説明

DCバイアス電流を用いた接続不良セルフ・モニタリング用のシステム、方法、および装置

【課題】電圧モード・センサに付随する測定値を取得してセンサに付随する接続性不良を検出するための方法を提供する。
【解決手段】DCバイアス電流322を電圧モード・センサ320を含む回路内に結合する。電圧モード・センサ320からのは時変信号323を検知ブロック301でモニタする。DCバイアス電流322の公称レベルを設定し、DCバイアス電流322により生じる電圧324を検知ブロック301でモニタし、その電圧に基づいて、回路の接続状態(入力配線の開および短絡)を判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般的に、接続不良モニタリングに関し、特に、DC電流を用いた接続不良セルフ・モニタリングに関する。
【背景技術】
【0002】
センサ・システムは、センサー素子からの信号を遠隔配置された受信部およびプロセッサに送信するように、複数のコネクタと長い電路とを必要とすることが多い。コネクタが破損するかまたはケーブルに開導体状態が生じると、たとえば、誤信号に気付かない状態が続いて危険な状態となる場合があるか、またはオペレータが問題に気付いて接続を修復するまで、モニタ中の機械類の動作が不正確となる場合がある。あるセンサ、特に、線形可変差動変圧器(LVDT)ベースのセンサでは、遠隔で生成した励磁信号を、センサー素子に、たとえばシールド・ツイスト・ペア励磁ケーブルを経由して送ることができる。たとえば、LVDTセンサを通る励磁信号結合の振幅(センサ位置の関数である)を次に、遠隔の受信部に、別個の帰線シールド・ツイスト・ペアを介して送信して戻しても良い。ある開路接続シナリオとして、励磁信号が、励磁源から受信部に、シールディングまたは接地経路を介して、実際のセンサからの変換なしに結合する場合があるというシナリオが存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第7,288,933号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようなシナリオでは、受信した励磁信号は、有効信号のように見える可能性があり、その診断および補正は極めて難しい場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前述の必要性の一部または全部が、本発明のある実施形態によって対処される場合がある。本発明のある実施形態には、DCバイアス電流を用いた接続不良セルフ・モニタリング用のシステム、方法、および装置が含まれている場合がある。
【0006】
本発明の実施形態例によれば、電圧モード・センサに付随する測定値を取得してセンサに付随する接続性不良を検出するための方法が提供される。本方法は、DCバイアス電流を回路内に結合することを含むことができる。回路は電圧モード・センサを備えることができ、電圧モード・センサは時変信号を出力することができる。本方法はまた、DCバイアス電流の公称レベルを設定することと、DCバイアス電流に付随する電圧をモニタすることと、少なくとも部分的に電圧のモニタリングに基づいて回路接続性状況を判定することと、を含むことができる。
【0007】
別の実施形態例によれば、測定値を取得して接続性不良を検出するためのシステムが提供される。本システムは、時変信号を生成するための電圧モード・センサと、差動増幅器と、電圧モード・センサと差動増幅器との間で信号を送信するように動作する少なくとも1つの伝送ケーブルと、電圧モード・センサと少なくとも1つの伝送ケーブルとを備える回路にDCバイアス電流を与えるように動作可能な少なくとも1つの供給源と、を備える。本システムはまた、差動増幅器と通信状態にある少なくとも1つのプロセッサであって、少なくとも部分的に、バイアス電流に付随する電圧のモニタリングに基づいて回路の接続性を判定するように構成されたプロセッサを備える。
【0008】
別の実施形態例によれば、測定値を取得して接続性不良を検出するための装置が提供される。本装置は、電圧モード・センサと通信状態にある差動増幅器と、DCバイアス電流を電圧モード・センサに与えるように動作可能な少なくとも1つの供給源と、DCバイアス電流を電圧モード・センサに少なくとも1つの供給源から結合するための1または複数の抵抗器と、を備える。
【0009】
