CMOS技術におけるリニアイメージセンサ
【課題】イメージモーションMTFを改善できるTDI機能を持つCMOSセンサを提供する。
【解決手段】時間遅延積分イメージセンサは、行および列として編成された画素を備える。各画素は、感光性要素、記憶ノード、および感光性要素と記憶ノードの間に接続された転送要素とを2組備える。さらに、画素の記憶ノードと隣接する画素の感光性要素の間に接続された第3の転送要素を備える。制御回路は、画素内の転送要素2つをオン状態にするコマンドと画素間の転送要素をオフ状態にするコマンドとを同時に与え、別の段階では、画素内の転送要素のうち1つと画素間の転送要素をオン状態にするコマンドと画素内の別の転送要素をオフ状態にするコマンドとを同時に与えるよう構成する。
【解決手段】時間遅延積分イメージセンサは、行および列として編成された画素を備える。各画素は、感光性要素、記憶ノード、および感光性要素と記憶ノードの間に接続された転送要素とを2組備える。さらに、画素の記憶ノードと隣接する画素の感光性要素の間に接続された第3の転送要素を備える。制御回路は、画素内の転送要素2つをオン状態にするコマンドと画素間の転送要素をオフ状態にするコマンドとを同時に与え、別の段階では、画素内の転送要素のうち1つと画素間の転送要素をオン状態にするコマンドと画素内の別の転送要素をオフ状態にするコマンドとを同時に与えるよう構成する。
【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
本発明は、走査することによってイメージを取り込むように設計されたリニアイメージセンサに関し、より詳細には、時間遅延積分(TDI:Time-Delay-Integration)センサに関する。
【発明の背景】
【0002】
TDIイメージセンサの原理は、例えば、IEEE Journal of Solid−State Circuits,Vol.SC−15,No.4,August 1980におけるMichael G.Farrierらによる「A Large Area TDI Image Sensor for Low Light Level Imaging」という題名の論文に説明されている。
【0003】
TDIセンサは、一般的には、高速で移動しかつ劣悪な照明条件下において観察される被写体のイメージを取り込むのに使用される。このセンサは、一般的には、今までのところ感度の点から見て最良の特性を得るのを可能にしている電荷結合素子(CCD)技術を用いて実施される。
【0004】
図1は、上述した論文に説明されるようなCCD技術におけるTDIセンサを概略的に示す。このセンサは、感光性サイト(photosensitive site)すなわちフォトサイト(photosite)10からなるマトリックスを備え、このマトリックス内において、図示されるように、一般的には、行は列よりもかなり長い。上述した論文の例においては、行は1028個のフォトサイトを備えるが、列は、ほんの128個のフォトサイトしか備えていない。衛星による地上写真の場合、行は、約12,000個のフォトサイトを備えることもあり、そして、マトリックスは、数十個の行を備える。
【0005】
マトリックスの行は、イメージが取り込まれるべき被写体のモーション(motion)に垂直に配置される。センサに対するこのイメージのモーションは、下向き矢印によって示される。また、これらの矢印は、イメージのモーションと同期して、CCDレジスタにおける電荷の移動に対応する。
【0006】
それぞれの行は、イメージの速度に適合する露光時間中に、被写体の対応するスライス(slice)を取り込む。これは、行のフォトサイトに負電荷(電子)の蓄積をもたらす。
【0007】
行iによって取り込まれたイメージのスライスが、行(i+1)の位置に移動するとき、行iに蓄積された電荷は、行(i+1)に転送され、この行(i+1)は、新しい露光時間中に、同じスライスに対する電荷を蓄積し続ける。したがって、ある行から次の行への電荷の転送は、イメージのモーションに同期して実行される。
【0008】
したがって、それぞれの転送サイクルにおいては、マトリックスの最後の行は、同一のスライスに対してすべての行によって蓄積された電荷の和を含む。したがって、センサの感度は、理論的には、行の数を乗じたものとなる。
【0009】
それぞれの電荷転送サイクルおよび露光サイクルの終了時点において、マトリックスの最後の行に含まれる電荷は、シフトレジスタ12に転送され、このシフトレジスタ12の目的は、最後の行のデータを読み出すことである。このレジスタのフォトサイトに記憶された電荷は、1フォトサイト単位で、行の端部に存在する電荷−電圧変換器14へシフトされ、この電荷−電圧変換器14において、それぞれのフォトサイトの総電荷に対応する電圧を、一般的にはセンサの外部に存在する処理回路によって収集することができる。
【0010】
CMOS技術の利点と比較すれば、CCD技術はイメージセンサに次第に使用されなくなっているので、TDIセンサにCMOS技術を使用することが考えられている。
【0011】
IEEE Transactions on Electron Devices,Vol.56,No.11,November 2009における、Gerald Lepage、Jan Bogaerts、およびGuy Meynantsによる「Time−Delay−Integration Architectures in CMOS Image Sensors」という題名の論文は、CMOSイメージセンサによってTDI機能を得るための解決法を説明している。
【0012】
CMOSイメージセンサにおいては、光は、同様に、画素位置における電荷の形で取り込まれる。しかしながら、それぞれの画素は、それ自身の電圧読み出し回路を備えているので、電荷を一方の画素から他方の画素へ転送することはできない。
【0013】
図2は、Lepageらによるこの論文において考えられているアーキテクチャーを概略的に示す。N×M個の画素Pxからなるマトリックス10’は、同じ寸法および同じ構造を有するメモリセルΣからなるマトリックス16に対応している(ここでは、N×M=5×5)。
【0014】
原理上、画素マトリックス10’は、画素からなる行のピッチを走査するためにイメージ・スライスが必要とする時間(「ライン時間」TLと呼ばれる)に対応する速度でビュー(view)を得る。したがって、N個のライン時間の後には、同じイメージ・スライスが、画素マトリックスに存在するN個の行のそれぞれによって取り込まれているはずである。メモリ16のそれぞれの行は、イメージの同じスライスに時間的に対応している。このスライスに対してすべての行の画素によって記録された輝度レベル(すなわち、信号レベル)は、メモリ16に蓄積される。いったんスライスに対するレベルが蓄積されてしまえば、メモリ行が、読み出され、リセットされ、そして巡回するような形で新しいイメージ・スライスに関連づけられる。
【0015】
したがって、画素マトリックスのすべての行における蓄積はそれぞれのライン時間において実行されなければならないことがわかる。
【0016】
CCD技術においては、輝度レベル蓄積処理は、簡単な電荷転送に対応しているが、CMOS技術においては、これらの処理は、きわめて複雑なものとなる。これらの処理は、画素読み出しバスに対する多重化処理、アナログ−ディジタル変換、加算処理、およびメモリ・アクセス処理を必要とする。これは、CMOS技術において、CCD技術の場合と同じビュー取り込み速度(または、ライン時間TL)を達成するのを困難にする。したがって、いくつかの行からなる画素マトリックスの解像度は、考えられる最小のライン時間と、所望の画素ピッチとに適合させられなければならない。
【0017】
ある種のアプリケーションにおいては、イメージ・モーション変調伝達関数(MTF:image motion Modulation Transfer Function)と呼ばれるものを改善することが試みられており、このMTFは、再生されたイメージの鮮明さを表現するパラメータの1つである。低モーションMTFは、一般的には、ぼやけたイメージをもたらす。解像度のこの損失は、ライン時間中に、静止した画素からなる行の上をイメージ・スライスが移動することによるものである。
【0018】
