説明

CIピグメントレッド170誘導体を含有する混晶

本発明は、CIピグメントレッド170及び式(I)の化合物(式中、X=F、Cl、Br、CH又はNOである。)を基にした新規混晶に関する。該新規混晶は、非置換CIピグメントレッド170よりも優れた耐光性及び耐候性を有する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、C.I.ピグメントレッド170及びその誘導体を基にした新規混晶及びそれらを調製するためのプロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
C.I.ピグメントレッド170(式(1)、X=H)は、DE 1 228 731に記載されている。そのアルファ、ベータ及びガンマ相は、DE 2 043 482に記載されている。塗料及びプラスチックにおいて、C.I.ピグメントレッド 170は優れているが、耐光特性及び耐候特性の面で完璧ではない。
【0003】
C.I.ピグメントレッド170との多くの混晶が記載されてきた。例えば、C.I.ピグメントレッド170と、C.I.ピグメントレッド266(これは、エトキシ基のかわりにメトキシ基を含有する。)との混晶は、「C.I.ピグメントレッド210」として知られている。
【0004】
しかし、C.I.ピグメントレッド210の耐光性及び耐候性は、C.I.ピグメントレッド170そのものよりも低い。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、前述のC.I.ピグメントレッド170よりも優れた耐光特性及び耐候特性を有する赤色アゾ顔料を調製することであった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
C.I.ピグメントレッド170と下記で定義する式Iの誘導体との混晶は、驚くべきことにこの問題を解決することが分かった。
【0007】
本発明は、C.I.ピグメントレッド170と、式(1)
【0008】
【化8】

(式中、
Xは、F、Cl,Br、メチル又はニトロと定義される。)の化合物の1又は複数との混晶を提供する。
【0009】
以下、X=Fである前記化合物(1)は、「F−P.R.170」、X=Clであるものは、「Cl−P.R.170」、X=Brであるものは、「Br−P.R.170」、X=メチルであるものは、「メチル−P.R.170」、X=ニトロであるものは、「ニトロ−P.R.170」、X=Hであるものは、「P.R.170」と呼ぶ。
【0010】
前記式(1)は、理想的な代表例として理解されるべきものであり、対応する互変異性体も包含し、各互変異性体の可能なシス/トランス異性体も包含する。
【0011】
本発明の目的のための混晶はまた、固溶体も包含する。本混晶の特性は、個々の成分及び個々の成分の物理的混合物の両方の特質と異なる。特に、本混晶の粉末X線図は、個々の成分の粉末X線図を加算したものとは異なる。
【0012】
式(1)の化合物そのもの及びそれらの調製のためのプロセスは、まだ公開されていないドイツ国特許出願 102 24 279.8に記載されている。メチル−P.R.170及びニトロ−P.R.170の両者が、異なる様々な相で生じる。
【0013】
本混晶は、C.I.ピグメントレッドの170の0.1重量%から99.9重量%、好ましくは1重量%から99重量%、特には80重量%から99重量%と、前記式(1)の化合物の又は前記式(1)の化合物の2以上、例えば2もしくは3のあらゆる所望する混合物の99.9重量%から0.1重量%、好ましくは99重量%から1重量%、特には20重量%から1重量%と、を含有し得る。
【0014】
本発明の混晶中の個々の成分の割合は、個々の成分それぞれに対して、好ましくは、1モル%から99モル%、より好ましくは10モル%から90モル%である。好ましい2成分性混晶は、好ましくは、100:1から3:1のモル比の、とりわけ、50:1から10:1のモル比の、P.R.170と、前記式(1)の化合物のうち1つ、特に、X=Cl又はメチルであるものと、からなる。
【0015】
本混晶は、様々な結晶多形で生じ得る。例えば、本混晶は、C.I.ピグメントレッド170のアルファ、ベータ又はガンマ相と同形(isotopic)であり得る。同形性はまた、粉末X線図から分かる。疑わしい場合には、様々な濃度の一連の混晶を調製して、線位置及び線強度が組成とともに連続して変化するか否かを確かめる。
【0016】
本混晶は、赤色の色相、高い着色力及び耐光特性及び耐候特性が非常に優れていることにより区別される。
【0017】
本発明の混晶は、例えば、様々な個々の化合物の共合成(cosynthesis)により、又は合わせた再結晶化、粉砕及び/又は仕上げ処理により調製することができる。
【0018】
本発明の顔料は、例えば、1−アミノベンゼン−4−カルボキサミド(式(2)、X=H)と式(2)
【0019】
【化9】

