説明

B型コンサベータ使用変圧器のゴムセルの亀裂・ピンホールの検出方法

【課題】変圧器本体の内部異常とB型コンサベータのゴムセル異常とを識別する診断手法を確立する。
【解決手段】B型コンサベータを使用している油入変圧器の異常の有無を診断する方法において、採油した絶縁油の分析を、高精度油中ガス分析と従来油中ガス分析とを組合せて実施し、
(i)高精度油中ガス分析による放電・高温加熱指標成分(メチルビニルアセチレンガス)の有無、(ii)従来油中ガス分析によるアセチレンガスの有無、水素ガスの増加傾向の有無、及びメタンガスの増加率の一定性について分析し、
(i)において放電・高温加熱指標成分有り、(ii)においてアセチレンガス有、水素ガスの増加傾向無、及びメタンガス増加率は一定である場合は、変圧器本体の内部異常ではなく、コンサベータのゴムセルの亀裂・ピンホールの発生による異常と診断する、
変圧器本体の内部異常とB型コンサベータのゴムセルの亀裂・ピンホールとを識別する方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はB型コンサベータを使用している変圧器に発生したゴムセルの亀裂・ピンホールの検出方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、変圧器等の油入電気機器には、該電気機器の運転時における温度の変化による絶縁油の膨脹・収縮を吸収するためのコンサベータという装置が設置されている(例えば、特許文献1参照)。
油入変圧器の保守管理に当っては、油中ガス分析が効果的な一手法として採用されている(例えば、特許文献2参照)。この方法における油中ガス分析による変圧器の異常診断は油入変圧器の運転を停止することなく、変圧器本体内絶縁油を採取し、油中に溶存しているガスを抽出・分析してガスの量及び種類から油入変圧器の内部異常(放電・加熱)を早期に発見する技術である。
この診断法では、油入変圧器の内部異常診断は、絶縁油中に溶存しているエチレンガス(C24)、アセチレンガス(C22)など、数種類の低分子ガスをppmオーダーで分析することで行なっている(従来油中ガス分析)が、近年、絶縁油中の多種多様な高分子成分のppb(ppmの1/1000)オーダーでの分析が可能となり、この変圧器内部の異常により発生した微量成分を分析することにより、変圧器の内部異常診断を行っている(例えば非特許文献1参照、高精度油中ガス分析)。
コンサベータに使用されているゴムセル(袋)は、コーナー接合部に局部的な固定シワが発生して、繰り返し屈曲することによって経年により亀裂・ピンホールが発生することが知られている。そして、このコンサベータのゴム膜異常診断法として油入機器から採取した試料油の全酸化及び/または色の測定を行うことによるものも知られている(例えば特許文献3参照)。
B型変圧器の概略は図1に示すものであり、該変圧器におけるガス移動は図2に示すようなものである。
【特許文献1】特開昭60−30108号公報
【特許文献2】特開2004−200348公報
【非特許文献1】電気学会静止器研究会資料 2000−45
【特許文献3】特開2005−135934公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
B型コンサベータを使用している変圧器のB型コンサベータのゴムセルに亀裂・ピンホールが発生すると、図2のB型変圧器におけるガス移動フローに示すように、平衡油内の可燃性ガスが変圧器本体中に混入するため、変圧器本体油の単なるガス分析だけでは、コンサベータの異常と変圧器本体内部異常との識別ができず、変圧器の運転を止め、変圧器の(分解)点検、修理、取り換え等を行なうなどの過大な労力を必要とし、また油中ガス分析周期の短縮を行なう等、分析コストが増大するという問題があった。
変圧器本体内においては、H2、CH4、C26は絶縁油の経年劣化により増加し、変圧器に異常がなくても検出されるが、アセチレンガス(C22)は異常が発生した場合に検出される特徴ガスである。したがって、上記ガス分析においてアセチレンガスが検出された場合は、変圧器に異常が発生したと考え、変圧器の運転を止め、変圧器の(分解)点検、修理、取り換え等が行なわれるのが現状であった。