上述したLepageらによる論文において説明されるように、1つの解決法は、それぞれの画素をモーションの方向において2つに細分化することである。これは、画素からなる行の数を増加させることを必要とし、それと同時に、センサの特性を維持するために、ピッチを減少させることを必要とする。画素が2等分に細分化されると、モーションMTFは0.64から0.9に増加する。他方において、時間的制約は細分化ファクターの2乗で増加する。したがって、時間的制約は4を乗じられる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0019】
【非特許文献1】IEEE Journal of Solid−State Circuits,Vol.SC−15,No.4,August 1980における、Michael G.Farrierらによる「A Large Area TDI Image Sensor for Low Light Level Imaging」
【非特許文献2】IEEE Transactions on Electron Devices,Vol.56,No.11,November 2009における、Gerald Lepage、Jan BogaertsおよびGuy Meynantsによる「Time−Delay−Integration Architectures in CMOS Image Sensors」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
イメージ・モーションMTFを改善するのを可能にし、それにもかかわらず、時間的制約を増加させることのないTDI機能を備えるCMOSイメージセンサを提供することが必要とされていることがわかる。
【課題を解決するための手段】
【0021】
この必要性は、行および列として編成された画素からなるマトリックスを備える時間遅延積分イメージセンサを提供することによって満たされることになり、ここで、それぞれの画素は、第1の感光性素子と、記憶ノードと、第1の感光性素子と記憶ノードとの間に接続された第1の転送素子とを備える。それぞれの画素は、さらに、第2の感光性素子と、第2の感光性素子と記憶ノードとの間に接続された第2の転送素子と、記憶ノードと列に存在する隣接画素の第2の感光性素子との間に接続された第3の転送素子とを備える。イメージセンサは、制御回路を備え、この制御回路は、第1および第2の転送素子をオン状態にするコマンドおよび第3の転送素子をオフ状態にするコマンドを同時に与えるように構成され、かつ、別の段階においては、第1および第3の転送素子をオン状態にするコマンドおよび第2の転送素子をオフ状態にするコマンドを同時に与えるように構成される。
【0022】
また、時間遅延積分イメージセンサを管理するための方法が提供される。
【0023】
この方法は、第1の1/2周期(half period)中に、画素の第1および第2の感光性素子を露光するステップと、第1の感光性素子の輝度レベルを画素の記憶ノードに転送し、かつ、第2の感光性素子の輝度レベルを画素の記憶ノードに転送するステップと、第2の1/2周期中に、画素の第1および第2の感光性素子を露光するステップと、第1の感光性素子の輝度レベルを画素の記憶ノードに転送し、かつ、第2の感光性素子の輝度レベルを列に存在する隣接画素の記憶ノードに転送するステップと、画素の記憶ノードに蓄積された輝度レベルを読み出すステップとからなるステップを、列に存在する画素ごとに連続的に備える。
【0024】
その他の利点および特徴が、限定するものではない単なる例として以下に提供されかつ添付の図面に示される本発明の特定の実施形態の説明から、より明確なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】CCD技術における上述したような従来のTDIイメージセンサを示す概略図である。
【図2】CMOS技術における上述したような従来のTDIセンサを示す概略図である。
【図3】4トランジスタ画素からなるCMOSセンサを示す図である。
【図4】イメージ・モーションMTFを改善するのを可能にするCMOS−TDIセンサの列を示す概略図である。
【図5】図4に示される画素の動作ステップを示す図である。
【図6】図4に示される画素の動作ステップを示す図である。
【図7】図4に示される画素の動作ステップを示す図である。
【図8】図4に示される画素の動作ステップを示す図である。
【図9A】図4に示されるセンサの画素の全体的な動作を説明するタイムチャートである。
【図9B】図4に示されるセンサの画素の全体的な動作を説明するタイムチャートである。
【図9C】図4に示されるセンサの画素の全体的な動作を説明するタイムチャートである。
【図9D】図4に示されるセンサの画素の全体的な動作を説明するタイムチャートである。
【図9E】図4に示されるセンサの画素の全体的な動作を説明するタイムチャートである。
【図9F】図4に示されるセンサの画素の全体的な動作を説明するタイムチャートである。
【図9G】図4に示されるセンサの画素の全体的な動作を説明するタイムチャートである。
【図9H】図4に示されるセンサの画素の全体的な動作を説明するタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図3は、「4T」と呼ばれる従来のCMOS画素を実線で示す。この種の画素が、以下において、TDIセンサにおけるモーション効果(motion effect)を減少させるように構成される。この画素は、画素に入射する光によって生成された電荷を蓄積するのを可能にする固有コンデンサC1つまり積分コンデンサを有する、フォトダイオードD1を備える。転送トランジスタTGは、フォトダイオードD1をフォロア・トランジスタM2のゲートに接続する。トランジスタM2のゲート・コンデンサ、および同一のノードAに接続されたその他の素子のコンデンサは、バッファ・コンデンサC2を形成する。選択トランジスタRSは、フォロア・トランジスタM2のソースを列バス(column bus)BCに接続する。リセット・トランジスタRSTは、コンデンサC2を正の電源ラインVddに接続する。以下において、トランジスタの制御信号は、便宜上、トランジスタと同じ名前を有する。
【0027】
この画素の動作が、以下に簡単に説明される。コンデンサC1は、フォトダイオードD1に入射する光によって生成された電荷を積分する。露光が終了する前に、バッファ・コンデンサC2をリセットするために、トランジスタRSTが短時間だけ駆動される。露光の終了時点において、電荷をコンデンサC1からバッファ・コンデンサC2に転送するために、トランジスタTGが短時間だけ駆動される。フォトダイオードD1が、pin型フォトダイオードであれば、すべての電荷が転送され、また、その結果として、コンデンサC1はトランジスタTGを駆動することによってリセットされる。
【0028】
このように、それぞれの露光段階中には、以前の露光に対応する電圧レベルが、バッファ・コンデンサC2に記憶されている。輝度レベルを表現するこの電圧レベルは、トランジスタRSTによってリセットされる前に、選択トランジスタRSを駆動することによって任意の時点においてバスBCに転送することができる。
【0029】
図3による画素マトリックスにおいては、列に存在する画素は、同じバスBCを共有する。列に存在する画素は、行から行へ次々に読み出され、そして、それらの信号は、列バスBCを経由して、記憶されるべきマトリックスのメモリセルΣへ移行していく(図2)。行は、信号RSによって選択される。
【0030】
読み出し雑音を最小化するための比較的小さい値を有するコンデンサC2は、リセット時に、コンデンサC1から転送される信号レベル(すなわち、所望のレベル)に加算された、基準レベル(reference level)と呼ばれる雑音レベルを有する。この雑音の効果を低減するために、一般的には、相関二重サンプリング(CDS:Correlated Double Sampling)が実行される。すなわち、まず、画素の基準レベルがサンプリングされ、そして、コンデンサC1から転送された後、この基準レベルがサンプリングされた信号レベルから減じられる。この差分は、一般的には、外部メモリ(図示しない)において作成される。
【0031】