(式中、Xは、F、Cl、Br、メチル又はニトロとして定義される。)の1又は複数のアミンとの混合物をジアゾ化し、
続いて、式(3)
【0020】
【化10】

の化合物とその生成物をカップリングさせることにより、調製することができる。
【0021】
本発明の混晶はまた、例えば、1−アミノベンゼン−4−カルボキサミド(式(2)、X=H)及び前記式(2)の1又は複数のアミンを個別にジアゾ化し、次にそのジアゾ化塩を混合し、続いて前記式(3)の化合物とその混合物をカップリングさせることにより調製することもできる。
【0022】
本発明の混晶はまた、既に調製したC.I.ピグメントレッド170の存在下で、前記式(2)の少なくとも1つのジアゾ化アミンを、前記式(3)の1−(2’,3’−オキシナフトイルアミノ)−2−エトキシベンゼンとカップリングさせることにより調製することもできる。
【0023】
本発明の混晶はまた、前記式(1)の少なくとも1つの化合物の存在下で、ジアゾ化1−アミノベンゼン−4−カルボキサミドを、前記式(3)の1−(2’,3’−オキシナフトイルアミノ)−2−エトキシベンゼンとカップリングさせることにより調製することもできる。
【0024】
ジアゾ化反応に適切なものは、無機強酸に加えて、亜硝酸アルカリ金属又は短鎖アルカンの亜硝酸アルキルである。特に適切であるのは、亜硝酸ナトリウム及び塩酸である。本反応は、−5℃から+30℃の範囲、好ましくは、0℃から10℃の間の温度で遂行することができる。必要ではないが、このジアゾ化の際に、非イオン性、陰イオン性、陽イオン性界面活性剤を存在させることができる。適切であるならば、さらなる補助剤、例えば天然もしくは合成樹脂又は樹脂誘導体を使用することもできる。
【0025】
カップリングは、直接又は間接的方法により行うことが可能であるが、好ましくは間接的に行われ、カップリング成分は、既に導入されたジアゾニウム塩に添加される。このカップリング反応は、−5℃から80℃の範囲、好ましくは、5℃から25℃の間の温度及びpH4から14の間、特には、pH9から12の間で遂行することができる。このアゾカップリング反応は、好ましくは、水溶液又は懸濁液中で行われるが、有機溶媒を、単独で、又は水との混合液として、使用することもできる。
【0026】
カップリング中又はカップリング後における、及びレーキ化する前又はレーキ化中の、アルカリ溶解性樹脂補助剤又はそれらの混合物の添加により、本発明の混晶顔料の分散性が向上する。有利に、この樹脂補助剤又はそれらの混合物は、アルカリ水溶液の形態で使用される。適切な樹脂補助剤には、天然及び合成樹脂が含まれる。有利な代表例には、ロジン、不均化又は水素化ロジン及びロジン誘導体も含まれる。好ましいのは、天然樹脂酸、例えば、アビエチン酸、ジヒドロアビエチン酸、テトラヒドロアビエチン酸、レボピマル酸、デキストロピマル酸及びイソデキストロピマル酸、例えば、市販のロジンの種類に存在するものである。特に好ましいのは、樹脂酸であるアビエチン酸、デヒドロアビエチン酸、ネオアビエチン酸、パルストリン酸、イソピマル酸、ピマル酸及びサンダラコピマル酸を含有する市販の樹脂 RosinN又はRosinNと同等の市販品である。列挙した樹脂及びそれらの混合物と同様に、アルキド樹脂又は合成炭化水素樹脂を使用することもできる。述べた樹脂は、好ましくは、カップリング反応後に反応混合物に添加される。
【0027】
このカップリング成分は、通常、ジアゾニウム化合物よりもわずかに過剰な量で使用され、好ましくは、ジアゾ成分1等量を、本カップリング成分1.001から1.10等量と反応させる。
【0028】
カップリング後、本発明の化合物を、好ましくは、必要に応じて超大気圧下での、有利には1時間から6時間の、特には上述の樹脂補助剤の存在下における、水性溶媒、水性有機溶媒又は有機溶媒中での、80℃から200℃の間の温度における加熱処理に供する。上述のように、特定の結晶相を生じさせ得るか、又は相変態が起こり得る。次に、得られた顔料懸濁液を、従来の手法において濾過することができ、そのプレスケーキを塩非含有水で洗浄し、乾燥させ、粉砕することができる。
【0029】
所望する適用分野に依存して、合成した顔料を機械的な微粉砕に最初に供することが賢明であり得る。微粉砕は、湿式粉砕もしくは乾式粉砕又は混練により遂行し得る。次に、粉砕又は混練の後、溶媒を用いた、水を用いた、又は溶媒/水混合液を用いた処理を行い得る。混晶の形成を促進するために、混晶を安定化するために、色特性を向上させるために、及び特定の色効果を得るために、プロセスのあらゆる所望する時点で、顔料分散剤、界面活性剤、消泡剤、体質顔料(extenders)又は他の補助剤を添加することができる。これらの添加剤の混合物を使用することもできる。この添加剤は、全てを1回で、又は2回以上に分けて添加し得る。この添加剤は、合成又は様々な後処理のあらゆる段階で、又は後処理後に、添加し得る。添加に最適な時点は、範囲測定試験(range finding tests)により、前もって決定されなければならない。
【0030】
EP−A−1 257 602で述べられているように、本発明の混晶を調製するための規定された工程段階の1又は複数をマイクロリアクター中で遂行することも可能である。
【0031】
本発明の混晶はまた、P.R.170と前記式(1)の1又は複数の化合物とを混合し、続いて、例えば、水及び/又は溶媒中で、混練、粉砕、再結晶化及び/又は加熱などの処理を、例えばまた超大気圧下で、行うことにより得ることができる。例えば、アルファ相のP.R.170を、アルファ相のメチル−P.R.170 10モル%と混合することができ、水中で、130℃から160℃にて、その混合物を加熱し、ガンマ相の混晶を得ることができる。例えば、1−アミノベンゼン−4−カルボキサミド 0.1重量%から99.9重量%と1−アミノ−2−メチルベンゼン−4−カルボキサミド 99.9重量%から0.1重量%との混合物をジアゾ化し、そのジアゾニウム塩を1−(2’,3’−オキシナフトイルアミノ)−2−エトキシベンゼンとカップリングさせ、次にその懸濁液を加熱しないことにより、アルファ相のC.I.ピグメントレッド170とメチル−P.R.170との混晶を生成させる。全体の組成範囲にわたり、P.R.170のアルファ相及びメチル−P.R.170のアルファ相とともに、得られた混晶が連続的な一連の混晶を形成する。
【0032】
例えば、合成及び仕上げ処理がDE 1 228 731、実施例4(ジアゾ化、カップリング、樹脂石鹸及び塩化カルシウムの添加、1時間の沸騰)に従って行われ、1−アミノベンゼン−4−カルボキサミドの代わりに、1−アミノベンゼン−4−カルボキサミドと1−アミノ−2−メチルベンゼン−4−カルボキサミドとの等モル混合物が使用される場合、ベータ相のC.I.ピグメントレッド170とメチル−P.R.170との混晶が生じる。得られた混晶は、P.R.170のベータ相と同形である。粉末X線図において、この混晶は、次の特性線により区別される。(Cu Kα放射線、シータ値(°)、測定精度 +/−0.2°、強度:vs=非常に強い、s=強い、m=中程度、w=弱い、vw=非常に弱い。):
【0033】
【表1】

