説明

CVDコーティングされた多結晶c−BN切削工具

【課題】超硬合金基体上のα−アルミナコーティングは密着力の問題及び層間剥離および他の分解経路により、早期のコーティング障害を解決するCVDコーティングされた多結晶c−BN切削工具を提供する。
【解決手段】α−アルミナ単層層が80重量パーセントを超える多結晶立方晶窒化ホウ素(PcBN)を含む基体の1つ以上の表面上に、化学蒸着により直接堆積されるPcBN基体10を含む、コーティングされた切削工具を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化学蒸着(CVD)により塗布されたコーティングを有する切削工具に関し、特に、CVDコーティングされた多結晶立方晶窒化ホウ素(PcBN)の切削工具に関する。
【背景技術】
【0002】
切削工具は、種々の金属および合金の機械加工のために、コーティングされたおよびコーティングされていない状態の両方で使用されている。切削工具の耐摩耗性と寿命を向上させるために、1つ以上の層の耐熱材料が切削工具表面に塗布されている。TiC、TiCN、TiOCN、TiNおよびAlが、例えば、CVDにより超硬合金の基体に塗布されている。
【0003】
Alまたはアルミナは切削工具用のコーティングとして特に関心を持たれてきた。アルミナは、α、κ、γ、βおよびθを含む種々の結晶相を示し、CVDコーティングされた超硬合金切削工具上に最も頻繁に生じるのはαおよびκ相である。α−アルミナは、切削への適用において直面する様々な温度でのその熱力学的安定性および総体的な化学的不活性を考えると、望ましいコーティングであることが証明されている。しかしながら、α−アルミナの堆積は次第に困難になり、また切削工具基体の堆積条件および化学的同一性に敏感であることが多い。先行文献は、例えば、α−相の形成を誘起するために、アルミナ堆積の前に炭化チタン表面を十分に酸化する必要性を示している。TiC表面の酸化が不十分であると、κ−アルミナ、または、κとα相の混合物の生成につながる(例えば(非特許文献1)および(非特許文献2)を参照)。
【0004】
さらに、超硬合金基体上のα−アルミナコーティングは密着力の問題を顕著に示し、層間剥離および他の分解経路により、早期のコーティング障害につながる。超硬合金上のα−アルミナコーティングの密着力の問題は、α−アルミナ堆積時にコーティングと基体との間に発達した顕著な界面多孔性のためとされてきた(例えば(非特許文献3)を参照)。
【0005】
これらの研究結果に鑑み、α−アルミナ結合層は広く研究および開発されてきた。α−アルミナの核形成および成長を確実にするため、および界面多孔性の発達を軽減または排除するために、超硬合金基体の表面上に結合層が設けられる(例えば(非特許文献4)および(非特許文献5)を参照)。
【0006】
cBNの高硬度および熱安定性(約980℃まで)により、多結晶立方晶窒化ホウ素(PcBN)に基づく切削工具がより一般的になっている。PcBN切削工具は、例えば、肌焼鋼および通し焼入鋼、超合金、チルド鋳鉄およびねずみ鋳鉄の機械加工に用途を見いだしている。さらに、PcBNをベースとした切削工具は、クリーン機械加工工程用に乾式で運転するよう操作可能であり、それによってクーラント、保守および処理コストを節減する。
【0007】
超硬合金と同様に、PcBN基体に基づく切削工具は、また、種々の耐熱コーティングの塗布による恩恵を受けられる。PcBN切削工具基体には、例えば、TiCN、TiOCN、TiNおよびAlコーティングが施されてきた。それにもかかわらず、超硬合金では、PcBN切削工具基体上のα−アルミナの堆積は、結合層または改質層を含む1つ以上の介在層を基体上に使用することにより行われる。ゲーツ(Gates)らによる(特許文献1)は、PcBN基体とα−アルミナ層の間にある改質層上にα−アルミナが堆積されるPcBN切削工具を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第7,455,918号
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】ブーリネン、S.著、「固体薄膜」、193/194(1990)536−546(Vourinen,S.,Thin Solid Films,193/194(1990)536−546)
【非特許文献2】ラヨースら著、「表面およびコーティング技術」、56(1992)89−95(Layyous et al.,Surface and Coatings Technology,56(1992)89−95)
【非特許文献3】チャットフィールドら著、「物理学ジャーナル」、学会C5、no5の増補、50巻、1989年5月(Chatfield et al., Journal de Physique, Colloque C5,supplement au no5, Tome 50, mai 1989)
【非特許文献4】ハルバーソンら著、「表面およびコーティング技術」、68/69(1994)266−273(Halvarsson, et al., Surface and Coatings Technology, 68/69(1994)266−273)
