説明

ASK復調回路

【課題】ASK信号の無入力時のノイズ入力による誤動作の防止と、構成の簡単化とを図ることができるASK復調回路を提供する。
【解決手段】ASK信号S1の無入力時は、論理値判定レベルV11として、基準レベルV7(ASK信号S1として許容最小振幅のASK信号が入力された場合にローパスフィルタ4が出力するASK検波信号S4のピーク値と同一レベル)の1/2の電圧をコンパレータ12に与える。ASK信号S1の入力時において、ASK信号S1の振幅が許容最小振幅より大きい場合には、ピークホールド回路8のピークホールド電圧V8(=ローパスフィルタ4が出力するASK検波信号S4のピーク値)の1/2の電圧を論理値判定レベルV11としてコンパレータ12に与える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ASK(Amplitude Shift Keying:振幅変調)信号(ASK被変調波)を復調するASK復調回路に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ASK復調回路として、ASK信号を検波したASK検波信号をコンパレータで波形整形することにより、ASK変調回路でASK変調された2値信号を再生するものが知られている。
【特許文献1】特開2004−56458号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、ASK信号の無入力時のノイズ入力による誤動作の防止と、構成の簡単化とを図ることができるASK復調回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本出願で開示するASK復調回路は、ASK信号を検波してASK検波信号を出力する検波回路と、基準レベルを生成する基準レベル生成回路と、前記ASK検波信号を入力する第1のピークホールド回路と、前記第1の基準レベルを入力する第2のピークホールド回路と、前記第1のピークホールド回路の出力電圧と前記第2のピークホールド回路の出力電圧のうち、大きい方の電圧に基づいた論理値判定レベルを生成する論理値判定レベル生成回路と、前記ASK検波信号のレベルと前記論理値判定レベルとを比較し、前記ASK検波信号を2値化するコンパレータとを有する、というものである。
【発明の効果】
【0005】
開示したASK復調回路においては、前記ASK信号の無入力時は、前記検波回路から前記ASK検波信号が出力されず、前記第1のピークホールド回路に前記ASK検波信号が入力されないので、前記第2のピークホールド回路の出力電圧に基づいた電圧が前記論理値判定レベルとして前記コンパレータに与えられる。したがって、ノイズが入力されたとしても、前記コンパレータに入力するノイズのレベルが前記論理値判定レベル以下又は未満であれば、ノイズ入力による誤動作を防止することができる。
【0006】
前記ASK信号の入力時は、前記検波回路から前記ASK検波信号が出力され、前記第1のピークホールド回路には前記ASK検波信号が入力されるので、前記ASK検波信号のレベルが前記基準レベルよりも高い場合には、前記第1のピークホールド回路の出力電圧(前記ASK検波信号のピーク値)に基づいた電圧が前記論理値判定レベルとして前記コンパレータに与えられる。即ち、前記論理値判定レベルを前記ASK信号の振幅に応じて自動設定することができる。したがって、種々の電圧値から前記論理値判定レベルを選択するスイッチ回路を設ける必要がなく、構成の簡単化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、図1〜図12を参照して、本発明の第1実施形態及び第2実施形態について説明する。本発明は、第1実施形態及び第2実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の形態をとり得るものである。
【0008】
(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態を示す回路図である。図1中、1は入力端子、2は相補化回路、3は2乗回路(第1の2乗回路)、4はローパスフィルタ、5は基準レベル生成回路(第2の基準レベル生成回路)、6は2乗回路(第2の2乗回路)、7は電流/電圧変換回路、8はピークホールド回路(第1のピークホールド回路)、9はピークホールド回路(第2のピークホールド回路)、10はピークホールド電圧合成ノード、11は論理値判定レベル生成回路、12はコンパレータ、13は出力端子である。
【0009】
入力端子1は、復調対象のASK信号S1(第1のASK信号)が与えられるものである。相補化回路2は、入力端子1に与えられるASK信号S1を入力して相補化し、ASK信号S1と同相のASK信号S2(第2のASK信号)と、ASK信号S1と逆相のASK信号S2x(第3のASK信号)とを出力するものである。2乗回路3は、相補化回路2が出力するASK信号S2、S2xを入力して2乗演算を行い、電流信号I3を出力するものである。ローパスフィルタ4は、2乗回路3が出力する電流信号I3からキャリア信号を除去して電圧信号であるASK検波信号S4を出力するものである。本例では、相補化回路2と、2乗回路3と、ローパスフィルタ4とで、検波回路が構成されている。
【0010】
基準レベル生成回路5は、NMOSトランジスタの閾値電圧Vth-nとASK信号S1に要求される最小振幅電圧Vfixとを合成した電圧(Vth-n+Vfix)を基準レベルV5(第2の基準レベル)として生成するものである。2乗回路6は、基準レベル生成回路5が出力する基準レベルV5を入力して2乗演算を行い、電流I6を出力するものである。電流/電圧変換回路7は、2乗回路6が出力する電流I6を電圧変換し、その電圧を1/2にした電圧を基準レベルV7(第1の基準レベル)として出力するものである。本例では、基準レベル生成回路5と、2乗回路6と、電流/電圧変換回路7とで、第1の基準レベル生成回路が構成されている。
【0011】