本発明の他の実施形態および態様を、本明細書において詳細に説明するが、これらは、請求される発明の一部であると考えられる。他の実施形態および態様は、以下の詳細な説明、添付図面、および請求項を参照して理解することができる。
【0010】
次に、添付の表および図面について述べる。図面は必ずしも一定の比率では描かれていない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態例による例示的な位置検知システムのブロック図である。
【図2】接地またはシールディングを通って完了する励磁信号経路を伴う従来のLVDT回路の回路図である。
【図3】本発明の実施形態例によるDCバイアス電流を用いた例示的なセルフ・モニタリング回路のブロック図である。
【図4】本発明の実施形態例による方法例のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照してより十分に説明する。添付図面では本発明の実施形態を図示している。しかし本発明は、多くの異なる形態で具体化しても良く、本明細書で述べる実施形態に限定されると解釈してはならない。むしろ、これらの実施形態を示したのは、本開示が十分かつ完全となるように、また本発明の範囲が当業者に十分に伝わるようにするためである。全体を通して、同様の番号は同様の要素を指す。
【0013】
本発明のある実施形態によって、センサ・システムに付随する回路接続性問題のセルフ・モニタリングが可能になる場合がある。ある実施形態例によれば、小バイアス電流を電圧モード・センサの回路経路内に流して、バイアス電流がすべての直列接続、ケーブル、およびセンサを通って流れるようにしても良い。電圧モード・センサの抵抗が小さいために、センサおよびケーブルを電気的に接続したときにバイアス電流によって小さい電圧降下がセンサ両端に生じても良い。しかしこの小さい電圧降下は、センサ信号源を弱めるほど大きくなくても良い。本発明の実施形態例によれば、センサ、ケーブル、および/またはコネクタ両端の電圧降下は、開路状態が生じると増加して高い値になる場合がある。実施形態例によれば、電圧降下を受信部でモニタしてシステムの接続性を判定しても良い。実施形態例によれば、システム・モニタリングは、許容範囲外の入力値を検出し、アラームまたは状況信号をアサートして無効入力状態を示しても良い。この信号に従って、状態の影響を軽減しても良く、および/またはこの信号を記憶して、後にシステム診断中にアクセスできるようにしても良い。
【0014】
本発明の実施形態例によれば、センサ・システムを設けて、1または複数の物理的現象(たとえば位置、圧力、温度、加速度、レベル、電流、電圧など)を測定しても良い。実施形態例においては、信号は、その予想される動作範囲内に留まる限り、有効であると考えても良い。たとえば、開接続不良が起きると、信号受信部がある範囲内の無効な電圧信号を生成する場合があり、また不適切で自己破壊的または危険でさえあるシステム挙動が生じる場合がある。実施形態例によれば、許容範囲外の事象が起きたときにアラームまたは動作状態信号をトリガして、有害な反応を回避するとともに修復のための診断ガイダンスを行なうことができる。このような冗長な入力を伴うシステム例においては、特定の信号源が破損していることが認識されるために、システムは、破損した信号源を修復が終わるまで隔離することができ、また残りの有効入力と普通に反応することができ、その結果、システム可用性が高まる場合がある。
【0015】
本発明のある実施形態例では、センサおよび検出器回路構成の通常の動作範囲を、バイアス電流によって生じる小さいバイアス電圧を補償するように設定しても良く、またこの動作範囲によって、入力配線の開および短絡の両方の検出が、センサの出力上と、配線、接続部、ケーブル、および他の接続性コンポーネントに対するその励磁上との両方で可能になっても良い。
【0016】
次に、本発明の実施形態例により、バイアス電流を与えて接続性をモニタするための種々のコンポーネントおよび回路について、添付図を参照して説明する。
【0017】
