説明

DIMMにおける相変化メモリ

【課題】相変化メモリ(PCM)モジュールを有するデュアルインラインメモリモジュール(DIMM)メモリデバイスの管理を提供する。
【解決手段】BIOSは、PCMモジュール識別(ID)を読み出して、PCMモジュール構成に応答するための、実行可能コードを有することができる。PCMモジュールは、DIMMが行アドレスを受信した直後に、メモリコントローラによって生成される列アドレスをDIMMへ供給することを可能にするアディティブレイテンシと関連することができる。DRAMキャッシュメモリのようなメモリデバイスを用いて、PCMDIMMの特定のアドレスに対応する書き込みデータをキャッシュに格納することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願明細書において開示される内容は、メモリデバイスの管理に関する。
【背景技術】
【0002】
メモリデバイスは、例えば、コンピュータ、携帯電話、PDA、データロガー、ゲーム機及びナビゲーション機器のような多種の電子デバイスに使用される。かかる電子デバイスにおいては、二、三例挙げると、NAND及びNORフラッシュ、SRAM、DRAM及び相変化のような、種々のタイプのメモリデバイスを用いることができる。メモリデバイスは、動作速度及びキャッシュラインサイズの増加に応じて、デュアルインラインメモリモジュール(DIMM)構成にパッケージ化されることができる。例えば、コンピューティングプラットフォームの主記憶装置として使用され得るこのDIMMは、DIMM上に並列に備え付けられた多数のDRAMメモリモジュールを具えることができる。従って、DIMMに対する読み出し/書き込み要求は、並列のDRAMモジュールの全体に分割されることができるので、個々のDRAMモジュールが全てのキャッシュラインの要求のサブセットを与えることができる。このDRAMデバイスは、一般的に、二、三例挙げると、読み出し/書き込みタイミング、メモリページサイズ、及び/又はアドレス指定プロトコルに関連する、特定の固有のパラメータを有する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
一実施形態において、メモリデバイスは、相変化メモリ(PCM)モジュールを有するデュアルインラインメモリモジュール(DIMM)を具えることができる。このPCMモジュールは、DIMM上に備え付けられ、並列に、電気的に接続されることができる。一実施形態では、このDIMMは、例えばコンピューティングシステムの主記憶装置の少なくとも一部を具えることができ、メモリコントローラと通信するためにメモリバスを有することができる。このメモリバスを経て、コンピューティングシステムは、メモリコントローラによってDIMM上のPCMモジュールにアクセスすることができる。
【0004】
一実施形態において、DIMMは、少なくとも部分的にはダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)モジュールに基づいて、電気的に動作するように構成されることができる。請求項の発明内容は制限されないが、例えば、DIMMは、一以上のPCMモジュールを受容するための、一以上のDRAMソケットを具えることができる。他の例では、一以上のPCMモジュールが、DRAMモードレジスタ及び/又は、DRAMに適した接続を有するDRAMインタフェースを具えることができる。以下でさらに詳細に説明するように、PCMモジュールは、適切なメモリレベル及び/又はシステムレベルの処理及び/又はパラメータを用いることによって、このDIMMに組み込まれることができる。例えば、コンピューティングシステムは、PCMモジュールに対応するパラメータを保持する、基本入力/出力システム(BIOS)を具えることができる。このようなパラメータは、例えば、PCMモジュールのタイミング、レイテンシ及び/又はサイズの値を含む。特定の実施形態では、BIOSは、システム起動時にPCMモジュールをテストする必要はない。このようなBIOSは、PCMモジュールを動作するように構成される、低レベルのドライバを有することができる。さらに、このようなBIOSは、PCMモジュール識別(ID)を読み出して、PCMモジュール構成に応答するための、実行可能コードを有することができる。他の例では、PCMモジュールは、DIMMが行アドレスを受信した直後に、例えばメモリコントローラによって生成される列アドレスをDIMMへ供給することを可能にする、アディティブレイテンシと関連することができる。例えば、このようなアディティブレイテンシは、PCMへの連続的な読み出しコマンドが、遅延することなく且つ出力データのタイミングギャップを引き起こすことなく、直ちに相互に続くように、PCMモジュールのタイミングスキームに導入されることができる。
【0005】