【0034】
一方、この2種類の化合物が、同じプロセスにより別個に合成され、その顔料がその後に混合される場合、得られる粉末X線図は、次のようになる:
【0035】
【表2】

【0036】
例えば、合成及び仕上げ処理がDE 2 043 482、実施例1(ジアゾ化、カップリング、130℃での水中における3時間加熱)に従って行われ、1−アミノベンゼン−4−カルボキサミドの代わりに、1−アミノベンゼン−4−カルボキサミド90モル%と1−アミノ−2−ニトロベンゼン−4−カルボキサミド10モル%との混合物が使用される場合、ガンマ相のC.I.ピグメントレッド170とニトロ−P.R.170との混晶が生じる。得られた混晶は、P.R.170のガンマ相と同形であり、粉末X線図において、この混晶は、次の特性線により区別される:
【0037】
【表3】

【0038】
ここで再び、混晶の粉末X線図は、個々の成分の物理的混合物の粉末X線図とは明らかに異なる。
【0039】
出発物質の純度、濃度、温度及び使用する温度プロファイル、合成及びあらゆる後処理の時間プロファイル、圧力、不純物もしくは添加剤の存在及び種結晶の存在に依存して、単一相の混晶のみもしくは様々な相の混晶又は混晶の混合物及び1又は複数の純粋な化合物を代替的に形成させることが可能である。
【0040】
本発明の混晶は、天然又は合成由来の高分子量有機材料、例えば、プラスチック、樹脂、ワニス、塗料又は電子写真トナー及び顕色剤、印刷用インクを含むインクを着色するために使用することができる。
【0041】
本発明の混晶を用いて着色することができる高分子量有機材料は、例えば、セルロースエーテル及びセルロースエステル、例えば、エチルセルロース、ニトロセルロース、酢酸セルロース又は酪酸セルロース、天然樹脂又は合成樹脂、例えば、付加重合樹脂又は縮合樹脂、例えば、アミノ樹脂であるもの、特に、尿素及びメラミンホルムアルデヒド樹脂、アルキド樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート、ポリオレフィン、例えば、ポリスチレン、塩化ポリビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリロニトリル、ポリアクリルエステル、ポリアミド、ポリウレタン又はポリエステル、ゴム、カゼイン、シリコーン及びシリコーン樹脂の、それぞれ又は混合物である。上述の高分子量有機化合物がプラスチックの塊の形態、プラスチック溶融液の形態、又は紡糸液、ワニス、塗料又は印刷用インクの形態であるか否かはここでは重要ではない。意図する使用に依存して、粉末、顆粒、塗料、フラッシングペースト(flushing pastes)、マスターバッチ又は分散液の形態で本発明の化合物を利用することは、有利であることが分かる。着色を行う高分子量有機材料に基づき、0.05重量%から30重量%、好ましくは0.1重量%から15重量%の量で本発明の化合物を使用する。
【0042】
本発明の混晶はまた、電子写真トナー及び顕色剤、例えば、1又は2成分粉末トナー(1又は2成分顕色剤とも呼ぶ。)、磁性トナー、液体トナー、ラテックストナー、重合トナー及び特殊トナーにおける着色剤としての使用に適している。
【0043】
典型的なトナーバインダーは、付加重合樹脂、重付加樹脂及び重縮合樹脂、例えば、スチレン、スチレン−アクリラート、スチレン−ブタジエン、アクリラート、ポリエステル及びフェノール−エポキシ樹脂、ポリスルホン、ポリウレタンの、それぞれ又は組み合わせ、ならびにまた、ポリエチレン及びポリプロピレンであり、電荷制御剤、ワックス又は流動助剤など、さらなる成分も含み得るか、又は、これらの添加成分で続いて修飾され得る。
【0044】
本発明の混晶は、さらに、粉末及び粉末塗装剤として、特に、例えば金属製、木製、プラスチック製、ガラス製、セラミック製、コンクリート製、繊維材料、紙製又はゴム製の物品の表面を塗装するために使用する、摩擦電気的もしくは動電学的に噴霧可能な粉末塗装剤における着色剤としての使用のために適切である。
【0045】
粉末塗料用樹脂としての使用では、通常、従来の硬化剤とともに、エポキシ樹脂、カルボキシル及びヒドロキシル含有ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂及びアクリル樹脂が使用される。樹脂の組合せもまた使用される。例えば、エポキシ樹脂は、カルボキシル及びヒドロキシル含有ポリエステル樹脂と組み合わせて使用されることが多い。一般的な硬化剤成分(樹脂系に依存する。)は、例えば、酸無水物、イミダゾール及びジシアンジアミド及びそれらの誘導体、マスクトイソシアネート(masked isocyanate)、ビスアクリルウレタン、フェノール樹脂及びメラミン樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート、オキサゾリン及びジカルボン酸である。
【0046】
本発明の混晶は、インクにおける着色剤として、好ましくは、水性ベース又は非水性ベースのインクジェットインクにおいて、例えばマイクロエマルジョンインクにおいて、及びホットメルトプロセスに従い機能するそれらのインクにおいて、着色剤としてさらに有用である。