図1に、本発明の実施形態例による位置検知システム例100のブロック図を例示する。ある実施形態例では、システム100は、励磁源およびフィードバック検出器ブロック102を備えることができる。ブロック102は、励磁信号104を生成するための励磁源103、バイアス用電流を生成するためのバイアス電流回路122、およびセンサ116から電圧モード信号を受信するための差動増幅器124を備えていても良い。本発明のある実施形態例では、センサ116は、電圧モード・センサ、たとえば線形可変差動変圧器(LVDT)であっても良い。本発明のある実施形態例では、励磁信号104をセンサ116に励磁ケーブル106を介して送信しても良い。本発明のある実施形態例では、励磁ケーブル106、センサ116、および戻りケーブル120によって、センサならびに付随するケーブルおよび接続部の接続性をモニタするための直流信号(バイアス電流回路122によって生成される)用の経路が実現されていても良い。たとえば、励磁ケーブル106は、励磁信号104およびバイアス電流をセンサ116へ送信するためのツイスト・ペア導体を備えていても良い。本発明のある実施形態例では、センサによって生成された(または可変にスルー結合された)フィードバック信号118が、戻りケーブル120を介して差動増幅器124に戻る。ある実施形態例では、フィードバック信号118は、センサ116両端の電圧降下によって生じる直流(DC)電圧成分とともに、励磁信号104を拡大縮小したものに付随する交流(AC)電圧成分を含んでいても良い。本発明の実施形態例では、戻りケーブル120は、フィードバック信号118を差動増幅器124へ送信するためのツイスト・ペア導体を備えていても良い。実施形態例では、差動増幅器が生成した信号をプロセッサ126へ送信して、さらなる解析、記録、または他のパラメータの制御を図っても良い。
【0018】
本発明の実施形態例によれば、励磁ケーブル106および/または戻りケーブル120は、たとえば、接地されたシールド・バーに結合しても良いシールディングを備えていても良い。本発明のある実施形態では、励磁ケーブル106および戻りケーブル120のケーブル長110をかなりの長さ(たとえば、10〜100メートル)にして、ツイスト・ペアの対地容量によって意図しない経路が形成されて回路開路シナリオの下で励磁信号104の一部が差動増幅器124の入力上に現れ得るようにすることができる。これについては、次に図2を参照して説明する。
【0019】
図2に、LVDT位置センサ・システム200の従来の回路図を示して、励磁信号が接地およびシールディングを通して(ケーブル容量を介して)受信部の入力に結合するときに起こり得る問題点を強調する。システム200は、検知システムとして、AC励磁源201が左端にあり、受信部ブロック220が右端にあるバージョンを示している。このシナリオでは、シールドされた励磁ケーブル203が、励磁信号をAC励磁源201からLVDTセンサ202内の巻線へ供給する場合がある。あるシステムでは、LVDTセンサ202の構成を、励磁信号のわずかな割合がLVDTセンサ202およびシールド信号戻りケーブル204を直接通過して検知または負荷抵抗器210に達して演算増幅器222による測定ができるように、設定する場合がある。またシステム200は、接地208(またはシールディング)に対するケーブル容量206も示している。このケーブル容量206は、ケーブル(203、204)の長さに比例する場合があり、ケーブル(203、204)が長いときにかなり大きくなる場合がある。たとえば、500フィート(152.4メータ)のケーブルは、約0.03マイクロファラッドの対地容量となる場合がある。これは、電流が接地(またはシールディング)に流れる経路を示す場合がある。0.03マイクロファラッドのケーブルの対地容量は、たとえば、3.2kHz励磁信号の場合に、接地に対する約1500オームの経路を示す場合がある。シナリオ例として、ケーブルまたはコネクタが正常に機能せずに、開路が第1の開路箇所232または第2の開路箇所233に形成された場合には、接地(またはシールディング)を通る信号経路234によって回路が完成する場合があり、そして励磁信号104の意図しない部分が、差動増幅器222の入力における負荷抵抗器210の両端に現れて、擬似信号を生成する場合がある。
【0020】