一般に、書き込み又はプログラミング処理を用いて、情報をメモリデバイスに格納することができ、一方、読み出し処理を用いて、格納した情報を読み出すことができる。格納された情報はメモリデバイスの全て又は一部から消去されること、及び/又は、新たな情報がメモリデバイスの全て又は一部に対して書き込まれることができる。比較的多くのこのようなプログラムの消去及び/又はプログラムの再プログラムのサイクルは、PCMの物理的完全性(physical integrity)を劣化させ得る。例えば、PCMを組み込むDIMMに課せられる何千ものプログラムの消去サイクルは、DIMMの信頼性を減少させ得る。このようなPCMメモリを使用する場合、プログラムの消去サイクル、又はそうでなければPCMメモリが被ることになるであろう「サイクリング」の発生回数を制限及び/又は低減することは有益であろう。従って、一実施形態において、DIMM上のPCMモジュールのサイクリングを管理する技術には、書き込みデータのキャッシングを含むことができる。具体的には、DRAMキャッシュメモリのようなメモリデバイスを用いて、PCM DIMMの特定のアドレスに対応する書き込みデータをキャッシュに格納することができる。このようなDRAMキャッシュメモリのメモリサイズは、少なくとも部分的には、PCM DIMMを具えるPCMモジュールの特性に基づいて選択されることができる。例えば、このような特性は、PCM DIMMのサイズを含むことができる。このような特性には、例えば、PCMのサイクリング仕様、PCM故障率、PCM書き込み速度、PCM DIMMを組み込んでいるシステムの書き込み使用モデル、及び/又は、使用されるPCM書き込みウェアレベリング技術が含まれる。請求項の発明内容は限定されないが、特定の例として、このようなDRAMキャッシュメモリのサイズは、約100KBから数十メガバイトのRAMまで及ぶことができる。
【0006】
一実施形態では、PCM DIMMは、パッケージ毎に複数のメモリダイスを有するパッケージに積層される、PCMモジュールを具えることができる。例えば、このようなパッケージは、パッケージ毎に、それぞれ、1個、2個、4個又は8個の入力/出力(I/O)ピンを与える、2個、4個、又は8個のダイスを具えることができる。このような実装の結果、例えば、付加的なPCMが、出力ドライバ上の余分なローディングを引き起こすことなく、使用されることができる。また、DIMMにおいて使用されるPCMがDRAMのバンク(パーティション)よりも少ない数のバンク(パーティション)を有する場合には、以下でさらに詳細に説明するように、バンクのアドレスビットを用いて、複数のPCMデバイスにわたる複数のバンクにアクセスすることができる。
【0007】
以下の図面を参照しつつ、非限定的且つ非包括的な実施形態を記載しており、特に明記しない限り、幾つかの図面にわたって、同様の参照符号は同様の部分を示す。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】一実施形態に従う、メモリ構成の概略図である。
【図2】他の実施形態に従う、メモリ構成の概略図である。
【図3】一実施形態に従う、メモリ制御処理のタイミング図である。
【図4】一実施形態に従う、メモリ制御処理のフロー図である。
【図5】一実施形態に従う、コンピューティングシステム及びメモリデバイスの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書中、“一実施形態”とは、実施形態と関連して記載された特定の機能、構造又は特徴が、請求項の発明内容の少なくとも一つの実施形態に包含されることを意味する。従って、本明細書中の様々な箇所に現れる“一実施形態において”又は“一実施形態”との語句は、必ずしも、全て同一の実施形態について言及しているわけではない。さらに、特定の機能、構造又は特徴を、一以上の実施形態において組み合わせてもよい。
【0010】
図1は、複数のDRAMモジュール、一実施形態によれば、図示されるように、DRAM110、DRAM120、DRAM130、を具えるDRAM DIMM100の概略図である。特定の実施形態では、DRAM DIMMは、8個のDRAMモジュールを具えることができるが、任意数のDRAMモジュールを具えることもできる。請求項の発明内容はこのような例に制限されないが、例えば、エラー修正を与えるために、9個目のDRAMモジュールが存在してもよい。個々のDRAMモジュールは、最初に行アドレスを特定し、その後列アドレスを特定することによってアクセスされる、アドレス指定可能なメモリセルのマトリックスを具えることができる。ブロック矢印150はアドレスバスを表し、これを介して、メモリコントローラ(図示せず)は、DRAM DIMM100へ読み出し/書き込みアドレスを提供することができる。特定の実施形態において、このようなアドレスバスは、16ビット長とすることができる。ブロック矢印160はデータバスを表しており、これを介して、DRAMモジュールは、メモリコントローラ及び/又はコンピューティングシステム(図示せず)の他の部分への読み出しデータ(パラレルデータ)を提供し、又は、メモリコントローラ及び/又はコンピューティングシステム(図示せず)の他の部分からの書き込みデータ(パラレルデータ)を受信することができる。請求項の発明内容は限定されないが、特定の実施形態において、このようなデータバスは、並列に接続された8個の8ビットDRAMモジュールからなる、64ビット長とすることができる。DRAM DIMM100上の特定の場所のアドレス指定を行うために、以下でさらに詳細に説明する起動コマンド(activate command)は、例えば、ブロック矢140で表されるバス上のメモリコントローラによって、DRAMモジュール110から130に提供される行アドレスを伴うものとすることができる。このような行アドレスバス140は、個々のDRAMモジュールと並列に接続されることができる。行アドレスが提供された後、メモリコントローラは、ブロック矢印170で表されるバスを介して個々のDRAMモジュールへ提供される、列アドレスを伴う読み出し/書き込みコマンドを生成することができる。当然のことながら、DRAM DIMMのこのような特徴及び詳細は単なる例示であって、請求項の発明内容が限定されるわけではない。
