説明

CCTVシステム

【課題】CCTVシステムに使用される撮像装置それぞれが、CCTVシステムに使用される全ての撮像装置のカメラ設定(各種パラメータ)の情報を共有可能で、撮像装置それぞれが環境変化に対応した最適なカメラ設定の状態に自動的に変更可能なCCTVシステムを提供する。
【解決手段】複数の撮像装置のカメラ設定の情報を共有化し、最適な状態のカメラ設定の情報を検出し、その最適なカメラ設定の情報と各撮像装置のカメラ設定の情報と比較し、自動的に、各撮像装置のカメラ設定の変更を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、CCTV(Closed Circuit Tele-Vision)システムに関わり、特に、CCTVシステムに使用される撮像装置のカメラ設定に関わる。
【背景技術】
【0002】
従来のCCTVシステムでは、使用される各撮像装置に、それぞれが設置された場所の監視視野内の環境(設置環境)に適応するようにカメラ設定(各種パラメータ設定)を行っていた。各撮像装置は、それぞれの設置環境において、設定された各種パラメータのまま運用され、環境変化があった場合には、変化の都度、再度カメラ設定を行っていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−227683号公報
【特許文献2】特開2006−080601号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のCCTVシステムにおいては、例えば特許文献1や特許文献2のように、各種センサが外部の異常を検出し、通信機能によって監視センタに警報を出力するものであった。またあるいは、CCTVシステムで使用する撮像装置が取得した映像から物体を検出して異常と判定し、通信機能によって監視センタに警報を出力するシステムも存在した。どちらのシステムにしても、撮像装置が当該監視視野内を撮像して取得した映像を監視センタ等のモニタに表示して確認することになる。この場合、取得する映像を、できるだけ鮮明な画像として取得するためには、撮像する監視視野内の環境(撮像装置の設置環境)に応じたカメラ設定が必要である。
カメラ設定のための環境情報としては、一般的に、撮像に十分大きな明るさと検出に十分高いコントラスト比とが要求される。
従来、CCTVシステムにおいて、撮像装置のカメラ設定条件を、各種センサの検出情報または撮像された映像の明るさと紺のトラストに応じて変更する場合には、監視センタからの制御を受信して設定または再設定するか、あるいは、設置された現場で作業員が設定または再設定していた。さらに、撮像装置を交換する場合には、再度対象の撮像装置のカメラ設定の変更を手動で行っていた。このため、作業コストが多くかかった。また、撮像装置の設置場所の環境も、いつも一定ではないので、カメラ設定された各種パラメータが、設置環境の変化に適切に対応できず、また細かい環境変化に対応できなかった。このため、センサまたは映像から検出された異常に対して適切な映像を得られないことがあった。
本発明の目的は、CCTVシステムに使用される撮像装置それぞれが、CCTVシステムに使用される全ての撮像装置のカメラ設定(各種パラメータ)の情報を共有可能で、撮像装置それぞれが環境変化に対応した最適なカメラ設定の状態に自動的に変更可能なCCTVシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するため、本発明の撮像装置は、監視視野内を撮像する撮像装置、該撮像装置が撮像する該監視視野内の映像を通信手段を介して受信し、監視業務を行う監視センタを備えたCCTVシステムにおいて、前記撮像装置は、前記撮像した映像から前記監視視野内の明るさの情報およびコントラスト比の情報を検出する制御部と、検出された明るさの情報に対応する前記カメラ設定値の情報および前記コントラスト比の情報をデータテーブルとして記憶し、自撮像装置および他の全ての撮像装置の現在のカメラ設定(各種パラメータ)の状態、現在の明るさの情報、およびコントラスト比の情報とを記憶する記憶部と、通信手段を介して他の撮像装置に自撮像装置の現在のカメラ設定状態の情報、現在の明るさの情報およびコントラスト比の情報を通知し、該通信手段を介して他の撮像装置の現在のカメラ設定状態情報、現在の明るさの情報およびコントラスト比の情報を受信し、前記データテーブルの明るさのカメラ設定情報を参照して、参照された明るさの情報に関連付けられたコントラスト比の情報と現在のコントラスト比を比較し、現在のコントラスト比が高ければ現在のカメラ設定の情報に前記データテーブルの前記明るさの情報に関連付けられたカメラ設定の値を更新し、現在のコントラスト比が低ければ、前記データテーブルの前記明るさの情報に関連付けられたカメラ設定の値に当該撮像装置のカメラ設定を変更するものである。
