説明

DNAメチル化を評価するための方法およびキット

少なくとも1つ標的領域のメチル化の程度を決定するための方法およびキットが、開示される。代表的に、サンプルは、改変型ヌクレオチドを含む改変されたサンプルを得るために改変剤に曝される。上記改変されたサンプル中の少なくとも1つの標的領域が、増幅される。開示される方法のいくつかは、少なくとも1つのさらなる増幅反応を含む。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの移動度シフトアナログは、増幅反応の間にアンプリコン中に組み込まれる。上記アナログは、分析され、そして少なくとも1つの標的領域のメチル化の程度が、決定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(分野)
本教示は、一般に、生化学、細胞生物学、およびの分野に関連する。より具体的には、方法およびキットは、少なくとも1つのゲノムDNA(gDNA)標的領域のメチル化の程度を評価するために提供される。
【背景技術】
【0002】
(導入)
目的とする特定のgDNA標的領域のメチル化の程度を決定することは、多くの研究分野、診断分野、医学分野、法医学分野、および産業分野において有用である。gDNA中のシトシン残基のメチル化は、真核生物における重要な後成的な変化である。In ヒトおよび他の哺乳動物のメチルシトシンは、シトシン−グアニン(CpG)ジヌクレオチドにおいてほぼ例外なく見出される。gDNAメチル化は、遺伝子調節において重要な役割を果たし、そしてメチル化パターンの変化は、報告によると、多くのヒトの癌および特定のヒトの疾患に関与する。共通して、最古でありかつ最も一般的なヒトの悪性疾患において観察される遺伝的変化は、CpG島(特に、遺伝子の5’調節領域内に位置するCpG島)の異常なメチル化であり、その変化は、このような遺伝子の発現の変化をもたらす。次いで、早期発見、リスクアセスメント、治療的評価、再発のモニタリングなどについての診断的指標としてDNAメチル化マーカーを使用することに大きな関心が存在する(非特許文献1;非特許文献2;非特許文献3;非特許文献4;非特許文献5;非特許文献6;および非特許文献7を参照のこと)。
【非特許文献1】Widschwendterら、Clin.Cancer Res.、2004年、第10巻、p.565−71
【非特許文献2】Dulaimiら、Clin.Cancer Res.、2004年、第10巻、p.1887−93
【非特許文献3】Topalogluら、Clin.Cancer Res.、2004年、第10巻、p.2284−88
【非特許文献4】Laird、Nature Reviews、2003年、第3巻、p.253−266
【非特許文献5】Fragaら、BioTechniques、2002年、第33巻、p.632−49
【非特許文献6】Adorjanら、Nucleic Acids Res.、2002年、第30巻、第5号、e21
【非特許文献7】Colellaら、BioTechniques、2003年、第35巻、第1号、p.146−150
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
大きな科学的関心が、とりわけ、胚形成、細胞分化、トランスジーン発現、転写調節、および維持メチル化におけるDNAメチル化の役割に存在する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
(要旨)
本教示は、サンプル中の少なくとも1つのgDNA標的領域のメチル化の程度を決定するための方法およびキットに関する。いくつかの実施形態において、第1のサンプル中の1つ以上の標的領域のメチル化の程度は、第2のサンプル中の同じ標的領域のメチル化の程度と比較され、例えば、その第2のサンプルは、生検サンプルおよびコントロールサン
プル、「処理された」サンプルおよび「未処理」のサンプル、「前」のサンプルおよび「後」のサンプル、胚性サンプルおよび新生児サンプル、若年性サンプル、または成人サンプルなどであるが、これらに限定されない。
【0005】
特定の方法に従って、少なくとも1つのgDNA標的領域を含む少なくとも1つのサンプルは、少なくとも1つの改変型ヌクレオチドを含む少なくとも1つの標的領域を含む少なくとも1つの改変されたサンプルを産生するために、改変剤に曝される。少なくともいくつかの上記改変されたサンプルと、評価される各標的領域に対する標的特異的プライマー対と、第1のDNAポリメラーゼとを含む第1の増幅組成物が、形成される。上記第1の増幅組成物は増幅の少なくとも1つのサイクルに供され、そして第1の増幅産物が、産生される。いくつかの方法に従って、増幅のサイクルは、多数の増幅サイクルを含む。第1のアンプリコンは、少なくとも1つの改変型ヌクレオチドまたはアンプリコンにおけるその相補体の存在または非存在を決定するために分析され、そして少なくとも1つの標的領域についてのメチル化の程度が、推測される。いくつかの実施形態において、分析することは、少なくとも1つの第1のアンプリコンに存在する改変型ヌクレオチドまたはその相補体の数を決定することを包含する。
【0006】
特定の方法に従って、少なくとも1つのgDNA標的領域を含む少なくとも1つのサンプルは、少なくとも1つの改変型ヌクレオチドを含む少なくとも1つの標的領域を含む少なくとも1つの改変されたサンプルを産生するために、改変剤に曝される。少なくともいくつかの上記改変されたサンプルと、評価される各標的領域に対する標的特異的プライマー対と、移動度シフトアナログ(mobility shifting analog)(MSA)と、第1のDNAポリメラーゼとを含む第1の増幅組成物が、形成される。上記第1の増幅組成物は、増幅の少なくとも1つのサイクルに供され、そして少なくとも1つの組み込まれたMSAを含む第1の増幅産物が、産生される。少なくとも1つのMSAの増幅産物への組み込みは、MSAを含まないことを除いて同じ配列の増幅産物に対して、増幅産物の移動度を変化させる。いくつかの方法に従って、増幅のサイクルは、多数の増幅サイクルを含む。上記第1の増幅産物は、少なくとも1つの改変型ヌクレオチドまたはその相補体の存在または非存在を決定するために分析され、そして少なくとも1つの標的領域についてのメチル化の程度が、推測される。いくつかの実施形態において、分析することは、第1の増幅産物に存在する改変型ヌクレオチドまたはその相補体の数を決定することを含む。
【0007】
特定の方法に従って、少なくとも1つのgDNA標的領域を含む少なくとも1つのサンプルは、少なくとも1つの改変型ヌクレオチドを含む少なくとも1つの標的領域を含む少なくとも1つの改変されたサンプルを産生するために、改変剤に曝される。少なくともいくつかの上記改変されたサンプルと、評価される各標的領域に対する標的特異的プライマー対と、第1のDNAポリメラーゼとを含む第1の増幅組成物が、形成される。上記第1の増幅組成物は、増幅の少なくとも1つサイクルに供され、そして第1の増幅産物が、産生される。いくつかの方法に従って、上記増幅の第1サイクルは、増幅の多数のサイクルを含む。少なくともいくつかの上記第1の増幅産物と、増幅産物プライマーと、MSAと、第2のDNAポリメラーゼとを含む第2の増幅組成物が、形成される。いくつかの実施形態において、上記増幅産物プライマーは、増幅産物の順方向プライマーと増幅産物の逆方向プライマーとを含む増幅産物プライマー対を含む。上記第2の増幅組成物は、増幅の少なくとも1つのサイクルに供され、そして少なくとも1つの組み込まれたMSAを含む第2の増幅産物が、産生される。いくつかの方法に従って、増幅の第2のサイクルは、多数の増幅サイクルを含む。少なくとも1つの組み込まれたMSAを含む第2の増幅産物は、改変型ヌクレオチドまたはその相補体の存在または非存在を決定するために、分析され、そして少なくとも1つの標的領域についてのメチル化の程度が、推測される。いくつかの実施形態において、分析することは、第2の増幅産物に存在する改変型ヌクレオチドま
たはその相補体の数を決定することを包含する。
【0008】
特定の開示された方法を行うためのキットもまた、提供される。特定の実施形態において、キットは、MSA、第1のDNAポリメラーゼ、および少なくとも1つの標的特異的プライマー対を備える。いくつかの実施形態において、キットは、多数の異なる標的特異的プライマー対を備える。特定の実施形態において、キットは、制御配列、改変剤、増幅産物プライマー、増幅産物プライマー対、第2のDNAポリメラーゼ、レポータープローブ、挿入剤、およびレポーター基のうちの少なくとも1つのを備える。
【0009】
本教示のこれらの特徴および他の特徴は、本明細書中に示される。
【0010】
当業者は、添付の図面は例示のみを目的とすることが理解される。これらの図面は、決して本教示の範囲を限定することを意図しない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
(例示的な実施形態の説明)
上記の一般的説明および以下の詳細な説明の両方は例示かつ説明であり、そして本教示の範囲を限定することを意図しないことが、理解されるべきである。本願において、単数形の使用は、別途具体的に言及されない限り、複数を包含する。例えば、「順方向プライマー」は、1つより多い順方向プライマーが存在し得ることを意味する;例えば、特定の順方向プライマー種の1つ以上のコピー、および1つ以上の異なる順方向プライマー種。また、「含む(comprise)」、「含む(contain)」、および「含む(include)」、またはそれらの基語の修飾(例えば、「含む(comprises)」、「含まれる(contained)」、および「含むこと(including)」であるが、これらに限定されない)の使用は、限定することを意図しない。用語「および/または(and/or)」は、前と後の用語が一緒かまたは独立して用いられ得ることを意味する。例示目的であるが、限定としてではなく、「Xおよび/またはY」は、「X」または「Y」あるいは「XおよびY」を意味し得る。
【0012】
本明細書中で使用される節の見出しは構成上の目的のためだけであり、記載された主題を限定するとして決して解釈されるべきではない。特許、特許出願、論文、書籍、学術論文およびインターネットウェブページを含む本願において引用される全ての文献および類似する資料は、明示的に、あらゆる目的のためにその全体が参考として援用される。援用された文献および類似する資料の1つ以上が本願における用語の定義と矛盾するような様式で用語を定義または使用する事象において、本願が支配する。本教示が種々の実施形態と組み合せて記載される一方で、本教示がこのような実施形態に限定されることを意図しない。一方で、本教示は、当業者に認識されるような種々の変更、改変、および等価物を包含する。
【0013】
発明の名称「Compositions,Methods,and Kits for
Analyzing DNA Methylation」である米国仮特許出願第60/654162号(2005年2月18日出願)(ここに、米国特許出願第11/352143号)は、明示的に、あらゆる目的のためにその全体が参考として援用される。
【0014】
(いくつかの定義)
本明細書中で使用される場合、用語「親和性タグ」とは、多成分複合体の成分をいい、その多成分複合体の成分は、互いに特異的に相互作用または結合する。多成分親和性タグ複合体のいくつかの非限定的な例としては、リガンドおよびそれらのレセプター(例えば、アビジン−ビオチン、ストレプトアビジン−ビオチン、およびビオチン、ストレプトアビジン、またはアビジンの誘導体(2−イミノビオチン、デスチオビオチン、Neutr
Avidin(Molecular Probes、Eugene、OR)、CaptAvidin(Molecular Probes)などを含む)であるが、これらに限定されない);結合タンパク質/ペプチドおよびそれらの結合パートナー;エピトープタグ(例えば、c−MYC、HA、VSV−G、およびFLAG TagTM、ならびにそれらの対応する抗エピトープ抗体であるが、これらに限定されない);ハプテン(例えば、ジニトロフェノール(「DNP」)およびジゴキシゲニン(「DIG」)、ならびにそれらの対応する抗体であるが、これらに限定されない);アプタマーおよびそれらの結合パートナー;蛍光レポーター基および対応する抗蛍光レポーター基抗体;などが挙げられる。いくつかの実施形態において、親和性タグは、レポーター基を含む。特定の実施形態において、親和性タグまたはハイブリダイゼーションタグ成分は、固体支持体にカップリングされ得る。特定の実施形態において、親和性タグおよび/または固体支持体は、分離する手段の一部、検出する手段の一部、またはその両方である。
【0015】
用語「アニーリングすること」および「ハイブリダイズすること」(基語であるハイブリダイズするおよびアニーリングするのバリエーションを含む)は、交換可能に使用され、そして二重鎖、三重鎖、または他の高次構造の形成を生じる、1つの核酸と別の核酸とのヌクレオチド塩基対形成相互作用を意味する。一次相互作用は、代表的に、ワトソン−クリック型水素結合およびフーグスティーン型水素結合によってヌクレオチド塩基特異的(例えば、A:T、A:U、およびG:C)である。特定の実施形態において、塩基スタッキングおよび疎水性相互作用はまた、二重鎖の安定性に寄与し得る。
【0016】
用語「少なくともいくつかの」は、例えば、サンプルまたは改変されたサンプルに関して使用される場合、サンプルまたは改変されたサンプルの全てが使用され得るか、あるいはサンプルまたは改変されたサンプルのいくつか(しかし、全てではない)が使用され得る(例えば、アリコート)ことを意味する。用語「の少なくとも一部」は、例えば、増幅産物を分析することに関して使用される場合、全増幅産物が分析され得るか、二本鎖増幅産物の個々の鎖のうちの一方または両方が分析され得るか、あるいは増幅産物のフラグメント、部分、または断片が分析され得ることを意味する。
【0017】
本明細書中で使用される場合、用語「またはそれらの組み合せ」は、この用語の前におかれている列挙された項目のすべての順列および組み合せを示す。例えば、「A、B、C、またはそれらの組み合せ」は、A、B、C、AB、AC、BCまたはABCのうちの少なくとも1つを含むことが意図され、そして、順序が特定の状況において重要であるならば、BA、CA、CB、CBA、BCA、ACB、BACまたはCABもまた含むことが意図される。この例を続けると、1つまたは複数の項目または用語の反復を含有する組み合せ、例えば、BB、AAA、AAB、BBC、AAABCCCC、CBBAAA、CABABBなどが明らかに含まれる。当業者は、状況から別途明らかでない限り、代表的には、任意の組み合せにおける項目または用語の数に対する制限がないことを理解する。
【0018】
本明細書中で使用される場合、用語「対応する」とは、この用語が関連する要素の間での少なくとも1つの特異的な関係をいう。例えば、特定のプライマー対の逆方向プライマーは、同じプライマー対の順方向プライマーに対応し、そしてその逆も同様である。少なくとも1つの増幅産物プライマーは、少なくとも1つの対応するアンプリコンのプライマー結合部分とアニーリングするように設計される。標的特異的な逆方向プライマーの標的特異的部分は、対応する下流の標的領域フランキング(flanking)配列の相補領域または実質的な相補領域と選択的にハイブリダイズするように設計される。特定の親和性タグは、対応する親和性タグに結合する(例えば、ストレプトアビジンに対するビオチンの結合であるが、これに限定されない)。特定のハイブリダイゼーションタグは、その対応するハイブリダイゼーションタグ相補体;などとアニーリングする。
【0019】
本明細書中で使用される場合、用語「メチル化の程度」とは、gDNA標的領域に関して使用される場合、メチル化されていない標的領域の量に対するメチル化されているサンプル内の同じ標的領域の量、または標的領域中のメチル化されているヌクレオチドの相対数、あるいはその両方をいう。特定の実施形態において、サンプルは、完全にメチル化されている標的領域、メチル化されていない標的領域、完全にメチル化されているいくつかのコピーとメチル化されていないいくつかのコピーを有するとを有する標的領域を含む。いくつかの実施形態において、サンプルは、いくつか(しかし、全てではない)のメチル化されているその標的ヌクレオチドを有する標的領域のコピー(中間のメチル化)を含み、そのコピーとしては、1つの量の中間のメチル化を有するいくつかのコピーおよび少なくとも1つの異なるレベルの中間のメチル化を有するいくつかの他のコピーが挙げられる。いくつかの実施形態において、特定の標的領域についてのメチル化の程度を決定することは、メチル化されていない標的領域に対するメチル化されている標的領域の比を得ることを包含する、それは、例えば、同じであるがメチル化されていない標的領域に由来するアンプリコンのピーク高さ(メチル化されている標的領域に由来するアンプリコンのピーク高さと比較したもの)の間の比であるが、これに限定されない。特定の実施形態において、特定の標的領域についてのメチル化の程度を決定することは、標的領域中のメチル化されているヌクレオチドの数を同定すること(例えば、少なくとも1つのMSAを含むアンプリコンの増加性の移動度シフトを評価することおよびアンプリコンが由来する標的領域中のメチル化されているヌクレオチドの数を決定する増加性の移動度シフトの大きさに基づいて組み込まれたMSAの数を計算することであるが、これらに限定されない)を包含する。
【0020】
本明細書中で使用される場合、用語「変性させること」または「変性」とは、二本鎖ポリヌクレオチド(二本鎖増幅産物または二本鎖gDNAフラグメントを含む)が2つの一本鎖ポリヌクレオチドに変換される任意の工程をいう。二本鎖ポリヌクレオチドを変性させることとしては、二重鎖を変性させるための種々の熱的技術および化学技術を変性させ、それによってその2つの一本鎖成分を放出することが挙げられるが、これに限定されない。当業者は、使用される変性させる技術は、一般に、それが次の分析および/または分析する工程を阻害しないかまたはかなり妨害しない限り制限されていないことを理解する。
【0021】
用語「DNAポリメラーゼ」は、本明細書において広い意味で使用され、そして核酸ポリマーに対するデオキシリボヌクレオチドまたはデオキシリボヌクレオチドのアナログの鋳型依存的様式における付加を触媒し得る任意のポリペプチドをいう。例えば、プライマー伸長反応の間に核酸鋳型にアニーリングするプライマーの3’末端に対するデオキシリボヌクレオチドの連続的付加であるが、これに限定されない。代表的に、DNAポリメラーゼとしては、DNA依存性DNAポリメラーゼおよびRNA依存性DNAポリメラーゼ(逆転写酵素を含む)が挙げられる。特定の逆転写酵素は、特定の反応条件下でDNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する(AMV逆転写酵素およびMMLV逆転写酵素を含む)。DNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有するこのような逆転写酵素は、開示された方法で使用するのに適切であり得、そして明らかに、本教示の企図の範囲内である。DNAポリメラーゼの記載は、別の場所において、Lehninger Principles of Biochemistry、第3版、NelsonおよびCox、Worth Publishing、New York、NY、2000(特に、第26章および第29章);Twyman、Advanced Molecular Biology:A Concise Reference、Bios Scientific Publishers、New York、NY、1999;Ausubelら、Current
Protocols in Molecular Biology、John Wiley & Sons,Inc.(2005年5月の補遺を含む)(以下「Ausubelら」);LinおよびJaysena、J.Mol.Biol.271:100−11、
1997;Pavlovら、Trends in Biotechnol.22:253−60、2004;ならびにEnzymatic Resource Guide:Polymerases、1998、Promega、Madison、WIに見出され得る。明らかに、用語「DNAポリメラーゼ」の意図された範囲に、その酵素的に活性な変異体または改変体(異なる温度感受性特性を与える改変された酵素(例えば、米国特許第5,773,258号;同第5,677,152号;および同第6,183,998号;ならびにDNA Amplification:Current Techniques and Applications、DemidovおよびBroude(編)、Horizon Bioscience、2004(特に、第1.1章)を参照のこと)を含む)が含まれる。
【0022】
用語「挿入剤」は、広い意味で使用され、そして(1)(a)ポリヌクレオチドのヌクレオチド塩基の間に挿入され得るか、または(b)ポリヌクレオチドの鎖の間に挿入され得(時として、溝結合因子(groove binder)とも称される)、そして(2)直接的かまたは間接的に検出可能である任意の化合物または物質を含む。挿入剤の非限定的な例としては、特定の抗生物質および抗腫瘍物質(例えば、アクチノマイシンD、ヒカントン、ベレニル(berenil)、ネトロプシン(netropsin)、ジスタマイシン、ブレオマイシン、およびダウノマイシン)が挙げられ、それらは、レポーター基(ソラレン、挿入色素(例えば、アクリジンオレンジ、ジアミノクリジン、SYBRO
Green、プロフラビン、エチジウムブロマイド、チアゾールオレンジ(TO)ファミリー色素(TOTO色素を含む)、POPOファミリー色素、オキサゾールイエロー(YO)ファミリー色素(YOYO色素、DAPI、Hoechst 33258、ヨウ化プロピジウム(PI)、およびクロロキンを含む)、そしてこのような化合物の誘導体を含む)をさらに含んでも含まなくてもよい。溝結合因子を含む挿入剤の記載は、別の場所において、Nucleic Acids in Chemistry and Biology、第2版、BlackburnおよびGait(編)、1996、Oxford University Press、Oxford U.K.(以下「BlackburnおよびGait」)(特に、第8.3節〜第8.5節);ならびにHaugland、The Handbook、A Guide to Fluorescent Probes and Labeling Technologies、第10版、2005、Invitrogen Corp.、Carlsbad、CA(以下「Haugland」)に見出され得る。
【0023】
用語「メチル化されているアンプリコン」とは、少なくとも1つのメチル化されている標的ヌクレオチド(例えば、5mCであるが、これに限定されない)を含む標的領域に由来する増幅産物をいう。メチル化されているアンプリコンは、二本鎖または一本鎖のいずれかであり得、そして第1の増幅産物、第2の増幅産物、またはその両方であり得る。用語「メチル化されていないアンプリコン」とは、メチル化されている標的ヌクレオチドを含まない標的領域に由来する増幅産物をいう。メチル化されていないアンプリコンは、二本鎖または一本鎖のいずれかであり得、そして第1の増幅産物、第2の増幅産物、またはその両方であり得る。
【0024】
特定の実施形態において、少なくとも1つの標的領域を含むgDNAサンプルは、少なくとも1つの改変型標的ヌクレオチドを含む改変されたサンプルを得るために、改変剤を用いて処理される。用語「改変剤」とは、核酸を改変し得る任意の試薬をいう(例えば、少なくとも1つのgDNA標的領域中の少なくとも1つの標的ヌクレオチドであるが、これに限定されない)。いくつかの改変剤は、メチル化されていない標的ヌクレオチドを改変型ヌクレオチドに変換するが、メチル化されている標的ヌクレオチドを改変型ヌクレオチドに変換しない(少なくとも著しい程度ではない)。
【0025】
特定の実施形態において、亜硫酸水素塩は、改変剤として使用される。核酸配列(例えば、gDNA)を亜硫酸水素塩と一緒にインキュベートすることは、メチル化されていないシトシンの実質的部分の脱アミノ化をもたらし、このインキュベーションは、このようなシトシンをウラシルに変換する。メチル化されているシトシンは、測定可能により低い程度まで脱アミノ化される。特定の実施形態において、次いで、サンプルは、増幅され、チミンによって置換されるウラシル塩基を生じる。したがって、特定の実施形態において、メチル化されていない標的シトシンの実質的部分は、最終的に、チミンになるが、メチル化されているシトシンの実質的部分は、シトシンを保持する。特定の実施形態において、標的領域中に改変型ヌクレオチド(例えば、ウラシルまたはチミンであるが、これらに限定されない)の存在は、本教示の方法およびキットを使用して決定され得る。亜硫酸水素塩処理の記載は、別の場所において、米国特許第6,265,171号および同第6,331,393号;BoydおよびZon、Anal.Biochem.326:278−280、2004;米国仮特許出願第60/499,113号;同第60/520,942号;同第60/499,106号;同第60/523,054号;同第60/498,996号;同第60/520,941号;同第60/499,082号;および同第60/523,056号に見出され得る。
【0026】
用語「ヌクレオチドターミネーター(nucleotide terminator)」または「ターミネーター」とは、増幅反応において次のヌクレオチドの組み込みを支援しない酵素的に組み込み可能なヌクレオチド(したがって、伸長可能なヌクレオチドではない)をいう。いくつかの実施形態において、第1の増幅組成物および/または第2の増幅組成物は、ヌクレオチドターミネーターを含む。いくつかの実施形態において、ヌクレオチドターミネーターは、レポーター基を含む。
【0027】
用語「レポーター基」は、本明細書において広い意味で使用され、そして任意の同定可能なタグ、標識、または部分をいう。当業者は、多くの異なる種のレポーター基は個別かまたは1つ以上の異なるレポーター基と組み合せて本教示において使用され得ることを認識する。
【0028】
用語「選択的にハイブリダイズする」およびそのバリエーションは、適切な条件下で、所与の配列がヌクレオチドの相補体または実質的に相補的な線(string)を含む第2の配列とアニーリングするが、望まれない配列にアニーリングしないことを意味する。本願において、1つの配列が別の配列と選択的にハイブリダイズするかまたはアニーリングするという記載は、配列の両方の全体が互いにハイブリダイズする状況、および配列の一方または両方の一部のみが他の配列全体または他の配列の一部にハイブリダイズする状況を包含する。この定義に関して、用語「配列」は、核酸配列、ポリヌクレオチドs、オリゴヌクレオチド、プライマー、標的特異的部分、増幅産物特異的部分、プライマー結合部位、ハイブリダイゼーションタグ、およびハイブリダイゼーションタグ相補体を含む。
【0029】
本願において、1つの配列が別の配列と同一であるか、実質的に同一であるかか、相補的であるか、または実質的に相補的であるという記載は、配列の両方が互いに完全に同一であるか、実質的に同一であるか、もしくは相補的であるかまたは実質的に相補的である状況、および配列の1つの部分のみが一部または他の配列全体と同一であるか、実質的に同一であるか、相補的であるか、または実質的に相補的である状況を含む。この定義の目的に関して、用語「配列」は、核酸配列、ポリヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、プライマー、標的特異的部分、増幅産物特異的部分、プライマー結合部位、ハイブリダイゼーションタグ、およびハイブリダイゼーションタグ相補体を含む。
【0030】
(特定の例示的な構成要素)
用語「サンプル」は、本明細書において広い意味で使用され、そしてgDNAを含かま
たはgDNAを含むと推定されるこのような生物学的材料に由来するかまたはそれから抽出される広範な生物学的材料および組成物を含むことが意図される。例示のサンプルは、全血;有核の赤血球;白血球;バフィーコート;毛;爪および角質物質;スワブ(口腔スワブ、咽頭スワブ、膣スワブ、尿道スワブ、頚部スワブ、直腸スワブ、病変スワブ、膿瘍スワブ、鼻咽頭スワブなどを含む);尿;痰;唾液;精液;リンパ液;羊水;脳脊髄液;腹水;胸水;嚢胞由来の流体;滑液(synovial fluid);硝子体液;房水;滑液(bursa fluid);洗眼液;眼の吸引液(eye aspirate);血漿;肺洗浄液;肺の吸引液;および組織(肝臓、脾臓、腎臓、肺、腸、脳、心臓、筋肉、膵臓、生検材料などを含む)。当業者は、上記の例示的な生物学的サンプルのいずれかから得られる溶解物、抽出物、または材料もまた本教示の範囲内であることを認識する。組織培養細胞(拡大培養材料(explanted material)、一次細胞、二次細胞などを含む)、および任意の細胞から得られる溶解物、抽出物、または物質もまた、本明細書中で使用される用語「サンプル」の意味の範囲内である。法医学的設定、農業的設定、および/または環境的設定から得られる少なくとも1つのgDNA標的領域を含むかまたは含むと推定される材料もまた、用語「サンプル」の意図される意味の範囲内である。特定の実施形態において、サンプルは、合成核酸配列を含む。いくつかの実施形態において、サンプルは、完全に合成であり、それは、例えば、少なくとも1つの合成核酸配列を含む緩衝溶液を含むコントロールサンプルであるが、これに限定されない。
【0031】
本教示の第1の増幅組成物は、対応する第1のフランキング配列と第2のフランキング配列との間に位置する少なくとも1つの標的領域を含むgDNAを含む。「第1の標的フランキング配列」は、代表的に、標的領域の上流(すなわち、標的領域の5’側)に位置し、そして対応する「第2の標的フランキング配列」は、代表的に、標的領域の下流(すなわち、標的領域の3’側)に位置する。例示を目的として、その2つの標的フランキング配列に対する例示の標的領域の配向は、5’−第1の標的フランキング配列−標的領域−第2の標的フランキング配列−3’である。標的フランキング配列が標的領域と隣接し得るが必ずしもそうではないことを、理解する。したがって、さらなるヌクレオチドは、標的フランキング配列と標的領域との間に存在し得る。順方向標的特異的プライマーの標的結合部分は、第1の標的フランキング配列内第1の標的フランキング配列または下位配列の相補体と選択的にハイブリダイズするように設計される配列を含む。逆方向標的特異的プライマーの標的結合部分は、第2の標的フランキング配列内の第2の標的フランキング配列または下位配列と選択的にハイブリダイズするように設計される配列を含む。
【0032】
用語「標的領域」とは、メチル化されているヌクレオチドの存在または非存在を決定し、そして標的領域のメチル化の程度を推測するために増幅および分析されるべきgDNAセグメントをいう。標的領域は、特定の生理学的条件下でメチル化されていることが公知であるかまたはそれが推定される目的の遺伝子のプロモーターエレメントまたは調節エレメントに位置し得る。標的領域は、一般に、2つのフランキング配列の間に位置する(第1の標的フランキング領域と第2の標的フランキング領域との間、標的領域のいずれかの側に位置する)が、必ずしも標的領域に隣接しない。いくつかの実施形態において、gDNAセグメントは、複数の異なる標的領域を含む。いくつかの実施形態において、標的領域は、1つ以上の異なる標的領域と連続している(contiguous with)かまたは隣接する(adjacent to)。いくつかの実施形態において、所与の標的領域は、第1の標的領域の5’末端上で第1の標的領域か、第2の標的領域の3’末端上で第2の標的領域か、またはその両方と重複し得る。
【0033】
標的領域は、合成か、または天然に存在するかのいずれかであり得る。特定の標的領域(適切な場合に、フランキング配列を含む)は、当該分野において周知であるオリゴヌクレオチド合成方法を使用して合成され得る。このような教示の詳細な記載は、別の場所において、Current Protocols in Nucleic Acid Ch
emistry、Beaucageら(編)、John Wiley & Sons、New York、New York(2005年5月の改訂を含む)(以下、「Beaucageら」);ならびにBlackburnおよびGaitに見出され得る。標的領域およびプライマーを合成するのに有用な自動化DNA合成機は、多くの供給源から市販されており、それとしては、例えば、Applied Biosystems DNA Synthesizer Models 381A、391、392、および394(Applied Biosystems、Foster City、CA)が挙げられる。標的領域(適切な場合に、フランキング領域を含む)はまた、当該分野において周知であるインビボの方法論および/またはインビトロの方法論を使用して生合成的に産生され得る。このような方法論の記載は、別の場所において、Sambrookら、Molecular Cloning、A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Press(1989)(以下、「Sambrookら」);およびAusubelらに見出され得る。ゲノムDNAはまた、当該分野において公知である任意のサンプル調製技術を使用して生物学的材料から得られ得る。精製されたか、または部分的に精製されたgDNAは、多くの供給源(Coriell Cell Repositories、Coriell Institute for Medical Research、Camden、NJ;Serologicals Corp.、Norcross、GA;およびAmerican Type Culture Collection(ATCC)、Manassas、VAを含む)から市販されている。
【0034】
本明細書中で使用される場合、用語「ポリヌクレオチド」、「オリゴヌクレオチド」、および「核酸」は、交換可能に使用され、そしてヌクレオチド間ホスホジエステル結合連結またはヌクレオチド間アナログ、および関連する対イオン(例えば、H、NH、トリアルキルアンモニウム、Mg2+、Naなど)によって連結されたヌクレオチドモノマー(2’−デオキシリボヌクレオチド(DNA)およびリボヌクレオチド(RNA))の一本鎖ポリマーおよび二本鎖ポリマーをいう。ポリヌクレオチドは、全体が、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチドから構成され得るか、またはそのキメラ混合物であり得る。そのヌクレオチドモノマー単位は、本明細書中に記載される任意のヌクレオチドを含み得、そのヌクレオチドとしては、ヌクレオチドおよびヌクレオチドアナログが挙げられるが、これらに限定されない。ポリヌクレオチドは、代表的に、それらが時として当該分野においてオリゴヌクレオチドとして称される場合、いくつかのモノマー単位(例えば、5〜40)〜数千のモノマーヌクレオチド単位の範囲である。他に示されない限り、ポリヌクレオチド配列が示される場合はいつでも、他に記載されない限り、ヌクレオチドは、左から右に5’から3’であること、および「A」はデオキシアデノシンを示し、「C」はデオキシシトシンを示すかまたはおそらく5−メチルデオキシシトシン(5mC)を示し、「G」はデオキシグアノシンを示し、「T」はチミジンを示し、そして「U」デオキシウリジンを示すことが、理解される。
【0035】
本明細書中で使用される場合、用語「ヌクレオチド塩基」は、置換または非置換の芳香族環をいう。特定の実施形態において、上記芳香族環は、少なくとも1つの窒素原子を含有する。特定の実施形態において、ヌクレオチド塩基は、相補的なヌクレオチド塩基とのワトソン−クリック型水素結合またはフーグスティーン型水素結合を形成し得る。例示的なヌクレオチド塩基およびそのアナログとしては、天然に存在するヌクレオチド塩基アデニン、グアニン、シトシン、5mC、ウラシル、およびチミン、ならびに天然に存在するヌクレオチド塩基のアナログ(7−デアザアデニン、7−デアザグアニン、7−デアザ−8−アザグアニン、7−デアザ−8−アザアデニン、N6−Δ2−イソペンテニルアデニン(6iA)、N6−Δ2−イソペンテニル−2−メチルチオアデニン(2ms6iA)、N2−ジメチルグアニン(dmG)、7−メチルグアニン(7mG)、イノシン、ネブラリン(nebularine)、2−アミノプリン、2−アミノ−6−クロロプリン、2,6−ジアミノプリン、ヒポキサンチン、プソイドウリジン、プソイドシトシン、プソ
イドイソシトシン、5−プロピニルシトシン、イソシトシン、イソグアニン、7−デアザグアニン、2−チオピリミジン、6−チオグアニン、4−チオチミン、4−チオウラシル、O−メチルグアニン、N−メチルアデニン、O−メチルチミン、5,6−ジヒドロチミン、5,6−ジヒドロウラシル、ピラゾロ[3,4−D]ピリミジン(例えば、米国特許第6,143,877号および同第6,127,121号ならびにPCT出願公開WO 01/38584を参照のこと)、エテノアデニン、インドール(例えば、ニトロインドールおよび4−メチルインドール)、およびピロール(例えば、ニトロピロール)を含む)が挙げられる。ヌクレオチド塩基の非限定的な例は、例えば、Fasman、1989、Practical Handbook of Biochemistry and Molecular Biology、pp.385−394、CRC Press、Boca Raton、Fla.、およびその中に引用される参考文献に見出され得る。
【0036】
本明細書中で使用される場合、用語「ヌクレオシド」は、ヌクレオチド塩基が糖(例えば、リボース、アラビノース、キシロース、およびピラノース)、およびその糖アナログのC−1’炭素に共有結合的に連結している化合物をいう。用語「ヌクレオチド」はまた、ヌクレオチドアナログを包含する。上記糖は、置換されていても置換されていなくてもよい。置換されたリボース糖としては、炭素原子(例えば、2’炭素原子)の1つ以上が1つ以上の同じであるかまたは異なる、−R、−OR、−NRアジド、シアニドまたはハロゲン基によって置換されているリボースが挙げられるが、これに限定されず、各Rは、独立して、H、C−Cアルキル、C−Cアシル、またはC−C14アリールである。例示のリボースとしては、2’−(C1−C6)アルコキシリボース、2’−(C5−C14)アリールオキシリボース、2’,3’−ジデヒドロリボース、2’−デオキシ−3’−ハロリボース、2’−デオキシ−3’−フルオロリボース、2’−デオキシ−3’−クロロリボース、2’−デオキシ−3’−アミノリボース、2’−デオキシ−3’−(C1−C6)アルキルリボース、2’−デオキシ−3’−(C1−C6)アルコキシリボースおよび2’−デオキシ−3’−(C5−C14)アリールオキシリボース、リボース、2’−デオキシリボース、2’,3’−ジデオキシリボース、2’−ハロリボース、2’−フルオロリボース、2’−クロロリボース、および2’−アルキルリボース(例えば、2’−O−メチル)、4’−α−アノマーヌクレオチド、1’−α−アノマーヌクレオチド、2’−4’−連結型および3’−4’−連結型ならびに他の「ロックされた(locked)」または「LNA」、二環性糖改変(例えば、PCT出願公開WO 98/22489、WO 98/39352、およびWO 99114226;ならびにBraaschおよびCorey、Chem.Biol.8:1−7、2001を参照のこと)が挙げられるが、これらに限定されない。「LNA」または「ロックされた核酸」は、リボース環が、例えば、2’−酸素と3’−炭素または4’−炭素との間であるが、これに限定されないメチレン連結によって制約されるように立体配座的にロックされるDNAアナログである(すなわち、2’−5’骨格を有する3’−4’LNA)(例えば、米国特許第6,268,490号および同第6,670,461号)。上記連結によって強いられる立体配座制約は、多くの場合、相補配列について結合親和性を増大させ、そしてそのような二重鎖の熱安定性を増大させる。ポリヌクレオチド内の例示のLNA糖アナログは、以下の構造を含む:
【0037】
【化1−1】