ピークホールド回路8は、ローパスフィルタ4が出力するASK検波信号S4を入力してピークホールド動作を行うものである。ピークホールド回路9は、電流/電圧変換回路7が出力する基準レベルV7を入力してピークホールド動作を行うものである。ピークホールド電圧合成ノード10は、ピークホールド回路8のピークホールド電圧V8とピークホールド回路9のピークホールド電圧V9とを合成し、ピークホールド電圧V8とピークホールド電圧V9のうち、大きい方の電圧を得るためのものである。論理値判定レベル生成回路11は、ピークホールド電圧合成ノード10に得られる電圧を1/2に分圧し、ローパスフィルタ4が出力するASK検波信号S4の論理値を判定するために使用する論理値判定レベルV11を生成するものである。
【0012】
コンパレータ12は、ASK検波信号S4のレベルと、論理値判定レベルV11とを比較し、ASK検波信号S4のレベル≧論理値判定レベルV11のときは、H(高)レベル信号を出力し、ASK検波信号S4<論理値判定レベルV11のときは、L(低)レベル信号を出力することにより、ASK検波信号S4を波形整形して、要求されるレベルに2値化し、ASK変調回路でASK変調された2値信号S12を再生するものである。出力端子13は、コンパレータ12から2値信号S12が出力されるものである。
【0013】
図2は相補化回路2の構成を示す回路図である。相補化回路2において、16は入力端子、17はボルテージホロア回路、18は反転増幅回路、19、20は出力端子である。ボルテージホロア回路17は、ASK信号S1を入力し、ASK信号S1と同相のASK信号S2を出力するものであり、オペアンプ21で構成されている。オペアンプ21は、非反転入力端子を入力端子16に接続し、出力端子を反転入力端子に接続している。ボルテージホロア回路17が出力するASK信号S2は、出力端子19及び反転増幅回路18に与えられる。
【0014】
反転増幅回路18は、ボルテージホロア回路17が出力するASK信号S2を反転して逆相のASK信号S2xを生成するものであり、オペアンプ22と、抵抗値を同一とする抵抗23、24と、電圧源25とで構成されている。抵抗23は、オペアンプ21の出力端子とオペアンプ22の反転入力端子との間に接続されている。抵抗24は、オペアンプ22の反転入力端子と出力端子との間に接続されている。電圧源25は、オペアンプ22の非反転入力端子と接地との間に接続されている。反転増幅回路18が出力するASK信号S2xは、出力端子20に与えられる。
【0015】
図3は2乗回路3及びローパスフィルタ4の構成を示す回路図である。2乗回路3において、28、29は入力端子、30、31はコンデンサ、32は2乗演算部、33はカレントミラー回路、34はバイアス回路、35、36は抵抗、37はコンデンサ、38は出力端子である。入力端子28は、ASK信号S2が与えられるものであり、相補化回路2の出力端子19に接続されている。入力端子29は、ASK信号S2xが与えられるものであり、相補化回路2の出力端子20に接続されている。30、31は直流阻止用のものである。
【0016】
2乗演算部32は、ASK信号S2、S2xを並列入力して2乗演算を行うものであり、39、40は同一特性のNMOSトランジスタである。NMOSトランジスタ39は、ドレインをノード41に接続し、ゲートをコンデンサ30を介して入力端子28に接続し、ソースを接地している。NMOSトランジスタ40は、ドレインをノード41に接続し、ゲートをコンデンサ31を介して入力端子29に接続し、ソースを接地している。ここで、NMOSトランジスタ39のドレイン電流をID39、NMOSトランジスタ40のドレイン電流をID40、ASK信号S2の電圧値をV2とすると、ID39+ID40=k・(V2)2となる。但し、kは係数である。
【0017】
カレントミラー回路33は、2乗演算部32に流れる電流(ID39+ID40)と同一電流値の電流信号I3をローパスフィルタ4に出力するものであり、42は電源電圧VDDを供給するVDD電源線、43、44はPMOSトランジスタである。PMOSトランジスタ43は、ソースをVDD電源線42に接続し、ゲートをドレインに接続し、ドレインをノード41に接続している。PMOSトランジスタ44は、ソースをVDD電源線42に接続し、ゲートをPMOSトランジスタ43のゲートに接続し、ドレインを出力端子38に接続している。
【0018】
バイアス回路34は、NMOSトランジスタ39、40のゲートにバイアス電圧を供給するものであり、45はVDD電源線、46、47は電流源、48〜50はNMOSトランジスタ、51は出力ノードである。電流源46は、VDD電源線45とノード52との間に接続されている。NMOSトランジスタ48は、ゲートをドレインに接続し、ドレインをノード52に接続している。NMOSトランジスタ49は、ゲートをドレインに接続し、ドレインをNMOSトランジスタ48のソースに接続し、ソースを接地している。NMOSトランジスタ50は、ドレインをVDD電源線45に接続し、ゲートをノード52に接続し、ソースを出力ノード51に接続している。電流源47は、NMOSトランジスタ50のソースと接地との間に接続されている。
【0019】
バイアス回路34においては、ノード52の電圧=NMOSトランジスタ48の閾値電圧(Vth-n)+NMOSトランジスタ49の閾値電圧(Vth-n)=2×Vth-nとなり、出力ノード51の電圧=ノード52の電圧(2×Vth-n)−NMOSトランジスタ50の閾値電圧(Vth-n)=Vth-nとなる。この結果、NMOSトランジスタ39のゲートには、抵抗35を介してバイアス電圧Vth-nが与えられ、NMOSトランジスタ40のゲートには、抵抗36を介してバイアス電圧Vth-nが与えられる。
【0020】
ローパスフィルタ4において、53は入力端子、54は抵抗、55はコンデンサ、56は出力端子である。入力端子53は、2乗回路3の出力端子38に接続されている。抵抗54とコンデンサ55とは並列接続され、入力端子53と出力端子56との接続点と接地との間に接続されている。出力端子56には2乗検波信号S4が出力される。
【0021】
図4は基準レベル生成回路5、2乗回路6及び電流/電圧変換回路7の構成を示す回路図である。基準レベル生成回路5において、58はVDD電源線、59、60は電流源、61〜63はNMOSトランジスタ、64は抵抗、65はコンデンサ、66は出力端子である。電流源59は、VDD電源線58とノード67との間に接続されている。NMOSトランジスタ61は、ゲートをドレインに接続し、ドレインをノード67に接続している。NMOSトランジスタ62は、ゲートをドレインに接続し、ドレインをNMOSトランジスタ61のソースに接続し、ソースを抵抗64を介して接地している。
【0022】