また、前記記憶部の更新されたデータテーブルを他の撮像素子に送信し、他の撮像素子のデータテーブルの内容を更新するものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、CCTVシステムの監視領域内に複数の撮像装置を設置して映像監視を行うCCTVシステムにおいて、撮像装置それぞれが、予め監視環境毎に最適なカメラ設定条件を共通のデータテーブルとしてそれぞれの記憶部に保持し、設置された撮像装置の監視視野内の環境変化があった場合に、撮像装置が.当該データテーブルを参照して、最適なカメラ設定条件に自動的に切り換えることにより、最適なカメラ設定が自動で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明のCCTVシステムの一実施例を説明するための模式図である。
【図2】本発明のCCTVシステムに使用する撮像装置の一実施例の略構成を説明するためのブロック図である。
【図3】本発明のCCTVシステムの一実施例を説明するための模式図である。
【図4】本発明のCCTVシステムの一実施例の動作手順を説明するための図である。
【図5】本発明のCCTVシステムの一実施例の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の撮像装置は、複数の撮像装置のカメラ設定の情報を共有化し、最適な状態のカメラ設定の情報を検出し、その最適なカメラ設定の情報と各撮像装置のカメラ設定の情報と比較し、自動的に、各撮像装置のカメラ設定の変更を実行する。
また環境変化の都度、カメラ設定の状態を検出し、何度でも繰り返し最適化を行うCCTVシステムである。
以下、本発明の一実施形態を図面等を用いて説明する。なお、以下の説明は、本発明の一実施形態を説明するためのものであり、本願発明の範囲を制限するものではない。従って、当業者であればこれらの各要素若しくは全要素をこれと均等なものに置換した実施形態を採用することが可能であり、これらの実施形態も本願発明の範囲に含まれる。なお、各図の説明において、共通な機能を有する構成要素には同一の参照番号を付し、できるだけ説明の重複を避ける。
【実施例1】
【0009】
図1によって、本発明の一実施例を説明する。図1は、本発明のCCTVシステムの一実施例を説明するための模式図である。160はCCTVシステムが設置されている建物、161はLAN(Local Network Area)、170は監視センタ、180はネットワーク回線、190は外光、112は建物160の1階の室内A、114は建物160の1階の通路A、122は建物160の2階の室内B、124は建物160の2階の通路B、132は建物160の3階の室内C、134は建物160の3階の通路C、111は室内A112を監視視野とする撮像装置1A、113は外光190を室内A112に採光する窓、115は通路A114を監視視野とする撮像装置2A、121は室内B122を監視視野とする撮像装置1B、123は外光190を室内B122に採光する窓、125は通路B124を監視視野とする撮像装置2B、131は室内C132を監視視野とする撮像装置1C、133は外光190を室内C132に採光する窓、135は通路C134を監視視野とする撮像装置2Cである。
【0010】
図1は、本発明のCCTVシステムの一実施例の監視システムの概略構成図である。この監視システムは、例えばビルやマンション等の監視対象施設に設けられる監視ユニットを、ネットワーク回線180を介して監視センタ170に接続するものである。
監視対象施設(建物160)に設けられる監視ユニットは、複数の撮像装置(撮像装置1A111、2A115、1B121、2B125、1C131、2C135)と、これらの撮像装置を相互に接続するLAN161で構成されている。これら複数の撮像装置は、建物160の監視に用いられ、例えば、エレベータホール、通路、および室内にそれぞれ設置される。監視センタ170は、これら撮像装置が撮像した映像を、LAN161およびネットワーク回線180を介して取得し、それら取得した映像をモニタで監視するものである。
【0011】