Bは、任意のヌクレオチド塩基である。
【0038】
リボースの2’位または3’位は、改変されて、水素、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、アリルオキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、メトキシエチル、アルコキシ、フェノキシ、アジド、シアノ、アミド、イミド、アミノ、アルキルアミノ、フルオロ、クロロおよびブロモを含み得る。ヌクレオチドは、L型光学異性体形態と同様に、天然のD型光学異性体を含む(Garbesi(1993)、Nucl.Acids Res.,21:4159−65;Fujimori(1990),J.Amer.Chem.Soc.112:7453;Urata(1993),Nucleic.Acids Symposium Ser.No.29:69−70)。核酸塩基がプリン(例えば、AまたはG)であるとき、リボース糖は核酸塩基のN位に結合する。核酸塩基がピリミジン(例えば、C、TまたはU)であるとき、ペントース糖は核酸塩基のN位に結合する(KornbergおよびBaker,(1992)DNA Replication,第2版,Freeman,San Francisco,CA)。
【0039】
ヌクレオチドのペントース炭素の1つまたは複数を、下記の式を有するリン酸エステルにより置換することができる:
【0040】
【化1−2】

式中、αは0〜4の整数である。特定の実施形態において、αは2であり、リン酸エステルがペントースの3’位または5’位の炭素に結合する。特定の実施形態において、ヌクレオチドは、ヌクレオチド塩基が、プリン、7−デアザプリン、ピリミジン、ユニバーサルヌクレオチド塩基、特定のヌクレオチド塩基、または、それらのアナログであるヌクレオシドである。「ヌクレオチド 5’−三リン酸」とは、5’位置に三リン酸エステル基を有するヌクレオチドをいい、そして時として、特にリボース糖の構造的特徴を指摘するために「rNTP」、または「dNTP」および「ddNTP」と示されるか、あるいは一般的に「NTP」と示される。三リン酸エステル基は、種々の酸素に関する硫黄置換を含み得る(例えば、α−チオ−ヌクレオチド5’−三リン酸)。ヌクレオチド化学の概
説は、別の場所において、Shabarova,Z.およびBogdanov,A.Advanced Organic Chemistry of Nucleic Acids、VCH、New York、1994;ならびにBlackburnおよびGaitに見出され得る。
【0041】
本明細書中で使用される場合、用語「ヌクレオチドアナログ」とは、ヌクレオチドのペントース糖またはヌクレオチド塩基またはリン酸エステルの1つ以上がそのそれぞれのアナログによって置換され得る実施形態をいう。特定の実施形態において、例示のペントース糖アナログは、上に示されるものである。特定の実施形態において、ヌクレオチドアナログは、上に記載されるようなヌクレオチド塩基アナログを有する。特定の実施形態において、例示のリン酸エステルアナログとしては、アルキルホスホネート、メチルホスホネート、ホスホラミデート、ホスホトリエステル、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホロセレノエート、ホスホロジセレノエート、ホスホロアニロチオエート、ホスホロアニリデート、ホスホロアミデート、ボラノホスフェートなどが挙げられるが、これらに限定されず、そして関連する対イオンを含み得る。
【0042】
用語「移動度シフトアナログ」または「MSA」とは、アンプリコンに組み込まれる場合に、同じ配列を含むがMSAではない天然のヌクレオチドを有するアンプリコンと比較して、分析する技術(例えば、移動度依存性分析技術)において移動速度またはアンプリコンを検出可能に変化させるdATP、dCTP、dGTP、dUTP、またはdTTPのヌクレオチドアナログをいう。換言すれば、組み込まれたMSAを含むアンプリコンは、その長さから期待される少なくとも1つ分析技術における異なる位置に移動する。いくつかの実施形態において、MSAを含むアンプリコンは、MSAを欠くその対応物よりも速く移動する。他の実施形態において、MSAを含むアンプリコンは、MSAを欠くその対応物よりもゆっくりと移動する。移動度シフトを誘導するのに適切であり得るヌクレオチドアナログの非限定的な例としては、ボラノ三リン酸(boranotriphosphate)(α−P−ボラノ三リン酸を含む)、チオ三リン酸(デオキシ−5’−(α−チオ)三リン酸(例えば、dCTPαS))、長いリンカーアーム(例えば、(CH)nおよび/または(OCHCH)nであるが、これらに限定されない)を含むヌクレオチドアナログ(ビオチン−11−dCTP、ビオチン−11−dCTP、ビオチン−11−dUTP、ジゴキシゲニン−11−dUTP、ビオチン−アミノヘキシルアクリルアミド−dCTP(ビオチン−aha−dCTP)、ビオチン−aha−dUTP、ビオチン−14−dCTP、ビオチン−36−dUTP、ビオチン−36−dCTP、ビオチン−36−dcATP、および複素環(例えば、ビオチン、N−置換ビオチン、およびホモビオチン同族体(cognate)であるが、これらに限定されない)を含む)、炭化水素の複素環式誘導体、およびポリエチレングリコール同族体、当業者は、MSAとして使用するための特定のヌクレオチドアナログの適合性が、部分的に、標的領域、増幅反応のために使用されるDNAポリメラーゼ、各アナログによって与えられる移動度シフト、分離手段および/もしくは検出手段、ソフトウェア、またはその組み合せに依存することを認識する。当業者は、1つ以上のMSAの適合性が、例えば、公知のメチル化状態の標的領域を出発物質として使用し、そして所望の反応条件または種々の反応条件下で本開示の方法の1つ以上を行って、過度な実験を行うことなく、実験的に評価され得ることを理解する。
【0043】
用語「プライマー」とは、gDNA標的フランキング配列または増幅産物の対応するプライマー結合部位に選択的にハイブリダイズし;そしてその3’末端から対応するポリヌクレオチド鋳型と相補的な配列の合成を可能にするポリヌクレオチドをいう。
【0044】
本教示の「標的特異的プライマー対」は、順方向標的特異的プライマーおよび逆方向標的特異的プライマーを含む。順方向標的特異的プライマーは、第1または上流の標的フラ
ンキング配列のヌクレオチド配列と同じであるかまたは実質的に同じ配列、および別の場所において、逆方向の鎖増幅産物に存在する上流標的フランキング配列の相補体と選択的にハイブリダイズするように設計される配列を含む第1の標的特異的部分を含む。いくつかの実施形態において、順方向標的特異的プライマーはさらに、第1の標的特異的部分の上流に位置し、第1のプライマー結合部位を含む第1の尾部をさらに含む。プライマー対の逆方向標的特異的プライマーは、第2または下流の標的領域フランキング配列と相補的であるかまたは実質的に相補的な配列、および第2または下流の標的領域フランキング配列と選択的にハイブリダイズするように設計される配列を含む第2の標的領域特異的部分を含む。いくつかの実施形態において、逆方向標的特異的プライマーは、第2の標的特異的部分の上流に位置し、第2のプライマー結合部位を含む第2の尾部をさらに含む。いくつかの実施形態において、逆方向標的特異的プライマーの尾部は、特定のDNAポリメラーゼによるプライマー伸長産物の末端に対するヌクレオチド(代表的に、A)の非鋳型性(non−templated)の付加(時としてClark反応(例えば、Clark、Nucl.Acids Res.16(20):9677−84,1988を参照のこと)と称される)を増強するように設計される配列をさらに含む。このような配列のいくつかの非限定的な例としては、GTTTCTT、GTTT、およびGTT(時としてPIGtail配列と称される(例えば、Brownsteinら、BioTechniques 20(6):1004−10、1996))、またはテイルドプライマー(tailed primer)の5’末端における単一のGが挙げられる。特定の実施形態において、少なくとも1つの順方向標的特異的プライマー、少なくとも1つの逆方向標的特異的プライマー、または少なくとも1つの順方向標的特異的プライマーおよび少なくとも1つの逆方向標的特異的プライマーは、レポータープローブ結合部位、さらなるプライマー結合部位、またはレポーター基(例えば、蛍光レポーター基であるが、これに限定されない)のうちの少なくとも1つをさらに含む。特定の実施形態において、標的特異的プライマー対の順方向プライマーおよび対応する逆方向プライマーは、温度ベースの非対称PCRを可能にする異なる融解温度(Tm)を有する。
【0045】
いくつかの実施形態において、標的特異的プライマー対は、gDNA標的領域の上流(5’)に位置する第1の標的フランキング配列と同じであるかまたは実質的に同じである第1の標的結合部分を含む(1)順方向標的特異的プライマーおよび同じgDNA標的領域の下流(3’)に位置する対応する第2の標的フランキング配列と相補的であるかまたは実質的に相補的である第2の標的結合部分を含む対応する(2)逆方向標的特異的プライマーを含む。いくつかの実施形態において、標的特異的プライマー対、(a)gDNA標的領域の上流(5’)に位置する第1の標的フランキング配列と同じであるかまたは実質的に同じである第1の標的結合部分、および(b)第1の標的結合部分の上流に位置する第1の尾部を含む(1)順方向標的特異的プライマーを含み、尾部配列は、第1のプライマー結合部位;ならびに(a)同じgDNA標的領域の下流(3’)に位置する対応する第2の標的フランキング配列と相補的であるかまたは実質的に相補的である第2の標的結合部分および(b)第2の標的結合配列の上流に位置する第2の尾部配列を含む(2)対応する逆方向標的特異的プライマーを含み、その第2の尾部配列は、第2のプライマー結合部位を含む。
【0046】
当業者は、特定の改変剤(例えば、硫酸水素ナトリウムであるが、これに限定されない)によるgDNAの処理がメチル化されていないCをUへと脱アミノ化させることを認識する。メチル化されていないCを含むgDNAフランキング領域は、亜硫酸水素ナトリウム処理後に、対応する標的特異的プライマーの選択的にハイブリダイズする能力を妨げ得るかまたは減少させ得る、改変されたサンプルのフランキング領域中の改変型ヌクレオチドを生じる。本教示の標的特異的プライマーは、代表的に、外部CpG島である標的フランキング配列に選択的にハイブリダイズして標的領域アンプリコンを標的領域のメチル化状態にかかわらず産生させるように設計される。
【0047】
用語「増幅産物プライマー対」とは、順方向増幅産物プライマーおよび対応する増幅産物の逆方向プライマーをいう。いくつかの実施形態において、増幅プライマー対は、ユニバーサルプライマーまたはユニバーサルプライマー対を含み、そして同じプライマー対は、増幅産物の少なくとも2つの異なる種を増幅するために使用される。いくつかの実施形態において、増幅産物プライマー対は、1つの増幅産物種を増幅するように設計される順方向プライマーおよび逆方向プライマーを含む。例えば、特定の一本鎖の第1の増幅産物種の上流プライマー結合部位の相補体と選択的にハイブリダイズするように設計される配列を含む第1の増幅産物の順方向プライマーおよび同じ一本鎖の第1の増幅産物種の対応する下流プライマー結合部位と選択的にハイブリダイズするように設計される第1の増幅産物の逆方向プライマーを含む第1の増幅産物プライマー対であるが、これに限定されない。いくつかの実施形態において、増幅産物プライマー対は、標的特異的プライマー対(ネステッドプライマー対を含む)の結合部位または標的特異的プライマー対の結合部位と部分的に重複する結合部位の内部である、増幅産物の対応する領域またはその相補体と選択的にハイブリダイズするように設計される。特定の実施形態において、少なくとも1つの 増幅産物の順方向プライマー、少なくとも1つの増幅産物の逆方向プライマー、または少なくとも1つの増幅産物の順方向プライマーおよび少なくとも1つの増幅産物の逆方向プライマーは、レポータープローブ結合部位、さらなるプライマー結合部位、およびレポーター基(例えば、蛍光レポーター基であるが、これに限定されない)のうちの少なくとも1つをさらに含む。特定の実施形態において、増幅産物プライマー対の順方向プライマーおよび対応する逆方向プライマーは、温度ベースの非対称PCRを可能にする異なる融解温度を有する。
【0048】
特定の実施形態において、プライマーの相補体の1つ以上は、1つ以上の他のプライマー相補体と重複し得るか、または部分的に重複し得る。例えば、標的特異的部分は、プライマー結合部位、レポータープローブ結合部位、ハイブリダイゼーションタグ、親和性タグ、レポーター基と重複し得るか、または部分的に重複し得るが、これに限定されない。
【0049】
当業者は、本開示のgDNA標的領域の相補体、プライマー、標的特異的部分、プライマー結合部位、またはそれらの組み合わせが本教示の特定の実施形態において使用され得ることを認識する。例えば、特定のgDNAは、gDNA標的領域およびその相補体の両方を含み得るが、これに限定されない。したがって、特定の実施形態においてgDNAサンプルが変性される場合、標的領域およびその相補体の両方がサンプルに存在し、一本鎖配列および一本鎖配列のいずれかまたは両方が増幅および分析され得る。しかし、当業者は、特定の状況において、標的領域を含む二本鎖gDNAセグメントは半メチル化され得ることを認識する。例えば、二本鎖gDNAセグメントの1つの鎖がメチル化されている標的ヌクレオチドを含み得る一方で、相補的なgDNA鎖中の対応する標的ヌクレオチドがメチル化されていないが、これに限定されない。特定の実施形態において、問題のgDNAセグメントのメチル化状態の正確な理解を得るために、標的領域およびその相補体の両方のメチル化の程度を決定することが、望まれる。
【0050】
本明細書中で使用される場合、用語「順方向」および「逆方向」は、ポリヌクレオチド配列に対するプライマー対の対応するプライマーの相対的な方向性を示すために使用される。例示を目的とするが限定ではなく、左側にその5’末端を伴って左から右の方向で水平に、一本鎖ポリヌクレオチドが示されると見なす。「逆方向」プライマーは、5’から3’への方向性(右から左)で、この例示のポリヌクレオチドの「3’末端」かまたはその近傍の下流プライマー結合部位とアニーリングするように設計される。対応する「順方向プライマーは、5’から3’である「順方向」の方向性で左から右に、ポリヌクレオチドの「5’末端」かまたはその近傍で上流プライマー結合部位の相補体とアニーリングするように設計される。したがって、逆方向プライマーは、ポリヌクレオチドの逆方向ま
たは下流のプライマー結合部位に相補的である配列を含み、そして順方向プライマーは、順方向または上流のプライマー結合部位と同一である配列を含む。この節で使用される場合、用語「3’末端」および「5’末端」とは、例示としてのみであり必ずではなく、文字通り、ポリヌクレオチドの各末端をいう。むしろ、唯一の制限は、この例示のプライマー対の逆方向プライマーが、対応する順方向プライマーと同じ配列または実質的に同じ配列を含む順方向プライマー結合部位の下流または右側にある逆方向プライマー結合部位とアニーリングすることである。当業者によって認識されるように、これらの用語は、限定を意図せず、むしろ所与の実施形態における例示的な方向性を提供することを意図する。
【0051】
本明細書中で使用される場合、用語「プライマー結合部位」とは、プライマーが任意の当該分野において公知である種々のプライマー伸長反応(例えば、PCRであるが、これに限定されない)のためにアニーリングし得る鋳型のような、ポリヌクレオチド配列(例えば、直接かまたはその相補体に基づいて機能し得るテイルドプライマーまたは増幅産物)の領域をいう。テイルドプライマーがプライマー結合部位を含む場合、代表的にプライマーの配列特異的結合部分(例えば、順方向標的特異的プライマーの第1の標的結合部分または増幅産物の逆方向プライマーの第2のプライマー結合部分であるが、これらに限定されない)の上流に位置する。
【0052】
当業者は、増幅産物が特定の増幅技術(プライマー結合部位の相補体が相補的な鎖において合成される)によって増幅されることを認識する。したがって、プライマー結合部位の相補体が、明確に、他に記載されない限り用語「プライマー結合部位」の意図された意味の範囲内に含まれることが、理解される。
【0053】
いくつかの実施形態において、プライマー結合部位は、少なくともいくつか増幅産物がユニバーサルプライマーまたはユニバーサルプライマーの対を使用して産生されることを可能にするユニバーサルプライミング配列(universal priming sequence)またはその相補体を含む。いくつかの実施形態において、配列決定プライマーは、ユニバーサルプライミング配列を含む。「ユニバーサルプライマー」は、増幅産物の1つより多い種の対応するプライマー結合部位に選択的にハイブリダイズし得る。「ユニバーサルプライマー対」は、増幅産物の複数の種とハイブリダイズするように設計される順方向ユニバーサルプライマーおよび逆方向ユニバーサルプライマーを含む。特定の実施形態において、ユニバーサルプライマーまたはユニバーサルプライマー対は、反応において増幅産物の全部または大部分と選択的にハイブリダイズする。M13ユニバーサルプライマーおよびT7ユニバーサルプライマー、およびそれらの使用を含むユニバーサルプライマー/プライミング配列(時として、共通プライマーまたは一般的プライマーと称される)が、当該分野において周知である(例えば、McPherson and Moller、PCR The Basics、Bios Scientific.Publishers、Oxford、U.K.、2000(以下、「McPherson」(特に、第5章の第4.2節)を参照のこと)。いくつかの実施形態において、ユニバーサルプライマーまたはユニバーサルプライマーの対は、配列決定反応のために配列決定プライマーとして使用され得る;そして、二本鎖増幅産物のいずれかまたは両方の鎖が配列決定され得る。ユニバーサルプライマーは、Applied Biosystems、USB
Corporation、Invitrogen、およびPromegを含む多くの供給業者から市販されている。当業者は、「カスタム(custom)」のユニバーサルプライマーもまた、当該分野において公知である方法を使用して設計および合成され得ることを理解する。
【0054】
いくつかの実施形態において、多数の異なるプライマー対は、増幅する工程(例えば、多重の増幅反応であるが、これに限定されない)において使用され、ことなるプライマー対は、多数の異なるgDNA標的領域または多数の異なる増幅産物を含む多数の異なるヌ
クレオチド配列を増幅するように設計される。
【0055】
プライマーが相補的であるかまたは実質的に相補的な配列に選択的にハイブリダイズする条件は、例えば、Nucleic Acid Hybridization、A Practical Approach、HarriesおよびHiggins(編)、IRL Press、Washington、D.C.(1985)ならびにWetmurおyぼいDavidson、Mol.Biol.31:349、1968に記載されるように、当該分野において周知である。一般に、このようなアニーリングが起きるか否かは、とりわけ、増幅産物中のプライマーの相補部分の長さおよびそれらの対応する標的領域フランキング配列または対応するプライマー結合部位、pH、温度、一価カチオンおよび二価カチオン、ハイブリダイズする領域中のGヌクレオチドおよびCヌクレオチドの割合、媒体の粘度、ならびに変性因子の存在によって影響を受ける。このような変数は、ハイブリダイゼーションに必要な時間に影響を及ぼす。プライマーおよび/または対応する増幅産物の配列特異的部分における特定のヌクレオチドアナログまたは副溝結合因子(minor groove binder)の存在もまた、ハイブリダイゼーション条件に影響を及ぼし得る。したがって、好ましいアニーリング条件は、特定の用途に依存する。しかし、このような条件は、過度な実験を行なうことなく、当業者によって慣用的に使用され得る。代表的に、アニーリング条件は、反応において、本開示のプライマーを、対応する標的領域フランキング配列または対応する増幅産物中の相補的であるかまたは実質的に相補的な配列と選択的にハイブリダイズさせるが、任意の有意な程度で他の望ましくない配列に対してハイブリダイズさせないように選択される。
【0056】
本開示のプライマーの配列特異的部分は、適切な場合、標的フランキング配列および/またはアンプリコン中の相補的であるかまたは実質的に相補的な配列との特異的にアニーリングを可能にするのに十分な長さである。配列特異的プライマーを設計するための判定基準は、当業者に周知である。プライマー設計の記載は、別の場所において、DiffenbachおよびDveksler、PCR Primer、A Laboratory
Manual、Cold Spring Harbor Press(1995);Rapley、The Nucleic Acid Protocols Handbook(2000)、Humana Press、Totowa、New Jersey(以下、「Rapley」);ならびにKwokら、Nucl.Acid Res.18:999−1005(1990)に見出され得る。プライマー設計ソフトウェアプログラムもまた、市販されている(例えば、Primer Premier 5、PREMIER Biosoft、Palo Alto、CA;Primer Designer 4、Sci−Ed Software、Durham、NC;Primer Detective、ClonTech、Palo Alto、CA;Lasergene、DNASTAR,Inc.、Madison、WI;およびiOligo、Caesar Software、Portsmouth、NH)。
【0057】
当業者は、本教示のプライマーおよびプライマー対が単数形で記載され得る一方で、複数のプライマーが単数の用語によって包含され得ることを認識する。したがって、例えば、特定の実施形態において、標的特異的プライマー対は、代表的に、複数の順方向標的特異的プライマーおよび複数の対応する逆方向標的特異的プライマーを含む。
【0058】
当業者は、本開示の方法およびキットによって使用するのに適切であるプライマーおよびプライマー対が、過度な実験を行なうことなく、本教示および当該分野において公知である慣用的な方法を使用して実験的に同定され得ることを、理解する。例えば、適切なフランキング配列を含む適切な標的領域は、公知であるかまたは推定される抗メチル化部位または低メチル化部位を列挙するかまたは同定する関連した科学文献(適切なデータベースを含む)を検索することによってか;または実験的分析によって得られ得る。標的領域
および適切なフランキング領域が同定される場合、試験プライマーは、周知のオリゴヌクレオチド合成技術(例えば、Beaucageら;BlackburnおよびGait;Glen Research 2002 Catalog、Sterling、VA;ならびにSynthetic Medicinal Chemistry 2003/2004、Berry and Associates、Dexter、MIを参照のこと)を使用して合成され得る。試験プライマーは、本教示によって使用され得、そしてアンプリコンの産生に対するそれらの適合性が、評価され得る。所望される場合、標準曲線が、合成の鋳型または公知のメチル化状態のgDNA配列の所定の混合物または連続希釈物を使用し、本教示の方法を使用し、そして標準的な条件下で作成され得る。
【0059】
いくつかの実施形態において、順方向プライマー、逆方向プライマー、MSA、アンプリコン、またはそれらの組み合わせは、レポーター基を含む。特定の実施形態において、レポーター基は、蛍光シグナル、化学発光シグナル、生物発光シグナル、リン光シグナル、または電気化学発光シグナルを放出する。レポーター基のいくつかの非限定的な例としては、フルオロフォア、放射性同位体、色原体、酵素、エピトープタグを含む抗原、半導体ナノ結晶(例えば、量子ドット)、重金属、色素、リン光基、化学発光基、電気化学検出部分、結合性タンパク質、リン光体、希土類錯体、遷移金属錯体、近赤外線色素、電気化学発光標識、および質量分析適合性レポーター基(例えば、質量タグ、電荷タグ、および同位体)が挙げられる(例えば、HaffおよびSmirnov、Nucl.Acids Res.25:3749−50、1997;Xuら、Anal.Chem.69:3595−3602、1997;Sauerら、Nucl.Acids Res.31:e63、2003を参照のこと)。「量子ドット」とは、第1のエネルギーに応答して第2のエネルギーを放出し得る半導体ナノ結晶化合物をいう。代表的に、単一の量子ドットによって放出されるエネルギーは、同一の予測可能な波長を有する。例示の半導体ナノ結晶化合物としては、CdSeの結晶、CdSの結晶、およびZnSの結晶が挙げられるが、これらに限定されない。量子ドットの記載は、別の場所において、米国特許第5,990,479号および同第6,207,392 B1号ならびにHanら、Nature Biotechnology、19:631−635、2001に見出され得る。
【0060】
用語「レポーター基」はまた、複数エレメントレポーターシステムのエレメントを包含し、それとしては、1つのエレメントが検出可能なシグナルのポテンシャルに影響を与えるためにそのシステムの1つ以上の他のエレメントと相互作用する親和性タグ(例えば、ビオチン:アビジン、抗体:抗原など)が挙げられる。複数エレメントレポーターシステムのいくつかの非限定的な例としては、ビオチンレポーター基およびストレプトアビジン結合体化フルオロフォア(その逆も同様)を含むオリゴヌクレオチド;DNPレポーター基およびフルオロフォア標識抗DNP抗体を含むオリゴヌクレオチド;などが挙げられる。レポーター基を核酸に結合するための詳細なプロトコルは、別の場所において、Hermanson、Bioconjugate Techniques、Academic Press、San Diego、1996;Beaucageら;およびHauglandに見出され得る。
【0061】
複数エレメント相互作用レポーター基はまた、用語「レポーター基」(例えば、フルオロフォア−クエンチャー対(蛍光クエンチャーおよび非蛍光クエンチャーとしても公知であるダーククエンチャー(dark quencher)を含む))の意図された範囲内である。蛍光クエンチャーは、蛍光レポーター基から放出された蛍光シグナルを吸収し得、そして十分な蛍光エネルギーを吸収した後、その蛍光クエンチャーは、特徴的な波長で蛍光を放出し得る(例えば、蛍光共鳴エネルギー転移(FRET))。例えば、FAM−TAMRA対は、492nm(FAMに対する励起ピーク)にて照らされ得、そして580nm(TAMRAに対する放出ピーク)にて蛍光を放出するが、これに限定されない。蛍光レポーター基と適切に対形成されるダーククエンチャーは、フルオロフォアから蛍光
エネルギーを吸収するが、ダーククエンチャー自体は、蛍光性ではない。むしろ、ダーククエンチャーは、代表的には熱のような吸収したエネルギーを消散する。ダーククエンチャーまたは非蛍光クエンチャーのいくつかの非限定的な例としては、Dabcyl、Black Holeクエンチャー、Iowa Black、QSY−7、Absoluteクエンチャー、Eclipse非蛍光クエンチャー、金属クラスター(例えば、金ナノ粒子)などが挙げられる。蛍光レポーター基−クエンチャー対を含む特定の二重標識プローブは、その対のメンバーが物理的に分離される場合に蛍光を放出し得、それは、例えば、ヌクレアーゼプローブ(例えば、TaqMan(登録商標)プローブ)であるが、これに限定されない。蛍光レポーター基−クエンチャー対を含む他の二重標識プローブは、その対のメンバーが空間的に分離される場合に蛍光を放出し得、それは、例えば、ハイブリダイゼーションプローブ(例えば、分子ビーコン)または伸長プローブ(例えば、Scorpionプライマー)であるが、これらに限定されない。フルオロフォア−クエンチャー対は、当該分野において周知であり、そして種々のレポータープローブに対して広範に使用される(例えば、Yeungら、BioTechniques 36:266−75、2004;Dubertretら、Nat.Biotech.19:365−70、2001;およびTyagiら、Nat.Biotech.18:1191−96、2000を参照のこと)。
【0062】
いくつかの実施形態において、プライマーおよび/または増幅産物は、親和性タグを含む。いくつかの実施形態において、親和性タグは、レポーター基を含む。特定の実施形態において、親和性タグは、分離するために使用されるか、検出手段の一部であるか、またはその両方である。
【0063】
いくつかの実施形態において、プライマーおよび/または増幅産物は、ハイブリダイゼーションタグ、ハイブリダイゼーションタグ相補体、またはその両方を含む。特定の実施形態において、同じハイブリダイゼーションタグは、多数の異なるエレメントと一緒に使用されて、塊の分離および/または固体表面に対する結合に影響を与え、それは、例えば、特定のハイブリダイゼーションベースのプルアウト(pullout)形式(例えば、ABI PRISM(登録商標)DuplexTM 384 Well FIR Sequence Capture Kit、Applied Biosystemsを参照のこと)であるが、これに限定されない。種々の実施形態において、ハイブリダイゼーションタグ相補体は、ハイブリダイゼーションタグ:エレメント複合体を固体支持体に結合するための捕捉部分(例えば、マイクロアレイまたはビーズアレイ上の特定のアドレスまたは位置であるが、これに限定されない)として機能するか;塊の分離手順またはハイブリダイゼーションベースのプルアウトのために「プルアウト」配列として機能するか;または捕捉部分およびプルアウト配列の両方として機能する。特定の実施形態において、ハイブリダイゼーションタグ相補体は、レポーター基、移動度改変因子、レポータープローブ結合部分(例えば、TaqMan(登録商標)プローブまたは他のヌクレアーゼプローブ、分子ビーコンプローブまたは他のハイブリダイゼーションプローブ、スコルピオン(scorpion)プライマーまたは他の伸長プライマーなどと選択的にハイブリダイズする配列であるが、これに限定されない)、あるいはそれらの組み合わせを含む。
【0064】
代表的に、ハイブリダイゼーションタグおよびそれらの対応するハイブリダイゼーションタグ相補体は、内部の自己ハイブリダイゼーションまたは異なるハイブリダイゼーションタグ種、増幅組成物中のヌクレオチド配列(gDNAを含む)、ハイブリダイゼーションタグ相補体の異なる種、プライマー、プライマー結合部位または増幅産物のプロモーター配列などとの交差ハイブリダイゼーションを最小にするように選択されるが;ハイブリダイゼーションタグとその対応するハイブリダイゼーションタグ相補体との間の容易なハイブリダイゼーションに適応するべきである。しかし、いくつかの実施形態において、増幅産物のプライマー結合部位、またはこれらの配列の少なくとも一部は、ハ増幅産物に対