【非特許文献5】ハルバーソンら著、「表面およびコーティング技術」、76/77(1995)287−296(Halvarsson et al., Surface and Coatings Technology, 76/77(1995)287−296)
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記に鑑み、本発明は、一態様において、α−アルミナ単層層が、基体の1つ以上の表面上に化学蒸着により直接堆積される、PcBN基体を含む、コーティングされた切削工具を提供する。いくつかの実施形態では、本明細書中に記載されたコーティングされた切削工具は、80重量パーセントを超えるPcBNと、基体に付着したコーティングを含む基体とを含み、コーティングは基体の表面上に化学蒸着により直接堆積されるα−Al単層層を含む。いくつかの実施形態では、80重量パーセントを超えるPcBNを含む基体の表面上に直接堆積されるα−Al単層層は、70Nを超える限界荷重(L)を有する。
【0011】
さらに、いくつかの実施形態では、本明細書中に記載される切削工具のコーティングは、α−Al単相層上に堆積される1つ以上のMOの層をさらに含み、ここでMは周期表のIVB、VBおよびVIB族の金属元素からなる群から選択される金属であると共に、x+y+z=1である。いくつかの実施形態では、1つ以上のMOの層はCVDまたは物理蒸着法(PVD)により、α−Al単相層上に堆積される。
【0012】
別の態様において、コーティングされた切削工具を製作する方法が本明細書中に記載される。いくつかの実施形態では、コーティングされた切削工具を製作する方法は、80重量パーセントを超えるPcBNを含む切削工具基体を用意する工程と、化学蒸着によりα−Al単層層を直接基体の表面上に堆積させる工程とを含む。いくつかの実施形態では、コーティングされた切削工具を製作する方法は、1つ以上のMOの層をα−Al単相層上に堆積させる工程をさらに含み、ここでMは周期表のIVB、VBおよびVIB族の金属元素からなる群から選択される金属であると共に、x+y+z=1である。いくつかの実施形態では、1つ以上のMOの層はCVDまたはPVDにより堆積される。
【0013】
別の態様において、金属を切削する方法が本明細書中に記載される。いくつかの実施形態では、金属を切削する方法は、金属被削材を用意する工程と、金属被削材をコーティングされた切削工具で切削する工程とを含み、コーティングされた切削工具は80重量パーセントを超えるPcBNを含む基体と、基体に付着したコーティングとを含み、コーティングは、基体の表面上に直接化学蒸着により堆積されるα−Al単層層を含む。いくつかの実施形態では、切削工具のコーティングは、本明細書中に記載されるような、α−Al単相層上に堆積される1つ以上のMOの層をさらに含む。
【0014】
これらのおよび他の実施形態は、以下に続く詳細な説明により詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本明細書中に記載される一実施形態による、コーティングされた切削工具の基体を示す。
【図2】本明細書中に記載される一実施形態による、コーティングされた切削工具の基体を示す。
【図3】本明細書中に記載される一実施形態による、コーティングされた切削工具の基体を示す。
【図4】本明細書中に記載される一実施形態による、コーティングされた切削工具のX線ディフラクトグラムを示す。
【図5】本明細書中に記載される一実施形態による、コーティングされた切削工具のα−Al単相層のトップダウン走査電子顕微鏡写真(SEM)を示す。
【図6】本明細書中に記載される一実施形態による、コーティングされた切削工具本体のX線ディフラクトグラムを示す。
【図7】本明細書中に記載される一実施形態による、コーティングされた切削工具のα−Al単相層のトップダウンSEMを示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本明細書中に記載される実施形態は、以下の詳細な説明および実施例ならびに上述のおよび以下のそれらの説明を参照して、より容易に理解することができる。本明細書中に記載される要素、装置および方法は、しかしながら、詳細な説明および実施例内に示される特定の実施形態に限定されるものではない。これらの実施形態は本発明の原理を単に説明するものであることが理解されるべきである。数々の改変物および適用物は、本発明の精神および範囲から逸脱することなく当業者には容易に明らかとなろう。
【0017】
一態様において、本発明は、α−アルミナ単層層が、基体の1つ以上の表面上に、化学蒸着により直接堆積されるPcBN基体を含むコーティングされた切削工具を提供する。いくつかの実施形態では、本明細書中に記載されるコーティングされた切削工具は、80重量パーセントを超えるPcBNと、基体に付着したコーティングを含む基体を含み、コーティングは、基体の表面上に化学蒸着により直接堆積されるα−Al単層層を含む。
【0018】