米国特許出願第US2006/0256221号に記載されるような「共有画素(shared pixel)」と呼ばれる別の種類の画素が、破線で示された素子、すなわち、第2の転送トランジスタTG’によってノードAに接続された第2のフォトダイオードD1bを付加することによって、図3に示される画素から派生的に得られる。この構造の目的は、1つの読み出し回路をいくつかのフォトダイオード間で共有することによって、画素の空間占有率を減少させることである。それぞれのフォトダイオードのレベルは、前述したようなある段階において、独立してバスBCに転送される。したがって、コンデンサC2は、これら2つの段階の各々の開始時点においてリセットされ、簡単な4T画素の場合のように、現在のイメージを捕捉中に以前のイメージの情報を記憶することには使用することができない。
【0032】
図4は、モーションMTFを改善するために変更された画素Pxの列を示す。
【0033】
モーションMTFを改善するために、それぞれの画素に2つのフォトダイオードが提供される。イメージ・スライスに対応する電荷の積分は、もはや、単一のフォトダイオードにおけるライン時間中に行われるのではなく、2つの別個のフォトダイオードにおける2つの1/2ライン時間中に行われる。これは、これらのフォトダイオードの転送を適切に計画することによって、電荷の積分をより大きい忠実度でイメージのスクロールに同期させることができ、それによって、モーション効果(または「移動効果(moving effect)」)を1/2ライン時間に(または1/2画素ピッチに)制限することができることを意味する。
【0034】
それぞれの画素Pxは、構造的には、共有画素のように見える。画素Pxは、列の方向に整列した2つの感光性素子D1およびD1’を備える。これらのフォトダイオードは、好ましくは、同じ寸法を有するpin型フォトダイオードである。積分コンデンサC1を備えたフォトダイオードD1は、転送素子TGM、例えばMOSトランジスタを介して、記憶ノードA(記憶コンデンサC2)に接続される。同様に、第2のフォトダイオードD1’およびその積分コンデンサC1’は、第2の転送トランジスタTGHを介してノードAに接続される。
【0035】
従来の共有画素からなる列とは異なって、それぞれの画素は、記憶コンデンサC2をその列の隣接する画素のフォトダイオードD1’に接続する第3の転送トランジスタTGBを備える。図4において、行(n+1)に存在する画素(Pxn+1)のコンデンサC2は、行nに存在する画素(Pxn)のフォトダイオードD1’に接続され、行nに存在する画素のコンデンサC2は、行(n−1)に存在する画素(Pxn−1)のフォトダイオードD1’に接続され、以下、同様である。
【0036】
図3に示される回路の場合と同様に、それぞれの画素は、フォロア・トランジスタM2、コンデンサC2をリセットするために供給電圧Vddに接続されたトランジスタRST、および、輝度レベルを読み出しバスLに転送するためのここではCSという符号を有する選択トランジスタを備える。この信号は、読み出しバスLの一端に配置されたアナログ−ディジタル変換器(図示しない)へ送られる。
【0037】
この構成においては、読み出しバスLは、行に存在するすべての画素に共通であり、そして、1つの行につき、ただ1つのアナログ−ディジタル変換器が存在する。さらに、列に存在するトランジスタCSのゲートは、これもCSという符号を有する同一の制御ラインに接続される。この制御ラインCSは、列全体に存在する画素を、読み出しのために選択するのを可能にする。
【0038】
図4のそれぞれの画素Pxに存在するトランジスタTGH、TGMおよびTGBは、制御回路15によって制御される。
【0039】
図5〜図8は、図4による画素列の動作ステップを示す。連続するイメージ・スライス18、20は、図5に示される矢印22の方向へ画素列に沿ってスクロールする。スライスのスクロールとセンサの動作段階との同期をよりわかりやすく説明するために、それぞれのイメージ・スライスは2つの半体に分割される。動作は、任意の2つの連続する画素Pxn+1およびPxnに関して、以下に説明される。
【0040】
図5は、フォトダイオードの前で1/2イメージ・スライスがローリングする時間に対応する第1の積分期間T1中の、画素に対するイメージの位置を概略的に示す。画素PxnのフォトダイオードD1およびD1’はイメージ・スライス18に露光され、また、画素Pxn+1のフォトダイオードD1およびD1’はイメージ・スライス20に露光される。この期間T1中に、それぞれの画素の積分コンデンサC1およびC1’は、それぞれのスライスに対応する電荷を蓄積する。すべてのトランジスタはオフである。
【0041】
図6において、積分期間T1の終了時点において、トランジスタTGHおよびTGMがオンされ、その画素のコンデンサC1およびC1’に記憶された電荷を、その画素のコンデンサC2に転送する。画素Pxn+1のコンデンサC2は、スライス20の2つの半体に対応する電荷を受け取り、画素PxnのコンデンサC2は、スライス18の2つの半体に対応する電荷を受け取る。画素のうち破線で示されるその他の素子は、駆動されてない。イメージ・スライス18および20は、期間T1中に、画素ピッチの約半分だけ移動している。
【0042】
図7は、第2の積分期間T2中のイメージの位置を概略的に示す。イメージ・スライス20は、隣接する2つの画素にまたがっている。スライス20の下部は、画素PxnのフォトダイオードD1’によって取り込まれ、それに対して、スライス20の上部は、画素Pxn+1のフォトダイオードD1によって取り込まれる。したがって、この期間は、イメージ・スライスがある画素から別の画素へ通過することに対応する。すべてのトランジスタはオフである。また、期間T2の間に、イメージ・スライス18および20は1/2ピッチだけ移動し、それによって、ライン時間の終了となる。
【0043】
図8において、積分期間T2の終了時点において、トランジスタTGBおよびTGMが駆動される。この構成においては、期間T2中に積分されたスライス20の2つの半体に対応する電荷が、再度、画素Pxn+1のコンデンサC2に転送され、このコンデンサC2において、これらの電荷は、以前に図6のステップにおいて同じスライスに対してコンデンサC2に記憶された電荷とともに蓄積される。
【0044】
トランジスタTGBおよびTGMが駆動されると、画素Pxn+1のコンデンサC2は、スライス20の2つの連続する位置に対する輝度レベルを寄せ集め、画素PxnのコンデンサC2は、スライス18の2つの連続する位置に対する輝度レベルを寄せ集める。これらの蓄積された輝度レベルは、期間T2の終了時点において、トランジスタM2およびCSによって画素から取り出すことができる。つまり、それぞれの画素は2倍の解像度データを含み、これらのデータは単一の周波数で簡単に読み出されることになる。これは、データを読み出すための時間的制約を増加させることなく、モーションMTFを改善するのを可能にする。
【0045】
図9A〜図9Hは、図4による画素列の全体的な動作をまとめたタイムチャートである。図9A、図9B、および図9D〜図9Gは、トランジスタRST、CS、TGH、TGM、およびTGBの制御信号(または、状態)を示す。図9Cおよび図9Hは、バスLを介して読み出した後にデータを処理するアナログ−ディジタル変換器の動作を示す。
【0046】
相関二重サンプリングが、リセット雑音を回避するのに使用される。基準レベルREFを読み出すための選択トランジスタCSの駆動は、(蓄積された信号)輝度レベルSIGを読み出すための駆動から切り離して示される(図9Bおよび図9G)。同様に、レベルREFの変換は、レベルSIGの変換から切り離して示される(図9Cおよび図9H)。
【0047】
スライスの露光時間Tintは、一般的にはライン時間TLに対応し、転送トランジスタTGHまたはTGBの2つの連続する駆動の間で定義される。積分期間T1およびT2(T1=T2=Tint/2)は、この時間中に起こる。信号の周期性は、イメージの連続するスライスの処理を反映している。
【0048】
図5に関して説明されたように、まず、期間T1中に、イメージ・スライスは、1つの画素に存在するフォトダイオードD1およびD1’によって走査される。このようにして得られた電荷をコンデンサC2に転送する前に、コンデンサC2は、トランジスタRSTを駆動することによってリセットされる(図9A)。コンデンサC2がリセットされた直後に、基準レベルREFを読み出して変換するために、トランジスタCSが駆動される(図9C)。変換時間TCは、信号CSのパルス幅よりも長いので、変換時間TCは、図9Cにおいては太線で示される。
【0049】
基準レベルが変換器に転送されたならば、第1の輝度レベルを記憶するために、トランジスタTGHおよびTGMが駆動され(図9D、図9E)、これは、期間T1の終了および期間T2の開始を示す。
