を見たインピーダンスは、高インピーダンスとなる。
【0029】
ところが、例えば、ミリ波帯などのように高周波数になるにつれて、高周波回路部分のインダクタンス成分や容量成分の影響を受けて、接続点から高周波回路側を見たインピーダンスは、十分に高インピーダンスとならない。
【0030】
これに対し、主伝送線路上の接続点に先端開放伝送線路が備えられていることにより、先端開放伝送線路によってインピーダンスが変化する。それゆえ、先端開放伝送線路と高周波回路とからなる合成インピーダンスを高インピーダンスとすることが可能となる。よって、上記影響によるインピーダンスの低下を抑制し、高周波信号の通過損失を低減することが可能となる。
【0031】
よって、ミリ波帯においても、非線形素子がオンの動作状態のときの高周波信号の通過量と、非線形素子がオフの動作状態のときの高周波信号の通過量との差を大きくすることが可能となる。すなわち、オン/オフ比を向上させることが可能となる。
【0032】
したがって、本発明のASK変調回路は、高周波信号の通過損失を低減し、オン/オフ比を改善することが可能となる。また、本発明のASK変調回路は、高周波回路と先端開放伝送線路とを、主伝送線路上の同じ部分に接続する構成であるため、回路の小型化に有利となる。
【0033】
また、本発明のASK変調回路は、高周波信号を伝達する主伝送線路上の一点と接地との間に、上記主伝送線路側から、第1の伝送線路、および非線形素子がこの順番に設けられた高周波回路を具備し、制御信号に基づいて上記非線形素子の動作状態を切り替えることによって、上記高周波信号の振幅を変化させるASK変調回路であって、上記高周波回路は、上記主伝送線路上における所定の間隔だけ離れた複数の位置に具備されており、上記主伝送線路と上記複数の位置に具備された高周波回路とが接続される複数の接続点に、先端開放伝送線路をそれぞれ備えることを特徴としている。
【0034】
上記の構成によれば、制御信号に基づいて、非線形素子がオフの動作状態に切り替えられている場合、非線形素子の第1の伝送線路側の端子のインピーダンスは、第1の伝送線路によって低インピーダンスに変換され、主伝送線路上の接続点から高周波回路側を見たインピーダンスは、低インピーダンス、すなわち略短絡となる。これにより、主伝送線路を伝達する高周波信号の通過量が低くなる。
【0035】
一方、制御信号に基づいて、非線形素子がオンの動作状態に切り替えられている場合、非線形素子の第1の伝送線路側の端子は低インピーダンスとなる。このため、第1の伝送線路によって高インピーダンスに変換され、主伝送線路上の接続点から高周波回路側を見たインピーダンスは、高インピーダンスとなる。
【0036】
ところが、例えば、ミリ波帯などのように高周波数になるにつれて、高周波回路部分のインダクタンス成分や容量成分の影響を受けて、接続点から高周波回路側を見たインピーダンスは、十分に高インピーダンスとならない。
【0037】
これに対し、主伝送線路上の接続点に先端開放伝送線路が備えられていることにより、先端開放伝送線路によってインピーダンスが変化する。それゆえ、先端開放伝送線路と高周波回路とからなる合成インピーダンスを高インピーダンスとすることが可能となる。よって、上記影響によるインピーダンスの低下を抑制し、高周波信号の通過損失を低減することが可能となる。
【0038】
よって、ミリ波帯においても、非線形素子がオンの動作状態のときの高周波信号の通過量と、非線形素子がオフの動作状態のときの高周波信号の通過量との差を大きくすることが可能となる。すなわち、オン/オフ比を向上させることが可能となる。
【0039】
また、高周波回路および先端開放伝送線路を1セットとしたものが、主伝送線路上における所定の間隔だけ離れた複数の位置にそれぞれ具備されていることにより、オン/オフ比をさらに向上することが可能となる。したがって、本発明のASK変調回路は、高周波信号の通過損失を低減し、オン/オフ比をさらに改善することが可能となる。
【0040】
また、本発明のASK変調回路は、上記非線形素子は、高周波トランジスタであることが好ましい。これにより、増幅回路などの能動回路との集積化が可能となる。
【0041】
また、本発明のASK変調回路は、上記第1の伝送線路は、一方の端子が上記主伝送線路上の一点に接続され、他方の端子が上記高周波トランジスタの第1導通端子に接続され、上記高周波トランジスタは、制御端子に上記制御信号が供給され、第2導通端子が接地されていることが好ましい。
【0042】
上記の構成によれば、例えば、高周波トランジスタが電界効果トランジスタの場合、制御端子はゲート端子であり、第1導通端子はドレイン端子であり、第2導通端子はソース端子である。また、高周波トランジスタがバイポーラトランジスタの場合、制御端子はベース端子であり、第1導通端子はコレクタ端子であり、第2導通端子はエミッタ端子である。
【0043】
これにより、高周波トランジスタの制御端子に供給する電圧信号または電流信号などを制御するだけで、接続点から高周波回路側を見たインピーダンスの値を容易に切り替えることが可能となる。
【0044】
また、本発明のASK変調回路は、上記所定の間隔は、動作周波数の略4分の1波長の長さであることが好ましい。
【0045】
上記の構成によれば、所定の間隔を動作周波数の略4分の1波長の長さにすることにより、例えば、主伝送線路上の2箇所に高周波回路および先端開放伝送線路がそれぞれ備えられている場合、非線形素子がオフの動作状態で、主伝送線路と高周波回路との接続点が略短絡のとき、一方の接続点から他方の接続点を見たインピーダンスが、高インピーダンスに変換される。このため、高周波信号をより減衰させることが可能となる。
【0046】
また、本発明のASK変調回路は、上記非線形素子に、上記制御信号を供給する制御信号供給手段を備えることが好ましい。これにより、上記非線形素子に、好適に制御信号を供給することが可能となる。
【0047】
また、本発明のASK変調回路は、上記高周波トランジスタの制御端子にデータ信号を供給するデータ信号供給手段と、上記高周波トランジスタの制御端子に直流電圧を供給する直流電圧供給手段とを備えることが好ましい。
【0048】