ここで、本明細書中に記載されているコーティングされた切削工具の構成要素に着目すると、本明細書中に記載されているコーティングされた切削工具は、PcBN基体を含む。本明細書中に記載されているコーティングされた切削工具のPcBN基体は、80重量パーセントを超えるPcBN含む。いくつかの実施形態では、例えば、コーティングされた切削工具の基体は、少なくとも約85重量パーセントのPcBNを含む。コーティングされた切削工具の基体は、いくつかの実施形態では、少なくとも約90重量パーセントのPcBNを含む。いくつかの実施形態では、基体は少なくとも約95重量パーセントのPcBNを含む。
【0019】
いくつかの実施形態では、本明細書中に記載されているコーティングされた切削工具の基体は、80重量パーセントを超える量から約97重量パーセントまでの量の範囲のPcBNを含む。基体は、いくつかの実施形態では、約85重量パーセントから約95重量パーセントまでの範囲の量のPcBNを含む。
【0020】
いくつかの実施形態では、基体は、PcBNに加えてセラミックまたは金属バインダを含む。本明細書中に記載されるコーティングされた切削工具の基体で使用するのに適したセラミックバインダは、いくつかの実施形態では、窒化物類、炭窒化物類、炭化物類および/またはチタン、タングステン、コバルトまたはアルミニウムのホウ化物類を含む。いくつかの実施形態では、例えば、基体はAlN、AlBまたはその混合物のバインダを含む。いくつかの実施形態では、PcBN基体に適した金属バインダはコバルトを含む。さらに、いくつかの実施形態では、基体は前述のセラミックまたは金属バインダのいずれかの固溶体を含みうる。
【0021】
本明細書中に記載されるPcBN基体の組成決定は、X線回折(XRD)により実施されうる。切削工具基体のすくい面または逃げ面は、切削工具の幾何学的形状により分析されうる。本明細書中に記載されるPcBN基体の組成位相解析のため、PcBN成形体およびチップ用のユーレリアンクレードル(Eulerean cradle)およびマイクロフォーカス光学系が装備されたパナリティカルエクスパートMRD(PANalytical X’pert MRD)回折システムの両方、またはPcBNのモノリシック固体片の分析用のプログラム可能光学系が取り付けられたパナリティカルエクスパートMPD(PANalytical X’pert MPD)が、使用されうる。
【0022】
両X線回折システムは集束ビーム光学系を備え、かつ銅X線管が装備され、45KVおよび40MAの操作パラメータから構成される。モノリシック固体片の分析のため、パナリティカルエクスパートMRD(PANalytical X’pert MRD)には、プログラム可能発散スリットおよびプログラム可能抗散乱スリット(antiscatter slit)が装備される。X線ビーム幅は適切なマスクサイズにより制御され、X線ビーム長さはプログラム可能光学系を使用して2mmで固定される。パナリティカルMPD(PANalytical MPD)には線形帯状固体X線検出器(linear strip soli state x−ray detector)およびニッケル製βフィルタが装備される。
【0023】
パナリティカルエクスパートMRD(PANalytical X’pert MRD)システムは、PcBN成形体の大きさにより100μまたは500μのいずれかの焦点スポットのマイクロフォーカスモノキャピラリ光学系から構成される。パナリティカルMRD(PANalytical MRD)には線形帯状固体X線検出器およびニッケル製βフィルタが装備される。
【0024】
リートベルト(Rietveld)分析に最適なデータを提供するために、分析走査範囲、計数時間および走査速度が選択される。バックグラウンドプロファイルがフィッティングされ、PcBN基体回折データについてピークサーチが実施され、全ピーク位置およびピーク強度を同定する。ピーク位置および強度データは、いずれかの市販の結晶相のデータベースを使用してPcBN基体の結晶相組成を同定するために使用される。
【0025】
結晶構造データが基体内に存在する各結晶相について入力される。典型的なリートベルト(Rietveld)法のパラメータ設定は以下の通りである。
サンプルの幾何学構造:平板
線吸収係数:試料の組成の平均値から計算される
重み付け法:1/観察されたy(1/y−observed)
プロファイル関数:擬フォークト関数(Pseudo−Voigt)
プロファイルベース幅:試料毎に選択される
最小二乗型:ニュートンラプソン(Newton−Raphson)
偏光係数:1.0
リートベルト(Rietveld)法は典型的には以下を含む。
試料変位:試料のX線アライメントからのシフト
バックグラウンドプロファイル 回折データのバックグラウンドプロファイルを最も良く表すよう選択される
スケール関数:各相のスケール関数
B全体(B Overall):相中のすべての原子に適用される変位パラメータ
セルパラメータ:a、b、cならびにα、βおよびγ
Wパラメータ:ピーク半値幅(FWHM)を表す
許容可能な適合度を達成するあらゆる付加的なパラメータ
【0026】