しかしながら、変圧器の運転を停止し、変圧器の(分解)点検を行なってみても、変圧器本体には何ら異常が認められないという事も多々あり、変圧器の運転停止、変圧器の(分解)点検、修理、取り換えには時間がかかり、また煩雑な操作を要し、経費も多大なものであった。
又、上記コンサベータのゴム膜異常診断法としての、特許文献3の試料油の全酸化及び/または色の測定を行う方法では、酸素についての分析ではその精度が低く、色の測定については明確な規定が無いというものであり、その点で問題があった。
以上のように、現在、変圧器本体の内部異常とB型コンサベータのゴムセルに発生した亀裂・ピンホールによりLTC室油が混入することによる異常とを識別する診断手法は無く、その診断方法の確立が望まれているというのが現状である。
B型コンサベータのゴムセルにおける透過膜現象や亀裂・ピンホールによる漏油、LTC切換開閉室のシール不良による漏油については、可燃性ガスが変圧器本体へ混入する可能性があるため診断精度を低下させる要因となっている。現在、変圧器本体の内部異常とLTC室油の混入とを識別する診断手法が確立していないため、内部異常の有無を判定するために油中ガス分析周期の短縮による分析コストが発生している現状がある。そこで、本発明ではLTC室油混入を検出する診断手法の高精度化を図ることにより、適切な診断手法を確立することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者は、変圧器本体の内部異常とB型コンサベータのLTC室油の混入による異常とを識別する方法について鋭意研究を重ねた結果、次のような知見を得た。
(1)平衡油に対して高精度油中ガス分析を実施した結果、放電・高温加熱特有の成分(メチルビニルアセチレン)が検出された。このため、B型コンサベータに使用しているゴムセルに亀裂・ピンホールが発生した場合、変圧器本体油に内部異常が無いにも関わらず、放電・高温加熱指標成分が検出されると考察した。
(2)従来油中ガス分析にて本体油、LTC室油、平衡油の可燃性ガス濃度の比較を行なった結果、アセチレンガスについては平衡油>本体油であり、H2、CH4、C26ガスについては平衡油<本体油であること、が示されている。
(3)B型コンサベータに使用しているゴムセルに亀裂・ピンホールが発生しても本体油中における可燃性ガスの増加はC22のみであり、H2、CH4、C26は侵入してもその量的関係から増加傾向として現れない。
(4)上記(1)〜(3)を考慮すると、高精度油中ガス分析と従来油中ガス分析とを組合わせることにより、B型コンサベータに使用しているゴムセルの亀裂・ピンホールを検出する手法を提供することができる。即ち、高精度油中ガス分析により変圧器本体油中のMBの有無を見ると共に、従来油中ガス分析で変圧器本体油中のC22の有無及びH2,CH4の増加率の一定性あるいは増大性を見ることにより、従来油中ガス分析で検出したC22が本体側で発生したものか、ゴムセルの亀裂・ピンホールを介して混入したものであるかを識別できることを見出した。
【0005】
このゴムセルの亀裂・ピンホール評価指標としては、(i)変圧器本体油についての高精度油中ガス分析で放電・高温加熱特有成分(メチルビニルアセチレン(MB))の有無、且つ(ii)本体油についての従来油中ガス分析でアセチレンガスの検出の有無、且つ水素ガスに増加傾向の有無、且つメタンガスの増加率の増減という2つの条件である。
上記の条件において、(i)本体油の高精度油中ガス分析で放電・高温加熱特有成分(メチルビニルアセチレン(MB))有り、且つ(ii)本体油の従来油中ガス分析でアセチレンガスの検出、且つ水素ガスに増加傾向無し、且つメタンガスの増加率一定、という2つの条件を満たす場合は、ゴムセルに亀裂・ピンホールがあるものとする、との結論を得た。
なお、前記(1)(3)及び(4)はこれまで知られていない新規な技術的知見である。