上記の構成によれば、高周波トランジスタの制御端子にデータ信号を供給するデータ信号供給手段と、高周波トランジスタの制御端子に直流電圧を供給する直流電圧供給手段とが備えられていることにより、直流電圧が重畳されたデータ信号が高周波トランジスタの制御端子に供給される。これにより、高周波トランジスタのバイアス点を調節することが可能となり、オン/オフ動作を最適に行うことが可能となる。
【0049】
また、本発明のASK変調回路は、上記高周波トランジスタの制御端子と、上記データ信号供給手段および上記直流電圧供給手段との間に、抵抗を設けることが好ましい。
【0050】
上記の構成によれば、抵抗を介して、直流電圧が重畳されたデータ信号が高周波トランジスタの制御端子に供給される。これにより、高周波トランジスタの制御端子から、データ信号供給手段および直流電圧供給手段に、高周波信号が漏れ出すのを抑制することが可能となる。よって、高周波トランジスタがオンの動作状態のときの通過損失を小さくすることが可能となる。
【0051】
また、本発明のASK変調回路は、上記高周波信号の略4分の1波長の長さを有し、一方の端子が上記高周波トランジスタの制御端子に接続され、他方の端子が容量素子を介して接地された第2の伝送線路と、上記第2の伝送線路の他方の端子にデータ信号を供給するデータ信号供給手段と、上記第2の伝送線路の他方の端子に直流電圧を供給する直流電圧供給手段とを備えることが好ましい。
【0052】
上記の構成によれば、第2の伝送線路が高周波信号の略4分の1波長の長さを有することにより、他方の端子が容量素子を介して接地されているため、高周波トランジスタの制御端子から第2の伝送線路側を見たインピーダンスを、高インピーダンスとすることが可能となる。
【0053】
これにより、高周波トランジスタの、例えば、ゲート−ソース間容量やゲート−ドレイン容量を介して、ゲート端子から高周波信号が漏れ出すのを低減することが可能となる。よって、高周波トランジスタがオンの動作状態のときの通過損失を小さくすることが可能となる。
【0054】
また、本発明のASK変調回路は、上記データ信号供給手段は、入力されたデータ信号の直流成分を阻止する阻止手段と、上記阻止手段から出力されたデータ信号の振幅を一定値にする増幅手段と、上記増幅手段から出力されたデータ信号の不要な信号成分を取り除く抽出手段と、上記抽出手段から出力されたデータ信号の振幅を所定の値にする減衰手段とを備えることが好ましい。
【0055】
上記の構成によれば、入力されたデータ信号が、配線の損失などによって振幅が所定値からずれた場合であっても、最終的に所定の値の振幅に調整されるので、一定の変調度を確保することが可能となる。これにより、安定した通信状態を確保することが可能となる。
【0056】
また、本発明の送信装置は、高周波信号をASK変調する上記ASK変調回路を備え、当該ASK変調回路から出力された変調信号を送信する送信装置である。
【0057】
上記の構成によれば、上記ASK変調回路を備えることにより、ミリ波帯域においても、通過損失を低減したASK変調を行うことが可能となる。また、上記ASK変調回路は簡単な構成であるので、送信装置におけるASK変調回路に隣接する構成回路を、ASK変調回路と共に集積化する場合であっても、チップ面積の増加を抑制することが可能となる。よって、送信装置を小型化することが可能となる。
【発明の効果】
【0058】
以上のように、本発明のASK変調回路は、高周波信号を伝達する主伝送線路上の一点と接地との間に、上記主伝送線路側から、第1の伝送線路、および非線形素子がこの順番に設けられた高周波回路を具備し、制御信号に基づいて上記非線形素子の動作状態を切り替えることによって、上記高周波信号の振幅を変化させるASK変調回路であって、上記主伝送線路と上記高周波回路とが接続される接続点に、先端開放伝送線路を備える構成である。
【0059】
それゆえ、主伝送線路上の接続点に先端開放伝送線路が備えられていることにより、先端開放伝送線路と高周波回路とからなる合成インピーダンスを高インピーダンスとすることが可能となる。よって、高周波回路部分のインダクタンス成分や容量成分の影響によるインピーダンスの低下を抑制し、高周波信号の通過損失を低減することができる。
【0060】
よって、ミリ波帯においても、非線形素子がオンの動作状態のときの高周波信号の通過量と、非線形素子がオフの動作状態のときの高周波信号の通過量との差を大きくすることができる。すなわち、オン/オフ比を向上させることができる。
【0061】
したがって、本発明のASK変調回路は、高周波信号の通過損失を低減し、オン/オフ比を改善することができるという効果を奏する。また、本発明のASK変調回路は、高周波回路と先端開放伝送線路とを、主伝送線路上の同じ部分に接続する構成であるため、回路の小型化に有利となるという効果を奏する。
【0062】
また、本発明のASK変調回路は、高周波信号を伝達する主伝送線路上の一点と接地との間に、上記主伝送線路側から、第1の伝送線路、および非線形素子がこの順番に設けられた高周波回路を具備し、制御信号に基づいて上記非線形素子の動作状態を切り替えることによって、上記高周波信号の振幅を変化させるASK変調回路であって、上記高周波回路は、上記主伝送線路上における所定の間隔だけ離れた複数の位置に具備されており、上記主伝送線路と上記複数の位置に具備された高周波回路とが接続される複数の接続点に、先端開放伝送線路をそれぞれ備える構成である。
【0063】
それゆえ、主伝送線路上の接続点に先端開放伝送線路が備えられていることにより、先端開放伝送線路と高周波回路とからなる合成インピーダンスを高インピーダンスとすることが可能となる。よって、高周波回路部分のインダクタンス成分や容量成分の影響によるインピーダンスの低下を抑制し、高周波信号の通過損失を低減することができる。
【0064】
よって、ミリ波帯においても、非線形素子がオンの動作状態のときの高周波信号の通過量と、非線形素子がオフの動作状態のときの高周波信号の通過量との差を大きくすることができる。すなわち、オン/オフ比を向上させることができる。
【0065】
また、高周波回路および先端開放伝送線路を1セットとしたものが、主伝送線路上における所定の間隔だけ離れた複数の位置にそれぞれ具備されていることにより、オン/オフ比をさらに向上することができる。したがって、本発明のASK変調回路は、高周波信号の通過損失を低減し、オン/オフ比をさらに改善することができるという効果を奏する。