【0011】
図2は、複数のPCMモジュール、一実施形態によれば、PCM214、PCM218、PCM224及びPCM228、を具えるPCM DIMM200の概略図である。PCM DIMM200は、少なくとも部分的にはDRAMモジュールに基づいて、電気的に動作するように構成されることができる。このような場合、一以上のPCMモジュールが、少なくとも部分的には個々のPCMモジュールのメモリバンクの数に基づいて、一個のDRAMモジュールの代わりに用いられることができる。従って、PCM DIMM200は、PCM214及び/又はPCM218が一個のDRAMモジュールの代わりに用いられるメモリサイト210と、PCM224及び/又はPCM228が他のDRAMモジュールの代わりに用いられるメモリサイト220を具えることができる。ここで、メモリサイトは、PCM DIMM200とDRAM又はPCMモジュールとの間の電気的接続が行われうる、PCM DIMM200の位置を参照する。特定の実施形態において、PCMモジュールは、DRAMモジュールよりも多くの電気的接続を含むことができる。例えば、PCM DIMM200は、4個のバンクと3ビットバンクアドレス(最大8個のバンクをアドレス指定することができる)を有するPCMモジュールを具えることができ、2個のPCMデバイスは各々4個のバンクアドレスを有し、アクセスされる。従って、特定の実施形態において、PCM DIMMは、複数のPCMデバイスにわたる複数のメモリバンクに対応するバンクアドレスビットを具えることができる。当然のことながら、このようなメモリサイトは、ここでの実施形態において図示及び記載されるPCMモジュールの数より、多い数又は少ない数のPCMモジュールを具えることができる。同様に、PCM DIMM200は、この実施形態において図示及び記載されるこのようなメモリサイトの数より、多い数又は少ない数のメモリサイトを具えることができる。従って、請求項の発明内容は、この詳細な説明に限定されるわけではない。
【0012】
上記のDRAMモジュールと同様に、個々のPCMモジュールは、最初に行アドレスを特定し、その後列アドレスを特定することによってアクセス可能な、アドレス指定可能なメモリセルのマトリックスを具えることができる。ブロック矢印240はアドレスバスを表し、これを介して、メモリコントローラ(図示せず)は、読み出し/書き込みアドレスをPCM DIMM200へ提供することができる。特定の実施形態において、このようなアドレスバスは、例えば、16ビット長とすることができる。ブロック矢印250はデータバスを表しており、これを介して、PCMモジュールは、メモリコントローラ及び/又はコンピューティングシステム(図示せず)の他の部分への読み出しデータ(パラレルデータ)を提供し、又は、メモリコントローラ及び/又はコンピューティングシステム(図示せず)の他の部分からの書き込みデータ(パラレルデータ)を受信することができる。請求項の発明内容は限定されないが、特定の実施形態において、このようなデータパスは、各グループが並列に接続された8ビットを有する、8個のPCMモジュールの並列グループからなる64ビット長とすることができる。PCM DIMM200上の特定の場所のアドレス指定を行うために、以下でさらに詳細に説明する起動コマンド(activate command)は、例えば、ブロック矢印230で表されるバス上のメモリコントローラによって、PCMモジュール214から228に提供される行アドレスを伴うものとすることができる。このようなアドレスバス230は、個々のPCMモジュールと並列に接続されることができる。行アドレスが提供された後、メモリコントローラは、バス230を介して個々のメモリサイト210から220へ提供される、列アドレスを伴う読み出し/書き込みコマンドを生成することができる。この読み出し/書き込みコマンドを伴う列アドレスは、ブロック矢印260によって表されるバスによって、個々のPCMモジュール214から228に提供されることができる。当然のことながら、PCM DIMMのこのような特徴及び詳細は単なる例示であって、請求項の発明内容が限定されるものではない。
【0013】
図3は、一実施形態に従うメモリ制御処理300のタイミング図であり、図4は、一実施形態に従うメモリ制御処理400のフロー図である。請求項の発明内容は限定されないが、以下の図示例は、メモリ制御処理300と、同処理を含むメモリ制御処理400に基づく。図3に示すように、クロック信号305は、メモリ処理のタイミングを確立することができる。ブロック410では、メモリコントローラは、PCMモジュール(例えば、図2に示したPCMモジュール214)のページ又はメモリバンクを開くために、起動コマンド(activate command)310を発行することができる。ブロック420に示す通り、この起動フェーズの間、PCMモジュールは、メモリコントローラから行アドレス315を受信することができる。ブロック430及び440では、メモリコントローラは、読み出し命令320及び列アドレス325を発行することができるので、データが読み出されるところの一以上のメモリセルのメモリアドレス(行及び列)を提供する。