【0050】
期間T2において、イメージ・スライスが、同じ画素のフォトダイオードD1および次の画素のフォトダイオードD1’によって走査される。対応する輝度レベルの転送は、トランジスタTGMおよびTGBを駆動することによって、期間T2の終了時点において実行される(図9E、図9F)。
【0051】
この電荷転送が達成されたならば、蓄積された輝度レベルSIGが、トランジスタCSを再び駆動することによって読み出され(図9G)、そして、マトリックスのメモリセルΣに記憶される前に、アナログ−ディジタル変換器によってサンプリングされる(図9H)。新しい露光が、次のスライスから始まる。
【0052】
中央の転送トランジスタTGMは、トランジスタTGBおよびTGHの2倍の回数だけ動作を要求されることが理解できる。実際、トランジスタTGMに接続されたフォトダイオードD1は、スライス全体(すなわち、2つの1/2スライス)を走査し、それに対して、フォトダイオードD1’(画素に属するフォトダイオードD1’、およびその画素に隣接する画素に属するフォトダイオードD1’)は、スライスの1/2しか走査しない。
【0053】
図9D〜図9Fにおいて、トランジスタTGHおよびTGM、あるいは、トランジスタTGBおよびTGMは、同時にコマンドを与えられる。また、これらのトランジスタは、順々に駆動されてもよい。
【0054】
ライン時間中、画素マトリックスは、全体的に読み出され、そして、メモリ/マトリックス16内に合計されなければならない。この読み出しは、それぞれの列に存在する複数の画素を同時に読み出すことによって、列から列へ次々に実行される(ローリング・シャッター・モード:rolling shutter mode)。したがって、ラインに存在する変換器は、ライン時間TL中に、画素マトリックスに存在する列の数と同じ回数だけ変換を実行する。図4の列に隣接する列のタイムチャートは、単に変換時間TCだけシフトされたものである。
【0055】
従来のTDI−MOSセンサの場合と同様に管理されるメモリ/マトリックス16については、本出願においては詳細に説明しない。
【0056】
このようにして、それぞれのイメージ・スライスは、1画素ピッチの移動に対して2回走査され、即ち、1回目は、フォトダイオードD1によって、そして、2回目は、フォトダイオードD1に対して1/2画素ピッチだけずらされたフォトダイオードD1’によって走査される。この特定のオーバーサンプリングは、イメージ・モーションMTFを大きく改善するのを可能にし、0.637から約0.9となる(ナイキスト周波数において計算された)。従来技術とは異なって、画素のピッチは変更されず、イメージの空間解像度も変更されない。したがって、時間的制約は変わらない。
【0057】
実際には、時間的制約は、読み出し回路およびアナログ−ディジタル変換器によって課される。実際、m個の列からなるマトリックスの場合、m回の変換(または、CDSの場合には2m回の変換)が、ライン時間TL中に実行されなければならない。ライン時間は、イメージの走査速度およびピッチに応じて予め定められるので、マトリックスの列の数を制限するのは、読み出し回路および変換回路の速度である。
【符号の説明】
【0058】
10、10’ 感光性サイト(フォトサイト)
12 シフトレジスタ
14 電荷−電圧変換器
15 制御回路
16 マトリックス
18、20 イメージ・スライス
22 矢印
A ノード
C1,C1’ 積分コンデンサ
C2 バッファ・コンデンサ(記憶コンデンサ)
D1、D1’ フォトダイオード(感光性素子)
L 読み出しバス
M2 フォロア・トランジスタ
Px 画素
RS 選択トランジスタ
RST リセット・トランジスタ
TG 転送トランジスタ
TGM 転送トランジスタ(第1の転送素子)
TGH 転送トランジスタ(第2の転送素子)
TGB 転送トランジスタ(第3の転送素子)
Vdd 電源ライン
Σ メモリセル
SIG 輝度レベル
REF 基準レベル
【発明の分野】
【0001】
本発明は、走査することによってイメージを取り込むように設計されたリニアイメージセンサに関し、より詳細には、時間遅延積分(TDI:Time-Delay-Integration)センサに関する。
【発明の背景】
【0002】
TDIイメージセンサの原理は、例えば、IEEE Journal of Solid−State Circuits,Vol.SC−15,No.4,August 1980におけるMichael G.Farrierらによる「A Large Area TDI Image Sensor for Low Light Level Imaging」という題名の論文に説明されている。
【0003】
TDIセンサは、一般的には、高速で移動しかつ劣悪な照明条件下において観察される被写体のイメージを取り込むのに使用される。このセンサは、一般的には、今までのところ感度の点から見て最良の特性を得るのを可能にしている電荷結合素子(CCD)技術を用いて実施される。
【0004】
図1は、上述した論文に説明されるようなCCD技術におけるTDIセンサを概略的に示す。このセンサは、感光性サイト(photosensitive site)すなわちフォトサイト(photosite)10からなるマトリックスを備え、このマトリックス内において、図示されるように、一般的には、行は列よりもかなり長い。上述した論文の例においては、行は1028個のフォトサイトを備えるが、列は、ほんの128個のフォトサイトしか備えていない。衛星による地上写真の場合、行は、約12,000個のフォトサイトを備えることもあり、そして、マトリックスは、数十個の行を備える。
【0005】
マトリックスの行は、イメージが取り込まれるべき被写体のモーション(motion)に垂直に配置される。センサに対するこのイメージのモーションは、下向き矢印によって示される。また、これらの矢印は、イメージのモーションと同期して、CCDレジスタにおける電荷の移動に対応する。
【0006】
それぞれの行は、イメージの速度に適合する露光時間中に、被写体の対応するスライス(slice)を取り込む。これは、行のフォトサイトに負電荷(電子)の蓄積をもたらす。
【0007】
行iによって取り込まれたイメージのスライスが、行(i+1)の位置に移動するとき、行iに蓄積された電荷は、行(i+1)に転送され、この行(i+1)は、新しい露光時間中に、同じスライスに対する電荷を蓄積し続ける。したがって、ある行から次の行への電荷の転送は、イメージのモーションに同期して実行される。
【0008】
したがって、それぞれの転送サイクルにおいては、マトリックスの最後の行は、同一のスライスに対してすべての行によって蓄積された電荷の和を含む。したがって、センサの感度は、理論的には、行の数を乗じたものとなる。
【0009】
それぞれの電荷転送サイクルおよび露光サイクルの終了時点において、マトリックスの最後の行に含まれる電荷は、シフトレジスタ12に転送され、このシフトレジスタ12の目的は、最後の行のデータを読み出すことである。このレジスタのフォトサイトに記憶された電荷は、1フォトサイト単位で、行の端部に存在する電荷−電圧変換器14へシフトされ、この電荷−電圧変換器14において、それぞれのフォトサイトの総電荷に対応する電圧を、一般的にはセンサの外部に存在する処理回路によって収集することができる。
【0010】
CMOS技術の利点と比較すれば、CCD技術はイメージセンサに次第に使用されなくなっているので、TDIセンサにCMOS技術を使用することが考えられている。
【0011】
IEEE Transactions on Electron Devices,Vol.56,No.11,November 2009における、Gerald Lepage、Jan Bogaerts、およびGuy Meynantsによる「Time−Delay−Integration Architectures in CMOS Image Sensors」という題名の論文は、CMOSイメージセンサによってTDI機能を得るための解決法を説明している。
【0012】
CMOSイメージセンサにおいては、光は、同様に、画素位置における電荷の形で取り込まれる。しかしながら、それぞれの画素は、それ自身の電圧読み出し回路を備えているので、電荷を一方の画素から他方の画素へ転送することはできない。
【0013】