するイブリダイゼーションタグとして機能し得る(例えば、ABI PRISM(登録商標)DuplexTM 384 Well FIR Sequence Capture Kit、Applied Biosystemsを参照のこと)。ハイブリダイゼーションタグ配列およびハイブリダイゼーションタグ相補体配列は、任意の適切な方法(例えば、PCT公開第WO 96/12014号および同第WO 96/41011号および欧州特許公開EP 799,897に記載されるようなコンピューターアルゴリズム;ならびにSantaLucia(Proc.Nat).Acad.Sci.95:1460−65、1998のアルゴリズムおよびパラメータであるが、これらに限定されない)によって選択され得る。ハイブリダイゼーションタグ、ハイブリダイゼーションタグ相補体、およびそれらの使用の記載は、別の場所において、米国特許第6,309,829号(その中で「タグセグメント」と称される);同第6,451,525号(その中で「タグセグメント」と称される);同第6,309,829号(その中で「タグセグメント」と称される);同第5,981,176号(その中で「グリッドオリゴヌクレオチド(grid oligonucleotide」と称される);同第5,935,793号(その中で「同定因子タグ」と称される);およびPCT公開第WO 01/92579号(その中で「アドレス可能な支持体特異的配列」と称される);Gerryら、J.Mol.Biol.292:251−262、1999)(その中で「ジップ−コード」および「ジップ−コード相補体」と称される);およびBrennerら、Proc.Natl.Acad.Sci.97:1665−70、2000(その中で「オリゴヌクレオチドタグ」、「タグ」、および「アンチタグ」と称される)に見出され得る。当業者は、ハイブリダイゼーションタグおよびその対応するハイブリダイゼーションタグ相補体が、定義の通り、互いに相補的であること、および用語「ハイブリダイゼーションタグ」および「ハイブリダイゼーションタグ相補体」が、相対的であり、そしてほとんどの文脈において本質的に交換可能に使用され得ることを認識する。
【0065】
ハイブリダイゼーションタグは、プライマーおよび/または増幅産物の末端またはその近傍に位置し得るか;またはそれらは、内部に位置し得る。特定の実施形態において、ハイブリダイゼーションタグは、リンカーアームを介してプライマーおよび/または増幅産物に結合される。特定の実施形態において、そのリンカーアームは、切断可能である。
【0066】
特定の実施形態において、ハイブリダイゼーションタグは、少なくとも12塩基長、少なくとも15塩基長、12〜60塩基長、または15〜30塩基長である。特定の実施形態において、ハイブリダイゼーションタグは、12塩基長、15塩基長、20塩基長、21塩基長、22塩基長、23塩基長、24塩基長、25塩基長、26塩基長、27塩基長、28塩基長、29塩基長、30塩基長、45塩基長、または60塩基長である。特定の実施形態において、少なくとも2つのハイブリダイゼーションタグ:ハイブリダイゼーションタグ相補体二重鎖は、互いの10℃より大きくないΔT範囲(Tmax−Tmin)内にある融解温度を有する。特定の実施形態において、少なくとも2つのハイブリダイゼーションタグ:ハイブリダイゼーションタグ相補体二重鎖は、互いの5℃未満のΔTm範囲内にある融解温度を有する。
【0067】
いくつかの実施形態において、プライマー、MSA、および増幅産物のうちの少なくとも1つのは、移動度改変因子を含む。特定の実施形態において、移動度改変因子は、異なる移動度を達成する異なる長さのヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、移動度改変因子は、非ヌクレオチドポリマー(例えば、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリグリコール酸、ポリウレタンポリマー、ポリペプチド、およびオリゴ糖)を含む。特定の実施形態において、移動度改変因子は、ポリヌクレオチドにサイズを追加することによってか、または実質的にサイズを追加することなく媒体を移動する間の分子の「抗力」を増大させることによって作用し得る。特定の移動度改変因子(PEO’sを含む)は、別の場所において、米国特許第5,470,705号;同第5,580,732号;同第5,
624,800号;および同第5,989,871号ならびに米国特許出願第US 2003/0190646 A1号に記載されている。
【0068】
本開示の方法およびキットの特定の実施形態は、サンプル調製;増幅反応;精製する工程;および増幅産物の少なくとも一部を分析する工程のうちの少なくとも1つののためのマイクロフルイディクス(microfluidics)デバイスを含む。マイクロフルイディクスデバイスは、一般に1ミリメートル以下の内部寸法を備える少なくとも1つのマイクロチャネルを備える反応容器である。マイクロフルイディクスデバイスは、代表的に、非常に小さい反応体積(多くの場合、マイクロリットル、ナノリットル(nL)、またはピコリットル(pL)の桁)を用いる。当業者は、マイクロフルイディクスデバイスのサイズ、形状、および組成が本教示の限定ではないことを認識する。むしろ、種々の適切なマイクロフルイディクスデバイスが、本開示の方法の1つ以上の工程を実施するのに使用され得る。例示のマイクロフルイディクスデバイスおよびその使用の記載は、別の場所において、FioriniおよびChiu、BioTechniques 38:429−46、2005;KellyおよびWoolley、Analyt.Chem.77(5):96A−102A、2005;Cheuk−Wai Kanら、Electrophoresis 25:3564−88、2004;ならびにYeunら、Genome Res.11:405−12、2001に見出され得る。
【0069】
用語「レポータープローブ」とは、アンプリコンに結合するかまたはアンプリコンとアニーリングし、そして検出(強度または放出される波長の強度の変化を含む)される場合に、対応するアンプリコンを同定および/または定量するために使用される、ヌクレオチド、ヌクレオチドアナログ、またはヌクレオチドおよびヌクレオチドアナログの配列をいう。レポータープローブは、代表的に、リアルタイム検出技術および特定のエンドポイント検出技術において使用される。ほとんどのレポータープローブは、それらの作用様式に基づいて分類され得る(例えば、ヌクレアーゼプローブ(TaqMan(登録商標)プローブ(例えば、Livak、Genetic Analysis:Biomolecular Engineering 14:143−149、1999;Yeungら、BioTechniques 36:266−75、2004を参照のこと);伸長プローブ(例えば、スコルピオンプライマーs、LuxTMプライマー、Amplifluorなど);ハイブリダイゼーションプローブ(例えば、分子ビーコン、Eclipseプローブ、ライトアップ(light−up)プローブ、単一に標識されたレポータープローブの対、ハイブリダイゼーションプローブ対など);またはそれらの組み合わせであるが、これらに限定されない)。特定の実施形態において、レポータープローブは、アミド結合、LNA、ユニバーサル塩基、またはそれらの組み合わせを含み、そしてステムループレポータープローブ立体配置およびステムレス(stem−less)レポータープローブ立体配置を含む。特定のレポータープローブは、単一に標識されるが、他のレポータープローブは、二重に標識される。隣接してハイブリダイズしたプローブの間にFRETを含むか、または蛍光−クエンチャー対を集合的に含む二重プローブシステムは、用語「レポータープローブ」の意図された範囲内である。
【0070】
特定の実施形態において、レポータープローブは、蛍光レポーター基、クエンチャーレポーター基(ダーククエンチャーおよび蛍光クエンチャーを含む)、親和性タグ、ハイブリダイゼーションタグ、ハイブリダイゼーションタグ相補体、またはそれらの組み合わせを含む。特定の実施形態において、ハイブリダイゼーションタグ相補体を含むレポータープローブは、対応するハイブリダイゼーションタグとアニーリングし、多成分レポーター基のメンバーは、多成分レポーター基の対応するメンバー、またはそれらの組み合わせを含むレポータープローブに結合する。例示のレポータープローブとしては、TaqMan(登録商標)プローブ;Scorpionプローブ(スコルピオンプライマーとも称される);LuxTM プライマー;FRETプライマー;Eclipseプローブ;分子ビ
ーコン(FRETベースの分子ビーコン、マルチカラー(multicolor)分子ビーコン、アプタマービーコン、PNAビーコン、および抗体ビーコン;レポーター基標識PNAクランプ、レポーター基標識PNAオープナー、レポーター基標識LNAプローブ、ならびにナノ結晶、金属ナノ粒子および同様のハイブリッドプローブを含むプローブ(例えば、Dubertretら、Nature Biotech.19:365−70、2001;Zelphatiら、BioTechniques 28:304−15、2000を参照のこと)。特定の実施形態において、レポータープローブは、溝結合因子(TaqMan(登録商標)MGBプローブおよびTaqMan(登録商標)MGB−NFQプローブ(両方とも、Applied Biosystems製)を含む)をさらに含む。特定の実施形態において、レポータープローブ検出は、蛍光偏光検出(例えば、SimeonovおよびNikiforov、Nucl.Acids Res.30:e91、2002を参照のこと)を含む。
【0071】
(特定の例示的な構成要素技術)
本発明の教示に従って、gDNAは、任意の生きている生物体、またはかつて生きていた生物体(原核生物、古細菌(archaea)、または真核生物(例えば、昆虫(Drosophilaを含む)、蠕虫(C.elegansを含む)、植物、および動物(ヒトを含む)であるが、これらに限定されない)を含み;そして原核細胞ならびに真核生物から得られた細胞、組織、および器官(例えば、培養細胞および血球であるが、これらに限定されない)を含む)から得られ得る。特定のウイルスゲノムDNAもまた、本教示の範囲内である。特定の実施形態において、gDNAは、二本鎖形態または一本鎖形態で存在し得る。当業者は、gDNAが完全長物質だけではなく、多数の手段(例えば、酵素消化、超音波、せん断力などであるが、これらに限定されない)によって産生されるフラグメントを含むことを認識すること、および全てのこのような物質が、完全長であるかまたは断片化されているかにかかわらず、本教示の増幅する反応のために鋳型として機能し得るgDNAの形態を示すことを認識する。
【0072】
種々の方法が、本教示に使用するためのgDNAを得るために利用可能である。メチル化されているgDNAおよびメチル化されていないgDNAもまた、市販されている。上記gDNAが生物学的マトリックスからの単離によって得られる場合、好ましい単離技術としては、(1)例えば、自動化DNA抽出器(例えば、Model 341 DNA Extractor(Applied Biosystems、Foster City、CA))を使用し、例えば、フェノール/クロロホルム有機試薬を使用する有機抽出(その後に、エタノール沈殿を伴う)(例えば、Sambrookら;Ausubelらを参照のこと);(2)固定相吸着方法(例えば、Boomら、米国特許第5,234,809号;Walshら、Biotechniques 10(4):506−513、1991);および(3)塩誘導性のDNA析出方法(例えば、Millerら、Nucl.Acids Res.16(3):9−10、1988)が挙げられ、このような析出方法は、代表的には、「塩析」方法と称される。特定の実施形態において、gDNA単離技術は、サンプルから望ましくないタンパク質を排除するのに役立つ酵素消化工程(例えば、プロテイナーゼKまたは他の同様のプロテイナーゼによる消化であるが、これに限定されない);界面活性剤;またはそれらの両方(例えば、米国特許出願公開第2002/0177139号;および米国特許出願公開第09/724,613号および同第10/618493号を参照のこと)を包含する。市販の核酸抽出システムとしては、とりわけ、ABI PRISM(登録商標)6100 Nucleic Acid PrepStationおよびABI PRISM(登録商標)6700 Nucleic Acid Automated Work Stationが挙げられ;核酸サンプル調製試薬およびキットもまた、市販されており、それらとしては、NucPrepTTM Chemistry、BloodPrepTM Chemistry、ABI PRISM(登録商標)TransPrep System、およびPrepManTM Ultra
Sample Preparation Reagent(全て、Applied Biosystems製)が挙げられる。
【0073】
用語「移動度依存性分析技術」とは、異なる分析物の間の移動の異なる速度に基づく任意の分析方法をいう。移動度依存性分析技術の非限定的な例としては、クロマトグラフィー、沈降、勾配遠心分離、フィールドフローフラクショネーション(field−flow fractionation)、多段階抽出技術、質量分析、および電気泳動(スラブゲル、等電点電気泳動、およびキャピラリー電気泳動を含む)が挙げられる。
【0074】
用語「増幅すること」および「増幅」は、広い意味で使用され、そして標的領域、アンプリコン、またはアンプリコンの少なくとも一部が、代表的には鋳型依存的様式で、再生産されるかまたは複製される任意の技術(相補鎖の合成を含む)をいい、その技術は、線形かまたは指数的のいずれかで核酸配列を増幅するための技術の広い範囲を含む。増幅技術のいくつかの非限定的な例としては、プライマー伸長(ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、RT−PCR、非同期性(asynchronous)PCR(A−PCR)、および非対称PCR、鎖置換増幅(SDA)、複数置換増幅(multiple displacement amplification)(MDA)、核酸鎖ベースの増幅(nucleic acid strand−based amplification)(NASBA)、ローリングサークル増幅(RCA)、転写媒介性増幅(transcription−mediated amplification)(TMA)など(多重化バージョンおよび/またはそれらの組み合わせを含む)を含む)が挙げられる。特定の増幅技術の記載は、別の場所において、Molecular Cloning、A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Press、第3版、2001(以下、「SambrookおよびRussell」);Sambrookら;Ausubelら;PCR Primer:A Laboratory Manual、Diffenbach(編)、Cold Spring Harbor Press(1995);Msuihら、J.Clin.Micro.34:501−07(1996);McPherson;Rapley;米国特許第6,027,998号および同第6,511,810号;PCT公開第WO 97/31256号および同第WO 01/92579号;Ehrlichら、Science 252:1643−50(1991);Favisら、Nature Biotechnology 18:561−64(2000);Protocols & Applications Guide、rev.9/04、Promega、Madison、WI;ならびにRabenauら、Infection 28:97−102(2000)に見出され得る。
【0075】
用語「増幅産物」および「アンプリコン」は、本明細書中で本質的に交換可能に使用され、そして任意の増幅反応の増幅の任意のサイクルから産生される核酸配列をいい、例えば、文脈から明らかでない限り、第1のアンプリコンは、第1の増幅反応の間に産生され、そして第2のアンプリコン産物は、第2の増幅反応の間に産生される。アンプリコンは、二本鎖増幅産物から得られる分離した構成要素の鎖を含む二本鎖または一本鎖のいずれかであり得る。
【0076】
特定の実施形態において、増幅技術は、増幅の少なくとも1つのサイクル(例えば、プライマーを標的領域フランキング配列またはアンプリコンのプライマー結合部位(または必要な場合、いずれかの相補体)に選択的にハイブリダイズさせる工程;ポリメラーゼを使用して鋳型依存的様式でヌクレオチドの鎖を合成する工程;および得られた核酸二重鎖を変性させてその鎖を分離する工程であるが、これらに限定されない)を含む。そのサイクルは、繰り返されても繰り返されなくてもよい。
【0077】
増幅は、温度循環(thermocycling)を含み得るか、または等温的に行な
われ得る。いくつかの実施形態において、増幅することは、サーモサイクラー(例えば、GeneAmp(登録商標)PCR System 9700サーモサイクラー、9600サーモサイクラー、2700サーモサイクラー、または2400サーモサイクラー(全て、Applied Biosystems製)であるが、これらに限定されない)を含む。いくつかの実施形態において、二本鎖増幅産物は、最初に変性されないが、1つ以上のその後の工程においてそれらの二本鎖形態で使用される。特定の実施形態において、一本鎖アンプリコンは、増幅反応(例えば、非対称PCRまたはA−PCRであるが、これらに限定されない)において産生される。
【0078】
本教示によるプライマー伸長は、鋳型にアニーリングしているプライマーを、鋳型依存性ポリメラーゼを使用して5’から3’の方向に伸ばすことを包含する増幅プロセスである。特定の実施形態にしたがって、適切な緩衝液、塩、pH、温度、および適切なdNTP(少なくとも1つのMSAを含み得るが、それを含む必要はない)を用いて、鋳型依存性ポリメラーゼは、アニーリングしたプライマーの3’末端にて開始して鋳型鎖に相補的なヌクレオチドを組み込んで相補鎖を産生する。特定の実施形態において、プライマー伸長のために使用されるポリメラーゼは、5’−エキソヌクレアーゼ活性、3’−エキソヌクレアーゼ活性、またはその両方を欠くかまたは実質的に欠く。特定のプライマー伸長反応の説明は、別の場所において、Sambrookら、SambrookおよびRussell、ならびにAusubelらに見出され得る。
【0079】
特定の実施形態において、増幅反応は、多数のことなる標的領域、多数の異なる増幅産物種、またはその両方が多数の異なるプライマー対を使用して同時に増幅される多重増幅(例えば、Henegariuら、BioTechniques 23:504−11、1997;およびRapley(特に、第79章)を参照のこと)を含む。本開示の方法の特定の実施形態は、多重増幅反応および一重増幅反応(並行して行なわれる多数の一重反応を含む)を含む。
【0080】
特定の実施形態において、増幅する反応は、非対称PCRを含む。特定の実施形態にしたがって、非対称PCRは、以下を含む増幅組成物を含む:(i)プライマー対の対応するプライマーに対して過剰(例えば、5倍過剰、10倍過剰、または20倍過剰であるが、これらに限定されない)な1つのプライマが存在する少なくとも1つのプライマー対;(ii)順方向プライマーのみかまたは逆方向プライマーのみを含む少なくとも1つのプライマー対;(iii)一方の鎖の増幅をもたらすプライマーおよび無力化される対応するプライマーを所与の増幅条件の間に含む少なくとも1つのプライマー対;あるいは(iv)上記の(i)および(iii)の両方の記載を満たす少なくとも1つプライマー対。結果的に、gDNA標的領域または増幅産物が増幅される場合、次なる増幅産物の過剰(その相補体と比較して)な一方の鎖が、産生される。非対称PCRの記載は、別の場所において、McPherson(特に、第5章);およびRapley(特に、第64章)に見出され得る。
【0081】
特定の実施形態において、少なくとも1つのプライマー対を使用し得、一方のプライマーの融解温度(Tm50)は、他方のプライマーのTm50よりも高い(時として、A−PCRと称される(例えば、公開された米国特許出願第2003−0207266
A1号を参照のこと))。特定の実施形態において、順方向プライマーのTm50は、対応する逆方向プライマーのTm50とは少なくとも4〜15℃異なる。特定の実施形態において、順方向プライマーのTm50は、対応する逆方向プライマーのTm50とは少なくとも8〜15℃異なる。特定の実施形態において、順方向プライマーのTm50は、対応する逆方向プライマーのTm50とは少なくとも10〜15℃異なる。特定の実施形態において、順方向プライマーのTm50は、対応する逆方向プライマーのTm50とは少なくとも10〜12℃異なる。特定の実施形態において、少なくとも1つのプライマー
対において、順方向プライマーのTm50は、対応する逆方向プライマーのTm50と、少なくとも約4℃、少なくとも約8℃、少なくとも約10℃、または少なくとも約12℃異なる。
【0082】
A−PCRの特定の実施形態において、プライマー対におけるプライマーのTm50の差に加えて、プライマー対における他方のプライマーに対して過剰な一方のプライマーが、存在する。特定の実施形態において、プライマー対における他方のプライマーに対して5倍〜20倍過剰な一方のプライマーが、存在する。A−PCRの特定の実施形態において、プライマー濃度は、少なくとも50nMである。
【0083】
特定の実施形態に従うA−PCRにおいて、増幅の第1サイクルにおいて、両方のプライマーがアニーリングし、そして二本鎖アンプリコンの両方の鎖またはgDNAが増幅されるような従来のPCRを使用し得る。しかし、同じ増幅反応のその後のサイクルにおいて温度を上昇させることによって、一方のみの鎖が増幅されるような低いTによってプライマーを無力化し得る。したがって、低いTを有するプライマーが無力化されるA−PCRのその後のサイクルは、非対称増幅をもたらす。結果的に、標的領域または増幅産物が増幅される場合、次なる増幅産物の過剰(その相補体と比較して)な一方の鎖が、産生される。
【0084】
A−PCRの特定の実施形態にしたがって、増幅のレベルは、従来のPCR周期の第1の相の間に、サイクル数を変えることによって制御され得る。このような実施形態において、最初の従来のサイクル数を変えることによって、低いTを有するプライマーが無力化されるより高い温度でのPCRのその後のサイクルに供される二本鎖増幅産物の量を、変化させ得る。
【0085】
増幅反応を最適化する特定の方法は、当業者にとって公知である。例えば、PCRはアニーリング、重合、および変性の時間および温度を変化させること、ならびに反応組成物中の緩衝液、塩、および他の試薬を変えることによって最適化され得ることが、公知である。最適化はまた、使用されるプライマーの設計によって影響され得る。例えば、プライマーの長さ、およびG−C:A−T比は、プライマーのアニーリングの効率を変化させ、したがって増幅反応を変化させ得る。増幅の最適化の記載は、別の場所において、James G.Wetmur、「Nucleic Acid Hybrids,Formation and Structure」、Molecular Biology and
Biotechnology、pp.605−8(Robert A.Meyers編、1995);McPherson(特に、第4章);Rapley;およびProtocols & Applications Guide、rev.9/04、Promegaに見出され得る。
【0086】
特定の増幅組成物は、dUTPおよびウラシル−N−グルコシダーゼ(UNG)を含む。dUTPおよびUNGの使用の記載は、例えば、Kwokら、Nature、339:237−238、1989;およびLongoら、Gene、93:125−128、1990に見出され得る。
【0087】
いくつかの実施形態において、「洗浄(clean−up)」工程または「精製」工程が、増幅反応の後に続き、増幅組成物の少なくともいくつかの成分は、少なくともいくつかのアンプリコンから除去され、それによってそのアンプリコンが精製される。精製することは、代表的に、酵素(例えば、ヌクレアーゼまたはホスファターゼ)を含む分解手段、あるいは物理的分離手段(例えば、スピンカラム)またはハイブリダイゼーションに基づく分離(例えば、ハイブリダイゼーションベースのプルアウト)を含む分離手段を含む。例えば、組み込まれていないプライマー、組み込まれていないNTP、酵素(ポリメラ
ーゼを含む)、塩、他の増幅組成物成分、またはそれらの組み合わせのうちの少なくともいくつかを分解および/または分離することであるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、増幅産物を精製することは、「スピンカラム」もしくは他の遠心分離手段またはゲルベースの分離手段;例えば、エキソヌクレアーゼ、ホスファターゼ、もしくはその両方(例えば、ExoSAP−It(登録商標)試薬.USB Corp.Cleveland、OH)(すなわち、エキソヌクレアーゼおよびアピラーゼ)を含む分解反応;ハイブリダイゼーションベースの分離手段;あるいは沈殿工程(例えば、塩(例えば、酢酸ナトリウムまたは酢酸カリウム)の存在下でのエタノール沈殿であるが、これに限定されない)。当業者は、特定の実施形態において、増幅産物を精製することが、とりわけ、その後の増幅反応において必要とされるプライマーの量を減少させ得、可能な副反応を減少させ得、そして/または先の増幅反応由来の組み込まれていないプライマーおよび/もしくはdNTPに起因する競合を低下させ得ることを、認識する。
【0088】
用語「分解すること」は、本明細書中で広い意味で使用され、そして組み込まれていないdNTPまたはヌクレオチドアナログが、代表的に、ホスファターゼによる酵素分解によって組み込み不可能にされるか、;組み込まれていないプライマーが、代表的に、ヌクレアーゼによって消化されるか;またはその両方である任意の技術をいう。
【0089】
いくつかの実施形態において、精製することは、ヌクレアーゼ(例えば、DNase(例えば、エキソヌクレアーゼI、大豆ヌクレアーゼ、S1ヌクレアーゼ、エキソヌクレアーゼT、またはそれらの組み合わせであるが、これらに限定されない))を含む。いくつかの実施形態において、dNTPおよび/または組み込まれていないプライマーは、分解される。いくつかの実施形態において、組み込まれていないdNTPは、アピラーゼまたはホスファターゼ(エビ由来アルカリホスファターゼ(SAP)または仔ウシの腸内ホスファターゼ(CIP)を含む)を使用して分解される。いくつかの実施形態において、組み込まれていないプライマーおよび組み込まれていないdNTPを分解することは、アピラーゼ、無機ピロリン酸(PPi)、およびエキソヌクレアーゼを含む。当業者は、所望のポリヌクレオチド(代表的に、増幅産物)が分解されないかまたは少なくとも実質的に分解されない一方で、組み込まれていないプライマーおよびdNTPが分解される、組み込まれていないプライマーおよび/または組み込まれていないdNTPを分解するための方法(これに限定されない)が、代表的には提供されることを認識する。
【0090】
いくつかの実施形態において、組み込まれていないプライマー、組み込まれていないdNTP、増幅組成物試薬、またはそれらの組み合わせは、例えば、ゲルまたはカラムによる精製、沈降、濾過、ビーズ(ストレプトアビジンコーティングビーズを含む)、磁気分離、またはハイブリダイゼーションベースのプルアウト(ハイブリダイゼーションタグを含む増幅産物を固体支持体にアニーリングさせることを含む)(これらに限定されない)によって増幅産物から分離される。このような分離技術のための多くのキットおよび試薬は、市販されている(Wizard(登録商標)MagneSilTM PCR Clean−Up System(Promega)、MinElute PCR Purification Kit、QiAquick Gel Extraction Kit、QiAquick Nucleotide Removal Kit、QiAquick
96 PCR Purification KitまたはBioRobot Kit(全て、Qiagen、Valencia、CA製)、Dynabeads(登録商標)(Dynal Biotech)、あるいはABI PRISM(登録商標)DuplexTM 384 Well F/R Sequence Capture Kit(Applied Biosystems P/N 4308082)が挙げられる)。いくつかの実施形態において、増幅産物は、その後の増幅する反応の前に精製されない。
【0091】
特定の実施形態において、本開示の方法およびキットは、固体支持体を含む。固体支持
体の非限定的な例としては、アガロース、セファロース、ポリスチレン、ポリアクリルアミド、ガラス、メンブレン、シリカ、半導体物質、シリコン、有機ポリマー;光学的に同定可能なマイクロシリンダー;変換器を備えるバイオセンサー;適切に処理またはコーティングされた反応容器および表面(例えば、微量遠心チューブまたは反応チューブ、複数ウェルマイクロプレートのウェル、ならびにガラススライド、石英スライドまたはプラスチックスライドおよび/またはカバースリップであるが、これらに限定されない);ならびにビーズ(例えば、磁性ビーズ、常磁性ビーズ、ポリマービーズ、金属ビーズ、色素によって含浸または標識されたビーズ、コーティングされたビーズ、ガラスビーズ、マイクロスフェアおよびナノスフェアであるが、これらに限定されない)が挙げられる。いくつかの実施形態において、固体支持体は、分離する工程および/または検出する工程において使用される(例えば、増幅産物を精製および/または分析するためであるが、これらに限定されない)。当業者は、多数の固体支持体が本開示の方法およびキットにおいて使用され得ること、ならびに固体支持体の形状および組成が一般には限定されていないことを認識する。
【0092】
いくつかの実施形態において、本教示の方法は、Q−PCR反応の前、Q−PCR反応の後、またはQ−PCR反応との組み合わせで行なわれる。用語「定量的PCR」(すなわち、「Q−PCR」)とは、特異的核酸配列に対するポリメラーゼ連鎖反応の結果を定量するために使用される種々の方法をいう。このような方法は、代表的に、一般に、限界サイクル(C)を決定することなどの増幅因子を決定または比較する速度論ベースのシステム、あるいは一般に、標的および標準的な鋳型の同時増幅から産生される産物の量を比較する同時増幅方法として分類される。多くのQ−PCR技術は、レポータープローブ、挿入剤、またはその両方を含む。例えば、TaqMan(登録商標)プローブ(Applied Biosystems)、i−プローブ、分子ビーコン、Eclipseプローブ、スコルピオンプライマー、LuxTMプライマー、FRETプライマー、エチジウムブロマイド、SYBR(登録商標)Green I(Molecular Probes)、およびPicoGreent(登録商標)(Molecular Probes)であるが、これらに限定されない。