NMOSトランジスタ63は、ドレインをVDD電源線58に接続し、ゲートをノード67に接続し、ソースを出力端子66に接続している。電流源60は、NMOSトランジスタ63のソースと接地との間に接続されている。コンデンサ65は、出力端子66と接地との間に接続されている。
【0023】
ここで、電流源59による電流をI59、抵抗64の抵抗値をR64とすると、I5
9×R64=Vfix(ASK信号S1に要求される最小振幅電圧)となるように抵抗64の抵抗値R64を決定する。このようにすると、ノード67の電圧=NMOSトランジスタ61の閾値電圧(Vth-n)+NMOSトランジスタ62の閾値電圧(Vth-n)+抵抗64の両端間電圧(Vfix)=2×Vth-n+Vfixとなる。この結果、出力端子66に出力される基準レベルV5=ノード67の電圧(2×Vth-n+Vfix)−NMOSトランジスタ63の閾値電圧(Vth-n)=Vth-n+Vfixとなる。
【0024】
2乗回路6において、68は入力端子、69は2乗演算部、70はカレントミラー回路、71は出力端子である。入力端子68は、基準レベル生成回路5の出力端子66に接続されている。2乗演算部69は、基準レベルV5を入力して2乗演算を行うものであり、72はNMOSトランジスタである。NMOSトランジスタ72は、NMOSトランジスタ39、40と同一特性のものであり、ドレインをノード73に接続し、ゲートを入力端子68に接続し、ソースを接地している。本例の場合、基準レベル生成回路5が出力する基準レベルV5(=Vth-n+Vfix)のうち、電圧Vth-nがNMOSトランジスタ72のバイアス電圧となり、NMOSトランジスタ72においては、電圧Vfixについて2乗演算が行われる。NMOSトランジスタ72のドレイン電流をID72とすると、ID72=k・(Vfix)2となる。
【0025】
カレントミラー回路70は、NMOSトランジスタ72のドレイン電流ID72と同一電流値の電流I7を電流/電圧変換回路7に出力するものであり、74はVDD電源線、75、76はPMOSトランジスタである。PMOSトランジスタ75は、ソースをVDD電源線74に接続し、ゲートをドレインに接続し、ドレインをノード73に接続している。PMOSトランジスタ76は、ソースをVDD電源線74に接続し、ゲートをPMOSトランジスタ75のゲートに接続し、ドレインを出力端子71に接続している。この結果、2乗回路6は、ASK信号S1として許容最小振幅のASK信号が入力された場合に2乗回路3が出力する電流信号I3のピーク値を電流値とする電流I7を出力する。
【0026】
電流/電圧変換回路7において、77は入力端子、78、79は抵抗、80は出力端子である。入力端子77は、2乗回路6の出力端子71に接続されている。抵抗78、79は、同一抵抗値であり、入力端子77と接地との間に直列接続され、抵抗78と抵抗79との接続点は、出力端子80に接続されている。出力端子80には基準レベルV7が出力される。抵抗78、79の抵抗値は、ASK信号S1として許容最小振幅のASK信号が入力された場合に、基準レベルV7が、ローパスフィルタ4が出力するASK検波信号S4のピーク値と同一レベルとなるように決定される。
【0027】
図5はピークホールド回路8、9及び論理値判定レベル回路11の構成を示す回路図である。ピークホールド回路8は、オペアンプ83と、NMOSトランジスタ84と、コンデンサ85とで構成されている。オペアンプ83は、非反転入力端子をローパスフィルタ4の出力端子56に接続し、反転入力端子をNMOSトランジスタ84のソースに接続し、出力端子をNMOSトランジスタ84のゲートに接続している。NMOSトランジスタ84は、ドレインをVDD電源線89に接続し、ソースをピークホールド電圧合成ノード10に接続している。コンデンサ85は、ピークホールド電圧合成ノード10と接地との間に接続されている。
【0028】
ピークホールド回路9は、オペアンプ86と、NMOSトランジスタ87と、コンデンサ85とで構成されている。即ち、コンデンサ85は、ピークホールド回路8、9で共有されている。オペアンプ86は、非反転入力端子を電流/電圧変換回路7の出力端子80に接続し、反転入力端子をNMOSトランジスタ87のソースに接続し、出力端子をNMOSトランジスタ87のゲートに接続している。NMOSトランジスタ87は、ドレインをVDD電源線91に接続し、ソースをピークホールド電圧合成ノード10に接続している。
【0029】
論理値判定レベル生成回路11において、92は入力端子、93、94は抵抗、95は出力端子である。入力端子92は、ピークホールド電圧合成ノード10に接続されている。抵抗93、94は、同一抵抗値であり、入力端子92と接地との間に直列接続されている。抵抗93と抵抗94との接続点は、出力端子95に接続されている。出力端子95には論理値判定レベルV11が出力される。論理値判定レベルV11は、ピークホールド電圧合成ノード10の電圧の1/2となる。
【0030】
図6は相補化回路2、2乗回路3、ローパスフィルタ4及びピークホールド回路8の動作を説明するための波形図である。(A)は入力端子1に与えられるASK信号S1、(B)は相補化回路2が出力するASK信号S2、(C)は相補化回路2が出力するASK信号S2x、(D)は2乗回路3が出力する電流信号I3、(E)はローパスフィルタ4が出力するASK検波信号S4、(F)はピークホールド回路8が出力するピークホールド電圧V8を示している。
【0031】
即ち、入力端子1にASK信号S1が与えられると、相補化回路2は、ASK信号S1を入力して相補化し、ASK信号S1と同相のASK信号S2と、ASK信号S1と逆相のASK信号S2xを出力する。2乗回路3は、相補化回路2が出力するASK信号S2、S2xを入力し、それぞれを半波整流して2乗演算を行い、電流信号I3を出力する。ローパスフィルタ4は、2乗回路3が出力する電流信号I3を入力してキャリア信号を除去してASK検波信号S4を出力する。ピークホールド回路8は、ローパスフィルタ4が出力するASK検波信号S4を入力してピークホールド動作を行い、ピークホールド電圧V8を出力する。なお、(F)において、点線P1は(E)に示すASK検波信号S4を表している。
【0032】