図3に、本発明の実施形態例によるセルフ・モニタリング回路300を示す。回路300の実施形態例によって、ケーブル布線、コネクタ、および他の、電圧モード・センサに付随するコンポーネントにおいて生じる開路状態の検出が容易になる場合がある。実施形態例では、回路300は、差動増幅器304を備える検知ブロック301と、抵抗器(303、306)および電圧源(308、310)を備える電流バイアス用ブロック302(図2からのブロック210を変更したもの)と、ケーブル布線およびセンサ・ブロック320と、を備えていても良い。本発明のある実施形態では、正電圧源308からバイアス電流322を高側バイアス抵抗器303を通して供給しても良い。バイアス電流は、ケーブル布線およびセンサ320を通って、低側バイアス抵抗器306を通って、負電圧源310まで流れても良い。本発明の実施形態例によれば、ケーブル布線およびセンサ・ブロック320内のセンサが小さい直列抵抗を備えて、この直列抵抗によってセンサ両端にバイアス電圧324の小さいDC電圧降下が生じる場合があるようになっていても良い。バイアス電圧324およびセンサによって生成または伝達される任意の時変信号323を次に、演算増幅器304が検出しても良い。
【0021】
本発明の実施形態例によれば、通常動作のバイアス電圧324の設定は、センサ直列抵抗、バイアス抵抗器(303、306)、および/または供給電圧(308、310)などの値を制御することによって行なっても良い。本発明のある実施形態例では、バイアス電流322の経路の任意の一部が開路であるときに、正電圧源308と負の電圧源310との間の電位差がほぼ、差動増幅器304の入力上に存在する場合があり、これがプロセッサ326によって検出されて開路として解釈される場合がある。
【0022】
次に、本発明の実施形態により、図4のフローチャートを参照して、電圧モード・センサに付随する測定値を取得してセンサに付随する接続性不良を検出するための方法例400について説明する。方法400は、ブロック402で開始し、DCバイアス電流を、電圧モード・センサを含む回路内に結合することを含んでいる。電圧モード・センサからは時変信号が出力される。ブロック404では、方法400はDCバイアス電流の公称レベルを設定することを含んでいる。ブロック406では、実施形態例により、方法400は、DCバイアス電流に付随する電圧をモニタすることを含んでいる。ブロック408では、方法400は、少なくとも電圧のモニタリングに基づいて回路接続性状況を判定することを含んでいる。
【0023】
本発明のある実施形態例によれば、さらなる方法要素を実施しても良い。たとえば、一実施形態においては、方法は、励磁信号104を電圧モード・センサ116に与えることと、電圧モード・センサ116からのフィードバック信号118をモニタすることと、を含んでいても良い。実施形態例では、フィードバック信号118は少なくとも、回路300が閉じているときに励磁信号104の結合部分を含んでいても良い。ある実施形態例では、方法はまた、少なくとも部分的にフィードバック信号118の整流化平均値を電圧制限と比較することに基づいて、回路接続性状況を判定することを含んでいても良い。実施形態例では、方法は、電圧モード・センサ116からの時変信号323をモニタすることと、少なくとも部分的に時変信号323のモニタリングに基づいて回路接続性状況を判定することと、を含んでいても良い。本発明の実施形態例では、方法は、遠隔の時変電圧モード・センサ116と通信状態にあるローカル・ポート内にDCバイアス電流322を結合することと、DCバイアス電流の公称レベルを、DCバイアス電流322を1または複数の電流制限器303、306を用いて制限することによって設定することと、を含んでいても良い。実施形態例では、DCバイアス電流322を回路300内に結合することは、少なくとも1つの供給源308、310からのDCバイアス電流を結合することを含んでいても良い。本発明のある実施形態例では、電流制限器303、306は抵抗器であっても良い。方法のある実施形態例では、DCバイアス電流322を回路内に結合することは、DCバイアス電流322を1または複数の信号ケーブル内に結合することを含んでいても良い。
【0024】
システム100のある実施形態例は、バイアス電流322経路における開路状態を検出するように動作するセルフ・モニタリング回路300を含んでいても良い。実施形態例では、システム100は、励磁信号104を電圧モード・センサ116に与えるように動作可能な励磁信号発生器103を含んでいても良い。ある実施形態例では、少なくとも1つのプロセッサ126が、電圧モード・センサ116からのフィードバック信号118をモニタするように構成されている。フィードバック信号118は少なくとも、回路300が閉じているときに励磁信号104の結合部分を含んでいる。