【0047】
インクジェットインクは、通常、総量で、本発明混晶の1又は複数を0.5重量%から15重量%、好ましくは、1.5重量%から8重量%(乾燥重量を基準として計算)含有する。
【0048】
マイクロエマルジョンインクは、有機溶媒、水及び、必要であれば、さらなるヒドロトロープ物質(界面介在物質(interface mediator))をベースとする。マイクロエマルジョンインクは、本発明混晶の1又は複数の0.5重量%から15重量%、好ましくは1.5重量%から8重量%と、水の5重量%から99重量%と、有機溶媒及び/又はヒドロトロープ化合物の0.5重量%から94.5重量%と、を含有する。
【0049】
「溶剤型」インクジェットインクは、本発明の混晶の1又は複数の0.5重量%から15重量%と、有機溶媒び/又はヒドロトロープ化合物の85重量%から99.5重量%と、を含有する。
【0050】
ホットメルトインクは、殆ど、室温では固体であり、加熱すると液体になるワックス、脂肪酸、脂肪アルコール又はスルホンアミドをベースとし、好ましい融解範囲は、約60℃から約140℃の間である。ホットメルトインクジェットインクは、例えば、基本的に、ワックス20重量%から90重量%と、本発明の混晶の1又は複数1重量%から10重量%とからなる。さらに、さらなるポリマー(「色素溶解剤」として)0重量%から20重量%、分散剤0重量%から5重量%、粘度調整剤0重量%から20重量%、可塑剤0重量%から20重量%、粘着添加剤(tack additive)0重量%から10重量%、透明度安定剤(例えば、ワックスの結晶化を防ぐ。)0重量%から10重量%及び抗酸化剤0重量%から2重量%が存在し得る。
【0051】
本発明の混晶は、加法混色生成及び減法混色生成の両者のためのカラーフィルター用着色剤として、及び、また、電子インク(e−ink)又は電子ペーパー用の着色剤としてもさらに有用である。本発明の混晶は、また、種子の着色にも適切である。
【0052】
本発明の顔料は、着色力が高く、耐光特性及び耐候特性に非常に優れていることについて着目に値する。これらは、環境的に好ましくない重金属を全く含有しない。列挙したこの特性により、特に、塗装剤、好ましくは自動車仕上げの塗装剤における、及びプラスチックにおける、及びまた、印刷インクにおける着色剤としての使用のために、本発明の顔料は適格となる。
【0053】
本発明及び下記の比較実施例における「部(parts)」という用語は、重量比(部)を意味する。
【実施例】
【0054】
比較実施例:X=H
a)特許DE 1 228 731 実施例4による合成:
1−アミノベンゼン−4−カルボキサミドの13.6部(重量)を、5N塩酸の60部(体積)とともに、しばらく撹拌する。次に、この混合物を、水で希釈し、10℃にて5N亜硝酸ナトリウム溶液20部(体積)でジアゾ化する。ジアゾ化の間、1−(2’,3’−オキシナフトイルアミノ)−2−エトキシベンゼン33部(重量)を、熱い、水450部(体積)及び5N水酸化ナトリウム溶液42部(体積)で溶解し、得られた溶液を透明化する。この溶液を、10℃から15℃にて30分から45分間にわたり、ジアゾ溶液に撹拌しながら流し込むが、このジアゾ溶液は、前もって氷酢酸7部(体積)及び2N酢酸ナトリウム溶液50部(体積)と混合しておく。得られた沈殿物を吸引濾過により単離し、洗浄する。これにより、C.I.ピグメントレッド170のアルファ相が生成する。
【0055】
b)DE 1 228 731 実施例4に基づく方法による合成及び仕上げ処理:
1−アミノベンゼン−4−カルボキサミドの13.6部(重量)を、5N塩酸の60部(体積)とともに、しばらく撹拌する。次に、この混合物を水で希釈し、10℃にて5N亜硝酸ナトリウム溶液20部(体積)でジアゾ化する。ジアゾ化の間、1−(2’,3’−オキシナフトイルアミノ)−2−エトキシベンゼン33部(重量)を、熱い、水450部(体積)及び5N水酸化ナトリウム溶液42部(体積)で溶解し、得られた溶液を透明化する。この溶液を、10℃から15℃にて30分から45分間にわたり、ジアゾ溶液に撹拌しながら流し込むが、このジアゾ溶液は、前もって氷酢酸7部(体積)及び2N酢酸ナトリウム溶液50部(体積)と混合しておく。カップリング終了後に、樹脂石鹸5部(重量)の水溶液及び塩化カルシウム3部(重量)を連続して添加し、そのバッチを3時間沸騰させる。得られた沈殿物を吸引濾過により単離し、洗浄する。これにより、C.I.ピグメントレッド170のベータ相が生成する。
【0056】
c)特許 DE 2 043 482 実施例1による仕上げ処理:
水性濾過ケーキの形態の、比較実施例(a)で調製した顔料の45部(重量)を、水1000部(重量)とともに撹拌し、130℃の温度に加熱し、この温度で3時間維持する。次にこの固形生成物を濾過により単離し、水で洗浄し、乾燥させて、粉砕する。これにより、ガンマ相のC.I.ピグメントレッド170が得られる。
【0057】
(発明実施例1):X=CH、1%
比較実施例(a)におけるようにして、しかし、アミンとして、4−アミノベンズアミドではなく4−アミノベンズアミド13.5部と4−アミノ−3−メチルベンズアミド0.15部との混合物を使用して、合成を行う。これにより、P.R.170のアルファ相と同形の混晶が得られる。