図7は基準レベル生成回路5、2乗回路6、電流/電圧変換回路7及びピークホールド回路9の動作を説明するための波形図である。(A)は基準レベル生成回路5が出力する基準レベルV5、(B)は2乗回路6が出力する電流I6、(C)は電流/電圧変換回路7が出力する基準レベルV7(ピークホールド回路9のピークホールド電圧V9)を示している。二点鎖線P2は、ASK信号S1が許容最小振幅のASK信号である場合を示している。破線P3は、ASK信号S1として許容最小振幅のASK信号が入力された場合の電流信号I3を示している。点線P4は、ASK信号S1として許容最小振幅のASK信号が入力された場合にローパスフィルタ4が出力する2乗検波信号S4を示している。
【0033】
即ち、基準レベル生成回路5は、NMOSトランジスタの閾値電圧(Vth-n)に、ASK信号S1に要求される最小振幅電圧(Vfix)を合成してなる電圧(Vth-n+Vfix)を基準レベルV5として出力する。2乗回路6は、基準レベル生成回路5が出力する基準レベルV5を入力して2乗演算を行い、ASK信号S1として許容最小振幅のASK信号が入力された場合に2乗回路3が出力する電流信号I3のピーク値を電流値とする電流I6を出力する。電流/電圧変換回路7は、電流I6を電圧に変換し、ASK信号S1として許容最小振幅のASK信号が入力された場合にローパスフィルタ4が出力するASK検波信号S4のピーク値とレベルを同一とする基準レベルV7を出力する。ピークホールド回路9は、ピークホールド電圧V9として、基準レベルV7を出力する。
【0034】
図8はローパスフィルタ4が出力するASK検波信号S4と論理値判定レベル生成回路11が出力する論理値判定レベルV11との関係を示す波形図である。(A)はASK信号S1の振幅が許容最小振幅の場合、(B)はASK信号S1の振幅が許容最小振幅よりも大きい場合である。
【0035】
即ち、ASK信号S1の無入力時は、ローパスフィルタ4はASK検波信号S4を出力しないので、ピークホールド回路8は、ASK検波信号S4についてピークホールド動作を行わない。この結果、ピークホールド電圧合成ノード10の電圧は、ピークホールド回路9が出力する基準レベルV7となり、論理値判定レベルV11として、基準レベルV7の1/2の電圧がコンパレータ12に与えられる。したがって、その後、ASK信号S1が入力すると、コンパレータ12は、最初は、ASK検波信号S4のレベルと、基準レベルV7の1/2の電圧とを比較し、ASK検波信号S4を波形整形して、要求されるレベルに2値化し、ASK変調回路で変調された2値信号S12を再生する。
【0036】
また、ASK信号S1が入力すると、ローパスフィルタ4はASK検波信号S4を出力し、ピークホールド回路8はASK検波信号S4を入力する。この結果、ピークホールド回路8が出力するピークホールド電圧V8は、ASK検波信号S4のピーク値となる。この場合において、ASK信号S1の振幅が許容最小振幅の場合には、ピークホールド回路8が出力するピークホールド電圧V8は、ピークホールド回路9が出力する基準レベルV7と同一電圧となる。したがって、コンパレータ12は、引き続き、ASK検波信号S4のレベルと、基準レベルV7の1/2の電圧とを比較し、ASK検波信号S4を波形整形して、要求されるレベルに2値化し、ASK変調回路で変調された2値信号S12を再生する。
【0037】
これに対して、ASK信号S1の入力時において、ASK信号S1の振幅が許容最小振幅より大きい場合には、ピークホールド回路8のピークホールド電圧V8(=ASK検波信号S4のピーク値)は、ピークホールド回路9のピークホールド電圧V9(=基準レベルV7)よりも大きくなる。この結果、ピークホールド電圧V8の1/2の電圧(ASK検波信号S4のピーク値の1/2)が論理値判定レベルV11としてコンパレータ12に与えられる。したがって、この場合には、コンパレータ12は、ASK検波信号S4のレベルと、ASK検波信号S4のピーク値の1/2の電圧とを比較し、ASK検波信号S4を波形整形して、要求されるレベルに2値化し、ASK変調回路で変調された2値信号S12を再生する。
【0038】
以上のように、本発明の第1実施形態によれば、ASK信号S1の無入力時は、基準レベルV7(ASK信号S1として許容最小振幅のASK信号が入力された場合にローパスフィルタ4が出力するASK検波信号S4のピーク値と同一レベル)を1/2にした電圧が論理値判定レベルV11としてコンパレータ12に与えられる。したがって、ノイズが入力されたとしても、コンパレータ12に入力するノイズのレベルが論理値判定レベルV11より小さい場合には、ノイズ入力による誤動作を防止することができる。
【0039】
また、ASK信号S1の入力時において、ASK信号S1の振幅が許容最小電圧より大きい場合には、ASK検波信号S4のピーク値の1/2が論理値判定レベルV11としてコンパレータ12に与えられる。即ち、論理値判定レベルV11をASK信号S1の振幅に応じて自動設定することができるので、種々の電圧値から論理値判定レベルV11を選択するスイッチ回路を設ける必要がなく、構成の簡単化を図ることができる。
【0040】
なお、本発明の第1実施形態においては、ピークホールド電圧合成ノード10の電圧を1/2にして論理値判定レベルV11を作成した場合について説明したが、論理値判定レベルV11は、必ずしも、ピークホールド電圧合成ノード10の電圧の1/2である必要はなく、ピークホールド電圧合成ノード10の電圧の1/2以外の電圧を論理値判定レベルV11とすることもできる。
【0041】
(第2実施形態)
図9は本発明の第2実施形態を示す回路図である。本発明の第2実施形態は、本発明の第1実施形態と同様に、入力端子1と、相補化回路2と、2乗回路3(第1の2乗回路)と、基準レベル生成回路5(第2の基準レベル生成回路)と、2乗回路6(第2の2乗回路)と、コンパレータ12と、出力端子13とを有するほか、ボトムホールド・バイアス電圧生成回路98と、ローパスフィルタ99と、電流/電圧変換回路100と、ピークホールド回路101(第1のピークホールド回路)と、ピークホールド回路102(第2のピークホールド回路)と、ピークホールド電圧合成ノード103と、ボトムホールド回路104と、論理値判定レベル生成回路105とを有している。
【0042】
本発明の第2実施形態においては、相補化回路2と、2乗回路3と、ローパスフィルタ99とで検波回路が構成されている。また、基準レベル生成回路5と、2乗回路6と、電流/電圧変換回路100とで第1の基準レベル生成回路が構成されている。