【0066】
また、本発明の送信装置は、高周波信号をASK変調する上記ASK変調回路を備え、当該ASK変調回路から出力された変調信号を送信する送信装置である。
【0067】
それゆえ、上記ASK変調回路を備えることにより、ミリ波帯域においても、通過損失を低減したASK変調を行うことができるという効果を奏する。また、上記ASK変調回路は簡単な構成であるので、送信装置におけるASK変調回路に隣接する構成回路を、ASK変調回路と共に集積化する場合であっても、チップ面積の増加を抑制することができる。よって、送信装置を小型化することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0068】
〔実施の形態1〕
本発明の一実施形態について図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。始めに、本実施の形態のASK変調回路10の構成について説明し、その次に、本実施の形態のASK変調回路10の動作について説明する。
【0069】
図1は、本実施の形態のASK変調回路10の一構成例を示す回路図である。
【0070】
本実施の形態のASK変調回路10は、入力された高周波信号をASK変調して、変調信号を出力する機能を有している。本実施の形態のASK変調回路10は、図1に示すように、入力端子11、出力端子12、第1伝送線路13、第2伝送線路14、先端開放伝送線路15、制御信号入力端子21、および高周波回路20を備えている。
【0071】
入力端子11、第1伝送線路13、第2伝送線路14、出力端子12は、この順番に直列に接続されている。高周波信号は、入力端子11に入力され、第1伝送線路13および第2伝送線路14を介して、出力端子12からASK変調された変調信号として出力される。ここで、入力端子11、第1伝送線路13、第2伝送線路14、および出力端子12により構成される経路を、ASK変調回路10における主伝送経路とする。
【0072】
先端開放伝送線路15は、先端開放の伝送線路(オープン・スタブ)であり、その一端が、主伝送経路上における第1伝送線路13と第2伝送線路14との間の接続点16に接続されている。
【0073】
高周波回路20は、主伝送線路上の接続点16と接地との間に設けられており、一方の端子が、第1伝送線路13と第2伝送線路14との間の接続点16に接続され、もう一方の端子が制御信号入力端子21に接続されている。高周波回路20は、図1に示すように、抵抗22、第3伝送線路23(第1の伝送線路)、高周波トランジスタ24(非線形素子)、第4伝送線路25、およびインダクタンス26を含んでいる。
【0074】
抵抗22は、一方の端子が制御信号入力端子21に接続されており、他方の端子が高周波トランジスタ24の制御端子に接続されている。抵抗22は、高周波トランジスタ24における、例えば、ゲート−ドレイン容量などによって、ゲート端子から高周波信号が漏れ出すのを防止するために設けられている。
【0075】
第3伝送線路23は、一方の端子が接続点16に接続されており、他方の端子が高周波トランジスタ24の第1導通端子に接続されている。第3伝送線路23は、高周波トランジスタ24がオフ状態の時、接続点16から高周波回路20側を見たときのインピーダンス状態が、低インピーダンス(略短絡)となるよう、その線路長が設定される。
【0076】
高周波トランジスタ24は、第2導通端子が、例えば、ビアホールなどを介して接地されている。つまりは、第4伝送線路25は、高周波トランジスタ24から接地までの接続長、例えば、ビアホールと高周波トランジスタ24との接続長を示している。また、インダクタンス26は、例えば、ビアホールが有するインダクタンス成分を表している。
【0077】
高周波トランジスタ24は、制御信号入力端子21から入力される制御信号に基づいて、オン/オフ動作を行う。高周波トランジスタ24としては、HEMT(High Electron Mobility Transistor)、MESFET(Metal Semiconductor Field Effect Transistor)やHBT(Heterojunction Bipolar Transistor)を用いることができる。高周波トランジスタ24がHEMTまたはMESFETの場合、制御端子はゲート端子であり、第1導通端子はドレイン端子であり、第2導通端子はソース端子である。また、高周波トランジスタ24がHBTの場合、制御端子はベース端子であり、第1導通端子はコレクタ端子であり、第2導通端子はエミッタ端子である。
【0078】
ここで、上記の構成により、本実施の形態のASK変調回路10では、先端開放伝送線路15と高周波回路20とが、主伝送経路上の同じ一点(接続点16)に接続されていることがわかる。
【0079】
次に、本実施の形態のASK変調回路10の動作について説明する。
【0080】
高周波信号が入力端子11に入力されると、高周波信号は、基本的に、主伝送線路を伝達する。つまりは、高周波信号は、第1伝送線路13、第2伝送線路14をこの順番に介して、出力端子12から変調信号として出力される。
【0081】
このとき、第1伝送線路13と第2伝送線路14との間の接続点16に高周波回路20が接続されていることにより、接続点16から高周波回路20側を見たときのインピーダンスの値に応じて、高周波信号は振幅が変調されて、変調信号となっている。
【0082】
高周波回路20では、制御信号入力端子21に入力される制御信号に基づいて、高周波トランジスタ24のオン/オフの動作状態が切り換わることにより、接続点16から高周波回路20側を見たときのインピーダンスの値が切り換わる。
【0083】
例えば、制御信号入力端子21に、高周波トランジスタ24をオフ状態に切り替える制御信号(高周波トランジスタ24に応じて電圧信号や電流信号など)が入力されて、高周波トランジスタ24がオフ状態に切り換わるとする。この場合、高周波トランジスタ24の第1導通端子は、高インピーダンスとなり、十分開放に近い状態となる。
【0084】
これにより、上記高インピーダンスが第3伝送線路23により低インピーダンスに変換され、接続点16から高周波回路20側を見たときのインピーダンス状態は、低インピーダンスとなる。このため、入力端子11から入力された高周波信号は、接続点16で反射され、出力端子12に伝達されない。