また、撮像装置1A111、2A115、1B121、2B125、1C131、2C135の構成を、図2によって説明する。図2は、本発明のCCTVシステムに使用する撮像装置の一実施例の略構成を説明するためのブロック図である。200は撮像装置、201は撮像部、202は映像変換部、203はネットワーク通信部、204は記憶部、205は制御部、241は記憶部204のデータテーブルである。
なお、撮像装置200には、上記ユニット以外にも各種ユニットが存在するが、それらについては省略してある。
【0012】
図2において、撮像部201は、監視対象となる施設や物体を含む監視視野内を撮影し、取得した映像を電気信号に変換して、映像変換部202に出力する。映像変換部202は、撮像部201から入力された映像について所定の映像処理を行い、その後デジタル符号化し、さらに圧縮等によって伝送に適したデータ形式に変換して、LANネットワーク通信部203に出力する。
【0013】
また、映像変換部202は、撮像部201から入力された映像から、監視視野内の明るさの情報を抽出し、制御部205に出力する。制御部205は、記憶部204のデータテーブル241を参照して、抽出した明るさの情報に対応するカメラ設定条件(各種パラメータの値)を読み出し、読み出した設定条件で自撮像装置(撮像装置200)のカメラ設定の状態を変更する。
明るさの情報は、取得した映像から周知の技術で抽出する(例えば、特開2010−79531号公報)。例えば、画素毎の輝度値の平均値(若しくは中心値)を、全画素若しくは所定の範囲の画素位置について算出し、算出した輝度に基づいて決定する。
【0014】
LANネットワーク通信部203は、映像変換部202から入力された映像データを、LAN161にネットワーク伝送する。
またLANネットワーク通信部203は、LAN161およびネットワーク回線180を介して監視センタ170から、若しくは、LAN161を介して他の撮像装置から、制御コマンドを受け取り制御部205に出力する。制御部205は、撮像装置200内の各ユニットを制御する(制御部205と各ユニット間の配線は図示していない)。
【0015】
記憶部204は、撮像装置200を動作させるためのソフトウエアが記憶され、制御部205は、起動時にこのソフトウエアを読み出して使用する。また、記憶部204は、自撮像装置のカメラ設定の状態情報とCCTVシステムに接続されている他の撮像装置それぞれのカメラ設定の状態情報をデータテーブルとして保存している。
なお、図1において、それぞれの撮像装置は、LANを経由して接続している。しかし、直接ネットワーク回線をそれぞれの撮像装置から接続し、接続したネットワーク回線を介して、カメラ設定情報を相互に通信するようにしても良い。また、ネットワーク回線が、LANであっても良い。
【0016】
実施例1によれば、刻々と変化する監視視野内の明るさに応じて、対応する撮像装置のカメラ設定を自動的に変更することができる。
なお、カメラ設定の情報は、例えば、レンズ絞り、フォーカス、光学フィルタの種類、感度、ノイズ除去等をパラメータとする。
【実施例2】
【0017】
図3と図2によって、本発明のCCTVシステムの第2の実施例について説明する。図3は、本発明のCCTVシステムの一実施例を説明するための模式図である。301は監視視野である焼却炉の炉内、302は上部監視視野部、303は下部監視視野部、304と305は上部監視視野部の撮像装置、306と307は下部監視視野部の撮像装置、308は炉内301の上部、309と310は炉内301の下部、311と312は燃料である。
なお、撮像装置304〜307は、それぞれ、耐熱性および防爆性を持たせるため、耐熱性および防爆性を有する筺体に収納し、図示しない耐熱性および防爆性を有する伝送ケーブルにてLANと接続されている。LANから監視センタまでの構成および通信手段は図1と同様である。
【0018】
焼却炉の炉内301には、焼却物の上部から、重油、軽油、LNGガス等の燃料311、312の3種類が適宜投入される。投入される燃料によって、燃える色が異なる。例えば、重油は青色、軽油は赤色、LNGガスは白色である。
また、焼却炉の炉内301は、通常下部から上部に向かって、大まかに、燃えカスがたまる固体状態、物質が燃焼中の液体状態、燃焼した物質が気体となった状態と変化している。
このため全般的に、下部309と310は、燃えカス等の状態で温度も低いため撮像装置306および307が取得する映像は暗い。また、上部308は、気体状態のため撮像装置304および305が取得する映像は明るい。そして、上部と下部の燃焼状態が刻々変化するため、この境界も温度も、刻々と変わる。
