説明

AV機器の梱包材コードリール及び電化製品の梱包材コードリール

【課題】 梱包を解いた後の梱包材をケーブルを巻き付けるためのコードリールとして使用でき、ケーブルのたるみを吸収できるコードリールとして再利用でき、資源の再使用ができるAV機器の梱包材コードリール及び電化製品の梱包材コードリールを提供する。
【解決手段】 AV機器2を梱包する梱包材3に梱包を解いた後のAV機器2のケーブル6を巻き付けるようにしたAV機器の梱包材コードリールであって、梱包材3の外周にケーブル6を巻き付けるための溝3aが形成され、この梱包材3における溝3aに対して約90度の位置にケーブル6の端部近傍部分6bを入れ込んで止めるための切り溝3bが穿設されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、AV機器や電化製品における梱包材にケーブルを巻き付けるようにしたAV機器の梱包材コードリール及び電化製品の梱包材コードリールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、AV機器や電化製品におけるケーブルは、ケーブル自体を細長く巻いておくことが普通に行われているが、このケーブルが多いとこれらのケーブルの置き場所に困り、またケーブル同士が絡み合ってしまうという問題があった。更に、AV機器や電化製品を梱包する梱包材は破棄されてしまっていた。
【0003】
第1の従来技術を図7、図8に示す。この従来の梱包用緩衝材の電源コード固定方法は、図7、図8に示すように、梱包用外箱104に内装される電気製品101を支持固定するための板状素材からなる緩衝材106に、糸巻き状の舌片形状にコード巻き部110を形成したものである。(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
ところが、これは電気製品101を梱包用外箱104に梱包するときに、電源コード102をコード巻き部110に巻き付けるものであって、梱包を解いた後に電源コードを巻き付けるものではなかった。
【特許文献1】実開昭61−97171号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記従来の問題に鑑みてなされたものであって、梱包を解いた後の梱包材をケーブルを巻き付けるためのコードリールとして使用でき、ケーブルのたるみを吸収できるコードリールとして再利用することができ、資源の再使用ができるAV機器の梱包材コードリール及び電化製品の梱包材コードリールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するために提案されたものであって、請求項1に記載の発明は、AV機器を梱包する梱包材に梱包を解いた後にAV機器のケーブルを巻き付けるようにしたAV機器の梱包材コードリールであって、前記梱包材の外周にケーブルを巻き付けるための溝が形成され、この梱包材における前記溝に対して約90度の位置に前記ケーブルの端部近傍部分を入れ込んで止めるための切り溝が穿設されていることを特徴としている。
【0007】
請求項2に記載の発明は、電化製品を梱包する梱包材に梱包を解いた後に電化製品のケーブルを巻き付けるようにした電化製品の梱包材コードリールにであって、前記梱包材の外周にケーブルを巻き付けるための溝が形成されていることを特徴としている。
【0008】
請求項3に記載の発明は、前記梱包材における前記溝に対して約90度の位置に前記ケーブルの端部近傍部分を入れ込んで止めるための切り溝が穿設されていることを特徴する請求項2に記載の電化製品の梱包材コードリール。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、AV機器の梱包を解いた後に、この梱包に使用されていた梱包材をコードリールとして再利用することができる。しかも、梱包材の外周の溝にケーブルが巻かれるので、このケーブルが外れることがない。また、ケーブルの端部近傍部分を梱包材の溝に対して約90度の位置に穿設された切り溝に入れ込むので、ケーブルを固定することができ、ケーブルのばらつきを防ぐことができる。更に資源の再使用ができる。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、電化製品の梱包を解いた後に、この梱包に使用されていた梱包材をコードリールとして再利用することができる。しかも、梱包材の外周の溝にケーブルが巻かれるので、このケーブルが外れることがない。更に資源の再使用ができる。
【0011】
請求項3に記載の発明によれば、ケーブルの端部近傍部分を梱包材の溝に対して約90度の位置に穿設された切り溝に入れ込むので、ケーブルを固定することができ、ケーブルのばらつきを防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明に係るAV機器の梱包材コードリール及び電化製品の梱包材コードリールの実施の形態について、図を参照しつつ説明する。
【0013】
図1は本発明の第1実施形態のAV機器の梱包材コードリールを含むAV機器を梱包から解いた状態の斜視図である。
【0014】
図1に示すように、梱包箱1内には、AV機器2とこのAV機器2を保護する梱包材3とリモコン4と電池5とケーブル6などが梱包されていたものである。梱包材3にはその外周に溝3aが形成され、この溝3aに対して約90度の位置に切り溝3bが穿設されている。この梱包材3は後述する梱包材コードリールを構成するものである(以下、梱包材コードリール3と称する)。
【0015】
図2は第1実施形態のAV機器の梱包材コードリールの正面側から見た斜視図、図3は同コードリールの裏面側から見た斜視図である。
【0016】