高精度油中ガス分析は、コールドトラップとガスクロマトグラフ質量分析装置との組合わせからなり、絶縁油等の油中の微量高分子の分析技術(高精度油中ガス分析)であり、試料ガスのみ濃縮し、該濃縮ガスをクロマトグラフにより分析するものである(電気学会静止器研究会資料 2000−45)。
又、油中ガス分析は、変圧器から試料油を採取し、試料油から油中ガスを抽出し、ガスクロマトグラフにより抽出ガスを分析する手順で行なわれる(電気協同研究会:「油入変圧器の保安管理」第54巻5号(平成11年2月)。
【0006】
本発明では変圧器本体油、LTC室油、平衡油を試料として分析するものである。
本発明は上記知見に基づきなされたものである。
即ち、本発明は
(1)B型コンサベータを使用している油入変圧器の異常の有無を診断する方法において、高精度油中ガス分析と従来油中ガス分析とを組合せて油中ガス分析を行い、
(i)変圧器本体油についての高精度油中ガス分析により放電・高温加熱指標成分(メチルビニルアセチレン)の有無を分析し、
(ii)変圧器本体油についての従来油中ガス分析によりアセチレンガスの有無、水素ガスの増加傾向の有無、メタンガス及びエタンガスの増加率の一定性を分析し、
アセチレンガスの有無及び水素ガス、メタンガス及びエタンガスの経年劣化分以上の増加の有無により、変圧器本体の内部異常とB型コンサベータのゴムセルの亀裂・ピンホールによる異常とを識別する方法、(2)(i)の分析において放電・高温加熱指標成分が検出され、(ii)の分析においてアセチレンガス有、水素ガスの増加傾向の無、及びメタンガスの増加率は一定である場合は、変圧器本体の内部異常ではなく、B型コンサベータのゴムセルの亀裂・ピンホールの発生による異常と診断する(1)記載の方法、(3)(i)の分析において放電・高温加熱指標成分が検出され、(ii)の分析においてアセチレンガス有、水素ガスの増加傾向有、及びメタンガスの増加率が大となっている場合は、変圧器本体の内部異常と診断する(1)記載の方法、(4)前記油中ガス分析によるB型コンサベータ使用油入変圧器の油中ガス分析結果をソフトウエアに組み込み、該分析結果を分析図や分析表で表示または出力して変圧器の異常診断を行うことを特徴とした(1)乃至(3)記載の油中ガス分析によるB型コンサベータ使用油入変圧器の診断方法、(5)前記油中ガス分析によるB型コンサベータ使用油入変圧器の異常の有無診断は、機器設置形の監視制御システム、通信回線による監視制御システム及び可搬形の分析装置の何れかにより、得られた油中ガス分析データまたは分析した結果を入力した油中ガス分析データを用いて診断を行うことを特徴とした(1)乃至(4)記載の油中ガス分析によるB型コンサベータ使用油入変圧器の診断方法、に関するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明において、上記(1)(i)における高精度油中ガス分析により特有成分(メチルビニルアセチレン(MB))が検出され、且つ(1)(ii)における従来油中ガス分析によりアセチレンガス有、水素ガスの増加傾向の無、及びメタンガスの増加率が一定である場合は、変圧器本体の内部異常ではなく、B型コンサベータのゴムセルの亀裂・ピンホールの発生による異常とするものであり、変圧器本体の点検、修理等の必要はなく、B型コンサベータのゴムセルの交換で足りることとなる。
現在の診断技術では、B型コンサベータに使用しているゴムセルに亀裂・ピンホールが発生した場合、高精度油中ガス分析および従来油中ガス分析を行なっても、放電・高温加熱指標成分の検出及び水素ガスやメタンガスの増加率との関係が明らかでなかったので、アセチレンガスの存在により「油入変圧器本体内部異常の疑い有り」とされ、内部異常とゴムセル亀裂による異常との識別が出来なかったのに対して、本発明の診断方法を用いれば内部異常とゴムセル亀裂による異常との識別が可能となり、かつ不具合部位も特定されるため、迅速かつ的確な対応が可能となるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の、B型変圧器における変圧器本体の内部異常とB型コンサベータのゴムセルの亀裂等による異常とを識別する方法について、以下に詳細に説明する。