【0058】
(発明実施例2):X=CH、10%
発明実施例1におけるようにして、しかし、アミンとして、4−アミノベンズアミド12.2部と4−アミノ−3−メチルベンズアミド1.5部との混合物を使用して、合成を行う。これにより、P.R.170のアルファ相と同形の混晶が得られる。
【0059】
(発明実施例3):X=CH、20%
発明実施例1におけるようにして、しかし、アミンとして、4−アミノベンズアミド10.9部と4−アミノ−3−メチルベンズアミド3.0部との混合物を使用して、合成を行う。これにより、P.R.170のアルファ相と同形の混晶が得られる。
【0060】
(発明実施例4):X=CH、40%
発明実施例1におけるようにして、しかし、アミンとして、4−アミノベンズアミド8.2部と4−アミノ−3−メチルベンズアミド6.0部との混合物を使用して、合成を行う。これにより、P.R.170のアルファ相と同形の混晶が得られる。
【0061】
(発明実施例5):X=CH、60%
発明実施例1におけるようにして、しかし、アミンとして、4−アミノベンズアミド5.4部と4−アミノ−3−メチルベンズアミド9.1部との混合物を使用して、合成を行う。これにより、P.R.170のアルファ相と同形の混晶が得られる。
【0062】
(発明実施例6):X=CH、80%
発明実施例1におけるようにして、しかし、アミンとして、4−アミノベンズアミド2.7部と4−アミノ−3−メチルベンズアミド12.1部との混合物を使用して、合成を行う。これにより、P.R.170のアルファ相と同形の混晶が得られる。
【0063】
(発明実施例7):X=CH、90%
発明実施例1におけるようにして、しかし、アミンとして、4−アミノベンズアミド1.4部と4−アミノ−3−メチルベンズアミド13.6部との混合物を使用して、合成を行う。これにより、P.R.170のアルファ相と同形の混晶が得られる。
【0064】
(発明実施例8):X=CH、99%
発明実施例1におけるようにして、しかし、アミンとして、4−アミノベンズアミド0.14部と4−アミノ−3−メチルベンズアミド14.95部との混合物を使用して、合成を行う。これにより、P.R.170のアルファ相と同形の混晶が得られる。
【0065】
(発明実施例9):X=CH、10%、ベータ相
比較実施例(b)におけるようにして、しかし、アミンとして、4−アミノベンズアミドではなく、4−アミノベンズアミド12.2部と4−アミノ−3−メチルベンズアミド1.5部との混合物を使用して、合成を行う。これにより、P.R.170のベータ相と同形の混晶が得られる。
【0066】
(発明実施例10):X=Cl、10%
比較実施例(b)におけるようにして、しかし、アミンとして、4−アミノベンズアミドではなく、4−アミノベンズアミド12.2部と4−アミノ−3−クロロベンズアミド1.7部との混合物を使用して、合成を行う。これにより、P.R.170のベータ相と同形の、P.R.170とCl P.R.170との混晶と、P.R.170のガンマ相と同形の、P.R.170とCl P.R.170との混晶の小さな分画と、の混合物が得られる。
【0067】
(発明実施例11):X=ニトロ、10%
比較実施例(b)におけるようにして、しかし、アミンとして、4−アミノベンズアミドではなく、4−アミノベンズアミド12.2部と4−アミノ−3−ニトロベンズアミド1.7部との混合物を使用して、合成を行う。これにより、P.R.170のアルファ相と同形の混晶が得られる。
【0068】
(発明実施例12):X=F、10%
比較実施例(b)におけるようにして、しかし、アミンとして、4−アミノベンズアミドではなく、4−アミノベンズアミド12.2部と4−アミノ−3−フルオロベンズアミド1.5部との混合物を使用して、合成を行う。これにより、P.R.170のアルファ相と同形の混晶が得られる。
【0069】
(発明実施例13):X=Br、10%
比較実施例(b)におけるようにして、しかし、アミンとして、4−アミノベンズアミドではなく、4−アミノベンズアミド12.2部と4−アミノ−3−ブロモベンズアミド2.15部との混合物を使用して、合成を行う。これにより、P.R.170のベータ相と同形の混晶が得られる。
【0070】
(発明実施例14):X=CH、10%、ガンマ相
比較実施例(c)におけるようにして、しかし、アミンとして、4−アミノベンズアミドではなく、4−アミノベンズアミド12.2部と4−アミノ−3−メチルベンズアミド1.5部との混合物を使用して、合成及び仕上げ処理を行う。これにより、P.R.170のガンマ相と同形の混晶が得られる。
【0071】
(発明実施例15):X=Cl、5%
比較実施例(c)におけるようにして、しかし、アミンとして、4−アミノベンズアミドではなく、4−アミノベンズアミド12.9部と4−アミノ−3−クロロベンズアミド0.85部との混合物を使用して、合成及び仕上げ処理を行う。これにより、P.R.170のガンマ相と同形の混晶が得られる。
【0072】
(発明実施例16):X=ニトロ、10%