【0093】
いくつかの実施形態において、本教示の方法は、配列決定反応の前、配列決定反応の後、または配列決定反応との組み合わせで行なわれる。用語「配列決定すること」は、本明細書中で広い意味で使用され、そして同定されるべきポリヌクレオチドの少なくとも一部における少なくともいくつかの連続したヌクレオチドの順序を与える当該分野において公知である任意の技術をいう。配列決定技術のいくつかの非限定的な例としては、Sangerのジデオキシターミネーター法ならびにMaxamおよびGilbertの化学的切断法(それらの方法のバリエーションを含む);ハイブリダイゼーションによる配列決定;ならびに制限酵素マッピングが挙げられる。いくつかの配列決定方法は、電気泳動(キャピラリー電気泳動およびゲル電気泳動を含む);ハイブリダイゼーション(マイクロアレイハイブリダイゼーションを含む)による配列決定;質量分析;および単一分子検出を含む。いくつかの実施形態において、配列決定は、直接的配列決定、二重鎖配列決定、サイクルシークエンシング、一塩基伸長配列決定(SBE)、固相配列決定、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、配列決定は、機器(例えば、ABI
PRISM(登録商標)377 DNA Sequencer、ABI PRISM(登録商標)310、3100、3100−Avant、3730、または3730xl Genetic Analyzer、ABI PRISM(登録商標)3700 DNA
Analyzer(全て、Applied Biosystems製)、あるいは質量分析器であるが、これらに限定されない)を使用して配列決定する産物を検出することを含む。いくつかの実施形態において、配列決定は、dNTP(dATP、dCTP、dGTP、dTTP、dUTP、dITP、またはそれらの組み合わせを含む)を増幅産物に組み込み、そしてdNTPのジデオキシリボヌクレオチドバージョンを増幅産物に含める
ことを含む。
【0094】
当業者は、使用される配列決定方法が代表的に本発明の方法の限定ではないことを、認識する。むしろ、対応する伸長産物の少なくとも一部の少なくともいくつかの連続したヌクレオチドまたは伸長産物に由来するベクター挿入物の少なくとも一部の少なくともいくつかの連続したヌクレオチドの順序を提供する任意の配列決定技術が、代表的に、本方法によって使用され得る。配列決定技術の記載は、別の場所において、McPherson(特に、第5章);SambrookおよびRussell;Ausubelら;Siuzdak、The Expanding Role of Mass Spectrometry in Biotechnology、MCC Press、2003(特に、第7章);およびRapleyに見出され得る。
【0095】
用語「分析すること」は、第1のアンプリコン、第1のアンプリコンの部分、第2のアンプリコン、第2のアンプリコンの部分、またはそれらの組み合わせに関して使用される場合、アンプリコンまたは得られるアンプリコンの少なくとも一部の1つ以上のパラメータを与える任意の技術を含む。特定の実施形態において、分析することは、(1)1つのアンプリコンを別のアンプリコン種(異なる標的領域に由来するアンプリコンおよび同じ標的領域に由来するがメチル化の異なる程度(例えば、完全にメチル化されている、メチル化されていない、そして中間レベルのメチル化(時として、「関連したアンプリコン」の群またはファミリーと称される))を有するアンプリコンを含む)から(少なくとも部分的に)分離すること、(2)分離されたアンプリコンおよび/または部分的に分離されたアンプリコンを検出すること、および(3)1つ以上のアンプリコンパラメータ(例えば、アンプリコンピーク高さ、アンプリコンピーク下の積分した面積、およびアンプリコン強度(組み込まれた蛍光レポーター基の蛍光強度、組み込まれた生物発光レポーター基、化学発光レポーター基、および/またはリン光レポーター基の発光強度、ならびに組み込まれた同位体の放射能強度を含む))を得て、それを評価することを含む。代表的に、1つのアンプリコンの1つ以上のパラメータは、標的領域メチル化の程度を決定する(定性的決定、半定量的決定、および定量的決定を含む)ために、別のアンプリコンの同じパラメータと比較される。少なくとも1つ標的領域のメチル化の程度は、代表的に、推測(例えば、改変されたサンプルに由来するアンプリコンが改変型ヌクレオチドまたはその相補体を含むか否かを決定すること、および対応する標的領域がメチル化されているかまたはメチル化されていないかを推測することであるが、これらに限定されない)によって決定される。
【0096】
いくつかの実施形態において、本開示の方法およびキットは、マイクロフルイディクスデバイス、「ラボオンチップ(lab on a chip)」、またはマイクロトータル分析システム(micrototal analytical system)(μTAS)を含む。いくつかの実施形態において、サンプル調製は、マイクロフルイディクスデバイスを使用して行なわれる。いくつかの実施形態において、増幅反応は、マイクロフルイディクスデバイスを使用して行なわれる。いくつかの実施形態において、配列決定またはQ−PCR反応は、マイクロフルイディクスデバイスを使用して行なわれる。いくつかの実施形態において、増幅産物の少なくとも一部のヌクレオチド配列は、マイクロフルイディクスデバイスを使用して得られる。例示的なマイクロフルイディクスデバイスの記載は、別の場所において、公開されたPCT出願第WO/0185341号および同第WO 04/011666号;KartalovおよびQuake、Nucl.Acids Res.32:2873−79、2004;ならびにFioriniおよびChiu、BioTechniques 38:429−46、2005に見出され得る。
【0097】
(特定の例示的な実施形態)
本教示は、標的領域内の特定の標的ヌクレオチドを改変し、次いでその改変された標的
領域のアンプリコンを分析することによって、少なくとも1つの標的領域のメチル化の程度を決定するためおよび所与の標的領域中のメチル化されているヌクレオチドの数を定量するための方法およびキットを、提供する。特定のgDNA標的領域は同じ数のヌクレオチドを有するが、そのgDNA標的領域がいくつかのメチル化されているヌクレオチドを含むか、またはそのgDNA標的領域が全体的にメチル化されていないヌクレオチドからなるかにかかわらず、本発明者らは、本教示にしたがって改変剤による処理後に、このようなメチル化されている標的領域に由来するアンプリコン、部分的にメチル化されている標的領域に由来するアンプリコン、およびメチル化されていない標的領域に由来するアンプリコンが、適切な条件下でそれらの相対的な移動度に基づいて区別され得;そして対応するgDNA標的領域のメチル化の程度が、推測され得ることを見出した。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのMSAは、特定のアンプリコン中に組み込まれ、そしてメチル化されている標的領域に由来するアンプリコン、部分的にメチル化されている標的領域に由来するアンプリコン、およびメチル化されていない標的領域に由来するアンプリコンが、それらの相対的な移動度に基づいて区別され得;そしてサンプル中の対応するgDNA標的領域のメチル化の程度が、推測され得る。特定の実施形態において、gDNA標的領域中のメチル化されているヌクレオチドの数が、決定され得る。いくつかの実施形態において、二本鎖アンプリコンの移動度または二本鎖アンプリコンの少なくとも一部の移動度が、移動度依存性分析技術を使用して分析される。いくつかの実施形態において、一本鎖アンプリコンの移動度または一本鎖アンプリコンの少なくとも一部の移動度が、移動度依存性分析技術を使用して分析される。いくつかの実施形態において、移動度依存性分析技術は、電気泳動(例えば、ゲル電気泳動およびキャピラリー電気泳動であるが、これらに限定されない)を含む。いくつかの実施形態において、少なくとも2つのアンプリコンは、それらが少なくとも2つの個別のピークとして検出されるように、完全に分離される(例えば、図1、下部の左側を参照のこと)。いくつかの実施形態において、2つのアンプリコンは、完全には分離されず、そして部分的に重複するが区別可能な2つのピークとして検出される(例えば、図1、中央の左側を参照のこと)。本教示にしたがい、少なくとも1つのMSAを少なくとも1つアンプリコン中に組み込むことならびに/または1つ上の分離条件(例えば、緩衝液組成、pH、温度、ポリマー組成および/または濃度であるが、これらに限定されない)およびキャピラリーの長さを変えることによって、重複する2つのアンプリコンピークは、少なくとも部分的に分離され得るか、部分的に重複する2つのアンプリコンピークは、完全に分解され得るか、またはその両方であり得る。
【0098】
特定の実施形態において、アンプリコンは、フラグメントが機器(例えば、キャピラリー電気泳動機器)の検出器アセンブリを通過するときに、UV吸収またはレーザー誘導性の蛍光によって自動的に検出され、検出データは、コンピューターに収集および保存され、そしてその検出データは、フラグメントの移動度および特定の他の関連するパラメータ(例えば、ピーク高さ、ピーク下面積、蛍光強度などであるが、これらに限定されない)を決定するために、付属のソフトウェアによって分析される。特定の実施形態において、標的領域メチル化の程度は、完全にメチル化されている標的領域のアンプリコン、少なくともいくつかの中間のメチル化を有する対応する標的領域のアンプリコン、および/または対応するメチル化されていない標的領域のアンプリコンについての1つ以上の移動パラメータの比を得ることによって決定される。このような分析は、少なくとも1つの試験アンプリコンパラメータと少なくとも1つのコントロールアンプリコンパラメータとの比較を含み得、その試験アンプリコンは、評価される標的領域に由来する。
【0099】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの標的領域のメチル化の程度を決定することは、内部標準またはコントロール配列(例えば、対応する標的領域についての検量線、サイズの内部標準、完全にメチル化されている標的領域のコントロール配列、完全にメチル化されていない標的領域のコントロール配列、既知の中間レベルのメチル化を含む標
的領域のコントロール配列、またはそれらの組み合わせ)を評価することを含む。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの標的領域のメチル化の程度を分析することは、少なくとも1つの試験アンプリコンと少なくとも1つコントロール配列アンプリコンとの相対的な移動速度または他の測定可能なパラメータを比較することを含む。いくつかの実施形態において、コントロール配列は、レーン間、キャピラリー間、および/またはアッセイ間の変動性を説明するために使用される。
【0100】
本開示の方法は、1つの標的領域または複数の異なる標的領域のメチル化の程度を決定するための「独立型(stand−alone)」技術として機能し得る(例えば、多重反応または並行した一重反応のシリーズであるが、これらに限定されない)。本開示の方法はまた、他の分子生物学方法(例えば、Q−PCR、配列決定法、または特定の他のメチル化分析技術(例えば、FragaおよびEsteller、BioTechniques 33:632−49、2002;DNA Methylation Protocols、MillsおよびRamsahoye(編)、Humana Press、2002;ならびに米国特許第6,331,393号を参照のこと)であるが、これらに限定されない)と組み合わせてか、その分子生物学方法の前か、またはその分子生物学方法の後に使用され得る。特定の本開示の方法の前か、その後か、そして/またはそれとの組み合わせで使用され得るメチル化の検出方法および/または定量方法の非限定的な例としては、改変された標的領域および/または改変されていない標的領域の融解曲線分析、メチル化特異的PCR(MSP)、MethyLight、メチルアクセプターアッセイ、酵素的局所メチル化アッセイ(ERMA)、メチル化感受性制限エンドヌクレアーゼおよびメチル化不感性制限エンドヌクレアーゼ(例えば、HpaII/MspIイソ制限酵素対であるが、これに限定されない)を使用した特定のアッセイ、混合型の亜硫酸水素塩制限分析(combined bisulfate restriction analysis)(COBRA)、ライゲーション媒介PCR(ligation−mediated PCR)を伴うか、またはそれを伴わないヒドラジンおよび/または過マンガン酸塩処理、制限酵素ランドマークゲノムスキャニング(RLGS)、識別的メチル化ハイブリダイゼーション、メチル化特異的オリゴヌクレオチドマイクロアレイ技術、ヌクレオチド組み込みによるメチル化アッセイ(MANIC)、メチル化感受性一ヌクレオチドプライマー伸長(Ms−SnuPE)、ピロシークエンスメチル化分析(PyroMethA)、DHPLCベースのDNAメチル化分析;ならびに亜硫酸水素塩ゲノム配列決定(例えば、Hermanら、Proc.Natl.Acad.Sci.93:9821−26、1996;Yamamotoら、BioTechniques 36(5):846−54、2004;Eadsら、Nucl.Acids Res.28(8):e32、2000;Collelaら、BioTechniques、35(1):146−50、2003;XiongおよびLaird、Nucl.Acids Res.25(12):2532−34,1997;Granauら、Nucl.Acids Res.、29(13):e65、2001;Couvertら、BioTechniques 34(2):356−62、2003;ならびにKupperら、BioTechniques 23(5):843−46、1997を参照のこと)が挙げられる。
【0101】
いくつかの実施形態において、増幅組成物は、DNAポリメラーゼ、プライマー対、dATPと、dCTPと、dGTPと、dTTPと、(i)dCTPのMSA、(ii)dGTPのMSA、または(iii)dCTPのMSAおよびdGTPのMSAとを含むヌクレオチドの混合物を含む。特定のこのような実施形態において、プライマー対は、逆方向プライマーに対する順方向プライマーの等しくないモル比を含み、そして増幅反応は、複数サイクルの非対称PCRを包含し、後のサイクルは、代表的に、線形増幅を含む。特定のこのような実施形態において、ヌクレオチドの混合物は、dATP、dCTP、dGTP、dTTP、およびddNTP(例えば、第1のレポーター基を含むddCTP、第2のレポーター基を含むddGTP、または第1のレポーター基を含むddCTPおよび
第2のレポーター基を含むddGTPであるが、これらに限定されない)を含む。特定のこのような実施形態において、増幅産物の少なくとも一部が、分析され、そして少なくとも1つの標的領域のメチル化の程度が、決定される。
【0102】
特定の実施形態において、2つ以上のサンプル中の標的領域のメチル化の程度が、同一であるかまたは並行した反応において決定される。いくつかの実施形態において、本開示の方法およびキットは、特定の二次的増幅産物の存在および観察されるべきプライマーダイマーの形成を可能にする。このような増幅アーチファクトは、いくつかの定量的方法において不正確性をもたらし得るが、その方法において検出されない可能性がある。
【0103】
本開示の方法にしたがって、少なくとも1つのgDNA標的領域を含むサンプルは、改変剤に曝され、そして改変されたサンプルが、得られる。用語「改変されたサンプル」とは、少なくとも1つの改変型ヌクレオチドを産生するために改変剤に適した条件下で改変剤に曝されたサンプルをいう。代表的に、改変剤は、gDNA中の少なくとも1つの標的ヌクレオチドと相互作用するか、またはその標的ヌクレオチドを変換して、少なくとも1つの改変型ヌクレオチドを産生する。適切な改変剤として機能し得る化合物の非限定的な例としては、亜硫酸水素化合物(例えば、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素マグネシウム、亜硫酸水素マンガン、亜硫酸水素カリウム、亜硫酸水素アンモニウムであるが、これらに限定されない);5−ブロモウラシル;および特定のスルフヒドリル化合物(例えば、メルカプトエタノール、システインメチルエステル、グルタチオン、およびシステアミンであるが、これらに限定されない)が挙げられる。例示的な改変剤の記載は、別の場所において、Hayatsu、Prog.Nucl.Acid Res.Mol.Biol.16:75−124、1975;Hayatsu、Proc.Japanese Acad.Ser.B、80:189−94、2004;BoydおよびZon、Anal.Biochem.326:278−80、2004;米国特許出願第101926,530号;ならびに公開された米国特許出願第US 2005−008989A1号に見出され得る。
【0104】
特定の実施形態において、gDNAを含むサンプルは、メチル化されていないシトシン(「標的ヌクレオチド」)をウラシル(「改変型ヌクレオチド」)に変換する改変剤(亜硫酸水素ナトリウム)によって処理されるが、メチル化されているシトシン(同様に、標的ヌクレオチド)は、一般に、非反応性である。亜硫酸水素処理したgDNA中の少なくとも1つの標的領域は、代表的には標的特異的プライマーを使用したPCRによって増幅されて、ウラシル残基がチミンに変換される第1のアンプリコンを生じるが、メチル化されているシトシンは、シトシンとして増幅される。混合された細胞集団を含むサンプル(例えば、正常細胞および癌性細胞の両方を含む腫瘍生検サンプルであるが、これに限定されない)の場合において、種々の細胞亜集団から増幅されたDNAのシトシン含量は、非常に異なり得、メチル化されていないDNAは、変換後にTが豊富でありかつCが欠乏しており、一方で、メチル化されている標的領域由来のアンプリコンは、少なくともある程度の元のシトシン含量を保持し得る。
【0105】
特定の実施形態において、2つ以上の異なるサンプルは、2つ以上の異なる改変されたサンプルを得るために、別個の反応において個別に改変剤に対して曝される。いくつかの実施形態において、2つ以上の異なる改変されたサンプルは、本開示の方法に従って並行した反応において増幅され、そして2つ以上のサンプル中の少なくとも1つの標的領域のメチル化の程度が、比較される。
【0106】
特定の方法に従って、少なくとも1つのgDNA標的領域を含むかまたはそれを含むと推定される少なくとも1つのサンプルは、代表的には少なくとも1つの改変型ヌクレオチドを含む少なくとも1つの改変されたサンプルを得るために、改変剤に曝される。特定の
実施形態において、改変剤は、亜硫酸水素ナトリウムを含み、そして改変型ヌクレオチドは、メチル化されていないシトシンに由来するウラシルを含む。少なくともいくつかの改変されたサンプルと、評価される各標的領域に対する標的特異的プライマー対と、適切なdNTPの混合物と、第1のDNAポリメラーゼとを含む第1の増幅組成物が、形成される。第1の増幅組成物は、増幅の少なくとも1つのサイクルに供され、そして第1の増幅産物が、産生される。いくつかの方法に従って、増幅のサイクルは、増幅の多数のサイクル(例えば、約3サイクル〜約45サイクル(明示的に、3〜45の全ての数を含む)であるが、これに限定されない)を含む。第1の増幅産物は、それらの相対的な移動速度を決定するために、代表的には移動度依存性分析技術を使用して分析され、そして少なくとも1つの標的領域についてのメチル化の程度が、推測される。特定の実施形態において、少なくとも1つアンプリコンの移動速度は、検量線を使用してか、またはコントロール配列(例えば、1つ以上のサイズ標準(既知のヌクレオチドおよび/またはアナログの組成および長さの1つ以上の核酸フラグメントを含む)であるが、これに限定されない)との比較によって決定される。いくつかの実施形態において、分析することは、第1のアンプリコンまたは改変された標的領域の配列の少なくとも一部を含む第1のアンプリコンの少なくとも1つの鎖もしくはその相補体に存在する改変型ヌクレオチドまたはその相補体の数を決定することを含む。
【0107】
いくつかの実施形態において、図1に示されるように、少なくともいくつか改変されたサンプルと、標的特異的プライマー対と、DNAポリメラーゼと、デオキシリボヌクレオシド三リン酸(dNTP)の混合物とを含む第1の増幅組成物が、形成される。標的特異的プライマー対は、(a)上流の標的フランキング配列の相補体と同じであるかまたは実質的に同じであり、かつ上流の標的フランキング配列の相補体と選択的にハイブリダイズするように設計される配列を含む第1の標的特異的部分と、必要に応じて、(b)第1の標的特異的部分の上流に位置するプライマー結合部位を含む尾部とを含む(1)順方向標的特異的プライマー;ならびに(a)下流の標的フランキング配列と相補的であるかまたは実質的に相補的であり、かつ下流の標的フランキング配列と選択的にハイブリダイズするように設計される配列を含む第2の標的特異的部分と、必要に応じて、(b)第2の標的特異的部分の上流に位置するプライマー結合部位を含む尾部とを含む(2)逆方向標的特異的プライマーを含む。第1の反応組成物は、代表的に、鋳型変性と、プライマーのアニーリングと、プライマー伸長との連続的な工程を包含する増幅の少なくとも1つのサイクルに供され、そして図1に示されるように、第1の二本鎖アンプリコンが、産生される。いくつかの実施形態において、増幅反応は、非対称PCRまたはA−PCRを含み、そして少なくともいくつかの第1の一本鎖アンプリコンが、産生される。特定の実施形態において、一本鎖アンプリコンおよび二本鎖アンプリコンの両方が、増幅反応の間に産生される。
【0108】
いくつかの実施形態において、第1のアンプリコンの少なくとも一部、第2のアンプリコンの少なくとも一部、またはその両方が、代表的には移動度依存性分析技術を使用して分析される。いくつかの実施形態において、分析することは、水平型または垂直型のスラブゲル上でのゲル電気泳動を含み、そしてアンプリコンまたはアンプリコンフラグメントの移動速度または他の測定可能なパラメータが、決定される。特定の実施形態において、分析することは、キャピラリー電気泳動を含み、そしてアンプリコンまたはアンプリコンのフラグメントの移動速度または他の測定可能なパラメータが、決定される。いくつかの実施形態において、アンプリコンまたはアンプリコンフラグメントは、少なくとも1つのコントロール配列(例えば、分子サイズマーカーであるが、これに限定されない)または同じ標的領域に由来するが既知の程度のメチル化を有するアンプリコンもしくはアンプリコンのセットと一緒に同時に電気泳動される。いくつかの実施形態において、アンプリコンの相対的なピーク高さ、ピーク(曲線)下面積、または別の測定可能なパラメータが、少なくとも1つの標的領域のメチル化の程度を評価するために、代表的にはコンピュータ
ーおよび付属のソフトウェアによって決定される。いくつかの実施形態において、所与のアンプリコンまたはアンプリコンの少なくとも一部についての相対的なピーク高さまたはピーク下面積は、少なくとも1つ標的領域のメチル化の程度を評価するために、検量線と比較される。
【0109】
例示目的であるが限定としてではなく、混合された細胞集団を含む例示的な生検標本が、とりわけ、標的領域Aのメチル化の程度を決定するために、癌患者から得られる。例示の標的領域Aは、5個のCG対を含み、そして上記標本中のgDNAは、完全にメチル化されている(すなわち、5個全てのCG対が、5mCを含む)標的領域Aのいくつかのコピー、2個のCG対と3個の5mCG対とを含む(部分的にメチル化されている)いくつかのコピー、メチル化されていない(5mCGなし)いくつかのコピーを含む。gDNAは、上記標本から抽出され、そしてサンプルは、改変されたサンプルを産生するために、亜硫酸水素ナトリウムに曝される。標的領域Aは、標的領域A特異的プライマー対を含む第1の増幅組成物においてPCRによって増幅され、順方向の標的領域A特異的プライマーは、蛍光レポーター基、DNAポリメラーゼ、およびdNTPの混合物を含む。完全にメチル化されている標的領域Aに由来するアンプリコンの順方向鎖は、5個のCを含み、標的領域Aの部分的にメチル化されているコピーに由来するアンプリコンの順方向鎖は、3個のCを含み、そして標的領域Aのメチル化されていないコピーに由来するアンプリコンの順方向鎖は、(フランキング配列および/またはプライマー尾部に存在し得る任意のCを除外して)Cを全く含まない。これらの例示的な第1のアンプリコンは、適切なDNAサイズラダーを伴うキャピラリー電気泳動によって分析され、そして異なり、部分的に重複する3つのアンプリコンピークが、検出され、それらのピークは、標的領域Aの完全にメチル化されている種、少なくとも1つの部分的にメチル化されている種、およびメチル化されていない種がサンプル中に存在することを示す。
【0110】
特定の方法に従って、少なくとも1つのgDNA標的領域を含むかまたはそれを含むと推定される少なくとも1つのサンプルは、少なくとも1つの改変型ヌクレオチドを含む少なくとも1つの標的領域を含む少なくとも1つの改変されたサンプルを産生するために、改変剤に曝される。少なくともいくつかの改変されたサンプルと、評価される各標的領域に対する標的特異的プライマー対と、少なくとも1つMSAを含む適切なdNTPの混合物と、第1のDNAポリメラーゼとを含む第1の増幅組成物が、形成される。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの標的特異的プライマー対の順方向プライマー、逆方向プライマー、または順方向プライマーおよび逆方向プライマーは、レポーター基(例えば、蛍光レポーター基であるが、これに限定されない)を含む。第1の増幅組成物は、増幅の少なくとも1つのサイクルに供され、そして少なくとも1つの組み込まれたMSAを含む第1の増幅産物が、産生される。増幅産物中への少なくとも1つのMSAの組み込みは、MSAを除いて同じ配列を有する増幅産物(例えば、4種の天然のヌクレオチドを含むアンプリコンであるが、これに限定されない)と比較して、増幅産物の移動度を変化させる。特定の実施形態において、増幅のサイクルは、多数のサイクル(例えば、約3サイクル〜約45サイクル(明示的に、3〜45の全ての数字を含む)であるが、これに限定されない)にわたって繰り返される。少なくとも1つの組み込まれたMSAを含む第1の増幅産物は、それらの相対的な移動速度または他の測定可能なアンプリコンパラメータを決定するために分析され、そして少なくとも1つの標的領域についてのメチル化の程度が、推測される。いくつかの実施形態において、分析することは、第1のアンプリコンまたは改変された標的領域の配列の少なくとも一部を含む第1の二本鎖アンプリコンの少なくとも1つの鎖もしくはその相補体に存在する改変型ヌクレオチドまたはその相補体の数を決定すること含む。
【0111】
特定の実施形態において、少なくともいくつかの亜硫酸水素改変されたサンプルと、標的特異的プライマー対と、ポリメラーゼと、MSAを含む適切なdNTPの混合物とを含
む第1の増幅組成物が、形成される。特定の実施形態において、少なくとも1つのMSAを含む適切なdNTPの混合物は、dATP、dCTP、dTTP、ならびに(i)dCTPの移動度シフトアナログ、(ii)dGTPの移動度シフトアナログ、または(iii)dCTPのMSAおよびdGTPのMSAのいずれかを含む。標的特異的プライマー対は、(1)第1の標的特異的部分を含む順方向標的特異的プライマー、および(2)第2の標的特異的部分を含む逆方向標的特異的プライマーを含む。いくつかの実施形態において、順方向プライマー、逆方向プライマー、またはその両方は、レポーター基(代表的に、常にとは限らないが、プライマーの5’末端またはその近傍に位置する)をさらに含む。第1の増幅組成物は、増幅の多数のサイクル(例えば、5サイクルの増幅、10サイクルの増幅、20サイクルの増幅、25サイクルの増幅、30サイクルの増幅、または35サイクルの増幅であるが、これらに限定されない)に供され、そして移動度シフトdCTPアナログおよび/または移動度シフトdGTPアナログを含む第1のアンプリコンが、産生される。サンプルは亜硫酸水素ナトリウム処理によって改変されるので、標的領域中のメチル化されていないCは、Uへと脱アミノ化されるはずであり、一方で標的領域中のメチル化されているCは、改変されない。改変されたサンプルが、dCTPの移動度シフトアナログを含む増幅組成物において増幅される場合、逆方向標的特異的プライマーは、下流の標的フランキング領域とアニーリングし、そしてポリメラーゼによって伸長されて、順方向標的特異的プライマーに対する鋳型として機能する第1の合成された鎖を産生する。アニーリングした第1のプライマーは、第1の鎖鋳型上で伸長され、そして移動度シフトdCTPアナログが、標的配列が改変されていないメチル化されているシトシンを含む場合にアンプリコンの順方向鎖に組み込まれるが、Tが、標的配列が改変型ヌクレオチド(脱アミノ化されたC)を含む場合に組み込まれる。したがって、レポーター基によって標識されたアンプリコンが分析される場合、その移動速度は、MSAの存在に起因して変化するはずである。いくつかの実施形態において、MSAの存在は、メチル化されている標的配列のアンプリコンをメチル化されていない同じ標的配列のアンプリコンからより容易に区別することを可能にする。特定の実施形態において、標的領域中に存在するメチル化されているヌクレオチドの数は、改変されたメチル化されていない標的領域から産生されたアンプリコン、公知のメチル化のコントロール配列、またはその両方に対する、アンプリコンの移動速度における増加性の変化によって決定され得る。
【0112】