【0043】
ボトムホールド・バイアス電圧生成回路98は、ボトムホールド・バイアス電圧V98を生成し、このボトムホールド電圧V98をローパスフィルタ99及び電流/電圧変換回路100に与えるものである。ローパスフィルタ99は、2乗回路3が出力する電流信号I3からキャリア信号を除去し、ボトムホールド電圧V98を合成したASK検波信号S99を出力するものである。電流/電圧変換回路100は、2乗回路6が出力する電流I6を電圧変換し、その電圧値とボトムホールド・バイアス電圧V98との差電圧の1/2にボトムホールド・バイアス電圧V98を合成した電圧を基準レベルV100(第1の基準レベル)として出力するものである。
【0044】
ピークホールド回路101は、ローパスフィルタ99が出力するASK検波信号S99を入力してピークホールド動作を行うものである。ピークホールド回路102は、電流/電圧変換回路100が出力する基準レベルV100を入力してピークホールド動作を行うものである。ピークホールド電圧合成ノード103は、ピークホールド回路101が出力するピークホールド電圧V101と、ピークホールド回路102が出力するピークホールド電圧V102とを合成し、ピークホールド電圧V101とピークホールド電圧V102のうち、大きい方の電圧を得るためのものである。
【0045】
ボトムホールド回路104は、ローパスフィルタ99が出力するASK検波信号S99を入力してボトムホールド動作を行うものである。論理値判定レベル生成回路105は、ピークホールド電圧合成ノード103の電圧V103とボトムホールド回路104が出力するボトムホールド電圧V104との差電圧の1/2にボトムホールド電圧V104を合成した電圧を論理値判定レベルV105として出力するものである。
【0046】
本発明の第2実施形態においては、コンパレータ12は、ASK検波信号S99のレベルと、論理値判定レベルV105とを比較し、ASK検波信号S99のレベル≧論理値判定レベルV105のときはHレベル信号を生成し、ASK検波信号S99<論理値判定レベルV105のときはLレベル信号を生成することにより、ASK検波信号S99を波形整形して、要求されるレベルに2値化し、ASK変調回路でASK変調された2値信号S12を再生する。
【0047】
図10はボトムホールド・バイアス電圧生成回路98、ローパスフィルタ99及び電流/電圧変換回路100の構成を示す回路図である。ボトムホールド・バイアス電圧生成回路98において、108はVDD電源線、109は電流源、110はNMOSトランジスタ、111はオペアンプ、112、113は抵抗、114は出力端子である。
【0048】
電流源109は、VDD電源線108とノード115との間に接続されている。NMOSトランジスタ110は、ゲートをドレインに接続し、ドレインをノード115に接続し、ソースを接地している。オペアンプ111は、非反転入力端子をノード115に接続し、出力端子を出力端子114に接続している。抵抗112は、オペアンプ111の反転入力端子とオペアンプ111の出力端子との間に接続されている。抵抗113は、オペアンプ111の反転入力端子と接地との間に接続されている。出力端子114にはボトムホールド・バイアス電圧V98が出力される。
【0049】
ローパスフィルタ99において、116は入力端子、117は抵抗、118はコンデンサ、119は出力端子である。入力端子116は、2乗回路3の出力端子38に接続されている。抵抗117とコンデンサ118とは並列接続され、入力端子116と出力端子119との接続点と、ボトムホールド・バイアス電圧生成回路98の出力端子114との間に接続されている。出力端子119には、ボトムホールド・バイアス電圧V98が合成されたASK検波信号S99が出力される。
【0050】
電流/電圧変換回路100において、120は入力端子、121、122は抵抗、123は出力端子である。入力端子120は、2乗回路6の出力端子71に接続されている。抵抗121、122は、入力端子120とボトムホールド・バイアス電圧生成回路98の出力端子114との間に直列接続されている。抵抗121と抵抗122との接続点は、出力端子123に接続されている。出力端子123には基準レベルV100が出力される。抵抗121、122の抵抗値は、ASK信号S1として許容最小振幅のASK信号が入力された場合に、基準レベルV100が、ローパスフィルタ99が出力するASK検波信号S99のピーク値と同一レベルとなるように決定される。
【0051】
図11はピークホールド回路101、102及びボトムホールド回路104の構成を示す回路図である。ピークホールド回路101は、オペアンプ126と、NMOSトランジスタ127と、コンデンサ128と、抵抗129とで構成されている。オペアンプ126は、非反転入力端子をローパスフィルタ99の出力端子119に接続し、反転入力端子をNMOSトランジスタ127のソースに接続し、出力端子をNMOSトランジスタ127のゲートに接続している。NMOSトランジスタ127は、ドレインをVDD電源線133に接続し、ソースをピークホールド電圧合成ノード103に接続している。コンデンサ128と抵抗129は、NMOSトランジスタ127のソースと接地との間に並列接続されている。
【0052】
ピークホールド回路102は、オペアンプ130と、NMOSトランジスタ131と、コンデンサ128と、抵抗129とで構成されている。即ち、コンデンサ128及び抵抗129は、ピークホールド回路101、102で共有されている。オペアンプ130は、反転入力端子を電流/電圧変換回路100の出力端子123に接続し、反転入力端子をNMOSトランジスタ131のソースに接続し、出力端子をNMOSトランジスタ131のゲートに接続している。NMOSトランジスタ131は、ドレインをVDD電源線135に接続し、ソースをピークホールド電圧合成ノード103に接続している。
【0053】
ボトムホールド回路104において、137はオペアンプ、138はPMOSトランジスタ、139は抵抗、140はコンデンサ、141は出力端子である。オペアンプ137は、非反転入力端子をローパスフィルタ99の出力端子119に接続し、反転入力端子をPMOSトランジスタ138のソースに接続し、出力端子をPMOSトランジスタ138のゲートに接続している。PMOSトランジスタ138は、ソースを出力端子141に接続し、ドレインを接地している。抵抗139は、VDD電源線142とPMOSトランジスタ138のソースとの間に接続されている。コンデンサ140は、PMOSトランジスタ138のソースと接地との間に接続されている。