【0085】
一方、制御信号入力端子21に、高周波トランジスタ24をオン状態に切り替える制御信号が入力されて、高周波トランジスタ24がオン状態に切り換わるとする。この場合、高周波トランジスタ24の第1導通端子は低インピーダンスとなり、第3伝送線路23により高インピーダンスに変換される。このため、接続点16から高周波回路20側を見たときのインピーダンス状態は、高インピーダンスとなる。
【0086】
ここで、十分に高インピーダンスとなっていれば、入力端子11から入力された高周波信号は、損失なく出力端子12に伝達される。しかし、実際は、第4伝送線路25およびインダクタンス26で示したように、スルーホールやビアホール部分のインダクタンス成分や、高周波トランジスタ24での容量成分などの影響を受けて、十分に高インピーダンスとならない。それゆえ、高周波信号の通過損失が大きくなってしまう。
【0087】
これに対し、本実施の形態のASK変調回路10では、高周波信号の通過損失を低減することが可能となっている。続いて、具体例を挙げて、本実施の形態のASK変調回路10が奏する作用および効果について詳細に説明する。
【0088】
先ず、図2および3を参照しながら、本実施の形態のASK変調回路10において、スルーホールやビアホール部分のインダクタンス成分や、高周波トランジスタ24での容量成分などの影響が生じている点について説明する。その後、図4〜7を参照しながら、上記影響によるインピーダンスの低下を抑制し、高周波信号の通過損失を低減している点について説明する。
【0089】
図2は、ASK変調回路10の構成のうち高周波回路20を抜き出した図である。なお、図2では、高周波回路20の特性を見る地点として、接続点16に接続される端子11aを設けている。
【0090】
図3は、図2に示す高周波回路20の回路構成において、端子11aから見た反射特性S11を示すスミスチャートである。なお、矢印OFFおよび矢印ONで示した位置は、動作周波数が60GHzでの反射特性を示している。
【0091】
図3に示す反射特性S11を測定する際、高周波回路20は、基板厚み100μmのGaAs基板上に形成した。また、高周波トランジスタ24として、ゲート長が0.15μmおよびゲート幅が50μmで、2フィンガーのHEMTを用いた。ビアホールと高周波トランジスタ24との接続長を示す第4伝送線路25は、線路幅が50μmで、長さが10μmとした。ビアホールのインダクタンス成分を表すインダクタンス26は、28pHとした。
【0092】
また、第3伝送線路23は、線路幅が50μmで、長さが90μmとした。これは、高周波トランジスタ24のゲート端子に、−1Vが印加されオフ状態のとき、端子11aから高周波回路20側を見たインピーダンスが、動作周波数60GHzにおいて低インピーダンスとなるようにするため設定した。それゆえ、高周波トランジスタ24がオフ状態のとき、図3の矢印OFFに示すように、端子11aから高周波回路20側を見たインピーダンスは、低インピーダンスとなっている。
【0093】
一方、第3伝送線路23の長さを同様に90μmとし、高周波トランジスタ24のゲート端子を0Vとして、高周波トランジスタ24をオン状態にした。ここで、高周波トランジスタ24がオン状態のとき、図3に示すように、第3伝送線路23や寄生インダクタンス成分の影響を受けて、実軸上の低インピーダンスの地点から位相が回転していることがわかる。しかし、図3の矢印ONに示すように、回転量が小さく高インピーダンスには変換されていない。それゆえ、高周波トランジスタ24がオン状態のとき、端子11aから高周波回路20側を見たインピーダンスは、十分に高インピーダンスとならない。
【0094】
ここで、本実施の形態のASK変調回路10は、接続点16に接続される先端開放伝送線路15を備えている。これにより、上記影響によるインピーダンスの低下を抑制することが可能となっている。
【0095】
図4は、図2に示した高周波回路20に、先端開放伝送線路15をさらに設けた図である。なお、図4では、高周波回路20の特性を見る地点として、接続点16に接続される端子11bを設けている。
【0096】
図5は、図4に示す先端開放伝送線路15および高周波回路20の回路構成において、端子11bから見た反射特性S11を示すスミスチャートである。なお、矢印OFFおよび矢印ONで示した位置は、動作周波数が60GHzでの反射特性を示している。
【0097】
図5に示す反射特性S11を測定する際、GaAs基板、第3伝送線路23、高周波トランジスタ24、第4伝送線路25、およびインダクタンス26のパラメータは、図3に示す反射特性S11を測定したときと同様とした。また、先端開放伝送線路15は、線路幅が50μmで、長さが200μmとした。
【0098】
高周波トランジスタ24がオフ状態のとき、図5の矢印OFFに示すように、端子11bから高周波回路20側を見たインピーダンスは、先端開放伝送線路15を設けなかった場合とほぼ同じ、低インピーダンスとなっている。
【0099】
一方、高周波トランジスタ24がオン状態のとき、図5の矢印ONに示すように、端子11bから高周波回路20側を見たインピーダンスは、実軸上の高インピーダンスに変換されていることがわかる。
【0100】
続いて、図1に示したASK変調回路10における、高周波トランジスタ24がオン状態での通過特性S21と反射特性S11とを示すグラフを、図6に示す。図6では、縦軸が通過特性S21および反射特性S11(dB)を示し、横軸が周波数(GHz)を示し、実線が、先端開放伝送線路15を設ける場合の通過特性S21および反射特性S11を示し、破線が、先端開放伝送線路15を設けない場合の通過特性S21および反射特性S11を示している。
【0101】
図6に示す通過特性S21および反射特性S11を測定する際、GaAs基板、第3伝送線路23、高周波トランジスタ24、第4伝送線路25、およびインダクタンス26のパラメータは、図3に示す反射特性S11を測定したときと同様とし、先端開放伝送線路15は、図5に示す反射特性S11を測定したときと同様とした。また、第1伝送線路13および第2伝送線路14は、線路幅が50μmで、長さが10μmとした。