比較実施例(c)におけるようにして、しかし、アミンとして、4−アミノベンズアミドではなく、4−アミノベンズアミド12.2部と4−アミノ−3−ニトロベンズアミド1.7部との混合物を使用して、合成及び仕上げ処理を行う。これにより、P.R.170のガンマ相と同形の混晶が得られる。
【0073】
(発明実施例17):X=F、10%
比較実施例(c)におけるようにして、しかし、アミンとして、4−アミノベンズアミドではなく、4−アミノベンズアミド12.2部と4−アミノ−3−フルオロベンズアミド1.5部との混合物を使用して、合成及び仕上げ処理を行う。これにより、P.R.170のガンマ相と同形の混晶が得られる。
【0074】
(発明実施例18):X=Br、10%
比較実施例(c)におけるようにして、しかし、アミンとして、4−アミノベンズアミドではなく、4−アミノベンズアミド12.2部と4−アミノ−3−ブロモベンズアミド2.15部との混合物を使用して、合成及び仕上げ処理を行う。これにより、P.R.170のガンマ相と同形の混晶が得られる。
【0075】
(発明実施例19):X=CH、50%
比較実施例(c)におけるようにして、しかし、アミンとして、4−アミノベンズアミドではなく、4−アミノベンズアミド6.8部と4−アミノ−3−メチルベンズアミド7.6部との混合物を使用して、合成及び仕上げ処理を行う。これにより、P.R.170のベータ相と同形の混晶が得られる。
【0076】
(実施例20):X=Cl、5%、イソブタノール仕上げ処理
比較実施例(a)におけるようにして、アミンとして、4−アミノベンズアミド12.9部と4−アミノ−3−クロロベンズアミド0.85部との混合物を使用して、合成を行う。水性濾過ケーキの形態でのこのようにして調製した顔料を、イソブタノール 171部(重量)及び水 65部(重量)とともに撹拌し、105℃の温度に加熱し、この温度で1時間維持する。続いて、この固形生成物を濾過により単離し、水で洗浄し、乾燥させ、粉砕する。これにより、P.R.170のベータ相と同形の混晶が得られる。
【0077】
(反対実施例1):Clを伴う同形アミン、10%
実施例10におけるようにして、しかし、4−アミノ−3−クロロベンズアミドを3−アミノ−4−クロロベンズアミドに置き換えて、合成を行う。この生成物は、混晶ではなく、代わりに、アルファ相のP.R.170と、ガンマ相のP.R.170と、ジアゾ化3−アミノ−4−クロロベンズアミド及び1−(2’,3’−オキシナフトイルアミノ)−2−エトキシベンゼンの反応生成物との混合物である。
【0078】
(反対実施例2):メチルを伴う同形アミン、10%
実施例9におけるようにして、しかし、4−アミノ−3−メチルベンズアミドを3−アミノ−4−メチルベンズアミドで置き換えて、合成を行う。この生成物は、混晶ではなく、代わりに、ガンマ相のP.R.170と、ジアゾ化3−アミノ−4−メチルベンズアミド及び1−(2’,3’−オキシナフトイルアミノ)−2−エトキシベンゼンの反応生成物との混合物である。
【0079】
(反対実施例3):Clを伴う同形アミン、10%
実施例15におけるようにして、しかし、アミンとして、4−アミノベンズアミド12.2部と3−アミノ−4−クロロベンズアミド(4−アミノ−3−クロロベンズアミドの代わりに)1.7部との混合物を使用して、合成を行う。この生成物は、混晶ではなく、代わりに、γ相のP.R.170と、ジアゾ化3−アミノ−4−クロロベンズアミド及び1−(2’,3’−オキシナフトイルアミノ)−2−エトキシベンゼンの反応生成物との混合物である。
【0080】
(反対実施例4):メチルを伴う同形アミン、10%
実施例14におけるようにして、しかし、4−アミノ−3−メチルベンズアミドを3−アミノ−4−メチルベンズアミドで置き換えて合成を行う。この生成物は、混晶ではなく、代わりに、ガンマ相のP.R.170と、ジアゾ化3−アミノ−4−メチルベンズアミド及び1−(2’,3’−オキシナフトイルアミノ)−2−エトキシベンゼンの反応生成物との混合物である。
【0081】
(反対実施例5):物理的混合物
比較実施例(c)におけるようにして、しかし、4−アミノベンズアミドの代わりに、使用するアミンを4−アミノ−3−メチルベンズアミドの15.1部にして、メチル−P.R.170の合成及び仕上げ処理を行う。これによりアルファ相のメチル−P.R.170が得られる。このようにして得られた乾燥顔料の10.3部を比較実施例(c)からのP.R.170の10部と完全に混合する。これにより物理的混合物が得られる。
【0082】
(適用実施例1から8):塗装剤における着色剤
塗装領域において本発明に従い調製した色素相の特性を評価するために、中油性アルキド樹脂及びブタノール−エーテル化メラミン樹脂をベースにした、芳香族含有アルキド−メラミン樹脂ワニス(AM)の、複数の公知の塗装剤の中から選択を行う。着色をさらによく測定するために、1:10の顔料:TiO比で白色淡色化物(white reduction)を調製する。
【0083】
視覚的に、又はCIELAB系のいずれかにより、その顔料の塗料と、対応する比較実施例からの生成物の塗料との間の色相の差である、ΔH、ΔC、ΔL及びΔEを用いて、色相を記録する。
【0084】
【表4】