【0054】
図12は論理値判定レベル生成回路105の構成を示す回路図である。図12中、144、145はボルテージホロア回路を構成するオペアンプ、146、147は抵抗、148は出力端子である。オペアンプ144は、非反転入力端子をピークホールド電圧合成ノード103に接続し、出力端子を反転入力端子に接続している。オペアンプ145は、非反転入力端子をボトムホールド回路104の出力端子141に接続し、出力端子を反転入力端子に接続している。
【0055】
抵抗146、147は、同一抵抗値であり、オペアンプ144の出力端子とオペアンプ145の出力端子との間に直列接続されている。抵抗146と抵抗147との接続点は、出力端子148に接続されている。出力端子148には論理値判定レベルV105が出力される。論理値判定レベルV105は、ピークホールド電圧合成ノード103の電圧とボトムホールド電圧V104との差電圧の1/2にボトムホールド回路104のボトムホールド電圧V104を合成した電圧となる。
【0056】
本発明の第2実施形態においては、ASK信号S1の無入力時は、2乗回路3は電流信号I3を出力しないので、ローパスフィルタ99の出力電圧は、ボトムホールド・バイアス電圧V98と同一電圧となる。この結果、ピークホールド回路101のピークホールド電圧V101は、ボトムホールド・バイアス電圧V98と同一電圧となる。他方、ピークホールド回路102のピークホールド電圧V102は、基準レベルV100(ASK信号S1として許容最小振幅のASK信号が入力された場合にローパスフィルタ99が出力するASK検波信号S99のピーク値と同一レベル)となる。
【0057】
この場合、ピークホールド電圧合成ノード103の電圧は基準レベルV100となり、論理値判定レベルV105は、基準レベルV100とボトムホールド電圧V104との差電圧の1/2にボトムホールド電圧V104を合成した電圧となる。したがって、その後、ASK信号S1が入力すると、コンパレータ12は、最初は、ASK検波信号S99のレベルと、基準レベルV100とボトムホールド電圧V104との差電圧の1/2にボトムホールド電圧V104を合成した電圧とを比較し、ASK検波信号S99を波形整形して、要求されるレベルに2値化し、ASK変調回路で変調された2値信号S12を再生する。
【0058】
また、ASK信号S1が入力すると、ローパスフィルタ99は、ボトムホールド・バイアス電圧V98が合成されたASK検波信号S99を出力し、ピークホールド回路101のピークホールド電圧V101は、ASK検波信号S99のピーク値となる。この場合において、ASK信号S1の振幅が許容最小振幅の場合には、ピークホールド回路101が出力するピークホールド電圧V101は、ピークホールド回路102が出力する基準レベルV100となる。
【0059】
したがって、この場合には、コンパレータ12は、引き続き、ASK検波信号S99のレベルと、基準レベルV100とボトムホールド電圧V104との差電圧の1/2にボトムホールド電圧V104を合成した電圧とを比較し、ASK検波信号S99を波形整形して、要求されるレベルに2値化し、ASK変調回路で変調された2値信号S12を再生する。
【0060】
これに対して、ASK信号S1の入力時において、ASK信号S1の振幅が許容最小振幅より大きい場合には、ピークホールド回路101のピークホールド電圧V101(=ASK検波信号S99のピーク値)は、ピークホールド回路102のピークホールド電圧V102(=基準レベルV100)よりも大きくなる。この場合、ピークホールド電圧V101とボトムホールド電圧V104との差電圧の1/2にボトムホールド電圧V104を合成した電圧が論理値判定レベルV105としてコンパレータ12に与えられる。
【0061】
したがって、この場合には、コンパレータ12は、ASK検波信号S99のレベルと、ASK検波信号S99のピーク値とボトムホールド電圧V104との差電圧の1/2にボトムホールド電圧V104を合成したレベルとを比較し、ASK検波信号S99を波形整形して、要求されるレベルに2値化し、ASK変調回路で変調された2値信号S12を再生する。
【0062】
以上のように、本発明の第2実施形態によれば、ASK信号S1の無入力時は、基準レベルV100(ASK信号S1として許容最小振幅のASK信号が入力された場合にローパスフィルタ99が出力するASK検波信号S99のピーク値と同一レベル)とボトムホールド電圧V104との差電圧の1/2にボトムホールド電圧V104を合成した電圧が論理値判定レベルV105としてコンパレータ12に与えられる。したがって、ノイズが入力されたとしても、コンパレータ12に入力するノイズのレベルが論理値判定レベルV105よりも小さい場合には、ノイズ入力による誤動作を防止することができる。
【0063】
また、ASK信号S1の入力時において、ASK信号S1の振幅が許容最小振幅より大きい場合には、ASK検波信号S99のピーク値とボトムホールド電圧V104との差電圧の1/2にボトムホールド電圧V104を合成した電圧が論理値判定レベルV105としてコンパレータ12に与えられる。即ち、論理値判定レベルV105をASK信号S1の振幅に応じて自動設定することができるので、種々の電圧値から論理値判定レベルV105を選択するスイッチ回路を設ける必要がなく、構成の簡単化を図ることができる。
【0064】
なお、本発明の第2実施形態においては、ピークホールド電圧合成ノード103の電圧V103とボトムホールド電圧V104との差電圧の1/2にボトムホールド電圧V104を合成した電圧を論理値判定レベルV105として作成した場合について説明したが、論理値判定レベルV105は、必ずしも、ピークホールド電圧合成ノード103の電圧V103とボトムホールド電圧V104との差電圧の1/2にボトムホールド電圧V104を合成した電圧である必要はなく、ピークホールド電圧合成ノード103の電圧V103とボトムホールド電圧V104との差電圧の1/2以外の電圧とボトムホールド電圧V104を合成した電圧を論理値判定レベルV105とすることもできる。
【0065】
ここで、本発明のASK復調回路を整理すると、本発明のASK復調回路には、少なくとも、以下のASK復調回路が含まれる。