本明細書中に記載される組成パラメータを有するPcBN基体は、種々の構造で提供されうる。いくつかの実施形態では、例えば、コーティングされた切削工具は、モノリシック固体片のPcBN基体を含む。いくつかの実施形態では、PcBN基体はろう付け、または他の接合技術により支持部に取り付けられる成形体、またはインサートとして提供される。いくつかの実施形態では、PcBN基体は支持部上のフルトップ(full top)切削インサートである。
【0027】
図1は、本明細書中に記載される一実施形態による、コーティングされた切削工具のモノリシック固体片のPcBN基体を示す。PcBN基体(10)は、逃げ面(12)およびすくい面(14)を含み、逃げ面(12)およびすくい面(14)は交差して切れ刃(16)を提供する。基体は、また、基体(10)を工具ホルダにしっかりと固定するよう操作可能な孔(18)を含む。
【0028】
図2は、PcBN基体が、ろう付けまたは他の技術により支持部に接合される、成形体またはインサートとして設けられる、一実施形態によるコーティングされた切削工具のPcBN基体を示す。図2に示されるように、切削工具(20)は、支持部(22)の対向するコーナに切り欠き部(24、26)を有する支持部(22)を含む。いくつかの実施形態では、支持部(22)は、コバルトバインダと共に、タングステン炭化物などの金属炭化物を含む。PcBN基体(28)は、ろう付けまたは他の技術により各切り欠き部(24、26)内に取り付ける成形体またはインサートとして設けられる。PcBN基体(28)はすくい面(30)および少なくとも1つの逃げ面(32)を有する。切れ刃(34)はすくい面(30)と少なくとも1つの逃げ面(32)の交差部に形成される。図2の実施形態の切削工具は、工具ホルダへの切削工具(20)の連結を補助しうる孔(36)をさらに含む。
【0029】
図3は、PcBN基体が支持部の頂面上にインサートとして設けられる、一実施形態によるコーティングされた切削工具のPcBN基体を示す。図3に示されるように、切削工具(50)は、頂面(54)を有する支持部(52)を含む。いくつかの実施形態では、例えば、支持部(52)は、コバルトバインダと共にタングステン炭化物などの金属炭化物を含む。PcBN基体(58)は、ろう付けまたは他の接合技術により支持部(52)の頂面(54)に結合される。PcBN基体(58)は、すくい面(62)および少なくとも1つの逃げ面(64)を含み、切れ刃(66)はすくい面(62)と少なくとも1つの逃げ面(64)の交差部に形成される。
【0030】
本明細書中に記載されるように、PcBN基体に付着したコーティングは、PcBN基体の表面上に化学蒸着により直接堆積されるα−Al単層層を含む。PcBN基体の1つ以上の表面上に直接堆積されるにあたり、α−Al単層層は、改質層、結合層または他のいかなる介在層上にも存在しない。
【0031】
いくつかの実施形態では、α−Al単層層は少なくとも約2μmの厚さを有する。いくつかの実施形態では、α−Al単層層は少なくとも約5μmの厚さを有する。α−Al単層層は、いくつかの実施形態では、少なくとも約10μmまたは少なくとも約15μmの厚さを有する。
【0032】
いくつかの実施形態では、PcBN基体の表面上に直接堆積されるα−Al単層層は約2μmから約20μmまでの範囲の厚さを有する。いくつかの実施形態では、α−Al単層層は約5μmから約15μmまでの範囲の厚さを有する。α−Al単層層は、いくつかの実施形態では、約3μmから約10μmまでの範囲の厚さを有する。
【0033】
いくつかの実施形態では、α−Al単層層は約0.2μmから約5μmまでの範囲の平均粒度を有する。いくつかの実施形態では、α−Al単層層は約0.5μmから約2μmまでの範囲の平均粒度を有する。いくつかの実施形態では、α−Al単層層は約1μmから約3μmまでの範囲の平均粒度を有する。本明細書中に記載されるα−Al単相層の粒度は、α−Al層のトップダウンSEM画像を5000×の倍率で撮影することにより求めることができる。SEM画像上にランダム方向に線が引かれ、粒度は以下の式により計算される。
粒度=L/(N−1)
ここで、Lは線の長さ、Nは線が交差する粒界の数である。前述の測定はα−Al層の5つのSEM画像について繰り返され、得られた粒度値は平均され、平均粒度が算出される。
【0034】
いくつかの実施形態では、α−Al単相層の粒子は柱状構造を示す。さらに、いくつかの実施形態では、α−Al単相層の表面の粒子は多面体の形態を示す。
【0035】
いくつかの実施形態では、α−Al単相層の表面の粒子は、α−Al層の表面と平行な面において、少なくとも2のアスペクト比を有する形状を示す。アスペクト比とは、本明細書では、α−Al層の表面と平行な面における粒子の長さを、α−Al層の表面と平行な面における粒子の幅で除したものを意味する。いくつかの実施形態では、α−Al層の表面の粒子は、少なくとも5または少なくとも10のアスペクト比を有する。いくつかの実施形態では、α−Al層の表面の粒子は約2から約20まで、または約5から約15までの範囲のアスペクト比を有する。いくつかの実施形態では、α−Al層の表面の粒子は約2から約10までの範囲のアスペクト比を有する。
【0036】
いくつかの実施形態では、α−Al単相層の表面の粒子形態は、表面のトップダウンSEMを5000×の倍率で撮影することにより求めることができる。本明細書中にさらに説明される図5および図7は、α−Al単相層の表面の粒子形態を識別できるSEMを提供する。