このように、炉内301の上部308と、下部309および310とでは、明るさが全く異なるので、カメラの設定条件が同じではない。さらに、上部と下部の燃焼状態が刻々と変わるために、それぞれの撮像装置のカメラ設定を、明るさの変化に応じて、刻々と変化させる必要がある。このため、撮像装置のカメラ設定を、明るさの変化に応じて適宜変更するようにする。
【0019】
図3の実施例のような焼却炉や溶鉱炉等の炉内を監視するCCTVシステムにおいても、実施例1で説明したように、上部監視視野部302と下部監視視野部303をそれぞれ撮像装置で監視する場合に、複数の撮像装置と、これらの撮像装置を相互に接続するLANで構成する。これら複数の撮像装置は、炉内301の監視に用いられ炉内301を除く監視窓若しくは監視穴にそれぞれ設置される。監視センタは、これら撮像装置が撮像した映像を、LANおよびネットワーク回線を介して取得し、それら取得した映像をモニタで監視する(図1参照)。また、それぞれの撮像装置の動作については、図2で説明したものと同様である。
【0020】
実施例2によれば、刻々と変化する監視視野内の明るさに応じて、対応する撮像装置のカメラ設定を自動的に変更することができる。
なお、カメラ設定の情報は、例えば、レンズ絞り、フォーカス、光学フィルタの種類、感度、ノイズ除去等をパラメータとする。
【実施例3】
【0021】
図4によって、本発明の第3の実施例を説明する(図2および後述の図5参照)。図4は、本発明のCCTVシステムの一実施例の動作手順を説明するための図である。
手順401−1〜手順401−nでは、本発明のCCTVシステムの第1番目から第n番目の撮像装置それぞれのカメラ設定状態を、それぞれの撮像装置(自撮像装置)内で検出する。同時に、そのカメラ設定の状態で撮像した映像から、明かり差の情報およびコントラスト比の情報を検出する。なお、nは2以上の自然数である。
その後、手順402では、それぞれの撮像装置が、LAN等のネットワーク回線によりあらかじめ定めた任意の撮像装置(主撮像装置)に、手順401−1〜401−nで検出した情報を送信し、終結する。即ち、本発明では、1台の撮像装置(この実施例では、第1番目の撮像装置を主撮像装置とする)が、ネットワーク回線を介して接続されたCCTVシステムの全ての撮像装置のカメラ設定情報を集め、保存する。
【0022】
手順403では、主撮像装置は、収集したカメラ設定情報の中において、最適なカメラ設定(各種パラメータ)情報を検出する。最適なカメラ設定の情報は、例えば、そのカメラ設定の状態で取得した映像の明るさと、最大輝度値と最小輝度値からコントラスト比とを検出し、検出した明るさの情報と同一となるデータテーブルの明るさの情報と関連付けられたコントラスト比と比較する(例えば、特開2010−79531号公報参照。)。データテーブルのコントラスト比が高い場合には、データテーブルの明るさの情報(またはコントラスト比の情報)に関連付けられたカメラ設定の情報を当該撮像装置に送信する。また、データテーブルのコントラスト比の方が低い場合には、データテーブルの明るさの情報に関連付けられたカメラ設定の条件とコントラスト比の情報を、当該撮像装置が取得した映像に基づくカメラ設定の情報およびコントラスト比の情報に更新する。
即ち、手順403では、最適のカメラ設定(各種パラメータ)情報と、元のカメラ設定(各種パラメータ)情報とを比較し、自動で最適化を実行する。
手順405では、最適化されたカメラ設定(各種パラメータ)情報に基づいて、当該撮像装置のカメラ設定を変更する。その後、手順406と手順407を実行する。
【0023】
手順406では、第1番目から第n番目の撮像装置は、それぞれ、所定の周期でそれぞれが取得した映像から環境変化検出を実行し、環境変化があった(環境変化を検出した)と判定した場合には、手順401−1〜401−nのいずれかの手順を開始する。
手順407では、CCTVシステムに接続されている全ての撮像装置にその情報を保存(保管)する。
その結果、どの撮像装置からでも全てのカメラ設定(各種パラメータ)情報を取得することが可能となる。
【0024】
次に、図5によって、図4で説明した手順を実行する本発明のCCTVシステムの一実施例を説明する。なお、図5の実施例は、一例であり、図4の手順を本発明のCCTVシステムのどの構成要素で実行するかは任意に設定可能である。
図5は、図4の動作を実現する本発明のCCTVシステムの一実施例の構成を示すブロック図である。501−1〜501−nは撮像装置(nは2以上の自然数)、503はネットワーク回線、502はLANケーブルを介して各撮像装置501−1〜501−n間およびネットワーク回線503の宛先制御を行うHUB、504は操作用端末である。