図について説明すると、図1はB型変圧器の概略図であり、図2はガス移動フロー図であり、図3は高精度油中ガス分析異常診断フロー図である。図中、AはB型変圧器、Bは変圧器本体、Cはコンサベータ、Dはゴムセル(袋)、Eは負荷時タップ切換装置(LTC)、Fは吸湿装置、1は負荷時タップ切換装置中に充填されたLTC油、2はコンサベータに充填された平衡油、3はコンサベータ上部空間ガス、4はコンサベータゴムセル中に充填されたコンサベータ内油、5は変圧器本体中に充填された変圧器本体油、6はコンサベータ空間吸湿ガスである。
図1のB型変圧器A概略図に示すように、油劣化防止装置であるB型コンサベータCの構造は、ゴムセルD内に変圧器本体B油5とつながったコンサベータ内油4が充満し、ゴムセルD外には負荷時タップ切換装置E(LTC)油1兼用の平衡油2が封印されておりゴム膜を介して密封している。コンサベータD上部にはコンサベータ上部空間ガス3が満たされている。LTC室油はC22を始めとする可燃性ガスが大量に溶解した絶縁油である。
図2に示すように、変圧器中のガスはLTC中のLTC油1からコンサベータ中の平衡油2へ、該平衡油2からコンサベータ上部空間ガス3及びコンサベータ内油4へ、該コンサベータ上部空間ガス3はコンサベータ内油4及び大気へ、該コンサベータ内油4中ガスは本体油5へ移動する。
【0009】
本発明では、変圧器本体油、LTC油及び平衡油について前記の高精度油中ガス分析と従来油中ガス分析を行なった。
(1)従来油中ガス分析の結果を以下の表1に示す。
【表1】

【0010】
表1に示されるように、
(1)変圧器本体、コンサベータ共に正常に運転している状態では、変圧器本体油中にはH2、CH4、C26が含まれ、その量としてはH2は運転初期に発生その後緩やかに減少、CH4、C26は経年劣化で増加している。C22は変圧器本体油中には全く存在しない。
LTC室油中にはH2、CH4、C26、C22が含まれ、その量としてはH2、CH4、C26はタップ切換器の動作回数に伴い増加している。C22も存在している。
平衡油中にはH2、CH4、C26、C22の各々がLTC室中の1/30程度以下の濃度で存在している。
(2)変圧器本体に異常が発生した場合は、変圧器本体油中にはH2、CH4、C26の外、C22が含まれている。H2<400ppm、CH4<100ppm、C26<150ppm、C22<0.5ppmが正常器レベルであるが、この場合、H2、CH4、C26 については上記レベルを超えるものであった。
LTC室油中にはH2、CH4、C26、C22が上記正常時と同等の量で存在していた。平衡油中のH2、CH4、C26、C22は正常時と同様、各々がLTC室中の1/30程度以下の濃度で存在している。
(3)コンサベータ中のゴムセルに異常が発生した場合は、変圧器本体油中にはH2、CH4、C26の外、C22が存在している。その量としてはH2、CH4、C26は正常時と同様の経年劣化分の量で存在している。
LTC室油中にはH2、CH4、C26、C22が上記正常時と同等の量で存在していた。平衡油中のH2、CH4、C26、C22は正常時と同様、各々がLTC室中の1/30程度以下の濃度で存在している。
【0011】
上記表1に記載の通り、従来油中ガス分析においても本体異常とゴムセル異常との識別は可能ではあるが、更に精度を高め、効率よく識別するために、高精度油中ガス分析を併用することを考え、本体油、LTC油及び平衡油の高精度油中ガス分析を行なった。
高精度油中ガス分析のフローは図3の通りである。
図3に示す分析診断フローに従って、絶縁油を放電したものではMB/2M>1.5であり、放電または700℃超過過熱では0.014<MB/2M<1.5、700℃超過過熱ではMB>検出下限、500℃超過過熱では2M>9〔ppb〕、380℃超過過熱では4成分>フィールドレベルであるとした。
【0012】
この高精度油中ガス分析を行った結果は表2に示す通りである。
【表2】

【0013】
表2に示すように本体油にはMBや2Mは検出されず、放電・加熱様相は見られない。
一方、LTC室油、平衡油では放電特有の成分が検出されており、LTC室のシール不良、ゴムセルの亀裂・ピンホールが発生していれば、本体油においても放電特有の成分であるMBが検出されると考えられる。
