説明

DMDファミリーに対する天然アンチセンス転写物の抑制によるジストロフィンファミリー関連疾患の治療

本発明は、特に、ジストロフィンファミリーの天然アンチセンスポリヌクレオチドを標的にすることにより、ジストロフィンファミリーの発現および/または機能を調節するアンチセンスオリゴヌクレオチドに関する。本発明はまた、これらのアンチセンスオリゴヌクレオチドの同定、ならびにDMDファミリーの発現に関連する疾患および障害の治療におけるそれらの使用にも関する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
in vivoまたはin vitroで患者の細胞または組織におけるジストロフィンファミリーポリヌクレオチドの機能および/または発現を調節する方法であって、
配列番号3のヌクレオチド1〜378、配列番号4のヌクレオチド1〜294、配列番号5のヌクレオチド1〜686、配列番号6のヌクレオチド1〜480、配列番号7のヌクレオチド1〜501(図3)中の連続した5〜30ヌクレオチドを含むポリヌクレオチドの逆相補物に少なくとも50%の配列同一性を有する少なくとも1つの長さ5〜30ヌクレオチドのアンチセンスオリゴヌクレオチドに、前記細胞または組織を接触させ;それによりin vivoまたはin vitroで患者の細胞または組織におけるジストロフィンファミリーポリヌクレオチドの機能および/または発現を調節するステップ
を含む方法。
【請求項2】
in vivoまたはin vitroで患者の細胞または組織におけるジストロフィンファミリーポリヌクレオチドの機能および/または発現を調節する方法であって、
ジストロフィンファミリーポリヌクレオチドの天然アンチセンスの逆相補物に少なくとも50%の配列同一性を有する少なくとも1つの長さ5〜30ヌクレオチドのアンチセンスオリゴヌクレオチドに、前記細胞または組織を接触させ;それによりin vivoまたはin vitroで患者の細胞または組織におけるジストロフィンファミリーポリヌクレオチドの機能および/または発現を調節するステップ
を含む方法。
【請求項3】
in vivoまたはin vitroで患者の細胞または組織におけるジストロフィンファミリーポリヌクレオチドの機能および/または発現を調節する方法であって、
ジストロフィンファミリーポリヌクレオチドのアンチセンスオリゴヌクレオチドに少なくとも50%の配列同一性を有する少なくとも1つの長さ5〜30ヌクレオチドのアンチセンスオリゴヌクレオチドに、前記細胞または組織を接触させ;それによりin vivoまたはin vitroで患者の細胞または組織におけるジストロフィンファミリーポリヌクレオチドの機能および/または発現を調節するステップ
を含む方法。
【請求項4】
in vivoまたはin vitroで患者の細胞または組織におけるジストロフィンファミリーポリヌクレオチドの機能および/または発現を調節する方法であって、
ジストロフィンファミリーポリヌクレオチドの天然アンチセンスの領域を標的にする少なくとも1つのアンチセンスオリゴヌクレオチドに、前記細胞または組織を接触させ;それによりin vivoまたはin vitroで患者の細胞または組織におけるジストロフィンファミリーポリヌクレオチドの機能および/または発現を調節するステップ
を含む方法。
【請求項5】
ジストロフィンファミリーの機能および/または発現が対照と比較してin vivoまたはin vitroで増大する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
少なくとも1つのアンチセンスオリゴヌクレオチドがジストロフィンファミリーポリヌクレオチドの天然アンチセンス配列を標的にする、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
少なくとも1つのアンチセンスオリゴヌクレオチドがジストロフィンファミリーポリヌクレオチドのコードおよび/または非コード核酸配列を含む核酸配列を標的にする、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
少なくとも1つのアンチセンスオリゴヌクレオチドがジストロフィンファミリーポリヌクレオチドのオーバーラップおよび/または非オーバーラップ配列を標的にする、請求項4に記載の方法。
【請求項9】
少なくとも1つのアンチセンスオリゴヌクレオチドが、少なくとも1つの修飾された糖部分、少なくとも1つの修飾されたヌクレオシド間結合、少なくとも1つの修飾されたヌクレオチドおよびそれらの組合せから選択される1つまたは複数の修飾を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項10】
1つまたは複数の修飾が、2'-O-メトキシエチル修飾糖部分、2'-メトキシ修飾糖部分、2'-O-アルキル修飾糖部分、二環性糖部分、およびそれらの組合せから選択される少なくとも1つの修飾された糖部分を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
1つまたは複数の修飾が、ホスホロチオエート、2'-O-メトキシエチル(MOE)、2'フルオロ、アルキルホスホネート、ホスホロジチオエート、アルキルホスホノチオエート、ホスホラミデート、カルバミン酸、炭酸、リン酸トリエステル、アセトアミデート、カルボキシメチルエステルおよびそれらの組合せから選択される少なくとも1つの修飾されたヌクレオシド間結合を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