【0102】
図6を参照すると、通過特性S21は、先端開放伝送線路15を設けない場合よりも先端開放伝送線路15を設ける場合の方が向上している。また、反射特性S11は、先端開放伝送線路15を設けない場合よりも先端開放伝送線路15を設ける場合の方が低減している。よって、先端開放伝送線路15を設けることにより、通過損失が低減し、リターンロスが改善していることが認められる。
【0103】
また、図1に示したASK変調回路10における、高周波トランジスタ24がオフ状態での通過特性S21と反射特性S11とを示すグラフを、図7に示す。図7では、縦軸が通過特性S21および反射特性S11(dB)を示し、横軸が周波数(GHz)を示し、実線が、先端開放伝送線路15を設ける場合の通過特性S21および反射特性S11を示し、破線が、先端開放伝送線路15を設けない場合の通過特性S21および反射特性S11を示している。
【0104】
図7を参照すると、動作周波数60GHzにおいて、通過特性S21および反射特性S11共に、先端開放伝送線路15を設けても設けなくてもほとんど変化しないことが認められる。よって、ASK変調回路10では、高周波トランジスタ24がオフ状態での通過特性S21および反射特性S11に影響を与えずに、先端開放伝送線路15を設けることによって、高周波トランジスタ24がオン状態での通過特性S21および反射特性S11を良好にすることが可能となる。
【0105】
以上により、本実施の形態のASK変調回路10は、高周波信号を伝達する入力端子11から出力端子12までの主伝送線路上の一点と接地との間に、上記主伝送線路側から、第3伝送線路23、高周波トランジスタ24がこの順番に設けられた高周波回路20を具備し、制御信号に基づいて高周波トランジスタ24のオン/オフ状態を切り替えることによって、上記高周波信号の振幅を変化させるものであり、上記主伝送線路と高周波回路20とが接続される接続点16に、先端開放伝送線路15を備える構成を有している。
【0106】
上記の構成によれば、高周波トランジスタ24がオフ状態のとき、接続点16から高周波回路20側を見たインピーダンスを略短絡(低インピーダンス)とすることにより、主伝送線路を伝達する高周波信号の通過量を小さくする。
【0107】
逆に、高周波トランジスタ24がオン状態のとき、接続点16から高周波回路20側を見たインピーダンスを高インピーダンスとする。
【0108】
ところが、例えば、ミリ波帯などのように高周波数になるにつれて、高周波回路20におけるインダクタンス成分や容量成分の影響を受けて、接続点16から高周波回路20側を見たインピーダンスは、十分に高インピーダンスとならない。
【0109】
これに対し、本実施の形態のASK変調回路10は、主伝送線路上の接続点16に先端開放伝送線路15を備えることにより、先端開放伝送線路15によってインピーダンスが変化する。それゆえ、先端開放伝送線路15と高周波回路20とからなる合成インピーダンスを高インピーダンスとすることが可能となる。よって、上記影響によるインピーダンスの低下を抑制し、高周波信号の通過損失を低減することが可能となる。
【0110】
よって、ミリ波帯においても、高周波トランジスタ24がオン状態のときの高周波信号の通過量と、オフ状態のときの高周波信号の通過量との差を大きくすることが可能となる。すなわち、オン/オフ比を向上させることが可能となる。
【0111】
したがって、本実施の形態のASK変調回路10は、高周波信号の通過損失を低減し、オン/オフ比を改善することが可能となる。また、本実施の形態のASK変調回路10は、高周波回路20と先端開放伝送線路15とを、主伝送線路上の同じ部分(接続点16)に接続する構成であるため、回路の小型化に有利となる。
【0112】
また、本実施の形態のASK変調回路10では、接続点16から高周波回路20側を見たインピーダンスの切り替えを、高周波トランジスタ24のオン/オフを切り替えることにより実施している。これにより、高周波トランジスタ24の制御端子に供給する電圧信号または電流信号などを制御するだけで、接続点16から高周波回路20側を見たインピーダンスの値を容易に切り替えることが可能となる。
【0113】
なお、高周波トランジスタ24を用いているが、これに限らず、例えば、ダイオードなどを用いてもよい。
【0114】
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施の形態について図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本実施の形態において説明すること以外の構成は、前記実施の形態1と同じである。また、説明の便宜上、前記の実施の形態1の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0115】
図8は、本実施の形態のASK変調回路30の一構成例を示す回路図である。
【0116】
本実施の形態のASK変調回路30は、図8に示すように、入力端子11、出力端子12、第1伝送線路13aおよび13b、第2伝送線路14、先端開放伝送線路15aおよび15b、制御信号入力端子21、並びに、高周波回路20aおよび20bを備えている。
【0117】
入力端子11、第1伝送線路13a、第2伝送線路14、第1伝送線路13b、出力端子12は、この順番に直列に接続されている。高周波信号は、入力端子11に入力され、第1伝送線路13a、第2伝送線路14、および第1伝送線路13bを介して、出力端子12からASK変調された変調信号として出力される。ここで、入力端子11、第1伝送線路13a、第2伝送線路14、第1伝送線路13b、および出力端子12により構成される経路を、ASK変調回路30における主伝送経路とする。
【0118】
また、第1伝送線路13aと第2伝送線路14との間の接続点16aに、先端開放伝送線路15aおよび高周波回路20aが接続され、第2伝送線路14と第1伝送線路13bとの間の接続点16bに、先端開放伝送線路15bおよび高周波回路20bが接続されている。
【0119】
つまりは、ASK変調回路30では、前記実施の形態のASK変調回路10の第1伝送線路13、先端開放伝送線路15、および高周波回路20を2個ずつ備える構成を有している。なお、制御信号入力端子21には、高周波回路20aおよび20bが、共通に接続されている。