図5において、撮像装置501−1〜501−nは、それぞれ所定の監視視野内を撮像し、HUB502およびネットワーク回線を介して監視センタ(図示しない)若しくは監視端末(図示しない)に出力するCCTVシステムである。
【0025】
図5において、撮像装置501−1〜501−nは、それぞれ、HUB502を介して相互にアクセス(通信)可能である。カメラ設定(各種パラメータ)の情報を通信可能である。各撮像装置501−1〜501−nは、自撮像装置のカメラ設定状態を検出する(手順401−1〜401−n:手順401と総称する)。また、各撮像装置501−2〜501−nは、検出したカメラ設定の情報をHUB502を介して、所定の主撮像装置(例えば、撮像装置501−1)に送信する。主撮像装置501−1は、自撮像装置が検出したカメラ設定の情報と、他の撮像装置501−2〜501−nから送信されたカメラ設定の情報をデータテーブルとして保存する(例えば、撮像装置の記憶部(図2参照)内に保存する)(手順402)。
【0026】
また、撮像装置501−1(例えば、撮像装置の制御部(図2参照))は、テーブル内のそれぞれの撮像装置501−1〜501−nのカメラ設定の情報の中において最適なカメラ設定(各種パラメータ)の状態を検出し、検出した最適なカメラ設定の情報を当該撮像装置にHUB502を介して送信する(手順403)。
各撮像装置501−2〜501−nは、撮像装置501−1から送信された最適なカメラ設定の情報と、それぞれのカメラ設定の状態(元の状態)とを比較する。各撮像装置501−2〜501−nは、それぞれのカメラ設定の状態が最適なカメラ設定の状態でない時には、カメラ設定を最適なカメラ設定の状態となるように、自動的にカメラ設定を実行する。また、各撮像装置501−2〜501−nは、それぞれのカメラ設定の状態が最適なカメラ設定の状態である時には、カメラ設定の状態をそのままの状態とする。なお、撮像装置501−1は、自撮像装置のカメラ設定の状態と、手順403で検出した最適なカメラ設定の情報とを比較し、カメラ設定の状態が最適なカメラ設定の状態でない時には、カメラ設定を最適なカメラ設定の状態となるように、自動的にカメラ設定を実行する。また、主撮像装置501−1は、カメラ設定の状態が最適なカメラ設定の状態である時には、カメラ設定の状態をそのままの状態とする(手順403)。
【0027】
各撮像装置501−2〜501−nは、それぞれのカメラ設定の状態を維持し、撮像装置501−1は、記憶部のデータテーブルを、最適なカメラ設定の情報に更新する(手順405)。
各撮像装置501−2〜501−nは、それぞれ、取得した最新の画像の情報から監視視野内の明るさを検出し、検出された明るさが、基準とした明るさ所定の値以上変化したか否かを判定する。この検出と判定は、所定の周期で実行する。即ち、検出された明るさが、所定の値未満の変化であると判定した場合には、基準とした明るさの値を維持し、所定の周期で再実行する。例えば、取得する映像が30[fps]の場合には、200フレーム毎に検出および判定を実行する。そして、検出された明るさが所定の値以上の変化であると判定した場合には、手順401−1〜401−nを実行する(環境変化検出手順:手順406)。なお、本実施例では、全ての撮像装置について、手順401を実行するようにしているが、明るさの変化が所定の値以上の変化であると判定した撮像装置についてのみ、手順401以降を実行するようにしても良い。
【0028】
撮像装置501−1は、手順405で更新したデータベースの情報を、他の全ての撮像装置501−2〜501−nにHUB502を介して送信する。各撮像装置501−2〜501−nは、撮像装置501−1から入力されるデータベースの情報で、自撮像装置内のデータベースを更新する(手順407)。
この結果、どの撮像装置からでも全てのカメラ設定(各種パラメータ)の情報を取得することが可能となる。従って、手順406として説明した環境変化検出によっていずれかの撮像装置が手順401を実行し、
【0029】
なお、本発明の一実施例のCCTVシステムにおいて、使用する撮像装置若しくは設置場所に、あらかじめ優先順位をつけておいても良い。その結果、各撮像装置は、自撮像装置の環境変化を検出した場合に、主撮像装置に環境変化に関する情報(例えば、明るさの情報、コントラスト比の情報、および現在のカメラ設定の情報)を送信するが、もし、主撮像装置に通信ができなかった場合には、次の順位の撮像装置に送信するようにすることができる。この結果、本発明CCTVシステムにおいて、主撮像装置と通信不可能となった場合にも、他の撮像装置で環境変化に対応してシステム運用を継続することが可能となる。