特定の方法に従って、少なくとも1つのgDNA標的領域を含むかまたはそれを含むと推定される少なくとも1つのサンプルは、少なくとも1つの改変型ヌクレオチドを含む少なくとも1つの標的領域を含む少なくとも1つの改変されたサンプルを産生するために、改変剤に曝される。少なくともいくつかの改変されたサンプルと、評価される各標的領域に対する標的特異的プライマー対と、dNTPの混合物と、第1のDNAポリメラーゼとを含む第1の増幅組成物が、形成される。第1の増幅組成物は、増幅の少なくとも1つのサイクルに供され、そして第1の増幅産物が、産生される。いくつかの方法に従って、増幅の第1のサイクルは、増幅の多数のサイクル(例えば、約3サイクル〜約45サイクル(明示的に、3〜45の全ての数字を含む)であるが、これに限定されない)を含む。少なくともいくつかの第1の増幅産物と、増幅産物プライマー対または少なくとも1つ増幅プライマー(図1において「増幅産物特異的プライマー(対)」と示される)と、MSAを含む適切なdNTPの混合物と、第2のDNAポリメラーゼとを含む第2の増幅組成物が、形成される。いくつかの実施形態において、第2の増幅組成物は、増幅産物の順方向プライマーと増幅産物の逆方向プライマーとを含む増幅産物プライマー対を含む。特定の実施形態において、少なくとも1つのMSAを含む適切なdNTPの混合物は、dATP、dGTP、dTTP、および(i)dCTPの移動度シフトアナログ、(ii)dGTPの移動度シフトアナログ、または(iii)その両方のいずれかを含む。第2の増幅組成物は、少なくとも1つの組み込まれたMSAを含む第2のアンプリコンを産生するために、増幅の少なくとも1つのサイクルに供される。いくつかの方法に従って、増幅の第2のサイクルは、多数の増幅サイクル(例えば、2サイクル〜約45サイクル(明示的に、
2〜45の全ての数字を含む)であるが、これに限定されない)を含む。第2の増幅産物の少なくとも一部は、それらの相対的な移動速度または他の測定可能なアンプリコンパラメータを決定するために分析され、そして少なくとも1つの標的領域についてのメチル化の程度が、推測される。いくつかの実施形態において、分析することは、第2のアンプリコンまたは改変された標的領域の配列の少なくとも一部を含む第2のアンプリコンの少なくとも1つの鎖もしくはその相補体に存在する改変型ヌクレオチドまたはその相補体の数を決定することを含む。
【0113】
特定の実施形態において、少なくともいくつかの亜硫酸水素改変されたサンプルと、多数の異なるプライマー対と、DNAポリメラーゼと、dATP、dCTP、dGTP、およびdTTPの混合物とを含む第1の増幅組成物が、形成される。標的特異的プライマー対の各々は、(a)上流の標的フランキング配列と同じであるかまたは実質的に同じであり、かつ上流の標的フランキング配列と選択的にハイブリダイズするように設計される配列を含む第1の標的特異的部分と、(b)第1の標的特異的部分の上流に位置する第1のプライマー結合部位を含む尾部とを含む(1)順方向標的特異的プライマー;および(a)下流の標的フランキング配列と相補的であるかまたは実質的に相補的であり、かつ下流の標的フランキング配列と選択的にハイブリダイズするように設計される配列を含む第2の標的特異的部分と、(b)第2の標的特異的部分の上流に位置する第2のプライマー結合部位を含む尾部とを含む(2)逆方向標的特異的プライマーを含む。異なる標的特異的プライマー対の各々の第1のプライマー結合部位および第2のプライマー結合部位は、他の異なる標的特異的プライマー対の各々の第1のプライマー結合部位および第2のプライマー結合部位と異なる。第1の増幅組成物は、増幅の多数のサイクル(例えば、20サイクルの増幅、25サイクルの増幅、30サイクルの増幅、35サイクルの増幅、または40サイクルの増幅であるが、これらに限定されない)に供され、そして多数の異なる第1のアンプリコンが、産生される。特定の実施形態において、多数の異なる第1のアンプリコンは、分離手段および/または分解手段を使用して精製される。
【0114】
多数の異なる第2の増幅組成物が形成され、各々は、少なくともいくつかのアンプリコンまたは精製された第1のアンプリコン、増幅産物プライマー対、DNAポリメラーゼ、および少なくとも1つのMSAを含む適切なdNTPの混合物を含む。特定の実施形態では、少なくとも1つのMSAを含む適切なdNTPの混合物は、dATP、dGTP、dTTP、および(i)dCTPの移動度シフトアナログ、(ii)dGTPの移動度シフトアナログのいずれか、または(iii)両方を含む。特定の実施形態では、少なくとも1つのMSAを含む適切なdNTPの混合物は、dATP、dCTP、dTTP、およびdGTPの移動度シフトアナログを含む。上記増幅産物プライマー対は、(1)第1のアンプリコンの第1のプライマー結合部位と同じか、または実質的に同じである配列を含む順方向増幅産物プライマー、および(2)同じ第1のアンプリコンの第2のプライマー結合部位と同じか、または実質的に相補的である配列を含む逆増幅産物プライマーを含む。順方向増幅産物プライマー、逆増幅産物特異的プライマー、または両方は、レポーター基をさらに含む。いくつかの実施形態では、多数の第2の増幅組成物の少なくとも1つは、2、3、4、5、または6の異なる増幅産物プライマー対を含み、各々は、同じ第2の増幅組成物中のその他の増幅産物プライマー対のいずれとも異なるレポーター基を含む。いくつかの実施形態では、多数の第2の増幅組成物の少なくともいくつかは、ユニバーサルプライマーまたはユニバーサルプライマー対を含み、これは、特定の実施形態では、同じレポーター基を含み、そして2、3、4、5、または6の異なるサイズのアンプリコンが生成される。第2の増幅組成物は、多数の増幅のサイクル、例えば、制限されないで、3サイクル、4サイクル、5サイクル、6サイクル、8サイクル、10サイクル、または15サイクルの増幅を受け、第2の増幅組成物の少なくとも1つのおいてMSAを含む第2のアンプリコンを生成する。第2のアンプリコンまたは第2のアンプリコンの少なくとも一部は、代表的には移動度依存性分析技法を用いて分析され、そして多数の異なる標的領
域についてのメチル化の程度が推論される。
【0115】
制限としてではなく、例示目的のために、混合された細胞集団を含む例示の生検標本癌患者から得られ、とりわけ、標的領域Bのメチル化の程度を決定する。例示の標的領域Bは、9CG対を含み、そして標本中のgDNAは、標的領域Bの4つのサブ集団;完全にメチル化されている標的領域Bのいくつかのコピー(すなわち、すべて9のCG対が5mCを含む)、6のCG対および3つの5mCG対を含む(部分的にメチル化されている)いくつかのコピー;3のCG対および6の5mCGを含むいくつかのコピー(部分的にメチル化されている)、およびメチル化されていないいくつかのコピー(5mCGはない)を含む。上記gDNAは、上記標本から抽出され、そしてこのサンプルは、重亜硫酸塩に曝され、改変されたサンプルを生成する。標的領域Bは、標的領域B特異的プライマー対、DNAポリメラーゼ、およびdNTPのミックスを含む第1の増幅組成物中のPCRによって増幅され、そして4つの関連するアンプリコンのファミリーが生成される。第1のアンプリコンは、スピンカラムを用いて精製され、そして精製された第1のアンプリコンのアリコートが、第2のDNAポリメラーゼ、第1のアンプリコンプライマー対、およびdATP、dGTP、dTTP、およびビオチン−36−dCTPを含むdNTPのミックス、およびdCTPの移動度シフトアナログを含む第2の増幅組成物に添加される。この第2の増幅組成物は、増幅の5サイクルを受け、第2のアンプリコンを生成する。完全にメチル化された標的領域B由来の第2のアンプリコンの順方向ストランドは、9のビオチン−36−dCTPを含み、標的領域Bの部分的にメチル化されたコピー由来のアンプリコンの順方向ストランドは、3のビオチン−36−dCTPおよび6のビオチン−36−dCTPをそれぞれ含み、そして標的領域Bの非メチル化コピー由来のアンプリコンの順方向ストランドは、任意のビオチン−36−dCTPを含まない(隣接配列中に存在し得る任意のCsは除く)。上記第2のアンプリコンは、適切なDNAサイズラダーとともにキャピラリー電気泳動によって分析され、そして4つの異なるアンプリコンピークが、少なくとも、4つの第2の標的領域Bアンプリコンのうち3つに取り込まれたビオチン−36−dCTPアナログによって与えられる増分移動度シフトに少なくとも一部基き検出される。4つのアンプリコンピークは、標的領域Bに対する標準曲線と比較され、サンプル中の標的領域Bのメチル化状態が、特定の完全にメチル化された標的領域B、3つの5mCG対をもついくつか、および6つの5mCG対をもついくつかを含む中間メチル化をもつ2つの異なるサブ集団、およびいくつかの非メチル化標的領域Bを含むことを決定する。
【0116】
いくつかの実施形態では、増幅組成物は、特に、上記増幅が、配列決定反応、例えば、制限されないでサイクル配列決定またはSBEを含むとき、ターミネーターとも呼ばれるヌクレオチドターミネーターを含む。特定の実施形態では、ターミネーターは、ヌクレオチド塩基がプリン、7−デアザ−プリン、ピリミジン、またはヌクレオチドアナログ、そして糖部分が、ジデオキシヌクレオシド三リン酸(ddNTP)のような、さらなる合成をブロックする3’−置換基を含むペントースアナログである。特定の実施形態では、さらなる合成をブロックする置換基は、制限されないで、アミノ、デオキシ、ハロゲン、もアルコキシ、およびアリールオキシ基を含む。ターミネーターのいくつかの非制限的な例は、糖−リン酸エステル部分が3’−(C1−C6)アルキルリボース−5’−三リン酸;2’−デオキシ−3’−(C1−C6)アルキルリボース−5’−三リン酸;2’−デオキシ−3’−(C1−C6)アルコキシリボース−5−三リン酸;2’−デオキシ−3’−(C5−C14)アリールオキシリボース−5’−三リン酸;2’−デオキシ−3’−ハロリボース−5’−三リン酸;2’−デオキシ−3’−アミノリボース−5’−三リン酸;2’,3’−ジデオキシリボース−5’−三リン酸;または2’,3’−ジデヒドロリボース−5’−三リン酸であるようなものを含む。ターミネーターはまた、テンプレート中に反対のアデニン、またはアデニンアナログを取り込むddTTPおよびdUTPを含む「T」ターミネーター;テンプレート中に反対のチミン、ウラシルまたはチミンも
しくはウラシルのアナログを取り込むddATPを含む「A」ターミネーター;テンプレート中に反対のグアニン、またはグアニンアナログを取り込むddCTPを含む「C」ターミネーター;およびテンプレート中に反対のシトシンまたはシトシンアナログを取り込むddGTPおよびddITPを含む「G」ターミネーターを含む。いくつかの実施形態では、ヌクレオチドターミネーターは、レポーター基、例えば、制限されないで蛍光レポーター基を含む。
【0117】
いくつかの実施形態では、順方向標的−特異的プライマーのテイル部分、逆標的−特異的プライマー、逆方向標的−特異的プライマー、順方向増幅産物プライマー、逆方向増幅産物プライマー、またはそれらの組み合わせは、ユニバーサルプライミング配列および/またはレポータープローブ結合部分を含む。いくつかの実施形態では、このユニバーサルプライミング配列および/またはレポータープローブ結合部分は、平行する手順または次の手順、例えば、制限されないで配列決定または定量的PCR(Q−PCR)で採用され得る。
【0118】
いくつかの実施形態では、上記第1のDNAポリメラーゼと第2のDNAポリメラーゼは同じである。いくつかの実施形態では、上記第1のDNAポリメラーゼと第2のDNAポリメラーゼは異なる。特定の実施形態では、第1のDNAポリメラーゼ、第2のDNAポリメラーゼ、または両方は、MSAを含むヌクレオチドアナログを取り込み得る許容ポリメラーゼを含む。可能な許容DNAポリメラーゼの非制限的な例は、Vent(exo−)(登録商標)DNAポリメラーゼ、Deep Vent(exo−)(登録商標)DNAポリメラーゼ、AmpliTaqDNAポリメラーゼCS、TherminatorTMDNAポリメラーゼ、Sequenase、バクテリオファージT7DNAポリメラーゼ、AmpliTaqDNAポリメラーゼFS、およびThermoSequenaseを含む。当業者は、適切なDNAポリメラーゼの選択が、少なくと部分的には、アナログ、方法、および反応条件に依存するが、特定の適用のための適切な許容ポリメラーゼが慣用の方法によって決定され得、そして過度の実験を要求しないことを理解する。当業者はまた、所望の許容度をもつDNAポリメラーゼが、過度の実験を要することなく、区画化自己複製(CSR)、および特定の変異誘発技法を含む周知の技法を用いて操作され得ることを理解する(例えば、Ghadessyら、Nature Biotechnol.22:755〜79、2004;およびSinghら、Protein Engineering 13(9):635〜43、2000を参照のこと)。
【0119】
いくつかの実施形態では、上記第1のDNAポリメラーゼは、熱安定性DNAポリメラーゼ、例えば、制限されないで、その酵素的に活性な変異体または改変体を含むTaqDNAポリメラーゼまたはTliDNAポリメラーゼである。いくつかの実施形態では、上記第2のDNAポリメラーゼは、許容DNAポリメラーゼである。いくつかの実施形態では、上記第1のDNAポリメラーゼおよび第2のDNAポリメラーゼは同じである。特定の実施形態では、上記第1の増幅組成物から十分な残存する第1のDNAポリメラーゼが存在し得、上記第2の増幅産物を合成し、そして上記第2の増幅組成物は、第2のDNAポリメラーゼを含まない。特定の実施形態では、上記第1のDNAポリメラーゼ、第2のDNAポリメラーゼ、または両方は、多数の異なるDNAポリメラーゼを含む。例えば、しかし、制限されないで、プライマー濃度−依存性非対称PCRを含むいくつかの実施形態では、単一のDNAポリメラーゼが採用される。
【0120】
用語「分析する」は、本明細書で広い意味で用いられ、そして測定可能なアンプリコンパラメーターが得られることを可能にする任意の技法または技法の組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、分析することは、移動度依存性分析技法を用いて1つ以上のアンプリコンを解像することを包含する。いくつかの実施形態では、関連するアンプリコンのファミリーが分析され、そして関連アンプリコンの群に対応する標的領域のメチル化の程
度が決定される。
【0121】
特定の実施形態では、分析することは、器具、すなわち、必ずしも必要ではないがコンピューターアルゴリズムを含み得る自動化または半自動化検出手段を用いて少なくとも1つのアンプリコンまたはアンプリコンの少なくとも一部分を分離すること、および/または検出することを包含する。特定の実施形態では、検出ステップは、分離ステップ、例えば、制限されないで、蛍光スキャナー、およびグラフ化、記録、または読み出しコンポーネントおよびデータ分析ソフトウェアのようなデータ収集モジュールを含むコンピューターを備えるキャピラリー電気泳動器具;質量分析器とカップルされたキャピラリー電気泳動器具;または吸光度モニターもしくは蛍光スキャナーおよびグラフレコーダーと、または質量分析器とカップルされたクロマトグラフィーカラムと組み合わせられるか、またはそれとの連続である。分離ステップを実施するための例示の手段は、キャピラリー電気泳動器具、例えば、制限されないで、ABI PRISM(登録商標)3100 Gentetic Analyzer、ABI PRISM(登録商標)3100−Avant Gentetic Analyzer、ABI PRISM(登録商標)3700 DNA Analyzer、ABI PRISM(登録商標)3730 DAN Analyzer、ABI PRISM(登録商標)3730x/DNA Analyzer(すべてApplied Biosystemsから);ABI PRISM(登録商標)7300 Real−Time PCR System;ABI PRISM(登録商標)7700 Sequence Detection System;質量分析計;を含み、そして必要に応じて関連ソフトウェアを含む。レポーター基検出、データ収集、および分析のための例示のソフトウェアは、GeneMapperTMSoftware、GeneScan(登録商標)Analysis Software、およびGenotyper(登録商標)ソフトウェア(すべてApplied Biosystemsから)を含む。
【0122】
特定の実施形態では、分析することは;関連アンプリコンのファミリーを含み得る少なくとも1つのアンプリコン、そして代表的には2つ以上のアンプリコンを、キャピラリー電気泳動のような移動度−依存分析技法を用いて分離すること;上記アンプリコン(単数または複数)をそれらが溶出するとき、例えば、制限されずに、蛍光スキャナーを用いて溶離液をモニターすること;および少なくとも1つの標的領域のメチル化の程度を決定するために、代表的には、GeneScan(登録商標)Analysis Sofwareを用いるABI PRISM(登録商標)Genetic Analyzer(両者ともApplied Biosystemsから)のような検出および分析ソフトウェアを用いて上記アンプリコン(単数または複数)の蛍光プロフィールを評価することを包含する。特定の実施形態では、分析することは、プレートリーダーおよび適切な照射源を含む。
【0123】
特定の実施形態では、少なくとも2つのアンプリコン(例えば、制限されないで、2つの異なる標的領域由来のアンプリコン、ならびに/または標的領域のメチル化バージョン由来の少なくとも1つのアンプリコンおよびこの同じ標的領域の非メチル化バージョン由来のアンプリコン)ならびに/またはアンプリコンとコントロール配列が、分子篩または非分子篩マトリックス中の電気泳動によって解像および分析される。特定の実施形態では、この電気泳動的分離は、キャピラリー電気泳動によってキャピラリーチューブ中で実施れされる(例えば、Capillary Electrophoresis:Theory and Practice、GrossmanおよびColburn編、Academic Press、1992を参照のこと)。開示される技法における使用のために分子篩するマトリックスの非制限的な例は、ビス−アクリルアミドと共有結合により架橋されたポリアクリルアミドのような共有結合による架橋されたポリマーマトリックス;線状ポリマーで形成されたゲルマトリックスを含む(例えば、米国特許第5,552,028
号);およびゲルフリーの分子篩媒体(例えば、米国特許第5,624,800号;HubertおよびSlater、Electrophoresis、16:2137〜2142;Mayerら、Analytical Chemistry、66(10):1777〜1780、1994を参照のこと)を含む。この電気泳動媒体は、ポリヌクレオチドを一本鎖形態に維持するために、7Mホルムアミドのような核酸変性剤を含み得る。適切なキャピラリー電気泳動器械は、市販され入手可能であり、例えば、ABI PRISMTM Genetic Analyzerシリーズ(Applied Biosystems)がある。
【0124】
当業者は、2以上の近接して移動するフラグメント、例えば、制限されないでアンプリコンおよびコントロール配列を解像する能力が、採用される分析技法の解像力を含む種々の変数に依存することを認識する。特定の開示される方法によれば、近接して移動する2つ以上のアンプリコンを解像する能力は、アンプリコンの少なくとも1つにMSAを取り込むことにより増大される。特定の実施形態では、2つの近接して移動するピーク間、例えば、しかし、制限されないで、MSAを含まない非メチル化標的領域由来のアンプリコンと、少なくとも1つのMSAを含む同じ標的領域のメチル化バージョン由来のアンプリコンとの距離は、この2つ以上のピーク中のMSAの異なる数の存在に起因して増大される。いくつかの実施形態では、MSAの、非メチル化標的領域由来のアンプリコンまたは異なるレベルのメチル化をもつ複数のサブ手段を有する標的領域由来の関連アンプリコンのファミリー中への取り込みは、その標的領域中のメチル化ヌクレオチドの数が決定されることを可能にし得る。
【0125】
電気泳動に基く分析技法で2つ以上の近接して移動するフラグメントの分離に影響し得るその他の変数は、分子篩マトリックスのタイプ、濃度、および組成;緩衝液組成、濃度、およびpH;変性剤または夾雑物の存在;電気泳動が実施される温度;フラグメントが一本鎖または二本鎖であるか否か;印加される電圧;動電学的注入時間;およびキャピラリーまたはスラブゲルの長さを含む。検出手段の感度および分析ソフトウェアもまた、ピーク解像に影響し得る。当業者は、2つの近接して移動するフラグメント間の分離が、これら変数の1つ以上、および/または特定のMSAの移動度シフト性質を含む、分析されるフラグメント中のMSAの存在または不在に基き、増加または減少され得ることを理解する。当業者はまた、適切な解像条件が、代表的には、慣用の試験を用い、かつ過度の実験なくして実験的に得られることを理解する。
【0126】
特定の例示の実施形態では、増幅産物を含み、配列決定反応産物、および/または特有に識別可能な分子量の増幅産物を含む風乾増幅産物ペレットが、水、緩衝液、または脱イオン化ホルムアミド、例えば、HiDiホルムアミド(Applied Biosystems)中に懸濁される。特定の実施形態では、これらの再懸濁されたサンプルおよび分子量マーカー(例えば、GeneScan500−LIZまたは−ROXサイズ標準品、Applied Biosystems)が、キャピラリー電気泳動プラットホーム(例えば、ABI PRISMTM Genetic Analyzer、Applied Biosystems)にロードされ、そして適切なポリマー、例えば、制限されずに、POP−4、POP−6、またはPOP−7ポリマー(Applied Biosystems)中で電気泳動される。特定の実施形態では、二本鎖アンプリコン、一本鎖アンプリコン、変性二本鎖アンプリコンの一本鎖または二本鎖を含む電気泳動バンドが検出され、そしてそれらの移動速度および/またはその他のアンプリコンパラメーターが得られ、そして評価される。特定の実施形態では、これらバンドは、標準曲線または1つ以上のコントロール配列に対するそれらの移動速度、ピーク高さ、またはピーク強度に基いて識別され、そして少なくとも1つの対応する標的領域のメチル化の程度が推測される。
【0127】
特定の実施形態では、標的領域メチル化の程度は、(a)2つ以上の関連アンプリコン
種、例えば、制限されないで、標的領域の完全にメチル化されたコピー由来のアンプリコン種、標的領域の非メチル化コピー由来の第2のアンプリコン種、および/または中間レベルのメチル化をもつ1つ以上の標的領域由来の1つ以上のアンプリコン種の間1つ以上の測定可能なアンプリコンパラメーターを比較すること;(b)1つ以上の測定可能なアンプリコンパラメーターを標的領域に対する1つ以上の標準曲線と比較すること;および/または(c)コントロール配列、例えば、制限されないでサイズラダーと1つ以上の測定可能なアンプリコンパラメーターと比較することによって決定される。
【0128】
特定の実施形態では、移動速度またはその他の測定可能なアンプリコンパラメーターが、対応する標的領域に対する標準曲線と比較され、サンプル中のその標的領域のメチル化の程度を決定する。当業者は、同じ標的領域から生成され異なるメチル化の程度をもつ関連アンプリコンの群を比較するために用いられ得る多くの測定可能なアンプリコンパラメーターを認識し、アンプリコン移動速度、アンプリコンピーク高さの高さ、関連アンプリコンの群のアンプリコンに対する曲線の下の積分面積などを含む。標準曲線、コントロール配列、または関連アンプリコン種を用いて1つ以上の測定可能なアンプリコンを評価することにより、代表的には、メチル化の程度または標的領域を決定し得る。
【0129】
代表的には、ピーク高さ、アンプリコンピークの下の面積、少なくとも1つのアンプリコンに関する1つ以上の検出されたレポーター基のシグナル強度、またはその他の測定可能なアンプリコンパラメーターが得られ、そして少なくとも1つの標的領域のメチル化の程度が、例えば、しかし、制限なくして、アンプリコンに対応する標的領域のメチル化の程度が推測され得る1つ以上の対応する標準曲線を用いて外挿され得る。
【0130】
標準曲線は、サンプル中の特定の標的領域のメチル化の程度を決定するために有用であり得る。標準曲線の生成および使用は、当該技術分野で周知である(例えば、Overholtzerら、Proc.Natl.Acad.Sci.100:11547〜52、2003)。代表的には、1つ以上の標的領域を含む既知のメチル化状態をもつ合成テンプレートまたはgDNA(「コントロールテンプレート」)の予め決定された混合物または系列希釈物が、1つ以上の開示される方法について出発材料として用いられる。この方法は、コントロールテンプレートおよび得られる測定可能なアンプリコンパラメーターのセットを用いて反応条件の確立されたセットの下で実施される。実験的に得られたパラメーターは、X−Yグラフまたはその他の座標系上でプロットされ、そして次に手動で、もしくは1つ以上の数学的公式またはアルゴリズム、例えば、しかし制限されないで、グラフ化および/または線描写ソフトウェア、線形回帰分析および類似の数学的計算、コンピューターアルゴリスムなどを用いて「曲線」が生成される。一旦標準曲線が、所定の標的領域およびプライマーセット(単数または複数)について生成されたなら、同じアッセイ条件の下で同じプライマーセット(単数または複数)を用いて試験(未知)サンプルから得られた実験結果が、この標準曲線およびサンプル中の標的領域メチル化がこの標準から外挿され得る程度を用いて評価され得る。当業者は、「曲線」が実際に真っ直ぐ、または実質的に真っ直ぐな直線であり得るか、またはそれは曲線であり得、そして広範な範囲の形状をとり得ることを認識する。
【0131】
(特定の例示のキット)
本教示はまた、特定の開示された方法の実施を促進するように設計されたキットを提供する。キットは、これら方法を実施するために必要な2つ以上の成分をアセンブルすることにより特定の開示された方法の実施を促進するために供され得る。特定の実施形態では、キットは、エンドユーザーによる測定のための必要性を最小にする予め測定されたユニット量で成分を含む。いくつかの実施形態では、キットは、1つ以上の開示された方法を実施するための指示書を含む。好ましくは、これらキット成分は、互いと組み合わせて操作するために最適化される。
【0132】
特定の実施形態では、キットは、標的特異的プライマー対、第1のDNAポリメラーゼ、およびMSAを含む。特定の実施形態では、キットは、多数の異なる標的特異的プライマー対を含む。特定の実施形態では、キットは、第2のDNAポリメラーゼおよび増幅プライマーを含む。いくつかの実施形態では、キットは、増幅プライマー対を含む。いくつかの実施形態では、順方向増幅産物プライマー、逆増幅産物プライマー、またはプライマー対の両方のプライマーは、ユニバーサルプライミング配列またはユニバーサルプライミング配列の相補物を含む。いくつかの実施形態では、キットは、順方向プライマー、逆プライマー、またはレポーター基をさらに含む順方向プライマーおよび逆プライマーを含む。いくつかのこのような実施形態では、プライマー対の順方向プライマーのレポーター基は、このプライマー対の逆プライマーのレポーター基とは異なる。いくつかの実施形態では、キットはさらに:改変剤、レポータープローブ、インターカーレート剤、レポーター基、およびコントロール配列、例えば、制限されないでハウスキーピング遺伝子または分子サイズもしくは重量標準物を含むポリヌクレオチドラダーのような内部標準配列の少なくとも1つをさらに含む。
【0133】
上記に記載された現在の教示は、実施例を参照してより良好に理解され得る。以下の実施例は、例示目的のみのために意図され、そしていかなる方法においても本明細書中の教示の範囲を制限するとして解釈されるべきではない。
【実施例】
【0134】
(実施例1:改変サンプルの調製)
メチル化ヒトgDNAを含むサンプル(Serologicals P/N S7821“CpGenomeTM Universal Methylated DNA、ヒト男性、Serologicals Corp.)または非メチル化ヒトgDNA(Coriell#NA17143、Coriell Cell Repositories、Camden、NJ)を、市販供給元から得た。これら2つのサンプルの各々のアリコートを改変剤でパラレルに処理した。1つのMicroAmp反応チューブ(Applied
Biosystems P/N N801−0580)中に、330ngの非メチル化gDNA(1μLのCoriell gDNA)を、44μLの水(合計でDNAサンプルからの水を含む)および5μLのM−希釈緩衝液(Zymo P/N D5001−2、Zymo Research、Orange、CA)と合わせた。第2のMicroAmp反応チューブは、330ngのメチル化gDNA(3.3μLのSerologicalsメチル化gDNA)、41.7μLの水(合計でDNAサンプルからの水を含む)、および5μLのM−希釈緩衝液(Zymo P/N D5001−2)を含んだ。これらチューブを、37℃で15分間インキュベートした。gDNAサンプルがインキュベートされていた間、Zymo CT転換試薬P/N D5001−1を210μLのM−希釈緩衝液および750μLの分子生物学グレードのヌクレアーゼフリーの水(SigmaW4502)と混合し、そしてこの混合物を使用の前に10分間に亘り定期的にボルテックスした。100μLの新鮮に調製された改変試薬のアリコートを各々のMicroAmpチューブ(総容量150μL)に添加し、そしてこれらチューブを50℃で約12〜16時間の間サーモサイクラー中でインキュベートした。
【0135】
改変されたサンプルを200〜300μLの水で希釈し、そして各溶液をアセンブルされたMicron 100デバイス(Millipore P/N YM−100)に移し、そしてEppendorf 5415遠心分離機中で18分間2800rmpで遠心分離した。濾液を除去し、350μLのさらなる水を上部チャンバーに添加し、そしてこれらアセンブリを2800rpmで15分間遠心分離した。この洗浄ステップをさらに1回繰り返し、次いで、350μLの0.1M NaOHを上部チャンバーに添加し、そしてこれらアセンブリを2800rmpで15分間遠心分離した。濾液を除去し、350μ
Lの水を上部チャンバーに添加し、そしてこれらアセンブリを2800rpmで15分間遠心分離した。50μLのTE緩衝液を上部チャンバーに添加し、そして上下に数回ピペッティングすることにより混合した。これらアセンブリを約5分室温で静置させ、次いで、これらアセンブリを転置し、Eppendorfチューブ中のTE緩衝液中に改変サンプルを収集した。
【0136】
(実施例2:p15標的領域のメチル化の程度を評価すること)
p15腫瘍−サプレッサー遺伝子(INK4B)のプロモーター領域中の標的領域のメチル化の程度を評価するために、公開された配列(GenBank#S75756)のセクションを、「MethPrimer」ソフトウェア(インターネット上:urogene.org/methprimerで見出される)を用いて分析し、可能な順方向および逆標的特異的プライマー配列を識別した。いくつかのDNAポリメラーゼは、ホモポリマーストレッチを非効率的に増幅するので、この標的領域は、好ましくは、例えば、制限されないで9TまたはAより大きいホモポリマーストレッチを含まない。ホモポリマーストレッチなしの289塩基対標的領域が同定された。重亜硫酸塩で転換された完全にメチル化された標的領域は以下の配列:
【0137】
【化1】