1つまたは複数の修飾が、オリゴヌクレオチドが、ペプチド核酸(PNA)、ロックド核酸(LNA)、アラビノ-核酸(FANA)、ペプチド核酸(PNA)、類似体、誘導体、およびそれらの組合せから選択される少なくとも1つの修飾されたヌクレオチドを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
少なくとも1つのオリゴヌクレオチドが、配列番号8〜22に記載の少なくとも1つのオリゴヌクレオチド配列を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
in vivoまたはin vitroで哺乳動物の細胞または組織におけるジストロフィンファミリー遺伝子の機能および/または発現を調節する方法であって、
ジストロフィンファミリーポリヌクレオチドのアンチセンスおよび/またはセンス核酸分子の少なくとも約5個の連続する核酸の相補配列に少なくとも50%の配列同一性を有する、ジストロフィンファミリーポリヌクレオチドのアンチセンスポリヌクレオチドに特異的な少なくとも1つの長さ5〜30ヌクレオチドの低分子干渉RNA(siRNA)オリゴヌクレオチドに、前記細胞または組織を接触させるステップ;ならびに
in vivoまたはin vitroで哺乳動物の細胞または組織におけるジストロフィンファミリーの機能および/または発現を調節するステップ
を含む方法。
【請求項15】
前記オリゴヌクレオチドが、ジストロフィンファミリーポリヌクレオチドのアンチセンスおよび/またはセンス核酸分子と相補的な少なくとも約5個の連続する核酸の配列に少なくとも80%の配列同一性を有する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
in vivoまたはin vitroで哺乳動物の細胞または組織におけるジストロフィンファミリーの機能および/または発現を調節する方法であって、
配列番号1、2および3〜7に記載の少なくとも1つの核酸配列に少なくとも50%の配列同一性を有する、ジストロフィンファミリーポリヌクレオチドのセンスおよび/または天然アンチセンス鎖の非コードおよび/またはコード配列に特異的な少なくとも1つの長さ約5〜30ヌクレオチドのアンチセンスオリゴヌクレオチドに、前記細胞または組織を接触させるステップ;および
in vivoまたはin vitroで哺乳動物の細胞または組織におけるジストロフィンファミリーの機能および/または発現を調節するステップ
を含む方法。
【請求項17】
少なくとも1つの修飾を含む合成修飾オリゴヌクレオチドであって、少なくとも1つの修飾が少なくとも1つの修飾された糖部分、少なくとも1つの修飾されたヌクレオチド間結合、少なくとも1つの修飾されたヌクレオチドおよびそれらの組合せから選択され、ジストロフィンファミリー遺伝子にハイブリダイズし、かつ正常対照と比較してin vivoまたはin vitroでジストロフィンファミリー遺伝子の機能および/または発現を調節するアンチセンス化合物であるオリゴヌクレオチド。
【請求項18】
少なくとも1つの修飾が、ホスホロチオエート、アルキルホスホネート、ホスホロジチオエート、アルキルホスホノチオエート、ホスホラミデート、カルバミン酸、炭酸、リン酸トリエステル、アセトアミデート、カルボキシメチルエステルおよびそれらの組合せからなる群から選択されるヌクレオチド間結合を含む、請求項17に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項19】
少なくとも1つのホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む、請求項17に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項20】
ホスホロチオエートヌクレオチド間結合の骨格を含む、請求項17に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項21】
ペプチド核酸、ロックド核酸(LNA)、類似体、誘導体およびそれらの組合せから選択される少なくとも1つの修飾されたヌクレオチドを含む、請求項17に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項22】
複数の修飾を含み、前記修飾がホスホロチオエート、アルキルホスホネート、ホスホロジチオエート、アルキルホスホノチオエート、ホスホラミデート、カルバミン酸、炭酸、リン酸トリエステル、アセトアミデート、カルボキシメチルエステル、およびそれらの組合せから選択される、請求項17に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項23】
複数の修飾を含み、前記修飾がペプチド核酸、ロックド核酸(LNA)、類似体、誘導体、およびそれらの組合せから選択される修飾されたヌクレオチドを含む、請求項17に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項24】
2'-O-メトキシエチル修飾糖部分、2'-メトキシ修飾糖部分、2'-O-アルキル修飾糖部分、二環性糖部分およびそれらの組合せから選択される少なくとも1つの修飾された糖部分を含む、請求項17に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項25】
複数の修飾を含み、前記修飾が2'-O-メトキシエチル修飾糖部分、2'-メトキシ修飾糖部分、2'-O-アルキル修飾糖部分、二環性糖部分、およびそれらの組合せから選択される修飾された糖部分を含む、請求項17に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項26】