【0120】
続いて、ASK変調回路30における、第2伝送線路14の線路長に対する高周波トランジスタ24aおよび24bがオン/オフ状態での、動作周波数60GHzにおける通過特性S21を示すグラフを、図9に示す。図9では、縦軸が通過特性S21(dB)を示し、横軸が第2伝送線路14の線路長(μm)を示し、実線が、先端開放伝送線路15aおよび15bを設ける場合の通過特性S21を示し、破線が、先端開放伝送線路15aおよび15bを設けない場合の通過特性S21を示している。
【0121】
図9に示す通過特性S21を測定する際、ASK変調回路30は、基板厚み100μmのGaAs基板上に形成した。また、第3伝送線路23aおよび23b、高周波トランジスタ24aおよび24b、第4伝送線路25aおよび25b、並びに、インダクタンス26aおよび26bのパラメータは、図3に示す反射特性S11を測定したときと同様とし、先端開放伝送線路15aおよび15bは、図5に示す反射特性S11を測定したときと同様とした。第1伝送線路13aおよび13bは、線路幅が50μmで、長さが10μmとした。
【0122】
図9を参照すると、高周波トランジスタ24aおよび24bがオン状態のとき、通過特性S21は、先端開放伝送線路15aおよび15bを設けない場合よりも、先端開放伝送線路15aおよび15bを設ける場合の方が向上している。よって、先端開放伝送線路15aおよび15bを設けることにより、通過損失が低減し、リターンロスが改善していることがわかる。
【0123】
一方、高周波トランジスタ24aおよび24bがオフ状態のとき、通過特性S21は、先端開放伝送線路15aおよび15bを設けてもほとんど変化しないことが認められる。よって、ASK変調回路30では、高周波トランジスタ24aおよび24bがオフ状態での通過特性S21に影響を与えずに、先端開放伝送線路15aおよび15bを設けることによって、高周波トランジスタ24aおよび24bがオン状態での通過特性S21を良好にすることが可能となる。
【0124】
また、図9に示すように、第2伝送線路14の線路長が400μmから500μmのとき、すなわち、動作周波数の略4分の1波長の長さのとき、オン/オフ比が大きく取れることがわかる。
【0125】
これは、第2伝送線路14の線路長が、動作周波数の略4分の1波長の長さの場合、高周波トランジスタ24aおよび24bがオフ状態で、主伝送線路と高周波回路との接続点が略短絡のとき、接続点16aから接続点16bを見たインピーダンス、および、接続点16bから接続点16aを見たインピーダンスは高インピーダンスに変換される。このため、高周波信号をより減衰させることが可能となるためである。
【0126】
また、第2伝送線路14の線路長が100μmから400μmのときの、通過特性S21の改善効果が大きい。それゆえ、ASK変調回路30は、小型化に有利となる。
【0127】
また、本実施の形態のASK変調回路30では、前記実施の形態のASK変調回路10の先端開放伝送線路15および高周波回路20を2個ずつ備える構成を有していたが、これに限らない。
【0128】
つまりは、主伝送線路上における所定の間隔だけ離れた複数の位置(接続点16a、16b、16c、・・・)に、先端開放伝送線路15および高周波回路20を1セットとしたものを、それぞれ備えてもよい。これにより、オン/オフ比をさらに向上することが可能となる。また、上記所定の間隔は、すなわち第2伝送線路14の線路長を示しており、上述したように、動作周波数の略4分の1波長の長さが好適である。
【0129】
〔実施の形態3〕
本発明の他の実施の形態について図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本実施の形態において説明すること以外の構成は、前記実施の形態1および2と同じである。また、説明の便宜上、前記の実施の形態1および2の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0130】
図10は、本実施の形態のASK変調回路40の一構成例を示す回路図である。
【0131】
本実施の形態のASK変調回路40は、図10に示すように、前記実施の形態2のASK変調回路30の構成に加えて、第5伝送線路41aおよび41b(第2の伝送線路)、並びに、キャパシタ42aおよび42b(容量素子)を備えている。
【0132】
第5伝送線路41aおよび41bは、動作周波数の略4分の1波長の長さを有している。第5伝送線路41aは、一方の端子が、高周波トランジスタ24aの制御端子に接続され、他方の端子が、抵抗22aに接続されると共に、キャパシタ42aを介して接地されている。第5伝送線路41bは、一方の端子が、高周波トランジスタ24bの制御端子に接続され、他方の端子が、抵抗22bに接続されると共に、キャパシタ42bを介して接地されている。なお、第5伝送線路41aおよび41bの構成および作用効果は同様であるので、以下では、代表して第5伝送線路41aについて述べる。
【0133】
前記実施の形態2のASK変調回路30は、高周波トランジスタ24aの制御端子に、抵抗22aを介して制御信号を供給する構成であったのに対し、本実施の形態のASK変調回路40は、高周波トランジスタ24aの制御端子に、抵抗22aおよび第5伝送線路41aを介して制御信号を供給する構成としている。
【0134】
上記の構成によれば、第5伝送線路41aが、高周波信号の略4分の1波長の長さを有することにより、他方の端子がキャパシタ42aを介して接地されている。このため、例えば、半導体基板上では、材質、デザインルールや限られたレイアウト面積のために、高抵抗を形成することが難しい場合であっても、高周波トランジスタ24aの制御端子から第5伝送線路41a側を見たインピーダンスを、高インピーダンスにすることが可能となる。
【0135】
これにより、高周波トランジスタ24aの、例えば、ゲート−ソース間容量やゲート−ドレイン容量を介して、ゲート端子から高周波信号が漏れ出すのを防止することが可能となり、通過損失を低減することが可能となる。
【0136】
〔実施の形態4〕