特定の実施形態において、アディティブレイテンシを用いて、メモリ処理スケジューリングを改善することができる。例えば、行アドレス及び列アドレスが連続的に発行されることができ、これにより、出力データのタイミングギャップを回避する。しかしながら、このタイミングギャップは、種々のアプリケーションで望ましい場合もあり、請求項の発明内容が限定されるわけではない。例えば、図3には示されていないが、起動コマンド310と読み出し命令320との間に、一以上のクロックサイクルがあってもよい。詳細には、列アドレスストローブ(CAS)レイテンシ及び/又はアディティブレイテンシを利用することにより、読み出し命令は、起動コマンドの後、直ちに発行されることができる。この読み出し命令は、実行される前に、所定のクロックサイクル数(従ってアディティブレイテンシ)の分だけ内部で遅延される必要はない。このようなタイミング処理は、追加のコマンドを必要とせずに行われるので、メモリ命令同士の衝突を回避することができる。
【0014】
本願明細書に記載される一以上の実施形態では必要とされないが、アディティブレイテンシのための値は、PCMモジュールのモードレジスタ内に保持されることができる。従って、ブロック450では、ブロック460で他の読み出し命令330が発行される前に、期間tCCDが経過する。同時に、ブロック470に示す通り、他の列アドレスが発行される。例えば読み出しレイテンシ及び列アドレスレイテンシ(addressing latency)のような一以上のレイテンシの後、データ340は読み出し命令320によって生じ、データ350は読み出し命令330によって生じることができる。一実施形態では、列アドレスを提供する処理及び対応するアドレスでメモリを読み出す処理を、例えば、ブロック480でチェックしている通り、開かれたページの最後の列に至るまで、繰返すことができる。この場合、他のページを開くために、メモリコントローラによって他の起動コマンドを発行することができる。上記のように、PCMモジュールは、少なくとも部分的にはDRAMモジュールに基づいて電気的に動作するように構成される、DIMMに組み込まれることができる。このPCMモジュールに対応するように、適切なメモリレベル及び/又はシステムレベルの処理、及び/又は、パラメータが実装されることができる。例えば、システムレベルでは、BIOSは、PCMモジュール又は他のメモリに保持された一以上のモードレジスタからパラメータを読み出すことができる。このようなパラメータは、二、三の例を挙げると、読み出しレイテンシ、書き込みレイテンシ、CASレイテンシ、第1のデータ時間に対する内部読み出しコマンド、内部読み出し/書き込み遅延に対する起動コマンド、及び/又は追加の遅延の値であり、PCMモジュールに対応することができる。
【0015】
図5は、メモリデバイス510を具えるコンピューティングシステム500の、例示的な実施形態を示す概略図である。コンピューティングデバイス504は、メモリデバイス510を管理するように構成可能なあらゆるデバイス、機器、又はマシンを表すことができる。メモリデバイス510は、メモリコントローラ515及びメモリ522を具えることができる。限定はされないが、例として、コンピューティングデバイス504は、例えばデスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ワークステーション、サーバデバイス等の一以上のコンピューティングデバイス及び/又はプラットフォームと、例えば携帯情報端末、移動通信装置等の一以上のパーソナルコンピューティング又は通信装置若しくは機器と、例えばデータベース又はデータ記憶サービスプロバイダ/システムのような、コンピューティングシステム及び/又は関連サービスプロバイダケイパビリティと、及び/又はそれらの組合せと、を含むことができる。
【0016】
システム500に示される種々のデバイスの全て又は一部、及び、本明細書でさらに記載される処理及び方法は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア又はそれらの如何なる組み合わせを用いて、別の場合には含んで、実装されることができると認識されている。従って、限定はされないが例として、コンピューティングデバイス504は、バス540とホスト又はメモリコントローラ515とを介してメモリ522と動作可能に結合される、少なくとも一つの処理ユニット520を具えることができる。処理ユニット520は、データ計算手順又は処理の少なくとも一部を実行するために設定可能な、一以上の回路を表している。限定はされないが例として、処理ユニット520は、一以上のプロセッサ、コントローラ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路、デジタルシグナルプロセッサ、プログラマブルロジックデバイス、フィールドプログラマブルゲートアレイなど、又はそれらの組み合わせを含むことができる。処理ユニット520は、メモリコントローラ515と通信し、例えば、上述したメモリパーティション処理と同様に、読み出し、書き込み、及び/又は消去のようなメモリと関連する動作を処理することができる。処理ユニット520は、メモリコントローラ515と通信するように構成される、オペレーティングシステムを具えることができる。このようなオペレーティングシステムは、例えば、バス540を介してメモリコントローラ515に送信されるべきコマンドを生成することができる。このようなコマンドは、例えば、読み出し/書き込み命令を含むことができる。コンピューティングデバイス504は、PCMモジュールに対応するパラメータを保持する基本入力/出力システム(BIOS)を具えることができ、該PCMモジュールに対応するパラメータは、例えばメモリコントローラ515によって生成される列アドレスが、DIMMが行アドレスを受信した直後にDIMMへ提供されることを可能にする、アディティブレイテンシと関連することができる。