を含んだ。30のCG部位が下線で示され、そして上流および下流の標的隣接領域はイタリックで示される。重亜硫酸塩転換に起因して、すべての下線CG部位は、非メチル化gDNA出発物質から得られた改変サンプルの標的領域中ではTGに変換されたはずである。例示のp15標的特異的プライマー対は以下の配列:
【0138】
【化2】

み、そしてその5’−末端上に蛍光レポーター基6−FAM(「FAM」として示される)を含み;第1の標的特異的部分は下線で示される。例示のプライマー対の逆標的特異的プライマーは以下の配列:
【0139】
【化3】

を含み;第2の標的特異的部分は下線で示され、そしてこの例ではM13ユニバーサルプライミング配列である、上流のプライマー結合部位はイタリックで示される。
【0140】
実施例1からの2つの改変サンプルの各々の一部分を、2つの別個の第1の増幅組成物中で標的特異的プライマー対と組み合わせた。この第1の増幅組成物の各々は、1μLのAmpliTaq Gold 10×緩衝液(Applied Biosystems)、0.8μLのヌクレオチドミックス(2.5mM dATP、dCTP、dGTP、およびdTTP)、0.8μLのMgCl(25mM)、0.2μLのAmpliTaq
Gold DNAポリメラーゼ(Applied Biosystems)、0.25μLの順方向標的特異的プライマー(5μM)、0.25μLの逆標的特異的プライマー(5μM)、0.5μLの改変サンプルの1つ(10ng/μL)、および6.2μLの水(Sigma)を含んだ。第1のアンプリコンを生成するために、第1の増幅反応は、95℃11分間、(97℃5秒間、57℃2分間、および72℃45秒間)の40サイクルの熱サイクリングを受け、そして4℃に冷却した。
【0141】
これら第1のアンプリコンを含む第1の増幅組成物の各々の1.2μLのアリコートを、5〜10%のGeneScanTM−500ROXTMサイズ標準(P/N 401734)を含む12μLのHiDiTMホルムアミド(P/N4311320)と混合した。このホルムアミド混合物を、キャピラリー電気泳動による分析の前に95℃で5分間95℃で加熱した。これらアンプリコンの各々を、POP−4ポリマーを含む36cm×50ミクロンのキャピラリー中ABI PRISM(登録商標)310 Gentic Analyser上で分析し、そして泳動モジュールは、GS POP4(1mL)Aであった。メチル化および非メチル化サンプル由来の個々のアンプリコンに関するフラグメント分析データを得た後、等容量の2つの第1のアンプリコン−ホルムアミド溶液を合わせ、そしてABI PRISM(登録商標)310 Genetic Analyser(Applied Biosystems)中に同時注入し、これら2つのアンプリコンの移動における差異を分析した。図2に示されるように、メチル化gDNA由来のアンプリコンピーク(「1」)は、非メチル化gDNA由来のアンプリコンピーク(「2」)より遅く移動した。これら2つのアンプリコンピークの移動速度を、GeneScanTM−500 ROXTMコントロール配列と比較することにより(示されてはいない)、メチル化gDNA由来のアンプリコンピークは、予想されたサイズにより近く移動したことが決定された。従って、少なくともこれらの電気泳動条件下では、メチル化および非メチル化p15標的領域は区別され得、そしてこれらの対応するメチル化の程度(この例示の実施形態では、メチル化 対 非メチル化)が決定され得る。当業者は、例えば、しかし、制限されないで、電気泳動温度、ポリマー処方、緩衝液タイプ、緩衝液濃度、緩衝液pH、キャピラリー長さ、変性剤の存在または不在、電圧などの特定の泳動条件を改変することにより、メチル化および非メチル化アンプリコンピークの解像度をさらに増加または低減することが可能であり得ることを認識する。
【0142】
(実施例3:合わせたメチル化および非メチル化サンプルの評価)
改変されたメチル化および非メチル化gDNAサンプルを、異なる非メチル化gDNAサンプル、Coriell#NA17136(Coriell Cell Repositories)を用いたことを除いて、本質的に実施例1に記載のように得た。同じp15標的領域を、今回は、第1の標的特異的部分(下線部)、ならびにプライマーの5’−末端のFAM蛍光レポーター基およびこの実施例ではM13ユニバーサル順方向プライミング部位である第1のプライマー結合部位を含む上流テイル部分を含む以下の配列をもつ順方向標的特異的プライマー:
【0143】
【化4】