【0066】
(付記1)
第1のASK信号を検波してASK検波信号を出力する検波回路と、
第1の基準レベルを生成する第1の基準レベル生成回路と、
前記ASK検波信号を入力する第1のピークホールド回路と、
前記第1の基準レベルを入力する第2のピークホールド回路と、
前記第1のピークホールド回路の出力電圧と前記第2のピークホールド回路の出力電圧のうち、大きい方の電圧に基づいた論理値判定レベルを生成する論理値判定レベル生成回路と、
前記ASK検波信号のレベルと前記論理値判定レベルとを比較し、前記ASK検波信号を2値化するコンパレータと
を有することを特徴とするASK復調回路。
【0067】
(付記2)
前記検波回路は、
前記第1のASK信号を入力して相補化し、前記第1のASK信号と同相の第2のASK信号と、前記第1のASK信号と逆相の第3のASK信号とを出力する相補化回路と、
ドレイン及びソースがそれぞれ共通接続された第1の電界効果トランジスタと第2の電界効果トランジスタとを有し、前記第1の電界効果トランジスタのゲートに前記第2のASK信号を与えると共に、前記第2の電界効果トランジスタのゲートに前記第3のASK信号を与えて2乗演算を行う第1の2乗回路と、
前記第1の2乗回路の出力電流を入力し、前記ASK検波信号を出力するローパスフィルタと
を有することを特徴とする付記1に記載のASK復調回路。
【0068】
(付記3)
前記第1の基準レベル生成回路は、
第1の電圧と、前記第1のASK信号に要求される最小振幅電圧と同一電圧の第2の電圧とが合成されてなる第2の基準レベルを生成する第2の基準レベル生成回路と、
ゲートに前記第2の基準レベルが与えられ、前記第1の電圧をバイアス電圧として前記第2の電圧について2乗演算を行う第3の電界効果トランジスタを有する第2の2乗回路と、
前記第2の2乗回路の出力電流を入力して電圧変換し、前記第1の基準レベルを生成する電流/電圧変換回路と
を有することを特徴とする付記2に記載のASK復調回路。
【0069】
(付記4)
第1のASK信号を2乗検波し、ボトムホールド・バイアス電圧を合成したASK検波信号を入力する検波回路と、
前記ボトムホールド・バイアス電圧を合成した第1の基準レベルを生成する第1の基準レベル生成回路と、
前記ASK検波信号を入力する第1のピークホールド回路と、
前記第1の基準レベルを入力する第2のピークホールド回路と、
前記ASK検波信号を入力するボトムホールド回路と、
前記第1のピークホールド回路の出力電圧と前記第2のピークホールド回路の出力電圧のうち、大きい方の電圧と前記ボトムホールド回路の出力電圧との差電圧の1/2と、前記ボトムホールド回路の出力電圧とを合成して論理値判定レベルを生成する論理値判定レベル生成回路と、
前記ASK検波信号のレベルと前記論理値判定レベルとを比較し、前記ASK検波信号を2値化するコンパレータと
を有することを特徴とするASK復調回路。
【0070】
(付記5)
前記検波回路は、
前記第1のASK信号を入力して相補化し、前記第1のASK信号と同相の第2のASK信号と、前記第1のASK信号と逆相の第3のASK信号とを出力する相補化回路と、
ドレイン及びソースがそれぞれ共通接続された第1の電界効果トランジスタと第2の電界効果トランジスタとを有し、前記第1の電界効果トランジスタのゲートに前記第2のASK信号を与えると共に、前記第2の電界効果トランジスタのゲートに前記第3のASK信号を与えて2乗演算を行う第1の2乗回路と、
前記第1の2乗回路の出力電流を入力し、前記ボトムホールド・バイアス電圧を合成した前記ASK検波信号を出力するローパスフィルタと
を有することを特徴とする付記4に記載のASK復調回路。
【0071】
(付記6)
前記第1の基準レベル生成回路は、
第1の電圧と、前記第1のASK信号に要求される最小振幅電圧と同一電圧の第2の電圧とが合成されてなる第2の基準レベルを生成する第2の基準レベル生成回路と、
ゲートに前記第2の基準レベルが与えられ、前記第1の電圧をバイアス電圧として前記第2の電圧について2乗演算を行う第3の電界効果トランジスタを有する第2の2乗回路と、
前記第2の2乗回路の出力電流を入力して電圧変換し、前記ボトムホールド・バイアス電圧を合成した前記第1の基準レベルを生成する電流/電圧変換回路と
を有することを特徴とする付記5に記載のASK復調回路。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の第1実施形態を示す回路図である。
【図2】本発明の第1実施形態が備える相補化回路の構成を示す回路図である。
【図3】本発明の第1実施形態が備える第1の2乗回路及びローパスフィルタの構成を示す回路図である。
【図4】本発明の第1実施形態が備える基準レベル生成回路、第2の2乗回路及び電流/電圧変換回路の構成を示す回路図である。
【図5】本発明の第1実施形態が備えるピークホールド回路及び論理値判定レベル生成回路の構成を示す回路図である。
【図6】本発明の第1実施形態が備える相補化回路、第1の2乗回路、ローパスフィルタ及び第1のピークホールド回路の動作を説明するための波形図である。
【図7】本発明の第1実施形態が備える基準レベル生成回路、第2の2乗回路、電流/電圧変換回路及び第2のピークホールド回路の動作を説明するための波形図である。
【図8】本発明の第1実施形態が備えるローパスフィルタが出力するASK検波信号と論理値判定レベル生成回路が出力する論理値判定レベルとの関係を示す波形図である。
【図9】本発明の第2実施形態を示す回路図である。
【図10】本発明の第2実施形態が備えるボトムホールド・バイアス電圧生成回路、ローパスフィルタ及び電流/電圧変換回路の構成を示す回路図である。
【図11】本発明の第2実施形態が備える第1のピークホールド回路、第2のピークホールド回路及びボトムホールド回路の構成を示す回路図である。
【図12】本発明の第2実施形態が備える論理値判定レベル生成回路の構成を示す回路図である。
【符号の説明】
【0073】
1…入力端子
2…相補化回路
3…2乗回路
4…ローパスフィルタ
5…基準レベル生成回路
6…2乗回路
7…電流/電圧変換回路
8…ピークホールド回路
9…ピークホールド回路
10…ピークホールド電圧合成ノード
11…論理値判定レベル生成回路
12…コンパレータ
13…出力端子
16…入力端子
17…ボルテージホロア回路
18…反転増幅回路