【0037】
いくつかの実施形態では、本明細書中に記載される切削工具のコーティングは、α−Al単相層上に堆積される1つ以上のMOの層をさらに含み、ここでMは、周期表のIVB、VBおよびVIB族の金属元素からなる群から選択される金属であると共に、x+y+z=1である。いくつかの実施形態では、MはTi、ZrおよびHfからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、例えば、TiNの層がα−Al単相層上に堆積される。いくつかの実施形態では、TiCNまたはTiOCNの層がα−Al単相層上に堆積される。いくつかの実施形態では、1つ以上のMOの層が、CVDまたは物理蒸着法(PVD)により、α−Al単相層上に堆積される。
【0038】
いくつかの実施形態では、1つ以上のMOの層は本発明の目的と矛盾しないあらゆる厚さを有しうる。いくつかの実施形態では、MOの層は少なくとも約0.5μmの厚さを有する。いくつかの実施形態では、MOの層は約0.5μmから約5μmまで、または約1μmから約3μmまでの範囲の厚さを有する。
【0039】
1つ以上のMOの層がα−Al単相層上に堆積されるいくつかの実施形態では、単数または複数のMO層は、粒子形態のSEM分析のため、α−Al単相層の表面を露出させるために、エッチング除去されうる。
【0040】
本明細書中に記載されるPcBN切削工具基体に直接接するα−Al単相層と、α−Al層上に堆積される所望により設けてもよいMO層とを含むコーティングは、いくつかの実施形態では、60Nを超えるまたは65Nを超える限界荷重(L)を示す。いくつかの実施形態では、コーティングは70Nを超える限界荷重(L)を有する。本明細書中に列挙したコーティングのL値は、10N/mmの段階的負荷率を使用して、米国材料試験協会(ASTM)C1624−05−定量的単点引かき試験のための付着強度の標準試験(Standard Test for Adhesion Strength by Quantitative Single Point Scratch Testing)に従って求められた。
【0041】
いくつかの実施形態では、本明細書中に記載されるPcBN切削工具基体に直接接するα−Al単相層と、α−Al層上に堆積される所望により設けてもよいMO層とを含むコーティングは、少なくとも約390GPaの弾性率(E)(modulus (E))を有する。いくつかの実施形態では、コーティングは少なくとも約400GPaの弾性率を有する。いくつかの実施形態では、コーティングは約380GPaから約420GPaまでの範囲の弾性率を有する。
【0042】
いくつかの実施形態では、本明細書中に記載されるPcBN切削工具基体に直接接するα−Al単相層と、所望のα−Al層上に堆積されたMO層とを含むコーティングは、少なくとも約20GPaのナノ硬さを有する。いくつかの実施形態では、コーティングは少なくとも約24GPaのナノ硬さを有する。コーティングは、いくつかの実施形態では、約15GPaから約30GPaまで、または約20GPaから約25GPaまでの範囲のナノ硬さを有する。
【0043】
本明細書中に列挙したコーティングの弾性率およびナノ硬さの値は、lSO規格14577に準じ、ビッカーズ圧子を使用してフィッシャースコープ(Fischerscope)HM2000で行われたナノインデンテーション試験により求められた。押し込み深さは0.25μmに設定された。
【0044】
別の態様において、コーティングされた切削工具を製作する方法が本明細書中に記載される。いくつかの実施形態では、コーティングされた切削工具を製作する方法は、80重量パーセントを超えるPcBNを含む切削工具基体を用意する工程と、化学蒸着によりα−Al単層層を基体の表面上に直接堆積する工程とを含む。いくつかの実施形態では、コーティングされた切削工具を製作する方法は、1つ以上のMOの層をα−Al単相層上に堆積させる工程をさらに含み、ここでMは周期表のIVB、VBおよびVIB族の金属元素からなる群から選択される金属であると共に、x+y+z=1である。
いくつかの実施形態では、1つ以上のMOの層はCVDまたはPVDにより堆積される。
【0045】
本明細書中に記載される方法のいくつかの実施形態では、切削工具基体は基体に関して本明細書中に列挙した、あらゆるPcBN含有量を含みうる。さらに、本明細書中に記載される方法のいくつかの実施形態では、α−Al単相層は、α−Al単相層に関して本明細書中に列挙した、あらゆる組成的、化学的および/または物理的特性を含みうる。加えて、いくつかの実施形態では、1つ以上のMOの層は、MO層に関して本明細書中に列挙した、あらゆる組成的、化学的および/または物理的特性を含みうる。
【0046】
いくつかの実施形態では、α−Al単層層をPcBN基体の表面上に直接堆積させる工程は、α−Alが堆積される速度を変化させる工程を含む。いくつかの実施形態では、α−Alが堆積される速度を変化させる工程は、より小さい速度のα−Alの堆積からより大きい速度のα−Alの堆積に移行する工程を含む。いくつかの実施形態では、より大きい速度のα−Alの堆積はより小さい速度のα−Alの堆積よりも1.5倍速い。いくつかの実施形態では、α−Alを堆積させる速度を変化させる工程は、より大きい速度のα−Alの堆積からより小さい速度のα−Alの堆積に移行する工程を含む。