【0025】
システム100のある実施形態例では、電圧モード・センサ116に付随する交流フィードバック信号118を直流信号に変換するための少なくとも1つの整流器または整流器回路を含んでいても良い。直流信号は、センサ出力および/または回路300の接続性を表わしていても良い。システム100のある実施形態例では、少なくとも1つのプロセッサ126はさらに、電圧モード・センサ116からの時変信号323をモニタして、少なくとも部分的に時変信号323のモニタリングに基づいて回路接続性状況を判定するように動作可能であっても良い。ある実施形態例では、システム100は、セルフ・モニタリング回路300を備えていても良い。セルフ・モニタリング回路300は、DCバイアス電流322を回路300内に結合するように動作可能な少なくとも1つの供給源308、310を備えていても良い。実施形態例では、DCバイアス電流322を結合することは、DC電流を、遠隔の電圧モード・センサおよびケーブル布線320と通信状態にあるローカル・ポート内に結合することを含むことができる。
【0026】
したがって、本発明の実施形態例によって、センサ回路の接続性状況のセルフ・モニタリングを実現するあるシステム、方法、および装置を形成する技術的効果を提供することができる。本発明の実施形態例によって、センサ、コネクタ、または接続ケーブルの接続性変化が起きたときに、センサ回路に付随する電圧の測定可能な変化を起こすためのシステム、方法、および装置を実現するさらなる技術的効果を提供することができる。
【0027】
本発明の実施形態例では、位置検知システム100およびセルフ・モニタリング回路300は、いずれかの動作を容易にするために実行される任意の数のハードウェアおよび/またはソフトウェア・アプリケーションを備えていても良い。
【0028】
実施形態例では、1または複数のI/Oインターフェースによって、位置検知システム100とセルフ・モニタリング回路300との間、および1または複数の入力/出力デバイス間の通信を容易にしても良い。たとえば、ユニバーサル・シリアル・バス・ポート、シリアル・ポート、ディスク・ドライブ、CD−ROMドライブ、および/または1もしくは複数のユーザ・インターフェース・デバイス、たとえばディスプレイ、キーボード、キーパッド、マウス、コントロール・パネル、タッチ・スクリーン・ディスプレイ、マイクロフォンなどによって、位置検知システム100およびセルフ・モニタリング回路300とのユーザやり取りを容易にしても良い。1または複数のI/Oインターフェースを用いて、広範囲の入力デバイスからデータおよび/またはユーザ命令を受信または収集しても良い。受信データを、本発明の種々の実施形態において必要に応じて1または複数のコンピュータ・プロセッサによって処理しても良く、および/または1または複数のメモリ・デバイス内に記憶しても良い。
【0029】
1または複数のネットワーク・インターフェースによって、位置検知システム100およびセルフ・モニタリング回路300の入力および出力を、1または複数の好適なネットワークおよび/または接続部(たとえば、システムに付随する任意の数のセンサとの通信を容易にする接続部)に接続することが容易になる場合がある。1または複数のネットワーク・インターフェースによってさらに、1または複数の好適なネットワークに対する接続が容易になる場合がある。たとえば、ローカル・エリア・ネットワーク、ワイド・エリア・ネットワーク、インターネット、セルラー・ネットワーク、無線周波数ネットワーク、ブルートゥース(商標)(テレフォンアクティエボラゲ・エル・エム・エリクソン(TelefonaktiebolagetLMEricsson)所有)が有効なネットワーク、ワイ・ファイ(Wi−Fi)(商標)(ワイ・ファイ・アライアンス(Wi−FiAlliance)所有)が有効なネットワーク、人工衛星ベースのネットワーク、任意の有線ネットワーク、任意の無線ネットワークなど、外部デバイスおよび/またはシステムとの通信用のものである。
【0030】
必要に応じて、本発明の実施形態は、図1および3に例示したものよりも多いかまたは少ないコンポーネントを伴う位置検知システム100およびセルフ・モニタリング回路300を含んでいても良い。
【0031】