および、第2の標的特異的部分(下線部)、ならびにこの実施例ではM13ユニバーサル逆プライミング配列である第2のプライマー結合部位、およびその5’−末端に例示の「PIGtail」配列(イタリックで示される)(Brownsteinら、BioTechniques、20(6):1004〜10、1996)を含む上流テイルを含む以下の配列をもつ逆標的特異的プライマー
【0144】
【化5】

を含んだ異なるp15標的特異的プライマー対を用いることにより増幅し、そして分析した。
【0145】
改変されたメチル化サンプルおよび改変された非メチル化サンプルの混合物を表1に示されるように調製した。改変されたメチル化サンプルおよび改変された非メチル化サンプルは定量されず、それ故、示される%は、等しい%の改変されたメチル化サンプルおよび改変された非メチル化サンプルの収率が、重亜硫酸塩転換の後に得られ、そして各々の最終DNA濃度がほぼ10ng/μLであったとの仮定に基づく、推定の比率であった。
【0146】
【表1】

一連の第1の増幅組成物を、各々が1μLのAmpliTaq Gold 10×緩衝液、0.8μLのdNTPミックス(2.5mMの各dATP、dCTP、dGTP、およびdTTPを含む)、0.8μLのMgCl(25mM)、0.2μLのAmpliTaq DNAポリメラーゼ(5U/μL;Applied Biosystems)、0.25μLの順方向標的特異的プライマー(5μM)、0.25μLの逆標的特異的プライマー(5μM)、0.5μLの表1に示される改変サンプルのミックスの1つ、および6.2μLの水(Sigma)を含む、7のMicroAmpチューブ中に形成した。第1のアンプリコンは、第1の増幅組成物を95℃に5分間、(95℃30秒間、60℃2分間、および72℃45秒間)の31の増幅サイクル、(95℃30秒間、60℃2分間、および72℃10分間)の4サイクル、そして次に4℃まで冷却することに供することにより生成した。第2のセットのサイクリング条件を、しばしば「Clark反応」と呼ばれる(例えば、Clark、Nucl.Acids Res.16(20):9677、1988;およびBrownsteinら、BioTechniques 20(6):1004〜10、1996を参照のこと)、Aヌクレオチドの非テンプレート付加を
増大するために設計した。
【0147】
透明のMicroAmp Optical 96ウェル反応プレート(Applied
Biosystems P/N N801−0560)の各ウェルに、1.2μLの第1のアンプリコンを含む第1の増幅組成物の1つを、5〜10%のGeneScanTM−500ROXTMサイズ標準(Applied Biosystems P/N 401734)を含む、12μLのHiDiTMホルムアミド(Applied Biosystems P/N 4311320)と混合した。この反応プレートを、96ウェルの3100 Genetic Analyzerプレート隔壁(Applied Biosystems P/N 4315933)でカバーした。この第1のアンプリコン−ホルムアミド混合物を含むプレートを、分析の前に95℃で5分間加熱し、DNAを変性した。これら混合物の各々を、POP−4ポリマーを用いるABI PRISM(登録商標)3100 Genetic Analyzer、GeneScan36_POP4DefaultModuleのランモジュールセッティング、およびGS500FragAnal.gspの分析モジュールセッティングを用い、36cm×50ミクロンのキャピラリーを含む16のキャピラリーアレイを用いて分析した。結果は、図3Aおよび表2に示される。
【0148】
【表2−1】

【0149】
【表2−2】

p19腫瘍サプレッサー遺伝子(INK4A)中の標的領域のメチル化の程度を評価するために、公開されたp16配列のセクション(GenBank#X94154)をMethPrimerを用いて分析した。28のCG対を含む261塩基対の標的領域が同定された。p16標的特異的プライマー対は、第1の標的特異的部分(下線部)、ならびにプライマーの5’−末端にFAM蛍光レポーター基(「6−FAM」として示される)およびこの実施例ではM13ユニバーサル順方向プライミング部位である第1のプライマー
結合部位を含む上流テイル部分を含む以下の配列:
【0150】
【化6】

をもつ順方向プライマー;および、第2の標的特異的部分(下線部)、ならびにこの実施例ではM13ユニバーサル逆プライミング配列である第2のプライマー結合部位、およびその5’−末端に例示の「PIGtail」配列(イタリックで示される)を含む上流テイルを含む以下の配列をもつ逆標的特異的プライマー
【0151】
【化7】

を含む異なるp16標的特異的プライマー対が評価された。これらの結果は、図3Bおよび表3に示される。
【0152】
【表3−1】

【0153】
【表3−2】

当業者は、このような混合されたサンプルのアンプリコンデータを用いて標準曲線を生成し得、そして、とりわけ、例えば、混合された細胞集団を含む試験(「未知」)サンプル中の対応する標的領域のメチル化の程度がこの曲線からの外挿により決定され得ることを認識する。
【0154】
(実施例4:MSA取り込みを用いるSRBCアンプリコンの評価)
標的領域メチル化を決定することにおけるMSA取り込みの使用を評価するために、ヒトSRBC遺伝子(c−キナーゼに結合する血清剥奪応答因子(sdr)−関連遺伝子産
物、「SRBC」)中の標的領域を分析した。報告されたSRBCは、乳癌感受性遺伝子BRCA1の産物と結合する(Xuら、Cancer Res.61:7943〜49、2001)。このSRBC標的領域の配列は:
【0155】
【化8】

であり、ここで、CpG部位は下線で示され、そして標的隣接配列はイタリックで示される。この実施例で用いられたSRBC特異的プライマー対は、第1の標的特異的部分(下線部)および第1のプライマー結合部位を含む第1のテイル部分を含む以下の配列:
【0156】
【化9】