長さ少なくとも5〜30ヌクレオチドであり、ジストロフィンファミリーポリヌクレオチドのアンチセンス鎖および/またはセンス鎖にハイブリダイズし、ジストロフィンファミリーポリヌクレオチドのアンチセンスおよび/またはセンスのコードおよび/または非コード核酸配列の少なくとも約5個の連続する核酸の相補配列に少なくとも約20%の配列同一性を有する、請求項17に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項27】
ジストロフィンファミリーポリヌクレオチドのアンチセンスおよび/またはセンスのコードおよび/または非コード核酸配列の少なくとも約5個の連続する核酸の相補配列に少なくとも約80%配列同一性を有する、請求項17に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項28】
少なくとも1つのジストロフィンファミリーポリヌクレオチドにハイブリダイズし、かつ正常対照と比較してin vivoまたはin vitroで少なくとも1つのジストロフィンファミリーポリヌクレオチドの発現および/または機能を調節する、請求項17に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項29】
配列番号8〜22に記載の配列を含む、請求項17に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項30】
アンチセンス配列、相補配列、対立遺伝子、相同体、アイソフォーム、変種、誘導体、変異体、断片またはそれらの組合せを含む1つまたは複数のジストロフィンファミリーポリヌクレオチドに特異的な1つまたは複数のオリゴヌクレオチドを含む組成物。
【請求項31】
オリゴヌクレオチドが配列番号8〜22に記載のヌクレオチド配列のいずれか1つと比較して少なくとも約40%の配列同一性を有する、請求項30に記載の組成物。
【請求項32】
オリゴヌクレオチドが配列番号8〜22に記載のヌクレオチド配列を含む、請求項30に記載の組成物。
【請求項33】
配列番号8〜22に記載のオリゴヌクレオチドが1つまたは複数の修飾物または置換物を含む、請求項32に記載の組成物。
【請求項34】
1つまたは複数の修飾物が、ホスホロチオエート、メチルホスホネート、ペプチド核酸、ロックド核酸(LNA)分子、およびそれらの組合せから選択される、請求項33に記載の組成物。
【請求項35】
少なくとも1つのジストロフィンファミリーポリヌクレオチドおよび/または少なくとも1つのそれにコードされる産物に関連する疾患を予防または治療する方法であって、
少なくとも1つのジストロフィンファミリーポリヌクレオチドの天然アンチセンス配列に結合し、かつ前記ジストロフィンファミリーポリヌクレオチドの発現を調節する少なくとも1つのアンチセンスオリゴヌクレオチドの治療有効量を患者に投与し;それにより少なくとも1つのジストロフィンファミリーポリヌクレオチドおよび/または少なくとも1つのそれにコードされる産物に関連する疾患を予防するまたは治療するステップ
を含む方法。
【請求項36】
少なくとも1つのジストロフィンファミリーポリヌクレオチドと関連する疾患が、筋疾患または筋障害(例えば、デュシェンヌ型筋ジストロフィー、ベッカー型筋ジストロフィー、球脊髄性筋萎縮症、ジストロフィノパチー、サルコグリカノパチー、肢体型筋ジストロフィー、先天性筋ジストロフィー、先天性ミオパチー、末梢型筋ジストロフィー、筋緊張症候群を有する女性におけるデュシェンヌ型筋ジストロフィーおよびベッカー型筋ジストロフィーの症候的形態などを含めた筋ジストロフィー;筋萎縮疾患)、神経疾患または神経障害(例えば、ジストニア、ミオクローヌス-ジストニア症候群などの神経筋疾患または神経筋障害を含める)、ジストロフィンレベルまたはジストロフィン-DAPC複合体レベルの変化と関連する疾患または障害、左室無収縮、癌、心血管疾患または心血管状態、心筋症(例えば、孤発性拡張型心筋症、X連鎖拡張型心筋症(XLDC)など)、アテローム性動脈硬化、細胞骨格障害、先天性停在性夜盲症、および聴力低下から選択される、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
in vivo投与のために少なくとも1つのオリゴヌクレオチドを同定および選択する方法であって、病態に関連する標的ポリヌクレオチドを選択するステップ;選択された標的ポリヌクレオチドまたは選択された標的ポリヌクレオチドに対してアンチセンスであるポリヌクレオチドに相補的である少なくとも5個の連続するヌクレオチドを含む少なくとも1つのオリゴヌクレオチドを同定するステップ;ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でアンチセンスオリゴヌクレオチドと標的ポリヌクレオチドまたは選択された標的ポリヌクレオチドに対してアンチセンスであるポリヌクレオチドとのハイブリッドの熱的融点を測定するステップ;ならびに得られた情報に基づきin vivo投与のための少なくとも1つのオリゴヌクレオチドを選択するステップを含む方法。

【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【公表番号】特表2012−525852(P2012−525852A)
【公表日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−510006(P2012−510006)
【出願日】平成22年5月7日(2010.5.7)
【国際出願番号】PCT/US2010/034026
【国際公開番号】WO2010/129861
【国際公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【出願人】(511085219)クルナ・インコーポレーテッド (22)
【Fターム(参考)】