図2は、Lepageらによるこの論文において考えられているアーキテクチャーを概略的に示す。N×M個の画素Pxからなるマトリックス10’は、同じ寸法および同じ構造を有するメモリセルΣからなるマトリックス16に対応している(ここでは、N×M=5×5)。
【0014】
原理上、画素マトリックス10’は、画素からなる行のピッチを走査するためにイメージ・スライスが必要とする時間(「ライン時間」TLと呼ばれる)に対応する速度でビュー(view)を得る。したがって、N個のライン時間の後には、同じイメージ・スライスが、画素マトリックスに存在するN個の行のそれぞれによって取り込まれているはずである。メモリ16のそれぞれの行は、イメージの同じスライスに時間的に対応している。このスライスに対してすべての行の画素によって記録された輝度レベル(すなわち、信号レベル)は、メモリ16に蓄積される。いったんスライスに対するレベルが蓄積されてしまえば、メモリ行が、読み出され、リセットされ、そして巡回するような形で新しいイメージ・スライスに関連づけられる。
【0015】
したがって、画素マトリックスのすべての行における蓄積はそれぞれのライン時間において実行されなければならないことがわかる。
【0016】
CCD技術においては、輝度レベル蓄積処理は、簡単な電荷転送に対応しているが、CMOS技術においては、これらの処理は、きわめて複雑なものとなる。これらの処理は、画素読み出しバスに対する多重化処理、アナログ−ディジタル変換、加算処理、およびメモリ・アクセス処理を必要とする。これは、CMOS技術において、CCD技術の場合と同じビュー取り込み速度(または、ライン時間TL)を達成するのを困難にする。したがって、いくつかの行からなる画素マトリックスの解像度は、考えられる最小のライン時間と、所望の画素ピッチとに適合させられなければならない。
【0017】
ある種のアプリケーションにおいては、イメージ・モーション変調伝達関数(MTF:image motion Modulation Transfer Function)と呼ばれるものを改善することが試みられており、このMTFは、再生されたイメージの鮮明さを表現するパラメータの1つである。低モーションMTFは、一般的には、ぼやけたイメージをもたらす。解像度のこの損失は、ライン時間中に、静止した画素からなる行の上をイメージ・スライスが移動することによるものである。
【0018】
上述したLepageらによる論文において説明されるように、1つの解決法は、それぞれの画素をモーションの方向において2つに細分化することである。これは、画素からなる行の数を増加させることを必要とし、それと同時に、センサの特性を維持するために、ピッチを減少させることを必要とする。画素が2等分に細分化されると、モーションMTFは0.64から0.9に増加する。他方において、時間的制約は細分化ファクターの2乗で増加する。したがって、時間的制約は4を乗じられる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0019】
【非特許文献1】IEEE Journal of Solid−State Circuits,Vol.SC−15,No.4,August 1980における、Michael G.Farrierらによる「A Large Area TDI Image Sensor for Low Light Level Imaging」
【非特許文献2】IEEE Transactions on Electron Devices,Vol.56,No.11,November 2009における、Gerald Lepage、Jan BogaertsおよびGuy Meynantsによる「Time−Delay−Integration Architectures in CMOS Image Sensors」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
イメージ・モーションMTFを改善するのを可能にし、それにもかかわらず、時間的制約を増加させることのないTDI機能を備えるCMOSイメージセンサを提供することが必要とされていることがわかる。
【課題を解決するための手段】
【0021】
この必要性は、行および列として編成された画素からなるマトリックスを備える時間遅延積分イメージセンサを提供することによって満たされることになり、ここで、それぞれの画素は、第1の感光性素子と、記憶ノードと、第1の感光性素子と記憶ノードとの間に接続された第1の転送素子とを備える。それぞれの画素は、さらに、第2の感光性素子と、第2の感光性素子と記憶ノードとの間に接続された第2の転送素子と、記憶ノードと列に存在する隣接画素の第2の感光性素子との間に接続された第3の転送素子とを備える。イメージセンサは、制御回路を備え、この制御回路は、第1および第2の転送素子をオン状態にするコマンドおよび第3の転送素子をオフ状態にするコマンドを同時に与えるように構成され、かつ、別の段階においては、第1および第3の転送素子をオン状態にするコマンドおよび第2の転送素子をオフ状態にするコマンドを同時に与えるように構成される。
【0022】
また、時間遅延積分イメージセンサを管理するための方法が提供される。
【0023】
この方法は、第1の1/2周期(half period)中に、画素の第1および第2の感光性素子を露光するステップと、第1の感光性素子の輝度レベルを画素の記憶ノードに転送し、かつ、第2の感光性素子の輝度レベルを画素の記憶ノードに転送するステップと、第2の1/2周期中に、画素の第1および第2の感光性素子を露光するステップと、第1の感光性素子の輝度レベルを画素の記憶ノードに転送し、かつ、第2の感光性素子の輝度レベルを列に存在する隣接画素の記憶ノードに転送するステップと、画素の記憶ノードに蓄積された輝度レベルを読み出すステップとからなるステップを、列に存在する画素ごとに連続的に備える。
【0024】
その他の利点および特徴が、限定するものではない単なる例として以下に提供されかつ添付の図面に示される本発明の特定の実施形態の説明から、より明確なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】CCD技術における上述したような従来のTDIイメージセンサを示す概略図である。
【図2】CMOS技術における上述したような従来のTDIセンサを示す概略図である。
【図3】4トランジスタ画素からなるCMOSセンサを示す図である。
【図4】イメージ・モーションMTFを改善するのを可能にするCMOS−TDIセンサの列を示す概略図である。
【図5】図4に示される画素の動作ステップを示す図である。
【図6】図4に示される画素の動作ステップを示す図である。
【図7】図4に示される画素の動作ステップを示す図である。
【図8】図4に示される画素の動作ステップを示す図である。
【図9A】図4に示されるセンサの画素の全体的な動作を説明するタイムチャートである。
【図9B】図4に示されるセンサの画素の全体的な動作を説明するタイムチャートである。
【図9C】図4に示されるセンサの画素の全体的な動作を説明するタイムチャートである。
【図9D】図4に示されるセンサの画素の全体的な動作を説明するタイムチャートである。
【図9E】図4に示されるセンサの画素の全体的な動作を説明するタイムチャートである。
【図9F】図4に示されるセンサの画素の全体的な動作を説明するタイムチャートである。
【図9G】図4に示されるセンサの画素の全体的な動作を説明するタイムチャートである。
【図9H】図4に示されるセンサの画素の全体的な動作を説明するタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図3は、「4T」と呼ばれる従来のCMOS画素を実線で示す。この種の画素が、以下において、TDIセンサにおけるモーション効果(motion effect)を減少させるように構成される。この画素は、画素に入射する光によって生成された電荷を蓄積するのを可能にする固有コンデンサC1つまり積分コンデンサを有する、フォトダイオードD1を備える。転送トランジスタTGは、フォトダイオードD1をフォロア・トランジスタM2のゲートに接続する。トランジスタM2のゲート・コンデンサ、および同一のノードAに接続されたその他の素子のコンデンサは、バッファ・コンデンサC2を形成する。選択トランジスタRSは、フォロア・トランジスタM2のソースを列バス(column bus)BCに接続する。リセット・トランジスタRSTは、コンデンサC2を正の電源ラインVddに接続する。以下において、トランジスタの制御信号は、便宜上、トランジスタと同じ名前を有する。