【0030】
実施例3によれば、刻々と変化する監視視野内の明るさに応じて、対応する撮像装置のカメラ設定を自動的に変更することができる。
また、カメラ設定(各種パラメータ)の最適状態を全ての撮像装置が共有化し、自撮像装置の各種パラメータと最適化したパラメータ情報を比較し、最適状態のカメラ設定(各種パラメータ)を自動検出可能で、環境変化毎に何度でも自動設定することができる。
なお、カメラ設定の情報は、例えば、レンズ絞り、フォーカス、光学フィルタの種類、感度、ノイズ除去等をパラメータとする。
このように、実施例1〜実施例3によれば、監視領域内に複数の撮像装置を設置して監視を行う監視システム等のCCTVシステムにおいて、撮像装置が、予め監視環境毎に最適なカメラ設定条件をデータテーブルとして記憶部に保持し、撮像装置の設置環境が変わった場合に、撮像装置が.当該データテーブルを参照して、最適なカメラ設定条件に自動的に切り換えることにより、最適なカメラ設定が自動で行える技術です。
【0031】
なお、上記実施例1〜実施例3においては、撮像装置が撮像した映像から、明るさの情報を検出し、検出した明るさの変化を環境変化として検出した。しかし、撮像した映像によらず、光センサ等の明るさを検出するセンサによって、明るさの変化を検出しても良いことは勿論である。
さらに、明るさによる環境の変化の他、時刻の変化、気圧の変化、熱量の変化等を検出するセンサまたはそれらの組み合わせに基づいて環境変化を検出するようにしても良い。
【符号の説明】
【0032】
111:撮像装置1A、 112:室内A、 113:窓A、 114:通路A、 115:撮像装置2A、 121:撮像装置1B、 122:室内B、 123:窓B、 124:通路B、 125:撮像装置2B、 131:撮像装置1C、 132:室内C、 133:窓C、 134:通路C、 135:撮像装置2C、 160:建物、 161:LAN、 170:監視センタ、 180:ネットワーク回線、 190:外光、 200:撮像装置、 201:撮像部、 202:映像変換部、 203:ネットワーク通信部、 204:記憶部、 205:制御部、 241:データテーブル、 301:炉内、 302:上部監視視野部、 303:下部監視視野部、 304、305、306、307:撮像装置、 308:炉内上部、 309、310:炉内下部、 311、312:燃料、 501−1〜501−n:撮像装置、 502:HUB、 503:ネットワーク回線、 504:操作用端末。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視視野内を撮像する撮像装置、該撮像装置が撮像する該監視視野内の映像を通信手段を介して受信し、監視業務を行う監視センタを備えたCCTVシステムにおいて、前記撮像装置は、前記撮像した映像から前記監視視野内の明るさの情報およびコントラスト比の情報を検出する制御部と、検出された明るさの情報に対応する前記カメラ設定値の情報および前記コントラスト比の情報をデータテーブルとして記憶し、自撮像装置および他の全ての撮像装置の現在のカメラ設定(各種パラメータ)の状態、現在の明るさの情報、およびコントラスト比の情報とを記憶する記憶部と、通信手段を介して他の撮像装置に自撮像装置の現在のカメラ設定状態の情報、現在の明るさの情報およびコントラスト比の情報を通知し、該通信手段を介して他の撮像装置の現在のカメラ設定状態情報、現在の明るさの情報およびコントラスト比の情報を受信し、前記データテーブルの明るさのカメラ設定情報を参照して、参照された明るさの情報に関連付けられたコントラスト比の情報と現在のコントラスト比を比較し、現在のコントラスト比が高ければ現在のカメラ設定の情報に前記データテーブルの前記明るさの情報に関連付けられたカメラ設定の値を更新し、現在のコントラスト比が低ければ、前記データテーブルの前記明るさの情報に関連付けられたカメラ設定の値に当該撮像装置のカメラ設定を変更することを特徴とするCCTVシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−156658(P2012−156658A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−12436(P2011−12436)
【出願日】平成23年1月25日(2011.1.25)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】