これらの結果をまとめると表3の通りである。
【表3】

【0014】
したがって、本願発明ではガス分析において、高精度油中ガス分析と従来油中分析を行い、高精度油中ガス分析によりMBが検出され、従来油中分析の結果、変圧器本体油中にアセチレンガス(C22)が検出されると共に、H2、CH4、C26も経年劣化分以上に検出された場合には変圧器本体の異常であるのでその修理を行ない、変圧器本体油中にアセチレンガス(C22)が検出されても、H2、CH4、C26が経年劣化分程度しか検出されない場合には、変圧器本体の異常ではなく、コンサベータのゴムセルの亀裂やピンホール等の異常であるので、コンサベータのゴムセルの交換を行なうことによって対処した。
【産業上の利用可能性】
【0015】
油入変圧器の優れた保守点検法として利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】B型変圧器概略図である。
【図2】B型変圧器におけるガス移動フロー図である。
【図3】高精度油中ガス分析異常診断フロー図である。
【符号の説明】
【0017】
A:B型変圧器
B:変圧器本体
C:B型コンサベータ
D:ゴム袋
E:負荷時タップ切換装置(LTC)
F:吸湿器(ブリーザー)
1:LTC油
2:平衡油
3:コンサベータ上部空間ガス
4:コンサベータ内油
5:変圧器本体油
6:コンサベータ空間脱湿ガス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
B型コンサベータを使用している油入変圧器の異常の有無を診断する方法において、高精度油中ガス分析と従来油中ガス分析とを組合せて油中ガス分析を行い、
(i)変圧器本体油についての高精度油中ガス分析により放電・高温加熱指標成分(メチルビニルアセチレン)の有無を分析し、
(ii)変圧器本体油についての従来油中ガス分析によりアセチレンガスの有無、水素ガスの増加傾向の有無、メタンガス及びエタンガスの増加率の一定性を分析し、
アセチレンガスの有無及び水素ガス、メタンガス及びエタンガスの経年劣化分以上の増加の有無により、変圧器本体の内部異常とB型コンサベータのゴムセルの亀裂・ピンホールによる異常とを識別する方法。
【請求項2】
(i)の分析において放電・高温加熱指標成分が検出され、(ii)の分析においてアセチレンガス有、水素ガスの増加傾向の無、及びメタンガスの増加率は一定である場合は、変圧器本体の内部異常ではなく、B型コンサベータのゴムセルの亀裂・ピンホールの発生による異常と診断する請求項1記載の方法、
【請求項3】
(i)の分析において放電・高温加熱指標成分が検出され、(ii)の分析においてアセチレンガス有、水素ガスの増加傾向有、及びメタンガスの増加率が大となっている場合は、変圧器本体の内部異常と診断する請求項1記載の方法、
【請求項4】
前記油中ガス分析によるB型コンサベータ使用油入変圧器の油中ガス分析結果をソフトウエアに組み込み、該分析結果を分析図や分析表で表示または出力して変圧器の異常診断を行うことを特徴とした請求項1乃至3記載の油中ガス分析によるB型コンサベータ使用油入変圧器の診断方法。
【請求項5】
前記油中ガス分析によるB型コンサベータ使用油入変圧器の異常の有無診断は、機器設置形の監視制御システム、通信回線による監視制御システム及び可搬形の分析装置の何れかにより、得られた油中ガス分析データまたは分析した結果を入力した油中ガス分析データを用いて診断を行うことを特徴とした請求項1乃至4記載の油中ガス分析によるB型コンサベータ使用油入変圧器の診断方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−234687(P2007−234687A)
【公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−51442(P2006−51442)
【出願日】平成18年2月28日(2006.2.28)
【出願人】(000003687)東京電力株式会社 (2,580)
【Fターム(参考)】