【0027】
この画素の動作が、以下に簡単に説明される。コンデンサC1は、フォトダイオードD1に入射する光によって生成された電荷を積分する。露光が終了する前に、バッファ・コンデンサC2をリセットするために、トランジスタRSTが短時間だけ駆動される。露光の終了時点において、電荷をコンデンサC1からバッファ・コンデンサC2に転送するために、トランジスタTGが短時間だけ駆動される。フォトダイオードD1が、pin型フォトダイオードであれば、すべての電荷が転送され、また、その結果として、コンデンサC1はトランジスタTGを駆動することによってリセットされる。
【0028】
このように、それぞれの露光段階中には、以前の露光に対応する電圧レベルが、バッファ・コンデンサC2に記憶されている。輝度レベルを表現するこの電圧レベルは、トランジスタRSTによってリセットされる前に、選択トランジスタRSを駆動することによって任意の時点においてバスBCに転送することができる。
【0029】
図3による画素マトリックスにおいては、列に存在する画素は、同じバスBCを共有する。列に存在する画素は、行から行へ次々に読み出され、そして、それらの信号は、列バスBCを経由して、記憶されるべきマトリックスのメモリセルΣへ移行していく(図2)。行は、信号RSによって選択される。
【0030】
読み出し雑音を最小化するための比較的小さい値を有するコンデンサC2は、リセット時に、コンデンサC1から転送される信号レベル(すなわち、所望のレベル)に加算された、基準レベル(reference level)と呼ばれる雑音レベルを有する。この雑音の効果を低減するために、一般的には、相関二重サンプリング(CDS:Correlated Double Sampling)が実行される。すなわち、まず、画素の基準レベルがサンプリングされ、そして、コンデンサC1から転送された後、この基準レベルがサンプリングされた信号レベルから減じられる。この差分は、一般的には、外部メモリ(図示しない)において作成される。
【0031】
米国特許出願第US2006/0256221号に記載されるような「共有画素(shared pixel)」と呼ばれる別の種類の画素が、破線で示された素子、すなわち、第2の転送トランジスタTG’によってノードAに接続された第2のフォトダイオードD1bを付加することによって、図3に示される画素から派生的に得られる。この構造の目的は、1つの読み出し回路をいくつかのフォトダイオード間で共有することによって、画素の空間占有率を減少させることである。それぞれのフォトダイオードのレベルは、前述したようなある段階において、独立してバスBCに転送される。したがって、コンデンサC2は、これら2つの段階の各々の開始時点においてリセットされ、簡単な4T画素の場合のように、現在のイメージを捕捉中に以前のイメージの情報を記憶することには使用することができない。
【0032】
図4は、モーションMTFを改善するために変更された画素Pxの列を示す。
【0033】
モーションMTFを改善するために、それぞれの画素に2つのフォトダイオードが提供される。イメージ・スライスに対応する電荷の積分は、もはや、単一のフォトダイオードにおけるライン時間中に行われるのではなく、2つの別個のフォトダイオードにおける2つの1/2ライン時間中に行われる。これは、これらのフォトダイオードの転送を適切に計画することによって、電荷の積分をより大きい忠実度でイメージのスクロールに同期させることができ、それによって、モーション効果(または「移動効果(moving effect)」)を1/2ライン時間に(または1/2画素ピッチに)制限することができることを意味する。
【0034】
それぞれの画素Pxは、構造的には、共有画素のように見える。画素Pxは、列の方向に整列した2つの感光性素子D1およびD1’を備える。これらのフォトダイオードは、好ましくは、同じ寸法を有するpin型フォトダイオードである。積分コンデンサC1を備えたフォトダイオードD1は、転送素子TGM、例えばMOSトランジスタを介して、記憶ノードA(記憶コンデンサC2)に接続される。同様に、第2のフォトダイオードD1’およびその積分コンデンサC1’は、第2の転送トランジスタTGHを介してノードAに接続される。
【0035】
従来の共有画素からなる列とは異なって、それぞれの画素は、記憶コンデンサC2をその列の隣接する画素のフォトダイオードD1’に接続する第3の転送トランジスタTGBを備える。図4において、行(n+1)に存在する画素(Pxn+1)のコンデンサC2は、行nに存在する画素(Pxn)のフォトダイオードD1’に接続され、行nに存在する画素のコンデンサC2は、行(n−1)に存在する画素(Pxn−1)のフォトダイオードD1’に接続され、以下、同様である。
【0036】
図3に示される回路の場合と同様に、それぞれの画素は、フォロア・トランジスタM2、コンデンサC2をリセットするために供給電圧Vddに接続されたトランジスタRST、および、輝度レベルを読み出しバスLに転送するためのここではCSという符号を有する選択トランジスタを備える。この信号は、読み出しバスLの一端に配置されたアナログ−ディジタル変換器(図示しない)へ送られる。
【0037】
この構成においては、読み出しバスLは、行に存在するすべての画素に共通であり、そして、1つの行につき、ただ1つのアナログ−ディジタル変換器が存在する。さらに、列に存在するトランジスタCSのゲートは、これもCSという符号を有する同一の制御ラインに接続される。この制御ラインCSは、列全体に存在する画素を、読み出しのために選択するのを可能にする。
【0038】
図4のそれぞれの画素Pxに存在するトランジスタTGH、TGMおよびTGBは、制御回路15によって制御される。
【0039】
図5〜図8は、図4による画素列の動作ステップを示す。連続するイメージ・スライス18、20は、図5に示される矢印22の方向へ画素列に沿ってスクロールする。スライスのスクロールとセンサの動作段階との同期をよりわかりやすく説明するために、それぞれのイメージ・スライスは2つの半体に分割される。動作は、任意の2つの連続する画素Pxn+1およびPxnに関して、以下に説明される。
【0040】
図5は、フォトダイオードの前で1/2イメージ・スライスがローリングする時間に対応する第1の積分期間T1中の、画素に対するイメージの位置を概略的に示す。画素PxnのフォトダイオードD1およびD1’はイメージ・スライス18に露光され、また、画素Pxn+1のフォトダイオードD1およびD1’はイメージ・スライス20に露光される。この期間T1中に、それぞれの画素の積分コンデンサC1およびC1’は、それぞれのスライスに対応する電荷を蓄積する。すべてのトランジスタはオフである。
【0041】
図6において、積分期間T1の終了時点において、トランジスタTGHおよびTGMがオンされ、その画素のコンデンサC1およびC1’に記憶された電荷を、その画素のコンデンサC2に転送する。画素Pxn+1のコンデンサC2は、スライス20の2つの半体に対応する電荷を受け取り、画素PxnのコンデンサC2は、スライス18の2つの半体に対応する電荷を受け取る。画素のうち破線で示されるその他の素子は、駆動されてない。イメージ・スライス18および20は、期間T1中に、画素ピッチの約半分だけ移動している。
【0042】
図7は、第2の積分期間T2中のイメージの位置を概略的に示す。イメージ・スライス20は、隣接する2つの画素にまたがっている。スライス20の下部は、画素PxnのフォトダイオードD1’によって取り込まれ、それに対して、スライス20の上部は、画素Pxn+1のフォトダイオードD1によって取り込まれる。したがって、この期間は、イメージ・スライスがある画素から別の画素へ通過することに対応する。すべてのトランジスタはオフである。また、期間T2の間に、イメージ・スライス18および20は1/2ピッチだけ移動し、それによって、ライン時間の終了となる。
【0043】
図8において、積分期間T2の終了時点において、トランジスタTGBおよびTGMが駆動される。この構成においては、期間T2中に積分されたスライス20の2つの半体に対応する電荷が、再度、画素Pxn+1のコンデンサC2に転送され、このコンデンサC2において、これらの電荷は、以前に図6のステップにおいて同じスライスに対してコンデンサC2に記憶された電荷とともに蓄積される。