本発明の他の実施の形態について図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本実施の形態において説明すること以外の構成は、前記実施の形態1〜3と同じである。また、説明の便宜上、前記の実施の形態1〜3の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0137】
図11は、本実施の形態のASK変調回路50の一構成例を示すブロック図である。
【0138】
本実施の形態のASK変調回路50は、前記実施の形態1〜3のASK変調回路10、30または40を用いたASK変調部60に、データ信号を供給する手段をさらに構成している。
【0139】
本実施の形態のASK変調回路50は、図11に示すように、データ入力端子51、データ信号供給回路61(制御信号供給手段、データ信号供給手段)、直流電圧供給回路62(制御信号供給手段、直流電圧供給手段、制御信号入力端子21、入力端子11、出力端子12、およびASK変調部60を備えている。
【0140】
データ信号供給回路61は、キャパシタ52(阻止手段)、振幅制限増幅器53(増幅手段)、ローパスフィルタ(LPF)54(抽出手段)、減衰器(アッテネータ)55(減衰手段)、およびキャパシタ56により構成されている。
【0141】
直流電圧供給回路62は、直流電圧を供給できる構成であればよく、例えば、チョークインダクタ57と直流電源58とにより構成される。
【0142】
上記の構成によれば、データ入力端子51によりデータ信号が入力され、キャパシタ52により直流成分が阻止される。そして、キャパシタ52を通過したデータ信号は、振幅制限増幅器53により一定の振幅にされ、LPF54により不要な高周波成分が取り除かれる。その後、LPF54を通過したデータ信号は、減衰器55により所望の振幅にされ、キャパシタ56を介して、直流電圧供給回路62からの直流信号と合成される。このデータ信号が、制御信号となって、制御信号入力端子21を介して、ASK変調部60に供給される。
【0143】
これにより、データ入力端子51に入力されるデータ信号の振幅が、配線の損失などによって所定値から変動した場合であっても、振幅制限増幅器53によって変動が吸収される。このため、ASK変調部60の制御信号入力端子21に、一定振幅のデータ信号が入力される。
【0144】
よって、安定した変調度を実現することが可能になるため、安定した通信状態を確保することが可能となる。なお、上記所望の振幅は、安定した変調度を実現するために必要な振幅を設計に応じて決定すればよい。
【0145】
また、キャパシタ56を通過した時点のデータ信号に、直流電圧供給回路62からの直流信号を重畳することにより、ASK変調部60における高周波トランジスタ24の動作点(バイアス点)を調節することが可能となる。よって、ASK変調回路50における、オン/オフ比の調整や挿入損失を低減することが可能となる。
【0146】
また、本実施の形態のASK変調回路50では、データ信号供給回路61および直流電圧供給回路62を備える構成としたが、これに限らず、ASK変調回路内の制御信号を供給する構成に応じて、好適な構成とすることができる。
【0147】
〔実施の形態5〕
本発明の他の実施の形態について図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本実施の形態において説明すること以外の構成は、前記実施の形態1〜4と同じである。また、説明の便宜上、前記の実施の形態1〜4の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0148】
図12は、本実施の形態の送信装置70の一構成例を示すブロック図である。
【0149】
本実施の形態の送信装置70は、図12に示すように、発振回路71、周波数逓倍回路72、ASK変調回路73、フィルタ回路74、増幅回路75、およびアンテナ76を備えている。
【0150】
発振回路71は、一定の周波数および振幅の信号を出力できる構成であればよく、例えば、DRO(Dielectric Resonator Oscillator)などを用いることができる。
【0151】
また、ASK変調回路73は、前記実施の形態1〜4のASK変調回路10、30、40および50や、前記実施の形態1〜3のASK変調回路10、30または40にデータ信号を供給する手段をさらに構成した回路などを用いる。
【0152】
上記の構成によれば、発振回路71により生成された信号は周波数逓倍回路72により逓倍され、搬送波信号が生成される。搬送波信号は、ASK変調回路73において入力されたデータ信号によって変調され、フィルタ回路74により不要な信号が除去される。そして、フィルタ回路74を通過した変調信号は、増幅回路75によって増幅され、アンテナ76により送信される。
【0153】
これにより、ASK変調回路73を備えることにより、ミリ波帯域においても、通過損失を低減したASK変調を行うことが可能となる。
【0154】
また、ASK変調回路73は簡単な構成であるので、送信装置70におけるASK変調回路73に隣接する構成回路(発振回路71、周波数逓倍回路72、およびフィルタ回路74など)を、ASK変調回路と共に集積化する場合であっても、チップ面積の増加を抑制することが可能となる。よって、送信装置70を小型化することが可能となる。
【0155】
また、周波数逓倍回路72は、発振回路71から生成された信号を逓倍し、さらに増幅する機能を有していてもよい。
【0156】
なお、本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0157】
本発明は、スイッチ回路により高周波信号の振幅をデータ信号に基づいて変化させるASK変調回路に適用できるが、これに限らず、他の分野にも適用できる。例えば、制御信号を供給することによって、スイッチ回路のオン/オフを切り替えることにより、信号の通過/反射を切り替えるような回路にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0158】
【図1】本発明におけるASK変調回路の実施の一形態を示す回路図である。
【図2】上記ASK変調回路における高周波回路の構成を示す回路図である。
【図3】図2の構成に対応する反射特性を示すスミスチャートである。