19、20…出力端子
21、22…オペアンプ
23、24…抵抗
25…電圧源
28、29…入力端子
30、31…コンデンサ
32…2乗演算部
33…カレントミラー回路
34…バイアス回路
35、36…抵抗
37…コンデンサ
38…出力端子
39、40…NMOSトランジスタ
41…ノード
42…VDD電源線
43、44…PMOSトランジスタ
45…VDD電源線
46、47…電流源
48〜50…NMOSトランジスタ
51…出力ノード
52…ノード
53…入力端子
54…抵抗
55…コンデンサ
56…出力端子
58…VDD電源線
59、60…電流源
61〜63…NMOSトランジスタ
64…抵抗
65…コンデンサ
66…出力端子
67…ノード
68…入力端子
69…2乗演算部
70…カレントミラー回路
71…出力端子
72…NMOSトランジスタ
73…ノード
74…VDD電源線
75、76…PMOSトランジスタ
77…入力端子
78、79…抵抗
80…出力端子
83…オペアンプ
84…NMOSトランジスタ
85…コンデンサ
86…オペアンプ
87…NMOSトランジスタ
89、91…VDD電源線
92…入力端子
93、94…抵抗
95…出力端子
98…ボトムホールド・バイアス電圧生成回路
99…ローパスフィルタ
100…電流/電圧変換回路
101…ピークホールド回路
102…ピークホールド回路
103…ピークホールド電圧合成ノード
104…ボトムホールド回路
105…論理値判定レベル生成回路
108…VDD電源線
109…電流源
110…NMOSトランジスタ
111…オペアンプ
112、113…抵抗
114…出力端子
116…入力端子
117…抵抗
118…コンデンサ
119…出力端子
120…入力端子
121、122…抵抗
123…出力端子
126…オペアンプ
127…NMOSトランジスタ
128…コンデンサ
129…抵抗
130…オペアンプ
131…NMOSトランジスタ
133、135…VDD電源線
137…オペアンプ
138…PMOSトランジスタ
139…抵抗
140…コンデンサ
141…出力端子
142…VDD電源線
144、145…オペアンプ
146、147…抵抗
148…出力端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のASK信号を検波してASK検波信号を出力する検波回路と、
第1の基準レベルを生成する第1の基準レベル生成回路と、
前記ASK検波信号を入力する第1のピークホールド回路と、
前記第1の基準レベルを入力する第2のピークホールド回路と、
前記第1のピークホールド回路の出力電圧と前記第2のピークホールド回路の出力電圧のうち、大きい方の電圧に基づいた論理値判定レベルを生成する論理値判定レベル生成回路と、
前記ASK検波信号のレベルと前記論理値判定レベルとを比較し、前記ASK検波信号を2値化するコンパレータと
を有することを特徴とするASK復調回路。
【請求項2】
前記検波回路は、
前記第1のASK信号を入力して相補化し、前記第1のASK信号と同相の第2のASK信号と、前記第1のASK信号と逆相の第3のASK信号とを出力する相補化回路と、
ドレイン及びソースがそれぞれ共通接続された第1の電界効果トランジスタと第2の電界効果トランジスタとを有し、前記第1の電界効果トランジスタのゲートに前記第2のASK信号を与えると共に、前記第2の電界効果トランジスタのゲートに前記第3のASK信号を与えて2乗演算を行う第1の2乗回路と、
前記第1の2乗回路の出力電流を入力し、前記ASK検波信号を出力するローパスフィルタと
を有することを特徴とする請求項1に記載のASK復調回路。
【請求項3】
前記第1の基準レベル生成回路は、
第1の電圧と、前記第1のASK信号に要求される最小振幅電圧と同一電圧の第2の電圧とが合成されてなる第2の基準レベルを生成する第2の基準レベル生成回路と、
ゲートに前記第2の基準レベルが与えられ、前記第1の電圧をバイアス電圧として前記第2の電圧について2乗演算を行う第3の電界効果トランジスタを有する第2の2乗回路と、
前記第2の2乗回路の出力電流を入力して電圧変換し、前記第1の基準レベルを生成する電流/電圧変換回路と
を有することを特徴とする請求項2に記載のASK復調回路。
【請求項4】
第1のASK信号を2乗検波し、ボトムホールド・バイアス電圧を合成したASK検波信号を入力する検波回路と、
前記ボトムホールド・バイアス電圧を合成した第1の基準レベルを生成する第1の基準レベル生成回路と、
前記ASK検波信号を入力する第1のピークホールド回路と、
前記第1の基準レベルを入力する第2のピークホールド回路と、
前記ASK検波信号を入力するボトムホールド回路と、
前記第1のピークホールド回路の出力電圧と前記第2のピークホールド回路の出力電圧のうち、大きい方の電圧と前記ボトムホールド回路の出力電圧との差電圧の1/2と、前記ボトムホールド回路の出力電圧とを合成して論理値判定レベルを生成する論理値判定レベル生成回路と、
前記ASK検波信号のレベルと前記論理値判定レベルとを比較し、前記ASK検波信号を2値化するコンパレータと
を有することを特徴とするASK復調回路。
【請求項5】
前記検波回路は、
前記第1のASK信号を入力して相補化し、前記第1のASK信号と同相の第2のASK信号と、前記第1のASK信号と逆相の第3のASK信号とを出力する相補化回路と、
ドレイン及びソースがそれぞれ共通接続された第1の電界効果トランジスタと第2の電界効果トランジスタとを有し、前記第1の電界効果トランジスタのゲートに前記第2のASK信号を与えると共に、前記第2の電界効果トランジスタのゲートに前記第3のASK信号を与えて2乗演算を行う第1の2乗回路と、
前記第1の2乗回路の出力電流を入力し、前記ボトムホールド・バイアス電圧を合成した前記ASK検波信号を出力するローパスフィルタと
を有することを特徴とする請求項4に記載のASK復調回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−154381(P2010−154381A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−331886(P2008−331886)
【出願日】平成20年12月26日(2008.12.26)
【出願人】(308014341)富士通セミコンダクター株式会社 (2,507)
【Fターム(参考)】