【0044】
トランジスタTGBおよびTGMが駆動されると、画素Pxn+1のコンデンサC2は、スライス20の2つの連続する位置に対する輝度レベルを寄せ集め、画素PxnのコンデンサC2は、スライス18の2つの連続する位置に対する輝度レベルを寄せ集める。これらの蓄積された輝度レベルは、期間T2の終了時点において、トランジスタM2およびCSによって画素から取り出すことができる。つまり、それぞれの画素は2倍の解像度データを含み、これらのデータは単一の周波数で簡単に読み出されることになる。これは、データを読み出すための時間的制約を増加させることなく、モーションMTFを改善するのを可能にする。
【0045】
図9A〜図9Hは、図4による画素列の全体的な動作をまとめたタイムチャートである。図9A、図9B、および図9D〜図9Gは、トランジスタRST、CS、TGH、TGM、およびTGBの制御信号(または、状態)を示す。図9Cおよび図9Hは、バスLを介して読み出した後にデータを処理するアナログ−ディジタル変換器の動作を示す。
【0046】
相関二重サンプリングが、リセット雑音を回避するのに使用される。基準レベルREFを読み出すための選択トランジスタCSの駆動は、(蓄積された信号)輝度レベルSIGを読み出すための駆動から切り離して示される(図9Bおよび図9G)。同様に、レベルREFの変換は、レベルSIGの変換から切り離して示される(図9Cおよび図9H)。
【0047】
スライスの露光時間Tintは、一般的にはライン時間TLに対応し、転送トランジスタTGHまたはTGBの2つの連続する駆動の間で定義される。積分期間T1およびT2(T1=T2=Tint/2)は、この時間中に起こる。信号の周期性は、イメージの連続するスライスの処理を反映している。
【0048】
図5に関して説明されたように、まず、期間T1中に、イメージ・スライスは、1つの画素に存在するフォトダイオードD1およびD1’によって走査される。このようにして得られた電荷をコンデンサC2に転送する前に、コンデンサC2は、トランジスタRSTを駆動することによってリセットされる(図9A)。コンデンサC2がリセットされた直後に、基準レベルREFを読み出して変換するために、トランジスタCSが駆動される(図9C)。変換時間TCは、信号CSのパルス幅よりも長いので、変換時間TCは、図9Cにおいては太線で示される。
【0049】
基準レベルが変換器に転送されたならば、第1の輝度レベルを記憶するために、トランジスタTGHおよびTGMが駆動され(図9D、図9E)、これは、期間T1の終了および期間T2の開始を示す。
【0050】
期間T2において、イメージ・スライスが、同じ画素のフォトダイオードD1および次の画素のフォトダイオードD1’によって走査される。対応する輝度レベルの転送は、トランジスタTGMおよびTGBを駆動することによって、期間T2の終了時点において実行される(図9E、図9F)。
【0051】
この電荷転送が達成されたならば、蓄積された輝度レベルSIGが、トランジスタCSを再び駆動することによって読み出され(図9G)、そして、マトリックスのメモリセルΣに記憶される前に、アナログ−ディジタル変換器によってサンプリングされる(図9H)。新しい露光が、次のスライスから始まる。
【0052】
中央の転送トランジスタTGMは、トランジスタTGBおよびTGHの2倍の回数だけ動作を要求されることが理解できる。実際、トランジスタTGMに接続されたフォトダイオードD1は、スライス全体(すなわち、2つの1/2スライス)を走査し、それに対して、フォトダイオードD1’(画素に属するフォトダイオードD1’、およびその画素に隣接する画素に属するフォトダイオードD1’)は、スライスの1/2しか走査しない。
【0053】
図9D〜図9Fにおいて、トランジスタTGHおよびTGM、あるいは、トランジスタTGBおよびTGMは、同時にコマンドを与えられる。また、これらのトランジスタは、順々に駆動されてもよい。
【0054】
ライン時間中、画素マトリックスは、全体的に読み出され、そして、メモリ/マトリックス16内に合計されなければならない。この読み出しは、それぞれの列に存在する複数の画素を同時に読み出すことによって、列から列へ次々に実行される(ローリング・シャッター・モード:rolling shutter mode)。したがって、ラインに存在する変換器は、ライン時間TL中に、画素マトリックスに存在する列の数と同じ回数だけ変換を実行する。図4の列に隣接する列のタイムチャートは、単に変換時間TCだけシフトされたものである。
【0055】
従来のTDI−MOSセンサの場合と同様に管理されるメモリ/マトリックス16については、本出願においては詳細に説明しない。
【0056】
このようにして、それぞれのイメージ・スライスは、1画素ピッチの移動に対して2回走査され、即ち、1回目は、フォトダイオードD1によって、そして、2回目は、フォトダイオードD1に対して1/2画素ピッチだけずらされたフォトダイオードD1’によって走査される。この特定のオーバーサンプリングは、イメージ・モーションMTFを大きく改善するのを可能にし、0.637から約0.9となる(ナイキスト周波数において計算された)。従来技術とは異なって、画素のピッチは変更されず、イメージの空間解像度も変更されない。したがって、時間的制約は変わらない。
【0057】
実際には、時間的制約は、読み出し回路およびアナログ−ディジタル変換器によって課される。実際、m個の列からなるマトリックスの場合、m回の変換(または、CDSの場合には2m回の変換)が、ライン時間TL中に実行されなければならない。ライン時間は、イメージの走査速度およびピッチに応じて予め定められるので、マトリックスの列の数を制限するのは、読み出し回路および変換回路の速度である。
【符号の説明】
【0058】
10、10’ 感光性サイト(フォトサイト)
12 シフトレジスタ
14 電荷−電圧変換器
15 制御回路
16 マトリックス
18、20 イメージ・スライス
22 矢印
A ノード
C1,C1’ 積分コンデンサ
C2 バッファ・コンデンサ(記憶コンデンサ)
D1、D1’ フォトダイオード(感光性素子)
L 読み出しバス
M2 フォロア・トランジスタ
Px 画素
RS 選択トランジスタ
RST リセット・トランジスタ
TG 転送トランジスタ
TGM 転送トランジスタ(第1の転送素子)
TGH 転送トランジスタ(第2の転送素子)
TGB 転送トランジスタ(第3の転送素子)
Vdd 電源ライン
Σ メモリセル
SIG 輝度レベル
REF 基準レベル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
行および列として編成された画素からなるマトリックス(10’)を備える時間遅延積分イメージセンサであって、
それぞれの画素(Px)が、
−第1の感光性素子(D1)と、
−記憶ノード(A、C2)と、
−前記第1の感光性素子(D1)と前記記憶ノード(A)との間に接続された第1の転送素子(TGM)と、
を備え、
それぞれの前記画素(Px)が、
−第2の感光性素子(D1’)と、
−前記第2の感光性素子(D1’)と前記記憶ノード(A)との間に接続された第2の転送素子(TGH)と、
−前記記憶ノード(A)と、列に存在する隣接画素の前記第2の感光性素子(D1’)との間に接続された第3の転送素子(TGB)と、
を備えることを特徴とし、かつ、イメージセンサが、
前記第1および第2の転送素子(TGM、TGH)をオン状態にするコマンドおよび前記第3の転送素子(TGB)をオフ状態にするコマンドを同時に与えるように構成され、かつ、別の段階においては、前記第1および第3の転送素子(TGM、TGB)をオン状態にするコマンドおよび前記第2の転送素子(TGH)をオフ状態にするコマンドを同時に与えるように構成された制御回路(15)を備える、
ことを特徴とする時間遅延積分イメージセンサ。
【請求項2】
前記イメージセンサが、
−前記画素(Px)からなる行ごとに、前記行に存在する前記画素に共通の読み出しバス(L)を備え、
−前記画素からなる列ごとに、前記列の前記画素に共通の読み出し選択ライン(CS)を備える、
ことを特徴とする請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項3】