含む、順方向SRBC特異的プライマー;および第2の標的特異的部分(下線部)、ならびに第2のプライマー結合部位および逆プライマーの5’−末端に位置する例示のPIGテイル配列(イタリックで示される)を含む第2のテイル部分を含む以下の配列:
【0157】
【化10】

を含む逆SRBC−特異的プライマーを含んだ。
【0158】
各々が、2.5μLのAmpliTaq Gold 10×緩衝液、2μLの適切なNTPミックス(2.5mMの各dATP、dCTP、dGTP、およびdTTPを含む)、2μLのMgCl(25mM)、0.5μLのAmpliTaq Gold DNAポリメラーゼ、0.625μLのSRBC特異的順方向プライマー(5μM)、0.625μLのSRBC−特異的逆プライマー(5μM)、15.5μLの水および(a)1.25μLの改変された混合サンプル(50:50の改変メチル化および改変非メチル化サンプルの混合物を含む)、または(b)1.25μLの改変非メチル化サンプルのいずれかを含む、2つの異なる第1の増幅組成物が、2つのMicroAmp反応チューブ中に形成された(総容量は25μLであった)。この第1の増幅組成物を95℃に5分間加熱し、次いで、各々が(97℃5秒間、60℃2分間、および72℃72秒間)を含む31の増幅サイクル、各々が(97℃5秒間、60℃2分間、および72℃10分間)を含む4の増幅サイクルを受け、次いで、この第1の増幅組成物を4℃に冷却した。第1のアンプリコンを、QIAQuick PCR Clean−Up Kit(P/N 28104、Qiagen Sciences、MD)を製造業者のプロトコールに従って用いて精製し、そしてこの精製されたアンプリコンを、最終容量30μLのEB緩衝液(10mM Tris−HCl、pH8.5)中に回収した。このEB緩衝液中の精製された第1のアンプリコンの各々のアリコートを、1μLの小エビアルカリホスファターゼ(USB
Corp.、P/N 70092X、1単位/μL)とEB中の1つの第1のアンプリコンの10μLを混合することによりさらに精製し(二重に精製)、そして次に37℃で1時間、そして次に72℃で15分間パラレルにインキュベートした。
【0159】
4つの異なる第2の増幅組成物を調製した。異なる第2の増幅組成物の3つは、0.5μLの10×ThermoPol緩衝液(New England Biolabs、B
everly、MA)、0.5μLのDMSO、0.05μLのVent(登録商標)DNAポリメラーゼ(New England Biolabs)、0.25μLのその5’−末端に蛍光レポーター基FAMを含む増産物特異的順方向プライマー(5μM、以下の配列:
【0160】
【化11】

を有する)、1μLの二重に精製された混合された第1のアンプリコン、および(a)0.7μLの水、1μLのα−チオ−dCTP(1mM、P/N N−8002 TriLink Biotechnologies、San Diego、CA;dCTPの例示の移動度シフトアナログ)およびdATP、dGTP、およびdTTP(各々1mM)を含むdNTPミックスの1μL、(b)0.7μLの水、1μLのビオチン−aha−dCTP(1mM、P/N B32772、Molecular Probes;dCTPの例示の移動度シフトアナログ)およびdATP、dGTP、およびdTTP(各々1mM)を含むdNTPミックスの1μL、または(c)1.7μLの水、およびdATP、dCTP、dGTP、およびdTTP(各々1mM)を含むdNTPミックスの1μLのいずれかを含んだ。第4の第2の増幅組成物は、0.5μLの10×ThermoPol緩衝液、0.5μLのDMSO、0.05μLのVent(登録商標)DNAポリメラーゼ、0.25μLのその5’−末端に蛍光レポーター基FAMを含む増産物特異的順方向プライマー(5μM、以下の配列:
【0161】
【化12】

を有する)、1μLの二重に精製された非メチル化された第1のアンプリコン、1μLのビオチン−aha−dCTP(1mM)およびdATP、dGTP、およびdTTP(各々1mM)を含むdNTPミックスの1μL、または(c)1.7μLの水、およびdATP、dCTP、dGTP、およびdTTP(各々1mM)を含むdNTPミックスの1μLを含んだ。各々の第2の増幅組成物の最終容量は、5.0μLであった。FAM標識された第2のアンプリコンは、上記第2の増幅組成物を、パラレルで、96℃に1分間、および(96℃10秒間、50℃5秒間、および60℃で4分間)を含む5の増幅サイクルに供することにより生成され、次いで、この第2のアンプリコンを含む第2の増幅組成物は、4℃に冷却された。
【0162】
1.2μLの各々の4つの熱サイクルされた第2の増幅組成物を、MicroAmp Optical 96ウェル反応プレート(Applied Biosystems P/N N801−0560)の別個のウェルに添加し、1つのウェルは第2のアンプリコンの各々のためであり、そして各々は、5〜10%のGeneScanTM−500 ROXTMサイズ標準品を含む12μLのHiDiTMホルムアミドと混合された。この反応プレートを、96ウェルの3100 Genetic Analyzerプレート隔壁で覆った。DNAを変性するために、この第2のアンプリコン−ホルムアミド混合物、分析の前に95℃で5分間加熱た。これら混合物の各々を、36cm×50ミクロンのキャピラリーおよびPOP−4ポリマーを含む、16のキャピラリーアレイを用いるABI PRISM(登録商標)3100 Genetic Analyzer上で分析した。ランモジュールは、GeneScan36_POP4DefaultModuleであり、そして分析モジュールは、GS500FragAnal.gspであった。
【0163】
図4の上のパネルは、メチル化アンプリコンピーク(1)が非メチル化アンプリコンピーク(2)と実質的に重複する、従来のNTPミックスを用いて得た結果を示す。図4の
下のパネルは、dATP、dGTP、dTTP、およびα−チオ−dCTPを含むNTPミックスを用いて得た結果を示す。このメチル化アンプリコンピーク(1)と非メチル化アンプリコンピーク(2)との間の距離は、(テイル部分中の任意のアナログは除く)非メチル化アンプリコン中にはなく、メチル化アンプリコン中の移動度シフトdCTPアナログの存在に起因して増加される。α−チオ−dCTPは、標的領域が5mCを含む場合はいつもメチル化アンプリコン中に取り込まれ、メチル化アンプリコンの移動度のシフトを生じる。
【0164】
図5の上のパネルは、混合された改変サンプル(50%の改変メチル化サンプルおよひ50%の改変非メチル化サンプル)、およびビオチン−aha−dCTPを含むdNTPミックスを用いて得た結果を示す。この上のパネルに示されるように、一連のアンプリコンピークが観察され、非メチル化アンプリコンピーク(1)はメチル化アンプリコンピーク(2)よりゆっくりと移動した。図5の下のパネルは、改変メチル化サンプル、およびdATP、dGTP、dTTP、およびビオチン−aha−dCTPを含むdNTPミックスを用いて得た結果を示す。従って、この下のパネルに見られるアンプリコンピークは、完全にメチル化されたSRBC標的領域からのみ派生する第2のアンプリコンに対応する。このメチル化されたアンプリコンピークは、標的領域中の13のCG対、およびプライマー中の4のCに起因して、17のビオチン−aha−dCTPを含むはずである順方向の第2のアンプリコンを含んだ。特定の理論によつて制限されることは意図されないが、混合されたメチル化アンプリコンおよび非メチル化アンプリコン(上のパネル)およびメチル化アンプリコン単独(下のパネル)について観察された複数のピークは、第2の増幅反応の間にMSAで終了する、ビオチン−aha−dCTP調製物中の夾雑物としてdCTPの存在に起因するようであり得る。しかし、図5の下のパネルで見られるように、メチル化されたSRBC標的領域由来の関連アンプリコンファミリーのピーク(文字「a」〜「o」によって指定される15の比較的均一に間隔を置いたピーク)が、これらの例示の反応条件およわび分析する技法を用いて検出された。
【0165】
現在の教示の組成物、方法、およびキットは、本明細書で広くかつ一般的に(属として)記載されてきた。この一般的な開示内に入るより狭い種(species)および亜−属(sub−generic)グループ分けの各々はまた、現在の教示の一部を形成する。これは、この属から任意の主題を除去する条件または負の限定が、切除される事項が
本明細書に詳細に記載されているか否かにかかわらず、現在の教示の包括的な説明を含む。
【0166】
開示された教示が、種々の適用、方法、およびキットを参照して説明されたが、種々の変更および改変が本明細書中の教示から逸脱することなくなされ得ることが認識される。前述の実施例は、本教示をより良好に説明するために提供され、そして本明細書中の教示の範囲を制限することは意図されない。現在の教示の特定の局面は、添付の請求項を考慮してさらに理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0167】
【図1】図1は、特定の開示された方法の種々の実施形態の概略図を提供する。
【図2】図2は、実施例2に記載されるような、開示された方法を使用して得られた例示的な結果を示す。1:メチル化されているアンプリコンのピーク;2:メチル化されていないアンプリコンのピーク。
【図3】図3Aおよび3Bは、実施例3に記載されるような、開示された方法を使用して得られた例示的な結果を示す。1:メチル化されているアンプリコンのピーク;2:メチル化されていないアンプリコンのピーク;10%、25%、50%、75%および100%は、サンプル中のメチル化されていない標的領域の%を示す。
【図4】図4は、実施例4に記載されるような、例示のMSA(α−チオ−dCTP)を含む開示された実施形態を使用して得られた例示の結果を示す。1:メチル化されているアンプリコンのピーク;2:メチル化されていないアンプリコンのピーク。
【図5】図5は、実施例4に記載されるような、MSA(ビオチン−aha−dCTP)を含む開示された実施形態を使用して得られた例示の結果を示す。1:メチル化されていないアンプリコンのピーク;2:メチル化されているアンプリコンのピーク;下のパネル:ピーク「a」〜「o」は、例示のメチル化されている標的領域に由来するアンプリコンのピークを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプル中の少なくとも1つのゲノムDNA(gDNA)標的領域のメチル化の程度を決定するための方法であって、
該サンプルを改変剤に曝して、改変されたサンプルを得る工程;
少なくともいくつかの該改変されたサンプルと、各標的領域に対する標的特異的プライマー対と、第1のDNAポリメラーゼとを含む第1の増幅組成物を形成する工程;
該第1の増幅組成物を増幅の少なくとも1つの第1のサイクルに供して、少なくとも1つの第1の増幅産物を産生する工程;
該少なくとも1つの第1の増幅産物の少なくとも一部を分析する工程;および
少なくとも1つの標的領域のメチル化の程度を決定する工程;
を包含する、方法。
【請求項2】
前記分析する工程は、電気泳動を包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の増幅組成物は、レポータープローブ、挿入剤、またはレポータープローブおよび挿入剤をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記改変剤は、少なくとも1つのメチル化されていない標的ヌクレオチドを改変型ヌクレオチドへと改変するが、少なくとも1つのメチル化されている標的ヌクレオチドを改変型ヌクレオチドへと改変しない、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つのgDNA標的領域は、多数の異なるgDNA標的領域を含み、そして前記少なくとも1つの標的特異的プライマー対は、多数の異なる標的特異的プライマー対を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の増幅組成物は、多数の異なる第1の増幅組成物を含み、該多数の異なる第1の増幅組成物は、それぞれ、(a)少なくともいくつかの前記改変されたサンプルおよび(b)1つの標的特異的プライマー対、2つの異なる標的特異的プライマー対、3つの異なる標的特異的プライマー対、4つの異なる標的特異的プライマー対、5つの異なる標的特異的プライマー対、または6つの異なる標的特異的プライマー対を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
少なくとも1つのプライマー対は、第1のレポーター基を含む順方向プライマー、第2のレポーター基を含む逆方向プライマー、または第1のレポーター基を含む順方向プライマーおよび第2のレポーター基を含む逆方向プライマーを含み、該第1のレポーター基および該第2のレポーター基は、同一であるか、または異なる、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記増幅の少なくとも1つの第1サイクルは、増幅の多数のサイクルを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
サンプル中の少なくとも1つのgDNA標的領域のメチル化の程度を決定するための方法であって、
該サンプルを改変剤に曝して、改変されたサンプルを得る工程;
少なくともいくつかの該改変されたサンプルと、各標的領域に対する標的特異的プライマー対と、移動度シフトアナログと、第1のDNAポリメラーゼとを含む第1の増幅組成物を形成する工程;
該第1の増幅組成物を増幅の少なくとも1つの第1サイクルに供して、少なくとも1つの移動度シフトアナログを含む少なくとも1つの第1の増幅産物を産生する工程;
該第1の増幅産物の少なくとも一部を分析する工程;および
該少なくとも1つの標的領域のメチル化の程度を決定する工程;
を包含する、方法。
【請求項10】
前記決定する工程は、少なくとも1つの標的領域中のメチル化されている標的ヌクレオチドの数を同定する工程を包含する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記少なくとも1つの移動度シフトアナログは、ビオチン部分、フルオロフォア、炭化水素、炭化水素の複素環式誘導体、ボラノ三リン酸、ポリエチレングリコール部分、およびチオ三リン酸のうちの少なくとも1つを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記分析する工程は、電気泳動を包含する、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の増幅組成物は、レポータープローブ、挿入剤、またはレポータープローブおよび挿入剤をさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記改変剤は、少なくとも1つのメチル化されていない標的ヌクレオチドを改変型ヌクレオチドへと改変するが、少なくとも1つのメチル化されている標的ヌクレオチドを改変型ヌクレオチドへと改変しない、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
前記少なくとも1つのgDNA標的領域は、多数の異なるgDNA標的領域を含み、そして前記少なくとも1つの標的特異的プライマー対は、多数の異なる標的特異的プライマー対を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項16】
前記第1の増幅組成物は、多数の異なる第1の増幅組成物を含み、該多数の異なる第1の増幅組成物は、それぞれ、(a)少なくともいくつかの前記改変されたサンプルおよび(b)1つの異なる標的特異的プライマー対、2つの異なる標的特異的プライマー対、3つの標的特異的プライマー対、4つの異なる標的特異的プライマー対、5つの異なる標的特異的プライマー対、または6つの異なる標的特異的プライマー対を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
少なくとも1つのプライマー対は、第1のレポーター基を含む順方向プライマー、第2のレポーター基を含む逆方向プライマー、または第1のレポーター基を含む順方向プライマーおよび第2のレポーター基を含む逆方向プライマーを含み、該第1のレポーター基および該第2のレポーター基は、同一であるか、または異なる、請求項9に記載の方法。
【請求項18】
前記増幅の少なくとも1つの第1サイクルは、増幅の多数のサイクルを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項19】
サンプル中の少なくとも1つのgDNA標的領域のメチル化の程度を決定するための方法であって、
該サンプルを亜硫酸水素ナトリウムに曝して、改変されたサンプルを得る工程;
少なくともいくつかの該改変されたサンプルと、各標的領域に対する標的特異的プライマー対と、少なくとも1つの移動度シフトアナログと、第1のDNAポリメラーゼとを含む第1の増幅組成物を形成する工程であって、少なくとも1つの順方向プライマー、少なくとも1つの逆方向プライマーまたは標的特異的プライマー対の両方のプライマーが、蛍光レポーター基を含み、そして該少なくとも1つの移動度シフトアナログが、ビオチン部分、フルオロフォア、炭化水素、炭化水素の複素環式誘導体、ボラノ三リン酸、ポリエチレングリコール部分、およびチオ三リン酸のうちの少なくとも1つを含む、工程;
該第1の増幅組成物を増幅の少なくとも1つの第1サイクルに供して、少なくとも1つの移動度シフトアナログを含む少なくとも1つの第1の増幅産物を産生する工程;
該少なくとも1つの第1の増幅産物の少なくとも一部をキャピラリー電気泳動を使用して分析する工程;および
該少なくとも1つの標的領域のメチル化の程度を決定する工程;
を包含する、方法。
【請求項20】
サンプル中の少なくとも1つのgDNA標的領域のメチル化の程度を決定するための方法であって、
該サンプルを改変剤に曝して、改変されたサンプルを得る工程;
少なくともいくつかの該改変されたサンプルと、各標的領域に対する標的特異的プライマー対と、第1のDNAポリメラーゼとを含む少なくともいくつかの該改変されたサンプルを含む第1の増幅組成物を形成する工程;
該第1の増幅組成物を増幅の少なくとも1つの第1サイクルに供して、少なくとも1つの第1の増幅産物を産生する工程;
少なくともいくつかの該第1の増幅産物と、少なくとも1つの第1の増幅産物プライマーと、第2のDNAポリメラーゼと、移動度シフトアナログとを含む第2の増幅組成物を形成する工程;
該第2の増幅組成物を増幅の少なくとも1つの第2のサイクルに供して、少なくとも1つの移動度シフトアナログを含む少なくとも1つの第2の増幅産物を産生する工程;
該少なくとも1つの第2の増幅産物の少なくとも一部を分析する工程;および
該少なくとも1つの標的領域のメチル化の程度を決定する工程;
を包含する、方法。
【請求項21】
前記決定する工程は、少なくとも1つの標的領域中のメチル化されている標的ヌクレオチドの数を同定する工程を包含する、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記少なくとも1つの移動度シフトアナログは、ビオチン部分、フルオロフォア、炭化水素、炭化水素の複素環式誘導体、ボラノ三リン酸、ポリエチレングリコール部分、およびチオ三リン酸のうちの少なくとも1つを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記少なくとも1つの第1の増幅産物プライマーは、ユニバーサルプライミング配列またはその相補体を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
前記少なくとも1つの第1の増幅プライマーは、少なくとも1つの第1の増幅産物プライマー対を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項25】
該少なくとも1つの第1の増幅産物プライマー対のうちの少なくとも1つのプライマーは、ユニバーサルプライミング配列またはその相補体を含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記第1のDNA ポリメラーゼおよび第2のDNAポリメラーゼは、同一であるか、または異なる、請求項20に記載の方法。
【請求項27】
前記分析する工程は、電気泳動を包含する、請求項20に記載の方法。
【請求項28】
前記第2の増幅組成物は、レポータープローブ、挿入剤、またはレポータープローブおよび挿入剤をさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項29】
前記改変剤は、少なくとも1つのメチル化されていない標的ヌクレオチドを改変型ヌクレオチドへと改変するが、少なくとも1つのメチル化されている標的ヌクレオチドを改変型ヌクレオチドへと改変しない、請求項20に記載の方法。
【請求項30】
前記少なくとも1つのgDNA標的領域は、多数の異なるgDNA標的領域を含み、そして前記少なくとも1つの標的特異的プライマー対は、多数の異なる標的特異的プライマー対を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項31】
前記第1の増幅組成物は、多数の異なる第1の増幅組成物を含み、該多数の異なる第1の増幅組成物は、それぞれ、(a)少なくともいくつかの前記改変されたサンプルおよび(b)1つの異なる標的特異的プライマー対、2つの異なる標的特異的プライマー対、3つの異なる標的特異的プライマー対、4つの異なる標的特異的プライマー対、5つの異なる標的特異的プライマー対、または6つの異なる標的特異的プライマー対を含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
少なくとも1つの第1の増幅産物プライマーは、第1のレポーター基を含む第1の増幅産物の順方向プライマー、第2のレポーター基を含む第1の増幅産物の逆方向プライマー、または第1のレポーター基を含む第1の増幅産物の順方向プライマーおよび第2のレポーター基を含む第1の増幅産物の逆方向プライマーを含み、該第1のレポーター基および該第2のレポーター基は、同一であるか、または異なる、請求項20に記載の方法。
【請求項33】
(a)(i)前記第1の増幅組成物を増幅の少なくとも1つの第1サイクルに供する工程、(ii)前記第2の増幅組成物を増幅の少なくとも1つの第2のサイクルに供する工程、または(iii)前記第1の増幅組成物を増幅の少なくとも1つの第1サイクルに供する工程および前記第2の増幅組成物を増幅の少なくとも1つの第2のサイクルに供する工程は、(b)増幅の多数のサイクルを包含する、請求項20に記載の方法。
【請求項34】
Q−PCR反応をさらに包含し、そして少なくとも1つの増幅産物が、レポータープローブ結合部分をさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項35】
前記増幅の第2のサイクルは、Q−PCRを包含し、少なくとも1つの第1の増幅産物は、レポータープローブ結合部分を含み、そして前記第2の増幅組成物は、少なくとも1つのレポータープローブをさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項36】
サンプル中の少なくとも1つのgDNA標的領域のメチル化の程度を決定するための方法であって、
該サンプルを亜硫酸水素ナトリウムに曝して、改変されたサンプルを得る工程;
少なくともいくつかの前記改変されたサンプルを含む第1の増幅組成物と、各標的領域に対する標的特異的プライマー対と、第1のDNAポリメラーゼとを形成する工程;
該第1の増幅組成物を増幅の少なくとも1つの第1サイクルに供して、少なくとも1つの第1の増幅産物を産生する工程;
少なくともいくつかの該第1の増幅産物と、蛍光レポーター基を含む少なくとも1つの増幅産物の順方向プライマーと、許容DNAポリメラーゼと、移動度シフトアナログとを含む第2の増幅組成物を形成する工程であって、該少なくとも1つの移動度シフトアナログは、ビオチン部分、フルオロフォア、炭化水素、炭化水素の複素環式誘導体、ボラノ三リン酸、ポリエチレングリコール部分、およびチオ三リン酸のうちの少なくとも1つを含む、工程;
該第2の増幅組成物を増幅の少なくとも1つの第2のサイクルに供して、少なくとも1つの移動度シフトアナログを含む少なくとも1つの第2の増幅産物を産生する工程;
前記少なくとも1つの第2の増幅産物の少なくとも一部をキャピラリー電気泳動を使用して分析する工程;ならびに
前記少なくとも1つの標的領域のメチル化の程度を決定する工程;
を包含する、方法。
【請求項37】
Q−PCR反応をさらに包含し、そして少なくとも1つの増幅産物が、レポータープローブ結合部分をさらに含む、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記増幅の第2のサイクルは、Q−PCRを含み、少なくとも1つの第1の増幅産物は、レポータープローブ結合部分を含み、そして前記第2の増幅組成物は、少なくとも1つのレポータープローブをさらに含む、請求項36に記載の方法。
【請求項39】
第1のDNAポリメラーゼと、移動度シフトアナログと、各標的領域に対する標的特異的プライマー対とを備える、キット。
【請求項40】
制御配列、改変剤、増幅産物プライマー、許容DNAポリメラーゼ、レポータープローブ、挿入剤、およびレポーター基のうちの少なくとも1つをさらに備える、請求項39に記載のキット。
【請求項41】
前記移動度シフトアナログは、ビオチン部分、フルオロフォア、炭化水素、炭化水素の複素環式誘導体、ボラノ三リン酸、ポリエチレングリコール部分、およびチオ三リン酸のうちの少なくとも1つを含む、請求項39に記載のキット。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2009−508475(P2009−508475A)
【公表日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−529017(P2008−529017)
【出願日】平成18年6月16日(2006.6.16)
【国際出願番号】PCT/US2006/023669
【国際公開番号】WO2008/018855
【国際公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願人】(500069057)アプレラ コーポレイション (120)
【住所又は居所原語表記】850 Lincoln Centre Drive Foster City CALIFORNIA 94404 U.S.A.
【Fターム(参考)】