【0047】
いくつかの実施形態では、α−Al単層層をPcBN基体の表面上に直接堆積させる工程は、α−Alの堆積温度を変化させる工程を含む。堆積温度を変化させる工程は、いくつかの実施形態では、より高いα−Alの堆積温度からより低いα−Alの堆積温度に移行する工程を含む。いくつかの実施形態では、より高いα−Alの堆積温度とより低いα−Alの堆積温度間の差は少なくとも50℃である。いくつかの実施形態では、より高いα−Alの堆積温度とより低いα−Alの堆積温度間の差は少なくとも130℃である。いくつかの実施形態では、より高いα−Alの堆積温度とより低いα−Alの堆積温度間の差は約50℃から約150℃までの範囲である。いくつかの実施形態では、より高いα−Alの堆積温度とより低いα−Alの堆積温度間の差は約50℃から約130℃までの範囲である。いくつかの実施形態では、より高いα−Alの堆積温度からより低いα−Alの堆積温度に移行する工程は、高温(HT)α−Alの堆積から中温(MT)α−Alの堆積に移行する工程を含む。
【0048】
または、いくつかの実施形態では、堆積温度を変化させる工程は、より低い堆積温度からより高い堆積温度に移行する工程を含む。
【0049】
α−Al単層層をPcBN基体の表面上に直接堆積させる工程のいくつかでは、本明細書中に記載されるように、α−Alの堆積速度および堆積温度を変化させる工程を含む。
【0050】
別の態様では、金属を切削する方法が本明細書中に記載される。いくつかの実施形態では、金属を切削する方法は、金属被削材を用意する工程と、金属被削材をコーティングされた切削工具で切削する工程とを含み、コーティングされた切削工具は、80重量パーセントを超えるPcBNと、基体に付着したコーティングとを含む基体を含み、コーティングは、基体の表面上に化学蒸着により直接堆積されるα−Al単層層を含む。いくつかの実施形態では、コーティングされた切削工具のコーティングは、本明細書中に記載されるような、α−Al単相層上に堆積された1つ以上のMOの層をさらに含む。
【0051】
いくつかの実施形態では、本明細書中に記載されるコーティングされた切削工具を用いた金属の切削は、いかなる液体および/または潤滑材もなく、乾式で行われる。いくつかの実施形態では、金属被削材は、ねずみ鋳鉄、肌焼鋼および通し焼入鋼、超合金およびチルド鋳鉄からなる群から選択される。
【0052】
これらのおよび他の実施形態は、以下の、非限定的な実施例によりさらに示される。
【実施例】
【0053】
実施例1
コーティングされた切削工具本体
本明細書中に記載されるコーティングされた切削工具は、90重量パーセントの量のPcBNを含み、残余がAlN/AlBバインダ(balance AlN/AlB binder)であるモノリシック固体片基体(米国規格協会(ANSI)カタログNo.SNM433S0820)を、軸方向送りの構成を有するCVD装置内に配置することにより製作された。α−Al単層層が、表Iに提供されるプロセスパラメータに従って、PcBN基体の表面上に直接堆積された。
【0054】
【表1】

【0055】
堆積されたα−Al単相層は7.2μmの厚さを有していた。1.5μmのTiN上層が、続いて標準的なCVD技術により、α−Al単相層上に堆積された。
【0056】
図4は、コーティングされた切削工具のX線ディフラクトグラムを示す。ディフラクトグラムにより提供されるように、本実施例でPcBN切削工具基体の表面上に直接堆積されるAlは、α−Al単相であった。α−Al/TiNコーティングは、70Nを超える密着力、24.2GPaのナノ硬さ、および406GPaの弾性率を示した。
【0057】
さらに、図5はエッチングによる上部TiN層の除去後に、3000×の倍率で撮影された、コーティングされた切削工具のトップダウン走査電子顕微鏡写真(SEM)を示す。α−Al単相層の表面の粒子は多面体の形態を示した。
【0058】
実施例2
コーティングされた切削工具本体
本明細書中に記載されるコーティングされた切削工具は、平衡AlN/AlBバインダを有する90重量パーセントの量のPcBNを含むモノリシック固体片基体(米国規格協会(ANSI)カタログNo.SNM433S0820)を、軸方向送りの構成を有するCVD装置内に配置することにより製作された。α−Al単層層が表IIに提供されるプロセスパラメータに従って、PcBN基体の表面上に直接堆積された。
【0059】
【表2】

【0060】
堆積されたα−Al単相層は9.9μmの厚さを有していた。0.6μmのTiN上層が、続いて標準的なCVD技術によりα−Al単相層上に堆積された。
【0061】
図6は、コーティングされた切削工具のX線ディフラクトグラムを示す。ディフラクトグラムにより提供されるように、本実施例でPcBN切削工具基体の表面上に直接堆積されるAlはα−Al単相であった。α−Al/TiNコーティングは70Nを超える密着力、26.2GPaのナノ硬さ、および390GPaの弾性率を示した。