【図4】上記ASK変調回路における高周波回路および先端開放伝送線路の構成を示す回路図である。
【図5】図4の構成に対応する反射特性を示すスミスチャートである。
【図6】上記ASK変調回路における通過特性および反射特性を示すグラフである。
【図7】上記ASK変調回路における通過特性および反射特性を示すグラフである。
【図8】本発明におけるASK変調回路の他の実施の形態を示す回路図である。
【図9】上記ASK変調回路における通過特性を示すグラフである。
【図10】本発明におけるASK変調回路のさらに他の実施の形態を示す回路図である。
【図11】本発明におけるASK変調回路のさらに他の実施の形態を示すブロック図である。
【図12】本発明における送信装置の実施の一形態を示すブロック図である。
【図13】従来のスイッチ回路の構成を示す回路図である。
【符号の説明】
【0159】
10,30,40,50 ASK変調回路
11 入力端子
12 出力端子
13,13a,13b 第1伝送線路
14 第2伝送線路
15,15a,15b 先端開放伝送線路
16,16a,16b 接続点
20,20a,20b 高周波回路
21 制御信号入力端子
22,22a,22b 抵抗
23,23a,23b 第3伝送線路(第1の伝送線路)
24,24a,24b 高周波トランジスタ(非線形素子)
25,25a,25b 第4伝送線路
26,26a,26b インダクタンス
41a,41b 第5伝送線路(第2の伝送線路)
42a,42b キャパシタ(容量素子)
51 データ入力端子
52 キャパシタ(阻止手段)
53 振幅制限増幅器(増幅手段)
54 ローパスフィルタ(抽出手段)
55 減衰器(減衰手段)
60 ASK変調部(ASK変調回路)
61 データ信号供給回路(制御信号供給手段、データ信号供給手段)
62 直流電圧供給回路(制御信号供給手段、直流電圧供給手段)
70 送信装置
73 ASK変調回路
S11 反射特性
S21 通過特性

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高周波信号を伝達する主伝送線路上の一点と接地との間に、上記主伝送線路側から、第1の伝送線路、および非線形素子がこの順番に設けられた高周波回路を具備し、制御信号に基づいて上記非線形素子の動作状態を切り替えることによって、上記高周波信号の振幅を変化させるASK変調回路であって、
上記主伝送線路と上記高周波回路とが接続される接続点に、先端開放伝送線路を備えることを特徴とするASK変調回路。
【請求項2】
高周波信号を伝達する主伝送線路上の一点と接地との間に、上記主伝送線路側から、第1の伝送線路、および非線形素子がこの順番に設けられた高周波回路を具備し、制御信号に基づいて上記非線形素子の動作状態を切り替えることによって、上記高周波信号の振幅を変化させるASK変調回路であって、
上記高周波回路は、上記主伝送線路上における所定の間隔だけ離れた複数の位置に具備されており、
上記主伝送線路と上記複数の位置に具備された高周波回路とが接続される複数の接続点に、先端開放伝送線路をそれぞれ備えることを特徴とするASK変調回路。
【請求項3】
上記非線形素子は、高周波トランジスタであることを特徴とする請求項1または2に記載のASK変調回路。
【請求項4】
上記第1の伝送線路は、一方の端子が上記主伝送線路上の一点に接続され、他方の端子が上記高周波トランジスタの第1導通端子に接続され、
上記高周波トランジスタは、制御端子に上記制御信号が供給され、第2導通端子が接地されていることを特徴とする請求項3に記載のASK変調回路。
【請求項5】
上記所定の間隔は、動作周波数の略4分の1波長の長さであることを特徴とする請求項2に記載のASK変調回路。
【請求項6】
上記非線形素子に、上記制御信号を供給する制御信号供給手段を備えることを特徴とする請求項1または2に記載のASK変調回路。
【請求項7】
上記高周波トランジスタの制御端子にデータ信号を供給するデータ信号供給手段と、
上記高周波トランジスタの制御端子に直流電圧を供給する直流電圧供給手段とを備えることを特徴とする請求項3に記載のASK変調回路。
【請求項8】
上記高周波トランジスタの制御端子と、上記データ信号供給手段および上記直流電圧供給手段との間に、抵抗を設けることを特徴とする請求項7に記載のASK変調回路。
【請求項9】
上記高周波信号の略4分の1波長の長さを有し、一方の端子が上記高周波トランジスタの制御端子に接続され、他方の端子が容量素子を介して接地された第2の伝送線路と、
上記第2の伝送線路の他方の端子にデータ信号を供給するデータ信号供給手段と、
上記第2の伝送線路の他方の端子に直流電圧を供給する直流電圧供給手段とを備えることを特徴とする請求項3に記載のASK変調回路。
【請求項10】
上記データ信号供給手段は、
入力されたデータ信号の直流成分を阻止する阻止手段と、
上記阻止手段から出力されたデータ信号の振幅を一定値にする増幅手段と、
上記増幅手段から出力されたデータ信号の不要な信号成分を取り除く抽出手段と、
上記抽出手段から出力されたデータ信号の振幅を所定の値にする減衰手段とを備えることを特徴とする請求項7または9に記載のASK変調回路。
【請求項11】
高周波信号をASK変調するASK変調回路を備え、当該ASK変調回路から出力された変調信号を送信する送信装置であって、
上記ASK変調回路は、請求項1〜10のいずれか1項に記載のASK変調回路であることを特徴とする送信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−252833(P2008−252833A)
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−94996(P2007−94996)
【出願日】平成19年3月30日(2007.3.30)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成18年度総務省「電波資源拡大のための研究開発」のうち、「ミリ波帯無線装置の低コスト化の小型ワンチップモジュール化技術の研究開発」委託研究、産業再生法第30条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】