本発明を、本発明の実施形態例によるシステム、方法、装置、および/またはコンピュータ・プログラム製品のブロックおよびフロー図を参照して前述している。当然のことながら、ブロック図およびフロー図の1または複数のブロックならびにブロック図およびフロー図内のブロックの組み合わせをそれぞれ、コンピュータ実行可能なプログラム命令によって実施することができる。同様に、本発明の一部の実施形態により、ブロック図およびフロー図の一部のブロックは、必ずしも示した順番で行なう必要がなくても良いし、必ずしも行なう必要が全くなくても良い。
【0032】
これらのコンピュータ実行可能なプログラム命令を、汎用コンピュータ、特殊用途コンピュータ、プロセッサ、または他のプログラマブル・データ処理装置にロードして特定の機械を形成して、コンピュータ、プロセッサ、または他のプログラマブル・データ処理装置上で実行する命令が、フロー図ブロック内で特定される1または複数の機能を実施するための手段を形成するようにしても良い。これらのコンピュータ・プログラム命令をまた、コンピュータまたは他のプログラマブル・データ処理装置に命令を出して特定の方法で機能させることができるコンピュータ読取可能なメモリ内に記憶して、コンピュータ読取可能なメモリ内に記憶した命令が、フロー図ブロック内で特定される1または複数の機能を実施する命令手段を備える製造品を形成するようにしても良い。一例として、本発明の実施形態によって、コンピュータ・プログラム製品、たとえばコンピュータ読取可能なプログラム・コードまたはプログラム命令が具体化されたコンピュータ利用可能な媒体が提供されても良い。前記コンピュータ読取可能なプログラム・コードは、フロー図ブロック内で特定される1または複数の機能を実施するために実行されるように適合されたコンピュータ利用可能な媒体である。またコンピュータ・プログラム命令を、コンピュータまたは他のプログラマブル・データ処理装置上にロードして、一連の動作要素またはステップをコンピュータまたは他のプログラマブル装置上で行なわせることでコンピュータ実施プロセスを形成して、コンピュータまたは他のプログラマブル装置上で実行する命令が、フロー図ブロック内で特定される機能を実施するための要素またはステップを実現するようにしても良い。
【0033】
したがって、ブロック図およびフロー図のブロックは、特定の機能を行なうための手段の組み合わせ、特定の機能を行なうための要素またはステップの組み合わせ、および特定の機能を行なうためのプログラム命令手段を支持するものである。また当然のことながら、ブロック図およびフロー図の各ブロック、ならびにブロック図およびフロー図内のブロックの組み合わせを実施することは、特定された機能、要素、もしくはステップを行なう特殊用途のハードウェア・ベースのコンピュータ・システム、または特殊用途のハードウェアおよびコンピュータ命令の組み合わせによって可能である。
【0034】
本発明を、現時点で最も実用的で多様な実施形態と考えられるものに関連して説明してきたが、当然のことながら、本発明は、開示した実施形態に限定されず、それどころか、添付の請求項の範囲に含まれる種々の変更および等価な配置に及ぶことが意図されている。本明細書では特定の用語を用いているが、それらは単に一般的および記述的な意味で用いており、限定を目的としたものではない。
【0035】
この書面の説明では、実施例を用いて、本発明を、ベスト・モードも含めて開示するとともに、どんな当業者も本発明を実施できるように、たとえば任意の装置またはシステムを作りおよび用いること、ならびに取り入れた任意の方法を実行することができるようにしている。本発明の特許可能な範囲は、請求項において定められるとともに、当業者に想起される他の実施例を含んでいても良い。このような他の実施例は、請求項の文字通りの言葉使いと違わない構造要素を有するか、または請求項の文字通りの言葉使いとの差が非実質的である均等な構造要素を含む場合には、請求項の範囲内であることが意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電圧モード・センサに付随する測定値を取得してセンサに付随する接続性不良を検出するための方法であって、
電圧モード・センサ(116)を備える回路(300)内にDCバイアス電流(322)を結合することであって、前記電圧モード・センサ(116)は時変信号(323)を出力する、結合することと、
前記DCバイアス電流(322)の公称レベルを設定することと、