【0062】
さらに、図7は、エッチングによる上部TiN層の除去後に、5000×の倍率で撮影された、コーティングされた切削工具のトップダウン走査電子顕微鏡写真(SEM)を示す。α−Al単相層の表面の粒子は、上記されたものと一致するアスペクト比を示した。
【0063】
実施例3
切削工具寿命
本明細書中に記載されるコーティングされた切削工具は、先行技術のコーティングされた切削工具との比較において、切削寿命試験に供された。本発明A、BおよびCのコーティングされた切削工具の、非限定的な実施形態は、上記例1に従い製作された。本発明DおよびEのコーティングされた切削工具の、非限定的な実施形態は、上記例2に従い用意された。コーティングされた切削工具A〜Eおよび先行技術F、GおよびHのコーティングされた切削工具の組成パラメータは、表IIIに提供される。
【0064】
【表3】

【0065】
コーティングされた切削工具AおよびFは以下のように切削寿命試験に供された。
被削材−クラス40 G2ねずみ鋳鉄
切削速度−2000sfm
送り量−0.009ipr
切込み深さ−0.025インチ
乾式

コーティングされた切削工具B、DおよびGは以下のように切削寿命試験に供された。
被削材−クラス40 G2ねずみ鋳鉄
切削速度−3000sfm
送り量−0.009ipr
切込み深さ−0.025インチ
乾式

コーティングされた切削工具C、EおよびHは以下のように切削寿命試験に供された。
被削材−クラス40 G2ねずみ鋳鉄
切削速度−3500sfm
送り量−0.009ipr
切込み深さ−0.025インチ
乾式
切削工具の寿命試験の結果は表IVに提供される。
【0066】
【表4】

【0067】
表IVに提供されるように、先行技術のコーティングされた切削工具(F〜H)との比較において、本明細書中に記載される構造を有する切削工具(A〜E)は、すべての切削速度で寿命の顕著な増加を示した。本発明のコーティングされた切削工具Eは、例えば、先行技術の切削工具Hとの比較において、3500sfmの切削速度で177%の切削寿命の増加を示した。
【0068】
本発明の種々の実施形態が、本発明の種々の目的を実現するものとして記載された。これらの実施形態は、本発明の原理を単に説明するものであると理解されるべきである。それらの数々の変形例や適応例は、本発明の精神と範囲から逸脱することなく当業者には容易に明らかとなろう。
【0069】
以下、本発明の例示的態様を例挙する。
<1>80重量パーセントを超える多結晶立方晶窒化ホウ素(PcBN)を含む基体と、
前記基体に付着したコーティングであって、前記基体の表面上に化学蒸着により直接堆積されるα−Al単層層を含むコーティングと、を含むコーティングされた切削工具。
<2>前記基体は少なくとも90重量パーセントのPcBNを含む、<1>に記載のコーティングされた切削工具。
<3>前記α−Al単層層は少なくとも約2μmの厚さを有する、<1>に記載のコーティングされた切削工具。
<4>前記α−Al単層層は約2μmから約20μmまでの範囲の厚さを有する、<1>に記載のコーティングされた切削工具。
<5>前記α−Al単層層は約0.2μmから約5μmまでの範囲の平均粒度を有する、<1>に記載のコーティングされた切削工具。
<6>前記α−Al単層層は約0.5μmから約2μmまでの範囲の平均粒度を有する、<1>に記載のコーティングされた切削工具。
<7>前記α−Al単相層の前記表面の粒子は多面体の形態を示す、<1>に記載のコーティングされた切削工具。
<8>前記α−Al単相層の表面の粒子は、該表面と平行な面において約2を超えるアスペクト比を有する、<1>に記載のコーティングされた切削工具。
<9>前記コーティングは65Nを超える限界荷重(L)を有する、<1>に記載のコーティングされた切削工具。
<10>前記コーティングは70Nを超える限界荷重(L)を有する、<1>に記載のコーティングされた切削工具。
<11>前記コーティングは、化学蒸着により前記α−Al単相層上に堆積されたMOの層をさらに含み、Mは周期表のIVB、VBおよびVIB族の金属元素からなる群から選択される金属であると共に、x+y+z=1である、<1>に記載のコーティングされた切削工具。
<12>前記コーティングは少なくとも約23GPaのナノ硬さを有する、<1>に記載のコーティングされた切削工具。
<13>前記コーティングは少なくとも約380GPaの弾性率を有する、<1>に記載のコーティングされた切削工具。
<14>コーティングされた切削工具を作製する方法であって、
80重量パーセントを超える多結晶立方晶窒化ホウ素を含む基体を用意する工程と、
化学蒸着によりα−Al単層層を前記基体の表面上に直接堆積させる工程と、を含む、方法。
<15>前記基体は少なくとも90重量パーセントのPcBNを含む、<14>に記載の方法。
<16>堆積させる工程は、前記α−Alの堆積の速度を変化させる工程を含む、<14>に記載の方法。
<17>前記α−Alの堆積の速度を変化させる工程は、より小さい速度のα−Alの堆積からより大きい速度のα−Alの堆積に移行する工程を含む、<16>に記載の方法。