【0085】
(適用実施例9から11)耐候特性
中油性アルキド樹脂及びブタノール−エーテル化メラミン樹脂をベースにした芳香族含有アルキド−メラミン樹脂ワニス(AM)中に本顔料を分散させ、Weatherometer CI5000加速風化装置における耐候性試験に供する。1:10白色淡色化物においてこのテストを行った。風化時間は、500時間であった。評価のために、風化させた塗装と非風化塗装との間で全体的な着色の差異ΔE(CIELAB系における)を測定した。ΔEが小さいほど、耐候性に優れていることを意味する。
【0086】
【表5】

【0087】
本発明の顔料は、実質的に、同条件下で調製した反対実施例又は比較実施例よりも、耐候性に優れている。
【0088】
(適用実施例12から13):耐候特性
中油性アルキド樹脂及びブタノール−エーテル化メラミン樹脂をベースにした芳香族含有アルキド−メラミン樹脂ワニス(AM)中に本顔料を分散させ、Xenotest Beta Xl200加速風化装置における耐候性試験に供する。マストーン及び1:10白色淡色化物において、この試験を行った。風化時間は、白色淡色化物に対して1000時間、マストーンにおいて2000時間であった。
【0089】
【表6】

【0090】
本発明の顔料は、マストーン及び淡色化物において、同条件下で調製した比較実施例よりも耐候性に優れている。
【0091】
(適用実施例14):耐光特性、淡色化物
中油性アルキド樹脂及びブタノール−エーテル化メラミン樹脂をベースにした芳香族含有アルキド−メラミン樹脂ワニス(AM)中に本顔料を分散させ、並行して、Xenotest Beta Xl200加速曝露装置における耐光性試験に供する。1:10白色淡色化物においてこの試験を行った。曝露時間は、1500時間であった。
【0092】
【表7】

【0093】
)反対実施例の塗装の色相が既に著しく変化し、一方で、他の実施例の場合、この時点で明らかな変化がなかったため、反対実施例の曝露は、750時間後に終了した。
【0094】
本発明の顔料は、同条件下で調製した比較実施例よりも顕著に耐光性に優れていた。
【0095】
(適用実施例15及び16):耐光性、マストーン
先行する適用実施例における耐光性試験に関して、同じ手法を使用したが、この試験はマストーンにおいて行った。曝露時間は、並行して、2000時間であった。
【0096】
【表8】