【0017】
メモリ522は、任意のデータ記憶メカニズムを表す。メモリ522は、例えば、一次記憶装置524及び/又は二次記憶装置526を含むことができる。特定の実施形態では、上記の通り、メモリ522は、PCM DIMMを具えることができる。具体的には、一次記憶装置524は、例えば、ランダムアクセスメモリ、ROM等を含むことができる。この例では、一次記憶装置524は、処理ユニット520から分離して記載されているが、当然のことながら、一次記憶装置524の全体又は一部は処理ユニット520内に、別の場合には処理ユニット520と共に/結合して提供されることができると理解されたい。
【0018】
一実施形態によれば、メモリ522の一以上の部分は、メモリ522の特定の状態によって表現されて、データ及び/又は情報を表す信号を格納することができる。例えば、データ及び/又は情報を表す電気信号は、データ及び/又は情報をバイナリの情報(例えば1及び0)として表現するために、メモリ522の一部の状態に影響を及ぼすか又は変化させることによって、このメモリ522の一部に「格納」されることができる。このように、特定の実施形態において、データ及び/又は情報を表す信号を格納するためのこのようなメモリの部分の状態変化は、メモリ522の、異なる状態又はものへの変化を構成する。
【0019】
二次記憶装置526は、例えば、一次記憶装置と同一又は類似の種類のメモリ、及び/又は、例えば、ディスクドライブ、光学ディスクドライブ、テープドライブ、固体メモリドライブなどのような、データ記憶デバイス又はシステムを含むことができる。特定の実施形態において、二次記憶装置526は、コンピュータ可読媒体528を動作可能に受け入れるように、別の場合にはコンピュータ可読媒体528と結合するように、構成可能である。コンピュータ可読媒体528は、例えば、アクセス可能なデータ、コード、及び/又はシステム500の一以上のデバイスへの命令を伝達及び/又は生成する、如何なる媒体も含むことができる。
【0020】
コンピューティングデバイス504は、例えば、入力/出力装置532を具えることができる。入力/出力装置532は、人及び/又は機械の入力を受け入れるように、別の場合には導入するように構成されうる一以上のデバイス又は機能を、及び/又は、人及び/又は機械の出力を供給するように、別の場合には提供するように構成されうる一以上のデバイス又は機能を表す。限定はされないが例として、入力/出力装置532は、動作可能に構成されたディスプレイ、スピーカ、キーボード、マウス、トラックボール、タッチスクリーン、データポート等を含むことができる。
【0021】
ここでは例として説明及び記載したが、当然のことながら、当業者によって、請求項の発明内容の範囲を逸脱することなく種々の他の変更が加えられ、等価物が置換されることができると理解されたい。加えて、特定の状況を請求項の発明内容の教示に適合させるために、多くの変更が、本明細書で記載された主要概念から逸脱することなく実行されることができる。従って、請求項の発明内容は、記載された特定の実施形態に限定されるものではなく、この請求項の発明内容は、添付の特許請求の範囲及びこれらの等価物の範囲内の全ての実施形態も包含しうることを意図している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
一以上の相変化メモリ(PCM)モジュールを具えるデュアルインラインメモリモジュール(DIMM)と、
前記システムに電気的に接続するためのメモリバスであって、前記PCMモジュールが前記メモリバスと並列に電気的に結合されるメモリバスと、
前記PCMモジュールに対応するパラメータを有する基本入力/出力システム(BIOS)を保持するためのメモリと、
を具えることを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記パラメータは、前記PCMモジュールのアディティブレイテンシ又は列アドレスストローブ(CAS)レイテンシの値を含むことを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記PCMモジュールは、前記DIMMに行アドレスが提供された直後に前記DIMMに列アドレスが提供されることを可能にする、アディティブレイテンシと関連することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記DIMMの特定のアドレスに対応する書き込みデータをキャッシュに格納するためのダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)キャッシュメモリをさらに具えることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