<18>堆積させる工程は、前記α−Alの堆積温度を変化させる工程を含む、<14>に記載の方法。
<19>前記堆積温度を変化させる工程は、前記α−Alのより高い堆積温度から前記α−Alのより低い堆積温度に移行する工程を含む、<18>に記載の方法。
<20>堆積させる工程は、前記α−Alの堆積の速度を変化させる工程と、前記α−Alの堆積温度を変化させる工程とを含む、<14>に記載の方法。

【符号の説明】
【0070】
10 PcBN基体
12 逃げ面
14 すくい面
16 切れ刃
18 孔
20 切削工具
22 支持部
24 切り欠き部
26 切り欠き部
28 PcBN基体
30 すくい面
32 逃げ面
34 切れ刃
36 孔
50 切削工具
52 支持部
54 頂面
58 PcBN基体
62 すくい面
64 逃げ面
66 切れ刃

【特許請求の範囲】
【請求項1】
80重量パーセントを超える多結晶立方晶窒化ホウ素(PcBN)を含む基体と、
前記基体に付着したコーティングであって、前記基体の表面上に化学蒸着により直接堆積されるα−Al単層層を含むコーティングと、を含むコーティングされた切削工具。
【請求項2】
前記基体は少なくとも90重量パーセントのPcBNを含む、請求項1に記載のコーティングされた切削工具。
【請求項3】
前記α−Al単層層は少なくとも2μmの厚さを有する、請求項1に記載のコーティングされた切削工具。
【請求項4】
前記α−Al単層層は2μmから20μmまでの範囲の厚さを有する、請求項1に記載のコーティングされた切削工具。
【請求項5】
前記α−Al単層層は0.2μmから5μmまでの範囲の平均粒度を有する、請求項1に記載のコーティングされた切削工具。
【請求項6】
前記α−Al単層層は0.5μmから2μmまでの範囲の平均粒度を有する、請求項1に記載のコーティングされた切削工具。
【請求項7】
前記α−Al単相層の前記表面の粒子は多面体の形態を示す、請求項1に記載のコーティングされた切削工具。
【請求項8】
前記α−Al単相層の表面の粒子は、該表面と平行な面において2を超えるアスペクト比を有する、請求項1に記載のコーティングされた切削工具。
【請求項9】
前記コーティングは65Nを超える限界荷重(L)を有する、請求項1に記載のコーティングされた切削工具。
【請求項10】
前記コーティングは70Nを超える限界荷重(L)を有する、請求項1に記載のコーティングされた切削工具。
【請求項11】
前記コーティングは、化学蒸着により前記α−Al単相層上に堆積されたMOの層をさらに含み、Mは周期表のIVB、VBおよびVIB族の金属元素からなる群から選択される金属であると共に、x+y+z=1である、請求項1に記載のコーティングされた切削工具。
【請求項12】
前記コーティングは少なくとも23GPaのナノ硬さを有する、請求項1に記載のコーティングされた切削工具。
【請求項13】
前記コーティングは少なくとも380GPaの弾性率を有する、請求項1に記載のコーティングされた切削工具。
【請求項14】
コーティングされた切削工具を作製する方法であって、
80重量パーセントを超える多結晶立方晶窒化ホウ素を含む基体を用意する工程と、
化学蒸着によりα−Al単層層を前記基体の表面上に直接堆積させる工程と、を含む、方法。
【請求項15】
前記基体は少なくとも90重量パーセントのPcBNを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
堆積させる工程は、前記α−Alの堆積の速度を変化させる工程を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記α−Alの堆積の速度を変化させる工程は、より小さい速度のα−Alの堆積からより大きい速度のα−Alの堆積に移行する工程を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
堆積させる工程は、前記α−Alの堆積温度を変化させる工程を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記堆積温度を変化させる工程は、前記α−Alのより高い堆積温度から前記α−Alのより低い堆積温度に移行する工程を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
堆積させる工程は、前記α−Alの堆積の速度を変化させる工程と、前記α−Alの堆積温度を変化させる工程とを含む、請求項14に記載の方法。

【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−200863(P2012−200863A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−70373(P2012−70373)
【出願日】平成24年3月26日(2012.3.26)
【出願人】(399031078)ケンナメタル インコーポレイテッド (182)
【氏名又は名称原語表記】Kennametal Inc.
【住所又は居所原語表記】1600 Technology Way Latrobe PA 15650−0231, USA
【Fターム(参考)】