【0097】
本発明の顔料は、同条件下で調製した比較実施例よりも幾分耐光性に優れている。
【0098】
(適用実施例17):耐候性(50:50 混晶)
中油性アルキド樹脂及びブタノール−エーテル化メラミン樹脂をベースにした芳香族含有アルキド−メラミン樹脂ワニス(AM)中に本顔料を分散させ、Xenotest Beta Xl200加速風化装置における耐候性試験に供する。1:10白色淡色化物においてこのテストを行った。風化時間は、並行して、1000時間であった。
【0099】
【表9】

【0100】
P.R.170の耐光性が低いベータ相から主に構成されているにもかかわらず、本発明の顔料は、両方の比較試験物質よりも優れた耐光性を示す。耐光性は、同条件下で調製した個々の化合物の物理的混合物のそれよりも非常に優れている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
C.I.ピグメントレッド170と、式(1)
【化1】

(式中、Xは、F、Cl,Br、メチル又はニトロと定義される。)の1又は複数の化合物と、の混晶。
【請求項2】
C.I.ピグメントレッド170の0.1重量%から99.9%重量と、前記式(1)の少なくとも1つの化合物の99.9重量%から0.1重量%と、を含有する、請求項1に記載の混晶。
【請求項3】
C.I.ピグメントレッド170の1重量%から99重量%と、前記式(1)の少なくとも1つの化合物の99重量%から1重量%と、を含有する、請求項1又は請求項2に記載の混晶。
【請求項4】
C.I.ピグメントレッド170の80重量%から99重量%と、前記式(1)の少なくとも1つの化合物の20重量%から1重量%と、を含有する、請求項1又は請求項2に記載の混晶。
【請求項5】
C.I.ピグメントレッド170と、X=Cl又はX=メチルである式(1)の化合物と、を含む、請求項1から請求項4のうち少なくとも1つに記載の2成分性混晶。
【請求項6】
C.I.ピグメントレッド170のアルファ相と同形である、請求項1から請求項5のうち少なくとも1つに記載の混晶。
【請求項7】
C.I.ピグメントレッド170のベータ相と同形である、請求項1から請求項5のうち少なくとも1つに記載の混晶。
【請求項8】
C.I.ピグメントレッド170のガンマ相と同形である、請求項1から請求項5のうち少なくとも1つに記載の混晶。
【請求項9】
ジアゾ化4−アミノ−1−ベンゼンカルボキサミドと式(2):
【化2】

の少なくとも1つのジアゾ化アミンとの混合物を、式(3)
【化3】

の化合物とカップリングさせることを含む、請求項1から請求項8のうち1又は複数に記載の混晶を調製するためのプロセス。
【請求項10】
4−アミノ−1−ベンゼンカルボキサミド及び前記式(2)の少なくとも1つのアミンが混合され、一緒にジアゾ化されるか、又は別々にジアゾ化され、該ジアゾニウム塩がその後に混合される、請求項9に記載のプロセス。
【請求項11】
C.I.ピグメントレッド170の存在下で、式(2)
【化4】

の少なくとも1つのジアゾ化アミンを、式(3)
【化5】

の化合物とカップリングさせることを含む、請求項1から請求項8のうち1又は複数に記載の混晶を調製するためのプロセス。
【請求項12】
式(1)
【化6】

の少なくとも1つの化合物の存在下で、ジアゾ化4−アミノ−1−ベンゼンカルボキサミドを式(3)
【化7】

の化合物とカップリングさせることを含む、請求項1から請求項8のうち1又は複数に記載の混晶を調製するためのプロセス。
【請求項13】
C.I.ピグメントレッド170と式(1)の少なくとも1つの化合物とを互いに混合することと、必要に応じて、超大気圧下で、水及び/又は溶媒中での、混練、粉砕、再結晶化、加熱の処理段階のうち少なくとも1つに該混合物を供することを含む、請求項1から請求項8のうち1又は複数に記載の混晶を調製するためのプロセス。
【請求項14】
前記工程の少なくとも1つがマイクロリアクター内で行われる、請求項9から請求項13のうち1又は複数に記載のプロセス。
【請求項15】
天然又は合成由来の高分子量有機材料を着色するための、請求項1から請求項8のうち1又は複数に記載の混晶の使用。
【請求項16】
印刷用インク、カラーフィルター又は色種を含む、プラスチック、樹脂、ワニス、塗料又は電子写真トナー及び顕色剤、インクを着色するための、請求項15に記載の使用。
【請求項17】
自動車仕上げの着色のための、請求項15又は請求項16に記載の使用。

【公表番号】特表2007−502875(P2007−502875A)
【公表日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−523559(P2006−523559)
【出願日】平成16年8月4日(2004.8.4)
【国際出願番号】PCT/EP2004/008724
【国際公開番号】WO2005/019346
【国際公開日】平成17年3月3日(2005.3.3)
【出願人】(506039852)クラリアント・プロダクテ(ドイチユラント)ゲー・エム・ベー・ハー (3)
【Fターム(参考)】