バンクアドレスビットが、複数の前記一以上のPCMモジュールにわたる複数のメモリバンクに対応することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記DIMMが、前記システムの主記憶を具えることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記一以上のPCMモジュールが、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)モードレジスタ及び/又はDRAMインタフェースを具えることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
起動命令を、一以上の相変化メモリ(PCM)モジュールを具えるデュアルインラインメモリモジュール(DIMM)へ提供するステップと、
行アドレスを、前記PCMモジュールへ提供するステップと、
次の行アドレスを与える前に、複数の列アドレスを、前記PCMモジュールへ提供するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項9】
前記行アドレスを前記DIMMへ提供した直後に、前記複数の列アドレスのうちの一つを、前記DIMMへ提供するステップをさらに含むことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
コンピューティングプラットフォームの基本入力/出力システム(BIOS)内に、PCMモジュールに対応するパラメータを保持するステップをさらに含むことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記パラメータは、前記PCMモジュールのアディティブレイテンシのための値を含むことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記DIMMの特定のアドレスに対応する書き込みデータをDRAMキャッシュメモリに格納することによって、前記PCMモジュールのサイクルリミットを管理するステップをさらに含むことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項13】
少なくとも部分的には前記PCMモジュールの特性に基づいて、前記DRAMキャッシュメモリのためのメモリサイズを選択するステップをさらに含むことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
バンクアドレスビット用いて、前記一以上のPCMデバイスにわたる複数のメモリバンクにアクセスするステップをさらに含むことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項15】
前記DIMMは、前記コンピューティングプラットフォームの主記憶を具えることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項16】
少なくとも部分的にはダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)モジュールに基づいて電気的に動作するように構成され、一以上の相変化メモリ(PCM)モジュールを具える、デュアルインラインメモリモジュール(DIMM)を具えることを特徴とするメモリデバイス。
【請求項17】
コンピューティングシステムに電気的に接続するためのメモリバスをさらに具えるメモリデバイスであって、
前記PCMモジュールは、前記メモリバスと並列に電気的に結合され、
前記コンピューティングシステムは、前記PCMモジュールに対応するパラメータを保持する基本入力/出力システム(BIOS)を具える、
ことを特徴とする請求項16に記載のメモリデバイス。
【請求項18】
前記DIMMの特定のアドレスに対応する書き込みデータをキャッシュに格納するためのDRAMキャッシュメモリをさらに具えることを特徴とする請求項16に記載のメモリデバイス。
【請求項19】
デュアルインラインメモリモジュール(DIMM)に備え付けられる一以上の相変化メモリ(PCM)モジュールに対応するパラメータを、コンピューティングプラットフォームの基本入力/出力システム(BIOS)内に保持するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項20】
前記PCMモジュールは、前記DIMMに行アドレスが提供された直後に前記DIMMに列アドレスが提供されることを可能にする、アディティブレイテンシと関連することを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記DIMMの特定のアドレスに対応する書き込みデータをDRAMキャッシュメモリに格納することによって、前記PCMモジュールのサイクルリミットを管理するステップをさらに含むことを特徴とする請求項19に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−22998(P2011−22998A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−151680(P2010−151680)
【出願日】平成22年7月2日(2010.7.2)
【出願人】(510181253)
【氏名又は名称原語表記】NUMONYX B. V.
【Fターム(参考)】