図2、図3に示すように、梱包材コードリール3にはそ外周に溝3aが形成され、この溝aに対して約90度の位置に切り溝3bが穿設されている。溝3aはその溝幅が比較的広く形成され、切り溝3bはその溝幅が狭く形成されている。この梱包材コードリール3には、AV機器2の隅部を入れるための各種の凹所3cが形成されており、これらの凹所3cに梱包時にAV機器2の隅部が入り込んで、梱包時に梱包材コードリール3によってAV機器が振動などから保護されるようになっている。
【0017】
図4は同コードリールにケーブルを巻き付けて固定した状態の斜視図である。
【0018】
図4に示すように、ケーブル6の長い中央部6aは、梱包材コードリール3の溝3aから内部に向けて巻き付けられている。また、ケーブル6の両端部近傍部分6bは、梱包材コードリール3の切り溝3bに押し込まれるように入れ込まれて固定されるようになっている。
【0019】
この第1実施形態によれば、AV機器2の梱包を解いた後に、この梱包に使用されていた梱包材3をコードリールとして再利用することができる。しかも、梱包材3の外周の溝3aにケーブル6が巻かれるので、このケーブル6が外れることがない。また、ケーブル6の端部近傍部分6bを梱包材6の溝に対して約90度の位置に穿設された切り溝3bに入れ込むので、ケーブル6を固定することができ、ケーブル6のばらつきを防ぐことができる。更に資源の再使用ができる。
【0020】
図5は第2実施形態のAV機器の梱包材コードリールの斜視図である。
【0021】
図5に示すように、この梱包材コードリール3Aは、上記した第1実施形態の梱包材コードリール3とは別形状のものである。この梱包材コードリール3Aは内側にも奥行き方向に溝3dが形成されている。外周にも溝3aが形成され、これらの溝3a、3dに対して約90度の位置に切り溝3bが内側から外側に向けて形成されている。
【0022】
図6は同コードリールにケーブルを巻き付けて固定した状態の斜視図である。
【0023】
図6に示すように、この梱包材コードリール3Aにケーブル6を巻くには、外周の溝3aから内側の溝3dにかけてケーブル6の長い中央部6aが巻き付けられ、その両端部近傍部分6bは切り溝3bに押し込まれるように入れ込まれて固定されている。
【0024】
この第2実施形態によれば、AV機器2の梱包を解いた後に、この梱包に使用されていた梱包材3Aをコードリールとして再利用することができる。しかも、梱包材3Aの外周の溝にケーブル6が巻かれるので、このケーブル6が外れることがない。また、ケーブル6の端部近傍部分6bを梱包材3Aの溝3aに対して約90度の位置に穿設された切り溝3bに入れ込むので、ケーブル6を固定することができ、ケーブル6のばらつきを防ぐことができる。更に資源の再使用ができる。更に、内側の溝3dにケーブル6が巻かれるので、ケーブル6が外側に飛び出ることがなくて、外れることなく良好な状態でケーブル6を巻き付けることができる。
【0025】
尚、上記した梱包材コードリールは、AV機器についてだけ説明したが、AV機器に限定されず、他の電化製品について適用できることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の第1実施形態のAV機器の梱包材コードリールを含むAV機器を梱包から解いた状態の斜視図である。
【図2】第1実施形態のAV機器の梱包材コードリールの正面側から見た斜視図である。
【図3】同コードリールの裏面側から見た斜視図である。
【図4】同コードリールにケーブルを巻き付けて固定した状態の斜視図である。
【図5】第2実施形態のAV機器の梱包材コードリールの斜視図である。
【図6】同コードリールにケーブルを巻き付けて固定した状態の斜視図である。
【図7】従来の梱包用緩衝材の電源コード固定構造の梱包用外箱の開蓋状態を示す側面図である。
【図8】同固定構造におけるコードを巻き付けた状態の部分平面図である。
【符号の説明】
【0027】
1 梱包箱
2 AV機器
3 梱包材コードリール(梱包材)
3A 梱包材コードリール(梱包材)
3a 溝
3b 切り溝
3c 凹所
3d 溝
4 リモコン
5 電池
6 ケーブル
6a 長い中央部
6b 端部近傍部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
AV機器を梱包する梱包材に梱包を解いた後にAV機器のケーブルを巻き付けるようにしたAV機器の梱包材コードリールであって、前記梱包材の外周にケーブルを巻き付けるための溝が形成され、この梱包材における前記溝に対して約90度の位置に前記ケーブルの端部近傍部分を入れ込んで止めるための切り溝が穿設されていることを特徴とするAV機器の梱包材コードリール。
【請求項2】
電化製品を梱包する梱包材に梱包を解いた後に電化製品のケーブルを巻き付けるようにした電化製品の梱包材コードリールであって、前記梱包材の外周にケーブルを巻き付けるための溝が形成されていることを特徴とする電化製品の梱包材コードリール。
【請求項3】
前記梱包材における前記溝に対して約90度の位置に前記ケーブルの端部近傍部分を入れ込んで止めるための切り溝が穿設されていることを特徴する請求項2に記載の電化製品の梱包材コードリール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−111309(P2006−111309A)
【公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−300637(P2004−300637)
【出願日】平成16年10月14日(2004.10.14)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】