前記DCバイアス電流(322)に付随する電圧(324)をモニタすることと、
回路接続性状況を、少なくとも部分的に前記電圧(324)のモニタリングに基づいて判定することと、を含む方法。
【請求項2】
前記電圧モード・センサ(116)に励磁信号(104)を与えることと、前記電圧モード・センサ(202)からのフィードバック信号(118)をモニタすることであって、前記フィードバック信号(118)は少なくとも、前記回路(300)が閉じているときに前記励磁信号(104)の結合部分を含む、モニタすることと、をさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
回路接続性状況を、少なくとも部分的に前記フィードバック信号(118)の整流化平均値を電圧制限と比較することに基づいて判定することをさらに含む請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記電圧モード・センサ(116)からの時変信号(323)をモニタすることと、少なくとも部分的に前記時変信号(323)のモニタリングに基づいて回路接続性状況を判定することと、をさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記バイアス電流(322)を結合することは、電流を、遠隔の時変電圧モード・センサ(116)と通信状態にあるローカル・ポート内に結合することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記DCバイアス電流(322)の前記公称レベルを設定することは、前記DCバイアス電流(322)を1または複数の電流制限器(303、306)を用いて制限することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記DCバイアス電流(322)を前記回路(300)内に結合することはさらに、DCバイアス電流(322)を1または複数の信号ケーブル(106、120)内に結合することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項8】
測定値を取得して接続性不良を検出するためのシステムであって、
時変信号(323)を生成するための電圧モード・センサ(116)と、
差動増幅器(304)と、
前記電圧モード・センサ(116)と前記差動増幅器(304)との間で信号を送信するように動作する少なくとも1つの伝送ケーブル(120)と、
前記電圧モード・センサ(116)と前記少なくとも1つの伝送ケーブル(106、120)とを備える回路(300)にDCバイアス電流(322)を与えるように動作可能な少なくとも1つの供給源(308、310)と、
前記差動増幅器(114、304)と通信状態にある少なくとも1つのプロセッサ(126、326)であって、前記回路(300)の接続性を、少なくとも部分的に、前記バイアス電流(322)に付随する電圧(324)のモニタリングに基づいて判定するように構成されたプロセッサ(126、326)と、を備えるシステム。
【請求項9】
前記DCバイアス電流(322)を前記回路(105、300)内に前記少なくとも1つの供給源(308、310)から結合するための1または複数の抵抗器(303、306)をさらに備える請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記電圧モード・センサ(116)に励磁信号(104)を与えるように動作可能な励磁信号発生器(103)をさらに備え、前記少なくとも1つのプロセッサ(126)は、前記電圧モード・センサ(116)からのフィードバック信号(118)をモニタするように構成され、前記フィードバック信号(118)は少なくとも、前記回路(300)が閉じているときに前記励磁信号(104)の結合部分を含む請求項8に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−21985(P2012−21985A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−153400(P2011−153400)
【出願日】平成23年7月12日(2011.7.12)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【Fターム(参考)】