前記イメージセンサが、いくつかの行の画素(Px)の蓄積された輝度レベルを1つの行のメモリセルに記憶するために、前記読み出しバス(L)に接続された前記メモリセル(Σ)からなるマトリックス(16)を備えることを特徴とする請求項2に記載のイメージセンサ。
【請求項4】
前記イメージセンサが、それぞれの前記画素(Px)の相関二重サンプリングを実行するための手段(RST)を備えることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のイメージセンサ。
【請求項5】
前記第1および第2の感光性素子(D1、D1’)が、同じ寸法を有するpin型ダイオードであることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のイメージセンサ。
【請求項6】
行および列として編成された画素(Px)からなるマトリックス(10’)を備える時間遅延積分イメージセンサを管理するための方法であって、
−第1の1/2周期(T1)中に、前記画素の第1および第2の感光性素子(D1、D1’)を露光するステップと、
−前記第1の感光性素子(D1)の輝度レベルを前記画素の記憶ノード(A)に転送し、かつ、前記第2の感光性素子(D1’)の輝度レベルを前記画素の前記記憶ノード(A)に転送するステップと、
−第2の1/2周期(T2)中に、前記画素の前記第1および第2の感光性素子を露光するステップと、
−前記第1の感光性素子(D1)の輝度レベルを前記画素の前記記憶ノード(A)に転送し、かつ、前記第2の感光性素子(D1’)の輝度レベルを列に存在する隣接画素の前記記憶ノード(A)に転送するステップと、
−前記画素の前記記憶ノード(A)における蓄積された輝度レベルを読み出すステップと、からなる連続するステップを、前記列に存在する画素ごとに備えることを特徴とする方法。
【請求項7】
−前記画素(Px)の前記蓄積された輝度レベル(SIG)をそれぞれ読み出す前に、前記画素(Px)の基準レベル(REF)を読み出すステップと、
−前記蓄積された輝度レベルから前記基準レベルを減じるステップと、
を備える請求項6に記載の方法。
【請求項8】
同一の列に存在する複数の前記画素(Px)が同時にコマンドを与えられ、かつ、複数の前記列が、同じ周期中に、連続的にアドレスされることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の方法。
【請求項1】
行および列として編成された画素からなるマトリックス(10’)を備える時間遅延積分イメージセンサであって、
それぞれの画素(Px)が、
−第1の感光性素子(D1)と、
−記憶ノード(A、C2)と、
−前記第1の感光性素子(D1)と前記記憶ノード(A)との間に接続された第1の転送素子(TGM)と、
を備え、
それぞれの前記画素(Px)が、
−第2の感光性素子(D1’)と、
−前記第2の感光性素子(D1’)と前記記憶ノード(A)との間に接続された第2の転送素子(TGH)と、
−前記記憶ノード(A)と、列に存在する隣接画素の前記第2の感光性素子(D1’)との間に接続された第3の転送素子(TGB)と、
を備えることを特徴とし、かつ、イメージセンサが、
前記第1および第2の転送素子(TGM、TGH)をオン状態にするコマンドおよび前記第3の転送素子(TGB)をオフ状態にするコマンドを同時に与えるように構成され、かつ、別の段階においては、前記第1および第3の転送素子(TGM、TGB)をオン状態にするコマンドおよび前記第2の転送素子(TGH)をオフ状態にするコマンドを同時に与えるように構成された制御回路(15)を備える、
ことを特徴とする時間遅延積分イメージセンサ。
【請求項2】
前記イメージセンサが、
−前記画素(Px)からなる行ごとに、前記行に存在する前記画素に共通の読み出しバス(L)を備え、
−前記画素からなる列ごとに、前記列の前記画素に共通の読み出し選択ライン(CS)を備える、
ことを特徴とする請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項3】
前記イメージセンサが、いくつかの行の画素(Px)の蓄積された輝度レベルを1つの行のメモリセルに記憶するために、前記読み出しバス(L)に接続された前記メモリセル(Σ)からなるマトリックス(16)を備えることを特徴とする請求項2に記載のイメージセンサ。
【請求項4】
前記イメージセンサが、それぞれの前記画素(Px)の相関二重サンプリングを実行するための手段(RST)を備えることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のイメージセンサ。
【請求項5】
前記第1および第2の感光性素子(D1、D1’)が、同じ寸法を有するpin型ダイオードであることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のイメージセンサ。
【請求項6】
行および列として編成された画素(Px)からなるマトリックス(10’)を備える時間遅延積分イメージセンサを管理するための方法であって、
−第1の1/2周期(T1)中に、前記画素の第1および第2の感光性素子(D1、D1’)を露光するステップと、
−前記第1の感光性素子(D1)の輝度レベルを前記画素の記憶ノード(A)に転送し、かつ、前記第2の感光性素子(D1’)の輝度レベルを前記画素の前記記憶ノード(A)に転送するステップと、
−第2の1/2周期(T2)中に、前記画素の前記第1および第2の感光性素子を露光するステップと、
−前記第1の感光性素子(D1)の輝度レベルを前記画素の前記記憶ノード(A)に転送し、かつ、前記第2の感光性素子(D1’)の輝度レベルを列に存在する隣接画素の前記記憶ノード(A)に転送するステップと、
−前記画素の前記記憶ノード(A)における蓄積された輝度レベルを読み出すステップと、からなる連続するステップを、前記列に存在する画素ごとに備えることを特徴とする方法。
【請求項7】
−前記画素(Px)の前記蓄積された輝度レベル(SIG)をそれぞれ読み出す前に、前記画素(Px)の基準レベル(REF)を読み出すステップと、
−前記蓄積された輝度レベルから前記基準レベルを減じるステップと、
を備える請求項6に記載の方法。
【請求項8】
同一の列に存在する複数の前記画素(Px)が同時にコマンドを与えられ、かつ、複数の前記列が、同じ周期中に、連続的にアドレスされることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図9D】
【図9E】
【図9F】
【図9G】
【図9H】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図9D】
【図9E】
【図9F】
【図9G】
【図9H】
【公開番号】特開2011−259428(P2011−259428A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−124066(P2011−124066)
【出願日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【出願人】(510225292)コミサリア ア レネルジー アトミック エ オ ゼネルジー アルテルナティブ (97)
【氏名又は名称原語表記】COMMISSARIAT A L’ENERGIE ATOMIQUE ET AUX ENERGIES ALTERNATIVES
【住所又は居所原語表記】Batiment Le Ponant D,25 rue Leblanc,F−75015 Paris, FRANCE
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−124066(P2011−124066)
【出願日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【出願人】(510225292)コミサリア ア レネルジー アトミック エ オ ゼネルジー アルテルナティブ (97)
【氏名又は名称原語表記】COMMISSARIAT A L’ENERGIE ATOMIQUE ET AUX ENERGIES ALTERNATIVES
【住所又は居所原語表記】Batiment Le Ponant D,25 rue Leblanc,F−75015 Paris, FRANCE
【Fターム(参考)】
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